JP5444793B2 - 可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置及び成層運転制御方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ピストンの上死点位置を変更して機械圧縮比を調整する可変圧縮比機構を備える可変圧縮比エンジンの成層運転を制御する装置及び方法に関する。
エンジンシリンダーに燃料を直噴するエンジンにおいては、エンジンの運転状態に応じて混合気の成層状態を調整することができる。たとえば特許文献1では、圧縮行程における燃料を噴射するタイミングを変更することで混合気の成層状態を調整している。
特開2003−193841号公報
しかしながら、前述した従来の手法のように、燃料を噴射するタイミングを変更しては、たとえば早期に燃料が噴射された場合には、噴霧が、ピストン冠面のキャビティーから外れてしまうことがある。すると、界面が明確で均質な成層混合気を形成することが困難であることが本件発明者らによって知見された。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、界面が明確で均質な成層混合気を形成することができる可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置及び成層運転制御方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、ピストン(33)の上死点位置を変更して機械圧縮比を調整する可変圧縮比機構を備える可変圧縮比エンジンの成層運転を制御する装置であって、エンジン運転状態に応じて設定された目標成層状態が強成層状態であるほど機械圧縮比を高める圧縮比調整部(ステップS16,S22,S310)と、前記圧縮比調整部によって機械圧縮比が高められるほど、エンジンシリンダー(31a)に臨んで設けられた燃料噴射弁(41)からの圧縮行程中の燃料噴射時期を進角させて、前記目標成層状態の成層混合気を生成する圧縮行程噴射制御部(ステップS18,S25,S313)と、前記エンジンシリンダー内の混合気に点火する点火時期制御部(ステップS19,S26,S314)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、エンジン運転状態に応じて設定された目標成層状態が強成層状態であるほど機械圧縮比を高めるとともに、圧縮行程中にピストン冠面の高さが所定位置に達したタイミングで、燃料噴射弁から燃料を直噴するようにした。このようにすれば、機械圧縮比が高まるにつれて圧縮行程における噴霧ペネトレーションが小さくなり、界面が明確で、コンパクトかつ高濃度な強成層混合気を形成しやすくなる。
本発明による成層運転制御を適用可能な可変圧縮比エンジンの一例を示す図である。 複リンク式可変圧縮比エンジンによる圧縮比変更方法を説明する図である。 圧縮比が異なるときのピストン位置について説明する図である。 圧縮比が異なるときの筒内ガス密度変化及び噴霧ペネトレーション変化を説明する図である。 最適タイミングで噴霧された燃料の拡散状態を、圧縮比に応じて図示した図である。 本発明による成層運転制御の第1応用形態の制御マップの一例を示す図である。 本発明による成層運転制御を利用する第2応用形態を示すフローチャートである。 第2応用形態を実行したときのタイムチャートである。 本発明による成層運転制御を利用する第3応用形態における圧縮比と筒内流動との関係を示す図である。 本発明による成層運転制御を利用する第3応用形態を示すフローチャートである。 第3応用形態を実行したときのタイムチャートである。 本発明による成層運転制御を利用する第4応用形態を示すフローチャートである。 第4応用形態を実行したときのタイムチャートである。 他の実施形態を示す図である。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(基本コンセプト)
図1は、本発明による成層運転制御を適用可能な可変圧縮比エンジンの一例を示す図である。
本件発明者らは、従来より、図1に示すようなピストンとクランクシャフトとを2つのリンクで連結する複リンク機構による可変圧縮比エンジン(以下「複リンク式可変圧縮比エンジン」という)について鋭意研究を重ねている。通常のエンジン(以下「ノーマルエンジン」という)は、ピストンとクランクシャフトとを1つのリンク(コネクティングロッド)で連結し、機械圧縮比が不変であり上死点でのピストンの位置は一定である。しかしながら、本件発明者らが研究する複リンク式可変圧縮比エンジンでは、上死点でのピストンの位置を変更できる。本件発明者らは、このような特性を利用すれば、混合気の成層状態を制御できることを知見したのである。
はじめに図1を参照して、本発明による成層運転制御を適用可能な可変圧縮比エンジンの一例を説明する。
複リンク式可変圧縮比エンジン10は、クランクシャフト32とピストン33とを2つのリンク(ロアリンク11、アッパリンク12)で連結するとともに、コントロールリンク13でロアリンク11の移動を規制して機械圧縮比を変更する。
ロアリンク11は、ほぼ中央の連結孔でクランクシャフト32のクランクピン32bに取り付けられる。ロアリンク11は、クランクピン32bを中心軸として回転する。ロアリンク11は左右の2部材に分割可能に構成される。クランクシャフト32は、複数のジャーナル32aとクランクピン32bとを備える。ジャーナル32aは、シリンダーブロック31及びラダーフレーム34によって回転自在に支持される。クランクピン32bは、ジャーナル32aから所定量偏心しており、ここにロアリンク11が回転自在に連結する。ロアリンク11は、一端を連結ピン21を介してアッパリンク12に連結し、他端を連結ピン22を介してコントロールリンク13に連結する。
アッパリンク12は、下端を連結ピン21を介してロアリンク11の一端に連結し、上端をピストンピン23を介してピストン33に連結する。ピストン33は、燃焼圧力を受け、シリンダーブロック31のシリンダー31a内を往復動する。
コントロールリンク13は、先端に連結ピン22を挿入し、ロアリンク11に回動可能に連結する。コントロールリンク13は、他端を連結ピン24を介してコントロールシャフト25に連結する。コントロールリンク13は、この連結ピン24を中心として揺動する。連結ピン24は、コントロールシャフト25に対して偏心する。コントロールシャフト25にはギヤが形成されており、そのギヤがアクチュエータ51の回転軸52に設けられたピニオン53に噛合する。アクチュエータ51によってコントロールシャフト25が回転させられ、連結ピン24が移動する。
コントローラ70はアクチュエータ51を制御してコントロールシャフト25を回転させて圧縮比を変更する。コントローラ70は燃料噴射弁41の燃料噴射を制御する。なお本実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン10では、燃料噴射弁41は燃焼室側方に配置される。コントローラ70はシリンダーヘッドに設けられた点火プラグ42の点火時期を制御する。コントローラ70は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ70を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
排気浄化触媒100は、排気通路の下流に配置されている。排気浄化触媒100は、暖機が完了して触媒成分が活性化されるとエンジン10から排出される排ガスを浄化可能になる。
図2は、複リンク式可変圧縮比エンジンによる圧縮比変更方法を説明する図である。
複リンク式可変圧縮比エンジンは、コントロールシャフト25を回転して連結ピン24の位置を変更することで、上死点でのピストンの位置が変わり圧縮比を調整できる。
すなわち図2(C)に示すように連結ピン24を位置Aにすれば、図2(A)に示すように上死点位置(TDC)が高くなり、圧縮比が高くなる。
また図2(C)に示すように連結ピン24を位置Bにすれば、コントロールリンク13が上方へ押し上げられ、連結ピン22の位置が上がる。これによってロアーリンク11はクランクピン32bを中心として反時計方向に回転し、連結ピン21が下がり、図2(B)に示すようにピストン上死点(TDC)におけるピストン33の位置が下降し、圧縮比が低くなる。
図3は圧縮比が異なるときのピストン位置について説明する図である。図3(A−1)〜図3(A−4)は低圧縮比の場合を示し、図3(B−0)〜図3(B−5)は高圧縮比の場合を示す。
図3(A−3)及び図3(B−3)を比較して分かるように、本実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジンでは圧縮比が異なると、上死点でのピストンの位置が変わる。図3(A−3)に示した低圧縮比の上死点位置は、図3(B−3)に示した高圧縮比の上死点位置に比べて低い。そして上死点位置が異なるので、同じクランク角度タイミングにおけるピストン位置を比較しても、低圧縮比のほうが高圧縮比よりも低い。たとえばクランク角度30degBTDCにおけるピストン位置を比較すると、図3(A−1)に示した低圧縮比のほうが図3(B−1)に示した高圧縮比に比べて低い。見方を変えると、低圧縮比のときのクランク角度30degBTDCにおけるピストン位置と(図3(A−1))、高圧縮比のときのクランク角度40degBTDCにおけるピストン位置と(図3(B−0))、がほぼ同じになる。また低圧縮比のときの上死点でのピストン位置と(図3(A−3))、高圧縮比のときのクランク角度28degBTDCのピストン位置と(図3(B−1)と図3(B−2)との間)、がほぼ同じになる。
ピストン位置と筒内ガス密度とは密接な関係がある。ピストン位置が高いほど筒内ガス密度が高くなる。そして筒内ガス密度とクランク角度との関係を示すと図4(A)のようになる。すなわち本実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジンでは、図4(A)に示されているように、筒内ガス密度がD1からD2に上昇するまでに要するクランク角度期間は、高圧縮比のときはクランク角度期間ΔThighであり、低圧縮比のときはクランク角度期間ΔTlowである。クランク角度期間ΔTlowはクランク角度期間ΔThighよりも長い。すなわち圧縮比が高いほうが低いよりも筒内ガス密度が速く変化する。そして高圧縮比のときは、さらに筒内ガス密度が高まってD3に達する。
ここで高圧縮比のときに筒内ガス密度D1になるタイミングT1で燃料を噴射した場合と、低圧縮比のときに筒内ガス密度D1になるタイミングT2で燃料を噴射した場合の噴霧ペネトレーション(penetration)を比較する。すると低圧縮比のほうが遅めのタイミングT2で噴射しているにもかかわらず、高圧縮比で早めのタイミングT1で噴射した場合よりも、圧縮上死点付近では噴霧ペネトレーションが大きくなっていることが分かる。すなわち噴霧は、より長い距離を移動しているのである。
これは、図4(A)から分かるように、低圧縮比のほうが筒内のガス密度が低いので、噴霧の抵抗が小さく噴霧ペネトレーションが大きくなる、というのが本件発明者らの知見である。
そこで本件発明者らは、このような特性を利用して、混合気の成層状態を制御することを創案した。
すなわち従来のノーマルエンジンでは、燃料噴射時期を早めたり遅めたりすることで筒内の混合気の成層状態を変えていた。
しかしながら、このような手法では、燃料を噴射したタイミングでの燃料噴射弁の噴射口からピストン冠面のキャビティーまでの距離が変わってしまう。そもそもキャビティーはピストンが最適位置にあるタイミングで噴射された燃料を受け止めて成層状態を維持できるように形状が設計されている。しかし従来のようにタイミングを変えて噴射しては、噴射タイミングにおける燃料噴射弁の噴射口からピストン冠面のキャビティーまでの距離が変わってしまい、キャビティーから燃料がこぼれてしまう。すると界面が明確で均質な成層混合気の形成が困難である。
ところで本実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン10では、上述のように、ピストン位置(燃料噴射弁の噴射口からピストン冠面のキャビティーまでの距離)が同じであっても、噴霧ペネトレーションを変えることができる。噴霧ペネトレーションが小さくなればコンパクトかつ高密度な、すなわち強成層な混合気を生成することができる。また設計上の最適位置のピストンに向けて噴射された燃料は、キャビティーで受け止められて成層状態が維持され、界面が明確になる。したがってたとえば成層運転するときに燃料量が少なくて済む。
図5は、最適タイミングで噴霧された燃料の拡散状態を、圧縮比に応じて図示した図である。図5(A−1)〜図5(A−4)は低圧縮比の場合を示し、図5(B−0)〜図5(B−5)は高圧縮比の場合を示す。
図5(A−1)に示すように、機械圧縮比が低い状態で最適タイミングで燃料が噴射されると、その後の筒内ガス密度の上昇が小さいことから、キャビティーに受け止められた混合気は拡散しやすい(図5(A−2),図5(A−3))。混合気は、点火タイミングでは弱成層状態である(図5(A−4))。
図5(B−0)に示すように、機械圧縮比が高い状態で最適タイミングで燃料が噴射されると、その後の筒内ガス密度の上昇が大きいことから、キャビティーに受け止められた混合気は拡散しにくい(図5(B−1)〜図5(B−4))。混合気は、点火タイミングでは、コンパクトかつ高濃度な強成層状態である(図5(B−5))。
なお筒内の密度履歴を変更させる手法として、吸気弁の閉じ時期を変更し、有効圧縮比を変更させる方法も考えられる。しかしながらこのような手法では、有効圧縮比の変化に筒内の空気量も大きく変化してしまうことから、本願のような作用効果を得ることは困難である。
本件発明者らは、上述のようにして成層混合気の状態を制御することを創案した。そしてこの技術を応用して、下記のような装置についても創案した。以下ではその内容について詳述する。
(第1応用形態)
図6は、本発明による成層運転制御の第1応用形態の制御マップの一例を示す図である。
本実施形態では、図6に示したマップにしたがってエンジンの運転状態が低回転低負荷であるほど機械圧縮比を高めるようにした。
このように低回転低負荷であるほど高圧縮比にして圧縮行程中にピストンが所定位置に達したタイミングで燃料を噴射すれば、混合気の成層度が高まり、コンパクトかつ界面が明確な強成層混合気が形成される。このような成層混合気であれば、火炎と壁面との接触面積(濡れ面積)が低減されるので、冷却却損失が低下し熱効率が向上する。
そして負荷の上昇に伴って要求噴射量が増加したら、段階的に圧縮比を低下させて弱成層混合気を形成する。このようにすればスモークの悪化が抑制され、成層領域を拡大して熱効率が向上する。なお作動ガスにEGRガスが導入されてもよい。
(第2応用形態)
図7は、本発明による成層運転制御を利用する第2応用形態を示すフローチャートである。
上述のように界面の明確な強成層な混合気を生成できれば、燃焼安定度が向上する。燃焼安定度が向上すれば、燃焼安定限界が拡がる。燃焼安定限界が拡がれば、点火時期の遅角限界が拡がる。そして点火時期を遅角できれば排ガス温度を高温化でき、たとえば排気浄化触媒の暖機時間を縮小できる。
シリンダー壁面の温度が十分に高温であれば、高濃度の成層混合気を供給しても、燃料がシリンダー壁面に付着することなく蒸発する。しかしながら、シリンダー壁面の温度が低いときに高濃度の成層混合気を供給しては、燃料がシリンダー壁面に付着してしまう可能性がある。さらに冷機始動時のようにシリンダー壁面の温度が非常に低ければ、たとえ低濃度であっても成層混合気が供給されることで燃料の壁面付着が生じてしまう可能性がある。そこでシリンダー壁面温度が非常に低いときには、吸気行程でのみ燃料を供給して混合気を均質状態にしておくことが望ましい。そしてシリンダー壁面の温度の上昇に合わせて成層混合気を増やすことが望ましい。本実施形態は、本件発明者らのこのような知見に基づきなされたものである。以下では図7に示したフローチャートを参照して具体的な制御内容について説明する。なおこのフローチャートは、冷機始動時において微小時間ごとに繰り返し実行される。
ステップS11においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度を検出する。具体的にはたとえば温度センサーを使用してシリンダー壁面の温度を直接的に検出してもよいし、エンジン始動時の冷却水温やエンジン始動からの経過時間などに基づいてシリンダー壁面の温度を推定(間接的に検出)してもよい。
ステップS12においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度が運転切替温度よりも低いか否かを判定する。低ければコントローラー70はステップS12へ処理を移行する。高ければコントローラー70はステップS16へ処理を移行する。
ステップS13においてコントローラー70は、機械圧縮比を維持する。
ステップS14においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて吸気行程の燃料噴射時期を遅角する。
ステップS15においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて点火時期を遅角する。
ステップS16においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて機械圧縮比を高める。
ステップS17においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて吸気行程の燃料噴射時期を遅角することで、燃料噴射割合を減少する。
ステップS18においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて圧縮行程の燃料噴射時期を進角することで、燃料噴射割合を増大する。なお上述のように機械圧縮比が高まるつれて、上死点でのピストンの位置が高くなる。したがって圧縮行程の燃料噴射時期を進角して早めに燃料を噴射することで、燃料を噴射したタイミングにおけるピストン位置(燃料噴射弁の噴射口からピストン冠面のキャビティーまでの距離)を一定に維持できるのである。
ステップS19においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて点火時期を遅角する。
図8は、第2応用形態を実行したときのタイムチャートである。
シリンダー壁面温度が運転切替温度に達する時刻t11まではコントローラーは、ステップS11→S12→S13→S14→S15を繰り返し処理する。これによって機械圧縮比は一定に維持される(図8(A))。燃料は吸気行程でのみ噴射されるとともに(図8(B))、シリンダー壁面の温度上昇に応じて噴射時期が遅角することで(図8(C))、燃料噴射量を増やす。点火時期は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて遅角する(図8(E))。このようにすれば排ガス温度が上昇するので、触媒温度も上昇する(図8(G))。
時刻t11でシリンダー壁面温度が運転切替温度を超えたら、コントローラーは、ステップS11→S12→S16→S17→S18→S19を繰り返し処理する。これによってシリンダー壁面の温度上昇に応じて機械圧縮比が高くなる(図8(A))。そして吸気行程に追加して圧縮行程でも燃料を噴射する(図8(B))。吸気行程の燃料噴射は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて噴射時期が遅角することで(図8(C))、燃料噴射割合を減少する(図8(B))。圧縮行程の燃料噴射は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて噴射時期が進角することで(図8(D))、燃料噴射割合を増加する(図8(B))。なお圧縮行程の燃料噴射時期を進角して早めに燃料を噴射することで、燃料を噴射したタイミングにおけるピストン位置(燃料噴射弁の噴射口からピストン冠面のキャビティーまでの距離)を一定に維持できる。点火時期は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて遅角する(図8(E))。このようにすれば、排ガス温度が上昇するので、触媒温度も上昇する(図8(G))。
本実施形態によれば、シリンダー壁面温度が非常に低いときには、吸気行程でのみ燃料を供給して混合気を均質状態にした。このようにしたので、筒内に直接燃料が付着することがなく、また圧縮比を低下させているので、クレビスボリュームの影響が相対的に小さくなることも加わって未燃成分(炭化水素HC)を低減できる。
そしてシリンダー壁面温度が運転切替温度を超えたら吸気行程に追加して圧縮行程でも燃料を噴射するようにした。圧縮行程の燃料噴射に追加して吸気行程に燃料噴射を行うことで、このように多段噴射にすることで、単段噴射する場合に比べて、燃料の過度に集中することがなく、オーバーリッチな混合気の形成が回避できる。筒内全体を使った弱成層場を形成することが可能である。
そしてすぐに強成層にしては燃料がシリンダー壁面に付着してしまうおそれがある。そこで壁温度が低い条件では、圧縮比を低くして弱成層混合気を形成し、燃料が過度に集中することを回避して液膜を低減することで、始動直後にエンジンから排出される未燃成分(炭化水素HC)を低減するようにした。
そして壁温が上昇するにつれて機械圧縮比を高めて、成層混合気のサイズを小さくするとともに、噴射量を増加して混合気の濃度を高めることによって、コンパクトで濃度の高い成層混合気が形成可能となる。このようにして高成層な混合気を形成することで、点火プラグの周囲にややリッチな混合気を形成するようにした。この状態では壁温が高いので液膜は問題とならない。この結果、点火安定度が向上し、リタード限界を拡大して排温を上昇させ触媒の活性を早めることで未燃成分(炭化水素HC)の排出低減と触媒の早期昇温を両立できるのである。
(第3応用形態)
図9は、本発明による成層運転制御を利用する第3応用形態における圧縮比と筒内流動との関係を示す図である。
図4(A)に示したように、高圧縮比では低圧縮比よりも筒内ガス密度が高くなる。そのため図4(B)に示したように、高圧縮比のほうが噴霧ペネトレーションが小さくなる。これは上述のように、高圧縮比のほうが、噴霧の抵抗が大きいからである、というのが本件発明者らの知見である。さらに本件発明者らは、高圧縮比のほうが筒内ガス密度が高くなることで、筒内乱流に対する抵抗も大きくなって筒内乱流が減衰しやすいということも知見した。
この実験結果を示したのが図9である。
スワールコントロールバルブやタンブルコントロールバルブのような吸気流動コントロールバルブを使用しなければ、吸気上死点後の吸気行程中に筒内に発生する乱流強度は、破線で示した高圧縮比であっても、一点鎖線で示した低圧縮比であっても、ほぼ同じである。そして圧縮行程では高圧縮比のほうが低圧縮比よりも減衰する。これは高圧縮比のほうが低圧縮比よりも筒内ガス密度が高いので、筒内乱流に対する抵抗も大きくなって筒内乱流が減衰しやすいからである、というのが発明者らの知見である。
スワールコントロールバルブやタンブルコントロールバルブのような吸気流動コントロールバルブを使用すれば、実線で示すように、吸気上死点後の吸気行程中に筒内に発生する乱流強度が大きい。しかしながら圧縮行程では、吸気流動コントロールバルブを使用しない場合と同程度に筒内乱流が減衰する。これは高圧縮比であれば、筒内ガス密度が高いので、筒内乱流に対する抵抗も大きくなって筒内乱流が減衰しやすいからである、というのが発明者らの知見である。
高圧縮比においてコンパクトな成層混合気を形成する場合には、噴射時期を進角するので、点火までの時間は低圧縮比の場合よりも長くなる。しかしながら、高圧縮比においては、圧縮上死点付近の乱れが減衰するので拡散しにくく成層混合気を形成しやすい。このような特性を利用して、高圧縮比で吸気流動コントロールバルブを使用して吸気行程中のハッチング領域のいずれかのタイミングIT1で1度目の燃料を噴射すれば、燃料の拡散性が上がり均質度を向上できる。そして圧縮行程中の網掛け領域のいずれかのタイミングIT2で2度目の燃料を噴射しても、2度目噴射時には乱流が減衰しているので、成層混合気が拡散してしまうなどの跳ね返りが生じないのである。
図10は、本発明による成層運転制御を利用する第3応用形態を示すフローチャートである。なおこのフローチャートは、冷機始動時に実行される。
ステップS21においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度を検出する。
ステップS22においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて機械圧縮比を高める。
ステップS23においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて吸気流動を強化する。
ステップS24においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて吸気行程の燃料噴射時期を遅角する。
ステップS25においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて圧縮行程の燃料噴射時期を進角する。
ステップS26においてコントローラー70は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて点火時期を遅角する。
図11は、第3応用形態を実行したときのタイムチャートである。
コントローラーは、ステップS21→S22→S23→S24→S25→S26を繰り返し処理する。これによってシリンダー壁面の温度上昇に応じて機械圧縮比が高くなる(図11(A))。またシリンダー壁面の温度上昇に応じて吸気流動を強化する(図11(F))。そして吸気行程の燃料噴射時期は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて遅角する(図11(C))。圧縮行程の燃料噴射時期は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて進角する(図11(D))。点火時期は、シリンダー壁面の温度上昇に応じて遅角する(図11(E))。このようにすれば排ガス温度が上昇するので、触媒温度も上昇する(図11(H))。
本実施形態では、圧縮行程と吸気行程とで燃料を噴射するようにした。圧縮行程での燃料噴射量と吸気行程での燃料噴射量とを概ね等しく設定した。そして圧縮比が高まるにつれて、圧縮行程での噴射時期を進角することで、成層混合気のサイズを小さくし、かつ濃度を高めるようにした。そして点火時期を遅角するようにした。筒内全体の空燃比は理論空燃比近傍からA/F17程度までのスライトリーンに設定した。このため余剰酸素によって触媒を早期活性できるとともに未燃成分(炭化水素HC)の後燃えを促進できるのである。
また吸気行程と圧縮行程との噴射割合を概ね1:1としている。燃料噴射量をパルス幅によって成層混合気の濃度とサイズを変更した場合は、噴射弁の最小パルス幅によって、成層度の制御性が制限されてしまうが、本実施形態においてはパルス幅を略一定とした状態で機械圧縮比により成層度を制御している。したがって、最小パルス幅の制限によらず簡便に混合気の成層度合いを調整することができる。
壁温度が低い条件では、圧縮比を低くして弱成層混合気を形成し、燃料が過度に集中することを回避して液膜を低減することで、始動直後にエンジンから排出される未燃成分(炭化水素HC)を低減するようにした。そして壁温が上昇するにつれて圧縮比を高めて高成層な混合気を形成することで、点火プラグの周囲にややリッチな混合気を形成するようにした。この状態では壁温が高いので液膜は問題とならない。この結果、点火安定度が向上し、リタード限界を拡大して排温を上昇させ触媒の活性を早めることで未燃成分(炭化水素HC)の排出低減と触媒の早期昇温を両立できる。
さらに圧縮比の上昇にともなって吸気流動を強化する。吸気行程の流動によって吸気行程に噴射した燃料の混合と拡散が促進され、より均質度の高い混合気が筒内に形成できる。また圧縮行程においては乱れが減衰し消散した比較的穏やかな流動場の中へ噴霧が噴射されることから、流動場の影響を受けずに噴霧の運動量によって点火プラグ近傍に成層混合気が形成され輸送される。筒内全体の均質性は高めつつ、点火プラグ周りには比較的リッチな混合気を集中させることが可能となり、点火安定度が向上するとともに、その後の火炎伝播速度も改善する。この結果、点火時期のリタードを増加でき、より排温上昇を早めることができる。
(第4応用形態)
図12は、本発明による成層運転制御を利用する第4応用形態を示すフローチャートである。
ステップS301においてコントローラー70は、実トルクを検出する。
ステップS302においてコントローラー70は、運転モードが過渡モードであるか否かを判定する。過渡モードであればコントローラー70はステップS309へ処理を移行する。過渡モードでなければコントローラー70はステップS303へ処理を移行する。
ステップS303においてコントローラー70は、目標トルクが増大したか否かを判定する。目標トルクが増大するまではコントローラー70はステップS304へ処理を移行する。目標トルクが増大したらコントローラー70はステップS308へ処理を移行する。
ステップS304においてコントローラー70は、機械圧縮比を維持する。
ステップS305においてコントローラー70は、空燃比を維持する。
ステップS306においてコントローラー70は、吸気行程の燃料噴射を維持する。
ステップS307においてコントローラー70は、点火時期を維持する。
ステップS308においてコントローラー70は、運転モードとして過渡モードを設定する。
ステップS309においてコントローラー70は、実トルクが目標トルクに一致したか否かを判定する。一致するまではコントローラー70はステップS310へ処理を移行する。一致したらコントローラー70はステップS315へ処理を移行する。
ステップS310においてコントローラー70は、目標トルクに対する実トルクの乖離量に応じて機械圧縮比を設定する。
ステップS311においてコントローラー70は、目標トルクに対する実トルクの乖離量に応じて空燃比を設定する。
ステップS312においてコントローラー70は、目標トルクに対する実トルクの乖離量が小さくなるほど吸気行程の燃料噴射割合を増大する。
ステップS313においてコントローラー70は、目標トルクに対する実トルクの乖離量が小さくなるほど圧縮行程の燃料噴射割合を減少する。
ステップS314においてコントローラー70は、目標トルクに対する実トルクの乖離量が小さくなるほど点火時期を遅角する。
ステップS315においてコントローラー70は、運転モードとして定常モードを設定する。
図13は、第4応用形態を実行したときのタイムチャートである。
目標トルクが増大する時刻t21まではコントローラーは、ステップS301→S302→S303→S304→S305→S306→S307を繰り返し処理する。これによって機械圧縮比(図13(B))、空燃比(図13(C))、点火時期(図13(D))、吸気行程の燃料噴射(図13(E))は、一定に維持される。
時刻t21で目標トルクが増大したらコントローラーは、ステップS301→S302→S303→S308と処理して運転モードとして過渡モードを設定する。
次サイクル以降、実トルクが目標トルクに一致するまでは、コントローラーは、ステップS301→S302→S309→S310→S311→S312→S313→S314を繰り返し処理する。これによって目標トルクに対する実トルクの乖離量に応じて機械圧縮比が設定される(図13(B))。目標トルクに対する実トルクの乖離量に応じて空燃比が設定される(図13(C))。このとき出力空燃比はスライトリッチになっている。目標トルクに対する実トルクの乖離量が小さくなるほど吸気行程の燃料噴射割合が増大されるとともに圧縮行程の燃料噴射割合が減少される(図13(E))。目標トルクに対する実トルクの乖離量が小さくなるほど点火時期が遅角される(図13(D))。
本実施形態の運転シーンは、過渡の加速シーンである。加速条件においても、要求トルクに対して、圧縮比を低下させるが、図13に示したように圧縮比の応答遅れが問題となってノッキングやプレイグニッションなどの異常燃焼が発生する可能性がある。
そこで本実施形態では、吸気行程及び圧縮行程で分割噴射するとともに、点火時期をリタードすることで、高圧縮比条件においては成層度を高めるようにした。またあわせて圧縮行程の噴射割合を増加し、点火プラグから燃焼室中心付近にリッチな成層混合気を形成することで、火炎伝播速度を向上させるようにした。このようにすれば異常燃焼を回避できる。そしてこのときの空燃比は理論空燃比よりもやや濃い側に設定するので、作動ガスの比熱を低下させてエンドガスの温度が低下するので、ノッキングやプレイグニッションの異常燃焼を回避できるのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
たとえば、上記実施形態においては、燃料噴射弁41が燃焼室側方に配置されており、成層混合気を生成するためにピストンのキャビティーを利用する場合を例示して説明した。しかしながら、図14に示すように、燃料噴射弁を燃焼室直上に配置して、キャビティーを積極的に利用せずに成層混合気を生成するものであっても、同様の効果が得られる。
10 複リンク式可変圧縮比エンジン
11 ロアリンク
12 アッパリンク
13 コントロールリンク
25 コントロールシャフト
32 クランクシャフト
33 ピストン
ステップS16,S22,S310 圧縮比調整部/圧縮比調整工程
ステップS17,S24,S312 吸気行程噴射制御部/吸気行程噴射制御工程
ステップS18,S25,S313 圧縮行程噴射制御部/圧縮行程噴射制御工程
ステップS19,S26,S314 点火時期制御部/点火時期制御工程

Claims (10)

  1. ピストンの上死点位置を変更して機械圧縮比を調整する可変圧縮比機構を備える可変圧縮比エンジンの成層運転を制御する装置であって、
    エンジン運転状態に応じて設定された目標成層状態が強成層状態であるほど機械圧縮比を高める圧縮比調整部と、
    前記圧縮比調整部によって機械圧縮比が高められるほど、エンジンシリンダーに臨んで設けられた燃料噴射弁からの圧縮行程中の燃料噴射時期を進角させて、前記目標成層状態の成層混合気を生成する圧縮行程噴射制御部と、
    前記エンジンシリンダー内の混合気に点火する点火時期制御部と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  2. 前記圧縮行程噴射制御部は、圧縮行程中にピストン冠面の高さが所定位置に達したタイミングで、前記燃料噴射弁から燃料を噴射することで、前記目標成層状態の成層混合気を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  3. 前記圧縮比調整部は、エンジンの運転状態が低回転低負荷であるほど機械圧縮比を高くする、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  4. 吸気行程中に前記燃料噴射弁から燃料を噴射することで、均質混合気を生成する吸気行程噴射制御部をさらに備え、
    エンジンの運転状態が触媒を暖機する運転状態であるときは、
    前記圧縮比調整部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて機械圧縮比を高め、
    前記吸気行程噴射制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて燃料噴射時期を遅角するとともに燃料噴射割合を減少させ、
    前記圧縮行程噴射制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて燃料噴射時期を進角するとともに燃料噴射割合を増加させ、
    前記点火時期制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて点火時期を遅角する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  5. エンジンの運転状態が触媒を暖機する運転状態の場合であってエンジンシリンダーの壁面温度が運転切替温度よりも低いときには、
    前記圧縮比調整部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇にかかわらず機械圧縮比を維持し、
    前記吸気行程噴射制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて燃料噴射時期を遅角し、
    前記圧縮行程噴射制御部は、燃料噴射を停止し、
    前記点火時期制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて点火時期を遅角する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  6. 吸気行程中に前記燃料噴射弁から燃料を噴射することで、均質混合気を生成する吸気行程噴射制御部と、
    エンジンシリンダーに吸入される吸気の流動強度を制御する吸気流動制御部と、
    をさらに備え、
    エンジンの運転状態が触媒を暖機する運転状態であるときは、
    前記圧縮比調整部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて機械圧縮比を高め、
    前記吸気行程噴射制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて燃料噴射時期を遅角し、
    前記圧縮行程噴射制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて燃料噴射時期を進角し、
    前記点火時期制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて点火時期を遅角し、
    前記吸気流動制御部は、エンジンシリンダーの壁面温度の上昇に応じて吸気流動を強める、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  7. 前記エンジンシリンダーの壁面温度は、エンジン始動時の冷却水温とエンジン始動からの経過時間によって検出される、
    ことを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  8. 吸気行程中に前記燃料噴射弁から燃料を噴射することで、均質混合気を生成する吸気行程噴射制御部をさらに備え、
    エンジンの運転状態が目標トルクが上昇して目標トルクに対して実トルクが不足する過渡運転状態であるときは、
    前記圧縮比調整部は、実トルクの上昇に応じて機械圧縮比を低め、
    前記吸気行程噴射制御部は、実トルクの上昇に応じて燃料噴射割合を増加させ、
    前記圧縮行程噴射制御部は、実トルクの上昇に応じて燃料噴射割合を減少させ、
    前記点火時期制御部は、実トルクの上昇に応じて点火時期を遅角する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  9. 前記可変圧縮比機構は、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるロアリンクと、
    前記ロアリンク及びピストンに連結されるアッパリンクと、
    前記ロアリンクに連結され、ロアリンクの移動を規制するコントロールリンクと、
    前記コントロールリンクの揺動中心になる揺動中心ピンを含み、その揺動中心ピンの位置を変更してピストンの上死点位置を調整するコントロールシャフトと、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジンの成層運転制御装置。
  10. ピストンの上死点位置を変更して機械圧縮比を調整する可変圧縮比機構を備える可変圧縮比エンジンの成層運転を制御する方法であって、
    エンジン運転状態に応じて設定された目標成層状態が強成層状態であるほど機械圧縮比を高める圧縮比調整工程と、
    前記圧縮比調整工程によって機械圧縮比が高められるほど、エンジンシリンダーに臨んで設けられた燃料噴射弁からの圧縮行程中の燃料噴射時期を進角させて、前記目標成層状態の成層混合気を生成する圧縮行程噴射制御工程と、
    前記エンジンシリンダー内の混合気に点火する点火時期制御工程と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比エンジンの成層運転制御方法。
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