JP5460970B2 - 木質バイオマスガスの改質システム - Google Patents

木質バイオマスガスの改質システム

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Description

本発明は、木質バイオマスガスの改質システムに関する。すなわち、木質バイオマスを熱分解して得られる生成ガスを改質し、燃料として利用するシステムに関するものである。
《技術的背景》
木質廃材その他の木質バイオマスは、最近、燃料としての有効利用が大きなテーマとなっている。すなわち、本質バイオマスをガス化炉で熱分解して得られた生成ガスを、エンジンの燃料として活用し、もって発電等に有効利用するシステムの構築が、注目を集めている。
《従来技術》
ところで、このような木質バイオマスからの生成ガスには、ガス化炉でのガス化プロセス中に発生した高濃度のタールが、含有されており、そのままエンジンの燃料として使用すると、各種トラブルが発生し、エンジンの耐久性に問題が生じてしまう。すなわち、生成ガス中に含有されたタールが、エンジンの弁,その他に付着して、汚れやコーキングの原因となり、各種のエンジントラブル,作動トラブルの要因となる。
そこで、木質バイオマスを燃料化するこの種従来例では、問題のタールを低減,除去する対処策が課題となっており、タール処理設備が、付帯設備として必須的に採用されていた。
すなわち、木質バイオマスをガス化炉に投入して得られた生成ガスは、例えば水スクラビング等の水処理装置付のタール処理設備や、酸素供給により部分燃焼せしめられ、もってタールを相対的に削減させる方式のタール処理設備等を経由し、もってタール分を低減,除去してから、発電用のエンジン等に供給されていた。
《先行技術文献情報》
部分燃焼方式のタール処理設備としては、例えば、次の特許文献1の従来の技術欄に示されたものが、挙げられる。
特開2004−292720号公報
ところで、このような従来例については、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、タールの熱化学エネルギーが全く利用されていない、という問題が指摘されていた。
すなわち、上述したこの種従来例のタール処理設備は、燃料化される生成ガスについて、エンジントラブルの原因となるタールを、低減,除去せんとするに過ぎなかった。
木質バイオマスの生成ガスの燃料化に際し、含有されたタールを単に低減,除去するに過ぎず、タールの熱エネルギーも燃料として活用せんとする発想はなかった。
タールが、潜在的に内在して持っている熱化学エネルギー,熱力学的エネルギー,つまりタールの内部エネルギーが、生かされ顕在化され利用されることなく、捨てられていた。タールの熱化学再生は、何ら鑑みられていなかった。
《第2の問題点》
第2に、水スクラビング等の水処理装置付のこの種従来例のタール処理設備については、付帯設備である水処理装置設備が大型化,大規模化し、設備コスト,排水処理コスト,メンテナンスコスト等が嵩む、という問題が指摘されていた。
又、部分燃料方式のこの種従来例のタール処理設備については、タールの低減,除去が不十分である、という問題も指摘されていた。
《本発明について》
本発明の木質バイオマスガスの改質システムは、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、タールの熱化学再生が実現され、第2に、しかもこれが、コスト面や効率面に優れつつ達成される、木質バイオマスガスの改質システムを提案することを、目的とする。
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。
請求項1の木質バイオマスガスの改質システムは、熱分解炉と改質反応器とエンジンと、を有している。
そして該熱分解炉は、投入された木質バイオマスを熱分解する。
該改質反応器は、上部から、該熱分解炉の熱分解で得られた炭化物粒が供給されると共に、下部から、該熱分解炉の熱分解で得られた生成ガスが供給され、もって、該生成ガス中に含有されたタール蒸気が、水素と一酸化炭素や二酸化炭素等に改質される。
該エンジンは、該生成ガスの改質ガスを燃料として使用する。
かつ該改質反応器は、該熱分解炉から供給される該生成ガス自体の温度に、空気導入による内燃法の部分燃焼の熱を加えることにより、600℃以上〜900℃以下の温度域に維持されている。
もって該改質反応器では、該炭化物粒の該タール蒸気吸着,担持,一体化層としての機能と、該炭化物粒の該タール蒸気コーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層としての機能とに基づき、該生成ガス中の該タール蒸気が、該炭化物粒に吸着,担持されてコークと水素とに分解される。
そして、該コークが該炭化物粒の一部となって、水蒸気と反応して改質される。その際、該炭化物粒も水蒸気と反応して水素と一酸化炭素とに改質される。
そして該改質反応器では、該炭化物粒が、上部から下部へと移動層を形成しつつ、下部から上部へと向かう該生成ガスと接触する。
そして、このような接触に基づき、該生成ガスは、該タール蒸気が水蒸気改質され、もって該改質ガスとなって上部から排出されること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)木質バイオマスを熱分解した生成ガスは、一酸化炭素や水素を含有するが、タール蒸気も含有している。
(2)そこで生成ガスは、熱分解炉から改質反応器に供給されるが、熱分解炉において、タール蒸気発生は完了した状態となっている。
(3)改質反応器は、熱分解炉で得られた炭化物粒が上部から供給され、下部から生成ガスが供給される。そして、生成ガスの温度と空気導入による部分燃焼の熱とにより、約800℃〜850℃程度とされる。
(4)そこで改質反応器内では、タール蒸気が、まず炭化物粒に吸着されてコーク化された後、高温加熱下で生成ガス中の水蒸気と反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に、水蒸気改質される。
(5)改質反応器では、このようにタール蒸気が水蒸気改質され、生成ガスは、燃料成分が増加しカロリーアップされた改質ガスとなって、エンジンに供給される。
(6)さて、本発明の改質システムでは、このようにタール蒸気の熱エネルギーも、燃料として有効活用される。タール蒸気は、潜在的,内在的な熱化学エネルギー,内部エネルギーが、顕在化されて利用される。
(7)そして、この熱化学再生は、反応に必要な熱量が下げられると共に、合理的なエンタルピー授受システムにより、実現される。すなわち熱分解炉では、エンジンの高温排気ガスの熱量を利用した外燃法,低温乾留が行われ、改質反応器では、生成ガスの熱量が足りない分だけ、空気導入,部分燃焼の熱量を加える内燃法が実施される。
(8)更に改質反応器では、下部へ向かう炭化物粒と上部へ向かう生成ガスが、時間をかけ十分に接触するので、タール蒸気が確実,迅速,効率的に水蒸気改質されてしまう。
(9)又このシステムは、熱分解炉,改質反応器,エンジンを、プロセス的にシステム配置してなり、構成が簡単であり、小型化され処理操作やメンテナンスも容易である。
(10)さてそこで、本発明の改質システムは、次の効果を発揮する。
第1に、タールの熱化学再生が実現される。すなわち、本発明の木質バイオマスガスの改質システムでは、木質バイオマス生成ガスの燃焼化に際し、前述したこの種従来例のように、含有されたタールを単に低減,除去するのみならず、タールの熱エネルギーも燃料として有効活用する。
タールは、潜在的な熱化学エネルギー,熱力学的エネルギー,つまり内部エネルギーが、顕在化されて利用される。
《第2の効果》
第2に、しかもこれは、コスト面や効率面に優れつつ達成される。すなわち、本発明の木質バイオマスガスの改質システムでは、まず、改質反応器の上部から炭化物粒が、下部から生成ガスが供給され、両者が十分に接触する。もって、生成ガス中のタールは、確実,迅速,効率的に水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に改質されてしまい、前述したこの種従来例に比し、タールの低減,除去性能に優れている。
本発明のシステムで得られた改質ガスは、エンジンの燃料として使用しても、タール付着,汚れ,コーキングに起因したエンジントラブルが発生せず、エンジン耐久性が向上する。
又、タールを改質してしまうので、前述したこの種従来例のように、大型で大規模な水処理装置は付帯設備として使用されず、設備コスト,排水処理コスト,メンテナンスコスト等にも優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《図面について》
以下、本発明の木質バイオマスガスの改質システムを、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供し、構成フロー図である。
《熱分解炉1について》
本発明の木質バイオマスAのガスの改質システムは、熱分解炉1と改質反応器2とエンジン3と、を有している。まず熱分解炉1について、説明する。
熱分解炉1は、投入された木質バイオマスAを熱分解する。すなわち、熱分解炉1は、エンジン3からの高温の排気ガスBを利用して、約450℃以上〜650℃以下程度の温度域で、木質廃材その他の木質バイオマスAを、低温乾留により熱分解する。
そして、この熱分解により、灰分や炭化物粒C等と共に生成ガスDが生成され、生成ガスDは、水素,一酸化炭素,二酸化炭素,水蒸気,窒素等を主成分とし、タール蒸気Eを含有している。
そして熱分解炉1では、上記温度域での乾留,熱分解にて、タール蒸気Eの発生が完了し出尽しており、改質反応器2に供給される炭化物粒Cについても、タール蒸気Eの発生は見られない。
このような熱分解炉1について、更に詳述する。まず熱分解炉1は、ロータリーエンジンを用いたエンジン3からの高温の排気ガスBを利用して、約450℃以上〜650℃以下程度の温度域、特に約500℃以上〜600℃以下程度の温度域に保持されている。
排気ガスBは、750℃〜900℃程度の高温でエンジン3から排出された後、管路4を経由して熱分解炉1へと導かれる。熱分解炉1は、このような排気ガスBの熱量,顕熱を利用し、外熱法(間接加熱方式)にて上記温度域に保持される。なお、この温度域は、排気ガスBにて無理なく保持可能である。
そして、この温度域は、低温乾留,熱分解される木質バイオマスAからのタール蒸気Eの発生が、完了してしまう温度域、つまりタール蒸気Eが出尽くしてしまう温度域である。なお、この温度域を下廻ると、タール蒸気E発生が未完了状態となり、逆に、この温度域を上廻ると、炭化物粒(木炭粒であるチャー)の生成が困難化する。
そして、このような熱分解炉1に、原料ホッパー5から、乾燥処理された木質廃材,木屑チップ等の木質バイオマスAが、定量フィーダー6を介して、25℃程度の常温で投入される。本質バイオマスAとしては、このような木質系バイオマス資源が代表的であるが、その他の植物系,廃棄物系バイオマス資源も、使用可能である。
熱分解炉1に投入された木質バイオマス1は、前記温度域の低温乾留にて熱分解され、もって、カーボン,灰分,炭化物粒C等の固形分と共に、生成ガスDが熱分解ガスとして生成される。
この生成ガスDは、一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO),水素(H),水分(HO),窒素(N),メタン(CH)等を主成分とする。例えば、生成ガスDの組成は体積比で、一酸化炭素が16.1%、二酸化炭素が10.7%、メタンが3.0%、水素が11.0%、水分が15.5%、酸素が0.3%、窒素が43.3%となっている。因にその熱量は、LHVで例えば、4,467〜5,078kJ/Nm(1,067〜1,213kcal/Nm)程度となっている。
そして、このような生成ガスDに対し、更に、例えば0.5g/Nm程度以上の濃度で、タール蒸気Eが混入している。タール蒸気Eは、炭化水素を主成分とし、粘性の微粒子状,ペーパー状,気化状をなす。このようにタール蒸気Eを含有した生成ガスDは、熱分解炉1から排出され、温度低下によるタール蒸気Eの液化,固化,付着,コーキング等を回避すべく、管路7において断熱材で保温され、除塵機を経由して、改質反応器2に供給される。
図示例の熱分解炉1は、スクリュー押し出し式よりなり、原料である木質バイオマスAの熱分解反応系の吸熱量は、原料発熱量の僅か6%程度となっている。
熱分解炉1は、このようになっている。
《改質反応器2について》
次に、改質反応器2について、説明する。改質反応器2は、熱分解炉1から供給される生成ガスD自体の温度に、空気F導入による内燃法の部分燃焼の熱を加えることにより、例えば約800℃以上〜850℃以下程度の温度域に、維持されている。
そして上部から、熱分解炉1の熱分解で得られた炭化物粒Cが供給されると共に、下部から、熱分解炉1の熱分解で得られた生成ガスDが供給され、もって、生成ガスD中に含有されたタール蒸気Eが、水素と一酸化炭素や二酸化炭素等に改質される。
すなわち、改質反応器2では、炭化物粒Cが、上部から下部へと移動層を形成しつつ、下部から上部へと向かう生成ガスDと接触する。そして、このような接触に基づき、生成ガスD中のタール蒸気Eが、炭化物粒Cの吸着分解機能と触媒機能により、生成ガスD中の水蒸気と反応して水蒸気改質され、もって、改質ガスGが上部から排出される。
このような改質反応器2について、更に詳述する。まず改質反応器2は、代表的には約800℃〜850℃程度の温度域、少なくとも600℃以上〜900℃以下の温度域に維持されている。
すなわち、熱分解炉1から供給される生成ガスDの温度(例えば約500℃〜600℃程度)をベースに、不足分を補うべく導入される予熱空気F(酸素)に基づく部分燃焼の反応熱を、加えることにより、上記温度域に維持されている。つまり、反応対象である生成ガスD自体の熱量に、直接加熱方式による熱量を、加える方式が採用されている。
又、水蒸気改質は、生成ガスD中に含有された水蒸気を利用して実施されるが、付設されたスチーム供給手段からも、水蒸気を供給可能となっている。すなわち、フィードされた生成ガスD中には水蒸気が含有されており、これにて水蒸気改質が進行するが、生成ガスD中の水蒸気が少ない場合は、不足分の水蒸気を供給可能となっている。
そして改質反応器2には、炭化物粒Cが上部から供給される。木質バイオマスAを乾留により熱分解して得られた炭化物粒C、つまり熱分解炉1で焦げた未燃焼分として得られた木炭粒が、上部から供給される。そして炭化物粒Cは、タール蒸気Eの水蒸気改質用の担持機能と触媒機能とを発揮すると共に、みずからも水素や一酸化炭素等に水蒸気改質される。
すなわち炭化物粒Cは、炭素を主成分とし、炭素質物質の乾留に際し多孔質残留物として生成される。そして、タール蒸気Eの捕捉,吸着,担持,一体化層として機能すると共に、タール蒸気Eのコーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層として機能する。又、炭化物粒Cは、自身も水蒸気改質されて、水素や一酸化炭素等にガス化される。
さて改質反応器2内では、下部から供給されて上部に向かう改質対象である生成ガスD中のタール蒸気Eが、この上部から供給されて下部に向かう炭化物粒Cにて、吸着,担持されてコーク化される。そして、このコークが、熱の作用と触媒の作用とに基づき、水蒸気をガス化剤として反応して、水素,一酸化炭素,二酸化炭素,メタン等に変換され、水蒸気改質される。いわゆる水性ガス化反応が進行する。
改質反応器2では、このようにして、木質バイオマスAの生成ガスD中のタール蒸気Eが、水蒸気改質されると共に、更に内部充填された炭化物粒Cも水蒸気改質され、もって改質ガスGが生成される。
このように生成ガスDが改質された改質ガスGは、タール濃度が0.1g/Nm未満となっており、その熱量は、LHVで例えば、5,542kJ/Nm(1,324kcal/Nm)程度となっている。つまり改質ガスGは、前述した改質前の生成ガスD当時の熱量に比べ、タール蒸気E更には炭化物粒Cの改質により、1〜2割程度カロリーアップされたリッチガスとなっている。なお、図中Hは灰分であり、炭化物粒C等の残渣として改質反応器2下部から排出される。
改質反応器2は、このようになっている。
《反応式等について》
次に、反応式等について説明する。改質反応器2内では、次の化学反応式により、水蒸気改質等が進行する。
まず炭化物粒Cが、熱の作用により水蒸気をガス化剤として、次の化1の化学反応式により水蒸気改質され、もって水素と一酸化炭素に気化,ガス化される。
これと共に、このような反応が進む炭化物粒C表面では、まず、タール蒸気Eが吸着された後、コークと水素に分解され、このコークは炭化物粒Cの一部となる。そして、このような炭化物粒Cにおいては、次の化2,化3の反応が起こり、水素,一酸化炭素および二酸化炭素が生成する。
Figure 0005460970
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すなわち、化2の反応式において、コークつまり炭素は水蒸気と反応して、一酸化炭素と水素に水蒸気改質される。炭素と水蒸気の系は、高温付与により系のエンタルピーが上がり、吸熱反応により一酸化炭素と水素の混合気体にガス化されるが、生成水素量は最小である。
これに対し化3の反応式では、炭素は水蒸気と反応して、二酸化炭素と水素に水蒸気改質される。これは、化2の反応式より多量の水蒸気が作用すると共に、化2の反応式の一酸化炭素も完全に改質された場合であり、吸熱反応により二酸化炭素と水素とにガス化され、生成水素量は最大となる。
化3の反応式では、化2の反応式で生成された一酸化炭素が、発熱反応である次の化4のシフト反応により水蒸気と反応して、二酸化炭素と水素に改質,変換される。化2の反応式に次の式4の反応式を加えると、化3の反応式となる。
Figure 0005460970
改質反応器2内では、化4のシフト反応が起こらない場合は化2の反応式により、又、化4のシフト反応が起こる場合は化3の反応式により、水蒸気改質が進行する。しかし実際は、一酸化炭素濃度を低減する化4のシフト反応の発生程度に従い、化2と化3の中間の反応式により水蒸気改質が進行する可能性が高く、この場合は、一酸化炭素と二酸化炭素と水素との混合気体が、改質ガスGとして生成される。
勿論、これらの反応の温度依存性に鑑み、化3の反応式より化2の反応式の方が吸熱程度が高いので、例えば850℃程度と温度が高い程、化3の反応式より化2の反応式が起こりやすく、化4のシフト反応が抑えられる。これに対し、例えば800℃程度の場合には、化4のシフト反応が起こりやすく、化3の反応が起こりやすい。
反応式等については、以上のとおり。
≪エンジン3について≫
次に、エンジン3について説明する。エンジン3は、生成ガスDの改質ガスGを燃料として使用する。
すなわち、このエンジン3はロータリーエンジンよりなり、改質ガスGが、除塵設備を介して供給され、改質ガスG中の水素,一酸化炭素,メタン等を主な燃料として運転される。
図示例の改質ガスGは、管路8にて、冷却部や圧送用兼流量調整用のポンプ等を経由して(図示せず)、エンジン3に供給される。そしてエンジン3は、その主軸が、隣接設置された発電機9に連結されており、その駆動が発電に利用されている。
エンジン3は、このようになっている。
《作用等》
本発明の木質バイオマスAガスの改質システムは、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)木質バイオマスAを熱分解して得られた生成ガスDは、一酸化炭素や水素を含有するが、タール蒸気Eも含有している。
(2)そこで生成ガスDは、熱分解炉1から改質反応器2に供給される。なお熱分解炉1では、その約450℃〜650℃程度の温度域に基づき、木質バイオマスAからのタール蒸気Eの発生が、完了し出尽した状態となっている。
(3)改質反応器2は、熱分解炉1で得られた炭化物粒Cが上部から供給され、下部から生成ガスDが供給される。
そして改質反応器2内は、このように供給される生成ガスDの濃度に、空気F導入による内燃法の部分燃焼の熱が加わることにより、約800℃〜850℃程度される。
(4)そこで改質反応器内2では、生成ガスDに含有されたタール蒸気Eが、まず炭化物粒C外表面に吸着されて、コーク化された後、高温加熱下で生成ガスD中の水蒸気と反応し、もって水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に水蒸気改質される。
なお水蒸気改質には、生成ガスD中の水蒸気が利用されるが、足りない場合は水蒸気を別途供給しても良い。
(5)改質反応器2では、このようにタール蒸気E更には炭化物粒Cが、水蒸気や空気Fを酸化剤として反応し、もって水素や一酸化炭素に改質され、生成ガスDは、燃料成分が増加しカロリーアップされた改質ガスGとなって、エンジン3に向け燃料として供給される。
(6)さて、本発明の改質システムでは、このようにタール蒸気Eや炭化物粒Cから、水素や一酸化炭素が改質,生成される。木質バイオマスA生成ガスDの燃料化に際し、タール蒸気Eや炭化物粒Cの熱エネルギーも、燃料として有効活用される。
タール蒸気Eは、潜在的に内在している熱化学エネルギー,熱力学エネルギー,つまり内部エネルギーU(正確にはその一部のΔU)が、引き出され生かされ顕在化されて、利用可能となる(タール蒸気Eにおいて、この内部エネルギーΔUの変換,授受は、系のエンタルピーΔHの授受に等しいことになる)。
(7)そして、この改質システムにおいて、タール蒸気Eのこのような熱化学再生は、反応に必要な熱量が下げられ、低い温度で実現されると共に、合理的なエンタルピー授受システムにより、実現される。
すなわち、まず熱分解炉1では、エンジン3の高温の排気ガスBの熱量をそのまま利用した外熱法(間接加熱方式),低温乾留により、熱的に無理なく余裕をもって、熱分解が実施される。又、改質反応器2では、熱分解炉1から供給される生成ガスDの熱量に、足りない分だけ空気F(酸素)導入,部分燃焼の熱量を加える内燃法(直接加熱方式)により、必要なエンタルピーを得て無理なく改質が実施される。
又、タール蒸気Eのこのような熱化学再生反応は、吸熱反応であるが、この再生反応からは、吸熱量を遥かに上廻る発熱量を有する可燃性ガスつまり水素や一酸化炭素等が得られ、もって文字通りタール蒸気Eの内部エネルギーΔUが、顕在化し利用可能となる。
(8)更に、この改質システムの改質反応器2では、上部から炭化物粒Cが供給されると共に、下部から生成ガスDが供給され、もって、上部から下部へと向かう炭化物粒Cと、下部から上部へと向かう生成ガスDとが、必要時間をかけて十分に接触可能となる。
そこで生成ガスDは、含有されたタール蒸気Eが、炭化物粒Cの吸着分解機能と触媒機能により、確実,迅速,かつ効率的に水蒸気改質される。タール蒸気Eは、水素,一酸化炭素,二酸化炭素等に水蒸気改質されてしまうと共に、確実に低減,除去される。
(9)しかも、この改質システムは、熱分解炉1と改質反応器2とエンジン3とを、プロセス的に相互関連づけてシステム配置してなり、全体的に構成が簡単であり小型化されると共に、処理操作やメンテナンスも簡単容易である。
本発明の作用等は、このようになっている。
本発明に係る木質バイオマスガスの改質システムについて、発明を実施するための最良の形態の説明に供し、構成フロー図である。
符号の説明
1 熱分解炉
2 改質反応器
3 エンジン
4 管路
5 原料ホッパー
6 定量フィーダー
7 管路
8 管路
9 発電機
A 木質バイオマス
B 排気ガス
C 炭化物粒
D 生成ガス
E タール蒸気
F 空気
G 改質ガス
H 灰分

Claims (1)

  1. 木質バイオマスガスの改質システムであって、熱分解炉と改質反応器とエンジンと、を有しており、該熱分解炉は、投入された木質バイオマスを熱分解し、
    該改質反応器は、上部から、該熱分解炉の熱分解で得られた炭化物粒が供給されると共に、下部から、該熱分解炉の熱分解で得られた生成ガスが供給され、もって、該生成ガス中に含有されたタール蒸気が、水素と一酸化炭素や二酸化炭素等に改質され、
    該エンジンは、該生成ガスの改質ガスを燃料として使用し、
    かつ該改質反応器は、該熱分解炉から供給される該生成ガス自体の温度に、空気導入による内燃法の部分燃焼の熱を加えることにより、600℃以上〜900℃以下の温度域に維持されており、
    もって該改質反応器では、該炭化物粒の該タール蒸気吸着,担持,一体化層としての機能と、該炭化物粒の該タール蒸気コーク化,水蒸気改質反応促進用の触媒層としての機能とに基づき、
    該生成ガス中の該タール蒸気が、該炭化物粒に吸着,担持されてコークと水素とに分解され、該コークが該炭化物粒の一部となって、水蒸気と反応して改質され、その際、該炭化物粒も水蒸気と反応して水素と一酸化炭素に改質され、
    該改質反応器では、該炭化物粒が、上部から下部へと移動層を形成しつつ、下部から上部へと向かう該生成ガスと接触し、
    このような接触に基づき、該生成ガスは、該タール蒸気が水蒸気改質され、もって該改質ガスとなって上部から排出されること、を特徴とする、木質バイオマスガスの改質システム。
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