以下の本発明に係る実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
まず、本発明の実施形態における家畜(例えば、鶏、豚など)のための給餌システム20について、図面を参照して説明する。図1に給餌システム20の概略構成を示す。この給餌システム20は、飼料検知機能のある給餌装置10と、給餌装置10に搬送路21を通じて飼料を搬送する搬送部22と、飼料を貯蔵する貯蔵部23と、飼料検知機能のない給餌装置30とを備えている。飼料検知機能のある給餌装置10と搬送部22とは結線されており、給餌システム20では、給餌装置10で飼料を検知したときに、搬送部22を停止し、給餌装置10、30からの給餌を停止する構成となっている。
搬送部22は、例えば、パイプで構成される搬送路21と、搬送路21内に設けられたスクリューコンベア31と、スクリューコンベア31を回転駆動するモータ32(飼料搬送用の駆動部)とを備えて構成されている。また、貯蔵部23は、例えば、ホッパーで構成されている。また、給餌装置10、30は、器となる皿部11、11Aから家畜に飼料を与える(給餌する)機能を有して構成されている。このうち、給餌装置10は、さらに飼料検知機能を有して構成されている。この飼料検知機能については後述するが、給餌装置10の皿部11に所定量の飼料が貯留(蓄積)されたことを検知する機能である。なお、皿部11と皿部11Aとの相違点は、平面視円形状の一部がカットされたものが皿部11で、カットされていないものが皿部11Aである。
図1に示すように、給餌システム20では、搬送路21の一端側(上流側)に搬送路21と連通する貯蔵部23が設けられ、搬送路21の他端側(下流側)に搬送路21と連通する給餌装置10が設けられている。また、貯蔵部23と給餌装置10との間の、搬送路21の中途に搬送路21と連通する複数の給餌装置30が設けられている。また、搬送路21の他端側にモータ32が設けられている。このモータ32は、ドライブシャフト(図示せず)を介して搬送路21内で延びるスクリューコンベア31と連結されている。
なお、モータ32を搬送路21の一端側(上流側)に設けて、スクリューコンベア31と連結することもできる。しかしながら、上流側にモータ32を設ける場合、スクリューコンベア31は、飼料を押しながら搬送することになり、下流側のスクリューコンベア31にたわみが生じ、搬送路21と干渉して騒音がするおそれがある。そこで、本実施形態では、下流側となる搬送路21の他端側にモータ32を設けている。
ここで、給餌システム20の動作の一例について説明する。貯蔵部23に飼料が貯蔵された状態において、モータ32を駆動し、スクリューコンベア31を回転させる。これにより、搬送路21の一端側から他端側へと、飼料が搬送されていく。搬送路21では貯蔵部23に最も近い上流の給餌装置30から最も下流の給餌装置10まで飼料が搬送され、供給装置10、30へ飼料が供給される。
供給装置10で飼料の貯留(蓄積)が所定量に達すると、飼料検知機能によって、飼料を検知したこととなり、搬送部22(モータ32)の動作が停止される。したがって、給餌システム20では、搬送路21のすべてに飼料が行き渡った後に、飼料搬送を停止し、給餌装置30および給餌装置10への飼料供給を停止することができる。
次に、本発明の実施形態における給餌装置10について、図面を参照して説明する。図2に斜視による給餌装置10を示す。また、図3に図2のA−A線に対応する給餌装置10の断面、図4に図3のB−B線に対応する給餌装置の断面、図5に図3のC−C線に対応する給餌装置10の断面を示す。また、図6に図4の給餌装置10の要部(検知部12)を拡大して示す。また、図7に斜視による一部(アダプタ部34など)を取り外した給餌装置10を示す。また、図8に図7の給餌装置10の要部上面(平面)を示す。
給餌装置10は、家畜に飼料を与える器となる皿部11と、皿部11の上方に設けられ、皿部11に貯留された飼料を検知する検知部12(飼料検知機能)とを備えている。また、給餌装置10は、組立基部となる本体部18と、家畜から本体部18をガードするガード部33と、搬送部22(搬送路21)と連結されるアダプタ部34とを備えている。これら皿部11、検知部12、ガード部33およびアダプタ部34などが、本体部18に組み付けられている。
図3に示すように、アダプタ部34は、搬送路21(図1参照)であるパイプが固定穴35a(貫通穴)で固定して組み付けられるためのパイプ固定部35を有している。また、アダプタ部34には、搬送路21の他端でモータ32が組み付けられるためのフランジ部36を有している。このフランジ部36の中央部には、貫通穴36aが形成されており、モータ32のドライブシャフト(図示せず)が貫通穴36aを通過して設けられる。
そして、本体部18の上部に設けられたアダプタ部34の内部34aには空間領域が形成されており、この空間領域が搬送路21に形成されている開口部と連通する。アダプタ部34の本体部18側では、内部34aが開口されているため、搬送路21から搬送されてきた飼料がアダプタ部34の内部34aを介して本体部18に供給されることとなる。
この本体部18は、図3に示すように、一方(上方)に飼料が導入される導入口18a(開口部)と、他方(下方)に飼料が排出される排出口18b(開口部)とを有する筒状体で構成されている。本体部18では、排出口18b側の開口部が導入口18a側の開口部より広くなるようにして、飼料の落下フードとして構成されている。
本体部18の上面視からの平面形状は、図8に示すように、側壁18fで構成された矩形状となっている。また、導入口18aおよび排出口18bの開口形状は、矩形状となっている。また、矩形状の排出口18b側において、本体部18の内部は、互いに平行して対向する、一対の平坦な内壁面18d、18dおよび一対の平坦な内壁面18e、18eを有している。
本体部18の導入口18aと連通して本体部18の上部には、アダプタ部34が設けられている。また、本体部18の排出口18bの下方には、器となる皿部11が排出口18bと対向して設けられている。このような構成において、搬送部22で搬送された飼料が、アダプタ部34を介して導入口18aから本体部18内に導入され、筒状の本体部18内を通過(落下)して、排出口18bから排出されて、皿部11上に貯留される作用が得られる。なお、本体部18の内部とアダプタ部34の内部34aとは連通されており、搬送路21から皿部11への飼料供給における筒状体(供給部)として、アダプタ部34は本体部18の一部とみなすこともできる。
本体部18の下方の皿部11は、皿部11の外周部(縁部)側の内底部11a(図3参照)が、家畜に飼料を与えるために露出して設けられている(露出した領域を給餌スペースともいう。)。皿部11の平面形状(図8参照)は、略半円形状であり、皿部11の縁部が円弧部11dと円弧部11dの端どうしを直線状の繋ぐ連結部11eとで構成されたものとなっている。
この皿部11は、フランジ部36の搬送路21側の下方が円弧部11d、フランジ部36のモータ32側の下方が連結部11eとなるように設けられている。より具体的には、皿部11の連結部11eとフランジ部36の平面とが平行になるように設けられている。また、このような皿部11の形状に合わせるように、本体部18は、アダプタ部34のフランジ部36の下方の本体部18の側壁18fが、フランジ部36の平面と平行となるように設けられている。
また、皿部11は、皿部11の中央部が上方へ突起する突起部11bに形成され、この突起部11bが排出口18bを通って本体部18の内部に進入するように設けられている。そして、皿部11は、この突起部11bを覆い、突起部11bの外壁を構成する拡散部40を有している。
図9に拡散部40を斜視によって示す。拡散部40の内部40aには、空間領域が形成されている。この内部40aを形成するために、拡散部40は、拡散部40の外壁を構成する下部40bおよび傾斜する屋根を構成する上部40cを有している。このような拡散部40の底部側では、内部40aが開口されており、この内部40aに突起部11bが進入することとなる(図3参照)。
拡散部40の下部40bは、作動板14側に膨らんで円弧を描く外壁面40eおよび互いに平行して対向する一対の平坦な外壁面40d、40d(図8参照)を有して構成されている。この外壁面40dは、本体部18の内部の内壁面18dと平行して対向している。
このような拡散部40を設けることで、導入口18aから本体部18内に導入された飼料が拡散部40の上部40cに衝突し、上部40cの傾斜面に沿って所望方向に飼料が分配されながら排出口18bから排出される作用が生じる。したがって、排出口18bから排出される飼料が皿部11の内底部11aに均等に分配されて貯留される効果が得られる。また、本体部18の内部の内壁面18dと、拡散部40(突起部11b)の外壁面40dとの間で飼料の動きが規制されるため、例えば、飼料供給の際に、拡散部40の回りを飼料が回動するのを防止することができる。なお、突起部11b自体がこのような形状であれば、皿部11に拡散部40を設けなくともよい。
検知部12は、図6に示すように、スイッチ13と、スイッチ13を収納するケース41と、スイッチ13に設けられた第1磁石16と、作動板14と、作動板14に設けられた第2磁石17とを有して構成されている。一対の第1磁石16および第2磁石17は、互いが対向した際に反発力が強くなる(作用する)ように設けられている。第1磁石16および第2磁石17には、例えば、ネオジム磁石などの永久磁石を用いることができる。
スイッチ13は、作動板14の作動によりオンオフ動作して、給餌または給餌停止の制御を行うものである。給餌装置10(給餌システム20)では、スイッチ13がオンのとき家畜に対して給餌され、スイッチ13がオフのとき給餌が停止される構成となる。
例えば、スイッチ13には、マイクロスイッチを用いることができる。このスイッチ13は、例えば、往復動するプランジャ13aと、プランジャ13aを押動するレバー13bと、端子13c、13d、13eとを有している。このスイッチ13において、レバー13bの先端部に、第1磁石16が設けられている。また、端子13c、13d、13eは、例えば、共通端子、NC(Normally Close)端子、NO(Normally Open)端子であり、ケーブル端子42(図2参照)と電気的に接続されている。このケーブル端子42を介して、検知部12と搬送部22(図1参照)とが結線される。
スイッチ13では、例えば、NC端子を使用し、飼料搬送時において作動板14の自重による圧力でNC端子をクローズしている(スイッチ13がオン状態である。)。また、検知部12の作動板14まで飼料が到達し、作動板14が押圧される(押し込まれる)と、NC端子がオープンする(スイッチ13がオフ状態である。)。なお、スイッチ13がオン状態のときは、スイッチ13とモータ32とは電気的に接続され、他方、スイッチ13がオフ状態のときは、スイッチ13とモータ32とは非接続となり、モータ32が停止する。
図10にスイッチ13を収納するケース41を斜視によって示す。ケース41は、内部でスイッチ13がネジ止めされ、スイッチ13を飼料から保護するものとなる。また、ケース41には開口部が形成されており、この開口部にブッシング43が設けられている。ブッシング43の貫通穴からスイッチ13の端子13c、13d、13eのケーブルが、ケース41内部から取り出されて、ケーブル端子42を構成する。
作動板14は、スイッチ13を動作させるものである。この作動板14は、飼料からの押圧力を受けて作動するように、本体部18の内部で往復動可能に設けられている。図11に作動板14を斜視によって示す。また、作動板14の往復動方向を、図8および図12中の矢印19で示す。
この作動板14は、例えば、一枚のステンレス鋼から加工形成され、飼料を受け止める平面部14aと、回転軸44が設けられる一対の軸受け部14b、14bと、飼料を受け止め易くする一対のフラップ部14c、14c(側壁部)とを有している。本体部18で軸支された回転軸44(図4参照)によって、作動板14が回動するように設けられる。このような作動板14において、スイッチ13側のフラップ部14cに、第2磁石17が設けられる。図11には、第2磁石17が取り付けられる取り付け位置L2を示している。この第2磁石17は、作動板14の作動と共に、スイッチ13に設けられた第1磁石16に近接可能となるように設けられていることになる。
作動板14は、軸受け部14bで回転軸44によって作動(回動)し、平面部14aおよびこれを補助するフラップ部14cによってより作動し易い構成となっている。なお、ケース41には、作動板14の作動を規制するストッパ41a(図6、図12参照)が設けられている。
ここで、検知部12では、ケース41を構成する外壁が、スイッチ13と作動板14との間に設けられ、飼料からスイッチ13(特に、プランジャ13aやレバー13bの可動)を保護する保護壁15となっている(図6参照)。この保護壁15は、飼料を遮るものであって磁界を遮るものではないため、第1磁石16と第2磁石17との間に保護壁15が設けられていても、第1磁石16と第2磁石17とが対向するように近接した際、反発力が強くなり、互いが反発し合うこととなる。他方、第1磁石16と第2磁石17とが離隔するにつれ、反発力が弱くなる。このため、作動板14は、本体部18の内部で往復動可能となる。
作動板14に飼料からの押圧力が作用して、第1磁石16と第2磁石17とが互いに近接(対向)すると、第2磁石17に対して第1磁石16が反発し、レバー13bを介してプランジャ13aが押動される。すなわち、スイッチ13がオンからオフの状態となる。他方、互いが離隔して、第1磁石16と第2磁石17の反発力が弱まると、プランジャ13aが解除される。すなわち、スイッチ13がオフからオンの状態となる。
このように、検知部12では、保護壁15によって保護されたスイッチ13のオンオフ動作が、第1磁石16と第2磁石17の接離動で行われる。この検知部12によれば、保護壁15で飼料からスイッチ13を保護しながら、磁力を用いた検知部12で飼料を検知することができる。これにより、飼料検知の信頼性を高めることができる。
また、給餌装置10では、フランジ部36の搬送路21側の下方が円弧部11d、フランジ部11のモータ32側の下方が連結部11eとなるように皿部11が設けられ、モータ32の下方の皿部11に位置する部分がカットされたものとなっている。カットされた部分には飼料が供給されないこととなる。言い換えると、皿部11には家畜に採食される分の飼料だけが供給されることとなる。したがって、図14を参照して説明したような課題に対して、皿部11の給餌スペースが、モータ32に隠れる状態がなくなり、給餌に無駄が無く、給餌能力を高めることができる。
また、連結部11eがフランジ部36の平面と平行な直線状に構成されることや、フランジ部36の下方の本体部18の側壁18fが、フランジ部36の平面と平行である構成とすることで、円弧部11dで給餌スペースを確保しながらフランジ部36のモータ32側の空間に自由度が生まれる。すなわち、モータ32の形状などに依存しないで、フランジ部36にモータ32を組み付けることができる。また、皿部11の連結部11eが直線状に構成されることで、皿部11において飼料の詰まり(残り)がなくなるため、給餌能力を高めることができる。
ところで、ガード部33は、家畜から本体部18をガードするために設けられると共に、本体部18に皿部11を固定(支持)するために設けられている(図4参照)。このガード部33は、筒状の上部係合部33aと、環状の下部係合部33bと、上部係合部33aと下部係合部33bとを連結する複数のアーム部33cとを有して構成されている。上部係合部33aは、本体部18を囲繞するように設けられている。この上部係合部33aには内部に突き出る爪部33dが形成されており(図5参照)、本体部18の外部に形成されている係止部18cと係合する。また、下部係合部33bは、皿部11の縁部を覆うように設けられている(図3参照)。この下部係合部33bには貫通する係止部33eが形成されており、皿部11の縁部に形成されている爪部11cと係合する。
本体部18の係止部18cは、図5に示すように、本体部18の高さ方向に複数形成されている。このため、所望の係止部18cに対して爪部33dを係合させることで、調整高さHaの範囲内で位置調整して設けることができる。すなわち、給餌装置10の高さを調整することができる。例えば、搬送路21(図1参照)に設けられる複数の給餌装置30の高さに合わせて、給餌装置10の高さを調整することもできる。
また、皿部11の内底部11aから固定された高さHfおよび調整高さHaの範囲で、検知部12を調整して設けることができる。すなわち、皿部11の内底部11aから所望の距離で検知部12の位置を固定することができる。この距離を調整することで、検知部12で飼料を検知する、飼料の貯留量を調整することができる。
次に、給餌装置10の動作について、図面を参照して説明する。図12および図13は、給餌装置10の動作を説明するための図である。なお、説明を明解にするために、図12、図13では、作動板14の回転軸44の中心位置O、第1磁石16がスイッチ13に取り付けられている取り付け位置L1、第2磁石17が作動板14に取り付けられている取り付け位置L2を示している。
図12に示すように、皿部11が空のときのような、検知部12が飼料100を検知していない状態では、線分O−L1と線分O−L2との所定の角度θをもって、第1磁石16と第2磁石17とが離隔している。回動可能な作動板14に設けられている第2磁石17は、作動板14の重心と回転軸44の位置関係により自重のみでも、ある程度の角度を保持するが、第1磁石16と第2磁石17との反発力によって遮られてしまう。このため、線分O−L1と、線分O−L2との間で所定の角度θで第1磁石16と第2磁石17とが離隔するように、作動板14が傾斜した状態で保持されることとなる。
検知部12が飼料を検知していない通常の状態(スイッチ13がNC)では、図1に示す搬送部22(スクリューコンベア31、モータ32)が作動し、飼料100が搬送される。図12の白抜き矢印24で示すように、搬送部22から飼料が供給された給餌装置10では、本体部18の内部を通過して、皿部11に飼料100が貯留し始める。
続いて、図13に示すように、さらなる飼料供給により、本体部18の内部にまで飼料100が達する(蓄積する)。このとき、本体部18の平坦な内壁面18dと、突起部11b(拡散部40)の平坦な外壁面40dとが平行して設けられている(図8参照)ので、飼料は動きが規制される。すなわち、飼料は、作動板14の背面に回り込むのではなく、作動板14の平面部14aに向うように規制される。したがって、作動板14の動作範囲が確保されるので、飼料検知の信頼性が高められる。
また、給餌装置10では、本体部18に設けられている検知部12のスイッチ13を保護壁15(ケース41)によって保護しているため、飼料100がスイッチ13の可動に不具合を与えることを防止している。このため、仮に飼料残りが本体部18にあったとしても、スイッチ13が正常に作動することとなる。
そして、飼料100が作動板14に接して押圧力を及ぼし始めると、作動板14(第2磁石17)は、作動板14の作動(回動)と共に第1磁石16に近接していき、最終的に線分O−L1と線分O−L2とが一致するように、ストッパ41aで停止する。このとき、第1磁石16と第2磁石17とが最も近接して対向し(図6参照)、第2磁石17に対して第1磁石16が反発し、レバー13bを介してプランジャ13aが押動される。すなわち、スイッチ13がオンからオフの状態となり、検知部12が飼料100を検知したこととなる。
検知部12が飼料100を検知することで、給餌システム20においては、すべての給餌装置10、30に所定量の飼料100が貯留したことになって、搬送部22(スクリューコンベア31、モータ32)の動作が停止される。すなわち、給餌システム20における給餌装置10、30からの給餌が停止されることとなる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、代表的なものの新規な特徴およびこれによって得られる作用、効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。
給餌装置10は、家畜に飼料を与える皿部11を備えている。また、給餌装置10は、一方に飼料が導入される導入口18aと、他方に飼料が排出される排出口18bとを有し、皿部11に排出口18bを対向させて皿部11の上方に設けられる筒状の本体部18を備えている。また、給餌装置10は、本体部18の導入口18aと連通して本体部18の上部に設けられ、飼料を搬送する搬送路21と連通されるアダプタ部34を備えている。アダプタ部34は、搬送路21の端で飼料搬送用の駆動源(モータ32)が組み付けられるフランジ部36を有している。皿部11は、モータが組み付けられるフランジ部36下方以外の箇所に設けられている。
これによれば、駆動源(モータ32)の下方の皿部11に位置する部分がカットされたものとなる。カットされた部分には飼料が供給されないので、言い換えると、皿部11には家畜に採食される分の飼料だけが供給されるので、給餌に無駄が無く、給餌能力を高めることができる。
さらに、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施形態では、連結部11eは、フランジ部36の平面と平行な直線状に構成されている場合について説明した。これに限らず、例えば、円形状の皿部において、駆動部の平面形状の領域だけをカットする場合であってもよい。この場合であっても、家畜が採食しにくい駆動部下方には飼料が供給されないので、給餌に無駄が無く、給餌能力を高めることができる。
前記実施形態では、本体部18は、フランジ部36の平面と平行な側壁18fを有して構成されている場合について説明した。これに限らず、フランジ部の下方に本体部が飛び出しすぎなければ、本体部の側壁が曲面を形成する場合であってもよい。
前記実施形態では、検知部12の飼料検知(スイッチ13のオフ)により搬送部22を停止させる場合について説明した。これに限らず、例えば、本体部の導入口を開閉するシャッタ部を給餌装置に設け、検知部の飼料検知により前記シャッタ部を閉じて、給餌を停止する構成とする場合であってもよい。また、例えば、表示部やアラームを給餌装置に設け、検知部の飼料検知により警告表示や発報をすることで、作業者に給餌の停止を行わせる場合であってもよい。
前記実施形態では、搬送路21の一端側(上流側となる)に貯蔵部23を設け、搬送路21の他端側(下流側となる)に給餌装置10を設けた場合について説明した。これに限らず、搬送路の中途部に貯蔵部を設ける場合であってもよい。この場合、搬送部が搬送路の一端側および他端側へ交互に飼料を搬送する構成となるように、駆動部を正逆回転させることが考えられる。
前記実施形態では、搬送路21の端に飼料検知機能を有する給餌装置10を設け、その給餌装置10の皿部11がカットされた場合について説明した。これに限らず、搬送路の端に飼料検知機能を有しない給餌装置を設け、その給餌装置の皿部がカットされた場合であってもよい。
前記実施形態では、駆動源としてモータ32を適用した場合について説明した。これに限らず、駆動源として手動でスクリューコンベアを回転させる機構を適用する場合であってもよい。