JP5461270B2 - マイクロ化学装置及び化学物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学物質を製造するための装置及び化学物質製造方法に関し、特にマイクロメートルオーダーの寸法を有するマイクロ流路を用いて化学物質の製造を行うマイクロ化学装置及びそれを用いた化学物質の製造方法に関するものである。
マイクロ流路を有するマイクロ化学装置(マイクロリアクターともいう)及びそれを用いた化学物質の製造方法は、化粧品、健康食品、医薬中間品、医薬品などのファインケミカル分野など、様々な領域において適用可能であり、研究開発が進められている。
例えば、特許文献1に記載された反応方法は、第1反応試剤と第2反応試剤とを導入する導入路に、導入路を流れ方向に2分する整流板が設けられ、その整流板で仕切られた導入路の一方に第1反応試剤を、他方に第2反応試剤を、それぞれ層流になるように導入することを備えている。これにより、反応の界面面積を広くすることができ、反応生成物を大量に得ることができるとしている。
また、特許文献2及び非特許文献1に記載されたマイクロリアクタは、層流となって供給される上流側の流体に対して、下流側で供給する流体を、その流れ方向における断面形状を波状として供給することを備えている。これにより、流体の断面形状が波形になるので、流体同士の接触面積が増大し、それに応じて反応効率が高まり、マイクロリアクタの生産能力を増大することができるとしている。
特開2004−290971号公報 特開2007−50320号公報
化学工業界第41回秋季大会B214、B215
しかしながら、特許文献1に記載の反応方法は、量産性を向上させるためには、流路断面の幅と高さの比(アスペクト比)を大きくする必要があるが、アスペクト比を大きくすると偏流が生じる可能性があり、精緻混合を目的とした成層形成が困難になる。
また、特許文献2に記載のマイクロリアクタは、深溝マイクロ流路により生産性の向上ができるとしているが、適用可能な流量範囲が狭いため、生産性を大きく向上させることは困難である。
更にまた、特許文献1、2及び非特許文献1に開示されたリアクター及び反応方法では、流路寸法が固定されているので、他品種生産に対応することが困難である。
本発明は、かかる実情に鑑み、幅広い流量範囲に対応し、他品種生産を可能にするマイクロ化学装置及び化学物質製造方法を提供しようとするものである。
本発明の第1の実施形態のマイクロ化学装置は、流体を供給するための複数の供給流路と、前記複数の供給流路の末端が接続され、供給された流体を合流させるための合流部と、前記合流部に接続され、合流部から流入してきた流体を外部に流出させる反応流路と、を備え、前記複数の供給流路のうち少なくとも1つは、複数に分割されて前記合流部に接続され、前記複数の供給流路の底面と、前記反応流路の底面と、が可動プレートで構成され、前記可動プレートは、流路の深さを変える方向に摺動可能に構成されていることを主要な特徴としている。
これにより、流路の深さを可変することができるので、幅広い流量範囲に対応し、他品種生産を可能にすることができる。
また、本発明の第2の実施形態のマイクロ化学装置は、前記供給流路の幅H1に対する前記供給流路の深さD1とし、前記反応流路の幅H2に対する前記反応流路の深さD2としたとき、Dn/Hn(n=1,2)が、0.1〜100になる範囲で、深さDnが可変可能に構成されたことを主要な特徴としている。
これにより、混合性能を維持しながら幅広い流量範囲に対応することができ多品種生産を可能とすることができるという効果を有する。
更に、本発明の第3の実施形態のマイクロ化学装置は、前記合流部の底面も、前記合流部の深さ方向を変える方向に摺動可能な可動プレートで構成され、前記複数の供給流路の底面と、前記反応流路の底面と、前記合流部の底面と、が1体の可動プレートで構成されたことを主要な特徴としている。
これにより、1つの可動プレートを動かすことで、全ての流路の深さを同時に、かつ、同じだけの深さに調整することができる。
更にまた、本発明の第4の実施形態のマイクロ化学装置は、前記複数の供給流路の底面と、前記合流部の底面と、前記反応流路の底面と、が全て別々の可動プレートで構成され、全ての流路の深さを別々に調整することを可能にしたことを主要な特徴としている。
これにより、全ての流路の深さを別々に設定できるので、混合する流体の流量比が異なる品種でも合流部に流入する際の線速度を適切な速度になるように深さを設定して混合することができ、多品種生産に対応できるという効果を有する。
また、本発明の第5の実施形態のマイクロ化学装置は、前記複数の供給路の合流部側先端部が、先細りのテーパ形状に形成されていることを主要な特徴としている。これにより、先細りのテーパ形状部前の流路が太く線速度が小さいので、流動に起因する圧力損失を低減でき、また、先細りのテーパ形状により混合する流体の線速度を加速できるので、その流動エネルギーにより混合性能が向上するという効果も有する。
更に、本発明の第6の実施形態のマイクロ化学装置は、前記反応流路の合流部側先端部が、先細りのテーパ形状に形成されていることを主要な特徴としている。
更にまた、本発明の第7の実施形態のマイクロ化学装置は、前記供給流路の底面を構成する可動プレートと、前記反応流路の底面を構成する可動プレートと、前記合流部の底面を構成する可動プレートと、が一体化され、前記供給流路と、前記合流部と、の接続部において、前記供給流路の先端部は、テーパ形状を有し、前記テーパ形状は、前記供給流路の先端部が、前記合流部に近づくにつれて、前記供給流路の底面が流路の上面に近づくようにすぼまったテーパ形状であることを主要な特徴としている。
これにより、上記と同様に、先細りのテーパ形状部前の流路が太く線速度が小さいので、流動に起因する圧力損失を低減でき、先細りのテーパ形状により混合する流体の線速度を加速できるので、その流動エネルギーにより混合性能が向上するという効果も有する。
また、本発明の第8の実施形態のマイクロ化学装置は、前記反応流路と、前記合流部と、の接続部において、前記反応流路の先端部は、テーパ形状を有し、前記テーパ形状は、前記反応流路の先端部が、前記合流部に近づくにつれて、前記反応流路の底面が流路の上面に近づくようにすぼまったテーパ形状であることを主要な特徴としている。
更に、本発明の第9の実施形態のマイクロ化学装置は、合流部内の流体の温度を制御する温度調整機能を有することを主要な特徴としている。これにより、適用する化学反応の種類、化学物質の種類に応じて適切な温度範囲に調整することができる。
更にまた、本発明の第10の実施形態のマイクロ化学装置は、前記複数の供給流路と、前記合流部との接続部の断面積の総和をS1とし、前記反応流路と、前記合流部との接続部の断面積をS2とすると、S1>S2となるように構成されたことを主要な特徴としている。これにより、反応流路に流入する際の混合流体の線速度が供給流路の線速度の平均値より加速され、反応流路を流れる際のせん断力が大きくなり混合性能が向上するという効果を有する。
また、本発明の第11の実施形態のマイクロ化学装置は、前記反応流路が、前記合流部との接続部からその反対端にかけて末広がりのテーパ形状に形成されていることを主要な特徴としている。これにより、合流後の流体が剥離されることなく乱流混合を行うことができるので、合流後の流体が剥離することで生じる流体の逆流を抑制でき、均一かつ迅速に混合することができる。そのため、複数の流体を混合反応させて微粒子を生成する場合、流体の逆流が生じないので、微細でかつ単分散性の良い微粒子を効率的に生成することができる。
更に、本発明の第12の実施形態のマイクロ化学装置は、前記合流部と、前記供給流路との接続部の幅が、1μm〜1000μmであることを主要な特徴としている。これにより、分子拡散による混合を効率的に行えるという効果を有する。
更にまた、本発明の第13の実施形態のマイクロ化学装置は、前記合流部と、前記反応流路との接続部の幅が、1μm〜1000μmであることを主要な特徴としている。これにより、分子拡散による混合を効率的に行えるという効果を有する。
また、本発明の第14の実施形態のマイクロ化学装置は、本発明の第1から第11の実施形態のいずれかのマイクロ化学装置を、直列に複数接続し、上流のマイクロ化学装置の排出流路が、その直ぐ下流のマイクロ化学装置の供給流路となるように構成したことを主要な特徴としている。
これにより、多段階で混合を行うことが可能になり、またそれぞれの混合過程の間の滞留時間を直列に連結した流路の断面積と長さにより設定することが可能になり、多品種生産に対応が可能になるという効果を有する。
本発明の第15の実施形態の化学物質製造方法は、第1から第14の実施形態のマイクロ化学装置を用いた化学物質の製造方法であって、前記可動スライドを摺動させて前記供給流路及び前記反応流路の深さを調整するステップと、前記複数の供給流路に少なくとも2種類の流体を供給する供給ステップと、前記供給ステップで供給路に供給された前記流体を前記合流部で合流させる合流ステップと、前記合流ステップで合流させた前記流体を反応流路に供給するステップと、を備え、前記合流ステップにおいて、少なくとも1種類の流体を複数に分割して前記合流部で合流させることを主要な特徴としている。
これにより、流路の深さを可変することができるので、幅広い流量範囲に対応し、他品種生産を可能にすることができる。
また、本発明の第16の実施形態の化学物質製造方法は、第1、2、4の実施形態のマイクロ化学装置を用いた化学物質の製造方法であって、前記可動スライドを摺動させて前記供給流路及び前記反応流路の深さを調整する深さ調整ステップと、前記複数の供給流路に少なくとも2種類の流体を供給する供給ステップと、前記供給ステップで供給路に供給された前記流体を前記合流部で合流させる合流ステップと、前記合流ステップで合流させた前記流体を反応流路に供給するステップと、を備え、前記深さ調整ステップにおいて、前記複数の供給流路の末端における流体の平均線速度が一定になるように、前記複数の供給流路のうち少なくとも1つの供給流路の深さ、または、前記合流部の深さ、のうち少なくともいずれか一方を調整し、前記合流ステップにおいて、少なくとも1種類の流体を複数に分割して前記合流部で合流させることを主要な特徴としている。
更に、本発明の第17の実施形態の化学物質製造方法は、前記合流ステップにおいて、前記合流部で合流させる流体の中心軸が1点で交差するように前記合流部に前記流体の各々を供給することにより、2種以上の流体が衝突・接触し、それによって前記流体が、微細な流体塊に分割されることを主要な特徴としている。
ここで、本発明において、中心軸とは、合流部に流入する供給流路を流れる流体の質量中心、即ち、合流部に隣接する供給流路の部分に存在する流体の質量中心(または重心)の移動方向に沿った軸(または直線)を意味する。
容易に理解できるように、マイクロ化学装置の供給流路をストリームとして通過する流体は、これらの流路の内部空間に対応する流体塊と考えることができ、従って、ストリームとして通過する流体は、供給流路の中心軸と実質的に一致する中心軸を有する。本発明においては、このような中心軸を、ストリームの中心軸と呼ぶ。
具体的には、合流部に流入する、供給流路の部分が筒状である場合、筒の長さ方向に垂直な断面の重心(幾何学的な重心)を通過して筒の長さ方向に沿った軸が中心軸に相当し、従って、この中心軸がこのような流路を流れる流体のストリームの中心軸に相当する。例えば、流路(従って、ストリーム)が円筒または角筒状である場合、その筒の長さ方向に垂直な断面(即ち、円形または矩形)の重心(円の中心または対角線の交点)を通過する、筒の長さ方向に沿った直線が中心軸となる。このような中心軸の概念は、当業者であれば、その流路の断面形状に応じて、容易に理解できる。
また、本発明において1点で交差するとは、ストリーム(または流路)の中心軸を中心として、そのストリーム(または流路)の直径または相当直径の50%またはそれ以下の半径、好ましくは30%またはそれ以下、より好ましくは20%またはそれ以下、最も好ましくは10%またはそれ以下、特に5%またはそれ以下、例えば3%またはそれ以下の半径の円柱部分が相互に交差する場合(少なくとも一部分の空間を共有する場合)をいう。
これにより、合流する流体同士の接触界面積が急激に増加し、これらの流体の間の混合が促進され、より迅速かつ均一な混合を達成することができる。
本発明のマイクロ化学装置及び化学物質製造方法によれば、他品種の生産に対応でき、幅広い流量範囲にも対応できる。
本発明に用いられるマイクロ化学装置の一実施形態を示す概略斜視図である。 図1の流路の概略平面図である。 流路の合流部側先端にテーパ形状を形成した場合のテーパ形状部の概略斜視図である。 反応流路16の排出側に拡径するテーパ形状を形成した場合の概略斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
本実施形態においては、化学物質としてポリマー微粒子を製造する場合を例にして説明するが、本発明はポリマー微粒子の製造に限定されるものではなく、マイクロ流路を有するマイクロ化学装置を用いた化学物質の製造ならば何でも適用可能であり、例えば、有機および無機の顔料微粒子、天然由来物質微粒子、医薬中間体および医薬品などのような様々な化学物質の製造に用いることができる。
<マイクロ化学装置>
本発明の化学物質製造方法に用いられるマイクロ化学装置の一実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に用いられるマイクロ化学装置の一実施形態を示す概略斜視図であり、図2は、図1の流路の概略平面図である。
図1及び図2に示すように、本発明のマイクロ化学装置10は、ポリマー難溶性溶液Aを供給する1本の供給流路12の途中から分岐して溶液Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路12A,12Bと、分割供給流路12A,12Bの底面を構成する可動プレート22A,22Bと、ポリマー溶液Bを供給する分割していない1本の供給流路14と、供給流路14の底面を構成する可動プレート24と、ポリマー難溶性溶液Aとポリマー溶液Bとの反応を行う反応流路16と、反応流路16の底面を構成する可動プレート26と、を主に含んで構成される。供給流路12と、分割供給流路12A,12Bと、供給流路14と、反応流路16とは、1つの合流部18で連通している。反応流路16は、合流部18で合流、混合した液を、反応流路16通過中に反応させ、装置外に流出させる。
可動プレート22A,22Bと、可動プレート24と、可動プレート26とは、流路の断面(流体の流れる方向に垂直な断面)が矩形の場合は、自らが構成する流路の底面に垂直な方向に、そうでない場合は、流路の側壁の延長方向に摺動可能に構成されている。つまり、流路の深さを変える方向に摺動可能に構成されている。これにより、液の流れる方向に垂直な流路断面の面積が可変可能なので、一つのマイクロ化学装置で、迅速混合性を維持しながら広い流量範囲に対応が可能であり、他品種生産に適用できる。また、流路深さを深くすることによりハイスループットを実現できる。
ここで、合流部18の底面は、可動プレートではなく深さが固定された底面であっても良いし、底面が分割されて、可動プレート22A,22Bと、可動プレート24と、可動プレート26と、に各々に接続されてもよい。また、合流部18の底面が分割されず、合流部18の底面と、全ての可動プレートが一体化して構成されても良い。更に、その場合、各流路と合流部18との接続部において、各流路の先端部の底面が、合流部18に近づくにつれて、流路の上面に近づくように流路がすぼまったテーパ形状を各流路の先端部が有することが好ましい。これにより、先細りのテーパ形状により混合する流体の線速度を加速できるので、その流動エネルギーにより混合性能を向上させることができる。
ここで、図1においては、可動プレートの上面、すなわち、流路の底面を構成する部分が平面に記載されているが、平面に限定されるものではなく、断面が半円となるかまぼこ状でも、逆かまぼこ状でも良い。また、その他様々な形状を選択することができる。更に、図1においては、可動プレート22Aと22Bとが、一体として記載されているが、必ずしも一体である必要はなく、別体として構成され、別々に可動する構成にすることもできる。つまり、全ての流路の底面を全て別々の可動プレートで構成することができる。これにより、全ての流路の深さを全て別々に調整することが可能になる。逆に、全ての流路の底面を1つの可動プレートで構成することもできる。これにより、1つの可動プレートを操作するだけで、全ての流路の深さを同じだけ変更することができる。また、図1の供給流路12の分割流路部は矩形形状であるが矩形形状に限定するものではなく、また、この部分は一般的な配管により分割されてもよい。
合流部18と各流路との接続部の幅H(代表長さ)は、1μm〜1000μmが好ましく、50μm〜500μmがより好ましい。その理由は、分子拡散による混合性能が維持でき、かつ流路加工がしやすいからである。ここで、代表長さとは、マイクロ化学装置における混合性能を左右する代表的な長さを意味する。また、幅Hに対し深さDは、D/Hが、0.1〜100となる範囲で可変可能に構成されることが好ましい。更に好ましくは、D/Hが0.5〜100となる範囲で深さDが可変可能に構成されることであり、もっとも好ましくは、D/Hが1〜100となる範囲で深さDが可変可能に構成されることである。その理由は、流量範囲を多く可変にできるとともに、深さDの設定における繰り返し再現性も含めた設定精度を向上させることができるからである。ここで、反応流路16と合流部18との接続部の相当直径を1μm〜1000μmにすることもできる。ここで、相当直径とは、流路断面が円形でない場合も含めてその断面積に相当する円を描いた時の直径を意味する。この場合は、分子拡散による混合を効率的に行えるという効果を有する。また、反応流路16と合流部18との接続部の幅(代表長さ)で考えた場合、1μm〜1000μmの範囲が好ましい。その理由は、分子拡散による混合を効率的に行えるからである。
合流部18に流体を供給する全ての供給路(図1、図2においては、分割供給流路12A、12B、供給流路14)と、合流部18と、の接続部の断面積の総和をS1とし、合流部18から流体を供給される流路(図1、図2においては、反応流路16)と、合流部18と、の接続部の断面積をS2としたときに、S1>S2となるように各流路の寸法を調整することが好ましい。その理由は、反応流路に流入する際の混合流体の線速度が供給流路の線速度の平均値より加速され、反応流路を流れる際のせん断力が大きくなり混合性能が向上するからである。
また、これら分割供給流路12A,12B、供給流路14、及び反応流路16は、実質的に同一の平面内で合流部18の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路12A,12B,14、16の中心軸は合流部18において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。尚、図1及び図2ではポリマー溶液Bに比べて供給量の多いポリマー難溶性溶液Aの供給流路12のみを分割したが、ポリマー溶液Bの供給流路14も複数に分割してもよい。また、合流部18の周りに配置する各流路12A,12B,14、16の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路12、14の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎるとマイクロ化学装置10の構造が複雑になるので、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
次に、分割供給流路12A,12B、供給流路14、及び反応流路16のそれぞれの合流部18側の先端にテーパ形状を形成した実施形態、及び反応流路16の排出側(合流部18の反対側)にテーパ形状を形成した実施形態について説明する。図3は、流路の合流部18側先端にテーパ形状を形成した場合のテーパ形状部の概略斜視図である。図4は、反応流路16の排出側に拡径するテーパ形状を形成した場合の概略斜視図である。
図3に示すように、各流路と合流部18との接続部において、各流路先端部は、先細りのテーパ形状をなしている。テーパ形状としては、図3に示すように流路の側壁の間隔が先端にゆくにつれて狭まることによるテーパ形状にしても良いし、流路の上面と下面の間隔が先端にゆくにつれて狭まることによるテーパ形状にしてもよい。また、その組み合わせでもよい。各流路の底面を構成する可動プレートも側壁に合わせてその合流部側先端部がテーパ形状に形成されている。これにより、可動プレートが上下に摺動することでテーパ形状を維持したまま流路の深さを可変でき、流路の流れ方向に垂直な断面積を可変できる。このように、各流路先端部にテーパ形状を形成することにより、先細りのテーパ形状部前の流路が太く線速度が小さいので、流動に起因する圧力損失を低減でき、また、先細りのテーパ形状により混合する流体の線速度を加速できるので、その流動エネルギーにより混合性能を向上させることができる。
また、図4に示すように、反応流路16を、排出側に向かって末広がりに拡径するテーパ形状にすることもできる。これにより、合流後の流体が剥離されることなく乱流混合を行うことができるので、合流後の流体が剥離することで生じる流体の逆流を抑制でき、均一かつ迅速に混合することができる。よって、複数の流体を混合反応させて微粒子を生成する場合、流体の逆流が生じないので、微細でかつ単分散性の良い微粒子を効率的に生成することができる。
ここで、分割供給流路12A、分割供給流路12B、供給流路14のうち少なくとも2つの流路(図1とは異なり、3つ以上の流路があるように構成された場合においても少なくとも2つの流路)を流れる流体の中心軸が合流部18において1点で交差するように各流路を構成することが好ましい。これにより、合流する流体の中心軸が1点で交差するように、流体同士が衝突、接触するので、これら流体は、それが有する運動エネルギーによって瞬間的により小さい流体塊分割(または微細化)されるとともに、その分割、微細化された流体塊が変形して流体塊の同士の接触界面積が急激に増加する。その結果、これらの流体の間の混合が促進され、より迅速かつ均一な混合が達成される。
上記の如く構成されたマイクロ化学装置10は、半導体加工技術、特にエッチング(例えばフォトリソエッチング)加工、超微細放電加工、光造形法、鏡面加工仕上げ技術、拡散接合技術等の精密機械加工技術を利用して製造することができる。また、汎用的な旋盤、ボール盤を用いる機械加工技術も利用できる。
マイクロ化学装置10の材料としては、特に限定されるものではなく、上述の加工技術を適用できるものであればよい。具体的には、金属材料(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、各種の金属等)、樹脂材料(フッ素樹脂、アクリル樹脂等)、ガラス(シリコン、石英等)を用いることができる。
ここで、合流部18内部の温度制御、反応流路16内部の温度制御(反応温度制御)としては、装置全体を温度制御された容器中に入れることにより制御してもよいし、金属抵抗線やポリシリコンなどのヒーター構造を装置内に作り込み、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行つてもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線を使用する場合はヒーターと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行うのが好ましく、ポリシリコンを使用する場合は熱電対を用いて検出を行うのが好ましい。また、ペルチェ素子を流路に接触させることによって外部から加熱、冷却を行ってもよい。どの方法を用いるかは用途や流路本体の材料などに合わせて選択される。合流部18と、反応流路16とは、一方のみ温度制御しても良いし、両方温度制御しても良い。それは、適用する化学反応の種類、化学物質の種類に応じて適切なものを選択することができる。
本発明に用いられるマイクロ化学装置10の数は、勿論、一つでも構わないが、必要に応じて複数並列化し(ナンバリングアップ)、その処理量を増大させることができる。また、マイクロ化学装置10を直列に接続、すなわち、上流のマイクロ化学装置の排出流路がその直ぐ下流のマイクロ化学装置の供給流路とした構成にすることもできる。これにより、多段階で混合を行うことが可能となり、またそれぞれの混合過程の間の滞留時間を直列に連結した流路の断面積と長さにより設定することが可能となり、多品種生産に対応が可能となる。
<ポリマー微粒子製造方法>
次に、上記の如く構成されたマイクロ化学装置10を用いて本発明のポリマー微粒子の製造方法について説明する。マイクロ化学装置10によって、ポリマー微粒子を製造する場合には、分割工程と合流工程と析出工程との3つの工程を経てポリマー微粒子が製造される。
分割工程では、ポリマー溶液Bと該ポリマー溶液Bの溶解度を変化させるポリマー難溶性溶液Aとの2種類の溶液A,Bのうちの少なくとも一方の溶液を複数の溶液に分割する。
合流工程では、分割された複数の分割溶液のうちの少なくとも1つの分割溶液の中心軸と2種類の溶液A,Bのうちの他方の溶液の中心軸とを合流部18において一点で交差するように合流させる。
また、析出工程では、合流した溶液A,B同士を反応流路16内の流通過程においてポリマー溶液Bの溶解度をポリマー難溶性溶液Aで変化させることによりポリマー微粒子を析出させる。
図1、図2のマイクロ化学装置10は、ポリマー難溶性溶液Aを2つに分割し、ポリマー溶液Bは分割しない場合の実施形態である。ポリマー微粒子の製造に使用されるポリマー溶液Bとポリマー難溶性溶液Aとでは、ポリマー難溶性溶液Aの供給量が多いため、ポリマー難溶性溶液Aを分割することが好ましい。
本発明では、反応流路16中を流通する過程で、ポリマー溶液Bの溶解度を変化させ、ポリマー微粒子を製造する方法であるが、その方法はポリマーの均一溶液の導入口とは異なる導入口を有する流路、例えば図1に示されるような少なくとも2つの導入口を有する流路を用いて行われる。詳しくは、図1の導入口にポリマーの均一溶液を導入し、図1のもう一つの導入口にポリマー溶液の溶解度を変化させるポリマー難溶性溶媒、又はそれらに分散剤を溶解した溶液を導入し、両液を合流部18及び反応流路16内で接触させることによりポリマーを含む溶液の溶解度を低下させる。ポリマーは、ポリマー難溶性溶媒には溶解しにくいため、ポリマー溶液の溶解度が低下するに従って、ポリマー微粒子として析出し、反応流路16の排出口から取り出される。
溶解度の変化の幅は、ポリマー溶液の溶解度によるが、ポリマー微粒子の析出を促すのに十分な範囲でよい。
このように、ポリマー溶液Bとポリマー難溶性溶液Aとが合流する前に少なくとも一方の溶液を複数の溶液に分割した上で、その分割された複数の溶液を含む全ての溶液を合流部18に合流させた後、合流した溶液A,Bの流れ方向を所定角度で方向転換して反応流路16に流すことにより、合流した溶液A,Bの流れが有する運動エネルギーと流れの方向転換に起因する縮流とが発生する。これにより、溶液A,B同士の接触面積の増大と拡散混合距離の縮小によって瞬時混合を達成することができるので、反応流路16内においてポリマー溶液Bの溶解度を瞬時に変化させることができる。この結果、ナノメートルサイズで単分散なポリマー微粒子を安定的に製造することができる。
ここで、一般的に混合とは、2成分以上の粉粒体、粉粒体と流体(液体、気体)、あるいは流体の均一化を図る操作である。特に2成分以上の流体に関しては、分子レベルで均一化されていることが望ましい。反応流路16内の混合は分子拡散による混合が基本であることから、迅速に混合を達成するためには、2種類以上の流体同士の単位時間当たりの接触面積を増大させることがポイントである。瞬時混合の好ましい混合時間は、溶液同士が合流してから反応流路16から排出するまでの時間を1マイクロ秒以上1000ミリ秒以下にすることが好ましい。より好ましい混合時間は10マイクロ秒以上500ミリ秒以下である。
混和性液体同士の混合評価方法は、例えば非特許文献「S.Panic, et.al.,“Experimental approaches to a better understanding of mixing performance of microfluidic devices”, Chem.Eng.J.101, 2004, p.409-p.419」に記載されており、混合時間は、前記の混合評価方法で完全に混合が完了したと考えられる条件において、混合が行われる反応流路16の容積(mL)をその容積を流れる総流量(mL/秒)で割った値で計算することにより算出することができる。
反応流路16における混合の原理及び方法に関しては、例えば非特許文献「V. Hessel, et. al., “Chemical Micro Process Engineering -Processing and Plant-”, WILEY-VCH, 2005, p.1-p.280」に詳細が記載されている。
反応流路16内を流れる溶液A,Bの温度は、溶媒が凝固又は気化しない範囲内であればよいが、−20°C〜90°Cが好ましく、0〜50°Cがより好ましく、5〜30°Cであることが更に好ましい。また、反応流路16内を流れる溶液A,Bの流量(流速ともいう)は、0.1〜5000mL/分が好ましく、より好ましくは1〜1000mL/分であり、特に好ましくは5〜500mL/分である。また、反応流路16内を流れる基質(ポリマーやその反応 成分)の濃度範囲は、通常0.5〜20質量%であることが好ましく、1.0〜10質量%であることがより好ましい。
ポリマー溶液Bの調製方法としては、出発原料としてのポリマーをポリマー易溶性溶媒に溶解させ、更に分散剤等を添加する。ポリマー溶液Bの供給方法としては、特に限定されないが、例えば、前述のように調製したポリマー溶液Bをマイクロ流路に連通する貯蔵容器に貯蔵しておき、ポリマー溶液Bを送液ポンプ等の 送液手段によりマイクロ流路内に供給する。
次に、本発明に使用されるポリマー、分散剤、易溶解溶媒、難溶液溶媒等の各種材料、そしてポリマー微粒子粒子サイズの計測法については、例えば、特開2008-239902号公報に記載されているものが使用可能であるが、それらに限定されるものではない。
[実施例1]
ポリスチレン微粒子を製造する場合の実施例について説明する。マイクロ化学装置は、図1に示されるものを使用し、分割供給流路12A、12B、供給流路14、及び反応流路16の幅は、ともに50μmとし、流路の深さは、50μm〜500μmの範囲で可変できるようにした。
以下の処方でポリスチレン溶液Bとポリスチレン難溶性溶液Aとを準備した。
(1)ポリスチレン溶液B
・ポリスチレン 0.495g
(TSK standard POLYSTYRENE A-1000、東ソー社製、Mw=1010、Mw/Mn=1.16、液状)
・テトラヒドロフラン(THF、和光純薬社製) 98.5g
・スルホコハク酸ジイソオクチルナトリウム(AOT、和光純薬社製) 1.0g
以上の成分を室温にて十分に攪拌混合して完全に溶解した。
(2)ポリスチレン難溶性溶液A
・蒸留水 100g
以下のように各種条件を設定した。
i)設定流量
シリンジポンプ(ハーバード社製)を用いて、ポリスチレン溶液Bとポリスチレン難溶性溶液Aを一定流量で供給した。このときの流量比は、ポリマー溶液B:ポリマー難溶性溶液A=1:2を一定とした。
ii)反応温度 25℃
以下の各条件で、ポリスチレン溶液Bとポリスチレン難溶性溶液Aとをマイクロ化学装置を用いて混合してポリマー微粒子分散液を作製した。このポリマー微粒子分散液中のポリマー微粒子の粒径及び単分散度(Mv/Mn)を、日機装株式会社のナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、モード径及び分散度を測定した。
<実験1>
流路深さを50μmに設定し、ポリスチレン溶液Bを5mL/分、ポリスチレン溶液Aを10mL/分で供給した。その結果、モード径D50=65nm、分散度Mv/Mn=1.50のポリスチレン分散液を得た。ポリスチレン微粒子分散液の時間当りの収量は15mL/分であった。
<実験2>
流路深さを500μmに設定し、ポリスチレン溶液Bを50mL/分、ポリスチレン溶液Aを100mL/分で供給した。この条件は、各溶液の流量を供給流路の断面積の総和で割った平均線速度を実験1と同じにした。その結果、モード径D50=67nm、分散度Mv/Mn=1.47のポリスチレン分散液を得た。ポリスチレン微粒子分散液の時間当りに収量は実験1と同じ濃度で150mL/分であった。
以上の結果からわかるように、流路幅は同じで深さを可変とし、その深さに比例した流量変更を行った場合でも、モード径D50及び分散度Mv/Mnの評価において同等のポリスチレン分散液を製造できることが示された。すなわち、本発明のマイクロ化学装置を使用し、深さ方向を可変することにより製造能力を増大させ、かつ、品質も良好に保つことができる。
[実施例2]
次に、ポリスチレン微粒子を製造する場合の別の実施例について説明する。用いた溶液は、実施例1と同様のポリスチレン溶液Bとポリスチレン難溶性溶液Aであり、設定流量比をポリマー溶液B:ポリマー難溶性溶液A=1:4で一定とした。また、反応温度は25℃とした。
<実験3>
マイクロ化学装置は、図1に示されるものを使用した。分割供給流路12A、12B、供給流路14、及び反応流路16の幅は、ともに50μmで、流路の深さは全て500μmで設定し、ポリスチレン溶液Bを25mL/分、ポリスチレン難溶性溶液Aを100mL/分で供給した。
前期設定ではポリスチレン溶液Bの供給路出口の平均線速度はポリスチレン難溶性溶液Aの半分となる。実験の結果、モード径D50=55nm、分散度Mv/Mn=1.78のポリスチレン分散液を得た。ポリスチレン微粒子分散液の時間当りの収量は125mL/分であった。
<実験4>
マイクロ化学装置は、図1に示されるものを使用した。分割供給流路12A、12B、供給流路14、及び反応流路16の幅は、ともに50μmで、流路の深さは、分割供給流路12A、12Bを500μm、供給流路14を250μm、及び合流部18および反応流路16を500μmに設定した。そして、ポリスチレン溶液Bを25mL/分、ポリスチレン溶液Aを100mL/分で供給した。前記設定ではポリスチレン溶液Bとポリスチレン難溶性溶液Aの供給路出口の平均線速度は同じになる。実験の結果、モード径D50=43nm、分散度Mv/Mn=1.42のポリスチレン分散液を得た。ポリスチレン微粒子分散液の時間当りに収量は、実験3と同様に125mL /分であった。
以上の結果からわかるように、流路幅は同じで各溶液の流量を供給流路の断面積の総和で割った平均線速度が等しくなるように深さを設定することにより、より単分散かつ小サイズのポリスチレン分散液を製造できることが示された。
10:マイクロ化学装置、12:供給流路、12A:分割供給流路、12B:分割供給流路、14:供給流路、16:反応流路、18:合流部、22A:可動プレート、22B:可動プレート、24:可動プレート、26:可動プレート

Claims (17)

  1. マイクロ流路を用いて化学物質を製造するマイクロ化学装置であって、
    流体を供給するための複数の供給流路と、
    前記複数の供給流路の末端が接続され、供給された流体を合流させるための合流部と、
    前記合流部に接続され、合流部から流入してきた流体を外部に流出させる反応流路と、
    を備え、
    前記複数の供給流路のうち少なくとも1つは、複数に分割されて前記合流部に接続され、
    前記複数の供給流路の底面と、前記合流部の底面と、前記反応流路の底面と、が可動プレートで構成され、
    前記可動プレートは、流路の深さを変える方向に摺動可能に構成されている、
    マイクロ化学装置。
  2. 前記供給流路の幅H1に対する前記供給流路の深さD1とし、前記反応流路の幅H2に対する前記反応流路の深さD2としたとき、Dn/Hn(n=1,2)が、0.1〜100になる範囲で、深さDnが可変可能に構成された請求項1に記載のマイクロ化学装置。
  3. 前記複数の供給流路の底面と、前記反応流路の底面と、前記合流部の底面と、が1体の可動プレートで構成された請求項1又は2に記載のマイクロ化学装置。
  4. 前記複数の供給流路の底面と、前記合流部の底面と、前記反応流路の底面と、が全て別々の可動プレートで構成され、全ての流路の深さを別々に調整することを可能にした、
    請求項1又は2に記載のマイクロ化学装置。
  5. 前記複数の供給路の合流部側先端部が、先細りのテーパ形状に形成されている、請求項1から4のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  6. 前記反応流路の合流部側先端部が、先細りのテーパ形状に形成されている、請求項5に記載のマイクロ化学装置。
  7. 前記供給流路の底面を構成する可動プレートと、前記反応流路の底面を構成する可動プレートと、前記合流部の底面を構成する可動プレートと、が一体化され、
    前記供給流路と、前記合流部と、の接続部において、前記供給流路の先端部は、テーパ形状を有し、
    前記テーパ形状は、前記供給流路の先端部が、前記合流部に近づくにつれて、前記供給流路の底面が流路の上面に近づくようにすぼまったテーパ形状である、
    請求項1、2、3、5、6のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  8. 前記反応流路と、前記合流部と、の接続部において、前記反応流路の先端部は、テーパ形状を有し、
    前記テーパ形状は、前記反応流路の先端部が、前記合流部に近づくにつれて、前記反応流路の底面が流路の上面に近づくようにすぼまったテーパ形状である、
    請求項7に記載のマイクロ化学装置。
  9. 合流部内の流体の温度を制御する温度調整機能を有する請求項1から8のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  10. 前記複数の供給流路と、前記合流部との接続部の断面積の総和をS1とし、前記反応流路と、前記合流部との接続部の断面積をS2とすると、S1>S2となるように構成された、
    請求項1から9のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  11. 前記反応流路が、前記合流部との接続部からその反対端にかけて末広がりのテーパ形状に形成されている、請求項1から10のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  12. 前記合流部と、前記供給流路との接続部の幅が、1μm〜1000μmである、請求項1から11のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  13. 前記合流部と、前記反応流路との接続部の幅が、1μm〜1000μmである、請求項1から12のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のマイクロ化学装置を、直列に複数接続し、上流のマイクロ化学装置の排出流路が、その直ぐ下流のマイクロ化学装置の供給流路となるように構成した、マイクロ化学装置。
  15. 請求項1から14のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置を用いた化学物質の製造方法であって、
    前記可動スライドを摺動させて前記供給流路及び前記反応流路の深さを調整するステップと、
    前記複数の供給流路に少なくとも2種類の流体を供給する供給ステップと、
    前記供給ステップで供給路に供給された前記流体を前記合流部で合流させる合流ステップと、
    前記合流ステップで合流させた前記流体を反応流路に供給するステップと、
    を備え、
    前記合流ステップにおいて、少なくとも1種類の流体を複数に分割して前記合流部で合流させる、
    化学物質の製造方法。
  16. 請求項1、2、4のいずれか一つに記載のマイクロ化学装置を用いた化学物質の製造方法であって、
    前記可動スライドを摺動させて前記供給流路及び前記反応流路の深さを調整する深さ調整ステップと、
    前記複数の供給流路に少なくとも2種類の流体を供給する供給ステップと、
    前記供給ステップで供給路に供給された前記流体を前記合流部で合流させる合流ステップと、
    前記合流ステップで合流させた前記流体を反応流路に供給するステップと、
    を備え、
    前記深さ調整ステップにおいて、前記複数の供給流路の末端における流体の平均線速度が一定になるように、前記複数の供給流路のうち少なくとも1つの供給流路の深さ、または、前記合流部の深さ、のうち少なくともいずれか一方を調整し、
    前記合流ステップにおいて、少なくとも1種類の流体を複数に分割して前記合流部で合流させる、
    化学物質の製造方法。
  17. 前記合流ステップにおいて、前記合流部で合流させる流体の中心軸が1点で交差するように前記合流部に前記流体の各々を供給することにより、2種以上の流体が衝突・接触し、それによって前記流体が、微細な流体塊に分割される、請求項15または16に記載の化学物質の製造方法。
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