JP5448162B2 - 酵素を利用したバイオフィルム形成の防止とその制御 - Google Patents

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Description

本発明は、表面上に形成されるバイオフィルムを防止し、除去するための酵素組成物およびその方法に関係する。
本出願は、2006年7月24日に出願された米国特許出願No. 11/492,294に基づいて優先権を主張するものであり、ここでこれを引用することにより、全て本出願に取り込まれるべきものである。
バイオフィルムは、粘液性の細胞外ポリマー・マトリックス(exopolymer matrix)の中に定着した微生物の付着性コミュニティから成り、この微生物は、浮遊性の微生物を死滅させるために従来の手法によって微生物を制御しようと試みても生き続けることができるものである。
抗生物質や防腐剤、更には酸化剤による殺生物剤に対するバイオフィルムの耐性については、多くの文献がある。 好ましからざるバイオフィルムの成長に関連する問題がある一方、バイオフィルムは廃水処理に有用であり、特に強固な汚染物質、混合廃棄物の排水、および現場での微生物による環境修復技術において有望視されている。
酵素を利用したバイオフィルム形成の防止及び/又は低減方法については先行技術において公知となっており、以下の文献にも開示されている。 WO 06/031554, WO 01/98214, WO 98/26807, WO 04/041988, WO 99/14312, WO 01/53010等である。
WO 06/031554は、細菌由来のα―アミラーゼを使用した、表面に存在するバイオフィルムの形成を防止し、除去し、低減し、あるいはこれを破壊するための方法を開示している。 WO 01/98214は、バイオフィルムの形成を防止し、除去するために、微生物によって生産されたラクトンを分解するための1つ以上のアシラーゼと、キャリアを開示している。 WO 98/26807は、バイオフィルム中に存在する細菌の細胞を殺すために、オキシダーゼ(酸化酵素)、ペルオキシダーゼ、あるいはラッカーゼのようなオキシドレダクターゼ(酸化還元酵素)と組み合わせて、菌類から得られる、1つ以上の加水分解酵素を使用することについて開示している。 WO 04/041988は、プロテアーゼ、エステラーゼ、及び/またはアミラーゼからなる洗浄剤酵素の混合物を開示している。 WO 99/14312は、バイオフィルムを分解するための細菌酵素の混合物を開示している。 WO 01/53010は、バイオフィルムを除去するために、まず第一にカルボヒドラーゼを使い、次にプロテアーゼ酵素を連続的に使用することについて開示している。 しかし、これらの文献において開示されている事項は、バイオフィルムの形成を防止し、そしてバイオフィルムを除去するためには十分なものとは言えず、未だ実用には至っていない。
従って、現状の技術水準においては、一般産業分野、歯科医療分野、およびヘルスケア分野においてバイオフィルムを除去し、防止し、及び/または低減させるための効果的な製品に対するニーズが存在している。
バイオフィルムの形成を防止し、制御するための酵素の応用分野としては、クーリング・タワー、飲料水、廃水などの産業上の水処理分野、歯科衛生、医療用インプラントおよび医療機器、血液透析システム、油回収、バイオリメディエーション(生物による環境修復技術)に関する井戸、紙とパルプの処理、船殻の処理、および食品加工装置等があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の第一の実施態様では、バイオフィルムの形成を防止し、低減するために酵素の混合物が使用される。
本発明の第二の実施態様では、酵素の混合物で処理することにより、バイオフィルムの40%以上を除去することができる。
本発明の1つの観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のプロテアーゼ、一以上のグルカナーゼ(glucanase)、および一以上のクチナーゼ(cutinase)からなる。
本発明の別の観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のプロテアーゼ、例えばセルラーゼのような一以上のグルカナーゼ、一以上のマンナナーゼ(mannanase)、および一以上のクチナーゼからなる。
本発明の更に別の観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のプロテアーゼ、一以上のグルカナーゼ、一以上のマンナナーゼ、および一以上のリパーゼからなる。
本発明の更に別の観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のアミラーゼ、および一以上のグルカナーゼからなる。
本発明の更に別の観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のアミラーゼ、および一以上のプロテアーゼからなる。
本発明の更に別の観点によれば、当該酵素の混合物は一以上のセルラーゼ、および一以上のプロテアーゼからなる。
本発明に係る当該酵素の混合物は、バイオフィルムを少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%低減させることができる。
本発明では、酵素の混合物は、界面活性剤を添加しなくとも、そしてラッカーゼ(laccase)酵素を使用しなくとも、バイオフィルムの生成を防止し、バイオフィルムを低減させることに有効である。
本発明に基づきバイオフィルムの除去を行う際、少なくとも10%漂白剤処理と同等の有効性を有する。
本発明に係る当該酵素の混合物は、一般産業分野、歯科医療分野、およびヘルスケア分野においてバイオフィルムを除去し、バイオフィルム生成を防止するために使用することができる。 このようなバイオフィルムの生成を防止し、バイオフィルムを除去するという応用分野には、クーリング・タワー、飲料水、廃水などの産業上の水処理分野、歯科衛生、医療用インプラントおよび医療機器、血液透析システム、油回収、バイオリメディエーション(生物による環境修復技術)に関する井戸、紙とパルプの処理、船殻の処理、および食品加工装置等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明のその他の目的、その他の技術的特徴点、及びその他の利点は、以下に記載する詳細な説明によって明確になる。 しかし、当業者であれば以下の詳細な説明に基づき、本発明の範囲およびその技術的思想から外れることなく種々の変更や改良が可能となるものであるから、詳細な説明と特定の例については、本発明の好適な実施態様を提示する一方、説明としてのみ与えられていることを理解しておく必要がある。
本発明は、以下の定義と例を使用して、以下に単に参考を目的として、詳細に説明される。 ここで引用される全ての特許および刊行物は、これらの特許および刊行物に開示された全ての配列を含めて、それらを引用することにより明確に本明細書に組み入れられるものである。
ここで定義されず使用されている科学技術上の用語は、本発明の属する技術の分野において通常の知識を有する者によって技術常識として理解されている意味と同一の意味を有するものである。 Singleton 他「Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 第2版」、John Wiley and Sons, New York (1994), Hale & Marham 「The Harper Collins Dictionary of Biology, Harper Perennial, NY(1991)」は、本発明の説明において使用される多くの用語の一般的な辞書を当該技術者に提供している。 以下に説明する方法や材料と類似あるいは均等の方法や材料も、本発明を実施したり、テストしたりするために使用することはできるが、ここでは、好ましい方法や材料について説明する。 ここで記載する数値範囲は、範囲の上限、下限の数値を包含するものである。 特に指定しない限り、核酸は左から右に、5’末端から3’末端の方向へ記載するものとし、アミノ酸配列は左から右に、アミノ基からカルボキシ基の方向へ記載するものとする。 実務者は、先端技術に関する定義や用語について、Sambrook 他、1989年や、Ausubel FM 他、1993年を利用している。 本発明は、ここで説明する方法論、プロトコル、試薬等に限定されるものではなく、種々の方法論、プロトコル、試薬等を採用することができるものであることを認識しておく必要がある。
数値範囲は、範囲の上限下限の数値を包含するものである。
特に指定しない限り、核酸は左から右に、5’末端から3’末端の方向へ記載するものとし、アミノ酸配列は左から右に、アミノ基からカルボキシ基の方向へ記載するものである。
本明細書において採用している表題は、本発明の観点や実施例の限度を示すものではない。それらは明細書全体を見て明らかになる。 従って、この後に定義する用語は、明細書全体を見ることにより、さらに十分に明確にされる。

定義
「バイオフィルム」とは、表面に付着した細胞外のポリマー・マトリックスの中に根付いた微生物のコミュニティを言う。 バイオフィルムは、1以上の微生物と水を含み、更にその他の捕捉された粒子を含んでいる。 この微生物としては、グラム陽性またはグラム陰性のバクテリア(好気性、または嫌気性の)、藻類、原生動物、及び/又は酵母、又は糸状菌が挙げられる。 ある実施例においては、バイオフィルムは、ブドウ球菌、ストレプトミセス(放線菌)、シュードモナス菌、リステリア菌、連鎖球菌、及びエシェリキア(大腸菌)からなるバクテリア属の生きた細胞である。
「表面」とは、バイオフィルムが付着することができる十分な質量を持った構造物を意味する。 硬質な表面には、金属、ガラス、セラミック、材木、鉱物(岩、石材、大理石、花崗岩)、およびコンクリート、プラスチック、複合材料、硬質ゴム、石膏等の骨材材料があるが、これに限定されるものではない。 このような硬質な表面を有する材料は、エナメルとペンキで表面仕上げされているものであっても良い。 硬質表面は、例えば水処理設備・水貯蔵設備やタンク、乳製品、食品の処理装置や設備、外科手術器具や一時的な又は永久のインプラント部品のような医療用機器・設備、工業的な製薬設備・プラントなどの中にも見出される。 軟質な表面には、例えば、髪やあらゆる種類の繊維製品が挙げられる。 多孔性の表面には、皮膚、ケラチン(角質)、あるいは内臓のような生物学的表面が挙げられる。 多孔性の表面は、更に、ろ過に使用される膜と同様、ある種のセラミックにおいても見出される。 その他の表面として、船殻やスイミング・プールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
「酵素の用量」とは、バイオフィルムを処理するために使用される酵素混合物の量、あるいはその酵素混合物の中に使用されている単一の酵素の量を意味する。酵素の用量に影響を与える非限定的なファクタとしては、酵素のタイプ、処理すべき表面、およびどのような結果を意図するか、ということが挙げられる。 ある実施態様においては、酵素の用量は、バイオフィルムを少なくとも40%減少させるのに必要な酵素混合物の量を意味する。一般に、実際には経済的に実現可能な酵素混合物中の「酵素の用量」の合計は、約1%レベルである。 もし必要であれば、更に高いレベルの酵素を使用することもできるということは、当業者には十分理解できることである。 酵素混合物において各酵素の用量を等しくしてもよいが、かならずしもそのようにする必要はない。 一般に、酵素混合物中の酵素の含有量は、合計で約1% あるいはそれ未満、約2% あるいはそれ未満、約3% あるいはそれ未満、約4% あるいはそれ未満、約5% あるいはそれ未満である。
「バイオフィルムの除去」は、酵素の混合物の触媒活性により表面のバイオフィルムにおける少なくとも40%の減少をいう。除去は、下記の実施例2に示すクリスタルバイオレット分析(crystal violet assay)により測定され、この分析は、クリスタルバイオレットの溶液(0.31%w/v)に浸した後、付着していない染色を除去するために10分間、PBS中でサンプルを3回すすぐ。付着した染色は、95%エタノールを使用してこのバイオフィルムから抽出され、クリスタルバイオレット/エタノール溶液の吸収を540nmで読む。シュードモナス属のバイオフィルムの除去パーセントは(1−残存バイオフィルムの割合)×100から計算される。残存バイオフィルムの割合は酵素で処理されたバイオフィルムの抽出液の吸収から培地+酵素の溶液の吸収を差し引き、処理されていない対照バイオフィルムの吸収を培地のみの吸収から差し引いた値により割ることで計算される。本願発明の他の実施態様では除去はバイオフィルムの少なくとも50%の減少、バイオフィルムの少なくとも60%の減少、バイオフィルムの少なくとも70%の減少、バイオフィルムの少なくとも少なくとも80%の減少、バイオフィルムの少なくとも90%の減少、バイオフィルムの少なくとも100%の減少である。
バイオフィルムの処理のための「酵素混合物」は少なくとも2種の酵素をいう。この少なくとも2種の酵素は、例えばセルラーゼのようなカーボヒドラーゼ(carbohydrase)、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼとベータグルコシダーゼの混合物、例えばアルファアミラーゼのようなアミラーゼ類の混合物、例えばセリンプロテアーゼ(例えばスブチリシン(subtilisin))のようなプロテアーゼ、エステラーゼとクチナーゼの混合物、粒状澱粉加水分解酵素類(granular starch hydrolyzing enzyme)の混合物、例えばホスホリパーゼのようなリパーゼと、マンナナーゼ(mannanase)のようなヘミセルラーゼ(hemicellulase)の混合物でも良い。この酵素混合物に使用される酵素は植物と動物由来、細菌、菌類または酵母由来でもよく、野生型または変異型でも良い。
「酸性条件」、「中性条件」及び「塩基性条件」は本願技術分野の技術者に良く知られている。本開示の目的では、酸性条件は約4から6のpHをいう。中性条件は約6から8のpHをいう。塩基性条件は約8から10のpHをいう。
使用されるヒドロラーゼ(E.C.3.)は、例えば、プロテアーゼ、グルカナーゼ(科16(family 16) グルコシルヒドロラーゼ)、セルラーゼ、エステラーゼ、マンナナーゼ及びアラビナーゼを含む。中性のセリンプロテアーゼ、スブチリシリン、は本願発明に使用しても良い。中性プロテアーゼは約6から8の中性pHの範囲で最良のたんぱく分解性をもつプロテアーゼである。適した中性プロテアーゼは、アスパルテート(aspartate)とメタロプロテアーゼである。市販の適したメタロプロテアーゼは、黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)由来のMULTIFECT,PURAFECT L、FNA、PROPERASE L、PURADAX EG7000L、及びGC106で、全てゲネンコー インターナショナル社(Genencor International, Inc.,)、カルフォルニア州、パロアルト(Palo Alto)から入手でき、またAlcalase、Savinase、Esperase及びNeutrase(Novo Nordisk A/S,デンマーク)である。中性プロテアーゼは細菌、菌類又は酵母、または植物又は動物由来でも良く、野生型又は変異型でも良い。変異型酵素は親遺伝子(parent gene)から突然変異した遺伝子を発現しているものから生産される。
本願発明に用いられても良いセルラーゼの例はエンドグルカナーゼ(endoglucanase)、セルビオヒドロラーゼ(cellbiohydrolase)及びベータ-グルコシダーゼ(beta-glucosidase)であり、酸性から中性の範囲で最高の活性をもつセルラーゼ、例えば、細菌由来のPURADAX、及び菌類由来のGenencor International社から入手できるLAMINEXとINDIAGEを含む。セルラーゼは、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)、トリコダーマ(Trichoderma)、ヒューミコラ(Humicola)、フサリウム(Fusarium)及びペニシリン(Penicillium)種の菌類由来でも良い。
有用な粒状澱粉加水分解酵素の例には、ヒューミコラ、アスペルギルス(Aspergillus)及びフィゾプス(Phizopus)の系統由来のグルコアミラーゼ(glucoamylase)を含む。粒状澱粉加水分解(GSH)酵素とは粒状の澱粉を加水分解する酵素をいう。グルコアミラーゼとは、アミログルコシダーゼ類の酵素をいう(例.EC.3.2.1.3 グルコアミラーゼ、1,4-アルファ-D-グルカングルコヒドロラーゼ)。これらは、アミロースとアミロペクチン分子の非還元性末端からグルコース残基を分離する細胞外(exo-acting)酵素である。この酵素はまた、アルファ-1,6及びアルファ-1,3結合も加水分解する。グルコアミラーゼ活性は、p-ニトロフェニル-アルファ-D−グルコピラノシド(PNPG)のグルコースとp-ニトロフェノールヘの加水分解を触媒するグルコアミラーゼの活性に基づく良く知られた分析を用いて測定されても良い。アルカリpHで、ニトロフェノールは、グルコアミラーゼ活性に比例する黄色を生じ、これは400nmでモニターされる。その後、GAUとして測定された酵素標準と比較される。1GAU(グルコアミラーゼ活性単位)は、pH4.2及び60℃で可溶澱粉(4% ds)から1時間当たりに生じるグルコースに換算して、1gの還元糖を生成する酵素量として定義される。適当なGenencorInternational社の市販のグルコアミラーゼは、OPTIDEX,DISTILLASE及びG-ZYMEを含む。
本願発明に使用できるリパーゼの例は酸性、中性及びアルカリリパーゼとホスホリパーゼである。市販のGenencorInternational社のリパーゼとホスホリパーゼは、LYSOMAXとCUTINASEを含む。
本願発明に使用できるヘミセルラーゼとマンナナーゼの例は、バシラスレンタス(Bacillus lentus)由来のGC265、GenencorInternational社のHEMICELL及びPURABRITE、及びStahlbrandらによりJ.Biotechnol.29(1993),229-242に記載されたマンナナーゼでも良い。
本願発明に使用できるエステラーゼとクチナーゼの例は、例えば、シュードモナスメンドシナ(Pseudomonas mendocina)のような細菌由来又はヒューミコラまたはフサリウムのような菌類由来等、如何なるものに由来するものもGenencorInternational社から得られるであろう。
本願発明に使用できるアミラーゼの例は、細菌又は菌類から得られるアルファ又はベータアミラーゼを含む。例えば、バシルスアミラーゼ(Bacillus amylase)(B.amyloliquefaciens, B. Licheniformis, 及びB. stearothermophlius)や、アスペルギルス、ヒューミコラ及びトリコダーマアミラーゼ(例えば、A.niger、A.kawachi及びA.oryzae )がある。アミラーゼは、Genencor International社から得られ、SPEZYME FRED、SPEZYME AA、CLARASE、AMYLEX及びアミラーゼSPEZYME ETHYLの混合物がある。Novozymes A/S(デンマーク)から市販されているアミラーゼはBAN,AQUAZYM、AQUAZYM Ultra及びTERMAMYLを含む。他のアミラーゼはアミラーゼの混合物であり、例えば、BioconのM1、SumizymeのCuConc、Aris SumizymeL(エンド1,5 アルファ-L-アラビナーゼ),ACH Sumizyme(ベータマンナーゼ(beta mannase))、ヒューミコラグルコアミラーゼ(Humicola Glucoamylase)、デキストラナーゼ(dextranase)、デキストラマーゼ(dextramase)、キチナーゼ、ENDOH及びOptimax L1000(グルコアミラーゼ)がある。
本願発明においては、375以上の異なる酵素混合物がバイオフィルム除去性について試験された。スクリーニングの結果は、実施例1に記載の加速法(high-throughput method)を使用して少なくとも40%(69%から84%)のバイオフィルム減少を示した33の驚くべき酵素混合物を特定した。33の酵素混合物のうち17は酸性条件で使用され、これらは71%から84%までバイオフィルムを減少させた。この酵素混合物のうち5の酵素混合物は中性で使用され、これらは69%から88%までバイオフィルムを減少させた。この酵素混合物のうち11の酵素混合物は塩基性条件で使用された。
この33の酵素混合物はアルファアミラーゼとマンナナーゼの混合物、アミラーゼとプロテアーゼの混合物、アミラーゼとアラビナーゼの混合物、少なくとも1のアルファアミラーゼと少なくとも2の他のアミラーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ、及びグルカナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼと3種のグルカナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ及びマンナナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ及びアミラーゼの混合物、プロテアーゼ、アミラーゼ及びグルカナーゼの混合物、プロテアーゼ、マンナナーゼ及びアミラーゼの混合物、セルラーゼ、アラビナーゼ及びアミラーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼの混合物、プロテアーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ及びアラビナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ及び2種のグルカナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ及び3種のグルカナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、マンナナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ及びマンナナーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、セルラーゼ及びグルカナーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ及びマンナナーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、マンナナーゼの混合物、少なくとも3種のアミラーゼ及びセルラーゼの混合物、アミラーゼ、アラビナーゼ及びセルラーゼの混合物、アミラーゼ、アラビナーゼ及びプロテアーゼの混合物、少なくとも3種のアミラーゼとプロテアーゼ、少なくとも3種のアミラーゼ、プロテアーゼ及びセルラーゼの混合物、グルカナーゼ及びアミラーゼの混合物、セルラーゼとアミラーゼの混合物を含む。
好ましい20の酵素混合物の組は、プロテアーゼ、グルカナーゼ及びエステラーゼの混合物、プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼの混合物、プロテアーゼ、グルカナーゼ及びホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物、プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼの混合物、2種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びグルカナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物、3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼの混合物、プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼの混合物、2種以上のアミラーゼ及びグルカナーゼの混合物、少なくとも3種のアミラーゼの混合物、少なくとも2種のアミラーゼ、グルカナーゼ及びプロテアーゼの混合物を含む。
4種の特に好ましい酵素混合物は、プロテアーゼ、グルカナーゼ及びクチナーゼの混合物(これは市販の酵素MULTIFECT NEUTARAL,LAMINEX BG及びクチナーゼを使用して調製される)、プロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ及びクチナーゼの混合物(これは市販の酵素、MULTIFECT NEUTARL、LAMINEX BG、及びクチナーゼを使用して調製される)、プロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼの混合物、(これは市販の酵素MULTIFECT NEUTARL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びLYSOMAXを用いて調製される)、3種のプロテアーゼとセルラーゼ、マンナナーゼ及びクチナーゼの混合物、(これは市販の酵素、PROPERASE L、PURAFECRT L、FNA、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼを使用して調製される)である。
本願発明の好ましい実施態様は以下のGenencor International 社の市販の酵素製品を含む。即ち、MULTIFECT NEUTRAL,LAMINEX,LYSOMAX,PROPERASE,PURADAX,PURAFECT及びSPEZYMEを含み、これら全ては、Genencor International社の登録商標である。
MULTIFECT NEUTRALはバシルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)プロテアーゼ(EC3.4.24.28)を含む。約3200IU/gの活性水準をもつLAMINEX BGは、トリコデルマβ-グルカナーゼ(Trichodermaβ-glucanase)(セルラーゼEC3.3.1.6)、約400U/gの活性水準をもつLYSOMAXはストレプトマイセス・ビオルセオルバーホスホリパーゼ(Streptomyces violceoruber phospholipase)を含み、約1600PU/gの活性水準をもつPROPERASEは、バシルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus) プロテアーゼ(EC3.4.21.62)を含み、約42,000GSU/gの活性をもつPURAFECTはスブチリシンプロテアーゼ(subtilisin protease)(EC3.4.21.62)を含む。これらは米国特許第5,624,829号に記載されており、引用によりその全体を本願に組み入れられる。FNAはバシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)プロテアーゼ(EC3.4.21.62)を含む。これは、米国特許RE第34,606号及び米国特許第5,310,675号に記載され、引用により全体が明細書に組み入れられる。約32U/gの活性水準をもつPURADAXはトリコデルマ・レセイ(Tricoderma reesei )セルラーゼ(EC3.2.1.4)を含む。これは、、米国特許第5,753,484号に記載されており、引用によりその全体を明細書に組み込まれる。約15,100LU/Gの活性水準をもつSPEZYME FREDはバシルス・リケニフォルミス(Bacillus Licheninformis)(EC3.2.1.1)由来のアルファアミラーゼを含む。これは米国特許第5,736,499号、5,958,739号及び第5,824,532号に記載され、引用により明細書に組み入れられる。
市販の酵素を使用する好ましい酵素混合物は以下を含む。
1. MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG及びクチナーゼ
2. MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼ
3. MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びLYSOMAX
4. PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼ
5. PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、マンナナーゼ、クチナーゼ及びLYSOMAX
6. PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、マンナナーゼ、LAMINEX BG
7. MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG及びマンナナーゼ
8. FNA、PURDADAX EG 7000L、LAMINEX BG及びクチナーゼ
9. PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG及びLYSOMAX
10. PROPERASE L、FNA、LAMINEX BG及びLYSOMAX
11. PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、PURADAX EG 7000L及びLYSOMAX
12. PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、クチナーゼ及びLYSOMAX
13. MULTIFECT NEUTARAL、PURADAX EG 7000L、LAMINEX BG、LYSOMAX及びクチナーゼ
14. PROPERASE L、LAMINEX BG、LYSOMAX及びクチナーゼ
より特に好ましい酵素混合物は上記の1,2,3及び4の混合物である。加えて、特に好ましい酵素の混合物はSPEZYME、バシルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)から入手されたアルファアミラーゼ、CuCONC、粒状澱粉加水分解活性をもつリゾプス・ニヴェウス(Rhizopus niveus)グルコアミラーゼのコージ(Koji)株の商品名(日本、新日本化学株式会社)、AFP GC106、酸菌類プロテアーゼ(acid fungal protease) (日本、新日本化学株式会社)、M1、Biocon India、インド、バンガロールから入手できる、ARIS SUMIZYME(1,5-アルファアラビナーゼ)とACH SUMIZYMEの混合物である。
15.SPEZYME FRED L、CuCON 及びLAMINEX BG
16.SPEZYME FRED、Aris SUMIZYME 及びLAMINEX BG
17.SPEZYME FRED L及びCuCONC
18.SPEZYME FRED L、CuCONC 及びGC106
19.SPEZYME FRED LとGC106
20.SPEZYME FRED LとM1
21.SPEZYME FRED L、Aris SUMIZYME 及びGC106
22.SPEZYME FRED L、CuCONC、LAMINEX BG 及びGC106
23.SPEZYME FRED L、ACH SUMIZYMNE 及びGC106
24.SPEZYME FRED L、ArisSUMIZYME、LAMINEX BG及びGC106
25.CuCONC 及びLAMINEX BG
26.SPEZYME FRED L 及びAris SUMIZYME
27.M1 及びLAMINEX BG
28.SPEZYME FRED L、LAMINEX BG 及びGC106
29.CuCONC、LAMINEX BG 及びGC106
方法論
本願発明の酵素混合物はバイオフィルムを除去するために効果的な量でバイオフィルムに加えられる。正確な使用量は本発明には重要ではなく、処理する表面の性質、pHと温度のような処理条件により大きく変わりうる。実施例では、使用される酵素の量は約1%の総量、ある場合には約3%から約6%である。
本願発明の方法は、好ましくは酵素混合物の酵素が活性であるpHの範囲内で実施される。一般にバイオフィルム除去組成物のpHは約4から約9の範囲である。
本願発明の方法は、好ましくはこの混合物を含む酵素が活性である温度で、一般的に約20℃から約50℃の温度で行われる。
以下の実験の開示においては、次の略号が使用される。
eq(当量)、M(モル)、μM(マイクロモル)、N(規定)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、kg(キログラム)、μg(マイクログラム)、L(リットル)、ml(ミリリットル)、μl(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、℃(摂氏)h(時間)、min(分)、sec(秒)、msec(ミリセカンド)、U(単位)、IU(国際単位)

酵素混合物の調製
バイオフィルムの除去と予防に対する効果のスクリーニングのための酵素混合物の全ての種々の組み合わせは、重量に基づいて調整された。ある例では、1wt%の各酵素が所望の緩衝剤中に所望の酵素の組み合わせで混合され、3wt%、4wt%、5wt%及び6wt%含量で酵素混合物が調製される。全ての酵素の添加は連続的に行われ、プロテアーゼがバイオフィルム処理の開始直前に、最後に添加された。さらに研究を進めるため、より経済的に適切な酵素混合物が作成され、これは混合物の中の全ての酵素を併せて、1%の最終の総量に設定された。再度、全ての酵素が連続的に加えられ、プロテアーゼが、バイオフィルム処理の開始直前に最後に加えられた。この混合物中の酵素は連続的に加える必要は無く、全て一度に加えても良い。
実施例
本願発明は更に詳細に、請求項の発明の技術的範囲を限定するようには決して意図されていない以下の実施例で述べられる。添付した図面は本願発明の明細書及び説明に含まれる部分であると考えられることが意図されている。
全ての引用された文献は、文献で述べられた全てではなく、引用により明細書に引用された部分が組み入れられる。以下の実施例は請求項の発明を説明するために、提供されるものであり、これらを限定するものではない。
種々の酵素の混合物は、それぞれの混合物が緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルムを除去する性能を試験することによりスクリーニングされた。スクリーニングは加速96穴ミクロ力価測定プレート法(microtiter plate method)を用いて行われた。

実施例1
一般的試験設定
加速法が、酵素のデザインされた試験用組合せによる多数の酵素の混合物のスクリーニングに使用された。PBSと酢酸塩緩衝液がこの溶液を調製するために使用された(トリスバッファー、pH7.0又は8.5及び酢酸塩緩衝液pH5.0)。種々の酵素混合物の組合せが酵素のpHと温度規格に従い、酵素から作られた。全ての375の異なる組合せが添付書類Aとして添付されている。96穴法が酵素の375の異なる組合せを各組合せについて4回の繰り返しを含むスクリーニングのために使用された。この分析は、96穴のミクロ力価プレートの穴でバイオフィルムを形成させ、これを96までの異なる試験サンプルのために使用できるようにするものである。接種された細菌(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa), PO1, バイオフィルム形成)はトリプシンダイズ培地(TBS)で21℃で一夜、振とうフラスコで培養された。この培地の20mLを、次に振とうフラスコ中の別の180mLの新しいトリプシン大豆培地に加えた。200μlのこの希釈された接種液が次に96ピンのレプリケータ(replicator)を用いて96穴のプレートの各穴へ加えられた。8-10時間ごとに栄養素、浮遊菌と液体が吸引され、新鮮なTSB培地と交換された。バイオフィルムは24時間、21℃でその穴で培養された。バイオフィルムが形成された後、培地が96の穴から除去され、種々の酵素の溶液と対照サンプル溶液がこのプレートの穴に移された。バイオフォルムは所与の時間(90分がこの試験に使用された。)浸された。穴は次に、脱イオン水で2度すすぎを受け、残存する処理液とこの系から遊離した浮遊菌を除去した。このバイオフィルムは、次に10分間クリスタルバイオレットで染色された。この穴はそれぞれ4回すすぎを受けこの系から遊離した過剰の染色を除去し、300μlのエタノールで溶出された。この溶出段階は分析中の染色の検出を改善した。このプレートは次に速やかにミクロ力価プレートリーダーにより読み取られた(J.microbiological methods 54(2003) 269-276)。全ての処理は少なくとも4回繰り返された。スクリーニング条件下で、漂白剤の対照サンプル(bleach comtrol)はpH7.0で75%の減少、pH5.0で75%の減少、pH8で93%の減少であった。

酸性pH条件下のバイオフィルム除去
酸性条件(pH5)で加水分解作用が高いプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及び他のカーボヒドラーゼのような特定の酵素がバイオフィルムを除去するその効力をスクリーニングするために選択された。例えば、GC106酸性プロテアーゼがこの試験のために、酸性条件でその作用が高いリパーゼ、セルラーゼ及び他のカーボヒドラーゼと組み合わされて使用された。この試験でスクリーニングされた375の組合せのうち17の酵素の組合せは69-88%のバイオフィルム除去に達した。

中性pH条件下のバイオフィルム除去
中性条件(pH7)でその加水分解作用が高いプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びカーボヒドラーゼのような特定の酵素がバイオフィルム除去の効力をスクリーニングするために選択された。例えば、中性プロテアーゼがこの試験のために、中性条件でその効力が高いリパーゼ、セルラーゼ及び他のカーボヒドラーゼと組み合わされて使用された。この試験でスクリーニングされた5の酵素の組合せは71-84%のバイオフィルムの除去に達した。

塩基性pH条件下のバイオフィルム除去
アルカリ条件(pH8.4)下その加水分解作用の高いアルカリプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及び他のカーボヒドラーゼのような特定の酵素がバイオフィルムを除去するその効力に関しスクリーニングするために選ばれた。例えば、FNA、Purafact、Proparaseのようなセリンプロテアーゼがこの試験で、塩基性条件下その作用が高いリパーゼ、セルラーゼ、他のカーボヒドラーゼと組み合わされて使用された。この試験でスクリーニングされた11の酵素の組合せは70-80%のバイオフィルムの除去に達した。

データの統計的分析
データが統計的有意性の有無について分析された。変動に関する分析は次の33の酵素混合物が対照サンプルと統計的に異なっていると決定した。群内の誤差を0.05と設定し、つまり実施例4の1組の143の試験結果のうち誤った陽性結果がないという信頼度は、95%と設定した。これを達成するためには、各比較誤差Epc=0.00036に設定する。なぜなら0.05=1-(1-0.00036)143であるためである。この分析から生じる個々の結果は、明らかに有意、つまり0.00036というEpc水準で0より統計的に有意に大きい。
統計的分析のこの方法の詳細は以下のウェブサイトで見出される。http://core.ecu.edu/psyc/wuenschk/docs30/multcomp.doc及びその概念はこのウェブサイトでよく説明されている。
http://www.brettscaife.net/statistics/introstat/08multiple/lecture.html
バイオフィルムの除去が少なくとも40%の効果的な酵素混合物が、異なる酵素の組合せの各々について効果の大きい順序で表1に掲載される。
Figure 0005448162
下記表2に、表1に示された混合物中のコードの酵素名を示す。
Figure 0005448162
加速法により得られたデータは多くの混合物のスクリーニングに有用であった。次に、さらに候補混合物について緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及び飲料水の複合したバイオフィルムに対するその効力を確認するために試験を行った。
30の酵素混合物がシュードモナス属(Pseudomonas)バイオフィルムの除去について評価され、6種の最も高い効力の酵素混合物が下記の他のバイオフィルムの除去評価について使用された。

実施例2. DCDバイオフィルム反応装置による表1の酵素混合物の評価

材料と方法
表1の酵素混合物は、試験用モデルシステム、CDCバイオフィルム反応装置(model CBR 90, Biosurface Technologies Corporation, Bozeman, MT)を使用して評価された。このシステムは疾病管理センター(Centers for Disease Control)により開発され、種々の細菌種により形成されたバイオフィルムの研究に使用されてきた。このCDCバイオフィルム反応装置は蓋からぶら下げられた8個のポリプロピレン製のホルダーを備えた1リットルの容器からなる。各サンプル片ホルダーは3枚の0.5インチ直径のサンプル片を支持することができる。本明細書で報告された試験については、サンプル片はポリスチレンから製作され、ポリスチレンミクロ力価プレートを使用して行われた加速スクリーニング分析と整合させた。2台のCDCバイオフィルム反応装置が同時に稼動し、1試験当たり合計48枚のサンプル小片が試験された。液体培地はこの容器の上から加えられ、側壁の排液管から排出された。混合羽根をもつ磁気撹拌回転子により、流体の混合、液面のせん断をおこなった。

1. 緑膿菌のバイオフィルム
約400mlの試験量の10%含量のトリプシン大豆発酵培地を入れたCDCバイオフィルム反応装置容器に、緑膿菌が接種され、反応装置は37℃で6時間、バッチ式(培地の流入がない)で稼動された。このバッチの培養液を作成後、さらに42時間、600ml/時の流速で培地が加えられ、ポリスチレンサンプル片上に緑膿菌のバイオフィルムを作成した。バイオフィルム培養期間終了時、6枚の対照サンプル片が2台の各反応装置から取り出され、無菌リン酸緩衝食塩水(PBS)によりすすがれ付着していない細菌が除去された。次に各反応措置からの前記3枚のサンプル片は、下記のクリスタルバイオレット染色法を使用してバイオフィルムについて試験された。各反応装置からの残りの前記3枚の対照サンプル片はPBS中で超音波処理を受け、続いて希釈され、バイオフィルム中の培養可能な細菌の数を数えるためにトリプシン大豆寒天培地上で培養された。
残りの30枚の試験片と6枚の対照試験片は12穴の組織培養プレートに移され、選択された高効力酵素混合物により処理を受け、45℃で90分、緩衝液中で1wt%の総酵素量で使用された。6枚の対照試験片は、酵素混合物を調製するために使用されたものと同一の緩衝液で処理された。この処理の後、試験片はPBSで3回すすがれ、クリスタルバイオレット染色法を使用してバイオフィルムについて分析された。この方法では10分間クリスタルバイオレット(0.31%w/v)の溶液中に試験片を浸漬し、結合していない染料を除去するためにPBS中で3回小片をすすいだ。結合した染料は、次に、95%エタノールを使用してこのバイオフィルムから抽出され、そのクリスタルバイオレット/エタノール溶液の吸光度は540nmで読みとられた。緑膿菌のバイオフィルムの除去パーセントが〔(1-残存バイオフィルムの割合)×100〕から計算された。残存バイオフィルムの割合は、酵素処理されたバイオフィルムの抽出液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を差し引き、つぎにこれを、酵素処理を受けていないバイオフィルムの抽出液の吸光度から培養液のみの吸光度を引いた値で割って計算された。バイオフィルムの平均的厚みは0.2mmであった。

1.緑膿菌のバイオフィルム
CDC-BR装置で培養されたバイオフィルムを用いて評価されたバイオフィルムのパーセント除去率は、下記に表3で示すように、加速スクリーニング分析法(HTA)を使用して先に決定されたものよりも幾分低い。これはCDC-BRで培養したバイオフィルムの粘着性がより高いからかもしれない。CDC-BRは、HTAに用いた96穴マイクロリッタープレート法よりも強いせん断を与え、このため、除去のより困難なバイオフィルムとなったのかもしれない。それにもかかわらず、77%までのバイオフィルム除去がいくつかの酵素組合せで認められた。HTA試験において80%除去で9番目だった、Pep1,2,4,Cel2,Car1,Pal1の組合せが、CDC-BR バイオフォルムでは77%の除去率で他のいずれの組合せよりも良い性能を示した。この最高のバイオフィルム除去率はアルカリ緩衝液中で調製された酵素混合物について認められた(50mM Bis-Tris, pH8.5)。
Figure 0005448162
CDCバイオフィルム反応系を使用する緑膿菌による30種類の酵素混合物の試験はバイオフィルム除去率が40%より大きい20種類の酵素混合物、バイオフィルム除去率が50%より大きい19種類の酵素混合物、バイオフィルム除去率が60%より大きい10種類の酵素混合物、70%より大きい4種類の混合物を明らかにした。緑膿菌バイオフィルム除去に最も効果的であることが見出された好ましいほとんどの酵素混合物は、HTP及びCDC反応装置両者による緑膿菌バイオフィルム除去試験に基づけば、アルカリから中性条件にある。酸性条件では、見出された最も高性能な混合物は、Car2+Car7+Cel2であった。Cel2は緑膿菌バイフィルム除去について試験を受け効果のあった酵素混合物の殆どに含まれていた。
実施例3
以下の酵素混合物は、緑膿菌に関するCDCデータと、歯のバイオフィルム、4種の菌のモデルに関する別のHTP試験に基づき、産業上関係のある、他の3種の主要なバイオフィルムに対するその効果をみるために試験された。洗浄に利用できる実際的な時間、経済性のある使用量が考慮された。バイオフィルム試験片と洗浄酵素混合物の接触時間は40分に短縮され酵素混合物中の全ての酵素成分の最終酵素濃度は合計1%に限定された。例えば、PEP5+CAR2+CEL3酵素混合物は、各酵素を0.33+0.33+0.34%含み、1%で試験するように最終酵素混合物含量が定められた。
下記に列挙した6種の酵素混合物を使用して下記の3種のpHで試験が行われた。
この試験はリステリア、ブドウ球菌及び飲料水のバイオフィルムについて行われた。

pH5.5
1. PEP5+CAR2+CEL3
2. PEP5+CAR2+CEL2
pH7.0
1. PEP6+PAL2+CEL3
2. PEP3+PAL2+CEL2
pH8.5
1. PEP1+PEP2+PEP4+CEL2+CAR1+PAL1
2. PEP4+CEL1+PAL1+PAL2

実施例4 リステリア・モノサイトゲネスバイオフィルム(Listeria monocytogens biofilm)
10%含量のブレイン-ハートインフュージョン(BHI)培地を含む約400mlの試験液を入れた、ステンレス鋼の小片を備えたCDCバイオフィルム反応装置の容器に、37℃で10%のブレイン-ハートインフュージョン(BHI)中のリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogens)(ATCC19112)、一夜培養液4mlが接種された。CDR反応装置は、24時間バッチ式で操作され、続いて次の24時間、7ml/分で液(BHI培地)の連続的な供給が行われた。48時間後(24時間バッチ式+24時間連続式)、反応装置は停止され、分解された。できるだけ試験片の表と裏に触れないようにして、無菌のピンセットを用いて棒(wand)から全てのステンレス試験片を取り外した。試験片は、処理を受けるため無菌の12穴の処理用プレートに置かれた。反応装置当たり合計24枚の試験片が入手でき、各3枚の試験片が各酵素混合物で処理された。(6種の組合せ、全ての酵素混合物成分が併せて合計1%の酵素混合物濃度、40分、45℃)3枚の試験片は処理されず、未処理対照サンプルとして使用された。処理を受けた試験片の全ては、処理後PBS中で3回すすぎを受け、12穴のプレート中の75%クリスタルバイオレット溶液(Protocol Crystal Violet)中に10分間入れられた。染色後、試験片はPBS中で3回濯がれ、5.0mlの95%エタノール中に入れられ、室温で5分間振とう器(shaker)に置かれクリスタルバイオレットを溶出した。溶出された溶液は次に、セルに入れられ、分光光度計で540nmが読み取られた。リステリアバイオフィルムのパーセント除去率は〔(1-残存バイオフィルムの割合)×100〕から計算された。残存バイオフィルムの割合は、酵素処理されたバイオフィルムからの抽出液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を引き、これを処理を受けていない対照バイオフィルムの抽出液の吸光度から培養培地のみの吸光度を差し引いた値で割ることにより計算された。
Figure 0005448162
試験を受けた全ての6種の酵素混合物はリステリアバイオフィルムの除去に関し幾分効果があった。そして4種のアルカリpH性の酵素組合せ、特に酵素混合物PEP1+PEP2+PEP4+CEL2+CAR1+PAL1、が40%より大きいバイオフィルム除去を示した。

実施例5 黄色ブドウ球菌バイオフィルム
ポリウレタン試験片を収容し、10%のトリプシン大豆発酵培地(TBS)を含む約400mlの試験液を入れた、CDCバイオフィルム反応装置は、37℃で10%TBS培地中、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(SRWC-10943)の一夜の培養液4mlで接種された。CDC反応装置は24時間バッチ式で操作され、次の24時間7ml/分で連続的に培地(TBS培地)の供給を受けた。48時間後(24時間バッチ式+24時間連続式)、反応装置は停止され、分解された。できるだけ試験片の表面と裏面に触れることなく無菌のピンセットを用いて棒(wand)から全てのポリウレタン試験片を取り外した。試験片は無菌の12穴のプレートに処理のために置かれた。反応装置当たり合計24枚の試験小片が用意され、各3枚の試験片が各酵素混合物で処理された(7種の組合せ、全ての成分併せて合計1%の酵素混合物濃度、45℃で40分)。3枚の試験片は処理を受けず、未処理の対照サンプルとして使用された。全ての処理を受けた試験片は、処理後、PBS中で3回濯がれ、12個の穴をもつプレート中の75%クリスタルバイオレット溶液(Protocol Crystal Violet)に10分間入れられた。染色後、試験片はPBS中で3回濯がれ、5.0mlの95%エタノール中に入れられ、室温で5分間、振とうされクリスタルバイオレットを溶出した。溶出された溶液はセルに入れられ、540nmで分光光度計で読み取られた。リステリアバイオフィルムのパーセント除去率は〔(1−残存バイオフィルムの割合)×100〕から計算された。残存バイオフィルムの割合は酵素処理されたバイオフィルムの抽出液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を差し引き、これを処理を受けていない対照バイオフィルムの抽出液の吸光度から培養培地のみの吸光度を差し引いた値により割ることで計算された。
Figure 0005448162
試験した全ての6酵素群は黄色ブドウ球菌のバイオフィルムの除去に対してある程度の効果を示し、1つのアルカリpHの酵素混合物は少なくとも40%バイオフィルム除去を示した。


無菌CDC反応装置は層流のフードに置かれ、BAC/GAC水で出口まで満たされた。37℃の培養器中で、入り口と出口への全ての配管が接続され、CDC反応装置は撹拌器のプレート上に取り付けられた。反応装置は24時間バッチ式で稼動し、その後24時間、7ml/分の速度で炭素成分を添加したBAC/GAC水を連続的に供給した。48時間の時点(24時間バッチ式+24時間連続式)で、液供給を止め、培地を反応装置から廃液容器に移し、反応装置は層流のフード内に置かれた。
ピンセットを使用して、全ての試験片を、裏と表に触れることなく、棒から取り外した。そして飲料水微生物共同体バイオフィルムを含むPVC試験片は、処理のために12穴のプレートに置かれた。
反応装置当たり合計24枚の試験片が用意され、各3枚の試験片が、各酵素混合物で処理された(7種の混合物は、合計1%の濃度、40分、45℃)
3枚の試験片は処理を受けず、未処理対照サンプルとして使用された。処理を受けた全ての試験片は処理装置から取り出された後、PBSの中で3度濯ぎを受け、12穴のプレート中の75%クリスタルバイオレット溶液(プロトコールクリスタルバイオレット,Protocol Crystal Violet)に10分間置かれた。染色後、試験片はPBS中で3度濯ぎを受け、5.0mLの95%エタノール中に入れられ、室温で5分間振とうを受けクリスタルバイオレットを溶出した。溶出された溶液はセルに入れられ、分光光度計で540nmで吸光度が読み取られた。リステリアバイオフィルムのパーセント除去率は〔(1-残存バイオフィルムの割合)〕×100から計算された。残存バイオフィルムの割合は酵素処理されたバイオフィルムの抽出液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を差し引き、これを処理を受けていない対照バイオフィルムの抽出液の吸光度から培養培地のみの吸光度を差し引いた値により割ることで計算された。
Figure 0005448162
試験を受けた全ての6酵素は飲料水の微生物共同体バイオフィルムの除去に関しある効力を示し、4種のアルカリ性pHで作用する混合物は、40%より大きいバイフィルム除去率を示した。特にPEP1+PEP2+PEP4+CEL2+CAR1+PALは効果が大きかった。
全ての種類のバイオフィルム除去について最も効率の良い酵素混合物は、温和なアルカリ条件下での、FNA、PurafectL、ProperaseL、Laminex BG、Mannanase GC265及びLysomaxの組合せであった。中性から酸性pH条件では、上記の組合せほど効果は大きくないが、Multifect Neutral、Laminex BG、クチナーゼ酵素からなる酵素混合物が良好な効率を示した。
本明細書に記載の実施例と実施態様は説明のみを目的とし、これらに関して種々の修飾や変更が、本願技術分野の技術者には示唆されるであろうこと、そしてそれらは、本願の本質と技術的範囲内に組み入れられることが理解されるべきである。本明細書に引用した全ての文献、特許及び特許出願は、全ての目的にわたり、引用により全体が本明細書に組み入れられる。



添付書類A
Figure 0005448162
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Claims (17)

  1. 緑膿菌により形成されたバイオフィルムを表面から除去する組成物であって、前記組成物は、プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼ含む 酵素混合物を含む組成物。
  2. 請求項1の組成物であって、前記酵素混合物は、Pep3、Cel2、Car 1、Pal2の混合物 ; Pep3、Cel2、Car1、Pal1の混合物; Pep1,2,4、Cel2、Car1、 Pal1 の混合物 ;Pep2,4、Cel1,2、Car1、Pal1の混合物 ;Pep1,4、Cel2, Car1, Pal1の混合物、及び Pep1,2,4, Cel2, Car 1, Pal1の混合物からなる群から選択されるものである、組成物。
  3. リステリア・モノサイトゲネス、黄色ブドウ球菌、またはそれらの混合物により形成されたバイオフィルムを表面から除去する組成物であって、当該組成物はPep 1,2,4、Cel2、Car 1、Pal1の酵素混合物を含むものである、組成物。
  4. 請求項1の組成物であって、前記酵素混合物は 3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼである組成物。
  5. 請求項1の組成物であって、前記酵素混合物は3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼからなる組成物。
  6. 請求項5の組成物であって、前記プロテアーゼは、バシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)由来のEC3.3.2.6とバシルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)由来のEC3.4.2.6、前記グルカナーゼはトリコデルマ(Trichoderma)属の種由来のEC3.3.1.6であり、前記ホスホリパーゼはストレプトマイセス(Streptomyces)属の種由来のEC3.1.1.4であり、前記マンナナーゼはバシルス・レンタス(Bacillus lentus)に由来する組成物。
  7. 請求項1の組成物であって、前記プロテアーゼは塩基性、中性又は酸性プロテアーゼから選択される組成物。
  8. 請求項1の組成物であって、前記プロテアーゼは、市販プロテアーゼであるプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、マルチフェクトニュートラル(MULTIFECT NEUTRAL)、エフエヌエー(FNA)及びジーシー106(GC106)から選択される組成物。
  9. 請求項1の組成物であって、前記セルラーゼが市販品プラダックス(PURADAX)である組成物。
  10. 請求項1の組成物であって、前記エステラーゼが市販品クチナーゼ(CUTINASE)である組成物。
  11. 請求項1の組成物であって、前記マンナナーゼが市販品ジーシー265(GC265)又はヘミセル(HEMICELL)である組成物。
  12. 請求項1の組成物であって前記グルカナーゼが市販品ラミネックスBG(LAMINEX BG)である組成物。
  13. 中性又は塩基性pHで、緑膿菌により形成されたバイオフィルムを除去する組成物であって、本質的に、 プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼの混合物と、プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、 2種のプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、 2種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、 3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物 からなる群から選択された酵素の混合物からなる組成物。
  14. 請求項13の組成物であって、さらにエンドーアラビナーゼ(endo-arabinase)を含む組成物
  15. 緑膿菌により形成された、表面のバイオフィルムを減少させる方法であって、
    a) プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼの混合物と、プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、3種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、 2種のプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、 2種のプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物と、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びグルカナーゼの混合物と、3種のプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼの混合物 から選択される酵素混合物を投与する方法であって、
    b) 前記混合物を少なくとも40%までバイオフィルムを減少させるに十分な時間表面上のバイオフィルムに適用する方法。
  16. 請求項15の方法であって、a)さらに 1%から 6%の酵素含量の酵素混合物を投与することを含む方法。
  17. リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) またはそれらの混合物により、表面に生じたバイオフィルムを減少させる方法であり、
    a) Pep1,2,4、Cel2、Car1、Pal1 の酵素混合物を調製し、
    b) 前記混合物を少なくとも40%までバイオフィルムを減少させるに十分な時間表面上のバイオフィルムに適用する方法。
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