JP5456498B2 - 籾殻成形体の製造方法及び籾殻成形体 - Google Patents

籾殻成形体の製造方法及び籾殻成形体 Download PDF

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本発明は、籾殻をバインダで固着し成形した籾殻成形体の製造方法及びその製造方法で得られた籾殻成形体に関する。
粒状物の粒子同士が接着剤を介して結合されてなる成形体としてはパーティクルボードなどが知られている。(例えば、特許文献1参照)
このような成形体においては、かさだかな成形体、すなわち、粒子間にある程度空隙が確保された成形体を得ようとすると接着剤の量を少なくする必要があり、この場合はそのために成形体は充分な強度が得られない。また、構造が密な成形体においても、接着剤の量を少なくすると成形体中の接着剤の分布の不均一さに起因して、充分な強度が得られない。
一方、成形体用の粒状物としては、籾殻のような副産物の利用が考えられる。籾殻はそれ自体もかさだかであり、防音性や断熱性や衝撃エネルギー吸収性能を要求される部材、例えば自動車用部材などとして、多孔質の成形体を得るうえで好適と考えられる。さらに、自動車用部材として籾殻を用いることは、地球環境の保護に寄与するところが大である。
籾殻を接着剤で固化してなる成形体に関しては、籾殻に水を噴射して表面を濡らした後、小麦粉、米粉、ゴムパウダーなどの接着剤となる植物性接着剤粉を散布し、次いで水を噴射して植物性接着剤粉を液状化してから、撹拌機で撹拌混合し、次いでこの籾殻を加圧してブロックに成型した後、このブロックを加熱乾燥して接着剤を固化させて、籾殻の繊維方向を横方向に揃えた断熱緩衝材を形成することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法においては、液状化された接着剤が加熱乾燥の際にマイグレーションにより成形体の表面など高温がわに移行する傾向があり、均一な接着構造が得られないおそれがある。また、未粉砕の籾殻の集合体はかさだか過ぎて強度不足となるおそれがある。
さらに、籾殻に破砕を加えることなく接着剤その他の固化材料を添加し、撹拌した上で、固化材料が硬化する以前に型へ入れて40〜70%の容量に圧縮し、その状態に保持して材料の固化を待ち、型を外して取り出す籾殻壁材の製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法においては、圧縮により籾殻粒子間の空隙が潰されて、成形体は連続気孔を有しないものとなり、十分な防音性と衝撃エネルギー吸収性能を有するものとはならない。
また、多数の籾殻が硬化剤によって一体的に固化されていることを特徴とする籾殻を用いた建設資材が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この建設資材は、例えば、籾殻及び接着剤を大型の攪拌機やミキサー車等を用いて攪拌し、次に地盤上に混合された籾殻及び接着剤を流し込み、大型の平板状治具で平らに均し養生することによって得られるものであり、建設資材の50重量%ほどが接着剤であり、通気性はあるものの、十分な衝撃エネルギー吸収性能を有するものとはならない。また、このような籾殻及び接着剤を流し込む態様においては、接着剤の含有比率が10重量%ほどでは資材に十分な強度が得られない。
特開平5−162104号公報 特開平6−8968号公報 特開平11−159055号公報 特開2003−13512号公報
本発明の目的は、少量の接着剤で充分な強度を有する籾殻成形体の製造方法を提供しようとすることである。
本発明の要旨とするところは、籾殻を主成分とする粒体を型容器に充填して造形体となす充填工程と、該造形体を固化する固化工程とを含む籾殻成形方法であって、前記固化工程が前記造形体を充填した前記型容器内にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を送り込み、前記造形体にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有させる水溶液送り込み工程と、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有した前記造形体を乾燥する乾燥工程とを含む籾殻成形方法であることにある。
前記籾殻成形方法においては、前記乾燥工程の前に前記造形体に含有されたポリビニルアルコール系樹脂水溶液をゲル化するゲル化工程を含み得る。
前記籾殻成形方法においては、前記型容器が容器本体と該容器本体の蓋から構成され得、前記容器本体の壁が非通気性であり得、前記蓋が、互いに交換して用いられる、粒体を通さずかつ通気性を有する通気性の第一の蓋と非通気性の第二の蓋からなり得、前記充填工程においては前記第一の蓋が用いられて前記粒体が風送により前記前記型容器内に送り込まれ、
前記ゲル化工程においては、該工程前に前記第一の蓋が前記第二の蓋と交換され得る。
前記籾殻成形方法においては、前記ゲル化工程が
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有した前記造形体を前記型容器に充填された状態で冷凍して冷凍体を得る冷凍工程と、
前記冷凍体を解凍して解凍体を得る解凍工程とを含み得る。
前記籾殻成形方法においては、前記粒体が粉砕された籾殻を含み得る。
前記籾殻成形方法においては、前記粒体が、微粉砕された籾殻、コロイダルシリカ、石英ガラスの粉末、籾殻焼成灰、の群から選択される1または複数種の微粉末を含み得る。
前記籾殻成形方法においては、前記粒体が、籾殻燻炭を含み得る。
また、本発明の要旨とするところは、前記籾殻成形体の製造方法で得られた籾殻成形体であることにある。
さらに、本発明の要旨とするところは、前記籾殻成形体がフィルムからなる包装袋で包装されてなる複合籾殻成形体であることにある。
前記複合籾殻成形体は、前記包装袋でシュリンク包装されてなり得る。
またさらに、本発明の要旨とするところは、前記籾殻成形体に珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料をスプレーコーティングしてなる複合籾殻成形体であることにある。
また、本発明の要旨とするところは、前記籾殻成形体に珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料をディッピングコートしてなる複合籾殻成形体であることにある。
本発明によると、少量の接着剤で充分な強度を有する籾殻成形体の製造方法が提供される。
本発明の籾殻成形体の製造方法において用いられる金型装置の構成を示す断面模式図である。 本発明の籾殻成形体の製造方法において用いられる型容器の態様を示す断面図である。 本発明の籾殻成形体の製造方法において用いられる他の種類の型容器の態様を示す断面図である。 本発明の籾殻成形体の製造方法において用いられるまた他の種類の型容器の態様を示す断面図である。 本発明の籾殻成形体を製造方法により籾殻成形体を連続的に製造する態様の一例を示す工程フロー説明図である。 図5(a)に続く工程フロー説明図である。 図5(b)に続く工程フロー説明図である。 図5(c)に続く工程フロー説明図である。
本発明の籾殻成形体の製造方法は、籾殻を主成分とする粒体を型容器に充填して造形体となす充填工程と、該造形体を固化する固化工程とを含む籾殻成形方法であって、前記固化工程が前記造形体が充填された前記型容器内にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を送り込み、前記造形体にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有させる水溶液送り込み工程と、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有した前記造形体を乾燥する乾燥工程とを含む籾殻成形方法である。
粒体の原料素材
この製造方法における粒体の主成分としての籾殻は、粉砕されないもの、あるいは粉砕されて粒子が細かくされたものが必要に応じて所定の比率に混合されたもの、が用いられる。この粒体には、そのほかに若干の増量剤が含まれていてもよい。増量剤としてはおがくず、そばがらなどの植物由来の粒子状物や発泡樹脂ビーズなどの樹脂の粒子状物が挙げられる。増量剤の含有量は10重量%以下であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液
本発明において用いられるポリビニルアルコール系樹脂としてはポリビニルアルコール、側鎖を有するポリビニルアルコールなどの変性されたポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールモノマーを主成分とする共重合樹脂が挙げられる。側鎖としてはアルキル基が好ましく、必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。水溶液の濃度は2〜10重量%が好ましい。
充填工程
充填工程においては、籾殻を主成分とする粒体を所定の形状の型内に、例えば、圧空で送り込んで造形体を得る。
固化工程
次いで、この型内にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を送り込むことにより、造形体の内部の籾殻の粒子の間の隙間の少なくとも一部をポリビニルアルコール系樹脂水溶液で充満させる。籾殻とポリビニルアルコール系樹脂水溶液との比率は重量比で1:2〜1:5であることが好ましい。
この充填と型内へのポリビニルアルコール系樹脂水溶液の送り込みは、例えば、特開2000−176956に記載の加圧圧縮充填法による金型装置と同様の機構により好適に行うことができる。すなわち、例えば、図1に示すような金型装置2により行うことができる。図1の金型装置2は、収納型8と、収納型8のキャビティ9にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を導入する液体導入手段10と、キャビティ9に収納される型容器314と、キャビティ9に粒体(籾殻)16を送り込む風送手段18とを備える。風送手段18はバキュームダクト34、バキュームダクト34を介して粒体16を吸い上げる粉体用エゼクター32、吸い上げた粒体をエゼクターの空気流にのせて放出する放出ダクト36を備える。
図2に型容器314の態様の一例を示す。型容器314は容器本体302と、容器本体302の蓋304から構成される。容器本体302の壁は非通気性であり、蓋304には多数の通気孔307が形成されていて蓋304は通気性を有する。
収納型8は、受けフレーム70で受けられる収納容器本体4と、収納容器本体4に蓋をする可動の蓋用体6と、蓋用体6の周辺部を上方から抑える抑え部材76とから構成される。
液体導入手段10は液体流入パイプ38を備える。流体流入パイプ38の上流側には不図示の送液ポンプが設置される。液体流入パイプ38は蓋用体6を貫通する貫通穴80に接続されている。
型容器314がキャビティ9内に収納される。型容器314がキャビティ9内に収納された状態では、収納容器本体4の上縁と抑え部材76の周縁部に設けられた周縁リブ78の先端との間に隙間25がある状態にしておくことが好ましい。また、蓋304とキャビティ9の内壁との間にも隙間27がある状態にしておくことが好ましい。すなわち、収納型8は外部に導通する孔もしくは隙間を形成可能なキャビティを有することが好ましい。
蓋用体6の中央部には、粒体16をキャビティ9にすなわち型容器314の内部に送り込むための導入口30が設けられている。導入口30は粉体用エゼクター32から粒体16を放出する放出ダクト36の下流に接続されている。
型容器314の上壁に相当する蓋304には粒体16を送り込むための導入口28が形成されている。粒体16が導入口30、導入口28を経由して型容器314内に送り込まれ、その後、必要ならば可動フレーム29を下降させて抑え部材76を介して蓋用体6を下方に押し付け、型容器314に送り込まれた粒体16を蓋304を介して図面視下方に加圧する。これにより、造形体が得られる。
蓋304の通気性は通気孔307の数密度や各孔のサイズにより調整される。
なお、本発明においては、型容器314内に粒体16を充填したのち、型容器314をキャビティ9から取り出してから、別途の経路でポリビニルアルコール系樹脂水溶液を型容器314内に導入してもよい。
このようにして得られた造形体は、乾燥などにより構成する粒体の粒子を相互に結合させて固化することにより籾殻成形体となる。
造形体を乾燥するまえに、籾殻表面のポリビニルアルコール系樹脂水溶液をゲル化することが、高強度の粉粒成形体を得るうえで好ましい。ゲル化は造形体を冷却することによりなされる場合もあるが、造形体を凍結して凍結体となし、次いで解凍することにより良好なゲル化状態が得られる。このゲル化ののちに乾燥することにより少ないポリビニルアルコール系樹脂の含有量であってもかさ高で高強度の粉粒成形体を得ることができるので、ポリビニルアルコール系樹脂は籾殻粒子同士を接合する接着剤として好ましい。さらに上述の凍結、解凍後の乾燥により、籾殻粒子同士を接合する接着力が向上する。また、粒体が粉砕された籾殻あるいは籾殻燻炭を含む場合は高密度高強度の粉粒成形体を得ることができる。さらにまた、粒体が粒径1〜100μmに微粉砕された籾殻、コロイダルシリカ、石英ガラスの粉末、籾殻焼成灰、の群から選択される1または複数種の微粉末を含む場合は最も高強度の粉粒成形体を得ることができる。
本発明においては、造形体が充填されている状態の型容器314をキャビティ9から取り出したのち、蓋304を図3に示す通気孔のない蓋306と交換後、造形体300を型容器314aごと冷凍してもよい。通気孔のある蓋304で蓋をしたまま造形体300を冷凍すると冷凍後の後工程で造形体を取り出すため蓋304を開けようとすると通気孔のアンカー効果で造形体300が蓋304から離れにくいことがあるので、蓋304を通気孔がない蓋306に交換したのち冷凍すれば、冷凍後の後工程で蓋306を円滑に開けることができて好ましい。
冷凍体
造形体が充填されている状態の型容器314aは型容器ごと公知の冷凍装置を用いて冷凍処理して冷凍体を得ることができる。例えば、冷凍食品用の冷凍装置を用いて連続的に減圧密閉梱包体を供給して連続的に冷凍処理することができる。冷凍温度は−10〜−30℃であることが好ましい。造形体を型容器314aごと冷凍することにより、型容器中の造形体を圧縮状態で冷凍することができる。
解凍体
解凍体は、型容器314aごと冷凍された造形体を公知の加熱装置を用いて解凍処理して得ることができる。例えば、ヒートポンプ方式の加熱装置が好適に用いられる。連続的に加熱装置に供給して連続的に解凍することもできる。なお、この冷凍、解凍は複数回繰り返して行われてもよい。この凍結、解凍により造形体中のポリビニルアルコール系樹脂水溶液がゲル化される。とくに、籾殻中のシリカがポリビニルアルコール系樹脂のゲル化反応を促進させることにより、強固なゲル体が生成される。また、この解凍処理により、造形体を圧縮状態で解凍することができる。この造形体は、圧縮状態で冷凍、解凍されているので構造は安定した緻密さを実現できる。
乾燥工程
乾燥工程においては、解凍された造形体を型容器から取出してあるいは型容器を開放して、造形体を加熱乾燥する。あるいはまた。解凍された造形体を型容器から取出して図4に示すような内壁に凹凸のある型容器314bに入れ替えて行うことが好ましい。型容器314bは、通気孔のある蓋304と内壁に凹凸のある容器本体302bからなる。この凹凸により造形体の表面と型容器314bの内壁との間に空間が確保され通気路ができるので効率よく乾燥を行うことができる。
乾燥は50〜120℃で加熱して行うことが好ましい。例えば、1〜10℃/minの昇温速度で50〜120℃まで昇温して加熱することにより行うことができる。この乾燥により、強固に3次元化したSi/ポリビニルアルコール系樹脂のゲルに含まれている水分が除去されて、ポーラスなスポンジ状の構造物となり、籾殻の粒子がその構造体に堅固に捕捉された構造体が得られる。
本発明のかかる製造方法により、籾殻の粒子同士がポリビニルアルコール系樹脂をバインダとして強固に接合された籾殻成形体が得られる。
籾殻とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを混合して成形した成形体を単に加熱した場合は、前述のように、液状化された接着剤が加熱乾燥の際にマイグレーションにより成形体の表面など高温がわに移行する傾向があり、均一な接着構造が得られないそれがあるが、本発明においては、造形体中の含水ポリビニルアルコール系樹脂を凍結、解凍することにより含水ポリビニルアルコール系樹脂がゲル化され、これにより、ポリビニルアルコール系樹脂分子同士がSiを反応促進剤として3次元的に結びつき、含水ポリビニルアルコール系樹脂の自然流動が阻害されて、乾燥時のマイグレーションが防止されて成形体全体にわたり均一な接着がなされる。
さらに、籾殻に含まれるシリカ成分が遊離して含水ポリビニルアルコール系樹脂に架橋剤として3次元的に作用してゲル化を促進するとともに、乾燥後の接着力の向上にも寄与するものと考えられる。この結果、高強度の成形体が得られる。
従って、本発明においては、充填用粒体にシリカ成分を含む微粉末を含有させることがゲル化の促進にとって有効である。このシリカ成分を含む微粉末に含まれるシリカ成分も遊離して含水ポリビニルアルコール系樹脂に架橋剤として作用してゲル化をさらに促進するとともに、乾燥後の接着力の向上にも寄与すると考えられる。シリカ成分を含む微粉末としては微粉砕された籾殻、コロイダルシリカ、石英ガラスの粉末、籾殻焼成灰などが挙げられる。微粉末の粒子径は100μm以下であることがゲル化を促進させるうえで好ましい。微粉末はナノオーダーの微粉末であってもよい。
本発明においては、このようにして得られた籾殻成形体をさらに、シュリンクフィルムなどによりフィルムで囲撓して複合籾殻成形体とすることにより、元来耐水性に劣るものとされる籾殻の成形体に優れた耐水性を付与できる。また、籾殻特有の匂いをほぼ遮断することができる。
また、本発明においては、このようにして得られた籾殻成形体の表面に珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料をスプレーコーティングして複合籾殻成形体とすることにより、籾殻の成形体に耐水性を付与できる。あるいは、籾殻成形体を珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料にディップして、すなわち、籾殻成形体をディッピングコートして複合籾殻成形体とすることにより、籾殻の成形体に優れた耐水性を付与できる。
あるいは籾殻成形体にスプレーコーティングしたのちさらにシュリンクフィルムによりシュリンク包装して極めて優れた耐水性を有する複合籾殻成形体を得ることができる。
さらに、本発明の籾殻成形体は、籾殻を加熱炭化させた籾殻燻炭を含有させることによって籾殻特有の匂いをほぼ解消することができる。また、これにより、籾殻成形体に脱臭能を付与することができる。例えば、籾殻燻炭を粒体1に混入させれおくことにより籾殻燻炭を含有した籾殻成形体が得られる。籾殻燻炭に代えて活性炭の粉粒物を用いても脱臭能が得られるが、籾殻燻炭はポリビニルアルコール系樹脂のゲル化を促進させて成形体の強度向上に寄与するので好ましい。
また、本発明の籾殻成形体を製造方法によれば、この方法が冷凍、解凍というバッチ式の工程を含んでいるにも拘わらず、優れた特性の籾殻成形体を省人化された工程でかつ連続的に工業的に製造することが可能である。この態様の一例を図5に示す。図5(a)において、開梱装置104にセットされた籾殻の梱包体102から放出された籾殻が、送粒装置106の投入口108に投入されて送粒パイプ111を経て秤量器110に供給される。この籾殻からなる粒体は、送粒パイプ136を経て金型装置2に供給される。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液については、ポリビニルアルコール系樹脂と水とを混合調整する調整タンク122に供給されたものがFIC(流量表示制御器)124、送液ライン126を経て金型装置2に供給される。図中、符号117は粉粒体移送用のブロア、符号125は液送用のポンプである。
粒体が不図示の圧空源から供給された圧空の作用で吸引されてキャビティ内に供給され、圧空の作用で圧縮され造形体が得られる。その後ポリビニルアルコール系樹脂水溶液がキャビティ内に送り込まれる。
造形体300が、開型後、型容器314ごと金型から取出されて通気性の蓋304が取り外されて非通気性の蓋306と交換される。この操作は自動化されてもよいし、人手で行われてもよい。
型容器314a(蓋306を備えた型容器)に充填状態の造形体300が型容器314aごとコンベア162により移送される。この型容器314aに充填状態の造形体300は、次いで、図5(b)に示すように、冷凍室174に供給されて冷凍される。冷凍室174は螺旋状のコンベア177を内蔵し、コンベア177で搬送されているあいだに型容器314aに充填状態の造形体300が型容器314aごと不図示の冷凍機により低温化した冷凍室174の中で冷凍される。冷凍室174から排出された冷凍された造形体300は、型容器314aごと次いで解凍室182に供給される。解凍室182は螺旋状のコンベア187を内蔵し、コンベア187で搬送されているあいだに造形体300が不図示の加熱機により高温化した解凍室182の中で解凍される。
解凍された造形体300は型容器314aごと解凍室182から排出され、図5(c)に示すような内壁に凹凸のある型容器314bに入れ替えられて、乾燥室188、次いで乾燥室189に導入される。乾燥室188、乾燥室189も螺旋状のコンベア189、コンベア191をそれぞれ内蔵し、コンベア189、コンベア191で搬送されているあいだに造形体が不図示の加熱機により高温化した乾燥室188、189の中で加熱乾燥され籾殻成形体となる。乾燥室188、乾燥室189の乾燥温度は例えばそれぞれ80℃、120℃に設定される。
得られた籾殻成形体200は、型容器314bから取り出され図5(d)に示すように、検査用コンベア190で搬送される途中で検査されたのち、珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料をスプレーコーティングするスプレーコート装置323でスプレーコートされたのち、シュリンク包装機192でシュリンク包装され、製品となって製品運搬車194に積載されて搬出される。シュリンク包装機192は熱収縮フィルム196を供給するフィルム供給部198と、籾殻成形体200を熱収縮フィルムで包装する包装部202と、包装された籾殻成形体200を加熱炉204に導入する導入コンベア206を備える。包装後の熱収縮フィルム196は加熱炉204で加熱収縮されてフィルムで囲撓された複合籾殻成形体210が得られる。シュリンク包装に代えて真空包装機を用いた真空包装を行って複合籾殻成形体を得てもよい。
なお、本願発明の態様に替えて、未粉砕、あるいは1〜10メッシュパス程度に粉砕した籾殻を含む粒体とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とが混合されて表面が粘着性を有する粒体からなる被成形物を押出して型に圧入して成形する態様が考えられるが、このような態様は、被成形物が成形用の型に流入されるまでの押出管路で一旦閉塞すると、管路の内壁との摩擦力に起因する背圧がその管路の上流方向に積算されて完全に管路が閉塞された状態となることが多く、円滑な成形を行うことは難しい。すなわち、型に流入されるときの粒体の粒子の表面は粘着性をほとんどあるいは全く有しない状態であることが好ましい。また、この流入は機械的な圧力によるよりも、風送等の気体による搬送によることが流入路の閉塞が起こらず好ましい。
なお、図5に示す態様は、本発明の籾殻成形体の製造方法の態様の一例に過ぎず、本発明は図5に示す態様に限定されるものではない。また、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明の製造方法により得られた籾殻成形体は、低密度、高強度であり、かつ衝撃吸収性に優れる。また、吸音性に優れる。この特長を活かして、自動車用の内装分野や外装分野の部材として好適に使用される。また、吸音性や調湿性や天然の触感や色目に優れた建材として好適に用いることができる。さらには、ヘルメットの芯材や電子装置用の衝撃吸収材としても好適に用いることができる。また、音波吸収能を有するインテリア用材、音波吸収能や調湿機能を有するパネル、として好適に用いることができる。
2:金型装置
8:収納型
9:キャビティ
10:液体導入手段
162:コンベア
164:中間コンベア
174;冷凍室
182:解凍室
188:乾燥室
189:乾燥室
192:シュリンク包装機
196:熱収縮フィルム
200:籾殻成形体
202:包装部
204:加熱炉
210:複合籾殻成形体
300:造形体
302:容器本体
304、306:蓋
307:通気孔
323:スプレーコート装置
314、314a、314b:型容器

Claims (3)

  1. 籾殻を主成分とする粒体を型容器に充填して造形体となす充填工程と、該造形体を固化する固化工程とを含む籾殻成形方法であって、前記充填工程が前記粒体を非通気性の前記型容器本体の壁と該粒体を通さずかつ通気性を有する第一の蓋から構成される該型容器に充填して前記造形体となす工程を含み、前記固化工程が前記造形体を充填した前記型容器内にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を送り込み、前記造形体にポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有させる水溶液送り込み工程と、前記第一の蓋を非通気性の第二の蓋に交換した前記型容器内で前記造形体に含有されたポリビニルアルコール系樹脂水溶液をゲル化させるゲル化工程と、ゲル化したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を含有した前記造形体を乾燥する乾燥工程とを含む籾殻成形体の製造方法。
  2. 前記充填工程において前記粒体が風送により前記型容器内に送り込まれる請求項1に記載の籾殻成形体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の籾殻成形体の製造方法で得られた籾殻成形体に珪酸ソーダを主成分とする水ガラス系塗料をスプレーコーティングまたはディッピングコートしてなる複合籾殻成形体。
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