JP2004190558A - 熱電併給プラント - Google Patents
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Abstract
【課題】熱電併給プラントの総合エネルギー利用効率を向上させ、しかも排熱回収ボイラや排熱回収ボイラ出口ダクトなどの原動機以降の後流機器をコンパクト化することと、更に該システムの起動時間を短縮し運用性を向上させることである。
【解決手段】原動機3からの排ガスを排熱回収ボイラ6へ導き、排熱回収ボイラ6で排ガスの熱を回収することにより蒸気を発生させ、該蒸気を蒸気タービン10に導き該蒸気タービン10を駆動することにより蒸気タービン10の回転軸出力により発電器を駆動させて電力を発生すると共に、前記蒸気の一部を抜いて他設備に供給する熱電併給プラントにおいて、前記排熱回収ボイラ6の出口排ガス流路14に排ガスを誘引する誘引通風機15を配置し、該誘引通風機15の回転軸の駆動源として、前記蒸気タービン10の回転軸の駆動力の一部又は全部を利用する構成になっていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】原動機3からの排ガスを排熱回収ボイラ6へ導き、排熱回収ボイラ6で排ガスの熱を回収することにより蒸気を発生させ、該蒸気を蒸気タービン10に導き該蒸気タービン10を駆動することにより蒸気タービン10の回転軸出力により発電器を駆動させて電力を発生すると共に、前記蒸気の一部を抜いて他設備に供給する熱電併給プラントにおいて、前記排熱回収ボイラ6の出口排ガス流路14に排ガスを誘引する誘引通風機15を配置し、該誘引通風機15の回転軸の駆動源として、前記蒸気タービン10の回転軸の駆動力の一部又は全部を利用する構成になっていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン、ディーゼルエンジン及びガスエンジン等の原動機の軸出力で発電器を駆動させて電力供給を行う共に、原動機の排ガス熱を利用して排熱回収ボイラにより蒸気を発生して蒸気タービンを駆動し蒸気タービンの軸出力で発電すると共に前記蒸気の一部を他設備に熱併給する熱電併給プラントに関わり、特に原動機の背圧を低減させて、全体のプラント効率を向上させることに好適な熱電併給システムの排ガス通風装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱電併給プラントは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたものが一般的であり、ガスタービンの軸動力で発電し、ガスタービンの排ガスから排熱回収ボイラで回収した蒸気で蒸気タービンを運転して発電機により発電を行うものである。電力主体のエネルギー需要の場合には複合発電プラントの例も増えており、この複合発電プラントに蒸気タービンの抽気蒸気や同タービン前の主蒸気を抜いて工場送気を実施し、熱電併給を行うことができるようになっていた(火力原子力発電Vol.49、第120頁〜121頁)。
【0003】
図3は従来の熱電併給プラントの概略系統図である。図3において、圧縮機1で発生した圧縮空気は燃焼器2に供給されて、この圧縮空気と燃料との混合体の燃焼によってガスタービン3を駆動する燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスはガスタービン3に供給され熱エネルギーを機械エネルギーに変換して、ガスタービン3の回転軸に直結されているガスタービン用発電機4がガスタービン3の運転に伴って発電を行う。
【0004】
ガスタービン3内で仕事を終えた排ガスはガスダクト5を通って排熱回収ボイラ6に供給されて、排熱回収ボイラ6での蒸気発生のための熱源となる。
【0005】
排熱回収ボイラ6への給水は給水ポンプ7により加圧されて主給水管8を通って行われる。排熱回収ボイラ6内に供給された給水は排ガスと熱交換を行い、蒸気を発生させる。この蒸気は排熱回収ボイラ6から主蒸気管9を通って蒸気タービン10に供給される。
【0006】
蒸気タービン10の回転軸に直結されている蒸気タービン用発電機11が、蒸気タービン10の運転に伴って駆動して、発電を行う。ガスタービン用発電機4と蒸気タービン用発電機11により生成した電気はそれぞれ送電路24、25を経由して需要側に供給される。
【0007】
次に、蒸気タービン10内で仕事を終えた蒸気は復水器13に導かれ、熱交換されて給水となり給水ポンプ7により主給水管8へと再循環され排熱回収ボイラ6で蒸気発生用に利用される。
【0008】
また、蒸気タービン10の抽気蒸気をプロセス蒸気配管12から取り出す。また、同蒸気タービン10の前流側の主蒸気管9より分岐した主蒸気バイパス管20から主蒸気を抜いて、これを工場送気及び地域冷暖房に利用する。
【0009】
一方、排熱回収ボイラ6内で仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ6の出口ガスダクト14を通って煙突19から大気に放出される。
【0010】
以上の説明は熱電併給システムにおける排ガス、供給の流れの一般的な説明である。
【0011】
また本出願人は、先に、排熱回収ボイラの出口排ガス流路に排ガスを誘引する誘引通風機を配置し、該誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成を備えた熱電併給プラントについて特許第812534号を取得している。
【0012】
【非特許文献1】
社団法人火力原子力発電技術協会発行、「火力原子力発電」、Vol.49、第120頁〜121頁
【0013】
【特許文献1】
特許第2812534号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示す排ガスのドラフトにおいては、排熱回収ボイラ6の性能には直接影響しないが、排ガス圧力損失が増大すると、ガスタービン3の背圧が高くなり、それだけガスタービン3の出力が減少し、熱電併給プラントの総合発電効率が低下するので好ましくない。
【0015】
また、従来の熱電併給プラントの起動時は、ガスタービン3の燃焼器2の点火前に、煙突19を含む排気装置の全容積を少なくとも3回置換するのに十分な時間をかけてパージ操作をしなければならない。また、そのパージ時には外部の動力を補助動力として用いる必要があり、さらに圧縮機1に低回転での軸動力を伝達するため、風圧が上がらずパージ完了までに長時間を要していた。また、ガスタービン3の燃焼器2の点火後もガスタービン3の昇速途中まで外部の動力による補助が必要であり、排ガス温度の制御のため過大の燃料投入を防ぐガスタービン3の独自の制御が必要である。
【0016】
また、特許第2812534号の発明は、排熱回収ボイラの出口に配置した誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成を備えているが、前記誘引通風機の駆動能力をより高めることが要請されている。
【0017】
本発明の課題は、熱電併給プラントの総合効率を向上させ、しかも排熱回収ボイラや排熱回収ボイラ出口ガスダクトなどの原動機以降の後流機器をコンパクト化することと、更に熱電併給プラントの起動時間を短縮し、運用性を向上させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を達成するために、排熱回収ボイラの出口に排ガスを吸引する誘引通風機を配置し、その誘引通風機を蒸気タービンの軸出力の一部または全部を使用して回転駆動する構成を特徴とするものである。
【0019】
すなわち、本発明はガスタービン、ディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の原動機の軸出力により発電器を駆動して発電し、さらに前記原動機からの排ガスを排熱回収ボイラへ導き、該排熱回収ボイラで排ガスの熱を回収することにより蒸気を発生させ、該蒸気を蒸気タービンに導き該蒸気タービンを駆動することにより蒸気タービンの回転軸出力により発電器を駆動させて電力を発生すると共に、前記蒸気の一部を抜いて他設備に供給する熱電併給プラントにおいて、前記排熱回収ボイラの出口排ガス流路に排ガスを誘引する誘引通風機を配置し、該誘引通風機の回転軸の駆動源として、前記蒸気タービンの回転軸の駆動力の一部又は全部を利用する構成を備えた熱電併給プラントである。
【0020】
このとき、誘引通風機の回転軸の駆動源として、さらに誘引通風機駆動用モータを利用することができる。
【0021】
【作用】
誘引通風機は、常時原動機出口排ガス圧力を大気に放出する程度に排ガスを誘引する。それによって、原動機の背圧は低下するので原動機の出力が向上する。前記誘引通風機を当該熱電併給プラントで発電した電気を使用して回転駆動することも考えられるが、そうすると電力の消費量が増え、結果的には熱電併給プラントの熱効率が下がることになる。これに対して、本発明は、誘引通風機を蒸気タービン回転軸出力の一部または全部を使用して回転駆動して制御する構成になっているから、誘引通風機の回転駆動のための電力の消費が不要で結果的に熱電併給プラントの熱効率を高く維持することができる。
【0022】
また、特許第2812534号の発明のおける誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成に比べて、蒸気タービンの回転軸の出力の一部または全部を直接誘引通風機の駆動に利用するのでよりエネルギー効率が優れた熱電併給プラントとすることができる。
【0023】
また、蒸気タービンの緊急停止時には、誘引通風機の動力を誘引通風機駆動用モータに切り替えることにより蒸気タービンの前流側の設けた主蒸気バイパス管から蒸気を抜いても、熱電併給プラントの停止を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。 図1において、符号1から符号14までは図3に示す従来のものと同一のものを示す。
【0025】
排熱回収ボイラ6の出口に誘引通風機15を設け、該誘引通風機15には誘引通風機駆動用モータ16と誘引通風機軸動力伝達装置17をそれぞれ接続し、誘引通風機15の排気は煙突入口ダクト18を経由して煙突19から排気する。
【0026】
誘引通風機15は誘引通風機軸動力伝達装置17を介して蒸気タービン10を駆動源として駆動される。該誘引通風機軸動力伝達装置17が停止したときは、誘引通風機駆動用モータ16を誘引通風機15の駆動源とする。
【0027】
また、本実施の形態はガスタービン出口排ガスダクト5内に助燃装置を設置する排気助燃方式の排熱回収ボイラ及び燃焼器2を加圧ボイラに変更した過給ボイラにも実施可能である。
【0028】
このような構造において、排熱回収ボイラ6出口の排ガスは、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14を通って誘引通風機15でガスタービン3より排出した排ガスを誘引して煙突入口ダクト18を通って煙突19へ供給されて大気に放出するものである。
【0029】
図1に示す実施の形態においては、誘引通風機15の吸引作用によりガスタービン3の背圧を低下させることができるので、ガスタービン3での断熱膨張を有効に利用し、該ガス放出の放熱量(等圧放熱)を低下させることができる。
【0030】
また、排熱回収ボイラ6内での排ガスの流速を上昇させることができるので、排熱回収ボイラ6の効率も向上する。
【0031】
従って蒸気タービン10の熱効率は低下するものの、ガスタービン3の熱効率、排熱回収ボイラ6の効率を向上させることにより、熱電併給プラントの熱効率が向上し、さらに高効率化が可能となる。
【0032】
また、誘引通風機15の能力を上昇させることにより、ガスタービン出口排ガスダクト5、排熱回収ボイラ6及び排熱回収ボイラ出口ガスダクト14、煙突入口ダクト18及び煙突19をコンパクトにすることができる。
【0033】
この実施の形態における熱電併給プラントの起動時は、ガスタービン出口ガスダクト5、排熱回収ボイラ6、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14及び煙突19の排ガス圧力損失に関係なくガスタービン3並びに圧縮機1に好適な背圧で運転できることにより、さらに本熱電併給プラントの起動時間の短縮及び運用・制御の向上が図れる。
【0034】
また、蒸気タービン10の緊急停止時には、誘引通風機15の動力を誘引通風機駆動用モータ16に切り替えることにより蒸気タービン10の前流側の蒸気を主蒸気バイパス管20から抜いて、燃焼器2に積極的に噴霧し、ガスタービン用発電器4の電力出力を増加し、熱電併給プラントの停止を防止することができる。
【0035】
このように誘引通風機15を蒸気タービン10の軸動力で回転させることにより、電力の消費を少なくし、さらに複合プラント熱効率を上昇させることができる。
【0036】
図2は本発明の他の実施の形態を示すもので、符号4及び符号6から符号25までは図1のものと同一のものを示す。
【0037】
図1に示すガスタービン3に代えてディーゼルエンジン21を用いる。ディーゼルエンジン21には過給機22が接続され、またディーゼルエンジン21の排気は過給機出口ガスダクト23から排熱回収ボイラ6に導入される。
【0038】
このような構造において、図2に示すシステムが図1に示すものと異なる点は、図1のシステムにおいて、ガスタービン用発電機4をガスタービン3で回転させたが、図2のものにおいてはディーゼルエンジン21によって主発電機4を回転させて発電するものである。
【0039】
この図2に示す実施の形態では、過給機出口ガスダクト23、排熱回収ボイラ6、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14及び煙突19の排ガス圧力損失に関係なくディーゼルエンジン21並びに過給機22の最高効率点の背圧で制御及び運転できることにより、さらに熱電併給システム効率を向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービンの背圧を低下させることにより、ガスタービン熱効率を上昇させるので、熱電併給プラントの総合効率を向上させることができる。
また、排熱回収ボイラ及びダクト内のガス流速を上昇させることにより、ガスタービン以降の機器をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。
【図2】本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。
【図3】従来技術の熱電併給プラントの概略系統図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 燃焼器
3 ガスタービン 4 ガスタービン用発電機
5 ガスタービン出口排ガスダクト
6 排熱回収ボイラ 7 給水ポンプ
8 主給水管 9 主蒸気管
10 蒸気タービン 11 蒸気タービン用発電機
12 プロセス蒸気配管 13 復水器
14 排熱回収ボイラ出口ガスダクト
15 誘引通風機 16 誘引通風機駆動用モータ
17 誘引通風機軸動力伝達装置
18 煙突入口ダクト 19 煙突
20 主蒸気バイパス管 21 ディーゼルエンジン
22 過給機 23 過給機出口ガスダクト
24、25 送電路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン、ディーゼルエンジン及びガスエンジン等の原動機の軸出力で発電器を駆動させて電力供給を行う共に、原動機の排ガス熱を利用して排熱回収ボイラにより蒸気を発生して蒸気タービンを駆動し蒸気タービンの軸出力で発電すると共に前記蒸気の一部を他設備に熱併給する熱電併給プラントに関わり、特に原動機の背圧を低減させて、全体のプラント効率を向上させることに好適な熱電併給システムの排ガス通風装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱電併給プラントは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたものが一般的であり、ガスタービンの軸動力で発電し、ガスタービンの排ガスから排熱回収ボイラで回収した蒸気で蒸気タービンを運転して発電機により発電を行うものである。電力主体のエネルギー需要の場合には複合発電プラントの例も増えており、この複合発電プラントに蒸気タービンの抽気蒸気や同タービン前の主蒸気を抜いて工場送気を実施し、熱電併給を行うことができるようになっていた(火力原子力発電Vol.49、第120頁〜121頁)。
【0003】
図3は従来の熱電併給プラントの概略系統図である。図3において、圧縮機1で発生した圧縮空気は燃焼器2に供給されて、この圧縮空気と燃料との混合体の燃焼によってガスタービン3を駆動する燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスはガスタービン3に供給され熱エネルギーを機械エネルギーに変換して、ガスタービン3の回転軸に直結されているガスタービン用発電機4がガスタービン3の運転に伴って発電を行う。
【0004】
ガスタービン3内で仕事を終えた排ガスはガスダクト5を通って排熱回収ボイラ6に供給されて、排熱回収ボイラ6での蒸気発生のための熱源となる。
【0005】
排熱回収ボイラ6への給水は給水ポンプ7により加圧されて主給水管8を通って行われる。排熱回収ボイラ6内に供給された給水は排ガスと熱交換を行い、蒸気を発生させる。この蒸気は排熱回収ボイラ6から主蒸気管9を通って蒸気タービン10に供給される。
【0006】
蒸気タービン10の回転軸に直結されている蒸気タービン用発電機11が、蒸気タービン10の運転に伴って駆動して、発電を行う。ガスタービン用発電機4と蒸気タービン用発電機11により生成した電気はそれぞれ送電路24、25を経由して需要側に供給される。
【0007】
次に、蒸気タービン10内で仕事を終えた蒸気は復水器13に導かれ、熱交換されて給水となり給水ポンプ7により主給水管8へと再循環され排熱回収ボイラ6で蒸気発生用に利用される。
【0008】
また、蒸気タービン10の抽気蒸気をプロセス蒸気配管12から取り出す。また、同蒸気タービン10の前流側の主蒸気管9より分岐した主蒸気バイパス管20から主蒸気を抜いて、これを工場送気及び地域冷暖房に利用する。
【0009】
一方、排熱回収ボイラ6内で仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ6の出口ガスダクト14を通って煙突19から大気に放出される。
【0010】
以上の説明は熱電併給システムにおける排ガス、供給の流れの一般的な説明である。
【0011】
また本出願人は、先に、排熱回収ボイラの出口排ガス流路に排ガスを誘引する誘引通風機を配置し、該誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成を備えた熱電併給プラントについて特許第812534号を取得している。
【0012】
【非特許文献1】
社団法人火力原子力発電技術協会発行、「火力原子力発電」、Vol.49、第120頁〜121頁
【0013】
【特許文献1】
特許第2812534号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示す排ガスのドラフトにおいては、排熱回収ボイラ6の性能には直接影響しないが、排ガス圧力損失が増大すると、ガスタービン3の背圧が高くなり、それだけガスタービン3の出力が減少し、熱電併給プラントの総合発電効率が低下するので好ましくない。
【0015】
また、従来の熱電併給プラントの起動時は、ガスタービン3の燃焼器2の点火前に、煙突19を含む排気装置の全容積を少なくとも3回置換するのに十分な時間をかけてパージ操作をしなければならない。また、そのパージ時には外部の動力を補助動力として用いる必要があり、さらに圧縮機1に低回転での軸動力を伝達するため、風圧が上がらずパージ完了までに長時間を要していた。また、ガスタービン3の燃焼器2の点火後もガスタービン3の昇速途中まで外部の動力による補助が必要であり、排ガス温度の制御のため過大の燃料投入を防ぐガスタービン3の独自の制御が必要である。
【0016】
また、特許第2812534号の発明は、排熱回収ボイラの出口に配置した誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成を備えているが、前記誘引通風機の駆動能力をより高めることが要請されている。
【0017】
本発明の課題は、熱電併給プラントの総合効率を向上させ、しかも排熱回収ボイラや排熱回収ボイラ出口ガスダクトなどの原動機以降の後流機器をコンパクト化することと、更に熱電併給プラントの起動時間を短縮し、運用性を向上させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を達成するために、排熱回収ボイラの出口に排ガスを吸引する誘引通風機を配置し、その誘引通風機を蒸気タービンの軸出力の一部または全部を使用して回転駆動する構成を特徴とするものである。
【0019】
すなわち、本発明はガスタービン、ディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の原動機の軸出力により発電器を駆動して発電し、さらに前記原動機からの排ガスを排熱回収ボイラへ導き、該排熱回収ボイラで排ガスの熱を回収することにより蒸気を発生させ、該蒸気を蒸気タービンに導き該蒸気タービンを駆動することにより蒸気タービンの回転軸出力により発電器を駆動させて電力を発生すると共に、前記蒸気の一部を抜いて他設備に供給する熱電併給プラントにおいて、前記排熱回収ボイラの出口排ガス流路に排ガスを誘引する誘引通風機を配置し、該誘引通風機の回転軸の駆動源として、前記蒸気タービンの回転軸の駆動力の一部又は全部を利用する構成を備えた熱電併給プラントである。
【0020】
このとき、誘引通風機の回転軸の駆動源として、さらに誘引通風機駆動用モータを利用することができる。
【0021】
【作用】
誘引通風機は、常時原動機出口排ガス圧力を大気に放出する程度に排ガスを誘引する。それによって、原動機の背圧は低下するので原動機の出力が向上する。前記誘引通風機を当該熱電併給プラントで発電した電気を使用して回転駆動することも考えられるが、そうすると電力の消費量が増え、結果的には熱電併給プラントの熱効率が下がることになる。これに対して、本発明は、誘引通風機を蒸気タービン回転軸出力の一部または全部を使用して回転駆動して制御する構成になっているから、誘引通風機の回転駆動のための電力の消費が不要で結果的に熱電併給プラントの熱効率を高く維持することができる。
【0022】
また、特許第2812534号の発明のおける誘引通風機を蒸気タービンの出口蒸気の一部を使用して回転駆動する構成に比べて、蒸気タービンの回転軸の出力の一部または全部を直接誘引通風機の駆動に利用するのでよりエネルギー効率が優れた熱電併給プラントとすることができる。
【0023】
また、蒸気タービンの緊急停止時には、誘引通風機の動力を誘引通風機駆動用モータに切り替えることにより蒸気タービンの前流側の設けた主蒸気バイパス管から蒸気を抜いても、熱電併給プラントの停止を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。 図1において、符号1から符号14までは図3に示す従来のものと同一のものを示す。
【0025】
排熱回収ボイラ6の出口に誘引通風機15を設け、該誘引通風機15には誘引通風機駆動用モータ16と誘引通風機軸動力伝達装置17をそれぞれ接続し、誘引通風機15の排気は煙突入口ダクト18を経由して煙突19から排気する。
【0026】
誘引通風機15は誘引通風機軸動力伝達装置17を介して蒸気タービン10を駆動源として駆動される。該誘引通風機軸動力伝達装置17が停止したときは、誘引通風機駆動用モータ16を誘引通風機15の駆動源とする。
【0027】
また、本実施の形態はガスタービン出口排ガスダクト5内に助燃装置を設置する排気助燃方式の排熱回収ボイラ及び燃焼器2を加圧ボイラに変更した過給ボイラにも実施可能である。
【0028】
このような構造において、排熱回収ボイラ6出口の排ガスは、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14を通って誘引通風機15でガスタービン3より排出した排ガスを誘引して煙突入口ダクト18を通って煙突19へ供給されて大気に放出するものである。
【0029】
図1に示す実施の形態においては、誘引通風機15の吸引作用によりガスタービン3の背圧を低下させることができるので、ガスタービン3での断熱膨張を有効に利用し、該ガス放出の放熱量(等圧放熱)を低下させることができる。
【0030】
また、排熱回収ボイラ6内での排ガスの流速を上昇させることができるので、排熱回収ボイラ6の効率も向上する。
【0031】
従って蒸気タービン10の熱効率は低下するものの、ガスタービン3の熱効率、排熱回収ボイラ6の効率を向上させることにより、熱電併給プラントの熱効率が向上し、さらに高効率化が可能となる。
【0032】
また、誘引通風機15の能力を上昇させることにより、ガスタービン出口排ガスダクト5、排熱回収ボイラ6及び排熱回収ボイラ出口ガスダクト14、煙突入口ダクト18及び煙突19をコンパクトにすることができる。
【0033】
この実施の形態における熱電併給プラントの起動時は、ガスタービン出口ガスダクト5、排熱回収ボイラ6、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14及び煙突19の排ガス圧力損失に関係なくガスタービン3並びに圧縮機1に好適な背圧で運転できることにより、さらに本熱電併給プラントの起動時間の短縮及び運用・制御の向上が図れる。
【0034】
また、蒸気タービン10の緊急停止時には、誘引通風機15の動力を誘引通風機駆動用モータ16に切り替えることにより蒸気タービン10の前流側の蒸気を主蒸気バイパス管20から抜いて、燃焼器2に積極的に噴霧し、ガスタービン用発電器4の電力出力を増加し、熱電併給プラントの停止を防止することができる。
【0035】
このように誘引通風機15を蒸気タービン10の軸動力で回転させることにより、電力の消費を少なくし、さらに複合プラント熱効率を上昇させることができる。
【0036】
図2は本発明の他の実施の形態を示すもので、符号4及び符号6から符号25までは図1のものと同一のものを示す。
【0037】
図1に示すガスタービン3に代えてディーゼルエンジン21を用いる。ディーゼルエンジン21には過給機22が接続され、またディーゼルエンジン21の排気は過給機出口ガスダクト23から排熱回収ボイラ6に導入される。
【0038】
このような構造において、図2に示すシステムが図1に示すものと異なる点は、図1のシステムにおいて、ガスタービン用発電機4をガスタービン3で回転させたが、図2のものにおいてはディーゼルエンジン21によって主発電機4を回転させて発電するものである。
【0039】
この図2に示す実施の形態では、過給機出口ガスダクト23、排熱回収ボイラ6、排熱回収ボイラ出口ガスダクト14及び煙突19の排ガス圧力損失に関係なくディーゼルエンジン21並びに過給機22の最高効率点の背圧で制御及び運転できることにより、さらに熱電併給システム効率を向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービンの背圧を低下させることにより、ガスタービン熱効率を上昇させるので、熱電併給プラントの総合効率を向上させることができる。
また、排熱回収ボイラ及びダクト内のガス流速を上昇させることにより、ガスタービン以降の機器をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。
【図2】本発明の実施の形態に関わる熱電併給プラントの概略系統図である。
【図3】従来技術の熱電併給プラントの概略系統図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 燃焼器
3 ガスタービン 4 ガスタービン用発電機
5 ガスタービン出口排ガスダクト
6 排熱回収ボイラ 7 給水ポンプ
8 主給水管 9 主蒸気管
10 蒸気タービン 11 蒸気タービン用発電機
12 プロセス蒸気配管 13 復水器
14 排熱回収ボイラ出口ガスダクト
15 誘引通風機 16 誘引通風機駆動用モータ
17 誘引通風機軸動力伝達装置
18 煙突入口ダクト 19 煙突
20 主蒸気バイパス管 21 ディーゼルエンジン
22 過給機 23 過給機出口ガスダクト
24、25 送電路
Claims (2)
- ガスタービン、ディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の原動機の軸出力により発電器を駆動して発電し、さらに前記原動機からの排ガスを排熱回収ボイラへ導き、該排熱回収ボイラで排ガスの熱を回収することにより蒸気を発生させ、該蒸気を蒸気タービンに導き該蒸気タービンを駆動することにより蒸気タービンの回転軸の出力により発電器を駆動させて電力を発生すると共に、前記蒸気の一部を抜いて他設備に供給する熱電併給プラントにおいて、
前記排熱回収ボイラの出口排ガス流路に排ガスを誘引する誘引通風機を配置し、
該誘引通風機の回転軸の駆動源として、前記蒸気タービンの回転軸の駆動力の一部又は全部を利用する構成を備えたことを特徴とする熱電併給プラント。 - 前記誘引通風機の回転軸の駆動源として、誘引通風機駆動用モータを利用する構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱電併給プラント。
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- 2002-12-11 JP JP2002358916A patent/JP2004190558A/ja active Pending
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