JP5440394B2 - 評価予測装置、評価予測方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1〜図3を参照しながら、ユーザベース協調フィルタリングに基づくアイテムの推薦を実現可能な推薦システムのシステム構成及びその動作について説明する。次いで、図4〜図6を参照しながら、アイテムベース協調フィルタリングに基づくアイテムの推薦を実現可能な推薦システムのシステム構成及びその動作について説明する。
1:はじめに
1−1:ユーザベース協調フィルタリングについて
1−1−1:推薦システム10の構成
1−1−2:推薦システム10の動作
1−2:アイテムベース協調フィルタリングについて
1−2−1:推薦システム20の構成
1−2−2:推薦システム20の動作
1−3:ユーザベース内容ベースフィルタリングについて
1−3−1:推薦システム30の構成
1−3−2:推薦システム30の動作
1−4:アイテムベース内容ベースフィルタリングについて
1−4−1:推薦システム40の構成
1−4−2:推薦システム40の動作
1−5:行列分解ベース協調フィルタリングについて
1−5−1:推薦システム50の構成
1−5−2:推薦システム50の動作
2:第1実施形態
2−1:着眼点について
2−2:評価値予測装置100の機能構成
2−3:評価値予測装置100の動作
3:第2実施形態
3−1:評価値予測装置130の機能構成
3−2:評価値予測装置130の動作
4:ハードウェア構成例
はじめに、ユーザベース協調フィルタリング、アイテムベース協調フィルタリング、ユーザベース内容ベースフィルタリング、アイテムベース内容ベースフィルタリング、及び行列分解ベース協調フィルタリングについて簡単に説明する。そして、これら一般的なフィルタリング手法が抱える問題点について纏める。なお、後述する本実施形態のフィルタリング手法(以下、本手法と呼ぶ場合がある。)は、これら一般的なフィルタリング手法が抱える問題点を解決するものである。
まず、ユーザベース協調フィルタリングについて説明する。ユーザベース協調フィルタリングは、あるユーザに対して推薦するアイテムを決めるために、そのユーザと似た嗜好を持つ他のユーザの評価値を用いる手法である。
まず、図1を参照しながら、ユーザベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム10の機能構成について述べる。図1は、ユーザベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム10の機能構成を示す説明図である。
評価値データベース11は、図3に示すように、ユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値が格納されたデータベースである。例えば、図3において、ユーザID=0001のユーザが、アイテムID=0001のアイテムに付けた評価値は3である。同様に、評価値データベース11には、各ユーザが各アイテムに対して付けた評価値が格納されている。もちろん、評価値が付いていないユーザとアイテムの組み合わせも存在する。
再び図1を参照する。嗜好解析部12は、評価値データベース11に格納された評価値を利用して各ユーザの嗜好を解析する手段である。まず、嗜好解析部12は、評価値データベース11に評価値が格納されていない欄を検出し、その欄に対応するユーザを特定する。図3の例において、嗜好解析部12は、例えば、ユーザID=0003のユーザを特定する。次いで、嗜好解析部12は、ユーザID=0003のユーザが各アイテムに付けた評価値の組み合わせを参照し、この組み合わせと似た評価値の組み合わせを付けたユーザ(嗜好の似たユーザ)を検出する。
再び図1を参照する。上記の通り、嗜好解析部12により予測された未評価のアイテムに対する評価又は評価値は、推薦部13に通知される。推薦部13は、未評価のアイテムに対して予測された評価又は評価値に基づき、ユーザに対してアイテムを推薦する。図3の例において、ユーザID=0003のユーザとアイテムID=0003のアイテムの組み合わせに対する評価が「高」と通知された場合、推薦部13は、ユーザID=0003のユーザに対してアイテムID=0003のアイテムを推薦する。また、ユーザID=0002のユーザとアイテムID=0002のアイテムの組み合わせに対する評価が「低」と通知された場合、推薦部13は、ユーザID=0002のユーザに対してアイテムID=0002のアイテムを推薦しない。
次に、図2を参照しながら、推薦システム10の動作について述べ、ユーザベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明する。図2は、ユーザベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明するための説明図である。
これまで説明したユーザベース協調フィルタリングにおける評価予測の方法からも推察されるように、ユーザベース協調フィルタリングは、ユーザ数やアイテム数が多く、評価値データベース11に評価値のログが多く格納されている場合に高い精度が得られる。しかし、ユーザ数が少ないと、嗜好が似たユーザがうまく検出されず、評価予測の精度が低くなってしまう。また、未評価のアイテムが多いユーザに対しては、嗜好が似たユーザをうまく検出することができないため、評価予測の精度が低くなってしまう。つまり、ユーザベース協調フィルタリングは、ユーザ数やアイテム数が多く、評価値のログが多い状況下にないと、ユーザの嗜好に合った適切なアイテムの推薦を行うことが難しいという問題を抱えている。
次に、アイテムベース協調フィルタリングについて説明する。アイテムベース協調フィルタリングは、あるアイテムの推薦先となるユーザを決めるために、そのアイテムと特徴の似た他のアイテムの評価値を用いる手法である。
まず、図4を参照しながら、アイテムベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム20の機能構成について述べる。図4は、アイテムベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム20の機能構成を示す説明図である。
評価値データベース21は、図6に示すように、ユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値が格納されたデータベースである。例えば、図6において、ユーザID=0001のユーザが、アイテムID=0001のアイテムに付けた評価値は3である。同様に、評価値データベース21には、各ユーザが各アイテムに対して付けた評価値が格納されている。もちろん、評価値が付いていないユーザとアイテムの組み合わせも存在する。
再び図4を参照する。特徴解析部22は、評価値データベース21に格納された評価値を利用して各アイテムの特徴を解析する手段である。まず、特徴解析部22は、評価値データベース21に評価値が格納されていない欄を検出し、その欄に対応するアイテムを特定する。図6の例において、特徴解析部22は、例えば、アイテムID=0003のアイテムを特定する。次いで、特徴解析部22は、アイテムID=0003のアイテムに対して各ユーザが付けた評価値の組み合わせを参照し、この組み合わせと似た評価値の組み合わせが付けられたアイテム(特徴の似たアイテム)を検出する。
再び図4を参照する。上記の通り、特徴解析部22により予測された未評価のユーザに対応する評価又は評価値は、推薦部13に通知される。推薦部13は、未評価のユーザに対して予測された評価又は評価値に基づき、ユーザに対してアイテムを推薦する。図6の例において、ユーザID=0003のユーザとアイテムID=0003のアイテムの組み合わせに対する評価が「高」と通知された場合、推薦部13は、ユーザID=0003のユーザに対してアイテムID=0003のアイテムを推薦する。また、ユーザID=0002のユーザとアイテムID=0002のアイテムの組み合わせに対する評価が「低」と通知された場合、推薦部13は、ユーザID=0002のユーザに対してアイテムID=0002のアイテムを推薦しない。
次に、図5を参照しながら、推薦システム20の動作について述べ、アイテムベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明する。図5は、アイテムベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明するための説明図である。
これまで説明したアイテムベース協調フィルタリングにおける評価予測の方法からも推察されるように、アイテムベース協調フィルタリングは、ユーザ数やアイテム数が多く、評価値データベース21に評価値のログが多く格納されている場合に高い精度が得られる。しかし、アイテム数が少ないと、特徴が似たアイテムがうまく検出されず、評価予測の精度が低くなってしまう。また、未評価の特徴が多いアイテムに対しては、特徴が似たアイテムをうまく検出することができないため、評価予測の精度が低くなってしまう。つまり、アイテムベース協調フィルタリングは、ユーザ数やアイテム数が多く、評価値のログが多い状況下にないと、ユーザの嗜好に合った適切なアイテムの推薦を行うことが難しいという問題を抱えている。
次に、ユーザベース内容ベースフィルタリングについて説明する。ユーザベース内容ベースフィルタリングは、あるユーザに対して推薦するアイテムを決めるために、そのユーザが購入したアイテム群の特徴を用いる手法である。
まず、図7を参照しながら、ユーザベース内容ベースフィルタリングを実現することが可能な推薦システム30の機能構成について述べる。図7は、ユーザベース内容ベースフィルタリングを実現することが可能な推薦システム30の機能構成を示す説明図である。
特徴量データベース31は、図9に示すように、ユーザと特徴の組み合わせに対して付されたスコアを格納するデータベースである。この特徴としては、例えば、「クラシックの音楽が好き」「ロックの音楽が好き」「ポップスの音楽が好き」「明るい曲調が好き」「暗い曲調が好き」「女性ボーカルが好き」「男性ボーカルが好き」などが例として挙げられる。その他にも、「花の写真が好き」「風景写真が好き」「動物写真が好き」や、「ホラー映画が好き」「時代劇が好き」など、多種多様な特徴が例示できる。各特徴に対する適合度を示すスコアは、各ユーザが過去に購入したアイテムや頻繁に利用するアイテムなどを解析することにより得られる。
再び図7を参照する。特徴解析部32は、特徴量データベース31に格納されたスコアを利用して各ユーザの特徴を解析する手段である。例えば、アイテムAを推薦するユーザを決めるために、特徴量データベース31に格納されたスコアを解析してアイテムAを好むユーザを抽出する処理について考える。まず、特徴解析部32は、過去にアイテムAを購入したユーザの特徴を解析する。図9の例では、過去にアイテムAを購入したユーザ(ユーザID=0001、0002)と特徴ID=0001、0003の特徴の組み合わせに高いスコアが付されている。
再び図7を参照する。上記の通り、特徴解析部32により抽出されたユーザの情報は、推薦部33に通知される。例えば、特徴解析部32から推薦部33にユーザID=1001が通知されたものとする。この場合、推薦部33は、ユーザID=1001のユーザに対してアイテムAを推薦する。
次に、図8を参照しながら、推薦システム30の動作について述べ、ユーザベース内容ベースフィルタリングに係る処理の流れについて説明する。図8は、ユーザベース内容ベースフィルタリングに係る処理の流れについて説明するための説明図である。
ユーザベース内容ベースフィルタリングは、先に説明した協調フィルタリングとは異なり、推薦対象のアイテムを過去に購入したユーザの特徴が分かれば、そのアイテムの推薦先を決めることができる。そのため、ユーザ数やアイテム数が少ない状況下においても、ある程度の精度でアイテムの推薦先となるユーザを決めることができる。しかし、ユーザベース内容ベースフィルタリングの場合、他のアイテムの情報を推薦先の決定判断に利用しないため、アイテム数が増えても精度が向上しない。そのため、アイテム数やユーザ数が多い状況下では協調フィルタリングよりも精度が低いという問題を抱えている。
次に、アイテムベース内容ベースフィルタリングについて説明する。アイテムベース内容ベースフィルタリングは、あるアイテムの推薦先となるユーザを決めるために、そのアイテムを購入したユーザ群の特徴を用いる手法である。
まず、図10を参照しながら、アイテムベース内容ベースフィルタリングを実現することが可能な推薦システム40の機能構成について述べる。図10は、アイテムベース内容ベースフィルタリングを実現することが可能な推薦システム40の機能構成を示す説明図である。
特徴量データベース41は、図12に示すように、ユーザと特徴の組み合わせに対して付されたスコアを格納するデータベースである。この特徴としては、例えば、ジャンル、出演者、制作者、提供媒体、シリーズ、曲調、雰囲気などが例として挙げられる。各特徴に対する適合度を示すスコアは、制作者などが各アイテムに予め付しているか、多数の学習用アイテムを利用して機械学習することにより得られる(例えば、特開2008−123011号公報などを参照)。
再び図10を参照する。特徴解析部42は、特徴量データベース41に格納されたスコアを利用して各アイテムの特徴を解析する手段である。例えば、ユーザAに推薦するアイテムを決めるために、特徴量データベース41に格納されたスコアを解析してユーザAが好むアイテムを抽出する処理について考える。まず、特徴解析部42は、過去にユーザAが購入したアイテムの特徴を解析する。図12の例では、過去にユーザAが購入したアイテム(アイテムID=0001、0002)と特徴ID=0001、0003の特徴の組み合わせに高いスコアが付されている。
再び図10を参照する。上記の通り、特徴解析部42により抽出されたアイテムの情報は、推薦部43に通知される。例えば、特徴解析部42から推薦部43にアイテムID=1001が通知されたものとする。この場合、推薦部43は、アイテムID=1001のアイテムをユーザAに対して推薦する。
次に、図11を参照しながら、推薦システム40の動作について述べ、アイテムベース内容ベースフィルタリングに係る処理の流れについて説明する。図11は、アイテムベース内容ベースフィルタリングに係る処理の流れについて説明するための説明図である。
アイテムベース内容ベースフィルタリングは、先に説明した協調フィルタリングとは異なり、推薦対象のユーザが過去に購入したアイテムの特徴が分かれば、そのユーザに推薦するアイテムを決めることができる。そのため、ユーザ数やアイテム数が少ない状況下においても、ある程度の精度で推薦すべきアイテムを決めることができる。しかし、アイテムベース内容ベースフィルタリングの場合、他のユーザの情報を推薦先の決定判断に利用しないため、ユーザ数が増えても精度が向上しない。そのため、アイテム数やユーザ数が多い状況下では協調フィルタリングよりも精度が低いという問題を抱えている。
次に、行列分解ベース協調フィルタリングについて説明する。行列分解ベース協調フィルタリングは、ユーザとアイテムの組み合わせに対する既知の評価値がうまく説明されるように、ユーザの嗜好に対応するベクトルとアイテムの特徴に対応するベクトルを推定し、その推定結果に基づいて未知の評価値を予測する手法である。なお、行列分解ベース協調フィルタリングは、先に説明したユーザベース協調フィルタリングやアイテムベース協調フィルタリングよりも精度が高いことが知られている。
まず、図13を参照しながら、行列分解ベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム50の機能構成について述べる。図13は、行列分解ベース協調フィルタリングを実現することが可能な推薦システム50の機能構成を示す説明図である。
評価値データベース51は、図15に示すように、ユーザiとアイテムjの組み合わせに対する評価値が格納されたデータベースである。なお、以下では説明の都合上、各ユーザを識別するためのIDをi=1,…,M、アイテムを識別するためのIDをj=1,…,Nと表記する。先に説明した評価値データベース11などと同様、評価値が付されていないユーザとアイテムの組み合わせも存在する。行列分解ベース協調フィルタリングは、ユーザの潜在的な特徴とアイテムの潜在的な特徴を考慮して、このような評価値が付されていないユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値を予測する手法である。
ユーザi、アイテムjに対応する評価値をyijと表記すると、評価値データベース51に格納された評価値の集合は、yijを要素とする評価値行列{yij}(i=1,…,M、j=1,…,N)とみなすことができる。行列分解部52は、ユーザiの潜在的な特徴を表す潜在特徴ベクトルui(図17を参照)、アイテムj(j=1,…,N)の潜在的な特徴を表す潜在特徴ベクトルvj(図16を参照)を導入し、既知の評価値yij全体がうまく説明されるように、評価値行列{yij}を分解して潜在特徴ベクトルui,vjで表現する。なお、既知の評価値yijとは、評価値データベース51に評価値が格納された評価値yijのことである。
行列分解部52から潜在特徴ベクトルui,vj(i=1,…,M、j=1,…,N)が入力されると、評価値予測部53は、上記の式(1)に基づき、入力された潜在特徴ベクトルui,vjを用いて未知の評価値を算出する。例えば、評価値ymnが未知の場合、評価値予測部53は、潜在特徴ベクトルum,vnを用いて評価値ymn=um Tvnを算出する。このようにして評価値予測部53により算出された未知の評価値は、推薦部54に入力される。
評価値予測部53から未知の評価値ymnが入力されると、推薦部54は、入力された未知の評価値ymnに基づいて、ユーザmにアイテムnを推薦するか否かを判断する。例えば、未知の評価値ymnが所定の閾値を上回る場合、推薦部54は、ユーザmにアイテムnを推薦する。一方、未知の評価値ymnが所定の閾値を下回る場合、推薦部54は、ユーザmにアイテムnを推薦しない。なお、推薦部54は、閾値を基準に推薦するアイテムを決定するのではなく、例えば、ランキング上位となる一定数のアイテムを推薦するように構成されていてもよい。
次に、図14を参照しながら、推薦システム50の動作について述べ、行列分解ベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明する。図14は、行列分解ベース協調フィルタリングに係る処理の流れについて説明するための説明図である。
行列分解ベース協調フィルタリングは、先に説明したユーザベース協調フィルタリングやアイテムベース協調フィルタリングに比べて評価値の予測精度が高い。しかし、行列分解ベース協調フィルタリングにおいても既知の評価値しか利用されないため、ユーザ数やアイテム数が少なかったり、評価値のログが少なったりする状況下では予測精度が低くなるという問題点がある。こうした問題点を解決するために考案されたのが後述する本実施形態のフィルタリング手法である。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、行列分解ベース協調フィルタリングに関する。但し、本実施形態は、先に説明した行列分解ベース協調フィルタリングとは異なり、既知の評価値のみならずユーザやアイテムが有する既知の特徴を考慮した新たなフィルタリング手法に関するものである。そのため、本実施形態に係るフィルタリング手法を適用すると、ユーザ数やアイテム数が少なかったり、評価値のログが少ない状況下においても、十分に高い精度で評価値を予測することが可能になる。また、協調フィルタリングがベースとなっているため、ユーザ数やアイテム数が増加するにつれ、評価値の予測精度が向上するという利点も有する。以下、詳細に説明する。
上記の通り、先に説明した行列分解ベース協調フィルタリングにおいては、既知の評価値しか考慮されていなかった。そこで、本実施形態に係るフィルタリング手法(以下、本手法)においては、既知の評価値に加えてユーザやアイテムが持つ既知の特徴を考慮し、これら既知の特徴を潜在特徴ベクトル{ui}{vj}に反映させる。例えば、本手法においては、先の行列分解ベース協調フィルタリングにおいて上記の式(5)で表現されていた正規化項Rを下記の式(6)に示す正規化項Rに変更する。但し、下記の式(6)に含まれるDu,Dvは、特徴ベクトルxui,xvjをそれぞれ潜在特徴ベクトルui,vjの空間に射影するための回帰行列である。
図18を参照しながら、本実施形態に係るフィルタリング手法を実現することが可能な評価値予測装置100の機能構成について説明する。図18は、本実施形態に係る評価値予測装置100の機能構成について説明するための説明図である。なお、図18に例示した評価値予測装置100の構成には、ユーザにアイテムを推薦する構成要素を含んでいるが、未知の評価値を予測する部分だけを切り出して評価値予測装置100としてもよい。但し、以下では、先に説明した推薦システム50などとの対比を容易にするため、評価値予測装置100を推薦システムの一例として説明する。
評価値データベース101は、図15に示すように、ユーザiとアイテムjの組み合わせに対して付された評価値が格納されたデータベースである。なお、先に説明した行列分解ベース協調フィルタリングの場合と同様、説明の都合上、各ユーザを識別するためのIDをi=1,…,M、アイテムを識別するためのIDをj=1,…,Nと表記する。また、各評価値をyijと表記し、その評価値の集合を{yij}と表記する。なお、評価値データベース101に格納されていない未知の評価値を予測する点でも、上記の行列分解ベース協調フィルタリングと同様である。
特徴量データベース102は、図20、図21に示すように、ユーザが持つ既知の特徴を表した特徴ベクトル{xui}の各要素、及びアイテムが持つ既知の特徴を表した特徴ベクトル{xvj}の各要素が格納されたデータベースである。ユーザが持つ既知の特徴としては、例えば、年齢、性別、出身地、職業などがある。一方、アイテムが持つ既知の特徴としては、例えば、ジャンル、著者、出演者、監督、出版年、曲調などがある。
さて、本手法では、上記の式(6)に示すように、回帰行列Du,Dvがパラメータとして追加された。そのため、パラメータ数の増加が推定の精度に与える影響を最小限に留めるため、本実施形態においてはベイズ推定のような推定手法を用いることにする。ベイズ推定は、確率モデルを用い、学習データが与えられた状況下で未知のパラメータを推定する手法である。本実施形態の場合、学習データとして、既知の評価値集合{yij}と特徴ベクトル{xui}{xvj}が与えられる。また、未知のパラメータとして、未知の評価値集合{ymn}、回帰行列Du,Dv、その他確率モデルに含まれるパラメータが存在する。まず、本手法で用いる確率モデルについて説明する。
ここで、パラメータλの変分事後分布を推定する処理について説明を補足する。パラメタλの変分事後分布q(λ)は、λの事前分布p(λ)を下記の式(29)で表現すると、下記の式(30)のようになる。但し、下記の式(30)に現れるa’λ、b’λは、それぞれ下記の式(31)及び式(32)のように表現される。従って、この変分事後分布q(λ)を用いてパラメータλを推定することは可能であるが、パラメータλ、その期待値E[λ]は、予備実験などを通じて設定することもできる。
さて、評価値予測部105は、予測ステップの処理として、事後分布算出部103から入力された各パラメータの変分事後分布に基づいて評価値yijの期待値を算出する。上記の通り、事後分布算出部103によって潜在特徴ベクトルの変分事後分布q(ui),q(vj)が求められている。そこで、評価値予測部105は、下記の式(33)に示すように、潜在特徴ベクトルui,vjの内積(評価値yij)に対する期待値を算出する。このようにして評価値予測部105により算出された評価値の期待値は、予測評価値データベース106に格納される。
推薦部107は、予測評価値データベース106に格納された未知の評価値に対する期待値(以下、予測評価値)を参照し、予測評価値が高い場合にはユーザにアイテムを推薦する。例えば、推薦部107は、予測評価値ymnが所定の閾値を上回る場合、ユーザmに対してアイテムnを推薦する。また、推薦部107は、予測評価値データベース106を参照して、あるユーザが評価を行っていないアイテムに対して予測評価値が高い順にアイテムをソートしてリストを生成し、そのリストを当該ユーザに提示してもよい。例えば、推薦部107は、通信部108を介して、生成したリストをユーザ端末300に送信する。そして、送信されたリストは、ネットワーク200を通じてユーザ端末300に伝達され、ユーザ端末300の表示手段(非図示)に表示される。
ところで、ある程度大きな次元の潜在特徴ベクトルui,vjを用いて本実施形態に係るフィルタリング手法を実現するには、十分なメモリ容量が必要になる。例えば、上記の更新アルゴリズムに現れるΣ’ui(i=1,…,M)及びΣ’vj(j=1,…,N)をメモリに保持するには、それぞれO(MH2)[bit]及びO(NH2)[bit]のメモリ領域が必要になる。そのため、ユーザ数M、アイテム数N、潜在特徴ベクトルの次元数Hが大きいと、これらを保持するだけで膨大なメモリ容量が必要になる。
次に、図19を参照しながら、評価値予測装置100の動作について述べ、本実施形態のフィルタリング手法に係る処理の流れについて説明する。図19は、本実施形態のフィルタリング手法に係る処理の流れについて説明するための説明図である。
これまで、ユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値を対象に、未知の評価値を予測する方法について説明してきた。しかし、本手法は、あるアイテム群Aのアイテムと、あるアイテム群Bのアイテムとの組み合わせに対して付される任意のラベルを対象に、未知のラベルを予測する任意の方法に応用することが可能である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記の第1実施形態を時系列データの予測に応用した時系列解析方法に関する。
まず、図22を参照しながら、本手法を実現することが可能な本実施形態に係る評価値予測装置130の機能構成について説明する。図22は、本実施形態に係る評価値予測装置130の機能構成について説明するための説明図である。
次に、図23を参照しながら、評価値予測装置130の動作について説明する。図23は、評価値予測装置130の動作について説明するための説明図である。
まず、評価値予測装置130は、評価値データベース131から、時刻t=0(初期時点)における既知の評価値{yij}を取得する。次いで、評価値予測装置130は、上記の第1実施形態と同様に、特徴量データベース132から特徴ベクトル{xui}{xvj}を取得する。そして、評価値予測装置130は、上記の第1実施形態と同様の確率モデルに基づいて未知の評価値を予測し、その予測評価値を評価値データベース131に格納する。この時点で、時刻t=0については、全てのユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値{yij}が評価値データベース131に格納されたことになる。また、事後分布算出部133により時刻t=0の時点における潜在特徴ベクトル{ui(0)}{vj(0)}の変分事後分布が得られ、パラメータ保持部134に格納されている。
次いで、評価値予測装置130は、評価値データベース131から、時刻t=1における既知の評価値{yij}を取得する。次いで、評価値予測装置130は、時刻t=0における潜在特徴ベクトル{ui(0)}{vj(0)}の変分事後分布から得られた時刻t=1における確率モデルを用いて、時刻t=1における各パラメータの変分事後分布を算出する。そして、評価値予測装置130は、算出した変分事後分布を用いて、時刻t=1における未知の評価値を予測し、その予測評価値を評価値データベース131に格納する。この時点で、時刻t=1については、全てのユーザとアイテムの組み合わせに対する評価値{yij}が評価値データベース131に格納されたことになる。また、なお、事後分布算出部133により時刻t=1の時点における潜在特徴ベクトル{ui(1)}{vj(1)}の変分事後分布が得られ、パラメータ保持部134に格納されている。
上記の評価値予測装置100、130が有する各構成要素の機能は、例えば、図24に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図24に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
上記のユーザは、第1アイテムの一例である。上記のアイテムは、第2アイテムの一例である。上記の潜在特徴ベクトルuiは、第1潜在ベクトルの一例である。上記の潜在特徴ベクトルvjは、第2潜在ベクトルの一例である。上記の特徴ベクトルxuiは、第1特徴ベクトルの一例である。上記の特徴ベクトルxvjは、第2特徴ベクトルの一例である。上記の回帰行列Duは、第1射影行列の一例である。上記の回帰行列Dvは、第2射影行列の一例である。上記の事後分布算出部103は、推定部の一例である。上記の評価値予測部105は、予測部の一例である。
11、21、51 評価値データベース
31、41 特徴量データベース
12 嗜好解析部
13、23、33、43、54 推薦部
22、32、42 特徴解析部
52 行列分解部
53 評価値予測部
100、130 評価値予測装置
101、131 評価値データベース
102、132 特徴量データベース
103、133 事後分布算出部
104、134 パラメータ保持部
105、135 評価値予測部
106 予測評価値データベース
107 推薦部
108 通信部
200 ネットワーク
300 ユーザ端末
Claims (12)
- 複数の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第1潜在ベクトルと、
複数の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第2潜在ベクトルと、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、前記第1潜在ベクトルと前記第2潜在ベクトルとの内積で表現される評価値と、
複数の前記第1アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第1特徴ベクトルと、
複数の前記第2アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第2特徴ベクトルと、
前記第1特徴ベクトルを前記第1潜在ベクトルの空間に射影する第1射影行列と、
前記第2特徴ベクトルを前記第2潜在ベクトルの空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列による前記第1特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第1潜在ベクトルを表現し、前記第2射影行列による前記第2特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第2潜在ベクトルを表現し、
前記第1特徴ベクトル、前記第2特徴ベクトル、及び既知の前記評価値を学習データとしてベイズ推定を実行し、前記第1潜在ベクトル、前記第2潜在ベクトル、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定部と、
前記パラメータ群の事後分布に基づいて未知の前記評価値の分布を算出する予測部と、
を備える、
評価予測装置。 - 前記予測部は、前記パラメータ群の事後分布に基づいて前記未知の評価値の期待値を算出する、
請求項1に記載の評価予測装置。 - 前記予測部によって算出された前記未知の評価値の期待値が所定値よりも大きい場合に、当該未知の評価値に対応する第2アイテムを当該未知の評価値に対応する第1アイテムの推薦先に決定する推薦先決定部をさらに備える、
請求項2に記載の評価予測装置。 - 前記第2アイテムはユーザを表し、
前記推薦先決定部によって第1アイテムの推薦先が決定された場合に、当該第1アイテムの推薦先に対応するユーザに当該第1アイテムを推薦する推薦部をさらに備える、
請求項3に記載の評価予測装置。 - 時刻tにおいて、N個の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すN個の第1潜在ベクトルui(t)(i=1,…,N)と、
時刻tにおいて、M個の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すM個の第2潜在ベクトルvj(t)(j=1,…,M)と、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、時刻tにおいて、前記第1潜在ベクトルui(t)と前記第2潜在ベクトルvj(t)との内積で表現される評価値yij(t)と、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を、時刻tにおける前記第1潜在ベクトルui(t)の空間に射影する第1射影行列と、
時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を、時刻tにおける前記第2潜在ベクトルvj(t)の空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列により時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)を表現し、前記第2射影行列により時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第2潜在ベクトルvj(t)を表現し、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)、第2潜在ベクトルvj(t−1)、及び評価値yij(t−1)を学習データとしてベイズ推定を実行し、時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)、第2潜在ベクトルvj(t)、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定部と、
時刻tにおける前記パラメータ群の事後分布に基づいて時刻tにおける評価値yij(t)の期待値を算出する予測部と、
を備える、
評価予測装置。 - 前記予測部は、前記時刻tにおけるパラメータ群の事後分布に基づいて、時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)の期待値、第2潜在ベクトルvj(t)の期待値、評価値yij(t)を算出し、
前記推定部は、前記第1射影行列により時刻(t)における第1潜在ベクトルui(t)の期待値を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻(t+1)における第1潜在ベクトルui(t+1)を表現し、前記第2射影行列により時刻tにおける第2潜在ベクトルvj(t)の期待値を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻(t+1)における第2潜在ベクトルvj(t+1)を表現し、
時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)、第2潜在ベクトルvj(t)、及び評価値yij(t)を学習データとして変分ベイズ推定を実行し、時刻(t+1)における第1潜在ベクトルui(t+1)、第2潜在ベクトルvj(t+1)、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出し、
前記予測部は、時刻(t+1)における前記パラメータ群の事後分布に基づいて時刻(t+1)における評価値yij(t+1)の期待値を算出する、
請求項5に記載の評価予測装置。 - 前記予測部によって算出された評価値yij(t+1)の期待値が所定値よりも大きい場合に、当該評価値yij(t+1)に対応する第2アイテムを当該評価値yij(t+1)に対応する第1アイテムの推薦先に決定する推薦先決定部をさらに備える、
請求項6に記載の評価予測装置。 - 前記第2アイテムはユーザを表し、
前記推薦先決定部によって第1アイテムの推薦先が決定された場合に、当該第1アイテムの推薦先に対応するユーザに当該第1アイテムを推薦する推薦部をさらに備える、
請求項7に記載の評価予測装置。 - 複数の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第1潜在ベクトルと、
複数の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第2潜在ベクトルと、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、前記第1潜在ベクトルと前記第2潜在ベクトルとの内積で表現される評価値と、
複数の前記第1アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第1特徴ベクトルと、
複数の前記第2アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第2特徴ベクトルと、
前記第1特徴ベクトルを前記第1潜在ベクトルの空間に射影する第1射影行列と、
前記第2特徴ベクトルを前記第2潜在ベクトルの空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列による前記第1特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第1潜在ベクトルを表現し、前記第2射影行列による前記第2特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第2潜在ベクトルを表現し、
前記第1特徴ベクトル、前記第2特徴ベクトル、及び既知の前記評価値を学習データとしてベイズ推定を実行し、前記第1潜在ベクトル、前記第2潜在ベクトル、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定ステップと、
前記パラメータ群の事後分布に基づいて未知の前記評価値の分布を算出する予測ステップと、
を含む、
評価予測方法。 - 時刻tにおいて、N個の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すN個の第1潜在ベクトルui(t)(i=1,…,N)と、
時刻tにおいて、M個の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すM個の第2潜在ベクトルvj(t)(j=1,…,M)と、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、時刻tにおいて、前記第1潜在ベクトルui(t)と前記第2潜在ベクトルvj(t)との内積で表現される評価値yij(t)と、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を、時刻tにおける前記第1潜在ベクトルui(t)の空間に射影する第1射影行列と、
時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を、時刻tにおける前記第2潜在ベクトルvj(t)の空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列により時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)を表現し、前記第2射影行列により時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第2潜在ベクトルvj(t)を表現し、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)、第2潜在ベクトルvj(t−1)、及び評価値yij(t−1)を学習データとしてベイズ推定を実行し、時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)、第2潜在ベクトルvj(t)、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定ステップと、
時刻tにおける前記パラメータ群の事後分布に基づいて時刻tにおける評価値yij(t)の期待値を算出する予測ステップと、
を含む、
評価予測方法。 - 複数の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第1潜在ベクトルと、
複数の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表す複数の第2潜在ベクトルと、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、前記第1潜在ベクトルと前記第2潜在ベクトルとの内積で表現される評価値と、
複数の前記第1アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第1特徴ベクトルと、
複数の前記第2アイテムがそれぞれ持つ既知の特徴を表す複数の第2特徴ベクトルと、
前記第1特徴ベクトルを前記第1潜在ベクトルの空間に射影する第1射影行列と、
前記第2特徴ベクトルを前記第2潜在ベクトルの空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列による前記第1特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第1潜在ベクトルを表現し、前記第2射影行列による前記第2特徴ベクトルの射影値を期待値とする正規分布によって前記第2潜在ベクトルを表現し、
前記第1特徴ベクトル、前記第2特徴ベクトル、及び既知の前記評価値を学習データとしてベイズ推定を実行し、前記第1潜在ベクトル、前記第2潜在ベクトル、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定機能と、
前記パラメータ群の事後分布に基づいて未知の前記評価値の分布を算出する予測機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 時刻tにおいて、N個の第1アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すN個の第1潜在ベクトルui(t)(i=1,…,N)と、
時刻tにおいて、M個の第2アイテムがそれぞれ潜在的に持つ特徴を表すM個の第2潜在ベクトルvj(t)(j=1,…,M)と、
前記第1アイテムと前記第2アイテムとの各組み合わせに対応し、時刻tにおいて、前記第1潜在ベクトルui(t)と前記第2潜在ベクトルvj(t)との内積で表現される評価値yij(t)と、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を、時刻tにおける前記第1潜在ベクトルui(t)の空間に射影する第1射影行列と、
時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を、時刻tにおける前記第2潜在ベクトルvj(t)の空間に射影する第2射影行列と、
を定義し、
前記第1射影行列により時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)を表現し、前記第2射影行列により時刻(t−1)における第2潜在ベクトルvj(t−1)を射影した射影値を期待値とする正規分布によって時刻tにおける第2潜在ベクトルvj(t)を表現し、
時刻(t−1)における第1潜在ベクトルui(t−1)、第2潜在ベクトルvj(t−1)、及び評価値yij(t−1)を学習データとしてベイズ推定を実行し、時刻tにおける第1潜在ベクトルui(t)、第2潜在ベクトルvj(t)、前記第1射影行列、及び前記第2射影行列を含むパラメータ群の事後分布を算出する推定機能と、
時刻tにおける前記パラメータ群の事後分布に基づいて時刻tにおける評価値yij(t)の期待値を算出する予測機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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