JP5466599B2 - 湿球温度計 - Google Patents

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Description

本発明は、湿球温度計に関するものである。
従来、測定空間の湿球温度を測定する湿球温度計として、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。この湿球温度計では、湿球温度検出部(湿球温度センサ)の下方に水の入ったウィックパンが配置され、このウィックパン内の水を吸い上げることができるようにその一部を水に浸した状態のガーゼ等からなるウィックによって湿球温度検出部が包まれている。また、ウィックパンには、当該ウィックパン内の水位を保つための給水手段が接続されている。この給水手段は、ウィックパン内の水位を検知し、この水位が所定の水位よりも下がったときに、給水タンク内に貯留されている水をウィックパン内に補給することで、ウィックパン内の水位を保つように構成される。
この湿球温度計では、ウィックがウィックパン内の水を吸い上げ、この水を含んだ状態のウィックに包まれた湿球温度検出部により検出された温度が湿球温度として出力される。
特開平11−30600号公報
しかしながら、上記特許文献1の湿球温度計では、ウィックが古くなって汚れてくると水を吸い上げる力が弱まって正確な湿球温度を検出できなくなるため、その度に煩雑なウィックの交換作業を行う必要がある。このため、湿球温度計のメンテナンスに係る作業負担が大きくなる。
また、上記特許文献1の湿球温度計では、湿球温度を測定する際、通常、ウィックから水が蒸発し続けるため、給水タンク内の水の残量の確認や給水タンクへの給水を定期的に行わなければならなかった。
そこで、メンテナンス性がよく且つ水を補給しなくても湿球温度を測定し続けることが可能な湿球温度計を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意研究を行った結果、測定空間と当該測定空間に対して断熱部で隔てられる外部空間とに跨って配置される結露誘発部が結露してその表面に生じた水の温度が、水を含ませたウィックを用いて測定した湿球温度と等しくなることを発見した。
本発明は、このような発見によりなされたものであり、測定空間の湿球温度を測定するための湿球温度計であって、前記測定空間と当該測定空間に対して断熱部で隔てられる空間とに跨って配置される結露誘発部と、前記結露誘発部の測定空間内に位置する部位の温度が前記断熱部で隔てられる空間に位置する部位の温度よりも低温でかつ露点以下になったことによる当該部位の表面の結露により生じた水の温度を湿球温度として検出する温度検出部と、を備え、前記温度検出部の温度検出部位は、前記結露誘発部の表面と間隔をおいた位置で、且つ前記結露誘発部の測定空間内に位置する部位が結露したときにこの結露により前記測定空間内に位置する部位の表面に生じた水と接触可能な位置に配置されているものを提供する。
この湿球温度計によれば、結露誘発部において測定空間に対して断熱部で隔てられた空間(以下、「断熱部で隔てられた空間」と称する。)内に位置する部位の温度を測定空間内に位置する部位の温度より低温にして、前記測定空間内に位置する部位の温度を露点以下にしてその表面に結露させることにより生じた水の温度を検出することによって、測定空間内の湿球温度を測定することができる。このとき、結露誘発部の測定空間内に位置する部位の少なくとも一部が露点以下となっていればよい。
しかも、当該湿球温度計によれば、従来の湿球温度計のようにウィックを必要としないので、古くなって水の吸い上げが悪くなる毎にウィックを交換するといったメンテナンスに係る作業負担を軽減することができる。また、この湿球温度計によれば、測定空間内の空気中に含まれる水分を利用して湿球温度を測定するため、水を補給することなく湿球温度を測定し続けることができる。即ち、当該湿球温度計によれば、メンテナンス性がよく且つ水を補給しなくても湿球温度を測定し続けることができる。
また、温度検出部の温度検出部位と結露誘発部の表面との間に間隔が設けられることで温度検出部位が結露誘発部の表面温度を直接検出することを防止することができる。そのため、結露により結露誘発部の測定空間内に位置する部位の表面に生じた水の温度をより精度よく測定することができる。
本発明に係る湿球温度計において、前記結露誘発部は、ヒートパイプであることが好ましい。このように、伝熱性能の優れたヒートパイプを結露誘発部として用いることにより、応答性の優れた湿球温度計が得られる。
前記結露誘発部の前記測定空間内に位置する部位で結露を生じさせる程度まで前記結露誘発部の前記断熱部で隔てられた空間内に位置する部位を冷却する冷却手段を備えることが好ましい。
このように、結露誘発部の前記断熱部で隔てられた空間内に位置する部位を冷却手段によって冷却すると、結露誘発部の測定空間内に位置する部位の温度も下がり結露し易くなるため、湿度の低い測定空間においても湿球温度を測定することが可能となる。
前記断熱部において下側に前記測定空間が位置すると共に上側に前記断熱部に隔てられた空間が位置する部位を上下方向に貫通するように前記結露誘発部が配置され、前記温度検出部は、前記結露誘発部の下端位置で結露により生じた水の温度を検出することが好ましい。
このように、結露により生じた水が最も多く集まる結露誘発部の下端位置において前記水の温度を検出することにより、湿球温度をより精度よく検出することができる。即ち、結露誘発部の測定空間内に位置する部位が結露すると、当該測定空間内に位置する部位の表面に付着した水が重力により当該表面を伝って結露誘発部の下端部に集まるため、この位置で結露により生じた水の温度を検出することにより、湿球温度をより精度よく検出することが可能となる。
以上より、本発明によれば、メンテナンス性がよく且つ水を補給しなくても湿球温度を測定し続けることが可能な湿球温度計を提供することができる。
第1実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。 第2実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。 第3実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による湿球温度計の構成について説明する。
本実施形態の湿球温度計は、測定空間S1内の湿球温度を測定するものであり、図1に示すように、結露誘発部2と、温度センサ(温度検出部)4と、表示装置6とを備える。
結露誘発部2は、ヒートパイプによって構成されており、内部に作動流体としての水が減圧状態で封入されると共にヒートパイプ現象を生じさせ得るように構成されている。ここでいうヒートパイプ現象とは、封入された作動流体が所定の場所で蒸発と凝縮を繰り返すことにより、作動流体が蒸発するところから凝縮するところへ、作動流体の流動に伴って熱が輸送される現象を意味している。本実施形態のように、結露誘発部2としてヒートパイプを用いることによって、高温高湿への耐性を有する結露誘発部2が得られる。
この結露誘発部2は、測定空間S1内と、この測定空間S1の外側の空間S2とに跨って配置される。本実施形態では、空間S2を低温側空間と称する。
結露誘発部2のうち測定空間S1内に位置する部位を内側部2aとし、低温側空間S2内に位置する部位を外側部2bとする。測定空間S1は、例えば、断熱壁100(断熱部)で囲まれた恒温恒湿槽101の内側の空間である。一方、低温側空間S2は、前記恒温恒湿槽101の外側の空間である。恒温恒湿槽101の駆動により測定空間S1の温度を低温側空間S2の温度よりも高くすることが可能となっている。
恒温恒湿槽101は、例えば、供試体を収容する測定空間S1と、この測定空間S1内の空気の湿度と温度とを調整する空調部(図示省略)を備える。この空調部には、例えば、加温部や送風部、加湿部等が配設されている。
この恒温恒湿槽101において、下側に測定空間S1が位置すると共に上側に低温側空間S2が位置する部位である天壁部を構成する断熱壁100には貫通孔100aが形成されている。結露誘発部2は、この貫通孔100aに挿通されることにより、測定空間S1と低温側空間S2とに跨って配置される。これにより、結露誘発部2の内側部2a内で作動流体が蒸発し、外側部2b内で気体状の作動流体が凝縮するようになっている。
また、結露誘発部2は、天壁部の貫通孔100aに挿通されることにより、垂直に起立した姿勢で配設されている。これにより、結露誘発部2の内側部2aの表面が結露したときに、その表面に生じた水(結露水)が重力により当該表面を伝って結露誘発部2(内側部2a)の下端部に集まる。このように下端部に集まった結露水の温度が温度センサ4により検出される。尚、結露誘発部2は、垂直に起立した姿勢で配設されるのみならず、ヒートパイプ現象が発生可能な範囲であり、且つ、内側部2aの表面に生じた結露水が結露誘発部2の長さ方向に流れるような角度であれば、垂直からある程度傾斜した姿勢で配設されていてもよい。
温度センサ4は、結露誘発部2の内側部2aが結露することにより生じた結露水の温度を検出し、その検出結果に応じた信号を出力する。この温度センサ4は、結露誘発部2の下端位置において、結露誘発部2(内側部2a)の表面温度を直接測定しないように、当該結露誘発部2の表面と間隔をおいて配置される。具体的に、結露誘発部2の表面と温度センサ4との間隔は、内側部2aが結露したときに、この結露により内側部2aの表面に生じた結露水と接触可能な間隔である。詳しくは、結露誘発部2の表面と温度センサ4との間隔は、0.1〜10mm程度であり、好ましくは、1〜3mmである。尚、本実施形態の温度センサ4は、結露誘発部2の下端の鉛直下方位置に配置されているが、この位置に限定されず、結露誘発部2の表面と所定の間隔をおいた位置で且つこの表面に生じた結露水と接触可能な位置であれば他の位置に配置されてもよい。このような位置で、温度センサ4は、例えば、結露水とは接触可能に、ごく小さな断熱部材を介して結露誘発部2に取り付けてもよい。
表示装置6は、温度センサ4により検出した結露水の温度を表示する装置であり、表示部6aを有する。表示装置6には、温度センサ4から出力された信号が入力される。この表示装置6は、温度センサ4からの信号に基づいて当該センサ4が検出した結露水の温度を湿球温度として表示部6aに表示する。尚、表示装置6は、検出された湿球温度を表示する構成に限定されずに、印字等によって出力するように構成されてもよい。
このように構成される湿球温度計では、以下のようにして測定空間S1の湿球温度が測定される。
結露誘発部2の測定空間S1側の端部と低温側空間S2側の端部とに温度差を形成する。具体的に、恒温恒湿槽101を駆動させ、測定空間S1の温度を低温側空間S2の温度よりも高くする。例えば、結露誘発部2の表面温度が露点以下になる条件である中〜高温多湿条件下(具体的には、40℃、95%RH / 60℃、50%RH及び95%RH / 80℃、50%RH及び95%RH / 85℃、98%RH 等:後述の表1参照)に調整する。これにより、結露誘発部2の外側部2bが内側部2aよりも低温となり、内側部2aの温度が露点以下となって結露誘発部2の内側部2aに測定空間S1中に存在する水分が付着して凝縮する(即ち、結露する)。このとき、結露誘発部2にはヒートパイプ現象が生じる。尚、内側部2a全体が露点以下となっていなくてもよく、その一部が露点以下であればよい。
詳しくは、内側部2aの外面における水分の凝縮に伴って発生する凝縮熱(潜熱)によって、内側部2a内の作動流体が蒸発し、気体状の作動流体が略音速で結露誘発部2の外側部2bに向かって流れる。一方、外側部2bでは、低温側空間S2が測定空間S1よりも低温であることに起因して気体状の作動流体が冷却されて凝縮し、凝縮することにより液体状となった作動流体が内側部2aに向かって流れる。このように結露誘発部2内では、作動流体が所定の場所で蒸発と凝縮を繰り返すことにより、作動流体が蒸発するところから凝縮するところへ、作動流体の流動に伴って熱が輸送される。
このように結露誘発部2にヒートパイプ現象が生じて内側部2aが結露すると、この結露により内側部2aの表面に付着した結露水が重力により当該内側部2aの表面を伝って結露誘発部2の下端部に集まる。このとき、内側部2aの表面を伝って下端部に移動する結露水の一部が蒸発し、その際の潜熱によって結露水の温度が下がる。
このようにして結露誘発部2の下端部に集まった結露水の温度が温度センサ4により検出される。そして、温度センサ4から出力された信号に基づき、表示装置6がこの検出された温度を測定空間S1の湿球温度として表示(出力)する。
以上説明したように、第1実施形態の湿球温度計によれば、結露誘発部2の外側部2bの温度を内側部2aの温度より低温にして、測定空間S1内に位置する内側部2aの表面に結露させることにより生じた水の温度を検出することによって、測定空間S1内の湿球温度を測定することができる。
このように、測定空間S1内の空気中の水分を利用して湿球温度を測定するため、湿球温度計用の水分補給手段が不要となる。また、結露によって生じる水(結露水)を利用しているため、水温も安定しており、供給水温による測定精度への影響も発生しない。
しかも、当該湿球温度計によれば、従来の湿球温度計のようにウィックを必要としないので、古くなって水の吸い上げが悪くなる毎にウィックを交換するといったメンテナンスに係る作業負担を軽減することができる。また、この湿球温度計によれば、測定空間S1内の空気中に含まれる水分を利用して湿球温度を測定するため、水を補給することなく湿球温度を測定し続けることができる。即ち、当該湿球温度計によれば、メンテナンス性がよく且つ水を補給しなくても湿球温度を測定し続けることができる。
また、第1実施形態による湿球温度計では、伝熱性能の優れたヒートパイプを結露誘発部2として用いるため、応答性の優れた湿球温度計が得られる。
また、第1実施形態による湿球温度計では、温度センサ4と結露誘発部2の表面との間に間隔が設けられることで温度センサ4が結露誘発部2の表面温度を直接検出することを防止することができる。そのため、結露により内側部2aの表面に生じた水の温度をより精度よく測定することができる。
また、第1実施形態による湿球温度計では、結露により生じた水が最も多く集まる結露誘発部2の下端位置において前記水の温度を検出することにより、湿球温度をより精度よく検出することができる。即ち、内側部2aの表面が結露すると、当該内側部2aの表面に付着した水が重力により当該表面を伝って結露誘発部2の下端部に集まるため、この位置で結露により生じた水の温度を検出することにより、湿球温度をより精度よく検出することが可能となる。
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態による湿球温度計の構成について説明するが、上記第1実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ詳細に説明する。
本実施形態の露点計は、図2に示すように、結露誘発部2と、冷却手段10と、温度センサ4と、表示装置6とを備えている。
冷却手段10は、内側部2aにおいて結露を促すべく、結露誘発部2の外側部2bを冷却するためのものである。本実施形態の冷却手段10は、放熱部材12と、送風ファン(送風手段)14とを有する。
放熱部材12は、低温側空間S2に放熱可能な面の面積を増加させることによって結露誘発部2の外側部2bを冷却するものであり、結露誘発部2の外側部2bに当該外側部2bから放熱部材12に熱伝導可能に取り付けられ、低温側空間S2と接する放熱面12aを有する。本実施形態では、放熱部材12として、複数(本実施形態では3つ)の放熱フィン12,12,…が用いられる。尚、放熱部材12は、放熱フィンに限定されず、外側部2bからの熱を放熱可能な面の面積を増大できればよく、ヒートシンク等であってもよい。また、放熱フィンは、複数枚に限定されず、1枚でもよい。
送風ファン14は、外側部2bに向けて送風することによって外側部2bから低温側空間S2に放出される熱量を増加させ、これにより、結露誘発部2の外側部2bを冷却するものである。本実施形態の送風ファン14は、外側部2b及び放熱部材12に向けて送風可能に構成される。
このように構成される湿球温度計では、以下のようにして測定空間S1の湿球温度が測定される。
結露誘発部2の測定空間S1側の端部と低温側空間S2側の端部とに温度差を形成し、結露誘発部2にヒートパイプ現象を生じさせる。
結露誘発部2にヒートパイプ現象が生じて内側部2aが結露し、内側部2aの表面を伝って結露誘発部2の下端部に集まった結露水の温度を温度センサ4により検出する。そして、温度センサ4から出力された信号に基づき、表示装置6がこの検出された温度を測定空間S1の湿球温度として表示(出力)する。
以上説明したように、第2実施形態の湿球温度計によれば、結露誘発部2の外側部2bの温度を内側部2aの温度より低温にして、内側部2aの表面に結露させることにより生じた水の温度を検出することによって、測定空間S1内の湿球温度を測定することができる。しかも、当該湿球温度計によれば、ウィックを交換するといったメンテナンスに係る作業負担を軽減することができると共に、水を補給することなく湿球温度を測定し続けることができる。
また、第2実施形態による湿球温度計では、冷却手段10を備えることにより、結露誘発部2の内側部2aの温度も下がり結露し易くなるため、湿度の低い測定空間S1においても湿球温度を測定することが可能となる。
また、第2実施形態による湿球温度計では、冷却手段10として、外側部2bに放熱面12aを有する放熱部材12が取付けられることで、外側部2bの表面に加え、放熱部材12の放熱面12aからも結露誘発部2の熱を低温側空間S2に放出することができるため、冷却のための動力や電力を供給することなく、結露誘発部2を効果的に冷却することができる。
また、冷却手段10として、送風ファン(送風手段)14が用いられることで、風量を調整するだけで結露誘発部2に対する冷却能力を容易に調整することができる。
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態による湿球温度計の機能を説明するためのブロック図である。次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態による湿球温度計の構成について説明するが、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ詳細に説明する。
この第3実施形態による露点計は、上記第1実施形態及び第2実施形態による露点計と異なり、結露誘発部22において気体状の作動流体が凝縮する基側部22bを閉塞空間S3内で強制的に冷却するようになっている。尚、本実施形態においては、閉塞空間S3を低温側空間と称する。
具体的に、本実施形態による湿球温度計は、結露誘発部22と、ペルチェ素子(冷却手段)8と、温度センサ4と、断熱部200と、表示装置6とを備えている。
ペルチェ素子8は、吸熱側と放熱側とを備え、入力電力に応じて吸熱側が吸熱動作を行うとともに放熱側が放熱動作を行う。そして、ペルチェ素子8の吸熱側が結露誘発部22の基側部22b(第1実施形態における外側部2bに相当)の端部に接続されている。これにより、ペルチェ素子8は、結露誘発部22の基側部22bを冷却して結露誘発部22の先側部22a(第1実施形態における内側部2aに相当)と基側部22bとに温度差を生じさせ、先側部22aを結露させる。
断熱部200は、結露誘発部22の基側部22b及びペルチェ素子8の周りを囲うように設けられている。即ち、結露誘発部22のうち先側部22aが開放された空間である測定空間S1の雰囲気下に位置し、基側部22bが閉じた低温側空間S3内に位置している。この断熱部200により、測定空間S1の温度に対して断熱部200内(低温側空間S3)の温度を低温に保持できるようになっている。
表示装置6には、制御部20が設けられている。この制御部20は、ペルチェ素子8を制御する部位である。具体的に、制御部20は、結露誘発部22においてヒートパイプ現象が完全に生じていても、測定空間S1の相対湿度が低いために先側部22aに結露が生じない場合には、さらにペルチェ素子8の吸熱側の冷却能力を上げる。これにより、結露誘発部22の温度が下がって結露し易くなるため、測定空間S1の相対湿度が低くても先側部22aに結露が生じ、これにより、湿球温度を求めることが可能となる。即ち、結露誘発部22にペルチェ素子(冷却手段)8が設けられることで、当該湿球温度計の測定可能な湿度範囲がより広がる。
尚、本実施形態の制御部20は、表示装置6に設けられているが、これに限定されず、他の装置等に配置されてもよい。
このように構成される湿球温度計では、以下のようにして測定空間S1の湿球温度が測定される。
第3実施形態による湿球温度計では、結露誘発部22の先側部22aが開放された空間である測定空間S1の雰囲気下に配置される。
次に、制御部20がペルチェ素子8の吸熱側の冷却能力を制御する。この際、所定の温度差が基側部22bの端部近傍の外面温度と先側部22aの端部近傍の外面温度との間に付くように、基側部22bが冷却される。これにより、結露誘発部22ではヒートパイプ現象が完全に生じ、結露誘発部22の先側部22aの表面(外面)に結露が生じる。
結露誘発部22表面を伝って当該結露誘発部22の下端部に集まった結露水の温度を温度センサ4により検出する。そして、温度センサ4から出力された信号に基づき、表示装置6がこの検出された温度を測定空間S1の湿球温度として表示(出力)する。
尚、結露誘発部22において、ヒートパイプ現象が完全に生じていても先側部22aが結露しない場合は、制御部20が、ペルチェ素子8の吸熱側の冷却能力を上げて結露誘発部22の温度を下げて結露し易くする。これにより、測定空間S1の相対湿度が低くても先側部22aが結露し、湿球温度を測定することが可能となる。
ここで、実際に行った測定結果について説明する。
この測定では、測定空間の温度と相対湿度とを変化させ、この測定空間の湿球温度を第1実施形態による湿球温度計を用いて測定した。また、同じ温湿度条件で、従来の乾球温度計及び湿球温度計(即ち、水を含んだウィックによって温度検出部位が包まれた温度計)を用いて乾球温度及び湿球温度を測定した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0005466599
この表1において、A欄は、従来の乾球温度計により検出した乾球温度を示し、B欄は、従来の湿球温度計により検出した湿球温度を示し、C欄は、測定空間の露点を示し、D欄は、ヒートパイプ(結露誘発部)の内側部の表面温度を示し、E欄は、第1実施形態の湿球温度計で検出した結露水の温度を示す。また、F欄は、ヒートパイプの内側部の結露の有無を示し、G欄は、B欄に示す湿球温度とE欄に示す当該湿球温度計で検出した結露水の温度との差を示す。
この測定結果から、結露誘発部2が結露した場合に、この結露により生じた水(結露水)の温度が湿球温度を示すことが確認できる。
尚、本発明の湿球温度計は、上記第1実施形態乃至第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第1乃至第3実施形態では、結露誘発部2,22としてヒートパイプが用いられるが、これに限定されない。例えば、結露誘発部2,22は、中実の銅棒等であってもよい。即ち、結露誘発部2,22は、測定空間S1と低温側空間S2(又はS3)とに跨って配置可能であり、測定空間S1から結露誘発部2,22に熱が入るときの熱抵抗及び結露誘発部2,22から低温側空間S2(又はS3)に熱が出るときの熱抵抗に比べ、結露誘発部2,22の表面に沿って又は結露誘発部2,22の内部を熱が移動するときの熱抵抗が非常に小さいものであればよい。
冷却手段10の具体的構成は、限定されない。例えば、上記第2実施形態では、冷却手段10が放熱部材12と送風ファン14とを有しているが、いずれか一方であってもよい。また、冷却手段10は、第3実施形態(図3参照)のようなペルチェ素子8等であってもよく、他の冷却素子や装置等であってもよい。
また、第2実施形態では、冷却フィン12が結露誘発部2に取り付けられているが、結露誘発部2と放熱部材とが一体成形されていてもよい。即ち、円柱状のヒートパイプに比べて低温側空間S2へ放熱可能な面(放熱面)の面積を増加させるような部位が外側部2bの一部に設けられてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、測定空間S1が断熱部100に囲まれた閉じた空間であるが、これに限定されず、周囲が囲まれていない開かれた空間であってもよい(図3の測定空間S1参照)。一方、第1実施形態及び第2実施形態では、低温側空間S2が開かれた空間であるが、これに限定されず、周囲が断熱部200に囲まれた閉じた空間であってもよい(図3の低温側空間S3参照)。即ち、上記第1乃至第3実施形態の湿球温度計によれば、閉じた空間であっても開かれた空間であっても湿球温度を測定することができる。
また、結露誘発部の設けられる位置は限定されない。例えば、第1実施形態及び第2実施形態の湿球温度計では、結露誘発部2が天壁部に設けられているが、これに限定されず、側壁等の他の部位に設けられてもよい。
2 結露誘発部
2a 内側部(結露誘発部の測定空間内に位置する部位)
2b 外側部(結露誘発部の低温側空間内に位置する部位)
4 温度センサ(温度検出部)
6 表示装置
10 冷却手段
12 放熱部材
12a 放熱面
14 送風ファン(送風手段)
100 断熱部
100a 貫通孔
S1 測定空間
S2 低温側空間

Claims (4)

  1. 測定空間の湿球温度を測定するための湿球温度計であって、
    前記測定空間と当該測定空間に対して断熱部で隔てられる空間とに跨って配置される結露誘発部と、
    前記結露誘発部の測定空間内に位置する部位の温度が前記断熱部で隔てられる空間に位置する部位の温度よりも低温でかつ露点以下になったことによる当該部位の表面の結露により生じた水の温度を湿球温度として検出する温度検出部と、を備え
    前記温度検出部の温度検出部位は、前記結露誘発部の表面と間隔をおいた位置で、且つ前記結露誘発部の測定空間内に位置する部位が結露したときにこの結露により前記測定空間内に位置する部位の表面に生じた水と接触可能な位置に配置されている湿球温度計。
  2. 前記結露誘発部は、ヒートパイプである請求項1に記載の湿球温度計。
  3. 前記結露誘発部の前記測定空間内に位置する部位で結露を生じさせる程度まで前記結露誘発部の前記断熱部で隔てられた空間内に位置する部位を冷却する冷却手段を備える請求項1又は2に記載の湿球温度計。
  4. 前記断熱部において下側に前記測定空間が位置すると共に上側に前記断熱部で隔てられた空間が位置する部位を上下方向に貫通するように前記結露誘発部が配置され、
    前記温度検出部は、前記結露誘発部の下端位置で結露により生じた水の温度を検出する請求項1乃至のいずれか1項に記載の湿球温度計。
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