以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る健診情報処理システムについて説明する。
図1は、本実施の形態に係る健診情報処理システムのシステム構成を示すブロック図である。
図1において、100は受付端末である。受付端末100は、ハンディターミナル又はノート型パーソナルコンピュータ等であり、記録媒体160のためのリーダ/ライタ207(図2)が設けられている。受付端末100は、このリーダ/ライタ207を介して、記録媒体160にデータを記憶させることや、記録媒体160に記憶されたデータを読み出して取得することができる。
また、受付端末100には、不図示のバーコードリーダが接続されている。
そして、受付端末100のメモリ202(図2)には、受診予定の全ての受診者毎に、受診者ID(受診者を識別する識別情報)、健診番号、氏名、性別、年齢、生年月日等の受診者情報が記憶されている。
更に、受付端末100のメモリ202には、受診予定の全ての受診者毎に、健診科目ID(健診科目を識別する識別情報)、今回の健康診断で受診予定の健診科目と受診予定ではない健診科目とを識別する識別情報(フラグ)(健診予定情報)が、それぞれ記憶されている(図10)。これら受診者情報と健診科目IDと健診予定情報とが記憶されたテーブル(図10)を健診テーブルと呼ぶことにする。ここで、健診科目とは、例えば、身長・体重、血圧、腹囲、視力等の健診の種類(区分)のことである。
また、更に、受付端末100のメモリ202(図2)には、受診予定の全ての受診者毎に、各健診科目の過去の健診結果(健診情報とも言う)が記憶されている(図11)。
この各健診科目の過去の健診結果が記憶されたテーブル(図11)を過去健診テーブルと呼ぶことにする。
また、受付端末100のメモリ202(図2)には、上記バーコードリーダにより読み取られたバーコードを識別して文字データに変換する変換プログラムと、後述する受付処理プログラム(図3)とが記憶されている。
管理端末150は、受付端末100と同様に、ハンディターミナル又はノート型パーソナルコンピュータ等であり、記録媒体160のためのリーダ/ライタ207(図2)が設けられている。管理端末150は、このリーダ/ライタ207を介して、記録媒体160にデータを記憶させることや、記録媒体160に記憶されたデータを読み出して取得することができる。
また、管理端末150のメモリ202(図2)には、健診結果ファイルと、後述する回収処理プログラム(図9)とが記憶されている。
健診端末A(111)〜N(129)(健診情報処理装置)は、ハンディターミナル又はノート型パーソナルコンピュータ等であり、記録媒体160のためのリーダ/ライタ207(図2)が設けられている。健診端末は、このリーダ/ライタ207を介して、記録媒体160にデータを記憶させることや、記録媒体160に記憶されたデータを読み出して取得することができる。
健診端末A(111)〜N(129)のメモリ202(図2)には、図4に示す処理を行う制御プログラムと、図5乃至図7並びに図19及び図25に示す処理を行う処理プログラムと、各プログラムで使用する画面情報(ディスプレイ205に図17乃至図18に示す画面を表示するためのデータであり、各プログラムの中に含めてもよい)と、メニュー(図17)に表示される各健診科目とそれに対応した処理プログラムとを関連付けるための関連付情報ファイル(図14乃至図15)と、各健診機器(110〜128)の機器設定情報(健診端末A(111)〜N(129)の設定情報)と、各健診機器とのデータのやり取りに用いられる通信プログラム(Bluetooth,IrDA,TCP/IP等の各通信手順やプロトコルに対応した通信プログラム)と、が記憶されている。ここで、関連付情報ファイルを記憶させているのは、健診科目毎に処理プログラムが異なるためである。なお、上記各通信プログラムの少なくとも一部をオペレーティングシステムプログラムに含めてもよい。
各健診端末の全てに同一のプログラム(制御プログラム、健診科目毎に対応した処理プログラム、健診科目毎又は健診機器毎に対応した通信プログラム及びこれらプログラムにより表示される画面の画面情報や関連付情報ファイル)と全健診機器の機器設定情報とが記憶されているので、全ての健診端末をどの健診科目でも使用することが可能となる。
すなわち、健診端末に表示されたメニュー画面の複数の健診科目の中から一つの健診科目を選択するだけで、任意の健診端末を任意の健診科目で使用することができる。
健診機器A(110)〜N(128)は、健診に使用する、例えばX線撮影装置や血圧計、心電図測定器等の各種検査機器であり、健診端末A(111)〜N(129)と通信可能に接続されている。
健診機器は、健診端末との通信を可能にするために、例えばBluetoothやIrDA等の無線又は、USBやIEEE1394、パラレル転送用ケーブル等の有線の外部インタフェースを備えている。このように外部インタフェースの種類が健診機器を提供している会社により異なることが多いため、健診端末のメモリ202に複数の通信プログラムを記憶している。
記録媒体160は携帯可能な記録媒体(携帯記録媒体とも言う)であって、例えばRF−IDやICカード等である。この携帯記録媒体は、後述する図12、図13の情報を記憶することができる。
図1において、健診機器A110と健診端末A111のように2つが実線で結ばれている場合は、両者がケーブル(有線)で接続されていることを示している。
また、健診機器B112と健診端末B113のように2つが破線で結ばれている場合は両者が無線や赤外線で接続されていることを示している。また、健診機器C114と健診端末C115のように2つが結ばれていない場合は両者が通信可能に接続されていないこと示す。このような場合は、健診機器C114で測定された健診結果(検査結果)を測定者が見て、測定者がその結果を健診端末C115に手入力し、健診端末C115が手入力されたデータを記録媒体160に記録させている。
図2は、図1における各種端末(受付端末、各健診端末、管理端末)のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において、CPU201、メモリ202、ROM203、通信アダプタ204、ディスプレイ205、キーボード206、及びリーダ/ライタ207はそれぞれシステムバス200を介して互いに接続されている。
システムバス200は、例えば、PCIバス、AGPバス、メモリバス等を意味する。また、図2では、各バス間の接続用チップやキーボードインタフェースやディスプレイインタフェース等の各種インタフェースは省略されている。
CPU201は、四則演算や比較演算等の各種の演算や、ハードウェアやソフトウェアの制御を行う。メモリ202は、オペレーティングシステムや以下に示す各端末で実行される処理のステップに対応する部分を実行するためのアプリケーションプログラム(画面表示のための画面情報を含む)や、前述した各種データやファイルを記憶しており、本実施の形態ではメモリ202は不揮発性のメモリを使用している。
なお、各種端末に不図示のハードディスクや、大容量フラッシュメモリ等により構成されるいわゆるシリコンディスクを更に備え、このハードディスクやシリコンディスクにオペレーティングシステムのプログラムやアプリケーションプログラム等を記憶し、実行時にはこのハードディスクやシリコンディスクから各プログラムをメモリ202に読み出して実行する形態も可能である。
ROM203には、オペレーティングシステムと協働してハードディスク等への入出力を司るいわゆるBIOS等が記憶される。
通信アダプタ204は、CPU201によって制御されるオペレーティングシステムの通信プログラムと協働して不図示の通信回線を介した外部との通信を行う。
ディスプレイ205(表示部)は、画面を表示し、タッチパネルを兼ねており、キーボード206は各種指示や数値を入力するために用いられる。
リーダ/ライタ207は、記録媒体160からデータを読み込んだり、逆に記録媒体160にデータを書き込むためのものである。なお、読み込み/書き込みの方法は、記録媒体160をリーダ/ライタ207に挿入/接触させる接触式であるか、データの読み書きのために記録媒体160とリーダ/ライタ207とが接触する必要がない非接触式であるかは問わない。また、リーダ/ライタ207は記録媒体160の種類に対応してデータの記憶/更新ができるものを使用する。
次に、図1における健診端末(健診情報処理装置)が備える機能について説明する。
図26は、図1における健診端末(健診情報処理装置)が備える機能の構成を示すブロック図である。
図26において、健診端末は、健診科目を識別する識別情報を記憶する記憶部2601と、複数の健診科目の中から健診科目の選択を受け付ける第1の受付部2602と、第1の受付部2602で受け付けた健診科目に対して再健診が必要であるとの指示を受け付ける第2の受付部2603と、第2の受付部2603で当該健診科目に対して再健診が必要であるとの指示を受け付けた場合に、記憶部2601に記憶された当該健診科目の識別情報と一致する、携帯記録媒体に記憶された識別情報に再健診が必要であることを示す再健診情報を紐付けて記録させる記録部2604と、携帯記録媒体に記録された再健診情報と健診予定情報とを当該携帯記録媒体から取得する取得部2605と、取得部2605で取得した再健診情報に基づいて、再健診が必要な健診科目と再健診が必要ではない健診科目との表示を異ならせるように制御する第1の表示制御部2606と、取得部2605で取得した健診予定情報に基づいて、受診予定の健診科目と受診予定のない健診科目との表示を異ならせるように制御する第2の表示制御部2607と、健診機器で測定された健診情報を携帯記録媒体から取得する健診情報取得部2608と、健診情報取得部2608により健診情報を取得できた健診科目と取得できなかった健診科目との表示を異ならせるように制御する第3の表示制御部2609と、取得部2605で取得した再健診情報に基づいて、当日情報の健診科目と後日情報の健診科目との表示を異ならせるように制御する第4の表示制御部2610とを備える。
次に、図1における受付端末が実行する受付処理について説明する。
図3は、図1における受付端末が実行する受付処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、受付端末100のCPU201がメモリ202に記憶された受付処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図3において、まず、受付端末100のCPU201は、受付端末100のディスプレイ205に図16に示すような受付入力画面を表示する(ステップS301)。
そして、受付端末100のCPU201は、受付端末100のユーザにより当該受付入力画面の受診者情報読込ボタン167が押下されることにより受診者情報の読み込み指示を受け付けると(ステップS302)、受付端末100のメモリ202に記憶された全受診者の受診者情報を読み出す(ステップS303)。
そして、図16に示す受付入力画面の受診票スキャン165ボタンが押下されることにより受診票の読み込み指示がなされると(ステップS304)、受付端末100のCPU201は、受付端末100と通信可能に接続された不図示のスキャナにセットされた、受診者が持参した受診票に記載されたバーコード(各受診者が自覚症状等を記入する一種の問診票)をスキャンして読み込む。
そして、受付端末100のCPU201は、読み取ったバーコードを変換プログラムによって受診者IDに変換して受付端末100のメモリ202に記憶する(ステップS305)。
次に、受付端末100のCPU201は、ステップS305で変換された受診者IDがステップS303で読み出した受診者情報の中に含まれているか否かを判別する(ステップS306)。
受付端末100のCPU201は、ステップS305で変換された受診者IDがステップS303で読み出した受診者情報の中に含まれていないと判別した場合は(ステップS306でNO)、エラーメッセージを受付端末100のディスプレイ205に表示する(ステップS307)。その後、受付入力画面(図16)を表示し、ステップS304に戻る。
一方、ステップS305で変換された受診者IDがステップS303で読み出した受診者情報の中に含まれていると判別した場合は(ステップS306でYES)、当該受診者IDが受診予約をした時点での健診予定項目から変更があるか否かを判定し、予約情報に変更がある場合は(ステップS308でYES)受診予約時からの変更点のユーザ操作による変更を受け付ける。(ステップS309)
予約情報からの変更について、図27を用いて説明する。
図27は、受付端末100において、受診者の健診予約情報を確認・変更し記録媒体160へ情報を登録する指示をするための予約情報確認・変更画面である。
予約情報確認・変更画面は、画面中に、健診予約日、受診者ID、氏名、生年月日、年齢、性別等の情報と健診科目が表示される。画面中にて、「標準」と表される健診科目については、全受診者が健診をすることとなっている項目である。また「オプション」と表される健診科目については、受診者が健診を予約する際に、上記の「標準」の健診科目の他に追加で希望して受診選択をすることができる項目である。本実施例において、「腹部超音波」「胃内視鏡」「マンモグラフィ」「検便」が「オプション」の健診科目に当たる。
予約情報から受診項目の変更がある場合、ステップS309において、ユーザによる各項目の変更指示を受け付ける。
具体的に、図27において、本受診者「キヤノ タロウ氏」は、予約時に「オプション」項目として、「胃内視鏡」検診を希望していたが、当日何らかの事情により、本項目だけ検診を取消することとなった場合、受付端末100のユーザは、「胃内視鏡」の欄に元々「○」があった(不図示)のを、欠測理由を選択することで、欠測理由登録をすることができる。
具体例としては、図28に示すような欠測理由が挙げられるが、これに限定しない。また、図28に示す欠測理由のうち、どの欠測理由を選択したかによって、健診端末の表示部での表示方法が変更されるようにしてもよい。本実施例では、図29中に、欠測理由の「2.本人都合による欠測」の表示を示している。また、図28に示す欠測理由のうち、どの欠測理由を選択したかによって、当日中に再検診が可能であるか否か、後日再検診が必要であるかを設定するような構成にしてもよい。(本実施例においては不図示。)
また、図27の本実施例において、欠測理由登録は「オプション」健診科目についてされているが、「標準」健診科目についても同様の処理をすることができる。なお、欠測理由の登録は、受付端末100だけでなく、健診端末A111、113、115、129を用いて行うことができる。
図29は、健診端末A111において、欠測理由の登録を行う際に表示される画面の一例である。
図29では、健診科目のうち、「胃内視鏡」の検診が行われているが、この時に、欠測ボタン2901の押下を受け付けると、図29の画面にて、図28で説明したような欠測理由の選択項目が表示され、該当する番号を選択して登録ボタン2092の押下を受け付けると、健診端末A111からの欠測理由登録が完了する。
2903で示す「○」、「×」、「*」、「―」及び「2」はそれぞれの健診科目の受信状況を示している。健診科目のうち、健診を済ませた科目を「○」で表示し、受診予定のうち健診を済ませていない科目を「*」で表示し、欠測理由のある科目を該当する理由番号「1〜4」で表示することで、受信済みの科目と理由があって受診ができない科目を操作者が即座に識別することができる。
受診予約時からの受診項目に変更がない場合(ステップS308のNO)および変更を受け付けると(ステップS309)、受付端末100のCPU201は、健診テーブル(図10)と過去健診テーブル(図11)との中から、当該受診者IDに対応する、受診者情報と健診科目IDと健診予定情報と各健診科目の過去の健診情報(健診結果)とを検索して読み出す(ステップS310)。
本フローチャートの処理によると、受診予約時から変更になった場合でも、受診者のデータ登録を行う際に書き換えをすることができる。これにより、受診者の急な体調不良の場合等でも迅速に対応することができ、後日の健診に該当項目を回すことが可能である。
そして、受付端末100のCPU201は、読み出された、受診者情報と健診科目IDと健診予定情報と各健診科目の過去の健診情報(健診結果)とを携帯記録媒体160に記憶させるべく送信して(ステップS311)、本処理を終了する。図13は、このようにして携帯記録媒体160に記録させたデータの一例である。
ここで、図10、図11、図13のテーブルについて説明する。
図10は、受付端末100のメモリ202に記憶された健診テーブルの一例である。
健診テーブルには、受診者IDと、該受診者IDに対応する受診者の氏名、性別等の受診者情報と、健診科目毎に今回の健診で受診が予定されているか否かを示す識別情報(受診予定の健診科目には「○」が、また、受診予定ではない健診科目には「×」が識別情報として記憶されている)とが全ての受診予定者分、記憶されている。
また、健診科目を識別する識別情報として健診科目IDが健診科目毎に記憶されている。図10の例では、健診科目ID「A」は、健診科目「身長測定」を示し、健診科目ID「B」は、健診科目「体重測定」を示している。
受診者IDが「1」のデータを見てみると、氏名は「田中」であり、今回の健診では「身長測定」、「体重測定」、「血圧測定(上・下)」、「腹囲測定」を行わなければならないことがわかる。
次に、図11のテーブルについて説明する。
図11は、受付端末100のメモリ202に記憶された過去健診テーブルの一例である。
過去健診テーブルには、受診者IDと、該受診者IDに対応した受診者の各健診科目の以前(前回)の健診結果とが全ての受診予定者分、記憶されている。
過去健診テーブルも健診テーブルと同様に各健診科目毎に健診科目を識別する識別情報を記憶している。
ここで、図11の受診者IDが「1」のデータを見てみると、田中さん(氏名)の過去の健診結果は、「身長」が170cm、「体重」が50Kg、「血圧(上)」が250mHg、「血圧(下)」が50mHg、「腹囲」が80cm、「視力(右)」が1.5、「視力(左)」が1.5であることがわかる。
次に、図13のテーブルについて説明する。
図13は、図3におけるステップS309で受付端末100から携帯記録媒体160に記憶されたテーブルの一例であって、受診者情報と、全ての健診科目IDと、該健診科目ID毎に過去の健診結果(健診情報)と、健診予定情報とを含んでいる。なお、図8のテーブルは受診予定ではない健診科目の情報を携帯記録媒体160に記憶させない場合の例である。
図13の例では、受診者IDが「1」の氏名は「田中」であり、性別は男性であることを示している。また、健診科目が「身長測定」を示す健診科目ID「A」に紐付いて、今回の健診で受診予定であることを示す識別子「○」(健診予定情報)が記憶されている。そして、「身長測定」を示す健診科目ID「A」に紐付いて、過去(前回)の健診結果である「170cm」が記憶されている。
健診科目「体重測定」についても同様に、健診科目ID「B」に紐付いて、今回の健診で受診予定であることを示す識別子「○」(健診予定情報)が記憶されている。そして、「体重測定」を示す健診科目ID「B」に紐付いて、過去(前回)の健診結果である「50Kg」が記憶されている。
また、健診科目が「視力測定(右目)」を示す健診科目ID「F」に紐付いて、今回の健診で受診予定ではないことを示す識別子「×」(健診予定情報)が記憶されている。そして、「視力測定(右目)」を示す健診科目ID「F」に紐付いて、過去(前回)の健診結果である「1.5」が記憶されている。
以上のように、ステップS309では、健診テーブル(図10)と過去健診テーブル(図11)とから、ステップS305で変換された受診者IDのみのレコードを抽出した、受診者IDの受診者情報と、健診科目IDと、該健診科目ID毎の、過去の健診結果(健診情報)と、健診予定情報とを携帯記録媒体160に記録させる。
なお、記録媒体160にコントローラが内蔵されている場合、記録媒体160のコントローラは、ステップS309で送信されたデータを記録媒体160の不図示の記憶部に書込む(記憶する)。
また、図12は、携帯記録媒体160に記憶されるテーブルの一例であり、図13に記憶された健診科目IDと同じ健診科目IDと、当該健診科目ID毎に、今回の健診で受診済みの健診科目を識別する識別情報(図12の例では「○」)や、今回の健診でまだ受診していない健診科目を識別する識別情報(図12の例では「×」)や、今回の健診で後日再度健診を受診しなければならない健診科目を識別する識別情報(図12の例では「―」)や、今回の健診で当日中に再度健診を受診しなければならない健診科目を識別する識別情報(図12の例では「*」)が記憶されている。これらの識別情報を総称して健診経過情報と呼ぶことにする。
また、受診済みで、健診機器から得られた健診結果も、各健診科目毎に記憶することができる。
ステップS309で送信されたデータを記録媒体160の不図示の記憶部に記憶させる場合、図12に示す各健診科目IDを記憶すると共に、各健診科目IDに対応した健診経過情報と健診結果とを記憶する記憶領域を確保しておく。
次に、図1における各健診端末が実行する制御処理について説明する。
図4は、図1における各健診端末が実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、各健診端末(健診端末A(111)〜N(129))のCPU201がメモリ202に記憶される制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、以下では健診端末A111が実行する制御処理について説明するが、他の健診端末においても同様の処理が実行される。
図4において、まず、健診端末A111の電源が入り健診端末A111が起動されると、健診端末A111のCPU201は、図17に示すような健診システムメニューを初期メニュー画面としてディスプレイ205に表示する(ステップS401)。具体的には、CPU201は、図14に示すような関連付情報ファイルをメモリ202から読み出して、該読み出した関連付情報ファイル内のメニュー情報(メニューNo.、メニュー名(健診科目)等)に基づいて図17に示す健診システムメニューを表示するように制御する。
図14は、関連付情報ファイルの一例であり、図14に示すように関連付情報ファイルは、メニューNo.、メニュー名(健診科目)、メニュー(健診科目)を選択した場合に実行する処理プログラム名、選択された健診科目の健診機器の設定情報を記録した機器情報ファイル名、選択された健診科目に対応する健診科目ID等の情報を含む。
図17は、健診端末の初期メニュー画面の一例である。図17の初期メニュー画面における各種設定ボタン172が押下されると、サブメニュー(図示しない)が表示される。そして、表示されたサブメニューにて入力や編集を行うことで、BluetoothやIrDA等の各種通信手順の設定や新たな健診機器の設定ファイルの読込み等を実行することができ、これらの各設定データはメモリ202に記憶される。
図4に戻り、各健診科目のプログラムを起動するためのタッチボタンである図17に示す健診システムメニューの「1.視力検査」〜「11.癌簡易検査」のいずれかのボタン(例えば「10.身長・体重」ボタン)が押下されて、選択ボタン174のボタンが押下されることによりメニューが選択されると(ステップS402)、選択されたメニューのプログラムに対応する第2の閾値(図23)及び第3の閾値(図24)を取得する(ステップS403)。また、このときに、選択されたメニュー(健診科目)に対応する健診科目IDを図14の関連付け情報ファイルから取得する。
即ち、CPU201は、ディスプレイ205に表示される複数の健診メニュー(例えば、「1.視力検査」〜「11.癌簡易検査」など)から、いずれかの健診メニューが、ユーザによって選択されることを受付ける。そして、CPU201は、ユーザによって選択された健診メニューに対応する第2の閾値と第3の閾値とを取得する。
ここで、第2の閾値とは、健診機器から取得した測定値(データ)から、明らかに病気であるか否かを判定するための値である。即ち、測定値と第2の閾値とを比較することで、病気であるか否かを判定することが可能である。また、第3の閾値とは、今回、健診機器から取得した測定値(データ)と、前回、測定した際の測定値との差を算出し、算出された差から、健康状態が悪化しているか否かを判定するための値である。即ち、当該差と第3の閾値とを比較することで、健康状態が悪化しているか否かを判定することが可能である。
図23、図24は、それぞれ、全ての健診科目における第2の閾値と第3の閾値とを示したデータである。ステップS402で選択されたメニューが「身長・体重」(メニューNO.が「10」)であれば、当該「身長・体重」に対応するプログラム名「prohigwei」が実行される(図14)。そして、全ての健診科目における第2の閾値(図23)と第3の閾値(図24)とから、健診科目「身長・体重」に対応する第2の閾値及び第3の閾値のみを取得する。
次いで、健診端末A111のCPU201は、メモリ202に記憶されている関連付け情報ファイルに図15に示すように同一選択されたメニューに対して複数のメニューNo.(1−1と1−2)が存在するか否かを判別する(ステップS404)。図15は、関連付情報ファイルの他の例である。
ステップS404の判別の結果、複数のメニューNo.が存在するとき(ステップS404でYES)、つまり例えばメニューNo.に枝番がついている場合は、この複数の機器情報ファイルに対応する機器情報ファイル名から機器名称を読み出して不図示の画面に表示し(ステップS405)、複数のうちの一つがタッチにより選択されると(ステップS406)、処理をステップS407に進める。
ステップS404の判別の結果、複数のメニューNo.が存在しないときは(ステップS404でNO)、そのまま処理をステップS407に進める。
次いで、ステップS407では、選択されたメニューNo.(及び機器)に基づいて、メモリ202に記憶されている図14又は図15に示す関連付け情報ファイルの選択されたメニューNo.に該当する機器情報ファイル名をメモリ202のワークエリアに読込む。例えば、関連付け情報ファイルが図14に示す内容であり、「10.身長・体重」が選択された場合は、健診端末A111のCPU201は、選択に応じて機器情報ファイル名「fashigwei」及び対応する処理プログラム名「prohigwei」を読み込む。
次いで、ステップS408では、読み込まれた機器情報ファイル名の機器情報ファイルを読み込む。ここで、機器情報ファイルとは、機器毎に設定された情報であって、例えば、当該機器毎と通信するために必要な設定情報や、該機器毎の測定可能なデータ範囲(図22に示す第1の閾値テーブルが機器毎に設定されている)などがある。
次いで、ステップS409では、予め設定された全ての健診科目のうち、ステップS402で選択されたメニューに対応し、且つステップS406で選択された機器に対応する第1の閾値を第1の閾値テーブル(図22)から取得する(ステップS409)。具体的には、ステップS406で選択された機器に対応する第1の閾値テーブル(図22)から、ステップS402で「身長・体重」が選択されると、第1の閾値として、「上限:250,下限:0」のみを取得する。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS407で読み込んだプログラム名のプログラムを実行し(ステップS410)、処理プログラム画面をディスプレイ205に表示して(ステップS411)、本処理を終了する。
本処理におけるステップS410では、ステップS402で「視力」が選択されると、処理プログラム名「proeysght」を実行し、ステップS411では図18に示すような視力を測定するための画面をディスプレイ205に表示する。図18は、健診端末の処理プログラム画面の一例である。
図4の制御処理によれば、操作者が選択したメニューに対応する処理プログラムが実行されて、所望の健診科目における処理を実行できる。
次に、本実施の形態に係る健診情報処理システムが実行する健診情報処理について説明する。
図5は、本実施の形態に係る健診情報処理システムが実行する健診情報処理の手順を示すシーケンス図である。なお、図5のステップS501及びステップS502、ステップS504乃至ステップS511、ステップS517乃至ステップS522は各健診端末のCPU201がメモリ202に記憶される、健診科目の処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、ステップS512乃至ステップS516は各健診機器のCPU201がメモリ202に記憶されるプログラムを読み出して実行することにより実現される。
以下、健診端末A111、健診機器A110で実行されるものとして説明する。また、以下では、図17に示す健診システムメニューで「1.視力検査」ボタン171が押下され、図18に示す視力測定用の画面が健診端末A111のディスプレイ205に表示される場合について説明する。なお、本処理では、検査データの送信を健診機器側の操作で開始しているため(後述するステップS514)、図18の画面にはデータ受信ボタンは存在しない。
図5において、まず、健診端末A111のCPU201は、健診端末A111のリーダ/ライタ207にカード(記録媒体160)がかざされた(タッチされた)ことを判定する(ステップS501)。
記録媒体160がリーダ/ライタ207にタッチされたことを判定すると、健診端末A111のCPU201は、リーダ/ライタ207を介して記録媒体160に対して、ステップS403で取得した健診科目IDに対応する、前回の健診結果(健診情報)と健診予定情報と健診経過情報とを読み出す処理を行う(ステップS502,503)。
具体的には、健診端末A111のCPU201は、まず、ステップS403で取得した健診科目IDを記録媒体160に送信すると共に、当該健診科目IDに対応する、前回の健診結果(健診情報)と健診予定情報と健診経過情報との読取要求を、記録媒体160に対して行う(ステップS502)。
健診端末A111のCPU201は、記録媒体160から、受診者情報と、当該健診科目IDに対応する前回の健診結果(健診情報)と、健診予定情報と、健診経過情報とを読み込む(ステップS503)。ここで、ステップS402で選択された健診科目に対応する健診科目IDを、図14又は図15に示す関連付け情報ファイルから読み出し、図13に記憶された当該健診科目IDに紐付けられた前回の健診結果を取得する。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で受診者情報(受診者ID、性別、氏名など)を記録媒体160から取得できたか否かを判別し(ステップS504)、受診者ID、性別、氏名の何れか1つを取得できなかったと判別した場合は(ステップS504でNO)、エラーメッセージ(警告画面)を表示して(ステップS505)、ステップS501の処理へ戻り、再度、記録媒体160の読込みを待機する。
また、健診端末A111のCPU201は、全ての受診者情報(受診者ID、性別、氏名)を取得できたと判別した場合は(ステップS504でYES)、当該取得した受診者情報を健診端末A111のディスプレイ205に表示する(ステップS506)。表示画面の一例を図18に示す。図18の表示画面の「ID」の部分に、受診者IDが表示され、「氏名」の部分には、受診者の氏名が表示される。また、性別は、受診者IDの右に表示されている。
次いで、後述する図6の健診状況表示処理を実行して、健診状況を表示する(ステップS507)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、記録媒体160に記憶されている、ステップS403で取得した健診科目IDに対応する前回の健診結果を取得できたか否かの判別を行う(ステップS508)。そして、取得できたと判別した場合は(ステップS508でYES)、取得した当該健診科目の前回の健診結果を健診端末A111のディスプレイ205(表示部)に表示する(ステップS510)。
一方、取得できなかった場合は(ステップS508でNO)、後述する図7の過去健診情報表示処理を実行する(ステップS509)。
そして、過去の健診結果を表示し(ステップS510)、健診機器A110からの検査データ(今回の健診での検査結果)の受信待ち状態となり(ステップS511)、健診機器から検査データの受信を検知すると、処理をステップS517に進める。
一方、健診機器A110は、検査データの計測(身長及び体重の計測)を実行し(ステップS512)、計測が終了した後に、健診機器A110の表示部に表示された送信ボタン(図示しない)が測定者により押下されたことを認識すると(ステップS513)、健診機器A110は、検査データを健診端末A111に送信する(ステップS514)。
そして、健診機器A110は、検査データを正常に送信し終わると(ステップS511)、検査データを健診機器A110のメモリ(図示しない)内の保存エリアに記憶する(ステップS516)と共に、メモリのワークエリア中の最新の検査データ(表示用及び送信用の検査データ)をクリアして、次の計測開始を待つように制御する。
なお、健診機器A110は、ステップS514において検査データの送信が正常に終了しなかった場合は、タイムアウトになるまで検査データを再送し、タイムアウトになった場合は、当該健診機器A110のディスプレイ(図示しない)にエラーメッセージ(警告画面)を表示する。
次いで、健診端末A111のCPU201は、健診機器A110から送信された検査データ(健診結果)を受信(取得)すると、後述する図25の警告処理を実行する(ステップS517)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、健診機器A110から受信した検査データ(健診結果)を健診端末A111のメモリ202内のワークエリアに記憶し(ステップS518)、健診端末A111のディスプレイ205に当該健診結果を表示する(ステップS519)。
図18の例では、視力検査で裸眼の場合、今回の検査結果として左右の視力がそれぞれ「1.2」であることを表示している。また、前回の検査結果として、左右の視力がそれぞれ「1.5」であることを表示している。また、図18の画面では途中ボタンと対象外ボタンとが表示される。
次いで、健診端末A111のCPU201は、後述する図19の再健診状況表示処理を実行して、健診状況の表示を行う(ステップS520)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、図19の画面において登録ボタンが押下されると(ステップS521)、後述する図19の処理におけるステップS1901で途中ボタンが押下されたと判別した場合は(ステップS1901でYES)、ステップS403で取得した健診科目ID(健診科目)において当日中に再健診をしなければならないことを示すデータ「*(当日中に再健診をしなければならないことを示す識別情報)」(健診経過情報)とステップS514で健診機器A110から取得した健診結果とを記録媒体160に記録させるデータとしてセットして、ステップS403で取得した健診科目IDと一致する、記録媒体160に記憶された(図12の)健診科目IDに当該データを紐付けて記憶させるべく、当該記録媒体160に送信する(ステップS522)。
ここで、ステップS514で健診機器A110から健診結果を取得できなかった場合は、ステップS522で当日中に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報(*)のみを該健診科目IDと紐付けて記録媒体160に記憶させるべく、当該記録媒体160に送信する。
また、健診端末A111のCPU201は、図19の画面において登録ボタンが押下されると(ステップS521)、後述する図19の処理におけるステップS1903で対象外ボタンが押下されたと判別した場合は(ステップS1903でYES)、ステップS403で取得した健診科目ID(健診科目)において後日に再健診をしなければならないことを示すデータ「―(後日、再健診をしなければならないことを示す識別情報)」(健診経過情報)とステップS514で健診機器A110から取得した健診結果とを記録媒体160に記録させるデータとしてセットして、ステップS403で取得した健診科目IDと一致する、記録媒体160に記憶された(図12の)健診科目IDに当該データを紐付けて記憶させるべく、当該記録媒体160に送信する(ステップS522)。
ここで、ステップS514で健診機器A110から健診結果を取得できなかった場合は、ステップS522で後日に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報(―)のみを該健診科目IDと紐付けて記録媒体160に記憶させるべく、当該記録媒体160に送信する。
また、健診端末A111のCPU201は、図19の画面において登録ボタンが押下されると(ステップS521)、後述する図19の処理において途中ボタンと対象外ボタンとが押下されないと判別した場合は(ステップS1903でNO)、ステップS514で健診機器A110から取得した健診結果とステップS403で取得した健診科目ID(健診科目)において受診済みであることを示すデータ「○(受診済みであることを示す識別情報)」(健診経過情報)とを、ステップS403で取得した健診科目IDと一致する、記録媒体160に記憶された(図12の)健診科目IDに紐付けて記憶させるべく、当該記録媒体160に送信する(ステップS522)。
次いで、記録媒体160のコントローラは、健診端末A111のリーダ/ライタ207を介して当該データを受信すると、健診結果又は/及び健診経過情報を記録媒体160内の記録部に書込む(記録する)(ステップS523)。
以上により、受診者が持ち運ぶ記録媒体160に、当該受診者の検査データ(健診結果)(例えば、身長・体重、BMI値、適否判定値)が記録されることになる。
なお、健診機器A110側にも更にリーダ/ライタ(図示しない)を備え、健診機器A110のリーダ/ライタにおいて記録媒体160のタッチを検知して、健診機器A110のリーダ/ライタが記録媒体160に受診者情報を要求して、リーダ/ライタが記録媒体160から受信した受診者情報と検査データとを一括して健診機器A110から健診端末A111に送信し、健診端末A111が受診者情報と検査データとを受信して、受診者情報で突き合わせて検査データをメモリ202に記憶する処理を行なう構成でもよい。
また、BMI値及び適否判定値を健診機器A110側の不図示のステップで計算して検査データと一緒に健診端末A111に送信してもよい。
図6は、図5におけるステップS507の健診状況表示処理の手順を示すフローチャートである。
図6において、まず、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で読み取った、今回の健康診断で受診予定であることを示す健診予定情報(図13の「○」)が各健診科目ID(健診科目)毎にあるか否かを判定し(ステップS601)、受診予定であることを示す健診予定情報があると判定された健診科目に対して、網掛け表示を行う(図18、ステップS602)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で読み取った、今回の健康診断で受診予定であることを示す健診予定情報(図13の「○」)に変更がないか否かを判定し、変更がある場合は(ステップS603でYES)受診予定である健診科目で変更がある項目についての変更登録を行う。(ステップS604)変更がない場合(ステップS603でNO)は、ステップS605へ進む。ここで言う変更とは、図3のステップS309で先述の欠測理由の変更登録を指す。
図29は、健診端末A111において、欠測理由の登録を行う際に表示される画面の一例である。図29では、健診科目のうち、「胃内視鏡」の検診が行われているが、この時に、欠測ボタン2901の押下を受け付けると、図28で説明したような欠測理由の選択項目が表示され、該当する番号を選択して登録ボタン2092の押下を受け付けると、健診端末A111からの欠測理由登録が完了する。なお、欠測理由を登録した項目については、ステップS602で網掛け表示を行ったものを解除する。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で読み取った、受診済みであることを示す健診経過情報(図12の「○」)が各健診科目ID(健診科目)毎にあるか否かを判定し(ステップS605)、受診済みであることを示す健診経過情報があると判定された健診科目に対して「○」を健診端末A111のディスプレイ205に表示する(図18、ステップS606)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、図4のステップS402で選択されたメニューにより起動されたプログラムから現在の健診科目を判定し(ステップS607)、当該判定された現在の健診科目に対して「◎」を健診端末A111のディスプレイ205に表示する(図18、ステップS608)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で読み取った、後日に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報(図12の「―」)が各健診科目ID(健診科目)毎にあるか否かを判定し(ステップS609)、後日に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報があると判定された健診科目に対して「―」を健診端末A111のディスプレイ205に表示する(図18、ステップS610)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で読み取った、当日中に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報(図12の「*」)が各健診科目ID(健診科目)毎にあるか否かを判定し(ステップS611)、当日中に再健診をしなければならないことを示す健診経過情報があると判定された健診科目に対して「*」を健診端末A111のディスプレイ205に表示する(図18、ステップS612)。
次いで、健診端末A111のCPU201は、受診予定の健診科目について受診できない理由を示す欠測理由が登録されているか否かを判定し、(ステップS613)欠測理由が登録されている場合には、該当する健診科目が受診できないことを警告する表示を行う(ステップS614)。図30によれば、警告表示3001に胃内視鏡の健診が患者本人の都合により行えない旨が示されている。本欠測理由は、図3の受付処理にて登録されるものと同一である。
図6の健診状況表示処理によれば、受診者が受診しなければならない健診科目が網掛け表示され、既に受診済みの健診科目が「○」で表示され、現在の健診科目が「◎」で表示されるので、受診者が今後受診すべき項目を受診者又は測定者に把握させることができる。
また、健診機器の障害や受診者の体調等により、当日中の再検診が必要な健診科目がある場合、当該健診科目に「*」を表示させることで、測定者又は受診者に、どの健診科目を当日中に受診しなければならないかを把握させることができる。
また、当日中の再検診はできないが、後日再検診が必要な健診科目がある場合は、当該健診科目に「−」を表示させることで、測定者又は受診者に、どの健診科目を後日受診しなければならないかを把握させることができる。
なお、図6の健診状況表示処理では、網掛けや「○」や「◎」や「*」や「―」を表示したが、各健診科目を識別できればどのような表示であってもよい。具体的には、受診しなければならない健診科目を黄色で表示してもよく、現在の健診科目を淡紅色で表示してもよい。
図7は、図5におけるステップS509の過去健診情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
図7は、図12及び図13に示すデータを記憶することができないほど記憶容量が小さい携帯記録媒体が用いられた場合でも、今回の健診結果と過去の健診結果との比較が必要な所定の健診科目では、今回の健診結果と過去の健診結果とを表示させるための仕組みを示している。
具体的には、図11に示す過去健診テーブルを健診端末のメモリが記憶しており、健診端末が、ステップS503で取得した受診者IDに対応する過去の健診結果を健診端末に記憶された過去検診テーブルから取得する。そして、ステップS514で健診機器から取得した今回健診結果と当該過去の健診結果とを健診端末のディスプレイに表示させる処理である。
図7において、まず、健診端末A111のCPU201は、ステップS503で取得した受診者IDをキーに健診端末A111のメモリ202に記憶されている過去の健診結果(図11)を検索し(ステップS701)、当該受診者IDに対応する過去の健診結果を該メモリから読出し取得する(ステップS702)。
ここで、過去の健診結果は、図4のステップS402で選択されたメニュー(健診科目ID)に対応するデータ(過去の健診結果)のみを読出し取得する。即ち、例えば、ステップS402で選択されたメニューが「身長・体重」で、ステップS503で受信した受診者IDが「1」であった場合、図11に示す受診者IDが「1」で、健診科目が「身長・体重」の「160」のみをメモリから読出し取得する。
そして、取得した健診結果を過去の健診結果として、健診端末A111のディスプレイ205に表示して(図18、ステップS703)、本処理を終了する。
図7の過去健診情報表示処理によれば、記憶容量が小さい携帯記録媒体が用いられた場合でも、今回の健診結果と過去の健診結果との比較が必要な所定の健診科目で、今回の健診結果と過去の健診結果とを表示させることができ、受診の際に、受診者の健康状態が注意すべき状態か否かを受診者又は測定者に把握させることができる。
図25は、図5におけるステップS517の警告処理の手順を示すフローチャートである。
図25において、まず、受信した検査データ(健診結果)が図4のステップS409で取得した第1の閾値の範囲内か否かを判別し(ステップS801)、第1の閾値の範囲内でないときは(ステップS801でNO)、健診機器A110にエラーが生じている旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示する(ステップS802)。
ステップS801の判別の結果、第1の閾値の範囲内であるときは(ステップS801でYES)、検査データ(健診結果)が図4のステップS403で取得した第2の閾値を超えるか否かを判別し(ステップS803)、第2の閾値を超えるときは(ステップS803でYES)、病気である旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示する(ステップS804)。
ステップS803の判別の結果、第2の閾値を超えないときは(ステップS803でNO)、過去の健診結果を図7のステップS702で取得しているか否かを判別する(ステップS805)。
ステップS805の判別の結果、過去の検健診結果を取得しているときは(ステップS805でYES)、今回の検査データ(健診結果)と過去の健診結果との差を算出し(ステップS806)、当該算出された値(差)が図4のステップS403で取得した第3の閾値を超えるか否かを判別し(ステップS807)、第3の閾値を超えるときは(ステップS807でYES)、病気の疑いがある旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示する(ステップS808)。
ステップS802で警告画面を表示した後、ステップS805の判別の結果、過去の健診結果を取得していないとき(ステップS805でNO)、ステップS807の判別の結果、第3の閾値を超えないとき(ステップS807でNO)、並びにステップS808で警告画面を表示した後に、本処理を終了する。
図25の警告処理によれば、受診した検査データ(健診結果)が第2の閾値を超えるときは(ステップS803でYES)、病気である旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示し(ステップS804)、今回の検査データ(健診結果)と過去の健診結果との差が第3の閾値を超えるときは(ステップS807でYES)、病気の疑いがある旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示する(ステップS808)ので、受診の際に、受診者の健康状態が注意すべき状態か否かを受診者又は測定者に把握させることができる。
さらに、受信した検査データ(健診結果)が第1の閾値の範囲内でないときは(ステップS801でNO)、健診機器A110にエラーが生じている旨を警告する警告画面をディスプレイ205に表示する(ステップS802)ので、健診機器から取得した測定値が、健診機器で測定可能な範囲内の数値でない異常値であっても、このような異常値が測定値として携帯可能な記録媒体に記録されるのを防止することができる。
図19は、図5におけるステップS520の再健診状況表示処理の手順を示すフローチャートである。
図19において、まず、健診工程端末A111のCPU201は、図19の画面において途中ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS1901)。なお、図19の画面における途中ボタンは、受診者の体調等の問題により、当日中に再検診が必要と判定された場合に押下される。
ステップS1901の判別の結果、途中ボタンが押下されたときは(ステップS1901でYES)、現在の健診科目に「*」を表示して(ステップS1902)、本処理を終了する。
ステップS1901の判別の結果、途中ボタンが押下されないときは(ステップS1901でNO)、図19の画面において対象外ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS1903)。なお、図19の画面における対象外ボタンは、後日に再検診が必要と判定された場合に押下される。
ステップS1903の判別の結果、対象外ボタンが押下されたときは(ステップS1903でYES)、現在の健診科目に「‐」を表示して(ステップS1904)、本処理を終了する。
ステップS1903の判別の結果、対象外ボタンが押下されないときは(ステップS1903でNO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1における管理端末が実行する回収処理について説明する。
図9は、図1における管理端末が実行する回収処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、管理端末150のCPU201がメモリ202に記憶されるプログラムを読み出して実行することにより実現される(即ち、管理端末150のCPU201の制御の元で実行される)処理に対応する。なお、健診の開始に先立って健診テーブル(図10)を、USBメモリ等の手段で外部から読込んで、管理端末150のメモリ202に記憶しておくものとする。また、上記健診テーブル(図10)は、全受診予定者の健診予定情報であり、各健診科目の各健診結果が記録されている。
図9において、まず、管理端末150のCPU201は、ディスプレイ205(タッチパネルを兼ねる)やリーダ/ライタ207への操作を判定し、管理端末150のリーダ/ライタ207にカード(記録媒体160)がタッチされると、管理端末150のCPU201は、リーダ/ライタ207を介して記録媒体160に対して当該記録媒体160に記録されている受診者情報及び全ての健診結果(図12)の読取を開始する(ステップS901)。当該読取要求を受信した記録媒体160のコントローラは、受診者情報及び健診結果(図12)を管理端末150のリーダ/ライタ207に送信する(不図示)。
次いで、管理端末150のCPU201は、管理端末150のリーダ/ライタ207を介して一人分の受診者情報及び全健診科目の健診結果(図12)を記録媒体160から取得すると管理端末150のメモリ202のワークエリアに記憶する(ステップS902)。
次いで、管理端末150のCPU201は、メモリ202に記憶される健診テーブル(図10)と上記一人分の健診結果を照合する(ステップS903)。具体的には、記録媒体160から取得した受診者IDと一致する、健診テーブルの受診者IDのあるレコードを検索して特定する。
次いで、特定されたレコードの各健診科目毎に、受診しなければならないのにも関わらず受診していない健診科目があるか否かを判別する(ステップS904)。具体的には、ステップS903で特定されたレコードで受診予定の識別情報(「○」)が記憶された健診科目に対して、ステップS901で記録媒体160から読みこんだ当該健診科目に対応した健診結果として、未受診であることを示す識別情報(「×」)、当日中に受診しなければならないことを示す識別情報(「*」)および欠測理由を示す番号(「1〜4のいずれか」)があるか否かを判別する。
ステップS904の判別の結果、当日中に受診しなければならないことを示す識別情報(「*」)及び欠測理由を示す番号(「1〜4のいずれか」)があり(ステップS904でNO)、その情報が、欠測理由を示す番号ではない場合(「*」)、エラーメッセージを管理端末150のディスプレイ205に表示し(ステップS916)、欠測理由を示す番号(「1〜4」)である場合は(ステップS914でYES)、ステップS906の処理に進む。
次いで、管理端末150のCPU201は、管理端末150のディスプレイ205に図20に示すような検査結果及び判定結果画面(図20)を表示する(ステップS905)。図20は、管理端末150の回収処理プログラム画面の一例である。管理端末150のCPU201は、図20の画面において、受信した受診者情報に基づいて受診者IDや氏名210、性別や年齢を表示し、ステップS904の判定結果に基づいて未検査や未通過や検査済や受付済や後日受診(後日受診しなければならない)や当日受診(当日中に受診しなければならない)の区分を表示する。なお、図20に示す画面では、血液検査の結果212が未受付であること、聴力検査の結果211が受付済であること等を示している。
図9に戻り、管理端末150のCPU201は、図20の画面の各ボタン(リスト印刷ボタン213、表示切替ボタン214、印刷ボタン215、登録ボタン216)のタッチを検知し(操作判定し)、表示切替ボタン214が押下(タッチ)されたか否かを判別し(ステップS906)、表示切替ボタン214が押下されたときは(ステップS906でYES)、管理端末150のCPU201は、図20の初期画面がディスプレイ205に表示されていた場合は図21の健診データ明細表示画面に表示を切替え、図21の健診データ明細表示画面が表示されていた場合は図21の初期画面に表示を切替え(ステップS907)、処理をステップS906に戻す。
ステップS906の判別の結果、表示切替ボタン214が押下されないときは(ステップS906でNO)、印刷ボタン215が押下(タッチ)されたか否かを判別し(ステップS908)、印刷ボタン215が押下されたときは(ステップS908でYES)、管理端末150のCPU201は、メモリ202に記憶した受診者情報及び検査結果に基づいて、受診者個人用の結果リストの印刷を指示し(ステップS909)、処理をステップS906に戻す。
ステップS908の判別の結果、印刷ボタン215が押下されないときは(ステップS908でNO)、登録ボタン216が押下(タッチ)されたか否かを判別し(ステップS910)、登録ボタン216が押下されないときは(ステップS910でNO)、処理をステップS906に戻す。
ステップS910の判別の結果、登録ボタン216が押下されたときは(ステップS210でYES)、管理端末150のCPU201は、ステップS906における各検査データの検査漏れの判定結果に基づいて、検査漏れ、未受付、その他の異常データがあるか否かを判別し(ステップS911)、検査漏れ、未受付、その他の異常データがあるときは(ステップS911でYES)、管理端末150のCPU201は、管理端末150の不図示のスピーカから警告音を出力し、管理端末150のディスプレイ205に検査漏れ、未受付、その他の異常データがある健診科目の名称と受診者ID及び氏名、再度該当の健診科目に行くように促すメッセージを表示し(ステップS912)、処理をステップS913に進める。
ステップS911の判別の結果、検査漏れ、未受付、その他の異常データがないときは(ステップS911でNO)、管理端末150のCPU201は、健診結果ファイルに1人分の健診結果及び通過記録データを記憶して(ステップS913)、本処理を終了する。
なお、図9の回収処理では、健診結果ファイルの検査漏れ、未受付、その他の異常データがある場合は、管理端末150のCPU201は、管理端末150のメモリ202内の健診未完了フラグをオンにして記憶しておくように構成してもよい。
上述した本実施の形態では、ディスプレイ205をタッチパネル付きのディスプレイとして説明したが、ディスプレイ205を通常のディスプレイとし、マウス等のポインティングデバイスを設けて入力を行うように構成してもよい。
また、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されてもよい。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体等としての実施の態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよく、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
上述したように、図1に示した健診端末は、メモリ202に、図14、図15に示した関連付情報ファイル、各健診機器とのインタフェース設定、各処理プログラム、及び各健診機器の設定情報を少なくとも記憶する。そして、健診端末のCPU201は、図17に示した各健診メニューのいずれかの選択に応じて、上記健診機器の設定情報と上記処理プログラムとをメモリ202から読み出して実行する。
また、管理端末150は、メモリ202に健診情報(各健診科目の各健診データ及び通過記録データのフォーマットを含む)を記憶する。また、管理端末150のCPU201は、記録媒体160から受診者IDと、上記健診データを読み出し、上記フォーマットと上記健診データとに基づいて検査洩れの有無を判定し、検査漏れがあると判定した場合に、検査漏れと判定した健診科目の健診データ復旧の要否を上記フォーマットに基づいて判定する(図9)。
また、健診端末のCPU201は、メモリ202に各健診科目別の各健診機器別の設定情報を記憶し、上記処理プログラム(図5)は、上記各メニューを選択した場合に当該選択した健診科目における複数の健診機器から1つを選択させて、当該選択された健診機器に関連付けられた設定情報を読み出して処理を実行する。
以上の構成により、複数の処理プログラムを健診端末のメモリ202に記憶してメニューの選択に応じて所定の健診機器の設定を読み込んで対応する処理プログラムを健診端末のCPU201で実行するので、現有する様々な種類の健診機器及び様々な外部インタフェースに柔軟に対応可能で健診時の準備工数を大幅に削減可能な仕組みを提供することができる。
また、検査終了時点での検査洩れの有無を判定し画面に警告を表示するので検査漏れが生じない仕組みを提供する。
また、検査中においてどこの検査を受けなければ、ならないかを把握することができる仕組みを提供する。
また、健診機器や端末の不調にも迅速に対応可能な仕組みを提供する。
なお、特に図示しないが、本発明に係る装置で読み取り可能な各種プログラムやデータを格納する記録媒体(記憶媒体)には、該記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報、作成者等も記憶され、且つプログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施の形態における各フローチャート、及び画面に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、不図示のCD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。