JP5431197B2 - 電気式脱イオン液製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、脱イオン液を用いる半導体製造工業、製薬工業、食品工業、発電所、研究所等の各種の工業あるいは糖液、ジュース、ワイン等の製造等で使用されるイオン交換膜を使用することなく、装置構造を簡略化した電気式脱イオン液製造装置に関するものである。
特開2006−159064号公報には、イオン交換体が充填された脱塩領域と、該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する液透過領域と、該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、被処理液を通液する被処理液流入管と、該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を少なくとも備えるものであって、該液透過領域には多孔質イオン交換体が装填される電気式脱イオン液製造装置が開示されている。
この電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域および液透過領域で使用される有機多孔質イオン交換体は、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が1〜1000μmのメソポアを有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/g であり、イオン交換基が均一に分布され、イオン交換容量が0.5mg当量/g乾燥多孔質体以上のものである。なお、上記の連続気泡構造の有機多孔質イオン交換体の製造方法の詳細は、特開2002−306976号公報に開示されている。この電気式脱イオン液製造装置によれば、イオン交換膜を使用することなく、装置構造を従来のものより更に一層簡略化したものとすることができ、また液透過領域においては、透過する被処理液の希釈効果によりスケールの発生を防止することができる。
特開2006−159064号公報 特開2002−306976号公報
しかしながら、特開2006−159064号公報や特開2002−306976号公報に記載の有機多孔質イオン交換体は、モノリスの共通の開口(メソポア)が1〜1,000μmと記載されているものの、全細孔容積5ml/g以下の細孔容積の小さなモノリスについては、油中水滴型エマルジョン中の水滴の量を少なくする必要があるため共通の開口は小さくなり、実質的に開口の平均径20μm以上のものは製造できない。このため、通水時の圧力損失が大きいという問題があった。また、開口の平均径を20μm近傍のものにすると、全細孔容積もそれに伴い大きくなるため、体積当たりのイオン交換容量が低下し、このため、処理水水質が低下し、かつ消費電力も大きいという問題があった。
従って、本発明の目的は、特開2006−159064号公報の電気脱イオン液製造装置のイオン交換膜を省略できるという利点を保持しつつ、モノリスイオン交換体の強度が高く、通水時の圧力損失を低下させることができ、吸着したイオン性不純物の移動を更に速めて吸着イオンの排除を容易にし、処理水水質が良好かつ消費電力が小さい電気式脱イオン液製造装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特開2002−306976号公報記載の方法で得られた比較的大きな細孔容積を有するモノリス状有機多孔質体(中間体)の存在下に、ビニルモノマーと架橋剤を、特定有機溶媒中で静置重合すれば、開口径が大きく、中間体の有機多孔質体の骨格よりも太い骨格を有する骨太のモノリスが得られること、骨太のモノリスにイオン交換基を導入すると、骨太であるが故に膨潤が大きく、従って、開口を更に大きくできること、骨太のモノリスにイオン交換基を導入したモノリスイオン交換体(以下、「第1のモノリスイオン交換体」とも言う。)は、イオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域又は透過領域で用いれば、吸着したイオン性不純物の移動を速めて吸着イオンの排除を容易にし、モノリスイオン交換体の強度が高く、通水時の圧力損失を低下させることができ、吸着したイオン性不純物の移動を更に速めて吸着イオンの排除を容易にし、処理水水質が良好かつ消費電力が小さいことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特開2002−306976号公報記載の方法で得られた大きな細孔容積を有するモノリス状有機多孔質体(中間体)の存在下に、芳香族ビニルモノマーと架橋剤を、特定有機溶媒中で静置重合すれば、三次元的に連続した芳香族ビニルポリマー骨格と、その骨格相間に三次元的に連続した空孔とからなり、両相が絡み合った共連続構造の疎水性モノリスが得られること、この共連続構造のモノリスは、空孔の連続性が高くてその大きさに偏りがなく、流体透過時の圧力損失が低いこと、更にこの共連続構造の骨格が太いためイオン交換基を導入すれば、体積当りのイオン交換容量の大きなモノリス状有機多孔質イオン交換体が得られること、該モノリス状有機多孔質イオン交換体(以下、「第2のモノリスイオン交換体」とも言う。)は、イオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域又は透過領域で用いれば、第1のモノリスイオン交換体と同様に、モノリスイオン交換体の強度が高く、通水時の圧力損失を低下させることができ、吸着したイオン性不純物の移動を更に速めて吸着イオンの排除を容易にし、処理水水質が良好かつ消費電力が小さいことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、 該第1イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であるか、又は該有機多孔質イオン交換体と粒状イオン交換樹脂との混合イオン交換体であり、該第2イオン交換体の通水抵抗が、該第1イオン交換体の通水抵抗より大であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
また、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、 該第1イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であるか、又は該有機多孔質イオン交換体と粒状イオン交換樹脂との混合イオン交換体であり、該第2イオン交換体の通水抵抗が、該第1イオン交換体の通水抵抗より大であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
また、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
該第2イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径0.01〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であり、該第1イオン交換体の通水抵抗が、該第2イオン交換体の通水抵抗より小であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
また、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
該第2イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が0.01〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であり、該第1イオン交換体の通水抵抗が、該第2イオン交換体の通水抵抗より小であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
また、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
該第1イオン交換体と該第2イオン交換体は同じで、該脱塩領域と該液透過領域は単一のモノリスで形成され、且つ前記液透過領域から透過した流出液の流路に、流量調節手段を配設するものであり、該単一のモノリスが、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
また、本発明は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
被処理液を通液する被処理液流入管と、
該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
該第1イオン交換体と該第2イオン交換体は同じで、該脱塩領域と該液透過領域は単一のモノリスで形成され、且つ前記液透過領域から透過した流出液の流路に、流量調節手段を配設するものであり、該単一のモノリスが、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置を提供するものである。
本発明によれば、新規構造のモノリスイオン交換体は、イオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域や透過領域に好適に使用することができる。すなわち、本発明の電気式脱イオン液製造装置は、モノリスイオン交換体の強度が高く、通水時の圧力損失を低下させることができ、吸着したイオン性不純物の移動を更に速めて吸着イオンの排除を容易にし、処理水水質が良好かつ消費電力が小さい。
第1のモノリスイオン交換体におけるモノリスのSEM画像である。 図1のモノリスの表面における硫黄原子の分布状態を示したEPMA画像である。 図1のモノリスの断面(厚み)方向における硫黄原子の分布状態を示したEPMA画像である。 参考例1〜11及び参考例20〜23の差圧係数と体積当たりのイオン交換容量の相関を示す図である。 図1のSEM画像の断面として表れる骨格部を手動転写したものである。 第2のモノリスイオン交換体の共連続構造を模式的に示した図である。 共連続構造におけるモノリス中間体のSEM画像である。 共連続構造を有するモノリスカチオン交換体のSEM画像である。 共連続構造を有するモノリスカチオン交換体の表面における硫黄原子の分布状態を示したEPMA画像である。 共連続構造を有するモノリスカチオン交換体の断面(厚み)方向における硫黄原子の分布状態を示したEPMA画像である。 共連続構造を有する他のモノリスカチオン交換体のSEM画像である。 従来(特開2002−306976号)の有機多孔質体のSEM写真である。 本発明の第1の実施の形態例の電気式脱イオン液製造装置の構造を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態例の電気式脱イオン液製造装置の構造を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態例の電気式脱イオン液製造装置の構造を示す模式図である。 本発明の第4の実施の形態例の電気式脱イオン液製造装置の構造を示す模式図である。 図14の電気式脱イオン液製造装置で用いる脱イオン領域及び液透過領域の充填状態を説明する図である。 実施例2の電気式脱イオン液製造装置の構造を示す模式図である。 図18の電気式脱イオン液製造装置で用いる脱イオン領域及び液透過領域の充填状態を説明する図である。
本発明の電気式脱イオン液製造装置(以下、単に「EDI」とも言う。)の基本構造は、第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、被処理液を通液する被処理液流入管と、該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものである。請求項1及び2に係る第1の発明は、第1イオン交換体が「第1のモノリスイオン交換体」又は「第2のモノリスイオン交換体」を含むものであり、請求項3及び4に係る第2の発明は、第2イオン交換体が「第1のモノリスイオン交換体」又は「第2のモノリスイオン交換体」であり、請求項5及び6に係る第3の発明は、単一モノリスが「第1のモノリスイオン交換体」又は「第2のモノリスイオン交換体」である。
<第1の発明>
第1の発明のEDIにおいて、脱塩領域に充填される第1イオン交換体は、後述する第1のモノリスイオン交換体または第2のモノリスイオン交換体であるか、又は第1のモノリスイオン交換体または第2のモノリスイオン交換体と、粒状イオン交換樹脂との混合イオン交換体である。粒状イオン交換樹脂は、公知のものが使用できる。また、混合イオン交換体の場合、モノリスイオン交換体と粒状イオン交換樹脂の混合割合(体積比率)は、1:0.1〜1:10、好ましくは1:0.2〜1:5である。また、第1イオン交換体の通液抵抗は、液透過領域に充填される第2イオン交換体の通液抵抗より小さくする。これにより、液透過領域に装填される第2イオン交換体に対して脱塩領域の通液抵抗を低減させることが容易であり、別途の特段の流路分配手段を設けるまでもなく、脱塩領域に流入した被処理液の大部分が脱塩領域から脱イオン液として脱塩領域から流出し、被処理液の一部が液透過領域に透過する点で好ましい。
液透過領域は、第2イオン交換体が装填されたものであって、脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設され、被処理液の一部が透過すると共に電気泳動的に排除されるイオン性不純物が透過する領域である。液透過領域に装填される第2イオン交換体としては、例えば連続気泡構造のモノリス、繊維状多孔質イオン交換体及び粒子凝集型多孔質イオン交換体等が挙げられ、このうち、連続気泡構造のモノリスが、イオン交換基が均一に分布し、イオン排除がすみやかに行われることから好ましい。
第2イオン交換体である連続気泡構造のモノリスとしては、油中水滴型エマルジョンから製造される公知のものが使用でき、例えばマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が1〜20μm、好適には1μm以上、10μm未満の共通の開口(メソポア)を有し、全細孔容積が1〜50mlであり、イオン交換基が均一に分布され、イオン交換容量が0.5mg当量/g乾燥多孔質体以上である3次元網目構造を有する有機多孔質イオン交換体が挙げられる。このような連続気泡構造のモノリスであれば、流路を形成する開口が第1イオン交換体のモノリスの開口より小さく、通液抵抗が高くなる。このような連続気泡構造のモノリス及びその製造方法は、例えば特開2003−334560号公報に開示されている。特開2003−334560号公報のモノリスにおいて、メソポアの平均径が小さいモノリスは、製造する際、界面活性剤の添加量を多くする、攪拌を激しくする等の方法により得ることができる。また、繊維状多孔質イオン交換体及び粒子凝集型多孔質イオン交換体もそれぞれ公知のものが使用できる。
第1の発明においては、透過液の流路に流量調節手段を設置しても、設置しなくともよい。流量調節手段を設置すれば、第1イオン交換体の通液抵抗を、液透過領域に充填される第2イオン交換体の通液抵抗より確実に小さくすることがきる。また、透過液と脱イオン液の流量をより所望の割合に調整することができる。被処理液の流量に対する液透過領域を透過する透過液の流量比率は、例えば2〜30%、好ましくは4〜30%である。この比率が2%未満であると、希釈効果が低下しスケール発生を防止することが難しくなり、30%を超えると、脱塩液の収量が低下する点で好ましくない。流量調節手段としては、流量調節弁、アリフィス等が挙げられる。
脱塩領域のイオン排除側に液透過領域を隣接して配設する形態としては、特に制限されないが、モノリス同士が隣接して配設される形態が、イオン排除が速やかに行われる点で好ましい。モノリス同士が隣接して配設される場合、配設脱塩領域用のモノリスと液透過領域用のモノリスを、電場の印加方向において、その端面同士を密着して配設する。また、脱塩領域におけるモノリスとイオン交換樹脂の混合体は、モノリスはスポンジ状であるため、両者は混ざることなく、それぞれの相を形成することができる。
第1の発明において、アニオンセル又はカチオンセルの場合、脱塩領域のイオン排除側とは反対側に隣接して配設されるものとしては、被処理液の他の一部が透過する他の液透過領域と同じ構造のものであってもよく、また従来通りのイオン交換膜であってもよい。この液透過領域を配設する場合、この液透過領域から透過した液は電極室又は濃縮室に流れ込む。これにより、イオン交換膜が全く不要となるため、装置構造が簡略化でき、製造コストを低減することができる。また、イオン交換膜を配設する場合、従来のEDIと同様に、該イオン交換膜に隣接する電極室又は濃縮室には、別途、電極液又は濃縮液を流すことになる。他の液透過領域に装填されるイオン交換体としては、前記液透過領域に装填される第2イオン交換体と同様のものが挙げられる。
<第2の発明>
次に、第2の発明について、第1の発明と異なる点について主に説明する。第2の発明のEDIにおいて、透過領域に充填される第2イオン交換体は、第1のモノリスイオン交換体または第2のモノリスイオン交換体である。また、第2イオン交換体の通液抵抗は、脱塩領域に充填される第1イオン交換体の通液抵抗より大きくする。これにより、液透過領域に装填される第2イオン交換体に対して脱塩領域の通液抵抗を低減させることが容易であり、別途の特段の流路分配手段を設けるまでもなく、被処理液のほとんどを脱塩領域に流すことができる。
第2の発明のEDIにおいて、脱塩領域で使用される第1イオン交換体は、粒状イオン交換樹脂、又は粒状イオン交換樹脂と第1のモノリスイオン交換体または第2のモノリスイオン交換体の混合イオン交換体である。粒状イオン交換樹脂は公知のものが使用できる。混合イオン交換体の場合、モノリスイオン交換体と粒状イオン交換樹脂の混合割合(体積比率)は、1:0.1〜1:10、好ましくは1:0.2〜1:5である。また、第1イオン交換体の通液抵抗は、液透過領域に充填される第2イオン交換体の通液抵抗より小さくする。これにより、液透過領域に装填される第2イオン交換体に対して通液抵抗を低減させることが容易であり、別途の特段の流路分配手段を設けるまでもなく、被処理液のほとんどを脱塩領域に流すことができる。
第2の発明においては、透過液の流路に流量調節手段を設置しても、設置しなくともよい。流量調節手段を設置すれば、第1の発明と同様に、第1イオン交換体の通液抵抗を、液透過領域に充填される第2イオン交換体の通液抵抗より確実に小さくすることがきる。
次に、第3の発明について、第1の発明と異なる点について主に説明する。すなわち、第3の発明は、第1イオン交換体と第2イオン交換体が同じ、すなわち脱塩領域と液透過領域は単一のモノリスで形成され、且つ液透過領域から透過した流出液の流路に、流量調節手段を配設するものである。これによれば、脱塩領域用モノリスと液透過領域用モノリスをそれぞれ個別に製造する必要がない点で都合が良い。単一のモノリスは、第1のモノリスイオン交換体または第2のモノリスイオン交換体である。第3の発明において、流量調節手段がないと、液透過領域に流れる流量が多くなり、脱塩液の収量が低下してしまう。また、被処理液の流量に対する液透過領域を透過する透過液の流量比率は、第1の発明と同様でよい。流量調節手段としては、流量調節弁、アリフィス等が挙げられる。
次に、本発明のEDIで使用される「第1のモノリスイオン交換体」及び「第2のモノリスイオン交換体」について説明する。「第1のモノリスイオン交換体」及び「第2のモノリスイオン交換体」の説明において、「モノリス状有機多孔質体」を単に「モノリス」と、「モノリス状有機多孔質イオン交換体」を単に「モノリスイオン交換体」と、「モノリス状の有機多孔質中間体」を単に「モノリス中間体」とも言う。
<第1のモノリスイオン交換体の説明>
第1のモノリスイオン交換体は、モノリスにイオン交換基を導入することで得られるものであり、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μm、好ましくは30〜200μm、特に35〜150μmの開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体である。モノリスイオン交換体の開口の平均直径は、モノリスにイオン交換基を導入する際、モノリス全体が膨潤するため、モノリスの開口の平均直径よりも大となる。開口の平均直径が30μm未満であると、通水時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、開口の平均直径が大き過ぎると、流体とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果イオン交換特性が低下してしまうため好ましくない。なお、液透過領域に用いる場合、水湿潤状態で平均直径0.01〜300μm、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.1〜50μmの開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体を用いることができる。液透過領域において開口径が小さいものを用いれば通水抵抗を高めることができる。
なお、本発明では、乾燥状態のモノリス中間体の開口の平均直径、乾燥状態のモノリスの開口の平均直径及び乾燥状態のモノリスイオン交換体の開口の平均直径は、水銀圧入法により測定される値である。また、水湿潤状態のモノリスイオン交換体の開口の平均直径は、乾燥状態のモノリスイオン交換体の開口の平均直径に、膨潤率を乗じて算出される値である。具体的には、水湿潤状態のモノリスイオン交換体の直径がx1(mm)であり、その水湿潤状態のモノリスイオン交換体を乾燥させ、得られる乾燥状態のモノリスイオン交換体の直径がy1(mm)であり、この乾燥状態のモノリスイオン交換体を水銀圧入法により測定したときの開口の平均直径がz1(μm)であったとすると、水湿潤状態のモノリスイオン交換体の開口の平均直径(μm)は、次式「水湿潤状態のモノリスイオン交換体の開口の平均直径(μm)=z1×(x1/y1)」で算出される。また、アニオン交換基導入前の乾燥状態のモノリスの開口の平均直径、及びその乾燥状態のモノリスにイオン交換基導入したときの乾燥状態のモノリスに対する水湿潤状態のモノリスイオン交換体の膨潤率がわかる場合は、乾燥状態のモノリスの開口の平均直径に、膨潤率を乗じて、モノリスイオン交換体の空孔の水湿潤状態の平均直径を算出することもできる。
第1のモノリスイオン交換体において、連続マクロポア構造体の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中、25〜50%、好ましくは25〜45%である。断面に表れる骨格部面積が、画像領域中、25%未満であると、細い骨格となり、体積当りのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくなく、50%を超えると、骨格が太くなり過ぎ、イオン交換特性の均一性が失われるため好ましくない。なお、特開2002−346392公報記載のモノリスは、実際には水に対する油相部の配合比を多くして骨格部分を太くしても、共通の開口を確保するためには配合比に限界があり、断面に表れる骨格部面積の最大値は画像領域中、25%を超えることはできない。
SEM画像を得るための条件は、切断面の断面に表れる骨格部が鮮明に表れる条件であればよく、例えば倍率100〜600、写真領域が約150mm×100mmである。SEM観察は、主観を排除したモノリスの任意の切断面の任意の箇所で撮影された切断箇所や撮影箇所が異なる3枚以上、好ましくは5枚以上の画像で行なうのがよい。切断されるモノリスは、電子顕微鏡に供するため、乾燥状態のものである。SEM画像における切断面の骨格部を図1及び図5を参照して説明する。また、図5は、図1のSEM写真の断面として表れる骨格部を転写したものである。図1及び図5中、概ね不定形状で且つ断面で表れるものは本発明の「断面に表れる骨格部(符号52)」であり、図1に表れる円形の孔は開口(メソポア)であり、また、比較的大きな曲率や曲面のものはマクロポア(図5中の符号53)である。図5の断面に表れる骨格部面積は、矩形状の写真領域51中、28%である。このように、骨格部は明確に判断できる。
SEM写真において、切断面の断面に表れる骨格部の面積の測定方法としては、特に制限されず、当該骨格部を公知のコンピューター処理などを行い特定した後、コンピューターなどによる自動計算又は手動計算による算出方法が挙げられる。手動計算としては、不定形状物を、四角形、三角形、円形又は台形などの集合物に置き換え、それらを積層して面積を求める方法が挙げられる。
また、第1のモノリスイオン交換体は、0.5〜5ml/g、好適には0.8〜4ml/gの全細孔容積を有するものである。全細孔容積が0.5ml/g未満であると、通水時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が5ml/gを超えると、体積当たりのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくない。本発明のモノリスは、開口の平均直径及び全細孔容積が上記範囲にあり、且つ骨太の骨格であるため、これをイオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域に用いた場合、強度が高く、通水差圧が小さく、導電性や処理水水質が向上する。モノリス(モノリス中間体、モノリス、モノリスイオン交換体)の全細孔容積は、乾燥状態でも、水湿潤状態でも、同じである。
なお、第1のモノリスイオン交換体に水を透過させた際の圧力損失は、多孔質体を1m充填したカラムに通水線速度(LV)1m/hで通水した際の圧力損失(以下、「差圧係数」と言う。)で示すと、脱塩領域に用いる場合には0.001〜0.5MPa/m・LVの範囲、特に0.001〜0.1MPa/m・LV、液透過領域に用いる場合には、0.001〜1MPa/m・LVの範囲、特に0.001〜0.5MPa/m・LVであることが好ましい。差圧係数および全細孔容積がこの範囲にあれば、これをイオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域に用いた場合、通水時の圧力損失を抑制し、処理水水質を向上させる上に、十分な機械的強度を有しているため好ましく、これを液透過領域に用いた場合、液透過領域の通水抵抗を高めることができる。
第1のモノリスイオン交換体は、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量が0.4〜5mg当量/mlのイオン交換容量を有する。特開2003−334560号に記載されているような本発明とは異なる連続マクロポア構造を有する従来型のモノリス状有機多孔質イオン交換体では、実用的に要求される低い圧力損失を達成するために、開口径を大きくすると、全細孔容積もそれに伴って大きくなってしまうため、体積当りのイオン交換容量が低下する、体積当りの交換容量を増加させるために全細孔容積を小さくしていくと、開口径が小さくなってしまうため圧力損失が増加するといった欠点を有していた。それに対して、本発明のモノリスイオン交換体は、開口径を更に大きくすると共に、連続マクロポア構造体の骨格を太くする(骨格の壁部を厚くする)ことができるため、透過時の圧力損失を低く押さえたままで脱塩性能を飛躍的に大きくすることができる。体積当りのイオン交換容量が0.4mg当量/ml未満であると、脱塩性能が低下してしまうため好ましくない。なお、本発明のモノリスイオン交換体の重量当りのイオン交換容量は特に限定されないが、イオン交換基が多孔質体の表面及び骨格内部にまで均一に導入しているため、3〜5mg当量/gである。なお、イオン交換基が表面のみに導入された多孔質体のイオ
ン交換容量は、多孔質体やイオン交換基の種類により一概には決定できないものの、せいぜい500μg当量/gである。
第1のモノリスイオン交換体において、連続マクロポア構造体の骨格を構成する材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜50モル%、好適には0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、50モル%を越えると、多孔質体の脆化が進行し、柔軟性が失われるため好ましくなく、特に、イオン交換体の場合にはイオン交換基導入量が減少してしまうため好ましくない。該ポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続マクロポア構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸・アルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。
第1のモノリスイオン交換体のイオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、リン酸基、リン酸エステル基等のカチオン交換基;四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリエチレンイミン基、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等のアニオン交換基が挙げられる。
第1のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。イオン交換基の分布が不均一だと、多孔質イオン交換体内におけるイオンの移動が不均一となり、吸着されたイオンの迅速な排除が阻害されるので好ましくない。ここで言う「イオン交換基が均一に分布している」とは、イオン交換基の分布が少なくともμmオーダーで表面および骨格内部に均一に分布していることを指す。イオン交換基の分布状況は、EPMA等を用いることで、比較的簡単に確認することができる。また、イオン交換基が、モノリスの表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布していると、表面と内部の物理的性質及び化学的性質を均一にできるため、膨潤及び収縮に対する耐久性が向上する。
(第1のモノリスイオン交換体の製造方法)
第1のモノリスイオン交換体は、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が5〜16ml/gの連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体を得るI工程、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス状の有機多孔質中間体の存在下に重合を行い、該有機多孔質中間体の骨格より太い骨格を有する骨太有機多孔質体を得るIII工程、該III工程で得られた骨太有機多孔質体にイオン交換基を導入するIV工程、を行なうことにより得られる。
第1のモノリスイオン交換体の製造方法において、I工程は、特開2003−334560号公報や特開2002−306976号公報記載の方法に準拠して行なえばよい。
I工程のモノリス中間体の製造において、イオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、四級アンモニウム基等のイオン交換基を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーが挙げられる。これらモノマーの好適なものとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜50モル%、好ましくは0.3〜5モル%とすることが、後の工程でイオン交換基量を多く導入するに際して必要な機械的強度が得られる点で好ましい。
界面活性剤は、イオン交換基を含まない油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。
また、I工程では、油中水滴型エマルジョン形成の際、必要に応じて重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルジョンを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルジョン粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルジョン粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。
I工程で得られるモノリス中間体は、連続マクロポア構造を有する。これを重合系に共存させると、モノリス中間体の構造を鋳型として骨太の骨格を有する多孔構造が形成される。また、モノリス中間体は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜50モル%、好ましくは0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。特に、全細孔容積が10〜16ml/gと大きい場合には、連続マクロポア構造を維持するため、架橋構造単位を2モル%以上含有していることが好ましい。一方、50モル%を越えると、多孔質体の脆化が進行し、柔軟性が失われるため好ましくない。
モノリス中間体のポリマー材料の種類としては、特に制限はなく、前述のモノリスのポリマー材料と同じものが挙げられる。これにより、モノリス中間体の骨格に同様のポリマーを形成して、骨格を太らせ均一な骨格構造のモノリスを得ることができる。
モノリス中間体の全細孔容積は、5〜16ml/g、好適には6〜16ml/gである。全細孔容積が小さ過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの全細孔容積が小さくなりすぎ、通水時の圧力損失が大きくなるため好ましくない。一方、全細孔容積が大き過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの構造が連続マクロポア構造から逸脱するため好ましくない。モノリス中間体の全細孔容積を上記数値範囲とするには、モノマーと水の比を、概ね1:5〜1:20とすればよい。
また、モノリス中間体は、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の平均直径が、脱塩領域での使用の場合、乾燥状態で20〜200μmであり、液透過領域での使用の場合、乾燥状態で0.005〜200μmである。脱塩領域での使用の場合、開口の平均直径が20μm未満であると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が小さくなり、通水過時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、200μmを超えると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が大きくなりすぎ、被処理水とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、脱塩効率が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。
II工程は、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製する工程である。なお、I工程とII工程の順序はなく、I工程後にII工程を行ってもよく、II工程後にI工程を行ってもよい。
II工程で用いられるビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性のビニルモノマーであれば、特に制限はないが、上記重合系に共存させるモノリス中間体と同種類もしくは類似のポリマー材料を生成するビニルモノマーを選定することが好ましい。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明で好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等の芳香族ビニルモノマーである。
これらビニルモノマーの添加量は、重合時に共存させるモノリス中間体に対して、重量で3〜40倍、好ましくは4〜30倍である。ビニルモノマー添加量が多孔質体に対して3倍未満であると、生成したモノリスの骨格(モノリス骨格の壁部の厚み)を太くできず、体積当りの吸着容量やイオン交換基導入後の体積当りのイオン交換容量が小さくなってしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー添加量が40倍を超えると、開口径が小さくなり、通水時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。
II工程で用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好適に用いられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。架橋剤使用量は、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して0.3〜50モル%、特に0.3〜5モル%であることが好ましい。架橋剤使用量が0.3モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足するため好ましくない。一方、50モル%を越えると、モノリスの脆化が進行して柔軟性が失われる、イオン交換基の導入量が減少してしまうといった問題点が生じるため好ましくないなお、上記架橋剤使用量は、ビニルモノマー/架橋剤重合時に共存させるモノリス中間体の架橋密度とほぼ等しくなるように用いることが好ましい。両者の使用量があまりに大きくかけ離れると、生成したモノリス中で架橋密度分布の偏りが生じ、イオン交換基導入反応時にクラックが生じやすくなる。
II工程で用いられる有機溶媒は、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。該有機溶媒は、ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記ビニルモノマーの濃度が30〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱してビニルモノマー濃度が30重量%未満となると、重合速度が低下したり、重合後のモノリス構造が本発明の範囲から逸脱してしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。
重合開始剤としては、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は油溶性であるほうが好ましい。本発明で用いられる重合開始剤の具体例としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して、約0.01〜5%の範囲で使用することができる。
III工程は、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体の存在下に重合を行い、該モノリス中間体の骨格より太い骨格を有する骨太のモノリスを得る工程である。III工程で用いるモノリス中間体は、本発明の斬新な構造を有するモノリスを創出する上で、極めて重要な役割を担っている。特表平7−501140号等に開示されているように、モノリス中間体不存在下でビニルモノマーと架橋剤を特定の有機溶媒中で静置重合させると、粒子凝集型のモノリス状有機多孔質体が得られる。それに対して、本発明のように上記重合系に連続マクロポア構造のモノリス中間体を存在させると、重合後のモノリスの構造は劇的に変化し、粒子凝集構造は消失し、上述の骨太のモノリスが得られる。その理由は詳細には解明されていないが、モノリス中間体が存在しない場合は、重合により生じた架橋重合体が粒子状に析出・沈殿することで粒子凝集構造が形成されるのに対し、重合系に多孔質体(中間体)が存在すると、ビニルモノマー及び架橋剤が液相から多孔質体の骨格部に吸着又は分配され、多孔質体中で重合が進行して骨太骨格のモノリスが得られると考えられる。なお、開口径は重合の進行により狭められるが、モノリス中間体の全細孔容積が大きいため、例え骨格が骨太になっても適度な大きさの開口径が得られる。
反応容器の内容積は、モノリス中間体を反応容器中に存在させる大きさのものであれば特に制限されず、反応容器内にモノリス中間体を載置した際、平面視でモノリスの周りに隙間ができるもの、反応容器内にモノリス中間体が隙間無く入るもののいずれであってもよい。このうち、重合後の骨太のモノリスが容器内壁から押圧を受けることなく、反応容器内に隙間無く入るものが、モノリスに歪が生じることもなく、反応原料などの無駄がなく効率的である。なお、反応容器の内容積が大きく、重合後のモノリスの周りに隙間が存在する場合であっても、ビニルモノマーや架橋剤は、モノリス中間体に吸着、分配されるため、反応容器内の隙間部分に粒子凝集構造物が生成することはない。
III工程において、反応容器中、モノリス中間体は混合物(溶液)で含浸された状態に置かれる。II工程で得られた混合物とモノリス中間体の配合比は、前述の如く、モノリス中間体に対して、ビニルモノマーの添加量が重量で3〜40倍、好ましくは4〜30倍となるように配合するのが好適である。これにより、適度な開口径を有しつつ、骨太の骨格を有するモノリスを得ることができる。反応容器中、混合物中のビニルモノマーと架橋剤は、静置されたモノリス中間体の骨格に吸着、分配され、モノリス中間体の骨格内で重合が進行する。
重合条件は、モノマーの種類、開始剤の種類により様々な条件が選択できる。例えば、開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよい。加熱重合により、モノリス中間体の骨格に吸着、分配したビニルモノマーと架橋剤が該骨格内で重合し、該骨格を太らせる。重合終了後、内容物を取り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して骨太のモノリスを得る。
次に、上記の方法によりモノリスを製造した後、イオン交換基を導入する方法が、得られるモノリスイオン交換体の多孔構造を厳密にコントロールできる点で好ましい。
上記モノリスにイオン交換基を導入する方法としては、特に制限はなく、高分子反応やグラフト重合等の公知の方法を用いることができる。例えば、スルホン酸基を導入する方法としては、モノリスがスチレン-ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロ硫酸や濃硫酸、発煙硫酸を用いてスルホン化する方法;モノリスに均一にラジカル開始基や連鎖移動基を骨格表面及び骨格内部に導入し、スチレンスルホン酸ナトリウムやアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸をグラフト重合する方法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官能基変換によりスルホン酸基を導入する方法等が挙げられる。また、四級アンモニウム基を導入する方法としては、モノリスがスチレン-ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロメチルメチルエーテル等によりクロロメチル基を導入した後、三級アミンと反応させる方法;モノリスをクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合により製造し、三級アミンと反応させる方法;モノリスに、均一にラジカル開始基や連鎖移動基を骨格表面及び骨格内部導入し、N,N,N−トリメチルアンモニウムエチルアクリレートやN,N,N−トリメチルアンモニウムプロピルアクリルアミドをグラフト重合する方法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官能基変換により四級アンモニウム基を導入する方法等が挙げられる。また、ベタインを導入する方法としては、上記の方法によりモノリスに三級アミンを導入した後、モノヨード酢酸を反応させ導入する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、スルホン酸基を導入する方法については、クロロ硫酸を用いてスチレン-ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸基を導入する方法が、四級アンモニウム基を導入する方法としては、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体にクロロメチルメチルエーテル等によりクロロメチル基を導入した後、三級アミンと反応させる方法やクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合によりモノリスを製造し、三級アミンと反応させる方法が、イオン交換基を均一かつ定量的に導入できる点で好ましい。なお、導入するイオン交換基としては、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等のカチオン交換基;四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリエチレンイミン基、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等のアニオン交換基が挙げられる。
第1のモノリスイオン交換体は、骨太のモノリスにイオン交換基が導入されるため例えば骨太モノリスの1.4〜1.9倍のように大きく膨潤する。すなわち、特開2002−306976記載の従来のモノリスにイオン交換基が導入されたものよりも膨潤度が遥かに大きい。このため、骨太モノリスの開口径が小さいものであっても、モノリスイオン交換体の開口径は概ね、上記倍率で大きくなる。また、開口径が膨潤で大きくなっても全細孔容積は変化しない。従って、第1のモノリスイオン交換体は、開口径が格段に大きいにもかかわらず、骨太骨格を有するため機械的強度が高い。
<第2のモノリスイオン交換体の説明>
第2のモノリスイオン交換体は、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが水湿潤状態で1〜60μm、好ましくは3〜58μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が水湿潤状態で10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量が0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布している。
第2のモノリスイオン交換体は、イオン交換基が導入された太さが1〜60μm、好ましくは3〜58μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が10〜100μm、好ましくは15〜90μm、特に20〜80μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体である。すなわち、共連続構造は図6の模式図に示すように、連続する骨格相61と連続する空孔相62とが絡み合ってそれぞれが共に3次元的に連続する構造60である。この連続した空孔62は、従来の連続気泡型モノリスや粒子凝集型モノリスに比べて空孔の連続性が高くてその大きさに偏りがないため、極めて均一なイオンの吸着挙動が達成できる。また、骨格が太いため機械的強度が高い。
液透過領域に用いる場合、水湿潤状態で平均直径0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜30μmの空孔となる共連続構造体を用いることができる。液透過領域において空孔の大きさが小さいものを用いれば通水抵抗を高めることができる。
第2のモノリスイオン交換体の骨格の太さ及び空孔の直径は、モノリスにイオン交換基を導入する際、モノリス全体が膨潤するため、モノリスの骨格の太さ及び空孔の直径よりも大となる。この連続した空孔は、従来の連続気泡型モノリス状有機多孔質イオン交換体や粒子凝集型モノリス状有機多孔質イオン交換体に比べて空孔の連続性が高くてその大きさに偏りがないため、極めて均一なイオンの吸着挙動が達成できる。脱塩領域に使用する場合、三次元的に連続した空孔の直径が10μm未満であると、通水時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、100μmを超えると、被処理水と有機多孔質イオン交換体との接触が不十分となり、その結果、イオン交換特性が不均一となるので好ましくない。また、骨格の太さが1μm未満であると、体積当りのイオン交換容量が低下する、機械的強度が低下する等の欠点が生じるため好ましくなく、一方、骨格の太さが大き過ぎると、イオン交換特性の均一性が失われるため好ましくない。
上記記連続構造体の空孔の水湿潤状態での平均直径は、水銀圧入法で測定した乾燥状態のモノリスイオン交換体の空孔の平均直径に、膨潤率を乗じて算出される値である。具体的には、水湿潤状態のモノリスイオン交換体の直径がx2(mm)であり、その水湿潤状態のモノリスイオン交換体を乾燥させ、得られる乾燥状態のモノリスイオン交換体の直径がy2(mm)であり、この乾燥状態のモノリスイオン交換体を水銀圧入法により測定したときの空孔の平均直径がz2(μm)であったとすると、モノリスイオン交換体の空孔の水湿潤状態での平均直径(μm)は、次式「モノリスイオン交換体の空孔の水湿潤状態の平均直径(μm)=z2×(x2/y2)」で算出される。また、イオン交換基導入前の乾燥状態のモノリスの空孔の平均直径、及びその乾燥状態のモノリスにイオン交換基導入したときの乾燥状態のモノリスに対する水湿潤状態のモノリスイオン交換体の膨潤率がわかる場合は、乾燥状態のモノリスの空孔の平均直径に、膨潤率を乗じて、モノリスイオン交換体の空孔の水湿潤状態の平均直径を算出することもできる。また、上記記連続構造体の骨格の水湿潤状態での平均太さは、乾燥状態のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定し、その平均値に、膨潤率を乗じて算出される値である。具体的には、水湿潤状態のモノリスイオン交換体の直径がx3(mm)であり、その水湿潤状態のモノリスイオン交換体を乾燥させ、得られる乾燥状態のモノリスイオン交換体の直径がy3(mm)であり、この乾燥状態のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定し、その平均値がz3(μm)であったとすると、モノリスイオン交換体の連続構造体の骨格の水湿潤状態での平均太さ(μm)は、次式「モノリスイオン交換体の連続構造体の骨格の水湿潤状態の平均太さ(μm)=z3×(x3/y3)」で算出される。また、イオン交換基導入前の乾燥状態のモノリスの骨格の平均太さ、及びその乾燥状態のモノリスにイオン交換基導入したときの乾燥状態のモノリスに対する水湿潤状態のモノリスイオン交換体の膨潤率がわかる場合は、乾燥状態のモノリスの骨格の平均太さに、膨潤率を乗じて、モノリスイオン交換体の骨格の水湿潤状態の平均太さを算出することもできる。なお、骨格は棒状であり円形断面形状であるが、楕円断面形状等異径断面のものが含まれていてもよい。この場合の太さは短径と長径の平均である。
第2のモノリスイオン交換体は、3次元的に連続した棒状骨格の太さが10μm未満であると、体積当りのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくなく、100μmを超えると、脱塩特性の均一性が失われるため好ましくない。モノリスイオン交換体の壁部の定義及び測定方法などは、モノリスと同様である。
また、第2のモノリスイオン交換体は、0.5〜5ml/gの全細孔容積を有する。全細孔容積が0.5ml/g未満であると、流体透過時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過流体量が小さくなり、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が5ml/gを超えると、体積当りのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくない。三次元的に連続した空孔の大きさ及び全細孔容積が上記範囲にあれば、流体との接触が極めて均一で接触面積も大きいため、イオン交換帯長さが短く、且つ低圧力損失となる。なお、モノリス(モノリス中間体、モノリス、モノリスイオン交換体)の全細孔容積は、乾燥状態でも、水湿潤状態でも、同じである。
なお、第2のモノリスイオン交換体に水を透過させた際の圧力損失は、多孔質体を1m充填したカラムに通水線速度(LV)1m/hで通水した際の圧力損失(以下、「差圧係数」と言う。)で示すと、脱塩領域に用いる場合には0.001〜0.5MPa/m・LVの範囲、特に0.001〜0.1MPa/m・LV、液透過領域に用いる場合には、0.001〜1MPa/m・LVの範囲、特に0.001〜0.5MPa/m・LVであることが好ましい。透過速度および全細孔容積がこの範囲にあれば、これをイオン交換膜の設置を省略した電気式脱イオン液製造装置の脱塩領域に用いた場合、通水時の圧力損失を抑制し、処理水水質を向上させ、これを液透過領域に用いた場合、液透過領域の通水抵抗を高めることができる。
第2のモノリスイオン交換体において、共連続構造体の骨格を構成する材料は、全構成単位中、0.3〜5モル%、好ましくは0.5〜3.0モル%の架橋構造単位を含んでいる芳香族ビニルポリマーであり疎水性である。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、5モル%を越えると、多孔質体の構造が共連続構造から逸脱しやすくなる。該芳香族ビニルポリマーの種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、共連続構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸・アルカリに対する安定性の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。
第2のモノリスイオン交換体は、水湿潤状態での体積当りの陽イオン交換容量が0.3〜5mg当量/mlのイオン交換容量を有する。特開2002−306976号に記載されているような本発明とは異なる連続マクロポア構造を有する従来型のモノリス状有機多孔質イオン交換体では、実用的に要求される低い圧力損失を達成するために、開口径を大きくすると、全細孔容積もそれに伴って大きくなってしまうため、体積当りのイオン交換容量が低下する、体積当りの交換容量を増加させるために全細孔容積を小さくしていくと、開口径が小さくなってしまうため圧力損失が増加するといった欠点を有していた。それに対して、本発明のモノリスイオン交換体は、三次元的に連続した空孔の連続性や均一性が高いため、全細孔容積を低下させても圧力損失はさほど増加しない。そのため、脱塩領域で使用する際、圧力損失を低く押さえたままで体積当りのイオン交換容量を飛躍的に大きくすることができ、処理水水質を高めることができる。なお、第2のモノリスイオン交換体の乾燥状態における重量当りのイオン交換容量は特に限定されないが、イオン交換基が多孔質体の骨格表面及び骨格内部にまで均一に導入しているため、3〜5mg当量/gである。なお、イオン交換基が骨格表面のみに導入された多孔質体のイオン交換容量は、多孔質体やイオン交換基の種類により一概には決定できないものの、せいぜい500μg当量/gである。
第2のモノリスイオン交換体におけるイオン交換基としては、第1のモノリスイオン交換体におけるイオン交換基と同様であり、その説明を省略する。第2のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。均一分布の定義は、第1のモノリスイオン交換体の均一分布の定義と同じである。
(第2のモノリスイオン交換体の製造方法)
第2のモノリスイオン交換体は、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が16ml/gを超え、30ml/g以下の連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体を得るI工程、芳香族ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%の架橋剤、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つI工程で得られたモノリス状の有機多孔質中間体の存在下に重合を行い、共連続構造体を得るIII工程、該III工程で得られた共連続構造体にイオン交換基を導入するIV工程を行うことで得られる。
第2のモノリスイオン交換体におけるモノリス中間体を得るI工程は、特開2002−306976号公報記載の方法に準拠して行なえばよい。
すなわち、I工程において、イオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、四級アンモニウム基等のイオン交換基を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーの中で、好適なものとしては、芳香族ビニルモノマーであり、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%とすることが、後の工程でイオン交換基量を多く導入するに際して必要な機械的強度が得られる点で好ましい。
界面活性剤は、第1のモノリスイオン交換体のI工程で使用する界面活性剤と同様であり、その説明を省略する。
また、I工程では、油中水滴型エマルジョン形成の際、必要に応じて重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、第1のモノリスイオン交換体のI工程における混合方法と同様であり、その説明を省略する。
第2のモノリスイオン交換体の製造方法において、I工程で得られるモノリス中間体は、架橋構造を有する有機ポリマー材料、好適には芳香族ビニルポリマーである。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。一方、5モル%を超えると、モノリスの構造が共連続構造を逸脱し易くなるため好ましくない。特に、全細孔容積が16〜20ml/gと本発明の中では小さい場合には、共連続構造を形成させるため、架橋構造単位は3モル未満とすることが好ましい。
モノリス中間体のポリマー材料の種類は、第1のモノリスイオン交換体のモノリス中間体のポリマー材料の種類と同様であり、その説明を省略する。
モノリス中間体の全細孔容積は、16ml/gを超え、30ml/g以下、好適には6〜25ml/gである。すなわち、このモノリス中間体は、基本的には連続マクロポア構造ではあるが、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)が格段に大きいため、モノリス構造を構成する骨格が二次元の壁面から一次元の棒状骨格に限りなく近い構造を有している。これを重合系に共存させると、モノリス中間体の構造を鋳型として共連続構造の多孔質体が形成される。全細孔容積が小さ過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの構造が共連続構造から連続マクロポア構造に変化してしまうため好ましくなく、一方、全細孔容積が大き過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの機械的強度が低下したり、体積当たりのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体の全細孔容積を第2のモノリスイオン交換体の特定の範囲とするには、モノマーと水の比を、概ね1:20〜1:40とすればよい。
また、モノリス中間体は、脱塩領域使用のものが、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の平均直径が5〜100μmである。開口の平均直径が5μm未満であると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの空孔径が小さくなり、通水時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、100μmを超えると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの空孔径が大きくなりすぎ、流体とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、イオン交換特性が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。一方、モノリス中間体は、液透過領域使用のものは、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の平均直径が0.005〜100μmである。
第2のモノリスイオン交換体の製造方法において、II工程は、芳香族ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%の架橋剤、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製する工程である。なお、I工程とII工程の順序はなく、I工程後にII工程を行ってもよく、II工程後にI工程を行ってもよい。
第2のモノリスイオン交換体の製造方法において、II工程で用いられる芳香族ビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性の芳香族ビニルモノマーであれば、特に制限はないが、上記重合系に共存させるモノリス中間体と同種類もしくは類似のポリマー材料を生成するビニルモノマーを選定することが好ましい。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明で好適に用いられる芳香族ビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等である。
これら芳香族ビニルモノマーの添加量は、重合時に共存させるモノリス中間体に対して、重量で5〜50倍、好ましくは5〜40倍である。芳香族ビニルモノマー添加量が多孔質体に対して5倍未満であると、棒状骨格を太くできず、イオン交換基導入後の体積当りのイオン交換容量が小さくなって、導電性や処理水水質を高めることができなくなる。
II工程で用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好適に用いられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。架橋剤使用量は、ビニルモノマーと架橋剤の合計量(全油溶性モノマー)に対して0.3〜5モル%、特に0.3〜3モル%である。架橋剤使用量が0.3モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、多過ぎると、モノリスの脆化が進行して柔軟性が失われる、イオン交換基の導入量が減少してしまうといった問題点が生じるため好ましくない。なお、上記架橋剤使用量は、ビニルモノマー/架橋剤重合時に共存させるモノリス中間体の架橋密度とほぼ等しくなるように用いることが好ましい。両者の使用量があまりに大きくかけ離れると、生成したモノリス中で架橋密度分布の偏りが生じ、イオン交換基導入反応時にクラックが生じやすくなる。
II工程で用いられる有機溶媒は、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。該有機溶媒は、芳香族ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、芳香族ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記芳香族ビニルモノマーの濃度が30〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱して芳香族ビニルモノマー濃度が30重量%未満となると、重合速度が低下したり、重合後のモノリス構造が本発明の範囲から逸脱してしまうため好ましくない。一方、芳香族ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。
重合開始剤は、第1のモノリスイオン交換体のII工程で用いる重合開始剤と同様であり、その説明を省略する。
第2のモノリスイオン交換体の製造方法において、III工程は、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体の存在下に重合を行い、該モノリス中間体の連続マクロポア構造を共連続構造に変化させ、骨太骨格のモノリスを得る工程である。III工程で用いるモノリス中間体は、本発明の斬新な構造を有するモノリスを創出する上で、極めて重要な役割を担っている。特表平7−501140号等に開示されているように、モノリス中間体不存在下でビニルモノマーと架橋剤を特定の有機溶媒中で静置重合させると、粒子凝集型のモノリス状有機多孔質体が得られる。それに対して、本発明の第2のモノリスのように上記重合系に特定の連続マクロポア構造のモノリス中間体を存在させると、重合後のモノリスの構造は劇的に変化し、粒子凝集構造は消失し、上述の共連続構造のモノリスが得られる。その理由は詳細には解明されていないが、モノリス中間体が存在しない場合は、重合により生じた架橋重合体が粒子状に析出・沈殿することで粒子凝集構造が形成されるのに対し、重合系に全細孔容積が大きな多孔質体(中間体)が存在すると、ビニルモノマー及び架橋剤が液相から多孔質体の骨格部に吸着又は分配され、多孔質体中で重合が進行し、モノリス構造を構成する骨格が二次元の壁面から一次元の棒状骨格に変化して共連続構造を有するモノリス状有機多孔質体が形成されると考えられる。
反応容器の内容積は、第1のモノリスイオン交換体の反応容器の内容積の説明と同様であり、その説明を省略する。
III工程において、反応容器中、モノリス中間体は混合物(溶液)で含浸された状態に置かれる。II工程で得られた混合物とモノリス中間体の配合比は、前述の如く、モノリス中間体に対して、芳香族ビニルモノマーの添加量が重量で5〜50倍、好ましくは5〜40倍となるように配合するのが好適である。これにより、適度な大きさの空孔が三次元的に連続し、且つ骨太の骨格が3次元的に連続する共連続構造のモノリスを得ることができる。反応容器中、混合物中の芳香族ビニルモノマーと架橋剤は、静置されたモノリス中間体の骨格に吸着、分配され、モノリス中間体の骨格内で重合が進行する。
共連続構造を有するモノリスの基本構造は、脱塩領域使用のものは、平均太さが乾燥状態で0.8〜40μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で8〜80μmの三次元的に連続した空孔が配置された構造である。また、液透過領域で使用できるものは、平均太さが乾燥状態で0.8〜40μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で0.005〜80μmの三次元的に連続した空孔が配置された構造である。上記三次元的に連続した空孔の平均の大きさは、水銀圧入法により細孔分布曲線を測定し、細孔分布曲線の極大値として得ることができる。モノリスの骨格の平均太さは、SEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定して算出すればよい。また、共連続構造を有するモノリスは、0.5〜5ml/gの全細孔容積を有する。
重合条件は、第1のモノリスイオン交換体のIII工程の重合条件の説明と同様であり、その説明を省略する。
IV工程において、共連続構造を有するモノリスにイオン交換基を導入する方法は、第1のモノリスイオン交換体における、モノリスにイオン交換基を導入する方法と同様であり、その説明を省略する。
第2のモノリスイオン交換体は、共連続構造のモノリスにイオン交換基が導入されるため、例えばモノリスの1.4〜1.9倍に大きく膨潤する。また、空孔径が膨潤で大きくなっても全細孔容積は変化しない。従って、第2のモノリスイオン交換体は、3次元的に連続する空孔の大きさが格段に大きいにもかかわらず、骨太骨格を有するため機械的強度が高い。また、骨格が太いため、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量を大きくでき、導電性や処理水水質を高めることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態における電気式脱イオン液製造装置の一例を図13を参照して説明する。図13は被処理液中のカチオン性不純物を除去するカチオンセル(図中、(A))とアニオン性不純物を除去するアニオンセル(図中、(B))を用いる2セルタイプのEDIの模式図である。
図13中、電気式脱イオン液製造装置10は、カチオンセル10aとアニオンセル10bからなる。カチオンセル10aは、モノリスカチオン交換体が充填された脱カチオン領域1aと、脱カチオン領域1aのイオン排除側(陰極側)に隣接して配設される被処理液の一部が透過する液透過領域2aと、脱カチオン領域1aの陽極側に隣接して配設される被処理液の他の一部が透過する液透過領域3aと、脱カチオン領域1a、液透過領域2a及び液透過領域3aの両側に配設される陽極4a、陰極4bと、脱カチオン領域1aに被処理液を通液する被処理液流入管11と、液透過領域2aから透過した液が流入する陰極室6と、液透過領域3aから透過した液が流入する陽極室7と、脱カチオン領域1aから脱カチオン液を排出する脱カチオン液流出管12とを備える。
カチオンセル10aにおいて、液透過領域2a及び液透過領域3aを形成するカチオン交換体の通液抵抗は、脱カチオン領域1aに充填されるモノリスカチオン交換体の通液抵抗より大きくしてある。被処理液は、脱カチオン領域1aの陰極側近傍から流入させ、処理液は、被処理液の流入口のほぼ対角線上の脱カチオン領域1aの陽極側近傍から流出させることが、排除されるイオンの流れ方向と脱カチオン領域1aにおける被処理液の流れ方向が逆方向となり、モノリスカチオン交換体を有効に利用し、且つカチオン性不純物Xのリークが無い処理液が得られる点で好ましい。
図13(B)のアニオンセル10bにおいて、図13(A)のカチオンセル10aと同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について説明する。すなわち、アニオンセル10bにおいて、カチオンセル10aと異なる点は、脱塩領域にモノリスアニオン交換体を充填し、液透過領域2b及び液透過領域3bにはアニオン交換体を装填した点、被処理液は脱アニオン領域1bの陽極側近傍から流入させ、処理液は、被処理液の流入口のほぼ対角線上の脱アニオン領域1bの陰極側近傍から流出させた点である。そして、カチオンセル10aの脱カチオン液流出管12とアニオンセル10bの被処理液流入管13を連結している。アニオンセル10bもカチオンセル10a同様、極めて簡易な構造である。
次に、電気式脱イオン液製造装置10を用いた脱塩液の製造方法について説明する。被処理液を被処理液流入管11から脱カチオン領域1aに流入させる。脱カチオン領域1aに流入した被処理液は、液透過領域2a及び液透過領域3aを形成するカチオン交換体の通液抵抗が、脱カチオン領域1aに充填されるモノリスカチオン交換体の通液抵抗より大きいため、被処理液の大部分が脱カチオン領域1aを流通し、その一部が液透過領域2a及び液透過領域3aを透過する。液透過領域2aを透過した透過液は、電気泳動的に排除されるカチオン性不純物Xとともに陰極室6に陰極液として排出される。液透過領域2aにおいては、常に被処理液の一部が透過しており、希釈効果によりスケール発生を防止する。また、液透過領域3aを透過した透過液は、陽極室7に陽極液として排出される。図中、脱カチオン領域1aにおける流路17は模式的に示したものであるが、実際の流れも、概ねこのような流れとなる。
次いで、カチオン性不純物が除去された被処理液を被処理液流入管13から脱アニオン領域1bに流入させる。脱アニオン領域1bに流入した被処理液は、液透過領域2b及び液透過領域3bを形成するアニオン交換体の通液抵抗が、脱アニオン領域1bに充填されるモノリスアニオン交換体の通液抵抗より大きいため、被処理液の大部分が脱アニオン領域1bを流通し、その一部が液透過領域2b及び液透過領域3bを透過する。液透過領域2bを透過した透過液は、電気泳動的に排除されるアニオン性不純物Yとともに陽極室7に陽極液として排出される。液透過領域2bにおいては、カチオンセル10aと同様、常に被処理液の一部が透過しており、希釈効果によりスケール発生を防止する。また、液透過領域3bを透過した透過液は、陰極室6に陰極液として排出される。図中、脱アニオン領域1bにおける流路18は模式的に示したものであるが、実際の流れも、概ねこのような流れとなる。
カチオンセル10aとアニオンセル10bからなる2セルタイプの電気式脱イオン液製造装置10によれば、カチオンセル10a及びアニオンセル10b共に、イオン交換膜を全く使用していないため、装置構造が極めて簡略化でき、製作コストも低減できる。また、カチオンセル10aの陰極側の液透過領域2a及びアニオンセル10bの陽極側の液透過領域2bにおいては、従来のEDIでは避けることができなかったスケール発生を、透過する被処理液の希釈効果により防止することができる。また、脱塩領域で用いるモノリスイオン交換体は強度が高く、また流路を形成する開口や空孔も大きいため、通水時の圧力損失を低下させることができ、体積当りのイオン交換容量が大きいため、導電性や処理水水質を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態における電気式脱イオン液製造装置の一例を図14を参照して説明する。図14は被処理液中のカチオン性不純物を除去するカチオンセル20a(図中、(A))とアニオン性不純物を除去するアニオンセル20b(図中、(B))を用いる2セルタイプの他のEDIの模式図である。図14において、図13と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、図14において、図13と異なる点は、カチオンセル20aにおいて、脱カチオン領域1aの陽極側には、カチオン交換膜5を付設し、脱カチオン領域1aと陽極室7間に液の透過がないようにした点、アニオンセル20bにおいて、脱アニオン領域1bの陰極側には、カチオン交換膜5を付設し、脱アニオン領域1bと陰極室6間に液の透過がないようにした点にある。
カチオンセル20aとアニオンセル20bからなる2セルタイプの電気式脱イオン液製造装置20によれば、イオン交換膜を一部に使用するものの、前記電気式脱イオン液製造装置10と同様の効果を奏する。
次に、本発明の第3の実施の形態における電気式脱イオン液製造装置の一例を図15を参照して説明する。図15はカチオン性不純物とアニオン性不純物を同時に除去する1セルタイプのEDIの模式図である。図15において、図13と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、図15において、図13と異なる点は、セル構造を、単一セル構造のカチオン/アニオンセル30とした点、脱塩領域1cにはカチオン交換体とアニオン交換体の混合モノリスイオン交換体を充填した点、脱塩領域1cの陰極側の液透過領域2aには、カチオン交換体を装填し、脱塩領域1cの陽極側の液透過領域3bには、アニオン交換体を装填した点にある。
次に、カチオン/アニオンセル30を用いた脱塩液の製造方法について説明する。被処理液流入管11を通って脱塩領域1cに流入した被処理液は、液透過領域2a及び液透過領域3bを形成するカチオン交換体及びアニオン交換体の通液抵抗が、脱塩領域1cに充填される混合イオン交換体の通液抵抗より大きいため、被処理液の大部分が脱塩領域1cを流通し、その一部が液透過領域2a及び液透過領域3bを透過する。液透過領域2aを透過した透過液は、電気泳動的に排除されるカチオン性不純物Xとともに陰極室6に陰極液として排出される。また、液透過領域3bを透過した透過液は、陽極室7に陽極液として排出される。液透過領域2a及び液透過領域3bにおいては、常に被処理液の一部が透過しており、希釈効果によりスケール発生を防止する。図中、脱塩領域1cにおける流路17は模式的に示したものであるが、実際の流れも、概ねこのような流れとなる。
1セルタイプの電気式脱イオン液製造装置30によれば、2セルタイプの電気式脱イオン液製造装置20と同様の効果を奏する。
次に、本発明の第4の実施の形態における電気式脱イオン液製造装置の一例を図16を参照して説明する。図16はカチオン性不純物とアニオン性不純物を同時に除去する脱塩室を複数個に並列配置したEDIの模式図である。図16において、図16と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、図16において、図16と異なる点は、電極間に配設される脱塩セルの基本構造が相違する点にある。すなわち、陽極室7と陰極室6との間に、陽極側が液透過領域であるアニオン交換体2bで区画され陰極側が液透過領域であるモノリスカチオン交換体2aで区画された脱塩室1d、1dと、陽極側が液透過領域であるカチオン交換体で区画され陰極側が液透過領域であるアニオン交換体で区画された濃縮室を有するEDIである。電気式脱イオン液製造装置40において、脱塩室1d、1dの設置個数はこれに限定されず、1個でも、3個以上であってもよい。
次に、電気式脱イオン液製造装置40を用いた脱塩液の製造方法について説明する。被処理液を被処理液流入管11から脱塩領域1d、1dに流入させる。脱塩領域1d、1dに流入した被処理液は、液透過領域2a及び液透過領域2bを形成するイオン交換体の通液抵抗が、脱塩領域1d、1dに充填されるモノリス混合イオン交換体の通液抵抗より大きいため、被処理液の大部分が脱塩領域1d、1dを流通し、その一部が液透過領域2a及び液透過領域2bを透過する。液透過領域2aを透過した透過液は、電気泳動的に排除されるカチオン性不純物Xとともに陰極室6及び濃縮室9に陰極液及び濃縮液として排出される。また、液透過領域2bを透過した透過液は、電気泳動的に排除されるアニオン性不純物Yとともに陽極室7及び濃縮室9に陽極液及び濃縮液として排出される。液透過領域2a及び液透過領域2bにおいては、常に被処理液の一部が透過しており、希釈効果によりスケール発生を防止する。図中、脱塩領域1dにおける流路17は模式的に示したものであるが、実際の流れも、概ねこのような流れとなる。
脱塩室並列配置の電気式脱イオン液製造装置40によれば、1セルタイプの電気式脱イオン液製造装置30や2セルタイプの電気式脱イオン液製造装置20と同様の効果を奏する。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
<第1のモノリスイオン交換体の製造(参考例1)>
(I工程;モノリス中間体の製造)
スチレン19.2g、ジビニルベンゼン1.0g、ソルビタンモノオレエート(以下SMOと略す)1.0gおよび2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.26gを混合し、均一に溶解させた。次に,当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO/2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)混合物をTHF1.8mlを含有する180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを反応容器に速やかに移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス中間体を製造した。該モノリス中間体のマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の水銀圧入法により測定した平均直径は56μm、全細孔容積は7.5ml/gであった。
(モノリスの製造)
次いで、スチレン49.0g、ジビニルベンゼン1.0g、1-デカノール50g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5gを混合し、均一に溶解させた(II工程)。次に上記モノリス中間体を外径70mm、厚さ約20mmの円盤状に切断して、7.6g分取した。分取したモノリス中間体を内径90mmの反応容器に入れ、当該スチレン/ジビニルベンゼン/1-デカノール/2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)混合物に浸漬させ、減圧チャンバー中で脱泡した後、反応容器を密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、厚さ約30mmのモノリス状の内容物を取り出し、アセトンでソックスレー抽出した後、85℃で一夜減圧乾燥した(III工程)。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.3モル%含有したモノリス(乾燥体)の内部構造を、SEMにより観察した結果を図1に示す。図1のSEM画像は、モノリスを任意の位置で切断して得た切断面の任意の位置における画像である。図1から明らかなように、当該モノリスは連続マクロポア構造を有しており、連続マクロポア構造体を構成する骨格が比較例の図12のものと比べて遥かに太く、また、骨格を構成する壁部の厚みが厚いものであった。
次ぎに、得られたモノリスを主観を排除して上記位置とは異なる位置で切断して得たSEM画像2点、都合3点から壁部の厚みと断面に表れる骨格部面積を測定した。壁部の厚みは1つのSEM写真から得た8点の平均であり、骨格部面積は画像解析により求めた。なお、壁部は前述の定義のものである。また、骨格部面積は3つのSEM画像の平均で示した。この結果、壁部の平均厚みは30μm、断面で表れる骨格部面積はSEM画像中28%であった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの開口の平均直径は31μm、全細孔容積は2.2ml/gであった。結果を表1及び表2にまとめて示す。表1中、仕込み欄は左から順に、II工程で用いたビニルモノマー、架橋剤、I工程で得られたモノリス中間体、II工程で用いた有機溶媒を示す。
(モノリスカチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、外径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。モノリスの重量は27gであった。これにジクロロメタン1500mlを加え、35℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロ硫酸145gを徐々に加え、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールを加え、残存するクロロ硫酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、更に純水で洗浄して連続マクロポア構造を有するモノリスカチオン交換体を得た。
得られたカチオン交換体の反応前後の膨潤率は1.7倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.67mg当量/mlであった。水湿潤状態での有機多孔質イオン交換体の開口の平均直径を、有機多孔質体の値と水湿潤状態のカチオン交換体の膨潤率から見積もったところ54μmであり、モノリスと同様の方法で求めた骨格を構成する壁部の平均厚みは50μm、骨格部面積はSEM写真の写真領域中28%、全細孔容積は2.2ml/gであった。また、該モノリスカチオン交換体のナトリウムイオンに関するイオン交換帯長さは、LV=20m/hにおいて22mmであった。また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は、0.016MPa/m・LVであった。その結果を表2にまとめて示す。
次に、モノリスカチオン交換体中のスルホン酸基の分布状態を確認するため、EPMAにより硫黄原子の分布状態を観察した。結果を図2及び図3に示す。図2は硫黄原子のカチオン交換体の表面における分布状態を示したものであり、図3は硫黄原子のカチオン交換体の断面(厚み)方向における分布状態を示したものである。図2及び図3より、スルホン酸基はカチオン交換体の骨格表面及び骨格内部(断面方向)にそれぞれ均一に導入されていることがわかる。
<第1のモノリスイオン交換体の製造(参考例2〜11)>
(モノリスの製造)
スチレンの使用量、架橋剤の種類と使用量、有機溶媒の種類と使用量、スチレン及びジビニルベンゼン含浸重合時に共存させるモノリス中間体の多孔構造、架橋密度および使用量を表1に示す配合量に変更した以外は、参考例1と同様の方法でモノリスを製造した。その結果を表1及び表2に示す。なお、参考例2〜11のSEM画像(不図示)及び表2から、参考例2〜11のモノリスの開口の平均直径は22〜70μmと大きく、骨格を構成する壁部の平均厚みも25〜50μmと厚く、骨格部面積はSEM画像領域中26〜44%と骨太のモノリスであった。
(モノリスカチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、それぞれ参考例1と同様の方法でクロロ硫酸と反応させ、連続マクロポア構造を有するモノリスカチオン交換体を製造した。その結果を表2に示す。参考例2〜11のモノリスカチオン交換体の開口の平均直径は46〜138μmであり、骨格を構成する壁部の平均厚みも45〜110μmと厚く、骨格部面積はSEM画像領域中26〜44%であり、イオン交換帯長さも従来のものよりも短く、差圧係数も低い値を示した。また、体積当りの交換容量も大きな値を示した。また、参考例8のモノリスカチオン交換体については、機械的特性の評価も行なった。
(モノリスカチオン交換体の機械的特性評価)
参考例8で得られたモノリスカチオン交換体を、水湿潤状態で4mm×5mm×10mmの短冊状に切り出し、引張強度試験の試験片とした。この試験片を引張試験機に取り付け、ヘッドスピードを0.5mm/分に設定し、水中、25℃にて試験を行った。その結果、引張強度、引張弾性率はそれぞれ45kPa、50kPaであり、従来のモノリスカチオン交換体に比べて格段に大きな値を示した。また、引張破断伸びは25%であり、従来のモノリスカチオン交換体よりも大きな値であった。
参考例12及び13
(モノリスの製造)
スチレンの使用量、架橋剤の使用量、有機溶媒の使用量を表1に示す配合量に変更した以外は、参考例1と同様の方法で参考例4と同じ組成・構造のモノリスを製造した。なお、参考例13は内径75mmの反応容器に代えて、内径110mmの反応容器を用いた以外は、参考例12と同様の方法で行ったものである。その結果を表1及び表2に示す。
(モノリスアニオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、外径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。これにジメトキシメタン1400ml、四塩化スズ20mlを加え、氷冷下クロロ硫酸560mlを滴下した。滴下終了後、昇温して35℃、5時間反応させ、クロロメチル基を導入した。反応終了後、母液をサイフォンで抜き出し、THF/水=2/1の混合溶媒で洗浄した後、更にTHFで洗浄した。このクロロメチル化モノリス状有機多孔質体にTHF1000mlとトリメチルアミン30%水溶液600mlを加え、60℃、6時間反応させた。反応終了後、生成物をメタノール/水混合溶媒で洗浄し、次いで純水で洗浄して単離した。
参考例12及び参考例13のアニオン交換体の体積当りのイオン交換容量、水湿潤状態での有機多孔質イオン交換体の開口の平均直径、モノリスと同様の方法で求めた骨格を構成する壁部の平均厚み、骨格部面積(SEM写真の写真領域中に占める割合)、全細孔容積、イオン交換帯長さ及び差圧係数などを表2にまとめて示した。
次に、多孔質アニオン交換体中の四級アンモニウム基の分布状態を確認するため、アニオン交換体を塩酸水溶液で処理して塩化物型とした後、EPMAにより塩素原子の分布状態を観察した。その結果、塩素原子はアニオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも均一に分布しており、四級アンモニウム基がアニオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
<第2のモノリスイオン交換体の製造(参考例14)>
(I工程;モノリス中間体の製造)
スチレン5.4g、ジビニルベンゼン0.17g、ソルビタンモノオレエート(以下SMOと略す)1.4gおよび2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.26gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO/2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)混合物を180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを速やかに反応容器に移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、メタノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス中間体を製造した。このようにして得られたモノリス中間体(乾燥体)の内部構造をSEM画像(図7)により観察したところ、隣接する2つのマクロポアを区画する壁部は極めて細く棒状であるものの、連続気泡構造を有しており、水銀圧入法により測定したマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は70μm、全細孔容積は21.0ml/gであった。
(共連続構造モノリスの製造)
次いで、スチレン76.0g、ジビニルベンゼン4.0g、1-デカノール120g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.8gを混合し、均一に溶解させた(II工程)。次に上記モノリス中間体を直径70mm、厚さ約40mmの円盤状に切断して4.1gを分取した。分取したモノリス中間体を内径75mmの反応容器に入れ、当該スチレン/ジビニルベンゼン/1-デカノール/2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)混合物に浸漬させ、減圧チャンバー中で脱泡した後、反応容器を密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、厚さ約60mmのモノリス状の内容物を取り出し、アセトンでソックスレー抽出した後、85℃で一夜減圧乾燥した(III工程)。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を3.2モル%含有したモノリス(乾燥体)の内部構造をSEMにより観察したところ、当該モノリスは骨格及び空孔はそれぞれ3次元的に連続し、両相が絡み合った共連続構造であった。また、SEM画像から測定した骨格の太さは10μmであった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの三次元的に連続した空孔の大きさは17μm、全細孔容積は2.9ml/gであった。その結果を表3及び4にまとめて示す。表4中、骨格の太さは骨格の直径で表した。
(共連続構造モノリス状カチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、直径75mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。モノリスの重量は18gであった。これにジクロロメタン1500mlを加え、35℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロ硫酸99gを徐々に加え、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールを加え、残存するクロロ硫酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、更に純水で洗浄して共連続構造を有するモノリスカチオン交換体を得た。
得られたカチオン交換体を一部切り出し、乾燥させた後、その内部構造をSEMにより観察したところ、当該モノリスカチオン体は共連続構造を維持していることを確認した。そのSEM画像を図8に示す。また、該カチオン交換体の反応前後の膨潤率は1.4倍であり、体積当りのイオン交換容量は水湿潤状態で0.74mg当量/mlであった。水湿潤状態でのモノリスの連続空孔の大きさを、モノリスの値と水湿潤状態のカチオン交換体の膨潤率から見積もったところ24μmであり、骨格の直径は14μm、全細孔容積は2.9ml/gであった。
また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は、0.052MPa/m・LVであった。更に、該モノリスカチオン交換体のナトリウムイオンに関するイオン交換帯長さを測定したところ、LV=20m/hにおけるイオン交換帯長さは16mmであり、市販の強酸性カチオン交換樹脂であるアンバーライトIR120B(ロームアンドハース社製)の値(320mm)に比べて圧倒的に短いばかりでなく、従来の連続気泡構造を有するモノリス状多孔質カチオン交換体の値に比べても短かった。その結果を表4にまとめて示す。
次に、モノリスカチオン交換体中のスルホン酸基の分布状態を確認するため、EPMAにより硫黄原子の分布状態を観察した。その結果を図9及び図10に示す。図9及び図10共に、左右の写真はそれぞれ対応している。図9は硫黄原子のカチオン交換体の表面における分布状態を示したものであり、図10は硫黄原子のカチオン交換体の断面(厚み)方向における分布状態を示したものである。図9左側の写真中、左右傾斜して延びるものが骨格部であり、図10左側の写真中、2つの円形状は骨格の断面である。図9及び図10より、スルホン酸基はカチオン交換体の骨格表面及び骨格内部(断面方向)にそれぞれ均一に導入されていることがわかる。
<第2のモノリスイオン交換体の製造(参考例15〜17)>
(共連続構造を有するモノリスの製造)
スチレンの使用量、架橋剤の使用量、有機溶媒の使用量、スチレン及びジビニルベンゼン含浸重合時に共存させるモノリス中間体の多孔構造、架橋密度及び使用量を表3に示す配合量に変更した以外は、参考例14と同様の方法で共連続構造を有するモノリスを製造した。なお、参考例17は内径75mmの反応容器に代えて、内径110mmの反応容器を用いた以外は、参考例14と同様の方法で行ったものである。その結果を表3及び表4に示す。
(共連続構造を有するモノリスカチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、それぞれ参考例14と同様の方法でクロロ硫酸と反応させ、共連続構造を有するモノリスカチオン交換体を製造した。その結果を表4に示す。また、得られた共連続構造を有するモノリスカチオン交換体の内部構造は、不図示のSEM画像及び表4から参考例15〜17で得られたモノリスカチオン交換体はイオン交換体長さは従来のものよりも短く、差圧係数も小さい値を示した。また、単位体積当りの交換容量も従来より大きな値を示した。また、参考例15のモノリスカチオン交換体については、機械的特性の評価も行なった。
(モノリスカチオン交換体の機械的特性評価)
参考例15で得られたモノリスカチオン交換体を、水湿潤状態で4mm×5mm×10mmの短冊状に切り出し、引張強度試験の試験片とした。この試験片を引張試験機に取り付け、ヘッドスピードを0.5mm/分に設定し、水中、25℃にて試験を行った。その結果、引張強度、引張弾性率はそれぞれ23kPa、15kPaであり、従来のモノリスカチオン交換体に比べて格段に大きな値を示した。また、引張破断伸びは50%であり、従来のモノリスカチオン交換体よりも大きな値であった。
参考例18及び19
(共連続構造を有するモノリスの製造)
スチレンの使用量、架橋剤の使用量、有機溶媒の使用量、スチレン及びジビニルベンゼン含浸重合時に共存させるモノリス中間体の多孔構造、架橋密度及び使用量を表4に示す配合量に変更した以外は、参考例14と同様の方法で共連続構造を有するモノリスを製造した。なお、参考例19は内径75mmの反応容器に代えて、内径110mmの反応容器を用いた以外は、参考例18と同様の方法で行ったものである。その結果を表3及び表4に示す。
(共連続気泡構造を有するモノリスアニオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、直径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。これにジメトキシメタン1400ml、四塩化スズ20mlを加え、氷冷下クロロ硫酸560mlを滴下した。滴下終了後、昇温して35℃で5時間反応させ、クロロメチル基を導入した。反応終了後、母液をサイフォンで抜き出し、THF/水=2/1の混合溶媒で洗浄した後、更にTHFで洗浄した。このクロロメチル化モノリス状有機多孔質体にTHF1000mlとトリメチルアミン30%水溶液600mlを加え、60℃、6時間反応させた。反応終了後、生成物をメタノール/水混合溶媒で洗浄し、次いで純水で洗浄して単離した。
参考例18及び参考例19のアニオン交換体の体積当りのイオン交換容量、水湿潤状態での有機多孔質イオン交換体の連続空孔の平均直径、モノリスと同様の方法で求めた骨格の太さ、全細孔容積、イオン交換帯長さ及び差圧係数などを表4にまとめて示した。また、得られた共連続構造を有するモノリスアニオン交換体の内部構造はSEM画像(不図示)により観察した。
次に、モノリスアニオン交換体中の四級アンモニウム基の分布状態を確認するため、アニオン交換体を塩酸水溶液で処理して塩化物型とした後、EPMAにより塩素原子の分布状態を観察した。その結果、塩素原子はアニオン交換体の表面のみならず、内部にも均一に分布しており、四級アンモニウム基がアニオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
参考例20
(連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質体(公知品)の製造)
特開2002−306976号記載の製造方法に準拠して連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質体を製造した。すなわち、スチレン19.2g、ジビニルベンゼン1.0g、SMO1.0gおよび2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.26gを混合し、均一に溶解させた。次に,当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO/2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)混合物を180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを反応容器に速やかに移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質体を製造した。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を3.3モル%含有した有機多孔質体の内部構造を表すSEMは、図12と同様の構造であった。図12から明らかなように、当該有機多孔質体は連続マクロポア構造を有しているが、連続マクロポア構造体の骨格を構成する壁部の厚みは実施例に比べて薄く、また、SEM画像から測定した壁部の平均厚みは5μm、骨格部面積はSEM画像領域中10%であった。また、水銀圧入法により測定した当該有機多孔質体の開口の平均直径は29μm、全細孔容積は、8.6ml/gであった。その結果を表5にまとめて示す。表1、2及び5中、メソポア直径は開口の平均直径を意味する。また、表1〜5中、厚み、骨格直径、空孔の値はそれぞれ平均を示す。
(連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質カチオン交換体(公知品)の製造)
上記の方法で製造した有機多孔質体を、外径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。有機多孔質体の重量は6gであった。これにジクロロメタン1000mlを加え、35℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロ硫酸30gを徐々に加え、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールを加え、残存するクロロ硫酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、更に純水で洗浄して連続マクロポア構造を有するモノリス状多孔質カチオン交換体を得た。得られたカチオン交換体の反応前後の膨潤率は1.6倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.22mg当量/mlと参考例1〜19に比べて小さな値を示した。水湿潤状態での有機多孔質イオン交換体のメソポアの平均直径を、有機多孔質体の値と水湿潤状態のカチオン交換体の膨潤率から見積もったところ46μmであり、骨格を構成する壁部の平均厚み8μm、骨格部面積はSEM画像領域中10%、全細孔容積は、8.6ml/gであった。また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は、0.013MPa/m・LVであった。結果を表5にまとめて示す。また、参考例20で得られたモノリスカチオン交換体については、機械的特性の評価も行なった。
(従来のモノリスカチオン交換体の機械的特性評価)
参考例20で得られたモノリスカチオン交換体について、参考例8の評価方法と同様の方法で引張試験を行った。その結果、引張強度、引張弾性率はそれぞれ28kPa、12kPaであり、参考例8のモノリスカチオン交換体に比べて低い値であった。また、引張破断伸びも17%であり、本発明のモノリスカチオン交換体よりも小さかった。
参考例21〜23
(連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質体の製造)
スチレンの使用量、ジビニルベンゼンの使用量、SMOの使用量を表5に示す配合量に変更した以外は、参考例20と同様の方法で、従来技術により連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質体を製造した。結果を表5に示す。また、参考例23のモノリスの内部構造は不図示のSEMにより観察した。なお、参考例23は全細孔容積を最小とする条件であり、油相部に対してこれ以下の水の配合では、開口が形成できない。参考例21〜23のモノリスはいずれも、開口径が9〜18μmと小さく、骨格を構成する壁部の平均厚みも15μmと薄く、また、骨格部面積はSEM画像領域中最大でも22%と少なかった。
(連続マクロポア構造を有するモノリス状有機多孔質カチオン交換体の製造)
上記の方法で製造した有機多孔質体を、参考例20と同様の方法でクロロ硫酸と反応させ、連続マクロポア構造を有するモノリス状多孔質カチオン交換体を製造した。結果を表5に示す。開口直径を大きくしようとすると壁部の厚みが小さくなったり、骨格が細くなったりする。一方、壁部を厚くしたり、骨格を太くしようとすると開口の直径が減少する傾向が認められた。その結果、差圧係数を低く押さえると体積当りのイオン交換容量が減少し、イオン交換容量を大きくすると差圧係数が増大した。
なお、参考例1〜11及び参考例20〜23で製造したモノリスイオン交換体について、差圧係数と体積当りのイオン交換容量の関係を図4に示した。図4から明らかなように、参考例1〜11に対して公知の参考例20〜23は差圧係数とイオン交換容量のバランスが悪いことがわかる。一方、参考例1〜11は体積当りのイオン交換容量が大きく、更に差圧係数も低いことがわかる。
参考例24(公知のカチオンモノリス)
スチレン46.3g、ジビニルベンゼン2.4g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g及びソルビタンモノオレエート3.1gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/アゾビスイソブチロニトリル/ソルビタンモノオレエート混合物を180mlの純水に添加し、遊星式攪拌装置を用いて(公転/自転)=(1800rpm/600rpm)で5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで12時間ソックスレー抽出し、未反応モノマーとソルビタンモノオレエートを除去した。その後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を3.3モル%含有した多孔質体を切断して16.6g採取し、これにジクロロメタン900mlを加え、35℃で1時間加熱した後、0℃まで氷冷し、クロロスルホン酸88.0gを徐々に加え、クロロスルホン酸添加終了後、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールで反応物を洗浄し、水洗して多孔質陽イオン交換体を得た。この多孔質体のイオン交換容量は、乾燥多孔質体換算で4.5mg当量/ gであり、EPMAを用いた硫黄原子のマッピングにより、スルホン酸基が多孔質体に均一に導入されていることを確認した。また、SEM観察の結果、この多孔質体(液透過領域用カチオンモノリス)の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径30.0μm のマクロポアの大部分が重なり合い、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値を水銀圧入法で求めたところ、直径の平均値は8.5μm 、全細孔容積は、2.7ml/gであった。
参考例25(公知のカチオンモノリス)
スチレン19.2g、ジビニルベンゼン1.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g及びソルビタンモノオレエート1.1gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/アゾビスイソブチロニトリル/ソルビタンモノオレエート混合物を180mlの純水に添加し、遊星式攪拌装置を用いて(公転/自転)=(1000rpm/330rpm)で2分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで12時間ソックスレー抽出して未反応モノマーとソルビタンモノオレエートを除去した。その後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を3.3モル%含有した多孔質体を切断して7.9g採取し、ジクロロメタン900mlを加え、35℃で1時間加熱した後、0℃まで氷冷し、クロロスルホン酸42.0gを徐々に加え、クロロスルホン酸添加終了後昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールで反応物を洗浄し、水洗して多孔質陽イオン交換体を得た。この多孔質体のイオン交換容量は、乾燥多孔質体換算で4.6mg当量/ gであった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径100μm のマクロポアの大部分が重なり合った構造を有していた。マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値を水銀圧入法で求めたところ、直径の平均値は29.0μm、全細孔容積は、8.6ml/gであった。
参考例26(公知のアニオンモノリス)
スチレン46.3gの代わりに、p−クロロメチルスチレン27.4gを用い、ジビニルベンゼン1.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、ソルビタンモノオレエート2.0gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該p−クロロメチルスチレン/ジビニルベンゼン/アゾビスイソブチロニトリル/ソルビタンモノオレエート混合物を180mlの純水に添加し、遊星式攪拌装置を用いて(公転/自転)=(1800rpm/600rpm)で5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで12時間ソックスレー抽出して未反応モノマーとソルビタンモノオレエートを除去した。その後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。このようにして得られたp−クロロメチルスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を5.0モル%含有した多孔質体を切断して10.7g採取し、テトラヒドロフラン900gを加え60℃で1時間加熱した後、室温まで冷却し、トリメチルアミン(30%)水溶液58.8gを徐々に加え、トリメチルアミン水溶液添加終了後昇温して60℃で6時間反応させた。反応終了後、多孔質体を取り出し、メタノールで洗浄後水洗し、乾燥して多孔質陰イオン交換体を得た。この多孔質体のイオン交換容量は、乾燥多孔質体換算で3.6mg当量/gであり、SIMSにより、トリメチルアンモニウム基が多孔質体に均一に導入されていることを確認した。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径30μmのマクロポアの大部分が重なり合った構造を有していた。マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値を水銀圧入法で求めたところ、直径の平均値は7.8μm、全細孔容積は4.0ml/gであった。
参考例27(公知のアニオンモノリス)
スチレン19.2gの代わりに、p−クロロメチルスチレン19.2gを用い、ジビニルベンゼン1.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、ソルビタンモノオレエート2.0gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該p−クロロメチルスチレン/ジビニルベンゼン/アゾビスイソブチロニトリル/ソルビタンモノオレエート混合物を180mlの純水に添加し、遊星式攪拌装置を用いて(公転/自転)=(1000rpm/330rpm)で2分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで12時間ソックスレー抽出して未反応モノマーとソルビタンモノオレエートを除去した。その後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。このようにして得られたp−クロロメチルスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を5.0モル%含有した多孔質体を切断して6.8g採取し、これにテトラヒドロフラン900gを加え60℃で1時間加熱した後、室温まで冷却し、トリメチルアミン(30%)水溶液43.1gを徐々に加え、トリメチルアミン水溶液添加終了後昇温して60℃で6時間反応させた。反応終了後、多孔質体を取り出し、メタノールで洗浄後水洗し、乾燥して多孔質陰イオン交換体を得た。この多孔質体のイオン交換容量は、乾燥多孔質体換算で3.7mg当量/gであった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径70μm のマクロポアの大部分が重なり合った構造を有していた。マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値を水銀圧入法で求めたところ、直径の平均値は21.0μm、全細孔容積は8.4ml/gであった。
参考例28
II工程で用いる有機溶媒の種類をポリスチレンの良溶媒であるジオキサンに変更したことを除いて、参考例1と同様の方法でモノリスの製造を試みた。しかし、単離した生成物は透明であり、多孔構造の崩壊・消失が示唆された。確認のためSEM観察を行ったが、緻密構造しか観察されず、連続マクロポア構造は消失していた。
(カチオンセルの作製)
液透過領域用カチオンモノリスとして、参考例24のモノリスカチオン交換体を、脱カチオン領域用カチオンモノリスとして、参考例8のモノリスカチオン交換体をそれぞれ使用した。そして、図14に示すような電気式脱イオン液製造装置20を作製するため、図17に示すようなカチオンセル20aを先ず作製した。得られた液透過領域用カチオンモノリス及び脱カチオン領域用カチオンモノリスから、純水湿潤状態でそれぞれ縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)20mmの2個の直方体2a、11aを切り出して脱カチオン室に積層充填する充填材を得た。次いで、セル容器201内に、陰極室(図中、左側)から順に、液透過領域用カチオンモノリス2a及び脱カチオン領域用カチオンモノリス11aを密着して装填し、脱カチオン領域用カチオンモノリス11aの陽極側の隣接空間にカチオン交換樹脂12a(アンバーライトIR120B、ロームアンドハース社製)80ml容量を充填した。セル容器201には、図中、脱カチオン領域用カチオンモノリス11aが位置する底面に被処理液流入管11が付設され、カチオン交換樹脂12aが位置する陽極側の上面に処理液流出管12が付設されている。次いで、セル容器201の陰極側には陰極室を形成し、更に陰極室の外側面にSUS304製の陰極を配置した。また、カチオン交換樹脂12aの陽極側に陽イオン交換膜(Nafion 350;デュポン社製)を密着して配設し、更に、陽イオン交換膜の外側面に白金被膜チタン基板からなる陽極を配置し、適宜ノズルやリード線取り出し口を設けて、カチオンセル20aを作製した。なお、簡略化のため、図17中、陽イオン交換膜、電極室及び電極の記載を省略した。
(アニオンセルの作製)
液透過領域用アニオンモノリスとして、参考例26のモノリスアニオン交換体を、脱アニオン領域用アニオンモノリスとして、参考例13のモノリスアニオン交換体をそれぞれ使用した。得られた液透過領域用アニオンモノリス及び脱アニオン領域用アニオンモノリスから、純水湿潤状態でそれぞれ縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)20mmの2個の直方体2b、11bを切り出して脱アニオン室に積層充填する充填材を得た。次いで、セル容器202内に、陽極室(図17中、左側)から順に、液透過領域用アニオンモノリス2b及び脱アニオン領域用アニオンモノリス11bを密着して装填し、脱アニオン領域用アニオンモノリス11bの陰極側の隣接空間にアニオン交換樹脂12b(アンバーライトIRA402BL、ロームアンドハース社製)80ml容量を充填した。セル容器202には、図中、脱アニオン領域用アニオンモノリス11bが位置する底面に被処理液(脱カチオン液)流入管13が付設され、アニオン交換樹脂12bが位置する陰極側の上面に脱塩液流出管14が付設されている。次いで、セル容器202の陽極側には陽極室を形成し、更に陽極室の外側面に白金被膜チタン基板からなる陽極を配置した。また、アニオン交換樹脂12bの陰極側に陽イオン交換膜(Nafion 350;デュポン社製)を密着して配設し、更に、陽イオン交換膜の外側面にSUS304製の陰極を配置し、適宜ノズルやリード線取り出し口を設けて、アニオンセル20bを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置20の作製)
得られたカチオンセル20aの処理液流出管12とアニオンセル20bの被処理液流入管13を接続し、2つの電極室には他の2つの電極室に透過した透過液の一部をそれぞれ供給するようにした。
(脱イオン液の製造)
得られた電気式脱イオン液製造装置20に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速15l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は100Vで、導電率0.8μS/cmの処理液が流速13l/hで得られた。なお、カチオンセル20aで透過した透過液(陰極液)の流速及びアニオンセル20bで透過した透過液(陽極液)の流速はそれぞれ、1l/hであった。
参考例8のモノリスカチオン交換体に代えて、参考例17のモノリスカチオン交換体を用いてカチオンセルを作製し、参考例13のモノリスアニオン交換体に代えて、参考例19のモノリスアニオン交換体を用いてアニオンモノリスを作製した以外は、実施例1と同様に電気式脱イオン液製造装置を作製し、脱イオン液を得た。その結果、操作電圧は100Vで、導電率0.8μS/cmの処理液が流速13l/hで得られた。
比較例1
参考例8のモノリスカチオン交換体に代えて、参考例25のモノリスカチオン交換体を、参考例13のモノリスアニオン交換体に代えて、参考例27のモノリスアニオン交換体を、それぞれ使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られた電気式脱イオン液製造装置20に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速15l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は110Vで、導電率1μS/cmの処理液が流速10l/hで得られた。なお、カチオンセル20aで透過した透過液(陰極液)の流速及びアニオンセル20bで透過した透過液(陽極液)の流速はそれぞれ、2.5l/hであった。
<液透過側アニオンモノリス(製造例1)>
(モノリス中間体の製造)
スチレン19.9g、ジビニルベンゼン0.4g、ソルビタンモノオレエート(以下SMOと略す)5.0gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO混合物を、過硫酸カリウム0.48gを溶解させた180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下、公転回転数1800rpm/自転回転数600rpmにて撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを反応容器に速やかに移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス中間体を製造した。水銀圧入法により測定した該モノリス中間体のマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は6.3μm、全細孔容積は8.5ml/gであった。
(モノリスの製造)
次いで、スチレン49.0g、ジビニルベンゼン1.0g、1-デカノール50g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5gを混合し、均一に溶解させた。次に上記モノリス中間体を外径70mm、厚さ約20mmの円盤状に切断して、7.6g分取した。分取したモノリス中間体を内径90mmの反応容器に入れ、当該スチレン/ジビニルベンゼン/1-デカノール/2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)混合物に浸漬させ、減圧チャンバー中で脱泡した後、反応容器を密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、厚さ約30mmのモノリス状の内容物を取り出し、アセトンでソックスレー抽出した後、85℃で一夜減圧乾燥した。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.3モル%含有したモノリス(乾燥体)の壁部の平均厚みは28μm、断面で表れる骨格部面積はSEM画像中28%であった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの開口の平均直径は3.5μm、全細孔容積は2.2ml/gであった。
(モノリスアニオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、外径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。これにジメトキシメタン1400ml、四塩化スズ20mlを加え、氷冷下クロロ硫酸560mlを滴下した。滴下終了後、昇温して35℃、5時間反応させ、クロロメチル基を導入した。反応終了後、母液をサイフォンで抜き出し、THF/水=2/1の混合溶媒で洗浄した後、更にTHFで洗浄した。このクロロメチル化モノリス状有機多孔質体にTHF1000mlとトリメチルアミン30%水溶液600mlを加え、60℃、6時間反応させた。反応終了後、生成物をメタノール/水混合溶媒で洗浄し、次いで純水で洗浄して
単離した。
得られたアニオン交換体の反応前後の膨潤率は1.6倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.59mg当量/mlであった。水湿潤状態でのモノリスアニオン交換体の開口の平均直径を、モノリスの値と水湿潤状態のモノリスアニオン交換体の膨潤率から見積もったところ5.6μmであり、同様の方法で求めた骨格を構成する壁部の平均厚みは45μm、骨格部面積はSEM写真の写真領域中28%、全細孔容積は、2.2ml/gであった。
次に、モノリスアニオン交換体中の四級アンモニウム基の分布状態を確認するため、アニオン交換体を塩酸水溶液で処理して塩化物型とした後、EPMAにより塩化物イオンの分布状態を観察した。塩化物イオンはアニオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも均一に分布しており、四級アンモニウム基がモノリスアニオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
<液透過側カチオンモノリス(製造例2)>
(モノリス中間体の製造)
攪拌回転数を公転回転数2000rpm/自転回転数670rpmに変更したことを除いて、製造例1と同様の方法でモノリス中間体を製造した。水銀圧入法により測定した該モノリス中間体のマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は5.2μm、全細孔容積は8.5ml/gであった。
(モノリスの製造)
製造例1と同様の方法で、モノリスを製造した。得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.3モル%含有したモノリス(乾燥体)は、壁部の平均厚み28μm、断面で表れる骨格部面積28%であった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの開口の平均直径は2.5μm、全細孔容積は2.2ml/gであった。
(モノリスカチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、外径70mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。モノリスの重量は27gであった。これにジクロロメタン1500mlを加え、35℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロ硫酸145gを徐々に加え、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールを加え、残存するクロロ硫酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、更に純水で洗浄して連続マクロポア構造を有するモノリスカチオン交換体を得た。
得られたカチオン交換体の反応前後の膨潤率は1.6倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.60mg当量/mlであった。水湿潤状態での有機多孔質イオン交換体の開口の平均直径を、有機多孔質体の値と水湿潤状態のカチオン交換体の膨潤率から見積もったところ4.0μmであり、モノリスと同様の方法で求めた骨格を構成する壁部の平均厚みは45μm、骨格部面積はSEM写真の写真領域中28%、全細孔容積は2.2mlであった。
次に、モノリスカチオン交換体中のスルホン酸基の分布状態を確認するため、EPMAにより硫黄原子の分布状態を観察した。スルホン酸基はカチオン交換体の骨格表面及び骨格内部(断面方向)にそれぞれ均一に導入されていることがわかった。
(カチオンセルの作製)
液透過領域用カチオンモノリスとして、参考例24のモノリスカチオン交換体に代えて、製造例2で得られたモノリスカチオン交換体を使用した以外は、実施例1と同様の方法でカチオンセルを作製した。
(アニオンセルの作製)
液透過領域用アニオンモノリスとして、参考例26のモノリスアニオン交換体に代えて、製造例1で得られたモノリスアニオン交換体を使用した以外は、実施例1と同様の方法でアニオンセルを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置20の作製及び脱イオン液の製造)
実施例1と同様の方法で行った。その結果、操作電圧は96Vで、導電率0.8μS/cmの処理液が流速13l/hで得られた。
<液透過側アニオンモノリス(製造例3)>
(モノリス中間体の製造)
スチレン5.46g、ジビニルベンゼン0.11g、ソルビタンモノオレエート(以下SMOと略す)1.39gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該スチレン/ジビニルベンゼン/SMO混合物を、過硫酸カリウム0.24gを溶解させた180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下、公転回転数1800rpm/自転回転数600rpmにて撹拌して、油中水滴型エマルションを得た。このエマルションを速やかに反応容器に移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、メタノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリス中間体を製造した。このようにして得られたモノリス中間体(乾燥体)の内部構造をSEMにより観察したところ、隣接する2つのマクロポアを区画する壁部は極めて細く棒状であるものの、連続気泡構造を有しており、水銀圧入法により測定したマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は8.6μm、全細孔容積は21.3ml/gであった。
(モノリスの製造)
次いで、スチレン39.2g、ジビニルベンゼン0.8g、1-デカノール60g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.8gを混合し、均一に溶解させた。次に上記モノリス中間体を直径70mm、厚さ約30mmの円盤状に切断して2.4gを分取した。分取したモノリス中間体を内径90mmの反応容器に入れ、当該スチレン/ジビニルベンゼン/1-デカノール/2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)混合物に浸漬させ、減圧チャンバー中で脱泡した後、反応容器を密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、厚さ約60mmのモノリス状の内容物を取り出し、アセトンでソックスレー抽出した後、85℃で一夜減圧乾燥した。
このようにして得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.3モル%含有したモノリス(乾燥体)の内部構造を、SEMにより観察した。その結果、当該モノリスは骨格及び空孔はそれぞれ3次元的に連続し、両相が絡み合った共連続構造であった。また、SEM画像から測定した骨格の太さは8μmであり、水銀圧入法により測定した当該モノリスの三次元的に連続した空孔の大きさは4.0μm、全細孔容積は2.7ml/gであった。
(モノリスアニオン交換体の製造)
製造例1と同様の方法で、モノリスアニオン交換体を製造した。得られたアニオン交換体の反応前後の膨潤率は1.6倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.56mg当量/mlであった。水湿潤状態でのモノリスアニオン交換体の三次元的に連続した空孔の大きさを、モノリスの値と水湿潤状態のモノリスアニオン交換体の膨潤率から見積もったところ6.4μmであり、同様の方法で求めた骨格の太さは13μm、全細孔容積は、2.7ml/gであった。
次に、モノリスアニオン交換体中の四級アンモニウム基の分布状態を確認するため、アニオン交換体を塩酸水溶液で処理して塩化物型とした後、EPMAにより塩化物イオンの分布状態を観察した。塩化物イオンはアニオン交換体の骨格表面のみならず、骨格内部にも均一に分布しており、四級アンモニウム基がモノリスアニオン交換体中に均一に導入されていることが確認できた。
<液透過側カチオンモノリス(製造例4)>
(モノリス中間体の製造)
攪拌回転数を公転回転数2000rpm/自転回転数670rpmに変更したことを除いて、製造例2と同様の方法でモノリス中間体を製造した。水銀圧入法により測定した該モノリス中間体のマクロポアとマクロポアが重なる部分の開口(メソポア)の平均直径は7.1μm、全細孔容積は21.5ml/gであった。
(モノリスの製造)
製造例2と同様の方法で、モノリスを製造した。得られたスチレン/ジビニルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を1.3モル%含有したモノリス(乾燥体)は、共連続構造を有しており、SEM画像から測定した骨格の太さは8μmであり、水銀圧入法により測定した当該モノリスの三次元的に連続した空孔の大きさは3.5μm、全細孔容積は2.7ml/gであった。
(モノリスカチオン交換体の製造)
上記の方法で製造したモノリスを、外径75mm、厚み約15mmの円盤状に切断した。モノリスの重量は18gであった。これにジクロロメタン1500mlを加え、35℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロ硫酸99gを徐々に加え、昇温して35℃で24時間反応させた。その後、メタノールを加え、残存するクロロ硫酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、更に純水で洗浄して共連続構造を有するモノリスカチオン交換体を得た。
得られたカチオン交換体の反応前後の膨潤率は1.6倍であり、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.60mg当量/mlであった。水湿潤状態でのモノリスカチオン交換体の三次元的に連続した空孔の大きさを、モノリスの値と水湿潤状態のモノリスカチオン交換体の膨潤率から見積もったところ5.6μmであり、同様の方法で求めた骨格の太さは13μm、全細孔容積は、2.7ml/gであった。
次に、モノリスカチオン交換体中のスルホン酸基の分布状態を確認するため、EPMAにより硫黄原子の分布状態を観察した。スルホン酸基はカチオン交換体の骨格表面及び骨格内部(断面方向)にそれぞれ均一に導入されていることがわかった。
(カチオンセルの作製)
液透過領域用カチオンモノリスとして、参考例24のモノリスカチオン交換体に代えて、製造例4で得られたモノリスカチオン交換体を使用した以外は、実施例2と同様の方法でカチオンセルを作製した。
(アニオンセルの作製)
液透過領域用アニオンモノリスとして、参考例26のモノリスアニオン交換体に代えて、製造例3で得られたモノリスアニオン交換体を使用した以外は、実施例2と同様の方法でアニオンセルを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置20の作製及び脱イオン液の製造)
実施例2と同様の方法で行った。その結果、操作電圧は96Vで、導電率0.8μS/cmの処理液が流速13l/hで得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例8のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、カチオン交換樹脂12a単独使用とした以外は、実施例3と同様の方法でカチオンセルを作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例13のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、アニオン交換樹脂12b単独使用とした以外は、実施例3と同様の方法でアニオンセルを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置20の作製及び脱イオン液の製造)
実施例1と同様の方法で電気式脱イオン液製造装置20を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置20に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速14l/h(入口;15l/h)で連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は117Vで、導電率2μS/cm(入口;130μS/cm)の処理液が流速13l/hで得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例17のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、カチオン交換樹脂12a単独使用とした以外は、実施例4と同様の方法でカチオンセルを作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例19のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、アニオン交換樹脂12b単独使用とした以外は、実施例4と同様の方法でアニオンセルを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置20の作製及び脱イオン液の製造)
実施例1と同様の方法で電気式脱イオン液製造装置20を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置20に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速14l/h(入口;15l/h)で連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は117Vで、導電率2μS/cm(入口;130μS/cm)の処理液が流速13l/hで得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例8のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、参考例8のモノリスカチオン交換体単独使用とした以外は、実施例1と同様の方法でカチオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置を異なる形態のものとした。すなわち、図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製するため、カチオンセルを先ず作製した。得られた液透過領域用カチオンモノリスから、純水湿潤状態で縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)20mmの2個の直方体、脱カチオン領域用カチオンモノリスから、純水湿潤状態でそれぞれ縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)40mmの直方体をそれぞれ切り出して脱カチオン室に積層充填する充填材を得た。次いで、セル容器内に、陰極室から順に、液透過領域用カチオンモノリス、脱カチオン領域用カチオンモノリス及び液透過領域用カチオンモノリスを密着して装填した。セル容器には、脱カチオン領域用カチオンモノリスが位置する陰極側の液透過領域用カチオンモノリス近傍に被処理液流入管を、脱カチオン領域用カチオンモノリスが位置する陽極側の液透過領域用カチオンモノリス近傍に処理液流出管をそれぞれ付設した。セル容器の陰極側には陰極室を形成し、更に陰極室の外側面にSUS304製の陰極を配置した。セル容器の陽極側には陽極室を形成し、更に、陽極室の外側に白金被膜チタン基板からなる陽極を配置し、適宜ノズルやリード線取り出し口を設けて、カチオンセルを作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例13のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、参考例13のモノリスアニオン交換体単独使用とした以外は、実施例1と同様の方法でアニオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置を異なる形態のものとした。すなわち、図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製するため、アニオンセルを作製した。得られた液透過領域用アニオンモノリスから、純水湿潤状態で縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)20mmの2個の直方体、脱アニオン領域用アニオンモノリスから、純水湿潤状態でそれぞれ縦(H)50mm、横(W)40mm、厚さ(L)40mmの直方体をそれぞれ切り出して脱アニオン室に積層充填する充填材を得た。次いで、セル容器内に、陽極室から順に、液透過領域用アニオンモノリス、脱アニオン領域用アニオンモノリス及び液透過領域用アニオンモノリスを密着して装填した。セル容器には、脱アニオン領域用カチオンモノリスが位置する陽極側の液透過領域用アニオンモノリス近傍に被処理液(脱カチオン液)流入管を、脱アニオン領域用アニオンモノリスが位置する陰極側の液透過領域用アニオンモノリス近傍に処理液流出管をそれぞれ付設した。セル容器の陰極側には陰極室を形成し、更に陰極室の外側面にSUS304製の陰極を配置した。セル容器の陽極側には陽極室を形成し、更に、陽極室の外側に白金被膜チタン基板からなる陽極を配置し、適宜ノズルやリード線取り出し口を設けて、アニオンセルを作製した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は91Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例17のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、参考例17のモノリスカチオン交換体単独使用とした以外は、実施例2と同様の方法でカチオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例19のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、参考例19のモノリスアニオン交換体単独使用とした以外は、実施例2と同様の方法でアニオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は91Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例8のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、参考例8のモノリスカチオン交換体単独使用とした以外は、実施例3と同様の方法でカチオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例13のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、参考例13のモノリスアニオン交換体単独使用とした以外は、実施例3と同様の方法でアニオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は87Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
(カチオンセルの作製)
脱塩領域用カチオンモノリスとして、参考例17のモノリスカチオン交換体とカチオン交換樹脂12aとの混合体に代えて、参考例17のモノリスカチオン交換体単独使用とした以外は、実施例4と同様の方法でカチオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(アニオンセルの作製)
脱塩領域用アニオンモノリスとして、参考例19のモノリスアニオン交換体とアニオン交換樹脂12bとの混合体に代えて、参考例19のモノリスアニオン交換体単独使用とした以外は、実施例4と同様の方法でアニオンセルを作製した。但し、電気式脱イオン液製造装置は実施例7と同様の図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を使用したため、それに適合するカチオンセルを実施例7と同様の方法で作製した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は87Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
(カチオンセル)
脱塩領域用カチオンモノリス及び液透過領域用カチオンモノリス共に、同じ参考例8のモノリスカチオン交換体を使用した。すなわち、カチオンセルには単一のモノリスカチオン交換体を充填したものを使用した。
(アニオンセル)
脱塩領域用アニオンモノリス及び液透過領域用アニオンモノリス共に、同じ参考例13のモノリスアニオン交換体を使用した。すなわち、アニオンセルには単一のモノリスアニオン交換体を充填したものを使用した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。また、4箇所の液透過領域に設けられた透過液流出配管の途中には流量調節弁を設置し、弁の開度により、被処理水の流速が11l/hの流量となるように調整した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は87Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
(カチオンセル)
脱塩領域用カチオンモノリス及び液透過領域用カチオンモノリス共に、同じ参考例17のモノリスカチオン交換体を使用した。すなわち、カチオンセルには単一のモノリスカチオン交換体を充填したものを使用した。
(アニオンセル)
脱塩領域用アニオンモノリス及び液透過領域用アニオンモノリス共に、同じ参考例19のモノリスアニオン交換体を使用した。すなわち、アニオンセルには単一のモノリスアニオン交換体を充填したものを使用した。
(電気式脱イオン液製造装置10の作製及び脱イオン液の製造)
図13に示すような電気式脱イオン液製造装置10を作製した。また、4箇所の液透過領域に設けられた透過液流出配管の途中には流量調節弁を設置し(図13中ではその記載を省略)、弁の開度により、被処理水の流速が11l/hの流量となるように調整した。得られた電気式脱イオン液製造装置10に、導電率130μS/cmの水を被処理液として流速11l/hで連続通液し、2.5Aの直流電流をカチオンセルからアニオンセルへ直列で通電したところ、操作電圧は87Vで、導電率0.6μS/cmの処理液が得られた。
1a 脱カチオン領域
1b 脱アニオン領域
1c 脱塩領域
1d 脱塩室
2a、2b、3a、3b 液透過領域
4a 陽極
4b 陰極
6 陰極室
7 陽極室
9 脱塩室
10、20、30、30a、40 電気式脱イオン液製造装置
10a カチオンセル
10b アニオンセル
11、13 被処理液流入管
12 脱カチオン液流出管
14 脱塩液流出管
15 流量調節弁
17、18 流路
51 矩形状の写真領域
52 断面に表れる骨格部
53 マクロポア
61 骨格相
62 空孔相

Claims (6)

  1. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第1イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であるか、又は該有機多孔質イオン交換体と粒状イオン交換樹脂との混合イオン交換体であり、
    該第2イオン交換体の通水抵抗が、該第1イオン交換体の通水抵抗より大であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
  2. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第1イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であるか、又は該有機多孔質イオン交換体と粒状イオン交換樹脂との混合イオン交換体であり、
    該第2イオン交換体の通水抵抗が、該第1イオン交換体の通水抵抗より大であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
  3. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第2イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径0.01〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であり、
    該第1イオン交換体の通水抵抗が、該第2イオン交換体の通水抵抗より小であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
  4. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第2イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が0.01〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であり、
    該第1イオン交換体の通水抵抗が、該第2イオン交換体の通水抵抗より小であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
  5. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第1イオン交換体と該第2イオン交換体は同じで、該脱塩領域と該液透過領域は単一のモノリスで形成され、且つ前記液透過領域から透過した流出液の流路に、流量調節手段を配設するものであり、該単一のモノリスが、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.4〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%の有機多孔質イオン交換体であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
  6. 第1イオン交換体が充填された脱塩領域と、
    該脱塩領域のイオン排除側に隣接して配設される被処理液の一部が透過する第2イオン交換体が充填された液透過領域と、
    該脱塩領域と該液透過領域の両側に配設される電極と、
    被処理液を通液する被処理液流入管と、
    該液透過領域から透過した液を排出する電極室又は濃縮室と、
    該脱塩領域から脱塩液を排出する脱塩液流出管と、を備えるものであって、
    該第1イオン交換体と該第2イオン交換体は同じで、該脱塩領域と該液透過領域は単一のモノリスで形成され、且つ前記液透過領域から透過した流出液の流路に、流量調節手段を配設するものであり、該単一のモノリスが、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に直径が10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量0.3〜5mg当量/mlであり、イオン交換基が該多孔質イオン交換体中に均一に分布する有機多孔質イオン交換体であることを特徴とする電気式脱イオン液製造装置。
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