JP5441828B2 - 注出器具及び該注出器具への光硬化性材料の充填方法 - Google Patents

注出器具及び該注出器具への光硬化性材料の充填方法 Download PDF

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Description

本発明は充填材料を容器内の充填室に充填させる際に、充填室から空気抜きすることができる注出器具及び該注出器具への光硬化性材料の充填方法に関する。
下記の特許文献1によると、歯科治療用充填材料の使い捨て容器(注射器チップ)が開示され、使い捨て容器は、一回の使用のために十分な量の歯科用充填材料を含有し、通常は1回の使用で廃棄される。このような容器は、充填室を形成するシリンダ状の筒状部が設けられ、筒状部の先端側にはノズルが形成され、筒状部の内部にはピストンが収容されている。ピストンは、先端側が円錐形状であり、後端側が円柱形状であって充填室の蓋部材にもなる。
このような使い捨て容器について、充填材料を注入するときには、使い捨て容器の後端側の開口から注入し、注入後に使い捨て容器にピストンを装填して使い捨て容器の後端側を閉塞する。充填材料を注出するときには、ガン形式の歯科用注射器に使い捨て容器をセットし、歯科用注射器によってピストンが使い捨て容器の先端側へ移動して充填材料を押し出すことによって、使い捨て容器の先端部のノズルから注出させる。
特開平2−228958号公報
このような歯科用充填材料に空気が混入すると、歯科用充填材料の品質の低下や正確な充填材料の注入ができなくなるなどの問題が生じる。
引用文献1では、充填材料を使い捨て容器に注入する際に、容器の後端側から充填材料を注入することによって、ノズル側から空気を排出する。しかしながら、容器の後端側にピストンを装填する際に、充填材料とピストンとの間に挟まれるようにして空気が残留する。この残留空気については、引用文献1では、ピストンの先端を円錐形状にすることによって、残留空気の量を少なくしているが、十分ではない。
例えば、使い捨て容器の充填室の全体に充填材料を並々入れた状態で、ピストンを装填して空気が入り込まないようにすることは可能であるが、充填材料毎の正規使用量に合わせて多数の大きさの使い捨て容器を準備しなければならない。また、使い捨て容器に並々充填材料を注入した状態でピストンを充填室に押し込むと、ピストンの押し込み量相当分の充填材が排出されることになり、充填材料の無駄となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、注出器具などの容器に充填材料を注入する際に、充填室に空気が残留するのを防止することができる注出器具及び該注出器具への光硬化性材料の充填方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の注出器具は、光硬化性材料を収容する充填室を有する筒状部と該筒状部の先端部側に設けられ光硬化性材料を外部に注出する注出ノズルとを本体が備え、前記筒状部内周面を摺動可能に配設されるピストンが、前記充填室に配設された光硬化性材料を押出して前記注出ノズルから注出させる注出器具において、前記ピストンに該ピストンの軸方向に延びる空気抜き通路を形成し、前記ピストンの充填室側における空気抜き通路周辺の光硬化性材料を光硬化させることによって、前記空気抜き通路を閉塞するようにした。
上記注出器具は、前記空気抜き通路から前記光硬化性材料に光を照射させて前記空気抜き通路を閉塞することができ、また、前記ピストンを光透過性材料で形成し、該ピストンの外側から充填室内の光硬化性材料に光を照射して前記空気抜き通路を閉塞することもできる。
上記目的を達成するために、本発明の注出器具への光硬化性材料の充填方法は、注出器具の充填室に光硬化性材料を注入した後に、充填室から空気抜き通路を経て空気抜きを行い、該空気抜きをした後に前記空気抜き通路を閉塞するようにした注出器具への光硬化材料の充填方法において、前記充填室に光硬化性材料を注入する工程と、前記充填室への光硬化性材料の注入時若しくは注入後に、ピストンに形成された空気抜き通路から前記充填室内の空気を排出させる空気抜き工程と、光硬化性材料にピストンの外側から光を照射させてピストン前面の前記空気抜き通路の開口周辺の光硬化性材料を硬化させて前記空気抜き通路を閉塞する工程と、を含むようにした。
本発明によれば、注出器具のピストンの軸方向に延びる空気抜き通路を前記ピストンに形成し、該ピストンの充填室側における空気抜き孔周辺の光硬化性材料を光硬化させることによって、前記空気抜き通路を閉塞するようにしたので、注出器具の充填室の空気抜きを確実にかつ容易に行うことができる。とくに、従来では、ピストンが摺動する筒状部の内面とピストンとの間から空気抜きを行うことがあったが、その必要はなく充填室の密閉性を確保することができる。
本発明の第1の実施形態による注出器具の断面図である。 図1の注出器具の分解断面図である。 図1の注出器具に用いられるピストンであり、Aは光透過性の材質で形成されたピストンの斜視図、Bは非光透過性の材質で形成されたピストンの斜視図である。 図1の注出器具の寸法を説明するための断面図である。 図1の注出器具に光硬化性材料を注入するときの空気抜きを行っている状態を説明するための概略図であって、Aは注出器具に光硬化性材料を注入した状態の断面図、Bは注出器具の後端側にピストンを装填してピストンと光硬化性材料との間の空気抜きを行っている初期段階の断面図、Cは吐出容器の充填室から空気抜きを行った後の断面図、Dは光照射をして光硬化性材料を光硬化させている状態の断面図である。 図1の注出器具に用いられるピストンであり、Aは光透過性の材質で形成されたピストンの前面に光硬化性材料が円板形状に硬化した状態の斜視図、Bは非光透過性の材質で形成されたピストンの前面の空気抜き孔の前側開口に光硬化性材料が半円球形状に硬化した状態の斜視図である。
次に、本発明の実施形態による注出器具及び注出器具への光硬化材料の充填方法について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書では、注出器具のノズルがある側を先端(前)側とし、反対側を後端(後)側とする。
図1は、本発明に係わる歯科用の光硬化性材料に用いられる注出器具の断面図、図2は注出器具の分解断面図である。
注出器具1は、通常、1回の使用によって廃棄されるよう小型のものであり、各々が合成樹脂で成形されている本体2、ピストン4及びキャップ5から構成されている。本体2は、シリンダ形状の筒状部6を設け、筒状部6の先端側に注出部7を設け、後端側に拡径部8を一体成形によって形成している。筒状部6は断面が円形であり、注出部7との境界部10まで延びている。
注出部7は、外形がほぼ円錐形状であり、内部には境界部10から先端側に向かって先細りのテーパ面15を形成し、該テーパ面15の先端側の側部にはノズル12が設けられ、ノズル12は光硬化性材料の注出口となる。円筒形状のノズル12は先端から後端まで同径であり、ノズル12は軸線が本体の軸線に対して斜め先端側へ約45度の傾きをもって形成されている。注出部7は本実施形態では、本体2と一体成形によって形成したが、本体2とは別部材で接着、溶着してもよい。また、注出部7の形状は円錐形状にしたが、ピストン4の前端側の平面形状に対応させるため、普通の注射器のように本体2の前端側を平坦にしていきなりノズル12を軸方向若しくは斜めに接続してもよい。ノズル12の先端側には、着脱可能なキャップ5が被せられている。
図3のAに示すように、ピストン4は外形が円柱形状であり、本実施形態ではポリテトラフルオロエチレン製等の半透明で全体が光を透過させる材料で形成されている。ピストン4の中央には、軸方向に延びかつピストン4を貫通する空気抜き孔9が形成されている。空気抜き孔9は中央部に形成することが望ましいが、場合によっては中央から外れた部位に形成してもよく、複数形成することもありうる。
ピストン4の外径は、筒状部6の内径に同じ若しくはほぼ等しく形成されている。筒状部6とピストン4との摩擦係数やそれらの部材の弾性力などを考慮して決定すればよく、ピストン4は筒状部6の内周面を摺動するよう形成する。筒状部6の内周面とピストン4の前面とにおける内部空間が充填材料の充填室24となる。
ここで、注出器具1の寸法の一例について説明する。
図4を参照にして、本体2の筒状部6の内径aは4mmであり、筒状部6の長さbは23mmであり、注出部7のノズル12を含めない長さcは3mmであり、本体2の軸方向におけるノズル12の長さdは2mmである。ピストン4は外径が筒状部6の内径aに対応させて4mmである。また、空気抜き孔9の直径eは、空気の抜き易さや、その後の孔の閉塞の確実さから0.1〜1mmが好ましく、図4では0.5mmである。
なお、本発明は注出器具1の大きさについては、本実施形態に限定されることはなく、これよりも十分に大きな注出器具にも適用が可能である。
次に、本実施形態の注出器具の作用について説明する。
図示しない光硬化性の充填材料Sのストック容器から、図5のAに示すように、注出器具1の本体2の後端側の開口から所定量の充填材料Sを注入する[光硬化性材料を注入する工程]。
光硬化性材料としては、レジン系材料、例えば欠損した歯牙の充填修復用コンポジットレジン、歯冠修復材料、歯科用セメントなどがある。充填材料Sの充填後に、充填材料Sが筒状部6の後端開口まで満たされない場合には、後端側が空間となり、その後端開口にピストン4で蓋をするように、筒状部6にピストン嵌入する。すると、ピストン4と充填材料Sとの間に空気の隙間が形成される。同様に、注出部7やノズル12の内部に空気が残ることがある。
従来では、この空気を外部に逃がすために、ピストン4と筒状部との間に空気が抜けるほどの隙間を形成して空気抜きを行なうこともあった。しかしながら、本実施形態では、ピストン4に空気抜きの孔を形成しているので、ピストン4を筒状部6に押し込むことによって、空気抜き孔9の一方の開口9aから他方の開口9bへ空気が流れて排出される。こうして、筒状部6の内部から空気を抜くことができる[空気抜き工程]。
一方、注出部7側の空気は、ピストン4と充填材料Sとの間の空気を抜いた後、図5のCに示すように、ピストン4をさらに押し込んで、充填材料Sをノズル先端に達するまで押し込むことによって、ノズル12側の空気の排出ができる。
このように、本実施形態では空気抜き孔9を形成して、空気抜きを行ったものの空気抜き孔9を有するので密閉性に欠けている。そこで、図5のDに示すように、光照射装置19を用い、注出器具1の後端側からピストン4の後面を照射する。ピストン4は光透過性の材料で形成しているので、図3のAに示すように照射光を透過させて充填材料Sを照射する。照射時間は所定範囲で行われる。充填材料Sは光を照射されることによって硬化し、図6のAに示すように、ピストン4に接する部分が薄い円板形状の光硬化体20を形成して空気抜き孔9を閉塞する。なお、ピストン4の押し込みによって、空気抜き孔9の内部にまで充填材料Sが滲入している場合があるが、この滲入した充填材料Sも硬化し閉塞性を高める[空気抜き通路を閉塞する工程]。
本実施形態では、充填材料Sは、一定の波長の光を適切な強度で照射することによって、光硬化するものであって、蛍光灯のような室内光ではほぼ硬化しないか、極めて緩やかにしか硬化しないものを使用している。空気抜き孔9の確実なる閉塞性を勘案すれば、光硬化体20の厚みは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であるのが好ましい。また、光硬化体20があまり厚くなっても、充填室24に充填した充填材料Sをロスするので3mm以下、より好ましくは2.5mm以下の厚みに抑えるのが好ましい。このような光硬化体20の厚みの制御は、光照射装置19の照射時間や照射強度によっても調整可能ではあるが制御が難しいので、ピストン4の光透過性の強さで調整するのが好ましい。
すなわち、充填材料Sとして、一般的な歯科用の光硬化性材料を用い、光照射装置19として汎用の歯科用光照射器(光照射強度:400〜1000mW/cm2)を用い8〜60秒間光照射するのであれば、ピストン4は、ヘーズメータを用い、JIS7361−1に準拠して測定した全光線透過率が3〜40%、より好ましくは3.5〜30%になるように、材料の透明性や厚み(軸方向長さ)を変動させて調整したものを用いるのが好ましい。上記全光線透過率が3%より小さいと光硬化体20を前記気抜き孔9を十分な閉塞性が得られる厚みで形成させるのが難しくなる。他方、上記全光線透過率が40%より大きいと光硬化体20の厚みが厚くなりすぎ、充填材料Sのロスが大きくなる。具体的には、ピストン4の材料として半透明なポリテトラフルオロエチレンを用い、その厚みを1〜12mm、より好ましくは2〜10mmから採択することにより、上記全光線透過率のものが通常得られる。
なお、充填材料Sとして、充填材料Sとして室内環境でも光硬化し易い材料を取り扱う場合は、上記材料の光硬化後にピストン4の後面に光を通さないシール部材でシールを貼着してもよい。
このように、本実施形態では、ピストン4に空気抜き孔9を形成したので、充填室24に空気が残留することがない。従来では、ピストン4の外周面と筒状部6の内周面との間は、圧力が加えられると多少の空気が流通させるように密閉性が確保されないこともあったが、本実施形態では、充填室24の密閉性を確保することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の注出器具1におけるピストンについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では上記第1の実施形態のピストン4と外形状が同じであるので、同じ符号を付して説明する。
図3のBに示すように、ピストン4は外形が円柱形状であり、本実施形態では光を通さないポリエチレン製の黒色のものを使用する。ピストンの中央には、軸方向に延びかつピストン4を貫通する空気抜き孔9が形成されている。空気抜き孔9は光を通すよう直線形状に形成される必要がある。本実施形態では空気抜き孔9の直径は0.5mmである。空気抜き孔9は中央部に形成することが望ましいが、場合によっては中央から外れた部位に形成してもよく、複数形成することもありうる。
ピストン4の外径は、筒状部6の内径に同じ若しくはほぼ等しく形成されている。筒状部6の弾性力などを考慮して決定すればよい。
このような構成によって、図5のAに示すように、注出器具1の筒状部6に所定量の充填材料を注入する。この際、充填材料が筒状部6の後端開口まで満たされない場合には、後端側が空間となり、その後端開口にピストン4で蓋をするように、筒状部6にピストン嵌入する。すると、ピストン4と充填材料との間に空気の隙間が形成される。同様に、注出部7やノズル12の内部に空気が残ることがある。
本実施形態では、ピストン4に空気抜き孔の9を形成しているので、ピストン4を筒状部6に押し込むことによって、空気抜き孔9の一方の開口9aから他方の開口9bへ空気が流れて排出される。こうして、筒状部6の内部から空気抜きをすることができる。
このように、本実施形態では空気抜き孔9を形成して、空気抜きを行ったものの空気抜き孔9を有するので密閉性に欠けている。そこで、図5のDに示すように、光照射装置19を用い、注出器具1の後端側からピストン4の後面を照射する。ピストン4は光を透過させないので、空気抜き孔9を介して、開口9aに存在する充填材料は光を照射されることによって、図6のBに示すように、開口9a付近の充填材料が開口9aを取り囲むように半円形状に光硬化した光硬化体21が空気抜き孔9を閉塞し、上記第1の実施形態と同様の効果がある。なお、ピストン4の押し込みによって、空気抜き孔9の内部にまで充填材料Sが滲入している場合があるが、この滲入した充填材料Sも硬化し閉塞性を高める。
注入容器が激しい衝撃を受けた際の空気抜き孔9の閉塞の確実性を勘案すると、該空気抜き孔9の閉塞は、第2の実施態様よりも第1の実施態様の方がより好ましい。
次に本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
注出器具1の充填室24内へ歯科材料を充填する際の気泡混入状態および排出孔封鎖性を調べた。
注出器具1の本体2はポリエチレン製の光を通さない黒色のものを用い、その形状は図4に示すものと同じものを使用した。ピストン4についても図4に示すものと同じで、空気抜き孔9以外は光を通さないポリエチレン製の黒色のものを使用した。したがって、空気抜き孔9の直径は0.5mmである。
本体2の筒状部6には、市販の歯科材料用の光重合型フロアブルコンポジットレジン(エステライトフロークイック,シェード;A3、トクヤマデンタル社製)を填入し、その後、ピストン4を筒状部6に押し込んで空気抜きを行った。
その後、ピストン4の後面側から歯科用光照射器(トクソーパワーライト/光照射強度:800mW/cm2)を用いて10秒間光照射を行なった。光照射後、ピストンを少し押してノズル12からコンポジットレジンを排出させたが、ピストン4の外面側の空気抜き孔9の開口9bから(図6のB参照)、コンポジットレジンが漏れることは無かった。ピストン4を引き抜き、内面側の空気抜き孔9の開口9a付近の状態を確認したところ、開口9aを塞いで半球状のコンポジットレジン硬化体21が生成していることが確認された。
次に、気泡の混入状態を評価するために、同様に、上述した方法(実施例1)で光重合型フロアブルコンポジットレジンを注出器具1に填入し、同様の光照射条件で光照射した。その後、充填室24内に填入された光重合型コンポジットレジンの全量をガラス板上に排出し、排出されたコンポジットレジンの上にポリエチレンフイルムを置き、ガラス板を用いて圧接し、該コンポジットレジンのペーストを薄層にまで延展し、気泡混入状態を観察したところ、気泡の混入は確認されなかった。
次に、下記の実施例2〜5に示すピストンを半透明な材料であるポリテトラフルオロエチレン製のものにし、その軸方向長さを2mm、4mm、6mm、10mmとし、ピストン4の長さが異なるものを用意した。そして、これらのピストン4の後面側から前面側へ抜ける全光線透過率を調べた。全光線透過率はヘーズメータ(日本電色株式会社製;NDH−2000)を用い、JIS7361−1に準拠して測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005441828
そして、それらの長さが異なるピストン4を用いて、空気抜き孔の密閉性と気泡の混入に関する試験を行った
[実施例2]
実施例2として、ピストン4の軸方向長さ2mm、直径5mm、全光線透過度26.1%のものを用い、ピストン4の軸方向長さ以外は、上記実施例1と同じ条件で、充填室24に重合型フロアブルコンポジットレジンを筒状部6に注入し、ピストン4を押し込んで空気抜きした後に光照射した。
[実施例3]
実施例3として、ピストン4の軸方向長さ4mm、直径5mm、全光線透過度17.8%のものを用い、ピストン4の軸方向長さ以外は、上記実施例1と同じ条件で、充填室24に重合型フロアブルコンポジットレジンを筒状部6に注入し、ピストン4を押し込んで空気抜きした後に光照射した。
[実施例4]
実施例4として、ピストン4の軸方向長さ6mm、直径5mm、全光線透過度10.5%のものを用い、ピストン4の軸方向長さ以外は、上記実施例1と同じ条件で、充填室24に重合型フロアブルコンポジットレジンを筒状部6に注入し、ピストン4を押し込んで空気抜きした後に光照射した。
[実施例5]
実施例5として、ピストン4の軸方向長さ10mm、直径5mm、全光線透過度3.8%のものを用い、ピストン4の軸方向長さ以外は、上記実施例1と同じ条件で、充填室24に重合型フロアブルコンポジットレジンを筒状部6に注入し、ピストン4を押し込んで空気抜きした後に光照射した。
その結果、実施例2〜5ともに、光照射後、ピストン4を少し押してコンポジットレジンを排出させたが、ピストン4の後面側の空気抜き孔9の開口9bから、コンポジットレジンが漏れることは無かった。ピストン4を引き抜き、内面9aを確認したところ、前面上に積層されて、円板形状のコンポジットレジン硬化体層が形成されていたのでその厚みを測定し、それぞれ表1に示した。
さらに、実施例1と同様にして、実施例2〜5のピストンを用いた場合の容器に充填されたコンポジットレジンへの気泡の混入状態を評価し、それぞれ表1に示した。
表1に示すように、当然のことながら、ピストン4の厚み(長さ)が大きくなるほど全光線透過度は小さくなる。そして、全光線透過度が大きくなるにしたがって、コンポジットレジンからなる硬化体の厚みが大きくなり(実施例2で2.5mm)、全光線透過度が小さくなるにしたがって、その硬化体20の厚みが小さくなる(実施例5で0.3mm)のが確認された。気泡の混入については、実施例2〜5の全てについて気泡は確認されなかった。特に、全光線透過度が3.8%の実施例5については、硬化体20の厚みが0.3mmであるにもかかわらず、ピストン4の空気抜き孔9の後面側開口9bからのコンポジットレジンの漏れはなく、硬化体層の厚みを厚くする必要がないことが確認された。
次に、空気抜き孔のないピストンを用いて気泡の混入があるか試験を試みた。
[比較例1]
実施例4において、空気抜き孔が形成されていないピストンを用意し、空気抜き孔を形成していないこと以外は、上記実施例4と同様の条件で気泡の混入状態を評価した。結果を表1に示す。
充填室24に充填されたコンポジットレジンへの気泡の混入状態の評価で、容器から最後に排出されたペースト部分で多数の気泡が確認された。
次に、空気抜き孔のあるピストンを用いて、充填材料を光り硬化させない状態で充填材料の漏れがあるか試験を試みた。
[比較例2]
実施例4と同様に、軸方向長さが6mmで直径0.5mmの空気抜き孔を有するピストンを用意して、実施例4と同様の条件で重合型フロアブルコンポジットレジンを容器に注入した。その後、ピストンの後面側からの光照射を行なうことなく、ピストンを少し押してコンポジットレジンを排出させた。その結果、ピストンの後面側の空気抜き孔の開口から、コンポジットレジンの漏れ出しが確認された。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、充填材料を筒状部6の後端側の開口から注入し、その後ピストン4を筒状部6に差し込むようにしたが、当初から筒状部6の後端にピストン4を配設し、充填材料をノズル12側から注入しても、ピストン4の空気抜き孔9から空気抜きができる。
また、上記第2の実施形態では、歯科用材料用の使い捨ての注出器具を対象にしたが、光硬化性材料を収容する注出器具であれば使い捨て容器に限らず、また歯科用材料以外の光硬化性材料を収納する注出器具に使用できる。
上記実施形態では、ピストン4に空気抜き孔9を形成したが、空気抜き孔9の代わりにピストン4の外周面に軸方向に真っ直ぐ延びる溝を形成してもよい。
1 注出器具
2 本体
4 ピストン
6 筒状部
7 注出部
9 空気抜き孔(空気抜き通路)
9a,9b 開口
12 ノズル
19 光照射装置
20,21 硬化体
24 充填室

Claims (4)

  1. 光硬化性材料を収容する充填室を有する筒状部と該筒状部の先端部側に設けられ光硬化性材料を外部に注出する注出ノズルとを本体が備え、
    前記筒状部内周面を摺動可能に配設されるピストンが、前記充填室に配設された光硬化性材料を押出して前記注出ノズルから注出させる注出器具において、
    前記ピストンに該ピストンの軸方向に延びる空気抜き通路を形成し、
    前記ピストンの充填室側における空気抜き通路周辺の光硬化性材料を光硬化させることによって、前記空気抜き通路を閉塞するようにしたことを特徴とする注出器具。
  2. 前記空気抜き通路から前記光硬化性材料に光を照射させて前記空気抜き通路を閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の注出器具。
  3. 前記ピストンを光透過性材料で形成し、該ピストンの外側から充填室内の光硬化性材料に光を照射して前記空気抜き通路を閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の注出器具。
  4. 注出器具の充填室に光硬化性材料を注入した後に、充填室から空気抜き通路を経て空気抜きを行い、該空気抜きをした後に前記空気抜き通路を閉塞するようにした注出器具への光硬化材料の充填方法において、
    前記充填室に光硬化性材料を注入する工程と、
    前記充填室への光硬化性材料の注入時若しくは注入後に、ピストンに形成された空気抜き通路から前記充填室内の空気を排出させる空気抜き工程と、
    光硬化性材料にピストンの外側から光を照射させてピストン前面の前記空気抜き通路の開口周辺の光硬化性材料を硬化させて前記空気抜き通路を閉塞する工程と、を含む注出器具への光硬化性材料の充填方法。
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