実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、前面枠セット14と内枠12とを開放した状態の実施例1のパチンコ機10の斜視図である。図3は、前面枠セット14を取り外した状態の実施例1のパチンコ機10の正面図である。図4は、実施例1の遊技盤30の正面図である。図5は、実施例1の遊技盤30の斜視図である。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12(図2,図3参照)と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J2として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)としている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、図2,図3に示すように、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース12aと、この樹脂ベース12aに背後から取り付けられる遊技盤30(図4参照)とを備えている。また、内枠12は、図2に示すように、樹脂ベース12aの前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース12aは、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図4参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J2を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース12aに対して開閉自在である。
遊技盤30(図4参照)は、例えば合板の前面側に釘や各種の入賞部品などが配設されたものであり、その遊技領域30aを樹脂ベース12aの開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられているため、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸J2を軸心にして前方側に開放できる。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能な窪み空間を備えている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、下皿ユニット13において下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれる。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図2参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図4参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞としており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300および第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示省略のカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を挿入口(図示省略)に挿入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニット(図示省略)に挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニット(図示省略)を介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付される。これにより、カードユニット(図示省略)を用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図4に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側上下の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース12aの裏側に当接した状態で取り付けられており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態である。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)および可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34および可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する図示省略の検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
また、始動入賞装置33は、図4に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには図示省略の第1の始動口33a用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。また、下部側の第2の始動口33bには図示省略の第2の始動口33b用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
その他に、図4に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30の遊技領域30aには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部40cと、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40d,40eと、このLED40d,40eでの変動表示の保留数を示す、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部40fとを備えている。
第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等するLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
上記と同様に、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等するLED40d,40eは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40d,40eの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40d,40eの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部41cにて表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば、左、中及び右の3つの装飾図柄列(図示省略)が表示される。各装飾図柄列(図示省略)は複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列(図示省略)毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図4に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態であり、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態である。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(遊技球発射装置38による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34などへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eが変動表示され、その変動停止後のLED40d,40eの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部40fにて表示される。なお、保留表示部40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示するものとしているが、保留ランプなどを用いて点灯表示するようにしても良い。
また、遊技盤30には、図4に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内される。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には、戻り球防止部材53が取り付けられている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図4に二点鎖線で示す部材)が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されることになる。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図4に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部60(図4に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、図4に示すように、証紙の製造番号(例えば、遊技機の製造業者記号と一連の連続番号とからなる)が表記されている証紙シールS1が貼り付けられた証紙部品400を設けるためのスペースとして活用されている。遊技盤30の右下隅部に、証紙シールS1が貼り付けられた証紙部品400を固定することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
また、内枠12は、図3に示すように、その裏面側に遊技盤30が取り付けられた状態において、遊技盤30の証紙部品400が挿入位置する証紙用開口部12bを備えている。なお、この内枠12の証紙用開口部12bは、後述する証紙ベース410全体が見える大きさとなっている。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図4に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図2に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御装置(図示省略の主制御装置とサブ制御装置など)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分である証紙部品400について、図6〜図11を用いて説明する。
図6は、証紙部品400の前方右上視の分解斜視図である。図7は、証紙部品400の前方左上視の分解斜視図である。図8は、証紙部品400の後方右上視の分解斜視図である。図9は、証紙部品400の後方左上視の分解斜視図である。図10(a)は、遊技盤30の証紙部品400の取付箇所の正面図であり、図10(b)は、遊技盤30の証紙部品400の取付箇所のA−A線断面図である。図11は、遊技盤30の証紙部品400の取付箇所のB−B線断面図である。
遊技盤30は、図4及び図5に示すように、その正面視右下箇所(被取付箇所30b)に、遊技製品に関する証明情報を表示する証紙部品400が取り付けられている。
また、この証明情報としては、所定の検定機関の検定を受けて合格したことを示す唯一無二の検定番号(例えば、遊技機の製造業者記号と一連の連続番号とからなる証紙の製造番号)が挙げられる。
ここで、証紙部品400が取り付けられる遊技盤30の正面視右下箇所(被取付箇所30b)について説明する。
遊技盤30は、図8及び図9に示すように、その正面視右下箇所に、裏面に向かうほど開口が大きい三段孔390が形成されている。三段孔390は、図8、図10及び図11に示すように、遊技盤30の前面に最も近い長孔である第1長孔391と、この第1長孔391と同一中心で連通して当該第1長孔391よりも開口の大きい第2長孔392と、この第2長孔392と同一中心で連通して当該第2長孔392よりも開口の大きい、遊技盤30の裏面に最も近い第3長孔393とで構成されている。
続いて、証紙部品400の構造について説明する。
証紙部品400は、図6〜図9に示すように、証紙の製造番号を表記する証紙シールS1と、この証紙シールS1が前面側に貼り付けられた箱状の証紙ベース410とを備えている。証紙ベース410は、例えば、樹脂成型品を採用することができる。
証紙シールS1は、一旦貼り付けられた後に剥がそうとすると、その少なくとも一部が破損するような壊れやすいものであり、貼り付け後にきれいに剥がされて不正に再使用されないものである。
証紙ベース410は、図6〜図9に示すように、証紙シールS1が前面側に貼り付けられる正面視で略四角形で平板状の前面部411と、この前面部411の各辺からそれぞれ奥方向に延出した上面部412、下面部413、左面部414および右面部415とを備え、裏面側が開口した箱状形状としている。
証紙ベース410は、図6〜図9に示すように、その外周側辺の所定箇所(上面部412と左面部414の箇所)に、遊技盤30と当接して取り付けられる取付部430をそれぞれ備えている。具体的には、証紙ベース410の上面部412には、その奥側端部箇所から上方向に突出した、遊技盤30と当接して取り付けられる取付部430が備えられている。また、証紙ベース410の左面部414には、その奥側端部箇所から横方向に突出した、遊技盤30と当接して取り付けられる取付部430が備えられている。
この取付部430には、図6〜図9に示すように、ネジ挿入孔431が形成されている。図10に示すように、取付部430のネジ挿入孔431にネジ432を挿入した状態でこのネジ432を遊技盤30にネジ止めすることで、証紙ベース410が遊技盤30にネジ432によって固定されている。
さらに、証紙ベース410は、図8〜図11に示すように、遊技盤30と対向する側箇所に突出形成された、当該証紙ベース410が遊技盤30に取り付けられた状態で三段孔390に挿入される長穴筒部420を備えている。
また、証紙ベース410は、図8〜図11に示すように、遊技盤30と対向する側箇所、つまり、長穴筒部420に、遊技盤30の三段孔390の第2長孔392に係止する第1係止爪421を備えている。この第1係止爪421は、図8及び図9に示すように、長穴筒部420のその筒長さ方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部422の間の突出部分の外面箇所に爪を形成したものである。また、第1係止爪421は、図8に示すように、長穴筒部420の対向2箇所にそれぞれ形成されている。具体的には、長穴筒部420の長穴開口の全周のうちで各直線部分の箇所に第1係止爪421が形成されている。
また、長穴筒部420は、図8〜図11に示すように、一対の第1係止爪421が形成されている箇所とは異なる箇所に、一対の係止孔423が形成されている。具体的には、長穴筒部420の上側円弧面箇所と下側円弧面箇所とに、挿入方向に長い長孔形状の係止孔423がそれぞれ形成されている。
さらに、証紙部品400は、図11に示すように、係止部440によって、遊技盤30の正面視右下箇所から取り外し不可に係止されている。
具体的には、係止部440は、図6〜図9に示すように、証紙部品400の遊技盤30からの取り外しを不可に当該証紙部品400と係止する、証紙部品400とは別体の係止ピン450を備えている。係止ピン450は、例えば、樹脂成型品を採用することができる。
係止ピン450は、図6〜図11に示すように、遊技盤30の三段孔390に挿入された長穴筒部420に挿入される挿入ピン部460と、この挿入ピン部460に設けられた、証紙ベース410の長穴筒部420の係止孔423と係止する第2係止爪462と、挿入ピン部460の挿入方向後端側に形成されて当該三段孔390の第3長孔393を塞ぐピン頭部470と、を備えている。
また、図10(b)及び図11に示すように、遊技盤30の三段孔390に挿入された長穴筒部420に係止ピン450の挿入ピン部460が挿入された状態では、この係止ピン450のピン頭部470は、技盤30の三段孔390の第3長孔393に挿入された状態となっている。
また、係止ピン450は、図6〜図9に示すように、そのピン頭部470の箇所に、証紙部品400を遊技盤30から取り外すために破壊される被切断部471(リブ)を備えている。
また、挿入ピン部460は、図6〜図11に示すように、長穴筒部420に挿入されて第1係止爪421が内側に撓むことを規制する延出壁部464を備えている。
また、証紙ベース410の長穴筒部420は、図13(c)及び図16(c)に示すように、被切断部471が破壊された係止ピン450のうちで証紙ベース410と係止する破壊分離部品466を保持するものでもある。
被切断部471は、図10、図13及び図16(a)に示すように、挿入ピン部460とピン頭部470とを連結する連結部のうちで三段孔390を正面視した状態で当該三段孔390の第1長孔391内に存する部分である。この部分に印など(例えば、線を引いておいたり、色を変えて表示した、切り込みをしたりする)を付けておいてもよい。
図10(a)に示すように、係止ピン450の連結部と長穴筒部420の切り欠き部422とが当該係止ピン450の長穴筒部420への挿入方向視で一致した状態で第2係止爪462が係止孔423に係止している。係止孔423は、延出壁部464が第1係止爪421の内側への撓みを規制しない箇所まで破壊分離部品466を長穴筒部420に押し込める程度に挿入方向に長い長孔形状である。
なお、上述した証紙部品400が本発明における証明情報表示部品に相当し、上述した遊技盤30が本発明における遊技部品に相当し、上述した被取付箇所30bが本発明における被取付部に相当し、上述した係止部440が本発明における係止手段に相当し、上述した係止ピン450が本発明における係止部品に相当し、上述した被切断部471が本発明における被破壊部に相当し、上述した第2長孔392が本発明における被係止部に相当し、上述した第3長孔393が本発明における頭部挿入孔部に相当し、上述した三段孔390が本発明における貫通孔に相当し、上述した証紙シールS1が本発明における表記部に相当し、上述した証紙ベース410が本発明における本体部に相当し、上述した第1係止爪421が本発明における第1係止部に相当し、上述した取付部430が本発明における止め部に相当し、上述した挿入ピン部460が本発明における挿入部に相当し、上述した第2係止爪462が本発明における第2係止部に相当し、上述したピン頭部470が本発明における頭部に相当し、上述した長穴筒部420が本発明における突出部(中空突出部)、破壊分離部品保持部に相当し、上述した延出壁部464が本発明における撓み規制部に相当する。
ここで、証紙部品400の遊技盤30への取り付け手順について、図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は、証紙部品400の遊技盤30への取り付け手順を示す証紙部品400などの縦断面図である。
図12(a)に示すように、証紙ベース410の前面部411に証紙シールS1を貼り付ける。そして、証紙シールS1が貼り付けられた証紙ベース410の長穴筒部420を、遊技盤30の正面視右下箇所(被取付箇所30b)の三段孔390に前面側から挿入する。
図12(b)に示すように、証紙ベース410の長穴筒部420が遊技盤30の三段孔390に挿入されると、この長穴筒部420の第1係止爪421が三段孔390の第2長孔392に係止した状態となる。この係止状態を解除(つまり、第1係止爪421を内側に撓ませて第2長孔392との係止を解除)しない限り、証紙ベース410の遊技盤30への取り付け状態が維持される。
続いて、証紙ベース410の長穴筒部420が遊技盤30の三段孔390の第2長孔392に係止した状態において、図12(c)に示すように、遊技盤30の裏面側から長穴筒部420に係止ピン450の挿入ピン部460を挿入するようにして当該係止ピン450を三段孔390に挿入する。
このように係止ピン450が証紙ベース410の長穴筒部420に挿入係止された状態では、図12(c)に示すように、係止ピン450の第2係止爪462が長穴筒部420の係止孔423に係止するとともに、図10(b)に示すように、係止ピン450の延出壁部464が長穴筒部420の第1係止爪421の内側に当接しており、第1係止爪421の内側への撓みができないように規制されているので、証紙ベース410が遊技盤30から取り外し不可となっているし、係止ピン450も証紙ベース410から取り外し不可となっている。
さらに、図10に示すように、証紙ベース410の取付部430を遊技盤30にネジ止めし、証紙部品400の遊技盤30への取り付けが完了する。
次に、証紙部品400の遊技盤30への取り外し手順について、図13〜図16を用いて説明する。図13(a)〜(c)は、証紙部品400の遊技盤30からの取り外し手順を示す遊技盤30の要部縦断面斜視図である。図14(a)は、証紙部品400を取り外した状態の遊技盤30の一部破断斜視図であり、図14(b)は、取り外された証紙部品400から破壊分離部品466を取り出す様子を示す図である。図15(a)〜(f)は、証紙部品400の遊技盤30からの取り外し手順を示す証紙部品400などの縦断面図である。図16(a)〜(d)は、証紙部品400の遊技盤30からの取り外し手順を示す証紙部品400などの横断面図である。
図13(a)、図15(a)及び図16(a)に示すように、係止ピン450のピン頭部470の被切断部471(リブ)を例えば切断工具を用いて切断する。具体的には、図13(a)に示すように、ピン頭部470の4箇所の被切断部471(リブ)を切断する。また、この被切断部471は、図10(a)に示すように、三段孔390を正面視した状態で当該三段孔390の第1長孔391内に存する部分である。
続いて、このように係止ピン450のピン頭部470と挿入ピン部460とが分離された状態とした後に、図13(b)、図15(b)及び図16(b)に示すように、被切断部471が破壊された係止ピン450のうちで証紙ベース410と係止する破壊分離部品466を長穴筒部420の内部奥側に押し込む。
この破壊分離部品466が長穴筒部420の内部奥側に押し込まれた状態では、図13(b)、図15(b)及び図16(b)に示すように、破壊分離部品466の挿入ピン部460の延出壁部464が第1係止爪421の内側に位置していないため、第1係止爪421が内側に撓むことが可能な状態となっている。
続いて、図13(c)、図14(a)、図15(c),(d)及び図16(c)に示すように、証紙ベース410の取付部430のネジ432を緩めて取り外し、第1係止爪421を内側に撓ませて第2長孔392との係止を解除した状態で証紙部品400を遊技盤30から取り外す。
続いて、図15(e)に示すように、証紙部品400の長穴筒部420の内部奥側に押し込まれた破壊分離部品466を当該長穴筒部420の開口側に引き出し、破壊分離部品466の第2係止爪462を長穴筒部420の係止孔423から外れるように撓ませて、図14(b)、図15(f)及び図16(d)に示すように、破壊分離部品466を証紙ベース410の長穴筒部420から取り出す。
このように、証紙部品400の遊技盤30からの取り外しが完了する。
なお、係止ピン450のピン頭部470の被切断部471が切断されており、係止ピン450は再使用できない状態であるのに対して、証紙部品400は、特に損傷を受けていないため、再使用可能である。つまり、製造メーカーは係止ピン450を正当所持しており、遊技盤30の出荷前試験で初期不良が発見された場合には、その初期不良であった遊技盤30の証紙部品400を、正常な遊技盤30に取り付けて、係止ピン450を係止させてホールに出荷できる。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技製品に関する証明情報を表示した証紙部品400と、この証紙部品400が取り付けられる被取付箇所30bを有する遊技盤30と、証紙部品400を遊技盤30の被取付箇所30bから取り外し不可に係止する係止部440と、を備え、係止部440は、証紙部品400の遊技盤30からの取り外しを不可に当該証紙部品400と係止する、当該証紙部品400とは別体の係止ピン450を備え、この係止ピン450は、証紙部品400を遊技盤30から取り外すために破壊される被切断部471を備えている。したがって、証紙部品400が遊技盤30の被取付箇所30bに係止部440によって係止されると、係止部440の係止ピン450を破壊しない限り、証紙部品400が遊技盤30から取り外し不可であるため、証紙部品400と遊技盤30との一体不可分性を確保でき、証紙部品400が不正に交換されることを低減できる。
また、検定合格後で製造メーカー出荷前試験において遊技盤30(証紙部品400の取り付け済み)に故障や不良があった場合や、ホール設置作業で遊技盤30を落下破損させた場合等には、係止ピン450の被切断部471を破壊することで、証紙部品400を遊技盤30から取り外すことができ、製造メーカー側が所有する係止ピン450を用いてその取り外した証紙部品400を例えば検定を受けた新たな遊技盤30に取り付けて出荷することができ、遊技機のホール設置の際に、複数の遊技機の証紙部品400を一連の番号順とすることができる。
また、ホール設置後に、ある遊技機の係止ピン450の被切断部471が不正に破壊されて、証紙部品400が遊技盤30から不正に取り外されて他の遊技機に使用された場合には、当該他の遊技機での係止ピン450の被切断部471の破壊痕跡や係止ピン450の不存在を見ることで、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
例えば、検定を受けていない遊技盤30に、正規の証紙部品400が取り付けられてホールで不正営業されていたり、証紙部品400を勝手に付け替えられたりしている場合には、被切断部471が破壊された係止ピン450を再使用していたり、係止ピン450が破壊されてそもそも存在しないため、ホール関係者や製造メーカー作業者は、係止ピン450の破壊痕跡や係止ピン450の不存在を目ることで、何らかの不正行為があったと推測でき、不正行為を低減できる。
また、係止ピン450の被切断部471を破壊すると、証紙部品400と係止する部品(破壊分離部品466)とそれ以外の部品(分離別部品468)とに分離されることになるが、作業者が係止ピン450の被切断部471を破壊する際に、当該破壊によって生じる破壊分離部品466及び分離別部品468を保持することが困難であり、破壊分離部品466や分離別部品468が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることがある。これに対して、長孔筒部420は、被切断部471が破壊された係止ピン450のうちで証紙部品400と係止する破壊分離部品466を保持するので、この破壊分離部品466が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。また、作業者は分離別部品468のみを保持して係止ピン450の被切断部471を破壊すれば良く、被切断部471の破壊作業がやり易いし、作業者は分離別部品468を保持しているので、この分離別部品468が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
その結果、証紙部品400の交換が可能で、かつ、不正に証紙部品400を交換した場合にはその発見が可能であるとともに、係止ピン450の被切断部471の破壊で生じる破壊分離部品466を保持できるパチンコ機を提供することができる。
また、被切断部471は、挿入ピン部460とピン頭部470とを連結する連結部のうちで三段孔390を正面視した状態で当該三段孔390内に存する部分であり、かかる部分(被切断部471)の破壊によって挿入ピン部460とピン頭部470とが分離されても、挿入ピン部460の第2係止爪462が長穴筒部420の係止孔423に係止されているので、その挿入ピン部460を有する破壊分離部品466が長穴筒部420に保持され、作業者が保持する必要が無い。よって、破壊分離部品466が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
また、長穴筒部420は破壊分離部品466を保持するので、破壊分離部品466が長穴筒部420に保持された状態で証紙部品400が遊技盤30から取り外された後に、長穴筒部420の係止孔423から第1係止爪421を押すことで、破壊分離部品466の第1係止爪421を内側に撓めて、破壊分離部品466を長穴筒部420の開口から引き出すことができる。具体的には、長孔筒部420は、被切断部471が破壊された係止ピン450のうちで証紙部品400の第1係止爪421と係止する破壊分離部品466を、証紙部品400の第1係止爪421との係止が解除不可な係止解除不可位置(図13(a)、図16(a)参照)と、当該証紙部品400の第1係止爪421との係止が解除可能な係止解除可能位置(図13(b)、図16(b)参照)と、に移動可能に保持するものである。破壊分離部品466が係止解除不可位置と係止解除可能位置とのいずれにあっても保持でき、破壊分離部品466の落下や紛失を低減できる。
また、係止ピン450の連結部と長穴筒部420の切り欠き部422とが当該係止ピン450の長穴筒部420への挿入方向視で一致した状態で第2係止爪462が係止孔423に係止している。係止孔423は、前記挿入方向に長い長孔としている。したがって、被切断部471が破壊された破壊分離部品466を長穴筒部420の内部奥側に押すと、破壊分離部品466の破壊部分が切り欠き部422に沿って移動可能であるとともに、破壊分離部品466の第2係止爪462も長孔形状の係止孔423に沿って移動可能であるので、破壊分離部品466を長穴筒部420の内部奥側に押し込むことができ、破壊分離部品466を長穴筒部420の内部奥側で確実に保持することができるし、破壊分離部品466を長穴筒部420の内部奥側に押し込まない場合に比べて、証紙部品400を取り外し易くできる。また、破壊分離部品466を押し込むことで、ピン頭部470の外側部分だけとなった分離別部品468に対して、その除去された中央部分からアクセスでき、分離別部品468が取り易くできる。
また、三段孔390は、当該三段孔390に挿入された長穴筒部420に係止ピン450の挿入ピン部460が挿入された状態において、ピン頭部470が挿入される第3長孔393を備えているので、作業者は、第3長孔393に挿入されたピン頭部470のうちで分離別部品468となる部分を例えば指で軽く抑えて係止ピン450の被切断部471を破壊すれば良く、被切断部471の破壊作業がやり易いし、分離別部品468が第3長孔393に嵌った状態であるので、被切断部471の切断でそのまま落下することがなく、この分離別部品468がパチンコ機10の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
また、遊技盤30は、被取付箇所30bの箇所に、第2長孔392を有する三段孔390が形成されている。証紙部品400の証紙ベース410は、遊技製品に関する証明情報を表記する証紙シールS1を有し、遊技盤30に取り付けられる。証紙ベース410の外周側辺の所定箇所から突出した取付部430は、遊技盤30と当接して固定される。また、証紙ベース410の遊技盤30と対向する側箇所に備えられた第1係止爪421は、遊技盤30の三段孔390の第2長孔392に係止する。したがって、証紙部品400の正面視では取付部430が見えることから、不正行為者は、取付部430による固定を解除すれば証紙部品400を遊技盤30から取り外すことができると推測して取付部430の固定解除作業をするが、取付部430の固定を解除しても、証紙部品400が、正面視で背後に隠れて見えない第1係止爪421によって遊技盤30に係止されて取り外せないため、不正取り外しを諦めることがあり、不正抑止効果がある。
また、係止ピン450は、遊技盤30の三段孔390に証紙部品400の存する側とは反対側から挿入される挿入ピン部460と、この挿入ピン部460に設けられた、証紙部品400と係止する第2係止爪462と、挿入ピン部460の挿入方向後端側に形成されて当該三段孔390の第3長孔393を塞ぐピン頭部470と、を備えているので、被切断部471を破壊しなければ係止ピン450が取り外せない構成とすることができ、三段孔390の第3長孔393がピン頭部470で塞がれているので、三段孔390から第1係止爪421や第2係止爪462の係止を不正に解除することも低減できる。
また、証紙ベース410は、遊技盤30と対向する側箇所に突出形成された、当該証紙ベース410が遊技盤30に取り付けられた状態で三段孔390に挿入される長穴筒部420を備え、第1係止爪421は、長穴筒部420のその突出方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部422の間の突出部分の外面箇所に爪が形成されて内側に撓む第1係止爪421を複数個備えたものであり、長穴筒部420は係止孔423を備え、挿入ピン部460は、長穴筒部420に挿入されるものであり、挿入ピン部460は、長穴筒部420に挿入されて第1係止爪421が内側に撓むことを規制する延出壁部464を備え、第2係止爪462は、長穴筒部420の係止孔423に係止する第2係止爪462である。したがって、係止ピン450の挿入ピン部460が長穴筒部420に挿入された状態では、係止ピン450の挿入ピン部460の第2係止爪462は、長穴筒部420の係止孔423に係止し、この挿入ピン部460の延出壁部464は、長穴筒部420に挿入されて第1係止爪421が内側に撓むことを規制するので、証紙部品400の取り外し方向に大きな力をかけて第1係止爪421を撓ませてその係止を解除するという不正な係止解除を低減でき、証紙部品400を無理矢理に外すことができない構成を実現できる。つまり、証紙部品400の取り外し方向に大きな力をかけたとしても、第1係止爪421が撓まないように延出壁部464で規制され、証紙部品400が外れないし、それ以上に力をかけると、証紙部品400自体が破損(例えば、証紙ベース410が破損)してしまい、再利用できない。よって、係止ピン450の被切断部471を破壊して、延出壁部464による規制を解除しなければ、証紙部品400が遊技盤30から取り外せない。
次に、実施例3のパチンコ機10について、図18を用いて説明する。図18は、実施例3の遊技盤30および証紙部品500を示す概略斜視図である。
実施例3の遊技盤30及び証紙部品500の構成を以下に説明する。
遊技盤30は、図18に示すように、その正面視右下箇所(被取付箇所30b)に、取付部品480がスライド取り付け可能な被取付窪み部490を備えている。この被取付窪み部490には、取付部品480の第1爪481が係止する第1係止穴部491が形成されている。
取付部品480は、図18に示すように、証紙部品500の第2係止穴部502に係止する第2爪482を備えている。
証紙部品500は、図18に示すように、遊技製品に関する証明情報を表記する証紙シールS1と、取付部品480への取付状態において第2爪482が係止する第2係止穴部502とを備えている。第2係止穴部502は、所定方向視で証紙シールS1と重ならない箇所に備えられている。
証紙部品500は、第2爪482と第2係止穴部502との係止状態が所定方向視(例えば、遊技盤30の正面視)で視認可能なように透明樹脂成形部品としている。
ここで、遊技盤30への証紙部品500の取り付け手順について説明する。
図18に示すように、取付部品480を遊技盤30の被取付窪み部490にスライド装着すると、取付部品480の第1爪481が遊技盤の第1係止穴部491に係止された状態となる。そして、取付部品480のネジ用穴483にネジを挿入して遊技盤30にネジ止め固定される。
続いて、遊技盤30に固定された取付部品480に証紙部品500をスライド装着する。この装着状態では、証紙部品500の第2爪482が取付部品480の第2係止穴部502に係止された状態となる。
こうすることで、証紙部品500の遊技盤30への取り付けが完了する。この取り付け状態では、取付部品480の第2爪482が証紙部品500の第2係止穴部502に係止された状態であるため、証紙部品500を無理矢理に引き抜いて取付部品480の第2爪482を破壊しなければ、証紙部品500が取付部品480から引き抜くことができない。また、取付部品480のネジ用穴483に挿入されて遊技盤30に固定するネジを外して、取付部品480ごと無理矢理に引き抜けば取付部品480の第1爪481が破損する。
つまり、証紙部品500を取り外す場合には、証紙部品500を引き抜いて取付部品480の第2爪482を破損させて、取り外すことができる。製造メーカーは、取付部品480を正当所持しており、遊技盤30の出荷前試験で初期不良が発見された場合には、その初期不良であった遊技盤30の証紙部品500を、正常な遊技盤30の取付部品480に取り付けて、取付部品480に係止させてホールに出荷できる。
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、証紙部品500が取付部品480に取り付けられた状態では、取付部品480の第2爪482が証紙部品500の第2係止穴部502に係止された状態となっており、証紙部品500を取付部品480から取り外すと、証紙部品500については破損無く取り外せるが、取付部品480の第2爪482が破損するので、第2爪482が折れた取付部品480に証紙部品500が取り付けられたとしても、証紙部品500の透明部分(透明部)を介して係止状態を見ることができ、取付部品480の第2爪482が破損していることがわかり、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
また、取付部品480の遊技盤30に固定するネジを外して、取付部品480ごと無理矢理に引き抜けば取付部品480の第1爪481が破損するので、第1爪481が折れた取付部品480に証紙部品500が取り付けられたとしても、証紙部品500の透明部分(透明部)を介して係止状態を見ることができ、取付部品480の第1爪481が破損していることがわかり、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例1,2では、係止ピン450が証紙部品400に係止している(詳細には、係止ピン450の第2係止爪462が証紙部品400の長穴筒部420の係止孔423に係止している)が、係止ピン450が遊技盤30に係止する(係止ピン450が遊技盤30の三段孔390に係止して当該三段孔390を塞ぐ)ような構成であってもよい。係止ピン450が遊技盤30の三段孔390に係止されることでこの係止ピン450が遊技盤30から取り外し不可となり、係止ピン450が三段孔390を塞ぐことで証紙部品400の長穴筒部420の第1係止爪421にアクセスすることができず、証紙部品400も遊技盤30から取り外し不可とすることができる。
<2>上述した各実施例では、証紙ベース410を、例えば樹脂成型品としているが、金属製としてもよい。
<3>上述した各実施例では、証紙ベース410に証紙シールS1を貼り付けているが、証紙ベース410自体に証明情報を凹凸形成したり刻印形成したりしてもよい。また、証紙シールS1に替えて証紙プレートを採用し、この証紙プレートに表記(印字、印刷、刻印、凸形成、凹形成、凹凸形成など)で証明情報を表し、証紙ベース410に接着固定するようにしてもよい。また、電子ペーパーや液晶表示部などに証明情報を表示する表示装置や、電子情報を送受信可能な電子部品等(例えば、電子チップ)からの電子情報に基づいて証明情報を表示するものを採用してもよいし、電子情報を送受信可能な電子チップを証紙シールS1に内蔵するようにしてもよい。
<4>上述した実施例1,2では、係止ピン450のピン頭部470に4個の被切断部471を形成しているが、それ以外の個数としてもよい。
<5>上述した実施例1,2では、貫通孔として三段孔390を採用しているが、段差の無い単孔や、二段孔などを採用してもよい。例えば、単孔とした場合には、単孔の内周所定箇所(例えば、内周で対向二箇所)に証紙ベース410の長穴筒部420の第1係止爪421が係止される第1凹部を形成するとともに、単孔の内周で第1凹部よりも後方所定箇所(例えば、内周で対向二箇所)に係止ピン450の第2係止爪462が係止される第2凹部を形成するし、係止ピン450は遊技盤30の単孔の第2凹部に係止した状態で単孔の開口を塞ぐようにする構成が挙げられる。
また、貫通孔として長穴形状の三段孔390を採用しているが、円形や矩形など各種の貫通孔を採用してもよい。
<6>上述した各実施例では、遊技部品としての遊技盤30に、証明情報表示部品としての証紙部品400,500を取り付けることを例に挙げて説明しているが、遊技機(パチンコ機、スロットマシンなど)に用いられる各種の部品・装置・部材に採用してもよい。例えば、遊技部品として、前面枠セット14、入賞装置(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a、第2の始動口33b)、センターフレーム47などが挙げられる。
<7>上述した実施例1,2では、第1係止爪421を対向するように2個設けているが、1個としてもよい。
<8>本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(1) 遊技者に遊技を提供する遊技機において、
遊技製品に関する証明情報を表示した証明情報表示部品と、
前記証明情報表示部品が取り付けられる被取付部を有する遊技部品と、
前記証明情報表示部品を前記遊技部品の前記被取付部から取り外し不可に係止する係止手段と、を備え、
前記係止手段は、前記証明情報表示部品の前記遊技部品からの取り外しを不可に当該証明情報表示部品と係止する、当該証明情報表示部品とは別体の係止部品を備え、
前記係止部品は、破壊されることによって前記証明情報表示部品を前記遊技部品から取り外すことを可能とする被破壊部を備え、
前記被破壊部が破壊された前記係止部品のうちで前記証明情報表示部品と係止する破壊分離部品を保持する破壊分離部品保持部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の遊技機によれば、証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表示する。遊技部品は、証明情報表示部品が取り付けられる被取付部を有する。係止手段は、証明情報表示部品を遊技部品の被取付部から取り外し不可に係止する。係止手段の係止部品は、証明情報表示部品とは別体であり、証明情報表示部品の遊技部品からの取り外しを不可に当該証明情報表示部品と係止する。この係止部品の被破壊部が破壊されることによって、証明情報表示部品を遊技部品から取り外すことが可能となる。
したがって、証明情報表示部品が遊技部品の被取付部に係止手段によって係止されると、係止手段の係止部品を破壊しない限り、証明情報表示部品が遊技部品から取り外し不可であるため、証明情報表示部品と遊技部品との一体不可分性を確保でき、証明情報表示部品が不正に交換されることを低減できる。
また、検定合格後で製造メーカー出荷前試験において遊技部品(証明情報表示部品の取り付け済み)に故障や不良があった場合や、ホール設置作業で遊技部品を落下破損させた場合等には、係止部品の被破壊部を破壊することで、証明情報表示部品を遊技部品から取り外すことができ、製造メーカー側が所有する係止部品を用いてその取り外した証明情報表示部品を例えば検定を受けた新たな遊技部品に取り付けて出荷することができ、遊技機のホール設置の際に、複数の遊技機の証明情報表示部品を一連の番号順とすることができる。
また、ホール設置後に、ある遊技機の係止部品の被破壊部が不正に破壊されて、証明情報表示部品が遊技部品から不正に取り外されて他の遊技機に使用された場合には、当該他の遊技機での係止部品の被破壊部の破壊痕跡や係止部品の不存在を見ることで、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
例えば、検定を受けていない遊技部品に、正規の証明情報表示部品が取り付けられてホールで不正営業されていたり、証明情報表示部品を勝手に付け替えられたりしている場合には、被破壊部が破壊された係止部品を再使用していたり、係止部品が破壊されてそもそも存在しないため、ホール関係者や製造メーカー作業者は、係止部品の破壊痕跡や係止部品の不存在を目ることで、何らかの不正行為があったと推測でき、不正行為を低減できる。
また、係止部品の被破壊部を破壊すると、証明情報表示部品と係止する部品(破壊分離部品)とそれ以外の部品(分離別部品)とに分離されることになるが、作業者が係止部品の被破壊部を破壊する際に、当該破壊によって生じる破壊分離部品及び分離別部品を保持することが困難であり、破壊分離部品や分離別部品が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることがある。これに対して、破壊部品保持部は、被破壊部が破壊された係止部品のうちで証明情報表示部品と係止する破壊分離部品を保持するので、この破壊分離部品が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。また、作業者は分離別部品のみを保持して係止部品の被破壊部を破壊すれば良く、被破壊部の破壊作業がやり易いし、作業者は分離別部品を保持しているので、この分離別部品が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
その結果、証明情報表示部品(例えば、証紙)の交換が可能で、かつ、不正に証明情報表示部品を交換した場合にはその発見が可能であるとともに、係止部品の被破壊部の破壊で生じる破壊分離部品を保持できる遊技機を提供することができる。
また、破壊分離部品保持部は、被破壊部が破壊された係止部品のうちで証明情報表示部品と係止する破壊分離部品を、証明情報表示部品との係止が解除不可な係止解除不可位置と、当該証明情報表示部品との係止が解除可能な係止解除可能位置と、に移動可能に保持するものである。破壊分離部品が係止解除不可位置と係止解除可能位置とのいずれにあっても保持でき、破壊分離部品の落下や紛失を低減できる。
なお、本明細書中で言う「証明情報」としては、所定の検定機関や検定団体が発行する検定番号や承認番号、製造メーカーが付す製造番号などが挙げられる。また、本明細書中で言う「遊技部品」は、遊技機に用いられる各種の部品を意味する。この「遊技部品」として例示すれば、遊技盤、内枠、前面枠、入賞装置、センターフレームなどが挙げられる。また、本明細書中で言う「係止手段による取り外し不可に係止する」とは、係止部品の少なくとも一部を破壊しなければ証明情報表示部品を取り外しできないことを意味する。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部品は、前記被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成され、
前記証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有する、前記遊技部品に取り付けられる本体部を備え、
前記本体部は、前記遊技部品と対向する側箇所に突出形成された、当該本体部が前記遊技部品に取り付けられた状態で前記貫通孔に挿入される突出部を備え、
前記突出部は、当該突出部の突出方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部の間の突出部分の外面箇所に形成された、前記貫通孔の前記被係止部に係止する第1係止爪を備えるとともに、係止孔を備え、
前記係止部品は、前記遊技部品の前記貫通孔に前記証明情報表示部品の存する側とは反対側から挿入されて前記突出部に挿入される挿入部と、この挿入部に設けられた、前記突出部の前記係止孔に係止する第2係止爪と、前記挿入部に設けられた、前記突出部に挿入されて前記第1係止爪が内側に撓むことを規制する撓み規制部と、前記挿入部の挿入方向後端側に形成されて当該貫通孔を塞ぐ頭部と、を備え、
前記被破壊部は、前記挿入部と前記頭部とを連結する連結部のうちで前記貫通孔を正面視した状態で当該貫通孔内に存する部分であり、
前記破壊分離部品保持部は、前記突出部である
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の遊技機によれば、遊技部品は、被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成されている。証明情報表示部品の本体部は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有し、遊技部品に取り付けられる。本体部の突出部は、当該本体部の遊技部品と対向する側箇所に突出形成されたものであり、当該本体部が遊技部品に取り付けられた状態で貫通孔に挿入される。本体部の突出部は、突出部のその突出方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部の間の突出部分の外面箇所に形成された、貫通孔の被係止部に係止する第1係止爪を備えるとともに、係止孔を備えている。係止部品は、遊技部品の貫通孔に証明情報表示部品の存する側とは反対側から挿入されて突出部に挿入される挿入部と、この挿入部の挿入方向後端側に形成されて当該貫通孔を塞ぐ頭部と、を備えている。係止部品の挿入部が突出部に挿入された状態では、係止部品の挿入部の第2係止爪は、突出部の係止孔に係止し、この挿入部の撓み規制部は、突出部に挿入されて第1係止爪が内側に撓むことを規制するので、証明情報表示部品の取り外し方向に大きな力をかけて第1係止爪を撓ませてその係止を解除するという不正な係止解除を低減でき、証明情報表示部品を無理矢理に外すことができない構成を実現できる。つまり、証明情報表示部品の取り外し方向に大きな力をかけたとしても、第1係止爪が撓まないように撓み規制部で規制され、証明情報表示部品が外れないし、それ以上に力をかけると、証明情報表示部品自体が破損(例えば、本体部が破損)してしまい、再利用できない。よって、係止部品の被破壊部を破壊して、撓み規制部による規制を解除しなければ、証明情報表示部品が遊技部品から取り外せない。
また、被破壊部は、挿入部と頭部とを連結する連結部のうちで貫通孔を正面視した状態で当該貫通孔内に存する部分であり、かかる部分(被破壊部)の破壊によって挿入部と頭部とが分離されても、挿入部の第2係止爪が突出部の係止孔に係止されているので、その挿入部を有する破壊分離部品が突出部に保持され、作業者が保持する必要が無い。よって、破壊分離部品が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
また、破壊分離部品保持部は突出部であるので、破壊分離部品が突出部に保持された状態で証明情報表示部品が遊技部品から取り外された後に、突出部の係止孔から第1係止爪を押すことで、破壊分離部品の第1係止爪を内側に撓めて、破壊分離部品を突出部の開口から引き出すことができる。
なお、本明細書中で言う「切り欠き部」とは、実際に突出部の該当箇所を切り取って形成したものであってもよいが、突出部の形成と同時に当該突出部の該当箇所にへこみ部ができるという意味である。例えば、金型は予め切り欠き部を形成するための形状を有しており、この金型に樹脂を充填して、金型を取り外すと突出部の完成と同時に切り欠き部(へこみ部)も形成されていることを意味する。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記係止部品の前記連結部と前記突出部の前記切り欠き部とが当該係止部品の前記突出部への挿入方向視で一致した状態で前記第2係止爪が前記係止孔に係止しており、
前記係止孔は、前記挿入方向に長い長孔形状である
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の遊技機によれば、係止部品の連結部と突出部の切り欠き部とが当該係止部品の突出部への挿入方向視で一致した状態で第2係止爪が係止孔に係止している。係止孔は、前記挿入方向に長い長孔としている。したがって、被破壊部が破壊された破壊分離部品を突出部の内部奥側に押すと、破壊分離部品の破壊部分が切り欠き部に沿って移動可能であるとともに、破壊分離部品の第2係止爪も長孔形状の係止孔に沿って移動可能であるので、破壊分離部品を突出部の内部奥側に押し込むことができ、破壊分離部品を突出部の内部奥側で確実に保持することができるし、破壊分離部品を突出部の内部奥側に押し込まない場合に比べて、証明情報表示部品を取り外し易くできる。また、破壊分離部品を押し込むことで、頭部の外側部分だけとなった分離別部品に対して、その除去された中央部分からアクセスでき、分離別部品が取り易くできる。
(4) 前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記貫通孔は、当該貫通孔に挿入された前記突出部に前記係止部品の前記挿入部が挿入された状態において、前記頭部が挿入される頭部挿入孔部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の遊技機によれば、貫通孔は、当該貫通孔に挿入された突出部に係止部品の挿入部が挿入された状態において、頭部が挿入される頭部挿入孔部を備えているので、作業者は、頭部挿入孔部に挿入された頭部のうちの分離別部品となる部分を抑えて係止部品の被破壊部を破壊すれば良く、被破壊部の破壊作業がやり易いし、分離別部品が頭部挿入孔部に嵌った状態であるので、被破壊部の切断でそのまま落下することがなく、この分離別部品が遊技機の中に入り込んだり、見失ったりすることを低減できる。
(5) 遊技者に遊技を提供する遊技機において、
遊技製品に関する証明情報を表示した証明情報表示部品と、
前記証明情報表示部品が取り付けられる被取付部を有する遊技部品と、
前記証明情報表示部品を前記遊技部品の前記被取付部から取り外し不可に係止する係止手段と、を備え、
前記係止手段は、前記証明情報表示部品の前記遊技部品からの取り外しを不可に当該証明情報表示部品または前記遊技部品と係止する、当該証明情報表示部品とは別体の係止部品を備え、
前記係止部品は、破壊されることによって前記証明情報表示部品を前記遊技部品から取り外すことを可能とする被破壊部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の遊技機によれば、証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表示する。遊技部品は、証明情報表示部品が取り付けられる被取付部を有する。係止手段は、証明情報表示部品を遊技部品の被取付部から取り外し不可に係止する。係止手段の係止部品は、証明情報表示部品とは別体であり、証明情報表示部品の遊技部品からの取り外しを不可に当該証明情報表示部品または遊技部品と係止する。この係止部品の被破壊部が破壊されることによって、証明情報表示部品を遊技部品から取り外すことが可能となる。
したがって、証明情報表示部品が遊技部品の被取付部に係止手段によって係止されると、係止手段の係止部品を破壊しない限り、証明情報表示部品が遊技部品から取り外し不可であるため、証明情報表示部品と遊技部品との一体不可分性を確保でき、証明情報表示部品が不正に交換されることを低減できる。
また、検定合格後で製造メーカー出荷前試験において遊技部品(証明情報表示部品の取り付け済み)に故障や不良があった場合や、ホール設置作業で遊技部品を落下破損させた場合等には、係止部品の被破壊部を破壊することで、証明情報表示部品を遊技部品から取り外すことができ、製造メーカー側が所有する係止部品を用いてその取り外した証明情報表示部品を例えば検定を受けた新たな遊技部品に取り付けて出荷することができ、遊技機のホール設置の際に、複数の遊技機の証明情報表示部品を一連の番号順とすることができる。
また、ホール設置後に、ある遊技機の係止部品の被破壊部が不正に破壊されて、証明情報表示部品が遊技部品から不正に取り外されて他の遊技機に使用された場合には、当該他の遊技機での係止部品の被破壊部の破壊痕跡や係止部品の不存在を見ることで、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
例えば、検定を受けていない遊技部品に、正規の証明情報表示部品が取り付けられてホールで不正営業されていたり、証明情報表示部品を勝手に付け替えられたりしている場合には、被破壊部が破壊された係止部品を再使用していたり、係止部品が破壊されてそもそも存在しないため、ホール関係者や製造メーカー作業者は、係止部品の破壊痕跡や係止部品の不存在を目ることで、何らかの不正行為があったと推測でき、不正行為を低減できる。その結果、証明情報表示部品(例えば、証紙)の交換が可能で、かつ、不正に証明情報表示部品を交換した場合にはその発見が可能な遊技機を提供することができる。
なお、本明細書中で言う「証明情報」としては、所定の検定機関や検定団体が発行する検定番号や承認番号、製造メーカーが付す製造番号などが挙げられる。また、本明細書中で言う「遊技部品」は、遊技機に用いられる各種の部品を意味する。この「遊技部品」として例示すれば、遊技盤、内枠、前面枠、入賞装置、センターフレームなどが挙げられる。また、本明細書中で言う「係止手段による取り外し不可に係止する」とは、係止部品の少なくとも一部を破壊しなければ証明情報表示部品を取り外しできないことを意味する。
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記遊技部品は、前記被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成され、
前記証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有する、前記遊技部品に取り付けられる本体部を備え、
前記本体部は、前記遊技部品と対向する側箇所に、前記遊技部品の前記貫通孔の前記被係止部に係止する第1係止部を備えるとともに、当該本体部の外周側辺の所定箇所から突出する、前記遊技部品と当接して固定されるとともに前記証明情報表示部品の正面視において視認可能な止め部を備えており、
前記係止部品は、前記遊技部品の前記貫通孔に前記証明情報表示部品の存する側とは反対側から挿入される挿入部と、この挿入部に設けられた、前記証明情報表示部品または前記遊技部品と係止する第2係止部と、前記挿入部の挿入方向後端側に形成されて当該貫通孔を塞ぐ頭部と、を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の遊技機によれば、遊技部品は、被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成されている。証明情報表示部品の本体部は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有し、遊技部品に取り付けられる。本体部の外周側辺の所定箇所から突出した止め部は、証明情報表示部品の正面視において視認可能であり、遊技部品と当接して固定される。また、本体部の遊技部品と対向する側箇所に備えられた第1係止部は、遊技部品の貫通孔の被係止部に係止する。したがって、証明情報表示部品の正面視では止め部が見えることから、不正行為者は、止め部による固定を解除すれば証明情報表示部品を遊技部品から取り外すことができると推測して止め部の固定解除作業をするが、止め部の固定を解除しても、証明情報表示部品が、正面視で背後に隠れて見えない第1係止部によって遊技部品に係止されて取り外せないため、不正取り外しを諦めることがあり、不正抑止効果がある。
また、係止部品は、遊技部品の貫通孔に証明情報表示部品の存する側とは反対側から挿入される挿入部と、この挿入部に設けられた、証明情報表示部品または遊技部品と係止する第2係止部と、挿入部の挿入方向後端側に形成されて当該貫通孔を塞ぐ頭部と、を備えているので、被破壊部を破壊しなければ係止部品が取り外せない構成とすることができ、貫通孔が頭部で塞がれているので、貫通孔から第1係止部や第2係止部の係止を不正に解除することも低減できる。
また、頭部が遊技部品の窪み部に嵌り込んで、面一または凹んだ状態であれば、簡単に頭部に触れないし、集合板で覆うことができ、さらに不正を抑止することができる。
なお、本明細書中で言う「表記」とは、印字、印刷、刻印、凸形成、凹形成、凹凸形成などで証明情報を表すことや、電子ペーパーや液晶表示部などに証明情報を表示することや、電子情報を送受信可能な電子部品等(例えば、電子チップ)からの電子情報に基づいて証明情報を表示するものや、電子情報を送受信可能な電子チップを証紙シールに内蔵するものも含む。また、本明細書中で言う「挿入部の挿入方向後端側」とは、挿入部自体の挿入方向後端側であってもよいし、挿入部とは別体であってもよい。
(7) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記遊技部品は、前記被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成され、
前記証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有する、前記遊技部品に取り付けられる本体部を備え、
前記本体部は、前記遊技部品と対向する側箇所に、前記遊技部品の前記貫通孔の前記被係止部に係止する第1係止部を備えるとともに、当該本体部の外周側辺の所定箇所から突出する、前記遊技部品と当接して固定される止め部を備えており、
前記係止部品は、前記遊技部品の前記貫通孔に前記証明情報表示部品の存する側とは反対側から挿入される挿入部と、この挿入部に設けられた、前記証明情報表示部品または前記遊技部品と係止する第2係止部と、前記挿入部の挿入方向後端側に形成されて当該貫通孔を塞ぐ頭部と、を備え、
前記遊技部品での前記証明情報表示部品の取付面側に位置する取付面側部材を備え、
前記取付面側部材は、前記表記部が視認可能に前記証明情報表示部品の前記本体部が挿入される開口部と、前記止め部を覆う覆い部とを備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の遊技機によれば、遊技部品は、被取付部の箇所に、被係止部を有する貫通孔が形成されている。証明情報表示部品の本体部は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部を有し、遊技部品に取り付けられる。本体部の外周側辺の所定箇所から突出した止め部は、遊技部品と当接して固定される。また、本体部の遊技部品と対向する側箇所に備えられた第1係止部は、遊技部品の貫通孔の被係止部に係止する。取付面側部材は、遊技部品での証明情報表示部品の取付面側に位置する。取付面側部材の開口部は、表記部が視認可能に、証明情報表示部品の本体部が挿入される。取付面側部材の覆い部は、止め部を覆う。したがって、遊技部品と取付面側部材とを離さないと、本体部の止め部が露わにならないため、証明情報表示部品の不正取り外しを低減できる。
また、止め部は遊技部品に対してネジ止めする構成以外に、係止する構成を採用してもよい。また、覆い部を取付面側部材としての枠体(例えば、内枠)で構成すれば、部品点数を少なくすることができる。
(8) 前記(6)または(7)に記載の遊技機において、
前記本体部は、前記遊技部品と対向する側箇所に突出形成された、当該本体部が前記遊技部品に取り付けられた状態で前記貫通孔に挿入される突出部を備え、
前記第1係止部は、前記突出部のその突出方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部の間の突出部分の外面箇所に爪が形成されて内側に撓む第1係止爪を備えたものであり、
前記突出部は係止孔を備え、
前記挿入部は、前記突出部に挿入されるものであり、
前記挿入部は、前記突出部に挿入されて前記第1係止爪が内側に撓むことを規制する撓み規制部を備え、
前記第2係止部は、前記突出部の前記係止孔に係止する第2係止爪である
ことを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の遊技機によれば、本体部の突出部は、当該本体部の遊技部品と対向する側箇所に突出形成されたものであり、当該本体部が遊技部品に取り付けられた状態で貫通孔に挿入される。本体部の第1係止部は、突出部のその突出方向に並行に切り欠かれた一対の切り欠き部の間の突出部分の外面箇所に爪が形成されて内側に撓む第1係止爪を備えたものである。突出部は係止孔を備えている。係止部品の挿入部は、突出部に挿入されるものである。係止部品の挿入部が突出部に挿入された状態では、係止部品の挿入部の第2係止爪は、突出部の係止孔に係止し、この挿入部の撓み規制部は、突出部に挿入されて第1係止爪が内側に撓むことを規制するので、証明情報表示部品の取り外し方向に大きな力をかけて第1係止爪を撓ませてその係止を解除するという不正な係止解除を低減でき、証明情報表示部品を無理矢理に外すことができない構成を実現できる。つまり、証明情報表示部品の取り外し方向に大きな力をかけたとしても、第1係止爪が撓まないように撓み規制部で規制され、証明情報表示部品が外れないし、それ以上に力をかけると、証明情報表示部品自体が破損(例えば、本体部が破損)してしまい、再利用できない。よって、係止部品の被破壊部を破壊して、撓み規制部による規制を解除しなければ、証明情報表示部品が遊技部品から取り外せない。
なお、本明細書中で言う「切り欠き部」とは、実際に突出部の該当箇所を切り取って形成したものであってもよいが、突出部の形成と同時に当該突出部の該当箇所にへこみ部ができるという意味である。例えば、金型は予め切り欠き部を形成するための形状を有しており、この金型に樹脂を充填して、金型を取り外すと突出部の完成と同時に切り欠き部(へこみ部)も形成されていることを意味する。
(9) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記係止部品は、前記被取付部に取り付けられた取付部品であり、
前記被破壊部は、前記取付部品に設けられた、前記証明情報表示部品と係止する係止爪であり、
前記証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部と、前記取付部品への取付状態において前記係止爪が係止する係止孔とを備え、
前記係止孔は、所定方向視で前記表記部と重ならない箇所に備えられており、
前記証明情報表示部品は、前記係止爪と前記係止孔との係止状態が前記所定方向視で視認可能な透明部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の遊技機によれば、係止部品は、被取付部に取り付けられた取付部品である。被破壊部は、取付部品に設けられた、証明情報表示部品と係止する係止爪である。証明情報表示部品は、遊技製品に関する証明情報を表記する表記部と、取付部品への取付状態において係止爪が係止する係止孔とを備えている。係止孔は、所定方向視で表記部と重ならない箇所に備えられている。証明情報表示部品は、係止爪と係止孔との係止状態が前記所定方向視で視認可能な透明部を備えている。したがって、証明情報表示部品が取付部品に取り付けられた状態では、取付部品の係止爪が証明情報表示部品の係止孔に係止された状態となっており、証明情報表示部品を取付部品から取り外すと、証明情報表示部品については破損無く取り外せるが、取付部品の係止爪が破損するので、係止爪が折れた取付部品に証明情報表示部品が取り付けられたとしても、証明情報表示部品の透明部を介して係止状態を見ることができ、取付部品の係止爪が破損していることがわかり、正当作業者(例えば、製造メーカー作業者)でない者によって破壊されたことの推測ができる。
(10) 前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の遊技機によれば、証明情報表示部品(例えば、証紙)の交換が可能で、かつ、不正に証明情報表示部品を交換した場合にはその発見が可能なパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(11) 前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の遊技機によれば、証明情報表示部品(例えば、証紙)の交換が可能で、かつ、不正に証明情報表示部品を交換した場合にはその発見が可能なスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
(12) 前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の遊技機によれば、証明情報表示部品(例えば、証紙)の交換が可能で、かつ、不正に証明情報表示部品を交換した場合にはその発見が可能な、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。