JP5456640B2 - 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー - Google Patents
海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー Download PDFInfo
- Publication number
- JP5456640B2 JP5456640B2 JP2010245206A JP2010245206A JP5456640B2 JP 5456640 B2 JP5456640 B2 JP 5456640B2 JP 2010245206 A JP2010245206 A JP 2010245206A JP 2010245206 A JP2010245206 A JP 2010245206A JP 5456640 B2 JP5456640 B2 JP 5456640B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seawater
- energy exchange
- chamber
- flow paths
- exchange chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A20/00—Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
- Y02A20/124—Water desalination
- Y02A20/131—Reverse-osmosis
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
このため、従来のエネルギー交換チャンバー内のピストンは、シリンダ内壁と摺動することになり、ピストンの摺動部材が摩耗するので定期的な交換が必要であった。また、長尺のチャンバーの内径をピストンの外形に合わせて精度よく加工する必要があり、加工コストが非常に高価であった。
本方式の問題点は、界面での濃縮海水と海水の混合により、取水海水の塩分濃度がチャンバー内で高くなることである。これにより、チャンバー内で昇圧される、いわゆる被昇圧海水と高圧ポンプから吐出された海水が合流して、逆浸透膜分離装置に導入される際に、該被昇圧海水の塩分濃度が高くなることで、逆浸透膜の淡水化率を低下させることに加え、逆浸透膜の寿命を低下させ逆浸透膜自体の交換周期が短くなるなどの問題があった。
本発明の海水淡水化システムによれば、チャンバー内のピストンが不要となり、メンテナンスが不要となりシステムとしての信頼性を向上することができる。また、チャンバー内の円筒の加工が容易になるので、チャンバーの製作が容易かつ安価になる。
本発明によれば、複数の区画された流路を保持するパイプをチャンバーの内径とほぼ同径のパイプとしてチャンバーに着脱可能とすることで、チューブ、ハニカム等からなる流路自体の交換を容易に行うことができる。また、チャンバーへチューブ、ハニカム等からなる流路を実装する場合に、耐圧容器であるチャンバーへの加工や溶接、接着などを施すことなく、流路を実装したパイプを別ピースとしてチャンバーに嵌め込むだけでよく、構成が簡易となり、組立も容易となる。
本発明によれば、複数の区画された流路を保持するパイプを複数に分割することにより、パイプ内の流路も長手方向に複数に分割する構成を採用することができ、流路を構成するチューブやハニカム等の製作が容易となる。
本発明によれば、パイプを複数の区画された流路の無い空間にも延設することにより、この延設されたパイプ内に整流手段等を設置することが可能となる。
本発明によれば、パイプの内径側と外径側を連通する孔が圧力バランス孔として機能するため、パイプに高い内圧がかかっても、この内圧を圧力バランス孔からリリースすることによりパイプの内外の圧力を同一とすることができ、パイプに作用する力を相殺することができる。
本発明によれば、少なくとも2個のエネルギー交換チャンバーを備えることにより、以下の動作形態をとることができる。
1)高圧の濃縮海水が切換弁を通じて第1のエネルギー交換チャンバーに導入され、第1のエネルギー交換チャンバー内の海水を濃縮海水の圧力を利用して昇圧し、昇圧された海水を第1のエネルギー交換チャンバーから吐出できる。これと併行して、第2のエネルギー交換チャンバー内に海水が導入され、同時に、第2のエネルギー交換チャンバー内の濃縮海水が切換弁を通じて排出される。
2)高圧の濃縮海水が切換弁を通じて第2のエネルギー交換チャンバーに導入され、第2のエネルギー交換チャンバー内の海水を濃縮海水の圧力を利用して昇圧し、昇圧された海水を第2のエネルギー交換チャンバーから吐出できる。これと併行して、第1のエネルギー交換チャンバー内に海水が導入され、同時に、第1のエネルギー交換チャンバー内の濃縮海水が方向切換弁を通じて排出される。
したがって、本発明によれば、昇圧された海水を常時吐出することができ、エネルギー交換チャンバーからの吐出流量を安定させることができ、ひいては逆浸透膜分離装置からの淡水の供給を安定して行うことができる。
本発明によれば、流体が入らないように埋める加工は、光硬化性樹脂を用いた光造形法により行うことができる。
このように複数の区画された流路をチャンバーの長手方向に複数に分割しても、位置決め手段を設けることにより、分割した面で流路断面積や形状が不均一になることなく流路を構成することができる。これにより、複数の区画された流路をチャンバーに入れる際にチャンバー全長と同じ長さの部材を挿入することなく、分割した流路をチャンバーに挿入すればよく作業性が向上する。また、流路を分割することで流路自体の製作が容易になる。
本発明のエネルギー交換チャンバーによれば、チャンバー内のピストンが不要となり、メンテナンスが不要となりシステムとしての信頼性を向上することができる。また、チャンバー内の円筒の加工が容易になるので、チャンバーの製作が容易かつ安価になる。
本発明によれば、複数の区画された流路を保持するパイプをチャンバーの内径とほぼ同径のパイプとしてチャンバーに着脱可能とすることで、チューブ、ハニカム等からなる流路自体の交換を容易に行うことができる。また、チューブ、ハニカム等からなる流路を実装する場合に、耐圧容器であるチャンバーへの加工や溶接、接着などを施すことなく、流路を実装したパイプを別ピースとしてチャンバーに嵌め込むだけでよく、構成が簡易となり、組立も容易となる。
本発明によれば、複数の区画された流路を保持するパイプを複数に分割することにより、パイプ内の流路も長手方向に複数に分割する構成を採用することができ、流路の製作が容易となる。
本発明によれば、パイプを複数の区画された流路の無い空間にも延設することにより、この延設されたパイプ内に整流手段等を設置することが可能となる。
本発明によれば、パイプの内径側と外径側を連通する孔が圧力バランス孔として機能するため、パイプに高い内圧がかかっても、この内圧を圧力バランス孔からリリースすることによりパイプの内外の圧力を同一とすることができ、パイプに作用する力を相殺することができる。
本発明によれば、チャンバーに流入する濃縮海水を区画された流路に均一に流すことができるので、濃縮海水と海水の界面を均一にすることができる。
本発明のエネルギー交換チャンバーの好ましい態様は、前記海水ポートと前記複数の区画された流路との間に整流手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、チャンバーに流入する海水を区画された流路に均一に流すことができるので、濃縮海水と海水の界面を均一にすることができる。
本発明によれば、流体が入らないように埋める加工は、ラピッドプロトタイピングにより行うことができる。
このように複数の区画された流路をチャンバーの長手方向に複数に分割しても、位置決め手段を設けることにより、分割した面で流路断面積や形状が不均一になることなく流路を構成することができる。これにより、複数の区画された流路をチャンバーに入れる際にチャンバー全長と同じ長さの部材を挿入することなく、分割した流路をチャンバーに挿入すればよく作業性が向上する。また、流路を分割することで流路自体の製作が容易になる。
1)チャンバー内にピストンが無い形態であるため、摺動部材の摩耗の問題を解消し、またチャンバーに過大な加工精度が要求されることなくかつ長尺加工も必要としない。したがって、チャンバーの製作コストを低減することができる。
2)チャンバー内にピストンが無い形態にも拘らずチャンバー内での濃縮海水と海水の混合を抑制し、濃縮海水と海水の界面を維持したまま、濃縮海水によって海水を加圧することができる。
3)チャンバー内での乱流拡散による濃縮海水と海水の混合を抑制でき、濃度の高い海水を逆浸透膜分離装置に送ってしまうことがないので、逆浸透膜分離装置の性能を十分に発揮することができるとともに、逆浸透膜自体の交換周期を長くすることができる。
4)チャンバー内の複数の区画された流路は同一の断面積および同一の形状を有し、それ以外の部分は流体が流動しないようになっているため、チャンバー内の全ての区画流路における流動抵抗を均一にすることができるとともに界面の挙動を均一にすることができる。
5)複数の区画された流路を保持するパイプをチャンバーの内径とほぼ同径のパイプとしてチャンバーに着脱可能とすることで、チューブ、ハニカム等からなる流路自体の交換を容易に行うことができる。また、チャンバーへチューブ、ハニカム等からなる流路を実装する場合に、耐圧容器であるチャンバーへの加工や溶接、接着などを施すことなく、流路を実装したパイプを別ピースとしてチャンバーに嵌め込むだけでよく、構成が簡易となり、組立も容易となる。
図1は、本発明の海水淡水化システムの構成例を示す模式図である。図1に示すように、取水ポンプ(図示しない)により取水された海水は、前処理装置により前処理されて所定の水質条件に整えられたのち、海水供給ライン1を介してモータMが直結された高圧ポンプ2へ供給される。高圧ポンプ2で昇圧された海水は吐出ライン3を介して逆浸透膜分離装置4に供給される。逆浸透膜分離装置4は、海水を塩分濃度の高い濃縮海水と塩分濃度の低い淡水に分離し海水から淡水を得る。この時、塩分濃度の高い濃縮海水が逆浸透膜分離装置4から排出されるが、この濃縮海水は依然高い圧力を有している。逆浸透膜分離装置4から濃縮海水を排出する濃縮海水ライン5は、方向切換弁6を介してエネルギー交換チャンバー20の濃縮海水ポートP1へ接続している。前処理された低圧の海水を供給する海水供給ライン1は、高圧ポンプ2の上流で分岐してバルブ7を介してエネルギー交換チャンバー20の海水ポートP2へ接続している。エネルギー交換チャンバー20は、チャンバー内の濃縮海水ポートP1と海水ポートP2の間に区画された流路を有しており、濃縮海水と海水の界面によって二流体を分離しながらエネルギー伝達を行うものである。
図4(a)および図4(b)において、A10で示した領域が濃縮海水100%〜90%の領域であり、濃縮海水ポートP1から海水ポートP2に向かうにつれて各領域(A9〜A2)ごとに濃度が10%低くなり、A1で示した領域は濃縮海水10%〜0%の領域である。なお、A1で示した領域においても、領域A2との境界部や領域A2に近接した部分では濃縮海水10%であるが、海水ポートP2に近い部分では濃縮海水0%、すなわち、海水100%である。
これに対し、図4(b)に示すように、チャンバー内に区画された複数の流路Rがある場合には、濃縮海水ポートP1から濃縮海水が区画された流路断面積の小さい各流路Rに流入し、海水ポートP2から海水が各流路Rに流入する。この時、各流路R内で濃縮海水と海水が接触するが、流路断面積が小さい流路R内で生じる渦は管路内の小さな渦になるので、大きく拡散せずに濃縮海水と海水の界面I(A9〜A2で示す領域)が乱れない。
すなわち、図4(b)においてA10で示した領域は濃縮海水100%〜90%の領域であり、濃縮海水ポートP1から海水ポートP2に向かうにつれて各領域ごとに濃度が10%低くなり、A1で示した領域は濃縮海水10%〜0%の領域である。濃縮海水ポートP1から海水ポートP2方向にみた場合、領域A10に隣接する濃縮海水が90%〜80%の領域A9から10%ずつ濃縮海水の割合が減少していき、濃縮海水と海水の界面は、濃縮海水が90%〜80%の領域A9から濃縮海水が20%〜10%の領域A2までの8つの細い帯状の領域の集合であり、界面Iで示される。
このように流路断面積の小さい流路Rが複数個集まって大きなチャンバーを構成するため、各流路Rで濃縮海水と海水の界面Iが維持され、全体として濃縮海水と海水の界面を維持したまま、すなわち濃縮海水と海水の混合を抑制しながら、濃縮海水によって海水を加圧し吐出することができる。
本件出願人は、先に、特願2010−112803号において、図3の実施形態でシリンダ21内のチャンバーに円形断面を有するチューブ25を多数配置したエネルギー交換チャンバー20を提案しているが、この形態ではチューブ25とチューブ25との間の空間や、チャンバー内の外径部でチューブ25が円形断面を維持できない箇所で、区画された流路の断面積が大きく異なってしまう。また、同出願の図5の実施形態でシリンダ21内のチャンバーにハニカム状の流路や格子状の流路を形成した構成を提案しているが、この形態もチャンバー内の外径部で断面積や形状の大きく異なる区画流路ができてしまう。
このように断面積や形状の大きく異なる区画流路では、他の区画流路とは流動抵抗が異なり、界面の挙動も異なってしまうおそれがある。界面の挙動が他の流路と一致しないと、制御性が低下し、逆浸透膜(RO)に供給される海水に濃縮海水が混入してしまう可能性もある。
図5(a)に示す例では、シリンダ21内に形成されたチャンバー内に小径の複数のチューブ25が配設されている。各チューブ25内に濃縮海水および海水が流入する流路Rが形成されている。そして、チャンバー内の外径部でチューブが円形断面を維持できない箇所(斜線部分)は、樹脂等を埋めてしまうことにより中実に形成して流体が流入できないようにしている。
図5(b)に示す例では、シリンダ21内に形成されたチャンバー内に仕切り26を設けてハニカム状の複数の流路Rを形成している。そして、チャンバー内の外径部でハニカムが六角形断面を維持できない箇所(斜線部分)は、樹脂等を埋めてしまうことにより中実に形成して流体が流入できないようにしている。
図5(c)に示す例では、シリンダ21内に形成されたチャンバー内に仕切り26を設けて格子状の複数の流路Rを形成している。そして、チャンバー内の外径部で格子部が四角形断面を維持できない箇所(斜線部分)は樹脂等を埋めてしまうことにより中実に形成して流体が流入できないようにしている。
また、多数の流路Rを形成することにより、各流路R内で生じる渦は管路内の小さな渦になるので、大きく拡散せずに濃縮海水と海水の界面が乱れることがない。このように流路断面積の小さい流路Rが複数個集まって大きなチャンバーを構成しているため、各流路Rで濃縮海水と海水の界面が維持され、全体として濃縮海水と海水の界面を維持したまま、すなわち濃縮海水と海水の混合を抑制しながら、濃縮海水によって海水を加圧し吐出することができる。図5(a),(b),(c)に示す形状の流路の場合、チューブの直径、ハニカムや格子の対向する2辺の距離は5〜10mm程度がよい。
図5(a),(b),(c)に示すような形態は、例えば、光造形法、粉末法などのラピッドプロトタイピングにより製造することができる。光造形法とは、光が当たると硬化する光硬化性樹脂を用い、光を光硬化性樹脂に選択的に当てて選択的に硬化させる造形方法である。粉末法は粉状の材料を層状に敷き詰めレーザーを照射し、レーザーを照射した箇所を選択的に焼結して結合する方法である。
また、ラピッドプロトタイピングで造形した部材を型として利用し、実際の製品を成形で製作することも可能である。実際の製品は海水を利用することから、樹脂材料が望ましく、エポキシ、シリコン、ABS、PEEKなどを適宜選定する。
図6に示すように、チャンバーの長手方向に流路Rを分割してチャンバー内に収容するとき、分割した流路がチャンバー全長に亘ってずれないように両端面の六角形のハニカムを維持できない外径部に位置決め用の穴61を形成している。そして、分割された流路をチャンバーに収容するときに、位置決めピン60を位置決め用の穴61に挿入し、ピン60が穴61に入るように組み立てることによって、区画した流路がずれることなくチャンバー全長に亘って合うようにしている。
このように複数の区画された流路Rをチャンバーの長手方向に複数に分割しても、位置決めピン60と位置決め用の穴61とを設けることにより、分割した面で流路断面積や形状が不均一になることなく流路を構成することができる。これにより、複数の区画された流路をチャンバーに入れる際にチャンバー全長と同じ長さの部材を挿入することなく、分割した流路をチャンバーに挿入すればよく作業性が向上する。また、流路を分割することで流路自体の製作が容易になる。
図8に示す実施形態においては、チャンバー内の空間S1,S2の中央部に流入側から拡大し、さらに縮小する円錐が底面で合わせられた形状の整流手段28,28を設けている。この整流手段28によってチャンバー中央部に供給された流体が一旦外側に広がり、再び内側へ縮小することで、小径のポートからの流れをチャンバー内の区画された各流路に均一に流すことができる。
図7において説明した小径のポートから大径のチャンバー内円筒部に向かってラッパ状に拡がる円錐状の整流板は、ポート内径とチャンバー内径の比が比較的小さい場合、すなわち、ポートからチャンバーへの拡大幅が小さい場合に有効であるが、図8に示すように、ポート内径とチャンバー内径の比が大きい場合、すなわちポートからチャンバーへの拡大幅が大きい場合には本実施形態の整流手段28が有効である。
図10に示す本実施形態も流入するポート内径に対するチャンバーの内径の比が大きい場合に有効である。このように、多孔板を配置することによって小径のポートP1,P2から流入する流れを大径のチャンバー内に均一に分散させ複数の区画された流路に均一に流れるようにすることができる。
また、一方のポート側に設けた2枚の多孔板による整流手段29a,29b(または29c,29d)は、それぞれの孔径や空孔率が異なるものでもよい。
チャンバーが海水の吸込みを行う工程のとき、濃縮海水を濃縮海水排水ポートP3から排水し、濃縮海水と海水の混合領域にある流体を整流手段29bの手前で濃縮海水排水ポートP3から排出するようにしている。すなわち、混合領域にある流体を整流手段29bの手前で排出したうえで、次に再度濃縮海水により海水を押し出すときには濃縮海水を濃縮海水供給ポートP1から供給する。このように、混合領域にある流体をチャンバー内から排出することによって常に新しい界面が形成され、界面の往復動作によって濃縮海水と海水の混合が拡大していくのを防ぐことができる。
なお、制御によって、吸い込み吐出しサイクルの何回かに1回、吸い込み工程の時間を長く取り、混合領域にある流体を濃縮海水排水ポートP3から排出するようにしてもよい。
図14および図15に示すように、エネルギー交換チャンバー20のシリンダ21内には、濃縮海水ポートP1側から海水ポートP2側に向かって、パイプPA、パイプPB、パイプPC、パイプPD、パイプPE、パイプPF、パイプPE、パイプPD、パイプPC、パイプPB、パイプPAの順序に配置されている。これらのパイプPA〜PFは、整流手段29a〜29dおよびチューブ25をチャンバーに固定するための部材として用いられている。パイプPA、パイプPB、パイプPC、パイプPD、パイプPEは、パイプPFを中心として左右対称に配置されている。整流手段29aはパイプPBとパイプPCとにより挟持され、整流手段29bはパイプPCとパイプPDにより挟持されている。また、整流手段29cはパイプPCとパイプPDとにより挟持され、整流手段29dはパイプPBとパイプPCとにより挟持されている。
ここで、整流手段29a,29b(29c,29d)は、パイプPBとパイプPC間およびパイプPCとパイプPD間の凹凸部55の空隙に挟まれるように設置され、軸方向に固定されている。
図14に示す例では、チューブで形成された流路Rを軸方向に3分割してチャンバー内に設置している。流路Rの分割数、各パイプの軸方向の長さ、および各パイプの内外径は使用条件により適宜設定するものであり、図14に示す形態(3分割)に限るものではない。
なお、各パイプPA〜PFには、その外周面上の1箇所もしくは複数箇所に圧力バランス孔56を設けている。圧力バランス孔56の径、圧力バランス孔56の軸方向および円周方向の数は、適宜設定する。
固定ワッシャー57の軸部57aは、孔h内で軸方向に可動になっており、孔hの深さおよび軸部57aの長さは、固定ワッシャー57が軸方向に所望の距離だけ移動できるように設定されている。なお、固定ワッシャー57は、図17に示すパイプPAと対称位置にあるもう1つのパイプPAにも設置されている(図14参照)。
図14および図17に示すように、パイプPAの端部に、Oリング58の弾性変形によって軸方向に移動可能な固定ワッシャー57を設置し、固定ワッシャー57をフランジ23で押さえることにより、パイプPA〜PFをチャンバー内で軸方向に固定することができる。
本実施形態においては、方向切換弁6に四方弁を採用することによって、2つのエネルギー交換チャンバー20へ交互に濃縮海水を供給し、2つのエネルギー交換チャンバー20から交互に昇圧された海水を吐出するため、逆浸透膜分離装置4から得られる淡水の流量を安定に保つことができる。
方向切換弁6には、1つの供給ポートP、2つの制御ポートA,B、2つの戻りポートQが形成される。本発明における方向切換弁6では、供給ポートPは濃縮海水ライン5に連通し、2つの制御ポートA,Bは、それぞれエネルギー交換チャンバー20A,20Bに連通し、戻りポートQは濃縮海水排出ライン17に連通している。
図20(a)および図20(b)に示す実施形態による方向切換弁6の例では、スプール102は3ランドであるが、方向切換弁に1つ以上の供給ポートP、2つの制御ポートA,B、2つ以上の戻りポートQが形成され、スプールの動作(制御弁内の流路の切換)により、供給ポートPと何れか一方の制御ポートA(又はB)が連通し、また何れかもう一方の制御ポートB(又はA)と戻りポートQが連通するものであれば、回転スプール形など、本図の構造・形態例に限らない。
(A)図20(a)は、方向切換弁6の供給ポートPと制御ポートAが連通する方向にスプール102が動作した場合を示す。
高圧の濃縮海水が方向切換弁6を通じて(Pポート→Aポート)エネルギー交換チャンバー20A(図20(a)中の上)に導入される。
エネルギー交換チャンバー20A(図20(a)中の上)内の界面(濃縮海水と海水の界面)Iが同図中の右方向に移動する。
エネルギー交換チャンバー20A内にバルブ7(図19参照)を通じて導入された海水が界面Iの移動により昇圧され、昇圧された海水がバルブ7を通じてブースターポンプ8(図19参照)に供給される。
また併行して、方向切換弁6の制御ポートBと戻りポートQが連通し、エネルギー交換チャンバー20B内におけるエネルギーを失って低圧になった濃縮海水が濃縮海水排出ライン17に排出されるとともに海水供給ライン1から海水がバルブ7を通じてエネルギー交換チャンバー20B(図20(a)中の下)に導入される。
高圧の濃縮海水が方向切換弁6を通じて(Pポート→Bポート)エネルギー交換チャンバー20B(図20(b)中の下)に導入される。
エネルギー交換チャンバー20B(図20(b)中の下)内の界面Iが同図中の右方向に移動する。
エネルギー交換チャンバー20B内にバルブ7(図19参照)を通じて導入された海水が界面Iの移動により昇圧され、昇圧された海水がバルブ7を通じてブースターポンプ8(図19参照)に供給される。
また併行して、方向切換弁6の制御ポートAと戻りポートQが連通し、エネルギー交換チャンバー20A内におけるエネルギーを失って低圧になった濃縮海水が濃縮海水排出ライン17に排出されるとともに海水供給ライン1から海水がバルブ7を通じてエネルギー交換チャンバー20A(図20(b)中の上)に導入される。
2 高圧ポンプ
3 吐出ライン
4 逆浸透膜分離装置
5 濃縮海水ライン
6 方向切換弁
7 バルブ
8 ブースターポンプ
9 バルブ
10 エネルギー交換チャンバー
11 シリンダ
11f フランジ部
12 ピストン
13 フランジ
14 ボルト
15 ナット
16 摺動リング
17 濃縮海水排出ライン
20 エネルギー交換チャンバー
20A,20B エネルギー交換チャンバー
21 シリンダ
21f フランジ部
23 フランジ
25 チューブ
26 仕切り
27,28 整流手段
28a,28b 円錐
28c 支持板
29a,29b,29c,29d 整流手段
29h 多孔板の孔
55 凹凸部
56 圧力バランス孔
57 固定ワッシャー
57a 軸部
58 Oリング
60 位置決めピン
61 位置決め用の穴
101 ハウジング
102 スプール
103 駆動部
A 制御ポート
B 制御ポート
I 界面
P 供給ポート
Q 戻りポート
R 流路
A10 濃縮海水100%〜90%の領域
A1 濃縮海水10%〜0%の領域
A9〜A2 濃縮海水と海水との領域(界面)
P1 濃縮海水ポート
P2 海水ポート
P3 濃縮海水排水ポート
S1,S2 空間
Claims (17)
- ポンプによって昇圧した海水を逆浸透膜分離装置に通水して淡水と濃縮海水に分離して海水から淡水を生成する海水淡水化システムにおいて、
前記逆浸透膜分離装置から吐出される濃縮海水の圧力エネルギーを前記海水の一部を昇圧するエネルギーに利用するエネルギー交換チャンバーを備え、
前記エネルギー交換チャンバーは、前記濃縮海水の出入りを行う濃縮海水ポートと、前記海水の出入りを行う海水ポートと、チャンバー内に設けられるとともに前記濃縮海水ポートと前記海水ポートとを連通させる複数の区画された流路とを備え、
前記複数の区画された流路は同一の断面積および同一の形状を有し、それ以外の部分の流路を流体が流動しないように中実に形成したことを特徴とする海水淡水化システム。 - 前記複数の区画された流路を保持するパイプを備え、該パイプは前記エネルギー交換チャンバー内に嵌装されることを特徴とする請求項1に記載の海水淡水化システム。
- 前記パイプは長手方向に複数に分割されていることを特徴とする請求項2に記載の海水淡水化システム。
- 前記パイプは前記エネルギー交換チャンバー内の前記複数の区画された流路の無い空間にも延設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の海水淡水化システム。
- 前記パイプには内径側と外形側を連通する孔が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の海水淡水化システム。
- 前記エネルギー交換チャンバーを複数備え、前記複数のエネルギー交換チャンバーにおける濃縮海水ポートへの濃縮海水の供給と該濃縮海水ポートからの濃縮海水の排出とを切換える少なくとも1つの切換弁を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の海水淡水化システム。
- 前記複数の区画された流路は同一の断面積および同一の形状を有し、前記それ以外の部分の流路は流体が入らないように埋められていることを特徴とする請求項1記載の海水淡水化システム。
- 前記複数の区画された流路をチャンバーの長手方向に複数に分割し、長手方向に分割された複数の流路の各接続部において前記流体が入らないように埋められた箇所に位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項7記載の海水淡水化システム。
- ポンプによって昇圧した海水を逆浸透膜分離装置に通水して淡水と濃縮海水に分離して海水から淡水を生成する海水淡水化システムにおいて前記逆浸透膜分離装置から吐出される濃縮海水の圧力エネルギーを前記海水を昇圧するエネルギーに利用するエネルギー交換チャンバーであって、
前記エネルギー交換チャンバーは、前記濃縮海水の出入りを行う濃縮海水ポートと、前記海水の出入りを行う海水ポートと、チャンバー内に設けられるとともに前記濃縮海水ポートと前記海水ポートとを連通させる複数の区画された流路とを備え、
前記複数の区画された流路は同一の断面積および同一の形状を有し、それ以外の部分の流路を流体が流動しないように中実に形成したことを特徴とするエネルギー交換チャンバー。 - 前記複数の区画された流路を保持するパイプを備え、該パイプは前記エネルギー交換チャンバー内に嵌装されることを特徴とする請求項9に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記パイプは長手方向に複数に分割されていることを特徴とする請求項10に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記パイプは前記エネルギー交換チャンバー内の前記複数の区画された流路の無い空間にも延設されていることを特徴とする請求項10または11に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記パイプには内径側と外形側を連通する孔が設けられていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記濃縮海水ポートと前記複数の区画された流路との間に整流手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記海水ポートと前記複数の区画された流路との間に整流手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記複数の区画された流路は同一の断面積および同一の形状を有し、前記それ以外の部分の流路は流体が入らないように埋められていることを特徴とする請求項9記載のエネルギー交換チャンバー。
- 前記複数の区画された流路をチャンバーの長手方向に複数に分割し、長手方向に分割された複数の流路の各接続部において前記流体が入らないように埋められた箇所に位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項16記載のエネルギー交換チャンバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010245206A JP5456640B2 (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010245206A JP5456640B2 (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012096151A JP2012096151A (ja) | 2012-05-24 |
JP5456640B2 true JP5456640B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=46388714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010245206A Active JP5456640B2 (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5456640B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6010466B2 (ja) * | 2013-01-16 | 2016-10-19 | 株式会社荏原製作所 | 海水淡水化システムおよびエネルギー回収装置 |
JP6192336B2 (ja) | 2013-04-02 | 2017-09-06 | 協和機電工業株式会社 | 塩水淡水装置 |
JP6113833B2 (ja) * | 2013-04-03 | 2017-04-12 | 株式会社荏原製作所 | 海水淡水化システムおよびエネルギー回収装置 |
CN105050695B (zh) * | 2013-04-05 | 2016-12-07 | 株式会社荏原制作所 | 海水淡化系统以及能量回收装置 |
CN110307741B (zh) * | 2019-06-09 | 2024-02-06 | 天津融渌众乐科技有限公司 | 一种促进能量交换的损益系统 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS541665B2 (ja) * | 1974-04-30 | 1979-01-27 | ||
JPS53124178A (en) * | 1977-01-20 | 1978-10-30 | Kobe Steel Ltd | Separating method by reverse osmosis |
DE2830982A1 (de) * | 1978-07-14 | 1980-01-24 | Steinmueller Gmbh L & C | Membrandoppelspeicher zur anwendung in reversosmoseanlagen |
JPS60241926A (ja) * | 1984-05-15 | 1985-11-30 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 発熱を伴なう触媒リアクタ |
JPH11235503A (ja) * | 1998-02-20 | 1999-08-31 | Nippon Steel Corp | 面状ろ過材を用いたフィルターの支持構造 |
JP2008080267A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Toray Ind Inc | 複合式熱交換型反応器およびそれを用いたポリカプロアミドプレポリマーの製造方法 |
-
2010
- 2010-11-01 JP JP2010245206A patent/JP5456640B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012096151A (ja) | 2012-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5964541B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー | |
JP5848184B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー | |
JP5456640B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー | |
JP5571005B2 (ja) | 圧力交換装置及び圧力交換装置の性能調整方法 | |
US7850847B2 (en) | Filtration system manifolds | |
KR101572435B1 (ko) | 수동 압력원을 갖춘 회분식 역삼투압 시스템 | |
DE69712518T2 (de) | Fluidbetriebene pumpen und vorrichtung mit solchen pumpen | |
KR102074257B1 (ko) | 원통형 역전기투석 발전장치 | |
US8202422B2 (en) | Fluid system | |
JP6113833B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー回収装置 | |
CN106794423B (zh) | 海水淡化系统及能量回收装置 | |
CA2826026A1 (en) | Split pressure vessel for two flow processing | |
JP6595174B2 (ja) | 多数並行フィルタ素子を備えた流体フィルタ及び関連する方法 | |
JP6010466B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー回収装置 | |
JP5405435B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー交換チャンバー | |
JP6234723B2 (ja) | 流体混合装置 | |
JP6152416B2 (ja) | 海水淡水化システムおよびエネルギー回収装置 | |
KR101385362B1 (ko) | 삼투용 다공성 유출관 | |
JP6066045B2 (ja) | 圧力交換装置 | |
RU2005111154A (ru) | Клапан обратный | |
CN103232120A (zh) | 过滤单元 | |
RU2102127C1 (ru) | Аппарат для фильтрации жидкости |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130604 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131015 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5456640 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |