JP5437909B2 - 空調装置および海洋深層水利用システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献5に開示される技術は海洋深層水を直接淡水化する技術であって、海洋深層水を加熱するエネルギが必要となるためCO2の排出量が増えるという問題がある。
図1に示すように、本実施形態に係る海洋深層水利用システムは、冷熱源となる被熱交換媒体(冷房用水)を海洋深層水を利用して冷却する熱交換ユニット200と、海洋深層水を浄化して上水供給装置310から利用者に供給する上水を製造する淡水化ユニット300を含んで構成される熱交換装置1aを有する空調装置1とする。
空調装置1の空調端末210(室内機ユニット)で室内の周囲の空気を冷却して温度が上昇した冷房用水は、熱交換ユニット200(室外機ユニット)に戻り海洋深層水によって冷却される。
また、淡水化ユニット300で製造された上水は、上水供給装置310から利用者に供給される。
調節弁5bは、原水槽5における海洋深層水の貯水量を減量するときに開弁して原水槽5に溜まる海洋深層水を排水管5aに流すように構成される。
また、2つの原水ポンプ6が並列に配設される構成であってもよい。この構成によって、一方の原水ポンプ6が故障しても他方の原水ポンプ6を駆動することによって、汲み上げ装置100を稼動することができる。
取水配管2の敷設方法は特に限定するものではないが、海面SL付近(30〜50mまでの深度)は、例えば、スクリューによる取水配管2の破損など、船舶の航行に影響する深度であることから、この領域は取水配管2を地中に敷設することが考えられる。
この構成によると、海水中を沈降してくる浮遊物が溜まりやすい取水口2aの天頂部2a3には取水孔2a2が開口せず、取水口2aによる浮遊物の取り込み量を抑制できる。
取水配管2がワイヤ401に引かれてトンネルTN内を進行し、トンネルTN内に取水配管2が敷設される。
このように、取水配管2を海底に敷設することができるが、図4の(a)〜(c)に示す方法は一例であってこの方法に限定するものではない。
また、本実施形態において、被熱交換媒体は空調装置1(図1参照)の冷熱源となる冷房用水とするが、被熱交換媒体は冷房用水に限定されるものではなく、例えば、代替フロンなどの冷媒であってもよい。
例えば、海洋深層水の温度が高いとき、図示しない制御装置は、第1熱交換器8aおよび第2熱交換器8bに流入する海洋深層水の流量を増量して、海洋深層水による冷房用水および冷却水の冷却効果を増大する。
淡水化ユニット300は、熱交換ユニット200の第2熱交換器8bで熱交換した後の海洋深層水(の一部)を一時的に溜める補給水槽12と、RO膜モジュール17で海洋深層水をろ過して淡水化するSW(Sea Water)ROシステム301と、SWROシステム301を洗浄するためのCIP(Cleaning in Place)システム302と、後処理システム303と、を備えて構成される。
淡水化ユニット300における海洋深層水の使用量は、上水供給装置310から利用者に供給される上水の使用量に応じて変化するため、補給水槽12に海洋深層水を溜めることによって上水の使用量に影響されずに、SWROシステム301に安定して必要量の海洋深層水を供給できるように構成する。なお、補給水槽12における余剰の海洋深層水は補給水槽12に備わる排水管12aを流通して海洋に排水される。さらに、補給水槽12には、海洋深層水の貯水量を調節する調節弁12bが備わる。
調節弁12bは、補給水槽12における海洋深層水の貯水量を減量するときに開弁して補給水槽12に溜まる海洋深層水を排水管12aに流すように構成される。
なお、圧力交換機24を駆動した後の加圧水は、排水管24bを流通して海洋に排水される。
RO膜モジュール17を洗浄する場合、RO膜モジュール17から排出された海洋深層水(淡水、加圧水)がCIPタンク21に取り込まれて必要な薬品が投入された後、CIPポンプ22によってバッグフィルタ23に加圧送水されて不純物がろ過され、SWROシステム301に備わる加圧ポンプ19の入力側に戻される。
そして、冷房用水を低温の海洋深層水より低温に冷却するとともに、冷房用水の冷却で温度が上昇した海洋深層水を淡水化して上水を製造することによって、低温の海洋深層水を効率よく利用できる。
なお、淡水化ユニット300の構成は淡水の原水となる海洋深層水の水質等によって適宜決定されるものであり、図2に示す構成に限定するものではない。また、後処理システム303で淡水に混合される薬品も海洋深層水の水質等によって適宜変更されるものであり、ソーダ灰と次亜塩素酸Na/Caに限定するものではない。
なお、図5に示す具体的な数値(温度等)は説明のための一例であり、本実施形態に係る空調装置1が設置される周囲環境、季節、規模等によって変化する数値である。
そして、汲み上げられた海洋深層水は、バケットトラップ3を経由して原水槽5に送水され、例えば12℃の海洋深層水が原水槽5に溜まる。
海洋深層水は加圧ポンプ19で加圧された圧力によってRO膜モジュール17で淡水化され、淡水となって後処理システム303に導入される。そして、後処理システム303に導入された淡水にソーダ灰と次亜塩素酸Na/Caが適宜混合されて上水が製造される。
なお、前記した必要に応じてとの趣旨は、例えば、利用者が上水供給装置310に備わる図示しない給水栓を開いて淡水化ユニット300で製造される上水を利用する必要が生じたような場合である。
そして、ターボ冷凍機9a、9bは冷媒を冷却水で冷却するチラーユニットを構成し、本実施形態においては、ターボ冷凍機9a、9bの冷媒を冷却した冷却水を、第2熱交換器8bで海洋深層水と熱交換して冷却する構成とした。
また、ターボ冷凍機9a、9bの冷媒を冷却する冷却水を海洋深層水で冷却できる。
さらに、ターボ冷凍機9a、9bの冷却水との熱交換で温度が上昇した海洋深層水を淡水化ユニット300(図2参照)に導入してRO膜モジュール17(図2参照)で効率よく淡水化できる。
また、例えば電気駆動のヒートポンプによって空気を冷却する従来の空調装置や、ターボ冷凍機のみで冷房用水を冷却するシステムよりも大幅にCO2を削減することができる。
このような水温調節装置は、例えば、原水槽5に備わる加熱装置や冷却装置とすることができる。そして、原水槽5における海洋深層水の温度を10〜12℃に維持するように構成すればよい。この構成によって、淡水化ユニット300に導入される海洋深層水の温度を25〜30℃に維持することができ、淡水化ユニット300で上水を製造する効率を高く維持できる。
1a 熱交換装置
8a 第1熱交換器
8b 第2熱交換器
9a,9b ターボ冷凍機(チラーユニット)
11 冷却水ポンプ(チラーユニット)
200 熱交換ユニット
210 空調端末
300 淡水化ユニット
Claims (5)
- 海洋深層水と被熱交換媒体が熱交換して前記被熱交換媒体を冷却する第1熱交換器と、
前記海洋深層水との熱交換で温度が低下した前記被熱交換媒体を冷媒でさらに冷却するチラーユニットと、
前記被熱交換媒体との熱交換で温度が上昇した前記海洋深層水と前記チラーユニットで前記冷媒を冷却して温度が上昇した冷却水が熱交換して前記冷却水を冷却する第2熱交換器と、を含んで構成される熱交換装置を備え、
前記熱交換装置で冷却された前記被熱交換媒体を冷熱源とすることを特徴とする空調装置。 - 前記冷却水との熱交換で温度が上昇した前記海洋深層水をRO膜を利用して淡水化する淡水化ユニットを備えることを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
- 前記第1熱交換器の入口における前記海洋深層水の温度が10〜12℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空調装置。
- 海洋深層水と被熱交換媒体が熱交換して前記被熱交換媒体を冷却する第1熱交換器と、
前記海洋深層水との熱交換で温度が低下した前記被熱交換媒体を冷媒でさらに冷却するチラーユニットと、
前記被熱交換媒体との熱交換で温度が上昇した前記海洋深層水と前記チラーユニットで前記冷媒を冷却して温度が上昇した冷却水が熱交換して前記冷却水を冷却する第2熱交換器と、を含んで構成される熱交換装置を有し、
前記第2熱交換器で前記冷却水と熱交換して温度が上昇した前記海洋深層水をRO膜を利用して淡水化する淡水化ユニットを備えることを特徴とする海洋深層水利用システム。 - 前記第1熱交換器の入口における前記海洋深層水の温度が10〜12℃であることを特徴とする請求項4に記載の海洋深層水利用システム。
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