JP5460994B2 - ガスタービン及びその部分負荷時運転方法 - Google Patents

ガスタービン及びその部分負荷時運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5460994B2
JP5460994B2 JP2008262073A JP2008262073A JP5460994B2 JP 5460994 B2 JP5460994 B2 JP 5460994B2 JP 2008262073 A JP2008262073 A JP 2008262073A JP 2008262073 A JP2008262073 A JP 2008262073A JP 5460994 B2 JP5460994 B2 JP 5460994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressed air
combustor
cooling
flow path
gas turbine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008262073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010090817A (ja
Inventor
聡 水上
達男 石黒
淳一郎 正田
和正 高田
祐也 福永
貞彦 大野
康二 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Tohoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Electric Power Co Inc, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Tohoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2008262073A priority Critical patent/JP5460994B2/ja
Publication of JP2010090817A publication Critical patent/JP2010090817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5460994B2 publication Critical patent/JP5460994B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ガスタービン及びその部分負荷時運転方法に係り、特に、部分負荷時における燃焼器の冷却に関するものである。
一般的なガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンとにより構成されており、空気取入口から取り込まれた空気が圧縮機により圧縮されて高温・高圧の圧縮空気となる。この圧縮空気は燃焼器に供給され、燃焼器内では、圧縮空気に対して燃料を供給して燃焼させることで高温・高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、圧縮機と同軸のタービンを駆動するので、たとえばガスタービンの出力軸側に発電機を連結すれば、ガスタービンにより発電機を駆動して発電を行うことができる。
従来、ガスタービンの部分負荷時においては、燃焼器の冷却方法として、下記に示す二つの運転方法が知られている。
第1の運転方法は、ガスタービン起動時に燃焼器の冷却方法を変えないものであり、燃焼器の冷却に空気を用いる場合に採用されている。この運転方法では、冷却用空気を圧縮機から抽気するので、燃焼器冷却用の付帯設備が不要である。しかしながら、ガスタービンの起動時には、燃焼器内部で高温の燃焼ガスが発生しているにもかかわらず、冷却用空気は定格運転時と比較して圧力が低く、従って、冷却能力も低くなる。すなわち、ガスタービン起動時における燃焼器の冷却能力によって、起動時の運転方法に大きな制約を受けることとなる。
第2の運転方法は、コンバインド発電の場合に採用されるもので、ガスタービン起動前に蒸気タービン系統を先に運転し、そこから得られる蒸気を用いて冷却する方法である。この場合、運転開始済みの蒸気タービン系統から冷却用の蒸気を導入するので、燃焼器の冷却能力は高い。そして、付帯設備を設けることにより、冷却能力の高い蒸気を、ガスタービンの作動条件とは関係なく燃焼器の冷却に用いることができるため、幅広い起動条件でガスタービンを運用できる。しかしながら、ガスタービン始動以前に蒸気を発生させる必要があるので、補助ボイラやガスタービンの定格運転時には不要な配管系等が必要となる。
ところで、ガスタービンの部分負荷時には、燃焼器に設けられた複数本のノズルについて、ガスタービン出力を徐々に上げるため、一部のノズルを徐々に着火させるフューエルステージング(Fuel Staging)と呼ばれる作業が行われている。
このフューエルステージングを具体的に説明すると、たとえば図8に示す燃焼器12のように、パイロットノズル12Pの周囲に8本のメインノズル12a〜12hが配設されているような場合、最初に3本のメインノズル12a,12b,12cに着火させ、続いて5本、最後に8本というように着火するノズル本数を増やしていくものである。
上述したフューエルステージングについては、燃焼器の冷却に関して次のような問題点が指摘されている。
(1)燃焼器内の温度は一部が部分的に高くなり、燃焼器内には熱応力の原因となる温度分布ができる。この温度分布は、一般的には定格運転時より厳しいものとなる。
(2)ガスタービンの燃焼排ガスを使用する蒸気タービン系統で発生した蒸気を燃焼器の冷却媒体に用いる場合、部分負荷であるために十分な蒸気量を確保できず、定格運転時よりも低い冷却性能しか達成できない。
(3)圧縮機から抽気した空気を用いる場合、定格運転時より抽気した空気の圧力が低いため、定格運転時よりも低い冷却性能しか達成できない。
このように、燃焼器の冷却は、一般的にはフューエルステージングを実施する状態の部分負荷運転時において、定格運転時よりも困難になる。従って、部分負荷時の燃焼器冷却については、定格運転時とは異なる冷却方法を採用することが一般的である。
燃焼器の蒸気冷却を行うガスタービンに関する従来技術として、ガスタービンの部分負荷時に蒸気タービン系統で発生した蒸気に水を噴霧して蒸気温度を下げ、蒸気の冷却能力を向上させることで燃焼器の冷却を可能にした蒸気冷却ガスタービンシステムが開示されている。(たとえば、特許文献1参照)
特開平10−131719号公報
上述したように、ガスタービンの部分負荷時においては、燃焼器の冷却が厳しい状況にある。このような背景から、フューエルステージングを実施するガスタービンの部分負荷時において、燃焼器の冷却が抱えている厳しい問題を解決し、燃焼器を効率よく確実に冷却して運転することができるガスタービン及びその部分負荷時運転方法が望まれている。この場合、付帯設備の付加を最小限に抑えることが望ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガスタービンの部分負荷時に効率よく確実に燃焼器を冷却して運転することができるガスタービン及びその部分負荷時運転方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気に燃焼器で燃料を供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスをタービンに供給することで回転動力を得るように構成されているガスタービンにおいて、前記圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、前記圧縮空気を抽気して昇圧する前記圧縮機から独立した運転により昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段と、該昇圧手段で昇圧された前記昇圧圧縮空気を前記燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路へ導く冷却媒体供給流路と、前記燃焼器冷却流路を通過した前記昇圧圧縮空気を前記吐出側流路へ導いて合流させる冷却媒体戻し流路とを備え、ガスタービンの部分負荷時に前記昇圧手段を運転し、前記燃焼器冷却流路内に前記昇圧圧縮空気を流して冷却することを特徴とする。
このような本発明のガスタービンによれば、圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、圧縮空気を抽気して昇圧する圧縮機から独立した運転により昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段と、該昇圧手段で昇圧された昇圧圧縮空気を前記燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路へ導く冷却媒体供給流路と、前記燃焼器冷却流路を通過した前記昇圧圧縮空気を前記吐出側流路へ導いて合流させる冷却媒体戻し流路とを備え、ガスタービンの部分負荷時に前記昇圧手段を運転し、前記燃焼器冷却流路内に前記昇圧圧縮空気を流して冷却するので、圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器の冷却を行い、燃焼器を冷却した昇圧圧縮空気については、ガスパス側に流して流出させることなく全量を回収して燃焼器の燃焼に使用することができる。なお、昇圧手段はガスタービンから独立しているので、ガスタービンの部分負荷時に必要な昇圧圧縮空気量を確保する運転が可能である。
特に、本発明の昇圧手段は、昇圧圧縮空気の流量を調整する流量可変手段を備えているので、部分負荷時の昇圧圧縮空気流量を定格運転時より増すことで燃焼器冷却に十分な冷却空気量を確保することができる。
上記の発明において、前記冷却媒体供給流路に前記昇圧圧縮空気の冷却手段を設けることが好ましく、これにより、昇圧により温度上昇した昇圧圧縮空気の温度を低下させて効率のよい燃焼器冷却を行うことができる。
この場合に好適な冷却手段は、前記昇圧圧縮空気と前記圧縮機で圧縮された圧縮空気との間で熱交換させる熱交換器、前記昇圧圧縮空気と前記燃焼器に供給される燃料との間で熱交換させる熱交換器、前記昇圧圧縮空気と排熱回収ボイラの給水または蒸気との間で熱交換させる熱交換器がある。
本発明に係るガスタービンの部分負荷時運転方法は、圧縮機で圧縮された圧縮空気に燃焼器で燃料を供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスをタービンに供給することで回転動力を得るように構成されているガスタービンの部分負荷時運転方法であって、ガスタービン部分負荷時に前記燃焼器を冷却する手順として、前記圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、前記圧縮機から独立して運転可能であるとともに昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段が前記圧縮空気を抽気して昇圧する過程と、前記昇圧手段で昇圧された前記昇圧圧縮空気が前記燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路に導かれ、該燃焼器冷却流路内を通過する前記昇圧圧縮空気により燃焼器を冷却する過程と、前記昇圧圧縮空気を前記燃焼器冷却流路から前記吐出側流路へ導いて合流させる過程と、を備えていることを特徴とするものである。
このような本発明のガスタービンの部分負荷時運転方法によれば、ガスタービン部分負荷時に燃焼器を冷却する手順として、圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、圧縮機から独立して運転可能であるとともに昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段が圧縮空気を抽気して昇圧する過程と、昇圧手段で昇圧された昇圧圧縮空気が燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路に導かれ、該燃焼器冷却流路内を通過する昇圧圧縮空気により燃焼器を冷却する過程と、昇圧圧縮空気を燃焼器冷却流路から吐出側流路へ導いて合流させる過程と、を備えているので、圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器の冷却を行い、燃焼器を冷却した昇圧圧縮空気については、ガスパス側に流して流出させることなく全量を回収して燃焼器の燃焼に使用することができる。特に、圧縮機から独立して運転可能であるとともに昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段が圧縮空気を抽気して昇圧する過程では、部分負荷時の昇圧圧縮空気流量を定格運転時より増すことで燃焼器冷却に十分な冷却空気量を確保することができる。
上述した本発明によれば、燃焼器の冷却が厳しい状況にあるガスタービンの部分負荷時において、圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器の冷却を行うとともに、燃焼器の冷却に使用した昇圧圧縮空気についても、ガスパス側に流して系外へ流出させることなく全量を回収して燃焼器の燃焼に使用することができる。このとき、ガスタービンから独立して運転可能な昇圧手段は、昇圧圧縮空気の確保に必要な昇圧圧縮空気量を容易に確保して確実に冷却することができ、しかも、全量回収によりガスタービンのサイクル効率低下が少ない上、燃焼用空気量を十分に確保できることで低NOx化が可能となる。従って、フューエルステージングを実施するガスタービンの部分負荷時において、燃焼器の冷却が抱えている厳しい問題を解決し、燃焼器を効率よく確実に冷却して運転することができる。
また、昇圧手段等を燃焼器のクローズド冷却に用いたブーストアップ用昇圧手段と共用して有効利用すれば、付帯設備の付加を最小限に抑えて、すなわち、新たに設備を付加することなく部分負荷時の燃焼器冷却を効率よく確実に実施することができる。
以下、本発明に係るガスタービン及びその部分負荷時運転方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係るガスタービンを示す概略図、図2はガスタービンの概略構成を示す断面図である。なお、図示の実施形態では、発電機を駆動して発電するガスタービンについて説明するが、これに限定されるものではない。
図示のガスタービン10は、圧縮機11と、燃焼器12と、タービン13とにより構成され、このタービン13には発電機14が連結されている。この圧縮機11は、空気を取り込む空気取入口15を有し、圧縮機車室16内に複数の静翼17と動翼18とが交互に配設されており、その外側に抽気マニホールド19が設けられている。
燃焼器12は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、バーナで点火することで燃焼可能となっている。
タービン13は、タービン車室20内に複数の静翼21と動翼22とが交互に配設されている。
タービン13のタービン車室20には、排気室23が連続して設けられており、この排気室23は、タービン13に連続する排気ディフューザ24を有している。また、圧縮機11、燃焼器12、タービン13、排気室23の中心部を貫通するようにロータ(タービン軸)25が位置しており、圧縮機11側の端部が軸受部26により回転自在に支持される一方、排気室23側の端部が軸受部27により回転自在に支持されている。そして、このロータ25に複数のディスクプレートが固定され、各動翼18,22が連結されるとともに、排気室23側の端部に発電機14の駆動軸が連結されている。
従って、圧縮機11の空気取入口15から取り込まれた空気は、複数の静翼17と動翼18を通過して圧縮することで高温・高圧の圧縮空気となり、燃焼器12において、この圧縮空気に対して供給された所定量の燃料が燃焼する。そして、この燃焼器12で生成された高温・高圧の燃焼ガスは、タービン13を構成する複数の静翼21と動翼22とを通過することでロータ25を駆動回転し、このロータ25に連結された発電機14に回転動力を付与することで発電を行う一方、排気ガスは排気室23の排気ディフューザ24で静圧に変換されてから大気に放出される。
このように、タービン13と同軸の圧縮機11により圧縮された圧縮空気に燃焼器12で燃料を供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスをタービン13に供給することで回転駆動力を得るように構成されているガスタービン10には、たとえば図1に示すように、圧縮機11で圧縮した圧縮空気の一部を車室から抽気して昇圧する昇圧手段として、昇圧装置40が設けられている。
図1において、圧縮機11により圧縮された圧縮空気は、ガスタービン10の負荷を定格運転まで上げていく起動中、すなわち、フューエルステージングによる部分負荷運転時に、圧縮機11により圧縮された圧縮空気が圧縮空気供給流路28を通って燃焼器12へ供給され、燃焼器12で発生した燃焼ガスは、ケーシング内の排出流路29を通ってタービン13へ供給される。なお、図中の符号30は燃料供給流路である。
昇圧装置40は、後述する燃焼器12の冷却媒体となる昇圧圧縮空気を得るため、圧縮機11から抽気した圧縮空気を昇圧する昇圧手段であり、たとえば圧縮機やブロア等が用いられる。また、この昇圧装置40は、専用の電動機41を備えており、大気から空気を導入して昇圧する圧縮機11を備えたガスタービン10から独立して独自の運転が可能である。
昇圧装置40の吸込側は、車室内に形成される圧縮空気供給流路28から分岐した分岐流路42に接続され、吐出側は昇圧空気流路43に接続されている。この昇圧空気流路43は、燃焼器12に設けられている燃焼器冷却流路50へ昇圧圧縮空気を導くための流路である。なお、この昇圧装置40については、たとえば定格運転時等に燃焼器冷却用の空気を圧縮して供給するもの(クローズド冷却に用いるブーストアップ用昇圧装置)と共用することが望ましい。
燃焼器冷却流路50は、たとえば燃焼器12を構成する内筒の壁部内に形成された流路である。従って、燃焼器冷却流路50を昇圧圧縮空気が流れることにより、相対的に温度の低い昇圧圧縮空気により高温の燃焼器12を冷却することができる。
燃焼器冷却流路50を通過して燃焼器12を冷却した昇圧圧縮空気は、昇圧空気戻し流路44を通って圧縮空気供給流路28へ合流した後、この圧縮空気供給流路28を通って燃焼器12へ流入する。
このように、ガスタービン10の部分負荷時に昇圧装置40を運転し、燃焼器冷却流路50内に昇圧圧縮空気を流して冷却する構成としたので、圧縮機11から圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器12の冷却を行い、燃焼器12を冷却した昇圧圧縮空気については、ガスパス側に流して流出させることなく全量を回収して燃焼器12の燃焼に使用することができる。このとき、昇圧装置40はガスタービン10から独立した運転が可能であるから、ガスタービン10の部分負荷時に必要な昇圧圧縮空気量を確保する運転が可能である。
すなわち、上述した昇圧装置40が、昇圧圧縮空気の流量を調整する流量可変手段を備えていることにより、部分負荷時の昇圧圧縮空気流量を定格運転時より増すことで、燃焼器12の冷却に十分な冷却空気量を確保することができる。
ここで、昇圧装置40の流量可変手段について、具体例を示して説明する。
流量可変手段の第1具体例としては、昇圧装置40の回転数を変動させる制御がある。すなわち、図3に示す作動マップ(横軸:修正流量/縦軸:圧力比)において、昇圧装置40に圧縮機を採用して回転数一定の運転を行うと、右肩下がりの特性を示す。そして、昇圧装置40の回転数を上げると、右肩下がりのラインが全体的に右上へスライドするので、昇圧装置40の回転数を小から大へと変化させることにより、修正流量をaからcへと増加させることができる。この場合、昇圧機40の回転数を増すと電動機41の出力も大きくなるので、ガスタービン10のサイクル効率は下がることになるが、冷却空気の流量を増加させて冷却能力を向上させることで、部分負荷時の燃焼器冷却が可能となる。
また、流量可変手段の第2具体例としては、昇圧装置40の入口案内翼(Inlet Guide Vane;IGV)の開度制御がある。すなわち、昇圧装置40の流路に設けられている入口案内翼を寝せるようにして流路と平行となる方向へ傾けると、流路の有効断面積が広がるため流量を増すことができる。
また、流量可変手段の第3具体例としては、昇圧装置40の吸入側(分岐流路42)または吐出側(昇圧空気流路43)に流量調整弁を設け、流量調整弁の開度調整により流量制御を行ってもよい。
なお、上述した各具体例については、単独採用は勿論のこと、複数を適宜組合せて採用することも可能である。
次に、流量可変手段を備えた昇圧装置40について、フューエルステージングを実施する部分負荷時の流量調整例を図4に基づいて説明する。なお、図示の例は、メインノズル12a〜12hの着火本数を0本→3本→5本→8本(全数)の順に増し、3段階で定格出力とするものであるが、これに限定されることはない。
最初に、燃焼器12のメインノズル着火本数が0本の運転領域aでは、ガスタービン10のサイクル効率を考えずに燃焼器12の冷却空気流量(昇圧圧縮空気量)を最大限まで増加させる。なお、この運転領域では、ガスタービン10の負荷はなく、たとえば昇圧装置40の電動機41を定格運転時より大きな出力で運転して流量を増加させる。
次に、メインノズル着火本数が3本の運転領域bでは、冷却空気流量が定格運転時より多い状態を維持する。すなわち、上述した運転領域aで最大限まで増加した空気量を維持するようにして、昇圧装置40が運転される。
この後、メインノズル着火本数が5本に増加した運転領域cや、メインノズル着火本数が全数の8本に増加した運転領域dでも、上述した運転領域bと同様に最大限まで増加した空気量を維持する運転が継続される。
そして、メインノズル全数に着火して所定時間運転した運転領域dの後には、昇圧装置40の流量可変手段を操作して、定格運転時に必要な値まで徐々に冷却空気流量を減少させる運転領域eが設けられている。なお、定格運転時に必要な冷却空気流量は、ガスタービン10のサイクル効率を考慮した最小の空気流量であり、以後の定格運転領域fでは、この冷却空気量を維持した運転が継続される。
このように構成されたガスタービン10においては、ガスタービン部分負荷時に燃焼器12を冷却する手順として、圧縮機11の圧縮空気供給流路(吐出側流路)から分岐する分岐流路42に接続され、圧縮機11から独立して運転可能な昇圧装置40が圧縮空気を抽気して昇圧する過程と、昇圧装置40で昇圧された昇圧圧縮空気が燃焼器12内に設けられている燃焼器冷却流路50に導かれ、この燃焼器冷却流路50内を通過する昇圧圧縮空気により燃焼器12を冷却する過程と、昇圧圧縮空気を燃焼器冷却流路50から圧縮空気供給流路28へ導いて合流させる過程と、を備えている。
このため、部分負荷となるガスタービン起動時には、昇圧装置40を駆動する電動機41の出力を増して運転することにより、圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器12の冷却を行い、燃焼器12を冷却した昇圧圧縮空気については、ガスパス側に流して流出させることなく全量を回収して燃焼器12の燃焼に使用することができる。
従って、昇圧圧縮空気の全量を回収することでサイクル効率の減少が少なく、しかも、燃焼器12の燃焼用空気として多くの圧縮空気を確保できるので、排気ガスの低NOx化が可能となる。また、圧縮空気を用いた燃焼器冷却であるため、ガスタービン単体で独立した運転が可能であり、たとえば補助ボイラ等を先行起動して蒸気の供給を受ける場合と比較して、始動に要する時間を短縮できる。
<第2の実施形態>
続いて、本実施形態に係るガスタービンを図5に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態のガスタービン10では、昇圧圧縮空気を燃焼器冷却流路50へ導く冷却媒体供給流路の昇圧空気流路43に、昇圧圧縮空気を冷却する冷却手段として熱交換器60が設けられている。図示の構成例では、昇圧空気流路43を流れる昇圧圧縮空気と、圧縮機11で圧縮された圧縮空気との間で熱交換させる熱交換器60が設けられている。
すなわち、昇圧圧縮空気は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気を抽気して昇圧したものであるから、昇圧とともに温度上昇している。このため、抽気されずに燃焼器12へ流れる圧縮空気は昇圧圧縮空気と比較して低温になるので、相対的に高温の昇圧圧縮空気を圧縮空気により冷却することができる。この結果、燃焼器12の冷却に使用される昇圧圧縮空気の温度が低下するので、相対的な温度差を増すことで効率のよい燃焼器冷却を行うことができる。
図6に示すガスタービン10は、本実施形態の第1変形例を示すものである。この変形例では、熱交換器60で昇圧圧縮空気を冷却する媒体として、燃料供給流路30を通って燃焼器12に供給される燃料が用いられている。
図7に示す第2変形例では、熱交換器60で昇圧圧縮空気を冷却する媒体として、排熱回収ボイラ70から給水供給ライン71を通って導入される給水、または、排熱回収ボイラ70から蒸気供給ライン72を通って導入される蒸気が用いられている。
このような変形例を採用しても、いずれの媒体も昇圧圧縮空気と比較して低温となるので、相対的に高温の昇圧圧縮空気を低温の媒体により冷却することができる。この結果、燃焼器12の冷却に使用される昇圧圧縮空気の温度が低下するので、相対的な温度差を増すことで効率のよい燃焼器冷却を行うことができる。
このように、上述した本発明によれば、燃焼器11の冷却が厳しい状況にあるガスタービン10の部分負荷時において、圧縮空気の一部を抽気して昇圧した昇圧圧縮空気により燃焼器12の冷却を行い、この昇圧圧縮空気についても、ガスパス側に流して系外へ流出させることなく全量を回収して燃焼器12の燃焼用空気として使用することができる。このとき、ガスタービン10から独立して運転可能な昇圧装置は、昇圧圧縮空気の確保に必要な昇圧圧縮空気量を容易に確保して確実に冷却することができ、しかも、全量回収によりガスタービンのサイクル効率低下が少ない上、燃焼用空気量を十分に確保することで低NOx化を可能にしている。従って、フューエルステージングを実施するガスタービン10の部分負荷時においては、燃焼器12の冷却が抱えている厳しい問題が解決され、燃焼器12を効率よく確実に冷却して運転することができる。
また、昇圧装置40等を燃焼器12のクローズド冷却に用いるブーストアップ用昇圧装置と共用して有効利用すれば、付帯設備の付加を最小限に抑えて、すなわち、新たに設備を付加することなく部分負荷時の燃焼器冷却を効率よく確実に実施することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば圧縮機とタービンとの接続形態等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明の第1の実施形態に係るガスタービンを示す概略図である。 ガスタービンの構成例を示す概略構成図である。 昇圧装置の回転数変更に伴う作動マップ(横軸:修正流量/縦軸:圧力比)の一例を示す図である。 フューエルステージングの説明図であり、(a)は時間とメインノズル着火本数との関係、(b)は時間とガスタービン負荷との関係、(c)は時間と冷却空気流量との関係を示している。 本発明の第2の実施形態に係るガスタービンを示す概略図である。 図5に示した第2の実施形態に係る第1変形例を示す概略図である。 図5に示した第2の実施形態に係る第2変形例を示す概略図である。 燃焼器のノズル配置及びフューエルステージングの説明図である。
符号の説明
10 ガスタービン
11 圧縮機
12 燃焼器
13 タービン
28 圧縮空気供給流路
29 排出流路
40 昇圧装置
42 分岐流路
43 昇圧空気流路
44 昇圧空気戻し流路
50 燃焼器冷却流路
60 熱交換器
70 排熱回収ボイラ

Claims (6)

  1. 圧縮機で圧縮された圧縮空気に燃焼器で燃料を供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスをタービンに供給することで回転動力を得るように構成されているガスタービンにおいて、
    前記圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、前記圧縮空気を抽気して昇圧する前記圧縮機から独立した運転により昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段と、該昇圧手段で昇圧された前記昇圧圧縮空気を前記燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路へ導く冷却媒体供給流路と、前記燃焼器冷却流路を通過した前記昇圧圧縮空気を前記吐出側流路へ導いて合流させる冷却媒体戻し流路とを備え、
    ガスタービンの部分負荷時に前記昇圧手段を運転し、前記燃焼器冷却流路内に前記昇圧圧縮空気を流して冷却することを特徴とするガスタービン。
  2. 前記冷却媒体供給流路に前記昇圧圧縮空気の冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。
  3. 前記冷却手段が、前記昇圧圧縮空気と前記圧縮機で圧縮された圧縮空気との間で熱交換させる熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン。
  4. 前記冷却手段が、前記昇圧圧縮空気と前記燃焼器に供給される燃料との間で熱交換させる熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン。
  5. 前記冷却手段が、前記昇圧圧縮空気と排熱回収ボイラの給水または蒸気との間で熱交換させる熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン。
  6. 圧縮機で圧縮された圧縮空気に燃焼器で燃料を供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスをタービンに供給することで回転動力を得るように構成されているガスタービンの部分負荷時運転方法であって、
    ガスタービン部分負荷時に前記燃焼器を冷却する手順として、
    前記圧縮機の吐出側流路から分岐する分岐流路に接続され、前記圧縮機から独立して運転可能であるとともに昇圧圧縮空気の流量を調整可能な昇圧手段が前記圧縮空気を抽気して昇圧する過程と、
    前記昇圧手段で昇圧された前記昇圧圧縮空気が前記燃焼器内に設けられている燃焼器冷却流路に導かれ、該燃焼器冷却流路内を通過する前記昇圧圧縮空気により燃焼器を冷却する過程と、
    前記昇圧圧縮空気を前記燃焼器冷却流路から前記吐出側流路へ導いて合流させる過程と、を備えていることを特徴とするガスタービンの部分負荷時運転方法。
JP2008262073A 2008-10-08 2008-10-08 ガスタービン及びその部分負荷時運転方法 Active JP5460994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262073A JP5460994B2 (ja) 2008-10-08 2008-10-08 ガスタービン及びその部分負荷時運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262073A JP5460994B2 (ja) 2008-10-08 2008-10-08 ガスタービン及びその部分負荷時運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010090817A JP2010090817A (ja) 2010-04-22
JP5460994B2 true JP5460994B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=42253780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008262073A Active JP5460994B2 (ja) 2008-10-08 2008-10-08 ガスタービン及びその部分負荷時運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5460994B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5653705B2 (ja) 2010-09-30 2015-01-14 三菱重工業株式会社 回収式空気冷却ガスタービン燃焼器冷却構造
DE112014004335B4 (de) * 2013-09-20 2022-09-22 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Gasturbine, Gasturbinen-Steuergerät und Gasturbinen-Betriebsverfahren
WO2015064428A1 (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 三菱日立パワーシステムズ株式会社 温度制御装置、ガスタービン、温度制御方法およびプログラム
JP6700776B2 (ja) * 2015-12-24 2020-05-27 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御装置及び制御方法
JP6587350B2 (ja) * 2016-01-22 2019-10-09 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082247A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010090817A (ja) 2010-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101346566B1 (ko) 가스 터빈 및 그 운전 방법
KR101760477B1 (ko) 가스 터빈 에너지 보조 시스템 및 가열 시스템, 그리고 그 제작 및 이용 방법
JP5476003B2 (ja) 発電プラントの起動のための装置及び方法
JP5676122B2 (ja) 二酸化炭素を使用してタービンエーロフォイルを冷却するシステムおよび方法
KR101982143B1 (ko) 복합 사이클 발전 플랜트를 리트로피팅하는 장치 및 프로세스
RU2550371C2 (ru) Способ эксплуатации газовой турбины, система охлаждения газовой турбины и газовая турбина, содержащая такую систему
US20130255271A1 (en) Fuel Supply System
JP5613393B2 (ja) ガスタービンの冷却装置及び方法
WO2008038497A1 (fr) Turbine à gaz
US20040045300A1 (en) Method and apparatus for starting a combined cycle power plant
JP5460994B2 (ja) ガスタービン及びその部分負荷時運転方法
US20140331686A1 (en) Gas turbine combined cycle system
US10526966B2 (en) Gas turbine efficiency and power augmentation improvements utilizing heated compressed air and steam injection
JP2007182785A (ja) ガスタービン及びガスタービンの起動方法並びに複合発電システム
JP5185762B2 (ja) ガスタービン及びその起動時運転方法
JP5863755B2 (ja) ガスタービン及びその定格時運転方法
US11022040B2 (en) Backup system for supplying compressed air to a gas turbine component
US8327615B2 (en) Combined cycle powered generating plant having reduced start-up time
CN105849370B (zh) 高压力比双转子的工业燃气涡轮发动机
JP5496486B2 (ja) ガスタービン及びその定格時運転方法
JPH07332109A (ja) 圧縮空気貯蔵形発電プラント
JP2011137470A (ja) ガスタービン
WO2017011151A1 (en) Gas turbine efficiency and power augmentation improvements utilizing heated compressed air and steam injection
JP2004190558A (ja) 熱電併給プラント
JP2001207808A (ja) 蒸気冷却急速起動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120814

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5460994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250