JP5453566B1 - 樹脂溶融射出装置における溶融器 - Google Patents

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Abstract

【目的】本発明は、樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円錐状の溶融孔と同様な構成とした簡易な構成で且つ割安なる加工ができること。
【構成】樹脂溶融射出装置のシリンダ1内に収納される溶融器2であって、円柱状に形成された器本体部21の長手方向に対して流入側大開口22aから流出側小開口22bに連通する多数の溶融孔22が形成され、該溶融孔22は、流入側大開口22aから流出側小開口22bになるように大径から小径に徐々になりつつ複数の円筒部22cとして形成されると共に、流出側小開口22aは、複数の円筒部22cにおいて端部側の該円筒部22c径よりも小径に形成され、流入側大開口22aからプラスチックペレットpが流入して流出側小開口22bから溶融樹脂qとして流出される構成としてなること。
【選択図】 図9

Description

本発明は、樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円錐状の溶融孔と同様な構成とした簡易な構成で且つ割安なる加工ができる樹脂溶融射出装置における溶融器に関する。
一般に、射出装置は、スクリュータイプ,プランジャタイプのものが存在する。その代表的なものとして、スクリュータイプでは、特開平6−246802号公報が、プランジャタイプでは、特公昭36−9884号公報にそれぞれ開示されているように、主にシリンダとスクリューとから構成される。シリンダに設けられたホッパから投入されたペレットは、シリンダの内部でスクリューが回転することによって射出ノズル側に移送させられると共に、その移送過程で加熱されて溶融してゆく。そして、溶融した樹脂をノズルの先端に集め、それを射出し、金型に溶融樹脂を送る。
一般のプラスチックペレット(以下、単に『ペレット』という。)は、プラスチック(合成樹脂)製であり、その熱伝導率は約0.07〜0.20kcal/m・hr・℃である。これは、金属の熱伝導率の数百分の1から数千分の1であり、このようなことからペレットは、略断熱材と言える。したがって、ペレットを溶融するために、十分な溶融熱を与えても、熱がペレット内部(中心部)まで伝達しにくく、十分に加熱されるのに、かなりの時間がかかってしまう。
したがって、個々のペレットが十分に溶融されて、樹脂成形ができる状態となるまでは短時間ではできないものであった。そのためにシリンダ内で比較的長い時間をかけて、ペレットを溶融させなければならず、作業効率も良好とはいえないものであった。また、前記射出装置において、シリンダ投入した多数のペレットのそれぞれの固体が、加熱されてスクリューが回転することによって、噴射側に移動させるものであり、このとき多数のペレットの一部がシリンダ内壁に押し付けられる状態となる。
つまり、シリンダ内壁に押圧されることになる。そして、押圧される個々のペレットについても、その固体の表面の一部のみがシリンダ内壁に接触するものであり、個々のペレットの溶融は、ペレット固体が部分的に溶融するのみである。シリンダ内でスクリューによってこねられるペレットは、短時間でシリンダ内壁から離れてしまい、十分な加熱が行われず、ペレット固体は全体が溶融されず、大半のペレットは溶融部分と非溶融部分とが混ざり合った状態となる。
ペレットがスクリューによってシリンダ内壁に繰り返して押圧されることで、ペレットの完全な溶融が行われ、溶融したペレットがノズル付近に移送された場合でも、シリンダに貯留している樹脂の量は、1回の射出に必要な量の数十倍以上であり、無駄な量のペレットがシリンダ内に残留することになる。
また、溶融された樹脂がスクリューとシリンダの隙間を通過するときに、樹脂に機械的損傷を与える。特に、ガラス繊維入りのペレットを溶融する場合には問題が多く、スクリューが磨耗してしまう。また、それぞれのペレットがランダムに一部のみの溶融となるため、シリンダ内にいつまでも同じペレットが残留してしまうことは避けられない。そのために、シリンダ内のペレットにおける材料替えを行う際は、特に、作業が大変である。
このようなスクリュータイプに対してプランジャタイプのものが存在する。この種のものでは、構造が簡単で、且つ小型化にし易いものである。また、スクリューが磨耗するという欠点もプランジャタイプには存在しない。特公昭36−9884号公報は、最も基本的な構造を有するプランジャタイプのものであり、主に多数の貫通孔を有する裁頭円錐状の加熱筒と、射出プランジャと、供給筒等から構成されたものである。そして、射出プランジャにより、合成樹脂原料が加熱筒に送り出され、射出が行われる。しかし、特公昭36−9884号公報においても、種々の問題点を有している。
特公昭36−9884号公報では、射出プランジャと、裁頭円錐状の加熱筒は、その対面する両者の直径が異なるもので、射出プランジャの直径が加熱筒の対面箇所の直径よりも一回り小さく形成されている。また、射出プランジャの先端と加熱筒と射出プランジャの先端部分と供給筒との間には、射出プランジャの先端の面積よりも広い容積の空隙室が存在する。
したがって、溶融した合成樹脂原料は、射出プランジャによって、一旦、前記空隙室に押出されるが、射出プランジャがさらに加熱筒側に移動しても、合成樹脂原料が加熱筒の貫通孔に効率良く流入することができないものであり、加熱筒に流入しないで空隙室に残留してしまうおそれが十分にある。そして、前記空隙部に残留した合成樹脂原料は、加熱筒の貫通孔に新たに送り出そうとする合成樹脂原料の障害となるおそれがある。また、新たに送り出そうとする合成樹脂原料と、長期間残留して劣化した樹脂とが混合されてしまうおそれも十分にある。
そのような裁頭円錐状の加熱筒及び射出プランジャの不都合な点を改良し、極めて良好にペレットの樹脂溶融工程と、溶融樹脂の射出工程が効率良くできる成形機における射出装置を、本願出願人は、特許文献3にて開発した。この特許文献3では、ペレットの集合体を、プランジャにて押圧するのみで、前記ペレットが、溶融器の多数の錐状孔を通過することで、ペレットが樹脂溶融できると同時に、溶融樹脂の射出ができるという画期的な発明を提供できたものである。
この発明では、ペレットを溶融させる溶融工程としては、加熱された溶融器の多数の錐状孔を所定の圧力にて通過することで、ペレットなる固体から出口から出たときに溶融樹脂となる。つまり、ペレットの材質、溶融樹脂の粘性、溶融温度、圧力、溶融速度、押出速度、流量等が関連して、溶融速度と射出速度とが同一となっている。すると、溶融速度で考慮するとかなり早く溶融できるものであるが、今度は、射出速度だけを考察すると、溶融速度と同じ時間となり、射出時間が遅いように感じられるものであった。
そこで、出願人は、加熱された溶融器の多数の錐状孔又は錐状に近似する孔を所定の圧力にて通過させて樹脂を溶融する溶融工程と、その後の溶融樹脂の射出工程とを分離した上で、射出工程の迅速化を図ることを実現することである。つまり、溶融工程と射出工程を繰り返し行うことで、該射出工程を溶融工程の時間に関係なく設定させることを開発したが、その溶融器の溶融効果は優れているが、加工がしにくく、割高になるなどの不都合な問題が生じていた。
特許第4880085号公報
そこで、発明が解決しようとする課題(発明の目的)は、溶融効果は優れている溶融器と同様な効果を奏する溶融器であって、しかも比較的割安に成形加工ができる成形機における樹脂溶融射出装置における溶融器を提供することである。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円柱状に形成された器本体部の長手方向に対して流入側大開口から流出側小開口に連通する多数の溶融孔が形成され、該溶融孔は、前記流入側大開口としての大径円筒部が端部寄りまで形成され、且つ流出側にのみに前記流出側小開口が形成され、プラスチックペレットが前記流入側大開口から流入して前記流出側小開口から溶融樹脂として流出される構成としてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器としたことにより、前記課題を解決した。
請求項2の発明を、樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円柱状に形成された器本体部の長手方向に対して流入側大開口から流出側小開口に連通する多数の溶融孔が形成され、該溶融孔は、前記流入側大開口の大径から、前記流出側小開口の内径よりも大きく且つ前記流入側大開口の内径よりも小さい孔になるように端部側まで円錐形孔として形成され、端部のみが前記流出側小開口として形成され、プラスチックペレットが前記流入側大開口から流入して前記流出側小開口から溶融樹脂として流出される構成としてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器としたことにより、前記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項1又は2において、隣接する前記溶融孔の流入側大開口は断面円形に形成され、且つ該流入側大開口の入口箇所は皿状面取りがそれぞれ形成されると共に、隣接する流入側大開口の皿状面取り同士の境目となる部位が刃状として形成されてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器としたことにより、前記課題を解決したものである。
請求項1の発明では、本件出願人が開発した溶融器において、円錐状の溶融孔と同様な作用を呈するにもかかわらず、殆ど大径の円筒部の加工となり、円錐状孔の孔加工に比較して割安な加工を提供でき、ひいては安価な溶融器を製造・販売することができ、樹脂溶融射出装置の販売力の一層の発展に寄与できる。
請求項2の発明では、請求項1の効果と同等の効果を奏する。請求項3の発明では、前記刃状の存在により、該刃状箇所で、ペレットが破砕され、細かく分離されることが多くなり、ペレットが前記流入側大開口により一層入り易くなり、ペレットの溶融を促進作用も呈し、溶融を一層良好にできる利点がある。その他は、請求項1及び2の効果と同等の効果を奏する。
(A)は樹脂溶融射出装置の復路工程を示す縦断側面図、(B)は樹脂溶融射出装置の往路工程を示す縦断側面図である。 (A)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の初期位置の縦断側面図、(B)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の中間位置の縦断側面図、(C)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の終了位置の縦断側面図である。 (A)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の初期位置の要部縦断拡大側面図、(B)及び(C)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の中間位置の要部縦断拡大側面図、(D)は樹脂溶融射出装置の溶融工程の終了位置の要部縦断拡大側面図である。 (A)はペレットが流入側大開口から流出側小開口に向かって溶融しながら移動する状態を示す錐状の溶融孔の拡大縦断側面図、 (B)はペレットが本発明の溶融器の流入側大開口から流出側小開口に向かって溶融しながら移動する状態を示す先が窄まる溶融孔の拡大縦断側面図である。 (A)は樹脂溶融射出装置の射出工程の初期位置直後の縦断側面図、(B)は樹脂溶融射出装置の射出工程の中間位置の縦断側面図、(C)は樹脂溶融射出装置の射出工程の終了位置の縦断側面図である。 (A)(B)及び(C)は本発明の溶融器の往復動時の溶融工程及び射出工程において、開閉弁の開閉動作状態図である。 (A)は溶融器及び開閉弁箇所の拡大縦断側面図、(B)は(A)の一部切除した分解斜視図、(C)は(B)の(ア)部拡大図、(D)は(A)のX1−X1矢視断面図、(E)は開閉弁の別の実施形態の斜視図である。 (A)は錐状の溶融孔が四角形状で形成された別の実施形態の溶融器の一部切除した斜視図、(B)は(A)の先端箇所において刃状に形成された部位の状態図である。 (A)は本発明の第1実施形態の溶融器及び開閉弁箇所の拡大縦断側面図、(B)は本発明の第2実施形態の溶融器及び開閉弁箇所の拡大縦断側面図である。 (A)は本発明の第3実施形態の溶融器及び開閉弁箇所の拡大縦断側面図、(B)は(A)の溶融器の上部の一部斜視図、(C)は(B)のX2−X2矢視拡大断面図、(D)は(C)のY1−Y1矢視拡大断面図ある。 (A)は樹脂溶融射出装置の出口部材におけるH字形状の長尺製品を製造するダイスの斜視図、(B)は(A)のX3−X3矢視拡大断面図、(C)は(A)のX4−X4矢視拡大断面図、(D)は(A)のX5−X5矢視拡大断面図、(E)は(A)のX6−X6矢視拡大断面図である。 (A)は、ペレット供給口にシャッタ機構を設けてペレットを供給している状態の樹脂溶融射出装置の縦断側面図、(B)は(A)においてシャッタ機構のシャッタ板を動作し始めた瞬間の樹脂溶融射出装置の縦断側面図、(C)は(B)においてシャッタ機構のシャッタ板が動作完了しで閉鎖した状態の樹脂溶融射出装置の縦断側面図、(D)はシャッタ機構箇所の一部切除した斜視図である。 (A)は樹脂溶融射出装置の射出装置において2組の溶融器と往復動杆を並列配置した状態の略示斜視図、(B)は(A)のX7−X7矢視拡大断面図、(C)は(A)のX8−X8矢視拡大断面図、(D)は(A)のX9−X9矢視拡大断面図。 (A)は樹脂溶融射出装置の射出装置において3組の溶融器と往復動杆を並列配置した状態の略示斜視図、(B)は(A)のX10−X10矢視拡大断面図、(C)は(A)のX11−X11矢視拡大断面図、(D)は(A)のX12−X12矢視拡大断面図である。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。まずは、樹脂溶融射出装置について説明し、後に、本発明の溶融器2について説明する。該溶融器2であっても、本発明に該当しないものも存在する。このため、溶融器2としての基本要素について説明し、本発明に該当する主要な要素を説明する。前記樹脂溶融射出装置は、図1(A)及び(B)に示すように、主にシリンダ1と、ペレットp,p,…を溶融する溶融器2と、該溶融器2を往復動させる駆動手段3と、加熱手段4とから構成されている。
前記シリンダ1の端には出口部材5が、この内部には、往復動する前記溶融器2と塞ぎ部6がそれぞれ設けられている。該塞ぎ部6は、実施形態では、板状に形成されているが、前記シリンダ1の内面を塞ぐことができれば、球面状をなしても、実施形態に制限されない。前記駆動手段3には往復動杆34が設けられている。前記シリンダ1の軸方向(又は長手方向ともいい、図1(A) 及び(B)において、上下方向)の一端側(図1において下端)に前記出口部材5が装着され、軸方向(長手方向の上端)他端側[図1(A)において上端]には前記塞ぎ部6が内臓されている。さらに、軸方向(長手方向の上端)他端側[図1(A)及び(B)において上端]には筒状ケース13を介して前記駆動手段3が装着され、該駆動手段3によって前記溶融器2が往復動するように構成されている(図1及び図2参照)。
前記シリンダ1の材質は、加熱が迅速に行われることが必要であり、鉄又は鉄の含有量の多いステンレスなどが好適である。該シリンダ1は、細長く形成されたシリンダ本体部11と、前記塞ぎ部6寄りに形成されたペレット供給口11aから接続された管状の供給管12とで構成されている。該供給管12には、ペレットp,p,…を溜めておくホッパ8に連通するように構成されている。前記供給管12は、前記シリンダ1に一体化された部分と適宜弧状に形成されたパイプとで結合されている。前記シリンダ本体部11は円筒状の部材であり、その内方側は内周側面部11bによって包囲された略円柱状の空隙を有する。
前記シリンダ本体部11の肉厚寸法は、約2mm程度のものが好ましい。前記ホッパ8には、多数のペレットp,p,…が投入可能であり、投入されたペレットp,p,…は、供給管12を通して前記ペレット供給口11aからシリンダ本体部11内に送り込まれる〔図2(A)参照〕。また、特に図示しないが、供給管12にスクリュー搬送又は空気圧装置を具備して、ペレットp,p,…を強制的に投入することもある。前記シリンダ1の断面は、円形をなしているが、僅かに円が変形して楕円状となる場合もある。この場合には、これと同一形状の溶融器2が回転等することなく、正確な往復動が可能となる。
前記シリンダ本体部11の軸方向(長手方向)の一端側(下端)には、ノズル部51又はダイス52等の出口部材5が装着されている。該出口部材5は、前述したようにノズル部51及びダイス52(図11参照)が存在する。前記ノズル部51は、本発明の射出装置と共に使用する金型に合わせて射出部分の口径を変更させるように交換可能に構成されている。前記ノズル部51は、射出口51aと接続部51bとから構成される〔図1(A)参照〕。
前記射出口51aは、シリンダ本体部11の内径よりも狭く形成されたもので、図示されない金型のゲートに挿入する部位である。前記ノズル部51の接続部51bと、シリンダ本体部11とは、図示しないが、螺子構造(外螺子,内螺子)による構成で着脱自在となっている。前記ノズル部51の材質は、熱伝導の良いものが好適で、具体的には、ベリリウム銅又は銅が望ましい。
前記ダイス52は、樹脂製長尺物(材)を製造するものである。該ダイス52は、前記ノズル部51を外してシリンダ1の溶融器2付近に近接するようにシリンダ1に直接、装着するものであり、図11に示すように、例えば、適宜の形状の成形孔52aが形成されたものである。該成形孔52aの具体的な形状としては、「H」字形状等であるが、その他の形状として、「L」字形状,四角,三角,円又はその他の多角形状等が存在する。
前記成形孔52aは、ダイス52のシリンダ1への装着側では、円形状の開口として形成され、溶融樹脂qが流入し易い状態となっている。そして、成形孔52aは、ダイス52の吐出開口側に向かうに従い所望の形状に近くなるように形成されている。具体的に、「H」字形状の樹脂製長尺材が形成される成形孔52aでは、該成形孔52aはシリンダ1への装着側から外方側に向かうに従い、円形から次第に「H」字形状となるように形成される〔図11(B)乃至(E)参照〕このように、ダイス52は、長尺な樹脂製の形材を製造する役目をなすものである。つまり、断面形状が同一な長尺物を製造することができる。
前記溶融器2について説明する。該溶融器2であっても、本発明に該当しないものも存在するため、ますは、溶融器2としての基本要素について説明する。該溶融器2は、略円筒形状形成された器本体部21に多数の溶融孔22,22,…が形成されたものである(図1,図5及び図7等参照)。前記器本体部21の材質は、熱容量が大きく、且つ熱伝導の良いものが好適である。具体的には、銅又はベリリウム銅が使用される。前記器本体部21は、前記シリンダ1のシリンダ本体部11内部で、往復動可能に構成され、常時には、前記出口部材5寄りに位置するように配置されている〔図1(A)参照〕。
前記溶融器2の器本体部21は、前述したように円筒形状に形成されたものであり、該器本体部21において前記塞ぎ部6と対面する側で且つ多数のペレットp,p,…が流入してくる側の面を流入側面部21aと称する。該流入側面部21aと反対側の面で前記出口部材5と対面し、溶融樹脂qが流出する側の面を流出側面部21bと称する。
また、前記器本体部21の外周側面を円周側面21cと称する。前記器本体部21は、前述したように円筒形状であり、流入側面部21aの直径D2aと、流出側面部21bの
直径D2bとは、円周側面21cは、軸方向に沿っていずれの位置も同一直径となる正確
な円筒形状である〔図7(A)参照〕。また、図1〜図6における溶融器2についても、上記の正確な円筒形状としたものである。
すなわち、
Figure 0005453566
である〔図7(A)参照〕。
次に、前記溶融孔22は、器本体部21の軸方向(長手方向)に沿って形成されたものである(図1〜図6参照)。該溶融孔22の形状又は構成によって本発明の場合と、本発明に該当しない場合がある。この該当しない例として、該溶融孔22として、断面形状が広い形状から狭い形状となるように形成され、円錐或いは角錐等の空隙を有する孔である〔図7(B),(C)及び図8(A),(B)参照〕。
前述したように、溶融孔22は、錐体状の空隙を有する孔であるために、該溶融孔22の両端の開口の大きさは異なり、該溶融孔22の大開口側は、ペレットp,p,…が流入する流入側大開口22aと称する〔図4(A),(B),図7(B)及び(C)参照〕。また、前記溶融孔22の小開口側を流出側小開口22bと称する〔図4(A),図7(B)及び(C)参照〕。つまり、溶融孔22は、流入側大開口22aから流出側小開口22bに連通する通路であり、流入側大開口22aから流出側小開口22bに向かって次第に断面が狭くなる。
そして、流入側大開口22aは、器本体部21の流入側面部21a側に位置し、前記塞ぎ部6に対面(又は対向)する〔図1(A)及び(B)参照〕。また、流出側小開口22bは流出側面部21bに位置し、出口部材5に対面(又は対向)する〔図1(A)及び(B)参照〕。以上述べたように、溶融器2の流入側面部21aには、多数の溶融孔22,22,…の流入側大開口22a,22a,…が配置されたものであり、前記流入側面部21aは、前記塞ぎ部6に対面して流入側大開口22aにペレットp,p,…が流れ込むので、溶融器2の流入側と称する。
また、前記溶融器2の流出側面部21bには、多数の溶融孔22,22,…の流出側小開口22b,22b,…が配置されたものであり、前記流出側面部21bは、出口部材5側に対面して流出側小開口22bからペレットp,p,…が溶融した溶融樹脂qを流出させるので、溶融器2の流出側と称する。そして溶融器2の流入側及び流出側に向かっての溶融状態については図4(A)及び(B)に示されている。
前記溶融孔22を円錐形状の孔とした場合では、軸方向(長手方向)に沿って、それぞれの直交する箇所の断面形状は円形状である〔図7(B)及び(C)参照〕。そして、溶融孔22の流入側大開口22aは、1個のペレットp全体が入り込む大きさであり、少なくとも該ペレットpの一部(一部分)が入り込むような大きさとしている。流入側大開口22aの具体的な大きさは、ペレットp,p,…が容易に入り易いような直径で、約3〜4mm程度である。
流出側小開口22bは、ペレットp,p,…が溶融して液化した溶融樹脂qとなるような直径は約1〜1.5mm程度である。溶融孔22は、その軸方向(長手方向)に沿った断面形状が略テーパー形状である。つまり、軸方向(長手方向)に沿って錐状であり、角錐状とした場合には、四角錐形状としたり、或いは三角錐形状とすることもある。また、四角錐形状と円錐形状を組合わせたタイプも存在する(図8参照)。このタイプの溶融孔22では、円錐形状の溶融孔22の流入側大開口22aを三角形以上の多角形状とし、流出側小開口22bを円形状としたものである。
さらに具体的には、錐状の溶融孔22の流入側大開口22aが略正方形に形成され、隣接する流入側大開口22a,22a同士の間隔が最小限となるように形成された実施形態も存在する〔図8(A)及び(B)参照〕。この実施形態では、隣接する流入側大開口22a,22aの境目となる部位が刃状として形成されることになり〔図8(A)参照〕、集合する流入側大開口22a,22a,…が格子形状に構成される〔図8(A)参照〕。また、略多角形状とした流入側大開口22aは、前述したように正方形等の四角形の他に、三角形,六角形等の形状も存在し、隣接する流入側大開口22a,22a同士の縁が平行且つ直線状となるものが好ましい。
このように、流入側大開口22aを略正方形状とし、多数の流入側大開口22a,22a,…によって略格子状を構成されている〔図8(A)参照〕。さらに、隣接する流入側大開口22a,22aの境目が、図8(B)に示すように、刃状となるように構成されることで、各流入側大開口22aの周縁は鋭利な形状となり、流入側大開口22aに入り込もうとするペレットp,p,…が刃状部位に引っ掛かると、前記塞ぎ部6に押圧されるペレットp,p,…群による押圧力によって、細かく破断され、流入側大開口22aにより一層入り易い状態となる。
図9(A)及び(B)は、本発明に該当する前記溶融器2である。該溶融器2の溶融孔22は、先が窄まる溶融孔として形成されている。図9(A)は、本発明の第1実施形態の溶融器2であって、前記溶融孔22の前記流入側大開口22aから前記流出側小開口22bになるように、大径から小径に徐々になりつつ複数の円筒部22c,22cとして形成され、端部が円筒部22cが前記流出側小開口22bに該当したり、或いは、端部のみが前記流出側小開口22bとして形成されている〔図9(A)参照〕。
図9(B)も、本発明の第2実施形態の溶融器2であって、先が窄まる溶融孔22として形成されている。前記流入側大開口22aから前記流出側小開口22bになるように、大径から中間径程度の直径となるような円錐形孔が形成され、端部のみが前記流出側小開口22bとして形成されている。
図10(A)も、本発明の第3実施形態の溶融器2であって、先が窄まる溶融孔22として形成されている。前記流入側大開口22aから前記流出側小開口22bになるように、前記流入側大開口22aとしての大径円筒部22dが端部寄りまで形成され、且つ端部のみに前記流出側小開口22bが形成されている。
図10(B)においては、前記溶融孔22の流入側大開口22aは、断面円形に形成され、且つ該流入側大開口22aの入口箇所は皿状面取り22a1がそれぞれ形成されると共に、隣接する流入側大開口22aの皿状面取り22a1,22a1同士の境目となる部位が刃状22sとして形成されることもある。該刃状22sの存在により、該刃状22s箇所で、ペレットpが破砕され、細かく分離されることが多くなり、ペレットpが流入側大開口22aにより一層入り易くなり、ペレットpの溶融を促進作用も呈する。
前記駆動手段3は、減速機付きのモータ駆動部31,ピニオンギア32及びラック軸33とから構成されている。或いは、図示しないが、減速機付きのモータ駆動部31と、ボールねじとボールねじナット駆動との駆動によりロッドが往復動する駆動手段3も存在する。前記ラック軸33の先端又は前記ロッド端には、往復動杆34が連結されている。
該往復動杆34が、前記塞ぎ部6の略中央に貫通され、その先端が前記溶融器2に接続されている。前記ラック軸33は、前記シリンダ1の後部に、ねじ環14によって接続された前記筒状ケース13にて覆われており、前記モータ駆動部31のモータケース38に固定されている。前記往復動杆34は、鉄又はステンレス製等で構成されている。
前記モータ駆動部31は、ブラシレスモータ又はステッピングモータ等で構成され、高精度の駆動制御が可能であり、且つペレットの材質等を考慮して、溶融工程の時間と、溶融樹脂qの射出工程の時間とを分離させて制御できる。その結果、樹脂を溶融できる十分な時間を確保すると共に、その溶融樹脂qの射出工程を極めて迅速で且つ短時間に効率良くできる。
例えば、溶融工程時間を約30乃至約60秒とし、溶融樹脂の射出工程時間を約1秒程度とすることによって、射出工程時間を極めて迅速で且つ短時間に効率良くできる最大の利点がある。特に、前記ブラシレスモータは、溶融工程時間を長くし、射出工程間を短くするとき等のように異なる時間帯を、任意に且つ正確に制御するのに好適である。
加熱手段4は、前記シリンダ本体部11の外周面から前記溶融器2を加熱する構成部材であり、該溶融器2への熱伝導性が良好となるように筒状に構成されている。具体的には、IHヒータ等が巻き線状に構成されたもので十分な熱量が得られる。
前記加熱手段4は、シリンダ1のシリンダ本体部11内において往復動する溶融器2を加熱する役目をなす。加熱手段4は、具体的には、電磁誘導装置つまりIH(インダクションヒーティング)コイルが好適であり、樹脂又はセラミック製の断熱材コイルボビンにIHコイルを巻いたものである。
IHコイルとシリンダ本体部11の外周側面との間隔が最適になるようにボビンの形状が設定されている。入力電力は、制御装置により0乃至1Kwまで可変可能としたものが好適である。前記シリンダ1には、熱電対が取り付けられており、シリンダ1の温度を設定値にすることができるようになっている。また加熱手段4の別のタイプとして、バンドヒーターが使用されることもある。さらに、加熱手段4は、前述したものに限定されるものではなく、その他の本発明に使用可能な加熱装置であれば何れのものが使用されても構わない。
前記加熱手段4は、前記シリンダ本体部11に固定状態にセットされているが、前記溶融器2の熱容量的には、駆動手段3にて往復動しても、十分に熱源を保つようにできる。これは、常時は、図1(A)位置、即ち、出口部材5箇所に近づいた定位置としてセットされていることによる。ペレット貯留領域W内において、前記溶融器2が復路に動いて(溶融工程)も、その状態から直ぐに、往路に動く(射出工程)ことになり、溶融器2は、加熱状態が簡単には冷えず、十分な加熱量を得ることができ、所定の温度を保持することができる。
また、前記溶融器2については、断熱処理が必要に応じて設けられている。この点について具体的に説明する。前記溶融器2の流入側面部21a及び流出側面部21bの中心を通る中心貫通孔21d内に、前記駆動手段3の往復動杆34が遊挿されている。つまり、前記中心貫通孔21dの内径が、前記往復動杆34の直径よりも僅かに大きく形成され、接触しないように構成されている。さらに、前記溶融器2の流入側面部21a及び流出側面部21bの中心位置に、それぞれ凹部21a1及び21b1が形成されている。
該凹部21a1及び21b1には、セラミック製又はポリイミド製等の断熱材或いはステンレス製で円板状の支持片25,25が配置されつつ、前記往復動杆34に固定されている。具体的には、一方の支持片25が前記往復動杆34に挿入された後に、該往復動杆34の先端側が前記溶融器2の中心貫通孔21dに貫通される。そして、前記一方の支持片25が前記溶融器2の流入側面部21aの凹部21a1に配置される。
この状態にて、他方の支持片25及び円板71が挿入されたカラー部材72が前記往復動杆34に形成された先端側細径部34aに挿入される。前記カラー部材72は、鉄又はステンレス製等で構成されている。さらに、前記往復動杆34の先端側細径部34aのねじ部34bにナット34cが螺合されて該往復動杆34に前記溶融器2が固定される。つまり、前記溶融器2は、直接には前記往復動杆34に接触しないで、前記支持片25,25を介して前記往復動杆34に固定されるものである。このため、該往復動杆34には、前記溶融器2の熱伝導は、殆ど無い状態にできる。つまり、熱遮断状態にできる。
これらの構造によって、溶融器2に発生する熱源は、前記シリンダ1の内部の金属製(主に、ステンレス製等)の往復動杆34に熱伝導しないように構成されている。以上のように、前記溶融器2の断熱の目的としては、溶融の際に溶融器2の熱量がペレットp,p,…の溶融にのみに使われるようにすることである。そのために、前記溶融器2と前記往復動杆34との間に断熱材(支持片25又は筒状カラー35)が介在されている。
特に、前記溶融器2の流出側小開口22bの孔径が流入側大開口22aに対して格段と小さい場合[図6(A)〜(C)参照]、例えば、約1mm内外の場合には、駆動手段3による往路工程によって、溶融樹脂qを出口部材5を介して押圧しても、前記溶融器2の流出側面部21bの表面積が全流出側小開口22bの面積よりも格段と大きく、該全流出側小開口22bの孔部から逆流する溶融樹脂qの割合は極端に少なくなって、押圧されて出口部材5から溶融樹脂qを良好に射出できる。このように、前記溶融器2に開閉弁7を設けなくとも、溶融樹脂qの射出工程を行うこともある。
前記溶融器2の内部構造としては、開閉弁7が必要に応じて設けられている(図1,図2及び図5等参照)。つまり、前記溶融器2の流入側大開口22a又は流出側小開口22bを復路工程では開き、前記溶融器2の流入側大開口22a又は流出側小開口22bを往路工程では閉じるようにした開閉弁7が設けられている。
具体的には、該開閉弁7は、往路工程の時に、前記溶融器2の先端側を閉鎖したり、或いは、復路工程の時に、解放するように構成されている。具体的には、前記開閉弁7は、円板71と、鍔73付きカラー部材72とから構成されている。該鍔73付きカラー部材72が、前記溶融器2の流出側面部21bの前面に位置し、前記溶融器2の中心を貫通された前記往復動杆34の先端部に、前記カラー部材72を介して、前記鍔73と前記流出側面部21bとの間で、僅かに前後動可能に設けられている。
前記円板71の直径D7は、前記流出側面部21bの直径D2bよりも小径に形成されている〔図7(A)参照〕。
つまり、
Figure 0005453566
である。これは、復路工程の時に、溶融樹脂qが前記開閉弁7の外縁より流れやすくするためである。
前述の構成を簡単に説明すると、前記開閉弁7は、前記出口部材5と前記溶融器2との間に設けられると共に、前記溶融器2の流出側小開口22bに対して接離する円板71としてなり、該円板71は前記溶融器2の直径よりも小径に形成されて構成されている。
前記開閉弁7における円板71には、図7(B)及び(D)に示すように、多数の貫孔71aが形成され、該貫孔71aは前記溶融器2の流出側小開口22bの位置とは不一致するように形成されてなると共に、前記円板71に突設された案内ピン71bが前記溶融器2に形成された穴部21p間に遊挿可能に構成されている。
前記開閉弁7の別の実施形態では、図7(E)に示すように、円板71において、多数の貫孔71aを全く無くして形成されている。すなわち、孔無しの円板71のみであって、該円板71は前記溶融器2の直径よりも小径に形成されている。この実施形態の場合には、復路工程の時に、溶融樹脂q全てが前記開閉弁7の外縁より流れる。
前記開閉弁7付き前記溶融器2が射出工程時において、金型内に、溶融樹脂qを注入する際には、特に、出口部材5内の溶融樹脂qも高圧になることもあって、逆流することもあるため、前記開閉弁7が、圧縮バネとしての弾性体75にて常時弾力圧するように構成されている。
前記開閉弁7の円板71の別の実施形態は、図示しないが、前記溶融器2の前記流出側面部21bの直径D2bと同等に形成され、前記円板71の円周縁の複数個所(例えば4
箇所当分)に、溶融樹脂qが流出する切欠きが形成されることがある。該切欠きはU字状、コ字型状等に形成されている。
図10(A)に示す前記カラー部材72は、内筒側には、前記先端側細径部34aのねじ部34bに螺合する内螺子が形成されている。このため、前記カラー部材72が前記先端側細径部34aに螺合されることで、図7(A)に示すように、ねじ部34bにナット34cが螺合されないで、前記往復動杆34に前記溶融器2が固定される。
このようなカラー部材72と開閉弁7との構成によって前記円板71がカラー部材72の鍔73と溶融器2の面との間で僅かではあるが接離可能に構成されている。具体的には、円板71の板厚tとすると、鍔と溶融器の面との間は、板厚t+αとなっており、該αの範囲内において、接離する動きを呈する〔図7(A)参照〕。これは、圧縮バネとしての弾性体75を設けた場合でも同様な動きをなすものである。
以下、ペレットの溶融工程及び理論について説明する。まず、溶融工程前段階では、図2(A)及び図3(A)に示すように、シリンダ1内のペレット貯留領域Wに、ペレット供給口11aからペレットp,p,…が溶融器2の流入側面部21a手前側に貯留されている。前記シリンダ1内における射出工程が終了したときの前記溶融器2の後部と前記塞ぎ部6との間に前記ペレット貯留領域Wが設けられ、該ペレット貯留領域Wの後部位置に前記ペレット供給口11aが設けられている。
そして、溶融工程がONされると、駆動手段3による復路工程によって、ペレット貯留領域W内に入っている多数のペレットp,p,…は、図2(B)及び図3(B)に示すように、前記溶融器2の流入側面部21aと前記塞ぎ部6との間で圧縮されて、前記ホッパ8側に戻ろうとする作用もなすが、実際には、多数のペレットp,p相互間には押圧力f,f,…が発生して押出状態となり、多数の流入側大開口22a,22a,…から溶融孔22,22,…内に入り込むようにして流入する〔図2(B),図3(B),図4(A)参照〕。流入側大開口22aは、前述したように、各ペレットpの少なくとも一部(一部分)が入り込む大きさである。
通常は、流入側大開口22aは、平均的なサイズのペレットp全体が流入側大開口22aから入り込む程度の大きさとしている〔図4(A)参照〕。溶融孔22,22,…内に入り込んだそれぞれのペレットp,p,…は、あとから流入するペレットp,p,…によって、流出側小開口22b側に押圧され、溶融器2は、加熱手段4を介してペレットpを溶融する温度に維持されている。
したがって、流入側大開口22aから入り込んだペレットpは、流入側大開口22aから流出側小開口22bに向かって移動するに従いペレットp中心部に向かって溶融する〔図4(A)参照〕。ペレットpは、流入側大開口22aに入り始めた初期の状態でペレット
pの周囲が溶融孔22の内周壁面に略均等に囲まれた状態となるように設定されている。
そして、ペレットpは、溶融孔22を流出側小開口22b側に向かって移動するに従い、溶融されつつ、サイズが次第に縮小されてゆく〔図4(A)参照〕。ペレットpが流出側小開口22b側に向かって溶融しながら移動しても、溶融孔22も次第に狭くなっているので、溶融して縮小されたペレットpの周囲は均等に囲まれた状態を維持している。それゆえに、ペレットpの溶融は、迅速に行われてゆく。
つまり、個々のペレットpの周囲は、溶融孔22の内壁面に略均等に囲まれ、常に内壁面に近接又は当接された状態を維持する〔図4(A)参照〕。そして、ペレットpの溶融が進むに従い、さらに溶融孔22の狭い部分に進行し、ペレットpの溶融を促進させる。しかも、溶融孔22の内部でペレットpは溶融して液化しているので、後から送り込まれたペレットpは、既に液化した溶融樹脂qの熱によって溶融がさらに促進される〔図4(A)参照〕。
また、図9(A)及び(B)に示す本発明のように、円筒部22c,22cなどの存在にて先が窄まる溶融孔22として形成した場合には、該溶融孔22の出口側では、前記ペレットが押圧されつつ加熱力による溶融にて、円錐状の溶融孔22と同様な作用を呈することができる。このような段階的な形成では、円錐状加工に比較して割安な加工を提供できる。
さらに、図10(A) に示す本発明のように、前記流入側大開口22aとしての大径円筒部22dが端部寄りまで形成され、且つ流出側にのみに前記流出側小開口22bが形成されていることにより、ペレットが奥側では押圧されつつ加熱力による溶融にて、円錐状の溶融孔と同様な作用を発揮させることができる〔図4(B)参照〕。このような孔加工でも、割安なる加工ができる。
このようにして、ペレットpは、溶融孔22の流入側大開口22aから流出側小開口2
2bに向かうにしたがい、溶融が進み、流出側小開口22b付近又これより手前位置では溶融を完了して、完全に液状化する〔図3(C),図4(A)及び(B)参照〕。ペレットpは、この完全に液状化された溶融樹脂qとなって、流出側小開口22bから図2(C)に示すように、前記シリンダ1内に貯留される。
以上述べたように、駆動手段3による復路工程によって、ペレット貯留領域W内に入っている多数のペレットp,p,…相互間に押圧力f,f,…が発生して圧縮されて、溶融孔22の流入側大開口22aより入り込んだペレットpは、流出側小開口22bに向かう過程において、常に溶融孔22の内周壁面に包囲された状態である。それゆえに、加熱手段4を介して、ペレットpの溶融が行われ、図2(C)に示すように、ストローク量Lで押圧が終了するとともに、前記溶融器2の下側のシリンダ1内に溶融樹脂qが貯留される。また、前記ストローク量Lは、前記ペレット貯留領域Wと同等になることもある。
多数のペレットp,p,…は、殆ど必要な量のみを溶融できるので材料がシリンダ本体部11内で長時間熱的、機械的ストレスに晒されることがない。よって、品質の良い樹脂成形品ができる。また、本発明おける射出装置は、溶融効率が高く、必要以上の材料を投入する必要がないので装置全体が小型になり、省電力、省資源である。また、射出直前の溶融最終過程で射出適正温度かつ最高温度となることで樹脂の高温状態を最低時間に短縮できるということも品質の良い樹脂成形ができるものである。
以上の説明では、多数のペレットpが前記ペレット供給口11aから連続して供給される構造としていたが、図12に示すように、所定量のペレットpが供給される構成とすることもある。具体的には、シャッタ機構9が設けられている。該シャッタ機構9は、シャッタ板91と、該シャッタ板91を上下駆動させるソレノイド等の駆動源92とから構成されている。
前記シャッタ板91の下端部が、前記供給管12の根元部に形成された溝部12aに挿入されて前記ペレット供給口11aが塞がれ、前記供給管12内に流下する多数のペレットpの流れを遮断するように構成されている。このようなシャッタ機構9の場合には、多数のペレットpの流れ速度と流れ時間とを考慮して前記シャッタ板91を開閉する時間とを制御することにより前記ホッパ8から供給されたペレットpを適宜の量に制御できる。
このようにペレットpの所望の溶融量を溶融及び射出させることで、これらを整然と作業できる効果がある。図12に示した構成の塞ぎ部6は、前記シリンダ1の内径に合致する、金属製の内部固定シリンダ6aの下端に固着された肉厚のテフロン(登録商標)等の硬質合成樹脂製を成しており、組付性及び構成の簡易性等を良好にできる。また、前記シリンダ1も、前記モータ駆動部31のケース38の位置まで一体形成されることもある。
本発明の溶融器2及び駆動手段3の往復動杆34は、複数組が具備されることもある。すなわち、本発明において、通常では、1個の溶融器2と、1個の駆動手段3の往復動杆34とが対をなして、1組とし、シリンダ1には1組の溶融器2と往復動杆34とが装着されている〔図1(A)参照〕。これに対して、一つのシリンダ1に溶融器2と往復動杆34の組が複数組の装着される実施形態が存在する(図13,図14参照)。これら複数組はシリンダ1内に並列配置される〔図13(A),図14(A)参照〕。
まず、シリンダ1内に、溶融器2と往復動杆34の組を2組とした実施形態について説明する(図13参照)。この実施形態では、シリンダ1に2つの空隙部11c,11cが並列状態に形成される。そして、両空隙部11c,11cに溶融器2と往復動杆34とからなる組が並列してそれぞれ装着される〔図13(A)乃至(C)参照〕。
前記ホッパ8は両空隙部11c,11cに連結している〔図13(B)参照〕。そして、シリンダ1の出口部材5装着側付近では、両溶融器2,2の流出側面部21b,21bがシリンダ1内で露出し、両溶融器2,2からの溶融したペレットp,p,…が混じり合い、出口部材5から溶融樹脂qを外部に送り出すことができるようになっている〔図13(D)参照〕。
次に、シリンダ1内に、溶融器2と往復動杆34の組を3組とした実施形態について説明する(図14参照)。この実施形態では、シリンダ1に3つの空隙部11c,11c,…が三角形状(又はおむすび形状)となるように並列状態に形成される。そして、全空隙部11c,11c,…に溶融器2と往復動杆34とからなる組が3個並列してそれぞれ装着される〔図14(A)乃至(C)参照〕。
前記ホッパ8は全空隙部11c,11c,…に連結している〔図14(B)参照〕。そして、シリンダ1の出口部材5装着側付近では、全溶融器2,2,…の流出側面部21b,21b,…がシリンダ1内で露出し、全溶融器2,2,…からの溶融したペレットp,p,…が混じり合い、出口部材5から外部に溶融樹脂qを送り出すことができるようになっている〔図14(D)参照〕。
本発明における射出装置は、シリンダ1の軸方向(長手方向)が垂直状に設置されるが、水平状或いは傾斜状に設置されることもある。特に大形の金型に対して、射出成形する場合には、水平状に配置することもある。
1…シリンダ、2…溶融器、21…器本体部、21a…流入側面部、21b…流出側面部、22…溶融孔、22a…流入側大開口、22b…流出側小開口、22c…円筒部、
22s…刃状、p…プラスチックペレット、q…溶融樹脂。

Claims (3)

  1. 樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円柱状に形成された器本体部の長手方向に対して流入側大開口から流出側小開口に連通する多数の溶融孔が形成され、該溶融孔は、前記流入側大開口としての大径円筒部が端部寄りまで形成され、且つ流出側にのみに前記流出側小開口が形成され、プラスチックペレットが前記流入側大開口から流入して前記流出側小開口から溶融樹脂として流出される構成としてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器。
  2. 樹脂溶融射出装置のシリンダ内に収納される溶融器であって、円柱状に形成された器本体部の長手方向に対して流入側大開口から流出側小開口に連通する多数の溶融孔が形成され、該溶融孔は、前記流入側大開口の大径から、前記流出側小開口の内径よりも大きく且つ前記流入側大開口の内径よりも小さい孔になるように端部側まで円錐形孔として形成され、端部のみが前記流出側小開口として形成され、プラスチックペレットが前記流入側大開口から流入して前記流出側小開口から溶融樹脂として流出される構成としてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器。
  3. 請求項1又は2において、隣接する前記溶融孔の流入側大開口は断面円形に形成され、且つ該流入側大開口の入口箇所は皿状面取りがそれぞれ形成されると共に、隣接する流入側大開口の皿状面取り同士の境目となる部位が刃状として形成されてなることを特徴とする樹脂溶融射出装置における溶融器。
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