JP5434380B2 - 分散処理型シミュレータ - Google Patents
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Description
本実施形態にかかるシミュレータは、空間を分割して複数の計算機リソースに割り当てて分散処理を行う交通流シミュレータである。この場合、エージェントは、例えば車両や歩行者等の移動体とすることができるが、本実施形態においては、車両をエージェントとする場合について説明する。
図1は、本実施形態における分散処理型の交通流シミュレータのシステム構成の例を示す図である。図1に示す例では、複数の計算機A〜DがネットワークNを介して接続されている。計算機A〜Dは、仮想空間に存在する複数のエージェントの挙動の模擬を、分散処理により実現する。計算機A〜Dは、それぞれ、プロセッサとメモリと通信インターフェースを少なくとも備える独立したハードウェアである。なお、分散処理を実現する複数の計算機は、必ずしも独立した計算機である必要はない。例えば、複数のCPUを備えるマルチプロセッサ型コンピュータにおいて、各CPUが、複数の計算機を連携して機能して分散処理を実現してもよい。すなわち、各計算機は、互いにデータ通信を行い、ぞれぞれでデータ処理を実行するためのリソースであればよく、特定の形態に限定されない。また、計算機の数は、図1に示す例に限られない。
図3は、図1に示す計算機A(識別IDを「PC1」とする。)の機能ブロック図の例を示す図である。他の計算機B〜D等も、計算機Aと同様の構成にすることができる。なお、計算機Aと同様の構成にする他の計算機の個数は1以上であることが望ましい。また、計算機Aのみを以下に示す構成としてもよい。
図4は、図1〜3に示した計算機をCPUを用いて実現したハードウェア構成の例を示す図である。上記計算機は、ディスプレイ21、CPU23、メモリ24、キーボード/マウス25、ハードディスク26、光学式ドライブ27および通信回路28を備える。なお、ディスプレイ21、キーボード/マウス25または光学式ドライブ27は、シミュレータを構成するいずれか1つの計算機に存在するようにしてもよい。
図5は、計算機PC1から計算機PC2へ割当変更候補空間の割当を変更する前後における通信状況を模式的に示す図である。図5の左側(a)に示すように、割当変更前におけるPC1の割当変更候補空間Siは、PC2の分割空間Srと通信している。このため、計算機PC1と計算機PC2と間における割当変更前通信量は、例えば、以下の式で表すことができる。
割当変更前通信量=(分割空間(Si、Sr)内に存在する車両の台数) × Du
ここで、Duは、車両1台あたりに通信するデータ量である。
割当変更後通信量=(分割空間(Si、Su、Sd、Sl)内に存在する車両の台数) × Du
よって、PC1の割当変更候補空間SiをPC2に移動させた場合において、割当変更候補空間Siにかかる計算機PC1と計算機PC2と間における通信量である割当変更後通信量が、PC1の割当変更候補空間SiをPC2に移動させる前の、割当変更候補空間Siにかかる計算機PC1と計算機PC2と間における通信量である割当変更前通信量よりも小さくなる場合には、計算機PC1と計算機PC2と間における通信量を削減することができると予想できる。
図6〜図10を用いて、上記計算機におけるシミュレーションプログラムの処理内容を説明する。図6は、計算機のCPU23で実行されるシミュレーションプログラムに基づく処理を示すオペレーションチャートの一例を示す図である。図7は、本実施形態にかかる交通流シミュレータを構成する一部の計算機(PC1〜3)に割り当てられている複数の分割空間の例を示す図である。図8は、空間割当情報26bの一例を示す図である。図9は、エージェント情報26cの一例を示す図である。図10は、シミュレーションプログラムを実行する場合において、シミュレータにシミュレーション条件を与えるための管理画面の一例である。
D1 = (Ni×2+Nr+Nd) × Du
なお、ここで、「Ni×2」としているのは、PC1からPC2への通信と、PC1からPC3への通信があることを考慮したものである。
D2 = (Ni×2+Nu+Nl+Nd) × Du
なお、ここで、「Ni×2」としているのは、PC2からPC1への通信と、PC2からPC3への通信があることを考慮したものである。
D3 = (Ni×2+Nu+Nl+Nr) × Du
なお、ここで、「Ni×2」としているのは、PC3からPC1への通信と、PC3からPC1への通信があることを考慮したものである。
D1=55×Du 、 D2=47×Du 、 D3=52×Du
この場合、Duは固定値であるので、D2が最小の通信量と判断でき、割当変更後の通信量D2が現在の通信量(割当変更前の通信量)D1よりも小さくなる。
D1=55×Du 、 D2=60×Du 、 D3=65×Du
この場合、Duは固定値であるので、D1が最小の通信量と判断でき、割当変更後の通信量D2,D3は現在の通信量(割当変更前の通信量)D1よりも小さくならない。
本実施形態にかかるシミュレータの計算機は、割当変更候補空間の隣接空間であって自己の計算機に割り当てられている隣接空間と、割当対象となる計算機の各分割空間との間に現在発生している通信量を考慮して、割当変更候補空間を割当対象となる計算機に移動させた場合の通信変化量を算出し、計算機間全体において通信量が削減できるか否かを判断する。これにより、割当変更候補空間だけでなく、隣接空間がどの計算機と通信しているかまで考慮することによって、全体の通信量が削減するように空間割当を変更することが可能となる。つまり、隣接空間の間で発生する通信量を車両台数に基づいて算出して通信量の削減の可否を判断する場合に、計算機間で発生する通信量の実質的な変動を考慮することができる。
本実施形態にかかる分散処理型シミュレータの構成、本実施形態の各計算機に仮想空間内の所定領域を割り当て、複数のエージェントの挙動を模擬する場合を示す模式図、本実施形態の所定領域における車両エージェントと道路地図との関係を示す模式図、本実施形態の計算機の構成例を示す機能ブロック図および、この計算機をCPUを用いて実現したハードウェア構成は、それぞれ第1の実施形態において示した図1〜4と同様である。本実施形態では、第1の実施形態と同様、計算機A(PC1)、計算機B(PC2)および、計算機C(PC3)を用いて分散処理を行う例を説明する。シミュレーション対象とする分割空間の初期割り当て状況は第1の実施形態と同じとする。
図12は、本実施形態にかかる計算機のCPU23で実行されるシミュレーションプログラムに基づく処理を示すオペレーションチャートの一例を示す図である。また、本実施形態にかかる交通流シミュレータを構成する一部の計算機(PC1〜3)に割り当てられている複数の分割空間、空間割当情報26b、エージェント情報26cは、それぞれ第1の実施形態において示した図7〜9と同様である。本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図7に示すように、PC1、PC2およびPC3の各計算機間における通信量を削減させる処理について説明する。
R2 = (+Nl−Nr) × Du
さらに、割当変更候補空間iを別の計算機PC3に割り当てて分割空間Siを処理する場合の通信変化量R3は、下記の式により算出できる。
R3 = (+Nl−Nd) × Du
例えば、上記式において、Ni=20,Nu=1,Nl=1,Nr=10,Nd=5とすると、R1、R2、R3は下記の式によりそれぞれ算出できる。
R1=0 、 R2=−9×Du 、 R3=−4×Du
この場合、Duは固定値であるので、R2が最小の通信変化量と判断でき、PC2への割当変更後の通信量が現在の通信量(割当変更前の通信量)よりも小さくなると予想できる。
R1=0 、 R2=−3×Du 、 R3=+3×Du
この場合、Duは固定値であるので、R2が最小の通信変化量と判断でき、PC2への割当変更後の通信量が現在の通信量(割当変更前の通信量)よりも小さくなると予想できる。
割当変更候補空間iを別の計算機に割り当てる場合、割り当て変更に伴う処理が必要となる。例えば、割当変更候補空間iに存在するすべての車両エージェントのデータを、移動先の計算機に送信する処理が必要となる。そこで、このような処理コストをペナルティとして表現し、このペナルティと通信削減量との比較を行い、通信削減量がペナルティよりも大きい場合に割当を変更するように構成してもよい。なお、この場合、車両数に比例したペナルティを設定するのが妥当である。
P2 = Ni × A
さらに、割当変更候補空間iを別の計算機PC3に割り当てて分割空間Siを処理する場合のペナルティP3は、下記の式により算出できる。
P3 = Ni × A
CPU23は、ペナルティを考慮しても割当変更後の通信量が現在の通信量(割当変更前の通信量)よりも小さくなると判断すれば(オペレーションS1203a、Yes)、割当変更候補空間iの割当てを変更する(オペレーションS1204)。
本実施形態にかかるシミュレータの計算機において、空間割当てを変更するのは、変更先の計算機リソースの処理負荷が許容範囲であるときに限る。そのために、変更元の計算機リソースの空間割当変更部は、変更先の計算機リソースが割当て変更を許諾するかを問い合わせる。交通シミュレーションでは、処理負荷はシミュレーション対象の車両数にほぼ比例すると考えられるので、変更先の計算機は、車両数が上限値を越えない場合に許諾するようにすればよい。
本実施形態にかかる分散処理型シミュレータの構成、本実施形態の各計算機に仮想空間内の所定領域を割り当て、複数のエージェントの挙動を模擬する場合を示す模式図、本実施形態の所定領域における車両エージェントと道路地図との関係を示す模式図、本実施形態の計算機をCPUを用いて実現したハードウェア構成は、それぞれ第1の実施形態において示した図1〜4と同様である。
図16は、移動元となる計算機(例えば、PC1)のCPU23で実行されるシミュレーションプログラムに基づく処理を示すオペレーションチャートの一例を示す図である。図17は、移動先の候補となる計算機(例えば、PC2)のCPU23で実行されるシミュレーションプログラムに基づく処理を示すオペレーションチャートの一例を示す図である。また、本実施形態にかかる交通流シミュレータを構成する一部の計算機(PC1〜3)に割り当てられている複数の分割空間、空間割当情報26b、エージェント情報26cは、それぞれ第1の実施形態において示した図7〜9と同様である。本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、図7に示すように、PC1、PC2およびPC3の各計算機間における通信量を削減させる処理について説明する。
本実施形態にかかるシミュレータの計算機は、割当変更候補空間に存在するエージェントが、前記割当対象となる計算機に割り当てられている分割空間に移動する場合に発生する通信量をさらに考慮して、前記割当変更後通信量を算出する。特に、過去の一定時間において移動したエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機に割り当てられている分割空間に移動する場合に発生する通信量を算出する。これにより、エージェントが分割空間をまたいで移動する場合の通信量を考慮して、通信量を有効に削減できるように空間割当を変更することが可能となる。また、過去の一定時間において移動したエージェントの個数を考慮するため、未来の一定時間に発生が予測される空間間移動の発生数を予測して、空間割当の変更を判断することができる。
本実施形態にかかる分散処理型シミュレータの構成、本実施形態の各計算機に仮想空間内の所定領域を割り当て、複数のエージェントの挙動を模擬する場合を示す模式図、本実施形態の所定領域における車両エージェントと道路地図との関係を示す模式図、本実施形態の計算機の構成例を示す機能ブロック図および、この計算機をCPUを用いて実現したハードウェア構成は、それぞれ第1の実施形態において示した図1〜4と同様である。本実施形態では、第1の実施形態と同様、計算機A(PC1)、計算機B(PC2)および、計算機C(PC3)を用いて分散処理を行う例を説明する。シミュレーション対象とする分割空間の初期割り当て状況は第1の実施形態と同じとする。
本実施形態にかかる交通流シミュレータを構成する一部の計算機(PC1〜3)に割り当てられている複数の分割空間、空間割当情報26b、エージェント情報26cは、それぞれ第1の実施形態において示した図7〜9と同様である。本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図7に示すように、PC1、PC2およびPC3の各計算機間における通信量を削減させる処理について説明する。
D1 = (Ni×2+Nr+Nd) × Du + Dt[i,r] + Dt[i,d]
CPU23は、割当変更候補空間iを別の計算機に割り当てた場合における、割当変更候補空間iと隣接空間との間の通信量を算出する(オペレーションS603)。
D2 = (Ni×2+Nu+Nl+Nd) × Du + Dt[i,u] + Dt[i,l] + Dt[i,d]
同様に、割当変更候補空間iを別の計算機PC3に割り当てて分割空間Siを処理する場合の通信量D3は、下記の式により算出できる。
D3 = (Ni×2+Nu+Nl+Nr) × Du + Dt[i,u] + Dt[i,r] + Dt[i,l]
第1の実施形態と同様に、CPU23は、割当変更後の通信量が現在の通信量(割当変更前の通信量)よりも小さくなるか否かを判断し(オペレーションS604)、割当変更後の通信量が現在の通信量(割当変更前の通信量)よりも小さくなる場合があると判断すれば、割当変更候補空間iの割当てを変更する(オペレーションS605)。
[5−1.2つ以上の割当変更候補空間を変更]
隣接空間に存在する車両台数との関係によっては、空間1つの割り当てを変更すると通信量が増加するが、隣接空間と2つ同時に変更すると、通信量が削減することもある。そこで、空間割当変更部は、2つ以上の割当変更候補空間を同時に変更した場合の通信量も比較して、割り当てを変更する空間を決定するようしてもよい。
また、交通状況は、時間毎、曜日毎に再現性がある。例えば、同じ曜日の同じ時間帯に混雑する、等である。そこで、空間割り当てを記録し、再利用することが考えられる。そのため、上記構成に、空間の割り当てを記憶しておき、シミュレーション時刻に応じて空間割当てを読み込む構成としてもよい。この場合、シミュレーション開始時から通信量が低い状態を保つことが可能になる。
上記実施形態1〜4において説明した構成の一部または全部を、2以上組み合わせた構成としてもよい。
上記実施形態においては、図3に示す各機能ブロックを、ソフトウェアを実行するCPUの処理によって実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理をさらに、オペレーティング・システム(OS)にさせるようにしてもよい。
102 空間割当記憶部
103 エージェント情報記憶部
104 シミュレーション実行部
105 エージェント情報送信部
106 エージェント情報受信部
107 空間内エージェント数取得部
108 割当変更候補空間抽出部
109 通信量見積部
110 空間割当変更判断部
111 空間割当変更実行部
Claims (12)
- 仮想空間に存在する複数のエージェントの挙動の模擬を、互いに通信可能な複数の計算機を用いた分散処理により実現するシミュレータであって、
前記計算機の少なくとも2つは、
前記仮想空間の各分割空間についての分割範囲と、当該各分割空間に存在するエージェントにかかる処理が割り当てられている計算機とを空間割当情報として記憶する、空間割当記憶部にアクセス可能であり、
前記空間割当記憶部を参照して、少なくとも1つの隣接空間が他の計算機に割り当てられている分割空間の中から、割当を変更する候補となる分割空間を割当変更候補空間として抽出する割当変更候補空間抽出部と、
前記割当変更候補空間を割当対象となる計算機に割り当てた場合に、前記割当変更候補空間およびこれに隣接する分割空間に存在するエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機とその他の計算機との間に生じる通信量または通信変化量を算出する通信量見積部と、
前記通信量見積部において算出された通信量または通信変化量に基づいて、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する空間割当変更判断部と
を備える、シミュレータ。 - 前記計算機の少なくとも2つは、
前記空間割当記憶部に記憶された空間割当情報を更新する空間割当管理部と、
前記空間割当変更判断部の決定にしたがって、前記空間割当管理部および前記割当対象となる計算機の前記空間割当管理部に対して空間割当情報の更新を要求する空間割当変更実行部と
をさらに備える、請求項1に記載のシミュレータ。 - 前記通信量見積部は、
前記割当変更候補空間と他の計算機の分割空間との間に現在発生している通信量を、割当変更前通信量として算出するとともに、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てた場合に、前記割当変更候補空間と前記割当対象となる計算機以外の計算機の分割空間との間に発生すると予想される通信量を、割当変更後通信量として算出し、
前記空間割当変更判断部は、
前記割当変更後通信量が前記割当変更前通信量よりも小さい場合に、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てることを決定する、
請求項1または2に記載のシミュレータ。 - 前記通信量見積部は、
前記割当変更候補空間の隣接空間であって自己の計算機に割り当てられている隣接空間と、前記割当対象となる計算機の分割空間との間に現在発生している通信量を考慮して、前記割当対象となる計算機とその他の計算機との間に生じる通信変化量を算出し、
前記空間割当変更判断部は、
通信量の削減量が最大となる前記通信変化量に基づいて、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する、
請求項1または2に記載のシミュレータ。 - 前記空間割当変更判断部は、
前記割当変更候補空間に存在するエージェントを、前記割当対象となる計算機に移動させたときに発生する、前記エージェントの個数に基づくペナルティを考慮して、
前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のシミュレータ。 - 前記計算機の少なくとも2つは、
自己の処理負荷を算出して監視する処理負荷監視部をさらに備え、
前記空間割当変更実行部は、前記処理負荷監視部から取得した処理負荷が所定閾値以下であるときに、他の計算機からの空間割当の変更の要求を許可する、
請求項2に記載のシミュレータ。 - 前記処理負荷監視部は、
少なくとも自己に割り当てられた分割空間に存在するエージェントの個数に基づいて、自己の処理負荷を算出する、
請求項6に記載のシミュレータ。 - 前記通信量見積部は、
前記割当変更候補空間に存在するエージェントが、前記割当対象となる計算機に割り当てられている分割空間に移動する場合に発生する通信量をさらに考慮して、前記割当変更後通信量を算出する、
請求項3に記載のシミュレータ。 - 前記通信量見積部は、
過去の一定時間において移動したエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機に割り当てられている分割空間に移動する場合に発生する通信量を算出する、
請求項8に記載のシミュレータ。 - 仮想空間に存在する複数のエージェントの挙動の模擬を、互いに通信可能な複数の計算機を用いた分散処理により実現するシミュレーションに用いられる計算機であって、
前記仮想空間の各分割空間についての分割範囲と、当該各分割空間に存在するエージェントにかかる処理が割り当てられている計算機とを空間割当情報として記憶する空間割当記憶部と、
前記空間割当記憶部を参照して、少なくとも1つの隣接空間が他の計算機に割り当てられている分割空間の中から、割当を変更する候補となる分割空間を割当変更候補空間として抽出する割当変更候補空間抽出部と、
前記割当変更候補空間を割当対象となる計算機に割り当てた場合に、前記割当変更候補空間およびこれに隣接する分割空間に存在するエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機とその他の計算機との間に生じる通信量または通信変化量を算出する通信量見積部と、
前記通信量見積部において算出された通信量または通信変化量に基づいて、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する空間割当変更判断部と
を備える、計算機。 - 仮想空間に存在する複数のエージェントの挙動の模擬を、互いに通信可能な複数の計算機を用いた分散処理により実現するシミュレータを、コンピュータを用いて実現するためのシミュレーションプログラムであって、
前記シミュレーションプログラムは、少なくとも2つの前記計算機のコンピュータに、
前記仮想空間の各分割空間についての分割範囲と、当該各分割空間に存在するエージェントにかかる処理が割り当てられている計算機とを空間割当情報として記憶する、空間割当記憶部にアクセスする処理と、
前記空間割当記憶部を参照して、少なくとも1つの隣接空間が他の計算機に割り当てられている分割空間の中から、割当を変更する候補となる分割空間を割当変更候補空間として抽出する割当変更候補空間抽出処理と、
前記割当変更候補空間を割当対象となる計算機に割り当てた場合に、前記割当変更候補空間およびこれに隣接する分割空間に存在するエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機とその他の計算機との間に生じる通信量または通信変化量を算出する通信量見積処理と、
前記通信量見積処理において算出された通信量または通信変化量に基づいて、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する空間割当変更判断処理と
を実行させる、シミュレーションプログラム。 - 仮想空間に存在する複数のエージェントの挙動の模擬を、互いに通信可能な複数の計算機を用いた分散処理により実現する分散処理型シミュレーションを、前記計算機が実行するシミュレーション方法であって、
前記計算機は、
前記仮想空間の各分割空間についての分割範囲と、当該各分割空間に存在するエージェントにかかる処理が割り当てられている計算機とを空間割当情報として記憶する、空間割当記憶部にアクセスする工程と、
前記空間割当記憶部を参照して、少なくとも1つの隣接空間が他の計算機に割り当てられている分割空間の中から、割当を変更する候補となる分割空間を割当変更候補空間として抽出する割当変更候補空間抽出工程と、
前記割当変更候補空間を割当対象となる計算機に割り当てた場合に、前記割当変更候補空間およびこれに隣接する分割空間に存在するエージェントの個数に基づいて、前記割当対象となる計算機とその他の計算機との間に生じる通信量または通信変化量を算出する通信量見積工程と、
前記通信量見積工程において算出された通信量または通信変化量に基づいて、前記割当変更候補空間を前記割当対象となる計算機に割り当てるか否かを決定する空間割当変更判断工程と
を実行する、シミュレーション方法。
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