JP5447780B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上に形成した静電潜像をトナーとキャリア液とを有する液体現像剤によって現像し、現像された現像剤像を記録材に転写、定着することで画像形成を行う画像形成装置及び画像形成方法に関する。
キャリア液としての液体溶媒中に固形成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて静電潜像を現像し可視化する種々の画像形成装置が提案されている。この画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油などからなる電気絶縁性を有した高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形成分(トナー粒子)を懸濁させたものである。このトナー粒子には、粒子径が1μm前後と極めて微細な粒子が使用され、
従来の粒子径7μmを使用する乾式画像形成装置と比べて高画質化を図ることができる。
このような液体現像剤を用いた画像形成装置として、例えば、特許文献1〜3には、現像ローラーと感光体が接触することで現像を行う画像形成装置が記載されている。特に、特許文献1の第46段落に記載されるように、トナーの圧縮状態が弱い場合には、現像ニップにおいてリブレットと呼ばれる縦筋状の画像乱れが発生することが分かっている。この現象は、トナーの圧縮が弱いことで、現像ニップでのトナー粒子の移動速度が十分でなくなり、感光体への押しつけが不十分となる結果、現像剤担持体と感光体間で形成される現像ニップ出口において液体現像剤が糸引き現象を起こすことに起因している。
特開2008−170602号公報 米国特許第5610694号 米国特許第5737666号
このような感光体上で発生するリブレット(本明細書では「現像剤スジ」と呼ぶ)は、紙などの記録材への転写画像にも影響を及ぼすこととなり、転写画像における画像ムラとなって現れる。
一方、画像ムラ発生原因の1つに供給ローラー(アニロックスローラー)によるものがある。供給ローラーは、その表面に微細かつ一様に斜線状の溝部が形成されたローラーであって、この溝部にて汲み上げた液体現像剤を現像ローラーに供給する。この溝部によって発生する現像剤パターンは、通常、現像ローラーに供給される際に消えて、均一な現像剤の薄膜が現像ローラー上に形成される。しかしながら、温度変化によって液体現像剤の粘度が変動することなど、各種の環境変化によって、現像ローラー上にも現像剤パターンが消えずに転移してしまい、それが感光体上の画像にも現れてしまうことがある。
これら画像ムラの原因となる現像剤スジ、現像剤パターンは、各種液体現像剤の状態を調整することで解消可能ではあるものの、これら現像剤スジ、現像剤パターンの検出精度向上を図ることが望まれている。
本発明は、供給部材の溝部の転写による現像剤パターン、液体現像剤の状態変化に伴っ
て発生する現像剤スジ、及び画像濃度の検出精度向上を図ることを目的とするものである。そのため、以下の構成を採用することを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、トナーとキャリア液とを有する液体現像剤を貯留する現像剤貯留部、周面に複数の溝部が形成された供給ローラー、及び前記供給ローラーにより供給された前記液体現像剤を担持する現像剤担持体を有する現像部と、現像部で現像された像を担持する像担持体と、前記像担持体の前記像に光を発光する発光部、該発光部で発光されて前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層による画像濃度を検出するための正反射光を受光する第1受光部、及び前記第1受光部と異なる位置に配設され該発光部で発光されて前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層のムラを検出するための散乱光を受光する第2受光部を有する光学センサーと、を有し、前記発光部と前記第1受光部とを結ぶ仮想線は、前記溝部により前記像担持体上の液体現像剤層に形成された現像剤パターンの方向とは異ることを特徴とするものである。この構成により、像担持体上で発生する現像剤スジ、現像剤パターンの検出精度を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記発光部と前記第1受光部は、前記発光部から発光された光の入射角と前記像で反射された光の反射角とが等しい位置に配設されるものである。この構成により第1受光部にて正反射光を効率よく受光し、像担持体上の現像剤濃度を正確に検知することが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記第2受光部は、前記発光部からの光の前記像への入射位置の鉛直上方に配設されるものである。この構成により第2受光部で反射光を効率よく受光し、像担持体上で発生する現像剤スジ、現像剤パターンの検出精度をさらに向上させることが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記現像部は、前記供給ローラーと前記現像剤担持体に当接して前記供給ローラーから供給された前記液体現像剤を前記現像剤担持体に供給する中間ローラーを有するものである。このような構成によれば、現像剤担持体に供給される液体現像剤は、各ローラーのニップ部を複数回通過することで十分に練られ、現像剤担持体に均一な厚さの液体現像剤の膜を形成することが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置は、前記現像剤担持体の周速と前記中間ローラーの周速との周速比を変更する制御部を有することとしている。このように周速比を変更することで、現像剤担持体に供給する液体現像剤の量、即ち、現像剤担持体上に形成する液体現像剤の膜厚を調整することが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記現像ローラーは、前記現像剤担持体に当接することとするものであり、このような構成にて現像部の構成を簡略化することが可能となる。
さらに、本発明の画像形成装置は、前記現像剤担持体の周速と前記供給ローラーの周速との周速比を変更する制御部を有することとしている。このように周速比を変更することで、現像剤担持体に供給する液体現像剤の量、即ち、現像剤担持体上に形成する液体現像剤の膜厚を調整することが可能となる。
また、本発明の画像形成方法は、現像剤貯留部に貯留される液体現像剤を、周面に複数の溝部が形成された供給ローラーにて現像剤担持体に供給し、前記現像剤担持体に供給された前記液体現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像し、前記溝部により前記像担持体上の液体現像剤層に形成された現像剤パターンの方向とは異なる方向に発光部と第1の受光部を配設した光センサーを用いて、前記像担持体の現像された像に前記発光部にて発光し、前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層による画像濃度を検出するための正反射光を第1受光部で受光するとともに、前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層のムラを検出するための散乱光を前記第1受光部とは異なる位置に配設された第2受光部で受光することを特徴とするものである。この構成により、像担持体上で発生する現像剤スジ、現像剤パターンの検出精度を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示す断面図。 本発明の実施形態に係る画像形成部、現像部の主要構成を示す断面図。 本発明の実施形態に係る供給ローラーの斜視図。 本発明の実施形態に係る現像装置における液体現像剤転移の様子を示す図。 本発明の実施形態に係る各ローラー上で現像剤パターンが形成する角度を示す図。 現像ローラーから像担持体への液体現像剤の転移の様子を示す図。 像担持体上のテスト画像における現像剤スジを示す図。 像担持体上で発生する現像剤パターン、現像剤スジを示す図。 本発明の実施形態に係る光学センサーを示す図。 本発明の実施形態に係る現像部の制御を示す図。 像担持体上における光学センサーの仮想線を示す図。 本発明の実施形態に係る像担持体上における光学センサーの仮想線の禁止方向を示す図。 本発明の実施形態に係る各ローラー上で現像剤パターンが形成する角度を示す図。 本発明の実施形態に係る各ローラー上で現像剤パターンが形成する角度を示す図。 本発明の実施形態に係る各ローラー上で現像剤パターンが形成する角度を示す図。 本発明の実施形態に係る各ローラーの周速に対して現像剤パターンが形成する角度を示す図。 周速差を有する場合の現像剤パターンの角度範囲を示す図。 本発明の他の実施形態に係る画像形成部、現像部の主要構成を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図である。画像形成装置の中央部に配設された画像形成部に対し、4つの現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成部の下部に配設され、中間転写体40、2次転写部(2次転写ユニット60)は画像形成部の上部に配設されている。以下、画像形成部、現像装置30Y、30M、30C、30Kについて説明を行うが、各色の構成は同様であるため色を示す添字のアルファベットは省略して説明を行う。なお、本実施形態の画像形成装置は、YMCK4色によるフルカラー画像を形成可能なものとしているが、この実施形態に限らず、例えば、単色など適宜な色数を採用した画像形成装置としてもよい。
画像形成部は、像担持体10、コロナ帯電器11、露光ユニット12などを備えている。露光ユニット12は、LED、もしくは半導体レーザー等の光源を有し、入力された画像信号に基づいて光を照射し、帯電された像担持体10上に静電潜像を形成する。
現像装置30は、概略、各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31と、これら現像剤容器31から液体現像剤を中間ローラー35に塗布する供給ローラー34などを備え、各色の液体現像剤により像担持体10上に形成された静電潜像を現像する。中間転写体40は、エンドレスのベルトなどによって構成され、駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、1次転写部50で像担持体10と当接しながら駆動ローラー41により
回転駆動される。1次転写部50では、中間転写体40を挟んで像担持体10と1次転写バックアップローラー51が対向して配設され、それらの像担持体10との当接位置を転写位置として、現像された像担持体10上の各色のトナー像を中間転写体40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
2次転写部60では、2次転写ローラー61が中間転写体40を挟んで駆動ローラー41と対向して配設される。さらに2次転写ローラークリーニング部62が2次転写ローラー61にそのブレードを当接して配設される。そして、2次転写ローラー61における転写位置において、中間転写体40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布などの記録材に転写する。
さらに、シート材搬送経路Lの下流には、図示しない定着ユニットが配設され、用紙などの記録材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙などの記録材に融着することで定着させる。また、テンションローラー42は、駆動ローラー41と共に中間転写体40を張架しており、中間転写体40のテンションローラー42に張架されている箇所にて、中間転写体クリーニング部46が当接して配設される。
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成部及び現像装置について説明する。図2は、画像形成部及び現像装置30の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明すると共に、添字のアルファベットは省略する。
像担持体10の外周には、その回転方向に沿って、像担持体クリーニング部18、コロナ帯電器11、露光ユニット12、現像ローラー36、像担持体スクイーズローラー13が配設されている。そして、像担持体スクイーズローラー13には、その付属構成として像担持体スクイーズローラークリーニング部14がそのブレードを当接させて配設される。また、中間転写体40に沿って、像担持体10と対向する位置に1次転写部50の1次転写バックアップローラー51が配設される。
像担持体10は、現像ローラー36の幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば、図2に示すように時計回りの方向に回転する。像担持体10の感光層は、有機像担持体またはアモルファスシリコン像担持体等で構成される。コロナ帯電器11は、像担持体10と現像ローラー36とのニップ部より像担持体10の回転方向の上流側に配設され、図示しない電源装置から電圧が印加され、像担持体10をコロナ帯電させる。露光ユニット12は、コロナ帯電器11より像担持体10の回転方向の下流側において、コロナ帯電器11によって帯電された像担持体10に光を照射し、像担持体10に静電潜像を形成する。
現像装置30は、現像ローラー36と、中間ローラー35と、供給ローラー34と、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31、現像ローラー36上のトナーを帯電させるトナー帯電器37を主な構成要素としている。現像ローラー36の外周には、クリーニングブレード361、中間ローラー35、トナー帯電器37が配設されている。中間ローラー35は、その表面を現像ローラー36と供給ローラー34に当接させており、その外周には中間ローラークリーニング部351が配設されている。供給ローラー34には、現像剤貯留部311から汲み上げた液体現像剤の量を調整する規制部材341が当接している。なお、本実施形態の現像装置のように中間ローラー35を用いた3ローラー方式においては、中間ローラー35が供給ローラー34に当接することで液体現像剤の量を調整するため、この規制部材341は省略することも可能である。
現像剤貯留部311に搬送される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル
、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤である。
供給ローラー34(本発明における「供給部材」)は、中間ローラー35に対して液体現像剤を供給する機能を有する。この供給ローラー34は、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された螺旋溝などの溝部が形成されたローラーである。この溝部で汲み上げられた液体現像剤は、当接する規制部材341にて精密に計量されて中間ローラー35に供給される。装置動作時においては、図2に示すように搬送スクリュー33が時計回りに回転し、供給ローラー34に液体現像剤を供給し、供給ローラー34は時計回りに回転して、中間ローラー35に液体現像剤を塗布する。
規制部材341は、金属製、あるいは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレードである。本実施形態では、供給ローラー34の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成される。そして、供給ローラー34によって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、中間ローラー35に供給する液体現像剤の量を調整する。なお、この規制部材341に代えて、ローラーにて構成された規制ローラーを用いることとしてもよい。
現像ローラー36(本発明における「現像剤担持体」)は、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。現像ローラー36は鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード361は、現像ローラー36の表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー36が像担持体10と当接する現像ニップ部より現像ローラー36の回転方向の下流側に配設され、現像ローラー36に残存する液体現像剤を掻き落として除去する。
中間ローラー35(本発明における「第2供給部材」)は、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように、現像ローラー36と同様、反時計回りに回転し、現像ローラー36に対しカウンター当接する。中間ローラー35は現像ローラー36と同様に、金属製の内心の外周部に弾性層を設けて構成される。
中間ローラー35と現像ローラー36との当接位置下流には、中間ローラークリーニング部351がそのブレードを中間ローラー35に当接させて配設され、現像ローラー36に供給されなかった液体現像剤を掻き取って回収液貯留部へ回収する。
トナー帯電器37(帯電部材)は、現像ローラー36の表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー36によって搬送される液体現像剤は、このトナー帯電器37と近接する位置でコロナ放電による電界が印加され帯電される。なお、このトナー帯電のための電界印加手段は、コロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いてもよい。このようなコンパクションローラーは、円筒状の部材とし、金属ローラー基材の表層に導電性の樹脂層やゴム層を備えた構造とし、例えば現像ローラー36と反対方向の時計回りに回転させるようにするとよい。
一方、現像ローラー36に担持されて帯電された液体現像剤は、現像ローラー36が像担持体10に当接する現像ニップ部において、所望の電界によって、像担持体10の静電
潜像に対応して現像される。そして、現像に寄与しなかった現像剤は、現像ローラークリーニングブレード361によって掻き落とされて回収液貯留部に滴下する。滴下した現像剤は液体現像剤濃度調整部にてその濃度が調整され、再び現像剤貯留部311に供給されることで再利用される。
1次転写の上流側に配設される像担持体スクイーズ装置は、像担持体10に対向して現像ローラー36の下流側に配設され、像担持体10に現像されたトナー像の余剰現像剤を回収する装置であって、表面に弾性体を被覆して像担持体10に当接して回転する弾性ローラー部材からなる像担持体スクイーズローラー13と、該像担持体スクイーズローラー13に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14とから構成され、像担持体10に現像された現像剤から余分なキャリアを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。1次転写前の像担持体スクイーズ装置として、本実施形態では1つの像担持体スクイーズローラー13を設けているが、複数の像担持体スクイーズローラーを設けることとしてもよい。その場合、液体現像剤の状態などに応じて当離接する像担持体スクイーズローラーを切り換えるように構成してもよい。
1次転写部50では、像担持体10に現像された現像剤像を1次転写バックアップローラー51により中間転写体40へ転写する。ここで、像担持体10と中間転写体40は等速度で移動させることで、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、像担持体10の顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
像担持体クリーニング部18は、像担持体10に対向し1次転写部50の下流に配設される部材であって、そのブレードを像担持体10に当接させることで、像担持体10上での転写残り液体現像剤や未転写液体現像剤をクリーニングする。像担持体クリーング部18で掻き取られた液体現像剤は鉛直下方に落下し、回収液貯留部に滴下する。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明したが、次に、画像ムラの原因となる供給ローラー34(本発明における「供給部材」)により生じる現像剤パターンについて図3〜図5を用いて説明する。
図3は本発明に用いられる供給ローラー34の斜視図、並びに、その一部を拡大した図である。本発明における供給ローラー34は、図の斜線で示すように、その表面中央部に凹部パターン形成領域が設けられている。この凹部パターン形成領域は、液体現像剤の正確な計量、並びに、供給効率の向上を目的とするものであって、本実施形態では螺旋形状の溝部342を採用することとしている。この溝部342にて汲み上げられた液体現像剤は、供給ローラー34が当接する中間ローラー35に供給される。
では、次に、この供給ローラー34の溝部342により形成される現像剤パターンの様子を図4、図5を用いて説明する。図4(a)は、現像装置の断面図であり、図4(b)は、各ローラーにおける現像剤パターンの様子を示した図である。そして図5は、供給ローラー34による現像剤パターンを説明する図である。
図4(a)は、図4(b)におけるA−A'間の断面図であり、供給ローラー34、中
間ローラー35、現像ローラー36の表面上に記載する太線は、現像剤貯留部311から汲み上げられた液体現像剤が転移する様子を示している。なお、この図において、各ローラー周辺の構成は省略している。
まず、現像剤貯留部311に貯留する液体現像剤は、時計回りに回転する供給ローラー34にて汲み上げられ、供給ローラー34に当接する規制部材341にて表面に塗布される量が規制される。供給ローラー34に塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転し、
供給ローラー34に対し順方向で当接する中間ローラー35に供給される。中間ローラー35に供給された液体現像剤は、反時計回りに回転し、中間ローラー35に対し逆方向で当接する現像ローラー36に供給される。そして、現像ローラー36に供給された液体現像剤は、図示しない像担持体10上の潜像を現像して像の形成を行う。
本実施形態の供給ローラー34の表面には、図3で説明した溝部342が形成されているため、供給ローラー34で汲み上げられた液体現像剤は、中間ローラー35、現像ローラー36の表面に液体現像剤の現像剤パターンを形成する。その現像剤パターン転写の様子を図4(b)に示す。図4(b)は、図4(a)を記号アで示す方向から眺めた図であって、各ローラーにおける現像剤パターンの様子が示されている。図で示すように供給ローラー34に形成されている溝部342が右下がりの斜線パターンの場合には、中間ローラー35、現像ローラー36表面での現像剤パターンは図のようになる。具体的には、供給ローラー34と順方向で当接する中間ローラー35の表面には、右上がりの現像剤パターンが形成され、中間ローラー35と逆方向で当接する現像ローラー36の表面上においても、右上がりの現像剤パターンが形成される。
図5は、各ローラー上での現像剤パターンについて説明するための模式図であって、現像ローラー36の周速Vdrと、中間ローラー35の周速Vmrと、供給ローラー34の周速Varが等しい場合の各ローラーにおける現像剤パターンを示している。ここで、周速とは、各ローラー表面の接線方向の速度をいうものである。図4で説明したように各ローラー上に形成される現像剤パターンは、溝部342の形状を螺旋状とする本実施形態では、図の斜線で示す現像剤パターンが形成される。
ここで、供給ローラー34にて溝部342が表面移動方向となす鋭角をθar、中間ローラー35上の現像剤パターンが表面移動方向となす鋭角をθmr、現像ローラー36の現像剤パターンが表面移動方向となす鋭角をθdrとすると、各ローラーの周速が等しい場合には、各ローラーの現像剤パターンがその表面移動方向となす角度は等しく、θar=θmr=θdrの関係となる。
以上、図3〜図5を用いて説明を行ったように、供給ローラー34に形成された溝部342による現像剤パターンが現像ローラー36上に転写された状態では、形成する画像にムラが生じることとなる。この現像剤パターンは、液体現像剤の粘性に依存するため、各種環境変化に伴って液体現像剤の粘性が変動する場合には、この現像剤パターンの発生を精度よく検出することが望まれる。
次に、画像ムラのもう一つの原因となる現像剤スジ(リブレット)について図6、図7を用いて詳しく説明する。図6は、像担持体10と現像ローラー36との間の液体現像剤の移動の様子を示した図である。図に示すように像担持体10と現像ローラー36とは、同方向に移動して像担持体10上に形成された潜像を、現像ローラー36の表面に塗布されている液体現像剤にて現像する。現像の際、現像ローラー36から像担持体10へ液体現像剤が移動することになるが、現像ローラー36と像担持体10の間のニップ出口付近で液体現像剤の流体挙動が乱れ、液体現像剤は糸を引きながら離れていく現象が生じる。
この現象による像担持体10上での画像の乱れを図7に示す。図7(a)は、像担持体10上に形成したテスト画像(AMスクリーン、283線、50%網点(1200dpi、3×3格子)、パッチ画像ともいう)である。また、図7(b)は、このテスト画像の一部分を拡大した図である。正常な状態であれば、このテスト画像は濃淡の一様な画像となるが、前述の現象が生じた場合には図7(b)にみられるような、像担持体10の移動方向と垂直方向(図の横方向)に画像の濃淡が生じ、像担持体10の移動方向に沿って小川(リブレット)のような現像剤スジを含んだ画像となってしまう。
以上、図6、図7を用いて像担持体10上で発生する現像剤スジについて説明を行ったが、この現像剤スジも前述した現像剤パターンと同様、紙などの記録材への転写画像にも影響を及ぼすこととなり、転写画像における画像ムラとなって現れる。この現像剤スジについても精度よく検出することが望まれる。
図8は、画像ムラの原因となる現像剤パターン、現像剤スジを模式的に記載した図である。図8(a)は現像剤パターンの模式図であって、現像剤パターンは、矢印で示すように像担持体10の移動方向に対し角度θdrを形成する。一方、図8(b)は現像剤スジの模式図であって、矢印で示すように像担持体の移動方向と同じ向きにそのスジが形成される。本発明はこの現像剤パターン、現像剤スジを精度よく検出することを目的とするものである。
図9は、本発明の実施形態で使用する光学センサー21を示す図である。光学センサー21は、その構成として、発光部210、第1受光部211、第2受光部212を備えて構成される。発光部210は、LEDなどの発光素子により構成され、基材に対し所定の入射角で光を照射する(図に矢印で示す入射光の方向)。
第1受光部211は、基材表面に塗布された現像剤層による画像濃度を検出するために設けられたセンサーである。画像濃度が大きい場合は正反射光は小さくなり、逆に画像濃度が小さい場合は正反射光が大きくなる特性を利用して画像濃度の検出を行う。効率よく正反射光をとらえるため、好ましくは、反射角と入射角が等しくなる位置に配設される。
第2受光部212は、基材表面に塗布された現像剤層のムラを検出するために設けられたセンサーである。現像剤層にムラが生じている場合、散乱光は大きくなり、逆にムラがない場合に散乱光は小さくなる特性を利用して現像剤層のムラの検出を行う。本実施形態では、この第2受光部212を光の入射位置の鉛直上方に配設することで、効率よく散乱光を検出することが可能となっている。
図10は、この光学センサー21を用いた画像形成装置の制御の一例を示した図である。光学センサー21は、像担持体10上において、現像ローラー36上に現像された像が検出できる位置に配設される。本実施形態では、スクイーズローラー13を通過する前に配設されることとしているが、スクイーズローラー13の通過後であって、1次転写部50の通過前に配設することとしてもよい。
このように配設された光学センサー21は、基材となる像担持体10の表面に光を照射し、正反射光信号、及び散乱光信号の検出を行う。検出された正反射光信号は、現像部30において画像濃度の調整に利用される。本実施形態では、現像ローラー36への電圧を調整することで、現像ローラー36から像担持体10への液体現像剤の塗布量を調整している。一方、検出された散乱光信号は、画像ムラの調整に利用される。本実施形態では、トナー帯電器37に対する印加電圧を調整することで、トナーの帯電度合いを変更し、画像ムラの発生を抑えることとしている。画像濃度、画像ムラの調整は、この実施形態に限られるものではなく適宜形態を採用することが可能である。
図11は、図9で説明した光学センサー21を像担持体10上に配設した場合であって、図9において、上方から基材面(像担持体10の面)をみた図である。光学センサー21において、発光部210、第1受光部211、第2受光部212は、直線上に並んだ仮想線を形成する。
図11(a)のように、像担持体10の移動方向と角度θdrを形成する現像剤パターン
と、仮想線が同一方向となるように光学センサー21を配設した場合には、液体現像剤表面の凹凸変化が少ないため散乱光が殆ど発生しない。よって、現像剤パターンが発生した場合であっても第2受光素子212で信号を検出することができず、現像剤パターンの発生を検知することが困難となる。
そして、図11(b)のように、像担持体10の移動方向と同じ方向の現像剤スジについても仮想線が現像剤スジと同一方向となるように光学センサー21を配設した場合には、液体現像剤表面の凹凸変化が少ないため散乱光が殆ど発生しない。よって、現像剤スジが発生した場合であっても第2受光素子212で信号を検出することができず、現像剤スジの発生を検知することが困難となる。
このように、光学センサー21の仮想線を、現像剤パターンの方向、即ち、本実施形態のように、供給ローラー34、中間ローラー35、現像ローラー36とを同じ周速で回転させた場合には、供給ローラー34の溝部342と同じ方向にした場合や、同仮想線を現像剤スジの方向、即ち、像担持体10の移動方向と同方向とした場合には、現像剤パターン、現像剤スジを精度よく検出することができない。したがって、本発明では、この現像剤パターン、並びに、現像剤スジを精度よく検出するため、光学センサー21の仮想線が、供給ローラー34の溝部342、及び像担持体10の移動方向と異なるように光学センサー21を配設したことを特徴としている。
図12は、像担持体10上において、現像剤パターンと現像剤スジを一緒に表記した模式図であって、図に矢印で現像剤パターンの方向と現像剤スジの方向を示した図となっている。本発明は、光学センサー21の仮想線が、これら矢印の向きとならないように配設されることとするものである。仮想線がこれら矢印と僅かにずれた場合であっても、現像剤パターン、現像剤スジの検出は可能ではあるが、仮想線が両矢印の方向に対し±5[°]の範囲とならないようにすることで、精度よくムラが検出可能となることが確認できた。
以上、本発明によれば、像担持体10上で発生する現像剤パターン、及び現像剤スジの方向と、光学センサー21の仮想線の方向に配慮することで、画像ムラを高精度に検出することが可能となる。
では、本発明の他の実施形態について図13〜図17を用いて説明を行う。光学センサー21を用いた画像形成装置の制御の一例として、図10では、現像ローラー36への電圧を調整し、現像ローラー36から像担持体10への液体現像剤の塗布量を調整することを説明した。像担持体10への塗布量の調整は、現像ローラー36の周速と中間ローラー35の周速の比を変更制御することでも実現可能である。
現像ローラー36と中間ローラー36の周速比を変更制御した場合、現像ローラー36上で発生する現像剤パターンの角度も変動することとなる。ここでは、現像ローラー36と中間ローラー36の周速比を変更制御する場合について説明する。
図13は、中間ローラー35の周速を現像ローラー36の周速より遅くした場合の図である。この実施形態では、供給ローラー34は、中間ローラー35と連れ周りするため中間ローラー35の周速に一致して変更することとしている。このように中間ローラー35の周速を現像ローラー36のものよりも遅く設定した場合には、像担持体10上の現像剤パターンが形成する角度θdrは、中間ローラー35上の現像剤パターンが形成する角度θmrよりも小さくなる。
図14は、中間ローラー35の周速を現像ローラー36の周速より速くした場合の図である。この場合には、像担持体10上の現像剤パターンが形成する角度θdrは、中間ロー
ラー35上の現像剤パターンが形成する角度θmrよりも大きくなる。
図15は、像担持体10上で現像剤パターンが形成する角度について定量的に説明するための図である。図に示すよう中間ローラー35の周速をVmr、形成角をθmr、現像ローラー36の周速をVdr、形成角をθdrとする。中間ローラー35が単位時間に塗布する量Lmrは、現像ローラー36が単位時間に塗布される量Ldrに等しく、中間ローラー35と現像ローラー36の当接面の距離dは一致することとなるから、
Vdr・tanθdr=Vmr・tanθmr
の関係が成り立ち、現像ローラー36上で現像剤パターンが形成する角度θdrは、
tanθdr=Vmr/Vdr・tanθmr
にて求めることができる。
本実施形態で使用した各種数値を上記関係に当てはめたものを図16に示しておく。現像ローラーの周速Vmrを250[mm/s]に固定し、中間ローラー35の周速Vdrを200〜250[mm/s]の範囲で変動させた場合、現像剤パターンが形成する角度θdrは、39〜55[°]の範囲で変動する。
図17は、この現像剤パターンが形成する角度θdrの変動を示した図である。このように、現像剤パターンが形成する角度θdrが変動する場合には、光学センサー21の仮想線がこの角度範囲内、及び、現像剤スジの方向とならないよう配設することで、現像剤パターン、並びに、現像剤スジの検出を精度よく行うことが可能となる。この場合においても、角度範囲、並びに現像剤スジの方向に±5[°]の余裕を持たせることで、さらなる検出精度の向上を図ることが可能となる。
以上、現像ローラー36への塗布量を調整することで発生する現像剤パターン形成角θdrの変動について説明を行ったが、現像ローラー36への塗布量の調整は、この実施形態に限られるものではなく、例えば、中間ローラー35と供給ローラー34の周速比を変更することや、全てのローラーの周速比を変更することとしてもよい。これらの場合にも現像剤パターン形成角θdrの変動が生じることとなるが、その場合にも、光学センサー21の仮想線がその変動範囲内とならないように配設すればよい。
図18は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の一部を示した図であり、これまでに説明した現像部30が、供給ローラー34、中間ローラー35、現像ローラー36の3ローラー方式であったのに対し、本実施形態では、供給ローラー34が直接、現像ローラー36に当接する2ローラー方式となっている。3ローラー方式では、各ローラーの当接部において液体現像剤が十分に練られるため、現像ローラー36上に均一な現像剤膜を形成することが可能となるが、本発明はこの2ローラー方式に採用されることとしてもよい。
この実施形態においても、前述した現像剤パターンと、現像剤スジの方向を考慮した光学センサー21の配置を採用することで、精度よく画像ムラの検出を行うことが可能となる。また、現像ローラー36に供給する液体現像剤の量を調整する場合には、現像ローラー36と供給ローラー34の周速比を調整することとしてもよい。その場合、3ローラー方式の場合と同様、現像剤パターンの角度θdrに配慮して光学センサー21が配設される。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
10…像担持体、11…コロナ帯電器、12…露光ユニット、13…像担持体スクイーズローラー、14…像担持体スクイーズローラークリーニング部、18…像担持体クリーニング部、
21…光学センサー、210…発光部、211…第1受光部、212…第2受光部、
30…現像部、31…現像剤容器、311…現像剤貯留部、34…供給ローラー(供給部材)、341…規制部材、342…溝部、35…中間ローラー(第2供給部材)、351…中間ローラークリーニング部、36…現像ローラー(現像剤担持体)、361…現像ローラークリーニング部、37…トナー帯電器(帯電部材)、
40…中間転写体、41…駆動ローラー、42…テンションローラー、46…中間転写体クリーニング部、
50…1次転写部、51…1次転写バックアップローラー、
60…2次転写部、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニング部

Claims (8)

  1. トナーとキャリア液とを有する液体現像剤を貯留する現像剤貯留部、周面に複数の溝部が形成された供給ローラー、及び前記供給ローラーにより供給された前記液体現像剤を担持する現像剤担持体を有する現像部と、
    現像部で現像された像を担持する像担持体と、
    前記像担持体の前記像に光を発光する発光部、該発光部で発光されて前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層による画像濃度を検出するための正反射光を受光する第1受光部、及び前記第1受光部と異なる位置に配設され該発光部で発光されて前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層のムラを検出するための散乱光を受光する第2受光部を有する光学センサーと、を有し、
    前記発光部と前記第1受光部とを結ぶ仮想線は、前記溝部により前記像担持体上の液体現像剤層に形成された現像剤パターンの方向とは異なることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記発光部と前記第1受光部は、前記発光部から発光された光の入射角と前記像で反射された光の反射角とが等しい位置に配設される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2受光部は、前記発光部からの光の前記像への入射位置の鉛直上方に配設される請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像部は、前記供給ローラーと前記現像剤担持体に当接して前記供給ローラーから供給された前記液体現像剤を前記現像剤担持体に供給する中間ローラーを有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤担持体の周速と前記中間ローラーの周速との周速比を変更する制御部を有する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記供給ローラーは、前記現像剤担持体に当接する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記現像剤担持体の周速と前記供給ローラーの周速との周速比を変更する制御部を有する請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 現像剤貯留部に貯留される液体現像剤を、周面に複数の溝部が形成された供給ローラーにて現像剤担持体に供給し、
    前記現像剤担持体に供給された前記液体現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像し、
    前記溝部により前記像担持体上の液体現像剤層に形成された現像剤パターンの方向とは異なる方向に発光部と第1の受光部を配設した光センサーを用いて、前記像担持体の現像された像に前記発光部にて発光し、前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層による画像濃度を検出するための正反射光を第1受光部で受光するとともに、前記像で反射され、前記像担持体上の液体現像剤層のムラを検出するための散乱光を前記第1受光部とは異なる位置に配設された第2受光部で受光することを特徴とする画像形成方法。
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