JP5434633B2 - 安全装置を備えた扇風機 - Google Patents

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この発明は長期間の使用による安全装置を備えた扇風機に関する。
ベースの上部に支柱を配置し、支柱の上部に設けた基部にモータケースを回動可能に取り付け、モータケース内に備えたファンモータの回転軸に送風ファンを取り付けると共に、モータケースの前面に送風ファンを覆うガードを取り付け、ファンモータによって送風ファンが回転して風を送る扇風機が知られている(特許文献1参照)。
ファンモータなど家庭用交流電源に接続して駆動されて大量に電気を消費する電気部品については、機器の不使用中は電気の供給が停止される構造になっている。電源コードを壁コンセントに接続して運転開始スイッチを押すと、ファンモータなどの電気部品に通電して運転が開始し、運転停止スイッチを押すと電気部品の通電が切断して運転が停止し、不使用中は電気部品への電気の供給ができないようになっている。
特開平4−246289号公報。
ところで、機器に備えた各種の電気部品は、機器の使用頻度が少なくても長年の使用により経年劣化が進んでおり、ファンモータの起動用のコンデンサは経年劣化が原因で異常加熱して発煙・発火する恐れがあり、火災などの重大なトラブルにつながる恐れがあることがわかった。このため、長年使用された機器の電気部品の劣化に対する安全対策の必要性が高まってきている。
この発明は上記の課題を解決するもので、床面に置かれるベース1の上部に配置した支柱2と、該支柱2の上部に設けた基部3と、該基部3の上部に回動可能に取り付けたモータケース4とを備え、該モータケース4内に配置したファンモータ5と、該ファンモータ5で駆動する送風ファン6とを備え、かつ、前記モータケース4の前面に取り付けた前記送風ファン6を覆うガード7を備えた扇風機において、扇風機の制御装置8には電気部品を駆動する交流電源が初めて供給されたときを検出して作動する初回運転検出手段9と、所定時間を計時するタイマ手段10と、電気部品の電源回路12を切断する電源供給手段11とを備え、前記制御装置8は、前記初回運転検出手段9が作動したときに前記タイマ手段10のカウントを開始し、該タイマ手段10が所定時間カウントした出力で前記電源供給手段11を作動して前記電源回路12を切断し、以降の電気部品への通電を不可能な状態にすることを特徴とする安全装置を備えた扇風機である。
また、前記初回運転検出手段9は、前記モータケース4内に配置した光検知手段13と、前記モータケース4に前記ガード7を装着したときに作動するガード検出手段14とで構成し、前記制御装置8は、電源投入後に前記光検知手段13による光検知信号と、前記ガード検出手段14によるガード検出信号の両方を入力したときに、初回運転検出信号を出力することにより、初回運転検出手段9は誤作動を起こすことなく確実に機器の使用開始を検出することができる。
また、前記タイマ手段10は、前記電気部品に電気を供給する電源回路12とは別の電源12aを備え、前記電源回路12に交流電源の供給が停止しているときもカウントを継続することにより、機器の使用時間にばらつきがあっても、初回運転検出手段9が作動して使用開始を検出したときから電源回路12を切断して電気部品への通電を停止するまでの時間に大きな誤差はなく、電気部品の経年劣化に対する安全性が確保できるものである。
扇風機は出荷時に送風ファン6とガード7が分解された状態で梱包されており、機器の使用を開始するときに購入者が送風ファン6やガード7を組み立てる構造となっている。扇風機を組み立てた後、はじめて電源コードを壁コンセントに接続して制御装置8に電源が供給されると初回運転検出手段9が作動し、制御装置8は初回運転検出手段9からの検出信号を受けてタイマ手段10のカウントを開始する。
そして、機器の使用を開始してから、タイマ手段10があらかじめ設定された所定時間をカウントすると電源供給手段11を作動して電源回路12が切断され、電気部品への通電を停止する構成としている。
この発明では、各種の電気部品が経年劣化により発煙・発火などの危険な状態となる前に電源回路12が切断されて電気部品に電気が供給されなくなり、運転開始操作を行っても機器が使用できなくなるようにしたから、安全に使用できる期間を越えて使用を継続することがなくなり、火災などの重大なトラブルを防ぐことができる。
また、初回運転検出手段9は光検知手段13とガード検出手段14とで構成し、扇風機の使用を開始するため、機器を箱から取り出したときに光検知手段13に光が届くと共に、ガード7を取り付けたときにガード検出手段14が切替わる構造であり、扇風機の組み立て後に初めて電源コードを壁コンセントに接続して光検出手段13の光検出信号とガード検出手段14のガード検出信号が出力されたときに、機器の使用開始を検出するものであり、初回運転検出手段9は扇風機が使用可能状態となったときに初めて作動するから、使用開始時期を確実に検出することができる。
また、タイマ手段10は電気部品に電源を供給する電源回路12とは別の電源12aで作動して、扇風機の停止中もカウントを継続する構成としている。このため、扇風機の使用時間によらず時間を確実に検出することができるものであり、電気部品の劣化に対する安全性が確保できるものである。
この発明の実施例の扇風機の構成を示すブロック図である。 この発明の実施例を示す扇風機の断面図である。 この発明の実施例を示す扇風機の組み立て前の状態を示す断面図である。 この発明の実施例を示す回路図である。
図に示す実施例によってこの発明を説明すると、1は扇風機のベース、2aはベース1の上面の中央部から立設した筒状の下部支柱、2bは下部支柱2a内に上下動可能に取り付けられた上部支柱、2は上部支柱2aと下部支柱2bで伸縮可能に構成した支柱であり、上部支柱2bが上下動することで扇風機の高さ位置が調整できる。
3は支柱2を構成する上部支柱2bの上端に設けた基部、3aは基部3から上方に延びる回転軸、3bは回転軸3aの上端に取り付けたモータベースであり、モータベース3bは回転軸3aによって基部3に回動可能に取り付けられている。5はモータベース3bに取り付けたファンモータ、5aはファンモータ5のモータ軸、4は基部3の上部に位置するファンモータ5を覆うモータケース、4aはモータケース4の前面に取り付けた固定板であり、ファンモータ5のモータ軸5aが固定板4aを貫通して前方に突出している。
6はモータ軸5aに取り付けた送風ファン、7は送風ファン6の前後を囲むガードであり、ファンモータ5が駆動するとモータ軸5aに取り付けられた送風ファン6が回転して前方に風を送り出すことができる。
15はベース1に設けた操作部、16は操作部15に配置したスイッチで構成する風量設定手段であり、実施例では風量設定手段16を押すと電源が入って「微弱」で運転開始し、風量設定手段16を押す度に「弱」「中」「強」「停止」の順に切り替わるようになっており、扇風機の運転・停止と風量の切り替えを1つのスイッチで行うことができる。
8はベース1内に配置した扇風機の運転を制御するマイクロコンピュータを内装した制御装置、17は制御装置8に備えたファンモータ5の回転数を制御するファンモータ制御手段であり、風量設定手段16で風量を選択すると制御装置8からファンモータ制御手段17に出力信号が送られ、ファンモータ制御手段17はこの出力信号に基づいて予め設定された電圧をファンモータ5に通電し、送風ファン6が指定された回転数で回転するものであり、風量設定手段16によって風量を変更すると、ファンモータ5に通電する電圧が変更されてファンモータ5の回転数が変更され、送風ファン6の送風量が可変できる。
18はモータケース4内のモータベース3bに取り付けた首振り用モータ、19は首振り用モータ18に取り付けた偏心カム、20は偏心カム19と基部3との間に連結する駆動リンクであり、首振りモータ18が駆動すると偏心カム19が回転し、偏心カム19に連結した駆動リンク20が往復運動してモータベース3bが回転軸3aを中心に揺動するので、モータケース4が基部3に対して左右に首振りする。21は操作部15に設けた首振りスイッチであり、首振りスイッチ21を押すと首振り用モータ18が駆動してモータケース4が首振り運転を行なうものであり、扇風機の周囲にいる複数の人に風を送ることができる。
ファンモータ5や首振り用モータ18といった電気部品は家庭用交流電源に接続して駆動するものであり、22はベース1に取り付けた電源コード、12は電源コード22に接続して電気部品に電源を供給する電源回路であり、電源コード22を壁コンセントに接続することで電源回路12に電気が供給される。
制御装置8の通電は風量設定手段16が作動・停止を指示しており、制御装置8が電気部品の通電制御を行なう構造になっており、機器の不使用中には電気部品に電気を供給しないようになっている。
現在市販されている扇風機は、送風ファン6とガード7がモータケース4やファンモータ5のモータ軸5aから取外された状態で梱包用ダンボールに梱包され、収納・梱包の容積を少なくしており、使用を開始するときに組み立てるものが一般的となっている。
4bはファンモータ5のモータ軸5aの周囲を囲むように固定板4aに設けたガード固定部、7aは固定板4aに取り付ける後ガード、7cは固定板4aのガード固定部4bに係合するガード固定手段であり、固定板4aのガード固定部4bとガード固定手段7cにはネジが形成されている。後ガード7aの中央の開口を固定板4aのガード固定部4bに嵌合した後、ガード固定手段7cをガード固定部4bに係合すると後ガード7aが固定板4aに固定される。
6aはファンモータ5のモータ軸5aと係合するファン固定手段であり、後ガード7aを固定板4aに取り付けた後、送風ファン6をモータ軸5aに嵌合し、ファン固定手段6aをモータ軸5aに係合すると送風ファン6が固定される。
7bは後ガード7の前方に取り付ける前ガード、7dは後ガード7aと前ガード7bを係合するための係止片であり、前ガード7bを後ガード7aに取り付けて係止片7dによって固定する。
扇風機に内蔵する電気部品は長年使用を続けるうちに少しずつ劣化が進み、ファンモータ5や首振り用モータ18の駆動用のコンデンサから液漏れが発生することがあるが、ファンモータ5や首振り用モータ18が液漏れした状態で使用を続けるとモータが過熱して発煙や発火の恐れがあることがわかった。そのため、長年使用された扇風機の点検や使用中止を呼びかけると共に、経年劣化に対する安全対策の強化の必要性が高まってきている。
この発明の実施例において、9は制御装置8に備えた初回運転検出手段、10は所定時間計時するタイマ手段、11は電気部品への通電・停止を行なう電源供給手段であり、初回運転検出手段9は制御装置8に初めて電源が供給されたときに作動し、タイマ手段10のカウントを開始する。タイマ手段10がカウント開始してから予め設定された所定時間が経過すると電源供給手段11が電源回路12を切断して電気部品への通電を停止する。
タイマ手段10のカウント時間は電気部品の液漏れが発生して危険な状態となる前に電源回路12を切断して電気部品への通電が停止するように設定されている。例えば、機器の使用開始から8年以上経過すると電気部品の液漏れが発生する可能性が高くなる場合、初回運転検出手段9が使用開始を検出してタイマ手段10がカウントを開始してから8年後に電源供給手段11が電源回路12を切断するように設定している。
電源供給手段11が電源回路12を切断した以降は、電源コード22を壁コンセントに接続して風量設定手段8を押しても電気部品に通電されなくなり、機器を使用することができなくなるから、安全性が確保できる期間を大きく越えて使用を続けることがなくなり、経年劣化による電気部品からの発煙・発火の恐れはなく、安全性を確保できるものとなった。
初回運転検出手段9の具体的な実施例として、13はモータケース4内の光が届き易い部分に配置した光検知手段であり、cdsやフォトトランジスタのような半導体素子を使っている。14はモータケース4の固定板4aの後ガード7aとの接触面に配置したガード検出手段であり、マイクロスイッチを使っている。
扇風機を購入後、初めて使用するときに梱包用ダンボールから機器を取り出すと、モータケース4内の光検知手段13に光があたる。また、モータケース4の固定板4aとファンモータ5のモータ軸5aに後ガード7a・送風ファン6・前ガード7bの順に取り付けると、後ガード7aによってガード検出手段14が押されて切り替わる。
扇風機を組立後、電源コード22を壁コンセントに接続して電源回路12に電気が供給されると、光検知手段13とガード検出手段14が作動し、初回運転検出手段9は光検知手段13の検知信号によって周囲が明るい状態であることを検出すると共に、ガード検出手段14の検出信号によって後ガード7aが取り付けられた状態であることを検出したときに、機器の使用が開始されたと判断し、タイマ手段10のカウントを開始するものである。
初回運転検出手段9は、光検知手段13とガード検出手段14と電源回路12の条件がそろうことではじめて機器の使用開始を検出するものであり、例えば扇風機を組み立てる前に電源コード22を壁コンセントに接続してもガード検出手段14の検出信号が出力されないから使用開始を検出することはない。このため、初回運転検出手段9が誤作動することなく正確な使用開始時期を検出することができる。
初回運転検出手段9が使用開始を検出してタイマ手段10がカウント開始すると、光検知手段13とガード検出手段14は無効となり、周囲の明るさが変化したり、ガード7の着脱が行なわれたりしても、光検知手段13やガード検出手段14から検知信号が出力されることはない。
12aは制御装置8に備えたタイマ手段10の駆動用の電源であり、乾電池やバッテリで構成している。タイマ手段10の電源12aは交流電源が供給される電源回路12とは別に設けられており、初回運転検出手段9が機器の使用開始を検出してタイマ手段10がカウント開始してからは、電源コード22を壁コンセントから外して電源回路12への電気の供給が停止しているときも、タイマ手段10には電源12aから電気が供給されて作動を続けており、機器の不使用時や梱包用ダンボールに収納保管している間もタイマ手段10はカウントを継続している。
タイマ手段10のカウント時間は機器の運転時間を基準に設定してもよいが、その場合使用頻度によって電源回路12が切断されるまでの時間にばらつきが生じやすくなる。使用頻度が低いときは、電源回路12が切断されるまでの時間が実際の電気部品の寿命よりも長くなってしまい、電源回路12が切断される前に寿命となり安全性が確保できなくなることがある。一方、使用頻度が高いときは想定した時間よりも短くなってしまうことが考えられる。
この発明では不使用時でもタイマ手段10がカウントを行うことで、機器の使用開始から電源回路12が切断されるまでの時間が予想される電気部品の寿命と一致するから、機器を使用する期間や1日の使用時間など使用頻度に差があっても、使用開始から電源回路12が切断されるまでの時間にばらつきはなく、経年劣化による電気部品の寿命を越えても電源回路12が切断されなかったり、電気部品の寿命よりも短い期間で使用できなくなってしまったりするようなことはなく、確実に安全性が確保できるものである。
23はタイマ手段10が所定時間カウントしたときに作動する報知手段であり、実施例では操作部15に設けたランプを使用している。タイマ手段10が所定時間カウントすると電源供給手段11は電源回路12を切断して電気部品への通電を停止し、代わって報知手段23に通電するものであり、電気部品の寿命による買い替え時期がきたを知らせることができる。また、機器の不使用中にタイマ手段10が所定時間カウントしたときは、電源コード22を壁コンセントに接続して制御装置8に電気が供給されたときに報知手段23に通電され、買い替え時期がきていることを知らせることができる。
1 ベース
2 支柱
3 基部
4 モータケース
5 ファンモータ
6 送風ファン
7 ガード
8 制御装置
9 初回運転検出手段
10 タイマ手段
11 電源供給手段
12 電源回路
12a 電源
13 光検知手段
14 ガード検出手段

Claims (3)

  1. 床面に置かれるベース(1)の上部に配置した支柱(2)と、該支柱(2)の上部に設けた基部(3)と、該基部(3)の上部に回動可能に取り付けたモータケース(4)とを備え、該モータケース(4)内に配置したファンモータ(5)と、該ファンモータ(5)で駆動する送風ファン(6)とを備え、
    かつ、前記モータケース(4)の前面に取り付けた前記送風ファン(6)を覆うガード(7)を備えた扇風機において、
    扇風機の制御装置(8)には電気部品を駆動する交流電源が初めて供給されたときを検出して作動する初回運転検出手段(9)と、所定時間を計時するタイマ手段(10)と、前記電源回路(12)を切断する電源供給手段(11)とを備え、
    前記制御装置(8)は、前記初回運転検出手段(9)が作動したときに前記タイマ手段(10)のカウントを開始し、該タイマ手段(10)が所定時間カウントした出力で前記電源供給手段(11)を作動して電気部品の電源回路(12)を切断し、以降の電気部品への通電を不可能な状態にすることを特徴とする安全装置を備えた扇風機。
  2. 前記初回運転検出手段(9)は、前記モータケース(4)内に配置した光検知手段(13)と、前記モータケース(4)に前記ガード(7)を装着したときに作動するガード検出手段(14)とで構成し、
    前記制御装置(8)は、電源投入後に前記光検知手段(13)による光検知信号と、前記ガード検出手段(14)によるガード検出信号の両方を入力したときに、初回運転検出信号を出力することを特徴とする請求項1記載の安全装置を備えた扇風機。
  3. 前記タイマ手段(10)は、前記電気部品に電気を供給する電源回路(12)とは別の電源(12a)を備え、前記電源回路(12)に交流電源の供給が停止しているときもカウントを継続する請求項1または2に記載の安全装置を備えた扇風機。
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