JP5452632B2 - ベルト用バックル - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトを身体に締付けて装着するためのバックルに関する。
種々のベルト用バックルが従来技術において知られている。
従来のベルト用バックルとして、例えば、板状の基板の両側部に一対の支承片を立設し、各支承片に第1軸支承孔を形成したバックル本体と、板状の基板の両側に一対の支承片を立設し、各支承片に第2軸支承孔を形成した止着体と、連結板の両端にそれぞれ表裏逆方向に突出する第1係止片および第2係止片を突設し、両係止片の両側端に第1支承突軸および第2支承突軸を設けた掛止体とからなり、掛止体の第1支承突軸をバックル本体の第1軸支承孔に、第2支承突軸を止着体の第2軸支承孔に回動可能に枢着し、バックル本体の第1軸支承孔より基板の両端縁を大きく前方へ延出させるとともに、止着体の第2軸支承孔より基板の後端縁を大きく後方へ延出させ、それぞれの端縁をベルトに当接させたバックルがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この構成によれば、ベルトの一端側を、バックル本体によって、掛止体に対しほぼ垂直に起立した状態で固定された第1の係止爪に押しつけることで、第1の係止爪およびバックル本体間に係止し、ベルトの他端側を、止着体によって、掛止体に対しほぼ垂直に起立した状態で固定された第2の係止爪に押しつけることによって、第2の係止爪および止着体間に係止するようにしているので、ベルトが比較的硬質で厚い場合には、第1および第2の係止爪がベルトに食い込み難く、その結果、ベルトが装着されている間にベルトが不意にはずれてしまうおそれがあった。
さらに、この構成によれば、バックル本体の第1軸支承孔より基板の両端縁が大きく前方へ延出すると共に、止着体の第2軸支承孔より基板の後端縁が大きく後方に延出する必要があり、バックルが一定の長さを有していなければならず、そのため、バックルをコンパクト化することができなかった。
また、従来のベルト用バックルとして、例えば、前面部と、前面部裏側に所定間隔を隔てて配設されたベルト本体係止部を有し、かつ、ベルト本体係止部と前面部との間に通されたベルト本体を所定位置に固定する係止突起が設けられた係止部材とを有し、係止部材は、係止突起がベルト本体を係止するようにバネ付勢されるとともに、係止突起によるベルト本体の係止を解除するための操作用摘みの先端が、前面部の裏側の範囲よりも外側に突出するように設けられたバックル本体と、前面部の裏面に立設された立設縁の一部に対向して設けられたベルト本体係止部の支持部に延設して形成されたベルト本体取り付け部材支持部に、バックル本体が前面部に向かって回動するように設けられているベルト本体取り付け部材とから構成されたバックルがある(例えば、特許文献2参照)。
この構成によれば、係止部材がバネ付勢されることによって、係止突起をベルト本体に食い込ませてこれを係止するので、ベルト本体が比較的硬質で厚い場合でも、ベルトが装着されている間にベルト本体が不意にはずれてしまうおそれはないが、ベルト本体の着脱時に、使用者が手指で操作用摘みをバネ付勢力に抗して操作しなければならないという煩わしさがあった。
さらには、このバックルは、構造が複雑であり、製造コストがかかるという問題を有していた。
実公平6−6728号公報 特許第4099152号公報
したがって、本発明の課題は、コンパクトで簡単な構造を有し、ベルトの着脱が容易であり、ベルトが装着されている間にベルトが不意にはずれてしまわないベルト用バックルを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、ベルトの幅に対応する幅をもつ底板、および前記底板の両側に突設された一対の側板からなるコ字状断面のベース部材と、前記ベース部材の前記底板よりも幅広でかつ長い上板、および前記上板の両側に突設された一対の側板からなるコ字状断面のカバー部材とを備え、前記ベース部材と前記カバー部材が、ロ字状断面の筒状になるように入れ子状に重ね合わされ、前記カバー部材の中間部と前記ベース部材の一端部が、前記カバー部材の幅方向に前記カバー部材の前記側板および前記ベース部材の前記側板を貫通する旋回ピンによって互いに連結され、前記カバー部材が、前記旋回ピンの周りに前記ベース部材に対して回動して、前記カバー部材と前記ベース部材がほぼ直線状に重なり合う閉じた位置と、前記カバー部材と前記ベース部材がほぼT字状に離間する開いた位置とをとり得るようになっており、前記ベース部材の他端部には、前記ベース部材の前記一対の側壁間に挿入されたベルトの一端部を前記ベース部材に固定するためのベルト固定手段が設けられ、前記カバー部材における前記旋回ピンに関して前記ベース部材と反対側の端部には、前記ベルトの他端部を前記カバー部材の前記一対の側板間に案内するベルト挿入口が設けられ、前記ベース部材には、前記カバー部材が前記閉じた位置にあるとき、前記カバー部材の前記上板と協働して前記カバー部材の前記一対の側板間に挿通された前記ベルトを係止する一方、前記カバー部材が前記開いた位置にあるときは、前記ベルトの係止を解除するベルト係止手段が設けられたベルト用バックルにおいて、前記ベルト係止手段は、前記ベース部材の前記底板の一端縁において、前記底板の前記側板と同じ向きに突設された制止壁と、前記旋回ピンに対し前記旋回ピンの周りに回動可能に取り付けられ、前記ベース部材の前記一対の側板間にのびる細長い係止部材と、を備え、前記係止部材は、平坦な底面と、前記底面の長さ方向両側に接続する2つの側面と、前記底面の幅方向両側に接続する2つの端面と、前記2つの側面および前記2つの端面に接続する上面と、前記2つの端面を貫通して前記係止部材の長さ方向にのびる貫通孔と、を有し、前記2つの側面のうちの一方の側面と前記底面との接続部が外向き凸状に湾曲し、前記一方の側面が前記制止壁に向き合う配置で前記貫通孔に前記旋回ピンが挿通され、前記係止部材の前記上面には第1および第2の爪がそれぞれ少なくとも1つ設けられ、前記第1の爪は前記係止部材の回動方向における前記第2の爪よりも前記制止壁側に配置されており、前記カバー部材が前記閉じた位置をとるとき、前記係止部材が前記底面を前記ベース部材の前記底板に接触させて静止した状態で、前記第1の爪が前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第1の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止され、前記カバー部材が前記閉じた位置にあって、かつ前記ベルトが前記ベルト挿入口から抜かれる向きに引っ張られたとき、前記係止部材は、前記接続部を前記底板に接触させつつ、前記一方の側面が前記制止壁に当接するまで前記制止壁に向けて回動し、前記第1の爪が前記ベルトから離れる一方、前記第2の爪が前記第1の爪よりも深く前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第2の爪と前記上板との間に係止された状態でロックされるものであることを特徴とするベルト用バックルを構成したものである。
上記構成において、前記係止部材の前記第1および第2の爪は、それぞれ、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の所定の点を中心とする一定半径の円弧上に配置され、前記貫通孔の断面は、前記底面側から上方に前記第2の爪側に向けてのびる長穴状に形成されており、前記カバー部材が前記閉じた位置をとるとき、前記係止部材の前記底面が前記ベース部材の前記底板に接するとともに、前記第1の爪が前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第1の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止され、前記カバー部材が前記閉じた位置にあって、かつ前記ベルトが前記ベルト挿入口から抜かれる向きに引っ張られたとき、前記係止部材は、前記接続部を前記底板に接触させつつ、前記一方の側面が前記制止壁に当接しかつ前記長穴の下端縁が前記旋回ピンに当接するまで、前記制止壁に向けて回動するとともに前記長穴に沿って上向きに移動し、前記第1の爪が前記ベルトから離れる一方、前記第2の爪が前記第1の爪よりも深く前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板と間に係止された状態でロックされることが好ましい。
あるいは、前記係止部材の前記貫通孔の断面は、前記旋回ピンよりも少し大きい径の円形に形成され、前記第1の爪は、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の所定の点を中心とする第1の半径の円弧上に配置され、前記第2の爪は、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の前記所定の点を中心とする前記第1の半径よりも大きい第2の半径の円弧上に配置されていることが好ましい。
また好ましくは、前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止された状態でロックされるとき、前記係止部材の前記一方の側面が前記制止壁に当接するとともに、前記長穴の下端縁が前記旋回ピンに当接する。
また、前記係止部材の前記第1の側面に突起部が設けられ、前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止された状態でロックされるとき、前記第1の側面は、前記突起部において前記制止壁に当接するようにしてもよい。
本発明によれば、ベース部材とカバー部材を互いに旋回ピンで連結し、ベース部材には、旋回ピンに回動可能に取り付けられ、第1及び第2の爪を有し、カバー部材の閉じた位置でカバー部材と協働するベルト係止手段を備え、カバー部材の閉じた位置において、係止部材を底面がベース部材に接触して静止させた状態で、第1の爪をベルトに食い込ませて、ベルトを第1の爪とカバー部材の間に係止し、カバー部材の閉じた位置においてさらにベルトが引抜き方向に引っ張られたとき、係止部材を、接続部がベース部材に接触しつつ制止壁に当接するまで回動させて、第2の爪を第1の爪よりも深くベルトに食い込ませ、ベルトを第2の爪とカバー部材の間に係止状態でロックするようにしたので、ベルトが装着されている間に不意にベルトがはずれてしまうことがない。
また、カバー部材を開いた位置から閉じた位置まで回動させた後、ベルトを引き抜く方向に引っ張るだけでベルトを係止状態にロックすることができ、また、カバー部材を開いた位置まで回動させるだけで簡単にロックを解除し、ベルトをはずすことができ、ベルトの着脱が非常に簡単に行える。
さらに、本発明によれば、バネ等の付勢手段を用いずに、ベルトを係止状態にロックすることができ、それによって、バックルの構造が簡単になり、バックルをコンパクト化することができる。
本発明の1実施例によるベルト用バックルを示した図であり、(A)はバックルの分解斜視図であり、(B)はバックルの1構成要素である係止部材の斜視図である。 図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあるときの斜視図であり、(A)は斜め上方から見た図であり、(B)は斜め下方から見た図である。 図1のベルト用バックルの側断面図であり、(A)はカバー部材が開いた位置にある状態を示し、(B)はカバー部材が閉じた位置にある状態を示している。 図1のベルト用バックルの要部を拡大した側断面図である。 図1のベルト用バックルのカバー部材が開いた位置にあるときの、要部を拡大した側断面図であり、図中、ベルト固定手段は省略してある。 図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあるときの、図5に類似の図である。 図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあり、かつベルトが係止状態にロックされたときの、図5に類似の図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。図1は、本発明の1実施例によるベルト用バックルを示した図であり、(A)はバックルの分解斜視図であり、(B)はバックルの1構成要素である係止部材の斜視図である。図2は、図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあるときの斜視図であり、(A)は斜め上方から見た図であり、(B)は斜め下方から見た図である。図3は、図1のベルト用バックルの側断面図であり、(A)はカバー部材が開いた位置にある状態を示し、(B)はカバー部材が閉じた位置にある状態を示している。図4は、図1のベルト用バックルの要部を拡大した側断面図である。
図1〜図4を参照して、本発明によるベルト用バックルは、ベルト20の幅に対応する幅をもつ底板1、および底板1の両側に突設された一対の側板2からなるコ字状断面のベース部材4と、ベース部材4の底板1よりも幅広でかつ長い上板5、および上板5の両側に突設された一対の側板6からなるコ字状断面のカバー部材7とを備えている。
また、ベース部材4の一端側において、ベース部材4の一対の側板2にはそれぞれ取付穴2aが設けられる一方、カバー部材7の中間部において、カバー部材7の一対の側板6にはそれぞれベース部材4の取付穴2aと対をなす取付穴6aが設けられる。
そして、ベース部材4とカバー部材7が、ベース部材4の取付穴2aおよびカバー部材7の取付穴6aが互いに整合した状態で、ロ字状断面の筒状になるように入れ子状に重ね合わされ、第1の取付穴2aおよび取付穴6aを貫通する旋回ピン12によって互いに連結される。
それによって、カバー部材7は、旋回ピン12の周りにベース部材4に対して回動し、カバー部材7とベース部材4がほぼ直線状に重なり合う閉じた位置(図3(B)参照)と、カバー部材7とベース部材4がほぼT字状に離間する開いた位置(図3(A)参照)の2つの位置をとり得るようになっている。
また、ベース部材4には、カバー部材7が閉じた位置にあるときは、カバー部材7の上板5と協働してカバー部材7の一対の側板6間に挿通されたベルト20を係止する一方、カバー部材7が開いた位置にあるときは、ベルト20の係止を解除するベルト係止手段が設けられる。
ベルト係止手段は、ベース部材4の底板1の一端縁において、底板1の側板2と同じ向きに突設された制止壁3と、旋回ピン12に対し旋回ピン12の周りに回動可能に取り付けられ、ベース部材4の一対の側板2間にのびる細長い係止部材8とを備えている。
図1に示すように、係止部材8は、平坦な底面8aと、底面8aの長さ方向両側に接続する2つの側面8b、8cと、底面8aの幅方向両側に接続する2つの端面8d、8eと、2つの側面8b、8cおよび2つの端面8d、8eに接続する上面8fと、2つの端面8d、8eを貫通して係止部材8の長さ方向にのびる貫通孔9とを有している。
また、2つの側面8b、8cのうちの一方の側面8bと底面8aとの接続部8gが外向き凸状に湾曲している。そして、一方の側面8bが制止壁3に向き合う配置で貫通孔9に旋回ピン12が挿通されている。
係止部材8の上面8fには第1および第2の爪10a、10bがそれぞれ少なくとも1つ(この実施例では、それぞれ2つ)設けられる。第1および第2の爪10a、10bは、それぞれ、係止部材8の横断面において、貫通孔9内の所定の点を中心とする一定半径の円弧上に配置され、さらに、第1の爪10aは係止部材8の回動方向における第2の爪10bよりも制止壁3側に配置される。
図4に示すように、貫通孔9の断面は、係止部材8の底面8a側から上方に第2の爪10b(この実施例では、最外側の第2の爪10b)側に向けてのびる長穴状に形成されている。それによって、係止部材8は、旋回ピン12のまわりに回動するとともに、長穴状断面の貫通孔9に沿って上下方向に移動し得る。
また、係止部材8の一方の側面8bには、係止部材8の回動を規制するための突起部11が設けられる。
ベース部材4の他端部には、ベース部材4の一対の側板2の間に挿入されたベルト20の一端部20aをベース部材4に固定するためのベルト固定手段18が設けられる。
この実施例では、ベルト固定手段18は、ベース部材4の底板1の幅よりも少し小さい幅を有する板状の本体部分13と、本体部分13の長さ方向両端縁に接続し、下向きにのびる第1および第2の壁部分14、16と、第1の壁部分14の下端縁に設けられた係合歯15と、第1の壁部分の両側縁にそれぞれ設けられたピボット17とを備えている。
また、ベース部材4の他端部における、ベース部材4の一対の側板2には、それぞれピボット17の差込穴2bが設けられる。そして、ベルト固定手段18は、第1および第2の壁部分14、16がそれぞれベース部材4の他端側および一端側に位置する配置で、ピボット17が差込穴2bに差し込まれることにより、ピボット17の軸のまわりに、本体部分13がベース部材4の底板1に対し起立するとともに、第1の壁14と底板1との間にベルト20の一端部20aを挿入するための開口22を形成する開いた位置(図4の実線で示した)と、開いた位置からベース部材4の一端側に向けて回動し、本体部分13が底板1にほぼ平行になり、開口22に挿入されたベルト20の一端部20aを係合歯15と底板1の間に係止する閉じた位置(図4の破線で示した)との間で回動し得る。
カバー部材7における旋回ピン12に関してベース部材4と反対側の端部には、ベルト20の他端部20bをカバー部材7の一対の側板6間に案内するベルト挿入口21が設けられる。
この実施例では、ベルト挿入口21は、カバー部材7の一対の側板6の先端縁同士が、一定長さにわたって接続板19によって接続されることで形成される。この場合、カバー部材7の一対の側板6のそれぞれの先端縁には、一定長さにわたって内向き屈曲部6bが設けられ、接続板19は両側面に長さ方向にのびる溝19aを有している。そして、接続板19は、溝19aを介して屈曲部6bに嵌め込まれ、一対の側板6に固定される。
次に、本発明のベルト用バックルの使用態様について説明する。
図5は、図1のベルト用バックルのカバー部材が開いた位置にあるときの、要部を拡大した側断面図である。なお明瞭のために、図5中、ベルト固定手段は省略してある。図6は、図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあるときの、図5に類似の図である。図7は、図1のベルト用バックルのカバー部材が閉じた位置にあり、かつベルトが係止状態にロックされたときの、図5に類似の図である。
まず、図4から明らかなように、カバー部材7が開いた位置まで回動せしめられ、次いで、ベース部材4のベルト固定手段18が開いた位置まで回動せしめられる。そして、ベルト20の一端部20aが、ベース部材4の他端に形成された開口22からベース部材4内に挿入された後、ベルト固定手段18が閉じた位置まで回動せしめられることによって、ベルト20の一端部20aがベース部材4に固定される。
次に、カバー部材7が開いた位置にある状態で、ベルト20が使用者の腰等に巻かれ、ベルト20の他端側が、図5に示すように、カバー部材7のベルト挿入口21からカバー部材7内に挿入され、一対の側板6に案内されて、カバー部材7を長さ方向に挿通される。このとき、カバー部材7の上板5と係止部材8間には十分な間隙が形成されており、よって、ベルト20の挿通が妨げられることはない。
そして、ベルト20の巻き付け長さが調節され、ベルト20が使用者の腰等に装着された状態で、図6に示すように、カバー部材7が開いた位置から閉じた位置まで回動せしめられる。カバー部材7が閉じた位置をとるとき、係止部材8が、長穴(貫通孔9)の上端縁9aを旋回ピン12に当接させ、かつ底面8aをベース部材4の底板1に接触させて静止した状態で、第1の爪10aがベルト20に食い込み、ベルト20が第1の爪10aとカバー部材7の上板5との間に係止される。この場合、係止部材8が、底面8aを底板1に接触させて静止状態にありさえすれば、長穴(貫通孔9)の上端縁9aと旋回ピン12の間に隙間が生じていてもよい。
図6に示した状態において、さらに、ベルト20がベルト挿入口21から引き抜く方向に引っ張られると、図7に示すように、係止部材8は、接続部8gをベース部材4の底板1に接触させつつ、突起部11が制止壁3の上端面3aに当接し、かつ長穴(貫通孔9)の下端縁9bが旋回ピン12に当接するまで、制止壁3に向けて回動すると同時に長穴(貫通孔9)に沿って上向きに移動し、それによって、第1の爪10aがベルト20から離れる一方、第2の爪10bが第1の爪10aよりも深くベルト20に食い込み、ベルト20が第2の爪10bとカバー部材7の上板5と間に係止された状態でロックされる。
この場合、突起部11が制止壁3の上端面3aに当接するが、長穴(貫通孔9)の下端縁9bおよび旋回ピン12間に隙間が生じた状態で、ベルト20が係止状態にロックされる構成とすることもできる。
ベルト20が使用者からはずされるときは、カバー部材7が閉じた位置から開いた位置まで回動せしめられる。このとき、係止部材8は、突起部11が制止壁3に当接することによって、カバー部材7の回動に追従して回動することがないので、簡単に、係止部材8の第2の爪10bをベルト20から離すことができる。その後、係止部材8は、カバー部材7の回動の向きとは反対向きに、底面8aがベース部材4の底板1に接触するまで回動し、図5に示す位置に戻る。それによって、ベルト20の他端部をカバー部材7から簡単に抜き出すことができる。
こうして、本発明のベルト用バックルによれば、カバー部材7を開いた位置から閉じた位置まで回動させてベルトを係止した後、さらに、ベルトをバックルから引き抜く方向に引っ張ることによって、ベルトを係止状態にロックすることができるので、ベルトを装着している間に不意にベルトがはずれてしまうことが防止される。
また、カバー部材を開いた位置から閉じた位置まで回動させた後、ベルトを引き抜く方向に引っ張るだけでベルトを係止状態にロックすることができ、また、カバー部材を開いた位置まで回動させるだけで簡単にロックを解除し、ベルトをはずすことができ、ベルトの着脱が非常に簡単に行える。
さらに、本発明のベルト用バックルでは、バネ等の付勢手段を用いずに、ベルトを係止状態にロックするので、バックルの構造が簡単になり、バックルをコンパクト化することができる。
以上、本発明の構成を好ましい1実施例に基づいて説明したが、本発明の構成はこの実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、係止部材8の第1および第2の爪10a、10bを、それぞれ、係止部材8の横断面において、貫通孔9内の所定の点を中心とする一定半径の円弧上に配置し、貫通孔9の断面を、底面8a側から上方に第2の爪10b側に向けてのびる長穴状に形成したが、その代わりに、係止部材8の貫通孔9の断面を旋回ピン12よりも少し大きい径の円形に形成し、第1の爪10aを、係止部材8の横断面において、貫通孔9内の所定の点を中心とする第1の半径の円弧上に配置し、第2の爪10bを、係止部材8の横断面において、貫通孔9内の前記所定の点を中心とする第1の半径よりも大きい第2の半径の円弧上に配置してもよい。
この構成においても、上述の実施例と同様、カバー部材7が閉じた位置をとるとき、係止部材8が底面8aをベース部材4の底板1に接触させて静止した状態で、第1の爪10aがベルト20に食い込み、ベルト20が第1の爪10aとカバー部材7の上板5との間に係止され、カバー部材7が前記閉じた位置にあって、かつベルト20がベルト挿入口21から引き抜かれる向きに引っ張られたとき、係止部材8は、接続部8gを底板1に接触させつつ、突起部11が制止壁3の上端面3aに当接するまで制止壁3に向けて回動し、第1の爪10aがベルト20から離れる一方、第2の爪10bが第1の爪10aよりも深くベルト20に食い込み、ベルト20が第2の爪10bと上板5との間に係止された状態でロックされる。
また、上述の実施例では、係止部材8の一方の側面8bに、係止部材8の回動を規制する突起部11を設けた、突起部11がベース部材4の制止壁3に当接することによって、係止部材8の回動が制止されるようにしたが、突起部11を設けずに、係止部材8の一方の側面8bが制止壁3に当接することによって、係止部材8の回動が制止されるようにしてもよい。
1 底板
2 側板
2a 取付穴
2b 差込穴
3 制止壁
3a 上端面
4 ベース部材
5 上板
6 側板
6a 取付穴
6b 内向き屈曲部
7 カバー部材
8 係止部材
8a 底面
8b、8c 側面
8d、8e 端面
8f 上面
8g 接続部
9 貫通孔
10a 第1の爪
10b 第2の爪
11 突起部
12 旋回ピン
13 本体部分
14 第1の壁部分
15 係合歯
16 第2の壁部分
17 ピボット
18 ベルト固定手段
19 接続板
19a 溝
20 ベルト
21 ベルト挿入口
22 開口

Claims (5)

  1. ベルトの幅に対応する幅をもつ底板、および前記底板の両側に突設された一対の側板からなるコ字状断面のベース部材と、前記ベース部材の前記底板よりも幅広でかつ長い上板、および前記上板の両側に突設された一対の側板からなるコ字状断面のカバー部材とを備え、前記ベース部材と前記カバー部材が、ロ字状断面の筒状になるように入れ子状に重ね合わされ、前記カバー部材の中間部と前記ベース部材の一端部が、前記カバー部材の幅方向に前記カバー部材の前記側板および前記ベース部材の前記側板を貫通する旋回ピンによって互いに連結され、前記カバー部材が、前記旋回ピンの周りに前記ベース部材に対して回動して、前記カバー部材と前記ベース部材がほぼ直線状に重なり合う閉じた位置と、前記カバー部材と前記ベース部材がほぼT字状に離間する開いた位置とをとり得るようになっており、前記ベース部材の他端部には、前記ベース部材の前記一対の側壁間に挿入されたベルトの一端部を前記ベース部材に固定するためのベルト固定手段が設けられ、前記カバー部材における前記旋回ピンに関して前記ベース部材と反対側の端部には、前記ベルトの他端部を前記カバー部材の前記一対の側板間に案内するベルト挿入口が設けられ、前記ベース部材には、前記カバー部材が前記閉じた位置にあるとき、前記カバー部材の前記上板と協働して前記カバー部材の前記一対の側板間に挿通された前記ベルトを係止する一方、前記カバー部材が前記開いた位置にあるときは、前記ベルトの係止を解除するベルト係止手段が設けられたベルト用バックルにおいて、
    前記ベルト係止手段は、
    前記ベース部材の前記底板の一端縁において、前記底板の前記側板と同じ向きに突設された制止壁と、
    前記旋回ピンに対し前記旋回ピンの周りに回動可能に取り付けられ、前記ベース部材の前記一対の側板間にのびる細長い係止部材と、を備え、
    前記係止部材は、平坦な底面と、前記底面の長さ方向両側に接続する2つの側面と、前記底面の幅方向両側に接続する2つの端面と、前記2つの側面および前記2つの端面に接続する上面と、前記2つの端面を貫通して前記係止部材の長さ方向にのびる貫通孔と、を有し、前記2つの側面のうちの一方の側面と前記底面との接続部が外向き凸状に湾曲し、前記一方の側面が前記制止壁に向き合う配置で前記貫通孔に前記旋回ピンが挿通され、
    前記係止部材の前記上面には第1および第2の爪がそれぞれ少なくとも1つ設けられ、前記第1の爪は前記係止部材の回動方向における前記第2の爪よりも前記制止壁側に配置されており、
    前記カバー部材が前記閉じた位置をとるとき、前記係止部材が前記底面を前記ベース部材の前記底板に接触させて静止した状態で、前記第1の爪が前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第1の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止され、
    前記カバー部材が前記閉じた位置にあって、かつ前記ベルトが前記ベルト挿入口から抜かれる向きに引っ張られたとき、前記係止部材は、前記接続部を前記底板に接触させつつ、前記一方の側面が前記制止壁に当接するまで前記制止壁に向けて回動し、前記第1の爪が前記ベルトから離れる一方、前記第2の爪が前記第1の爪よりも深く前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第2の爪と前記上板との間に係止された状態でロックされるものであることを特徴とするベルト用バックル。
  2. 前記係止部材の前記第1および第2の爪は、それぞれ、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の所定の点を中心とする一定半径の円弧上に配置され、前記貫通孔の断面は、前記底面側から上方に前記第2の爪側に向けてのびる長穴状に形成されており、
    前記カバー部材が前記閉じた位置をとるとき、前記係止部材の前記底面が前記ベース部材の前記底板に接するとともに、前記第1の爪が前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第1の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止され、
    前記カバー部材が前記閉じた位置にあって、かつ前記ベルトが前記ベルト挿入口から抜かれる向きに引っ張られたとき、前記係止部材は、前記接続部を前記底板に接触させつつ、前記一方の側面が前記制止壁に当接するまで、前記制止壁に向けて回動すると同時に前記長穴に沿って上向きに移動し、前記第1の爪が前記ベルトから離れる一方、前記第2の爪が前記第1の爪よりも深く前記ベルトに食い込むことによって、前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板と間に係止された状態でロックされることを特徴とする請求項1に記載のベルト用バックル。
  3. 前記係止部材の前記貫通孔の断面は、前記旋回ピンよりも少し大きい径の円形に形成され、前記第1の爪は、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の所定の点を中心とする第1の半径の円弧上に配置され、前記第2の爪は、前記係止部材の横断面において、前記貫通孔内の前記所定の点を中心とする前記第1の半径よりも大きい第2の半径の円弧上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト用バックル。
  4. 前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止された状態でロックされるとき、前記係止部材の前記一方の側面が前記制止壁に当接するとともに、前記長穴の下端縁が前記旋回ピンに当接することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のベルト用バックル。
  5. 前記係止部材の前記第1の側面に突起部が設けられ、前記ベルトが前記第2の爪と前記カバー部材の前記上板との間に係止された状態でロックされるとき、前記第1の側面は、前記突起部において前記制止壁に当接することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のベルト用バックル。
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