JP5438204B1 - 剣道用保護具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】剣道用保護具10は、試合において面防具20と一緒に競技者90の頭部に着用される着用ひも13(着用部材)と、競技者90の頭部に着用ひも13が着用された着用状態において、着用ひも13から競技者90の首92に沿うように下に延び、突きだれ21と競技者90の首92との間で首92を覆う用心だれ11と、用心だれ11を着用ひも13に連結させる連結部材12とを備える。連結部材12は、上記着用状態において用心だれ11が競技者90の前後方向に揺動自在となるように、用心だれ11を着用ひも12に連結させる。これにより、競技者90が頭部を反らせたときにも用心だれ11が競技者90の首92を覆うので、競技者90の不安をより少なくすることができる。
【選択図】図4
Description
この不安を解消するため、剣道の試合においては、上記突きだれとは別に競技者の首を前側から覆う保護具である用心だれが使用されることがある。この用心だれとしては、従来、面防具において突きだれよりも競技者に近い奥側となる位置に、上記面防具と一体となるように固定されるものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、競技者があごを上に上げて頭部を反らせたときにも用心だれが競技者の首に沿ってこの首を覆った状態のままとなるようにして、剣道の突き技において突きだれからそれた竹刀が競技者の首を打突することになるかもしれない、という競技者の不安をより少なくすることを実現させる剣道用保護具を提供することである。
まず、第1の発明は、競技者の頭部および首を左右両側および上側から覆う面ぶとんと、競技者の顔の前方に位置されて上部が剣道の試合における面打ち技の打突部位とされる面金と、競技者の首の前方に位置されて剣道の試合における突き技の打突部位とされる突きだれとを備えた面防具と一緒に、競技者が剣道の試合において頭部に着用することができる剣道用保護具である。この剣道用保護具は、剣道の試合において上記面防具と一緒に競技者の頭部に着用される着用部材と、板状に形成されて、競技者の頭部に着用部材が着用された着用状態において、着用部材から競技者の首に沿うように下側に向けて延びることで、上記面防具の突きだれと競技者の首との間でこの首を覆うように位置される用心だれと、この用心だれを着用部材に連結させる連結部材とを備えている。上記連結部材は、上記着用状態において用心だれが競技者の前後方向に上記用心だれにかかる重力によって揺動自在となるように、この用心だれを上記着用部材からの吊り下げによりこの着用部材から離間された状態として上記用心だれを上記着用部材に連結させている。
この第1の発明によれば、剣道用保護具の着用状態において、この剣道用保護具の用心だれは、競技者の首に沿ってこの首を覆い、かつ、この用心だれにかかる重力によって競技者の前後方向に揺動自在となるように位置される。このため、剣道用保護具の用心だれを、競技者があごを上に上げて頭部を反らせたときにも、この競技者の首に沿ってこの首を覆った状態のままとすることができる。これにより、剣道の突き技において突きだれからそれた竹刀が競技者の首を打突することになるかもしれない、という競技者の不安をより少なくすることを実現させる剣道用保護具を提供することができる。
この第2の発明によれば、剣道用保護具の用心だれを競技者の下あごを左右両側から挟みこむ2箇所の連結部材から吊り下げられた状態に位置させる。このため、剣道用保護具の着用状態において、競技者の下あごと剣道用保護具の連結部材および用心だれとが互いに干渉することを回避することができる。これにより、競技者の下あごの形状によらず着用することが可能な剣道用保護具を提供することができる。
この第3の発明によれば、剣道用保護具の着用状態において、この剣道用保護具の用心だれは、面防具の突きだれよりも競技者に近い奥側に位置されて、面防具の面ぶとんとの間に竹刀の打突部が通ることができる大きな隙間がない状態となる。この状態では、剣道の突き技において竹刀の打突部が面防具の突きだれと面ぶとんとの間の隙間を抜けると、上記竹刀の打突部は剣道用保護具の用心だれまたは面防具の面ぶとんの一方または両方に当たる。これにより、剣道の突き技において面防具の突きだれと面ぶとんとの間の隙間を抜けた竹刀の打突部が、さらに上記面ぶとんと上記用心だれとの間の隙間を抜けて競技者の首を打突することになるかもしれない、という競技者の不安をより少なくすることを実現させる剣道用保護具を提供することができる。
この第4の発明によれば、剣道用保護具の着用状態において、この剣道用保護具の用心だれの重心をより低くすることができる。このため、競技者があごを上に上げて頭部をそらせたときに、この競技者の前方あるいは上方に向かって用心だれが揺動することが抑えられて、この用心だれが競技者の首から離れた状態となることがより少なくなる。これにより、剣道の突き技において突きだれからそれた竹刀が競技者の首を打突することになるかもしれない、という競技者の不安をさらに少なくすることを実現させる剣道用保護具を提供することができる。
この第5の発明によれば、剣道用保護具を面防具と一体化することによって、剣道用保護具の装着の手間を省きながら、この剣道用保護具および面防具を同時に着用して、剣道用保護具および面防具の着用に必要な時間を短縮させることができる。また、剣道の試合における面打ち技の打突部位とされる面防具の面金の上部においては、この面金においてそれぞれ別体とされる縦金および右台枠ならびに左台枠が、互いにかしめられて連結される。このため、上記面打ち技により面金の上部に与えられる衝撃および振動が、上記縦金または右台枠もしくは左台枠のいずれか1つから他の2つに伝達されることが抑えられる。これにより、上記面打ち技による衝撃および振動が競技者により伝達されにくくされた面防具および剣道用保護具を提供することができる。
〈第1の実施形態〉
始めに、第1の実施形態にかかる剣道用保護具10の構成について、図1ないし図4を用いて説明する。この剣道用保護具10は、図3および図4に示すように、用心だれ11を備え、かつ、剣道の試合において競技者90が面防具20と一緒に頭部に着用することができる剣道用保護具である。
しかしながら、面防具20は、図3および図4に示すように、突きだれ21とは別に競技者90の首92を前側から覆う用心だれを備えていない。このため、競技者90は、必要に応じて剣道用保護具10を面防具20と一緒に着用することで、剣道の突き技において突きだれ21からそれた竹刀(図示省略)が競技者90の首92を打突することになるかもしれない、という不安を軽減させるものである。
また、着用ひも13は、図3および図4に示すように、コキカンが取り付けられることでその長さを調節することができるように構成されている。そして、着用ひも13は、面防具20の面ぶとん22と、面防具20において競技者90の顔の輪郭に相当する内輪20Aとの間に挟みこまれた状態に取り付けられて着用されるようになっている。これにより、面防具20の面ぶとん22および内輪20Aに剣道用保護具10の着用ひも13を押さえさせて、着用している剣道用保護具10をより脱落しにくくすることができる。また、上記コキカンおよび連結部材12などの着用ひも13に取り付けられる各部材が競技者90の顔に直接当たることを抑えて、上記各部材によって剣道用保護具10の着用感が悪化されることを抑えることができる。
なお、剣道用保護具10は、面防具20と同様の各構成(すなわち、突きだれ、内輪、面ぶとん、および、面金)と、上記突きだれとは別に競技者の首を前側から覆う用心だれとを備えた面防具(図示省略)に取り付けられて、この面防具と一緒に着用されることもできるものである。この場合、競技者の首と上記面防具の突きだれとの間には上記面防具の用心だれおよび剣道用保護具10の用心だれ11の2枚の用心だれが介在することになるので、剣道の突き技において突きだれからそれた竹刀(図示省略)が競技者の首を打突することになるかもしれない、という競技者の不安がさらに軽減される。また、この場合でも、面防具に取り付けられる剣道用保護具10の着用ひも13を上記面防具の面ぶとんと内輪との間に挟みこませることで、剣道用保護具10の脱落およびこの剣道用保護具10の着用感の悪化を抑えることができる。
そして、各連結部材12は、図1ないし図4に示すように、上記2箇所の位置から用心だれ11が吊り下げられた状態となるように、この用心だれ11を着用ひも13に連結させている。これにより、用心だれ11は、上記着用状態において、面防具20の突きだれ21と競技者90の首92との間となる位置でこの首92を前側(図3で見て右側)から覆い、かつ、競技者90の前後方向(図3で見て左右方向)に揺動自在となるように位置される。
また、上記構成によれば、剣道用保護具10の用心だれ11を競技者90の下あご91を左右両側から挟みこむ2箇所の連結部材12から吊り下げられた状態に位置させる。このため、剣道用保護具10の着用状態において、競技者90の下あご91と剣道用保護具10の連結部材12および用心だれ11とが互いに干渉することを回避することができる。これにより、競技者90の下あご91の形状によらず着用することが可能な剣道用保護具10を提供することができる。
また、用心だれ11は、図1および図2に示すように、剣道用保護具10が面防具20と一緒に着用された状態において、この面防具20の突きだれ21よりも下側(図示下側)に突出することがなく、かつ、用心だれ11と面防具20の面ぶとん22との間の隙間が、剣道の試合で使用される竹刀の打突部(図示省略)が通ることができないほど小さくなるような大きさに形成されている。
また、上記構成によれば、剣道用保護具10の着用状態において、この剣道用保護具10の用心だれ11は、面防具20の突きだれ21よりも下側に突出して見えることがなくなる。これにより、競技者90が剣道用保護具10を使用していることを周囲の人間(例えば競技者90の対戦相手および剣道の試合を観戦している観客)に気づかせにくくすることができる。
ここで、補強板11Dおよび補強棒11Eは、その剛性によって用心だれ11を補強することで、剣道の突き技により面防具20の突きだれ21に与えられ、用心だれ11を介して競技者90に伝達される衝撃および振動をより少なくするための部材である。また、補強板11Dおよび補強棒11Eは、用心だれ11の下側部分11Bに取り付けられたポケット11Cに入れられることで、用心だれ11において下側部分11Bを上側部分11Aよりも重くするおもりとしても機能している。
また、上記構成によれば、補強板11Dおよび補強棒11Eが入れられるポケット11Cが用心だれ11の表側に位置される。このため、用心だれ11は、図3および図4に示すように、補強板11Dおよび補強棒11Eによって補強された表側の面(図3で見て右側の面)よりも柔らかい裏側の面(図3で見て左側の面)で競技者90に当接する。これにより、用心だれ11の着用感が補強板11Dおよび補強棒11Eによって悪化されることを抑えながら、面防具20の突きだれ21から用心だれ11を介して競技者90に伝達される剣道の突き技の衝撃および振動をより少なくすることを実現させる剣道用保護具10を提供することができる。
続いて、第2の実施形態にかかる剣道用保護具30の構成について、図5ないし図9を用いて説明する。第2の実施形態にかかる剣道用保護具30は、第1の実施形態にかかる剣道用保護具10を変形した実施形態である。したがって、上記第1の実施形態にかかる剣道用保護具10および面防具20の各構成と共通する構成については、第1の実施形態にかかる剣道用保護具10および面防具20の各構成に付した符号の数字に「20」を加算した符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
第2の実施形態の剣道用保護具30は、図5および図6に示すように、剣道の試合において競技者90の頭部に着用される面防具40に一体に取り付けられる内輪40Aを剣道用保護具30における着用部材とすることで、面防具40と一緒に競技者90の頭部に着用される剣道用保護具である。言い換えると、剣道用保護具30は、面防具40の内輪40Aに連結部材32を介して用心だれ31を吊り下げられた状態に連結させたものである。
なお、第2の実施形態の剣道用保護具30において、用心だれ31の具体的な構成および作用効果は、第1の実施形態の剣道用保護具10における用心だれ11の具体的な構成および作用効果と同様である。また、第2の実施形態の剣道用保護具30における連結部材32は、第1の実施形態の剣道用保護具10において金属製のシャックルとされた連結部材12を金属製の二重リングに置き換えたものであり、その作用効果は第1の実施形態の剣道用保護具10における連結部材12と同様である。このため、第2の実施形態の剣道用保護具30における用心だれ31および連結部材32の具体的な構成および作用効果については、その詳細な説明を省略する。
面金43は、図5ないし図9に示すように、図7で見て左右方向に分割された右台枠43Aおよび左台枠43Bと、この右台枠43Aおよび左台枠43Bに対して図7で見て上下方向に掛け渡された状態にされる縦金43Cとを、それぞれ別体に備えている。この縦金43Cは、面防具40を頭部に着用する競技者90に対して、この競技者90のひたいから競技者90のおとがいに向かって延びるように湾曲した形状に形成されて、その両端には丸棒状のかしめ足部43Dが設けられている。また、右台枠43Aは、図5および図8に示すように、面防具40を頭部に着用する競技者90に対して、この競技者90の顔の右半分に対応する形状に形成されて、その上下両端には縦金43Cのかしめ足部43Dを挿通させることができる貫通孔が設けられている。また、左台枠43Bは、面防具40を頭部に着用する競技者90に対して、この競技者90の顔の左半分に対応する形状に形成されて、その上下両端には縦金43Cのかしめ足部43Dを挿通させることができる貫通孔が設けられている。
なお、面金43において、右台枠43Aおよび左台枠43Bならびに縦金43Cは、図5ないし図9に示すように、この縦金43Cに挿通された複数本(本実施形態では14本)の横金が右台枠43Aおよび左台枠43Bに掛け渡されるように取り付けられることによっても、互いに連結されている。
また、上記構成によれば、面防具40の面金43の上端となる天部分において、縦金43Cおよび右台枠43Aならびに左台枠43Bが重ねられた状態にかしめられて連結されることで、この面金43の天部分を厚く頑丈な構成とすることができる。これにより、剣道の試合における面打ち技の打突部位とされる面金43の上部の強度を向上させて、上記面打ち技に対する面金43および面防具40の耐久性を向上させることができる。
(1)剣道用保護具の連結部材は、上述した第1および第2の実施形態で説明したものに限定されない。すなわち、剣道用保護具の連結部材は、例えば任意の素材および形状の輪または用心だれを着用部材に対して吊り下げられた状態に結びつけるひもなど、剣道用保護具の着用状態において用心だれが競技者の前後方向に揺動自在とすることができる任意の連結部材とすることができる。
(2)剣道用保護具の用心だれは、上述した第1および第2の実施形態で説明したものに限定されない。すなわち、剣道用保護具の用心だれにおいて、例えば用心だれに取り付けられるポケットを省略して補強板および補強棒を用心だれに埋め込んだ構成、または、用心だれから補強板および補強棒を省略して、用心だれの下側部分を上側部分よりも厚くすることでこの上側部分よりも重くした構成を採用するなど、剣道用保護具の用心だれの具体的な構成を適宜変更することができる。
(3)剣道用保護具の着用部材は、上述した第1および第2の実施形態で説明したものに限定されない。すなわち、剣道用保護具の着用部材を、例えば任意の形状の汗取り面下または面手ぬぐいなど、面防具と一緒に競技者が頭部に着用する任意の着用部材とすることができる。
11 用心だれ
11A 上側部分
11B 下側部分
11C ポケット
11D 補強板
11E 補強棒
12 連結部材
13 着用ひも(着用部材)
20 面防具
20A 内輪
21 突きだれ
22 面ぶとん
23 面金
30 剣道用保護具
31 用心だれ
31A 上側部分
31B 下側部分
31C ポケット
31D 補強板
31E 補強棒
32 連結部材
40 面防具
40A 内輪(着用部材)
41 突きだれ
42 面ぶとん
43 面金
43A 右台枠
43B 左台枠
43C 縦金
43D かしめ足部
90 競技者
91 下あご
92 首
Claims (4)
- 競技者の頭部および首を左右両側および上側から覆う面ぶとんと、前記競技者の顔の前方に位置されて上部が剣道の試合における面打ち技の打突部位とされる面金と、前記競技者の前記首の前方に位置されて前記剣道の試合における突き技の打突部位とされる突きだれとを備えた面防具と一緒に、前記競技者が前記剣道の試合において前記頭部に着用することができる剣道用保護具であって、
前記剣道の試合において前記面防具と一緒に前記競技者の前記頭部に着用される着用部材と、
板状に形成されて、前記競技者の前記頭部に前記着用部材が着用された着用状態において、前記着用部材から前記競技者の前記首に沿うように下側に向けて延びることで、前記面防具の前記突きだれと前記競技者の前記首との間で当該首を覆うように位置される用心だれと、
前記用心だれを前記着用部材に連結させる連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記着用状態において前記用心だれが前記競技者の前後方向に前記用心だれにかかる重力によって揺動自在となるように、当該用心だれを前記着用部材からの吊り下げにより当該着用部材から離間された状態として前記用心だれを前記着用部材に連結させている、
剣道用保護具。 - 請求項1に記載された剣道用保護具であって、
前記連結部材は、前記着用状態において前記競技者の下あごを左右両側から挟みこむ2箇所の位置にそれぞれ設けられて、当該2箇所の位置から前記用心だれが吊り下げられた状態となるように、当該用心だれを前記着用部材に連結させている、
剣道用保護具。 - 請求項1または請求項2に記載された剣道用保護具であって、
前記用心だれは、前記着用状態における前記用心だれと前記面防具の前記面ぶとんとの間の隙間が、前記剣道の試合で使用される竹刀の打突部が通ることができないほど小さくなる大きさに形成されている、
剣道用保護具。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された剣道用保護具であって、
前記用心だれには、前記着用状態において下側に位置される前記用心だれの下縁部に沿うように、当該用心だれの重心をより低くすることを実現させるおもりとして機能される部材が入れられている、
剣道用保護具。
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