以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されている。なお、パチンコ機2の所定側の側方位置には、該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
パチンコ機2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
このパチンコ機2内部に封入されているパチンコ玉は、一般的には、たとえば鋼球やステンレス球などであるパチンコ玉本体の表面に硬質クロムがメッキされて構されている。しかし、このクロムメッキに代えて、たとえばダイヤモンドライクカーボン(DLC)など、硬質であり潤滑性や耐摩耗性、表面平滑性に優れた材質をコーティングしてもよい。コーティングされたダイヤモンドライクカーボンの薄膜は、ビッカース硬度が約7000Hvの、ダイヤモンドと同程度の硬度を有するものであることが好ましい。
さらに、パチンコ玉本体の他の例としては、鋼球やステンレス球に代えて、JISG4305またはJISG4304で規定しているSUS304の鋼材料を用いて、たとえば直径が11.0mm程度の球形に製造してもよい。その質量は5.4g以上5.7g以下であることが好ましい。
また、このようにして製造されたパチンコ玉の表面に、前述のダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの材質に代えて、硬質クロムめっきを施してもよい。クロムは非磁性金属材料のため、パチンコ玉の表面にめっきしても、磁石による入賞口への不正な誘導が行なわれる虞がない。
なお、SUS304は、GISG4305あるいはGISG4304で規定されているように、以下に示す質量パーセントの化学成分を有している。
C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.00〜10.50%、Cr:18.00〜20.00%。これら各成分以外の残りは、鉄および不可避不純物である。
また、パチンコ玉は、SUS304以外のオーステナイト系ステンレス鋼(たとえば、SUS305等)を用いてもよい。このオーステナイト系ステンレス鋼は、JISG0203で規定された鋼である。さらには、パチンコ玉は、オーステナイト系ステンレス鋼以外の金属、たとえばアルミニウム等であってもよい。
このような非磁性金属材料によりパチンコ玉を製造した場合には、遊技領域27に発射されたパチンコ玉を磁石を用いて不正に各種入賞口へ誘導する不正行為を防止できつつも、パチンコ玉が非磁性材料ではあるが金属材料であるために、従来から一般的な近接スイッチによりそのパチンコ玉を検出することが可能となる。
しかも、パチンコ玉を磁石を用いて不正に各種入賞口へ誘導する不正行為を防止する手段として、たとえば、磁石検知センサを遊技機に設け、磁石による磁力を検知したときに異常判定して異常報知を行なうなどの方法が考えられるが、この場合には、磁石検知センサを遊技機に設けなければならず、遊技機がコストアップしてしまう不都合が生じる。しかし、非磁性金属材料により製造されたパチンコ玉を用いた場合には、上記のようなコストアップの不都合も生じない。
図1に示すパチンコ機2は、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口145(図2参照)に回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口145に回収されたパチンコ玉は再度パチンコ機2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
パチンコ機2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、図63〜図76あるいは図84で後述するような表示画面を遊技者に表示する。
さらに、パチンコ機2における打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28は、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。
このように、計数ボタン28をP台側に設けているため、計数ボタン28をCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施の形態に係るカードユニットの構成を説明する。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受け付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。パチンコ機2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR感光ユニット320で受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引き落とされる。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともに上位サーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉を上位サーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と返却ボタン322とが設けられている。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引落としてパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<パチンコ玉の循環経路>
図2は、パチンコ機2の背面図であり、図3は遊技玉の循環機構を説明するための正面図、図4は遊技玉の循環機構を説明するための背面図である。図2〜図4を参照して、主に封入循環式のパチンコ玉の循環経路を説明する。
パチンコ機2の遊技盤保持枠95には、遊技盤取付け用の回動レバー100が設けられており、この回動レバー100を回動操作することにより、遊技盤26が着脱可能となる。本実施の形態に係るパチンコ機2は、このように遊技盤26と、それ以外の遊技機枠とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤のみの交換で事足りる。
遊技領域27に設けられている入賞口や可変入賞球装置などから入賞したすべての入賞玉は、入賞玉集合カバー部材144で集められて回収玉通過経路901に誘導される。一方、アウト口145に進入したアウト玉も、アウト玉流下経路702を流下する。このアウト玉流下経路702にはアウト玉検出スイッチ701が設けられており、アウト玉流下経路702を流下する玉が検出される。
一方、ファール玉はファール玉戻し経路151を流下してファール玉戻り口150からファール玉戻り経路902を通って回収玉通過経路901を流下する。ファール玉戻し経路151の途中箇所には流下するファール玉を検出するファール玉検出スイッチ33が設けられている。
アウト玉流下経路702を流下するアウト玉は、回収玉通過経路901に進入し、入賞玉とファール玉と共に流下して玉回収経路189に進入する。その回収玉通過経路の途中箇所に発射玉検出スイッチ903が設けられており、入賞玉とアウト玉とファール玉とが合流したすべての玉が検出される。
さらに発射玉検出スイッチ903の下流側における途中箇所に、補給50個検出スイッチ(遊技玉不足検出スイッチとも言う)904が設けられている。この補給50個検出スイッチ904は、パチンコ機2に内蔵されたパチンコ玉の数が所定個数(50個)に達しているか否かを検出するためのものである。一方、前述の発射玉検出スイッチ903は、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉のすべてが回収されて検出されるものであり、遊技領域27に打込まれた打込玉個数とこの発射玉検出スイッチ903により検出されたパチンコ玉の数とが等しくなったときに、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたことが検出される。
このような役割を持った発射玉検出スイッチ903は、パチンコ機2に内蔵された封入玉の個数が所定個数(50個)を超過していることの検出にも兼用されている。すなわち、パチンコ機2に封入されているパチンコ玉が所定個数(50個)の場合には、遊技が行なわれていない非稼動状態において停留している封入玉の最後の50個目のパチンコ玉の位置が、補給50個検出スイッチ904と発射玉検出スイッチ903とのちょうど間に位置するように構成されている。
これにより、所定個数(50個)を超えるパチンコ玉がパチンコ機2内に封入された場合には遊技されていない状態において停留しているパチンコ玉が発射玉検出スイッチ903の検出位置を越える状態となり、常に発射玉検出スイッチ903が玉の検出状態となり、それによって封入玉の個数が多過ぎることが検出可能となる。一方、封入玉の個数が所定個数(50個)より少な過ぎた場合には、非遊技状態において停留しているパチンコ玉が補給50個検出スイッチ904の検出位置よりも下流側になり、補給50個検出スイッチ904が玉を検出していない非検出状態となる。これにより、封入玉の個数が所定個数(50個)よりも少な過ぎることが検出可能となる。
玉回収経路189を流下したパチンコ玉は、パチンコ玉を上方へ搬送するための搬送装置190に進入する。搬送装置190は、搬送モータ40により回転する搬送用スクリュー190bが内蔵されており、この搬送用スクリュー190bが回転することによりパチンコ玉が上方へ搬送される。搬送装置190には、さらに、搬送途中のパチンコ玉と接触することによりそのパチンコ玉を研磨する左右1対の研磨部材913が設けられており、パチンコ玉は上方へ搬送されつつその表面が研磨される。この研磨部材913は、研磨モータ193aの駆動力により回転してパチンコ玉を研磨する。
搬送装置190のパチンコ玉取入口近傍に玉上げスイッチ(下)41bが設けられており、搬送装置190に進入するパチンコ玉が検出される。一方、搬送装置190により上方へ搬送されて搬送装置190から排出されたパチンコ玉が玉上げスイッチ(上)41aにより検出される。その検出されたパチンコ玉は整流器916まで流下する。整流器916は、パチンコ玉を1発ずつ玉発射位置にまで供給するためのものである。遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより発射モータ18が駆動して打球ハンマー920が間欠揺動される。整流器916により発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉がこの打球ハンマー920により弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
この打球ハンマー920による玉の発射位置にパチンコ玉を1つずつ供給するべく、整流器916には、整流器ソレノイド916aとその整流器ソレノイド916aの駆動力により上下揺動する玉送り部材916bとが設けられている。玉送り部材916bは図2に示すようにコの字型の形状をしており、流下してきたパチンコ玉を1個受入れ、その状態で整流器ソレノイド916aが励磁されることによりその駆動力によって玉送り部材916bが下方に揺動する。すると、受入れていたパチンコ玉が1個打球発射位置に供給される。その供給されてきたパチンコ玉1個を打球ハンマー920が弾発することにより、そのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
この打球ハンマー920は、打球打込方向にばねで付勢されており、発射モータ18の駆動力によって回転するカムの作用によりこの打球ハンマー920が打込方向とは逆方向(バックスイング方向)に揺動される。そして、所定量の揺動が行なわれた段階でカムの作用が外れてばねの付勢力により打球ハンマー920が打込方向に揺動されてパチンコ玉が弾発発射される。前述の打球打込方向に付勢するばねは、遊技者が打球操作ハンドル25を回転させることによりその付勢力を調整することができ、これにより打球発射勢いが調整可能となる。
前述した整流器916と玉上げスイッチ(上)41aとの間に、玉抜き部915が設けられている。この玉抜き部915には、玉抜きモータ915aが設けられている。中継基板921に設けられた玉抜きスイッチ922を遊技場の係員が操作することにより、玉抜きモータ915aが所定量回転し、封入玉を経路外に抜き出すことが可能となる。
玉上げスイッチ(上)41aは、その検出信号が搬送モータ40をオンオフ制御するために利用される。打球操作ハンドル25による打球操作が行なわれず打球発射されていない状態では、整流器916が玉送り動作を行なわないために、搬送装置190により上方に搬送されてきたパチンコ玉は、整流器916の箇所で流下が阻止されて停留する。その停留するパチンコ玉が玉上げスイッチ(上)41aの検出位置まで達した段階で、玉上げスイッチ(上)41aから常時玉の検出信号が出力される状態となる。そのような玉の検出信号の継続した出力状態が所定時間(たとえば数msec)続いたときに、搬送モータ40の駆動が停止され、玉の上方への搬送がストップされる。
一方、遊技者が打球操作ハンドル25を回転操作して打球発射させることにより、整流器916が玉送り動作を実行し、その結果、整流器916の箇所で流下が阻止されて停留していた玉が玉送りされて玉上げスイッチ(上)41aから玉の検出信号が出力されない状態となる。すると、搬送モータ40の駆動が開始されて玉が搬送される。搬送モータ40の駆動による単位時間当りの玉の揚送個数の方が発射モータ18の駆動による単位時間当りの玉の発射個数より多くなるように制御されているため、搬送モータ40の駆動が開始されて少し時間が経過することにより再び玉上げスイッチ(上)41aから常時玉の検出信号が出力される状態となり、搬送モータ40の駆動が停止される。しかし、打球発射は継続しているため、再び玉上げスイッチ(上)41aから玉の検出信号が出力されない状態となる。すると、搬送モータ40の駆動が開始されて玉が搬送される。遊技者が打球操作を行なっている稼働状態では、この搬送モータ40の駆動と停止が繰返されることになる。
遊技玉数が遊技領域27に発射されたことを検出する遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図5参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
発射モータ18には発射モータ原点センサ(図示省略)が設けられている。この発射モータ原点センサは、発射モータ18を所定の原点位置で停止させるためのものである。打球操作ハンドル25に設けられたタッチリンク(図示省略)から遊技者が手を離した段階で発射モータ18が停止するのであり、その停止時に発射モータ原点センサが発射モータ18の原点を検出した時点で発射モータ18を停止させるように制御する。
また、パチンコ機2の電源投入時において発射モータ18が原点位置からずれており発射モータ原点センサ37の出力がOFFの場合には、発射モータ18の現在位置の状況によって、発射モータ18を正転または逆転させ、パチンコ玉を発射させることなく、発射モータ18の停止位置を原点に移動させる制御が行なわれる。なお、現在の発射モータ18の停止位置と原点の位置とを比較して発射モータ18を正転または逆転のいずれの方向に回転させるのが原点位置に近い回転方向かを判定し、近い回転方向に回転制御させることにより停止位置を原点に移動させるようにしてもよい。
同様に、玉抜きモータ915aに玉抜きモータ原点センサ(図示省略)が設けられており、玉抜きモータ915aが原点位置で停止するように制御される。
前述した入賞玉検出スイッチ、補給50個検出スイッチ904、玉上げスイッチ(上)41a、玉上げスイッチ(下)41b、ファール玉検出スイッチ33、アウト玉検出スイッチ701は、玉の通過により静電容量の変化を検出する近接スイッチで構成されている。一方、発射玉検出スイッチ903だけは投受光方式のフォトセンサで構成されている。遊技場においては、不正電波を発信させて玉検出スイッチを不正に誤検出させるという電波を利用した不正行為が行なわれる場合がある。そのような不正電波が発信された場合には近接スイッチは誤検出する虞があるが、フォトセンサは誤検出の虞がない。
その結果、不正電波を発信する不正行為が生じた場合に、近接スイッチで構成されている入賞玉検出スイッチやファール玉検出スイッチ33やアウト玉検出スイッチ701が誤検出に伴う検出信号を出力したとしても、フォトセンサで構成されている発射玉検出スイッチ903は誤検出する虞がないために、ファール玉検出スイッチ33とアウト玉検出スイッチ701と入賞玉検出スイッチとの合計の検出玉数と発射玉検出スイッチ903の検出による玉の検出個数との間に齟齬が生じる。その結果、電波による不正行為を監視することができる。なお、前述した入賞玉検出スイッチ、補給50個検出スイッチ904、玉上げスイッチ(上)41a、玉上げスイッチ(下)41b、ファール玉検出スイッチ33、アウト玉検出スイッチ701、発射玉検出スイッチ903を、すべて同じ種類のスイッチで構成してもよい。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図5は、カードユニット3とパチンコ機2との構成を示すブロック図である。図5を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なう上位サーバ801(図77参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられているとともに、パチンコ機2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。カードユニット3にはパチンコ機2側への接続部(図示省略)が設けられており、パチンコ機2にはカードユニット3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325とP台側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、パチンコ機2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278とが備えられている。なお、図5では、主制御基板16の指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。なお、遊技盤26には、さらに可変表示装置278等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17は、遊技枠(前枠)6に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、前述した発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。詳しくは図85で説明する。なお、玉上げスイッチ(上)41aばかりでなく、発射玉検出スイッチ903(図2参照)も電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチ903で検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報3がP台2からCU3へ送信されることになる(図13で後述する)。しかし、この発射玉検出スイッチ903にも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報3がP台2からCU3へ送信されなくなる不都合が生じる。本実施の形態では、このような発射玉検出スイッチ903に対して発信される不正電波も、電波センサ173で検出するため、前述の不都合を防止し得る。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、パチンコ機2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。このことに関しては後に詳しく説明する。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33からファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
カードユニット3のセキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように、リカバリ要求、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、後述するように、パチンコ機2に対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ要求を受けてパチンコ機2のリカバリ情報をカードユニット3に通知する。通信開始要求は、パチンコ機2に対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信開始要求を受けてカードユニット3に対して通信開始を応答する。通信終了要求は、パチンコ機2に対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信終了要求を受けてカードユニット3に対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、パチンコ機2に対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、状態情報要求を受けてパチンコ機2の状態情報をカードユニット3に通知する。カード挿入通知は、パチンコ機2に対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード挿入通知を受けてカードユニット3に対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、パチンコ機2に対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード返却通知を受けてカードユニット3に対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、パチンコ機2に対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17は、通信テスト要求を受けてカードユニット3に対してテストデータを応答する。
払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、リカバリ応答、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
遊技枠(前枠)6には、発射制御基板31、発射モータ18が設けられている。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。
遊技枠(前枠)6には、表示器54が設けられている。表示器54は、カードユニット3の表示制御部350からの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施の形態では、P台側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
<カードユニットおよびパチンコ機に発生した異常の通知処理>
図6は、相互認証の結果異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図6を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図6の矢印で示す通知が行なわれる。ここに言う異常は、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態が含まれる。図6に示される鍵管理サーバ800は、カードユニット3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵管理サーバである。また、鍵管理サーバ803は、主制御基板16と互いに通信可能な鍵管理サーバである。
まず、カードユニット3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325b製造段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後上位サーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800から上位サーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323は上位サーバ801にその旨を通知するとともに、カードユニット3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
カードユニット3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨を上位サーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともに上位サーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させるてもよい。
<通信で用いられるフレーム構成>
図7は、この遊技機器内の通信で用いられるフレームの構成を示す図である。図7において、送信データ(業務電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、業務電文の分割送信は行なわない。また、連続で業務電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通番、コマンド、データ部、CRCを含む。
「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「通番」は、業務電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。
「コマンド」は、業務電文のコマンドコードである。「データ部」は、業務電文のデータである。
「CRC」は、CRC−ITU−T方式であり、通信フレームの誤り検出に用いられる。
業務電文範囲が暗号化対象範囲である。データ長、通番、コマンドの各々のデータ長は、1バイトである。CRCのデータ長は2バイトである。なお、業務電文範囲と暗号化対象範囲とが一致する必要はなく、たとえば、データ部を暗号化対象範囲にすることもできる。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図8は、カードユニット3側とパチンコ機2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図8を参照して、カードユニット3側(CU側)とパチンコ機2側(P台側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3側において管理・記憶している。
図8では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2(パチンコ機2)とCU3(カードユニット3)とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自身が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
また、CU3側とP台2側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が“1”ずつ加算更新され、その通番がCU3側とP台2側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3とP台2との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、最終通番とは、その更新される通信番号の最後に更新された番号のことである。
本実施の形態におけるCU3とP台2とにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3は、コマンドでP台2へ送信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からの通番を受信すると、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。そして、次のコマンドを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新してP台2へ送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。CU3ではこのような処理を繰返す。
P台2でも同様に、コマンドでCU3から受信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からCU3へレスポンスを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新して送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。そして、次のレスポンスを受信したときに、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。P台2ではこのような処理を繰返す。
たとえば、CU3側からP台2側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信し、P台2側ではその送信されてきた通番nを記憶する。そして、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信するときにその記憶している通番nに1加算したもの(n+1)も合わせて送信する。CU3側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番を+1してn+2の通番をP台2側へ送る。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図5参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。
加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されてることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理をすることが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータや上位サーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータや上位サーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU側で記憶している遊技玉数をP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情でP台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続される上位サーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図8に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受け付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図5参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図5参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図5参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受け付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図9を参照して、カードユニット(CU)3とパチンコ機(P台)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図9には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、情報情報要求のコマンドには、図8に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図8に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入を応答するものである。
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
次に、図10〜図31に基づいて、図9に示したコマンド/レスポンスの状態情報要求、状態情報応答、カード挿入通知、カード挿入応答、カード返却通知、カード返却応答、リカバリ要求、リカバリ応答、送信開始要求、通信開始応答、通信開始応答、通信終了要求、通信終了応答、通信テスト要求、および通信テスト応答について、その内容を詳細に説明する。
まず、図10を参照して、CU3からP台2に状態情報要求のコマンドが送信される。送信される状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を通知するものである。なお、CU3は、このコマンドを使用してP台2の情報・状態を定期的に収集する。
この状態情報要求の具体的データには、図10の下方に示されているように、通番、コマンド、CU状態、加算玉数、CUエラー状態のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x06”である。
CU状態は、P台2に対して通知するCU3の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入処理中を、Bit1が“1”のとき遊技許可要求を、Bit2が“1”のとき遊技禁止要求を、Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、Bit4が“1”のとき計数玉受領完了をそれぞれ表わしている。なお、Bit5〜Bit7は未使用である。
また、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となり、この加算玉数のデータがCU3からP台2へ送信される。また、この加算玉数のデータは、遊技玉数に加算する値を示すものである。
CUエラー状態は、CU3で発生中のエラーコードを表わし、“0x00”のときにはエラー無を、“0x01”−“0xFF”のときエラー発生中であることをそれぞれ表わしている。
図11は、CU状態の各Bitについて、さらに詳しく説明した図である。図11に示すBit0は、データ名がカード挿入処理中であり、“1”のときカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を示している。なお、予めCUにストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1は、データ名が遊技許可要求であり、“1”のとき遊技許可要求、“0”のとき遊技許可要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3の状態により、P台2に対して遊技許可要求する。遊技許可のタイミングは、たとえば、離席解除時がある。
Bit2は、データ名が遊技禁止要求であり、“1”のとき遊技禁止要求、“0”のとき遊技禁止要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit2は、CU3の状態により、P台2に対して遊技禁止要求する。遊技禁止のタイミングは、たとえば離席中や、その他、運用不可エラー発生時などがある。
Bit3は、データ名が遊技玉加算要求であり、“1”のとき遊技玉加算要求、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4は、データ名が計数玉受領完了であり、“1”計数玉受領完了、“0”のとき計数玉受領無をそれぞれ示している。つまり、Bit4は、遊技玉計数時の計数玉数をP台2より受領完了したことを通知する。なお、Bit4は、後述する状態情報応答のレスポンスにおける「計数玉数」の送達確認用に用いる。
次に、図12および図13を参照して、P台2からCU3に状態情報応答のレスポンスが送信される。送信される状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。
この状態情報要求の具体的データには、図12の下方に示されているように、通番、コマンド、玉数情報、遊技台状態、不正検知情報、遊技情報のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x16”である。
玉数情報とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点(現在)の、P台2の玉数(遊技玉数、バック玉数、発射玉数、アウトロ通過玉数、、および計数玉数)と発射強度とを示している。遊技玉数は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。バック玉数は、発射した時のバック玉の個数(送信時に複数のバック玉がある場合は合算する)である。発射玉数は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。アウト口通過玉数は、アウト口145を通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。計数玉数は、計数した遊技玉の個数である。発射強度は、遊技玉の発射するための強度である。
図14は、各種玉数の意味および確定ポイントについて、さらに詳しく説明した図である。図14に示す遊技玉数は、CU3が後述する「賞球玉数×入賞個数」「バック玉数」及び「発射玉数」を使用してCU3の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3は、計算したCU3の遊技玉数と、P台2の遊技玉数とが一致するかをチェックする。
バック玉数(加算)は、ファール玉数のことであり、CU3が保持している遊技玉数に加算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の加算を行なわない。
発射玉数(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
計数玉数(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2からCU3に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
図13に戻って、遊技台状態とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の状態を示し、遊技台状態1、遊技台状態2、および遊技台エラー状態の情報を含んでいる。
遊技台状態1のBit0は、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。遊技台状態1のBit1は、“0”のとき待機中であり、“1”のとき遊技中である。遊技台状態1のBit2は、“1”のとき遊技玉無である。遊技台状態1のBit3は、“1”のとき遊技完了である。遊技台状態1のBit4は、“1”のとき計数中である。遊技台状態1のBit5は、“1”のとき遊技玉加算結果である、遊技台状態1のBit6〜Bit7は予備である。
図15は、遊技台状態1の各ビットについて、さらに詳しく説明した図である。図15に示すBit0は、名称が遊技許可/遊技禁止中であり、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のとき遊技許可中、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、名称が待機中/遊技中であり、ファン(遊技者)がプレー中(玉を発射している)か否かを示しており、“0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。
Bit2は、名称が遊技玉無であり、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示しているいる。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、名称が遊技完了であり、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2は、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit4は、名称が計数中であり、遊技玉の計数中(計数ボタン押下中)か否かを示しており、“0”のとき計数中以外、“1”のとき計数中である。Bit5は、名称が遊技玉加算結果であり、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。
図13に戻って、遊技台状態2のBit0は、“1”のとき大当り中である。遊技台状態2のBit1は、“1”のとき特別図柄確率変動機能作動状態である。遊技台状態2のBit2は、“1”のとき特別図柄変動時間短縮機能作動状態である。遊技台状態2のBit3〜Bit7は予備である。
遊技台エラー状態とは、P台2で発生中のエラーコードであり、“0x00”のときにはエラー無であり、“0x01”−“0xFF”のときエラー発生中である。
図16は、遊技台状態2の各ビットについて、さらに詳しく説明した図である。図16に示すBit0は、名称が大当り中であり、大当り情報の1つの情報を示しており、大当り中“1”をセットする。Bit1は、名称が確変中であり、大当り情報の1つの情報を示しており、確変中“1”をセットする。Bit2は、名称が時短中であり、大当り情報の1つの情報を示しており、時短中“1”をセットする。
図13に戻って、不正検知情報とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2で検知した情報であり、不正検知状態1、不正検知状態2、不正検知情報1〜不正検知情報5の情報を含んでいる。
不正検知状態1のBit0は、“1”のとき賞球センサゴト検知の状態である。ここに、「ゴト」とは、パチンコやスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。不正検知状態1のBit1は、“1”のとき戻り球センサゴト検知の状態である。不正検知状態1のBit2は、“1”のとき複合センサゴト検知の状態である。不正検知状態1のBit3は、“1”のとき不正加算検知の状態である。不正検知状態1のBit4は、“1”のとき不正アウト検知の状態である。不正検知状態1のBit5〜Bit7は予備である。
不正検知状態2のBit0は、“1”のとき扉開放の状態である。不正検知状態2のBit1は、“1”のとき遊技盤電波センサ検知の状態である。不正検知状態2のBit2は、“1”のとき遊技盤電波センサ断線検知の状態である。不正検知状態2のBit3は、“1”のとき不正入賞検知の状態である。不正検知状態2のBit4は、“1”のとき磁気センサ検知の状態である。不正検知状態2のBit5は、“1”のとき遊技枠電波センサ検知の状態である。不正検知状態2のBit6は、“1”のとき遊技枠電波センサ断線検知の状態である。不正検知状態1のBit7は予備である。
不正検知情報1は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである(図80のS664参照)。不正検知情報2は、戻り球センサゴト検知(戻り賞不整合玉数)の情報を示すデータである。なお、戻り球とはファール玉のことである。不正検知情報3は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。不正検知情報4は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。不正検知情報5は、不正アウト検知(不正アウト口通過玉数)の情報を示すデータである。
遊技情報は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の情報であり、遊技情報数、種別情報1〜n、賞球情報1〜nを含んでいる。
遊技情報数は、種別情報・賞球情報の個数(n)であり、0〜255(可変長)である。種別情報1〜nは、遊技種別情報1〜nを示し、賞球情報1〜nは、遊技賞球情報1〜nを示している。
図17は、遊技情報のうち、種別情報について、さらに詳しく説明した図である。図17に示す種別情報は、Bit0からBit3までの名称がデータ種別であり、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき入賞口(普通入賞口)、「2」のとき大入賞口、「3」のとき始動入賞口、「4」のとき図柄停止回数である。Bit4からBit7までの名称はデータ番号であり、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときデータ番号である。
図18は、遊技情報のうち、賞球情報について、さらに詳しく説明した図である。図18に示す賞球情報は、Bit0からBit3までの名称が賞球玉数であり、遊技情報のデータ種別毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータである。Bit4からBit7までの名称は入賞個数であり、遊技情報のデータ種別毎に入賞個数(累計)を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータである。
賞球玉数と入賞個数とを掛ける「賞球玉数×入賞個数」ことで、入賞により遊技玉数に加算する加算玉数が分かる。カードを保持していない状態で該加算玉数を受信した場合、CU3は遊技玉数の加算を行なわない。
次に、図19を参照して、CU3からP台2にカード挿入通知のコマンドが送信される。送信されるカード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知するものである。
このカード挿入通知の具体的データには、図19の下方に示されているように、通番、コマンド、カードID、カード挿入時刻のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード挿入通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x07”である。
カードIDとは、挿入されたカードのID情報である。カード挿入時刻は、カード挿入/排出口309(図1参照)にカードを挿入した時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。
次に、図20を参照して、P台2からCU3にカード挿入応答のレスポンスが送信される。送信されるカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するものである。
このカード挿入応答の具体的データには、図20の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード挿入応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x17”である。
次に、図21を参照して、CU3からP台2にカード返却通知のコマンドが送信される。送信されるカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。また、CU3は、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。
このカード返却通知の具体的データには、図21の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード返却通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x08”である。
次に、図22を参照して、P台2からCU3にカード返却応答のレスポンスが送信される。送信されるカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するものである。
このカード返却応答の具体的データには、図22の下方に示されているように、通番、コマンド、カードID、カード挿入時刻のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード返却応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x18”である。
カードIDとは、挿入中のカードのID情報である。カード挿入時刻は、カード挿入/排出口309(図1参照)にカードを挿入した時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
次に、図23を参照して、CU3からP台2にリカバリ要求のコマンドが送信される。送信されるリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を通知するものである。
このリカバリ要求の具体的データには、図23の下方に示されているように、通番、コマンド、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、加算玉数のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x03”である。
前回最終送信通番は、前回接続時にP台2に対して最後に送信したコマンドの通番のデータであり、“0”のときはデータがない場合である。前回挿入中カードIDとは、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。
前回カード挿入時刻とは、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。加算玉数とは、遊技玉の加算玉数のデータであり、“0”のときは加算玉数のデータがない場合である。
図24は、P台2のリカバリ処理について詳しく説明するための図である。図24に示すP台2のリカバリ処理は、P台2がCU3より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう。具体的に、加算玉数のデータが“0”で加算玉が無いとき、CU3は加算玉数のデータをP台2に送信せず、P台2はリカバリ処理を行なわない。逆に、加算玉数のデータが“1”〜“65535”で加算玉が有るとき、CU3は玉貸、持玉払出、貯玉払出による加算玉数のデータをP台2に送信し、P台2は現遊技玉に該加算玉数を加算するリカバリ処理を行なう。
次に、図25を参照して、P台2からCU3にリカバリ応答のレスポンスが送信される。送信されるリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してP台2で保持しているリカバリ情報を通知するものである。この「リカバリ情報」とは、CU3がリカバリ処理の実行に伴ってP台2に対してリカバリ要求のコマンドを送信したときにP台2がCU3へリカバリ応答として送信するためにバックアップ記憶しているデータのことである。P台2からCU3に返信されるリカバリ情報としては、図24に示すように、通番、コマンド、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報、最新遊技情報を含んでいる。
通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x13”である。
前回最終送信通番は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。前回挿入中カードIDとは、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。
前回カード挿入時刻とは、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。加算玉数とは、遊技玉の加算玉数のデータであり、“0”のときは加算玉数のデータがない場合である。
前回遊技台情報とは、CU3に前回通知した遊技台情報であり、遊技玉数、バック玉数、発射玉数、アウト口通過玉数、および計数玉数の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3に前回通知した遊技玉数である。「バック玉数」は、CU3に前回通知したバック玉数である。「発射玉数」は、CU3に前回通知した発射玉数である。「アウト口通過玉数」は、CU3に前回通知したアウト口通過玉数である。「計数玉数」は、CU3に前回通知した計数玉数である。
前回遊技情報とは、CU3に前回通知した遊技情報であり、遊技情報数、種別情報1〜種別情報n、賞球情報1〜賞球情報nの情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。「種別情報1」は、CU3に前回通知した遊技種別情報1である。「種別情報n」は、CU3に前回通知した遊技種別情報nである。「賞球情報1」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報1である。「賞球情報n」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報nである。
最新遊技台情報は、最新の遊技台情報であり、遊技玉数、バック玉数、発射玉数、アウト口通過玉数、および計数玉数の情報を含んでいる。なお、最新遊技台情報は、全ての情報がないとき“0”と設定する。「遊技玉数」は、現在のP台2で保持している遊技玉数である。「バック玉数」は、現在のP台2で保持しているバック玉数(ファール玉数)である。「発射玉数」は、現在のP台2で保持している発射玉数である。「アウト口通過玉数」は、現在のP台2で保持しているアウト口通過玉数である。「計数玉数」は、現在のP台2で保持している計数玉数である。
最新遊技情報とは、現在のP台2保持している遊技情報であり、遊技情報数、種別情報1〜種別情報n、賞球情報1〜賞球情報nの情報を含んでいる。「遊技情報数」は、現在のP台2で保持している遊技情報の個数(0〜n)である。「種別情報1」は、現在のP台2で保持している遊技種別情報1である。「種別情報n」は、現在のP台2で保持している遊技種別情報nである。「賞球情報1」は、現在のP台2で保持している遊技賞球情報1である。「賞球情報n」は、現在のP台2で保持している遊技賞球情報nである。
なお、図25中の注1)に示すように、リカバリ情報は、工場出荷時およびバックアップデータが不定の場合にはALL0をセットする。注2)に示すように、CU3は、P台2より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報と最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3は、最新遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。
また、通信相手の不一致等(たとえばCUまたはP台の交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2の表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2の表示情報は、可変表示装置278の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2に対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
次に、図26を参照して、CU3からP台2に通信開始要求のコマンドが送信される。送信される通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を通知するものである。また、P台2は、リカバリ情報をクリアする。
この通信開始要求の具体的データには、図26の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信開始要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x04”である。
次に、図27を参照して、P台2からCU3に通信開始応答のレスポンスが送信される。送信される通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信開始したことを通知するものである。
この通信開始応答の具体的データには、図27の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信開始応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x14”である。
次に、図28を参照して、CU3からP台2に通信終了要求のコマンドが送信される。送信される通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を通知するものである。
この通信終了要求の具体的データには、図28の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信終了要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x05”である。
次に、図29を参照して、P台2からCU3に通信終了応答のレスポンスが送信される。送信される通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信終了したことを通知するものである。また、CU3およびP台2は、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。
この通信終了応答の具体的データには、図29の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信終了応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x15”である。
次に、図30を参照して、CU3からP台2に通信テスト要求のコマンドが送信される。送信される通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。なお、P台2に対して通知するテストデータは暗号化していない。
この通信テスト要求の具体的データには、図30の下方に示されているように、通番、コマンド、およびテストデータのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信テスト要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x0F”である。テストデータとは、P台2に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
次に、図31を参照して、P台2からCU3に通信テスト応答のレスポンスが送信される。送信される通信テスト応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを通知するものである。なお、CU3に対して通知するテストデータも暗号化していない。
この通信テスト応答の具体的データには、図31の下方に示されているように、通番、コマンド、およびテストデータのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信テスト応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x1F”である。テストデータとは、CU3に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
次に、図32〜図60に基づいて、CU制御部323におけるCPUで実行される処理と、払出制御基板17に搭載されたCPUで実行される処理とを説明する。
まず、図32を参照して、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送受信の態様を説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。CU3は、そのレスポンスを受信した後次のコマンドをP台2に送信し、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3へ返信する。図32に示すように、CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
また、コマンド、レスポンスの送信は、CU3を1次局としたポーリング方式とする。ただし、リカバリ要求/応答、通信開始要求/応答、通信終了要求/応答のコマンド、レスポンスは含まない。
次に、図33を参照して、CU3側で通信断が検知された場合の処理を説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合には、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。2回目の再送を行なってから200ms後までにP台2からレスポンスを受信できなかった場合には、CU3はこの段階で通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。
CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
次に図34を参照して、P台2側で通信断を検知した場合の処理を説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が1秒後間継続した場合には、P台2は、通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、図33で説明したものと同様に、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/応答、通信開始要求/応答、通信終了要求/応答のコマンド、レスポンスを含まない。
次に図35を参照して、電源投入時の接続シーケンスの処理を説明する。この図35の接続シーケンスの処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げた場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数が含まれている。正確には、図23に示した各種データであり、以降のフローチャートでCU3からP台2に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図23に示した各種データのことである。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報、最新遊技情報が含まれている。正確には、図25に示した各種データであり、以降のフローチャートでP台2からCU3に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図25に示した各種データのことである。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、レスポンスの再送時の際にはカウントアップしない。CU3は、前回受信した通番と同じ通番のレスポンスを受信した場合には、通信不良が発生してP台2がレスポンスを再送したと判断する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、通番をカウントアップして「n+1」としてリカバリ応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして「n+2」として、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通番をカウントアップして「n+3」として、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番=n+4の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、計数玉数、図柄停止回数、入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。また、P台2は、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、計数玉数、図柄停止回数、および入賞個数の各カウンタの値を0クリアする。そして、P台2は、通番=n+5の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
そのレスポンスを受けたCU3は、その状態情報応答に基づき、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、計数玉数、図柄停止回数、各入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。なお、加算玉数の内訳は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」とである。減算玉数の内訳は、「発射玉数」である。
その後、CU3は、通番=n+6の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+7の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。P台2は、状態情報応答のレスポンスを送信する毎に前述のデータをバックアップし、前述のカウンタをクリアする。また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受信する毎に前述のデータをバックアップする。
図36を参照して、カードが挿入されたときのCU3とP台2との処理を説明する。まず、CU3は、カード挿入前、通番=n、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残高等をたとえば上位サーバ801(図77参照)に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+2、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+3、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、通番=n+4、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+5を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+6、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+7、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+9、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図37を参照して、挿入されているカードへ入金するときの処理を説明する。挿入されているカードは、予めCUにストックされている一般0円0玉カード(残高0円、持玉0玉の一般カード)である。なお、本実施の形態では、予めCUにストックされる記録媒体の一例としてカードを示すが、カードに代えてICコインを用いてもよい。
まず、CU3は、入金操作前、通番=n、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信している。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信している。
遊技者は、紙幣挿入口302に紙幣を挿入して入金操作を行なう。CU3は、入金操作されると、予めストックされているカードに対してカードリーダライタで入金した金額を書込むとともに、金額を書込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取る等の処理が実行される。
CU3は、入金操作されると、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータをバックアップするとともに、通番=n+3を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、それを受けて、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+5、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。これにより、遊技が許可された状態となる。この後、カードの残高を用いて遊技玉を確保することによって、弾発遊技が可能とされる。
カード挿入中、CU3は、通番=n+6、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+7、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図38を参照して、挿入されたカードのプリペイド残高から遊技玉を貸出すときの処理を説明する。つまり、挿入されたカードに記録されているプリペイド残高を消費するときの処理を説明する。この図38の処理では、現在の遊技玉数が「50」玉となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、残高消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残高から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図39を参照して、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理を説明する。この図39では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。この図39における再プレイの処理は、図38で示した残高の消費のときの処理と類似している。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させ、遊技玉数を更新し、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、持玉または貯玉の消費は、再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいづれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。また、持玉払出ボタンをCU3に設け、持玉払出ボタンを押下することで、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)へ変換しても良い。
その後、CU3は遊技玉の加算表示中にするとともに、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
なお、CU3は、持玉または貯玉から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させることによって、遊技玉の加算表示中であることを示す。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図40を参照して、遊技玉の一部を計数して減算する処理を説明する。この図40では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=800、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。この1回押下は、1秒未満の短押下のことであり、後述の図41で説明する1秒以上の長押下とは異なる。計数ボタン28が押下されるとP台2の払出制御部171においてその押下時間を計測し、1秒未満の短押下かまたは1秒以上の長押下かを判別する。図40の「「計数」ボタン1回押下」は、払出制御部171が1秒未満の短押下と判別したときを示しており、その場合には、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「800」玉の場合、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数が「700」玉、計数玉が「100」玉となる。
なお、計数ボタン28を1回短押下する操作において、計数ボタン28を短押下している時間で、計数玉として計数する玉数を変化させてもよい。たとえば、計数ボタン28を短押下している時間が0.5秒未満の短押下の場合、計数玉として計数する玉数を100玉とする。また、計数ボタン28を短押下している時間が0.5秒以上の短押下の場合は、計数玉として計数する玉数を400玉とする。また、計数ボタン28を押下している時間が0.5秒以上の短押下の場合、遊技玉の残数の全てを計数玉として計数してもよい。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=700、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=700、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=800(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=700のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、遊技者が、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。現在の遊技玉数が「700」玉の場合、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数が「600」玉、計数玉が「100」玉となる。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=600、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=600、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=700(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=600のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。なお、先の100個分の計数表示が終了する前にさらに100個の計数を示す状態情報応答が受信されていた場合には、先の遊技玉100個分の計数表示に連続させて、今回の状態情報応答に基づいた100個分の計数表示を行なう。
その後、CU3は、通番=n+6、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。それを受けて、P台2は、通番=n+7、遊技玉数=600、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
ここで、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる場合について説明したが、計数ボタン28を1回短押下することで計数される計数玉は100玉に限定されるものではない。たとえば、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち200玉、または300玉などが計数され計数玉としてカウントされる構成でもよい。
次に、図41を参照して、遊技玉の全部を計数して減算する処理を説明する。この図41では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「200」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を長押下(ボタンを1秒以上押下し続ける操作)し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。図41の「「計数」ボタン長押下」は、払出制御部171が1秒以上の長押下と判別したときを示しており、その場合には、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「200」玉の場合、1回のコマンド/レスポンスの期間に、遊技玉数が「100」玉、計数玉が「100」玉となる。
計数ボタン28を長押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=100、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=100、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=200(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=100のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
計数ボタン28を長押下中のP台2は、遊技玉数=0、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=100(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
さらに、CU3は、通番=n+6、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=0、計数玉数=0の状態をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(0玉)を持玉数(200玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=0(更新前遊技玉数)−0(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
計数表示が進行すると、やがて、表示器54での表示上の遊技玉数も0になる。遊技者は、遊技玉数が0玉になったことを確認して、計数ボタン28を離す。計数ボタン28を離すことで、遊技玉を持玉に変換する操作が終了する。
その後、CU3は、通番=n+8、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=OFFとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスで受信した計数玉数が0玉で、計数玉の受領をP台2に通知する必要がないためである。それを受けて、P台2は、通番=n+9、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
ここで、計数ボタン28を長押下することで、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる場合について説明したが、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉は100玉に限定されるものではない。たとえば、計数ボタン28を長押下することで、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉が200玉、300玉などであってもよい。
また、現在の遊技玉数にかかわらず、計数ボタン28を長押下する操作を5秒程度(25回のコマンド/レスポンスの期間)行なうことで、遊技玉の全部を計数する構成でもよい。なお、計数ボタン28を長押下する操作時間により計数処理する遊技玉数を変更してもよい。つまり、現在の遊技玉数が多いときには、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉を多くし、現在の遊技玉数が少ないときには、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉を少なくする。具体的に、現在の遊技玉数が10000玉のとき、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉を400玉にし、現在の遊技玉数が1000玉のとき、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に計数される計数玉を40玉にする。
次に、図42を参照して、会員カード・一般残高有カード・一般持玉有カードの返却処理を説明する。この図42では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「200」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を長押下(ボタンを1秒以上押続ける操作)し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を長押下することで、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「200」玉の場合、1回のコマンド/レスポンスの期間に、遊技玉数が「100」玉、計数玉が「100」玉となる。
ただし、表示器54にて行なう計数表示では瞬時に遊技玉数と計数玉数とをそのような数に変更するのではなく、あくまでも、遊技玉が徐々に計数されて減少し、これと連動して持玉が徐々に増加するような演出が行なわれる。このため、計数表示が終了するまでは、表示器54での表示上の遊技単数および持点数と、CU側およびP台側のメモリ上の遊技玉数および持点数とは一致しない。
しかしながら、このような制御に代えて、表示上の持点の計数状況(変換状況)と実際のデータの変換処理とが同期するようにしてもよい。この場合、データの計数処理(変換処理)は即座に完了させることが可能であるため、これと同期する計数表示(変換表示)もまた直ぐに終わってしまうことになる。これでは、データの計数が行なわれたことを遊技者に十分に通知することができないおそれがある。そこで、計数表示をしつつ、その途中から「計数が終了しました」という表示に切り換えててもよい。また、その場合、「計数が終了しました」という表示が開始された段階からカードの返却操作を有効化してもよい。
計数ボタン28を長押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=100、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=100、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=200(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=100のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
その後、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
計数ボタン28を長押下中のP台2は、遊技玉数=0、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=100(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
計数表示が進行すると、やがて、表示器54での表示上の遊技玉数も0になる。遊技者は、遊技玉数が0玉になったことを確認して、計数ボタン28を離す。計数ボタン28を離すことで、遊技玉を持玉に変換する操作が終了する。
その後、遊技者は、返却ボタン322を押下する操作を行なう。CU3は、遊技者が返却ボタン322を押下する操作を行なうことで、通番=n+6を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+7、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードを遊技者に返却する。その際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとを上位サーバ801へ送信し、上位サーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、上位サーバ801への異常発生の通知等を行なう。なお、カードの返却時に、上位サーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する代わりに、持玉数のデータをカードに書込み記録して排出するように制御してもよい。
その後、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+9、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図43を参照して、会員カード・一般残高有カード・一般持玉有カードを返却するときに計数操作を促す処理を説明する。この図43では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「200」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者は、返却ボタン322を押下する操作を行なう。しかし、CU3は、保持している遊技玉数が200玉で0玉でないため、カード返却の操作を禁止し、遊技者に計数操作を促すために、表示器54に「遊技玉が残っています。計数操作を行なってください。」などの情報を表示する。このように、計数操作を促す表示が行なわれることによって、カードの返却操作ができない理由を遊技者に察知させることができる。CU3は、通番=n+2、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を長押下(ボタンを1秒以上押続ける操作)し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を長押下することで、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「200」玉の場合、1回のコマンド/レスポンスの期間に、遊技玉数が「100」玉、計数玉が「100」玉となる。
計数ボタン28を長押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=100、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=100、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=200(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=100のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+6、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
計数ボタン28を長押下中のP台2は、遊技玉数=0、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=0、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=100(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
計数表示が進行すると、やがて、表示器54での表示上の遊技玉数も0になる。遊技者は、遊技玉数が0玉になったことを確認して、計数ボタン28を離す。計数ボタン28を離すことで、遊技玉を持玉に変換する操作が終了する。
その後、遊技者は、返却ボタン322を押下する操作を行なう。CU3は、遊技者が返却ボタン322を押下する操作を行なうことで、通番=n+8を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+9、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードを遊技者に返却する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、上位サーバ801への異常発生の通知等を行なう。
その後、CU3は、通番=n+10、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+11、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
このように、本実施の形態によれば、遊技により得られた遊技玉を遊技者の操作によって持玉に変換する表示を経て、ようやく、カードの返却操作が可能となる。このため、遊技により得られた玉を各台計数器にて計数してから計数結果をカードによって特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技玉というデータを用いた新たな遊技システムを提供できる。しかも、全遊技玉の変換表示が終了しないと、カードの返却操作が有効にならないため、遊技玉が残っている状態で誤って遊技機を後にして立ち去ってしまう可能性のないシステムであると遊技者に思わせることができ、遊技者に安心感を与えられる。
また、遊技玉が計数されていく様子は、遊技機側の表示器54で表示されるために、遊技機に正対して座っている遊技者が計数の様子を見易くなる。さらに、上記のとおり、遊技機側の表示器54を表示制御する表示制御部350は、CU側に設けているため、遊技機側の表示制御負担を軽減できる。
次に、図44を参照して、残高0円、持玉0玉になった一般カードを自動回収する処理を説明する。この図44では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される残高が「0」円、持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技台情報をCU3に通知するため、通番=n+1、遊技玉無=OFF、遊技完了=OFF、遊技玉数=20、加算玉数=0、減算玉数=30を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=20、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+30のデータをバックアップする。
その後、P台2は、遊技者が遊技を行なうことで遊技玉が減少して0玉となったことを検知(遊技玉数=0)する。
CU3は、通番=n+2、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、遊技玉無=ON、遊技完了=OFF、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=20を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=0、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+20のデータをバックアップする。
その後、P台2は、遊技玉数が0玉となり、遊技領域27内の浮遊玉(遊技中球数)がなくなるのを待って遊技完了したことを検知する。なお、浮遊玉(遊技中球数)がなくなることにより「遊技完了ON」の状態情報応答がP台2から送信されてきたときに、CU3が表示器54にたとえば「遊技を終了しますか?」のメッセージ表示を行ない、「YES」の表示を遊技者がタッチ操作することにより一般カードを回収するようにしてもよい。
CU3は、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+5、遊技玉無=ON、遊技完了=ON、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=0を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+6を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+7、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、曾遊されている一般カードを回収する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、上位サーバ801への異常発生の通知等を行なう。
その後、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+9、遊技玉無=ON、遊技完了=ON、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=0を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図45を参照して、遊技中の大当りの処理を説明する。この図45では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数「500」玉を、全て遊技玉に変換して、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっているものとする。
まず、CU3は、通番=n、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技台情報をCU3に通知するため、通番=n+1、大当中=OFF、遊技玉数=490、加算玉数=3、減算玉数=13を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=490、加算玉数累計=+3、減算玉数累計=+13のデータをバックアップする。
その後、CU3は、通番=n+2、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、大当中=OFF、遊技玉数=480、加算玉数=0、減算玉数=10を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、図示していないが、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=480、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+10のデータをバックアップする。
その後、P台2で大当りが発生する。CU3は、大当り発生後、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+5、大当中=ON、遊技玉数=580、加算玉数=120、減算玉数=20を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=580、加算玉数累計=+120、減算玉数累計=+20、大当り回数=+1のデータをバックアップする。なお、現在の加算玉数累計=123、現在の減算玉数累計=43となる。
その後、遊技者が、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。現在の遊技玉数が「580」玉の場合、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数が「480」玉、計数玉が「100」玉となる。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+6、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=480、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=480、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=580(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=480のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、計数操作により持玉が100玉となり、さらに今回の遊技で獲得した玉数(=加算玉数累計「123」玉−減算玉数累計「40」玉、または現在の遊技玉数「580」玉+現在の持玉数「0」玉−遊技開始時の持玉数「500」玉)=+80玉がプラスになったので、表示器312にドル箱表示(図81参照)を開始する。このように、ドル箱表示は、遊技者が今回の遊技で獲得した玉をドル箱に移して、ドル箱を積上げる従来の行為にあわせるため、計数操作を行ない持玉が0玉以上として、かつ、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった時点で実行される。具体的に、ドル箱表示は、図81に示す1つのドル箱に1000玉入り、下にあるドル箱から順に玉が満たされ、ドル箱が積上がるイメージを表現している。また、ドル箱表示は、遊技者が持玉から遊技玉へ変換した場合、遊技玉へ変換した玉数だけドル箱から玉数を減らして表示する。
なお、ドル箱表示は、持玉が0玉以上となり、かつ、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった場合に表示する条件に限定されるものではなく、たとえば、今回の遊技で獲得した玉数が1000玉を越えた場合に表示するなど条件を変更してもよい。また、ドル箱表示は、持玉数に関係なく、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった場合に表示してもよい。さらに、持玉や今回の遊技で獲得した玉数などを表示する手段は、ドル箱表示に限定されるものではなく、玉数を表示器312にデジタル表示してもよい。また、表示器312の代わりにまたはそれに加えて、表示器54により表示させてもよく、さらには別途専用の表示器を設けて表示させてもよい。
次に、図46を参照して、遊技中(特に玉発射中)の計数操作による遊技玉からの減算処理を説明する。この図46では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「400」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=400、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、玉発射中であるため、減算玉数累計には、玉発射により遊技玉を減算する情報も含む必要があるが、図46では説明を簡単にするため、玉発射により遊技玉を減算する情報については図示を省略してある。もちろん、玉発射により遊技玉が後述する250玉以下になった場合、計数ボタン28を押下しても、計数動作が行なわれないように制御することは言うまでもない。
その後、遊技者が、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「400」玉の場合、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数が「300」玉、計数玉が「100」玉となる。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=300、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=300、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=400(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=300のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
さらに、遊技者が、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下すると、通常であれば、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。そのため、現在の遊技玉数が「300」玉の場合であれば、計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数が「200」玉、計数玉が「100」玉となるはずである。
しかし、P台2は、玉の発射が継続している状態(遊技が続行されている状態)であり、次々と遊技玉数が減算されている。そのため、計数ボタン28を短押下または長押下したタイミングと玉を発射するタイミングとによっては、遊技玉数が発射玉と計数玉とに重複してカウントされてしまうという不具合が生じる可能性もある。そこで、このような不具合が生じる可能性を回避するため、玉の発射が継続している状態のとき、たとえば遊技玉数が250玉以下になると、それ以降の計数動作が行なわれないように制御する。なお、P台2は、たとえば、タッチセンサーの入力状況や、発射玉検出スイッチ903の状況などから、玉の発射が継続している状態を判断する。
よって、遊技中で玉を発射している状態のとき、現在の遊技玉数が「300」玉の場合、計数ボタン28を1回短押下しても100玉を計数することができず50玉だけ計数され、遊技玉数が「250」玉、計数玉が「50」玉となる。同様に、現在の遊技玉数が「300」玉の場合、計数ボタン28を1回長押下しても100玉を計数することができず50玉だけ計数され、遊技玉数が「250」玉、計数玉が「50」玉となる。なお、計数ボタン28の長押の場合には、遊技を終了する意思があるとして、全部計数させるとしてもよい。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=250、計数玉数=50の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=250、計数玉数=50、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ここで、「遊技玉数=250、計数玉数=50」であるのは、先に説明したとおり、玉の発射が継続中であるために遊技玉数が250以下になるような計数動作を実行しないためである。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(50玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=150に更新し、遊技玉数=300(更新前遊技玉数)−50(計数玉数)=250のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに50個の遊技玉を計数する表示を行なう。また、CU3は、計数動作の一部が無効とされたことを、状態情報応答の計数玉数が通常は100であるところ、「計数玉数=50」となっていることおよび「遊技玉数=250」となっていることで特定する。そこで、CU3は、計数操作を途中で無効にしたこと(計数動作の一部を無効にしたこと)を表示器54に表示する。
なお、計数操作を途中で無効にしたことの表示は、図に示すように「計数玉数=50」のレスポンスを受けた瞬間に表示してもよく、あるいは、すべての計数表示が終了した後に表示してもよい。または、「計数玉数=50」のレスポンスを受けた瞬間からすべての計数表示が終了するまで、継続的に表示するようにしてもよい。また、計数操作を途中で無効にしたことをP台2がCUへ通知するための特定データ(ビットのON/OFF)を、状態情報応答に含ませてもよい。
このように、遊技玉を用いた遊技の実行中に計数操作をして遊技玉がそれ以上は変換処理されない所定点数に至ると、計数操作を途中で無効したことが遊技機側の表示器54に表示されるため、それ以上は遊技玉が計数されないことを遊技者に理解させることができる。
この図46では、その後、さらに、玉を発射中の遊技者が、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作が検出された例が示されている。しかし、遊技中で玉を発射している状態で、遊技玉数が250玉であるため、前述した理由と同様の理由により、計数ボタン28を短押下しても計数操作を無効にする。
CU3は、通番=n+6、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。それを受けて、P台2は、計数操作が無効であるため、通番=n+7、遊技玉数=250、計数玉数=0、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、「計数玉数=0、計数中=ON」のデータによって、「計数操作が検出されたが、無効とされたこと」を特定する。CU3は、このデータに基づいて、計数操作を無効にしたことを表示器54に表示する。なお、無効にすべき計数操作が検出されたときに「計数玉数=0、計数中=ON」のデータは1度のみ、送信され、以降の状態情報応答のレスポンスでは、「計数中=OFF」とされる。また、計数操作を無効にしたことをP台2がCUへ通知するための特定データ(ビットのON/OFF)を、状態情報応答に含ませてもよい。
ここで、遊技中で玉を発射している状態のとき、計数操作を無効にする遊技玉数の条件は、250玉以下に限定されるものではなく、遊技玉数を計数するスピードと、玉を発射するスピードとを考慮して適切に決めればよい。
以上のとおり、遊技玉を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと計数操作が有効にならないため、計数操作によってわずかしか残っていない遊技玉が計数されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技玉が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技玉が持玉として計数されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。また、大当たり等が発生したときに全く遊技玉がなくなって玉を打ち込めなくなってしまう遊技者の不利益を防止することもできる。
次に、図47を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、CU3からP台2へコマンドを送信する前に、電源断、通信回路断線があったときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合つまりCU3が交換されずかつP台2も交換されていない場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図47では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、通番=n+1、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。そのため、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数が含まれている。正確には、図23に示した各種データであり、以降のフローチャートでCU3からP台2に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図23に示した各種データのことである。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報(遊技玉数=480,加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。正確には、図25に示した各種データであり、以降のフローチャートでP台2からCU3に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図25に示した各種データのことである。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、バックアップしている最終送信通番=n+1と、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1とが一致する場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36、始動口1累計=+mとする。
このリカバリ処理によって補正された遊技玉数を表示器54に表示させるコマンドがCU制御部323から表示制御部350へ送信され、表示制御部350により補正後の遊技玉数を表示器54に表示させる制御が行なわれる。後述する図48、図49、図51〜図53、図55、図56のリカバリ処理によって補正された遊技玉数も、同様に表示器54に表示させる制御が行なわれる。なお、リカバリ処理によって補正された遊技玉数を表示させる際に、「復旧しました」等のメッセージも併せて表示させてもよい。また、電源断時の遊技玉数とリカバリ処理によって補正された遊技玉数との差数も併せて表示させるように制御してもよい。さらに、電源断時の遊技玉数とリカバリ処理によって補正された遊技玉数とを同時に表示(並列表示)させるように制御してもよい。この並列表示の場合には、いずれが電源断時の遊技玉数でいずれがリカバリ処理によって補正された遊技玉数かを遊技者が分かるように区別して表示制御する。また、電源断時の遊技玉数を表示させてそれが徐々に(経時的に)リカバリ処理によって補正された遊技玉数に変化する表示制御を行なってもよい。この変化表示制御は、デジタル表示で変化するもの、棒グラフ等のアナログ表示で変化するもの等、いずれでもよい。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。「リカバリデータのクリア」とは、未送信データを通信開始・応答のタイミングで消去するものであり、未送信データ(リカバリデータ)を送信した後はそのデータを記憶しておく必要がなくなるために、通信開始・応答のタイミングで消去するのである。
次に、図48を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線があって、CU3からP台2へコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図48では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、P台2で電源断が発生し、P台2の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3に状態情報応答レスポンスを返信してから電源断が発生するまで、遊技が継続されている。そのため、P台2では、電源断が発生するまでの遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。
その後、CU3は、通番=n+2を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図33に示したように最大2回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知し、通番=n+2、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+2、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報(遊技玉数=480,加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36、始動口1累計=+mとする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。なお、このようなエラーが発生するとCU3およびP台2の少なくとも一方においてその旨を報知する。その際、CU3の表示器312およびP台2の表示器54の少なくとも一方においてその報知の内容を表示させてもよい。また、上位サーバ801にその旨を通知し、上位サーバ801においてエラーが発生したことを報知させてもよい。また、店員の介在によりPOS等を用いて、手作業で遊技玉数の補正を行なってもよい。具体的には、P台2からのリカバリデータに含まれている遊技玉数を表示器54に表示させ、それを見た店員が遊技者のカードをPOSに挿入し、該カードのカードIDに対応付けて上位サーバ801に記憶されている持玉を更新する。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図49を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3へのレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図49では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。
さらに、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報(遊技玉数=480,加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=nの方が小さい値(古い)の場合、前回遊技台情報も、最新遊技台情報もP台2から受取らずに、電源断が発生し、動作が停止したと判断してリカバリ処理を行なう。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
CU3は、P台2のリカバリデータの前回遊技台情報および最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行ない、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+(3+6)(加算玉数)−(23+36)(減算玉数)=450,加算玉数=+(3+6),減算玉数=+(23+36)、始動口1累計=+mとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に図50を参照して、P台からの状態情報応答(要求動作無に対する応答)がCUに未到達の場合の処理を説明する。この図50に示す場合には、CUからのコマンドがP台に入力されるために、前述したバックアップクリア処理が実行されるが、次回のCUからP台に送信されてくるコマンドの通番の値(=n)が前回の通番の値(=n)と同じであるために、P台の払出制御部171は、CUへ送信した状態情報応答のレスポンスがCUに到達していないことによる再送であると判断し、前回遊技台情報である前加算減算玉数のデータを0クリアすることなくそれらデータに対して現在玉関連情報としての現加算減算玉数を累積加算する。
具体的には、現時点の遊技玉数=520として、まずCUが状態情報要求として要求無、通番=nのコマンドをP台へ送信する。それを受けたP台では、前述のバックアップクリア処理を行なって、現時点の遊技玉数=520−13+3=510を算出し、その遊技玉数=510をバックアップし、通番=n+1をバックアップするとともに、現加算減算玉数のデータを前加算減算玉数にバックアップ記憶させ、状態情報応答のコマンドを作成して現在玉関連情報としての現加算減算玉数のデータを0クリアする。また、現時点の遊技玉数510を状態情報応答のレスポンスのデータに含める。そして、P台は、状態情報応答として、通番=n+1、遊技玉数=510、加算玉数=3、減算玉数=13のレスポンスをCUへ送信する。
ところが、そのレスポンスがCUに到達しないために、CUでは、前回と同じ状態情報要求すなわち要求無、通番=nのコマンドをP台へ送信する。
それを受けたP台の払出制御部171では、今回受信した通番がバックアップしている通番(=n+1)よりも1つ前の値(=n)であるために、送信した状態情報応答のレスポンスがCUに到達しなかったことによる再送であると判断し、前回遊技台情報としての前加算減算玉数のデータをクリアすることなくそれらデータに対して現在玉関連情報としての現加算減算玉数のデータを累積加算してバックアップする。その結果、前加算玉数=3+3=6、前減算玉数=13+8=21となる。これらデータからなる状態情報応答のレスポンスを作成した後、現加算減算玉数のデータを0クリアする。そして、状態情報応答として、P台は、通番=n+1、遊技玉数=505、加算玉数=6、減算玉数=21のレスポンスをCUへ送信する。しかし、このレスポンスもCUに到達しないために、CUでは、再度同じ状態情報要求(要求無、通番=n)のコマンドをP台へ送信する。
それを受けたP台の払出制御部171では、今回受信した通番がバックアップしている通番(=n+1)よりも1つ前の値(=n)であることを判断して状態情報応答のレスポンスがCUに到達していないための再送信であることを検知する。その結果、P台では、前述と同様の、前回遊技台情報に対する累積加算記憶を行ない、状態情報応答のレスポンスを作成してCUへ返信する。具体的には、状態情報応答として、通番=n+1、遊技玉数=485、加算玉数=12、減算玉数=47のレスポンスをCUへ送信する。
この状態情報応答のレスポンスがCUに到達したために、CUでは、遊技玉数=520+12−47=485を算出し、その485に遊技玉のデータを修正して記憶する処理を行なう。
このように、先に送信した状態情報応答がCUに到達しなかったときには、P台の払出制御部171は、未達の状態情報応答を再送した上で次の状態情報応答を送信するのではなく、未達であった情報を合算した後の情報を次の状態情報応答として送信する。その結果、遊技用装置では、遊技玉数に関する情報を確実かつ効率的に収集可能となる。なお、図50の例では、P台からの状態情報応答が3回未送信の場合に通信断検知となるものにおいて、2回未達の場合について説明したが、仮に状態情報応答が4回未送信の場合に通信断検知となるものにおいて3回未達であった場合には、4回目に送信される状態情報応答には、3回目に送信された状態情報応答の情報を合算した合算値が含められることになる。
次に、図51を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図51では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図33に示したように最大2回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+2、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。P台2は、通信相手が一致し、CU3のリカバリデータの最終送信通番=n+2に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+1の方が小さい値(古い)の場合、リカバリ処理を実行して遊技玉数を加算玉数で補正し、遊技玉数=50+125に更新する。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図52を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図52では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、通番=n+3、遊技玉数=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+2、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。P台2は、通信相手が一致し、CU3のリカバリデータの最終送信通番=n+2に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+3の方が大きい値(新しい)の場合、遊技玉数を加算玉数で補正しない。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+3、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+3に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が小さい値(古い)の場合、P台2のリカバリデータの前回遊技台情報および最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図53を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、CU3からP台2へコマンドを送信する前に、電源断、通信回路断線があったときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合、具体的にはCU3が故障等して新たなCU3に交換した場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。新たなCU3に交換された場合には、交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行ないたい場合にはそのカードを交換後のCU3に挿入する。
この図53では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、通番=n+1、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。そのため、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。しかし、CU3を交換したため、リカバリデータを保持していない。そのため、リカバリデータとしては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0、および加算玉数=0が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報(遊技玉数=480,加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDとをCU3が比較する。この「最終送信通番=0」は、CU3とP台2とが接続されていない非通信であったことを示す。つまり、CU3が遊技機との非通信を示す情報が、この「最終送信通番=0」である。
また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、上位サーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)を上位サーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻を上位サーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻とを比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
なお、カード挿入時刻を上位サーバ801から返信してもらう代わりに、上位サーバ801において一致判定を行なうようにしてもよい。具体的には、交換後のCU3に挿入されたカードのカードIDがリカバリデータのカードIDと一致する場合に、そのカードIDとリカバリデータのカード挿入時刻とを上位サーバ801へ送信し、上位サーバ801にて、記憶しているカード挿入時刻と送信されてきたリカバリデータのカード挿入時刻とを比較して一致するか否か判定し、その判定結果をCU3へ返信するように制御してもよい。
また、カード挿入時刻等の記憶場所は、上位サーバ801に限定されるものではなく、たとえばCU3を設置するカードユニットホルダー等でもよく、さらには故障したCU3からカードを排出するときにそのカードに記憶させておいてもよい。
これらの変形例は、後述の図55、図57においても、同様に適用可能である。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36、始動口1累計=+mとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
以上図47〜図49、図51〜図57を用いて説明したように、リカバリ処理時の補正態様としては、CU3が、P台2から受信した最終送信通番と、記憶しているP台2最終送信通番とを比較し、P台2から受信した最終送信通番が記憶しているP台2最終送信通番より大きい通番であれば、最新遊技台情報と前回遊技台情報との両者を用いて遊技玉数を補正する第1補正態様がある。また、他方の補正態様とは、CU3が、P台2から受信した最終送信通番と、記憶しているP台最終送信通番とを比較し、P台2から受信した最終送信通番が記憶しているP台最終送信通番と等しいまたは小さい通番であれば、最新遊技台情報のみで遊技玉数を補正する第2補正態様がある。さらに、リカバリ処理時の補正態様としては、一切補正をしない態様も含んでいる(図54、図56参照)。つまり、「補正態様を決定する」とは、最新遊技台情報のみまたは最新遊技台情報と前回遊技台情報との両者を用いて補正するか否かを決定するばかりでなく、補正をしないことの決定をも包含する概念である。
また、第1補正態様は、具体的には、CU3が記憶している遊技玉数に対し、最新遊技台情報の加算玉数と前回遊技台情報の加算玉数とを加算するとともに、最新遊技台情報の減算玉数と前回遊技台情報の減算玉数とを減算して算出された遊技玉数に補正する。第2補正態様は、具体的には、CU3が記憶している遊技玉数に対し、最新遊技台情報の加算玉数を加算するとともに最新遊技台情報の減算玉数を減算して算出された遊技玉数に補正する。
次に、図54を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線があって、CU3からP台2へコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図54では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、P台2で電源断が発生し、P台2の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3に状態情報応答レスポンスを返信してから電源断が発生するまで、遊技が継続されている。そのため、P台2では、電源断が発生するまでの遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。
その後、CU3は、通番=n+2を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図33に示したように最大2回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知し、通番=n+2、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
P台2で電源断が発生後、たとえばP台2が故障のため、P台2を交換し2次局(1)から2次局(2)へ変更する。その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+2、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。しかし、P台2を交換したため、リカバリデータを保持していない。そのため、リカバリデータとしては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0、前回遊技台情報(なし)、前回遊技情報(なし)、最新遊技台情報(なし)、最新遊技情報(なし)となる。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が不一致となり、P台2のリカバリデータの最終送信通番=0に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)で、P台2のリカバリデータの最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータでリカバリ処理を行なわない。そのため、CU3のリカバリ処理は、店員の介在によりPOSを用いて、手作業で行なうことになる。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図55を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3へのレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致していない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図55では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。
さらに、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。しかし、CU3を交換したため、リカバリデータを保持していない。そのため、リカバリデータとしては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0、および加算玉数=0が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報(遊技玉数=480,加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDとをCU3が比較する。また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、上位サーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)を上位サーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻を上位サーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻とを比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36、始動口1累計=+mとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図56を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図56では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図33に示したように最大2回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知する。
P台2で電源断が発生後、たとえばP台2が故障のため、P台2を交換し2次局(1)から2次局(2)へ変更する。その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+2、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、バックアップしているP台2の最終送信通番=0でP台2が交換され通信相手が不一致と判断し、CU3のリカバリデータでリカバリ処理を行なわない。つまり、リカバリ要求中の「加算玉数=125」に基づいた遊技玉数の加算更新を行なわない。
また、P台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。しかし、P台2を交換したため、リカバリデータを保持していない。そのため、リカバリデータとしては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0、前回遊技台情報(なし)、前回遊技情報(なし)、最新遊技台情報(なし)、最新遊技情報(なし)となる。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が不一致となり、P台2のリカバリデータの最終送信通番=0に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)で、P台2のリカバリデータの最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータでリカバリ処理を行なわない。そのため、CU3のリカバリ処理は、店員の介在によりPOSを用いて、手作業で行なうことになる。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図57を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図57では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、通番=n+3、遊技玉数=175のデータをバックアップする。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。しかし、CU3を交換したため、リカバリデータを保持していない。そのため、リカバリデータとしては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0、および加算玉数=0が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。この判断は、リカバリ要求で送信されてきた「最終送信通番」が0になっていることに基づいて行われる。P台2は、CU3は通信相手が不一致と判断し、遊技玉数を加算玉数で補正しない。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番=n+3、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDとをCU3が比較する。また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、上位サーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)を上位サーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻を上位サーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻とを比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+3に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図58を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉加算結果異常のときの処理について説明する。
この図58では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3は、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生する。そのため、P台2は、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ再送する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
しかし、P台2は、遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
さらに、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを再度受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ2回目の再送を行なう。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2は、まだ遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報要求のコマンドを2回再送しても、P台2から遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスの応答を受信する場合、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生しているとして、P台2との通信を停止する。具体的に、CU3は、通信終了要求のコマンドをP台2に送信する。通信終了要求のコマンドを受信したP台2は、通信終了応答のレスポンスをCU3に返信する。
以上説明した異常時のリカバリ処理をまとめると、次のようになる。
CU3とP台2との通番の差が2以上あるときにはすべて不正としてリカバリを行なわない。ただし、CU3の通番=0の場合にはCU3が交換された場合であり、P台2の最新遊技台情報のみでリカバリしてP台2の最新遊技台情報をCU3が取込む。また、P台2の通番=0のときはリカバリしない。
「P台2側からの通番≦CU3の記憶通番」の場合には、最新遊技台情報のみでリカバリする。
「P台2側からの通番>CU3の記憶通番」の場合には、最新遊技台情報と前回遊技台情報とでリカバリする。
以上、図47〜図58を用いて、CU3とP台2との間の異常系シーケンスについて説明した。その説明の際に「再プレイボタンの押下」後、異常系シーケンスの動作について説明したが、「持玉払出ボタンの押下」後においても同様の動作となる。
次に、図59を参照して、持玉共有処理を説明する。持玉共有とは、遊技者が持玉を他人に分割譲渡することである。この図59では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「1000」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=1000、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、たとえば表示器54に表示されている複数のメニューの中から持玉共有をタッチして選択指定した場合(図63〜図69参照)、CU3には、持玉共有の処理が発生する。なお、持玉共有に使用する持玉数は100玉である。
しかし、前述したように持玉数が「0」玉であるため、CU3の表示制御部350は、表示器54に対して「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を制御する。表示器54は、当該制御により、「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を行なう。なお、表示器54には、図59に示す「表示中」の期間、たとえば図63〜図69に示す表示が行われる。
遊技者は、表示器54の「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を見て、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「1000」玉の場合、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数が「900」玉、計数玉が「100」玉となる。
このように、残っている持玉が希望の持点共有数に満たないときには、所定の報知が行なわれるために、希望の持点共有のサービスを受けるために遊技玉を計数する操作を遊技者に促すことができる。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=900、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=900、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=1000(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=900のデータをバックアップする。さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。それを受けて、P台2は、計数ボタン28を押下する操作がなされていないので、通番=n+5、遊技玉数=900、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
前述の計数操作により、持玉数が「100」玉となったので、CU3は、持玉共有に使用する持玉数を確保することができ、持玉を清算後、持玉共有処理が終了する。この持玉の清算は、具体的には、共有(分割譲渡)する持玉を現在の持玉数(1000玉)から減算する処理であり、CU制御部323により実行される。
この持玉共有処理が実行されることにより、共有(分割譲渡)する持玉数(100玉)が記録されたビジターカードがCU3から排出され、遊技者がそのビジターカードを譲渡する相手に手渡すことにより、持玉が共有(分割譲渡)される。
次に、図60を参照して、ワゴンサービスの処理を説明する。ワゴンサービスとは、持玉を消費してドリンク等の商品を遊技者に提供するとサービスである。ワゴンサービスを希望する遊技者は、表示器54をタッチ操作し(図70〜図76参照)、ワゴンオーダーをする。すると、遊技者が注文したオーダー内容がCU3のIR感光ユニット320から赤外線信号として遊技場の店員が所持しているリモコンに入力される。なお、このリモコンによるオーダーの入力に代えてまたはそれ加えて、遊技者によるワゴンサービスのオーダー操作をLAN(Local Area Network)等を使用して収集し、その収集されたオーダー内容に従ってワゴンサービスを行なうようにしてもよい。
遊技場の店員はリモコンに入力されたオーダー内容に従ってワゴンサービスを行なう。図60では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「30」玉であり、当初の遊技玉数が「60」玉の状態となっている。
まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=60、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、前述したようにタッチ操作をしてワゴンオーダーをすることにより、CU3には、ワゴンオーダーの処理が発生する。なお、ワゴンオーダーに使用する持玉数は70玉である。
しかし、前述したように持玉数が「30」玉であるため、CU3の表示制御部350は、表示器54に対して「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を制御する。表示器54は、当該制御により、「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を行なう。なお、表示器54には、図60に示す「表示中」の期間、たとえば図70〜図76に示す表示が行われる。
このように、残っている持玉が希望のワゴンサービス商品額に満たないときには、所定の報知が行なわれるために、希望のワゴンサービスを受けるために遊技玉を計数する操作を遊技者に促すことができる。
遊技者は、表示器54の「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を見て、計数ボタン28を1回短押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回短押下すると、遊技玉が100玉以上あれば、100玉が計数され計数玉としてカウントされる。たとえば、遊技玉数が「160」玉である場合には、上記計数操作により、計数玉数が「100」玉と計数され、遊技玉数が「60」玉となる。しかし、この例では、当初の遊技玉数が「60」玉であるため、計数ボタン28を1回短押下しても60玉しか計数されず、遊技玉数が「0」玉、計数玉が「60」玉となる。なお、この例では、計数ボタン28の操作の際に玉の発射が継続されていない状態を想定しているため、遊技玉数が250未満でも計数操作が無効にされることはない。
計数ボタン28を1回短押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=0、計数玉数=60の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=0、計数玉数=60、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(60玉)を持玉数(30玉)に加算して持玉数=90に更新し、遊技玉数=60(更新前遊技玉数)−60(計数玉数)=0のデータをバックアップする。さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、60個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。それを受けて、P台2は、計数ボタン28を押下する操作がなされていないので、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
前述の計数操作により、持玉数が「90」玉となったので、CU3は、ワゴンオーダーに使用する持玉数の「70」玉を確保することができ、持玉を精算(ワゴンオーダにて70玉の持玉の減算)後、ワゴンオーダーの処理が終了する。この持玉の清算は、具体的には、ワゴンサービスに用いる持玉(70玉)を現在の持玉数(90玉)から減算する処理であり、CU制御部323により実行される。このワゴンサービスが行われたときの決済は、たとえば、前述の持玉共有と同様に、ワゴンサービスに用いる持玉(70玉)をビジターカードに書込んで排出し、そのビジターカードを渡して支払い決済を行なう。他の方法としては、ワゴンサービスを行なう係員の持つ端末とCU3とが通信してワゴンサービスに用いる持玉(70玉)をその係員の持つ端末へ移動させる方法でもよい。さらには、ワゴンサービスを行なう係員が、オーダー品を届けた時点でCU3に対して何らかの操作を行ない、その操作に基づいてワゴンサービスに用いる持玉(70玉)を減算するようにしてもよい。
<遊技用システムの構成の組合わせ>
前述した遊技用システムの構成は、図5に示すように計数ボタン28をP台2に設けてあり、持玉の管理をP台2で行なわずCU3で行なう一方、遊技玉の管理を主にP台2で行ない、表示器54,312をP台2およびCU3に設け、表示制御部350をCU3のみに設けて、表示器54,312の表示制御をCU3側で行なっている。しかし、本発明に係る遊技用システムは、前述の構成に限定されるものではない。たとえば、別の遊技用システムの構成として、計数ボタン28をP台2に設け、遊技玉・持玉の管理をP台2で行なわずCU3で行ない、表示器をP台2およびCU3に設け、表示制御部350をP台2のみに設けて、表示器の表示制御をP台2側で行なってもよい。遊技用システムの構成の組合わせは、その他多く存在する。図61は、このような遊技用システムの構成の組合わせ例を示した図である。
図5に示す遊技用システムの構成は、図61に示す組合わせのNo.8であり、前述した別の遊技用システムの構成は、図61に示す組合わせのNo.2である。なお、図61では、遊技用システムの構成の組合わせが63通り記載してある。ただし、No.23からNo.41まで、No.44からNo.62までの組合わせは、No.2からNo.20までの組合わせの計数ボタンの欄をCU、・P台に置換えることができるため、記載を省略してある。
なお、玉の管理(持玉の管理、遊技玉の管理)をCU、P台のいずれで行なうかということの意義は、一つには、玉のデータをいずれで記憶するかという点にある。たとえば、持玉はCUのみで記憶し、遊技玉はP台のみで記憶するような遊技システムの場合には、持玉の管理はCU、遊技玉の管理はP台ということになる。
あるいは、また、玉の管理(持玉の管理、遊技玉の管理)をCU、P台のいずれで行なうかということの意義は、玉のデータをCUとP台との双方で記憶しつつも、双方のデータに相違が生じた場合に、いずれのデータに基づいてデータを修正するかという点にある。たとえば、図8に示す遊技用システムの場合には、遊技玉をCUとP台との双方で記憶しているが、双方のデータに相違が生じた場合、P台側のデータに基づいて遊技玉を修正する。この場合、遊技玉の管理はP台ということになる。
なお、図61では、考えられるすべての組合せを列挙したが、これに限定されるものではなく、本実施の形態に開示された技術的思想に応じて不必要な組合せを削除してもよい。たとえば、CU3が遊技玉を表示制御することが必須の技術的思想の場合には、「表示制御」の欄が「CU」のみに限定される。
また、前述の本実施の形態では、持玉と遊技玉とを区別して別々のものとした内容にしているが、これらを区別することなく1つの共通の価値データにしてもよい。たとえば、カード自体によって共通の価値データが特定され、その共通の価値データを引落してCU3からP台2へ送信し、それを受けたP台2が共通の価値データとして記憶し、遊技の進行に応じてその共通の価値データを更新し、最終的に更新された共通の価値データを遊技終了時にCU3がカードに記録して排出するように制御してもよい。そして、この「共通の価値データ」と「持玉」と「遊技玉」とを総称して、「点数」と言う。
<遊技用システムの処理の実施例>
次に、図62は、遊技玉が所定数以上のときの遊技用システムの処理を説明するためのフローチャートである。図62を参照して、遊技玉が所定数以上のときの払出制御部171の処理、および遊技玉が所定数以上のときのCU制御部323の処理について説明する。
遊技玉が所定数以上のときの処理において、まず、払出制御部171は、P台2の現在の遊技玉数を確認する(ステップS481)。具体的には、払出制御部171は、P台側の払出制御基板17に搭載されているRAMに記憶してある現在の遊技玉数を読出す。
次に、払出制御部171は、遊技中で大当りが発生しているか否かを判断する(ステップS482)。遊技中で大当りが発生している場合、遊技玉数は所定数以上になりやすく、そのたびに計数操作を促されたり、遊技玉の発射が停止されたのでは遊技者が不都合を感じることが考えられる。そのため、払出制御部171は、遊技中で大当りが発生していると判断した場合(ステップS482:YES)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。
払出制御部171は、遊技中で大当りが発生していないと判断した場合(ステップS482:NO)、確認した遊技玉が満タン状態の基準値である3000玉より多いか否かを判断する(ステップS483)。払出制御部171は、確認した遊技玉が3000玉より多いと判断した場合(ステップS483:YES)、遊技玉超過情報をCU制御部323に送信する(ステップS484)。払出制御部171は、確認した遊技玉が3000玉以下と判断した場合(ステップS483:NO)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。
CU制御部323は、払出制御部171から遊技玉超過情報を受信する(ステップS488)と、表示器54に、「遊技玉が一杯になりました。計数操作を行なってください。」と計数操作を促す表示を行なう(ステップS489)。
このように、遊技玉数が所定数以上であれは所定の報知制御が行なわれるのであり、これによって玉が皿に満タンのときに報知する従来の遊技用システムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
また、本システムのように、実際の遊技玉ではなくデータの遊技玉を利用する場合には、多量の玉で溢れて困るという不都合が生じることがないので、遊技玉数に上限値を設けないようにしてもよい。しかしながら、上限値を設けない場合には、極めて多数の遊技玉を遊技者が獲得している段階でP台にトラブルが生じて遊技玉のデータが消失してしまった際の遊技者と遊技店との間での問題が大きくなる。そこで、本実施の形態のように、満タンという形で遊技玉数に上限値を設けておき、遊技玉数が上限値に達すれば、計数を促して持点に変換することにより、P台にトラブルが生じて遊技玉のデータが消失してしまうような事態が生じた場合の遊技店の補償額があまりに大きくなり過ぎないようにすることができる。つまり、計数操作に応じて遊技玉数を持点数に変換してCU3に記憶させることにより、そのCU3経由で上位サーバに変換後の持点数を記憶させておくことが可能であり、P台にトラブルが生じたとしても上位サーバに記憶された持点数により遊技者への補償を担保しやすくなる。
払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下したか否かを判断する(ステップS485)。払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下したと判断した場合(ステップS485:YES)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。なお、「遊技玉が一杯になりました。計数操作を行なってください。」と計数操作を促す表示等の報知を終了させる時点は、たとえば、計数ボタン28を押下げたとき、満タン状態が解消されたとき、所定の一定期間経過したとき、あるいはこれらの組み合わせしたものを用いてもよい。なお、計数ボタン28を押下げたとき、満タン状態が解消されたときはP台2側によって判断され、所定の一定期間経過したときはCU3側によって判断される。しかしながらこれに限定されることなく、CU3側あるいはP台2側のどちらかで全て判断してもかまわない。
払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下していないと判断した場合(ステップS485:NO)、遊技玉の発射を停止する。つまり、払出制御部171は、計数操作を促してから10秒経過しても遊技者が計数操作しないため、発射制御基板31を介して発射モータ18を止めて遊技玉の発射を停止する。このように、遊技玉数が所定点数以上で計数操作が行なわなければ、遊技が不能動化されるため、遊技者に対して計数操作を促すことができる。
払出制御部171は、計数操作を促してから10秒経過しても計数操作しないので遊技玉の発射を停止したことを、遊技玉超過時の発射停止情報としてCU制御部323に送信する(ステップS487)。その後、払出制御部171は、処理が終了となる(リターン)。
CU制御部323は、払出制御部171から遊技玉超過時の発射停止情報を受信する(ステップS490)と、表示器54に、「遊技玉が一杯になりました。玉の発射を停止します。」と、遊技玉の超過により発射を停止したことを行する(ステップS491)。その後、払出制御部171は、処理が終了となる(リターン)。
以上のように、遊技用システムは、遊技玉が所定数以上になったとき遊技者に計数操作を促すので、遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
図63〜図76は、P台の表示器54により表示される画面図である。
まず、図63〜図69に基づいて、図59に示した持玉共有を行なう場合に表示器54に表示される表示画面を説明する。
図63を参照して、画面左半分の上方に表示された「メニュー」の表示項目(アイコン)を遊技者がタッチして表示された複数のメニューの中から持玉共有を遊技者が選択指定した状態が、図63に示す持玉共有の表示画面である。持玉共有(遊技玉の分割譲渡)は、遊技者所有の持玉からの分割譲渡あるいは貯玉からの分割譲渡のいずれも可能である。そのために、まず「玉共有元を選択してください」のメッセージ表示がなされ、選択対象となる持玉を表わす表示項目(アイコン)と貯玉を表わす表示項目(アイコン)とが表示される。
図63の右半分の表示画面では、現在挿入されているカードの状態が表示されている。図63では、会員カードが挿入されており、その会員カードは、カード残高が0円、持玉が0玉、貯玉が500玉、現在の遊技玉が1000玉であることが示されている。
また、CU3の状態として、カード残高から遊技玉を貸出す際の貸出単位金額が500円であり、その500円分の玉数である125玉が払出玉数であることが表示されている。さらに、遊技者が紙幣をCU3に挿入して挿入されているカードのカード残高をリロードできるという「入金可」の状態であることが示されている。
遊技者は、画面左半分の「持玉」または「貯玉」のいずれかをタッチ操作して玉共有元の選択入力を行なう。ここでは、「持玉」を選択した場合を示す。
遊技者が「持玉」を選択した場合には、次に図64に示す画面が表示される。画面左半分に「共有する玉数を選択ください」のメッセージ表示がなされるとともに、共有玉数の選択対象として、50玉、100玉、150玉、200玉、250玉、300玉、350玉、400玉、500玉の9種類が表示される。遊技者はこの9種類の中から1つをタッチして選択入力する。ここでは、「100玉」を選択入力した場合を説明する。
通常、共有玉数は、持玉から変換されるが、共有玉数が持玉よりも多い場合には、図65に示す画面が表示される。具体的には、遊技者が共有玉数を「100玉」として選択しているが、持玉がゼロであるため、画面左半分に「持玉が足りません。計数ボタンを押して持玉を補充してください」のメッセージ表示がなされる。これにより、遊技者は、P台の計数ボタン28を押すことにより、遊技玉から共有玉数分の持玉へ変換がされる。
なお、図64、図65では、持玉共有についての選択対象となる全玉数(50玉、100玉、150玉・・・500玉)を表示しているが、それに代えて、持玉共有を実行するときの持玉数の範囲内での玉数のみ表示して、持玉数の範囲を超える玉数は表示しないように制御してもよい。あるいは、持玉数の範囲を超える玉数に×印を付して表示してもよい。また、遊技玉数を計数して持玉数に加算することによって共有できるようになる玉数まで表示するように制御してもよい。その場合、持玉数のみで共有できる玉数を実線で囲む一方、遊技玉数を計数して持玉数に加算することによって共有できるようになる玉数を破線で囲む等のように、両者を区別して表示するように制御してもよい。
遊技者が共有玉数分の「100玉」を遊技玉から持玉へ変換すれば、次に図66に示す画面が表示される。図66に示す画面では、「持玉が上記明細で分割されます。よろしいですか?」のメッセージが表示されるとともに、共有玉数の明細として、自分のカードの玉数が900となり、持玉数が100となり、他人に分割譲渡(持玉共有)する共有のカードの玉数が100となることが表示されている。「玉共有開始」の表示項目(アイコン)と「キャンセル」の表示項目(アイコン)とが表示される。遊技者はそれら表示項目のいずれかにタッチして選択入力する。「キャンセル」を選択すれば持玉共有がキャンセルされる。一方、「玉共有開始」が選択入力されれば、共有玉数の明細に示したとおりの玉共有処理が開始される。
遊技者が「玉共有開始」を選択入力すれば、次に図67に示す画面が表示される。図67に示す画面では、「自分のカードが排出されます」のメッセージ表示がなされるとともに、玉共有処理の進行状況を示す玉共有処理状況画像が表示される。この玉共有処理状況画像は、処理の順番として1、2、3の3種類あり、第1処理では、自分(遊技者)のカードの排出、第2処理として共有のカードの排出、第3処理として排出された自分のカードの再挿入が表示されている。そして「状況」の欄に、上から「処理」「待ち」が表示されており、現在、第1処理が処理中であることが示されている。第1処理から破線で自分のカードが排出される画像が示されている。
図67の右半分の画面では、現在P台においての遊技玉である900玉が表示される。この例では、カード排出時については、遊技玉の全てを計数処理した後にしか返却されず、返却ボタンによる操作がないことから持玉共有操作のみを例外としている。なお、カードを排出させるには、持玉共有操作時も含めて遊技玉の全てを計数処理した後にしか排出できないとしてもよい。この場合には、P台2でカード排出前に計数処理をし、計数玉数がCU3側に送信される。
また、この例では、カード挿入口が1つである場合を説明しているが、会員カードおよびビジターカードが挿入されるカード挿入口を1つずつ設け、遊技玉がまだある場合には、会員カードを排出せずに、ビジターカードのみを排出させるようにしてもよい。これにより、遊技玉が残っている場合には、会員カードは排出できないようにすることもできる。
また、この例において、先に遊技玉の全てについて計数処理を行なうように促し、持玉に変換して共有分割をさせてもよい。
自分のカードの排出が終了した段階で次に図68に示す画面が表示される。図68では、「状況」の欄に、第1処理としての自分のカードの排出が「済」であり、次に第2処理としての共有カードの排出が処理中であることが示されている。そして第2処理から矢印で共有カードが排出されている状態が示されている。
遊技者が自分のカードをCU3に再挿入した段階で、次に図69の画面が表示される。図69では、「玉共有が完了しました」のメッセージが表示されるとともに、玉共有処理状況として、第1処理、第2処理、第3処理のすべてが済であることが示される。100玉分の持玉共有が完了したために、現在P台における遊技玉が1000−100=900で、900玉となっていることが表示されている。
次に図70〜図76は、図60に示したワゴンサービスの制御処理が実行された場合の表示器54による表示画面の図である。
まず図70を参照して、画面左半分の上方部分に表示されている「ワゴンサービス」の表示項目(アイコン)を遊技者がタッチして選択入力した状態が図70の表示画面である。まず始めに、「注文する種類を選択してください」のメッセージ表示がなされて、ワゴンメニューとして、「定番メニュー5品」、「ドリンク類30品」、「フード類10品」、「スイーツ類20品」の4種類のメニューが表示されるとともに、「注文状況確認」のアイコンが表示されている。
図70の右半分の画面には、現在P台における持玉として30玉が表示され、遊技玉数として60玉が表示されている。ワゴンサービスの注文の選択は、第1次的には持玉数の範囲内で購入することができるが、計数ボタンを利用して遊技玉数を持玉に変換することにより、実際は持玉数に遊技玉数を加えた範囲まで可能となる。
従って、遊技者は、現在の持玉数と遊技玉数の総数が90玉であることを考慮しつつ、その90玉の範囲内で注文することのできるワゴンメニューを選択できる。
たとえば「ドリンク類30品」を遊技者が選択した場合には、次に図71に示す画面が表示される。図71では、「注文する商品を選んでください」のメッセージが表示されるとともに、ドリンク類の中に含まれるメニューが6種類示されており、各メニューを注文する際に必要となる持玉数が表示されている。遊技者は、現在の持玉数と遊技玉数の総数が90玉であることを考慮しつつ表示されたメニューの中から注文するものをタッチして選択入力する。
表示画面上には、持玉の範囲内で購入可能なメニューであるペットボトルは実線で示され、現在の持玉に、遊技玉を計数ボタンによって持玉に変換し、その変換された持玉を加えることにより購入できるメニューを点線で示される。遊技玉を持玉に変換しても購入できないメニューは、「×」の表示が示される。
例えば、遊技者は持玉30玉、遊技玉60玉を有しているため、ペットボトルのみが実線で表示され持玉で購入可能となる。遊技玉を利用して購入できるのは、消費玉数40玉の缶コーヒーと、消費玉数50玉の牛乳と、消費玉数60玉のカフェオレと、消費玉数75玉のコーヒーとについては、点線で表示される。また、持玉30玉、遊技玉60玉の両方を使用しても消費玉数が100玉のアイスフロートには足りないため、アイスフロートを表示する画面上に「×」が示されている。
この表示の仕方は、これに限らず、持玉のみで購入可能なメニューと、持玉および遊技玉を加えた玉数で購入可能なメニューと、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューを区別できる表示であればよい。たとえば、持玉のみで購入可能なメニューに対してはランプ等で明るく表示させ、持玉および遊技玉を加えた玉数で購入可能なメニューに対してはランプ等を点滅させて表示させ、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューに対しては、ランプ等を点灯させずに、選択できないようにすることもできる。また、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい。さらに、持玉のみでは購入できないが該持玉に対して遊技玉を加えた玉数の場合には購入できるメニューは破線で枠組みして表示しているが(図71、図72参照)、このようなメニューに対しても×印を付して表示してもよく、あるいは、このようなメニューを表示させないように制御してもよい。
なお、左画面の各種メニューが表示されている右側に、正三角形のアイコンと逆三角形のアイコンとが表示されている。正三角形のアイコンを遊技者がタッチした場合には画面が下にスクロールされて画面上方部分が表示される状態となる。一方図71に示す逆三角形のアイコンを遊技者がタッチすれば画面が上にスクロールされて画面下方部分が表示される状態となる。
図71において、遊技者が30玉を必要とする「ペットボトル」のメニューを選択した上で、図73の「注文商品明細」のタイトル欄に表示された「商品追加」のアイコンをタッチしてすると、図72のワゴンメニューの表示画面に戻る。
ここで、既に消費玉数30玉のペットボトルが購入予定になっているため、遊技者は、持玉および遊技玉を合わせても60玉分しか注文することしかできない。従って、図72において、消費玉数が100玉のアイスフロートおよび消費玉数が75玉のコーヒーには、購入ができないように表示上に「×」が表示される。また、この時点において、持玉については消費玉数30玉のペットボトルに当てられているため、今後の購入には遊技玉を計数ボタンによって持玉に変換して利用して購入することになるため、上記以外の各メニューに対しては、点線で表示される。
遊技者が購入したいメニューを選択し終わると、次に図73に示す画面が表示され、今までに選択入力された注文商品の明細が表示される。この注文明細では、注文した商品名、消費玉数、注文した商品の数量が表示される。図73の場合には、消費玉数30玉の「ペットボトル」が1品、消費玉数40玉の「缶コーヒー」が1品、注文されていることが示されている。
合計の消費玉数が70玉であることが表示されている。さらに、注文商品明細の数量の欄に「追加」のアイコンが表示されており、遊技者がこの追加のアイコンをタッチして入力することにより、1回タッチする毎に数量が「1」加算される。また数量の右側に各注文賞品に対応して「削除」のアイコンが表示されている。遊技者がこのアイコンをタッチ入力することにより、対応する商品の注文を削除することが可能となる。たとえば1番上の「削除」をタッチすれば、「ペットボトル」の注文が削除され、2番目の「削除」をタッチすることにより「缶コーヒー」の注文が削除される。
さらに、この注文商品明細の下方に、「商品追加」のアイコンが示されており、これを遊技者がタッチすることにより、前述したように再度図71、図72のワゴンメニューの表示画面に戻り、遊技者が注文商品を選択して追加注文することが可能となる。
また図73の注文商品明細の下方に「キャンセル」のアイコンが示されており、遊技者がこのアイコンをタッチすることにより、現在までに注文しているすべての注文商品をキャンセルすることができる。
さらに、注文商品明細の下方に「注文」のアイコンが示されており、遊技者がこれをタッチ操作することにより、注文商品明細に示されたとおりのワゴンサービスの注文処理が実行されることとなる。
図73の表示画面において遊技者が「缶コーヒー」の注文に対応する「削除」のアイコンをタッチ操作した場合に、図示はしていないが、「缶コーヒー」の注文が取消された状態が示される。
一方、図73において「注文」のアイコンを遊技者がタッチ操作した場合に、消費玉数が持玉数よりも多い場合には、遊技玉を持玉に変換するように表示画面上に表示される。たとえば、「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」のような表示がされ、遊技者は、計数ボタンによって遊技玉を持玉に変換させるように促される。
上記の操作した場合には、図74に示す画面が表示される。図74の表示画面では、計数ボタンの1回短押下によって60玉分の全ての遊技玉が持玉に変換され、持玉数が合計して90玉となる。一方、遊技玉数は60玉から0玉に減少する。通常、計数ボタンの1回短押下げ当たり100玉分の遊技玉が持玉に変換されるが、上記の場合には、遊技玉が60玉分しかないため全て変換されている。また、再度遊技を開始する場合には、例えば、玉貸ボタン321を押し、持玉から遊技玉へ変換し遊技を開始する。
上記の操作が終了すると、図75に示す画面が表示される。図75の表示画面では、注文商品の問合せ中の画像が表示される。消費玉数の合計である70玉と現在P台での持玉数90玉との間で送受信が行なわれていることを示す矢印表示がなされ、交信中であることが示される。この交信中であることを示す矢印の表示は、具体的には、図75を参照して、まず消費玉数「70」玉からP台の「90」玉の方向に矢印が表示され、「問合せ中」の文字が表示される。
この表示がなされた後に、P台の「90」玉から消費玉数「70」玉の方向へ矢印表示がなされ、「問合せ中」の文字が表示される。これら両表示を複数回繰返して表示する。その表示の後、次に図76の画面が表示される。図76の画面では、「注文商品を受付いたしました。持玉より上記消費玉数分を引落しいたしました。」のメッセージが表示されるとともに、注文商品受付完了の表示がなされて受付けた注文商品の明細および総消費玉数「70」玉であることが表示される。画面右半分には、70玉の消費の結果、現在のP台における持玉数および遊技玉がそれぞれ「20」玉、「0」玉になっていることが表示される。
また、図65、図73の「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」の表示が行なわれている間に玉の発射により遊技玉数が減少して持玉数を必要な持玉数まで更新できなくなると、表示制御部350は、「遊技玉数が減少したためサービスを選択できなくなりました。」のメッセージを表示する制御を行なう。
また、この例では、カード挿入口が1つである場合を説明しているが、会員カードおよびビジターカードが挿入されるカード挿入口を1つずつ設け、消費玉数と比較して遊技玉数と持玉数との合算された玉数より多い決済をビジターカードによって決済を行なう場合には、決済終了後、会員カードを排出せずに、ビジターカードのみを排出させるようにしてもよい。これにより、遊技玉が残っている場合には、会員カードは排出できないようにすることもできる。また、この例において、先に遊技玉の全てについて計数処理を行なうように促し、持玉に変換してワゴンサービス処理を開始させてもよい。
図77は、不正検知処理についてのP台の遊技盤および遊技枠(前枠)との関係を示すブロック図である。図77を参照してパチンコ機(P台)2は、遊技盤26と、遊技枠(前枠)6とを含む。
遊技盤26は、主制御基板16を含み、遊技枠(前枠)6は、払出制御基板17を含む。払出制御基板17は主制御基板16に対して情報要求を行なう。一方、主制御基板16は、払出制御基板17に後に図78で説明をする入賞口情報、ラウンド数、主制御チップIDを送信する。また、カードユニット3(CU3)は、CU制御部323と、セキュリティ基板325とを含む。
セキュリティ基板325は、遊技機チップ情報要求を行い、この要求に対して、払出制御基板17は、主制御チップID、払出制御チップID等を応答としてセキュリティ基板325に送信する。セキュリティ基板325は、受信した主制御チップID、払出制御チップIDをCU制御部323へ送信する。
CU制御部323は、受信した主制御チップID、払出制御チップIDを上位サーバ801へ送信して、それら主制御チップID、払出制御チップIDが登録された正規のものであるか否かの照合を行なってもらう。遊技機メーカが製造したP台2を遊技場に出荷するときに、そのP台2の主制御チップID、払出制御チップIDを遊技機メーカから上位サーバ801へ送信して登録してもらう。従って、遊技場に搬入されたP台2の主制御チップと払出制御チップが、遊技機メーカから出荷された正規のものである場合には、CU制御部323が上位サーバ801へ主制御チップID、払出制御チップIDを送信して照合してもらったときに、登録済みの適正な旨の回答が返信されてくる。しかし、主制御チップや払出制御チップが不正改造されたものであった場合には、未登録で不適正な旨の回答が上位サーバ801から返信されてくる。
CU制御部323は、適正な旨の回答が返信されてきたことを条件としてP台2による遊技を可能にするが、不適正な旨の回答が返信されてきたときには、P台2がリセットされるのを待機するリセット待ち状態となる。
図78は、不正検知処理を行なうために、払出制御基板17の情報要求に対して主制御基板16から送信される情報を説明するための図である。図78を参照して、送信される情報として、(a)入賞口情報と、(b)ラウンド数情報と、(c)主制御チップID情報とを含む。
まず、(a)入賞口情報について、入賞口の種類およびその入賞口からの賞球数の情報(当該入賞口への入賞時に加算される遊技玉数の値)が送信される。このような情報が送信されるのは、不正行為により賞球数が変更され正常の賞球数以上の賞球数を払出させないように防止するためである。
たとえば、始動入賞口については、始動入賞口1〜3が存在し、各始動入賞口に遊技玉が1玉入賞すると、賞球数として3玉がそれぞれ払出される。
また、普通入賞口についても、始動入賞口と同様に、普通入賞口1〜3が存在し、普通入賞口に遊技玉が1玉入賞すると、賞球数として5玉がそれぞれ払出される。
さらに、大入賞口については、1つのみ存在し、大入賞口に遊技玉が1玉入賞すると、賞球数として15玉が払出される。
これら入賞口情報は主制御基板16に設けられた主制御部161のROM等のメモリに記憶されている。
次に、(b)ラウンド数情報について、通常大当たり時において、大入賞口が開かれる回数に制限があり、最大ラウンド数は15回(15ラウンド)である。大当たりが発生すれば15玉の賞球数が頻繁に払出制御基板17に送信されてくるのであるが、このような状態が最大ラウンド数を超えた後も継続するという不正行為を防止する目的で、ラウンド数情報が主制御基板16から送信されてくる。
次に、(c)主制御チップID情報についても、主制御基板16自体が変更されている場合も検知する必要があるため、主制御チップID情報である「XXXXXX」が送信される。遊技盤が適正なものか否かを判断するために払出制御部171へ送信される。
ここで、上記情報を用いて不正検知処理される制御についてフローチャートを用いて説明する。
図79は、電源投入時の不正検知処理の制御を示すフローチャートである。図79を参照して、P台の電源投入されることなどにより、P台の起動が開始されるとステップS651において、主制御基板16からの遊技盤情報(主制御チップID、入賞口情報、ラウンド数情報)を遊技枠(前枠)6の払出制御基板17は入手する。
ステップS652において、払出制御基板17は、フラッシュメモリ装置、ハードディスク装置、および、バックアップRAM等の電源断状態でも次回の電源投入時まで記憶情報の記憶保持が可能な記憶媒体に保持された電源投入以前の遊技盤情報(主制御チップID、入賞口情報、ラウンド数情報)をRAMなどに読み込む。
ステップS653において、払出制御基板17は、電源投入時に送信された主制御チップIDおよび払出制御チップIDをCU3側へ送信する。CU3側は、たとえば、送信された主制御チップIDおよび払出制御チップIDを上位サーバ801に照合を行なう。
ステップS654において、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した主制御チップIDと既に払出制御基板17に保持されていた主制御チップIDとが同一か否かを判断する。
払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した主制御チップIDと既に払出制御基板17に保持されていた主制御チップIDとが同一と判断されれば、ステップS655に処理が進み、入賞口情報の同一性が判断される。
一方、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した主制御チップIDと既に払出制御基板17に保持されていた主制御チップIDとが同一ではないと判断されれば、ステップS659に処理が進む。
次に、ステップS655において、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した入賞口情報と既に払出制御基板17に保持されていた入賞口情報とが同一か否かを判断する。
払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した入賞口情報と既に払出制御基板17に保持されていた入賞口情報とが同一と判断されれば、ステップS656に処理が進み、ラウンド数情報の同一性が判断される。
一方、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手した入賞口情報と既に払出制御基板17に保持されていた入賞口情報とが同一ではないと判断されれば、ステップS658に処理が進み、不正検知情報が上位サーバ801へ発信される。このときに異常報知ランプ等によるエラー表示の制御を行なってもよい。
次に、ステップS656において、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手したラウンド数情報と既に払出制御基板17に保持されていたラウンド数情報とが同一か否かを判断する。
払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手したラウンド数情報と既に払出制御基板17に保持されていたラウンド数情報とが同一と判断されれば、ステップS657に処理が進む。
一方、払出制御基板17は、電源投入時に送信され入手したラウンド数情報と既に払出制御基板17に保持されていたラウンド数情報とが同一ではないと判断されれば、ステップS658に処理が進み、不正検知情報が上位サーバ801へ発信される。このときに異常報知ランプ等によるエラー表示の制御を行なってもよい。
ステップS655およびステップS656の処理の次には、ステップS658において、払出制御部171から不正検知情報が発信され、処理が終了となる(リターン)。
また、ステップS654の処理の次には、ステップS659おいて、電源投入時に送信され入手した主制御チップIDと既に払出制御基板17に保持されていた主制御チップIDとが同一ではないが、主制御チップIDの上位サーバ801への既に登録がされているかどうかの照合結果を取得する。
ステップS659およびステップS660の処理は、下記の目的で設けられている。通常、新たなP台を設置する際に、通常コストを安くするために、遊技盤のみが交換(盤交換)される場合がある。この場合には、払出制御基板に保持されている主制御チップIDと交換された遊技盤の主制御チップIDは異なる。このような盤交換が原因で主制御チップIDが異なる場合に不正検知情報の発信を禁止する必要がある。
従って、新たな遊技盤を設置する場合には、上位サーバ801に最初に主制御チップID等が登録されるため、主制御基板から送信された主制御チップIDが上位サーバ801に登録されているかどうかの判定を上位サーバ801に行なってもらい、その照合結果をCU3経由で払出制御基板17へ送信してもらう。次にS660に処理が進む。
ステップS660において、上記照合結果が適正(上位サーバ801に記憶されている主制御チップIDと主制御部161から送信された主制御チップIDとが同一)であると判断されれば、ステップS657に処理が進む。
一方、上記照合結果が適正(上位サーバ801に記憶されている主制御チップIDと主制御部161から送信された主制御チップIDとが同一)ではないと判断されれば、ステップS670に処理が進み、ステップS670において、異常時処理が行なわれ、処理が終了する(リターン)。
ステップS656およびステップS660の処理の次には、ステップS657において、主制御基板16から送信された遊技盤情報(主制御チップID、入賞口情報、ラウンド数情報)が払出制御基板17に保持され、処理が終了する(リターン)。払出制御基板17は、フラッシュメモリ装置、ハードディスク装置、および、バックアップRAM等の電源断状態でも次回の電源投入時まで記憶情報の記憶保持が可能な記憶媒体を有しており、その記憶媒体に遊技盤情報(主制御チップID、入賞口情報、ラウンド数情報)を記憶保持する。
図80は、遊技中の不正検知処理を表したフローチャートである。図80を参照して、ステップS661において、払出制御基板17は、主制御基板の加算数カウンタの情報を入手する。次に、ステップS662において、払出制御基板17は、払出制御基板17に保持されていた入賞口情報を読み込む。
ステップS663において、ポーリング間隔における加算数カウンタの増加量(増加遊技玉数)が、図78に示された払出制御基板17に保持されていた入賞口情報の賞球数に基づいて生成可能か否かを判断する。
なお、図78に示された入賞口情報と図13に示された遊技情報との関係について説明する。図78に示された入賞口の種類と賞球数とがそれぞれ図13の種別情報と賞球情報とに対応する。
具体的には、始動入賞口1〜3は図13の種別情報1〜3の遊技種別情報1〜3をそれぞれ示し、その賞球数である3玉は図13の賞球情報1〜3の遊技賞球情報1〜3をそれぞれ示す。
次に、普通入賞口1〜3は図13の種別情報4〜6の遊技種別情報4〜6をそれぞれ示し、その賞球数である5玉は図13の賞球情報4〜6の遊技賞球情報4〜6をそれぞれ示す。
また、大入賞口は図13の種別情報7の遊技種別情報7を示し、その賞球数である15玉は図13の賞球情報7の遊技賞球情報7を示す。
ステップS663において、ポーリング間隔における加算数カウンタの増加量(増加遊技玉数)が、払出制御基板17に保持されていた入賞口情報の賞球数に基づいて生成可能と判断された場合、不正検知情報は発信されず、処理は終了する(リターン)。具体的には、増加遊技玉数が9玉のときに、図78に基づくと、始動入賞口1に3玉入賞した場合や始動入賞口1〜3に同時に1玉が入賞した場合で生成可能となる。
一方、ステップS663において、ポーリング間隔における加算数カウンタの増加量(増加遊技玉数)が、払出制御基板17に保持されていた入賞口情報の賞球数に基づいて生成不可能と判断された場合、ステップS664に処理が進む。具体的には、増加遊技玉数が7玉のときに、図78に基づくと、どのような組み合わせ方をしても、7玉を生成することができない。
ステップS664では、遊技機に何かしらの不正行為がなされていることを知らせる不正検知情報がCU3へ発信され、処理は終了する(リターン)。この「不正検知情報」は、具体的には図13の「不正検知情報1」のことである。この不正検知情報1を受信したCU3は、異常報知ランプによる異常報知を行なうとともに、上位サーバ801へその旨の通知を行ない、上位サーバ801で異常が発生したことの報知を行なう。
なお、S663では、ポーリング間隔における加算数カウンタの増加量(増加遊技玉数)が、払出制御基板17に保持されていた入賞口情報の賞球数に基づいて生成可能か否かを判断しているが、さらにそれに加えて、遊技中に主制御部161から送信されてきた加算数カウンタの情報を、記憶保持しているラウンド数情報と比較して整合しているか否か判定してもよい。すなわち、主制御部161から送信されてくる加算数がアップしている状態が大当たりのラウンド数(15回)を超えて継続している場合には、異常と判断する。
図81は、CU3の表示器312にドル箱表示として表示される図の一例である。図81を参照して、図45でも説明したように、大当たり等により、今回(現在)の遊技で獲得した玉数に応じてドル箱表示がCU3側の表示器312に行なわれる。
具体的には、今回の遊技で獲得した玉数を加算玉数累計−減算玉数累計としてプラスかどうかを判断する。または今回の遊技で獲得した玉数として現在の遊技玉数+現在の持玉数−遊技開始時の持玉数としてもよい。なお、ドル箱表示は、計数操作にかかわらず、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった時点で開始してもよい。
なお、ドル箱表示は、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった場合に表示する条件に限定されるものではなく、たとえば、今回の遊技で獲得した玉数が1000玉を越えた場合に表示するなど条件を変更してもよい。
今回(現在)の遊技で獲得した玉数が多くなれば、空玉箱621の数が減少するとともに遊技玉で満たされている玉箱622の数が増加する。一方、大当たりがなく遊技玉が減ってしまうと、玉箱622の数が減少し、空玉箱621の数が増加する。なお、ドル箱表示は、空玉箱621,玉箱622の増減で示されることに限定はされず、図示はしないが、遊技玉数の変化に応じてドル箱表示の色を変化させてもよい。また、遊技玉数の変化に応じて、玉箱622を出現させてもよい。
このドル箱表示は、遊技が開始されると同時に今回(現在)の遊技で獲得した玉数をCU3側で計算を開始する。ここでは、CU3側で計算するとして説明したが、P台2側で計算し、その結果をCU3側へ通知してもよい。
図82は、図1の再プレイボタン319の操作処理について説明するためのフローチャートである。図82を参照して、ステップS681において、遊技者(ユーザ)が図1の再プレイボタン319を押下げられることによって、再プレイボタン319の処理が開始される。
ステップS682において、遊技玉から持玉への計数処理の実行中か否かが判断される。ステップS682により、持玉から遊技玉へ変換する再プレイボタン319による貸出処理とこの貸出処理とは互いに反対の処理である計数処理とを競合させることが防止される。
ステップS682において遊技玉から持玉への計数処理の実行中であると判断されれば、ステップS684に処理が進む。次にステップS684において、再プレイボタン319による操作と計数操作が競合しているため、再プレイボタン319を押下げた操作は無効にされ、処理は終了する(リターン)。再プレイボタン319を押下げた操作が無効にされたときに、「計数処理中のため再プレイボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい。
一方、ステップS682において遊技玉から持玉への計数処理の実行中ではないと判断されれば、ステップS683に処理が進む。次にステップS683において、再プレイボタン319による操作により持玉から遊技玉への貸出処理は実行され、処理が終了する(リターン)。
次に、図83は、計数ボタンの操作処理について説明するためのフローチャートである。図83を参照して、ステップS691において、遊技者(ユーザ)が図1の計数ボタン28を押下げられることによって、計数ボタン28の操作処理が開始される。
ステップS692において、持玉から遊技玉への貸出処理(再プレイボタン319の操作処理)の実行中か否かが判断される。これは図82のステップS682と同様に、ステップS692により持玉から遊技玉へ変換する再プレイボタン319による貸出処理とこの貸出処理とは互いに反対の処理である計数処理とを競合させることが防止される。
ステップS692において持玉から遊技玉への貸出処理の実行中であると判断されれば、ステップS698に処理が進む。次にステップS697において、再プレイボタン319による操作と計数操作が競合しているため、計数ボタンを押下げた操作は無効にされ、処理は終了する(リターン)。計数ボタン28を押下げた操作が無効にされたときに、「持玉・貯玉からの玉貸し処理中のため計数ボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい。
一方、ステップS692において持玉から遊技玉への貸出処理の実行中ではないと判断されれば、ステップS693に処理が進む。次にステップS693において、この処理がなされている時点において遊技中であるか否かが判断される。
ステップS693において遊技中であると判断されれば、ステップS694に処理が進み、遊技中の最低必要遊技玉数の250玉以上の玉数が確保されているかどうかがさらに判断される。ここで最低必要遊技玉数を250玉として説明しているが、これに限定されることはなく、最低必要遊技玉数は任意で設定することができる。
ステップS694において、現在の遊技玉数が250玉以上あると判断されれば、ステップS695に処理が進む。一方、現在の遊技玉数が250玉未満と判断されれば、ステップS698に処理が進む。このステップS694の処理は、遊技中の玉数管理上、最低必要な玉数は確保しておくことがシステム上望ましいために設けられた処理である。
ステップS695は、長押下の場合の計数制御を示しているが、前述の図40の制御とは異なる他の例を示している。ステップS695において、現在の遊技玉数から1秒間に計数処理する遊技玉数(処理玉数)を求める。たとえば、現在の遊技玉数が10000玉以上である場合は処理玉数として2500玉とし、現在の遊技玉数が5000玉以上〜10000玉未満である場合は処理玉数として2000玉とし、現在の遊技玉数が1000玉以上〜5000玉未満である場合は処理玉数として1000玉とし、現在の遊技玉数が200玉以上〜1000玉未満である場合は処理玉数として200玉とし、現在の遊技玉数が200玉未満である場合は処理玉数として現在の遊技玉数として設定され、ステップS696に処理が進む。
ステップS696において、上記設定した処理玉数に応じて、遊技玉から持玉への計数処理が実行される。たとえば、現在の遊技玉数が15000玉である場合は、2500玉を計数した後1秒経過するまで待ち、1秒経過した時点でまた2500玉を計数を計数する動作を繰り返し、2500玉の計数動作を6回繰り返すことにより5秒間かけて全玉の計数が終了する。次に、ステップS697に処理が進む。
ステップS696での複数回にわたる計数動作を表示器54に随時表示する制御がステップS697で実行される、処理が終了する(リターン)。上記した現在の遊技玉数が15000玉である場合は、2500玉を計数した後1秒経過するまで待ち、1秒経過した時点でまた2500玉を計数を計数する動作が6回繰り返すことにより5秒間かけて全玉の計数が終了する状態が表示器54に表示される。
ステップS692およびステップS694の処理の次には、ステップS698において、計数ボタンを押下げた操作を無効にし、処理が終了する(リターン)。ステップS698においては、計数処理とは逆の処理である玉貸処理や、遊技中の玉数管理上不適切である最低必要遊技玉数以下の遊技玉数での計数処理要求を無効にする目的で設けられている。
上記の構成によれば、遊技者が獲得している遊技玉数に応じて1回の計数操作で計数される計数玉数が異なるようになるため、遊技玉が比較的多い場合であってもすべての遊技玉を計数するために必要な計数操作回数が極端に多くなってしまうことがなく、これにより計数ボタンの操作性を向上させることができる。
図84は、計数操作の表示の変形例を示す図である。上記の実施の形態では、計数ボタン28を押下げる回数および時間により、遊技玉が計数される玉数が決定されていた。この変形例では、計数ボタン28の代わりに、表示器54の液晶画面に図84に示されるような全部計数ボタン28aと一部計数ボタン28bとを表示する。
図84を参照して、画面左半分には、全部計数ボタン28aと、一部計数ボタン28bとが表示されている。全部計数ボタン28aは、遊技玉数の全てを持玉に変換する全部計数処理するためのボタンである。一方、一部計数ボタン28bは、遊技玉数の一部を持玉に変換する一部計数処理するためのボタンである。たとえば、持玉共有やワゴンサービスの利用のときに一部計数ボタン28bが利用される。
一方、画面右半分には、テンキー28cが表示され、テンキー28cは0〜9の数字キーと、クリアキー(C)と、イコールキー(=)とを含む。ここでは、数字キー、クリアキー、イコールキーの3種類で構成されているが、これに限らず、様々な機能を持たせるためのキーを配置できる。
遊技者は、このテンキー28cを利用して、計数処理したい遊技玉数を入力し、イコールキーを入力する。これにより、計数処理したい遊技玉数が確定する。その後一部計数ボタン28bを押すことにより、所望の遊技玉数を持玉に変換することができる。ここでは、テンキー28cを利用して先に計数処理したい遊技玉を入力し確定後、一部計数ボタン28bを押す操作で説明したが、これに限らず、一部計数ボタン28bを押した後に、計数処理したい遊技玉数を入力後、イコールキーを入力することで、計数処理が開始される。
計数処理したい遊技玉数の入力を誤った場合には、クリアキーを入力後、所望の変換したい遊技玉数を再度入力することができる。
入力された遊技玉数は、テンキー28cの上部にある表示部分に表示される。この表示部分を遊技者が確認することにより、要求通りの遊技玉数が入力されているかを確認できる。
このような変形例を採用した場合には、遊技玉の全部計数操作と一部計数操作とが可能であるため、各台計数器にて玉の一部を計数することが可能とされる従来の遊技用システムに近い形で、遊技玉のデータを用いた新たなシステムを提供できる。
なお、表示器54はCU3側が制御しているため(図5参照)、表示器54のタッチパネルのタッチ操作の信号がP台2を経由することなくCU3側に入力される。よって、図84に示したような変形例を採用した場合には、CU3に入力されたタッチパネルのタッチ操作信号をそのCU3からP台側の払出制御部171へ送信してやる必要がある。このようなタッチ操作信号は、たとえば、状態情報要求に含めることが考えられる。また、図84に示したような表示は、CU側の表示器312に行なうようにしてもよい。この場合も同様に、CU3に入力されたタッチパネルのタッチ操作信号をそのCU3からP台側の払出制御部171へ送信してやる必要がある。なお、表示器54や表示器312の他に、別途専用のタッチパネル付きの計数専用表示器を設け、P台2側でその計数専用表示器を制御するようにして、その計数専用表示器で図84に示したような表示を行ない、そのタッチ操作信号が直接P台2に入力されるようにしてもよい。また、遊技者の選択により、CU側の表示器312およびP台側の表示器54のいずれにも図84に示したような画面を表示できるようにしてもよい。さらには、図1に示した計数ボタン28を残しつつ、上記のように画面に計数操作ボタンを表示可能としてもよく、あるいは、この変形例を採用した場合には、図1に示した計数ボタン28は削除してもよい。
図85は、電波センサによる払出制御部171およびCU制御部323の制御について説明するためのフローチャートである。図85を参照して、電波センサによる払出制御部171の制御について、ステップS711において、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ検知の通知、または遊技枠電波センサ検知の通知がなされたかどうかについて判断する。
ステップS711において、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ検知の通知、または遊技枠電波センサ検知の通知がなされたと判断されれば、ステップS714に処理が進む。
一方、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ検知の通知および遊技枠電波センサ検知の通知がなされていないと判断されれば、ステップS712に処理が進み、遊技盤または遊技枠に有している電波センサ断線検知の通知が判断される。
ステップS712において、上述したように、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ断線検知の通知、または遊技枠電波センサ断線検知の入力がなされたかどうかについて判断する。
ここで、電波センサの断線検知の方法については、電波センサ検知信号の信号レベル検出を行なっている。具体的には、電波センサ検知信号のレベルとしてHレベル、L1レベル、L0レベルの3種類が用いられる。不正行為により電波センサ検知の通知がされるときの電波センサの信号レベルをHレベルとし、断線により電波センサの信号レベルをL0(接地電位レベル)とし、通常の電波センサの信号レベルL1(>L0)とすることにより、断線検知を行なうことができる。ここでは、信号レベル検出により、断線検知の通知の方法を説明したが、これに限られることはない。たとえば、上記信号レベルH、L1を同じレベルにしてもよい、これにより、複雑な信号レベルを検知することが必要なく費用を低減することができる。
また、上記の例では、各信号の電圧を測定することにより検知したが、各電流を測定することにより検知することもできる。
ステップS712において、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ断線検知の通知、または遊技枠電波センサ断線検知の入力がなされたと判断されれば、ステップS714に処理が進む。
一方、払出制御部171に主制御部161からの遊技盤電波センサ断線検知の通知および遊技枠電波センサ断線検知の入力がなされていないと判断されれば、ステップS713に処理が進む。
ステップS713において、遊技盤電波センサまたは遊技枠電波センサのいずれも不正行為を検知していないと払出制御部171によって判断され、処理が終了する(リターン)。
ステップS711およびステップS721の処理の次には、ステップS714において、遊技盤電波センサまたは遊技枠電波センサにおいて、不正を検知したと払出制御部171によって判断される。ステップS715において、不正を検知したことをCU3側へ通知すること(不正通知)によって処理が終了する(リターン)。
一方、ステップS716において、CU制御部323はステップS715の処理によって払出制御部171からの不正通知を受信し、ステップS717に処理が進む。
ステップS717において、CU制御部323は、ホール用管理コンピュータへ不正を通知し、ステップS718に処理が進む。
ステップS718において、CU制御部323は、異常報知ランプを作動させ、処理が終了する(リターン)。この異常報知ランプが作動することによりホール管理者は、不正が行なわれている可能性のある遊技機を短時間に遊技機の動作状況を確認することができ、不正行為を防止することができる。
<CU制御部とSCとの間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に、図6に示したCU3内での通信について説明する。特に、CU制御部323と、セキュリティ基板325のセキュリティチップ(SC)325bとの間の通信について説明する。まず、図86を参照して、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図86には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU制御部323からSC325bに対して基板接続要求という名称のコマンドが送信される。この基板接続要求のコマンドは、SC325bに対して遊技機(P台2)との接続を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板接続応答という名称のレスポンスが送信される。この基板接続応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板接続要求の応答を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵要求のコマンドが送信される。この基板出荷鍵要求のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板出荷鍵応答のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求1のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答1のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求2のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答2のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して機器認証要求1のコマンドが送信される。この機器認証要求1のコマンドは、SC325bに対して機器の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して機器認証応答1のレスポンスが送信される。この機器認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して機器の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して機器認証要求2のコマンドが送信される。この機器認証要求2のコマンドは、SC325bに対して機器の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して機器認証応答2のレスポンスが送信される。この機器認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して機器の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証結果通知のコマンドが送信される。この基板認証結果通知のコマンドは、SC325bに対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証結果応答のレスポンスが送信される。この基板認証結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板問合せ情報要求のコマンドが送信される。この基板問合せ情報要求のコマンドは、SC325bに対して基板問合せ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板問合せ情報応答のレスポンスが送信される。この基板問合せ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板情報通知のコマンドが送信される。この基板情報通知のコマンドは、SC325bに対して基板情報を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板情報通知応答のレスポンスが送信される。この基板情報通知応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板情報通知を受信したことを応答するものである。
CU制御部323からSC325bに対して遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドが送信される。この遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドは、SC325bに対して遊技機チップの問合せ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスが送信される。この遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して遊技機チップの問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して遊技機チップ照合結果通知のコマンドが送信される。この遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、SC325bに対して遊技機チップ情報の照合結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して遊技機チップ照合結果応答のレスポンスが送信される。この遊技機チップ照合結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対して遊技機チップ照合結果を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して動作情報要求のコマンドが送信される。この動作情報要求のコマンドは、SC325bに対して動作情報を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して動作情報応答のレスポンスが送信される。この動作情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して動作情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して動作情報通知結果のコマンドが送信される。この動作情報通知結果のコマンドは、SC325bに対して動作情報の通知結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して動作情報通知結果応答のレスポンスが送信される。この動作情報通知結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対して動作情報通知結果を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してカウンタ情報要求のコマンドが送信される。このカウンタ情報要求のコマンドは、SC325bに対してカウンタ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対してカウンタ情報応答のレスポンスが送信される。このカウンタ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対してカウンタ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して通信鍵要求のコマンドが送信される。この通信鍵要求のコマンドは、SC325bに対して通信鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して通信鍵応答のレスポンスが送信される。この通信鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して通信鍵を要求するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板状態要求のコマンドが送信される。この基板状態要求のコマンドは、SC325bに対して基板状態を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板状態応答のレスポンスが送信される。この基板状態応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板状態を通知するものである。
次に、図87〜図118に基づいて、図86に示したコマンド/レスポンスの基板接続要求、基板接続応答、基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答、基板シリアルID認証要求1、基板シリアルID認証応答1、基板シリアルID認証要求2、基板シリアルID認証応答2、機器認証要求1、機器認証応答1、機器認証要求2、機器認証応答2、基板認証結果通知、基板認証結果応答、基板問合せ情報要求、基板問合せ情報応答、基板情報通知、基板情報通知応答、遊技機チップ問合せ情報要求、遊技機チップ問合せ情報応答、遊技機チップ照合結果通知、遊技機チップ照合結果応答、動作情報要求、動作情報応答、動作情報通知結果、動作情報通知結果応答、カウンタ情報要求、カウンタ情報応答、通信鍵要求、通信鍵応答、基板状態要求、および基板状態応答について、その内容を詳細に説明する。
まず、図87を参照して、CU制御部323からSC325bに基板接続要求のコマンドが送信される。送信される基板接続要求のコマンドは、SC325bに対してカードユニット情報を通知して、遊技機(P台2)との接続を要求するものである。
この基板接続要求の具体的データには、図87の下方に示されているように、通番、コマンド、ホールコード、台番号、およびメーカコードのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板接続要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x60”である。
ホールコードは、遊技機を設置する店舗を識別するためのコード(設置店舗コード)である。台番号は、遊技台を識別するための番号である。メーカコードカードユニットは、カードユニット(CU)3を製造したメーカを識別するためのコードである。
図88を参照して、SC325bからCU制御部323に基板接続応答のレスポンスが送信される。送信される基板接続応答のレスポンスは、CU制御部323に対して接続要求を受付けたことを通知するものである。
この基板接続応答の具体的データには、図88の下方に示されているように、通番、コマンド、および受付結果のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板接続応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x70”である。
受付結果は、CU制御部323からSC325bに送信された基板接続要求のコマンドを受付けた結果を示すデータであり、“0x00”のときOKを、“0x01”のときNGをそれぞれ示している。
図89を参照して、CU制御部323からSC325bに基板出荷鍵要求のコマンドが送信される。送信される基板出荷鍵要求のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板325の出荷鍵(テスト用鍵)を要求するものである。
この基板出荷鍵要求の具体的データには、図89の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板出荷鍵要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x61”である。
図90を参照して、SC325bからCU制御部323に基板出荷鍵応答のレスポンスが送信される。送信される基板出荷鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ基板325の出荷鍵(テスト用鍵)を通知するものである。
この基板出荷鍵応答の具体的データには、図90の下方に示されているように、通番、コマンド、基板出荷鍵、および基板出荷用MAC(Message Authentication Code)鍵のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板出荷鍵応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x71”である。
基板出荷鍵は、セキュリティ基板出荷鍵であり、遊技場に出荷する以前の段階でCU制御部323とSC325bとの間で通信テストを行なうときに電文を暗号化するために用いる暗号鍵である。基板出荷用MAC鍵は、セキュリティ基板出荷鍵用MAC鍵であり、遊技場に出荷する以前の段階でCU制御部323とSC325bとの間で通信テストを行なうときに、後述するMACを暗号化するために用いる暗号鍵である。
図91を参照して、CU制御部323からSC325bに基板シリアルID認証要求1のコマンドが送信される。送信される基板シリアルID認証要求1のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板325の基板シリアルIDの認証を要求するものである。
この基板シリアルID認証要求1の具体的データには、図91の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板シリアルID認証要求1のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x40”である。
図92を参照して、SC325bからCU制御部323に基板シリアルID認証応答1のレスポンスが送信される。送信される基板シリアルID認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を応答するものである。なお、基板シリアルID認証応答1は、チャレンジコードの通知を行なう。
この基板シリアルID認証応答1の具体的データには、図92の下方に示されているように、通番、コマンド、およびチャレンジコードのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板シリアルID認証応答1のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x50”である。
チャレンジコードは、パスワードの認証に用いられるチャレンジ/レスポンス方式に用いるコードで、CU制御部323に送信するランダムな数値列を含むコードである。
図93を参照して、CU制御部323からSC325bに基板シリアルID認証要求2のコマンドが送信される。送信される基板シリアルID認証要求2のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板325の基板シリアルIDの認証を要求するものである。なお、基板シリアルID認証要求2は、レスポンスコードの応答を行なう。
この基板シリアルID認証要求2の具体的データには、図93の下方に示されているように、通番、コマンド、レスポンスコード、およびレスポンス計算データのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板シリアルID認証要求2のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x41”である。
レスポンスコードは、パスワードの認証に用いられるチャレンジ/レスポンス方式に用いるコードで、チャレンジコードに対して所定の演算処理(レスポンス計算)を行なった結果のデータを含むコードである。レスポンス計算データは、レスポンス計算に使用した乱数値である。具体的に、レスポンスコードは、検証側の48バイトと証明側の32バイトとを使用したチャレンジコードを、パスフレーズである基板シリアルID(16バイト)の暗号鍵で暗号化して、ハッシュ関数を利用して演算した値である。
図94を参照して、SC325bからCU制御部323に基板シリアルID認証応答2のレスポンスが送信される。送信される基板シリアルID認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対してレスポンスコードのチェックを行なった結果を通知するものである。
この基板シリアルID認証応答2の具体的データには、図94の下方に示されているように、通番、コマンド、および認証結果のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板シリアルID認証応答2のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x51”である。
認証結果は、パスワードの認証に用いられるチャレンジ/レスポンス方式を行った結果を表わし、“0x00”の場合“OK”を表わす。なお、認証結果が“NG”の場合、SC325bはCU制御部323に“NG”の通知を行なうことなく認証結果を“OK”として通知する。
図95を参照して、CU制御部323からSC325bに機器認証要求1のコマンドが送信される。送信される機器認証要求1のコマンドは、SC325bに対して認証情報を要求するものである。
この機器認証要求1の具体的データには、図95の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、機器認証要求1のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x42”である。
図96を参照して、SC325bからCU制御部323に機器認証応答1のレスポンスが送信される。送信される機器認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して認証情報を通知するものである。
この機器認証応答1の具体的データには、図96の下方に示されているように、通番、コマンド、認証情報、乱数およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、機器認証応答1のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x52”である。
認証情報は、乱数Aである。乱数は、暗号用パディング文字である。暗号用パディング文字とは、暗号対象となる電文(平文)をデータ長16バイトの暗号鍵で暗号化できるようにするべく、電文(平文)に所定のデータ長の暗号用パディング文字を追加して暗号鍵のデータ長に合わせるためのものである。MACは、メッセージ認証コードである。たとえば、生成した乱数Aを所定のハッシュ関数を利用して演算した値をMACとする。つまり生成した乱数Aのメッセージ・ダイジェストがMACとなる。なお、機器認証応答1の通信には、第1セキュリティーモード(以下、SE1モードと称す)で基板初期鍵、基板認証鍵または基板出荷鍵(以下、基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵と称す)を用いて暗号化された暗号文が送信される。SE1モードは、鍵を加算更新せず、常に固定の鍵を用いて暗号化する低セキュリティーモードの暗号方式である。基板初期鍵および基板認証鍵については、後述する。
図97を参照して、CU制御部323からSC325bに機器認証要求2のコマンドが送信される。送信される機器認証要求2のコマンドは、SC325bに対して認証結果と認証情報とを通知するものである。
この機器認証要求2の具体的データには、図97の下方に示されているように、通番、コマンド、認証結果、認証情報、乱数、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、機器認証要求2のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x43”である。
認証結果は、機器認証を行った結果を表わし、“0x00”の場合“OK”を表わす。なお、認証結果が“NG”の場合、SC325bはCU制御部323に“NG”の通知を行なうことなく認証結果を“OK”として通知する。
認証情報は、乱数Bである。乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、機器認証要求2の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図98を参照して、SC325bからCU制御部323に機器認証応答2のレスポンスが送信される。送信される機器認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して認証結果を通知するものである。
この機器認証応答2の具体的データには、図98の下方に示されているように、通番、コマンド、認証結果、乱数およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、機器認証応答2のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x53”である。
認証結果は、機器認証を行った結果を表わし、“0x00”の場合“OK”を表わす。なお、認証結果が“NG”の場合、SC325bはCU制御部323に“NG”の通知を行なうことなく認証結果を“OK”として通知する。乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、機器認証応答2の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図99を参照して、CU制御部323からSC325bに基板認証結果通知のコマンドが送信される。送信される基板認証結果通知のコマンドは、SC325bに対して、CU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。
この基板認証結果通知の具体的データには、図99の下方に示されているように、通番、コマンド、認証結果、乱数、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板認証結果通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x44”である。
認証結果は、機器認証を行った結果を表わし、“0x00”の場合“OK”を、“0x01”の場合“NG”をそれぞれ表わす。
乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板認証結果通知の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図100を参照して、SC325bからCU制御部323に基板認証結果応答のレスポンスが送信される。送信される基板認証結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、CU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。
この基板認証結果応答の具体的データには、図100の下方に示されているように、通番、コマンド、認証結果、乱数およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板認証結果応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x54”である。
認証結果は、機器認証を行った結果を表わし、“0x00”の場合“OK”を、“0x01”の場合“NG”をそれぞれ表わす。乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板認証結果応答の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図101を参照して、CU制御部323からSC325bに基板問合せ情報要求のコマンドが送信される。送信される基板問合せ情報要求のコマンドは、SC325bに対して、セキュリティ基板325の問合せ情報を要求する。
この基板問合せ情報要求の具体的データには、図101の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板問合せ情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x45”である。
図102を参照して、SC325bからCU制御部323に基板問合せ情報応答のレスポンスが送信される。送信される基板問合せ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、セキュリティ基板325の問合せ情報を通知するものである。
この基板問合せ情報応答の具体的データには、図102の下方に示されているように、通番、コマンド、基板シリアル番号、問合せ情報、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板問合せ情報応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x55”である。
基板シリアル番号は、セキュリティ基板325を識別するためのセキュリティ基板325のシリアル番号である。問合せ情報は、セキュリティ基板325の問合せ情報である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板認証結果応答の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図103を参照して、CU制御部323からSC325bに基板情報通知のコマンドが送信される。送信される基板情報通知のコマンドは、SC325bに対して、上位装置から受信したセキュリティ基板325の情報を要求するものである。
この基板情報通知の具体的データには、図103の下方に示されているように、通番、コマンド、問合せ結果、基板情報、乱数、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板情報通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x46”である。
問合せ結果は、上位装置から受信したセキュリティ基板325の問合せ情報の結果であり、“0x00”の場合“基板情報有”を、“0x01”の場合“基板情報無(上位装置オフライン)”を、“0x02”の場合“基板情報無(上位装置オンライン)”をそれぞれ表わしている。
基板情報は、上位装置から受信したセキュリティ基板325の問合せ情報のデータであり、問合せ結果が“基板情報有”の場合にのみ有効である。乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板情報通知の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図104を参照して、SC325bからCU制御部323に基板情報通知応答のレスポンスが送信される。送信される基板情報通知応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、基板情報通知を正常に受信したことを通知するものである。
この基板情報通知応答の具体的データには、図104の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板情報通知応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x56”である。
図105を参照して、CU制御部323からSC325bに遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドが送信される。送信される遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドは、SC325bに対して、上位装置に問合せする遊技機チップ情報を要求するものである。
この遊技機チップ問合せ情報要求の具体的データには、図105の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x47”である。
図106を参照して、SC325bからCU制御部323に遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスが送信される。送信される遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、上位装置に問合せる遊技機チップ情報を通知するものである。
この遊技機チップ問合せ情報応答の具体的データには、図106の下方に示されているように、通番、コマンド、主制御チップ番号、払出制御チップ番号、問合せ情報、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、遊技機チップ問合せ情報応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x57”である。
主制御チップ番号は、上位装置に問合せる遊技機チップ情報の遊技機主制御チップ番号である。払出制御チップ番号は、上位装置に問合せる遊技機チップ情報の遊技機払出制御チップ番号である。問合せ情報は、上位装置に問合せる遊技機チップ情報を表わすデータである。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板認証結果応答の通信には、第2セキュリティモード(以下、SE2モードと称す)で通信鍵(セッション鍵)を用いて暗号化された暗号文が送信される。SE2モードは、平文に対してエクスクルーシブオア(排他的論理和)を行なうデータの元となるカウント値(鍵)を加算更新する高セキュリティーモードである。通信鍵は、CU制御部323とSC325bとの間の通信に用いる暗号鍵である。
図107を参照して、CU制御部323からSC325bに遊技機チップ照合結果通知のコマンドが送信される。送信される遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、SC325bに対して、上位装置から受信した遊技機チップ情報の照合結果を通知するものである。
この遊技機チップ照合結果通知の具体的データには、図107の下方に示されているように、通番、コマンド、照合結果、および照合結果情報のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、遊技機チップ照合結果通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x48”である。
照合結果は、上位装置から受信した遊技機チップ情報を照合した結果であり、“0x00”の場合“照合結果有”を、“0x01”の場合“照合結果無(上位装置オフライン)”を、“0x02”の場合“照合結果無(上位装置オンライン)”をそれぞれ表わしている。
照合結果情報は、上位装置から受信した遊技機チップ情報を照合した結果のデータであり、照合結果が“照合結果有”の場合にのみ有効である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、基板情報通知の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図108を参照して、SC325bからCU制御部323に遊技機チップ照合結果応答のレスポンスが送信される。送信される遊技機チップ照合結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、遊技機チップ照合結果通知コマンドを正常に受信したことを通知するものである。
この遊技機チップ照合結果応答の具体的データには、図108の下方に示されているように、通番、コマンド、照合結果、メーカコード、および型式コードのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、遊技機チップ照合結果応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x58”である。
照合結果は、遊技機チップ照合結果であり、“0x00”の場合“照合OK”を、“0x01”の場合“照合NG”をそれぞれ表わしている。メーカコードは、遊技台のメーカを識別するための遊技台メーカコードであり、照合結果が“照合OK”の場合にのみ有効である。型式コードは、遊技台の型式を識別するための遊技台型式コードであり、照合結果が“照合OK”の場合にのみ有効である。なお、遊技機チップ照合結果応答の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図109を参照して、CU制御部323からSC325bに動作情報要求のコマンドが送信される。送信される動作情報要求のコマンドは、SC325bに対して、上位装置に通知する動作情報・エラー情報を要求するものである。
この動作情報要求の具体的データには、図109の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、動作情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x49”である。
図110を参照して、SC325bからCU制御部323に動作情報応答のレスポンスが送信される。送信される動作情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、上位装置に通知する動作情報・エラー情報を応答するものである。
この動作情報応答の具体的データには、図110の下方に示されているように、通番、コマンド、動作情報、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、動作情報応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x59”である。
動作情報は、上位装置に通知する動作情報・エラー情報を表わすデータである。MACは、メッセージ認証コードである。なお、遊技機チップ照合結果応答の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図111を参照して、CU制御部323からSC325bに動作情報通知結果のコマンドが送信される。送信される動作情報通知結果のコマンドは、SC325bに対して、上位装置から受信した動作情報応答を通知するものである。
この動作情報通知結果の具体的データには、図111の下方に示されているように、通番、コマンド、通知結果、通知結果情報、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、動作情報通知結果のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x4A”である。
通知結果は、上位装置から受信した動作情報の通知結果であり、“0x00”の場合“通知結果有”を、“0x01”の場合“通知結果無(上位装置オフライン)”を、“0x02”の場合“通知結果無(上位装置オンライン)”をそれぞれ表わしている。
通知結果情報は、上位装置から受信したエラー情報通知結果の情報であり、通知結果が“通知結果有”の場合にのみ有効である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、動作情報通知結果に用いる暗号鍵の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図112を参照して、SC325bからCU制御部323に動作情報通知結果応答のレスポンスが送信される。送信される動作情報通知結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、動作情報通知結果コマンドを正常に受信したことを通知するものである。
この動作情報通知結果応答の具体的データには、図112の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、動作情報通知結果応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x5A”である。
図113を参照して、CU制御部323からSC325bにカウンタ情報要求のコマンドが送信される。送信されるカウンタ情報要求のコマンドは、SC325bに対して、SE2モードのカウンタ値(初期ベクタ部の値)を要求する。
このカウンタ情報要求の具体的データには、図113の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カウンタ情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x62”である。
図114を参照して、SC325bからCU制御部323にカウンタ情報応答のレスポンスが送信される。送信されるカウンタ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、SE2モードのカウンタ値(初期ベクタ部の値)を通知するものである。
このカウンタ情報応答の具体的データには、図114の下方に示されているように、通番、コマンド、上りカウンタ値、下りカウンタ値、乱数、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カウンタ情報応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x72”である。
上りカウンタ値は、SC325bからCU制御部323への通信に用いられるSE2モードのカウンタ値(初期ベクタ部の値)である。下りカウンタ値は、CU制御部323からSC325bへの通信に用いられるSE2モードのカウンタ値(初期ベクタ部の値)である。乱数は、暗号用パディング文字である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、カウンタ情報応答の通信には、SE1モードで基板初期鍵/認証鍵/出荷鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。上りカウンタ値(初期ベクタ部の値)は、たとえば、SC325bが乱数を生成し、その乱数を上りカウンタ値(初期ベクタ部の値)とする。下りカウンタ値(初期ベクタ部の値)は、たとえば、SC325bが上記上りカウンタ値(初期ベクタ部の値)の乱数以外の乱数を生成し、その乱数を下りカウンタ値(初期ベクタ部の値)とする。
図115を参照して、CU制御部323からSC325bに通信鍵要求のコマンドが送信される。送信される通信鍵要求のコマンドは、SC325bに対して、通信用の暗号鍵である通信鍵を要求する。
この通信鍵要求の具体的データには、図115の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信鍵要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x63”である。
図116を参照して、SC325bからCU制御部323に通信鍵応答のレスポンスが送信される。送信される通信鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、通信用の暗号鍵である通信鍵を通知するものである。
この通信鍵応答の具体的データには、図116の下方に示されているように、通番、コマンド、通信鍵、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信鍵応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x73”である。
通信鍵は、通信用の暗号鍵である通信鍵を表わすデータである。MACは、メッセージ認証コードである。なお、カウンタ情報応答の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
図117を参照して、CU制御部323からSC325bに基板状態要求のコマンドが送信される。送信される基板状態要求のコマンドは、SC325bに対して、セキュリティ基板325、および遊技機の状態を要求する。
この基板状態要求の具体的データには、図117の下方に示されているように、通番、およびコマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。CU制御部323は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通基板状態要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x4F”である。
図118を参照して、SC325bからCU制御部323に基板状態応答のレスポンスが送信される。送信される基板状態応答のレスポンスは、CU制御部323に対して、セキュリティ基板325、および遊技機の状態を通知するものである。
この基板状態応答の具体的データには、図118の下方に示されているように、通番、コマンド、基板状態、エラー状態、およびMACのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)まで値である。SC325bは、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、基板状態応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x5F”である。
基板状態は、セキュリティ基板325、および遊技機の状態を表わすデータである。基板状態は、Bit0が“1”のときに遊技機のReady状態を、Bit1が“1”のとき上位装置送信要求(遊技機チップ情報照合要求)を、Bit2が“1”のとき上位装置送信要求(動作情報送信要求)をそれぞれ表わしている。なお、Bit3〜Bit7は未使用である。
エラー状態は、セキュリティ基板325、および遊技機のエラー状態を表わすデータである。エラー状態は、Bit0が“1”のときに通信回線断を、Bit1が“1”のとき通信異常を、Bit2が“1”のとき認証異常を、Bit3が“1”のとき不正検知をそれぞれ表わしている。なお、Bit4〜Bit7は未使用である。MACは、メッセージ認証コードである。なお、カウンタ情報応答の通信には、SE2モードで通信鍵を用いて暗号化された暗号文が送信される。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図119〜図134に基づいて、CU制御部323におけるCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bで実行される処理とを説明する。
まず、図119を参照して、CU制御部323とSC325bとの間でのコマンドおよびレスポンスの送受信の態様を説明する。特に、CU制御部323がコマンド(要求)を発行し、そのレスポンス(応答)により処理結果を得るパターンについて説明する。まず、CU制御部323(1次局)からSC325b(2次局)に対してコマンドが送信され、SC325bはそのコマンドに応答してレスポンスをCU制御部323に返信する。CU制御部323は、そのレスポンスを受信した後次のコマンドをSC325bに送信し、SC325bはそのコマンドに応答してCU制御部323へ返信する。
図119に示すように、CU制御部323は、SC325bにコマンドを送信した後、SC325bからレスポンスを待つ。SC325bは、CU制御部323からのコマンドを受信後、該当の処理を行ない、CU制御部323に処理結果のレスポンスを送信する。
次に、図120を参照して、CU制御部323とSC325bとの間でのコマンドおよびレスポンスの送受信について、CU制御部323が上位装置に問合せ、その結果をSC325bに通知するパターンについて説明する。まず、CU制御部323(1次局)からSC325b(2次局)に対して基板状態要求のコマンドが送信される。SC325bは、CU制御部323からのコマンドを受信後、該当の処理を行なうことで上位装置(上位サーバ801や鍵管理サーバ800等)に問合せや通知する情報が生じた時、上位装置送信要求有のレスポンスを設定する。具体的に、SC325bは、CU制御部323に対して、上位装置送信要求有を設定を含む基板状態応答のレスポンスを送信する。なお、基板状態応答のレスポンスには、遊技機チップ情報照合要求と、動作情報送信要求とのいずれかの上位装置送信要求有の設定が含まれる。なお、以下の説明では、基板状態応答のレスポンスに、動作情報送信要求の上位装置送信要求有の設定が含まれる場合について説明する。
基板状態応答のレスポンスを受信したCU制御部323は、上位装置送信要求の内容を検出するために、SC325bに対して基板問合せ情報要求のコマンドを送信し、SC325bからのレスポンスを待つ。
SC325bは、CU制御部323からの基板問合せ情報要求のコマンドを受信後、上位装置送信要求の内容(たとえば、照合する基板シリアル番号や問合せ情報)を含む基板問合せ情報応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、SC325bらの基板問合せ情報応答を受信すると、上位装置に、たとえば照合するセキュリティ基板325の基板シリアル番号やセキュリティ基板325の問合せ情報を問合せ、その応答を待つ。なお、上位装置に問合せている間、CU制御部323は、SC325bに対してコマンドを送信しない。
CU制御部323は、上位装置から応答を受信した場合、SC325bに対して問合せたセキュリティ基板325の基板シリアル番号やセキュリティ基板325の問合せ情報の照合結果を含む基板情報通知のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板情報通知のコマンドを受信後、該当処理を行ない、基板情報通知のコマンドを正常に受信したことを通知する基板情報通知応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
次に、図121を参照して、CU制御部323側で通信回線断を検知するための処理を説明する。CU制御部323は、SC325bとの認証完了後、一定周期(600ms)でSC325bの状態の監視を行なう。CU制御部323は、SC325bの状態を監視することにより、上位装置への送信要求、遊技機のエラー等を検知することができる。
CU制御部323は、SC325bに対して600ms周期で基板状態要求のコマンドを送信する。SC325bは、CU制御部323からのコマンドを受信後、該当の処理を行ない、上位装置への送信要求、遊技機のエラー等を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
なお、ここでは、SC325bに対して基板状態要求のコマンドを送信する周期を600msとしたが、送信する周期をこれよりも長い周期としても、また、より短い周期としてもよい。
次に、図122を参照して、CU制御部323側で通信回線断を検知するための処理を説明する。CU制御部323は、SC325bに対してコマンドを送信後、200ms間にレスポンスを受信できなかった場合には、再度同じコマンドをSC325bに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをSC325bに送信するという2回目の再送を行なう。2回目の再送を行なってから200ms後までにSC325bからレスポンスを受信できなかった場合には、CU制御部323はこの段階で通信異常と判断して「通信回線断」とする。
CU制御部323は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
次に、図123を参照して、CU制御部323の電源投入・通常立上の処理を説明する。この図123は、CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いた通常立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的には上位サーバ801より)基板初期鍵を取得するとともに、SC325bにカードユニット情報を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。ここで、基板初期鍵は、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、上位サーバ801からダウンロードしてCU制御部323に記憶する暗号鍵であり、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバ800に記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、該当処理を行ない、CU制御部323に対して接続要求を受付けたことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に上位サーバ801より取得した基板初期鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行ない、機器認証を行なうことができた場合に認証OKとなる。なお、機器認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に上位サーバ801より取得した基板初期鍵を用い、SE1モードで基板情報取得シーケンスを行ない、基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。基板情報は、鍵管理センタの鍵管理サーバ800から取得し、基板シリアルIDと基板認証鍵とを含んでいる。なお、基板情報取得シーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバ800からダウンロードしてCU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。鍵管理サーバ800は、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
基板情報取得シーケンスで基板情報を取得することができた場合、基板シリアルID認証シーケンスおよび機器認証シーケンスを実行する。基板シリアルID認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板シリアルIDを認証する。なお、基板シリアルID認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。基板シリアルID認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に鍵管理サーバ800より取得した基板認証鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行なう。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を暗号鍵に用いる。基板初期鍵を用いた場合には通信鍵はその基板初期鍵を用いて生成され、認証鍵を用いた場合には通信鍵はその認証鍵を用いて生成される。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスの処理後、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証処理を実施する。その間、CU制御部323は、定周期で基板状態を監視している。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機チップ情報認証シーケンスを行ない、遊技機チップ情報を認証する。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機通信開始シーケンスを行ない、遊技機との業務電文通信を開始する。なお、遊技機通信開始シーケンスの詳細な処理については、後述する。以上の処理を行なうことで、CU制御部323は、遊技機と業務電文通信が可能となる。
次に、図124を参照して、CU制御部323の電源投入・通常立上の処理を説明する。この図124は、CU3が遊技場に設置されて初回の電源立上げを終了した後の2回目以降の電源立上げ時のシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた通常立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323は、起動するとSC325bにカードユニット情報を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。なお、CU制御部323は、鍵管理センタの鍵管理サーバ800より基板認証鍵を取得済みである。前述したように、鍵管理サーバ800は、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶しており、CU制御部323が基板シリアル番号等を上位サーバ801経由で鍵管理サーバ800へ送信し、それに対応して記憶されている基板認証鍵を鍵管理サーバ800が上位サーバ801経由でCU制御部323へ送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、該当処理を行ない、CU制御部323に対して接続要求を受付けたことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、基板シリアルID認証シーケンスを行ない、CU制御部323とSC325bとの間で基板シリアルIDを認証する。なお、基板シリアルID認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行ない、機器認証を行なうことができた場合に認証OKとなる。なお、機器認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、SE1モードで通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。なお、通信鍵交換シーケンスの詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスの処理後、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証処理を実施する。その間、CU制御部323は、定周期で基板状態を監視している。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機チップ情報認証シーケンスを行ない、遊技機チップ情報を認証する。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機通信開始シーケンスを行ない、遊技機との業務電文通信を開始する。なお、遊技機通信開始シーケンスの詳細な処理については、後述する。以上の処理を行なうことで、CU制御部323は、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことが、本認証鍵(基板認証鍵)を利用しての運用処理である。
次に、図125を参照して、CU制御部323の電源投入・工場集荷の処理を説明する。この図125は、CU3が遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323およびSC325bにおける処理である。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323は、起動するとSC325bにカードユニット情報を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。なお、CU制御部323は、上位装置(具体的には上位サーバ801)と未接続のため基板初期鍵を未だ取得していない。すなわち、CU制御部323が上位サーバ801と接続されていない場合には基板初期鍵を用いた制御はできない。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、該当処理を行ない、CU制御部323に対して接続要求を受付けたことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、機器認証シーケンスを行なうが、上位サーバ801と接続していないため暗号鍵に用いる基板初期鍵を取得しておらず、機器認証を行なった結果認証NGとなる。なお、機器認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
機器認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323は、SC325bにセキュリティ基板325のテストに用いる基板出荷鍵を要求する、基板出荷鍵要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、CU制御部323から基板出荷鍵要求のコマンドを受信後、基板出荷鍵を含む基板出荷鍵応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にSC325bより取得した基板出荷鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行なう。なお、機器認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、SE1モードで通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。なお、通信鍵交換シーケンスの詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスの処理後、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証処理を実施する。その間、CU制御部323は、定周期で基板状態を監視している。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機通信開始シーケンスを行ない、遊技機との業務電文通信を開始する。なお、遊技機通信開始シーケンスの詳細な処理については、後述する。また、基板出荷鍵を用いて通信鍵を生成しているため、CU制御部323は、遊技機と通信テスト電文のみ通信が可能となる。
そのため、CU制御部323は、SC325bに対して、通信テスト電文を含む通信テスト要求のコマンドを送信する。SC325bは、CU制御部323より通信テスト要求のコマンドを受信後、通信テスト電文を含む通信テスト応答のレスポンスを返信する。なお、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、通信テスト電文をSE2モードで暗号化する。
次に、図126を参照して、遊技機の電源を再投入する場合の処理を説明する。
CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用いてSE2モードで通信を行なう。なお、セキュリティ基板325は遊技機と通信中である。
CU制御部323は、定周期で基板状態を監視しているため、SC325bで遊技機との間で通信回線断が生じていることを検知した場合でも、遊技機との間で通信回線断が生じていることを検知することができる。
具体的に、CU制御部323は、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで基板状態要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、CU制御部323より基板状態要求のコマンドを受信後、通信回線断=ONの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。CU制御部323は、SC325bより基板状態応答のレスポンスを受信することで、遊技機との間で通信回線断が生じていることを検知することができる。
その後、遊技機の電源が再投入されて、遊技機との間で通信回線が復旧すると、SC325bは、遊技機との間で通信回線が復旧したことを検知する。
そして、CU制御部323は、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで基板状態要求のコマンドをSC325bに送信し、SC325bが、CU制御部323より基板状態要求のコマンドを受信後、通信回線断=OFFの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。これにより、CU制御部323は、SC325bより基板状態応答のレスポンスを受信することで、遊技機との間で通信回線が復旧したことを検知することができる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機チップ情報認証シーケンスを行ない、遊技機チップ情報を認証する。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで遊技機通信開始シーケンスを行ない、遊技機との業務電文通信を開始する。なお、遊技機通信開始シーケンスの詳細な処理については、後述する。以上の処理を行なうことで、CU制御部323は、遊技機と業務電文通信が可能となる。
次に、図127を参照して、基板情報を取得する場合の処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、基板問合せ情報要求のコマンドを送信する。なお、送信する基板問合せ情報要求のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
基板問合せ情報要求のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的には上位サーバ801経由で鍵管理サーバ800)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、基板問合せ情報応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する基板問合せ情報応答のレスポンスは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
基板問合せ情報応答のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的には上位サーバ801経由で鍵管理サーバ800)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。基板情報問合せ中、CU制御部323は、SC325bに対してコマンドを送信しない。
その後、CU制御部323は、上位装置から基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信すると、当該問合せ結果を保存するとともに、SC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、問合せ結果である基板シリアルIDおよび基板認証鍵を含む基板情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信する基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
SC325bは、基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ結果を基板情報問合せ結果として保持し、基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323に通知するために、基板情報通知応答のレスポンスを返信する。なお、返信する基板情報通知応答のレスポンスは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
次に、図128を参照して、遊技機チップ情報認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、定周期で基板状態を監視しており、SC325bに対して基板状態要求のコマンドを送信する。なお、送信する基板状態要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
基板状態要求のコマンドを受信したSC325bは、遊技機チップ情報の取得をまだ完了していないので、遊技機チップ照合要求=OFFの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する基板状態応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
SC325bが遊技機チップ情報の取得を完了するまで、CU制御部323とSC325bとの間で、基板状態要求のコマンドと基板状態応答のレスポンスとを送受信する。そのため、基板状態要求のコマンドを受信したSC325bは、遊技機チップ情報の取得を完了していた場合、遊技機チップ照合要求=ONの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。
その後、CU制御部323は、返信された基板状態応答のレスポンスから、遊技機チップ情報の照合要求を検知すると、SC325bに対して遊技機チップ情報を問合せる。具体的に、CU制御部323は、SC325bに対して、遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
遊技機チップ問合せ情報要求のコマンドを受信したSC325bは、上位装置に問合せる内容(主制御チップ番号、払出制御チップ番号、およびチップ情報)をCU制御部323に通知するために、遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
遊技機チップ問合せ情報応答のレスポンスを受信したCU制御部323は、上位装置に、主制御チップ番号および払出制御チップ番号を含む遊技機チップ情報を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報問合せ中、CU制御部323は、SC325bに対してコマンドを送信しない。
その後、CU制御部323は、上位装置から遊技機チップ情報の照合結果を受信すると、当該照合結果をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、照合結果を含む遊技機チップ照合結果通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信する遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
SC325bは、遊技機チップ照合結果通知のコマンドを受信後、照合結果がOKのとき、遊技台メーカコードおよび遊技台型式コードをCU制御部323に通知するため、遊技機チップ照合結果応答のレスポンスを返信する。なお、返信する遊技機チップ照合結果応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
次に、図129を参照して、遊技機通信開始、遊技機Readyのシーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、定周期で基板状態を監視しており、SC325bに対して基板状態要求のコマンドを送信する。なお、送信する基板状態要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
基板状態要求のコマンドを受信したSC325bは、遊技機との認証がまだ完了していないので、遊技機Ready=OFFの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する基板状態応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
SC325bが遊技機との認証が完了するまで、CU制御部323とSC325bとの間で、基板状態要求のコマンドと基板状態応答のレスポンスとを送受信する。そのため、基板状態要求のコマンドを受信したSC325bは、遊技機との認証が完了していた場合、遊技機Ready=ONの情報を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。
その後、CU制御部323は、遊技機ReadyのOFF状態からON状態への変化を検出して、以降、遊技機と業務電文通信が可能となる。
その後、CU制御部323は、SC325bに対してリカバリ要求のコマンドを送信する。リカバリ要求のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対してリカバリ応答のレスポンスを返信する。なお、リカバリ要求のコマンドおよびリカバリ応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
リカバリ応答のレスポンスを受信したCU制御部323は、SC325bに対して通信開始要求のコマンドを送信する。通信開始要求のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して通信開始応答のレスポンスを返信する。なお、通信開始要求のコマンドおよび通信開始応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化してある。
次に、図130を参照して、通信鍵交換シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、SE2モードで使用するカウンタの初期ベクタ部の値(上り用初期ベクタ部の値、下り用初期ベクタ部の値)を要求するカウンタ情報要求のコマンドを送信する。
カウンタ情報要求のコマンドを受信したSC325bは、初期ベクタ部の値を生成し、生成した初期ベクタ部の値をカウンタ情報応答のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、返信する基板状態応答のレスポンスは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して通信鍵を要求する通信鍵要求のコマンドを送信する。
通信鍵要求のコマンドを受信したSC325bは、通信鍵(セッション鍵)を生成し、生成した通信鍵を通信鍵応答のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、返信する通信鍵応答のレスポンスは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、具体的には、基板初期鍵を用いる場合にはその基板初期鍵と乱数とから通信鍵(セッション鍵)を生成し、認証鍵を用いる場合にはその認証鍵と乱数とから通信鍵(セッション鍵)を生成する。なお、乱数の代わりに現在時刻のデータを用いてもよい。
以降、CU制御部323とSC325bとの通信は、通信鍵(セッション鍵)を使用して通信する。
次に、図131を参照して、基板シリアルIDの認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして基板シリアルIDが一致すればチェック結果がOKであるとして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bは、CU制御部323に対してチェック結果を“OK”として通知する。チェック結果は、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含めて通知する。
次に、図132を参照して、機器認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、機器の認証情報を要求する機器認証要求1のコマンドを送信する。なお、機器認証要求1のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
機器認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵、基板認証鍵および基板出荷鍵のうちのいずれか一つの鍵で暗号化した認証情報の乱数A、MAC鍵で暗号化したMACを、機器認証応答1のレスポンスで返信する。
機器認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板初期鍵、基板認証鍵および基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数AおよびMACを復号化し、乱数AおよびMACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板初期鍵、基板認証鍵および基板出荷鍵のうちのいずれか一つの鍵で暗号化した認証情報の乱数B、MAC鍵で暗号化したMACを、機器認証要求2のコマンドで送信する。なお、機器認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
機器認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵、基板認証鍵および基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数BおよびMACを復号化し、乱数BおよびMACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を機器認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、機器認証の認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、SE1モードで暗号化してある。
次に、図133を参照して、認証異常のシーケンスの処理を説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323は、起動するとSC325bにカードユニット情報を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、該当処理を行ない、CU制御部323に対して接続要求を受付けたことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に上位サーバ801より取得した基板初期鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行ない、機器認証を行なうことができた場合に認証OKとなる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に上位サーバ801より取得した基板初期鍵を用い、SE1モードで基板情報取得シーケンスを行ない、基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。基板情報は、鍵管理センタから取得し、基板シリアルIDと基板認証鍵とを含んでいる。
基板情報取得シーケンスで基板情報を取得することができた場合、基板シリアルID認証シーケンスおよび機器認証シーケンスを実行する。基板シリアルID認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板シリアルIDを認証する。基板シリアルID認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に鍵管理サーバ800より取得した基板認証鍵を用い、SE1モードで機器認証シーケンスを行なう。
しかし、基板シリアルID認証シーケンスまたは機器認証シーケンスで、応答がNGとなった場合、最大2回同じシーケンスをリトライして実行する。それでも、基板シリアルID認証シーケンスまたは機器認証シーケンスで、応答がNGとなった場合、「基板認証異常」として以降の通信を行わない。
また、電源投入後、機器認証シーケンスまでに異常が発生した場合、当該異常を上位装置に通知することができない。なお、どの認証シーケンスの段階で異常が発生したとしても当該異常を上位装置に通知するように制御してもよい。
次に、図134を参照して、異常検知時のシーケンスの処理を説明する。図134に示すシーケンスでは、CU制御部323およびSC325bが、遊技機と通信中である。なお、CU制御部323とSC325bとの通信は、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化されている。
その後、SC325bが、遊技機との通信において、認証異常、通信異常、通信回線断、または不正検知の異常を検知した場合、CU制御部323およびSC325bにおける処理について説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、遊技機の状態を要求する基板状態要求のコマンドを送信する。なお、基板状態要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、SE2モードで暗号化されている。
基板状態要求のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して基板状態応答のレスポンスを返信することで、検知した遊技機の状態(認証異常、通信異常、通信回線断、または不正検知)をエラー状態の情報として通知する。
基板状態応答のレスポンスを受信したCU制御部323は、SC325bから通知を受けた遊技機の状態を、異常検知情報として上位装置に通知する。
以上の図119〜図134に基づいて説明したCU制御部323とSC325bとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3が遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「機器認証シーケンス」がある(図123、図124参照)。この「機器認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(上位サーバ801)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「基板情報取得シーケンス」が実行される(図123参照)。この基板情報取得シーケンスにより基板認証鍵が上位装置(鍵管理サーバ800)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図124参照)。
一方、基板初期鍵を用いての基板情報取得シーケンス(図123、図127参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3を遊技場に出荷するときにそのCU3の基板認証鍵を鍵管理サーバ800へ送信して鍵管理サーバ800に記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に鍵管理サーバ800に記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから鍵管理サーバ800への基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3が基板情報取得シーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに鍵管理サーバ800とCU3との間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的には上位サーバ801)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンス(図123、図130参照)を実行し、基板初期鍵を用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323とSC325bとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を用いた実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともに上位サーバ801やホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵が上位サーバ801に記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323が上位サーバ801に接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「機器認証シーケンス」は、図125に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で機器認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの機器認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図125に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「機器認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
<暗号モードについて>
次に、図135〜図143に基づいて、本実施の形態において用いられるSE2モードの暗号通信の詳細を説明する。このSE2モードの暗号通信は、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で行なわれるが、その他に、通信制御IC325aとセキュリティチップ325bとの間、セキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御部171との間、パチンコ機2の払出制御部171と主制御基板16との間、主制御基板16と鍵管理サーバ803との間、CU制御部323と上位サーバ801や鍵管理サーバ800との間等においても、行なってもよい。さらには、遊技場に設置された各種機器、たとえばホール用管理コンピュータ1、ジェットカウンタ、カード発行装置、精算装置、景品交換装置(POS端末)等の間において、行なってもよい。
まず図135を参照して、SE2モードの暗号化の仕組を説明する。図135の(a)は、CU制御部323からセキュリティチップ325bへの通信のときに使用されるSE2モードの暗号化および復号に用いられる下り用カウンタを示している。この下り用カウンタは、16バイトで構成され、8バイトからなる初期ベクタ部の値R1、7バイトからなる電文カウンタ部N、1バイトからなる暗号ブロックカウンタ部Iとで構成されている。
初期ベクタ部の値R1は、図123〜図125に基づいて説明したように、CU制御部323からセキュリティチップ325bへ送信される。その結果、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間でこの初期ベクタ部の値R1の値が共有されることとなる。暗号ブロックカウンタ部Iと電文カウンタ部Nとは後述するように加算更新されるが、この初期ベクタ部の値R1は加算更新されることがない。
電文カウンタ部Nおよび暗号ブロックカウンタ部Iの初期値は0である。このような下り用カウンタが、前述したように、互いに暗号通信を行なう機器(たとえばCU制御部323とセキュリティチップ325b)の間で共有されている。1ブロック(16バイト)ずつに分割された平文が1ブロックずつ暗号化される度に暗号ブロックカウンタ部Iがカウントアップされる。1回のコマンドまたはレスポンスで送信される電文の全てのブロックを暗号化したときに、該暗号文が送信されるとともに電文カウンタ部Nが「1」カウントアップされ、かつ暗号ブロックカウンタ部Iが「0」となる。このようなカウントアップ動作が繰返される。
図135の(b)は、セキュリティチップ325bからCU制御部323への通信に使用されるSE2モードの暗号化および復号に用いられる上り用カウンタを示している。この上り用カウンタは、上述した初期ベクタ部の値R1の代わりに初期ベクタ部の値R2を使用する。初期ベクタ部の値R2および上り用カウンタの構成については初期ベクタ部の値R1および下り用カウンタの構成の同様なため説明は繰返さない。
図135の(c)を参照して、SE2モードによるブロック暗号の仕組を説明する。図135の(c)では、CU制御部323からセキュリティチップ325bへの通信のときの例を示しており、1回のコマンドまたはレスポンスで送信される電文が平文1〜3の3ブロックにより構成されている例を示す。まず送信対象となる平文のデータ(図7参照)を16バイト毎のブロックの平文(平文1、平文2、…)に分割する。そして、現在の下り用カウンタの値R1,N,0を、鍵Kを用いて暗号化する。この鍵Kは、図123〜図126、図128、図129、図134で説明したように、基板初期鍵、認証鍵または通信鍵(セッション鍵)である。そして、暗号化された値(16バイト)と平文1のブロック(16バイト)とでエクスクルーシブオア(排他的論理和)の演算を行なう。その演算結果が暗号文1(16バイト)となる。なお、ここでは、エクスクルーシブオア(排他的論理和)を用いた暗号化の方法を説明したが、他の論理演算を使用して暗号化を行ってもよい。
次の平文2を暗号化するときには、下り用カウンタが「1」加算更新される。その結果、下り用カウンタの値はR1,N,1となる。この値を前述と同様に鍵Kで暗号化し、その暗号結果のデータと平文2とでエクスクルーシブオア(排他的論理和)の演算を行ない、暗号文2を生成する。
次の平文3を暗号化する際には、さらに下り用カウンタの値が「1」加算更新され、その値がR1,N,2となる。この値を鍵Kで暗号化してその暗号結果の値と平文3とでエクスクルーシブオア(排他的論理和)の演算を行ない、暗号文3を生成する。以上の平文1〜3の3ブロックにより1回のコマンドまたはレスポンスで送信される電文の全フレームが構成されており、この平文1〜3を暗号化することにより、該暗号文が送信されるとともに電文カウンタ部Nが「1」カウントアップされ、かつ暗号ブロックカウンタ部Iが「0」となる。
よって、次に送信するコマンドまたはレスポンスの平文1を暗号化する際に、カウンタの値が{R1,N+1,I=0」となる。その値を鍵Kで暗号化した値と平文1とでエクスクルーシブオア(排他的論理和)の演算を行ない、暗号文4を生成する。
以降、平文2、平文3、…と随時カウンタの値を加算更新しつつ暗号化していく。
下り用カウンタを用いて暗号化の仕組を説明したが、上り用カウンタにおいてもその仕組みは同様であるため説明は繰返さない。
次に、図136に基づいて復号処理を説明する。暗号文の受信側においては、受信した1ブロックの暗号文1(16バイト)を復号する際に、まず下り用カウンタの値(R1,N,0)を鍵Kで暗号化し、その暗号化された値と暗号文1とでエクスクルーシブオア(排他的論理和)を演算して復号し、平文1を得る。
エクスクルーシブオア(排他的論理和)の演算の特質として、バイナリデータ(2進数のデータ)に対して或る2進数の値(Aという)でエクスクルーシブオアの演算を行ない、その演算結果のデータに対してさらに同じ2進数の値(A)でエクスクルーシブオアの演算を行なえば、1回目のエクスクルーシブオアの演算を行なう前の元のバイナリデータに戻る性質がある。このSE2モードの暗号,復号処理は、このようなエクスクルーシブオアの特質を利用して暗号化および復号処理を行なっている。
2ブロック目の暗号文2(16バイト)を復号する際には、カウンタの値が「1」加算更新される。その結果、カウンタの値がR1,N,1となり、そのR1,N,1を鍵Kで暗号化して、その結果の値と暗号文2とでエクスクルーシブオアの演算を行なって復号し、平文2を生成する。
同様に、暗号文3を復号する際にもカウンタの値が「1」加算更新される。この復号の際のカウンタの加算更新方法も、暗号化の場合と同様に、1回のコマンドまたはレスポンスで送信される電文の各ブロックを復号する毎に暗号ブロックカウンタ部Iが「1」ずつカウントアップされ、1回のコマンドまたはレスポンスで送信されてきた電文の全ブロックの復号が完了したときに電文カウンタ部Nが「1」加算更新されるとともにIの値がゼロクリアされる。
セキュリティチップ325bからCU制御部323への通信に使用されるSE2モードの暗号化および復号に用いられる上り用カウンタの場合についても下り用カウンタと同様なため説明は繰返さない。
以上説明したように、SE1モードの場合は、平文Mに対して同じデータ長の鍵でエクスクルーシブオアの演算を行なって暗号化し、その暗号文に対して同じデータ長の鍵でエクスクルーシブオアの演算を行なって復号しているだけのため、平文Mに対してエクスクルーシブオアの演算を行なうデータ(鍵)が一定で変化しないものであるため、それほど高いセキュリティは望めない。しかし、SE2モードの場合は、平文Mに対してエクスクルーシブオアの演算を行なうデータ(カウンタの値としての鍵)が更新されて変化するものであるため、高いセキュリティを期待することができる。
次に、図137〜図141に基づいて、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間でのコマンドとレスポンスとの実際の暗号通信の動作を説明する。図137は暗号通信文を受信した受信側において適正に復号された場合の定常時における暗号通信が示されている。図138は、セキュリティチップ325bからCU制御部323へのレスポンスが到達しなかった場合の異常時の処理が示されている。図139は、CU制御部323からセキュリティチップ325bへのコマンドが到達しなかった場合の異常時の処理が示されている。図140は、図138に示したレスポンス未到達の異常時における変形例の処理が示されている。図141は、図139に示したコマンド未到達の異常時処理における変形例が示されている。
以下図137〜図141の暗号化処理を説明するが、CU制御部323からセキュリティチップ325bへの暗号化通信を行なうときは初期ベクタ部の値R1の下り用カウンタが使用され、セキュリティチップ325bからCU制御部323への暗号化通信を行なうときは初期ベクタ部の値R2の上り用カウンタが使用される。
まず図137に基づいて正常時の処理を説明する。CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間での動作指示およびレスポンスとして、データ長が48バイトの倍数の一例の96バイトのものを取り上げて説明する。
図137を参照して、CU制御部323では、96バイトの平文を16バイト毎の6つのブロックに分割し、各ブロックの平文1〜6を1つずつ暗号化する。最初のブロックである平文1は、下り用カウンタの値がR1,N,0となっており、そのカウンタの値を前述したように暗号化し、その暗号化された値と平文1とでエクスクルーシブオアの演算を行なって暗号文1を生成する。同様に、暗号文2の生成に際してはR1,N,1の下り用カウンタの値を用い、暗号文2の生成に際してはR1,N,2の下り用カウンタの値を用い、暗号文4の生成に際してはR1,N,3の下り用カウンタの値を用い、暗号文5の生成に際してはR1,N,4の下り用カウンタの値を用い、暗号文6の生成に際してはR1,N,5の下り用カウンタの値を用いる。
この6つのブロックからなる暗号文1〜6を受信したセキュリティチップ325bでは、図136で説明したようにカウンタの値を更新しながら随時暗号文を復号して平文を生成する。復号開始時の下り用カウンタの値すなわち最初の暗号文1を復号するのに用いるカウンタの値がR1,N,0となっており、その値を暗号化してその暗号化した値と暗号文1とのエクスクルーシブオアを演算して復号し、平文1を生成する。同様に、暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6も、随時暗号ブロックカウンタ部の値を「1」ずつ加算更新し、復号処理を行なう。具体的には、暗号文2に対してはR1,N,1の下り用カウンタ値を用い、暗号文3に対してはR1,N,2の下り用カウンタ値を用い、暗号文4に対してはR1,N,3の下り用カウンタ値を用い、暗号文5に対してはR1,N,4の下り用カウンタ値を用い、暗号文6に対してはR1,N,5の下り用カウンタ値を用いて復号する。
次にセキュリティチップ325bがレスポンスを暗号化してCU制御部323へ送信する。その際に、セキュリティチップ325bは上り用カウンタを用いるため「R2,N,0」のカウンタ値が最初に用いられる。この上り用カウンタのカウンタ値を暗号化してその暗号化された値とレスポンスの最初の平文1とでエクスクルーシブオアの演算を行ない暗号文1を生成する。次にセキュリティチップ325bは、暗号ブロックカウンタ部を「1」加算更新してR2,N+1,1の値を用いて暗号文2を生成する。同様に、暗号ブロックカウンタ部を「1」ずつ加算更新しながら、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成し、それら暗号文からなるレスポンスをCU制御部323へ送信する。
この6つのブロックからなる暗号文1〜6を受信したCU制御部323では、図136で説明したようにカウンタの値を更新しながら随時暗号文を復号して平文を生成する。復号開始時の上り用カウンタの値すなわち最初の暗号文1を復号するのに用いるカウンタの値がR2,N,0となっており、その値を暗号化してその暗号化した値と暗号文1とのエクスクルーシブオアを演算して復号し、平文1を生成する。そして、前述と同様に、暗号ブロックカウンタ部を随時加算更新しながら暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を随時復号して平文2、平文3、平文4、平文5、平文6を生成する。
次回以降は、セキュリティチップ325bでは、前回受信した暗号文の復号に用いた電文カウンタ部の値「N」に対して「1」加算更新し、R1,N+1,0のカウンタ値を用いて、レスポンスの最初の暗号文1を復号する。そして、前述と同様に、暗号ブロックカウンタ部を随時加算更新しながら暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を随時復号して平文2、平文3、平文4、平文5、平文6を生成する。
また、CU制御部323では、前回受信した暗号文の復号に用いた電文カウンタ部の値「N」に対して「1」加算更新し、R2,N+1,0のカウンタ値を用いて、レスポンスの最初の暗号文1を復号する。そして、前述と同様に、暗号ブロックカウンタ部を随時加算更新しながら暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を随時復号して平文2、平文3、平文4、平文5、平文6を生成する。
このような方法により、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で、下り用カウンタ、上り用カウンタをそれぞれ用い、送信データの暗号化および受信データの復号処理を行なう。
次に図138を参照して、セキュリティチップ325bからCU制御部323へのレスポンスが到達しなかった異常時における処理を説明する。まずCU制御部323からセキュリティチップ325bへ6ブロックの暗号文1〜6からなるコマンドが送信される。その各ブロックに用いられる下り用カウンタのカウンタの値は、最初がR1,N,0であり、暗号ブロックカウンタ部が「1」ずつ加算されて最後の値がR1,N,5となっている。この暗号文を受信したセキュリティチップ325bは、暗号開始時のカウンタ値R1,N,0を用いてまず暗号文1を復号して平文1を生成する。次に暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を随時暗号ブロックカウンタ部を加算更新しながら復号して平文2、平文3、平文4、平文5、平文6を生成する。
そしてセキュリティチップ325bは、上り用カウンタのカウンタ値である「R2,N,0」の値を用いて、レスポンスの最初のブロックの平文1を暗号化して暗号文1を生成する。次に暗号ブロックカウンタ部の値を「1」ずつ加算更新して暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してCU制御部323へ送信する。その暗号文1〜6からなるレスポンスがCU制御部323に到達しなかった場合には、CU制御部323は、前回送信したコマンドと同じコマンドのデータをセキュリティチップ325bへ再送信する。その再送信された暗号文をセキュリティチップ325bが復号する際に、セキュリティチップ325bの前回受信した暗号文の復号に用いた電文カウンタ部の値がNであるために、今回復号するに際して、最初に用いる下り用カウンタのカウンタの値として「R1,N+1,0」が用いられることとなる。
セキュリティチップ325bでは、カウンタ値R1,N+1,0を用いてまず暗号文1を復号して平文1を生成する。次に暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を随時暗号ブロックカウンタ部を加算更新しながら復号して平文2、平文3、平文4、平文5、平文6を生成する。
次にセキュリティチップ325bは、前回の暗号文の生成に用いた電文カウンタ部の値「N」に対して「1」加算更新し、R2,N+1,0のカウンタ値を用いて、レスポンスの最初のブロックの平文1を暗号化して暗号文1を生成する。次に暗号ブロックカウンタ部の値を「1」ずつ加算更新して暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してCU制御部323へ送信する。
CU制御部323では、前回のセキュリティチップ325bからのレスポンスを受信していないため、その前回のレスポンスの復号のためのカウンタ値「R2,N,0」を用いて復号しようと試みる。しかし、その暗号文1は、カウンタの値「R2,N+1,0」を用いて暗号化されたデータであり、CU制御部323の復元開始のカウンタ値が「R2,N,0」であるため、このカウンタ値を用いて復号を試みても、正しい平文に復号することができず復号失敗となる。
正しい平文に復号することができたか否かの判断は、MACによる一般的なチェックに基づいて行なう。簡単に説明すると、CU制御部323では、最初のカウンタ値であるR2,N,0を鍵で暗号化してその値と最初の暗号文1とのエクスクルーシブオアを演算する。このような復号処理を、カウンタ値を「1」加算更新しながら暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6について順次実行し、その処理結果のデータに含まれているMACのデータを用いてMACチェックを行なう。具体的には、復号処理結果のデータからMACアルゴリズムに従ってMACを生成し、その生成されたMACとセキュリティチップ325bからの送信データに含まれているMACのデータとを比較し、一致するか否かチェックする。正常に復号されておれば一致するが、この場合には、復号に用いられるカウンタの値が狂っているために、正常に復号されておらず、MACチェックの結果両者が一致しないと判定されてMAC異常すなわち復号失敗と判定される。
このようなMAC異常すなわち復号失敗と判定された場合には、CU制御部323では、その狂ったカウンタ値を正しいカウンタ値に修復する修復処理が実行される。CU制御部323では、復号失敗と判断された暗号文の復号に最初に用いられた復号開始時のカウンタ値である「R2,N,0」に対して、その電文カウンタ部Nの値を「1」ずつ減算更新しながら順次その減算されたカウンタ値を用いて順次暗号文の復号処理を行なって前述のMACチェックを行ない、正しく復号されたか否かの判断を行なう。このカウンタ値の減算処理を所定回数行なってもMACチェックの結果MAC異常と判定された場合に、CU制御部323は、次に、復号開始時のカウンタ値である「R2,N,0」に対してその電文カウンタ部Nを「1」ずつ加算更新して順次その加算されたカウンタ値を用いた復号処理を行なってMACチェックを行なう。そしてMACチェックで適正と判断されて復号成功と判断された場合には、その復号が成功した平文を適正なコマンドとして取り込む。そして、復号成功と判断されたときに用いた電文カウンタ部のカウンタ値を次のレスポンスデータの最初の平文1の暗号化に用いる。
この図138の場合には、復号開始時のカウンタ値である「R2,N,0」から電文カウンタ部Nを1回加算更新したカウンタ値「R2,N+1,0」を用いて復号することにより、MAC正常と判断されて復号成功と判断されることとなる。
その復号成功と判断されたときに用いた電文カウンタ部の値NのR2,N+1,0のカウンタ値の電文カウンタ部の値を「1」ずつ加算更新したカウンタ値R1,N+2,0を用いて次に送信するレスポンスの最初の平文1を暗号化して暗号文1を生成する。次に「1」ずつ暗号ブロックカウンタ部を加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してセキュリティチップ325bへ送信する。
それを受けたセキュリティチップ325bでは、「R1,N+2,0」のカウンタ値を用いて、受信した暗号文の最初の暗号文1を復号する。最初の暗号文1はカウンタ値「R1,N+2,0」のカウンタ値を用いて暗号化されたものであるために、同じカウンタ値を用いて適正に復号することが可能である。そしてセキュリティチップ325bは、その暗号ブロックカウンタ部を「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を復号する。
前述したカウンタの修復処理におけるカウンタ値への減算回数は、レスポンス未到達時におけるCU制御部323が動作コマンドの再送信(リトライ)を行なうリトライ回数に一致する。本実施の形態の場合には、そのリトライ回数は2回が限度であり、その2回のリトライに起因して生ずるカウンタ値の狂い以上に電文カウンタ部Nの減算更新を行なう必要はない。よって、2回を限度にカウンタ値の減算更新あるいは加算更新が行なわれる。
次に図139に基づいて、CU制御部323からセキュリティチップ325bへのコマンドが未到達の異常時における処理を説明する。まずCU制御部323がカウンタ値R1,N,0〜R1,N,5を用いて暗号文1〜暗号文6の6ブロックの暗号文を生成してセキュリティチップ325bへ送信する。しかし、その暗号文がセキュリティチップ325bへ到達しなかった場合には、CU制御部323は同じ内容のコマンドを再び暗号化してセキュリティチップ325bへ再送信するというリトライを試みる。この再送信時における暗号化に用いられる電文カウンタ部は、前回のコマンドの送信時に暗号化に用いた電文カウンタ部の値Nに「1」を加算したN+1が用いられる。よって、「R1,N+1,0」のカウンタ値を用いてCU制御部323は再送信するコマンドの最初の平文1のブロックを暗号化して暗号文1を生成する。次に、CU制御部323は、その暗号ブロックカウンタ部を「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2,暗号文3,暗号文4,暗号文5,暗号文6を生成してセキュリティチップ325bへ再送信する。
しかしその再送信された暗号文もセキュリティチップ325bへ到達しなかった場合には、CU制御部323は、再度同じ内容のコマンドを暗号化してセキュリティチップ325bへ再送信するという2回目のリトライを試みる。この2回目のリトライで送信されたコマンドがセキュリティチップ325bへ到達し、セキュリティチップ325bは、その暗号文の復号を試みる。
セキュリティチップ325bは、CU制御部323へ前回受信したコマンドの復号に用いた最後のカウンタ値に対して「1」加算更新した値である「R1,N,0」を用いて暗号文の最初のブロックを復号する処理を行ない、そのカウンタ値「R1,N,0」に対して暗号ブロックカウンタ部を「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6の復号を試みる。
しかし、CU制御部323の2回に亘ってのリトライの結果、CU制御部323側のカウンタ値とセキュリティチップ325b側のカウンタ値とが狂っているために、適正な平文に復号することができず、前述したMACチェックの結果MAC異常となり復号失敗と判断される。
するとセキュリティチップ325bは、前述と同様に、狂ったカウンタの修復処理を行なう。復号失敗と判断された暗号文に対して最初に用いたカウント値である「R1,N,0」に対して、電文カウンタ部Nを「1」ずつ減算更新しながら順次再送信されてきた暗号文の復号を試みてMACチェックを行なう。この減算更新の実行回数は、前述したように、リトライ回数である2回を限度に実行される。この2回に亘ってのカウンタ値の減算更新による復号を試みたとしても復号に成功しなかった場合には、セキュリティチップ325bは、カウンタ値「R1,N,0」の電文カウンタ部に対して「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文を復号する処理を試みる。この加算更新を試みる回数は、コマンド未到達時におけるCU制御部323による再送信を実行するリトライ回数に一致する。本実施の形態においては、2回を限度にリトライを行なう。その結果、カウンタ値の加算更新は、リトライ回数である2回を限度に加算更新される。
そして、2回目の加算更新の結果カウンタ値が「R1,N+2,0」となり、このカウンタ値を用いて暗号文1を復号し、順次暗号ブロックカウンタ部の加算更新を行ないながら暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を復号することにより、適正な平文に復号することができ、MACチェックの結果適正と判断されて復号成功と判断される。その復号成功と判断された平文のコマンドをセキュリティチップ325bが取り込む。そしてそれに対するレスポンスのデータを暗号化してCU制御部323へ送信する。その暗号化に際しては、復号成功と判断された復号処理に用いられた電文カウンタ部の値「N+2」と異なり、最初に用いたカウント値である「R2,N,0」の「N」の値を用いる。よって、「R2,N,0」を用いて最初のブロックを暗号化して暗号文1を生成する。次に、暗号ブロックカウンタ部のカウント値を「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してCU制御部323へ送信する。CU制御部323は、「R2,N,0」を用いて暗号文の最初のブロックを復号する処理を行ない、そのカウンタ値「R2,N,0」に対して暗号ブロックカウンタ部を「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6の復号を試みる。
次に、図140に基づいてレスポンス未到達時の異常時における処理の変形例を説明する。この図140は、前述した図138に対する変形例であり、ここでは主に相違点について説明する。セキュリティチップ325bからCU制御部323へのレスポンスが未到達の場合にCU制御部323は前回と同じコマンドを再送信するリトライを実行する。そのリトライによって再送信されたコマンド(暗号文)がセキュリティチップ325bに到達した場合に、図138と同様に、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間でのカウンタの値が食い違っている。その結果、セキュリティチップ325bにおいてその暗号文の復号を試みた場合にMACチェックの結果MAC異常となり復号失敗と判断される。この変形例においては、その復号失敗のときに復号不能と判断して復号エラーのコマンドをセキュリティチップ325bへ送信する。その際に、CU制御部323では、復号エラーのレスポンスを鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化し、その暗号文をセキュリティチップ325bへ送信する。セキュリティチップ325bでは、それを受信して共通鍵である鍵Kを用いてその暗号文を復号し、復号エラーが発生したことを判断する。そして、カウンタの値を初期化するべく新たな乱数を生成し、その乱数の値を初期ベクタ部の値R2としてCU制御部323へ送信する。その際に、鍵Kを用いてその初期ベクタ部の値R2の値をSE1モードにより暗号化してその暗号文をセキュリティチップ325Bへ送信する。CU制御部323では、その受信した暗号文を鍵Kを用いてSE1モードにより復号し、初期ベクタ部の値R2を取得する。これにより、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で初期化されたカウンタの値である「R2,0,0」が共有されることとなる。
次にCU制御部323は、初期ベクタ部の値R2の更新を完了した旨のレスポンスを鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化してセキュリティチップ325bへ送信する。
それを受けたセキュリティチップ325bでは、前回再送信したコマンドと同じデータをSE2モードにより暗号化してCU制御部323へ送信する。その際に、最初のブロックを暗号化するのに初期化されたカウンタ値すなわち「R2,0,0」を用いて暗号化する。そして、その暗号ブロックカウンタ部に対して「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してCU制御部323へ送信する。
CU制御部323では、初期化されたカウンタ値すなわち「R2,0,0」を用いて暗号文の最初のブロックを復号する。次に、その暗号ブロックカウンタ部に対して「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を復号して平文を生成する。
次に図141に基づいて、コマンドが未到達の異常時における処理の変形例を説明する。この図141は、前述した図139のコマンド未到達時の処理の変形例であり、ここでは主に相違点について説明する。CU制御部323による2回目のリトライによってコマンドがセキュリティチップ325bに到達した場合に、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間でのカウンタの値が食い違っている。その結果、セキュリティチップ325bにおいてその暗号文の復号を試みた場合にMACチェックの結果MAC異常となり復号失敗と判断される。この変形例においては、その復号失敗のときに復号不能と判断して復号エラーのレスポンスをCU制御部323へ送信する。
その際に、セキュリティチップ325bでは、復号エラーのレスポンスを鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化し、その暗号文をCU制御部323へ送信する。CU制御部323では、それを受信して共通鍵である鍵Kを用いてその暗号文を復号し、復号エラーが発生したことを判断する。そして、カウンタの値を初期化するべく新たな乱数を生成し、その乱数の値を初期ベクタ部の値R1としてセキュリティチップ325bへ送信する。その際に、鍵Kを用いてその初期ベクタ部の値R1をSE1モードにより暗号化してその暗号文をセキュリティチップ325bへ送信する。セキュリティチップ325bでは、その受信した暗号文を鍵Kを用いてSE1モードにより復号し、初期ベクタ部の値R1を取得する。これにより、CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で初期化されたカウンタの値である「R1,0,0」が共有されることとなる。このように、暗号文が復元できない場合に行われるカウンタの値の初期化(再設定)としては、復号不能となった(CU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で齟齬が生じた)カウンタの初期ベクタ部のみを再設定してもよいが、下り用カウンタの初期ベクタ部R1と上り用カウンタの初期ベクタ部R2との両者を再設定してもよい。
次にセキュリティチップ325bは、初期ベクタ部の値R1の更新を完了した旨のレスポンスを鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化してCU制御部323へ送信する。
それを受けたCU制御部323では、前回再送信したコマンドと同じデータをSE2モードにより暗号化してセキュリティチップ325bへ送信する。その際に、最初のブロックを暗号化するのに初期化されたカウンタ値すなわち「R1,0,0」を用いて暗号化する。そして、その暗号ブロックカウンタ部に対して「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を生成してセキュリティチップ325bへ送信する。
セキュリティチップ325bでは、初期化されたカウンタ値すなわち「R1,0,0」を用いて暗号文の最初のブロックを復号する。次に、その暗号ブロックカウンタ部に対して「1」ずつ加算更新しながら順次暗号文2、暗号文3、暗号文4、暗号文5、暗号文6を復号して平文を生成する。
次に、図142(a)(b)に基づいて、SE2モードによる暗号処理と復号処理とを説明する。まず図142(a)のS100により、暗号鍵の発行が行なわれる。この暗号鍵は、基板初期鍵、認証鍵または通信鍵(セッション鍵)のことであり、以下単に「鍵」と言う。その鍵がCU制御部323とセキュリティチップ325bとの間で共有されることとなる。
次にS101により、下り用カウンタ、上り用カウンタにそれぞれ対応する初期ベクタ部の値R1,R2が発行される。この初期ベクタ部の値R1,R2は、セキュリティチップ325bによりそれぞれ生成される。次にS102により、カウンタの電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部Iとがリセットされて「0」となる。次にS103により、S100により発行された鍵によりSE1モードで初期ベクタ部の値R1,R2を暗号化して、下り用初期ベクタ部の値R1および上り用初期ベクタ部の値R2はセキュリティチップ325bからCU制御部323へ送信される。ここでは、初期ベクタ部R1,R2についてセキュリティチップ325bによりそれぞれ生成されるとして説明したが、CU制御部323で初期ベクタ部の値R1を生成し、セキュリティチップ325bに送信し、セキュリティチップ325bはこの送信された初期ベクタ部の値R1を生成したアルゴリズムを元に初期ベクタ部の値R2を生成し、CU制御部323へ送信する。また、初期ベクタ部の値R1,R2がCU制御部323で生成され、初期ベクタ部のR1,R2をセキュリティチップ325bに送信してもよい。さらに、この初期ベクタ部の値R1,R2を生成するアルゴリズムは両方を同じアルゴリズムを用いてもよいし、一方から送信された初期ベクタ部の値が生成されたアルゴリズムを用いて他方の初期ベクタ部の値を生成することもできる。
セキュリティチップ325bでは、図142(b)のS130に示すように、その送信されてきた暗号化されたR1,R2を鍵を用いてSE1モードで復号して平文のR1,R2をそれぞれ生成し、S131によりそのR1,R2を初期ベクタ部の値として記憶するとともに、電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部Iとをリセットして「0」の値にする。
暗号文の送信側においては、図142(a)のS104において、送信する電文(平文)を生成する。その生成された平文を16ビット毎のブロックに分けて、各ブロック毎にカウンタの現在の値を用いて暗号化して暗号文を生成する(S105)。そして1ブロックの暗号化が完了した段階で、制御がS106へ進み、S104により生成された平文の電文の全フレームすなわち全ブロックの暗号化が終了したか否かの判断がなされる。未だ終了していない場合には制御がS107へ進み、暗号ブロックカウンタ部Iを「1」加算更新した後にS105に移行する。S105による次のブロックの暗号化を行なって暗号文を生成する。
このS105→S106→S107→S105のループを巡回することにより、電文の全フレームの暗号化が終了した場合には、制御がS108へ進み、電文カウンタ部Nが「1」加算更新される。次にS109により暗号ブロックカウンタ部Iがクリアされて「0」となる。
次に制御がS110へ進み、その暗号文を相手側に送信する処理が行なわれる。次にS111により、復号エラーを受信したか否かの判断がなされる。この復号エラーは、暗号文の受信側において復号に失敗したときに後述するS162またはS170により送信されてくるものであり、それを受信すれば、S112によりエラー処理が行なわれる。このエラー処理は、たとえば、表示装置によりエラー表示を行なったり上位サーバへエラーが発生した旨を通知するとともに、以降の動作制御を停止させる等の処理である。
S110により送信されてきた暗号文を図142(b)のS132により受信した後、S133により復号処理が行なわれる。この復号処理は、前述したように、カウンタの現在のカウンタ値を用いてブロック毎に復号する処理である。そして全フレームについて復号処理を行なった後前述したようにMACチェックを行なって復号が成功したか否かの判定を行なう。復号が失敗した場合には、S135によるカウンタ修復処理が実行される。
図143は、前述のS135に示したカウンタ修復処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。図143(a)は図138、図139に示したカウンタ修復処理であり、図143(b)は図140、図141に示した変形例の修復処理を示している。
まず図143(a)を参照してカウンタ修復処理1を説明する。まずS150により、復号に失敗した暗号文の最初のブロックの復号処理に用いたカウンタの値における電文カウンタ部Nを「1」減算更新する。次にS151により、その減算更新されたカウンタの値を用いてブロック毎に復号処理を実行し、MACチェックを行なって復号が成功したか否か判定する。復号が成功していない場合には、S154により、修復カウンタSKの値を「1」加算更新する。この修復カウンタSKとは、何回修復を試みたかを計数するためのカウンタである。次にS155により、その修復カウンタSKが所定値に達したか否かの判断がなされる。この所定値とは、前述したように、暗号文の送信側におけるリトライ回数2の値である。
未だ所定値に達していない場合には、制御がS150に戻り、S150〜S155の制御を繰返し実行する。その繰返し実行の途中で復号に成功した場合にはS152によりYESの判断がなされて制御がS153へ進み、修復カウンタSKをリセットして「0」にする処理がなされる。
一方、S150〜S155の処理を繰返し実行して修復カウンタSKの値が所定値に達した場合には、S155によりYESの判断がなされて制御がS156へ進み、現在の電文カウンタNに対して修復カウンタSKの値を加算する。その結果、電文カウンタ部Nの値は、復号失敗のときに用いた最後のカウンタ値の電文カウンタ部Nの値となる。そしてS157により、その電文カウンタ部Nに対して「1」加算更新され、S158によりそのカウンタ値を用いた復号処理が行なわれる。次にS159により、MACチェックを行なって復号が成功したか否かの判断がなされ、成功していない場合にはS160により修復カウンタSKを「1」減算更新し、S161により修復カウンタSKの値が「0」になったか否かの判断がなされ、なっていない場合には制御がS157に戻り、S157〜S161の制御を繰返し実行する。
この繰返し実行が行なわれている途中で、S159により復号が成功したと判断された場合には、制御がS153へ進み、修復カウンタSKをリセットする処理がなされる。この復号成功と判断された平文が、正しい平文となる。
一方、S157〜S161の処理を繰返し実行することによって修復カウンタSKの値が「0」になった場合には、カウンタの修復を所定回数実行したことになり、その場合には制御がS162に進み、復号エラーを示す情報を鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化してその暗号文を送信する処理が行なわれる。
この復号エラーの情報は前述した図142(a)のS112により受信してYESの判断がなされることとなる。
次に図143(b)に基づいて変形例のカウンタ修復処理2を説明する。S170により、復号エラーを示す情報を鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化する処理が行なわれ、その暗号化された情報を相手側に送信する処理が行なわれる。この復号エラーを受信すれば、図142(a)のS112によりYESの判断がなされ、この変形例の場合には、S112によりYESの判断がなされた場合には制御がS101へ進む。そしてS101により新たな乱数が生成されてS102による電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部Iとのリセットが行なわれた後にS103により、その乱数を暗号化して初期ベクタ部の値R1、R2として相手側に送信する処理が行なわれる。その送信されてきた暗号化された初期ベクタ部の値を図143(b)のS171により受信する。次にS172により、初期ベクタ部の値R1またはR2の更新が完了した旨を示す情報を、鍵Kを用いてSE1モードにより暗号化し、その暗号文を相手側に送信する処理がなされ、その後制御が図142(b)のS130へ移行する。
S130では、前述したS171により受信した初期ベクタ部の値R1,R2の暗号文を鍵Kを用いてSE1モードで復号する処理が行なわれる。そして復号した結果生成された平文の初期ベクタ部の値R1、R2の値を記憶するとともに、電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部Iとをリセットして「0」とする処理が行なわれる(S131)。
そしてそれらR1、0、0あるいはR2,0,0の値を用いて、S132で受信した暗号文をS133で復号する処理が行なわれる。
なお、受信したデータのデータ長が異常の場合やCRCのチェックの結果CRC異常が発生した場合には、受信側においてはカウンタの値を更新することなくその受信した電文を破棄する処理が行なわれる。そして再送信の要求を返信する処理が行なわれる。それを受信した側においては、カウンタの現在のカウント値における電文カウンタ部Nの値を「1」だけ減算して同じ電文を復号して再送信する処理が行なわれる。
<通信制御ICとセキュリティチップとの通信における主なシーケンス>
次に、図144〜図148に基づいて、セキュリティチップ325b(以下、SC325bもいう。)におけるCPUで実行される処理と、通信制御IC325a(IC325aもいう。)に搭載されたCPUで実行される処理とを説明する。
図144は、セキュリティチップ325bと通信制御IC325aとの間でのコマンドおよびレスポンスの送受信の態様を説明するための図である。図144を参照して、SC325b(1次局)からIC325a(2次局)に対してコマンドが送信され、IC325aはそのコマンドに応答してレスポンスをSC325bに返信する。SC325bは、そのレスポンスを受信した後次のコマンドをIC325aに送信し、IC325aはそのコマンドに応答してレスポンスをSC325bへ返信する。図144に示すように、SC325bは、IC325aにセキュリティ情報更新をさせるような様々な要求を送信した後、IC325aのレスポンスを待つ。一方、IC325aは、SC325bの要求を受信後、この要求に対する処理を行ない、SC325bへ処理結果を送信する。
次に、図145は、SC325b側で通信断が検知された場合の処理を説明するための図である。図145を参照して、図33で説明したCU3とP台2との間の通信断と同様に、SC325bがIC325aに対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合には、再度同じコマンドをIC325aに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをIC325aに送信するという2回目の再送を行なう。2回目の再送を行なってから200ms後までにIC325aからレスポンスを受信できなかった場合には、SC325bはこの段階で通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、SC325bのコネクタとIC325a2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはIC325aの電源断などの原因が考えられる。ただし、上記の再送信されるコマンドにはP台2(遊技機)向けのコマンドは含まれない。
なお、SC325bは、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
図146は、通信制御IC325aの認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図146を参照して、SC325bとIC325aとの間で、第1認証シーケンスが実行される。たとえば、この第1認証シーケンスによりSC325bのシリアルIDすなわちEEPROM(図示略)に記憶されているSC325bのSIDの認証が行なわれる。次に、SC325bとIC325aとの間で、第2認証シーケンスが実行される。たとえば、この第2認証シーケンスによりIC325aのシリアルIDすなわちEEPROM(図示略)に記憶されているIC325aのSIDの認証が行なわれる。
次にSC325bとIC325aとの間で、第3認証シーケンスが実行される。たとえば、第3認証シーケンスにより、ライタ管理情報の認証が行われる。なお、ライタ管理情報応答に含まれるデータとしては、コマンドコード、ライタID(ROMライタのID)、認証鍵のバージョン等である。
次にSC325bとIC325aとの間で、IC認証結果シーケンスが実行される。SC325bからIC325aへIC認証結果通知が送信される。このIC認証結果通知によって第1認証シーケンスから第3認証シーケンスまでの認証結果を総括して通知される。一方、IC325aからSC325bへIC認証結果応答が送信される。ここでIC認証結果応答によって第1認証シーケンスから第3認証シーケンスまでの認証結果を総括して通知される。
上記第1〜第3認証シーケンス、IC認証結果通知およびIC認証結果応答のシーケンスは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を使用し、単純なブロック暗号の利用モードであるSE1モードを用いて実行される。ここで、本認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバ800からダウンロードしてSC325bとIC325aとの間で通信に用いる暗号鍵である。仮認証鍵は、SC325bおよびIC325aがそれぞれ製造段階から記憶しており、本認証鍵がダウンロードされるまでの間、SC325bとIC325aとの間の通信に用いる暗号鍵である。
図147は、セキュリティ情報更新シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図147を参照して、SC325bとIC325aとの間で、図146を用いて説明した通信制御IC認証のシーケンス終了後にこのセキュリティ情報更新シーケンスが実行される。
たとえば、セキュリティ情報更新シーケンスによって、認証鍵更新の認証が行われる。具体的には、まずSC325bは、上位装置から取得した鍵バージョン、認証鍵、MAC鍵の情報を設定する。ただし、上述した情報は、更新情報がある場合のみ実行される。更新情報がある場合とは、たとえば、上述した情報が漏洩しまたはその虞があることが判明し、鍵管理センタにおいての設定により更新をかけるようにした場合等が該当する。この認証鍵更新応答が適正(更新正常時)である場合、IC325a、SC325bはともに初期状態(通信開始)となり、再度前述した第1認証シーケンスから認証が開始される。なお、他の鍵についても同様に更新情報がある場合に上位装置から取得した鍵バージョン、当該鍵、MAC鍵の情報を設定した後認証をやり直すようにしてもよい。
なお、認証鍵更新要求および認証鍵更新応答のシーケンスは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を使用し、単純なブロック暗号の利用モードであるSE1モードよりもセキュリティの高いSE2モードを用いて実行される。
図148は、通信制御IC325aの認証異常のときを示すシーケンスである。図148を参照して、図146において説明をした第1〜第3認証シーケンスが実行される。この第1〜第3認証シーケンスは、暗号鍵に仮認証鍵を使用し、単純なブロック暗号の利用モードであるSE1モードを用いて実行される。なお、SC325bとIC325aとは共にSCのシリアルIDと通信制御ICのシリアルIDとを記憶しており、第1〜第3認証シーケンスのうち、いずれか1つはチャレンジ/レスポンス方式を用いてSCのシリアルIDを認証するシーケンスであり、また第1〜第3認証シーケンスのうち、いずれか1つはチャレンジ/レスポンス方式を用いて通信制御ICのシリアルIDを認証するシーケンスである。これらSCのシリアルIDと通信制御ICのシリアルIDと前述の基板シリアルIDとは、それぞれ異なるIDで構成されている。
これらの認証シーケンスが終了後、次にSC325bとIC325aとの間で、IC認証結果シーケンスが実行される。SC325bからIC325aへIC認証結果通知が送信される。このIC認証結果通知によって第1認証シーケンスから第3認証シーケンスまでの認証結果を総括して通知される。一方、IC325aからSC325bへIC認証結果応答が送信される。IC認証結果応答によって第1認証シーケンスから第3認証シーケンスまでの認証結果を総括して通知される。このIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正である場合、前述した第1認証シーケンスから第3認証シーケンスまでの処理がリトライされる。そのリトライ回数は2回が限度であり、その2回のリトライ後でもこのIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正である場合には、SC325bは「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知を行ない、上位装置のリセット処理開始まで待機する(リセット待ち)。
複数(ここでは2回)のリトライ後でもIC認証結果通知および/またはIC認証結果応答が不適正である場合には、リセット処理(たとえば電源再投入)により復帰する。しかしこれに限らず、リセット待ちの状態のときに、SC325bが上位装置である鍵管理サーバ800や上位サーバ801との認証が取れたことを条件に復帰させてもよい。
以上説明したCU制御部323とSC325との間のシーケンスおよびSC325とIC325aとの間のシーケンスについて、その制御動作を以下にまとめて記載する。
CU制御部323は、認証相手であるSC325bを識別するためのSC325b識別情報を記憶しており(基板シリアルIDを記憶しており)、IC325aは、当該IC325aを識別するためのIC325a識別情報と、SC325b識別情報とを記憶しており(ID情報等を記憶しており)、SC325bは、SC325b識別情報(基板シリアルID)と、IC325a識別情報(ID情報等)とを記憶している。そして、CU制御部323とSC325bとの間で、SC325bにおいて記憶しているSC325b識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成してCU制御部323に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該CU制御部323において、記憶しているSC325b識別情報を用いて、受信したチャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成してSC325bへ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、SC325bにおいて、記憶しているSC325b識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理を行なう(図131のレスポンスコードチェック)。
また、SC325bとIC325aとの間で、SC325bにおいて記憶しているSC325b識別情報を用いてチャレンジコードを生成してIC325aに送信し、該IC325aにおいて、記憶しているSC325b識別情報を用いて、受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してSC325bへ返信し、SC325bにおいて、記憶しているSC325b識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、IC325aにおいて記憶しているIC325a識別情報を用いてチャレンジコードを生成してSC325bに送信し、該SC325bにおいて、記憶しているIC325a識別情報を用いて、受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してIC325aへ返信し、IC325aにおいて、記憶しているIC325a識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
このような動作制御によれば、CU制御部323とSC325bとの間およびSC325bとIC325aとの間において、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、制御手段間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
また、互いに暗号通信を行なうCU制御部323およびIC325aと、該IC325aと互いに暗号通信を行なうIC325aとを備えた遊技用システムまたは遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)は、CU制御部323とIC325aとの間およびIC325aとIC325aとの間で、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、該相互認証処理手段により行なわれる複数種類の相互認証処理における各相互認証単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含んでいる。そして、相互認証処理手段は、総括通知手段により異常を総括して通知した後、該異常のあった制御手段間で複数種類の相互認証処理を再度行なう再認証処理を実行する(図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
このような動作制御によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間およびIC325aとIC325aとの間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、異常のあった制御手段間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
また、上記遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、不適正な制御手段間で以降の処理を停止する停止手段(図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、不適正な制御手段間で以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
また、上記遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
また、互いに暗号通信を行なうSC325bとIC325aとを備えた遊技用システムまたは遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)は、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理をSC325bとIC325aとの間で行なう相互認証処理手段(図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、該相互認証処理手段による各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含む。そして、相互認証処理手段は、総括通知手段により異常を総括して通知した後、複数種類の相互認証処理をCU制御部323とIC325aとの間で再度行なう再認証処理を実行する(図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
このような動作制御によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理がSC325bとIC325aとの間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、複数種類の相互認証処理をSC325bとIC325aとの間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
上記の遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、SC325bとIC325aとによる以降の処理を停止する停止手段(図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、SC325bとIC325aとによる以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
上記の遊技用システムまたは遊技機器は、相互認証処理手段による再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
このような動作制御によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
上記の遊技用システムまたは遊技機器における相互認証処理手段は、IC325aにおいてチャレンジコードを生成してSC325bに送信し、該SC325bにおいて記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してIC325aへ返信し、IC325aにおいて、記憶している識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、SC325bにおいてチャレンジコードを生成してIC325aに送信し、該IC325aにおいて記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成してSC325bへ返信し、SC325bにおいて、記憶している識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
このような動作制御によれば、SC325bとIC325aとにおいて、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両遊技手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
次に、図149に基づいて、SE2モードによる復号処理のカウンタ動作を説明する。前述の実施の形態では、下り用カウンタと上り用カウンタとの2種類のものを示した(図135参照)。その2種類の場合を図149(b)に示している。一方、下り用と上り用とで共通のカウンタを用いるものを図149(a)に示している。先ず図149(a)に基づいて共通カウンタを用いるものを説明する。
共通カウンタの場合、CU制御部323とSC325との間でクロス送信が発生した場合の両者間でのカウンタ値の食い違いが生ずる不都合がある。通常の送信では、たとえばSC325からの応答(レスポンス)がCU制御部323に送信されてきた後次の要求(コマンド)をCU制御部323がSC325へ送信する。これに対し、クロス送信では、SC325からの応答(レスポンス)の出力とCU制御部323からの次の要求(コマンド)の出力とが殆ど同時になされて、CU制御部323からの次の要求(コマンド)の出力がなされた後にSC325からの応答(レスポンス)をCU制御部323が受信し、SC325からの応答(レスポンス)の出力がなされた後にCU制御部323からの次の要求(コマンド)がSC325に受信される。
そして、共通カウンタの場合に、前述のクロス送信が生じたときには、たとえばCU制御部323側においてSC325からの応答(レスポンス)を受信する前に次の要求(コマンド)を送信することによってカウンタ値が1つ更新された状態(カウンタ値=3)となっており、カウンタ値(=2)で暗号化された応答(レスポンス)をその1つ更新された後のカウンタ値(=3)により復号するために、CU制御部323側とSC325側とでのカウンタ値が食い違った状態となり、適正に復号できないという不都合が生ずる。
そこで、一方、下り用カウンタと上り用カウンタとの2種類のものを用いる場合には、前述のクロス送信が生じたときに、図149(b)を参照して、たとえばCU制御部323側においてSC325からの応答を受信する前に次の情報を送信することによって下り用カウンタ値が1つ更新された状態(下り用カウンタ値=3)となったとしても、その更新されたカウンタ値はCU制御部323からSC325へ送信する暗号文の生成に用いられる下り用カウンタ値が更新されるだけであって上り用カウンタ値は更新されないために(上り用カウンタ値=1)、上り用カウンタ値(=1)によって暗号化されたSC325からの応答(レスポンス)を同じ上り用カウンタ値(=1)を用いてCU制御部323側において適正に復号することが可能となる。
以上説明したように、第1制御手段(CU制御部323等)から第2制御手段(SC325b等)へ送信する暗号文の生成に用いる第1鍵(下りカウンタ)と、第2制御手段(SC325b等)から第1制御手段(CU制御部323等)へ送信する暗号文の生成に用いる第2鍵(上りカウンタ)とが、それぞれ独自に更新されるために、第1制御手段(CU制御部323等)と第2制御手段(SC325b等)との間でクロス送信が発生した場合の両制御手段間での鍵の食い違いが生ずる不都合を防止することができる。第2制御手段(SC325b等)からの応答が第1制御手段(CU制御部323等)に送信されてきた後次の情報を第1制御手段(CU制御部323等)が第2制御手段(SC325b等)へ送信するのが通常送信であるのに対し、クロス送信とは、第2制御手段(SC325b等)からの応答の出力と第1制御手段(CU制御部323等)からの次の情報の出力とが殆ど同時になされて、第1制御手段(CU制御部323等)からの次の情報の出力がなされた後に第2制御手段(SC325b等)からの応答を第1制御手段(CU制御部323等)が受信し、第2制御手段(SC325b等)からの応答の出力がなされた後に第1制御手段(CU制御部323等)からの次の情報が第2制御手段(SC325b等)に受信される送受信状態を言う(たとえば図149(a)(b)参照)。たとえば、第1制御手段(CU制御部323等)と第2制御手段(SC325b等)との間で送信する暗号文の生成に用いる鍵を1種類の鍵にして第1制御手段(CU制御部323等)から第2制御手段(SC325b等)への送信の度および第2制御手段(SC325b等)から第1制御手段(CU制御部323等)への送信の度にその1種類の鍵を互いに更新するようにした場合に、前述のクロス送信が生じたときには、たとえば第1制御手段(CU制御部323等)側において第2制御手段(SC325b等)からの応答を受信する前に次の情報を送信することによって鍵が1つ更新された状態となっており、第2制御手段(SC325b等)から送信されてきた応答情報をその1つ更新された後の鍵により復号するために、第1制御手段(CU制御部323等)側と第2制御手段(SC325b等)側とでの鍵が食い違った状態となり、適正に復号できないという不都合が生ずる。
そこで、第1制御手段(CU制御部323等)から第2制御手段(SC325b等)へ送信する暗号文の生成に用いる第1鍵(下りカウンタ)と、第2制御手段(SC325b等)から第1制御手段(CU制御部323等)へ送信する暗号文の生成に用いる第2鍵(上りカウンタ)との、2種類の鍵を用いることにした。その結果、前述のクロス送信が生じたときに、たとえば第1制御手段(CU制御部323等)側において第2制御手段(SC325b等)からの応答を受信する前に次の情報を送信することによって鍵が1つ更新された状態となったとしても、その更新された鍵は第1制御手段(CU制御部323等)から第2制御手段(SC325b等)へ送信する暗号文の生成に用いられる第1鍵(下りカウンタ)が更新されるだけであって第2鍵(上りカウンタ)は更新されないために、第2鍵(上りカウンタ)によって暗号化された第2制御手段(SC325b等)からの応答情報を同じ第2鍵(上りカウンタ)を用いて第1制御手段(CU制御部323等)側において適正に復号することが可能となる。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図150は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図150を参照して、スロットマシン2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図150では図示を省略しているが、スロットマシン2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
スロットマシン2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、スロットマシン2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、スロットマシン2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
スロットマシン2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓10から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図5の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図150に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
スロットマシン2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引き落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、スロットマシン2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図5参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU2へ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、スロットマシン2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
すなわち、S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図151は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図151は、P台の構成として説明した図8の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図8を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図5に示した遊技枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、図81に示した多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510には、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510には遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510にはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点を図81のドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出をできながらも、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止できる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 大当り中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、大当り中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、大当り中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。
(9) 大当りが発生したときの遊技玉数を記憶しておき、大当り中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、大当りが発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(10) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(11) 本実施の形態では、計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数される。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(12) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理」とは、たとえば、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(13) 本実施の形態では、(A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、本実施の形態の形態では、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行われる。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(14) 本実施の形態では、玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされる。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断したが、これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっている(遊技中でない)か否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(15) 図62では、大当りが発生していないことを条件(S482でNO)として、S483に移行するが、S482のステップを削除して、S481からS483に移行するものとしてもよい。すなわち、大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、S486およびS487のステップを削除してもよい。すなわち、図62では、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させているが、発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(16) 図8を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(17) 図43の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。
(18) 本実施の形態では、遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行される。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(19) 本実施の形態では、遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されない。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(20) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(21) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(22) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(23) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(24) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(25) 図8あるいは図151において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(26) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(27) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータや上位サーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータや上位サーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(28) 前述の実施の形態では、電波センサ163、173が電波を検出したときにハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力されるものを示したが、電波センサ163、173の信号を反転する反転増幅器(インバータ)を電波センサ163、173に設けてその反転増幅器を経由して信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力されるように構成してもよい。このようにすることにより、電波センサ163、173が非検出時にはハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力される一方、電波の検出時にはローレベル信号が入力されて主制御基板16、払出制御基板17で異常発生の判定を行ない、電波センサ163、173が不正に引抜かれた場合には、主制御基板16、払出制御基板17にローレベル信号が入力されて電波検出時と同様に主制御基板16、払出制御基板17が異常発生の判定を行なうことが可能になる。
(29) 前述の実施の形態では、電源投入時に主制御部161から送信されてきた入賞口情報やラウンド数情報を記憶保持する記憶手段を払出制御部171が有しており、遊技中に主制御部161から送信されてきた加算数カウンタの情報を記憶保持している入賞口情報やラウンド数情報と比較して整合しているか否か判定している(図79、図80参照)。これを「トータル賞球個数整合判定」と呼ぶ。しかし、入賞口情報やラウンド数情報を記憶保持することに代えて、主制御部161から加算数カウンタの情報とともに入賞口情報やラウンド数情報もその都度送信してもらい、それを受信した払出制御部171において、受信した加算数カウンタの情報が受信した入賞口情報やラウンド数情報と整合しているか否か判定するように制御してもよい。これを、「入賞口情報やラウンド数情報の毎回送信方式」と呼ぶ。
(30) 遊技盤電波センサ断線検知または遊技枠電波センサ断線検知が払出制御基板17に入力がなされたときに、払出制御基板17を不能動化してもよい。不能動化の具体例としては、加算玉数のCU3への送信を停止する、加算玉カウンタの計数動作を停止する、などがある。
(31) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(32) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(33) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。係数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(34) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(35) 図80のS663では、ポーリング間隔における加算数カウンタの増加量(遊技玉)が適正な値になっているか否かにより異常の有無の判断を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、どこの入賞口に入賞したかの情報とその入賞によって加算した賞球個数情報(加算玉数)とを関連付けて主制御基板16から払出制御基板17へ送信し、払出制御基板17において、入賞した入賞口に応じて加算されるはずの賞球個数が受信した賞球個数情報(加算玉数)と一致しているか否かにより、異常の有無の判断を行なってもよい。これを、「入賞口別の個別判定方式」と呼ぶ。
具体的には、払出制御基板17は、主制御基板16から送信されてきた入賞口情報を記憶している。その内容は、各入賞口毎に対応付けられた賞球個数情報(加算玉数)である(図78(a)参照)。そして、遊技中に入賞が生じれば、どこの入賞口に入賞したかの情報とその入賞によって加算した賞球個数情報(加算玉数)とを関連付けて主制御基板16から払出制御基板17へ送信される。たとえば、「始動入賞口1に入賞し賞球個数情報(加算玉数)が5」のような情報が送られてくる。それを受信した払出制御基板17は、記憶している入賞口情報(図78(a))を参照し、「始動入賞口1」にたいおうして記憶されている賞球個数情報(加算玉数)「3」を読出す。その読出した賞球個数情報(加算玉数)「3」と受信した賞球個数情報(加算玉数)「5」とを比較し、不一致の場合に異常が発生したと判定する。
つまり、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)は、
遊技機の遊技の進行を制御するとともに、複数種類の入賞のうちのいずれかに入賞の発生に基づいて該入賞の種類に対応する点数を前記遊技点に加算する加算更新量を特定するための加算更新情報を生成する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)が設けられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)と、
前記遊技部品を取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)と、
前記遊技枠に設けられ、前記遊技制御手段により生成された前記加算更新情報(加算玉数、加算数)を受信し、該加算更新情報に基づいて前記遊技点を加算更新するとともに該遊技点の遊技への使用に基づいて該遊技点を減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)とを備え、
前記入賞の発生に応じて加算更新される前記遊技点の加算更新量は、発生した入賞の種類に応じて予め定められており(図78(a))、
前記遊技制御手段は、予め定められた加算更新量を規定加算更新量として記憶しており(入賞口情報は主制御基板16に設けられた主制御部161のROM等のメモリに記憶されている)、該規定加算更新量を前記遊技点処理手段へ送信する処理を行ない(図77:主制御基板16から払出制御基板17へ入賞口情報が送信される)、
前記遊技点処理手段は、前記加算更新情報と該加算更新情報の発生の原因となる入賞の種類と該入賞の数とを前記遊技制御手段より受信し、前記入賞の種類に対応する規定加算更新量に対する前記入賞の数の積の値が前記加算更新情報により特定される加算更新量に一致するか否かにより、前記加算更新量が適正な大きさであるか否かを判定する適否判定手段を含む。
このような「入賞口別の個別判定方式」は、メインの実施の形態に記載した「トータル賞球個数整合判定」と、上記(29)に記載した「入賞口情報やラウンド数情報の毎回送信方式」との、いずれに適用してもよい。
(36) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(37) 図32〜図60、図119〜図149で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3、P台2、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(38) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(39) 前述の実施の形態では、図53、図55、図57等で説明したように、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323に設け、遊技機とCU3との通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3とP台2との間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(40) 前述の実施の形態では、CU制御部323およびセキュリティチップ325b間でのチャレンジレスポンス認証として、基板シリアルIDについての認証のみを行なっているが、CU制御部323のシリアルID(SIDとも言う)ついての認証も行なうようにしてもよい。具体的には、セキュリティチップ325b製造段階でSIDをセキュリティチップ325bに記憶させておくとともに、CU3を遊技場に搬入して上位サーバ801に接続させたときに鍵管理サーバ800から上位サーバ801経由でSIDをダウンロードしてCU制御部323が記憶し、CU制御部323およびセキュリティチップ325b間でSIDによるチャレンジレスポンス認証を行なう。
つまり、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段に通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第2制御手段に通信可能に接続された第3制御手段(通信制御IC325a、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを含む遊技用システム(または遊技機器)であって、
第1制御手段は、認証相手である前記第2制御手段を識別するための第2制御手段識別情報を記憶しており(基板シリアルIDを記憶しており)、
前記第3制御手段は、当該第3制御手段を識別するための第3制御手段識別情報と、前記第2制御手段識別情報とを記憶しており(ID情報等を記憶しており)、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段を識別するための第1制御手段識別情報認証(CU制御部323のSID)と、前記第2制御手段識別情報(基板シリアルID)と、前記第3制御手段識別情報(ID情報等)とを記憶しており、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、
前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記第1制御手段に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該第1制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成して前記第2制御手段へ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理を行ない(図131のレスポンスコードチェック)、
前記第1制御手段において記憶している当該第1制御手段を識別するための第1制御手段識別情報認証(SIDを記憶し)を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第1制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第1制御手段へ返信し、前記第1制御手段において、記憶している前記第1制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理を行なう。
また、上記の遊技用システム(または遊技機器)において、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、前記第1および第2チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理を行ない、
前記第1および第2チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく前記相互認証処理を実行し、全ての認証結果の総括として不適正通知を行なうようにしてもよい。
<実施の形態に含まれる各種の構成>
(1−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)する記録媒体処理手段(CU制御部323)と、
前記遊技点記憶手段に記憶されている全遊技点に対する変換表示が終了したときに、前記記録媒体処理操作を有効化する有効化手段(図43)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換する表示を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(1−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技を可能とするための遊技点処理装置(CU、P台、S台)であって、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作(計数ボタン28,28Sの操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)する記録媒体処理手段(CU制御部323)と、
全遊技点に対する変換表示が終了したときに、前記記録媒体処理操作を有効化する有効化手段(図43)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換する表示を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(1−3) (1−1)に記載の遊技用システムであって、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)とを含む。
上記の構成によれば、表示上だけでなく、実際に遊技点が持点に変換されて持点として記憶されるため、より一層、従来のシステムに近い形で遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(1−4) (1−1)(1−3)に記載の遊技用システムであって、
前記記録媒体処理手段を含む遊技用装置(CU)と、
前記表示手段を含む遊技機(P台、S台)とを含み、
前記遊技用装置は、前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御部350)を含む。
上記の構成によれば、表示手段を遊技側に設けることによって遊技機に正対する遊技者が変換表示の様子を見易くなるとともに表示制御手段を遊技用装置側に設けることによって遊技機側の表示制御負担を軽減できる。
(1−5) (1−4)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技機は、前記変換操作手段(計数ボタン28,28S)を含む。
上記の構成によれば、変換操作手段を遊技側に設けることによって遊技機に正対する遊技者の操作性を向上できる。
(1−6) (1−1)(1−3)(1−4)(1−5)に記載の遊技用システムであって、
全遊技点に対する変換表示が前記表示手段によって行なわれていないときに前記記録媒体処理操作が検出されると、前記表示手段は前記変換操作手段の操作を促す表示(図43)を行なう。
上記の構成によれば、変換操作手段の操作を促す表示が行なわれることによって、記録媒体処理操作が有効化されなかった理由を遊技者に察知させることができる。
(1−7) (1−4)(1−5)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技機は前記遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)を含み、
前記遊技用装置は前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のカード持玉(計数玉)の領域)を含む。
上記の構成によれば、遊技点と持点との管理を遊技機と遊技用装置とに分担させることが可能となり、各々の管理負担を軽減できる。
(1−8) (1−1)(1−3)〜(1−7)に記載の遊技用システムであって、
前記記録媒体処理手段は、
前記持点記憶手段に記憶されている持点を前記記録媒体の記録情報により特定可能とするための持点処理を行なう持点処理手段(CU制御部323がカードに持点を記録、またはカードIDと持点とをサーバに送信して記憶させる)と、
前記持点処理が行なわれた後、前記記録媒体を遊技者に返却する返却処理手段(CU制御部323がカードを排出)とを含む。
上記の構成によれば、記録媒体処理操作によって、持点処理と記録媒体の返却処理とが併せて行なわれるため、遊技を終了する際の遊技者の操作が楽になる。
(2−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が所定点数以上(3000玉以上)であるときに、所定の報知制御(表示器にて計数操作を促す表示をするための制御)を行なう報知制御手段(図62のS489)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点が所定点数以上であれは所定の報知制御が行なわれるのであり、これによって遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
(2−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技を可能とするための遊技点処理装置(CU、P台、S台)であって、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作(計数ボタン28,28Sの操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
前記遊技点が所定点数以上(3000玉以上)であるときに、所定の報知制御(表示器にて計数操作を促す表示をするための制御)を行なう報知制御手段(図62のS489)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点が所定点数以上であれは所定の報知制御が行なわれるのであり、これによって遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
(2−3) (2−1)に記載の遊技用システムであって、
前記報知制御手段は前記表示手段を制御する手段(表示制御部350)であって、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が前記所定点数以上であるときに、前記変換操作手段の操作を促す表示を前記表示手段に行なわせる(図62)。
上記の構成によれば、前記変換操作を促す表示が行なわれるため、遊技者に報知の意味を理解させ易い。
(2−4) (2−1)(2−3)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が前記所定点数以上であるときに、前記遊技機を遊技不能状態に制御する不能動化手段(図62のS486;発射停止)を含む。
上記の構成によれば、遊技点が所定点数以上であれば遊技が不能動化されるため、変換操作を促すことができる。
(3−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、前記遊技点記憶手段に所定点数以上(たとえば、250点以上)の遊技点が記憶されていることを条件にして、前記変換操作手段の操作を有効化する有効化手段(図46)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換表示されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(3−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技を可能とするための遊技点処理装置(CU、P台、S台)であって、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作(計数ボタン28,28Sの操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)と、
前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、所定点数以上(たとえば、250点以上)の遊技点が残っていることを条件にして、前記変換操作を有効化する有効化手段(図46)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換表示されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(3−3) (3−1)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときに、前記遊技点記憶手段に前記所定点数以上の遊技点が記憶されていない状態で前記変換操作手段の操作が検出されると、第1の報知制御(遊技中かつ遊技玉が250個以下であるため、計数操作を無効にしたことを表示器に表示する制御)を行なう報知制御手段を含む。
上記の構成によれば、遊技点を用いた遊技の実行中に遊技点が所定点数残っていない状態で変換操作をすると第1の報知制御が行なわれるため、遊技者に変換操作が有効でないことを理解させることができる。
(3−4) (3−1)(3−3)に記載の遊技用システムであって、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶されている前記遊技点を前記持点に変換する変換処理を行なう変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)とを含み、
前記変換処理手段は、前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときに前記変換操作手段の操作が検出されると、前記遊技点記憶手段に記憶されている前記遊技点が前記所定点数に至るまで前記変換処理を行ない(図46)、
前記報知制御手段は、前記遊技点記憶手段に記憶されている前記遊技点が前記所定点数に至るまで前記変換処理が行なわれたときに、第2の報知制御(計数操作を途中で無効にしたことを表示する制御)を行なう。
上記の構成によれば、遊技点を用いた遊技の実行中に変換操作をして遊技点がそれ以上は変換処理されない所定点数に至ると、第2の報知制御が行なわれるため、それ以上は遊技点が変換されないことを遊技者に理解させることができる。
(4−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)と、
前記持点を使用した所定の持点使用処理(ワゴンサービス、持点共有)を実行するための持点使用操作手段(タッチパネル;図63等)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記持点使用処理に必要な点数を減点する減点手段(図59、図60)と、
前記持点記憶手段に記憶されている持点が前記持点使用処理に必要な点数に満たないときに、所定の報知制御(図59、図60;「持玉不足のため計数ボタンを押してください」と表示器に表示する制御)を行なう報知制御手段(表示制御部350)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、変換後の持点と引き換えにした持点使用処理を実行できるとともに、残っている持点が持点使用処理に必要な点数に満たないときには、所定の報知制御が行なわれるために、希望の持点使用処理を実行するために遊技点を持点に変換する操作を遊技者に促すことができる。
(4−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技を可能とするための遊技点処理装置(CU、P台、S台)であって、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作(計数ボタン28,28Sの操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)と、
前記持点を使用した所定の持点使用処理(ワゴンサービス、持点共有)を実行するための持点使用操作手段(タッチパネル;図63等)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記持点使用処理に必要な点数を減点する減点手段(図59、図60)と、
前記持点記憶手段に記憶されている持点が前記持点使用処理に必要な点数に満たないときに、所定の報知制御(図59、図60;「持玉不足のため計数ボタンを押してください」と表示器に表示する制御)を行なう報知制御手段(表示制御部350)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、変換後の持点と引き換えにした持点使用処理を実行できるとともに、残っている持点がその持点使用処理に必要な点数に満たないときには、所定の報知制御が行なわれるために、希望の持点使用処理を実行するために遊技点を持点に変換する操作を遊技者に促すことができる。
(4−3) (4−1)に記載の遊技用システムであって、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)する記録媒体処理手段(CU制御部323)を含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換する表示を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(4−4) (4−3)に記載の遊技用システムであって、
前記記録媒体処理手段を含む遊技用装置(CU)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,510)を備える遊技機(P台、S台)とを含み、
前記遊技用装置は、前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御部350)を含む。
上記の構成によれば、表示手段を遊技側に設けることによって遊技機に正対する遊技者が変換表示の様子を見易くなるとともに表示制御手段を遊技用装置側に設けることによって遊技機側の表示制御負担を軽減できる。
(4−5) (4−4)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技機は、前記変換操作手段(計数ボタン28,28S)を含む。
上記の構成によれば、変換操作手段を遊技側に設けることによって遊技機に正対する遊技者の操作性を向上できる。
(4−6) (4−4)(4−5)に記載の遊技用システムであって、
前記遊技機は前記遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)を含み、
前記遊技用装置は前記持点記憶手段(図8のカード持玉(計数玉)の領域)を含む。
上記の構成によれば、遊技点と持点との管理を遊技機と遊技用装置とに分担させることが可能となり、各々の管理負担を軽減できる。
(4−7) (4−3)〜(4−6)に記載の遊技用システムであって、
前記記録媒体処理手段は、
前記遊技点記憶手段に記憶されている前記遊技点を前記持点として前記記録媒体の記録情報により特定可能とするための持点処理を行なう持点処理手段(CU制御部323がカードに持点を記録、またはカードIDと持点とをサーバに送信して記憶させる)と、
前記持点処理が行なわれた後、前記記録媒体を遊技者に返却する返却処理手段(CU制御部323がカードを排出)とを含む。
上記の構成によれば、記録媒体処理操作によって、持点処理と記録媒体の返却処理とが併せて行なわれるため、遊技を終了する際の遊技者の操作が楽になる。
(5−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)とを含み、
前記変換操作手段に対する操作に応じて、前記遊技点記憶手段に記憶されている全遊技点を前記持点に変換表示するための全部変換操作(図84の「全部計数」)と、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点のうちの一部を前記持点に変換表示するための一部変換操作(図84の「一部計数」)とを実行可能に構成されている。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点の全部変換操作と一部変換操作とが可能であるため、遊技により得られた遊技媒体の一部計数が可能とされる従来の遊技用システムにより一層、近い形で遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(5−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技を可能とするための遊技点処理装置(CU、P台、S台)であって、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)とを含み、
前記変換操作手段に対する操作に応じて、全遊技点を前記持点に変換表示するための全部変換操作(図84の「全部計数」)と、前記遊技点のうちの一部を前記持点に変換表示するための一部変換操作(図84の「一部計数」)とを実行可能に構成されている。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点の全部変換操作と一部変換操作とが可能であるため、遊技により得られた遊技媒体の一部計数が可能とされる従来の遊技用システムにより一層、近い形で遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(5−3) (5−1)に記載の遊技用システムであって、
前記表示手段は、前記変換操作手段を操作し続ける連続操作時間に応じて、前記変換操作手段の1回の操作で前記持点に変換表示する遊技点の点数を異ならせる(短押しでは100玉、長押しでは400玉以上)。
上記の構成によれば、変換操作手段を操作し続ける連続操作時間に応じて変換操作手段の1回の操作で持点に変換表示する遊技点の点数が異なるため、変換操作手段を操作する遊技者にとっての利便性を向上させることができる。
(5−4) (5−1)に記載の遊技用システムであって、
前記表示手段は、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点の点数に応じて、前記変換操作手段の1回の操作で前記持点に変換表示する遊技点の点数を異ならせる(図83のS694〜S696)。
上記の構成によれば、遊技点記憶手段に記憶されている遊技点の点数に応じて変換操作手段の1回の操作で持点に変換表示する遊技点の点数が異なるため、遊技点が比較的多い場合であってもすべての遊技点を変換表示させるために必要な変換操作手段の操作回数が極端に多くなってしまうことがなく、これにより操作性を向上させることができる。
(5−5) (5−1)に記載の遊技用システムであって、
前記表示手段は、前記変換操作手段の1回の操作で所定点数の前記遊技点を前記持点に変換表示する(短押しでは100玉(図43)。長押しでは100玉以上の所定数、たとえば、200あるいは400とすることが考えられる。)。
上記の構成によれば、変換操作手段の1回の操作で所定点数の遊技点が持点に変換表示されるため、変換操作と変換表示対象の遊技点との関係を遊技者が理解し易い。
(5−6) (5−1)に記載の遊技用システムであって、
前記変換操作手段は、第1の大きさの点数の遊技点を前記持点に変換表示するための操作が可能な第1の変換操作手段と、第2の大きさの点数の遊技点を前記持点に変換表示するための操作が可能な第2の変換操作手段とを含む(図84)。
上記の構成によれば、第1および第2の変換操作手段を選択的に操作することによって、遊技者は1回の操作で変換表示する遊技点数を選択できる。
(6−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)と、
前記持点を使用して所定のサービスを受けるための持点使用操作手段(再プレイボタン319)と、
前記持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスを報知する制御を行なう報知制御手段(表示制御部350、図59、図60、図63〜図76)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記サービスに必要な点数を減点する減点手段(図59の「持点を精算後、持玉共有処理が終了」、図60「持点を精算後、ワゴンサービス終了」)とを含み、
前記報知制御手段は、前記持点記憶手段に記憶されている持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、前記遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして前記所定のサービスを報知しないように制御する(図71と図72のように×印を表示することにより遊技者が受けることのできるサービスとしての表示を行なわない。あるいは、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい)。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、持点記憶手段に記憶されている持点を使用して遊技者が所定のサービスを受ける際に、持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスが報知され、遊技者がその受けることのできるサービスを認識することができる。また、持点記憶手段に記憶されている持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして所定のサービスを報知する制御が行なわれないために、持点記憶手段に記憶されている持点の範囲内で受けることのできるサービスであるとの誤解を遊技者に与える不都合を防止できる。
(6−2) 上記(6−1)の遊技用システムにおいて、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点以内のサービス(図71、図72の実線で囲んだメニュー)と、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが前記変換操作手段の操作により変換することのできる前記遊技点を前記持点に変換して持点を加算更新することにより必要な持点が更新後の持点以内とすることが可能なサービス(図71、図72の破線で囲んだメニュー)とを、区別して報知する制御を行なう。
このような構成によれば、遊技者は、複数種類のサービスのうち、持点記憶手段に記憶されている持点以内で受けることのできるサービスと、持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが遊技点を持点に変換して持点を加算更新することにより受けることのできるサービスとを、区別して認識することができる。サービスを受けるときの遊技者の利便性が向上する。
(6−3) 上記(6−1)または(6−2)の遊技用システムにおいて、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、前記変換操作手段の操作により変換することのできる前記遊技点をすべて前記持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスを報知しないように制御する(持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい)。
上記の構成によれば、遊技点をすべて持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスを報知する制御が行なわないために、そのようなサービスも受けることができるとの遊技者の誤解を防止することができる。
(6−4) 上記(6−1)または(6−2)の遊技用システムにおいて、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、前記変換操作手段の操作により変換することのできる前記遊技点をすべて前記持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスは遊技者が受けることのできないサービスとして報知する制御を行なう(図71と図72のように×印を表示することにより遊技者が受けることのできないサービスであることを表示する)。
上記の構成によれば、遊技点をすべて持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスは遊技者が受けることのできないサービスとして報知する制御が行なわないために、そのようなサービスも受けることができるとの遊技者の誤解を防止することができる。
(6−5) 上記(6−1)〜(6−4)のいずれかの遊技用システムにおいて、前記報知制御手段は、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが前記変換操作手段の操作により変換することのできる前記遊技点を前記持点に変換して加算更新することにより必要な持点が更新後の持点以内とすることが可能なサービスが選択されたときに、前記変換処理手段の操作を促す報知制御を行なう(図65、図73の「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」)。
上記の構成によれば、選択されたサービスが、持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが遊技点を持点に変換して加算更新することにより更新後の持点の範囲内で提供することのできるサービスであったときに、変換処理手段の操作を促す報知制御が行なわれるために、遊技者はその報知に従って変換操作を行ないサービスの提供を受けることができ、遊技者の利便性が向上する。
(6−6) 上記(6−5)の遊技用システムにおいて、前記報知制御手段は、前記変換操作手段の操作を促す報知制御が行なわれている間に遊技点が減少して前記持点記憶手段に記憶されている持点を必要な持点まで更新できなくなると、サービスを選択できなくなったことを報知する制御を行なう(図65、図73の「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」の表示が行なわれている間に遊技玉数が減少して持玉数を必要な持玉数まで更新できなくなると、表示制御部350は、「遊技玉数が減少したためサービスを選択できなくなりました。」のメッセージを表示する制御を行なう)。
上記の構成によれば、変換操作手段の操作を促す報知が行なわれたにも拘らずサービスを選択できなくなったことを遊技者が認識することができる。
(6−7) 上記(6−1)〜(6−6)の遊技用システムにおいて、前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときは、前記遊技点記憶手段に所定点数以上の遊技点が記憶されていることを条件にして、前記変換操作手段の操作を有効化する有効化手段(図83のS691〜S698)をさらに含む。
上記の構成によれば、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(6−8) 本発明の他の態様は、入賞の発生により付与された所定の遊技点を記憶する遊技点記憶手段を備えた遊技機(P台、S台)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ)を備え、前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(CU)であって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作(計数ボタン28,28Sの押下操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換するサービスを行なう変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図8のCU側の「カード持玉(計数玉)」)と、
前記持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスを報知する制御を行なう報知制御手段(表示制御部350、図59、図60、図63〜図76)と、
前記持点を使用して所定のサービスを受けるための持点使用操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記サービスに必要な点数を減点する減点手段(図59の「持点を精算後、持玉共有処理が終了」、図60「持点を精算後、ワゴンサービス終了」)とを含み、
前記報知制御手段は、前記持点記憶手段に記憶されている持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、前記遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして前記所定のサービスを報知しないように制御する(図71と図72のように×印を表示することにより遊技者が受けることのできるサービスとしての表示を行なわない。あるいは、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい)。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、持点記憶手段に記憶されている持点を使用して遊技者が所定のサービスを受ける際に、持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスが報知され、遊技者がその受けることのできるサービスを認識することができる。また、持点記憶手段に記憶されている持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして所定のサービスを報知する制御が行なわれないために、持点記憶手段に記憶されている持点の範囲内で受けることのできるサービスであるとの誤解を遊技者に与える不都合を防止できる。
(6−9) 上記(6−8)の遊技用装置において、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点以内のサービス(図71、図72の実線で囲んだメニュー)と、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが前記変換操作により変換することのできる前記遊技点を前記持点に変換して持点を加算更新することにより必要な持点が更新後の持点以内とすることが可能なサービス(図71、図72の破線で囲んだメニュー)とを、区別して報知する制御を行なう。
上記の構成によれば、遊技者は、複数種類のサービスのうち、持点記憶手段に記憶されている持点以内で受けることのできるサービスと、持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが遊技点を持点に変換して持点を加算更新することにより受けることのできるサービスとを、区別して認識することができ、サービスを受けるときの遊技者の利便性が向上する。
(6−10) 上記(6−8)または(6−9)の遊技用装置において、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、前記変換操作により変換することのできる前記遊技点をすべて前記持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスを報知しないように制御する(持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい)。
上記の構成によれば、遊技点をすべて持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスを報知する制御が行なわないために、そのようなサービスも受けることができるとの遊技者の誤解を防止することができる。
(6−11) 上記(6−8)または(6−9)の遊技用装置において、前記報知制御手段は、必要な持点が異なる複数種類のサービスを報知する制御が可能であり(図64、図71、図72)、前記変換操作により変換することのできる前記遊技点をすべて前記持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスは遊技者が受けることのできないサービスとして報知する制御を行なう(図71と図72のように×印を表示することにより遊技者が受けることのできないサービスであることを表示する)。
上記の構成によれば、遊技点をすべて持点に変換して加算更新しても必要な持点が更新後の持点を超えるサービスは遊技者が受けることのできないサービスとして報知する制御が行なわれるために、そのようなサービスも受けることができるとの遊技者の誤解を防止することができる。
(6−12) 上記(6−8)〜(6−11)のいずれかの遊技用装置において、前記報知制御手段は、必要な持点が前記持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが前記変換操作により変換することのできる前記遊技点をすべて前記持点に変換して加算更新することにより必要な持点が更新後の持点以内とすることが可能なサービスが選択されたときに、前記変換処理手段の操作を促す報知制御を行なう(図65、図73の「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」)。
上記の構成によれば、選択されたサービスが、持点記憶手段に記憶されている持点を超えるが遊技点を持点に変換して加算更新することにより更新後の持点の範囲内で提供することのできるサービスであったときに、変換処理手段の操作を促す報知制御が行なわれるために、遊技者はその報知に従って変換操作を行ないサービスの提供を受けることができ、遊技者の利便性が向上する。
(6−13) 上記(6−12)の遊技用装置において、前記報知制御手段は、前記変換操作を促す報知制御が行なわれている間に遊技点が減少して前記持点記憶手段に記憶されている持点を必要な持点まで更新できなくなると、サービスを選択できなくなったことを報知する制御を行なう(図65、図73の「持玉が足りません。計数ボタンを押して、持玉を補充してください。」の表示が行なわれている間に遊技玉数が減少して持玉数を必要な持玉数まで更新できなくなると、表示制御部350は、「遊技玉数が減少したためサービスを選択できなくなりました。」のメッセージを表示する制御を行なう)。
上記の構成によれば、変換操作手段の操作を促す報知が行なわれたにも拘らずサービスを選択できなくなったことを遊技者が認識することができる。
(6−14) 上記(6−8)〜(6−13)のいずれかの遊技用装置において、前記変換処理手段は、前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときは、前記遊技点記憶手段に所定点数以上の遊技点が記憶されていることを条件にして、前記変換操作が検出されたときの変換処理を行なう(図83のS691〜S698)。
上記の構成によれば、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(7−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)であって、
遊技機の遊技の進行を制御する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)が設けられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)と、
異なる種類の前記遊技部品を選択的に取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)と、
前記遊技枠側に設けられ、入賞の発生により前記遊技制御手段から出力される加算更新情報(加算玉数、加算数)を受信し、該加算更新情報に基づいて前記遊技点を加算更新するとともに該遊技点の遊技への使用に基づいて該遊技点を減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)と、
前記遊技枠側に設けられ、電磁波を検出するためのセンサ(電波センサ173)とを備えている。
上記の構成によれば、遊技点処理手段が設けられた遊技枠側に電波センサを検出するためのセンサが設けられているために、遊技機枠側に対する電磁波による不正行為に対しても対処可能となる。
(7−2) 上記(7−1)の遊技機において、前記遊技点処理手段は、前記センサが取外されることにより不能動化される(遊技枠電波センサ断線検知が払出制御基板17に入力がなされたときに、払出制御基板17を不能動化(たとえば、加算玉数のCU3への送信の停止、加算玉カウンタの計数動作の停止)してもよい)。
上記の構成によれば、センサが取外されることによって遊技点処理手段が不能動化されるために、センサを取外すという不正行為に対しても対処することが可能となる。
(7−3) 上記(7−1)または(7−2)の遊技機において、前記電磁波センサの検出信号を入力する入力部(図5の電波センサ173の払出制御基板17への入力ポート)を有し、検出信号が入力されたときに異常時制御を行なう異常時制御手段(S714、S715)をさらに備え、
前記センサが取外されたときに、該センサの検知信号と同じ入力状態となる(電波センサ173の信号を反転する反転増幅器(インバータ)を電波センサ173に設けてその反転増幅器を経由して信号が払出制御基板17に入力されるように構成することにより、電波センサ173が非検出時にはハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力される一方、電波の検出時にはローレベル信号が入力されて払出制御基板17で異常発生の判定を行ない、電波センサ173が不正に引抜かれた場合には、払出制御基板17にローレベル信号が入力されて電波検出時と同様に払出制御基板17が異常発生の判定を行なう)。
上記の構成によれば、センサが取外されたときに、そのセンサの検出信号と同じ入力状態となって異常時制御手段により異常時制御が実行されることとなるために、センサを取外すという不正行為に対しても対処することが可能となる。
(7−4) 本発明の他の態様は、遊技機(P台、S台)による遊技の進行を制御する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)が備えられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)を取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)であって、
入賞に基づいて前記遊技制御手段より出力される加算更新情報(加算玉数、加算数)を受信し、該受信した加算更新情報に基づいて遊技点を加算更新するとともに、該遊技点が遊技に用いられることにより該遊技点を減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)と、
電磁波を検出するためのセンサ(電波センサ173)とを備える。
上記の構成によれば、遊技点処理手段が設けられた遊技枠側に電波センサを検出するためのセンサが設けられているために、遊技機枠側に対する電磁波による不正行為に対しても対処可能となる。
(7−5) 上記(7−4)の遊技枠において、前記遊技点処理手段は、前記センサが取外されることにより不能動化される(遊技枠電波センサ断線検知が払出制御基板17に入力がなされたときに、払出制御基板17を不能動化(たとえば、加算玉数のCU3への送信の停止、加算玉カウンタの計数動作の停止)してもよい)。
上記の構成によれば、センサが取外されることによって遊技点処理手段が不能動化されるために、センサを取外すという不正行為に対しても対処することが可能となる。
(7−6) 上記(7−4)または(7−5)の遊技枠において、前記電磁波センサの検出信号を入力する入力部(図5の電波センサ173の払出制御基板17への入力ポート)を有し、検出信号が入力されたときに異常時制御を行なう異常時制御手段をさらに備え、
前記センサが取外されたときに、該センサの検知信号と同じ入力状態となる。
上記の構成によれば、センサが取外されたときに、そのセンサの検出信号と同じ入力状態となって異常時制御手段により異常時制御が実行されることとなるために、センサを取外すという不正行為に対しても対処することが可能となる(電波センサ173の信号を反転する反転増幅器(インバータ)を電波センサ173に設けてその反転増幅器を経由して信号が払出制御基板17に入力されるように構成することにより、電波センサ173が非検出時にはハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力される一方、電波の検出時にはローレベル信号が入力されて払出制御基板17で異常発生の判定を行ない、電波センサ173が不正に引抜かれた場合には、払出制御基板17にローレベル信号が入力されて電波検出時と同様に払出制御基板17が異常発生の判定を行なう)。
上記の構成によれば、センサが取外されたときに、そのセンサの検出信号と同じ入力状態となって異常時制御手段により異常時制御が実行されることとなるために、センサを取外すという不正行為に対しても対処することが可能となる。
(7−7) 本発明のさらに他の態様は、遊技枠に取付けられる遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)であって、
遊技機による遊技の進行を制御するとともに、入賞の発生に基づいて所定の遊技点に加算する加算更新量を特定するための加算更新情報(加算玉数、加算数)を生成する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)と、
電磁波を検出するためのセンサが設けられた前記遊技枠側に備えられ遊技点を加減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)に対し、前記加算更新情報を送信するための送信手段(図8の加算玉数の送信、図151の加算数の送信、図45)とを備える。
上記の構成によれば、遊技部品を遊技枠に取付けることにより、その遊技枠側に電波センサを検出するためのセンサが設けられているために、遊技機枠側に対する電磁波による不正行為に対しても対処可能となる。
(8−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)であって、
遊技機の遊技の進行を制御するとともに、入賞の発生に基づいて前記遊技点に加算する加算更新量を特定するための加算更新情報を生成する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)が設けられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)と、
前記遊技部品を取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)と、
前記遊技枠に設けられ、前記遊技制御手段により生成された前記加算更新情報(加算玉数、加算数)を受信し、該加算更新情報に基づいて前記遊技点を加算更新するとともに該遊技点の遊技への使用に基づいて該遊技点を減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)とを備え、
前記入賞の発生に応じて加算更新される前記遊技点の加算更新量は、発生した入賞の種類に応じて予め定められており(図78(a))、
前記遊技制御手段は、予め定められた加算更新量を規定加算更新量として記憶しており(入賞口情報は主制御基板16に設けられた主制御部161のROM等のメモリに記憶されている)、該規定加算更新量を前記遊技点処理手段へ送信する処理を行ない(図77:主制御基板16から払出制御基板17へ入賞口情報が送信される)、
前記遊技点処理手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを前記規定加算更新量に基づいて判定する適否判定手段(S663)を含む。
上記の構成によれば、入賞の発生に応じて加算更新される遊技点の加算更新量が、発生した入賞の種類に応じて予め定められており、遊技制御手段は、その予め定められた加算更新量を規定加算更新量として記憶しており、その規定加算更新量を遊技点処理手段へ送信する処理を行ない、それを受けた遊技点処理手段は、遊技制御手段より送信される加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを前記規定加算更新量に基づいて判定する。本来、入賞の発生に基づいて遊技制御手段から送信されてきた加算更新情報により特定される加算更新量と前記規定加算更新量とは整合性がとれているが、遊技制御手段から送信される加算更新情報自体に不正が行なわれた場合には、両者の整合性がとれなくなり、適否判定手段が適正な大きさでないと判定し、不正行為に対処することが可能となる。
(8−2) 上記(8−1)の遊技機において、前記遊技制御手段は、遊技機の電源投入時に規定加算更新量を送信し(S651)、
前記遊技点処理手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記規定加算更新量を記憶する記憶手段(S657で遊技盤情報(主制御チップID、入賞口情報、ラウンド数情報)を記憶保持する記憶媒体)を含み、
前記適否判定手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを前記記憶手段に記憶されている規定加算更新量に基づいて判定する(S663)。
上記の構成によれば、電源投入時に送信されてきた規定加算更新量が遊技点処理手段側において記憶され、それ以降遊技制御手段より送信されてきた加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを、記憶されている規定加算更新量に基づいて判定するために、遊技制御手段は、加算更新量を送信する度に規定加算更新量も送信する必要がなくなり、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
(8−3) 上記(8−2)の遊技機において、前記遊技制御手段は、遊技機の電源投入時に当該遊技制御手段を識別するための遊技制御手段識別情報も前記遊技点処理手段へ送信する処理を行ない(S651)、
前記記憶手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記遊技制御手段識別情報も記憶し(S657で主制御チップIDも記憶保持し)、
前記適否判定手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記遊技制御手段識別情報および前記規定加算更新量を前記記憶手段に記憶されている前記遊技制御手段識別情報および前記規定加算更新量と照合し、前記遊技制御手段識別情報は一致するが前記規定加算更新量が不一致のときに異常判定を行なう(S654でYESでS655でNOのときにS658で不正検知情報を発信)。
上記の構成によれば、遊技制御手段より送信されてきた遊技制御手段識別情報を記憶手段が記憶する。そして、遊技制御手段より送信されてきた遊技制御手段識別情報および規定加算更新量と、記憶手段に記憶されている遊技制御手段識別情報および規定加算更新量とを照合し、遊技制御手段識別情報は一致するが規定加算更新量が不一致のときに異常判定される。その結果、遊技制御手段と共に遊技部品を交換して新たな遊技部品を遊技枠に取付けた場合には遊技制御手段識別情報が一致しないと判定されるが遊技制御手段識別情報が一致する場合にはそのような交換が行なわれておらず、同じ遊技制御手段から送信されてきた規定加算更新量が既に記憶している規定加算更新量と不一致の場合には、遊技点処理手段へ送信される規定加算更新量自体に対する不正が行なわれたことが想定され、そのような場合に異常判定が行なわれるために、規定加算更新量自体に対する不正行為にも対処することが可能となる。
(8−4) 上記(8−2)または(8−3)の遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の遊技条件が成立することにより入賞発生確率が向上した高入賞状態を複数回継続させる特定遊技状態に制御し(大当たりの発生により可変入賞球装置(大入賞口271)を15ラウンド開閉制御し)、
前記特定遊技状態における前記高入賞状態の継続回数は、予め定められており(図78(b)の15回)、
前記遊技制御手段は、前記予め定められた高入賞状態の継続回数を規定継続回数として記憶しているとともに(入賞口情報は主制御基板16に設けられた主制御部161のROM等のメモリに記憶されている)、遊技機の電源投入時に、該規定継続回数も前記遊技点処理手段へ送信する処理を行ない(S651)、
前記記憶手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた規定継続回数を記憶し(S657でラウンド数情報を記憶保持し)、
前記適否判定手段は、受信した前記加算更新量の増加状態が前記記憶手段に記憶されている規定継続回数に整合しているか否かを判定する(遊技中に主制御部161から送信されてきた加算数カウンタの情報を、記憶保持しているラウンド数情報と比較して整合しているか否か判定し、主制御部161から送信されてくる加算数がアップしている状態が大当たりのラウンド数(15回)を超えて継続している場合には、異常と判断する)。
上記の構成によれば、記憶手段が遊技制御手段より送信されてきた規定継続回数も記憶している。そして、その規定継続回数に亘って高入賞状態が継続されるのであり、その間加算更新量が増加した状態となるのが一般的である。そして、適否判定手段は、受信した加算更新量の増加状態が記憶手段に記憶されている規定継続回数に整合しているか否かを判定するために、規定継続回数を超えて加算更新量が増加状態となるなどの不整合な状態を異常判定することが可能となる。
(8−5) 本発明の他の態様は、遊技機による遊技の進行を制御するとともに入賞の発生に基づいて遊技点に加算する加算更新量を特定するための加算更新情報(加算玉数、加算数)を生成する遊技制御手段(P台の主制御基板16、S台の主制御基板)が備えられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)を取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)であって、
前記遊技制御手段により生成された前記加算更新情報(加算玉数、加算数)を受信し、該加算更新情報に基づいて前記遊技点を加算更新するとともに該遊技点の遊技への使用に基づいて該遊技点を減算更新する遊技点処理手段(払出制御基板17)を備え、
前記入賞の発生に応じて加算更新される前記遊技点の加算更新量は、発生した入賞の種類に応じて予め定められており(図78(a))、
前記遊技点処理手段は、前記遊技制御手段より送信されてきた前記加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを前記規定加算更新量に基づいて判定する適否判定手段(S663)を含む。
上記の構成によれば、入賞の発生に応じて加算更新される遊技点の加算更新量が、発生した入賞の種類に応じて予め定められており、その予め定められた加算更新量を規定加算更新量として記憶している遊技制御手段から送信されてきた規定加算更新情報を受信した遊技点処理手段は、遊技制御手段より送信される加算更新情報により特定される加算更新量が適正な大きさであるか否かを前記規定加算更新量に基づいて判定する。本来、入賞の発生に基づいて遊技制御手段から送信されてきた加算更新情報と前記規定加算更新量とは整合性がとれているが、遊技制御手段から送信される加算更新情報自体に不正が行なわれた場合には、両者の整合性がとれなくなり、適否判定手段が適正な大きさでないと判定し、不正行為に対処することが可能となる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点(持玉、持点)に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう変換表示手段(表示器54,312,510)と、
遊技者が前記遊技機により遊技を開始してから現時点までに付与された前記遊技点に基づく表示を行なう表示手段(図45のドル箱表示、図81)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、遊技者が遊技機により遊技を開始してから現時点までに付与された遊技点に基づく表示が行なわれるために、遊技者が遊技を開始してから現時点までに獲得している利益を視認することができ、遊技者の利便性が向上する。
(9−2) 上記(9−1)の遊技用システムにおいて、前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)をさらに含み、
前記表示手段は、前記変換処理手段により変換された持点と遊技点との和に対して前記遊技機による遊技の開始前から遊技者が所有していた持点を減算することによって算出される利益(加算玉数累計−減算玉数累計)を表示する(図45)。
上記の構成によれば、変換処理手段により変換された持点と遊技点との和に対して遊技機による遊技の開始前から遊技者が所有していた持点を減算することにより、遊技を開始してから現時点までに獲得している利益を正確に算出することができ、その正確な利益を表示することが可能となる。
(9−3) 本発明の他の態様は、入賞の発生により付与された所定の遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)を備えた遊技機(P台、S台)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ)を備え、前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(CU)であって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう変換表示手段(表示器54,312,510)と、
遊技者が前記遊技機により遊技を開始してから現時点までに付与された前記遊技点に基づく表示を行なう表示手段(図45のドル箱表示、図81)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、遊技者が遊技機により遊技を開始してから現時点までに付与された遊技点に基づく表示が行なわれるために、遊技者が遊技を開始してから現時点までに獲得している利益を視認することができ、遊技者の利便性が向上する。
(9−4) 上記(9−3)の遊技用装置において、前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)をさらに含み、
前記表示手段は、前記変換処理手段により変換された持点と遊技点との和に対して前記遊技機による遊技の開始前から遊技者が所有していた持点を減算することによって算出される利益(加算玉数累計−減算玉数累計)を表示する(図45)。
上記の構成によれば、変換処理手段により変換された持点と遊技点との和に対して遊技機による遊技の開始前から遊技者が所有していた持点を減算することにより、遊技を開始してから現時点までに獲得している利益を正確に算出することができ、その正確な利益を表示することが可能となる。
(10−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
遊技者所有の持点を前記遊技点に変換するための第1変換操作手段(再プレイボタン319)と、
該第1変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点を前記遊技点に変換する処理を行なう第1変換処理手段(図39、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記遊技点を前記持点に変換するための第2変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
該第2変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する処理を行なう第2変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記第2変換処理手段による変換処理の実行中は前記第1変換操作手段の操作を無効にする第1変換操作無効手段(S684)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、第2変換処理手段による変換処理の実行中は第1変換操作手段の操作が無効にされるために、遊技点を持点に変換する処理の実行中において持点を遊技点に変換する処理が行なわれず、持点がわかりにくくなる不都合を防止することができる。
(10−2) 本発明の他の態様は、遊技の使用により所定の遊技点を減算更新するとともに入賞の発生により持点を加算更新する遊技機(P台、S台)による遊技を可能とするための遊技用システムであって、
遊技者所有の持点を前記遊技点に変換するための第1変換操作手段(再プレイボタン319)と、
該第1変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点を前記遊技点に変換する処理を行なう第1変換処理手段(図39、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記遊技点を前記持点に変換するための第2変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
該第2変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する処理を行なう第2変換処理手段(図43、払出制御部171、CU制御部323)と、
前記第1変換処理手段による処理の実行中は前記第2変換操作手段の操作を無効にする第2変換操作無効手段(S698)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、第1変換処理手段による変換処理の実行中は第2変換操作手段の操作が無効にされるために、持点を遊技点に変換する処理の実行中において遊技点を持点に変換する処理が行なわれず、持点がわかりにくくなる不都合を防止することができる。
(10−3) 上記(10−1)の遊技用システムにおいて、前記第1変換操作無効手段による無効処理が実行されたことを報知する第1無効処理報知手段(再プレイボタン319を押下げた操作が無効にされたときに、「計数処理中のため再プレイボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい)をさらに含む。
上記の構成によれば、第1変換操作無効手段による無効処理が実行されたことが報知されるために、遊技者が第1変換操作手段の操作が無効にされたことを認識することができる。
(10−4) 上記(10−2)の遊技用システムにおいて、前記第2変換操作無効手段による無効処理が実行されたことを報知する第2無効処理報知手段(計数ボタン28を押下げた操作が無効にされたときに、「持玉・貯玉からの玉貸し処理中のため計数ボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい)をさらに含む。
上記の構成によれば、第2変換操作無効手段による無効処理が実行されたことが報知されるために、遊技者が第2変換操作手段の操作が無効にされたことを認識することができる。
(10−5) 上記(10−1)〜(10−4)のいずれかの遊技用システムにおいて、前記第2変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)をさらに含む。
上記の構成によれば、遊技者が、第2変換操作手段の操作を行なうことにより遊技点の持点への変換表示がなされるため、遊技により得られた遊技媒体を計数している状態が視認できる従来の遊技用システムにより近くなり、従来の遊技用システムに慣れている遊技者の混乱の防止をより確実に行ない得る。
(10−6) 本発明の他の態様は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)と通信可能に接続するための接続部を備え、前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(CU)であって、
遊技者所有の持点を前記遊技点に変換する第1変換操作(再プレイボタン319の押下)が検出されたことに基づいて、前記持点を前記遊技点に変換する処理を行なう第1変換処理手段(図39、CU制御部323)と、
前記遊技点を前記持点に変換する第2変換操作(計数ボタン28,28Sの押下)が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する処理を行なう第2変換処理手段(図43、CU制御部323)と、
前記第2変換処理手段による変換処理の実行中は前記第1変換操作を無効にする第1変換操作無効手段(S684)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、第2変換処理手段による変換処理の実行中は第1変換操作手段の操作が無効にされるために、遊技点を持点に変換する処理の実行中において持点を遊技点に変換する処理が行なわれず、持点がわかりにくくなる不都合を防止することができる。
(10−7) 本発明の他の態様は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ)を備え、前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(CU)であって、
遊技者所有の持点を前記遊技点に変換する第1変換操作(再プレイボタン319の押下)が検出されたことに基づいて、前記持点を前記遊技点に変換する処理を行なう第1変換処理手段(図39、CU制御部323)と、
前記遊技点を前記持点に変換する第2変換操作(計数ボタン28,28Sの押下)が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する処理を行なう第2変換処理手段(図43、CU制御部323)と、
前記第1変換処理手段による変換処理の実行中は前記第2変換操作を無効にする第2変換操作無効手段(S698)とを含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。さらに、第1変換処理手段による変換処理の実行中は第2変換操作手段の操作が無効にされるために、持点を遊技点に変換する処理の実行中において遊技点を持点に変換する処理が行なわれず、持点がわかりにくくなる不都合を防止することができる。
(10−8) 上記(10−6)の遊技用装置において、前記第1変換操作無効手段による無効処理が実行されたことを報知する第1無効処理報知手段(再プレイボタン319を押下げた操作が無効にされたときに、「計数処理中のため再プレイボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい)をさらに含む。
上記の構成によれば、第1変換操作無効手段による無効処理が実行されたことが報知されるために、遊技者が第1変換操作手段の操作が無効にされたことを認識することができる。
(10−9) 上記(10−7)の遊技用装置において、前記第2変換操作無効手段による無効処理が実行されたことを報知する第2無効処理報知手段(計数ボタン28を押下げた操作が無効にされたときに、「持玉・貯玉からの玉貸し処理中のため計数ボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい)をさらに含む。
上記の構成によれば、第2変換操作無効手段による無効処理が実行されたことが報知されるために、遊技者が第2変換操作手段の操作が無効にされたことを認識することができる。
(10−10) 上記(10−6)〜(10−9)のいずれかの遊技用装置において、前記第2変換操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点を前記持点に変換する表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)をさらに含む。
上記の構成によれば、遊技者が、第2変換操作手段の操作を行なうことにより遊技点の持点への変換表示がなされるため、遊技により得られた遊技媒体を計数している状態が視認できる従来の遊技用システムにより近くなり、従来の遊技用システムに慣れている遊技者の混乱の防止をより確実に行ない得る。
(11−1) 本発明は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と第2制御手段(セキュリティチップ325B、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、
暗号通信に用いる暗号鍵(図135(a)の下り用カウンタ、図135(b)の上りカウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する鍵更新処理を行なう鍵更新手段(図135(c)〜図141のカウンタの更新処理)と、
該鍵更新手段により更新された鍵を用いて暗号文を生成する暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105)と、
該暗号手段により生成された暗号文を受信して前記鍵更新手段により更新された鍵を用いて復号する復号手段(図136、図142(b)のS133)とを含み、
前記鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141;1回の送信または受信で(暗号文のデータ長96バイト)/(鍵長16バイト)=6だけ加算更新)、
前記復号手段は、前記第1制御手段の鍵更新手段と前記第2制御手段の鍵更新手段との間で前記鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、該復号ができなかった方の制御手段に含まれている鍵を更新することにより復号を所定回数の範囲内で試みる鍵更新復号処理(図138、図139、図143(a)のS150〜S162)を行なう。
このような構成によれば、第1制御手段の鍵更新手段と第2制御手段の鍵更新手段との間で鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、復号ができなかった方の制御手段に含まれている鍵を更新することにより復号所定回数の範囲内で試みるために、互いの鍵が一旦食い違った後において、鍵を更新しながら復号を試みて鍵の食い違いを修復する処理が行なわれ、これにより鍵の食い違いを修復して復帰することが可能となる。
(11−2) 上記(11−1)の遊技用システムにおいて、前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、前記鍵更新復号処理を所定回数行なったとしても前記復号手段による適正な平文への復号ができなかったときに、エラー処理を実行するエラー処理手段(図143(a)のS162)をさらに含む。
このような構成によれば、鍵更新復号処理を所定回数行なったとしても適正な平文への復号ができなかったときに、エラー処理が行なわれるために、所定回数の鍵更新復号処理を行なったにもかかわらず適正な平文への復号ができないという異常事態に対処することが可能となる。
(11−3) 上記(11−1)または(11−2)の遊技用システムにおいて、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間での暗号通信は、暗号通信文が受信できなかったときに暗号通信文の再送信を予め定められた規定回数(2回)の範囲内で実行し、
前記復号手段は、前記規定回数に応じた実行回数の範囲内で前記鍵更新復号処理(図143(a)のS155、S161)を実行する。
このような構成によれば、鍵更新手段による鍵更新処理が暗号文の送受信に応じて行なわれるために、その鍵更新処理の齟齬が、暗号文が受信できなかったときの暗号通信文の再送信が原因で生ずることとなる。ゆえに、鍵更新復号処理は、その暗号文の再送信が実行される規定回数に応じた実行回数の範囲内で行なえば齟齬が解消されるはずである。ゆえに、鍵更新復号処理をその規定回数に応じた実行回数の範囲内で実行するようにし、みだりに多くの回数鍵更新復号処理を行なうことによるセキュリティの低下を極力防止することができる。
(11−4) 本発明の他の態様は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323)と第2制御手段(セキュリティチップ325B)とを備えた遊技用装置(カード処理装置3)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、
暗号通信に用いる暗号鍵(図135(a)の下り用カウンタ、図135(b)の上りカウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する鍵更新処理を行なう鍵更新手段(図135(c)〜図141のカウンタの更新処理)と、
該鍵更新手段により更新された鍵を用いて暗号文を生成する暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105)と、
該暗号手段により生成された暗号文を受信して前記鍵更新手段により更新された鍵を用いて復号する復号手段(図136)、図142(b)のS133)とを含み、
前記鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141;1回の送信または受信で(暗号文のデータ長96バイト)/(鍵長16バイト)=6だけ加算更新)、
前記復号手段は、前記第1制御手段の鍵更新手段と前記第2制御手段の鍵更新手段との間で前記鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、該復号ができなかった方の制御手段に含まれている鍵を更新することにより復号を所定回数の範囲内で試みる鍵更新復号処理(図138、図139、図143(a)のS150〜S162)を行なう。
このような構成によれば、第1制御手段の鍵更新手段と第2制御手段の鍵更新手段との間で鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、復号ができなかった方の制御手段に含まれている鍵を更新することにより復号所定回数の範囲内で試みるために、互いの鍵が一旦食い違った後において、鍵を更新しながら復号を試みて鍵の食い違いを修復する処理が行なわれ、これにより鍵の食い違いを修復して復帰することが可能となる。
(11−5) 上記(11−4)の遊技用装置において、前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、前記鍵更新復号処理を所定回数行なったとしても前記復号手段による適正な平文への復号ができなかったときに、エラー処理を実行するエラー処理手段(図143(a)のS162)をさらに含む。
このような構成によれば、鍵更新復号処理を所定回数行なったとしても適正な平文への復号ができなかったときに、エラー処理が行なわれるために、所定回数の鍵更新復号処理を行なったにもかかわらず適正な平文への復号ができないという異常事態に対処することが可能となる。
(11−6) 上記(11−4)または(11−5)の遊技用装置において、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間での暗号通信は、暗号通信文が受信できなかったときに
暗号通信文の再送信を予め定められた規定回数(2回)の範囲内で実行し、
前記復号手段は、前記規定回数に応じた実行回数の範囲内で前記鍵更新復号処理(図143(a)のS155、S161)を実行する。
このような構成によれば、鍵更新手段による鍵更新処理が暗号文の送受信に応じて行なわれるために、その鍵更新処理の齟齬が、暗号文が受信できなかったときの暗号通信文の再送信が原因で生ずることとなる。ゆえに、鍵更新復号処理は、その暗号文の再送信が実行される規定回数に応じた実行回数の範囲内で行なえば齟齬が解消されるはずである。ゆえに、鍵更新復号処理をその規定回数に応じた実行回数の範囲内で実行するようにし、みだりに多くの回数鍵更新復号処理を行なうことによるセキュリティの低下を極力防止することができる。
(12−1) 本発明は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と第2制御手段(セキュリティチップ325B、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、
暗号通信に用いる暗号鍵(図135(a)の下り用カウンタ、図135(b)の上りカウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する鍵更新処理を行なう鍵更新手段(図135(c)〜図141のカウンタの更新処理)と、
該鍵更新手段により更新された鍵を用いて暗号文を生成する暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105)と、
該暗号手段により生成された暗号文を受信して前記鍵更新手段により更新された鍵を用いて復号する復号手段(図136)、図142(b)のS133)とを含み、
前記鍵更新手段は、
暗号文の送受信に応じて前記鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141;1回の送信または受信で(暗号文のデータ長96バイト)/(鍵長16バイト)=6だけ加算更新)、さらに、
前記第1制御手段の鍵更新手段と前記第2制御手段の鍵更新手段との間で前記鍵更新処理の齟齬が生じて前記復号手段による暗号文の復号ができなかったときに、互いの鍵の初期化処理を行なう初期化処理手段(図73、図141、図142(a)、図143(b))を含む。
このような構成によれば、第1制御手段の鍵更新手段と第2制御手段の鍵更新手段との間で鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、互いの鍵の初期化処理が行なわれ、これにより鍵の食い違いを修復して復帰することが可能となる。
(12−2) 上記(12−1)の遊技用システムにおいて、前記初期化処理手段は、乱数を生成して該乱数を用いて初期の鍵を生成し(図142(a)のS101)、該鍵を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で共有する処理を行なう(図142(a)のS103、図142(b)のS130、S131)。
このような構成によれば、初期化処理によって、乱数が生成されてその乱数を用いて初期の鍵が生成され、その鍵を第1制御手段と第2制御手段との間で共有されるために、初期の鍵自体乱数を生成してランダムな鍵が生成されることとなり、初期化処理時におけるセキュリティを極力保つことが可能となる。
(12−3) 上記(12−2)の遊技用システムにおいて、前記初期化処理手段による前記共有する処理は、前記鍵更新手段により更新された鍵による暗号化方式とは異なる予め
定められた鍵(本認証鍵)を用いて前記初期の鍵を暗号化して該暗号化された初期の鍵を相手の制御手段へ送信して鍵を共有する処理である(図142(a)のS103によりSE1モードで本認証鍵を用いてRを暗号化し、図142(b)のS130によりSE1モードで本認証鍵を用いてRを復号し、S131で平文のRを記憶する)。
このような構成によれば、初期化処理手段による鍵を共有する処理が、鍵更新手段により更新された鍵による暗号化方式とは異なる予め定められた鍵を用いて初期化の鍵を暗号化して相手の制御手段へ送信するために、その初期化の鍵の送信時における鍵の漏洩に対するセキュリティを保つことができる。
(12−4) 本発明の他の態様は互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323)と第2制御手段(セキュリティチップ325B)とを備えた遊技用装置(カード処理装置3)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、ともに、
暗号通信に用いる暗号鍵(図135(a)の下り用カウンタ、図135(b)の上りカウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する鍵更新処理を行なう鍵更新手段(図135(c)〜図141のカウンタの更新処理)と、
該鍵更新手段により更新された鍵を用いて暗号文を生成する暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105)と、
該暗号手段により生成された暗号文を受信して前記鍵更新手段により更新された鍵を用いて復号する復号手段(図136)、図142(b)のS133)とを含み、
前記鍵更新手段は、
暗号文の送受信に応じて前記鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141;1回の送信または受信で(暗号文のデータ長96バイト)/(鍵長16バイト)=6だけ加算更新)、さらに、
前記第1制御手段の鍵更新手段と前記第2制御手段の鍵更新手段との間で前記鍵更新処理の齟齬が生じて前記復号手段による暗号文の復号ができなかったときに、互いの鍵の初期化処理を行なう初期化処理手段(図73、図141、図142(a)、図143(b))を含む。
このような構成によれば、第1制御手段の鍵更新手段と第2制御手段の鍵更新手段との間で鍵更新処理の齟齬が生じて受信した暗号文の復号ができなかったときに、互いの鍵の初期化処理が行なわれ、これにより鍵の食い違いを修復して復帰することが可能となる。
(12−5) 上記(12−4)の遊技用装置において、前記初期化処理手段は、乱数を生成して該乱数を用いて初期の鍵を生成し(図142(a)のS101)、該鍵を前記第1制御手段と前記第2制御手段の間で共有する処理を行なう(図142(a)のS103、図142(b)のS130、S131)。
このような構成によれば、初期化処理によって、乱数が生成されてその乱数を用いて初期の鍵が生成され、その鍵を第1制御手段と第2制御手段との間で共有されるために、初期の鍵自体乱数を生成してランダムな鍵が生成されることとなり、初期化処理時におけるセキュリティを極力保つことが可能となる。
(12−6) 上記(12−5)の遊技用装置において、前記初期化処理手段による前記共有する処理は、前記鍵更新手段により更新された鍵による暗号化方式とは異なる予め定められた鍵(本認証鍵)を用いて前記初期の鍵を暗号化して該暗号化された初期の鍵を相手の制御手段へ送信して鍵を共有する処理である(図142(a)のS103によりSE1モードで本認証鍵を用いてRを暗号化し、図142(b)のS130によりSE1モードで本
認証鍵を用いてRを復号し、S131で平文のRを記憶する)。
このような構成によれば、初期化処理手段による鍵を共有する処理が、鍵更新手段により更新された鍵による暗号化方式とは異なる予め定められた鍵を用いて初期化の鍵を暗号化して相手の制御手段へ送信するために、その初期化の鍵の送信時における鍵の漏洩に対するセキュリティを保つことができる。
(13−1) 本発明は、所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)と、前記遊技点を表示する表示手段(表示器54,312,510)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点の変化量(加算玉数、減算玉数)を特定する特定手段(遊技機制御用のマイクロコンピュータ、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記更新情報を受信する情報受信手段(通信制御IC325a)と、
前記表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記遊技点の表示を更新するとともに、所定の変換操作(計数ボタン28、28Sの操作)が検出されたことに基づいて前記遊技点を所定の持点へ変換する変換表示を行なう表示制御手段(表示制御部350)とを含む。
上記の構成によれば、遊技結果を記録媒体で特定可能に処理するためには、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、表示手段における遊技点の表示および遊技点から持点への変換表示は遊技用装置側で制御されるため、遊技機側の制御負担を軽減できる。
(13−2) 本発明の他の態様は、所定の遊技点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
前記遊技点の変化量を特定可能な更新情報を前記遊技機より受信する情報受信手段(通信制御IC325a)と、
前記遊技点を表示する表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記遊技点の表示を更新するとともに、所定の変換操作(計数ボタン28、28Sの操作)が検出されたことに基づいて前記遊技点を所定の持点へ変換する変換表示を行なう表示制御手段(表示制御部350)とを含む。
上記の構成によれば、遊技結果を記録媒体で特定可能に処理するためには、遊技により得られた遊技点を遊技者の操作によって一旦持点に変換するステップが生じる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。しかも、遊技点の表示および遊技点から持点への変換表示は遊技用装置側で制御されるため、遊技機側の制御負担を軽減できる。
(13−3) 上記(13−1)に記載の遊技用システムであって、
前記持点を遊技者所有の記録媒体によって特定可能に処理する持点処理手段(CU制御部323がカードに持点を記録、またはカードIDと持点とをサーバに送信して記憶させる)をさらに含む。
上記の構成によれば、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムと同様に遊技者所有の記録媒体によって持点を特定可能となり、従来の遊技用システムに慣れている遊技者の混乱をより一層防止し得る。
(13−4) 上記(13−1)または(13−3)の遊技用システムであって、
前記表示手段は前記遊技機に設けられている(図1、図150)。
上記の構成によれば、表示手段を遊技側に設けることによって遊技機に正対する遊技者が表示内容を見易くすることができるとともに、遊技用装置側に表示手段を設ける場合と比較して、遊技用装置のコストを低減できる。
(13−5) 上記(13−1)(13−3)(13−4)のいずれかの遊技用システムであって、
前記遊技機は、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(主制御基板)が設けられた遊技部品(遊技盤26、リールおよびリールに付属する各種センサ部分)と、
異なる種類の前記遊技部品を選択的に取付け可能に構成された遊技枠(P台の前枠6、S台におけるリールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板以外の構成)とを含み、
前記表示手段は前記遊技枠に設けられている(図1、図150)。
上記の構成によれば、表示手段は、遊技機の汎用性のある遊技枠に設けられているため、遊技部品を交換して遊技性を異ならせる場合でも表示手段を再利用できる。
(13−6) 上記(13−1)(13−3)(13−4)(13−5)のいずれかの遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記更新情報として前記情報送信手段が送信する変化量(最新遊技台情報)を記憶するとともに前記更新情報として1回前に前記情報送信手段が送信した変化量(前回遊技台情報)をバックアップするための変化量記憶手段(図8の加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、加算玉数、減算玉数、図151の加算数カウンタ、減算数カウンタ、加算数、減算数)と、
前記遊技用装置から送信されてきた所定の情報(通番)に基づいて前記遊技用装置へ前記更新情報が到達したか否かを判定する到達判定手段(図50:CUへ送信した状態情報応答のレスポンスがCUに到達していないことによる再送であるか否かを払出制御部171が通番により判定する)とを含み、
前記遊技用装置は、前記更新情報を受信したときに、前記更新情報の到達を確認可能な情報を前記遊技機へ送信する確認情報送信手段(図50:通番をP台へ送信する)を含み、
前記情報送信手段は、前記到達判定手段により前記更新情報が到達してないと判定されたときに、前記変化量記憶手段に記憶された変化量の合算値を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図50:前回遊技台情報である前加算減算玉数のデータを0クリアすることなくそれらデータに対して現在玉関連情報としての現加算減算玉数を累積加算して送信する)。
上記の構成によれば、前記更新情報が到達したと判定されなかったときには、前記変化量記憶手段に記憶された変化量の合算値を特定可能な更新情報が前記遊技用装置へ送信されるため、遊技用装置は遊技点に関する情報を確実かつ効率的に収集可能となる。
(14−1) 本発明は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)と、前記得点を表示する表示手段(表示器54,312,510)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記得点を記憶する得点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
遊技状況および前記遊技用装置からの更新要求に応じて前記得点を更新する得点更新手段(図45:加算玉数と減算玉数との基づいて遊技玉数を算出する払出制御部171、図38、図39:CUからの加算玉数に基づいて遊技玉数を加算する払出制御部171)と、
前記得点更新手段による前記得点の変化量(加算玉数、減算玉数)を特定する特定手段(遊技機制御用のマイクロコンピュータ、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する更新情報送信手段(払出制御部171)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、前記通信不能状態になったことによる未処理の前記更新要求が存在するか否かを判定する判定手段(図51、図52:CU通番とP台通番との基づいて未処理の加算玉数があるか否か判定する払出制御部171)と、
前記判定手段により未処理の前記更新要求が存在すると判定されたときに、前記得点を補正する第1得点補正手段(図51:遊技玉数=50+125にする払出制御部171)と、
前記第1得点補正手段による補正後の得点を特定可能な補正情報を前記遊技用装置へ送信する補正情報送信手段(図51:リカバリデータに補正の後の遊技玉数=175を含めてCUへ送信する払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記更新情報を受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
前記表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記更新要求を前記遊技機へ送信する更新要求送信手段(図38、図39、図51、図52:加算玉数をP台へ送信するCU制御部323と通信制御IC325a)と、
前記通信不能状態から復旧した後に前記遊技機から送信されてきた前記補正情報に基づいて、前記表示手段に表示すべき得点を補正する第2得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記第2得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、得点の更新要求が遊技用装置から遊技機へ送信された後に発生した通信不能状態が復旧した際、更新要求が遊技機側で処理済であるか否かに応じて遊技機で得点が補正され、その補正後の得点に基づいた表示が表示手段になされるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(14−2) 本発明の他の態様は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
前記得点の更新要求を前記遊技機へ送信する更新要求送信手段(図38、図39、図51、図52:加算玉数をP台へ送信するCU制御部323と通信制御IC325a)と、
前記得点の変化量を特定可能な更新情報を前記遊技機から受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、補正後の得点を特定可能な補正情報を前記遊技機から受信する補正情報受信手段(図51:補正の後の遊技玉数=175を含むリカバリデータをP台から受信する通信制御IC325aとCU制御部323)と、
前記補正情報に基づいて、前記表示手段に表示すべき得点を補正する得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、得点の更新要求が遊技用装置から遊技機へ送信された後に発生した通信不能状態が復旧した際、その更新要求を含むリカバリ情報に基づいて遊技機で得点が補正され、その補正後の得点に基づいた表示が表示手段になされるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを構築するための遊技用装置を提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(14−3) 上記(14−1)の遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記通信不能状態になる前に前記遊技用装置へ送信した前記更新情報を記憶する送信済更新情報記憶手段(図8の加算玉数、減算玉数、図151の加算数、減算数)と、
前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段(図8のの加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ図151の加算数カウンタ)とを含み、
前記補正情報送信手段は、前記送信済更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報と前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報とを送信する(図51:前回遊技台情報と最新遊技台情報とを含むリカバリ応答を送信する)。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置において、前記送信済更新情報記憶手段および前記未送信更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報を受信できるため、通信不能状態直前に遊技機から送信された更新情報が遊技用装置まで到達しなかった場合、および通信不能状態の発生によって遊技機が更新情報を送信できなかった場合のいずれについても、通信不能状態からの復旧の際、表示手段への得点に反映させることができる。
(14−4) 上記(14−1)または(14−3)の遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の遊技用価値を特定可能な記録媒体を受け付ける記録媒体受付手段(カードリーダライタ)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報(カードID)を記憶する第1受付情報記憶手段(カードIDを記憶するCU制御部323)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報を前記遊技機へ送信する受付情報送信手段(図36:カードIDをP台へ送信するCU制御部323と通信制御IC325a)とを含み、
前記遊技機は、前記受付情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報を記憶する第2受付情報記憶手段(図36:カードIDをバックアップする払出制御部171)を含み、
前記補正情報送信手段は、前記補正情報とともに前記第2受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報を送信し(図51、図52:カードIDを含むリカバリデータをCUへ送信)、
前記第2得点補正手段は、前記補正情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報が前記第1受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報と一致するときに、前記表示手段に表示すべき得点を補正する(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致するときに遊技玉数=175に補正する)。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置側で記憶している記録媒体に記録された情報と、遊技機側で記憶している記録媒体に記録された情報とが一致するときに得点の表示が補正されるため、通信不能状態の発生により中断した遊技が通信不能状態の復旧後に再開される場合を対象にして、得点の表示を補正することができる。
(14−5) 上記(14−1)(14−3)(14−4)のいづれかの遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
前記得点を記憶する遊技用装置側得点記憶手段(図8の遊技玉数の記憶と図151の遊技点数の記憶)と、
該遊技用装置側得点記憶手段が記憶している得点を前記更新情報に基づいて更新する得点記憶更新手段(図8の総加算玉数に基づいて遊技玉数を加算し総減算玉数に基づいて遊技玉数を減算する。図151の総加算数に基づいて遊技点数を加算し総減算数に基づいて遊技点数を減算する。)とをさらに含み、
前記表示制御手段は、前記遊技用装置側得点記憶手段に記憶されている得点を前記表示手段に表示し(CU側が記憶している遊技玉数や遊技点数を表示する)、
前記得点記憶更新手段は、前記更新要求送信手段が送信した前記更新要求に対する前記遊技機からの応答を待つことなく、前記遊技用装置側得点記憶手段に記憶されている得点を更新する(図38、図39:P台からの遊技玉数加算結果の返信を待つことなく遊技玉数=50+125に更新する)。
上記の構成によれば、更新要求を得点の表示に速やかに反映させることができ、更新要求が発生してからそれが表示手段の表示に反映されるまでの時間が長く掛かりすぎて違和感が生じてしまうようなことがない。
(15−1) 本発明は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)と、前記得点を表示する表示手段(表示器54,312,510)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記得点を記憶する得点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
遊技状況に応じて前記得点を更新する得点更新手段(図45:加算玉数と減算玉数との基づいて遊技玉数を算出する払出制御部171、図38、図39:CUからの加算玉数に基づいて遊技玉数を加算する払出制御部171)と、
前記得点更新手段による前記得点の変化量(加算玉数、減算玉数)を特定する特定手段(遊技機制御用のマイクロコンピュータ、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報を、当該更新情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報(通番)とともに前記遊技用装置へ送信する更新情報送信手段(払出制御部171)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、前記得点の補正情報(図51:遊技玉数=50+125)を、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに前記遊技用装置へ送信する補正情報送信手段(図51:リカバリデータに補正の後の遊技玉数=175を含めてCUへ送信する払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記更新情報を受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
前記表示手段(表示器54,312,510)を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記補正情報送信手段から送信されてきた前記補正情報および前記到達確認情報を受信する補正情報受信手段(図51:補正の後の遊技玉数=175を含むリカバリデータをP台から受信する通信制御IC325aとCU制御部323)と、
前記通信不能状態から復旧した後に前記補正情報送信手段から送信されてきた前記補正情報および前記到達確認情報に基づいて前記表示手段に表示すべき得点を補正する得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、通信不能状態が復旧した際、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに得点の補正情報が遊技機から遊技用装置へ送信され、遊技用装置では、その補正情報および到達確認情報に基づいて、前記得点の表示が補正されるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(15−2) 本発明の他の態様は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
前記得点の変化量を特定可能な更新情報を、当該更新情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報(通番)とともに前記遊技機から受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、前記得点の補正情報を、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに前記遊技機から受信する補正情報受信手段(図51:補正の後の遊技玉数=175を含むリカバリデータをP台から受信する通信制御IC325aとCU制御部323)と、
前記通信不能状態から復旧した後に前記遊技機から送信されてきた前記補正情報および前記到達確認情報に基づいて前記表示手段に表示すべき得点を補正する得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、通信不能状態が復旧した際、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに得点の補正情報が遊技機から遊技用装置へ送信され、遊技用装置では、その補正情報および到達確認情報に基づいて、前記得点の表示が補正されるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを構築するための遊技用装置を提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(15−3) 上記(15−1)の遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記通信不能状態になる前に前記遊技用装置へ送信した前記更新情報を記憶する送信済更新情報記憶手段(図8の加算玉数、減算玉数、図151の加算数、減算数)と、
前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段(図8のの加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ図151の加算数カウンタ)とを含み、
前記補正情報送信手段は、前記送信済更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報と前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報とを送信する(図51:前回遊技台情報と最新遊技台情報とを含むリカバリ応答を送信する)。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置において、前記送信更新情報記憶手段および前記未送信更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報を受信できるため、通信不能状態直前に遊技機から送信された更新情報が遊技用装置まで到達しなかった場合、および通信不能状態の発生によって遊技機が更新情報を送信できなかった場合のいずれについても、通信不能状態からの復旧の際、表示手段への得点に反映させることができる。
(15−4) 上記(15−1)または(15−3)の遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の遊技用価値を特定可能な記録媒体を受け付ける記録媒体受付手段(カードリーダライタ)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報(カードID)を記憶する第1受付情報記憶手段(カードIDを記憶するCU制御部323)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報を前記遊技機へ送信する受付情報送信手段(図36:カードIDをP台へ送信するCU制御部323と通信制御IC325a)とを含み、
前記遊技機は、前記受付情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報を記憶する第2受付情報記憶手段(図36:カードIDをバックアップする払出制御部171)を含み、
前記補正情報送信手段は、前記補正情報とともに前記第2受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報を送信し(図51、図52:カードIDを含むリカバリデータをCUへ送信)、
前記得点補正手段は、前記補正情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報が前記第1受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報と一致するときに、前記表示手段に表示すべき得点を補正する(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致あうるときに遊技玉数=175に補正する)。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置側で記憶している記録媒体に記録された情報と、遊技機側で記憶している記録媒体に記録された情報とが一致するときに得点の表示が補正されるため、通信不能状態の発生により中断した遊技が通信不能状態の復旧後に再開される場合を対象にして、得点の表示を補正することができる。
(15−5) 上記(15−1)(15−3)(15−4)のいづれかの遊技用システムであって、
前記更新情報送信手段は、前記更新情報および前記到達確認情報に加えて、前記得点記憶手段に記憶されている得点を送信し(図8図の遊技玉数カウンタの値(遊技玉数)を送信。図151の遊技点数カウンタの値(遊技点数)を送信。)、
前記遊技用装置は、
前記得点を記憶する遊技用装置側得点記憶手段(図8の遊技玉数の記憶と図151の遊技点数の記憶)と、
前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段(図8の総加算玉数と総減算玉数、図151の総加算数と総減算数)と、
前記更新情報に基づいて前記遊技用装置側得点記憶手段および前記更新情報記憶手段の記憶を更新する情報更新手段(図8の遊技玉数の加減算更新、図151の遊技点数の加減算更新)と、
前記情報更新手段による更新後に前記遊技用装置側得点記憶手段に記憶されている得点と、前記更新情報送信手段から送信されてきた得点との一致判定をする一致判定手段(図8の遊技玉数の一致判定、図151の遊技点数の一致判定)とを含む。
上記の構成によれば、遊技用装置側でも得点が記憶されるため、遊技機側と遊技用装置側とで一方の得点が万一消えてしまっても他方に得点が残っており、安全性が担保できる。しかも、遊技用装置側で得点の記憶が更新されると、その更新後の得点と遊技機側で記憶している得点との一致判定が行なわれるため、遊技用装置と遊技機との双方で記憶している得点が一致しないままで運用が継続されてしまう不都合を防止できる。なお、不一致と判定されたときには、アラーム音を発生させたりあるいは警告表示を行なうなどの報知をすること、あるいは、これに加えて、または、これに代えて、双方の得点を一致させる処理を行なうことが考えられる。双方の得点を一致させる場合には、たとえば、遊技用装置側の得点を遊技機側で記憶している得点に一致させるようにしてもよく、あるいは、逆に、遊技機側の得点を遊技用装置側で記憶している得点に一致させるようにしてもよい。
(16−1) 本発明は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)と、前記得点を表示する表示手段(表示器54,312,510)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記得点を記憶する得点記憶手段(図8の遊技玉数カウンタ、図151の遊技点数カウンタ)と、
遊技状況に応じて前記得点を更新する得点更新手段(図45:加算玉数と減算玉数との基づいて遊技玉数を算出する払出制御部171、図38、図39:CUからの加算玉数に基づいて遊技玉数を加算する払出制御部171)と、
前記得点更新手段による前記得点の変化量(加算玉数、減算玉数)を特定する特定手段(遊技機制御用のマイクロコンピュータ、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報を、当該更新情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報(通番)とともに前記遊技用装置へ送信する更新情報送信手段(払出制御部171)と、
前記遊技用装置との間での最終の通信に用いられた前記到達確認情報を記憶する遊技機側到達確認情報記憶手段(図8のP台側での「通番」の記憶、図151のS台側での「通番」の記憶)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、前記得点の補正情報(図51:遊技玉数=50+125)を、前記遊技機側到達確認情報記憶手段に記憶されている前記到達確認情報とともに前記遊技用装置へ送信する補正情報送信手段(図51:リカバリデータに補正の後の遊技玉数=175と最終送信通番とを含めてCUへ送信する払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記更新情報を受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
前記表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記遊技機との間での最終の通信に用いられた前記到達確認情報を記憶する遊技用装置側到達確認情報記憶手段(図8および図151のCU側での「通番」の記憶)と、
前記補正情報送信手段から送信されてきた前記補正情報および前記到達確認情報を受信する補正情報受信手段(図51:補正の後の遊技玉数=175と最終送信通番とを含むリカバリデータをP台から受信する通信制御IC325aとCU制御部323)と、
前記補正情報受信手段が受信した前記到達確認情報と、前記遊技用装置側到達確認情報記憶手段に記憶されている前記到達確認情報とに基づいて、前記表示手段に表示すべき得点の補正態様を決定する補正態様決定手段(図51〜図53:CUは、P台から受信した最終送信通番Npと、記憶しているP台最終送信通番Ncとを比較し、Np≦Ncであれば、最新遊技台情報のみでリカバリ処理する一方、Np>Ncであれば、最新遊技台情報と前回遊技台情報とでリカバリ処理すると決定する)と、
前記補正情報および前記補正態様決定手段が決定した補正態様に基づいて、前記表示手段に表示すべき得点を補正する得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、通信不能状態が復旧した際、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに得点の補正情報が遊技機から遊技用装置へ送信され、遊技用装置では、最終通信に用いたものとして自らが記憶している到達確認情報と遊技機側より受信した到達確認情報とに基づいて得点の補正態様が決定され、その補正態様および補正情報に基づいて、前記得点の表示が補正されるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(16−2) 本発明の他の態様は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
前記得点の変化量を特定可能な更新情報を、当該更新情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報(通番)とともに前記遊技機から受信する更新情報受信手段(通信制御IC325a)と、
表示手段(表示器54,312,510)を制御し、前記更新情報に基づいて前記得点の表示を更新する表示制御手段(CU制御部323と表示制御部350)と、
前記遊技機との間での最終の通信に用いられた前記到達確認情報を記憶する遊技用装置側到達確認情報記憶手段(図8および図151のCU側での「通番」の記憶)と、
前記遊技機と前記遊技用装置との間での通信ができない通信不能状態から復旧したときに、前記得点の補正情報を、前記通信不能状態になる前の最終の通信に用いられた前記到達確認情報とともに前記遊技機から受信する補正情報受信手段(図51:補正の後の遊技玉数=175と最終送信通番とを含むリカバリデータをP台から受信する通信制御IC325aとCU制御部323)と、
前記補正情報受信手段が受信した前記到達確認情報と、前記遊技用装置側到達確認情報記憶手段に記憶されている前記到達確認情報とに基づいて、前記表示手段に表示すべき得点の補正態様を決定する補正態様決定手段(図51〜図53:CUは、P台から受信した最終送信通番Npと、記憶しているP台最終送信通番Ncとを比較し、Np≦Ncであれば、最新遊技台情報のみでリカバリ処理する一方、Np>Ncであれば、最新遊技台情報と前回遊技台情報とでリカバリ処理すると決定する)と、
前記補正情報および前記補正態様決定手段が決定した補正態様に基づいて、前記表示手段に表示すべき得点を補正する得点補正手段(図51:リカバリ応答を受信して遊技玉数=175に補正するCU制御部323)とを含み、
前記表示制御手段は、前記通信不能状態から復旧した後、前記得点補正手段による補正後の得点を前記表示手段に表示する(遊技玉数=175を表示器54に表示する)。
上記の構成によれば、通信不能状態が復旧した際、前記通信不能状態になる前の最終通信の際の前記到達確認情報とともに得点の補正情報が遊技機から遊技用装置へ送信され、遊技用装置では、最終通信に用いたものとして自らが記憶している到達確認情報と遊技機側より受信した到達確認情報とに基づいて得点の補正態様が決定され、その補正態様および補正情報に基づいて、前記得点の表示が補正されるため、通信不能状態が復旧したときに、遊技用装置および遊技機の双方で整合がとれた状態にすることができる。その結果、通信不能状態の発生に備えた強固な遊技用システムを構築するための遊技用装置を提供できる。また、表示手段は遊技用装置で制御するため、遊技機の制御負担を軽減できる。
(16−3) 上記(16−1)の遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記通信不能状態になる前に前記遊技用装置へ送信した前記更新情報を記憶する送信済更新情報記憶手段(図8の加算玉数、減算玉数、図151の加算数、減算数)と、
前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段(図8のの加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ図151の加算数カウンタ)とを含み、
前記補正情報送信手段は、前記送信済更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報と前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報とを送信し(図51:前回遊技台情報と最新遊技台情報とを含むリカバリ応答を送信)、
前記補正態様決定手段は、前記送信済更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報と前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報とを用いて得点を補正する第1補正態様(図51〜図53:CUは、P台から受信した最終送信通番Npと、記憶しているP台最終送信通番Ncとを比較し、Np>Ncであれば、最新遊技台情報と前回遊技台情報とでリカバリ処理する)と、前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報を用いて得点を補正する第2補正態様(図51〜図53:CUは、P台から受信した最終送信通番Npと、記憶しているP台最終送信通番Ncとを比較し、Np≦Ncであれば、最新遊技台情報のみでリカバリ処理する)とのうちから補正態様を決定する。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置において、前記送信済更新情報記憶手段および前記未送信更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報を受信できるため、通信不能状態直前に遊技機から送信された更新情報が遊技用装置まで到達しなかった場合、および通信不能状態の発生によって遊技機が更新情報を送信できなかった場合のいずれについても、通信不能状態からの復旧の際、表示手段への得点に反映させることができる。
(16−4) 上記(16−1)または(16−3)の遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の遊技用価値を特定可能な記録媒体を受け付ける記録媒体受付手段(カードリーダライタ)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報(カードID)を記憶する第1受付情報記憶手段カードIDを記憶するCU制御部323)と、
前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体に記録された情報を前記遊技機へ送信する受付情報送信手段(図36:カードIDをP台へ送信するCU制御部323と通信制御IC325a)とを含み、
前記遊技機は、前記受付情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報を記憶する第2受付情報記憶手段(図36:カードIDをバックアップする払出制御部171)を含み、
前記補正情報送信手段は、前記補正情報とともに前記第2受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報を送信し(図51、図52:カードIDを含むリカバリデータをCUへ送信)、
前記得点補正手段は、前記補正情報送信手段から送信されてきた前記記録媒体に記録された情報が前記第1受付情報記憶手段に記憶されている前記記録媒体に記録された情報と一致するときに、前記表示手段に表示すべき得点を補正する(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致あうるときに遊技玉数=175に補正する)。
上記の構成によれば、通信不能状態から復旧した後、遊技用装置側で記憶している記録媒体に記録された情報と、遊技機側で記憶している記録媒体に記録された情報とが一致するときに得点の表示が補正されるため、通信不能状態の発生により中断した遊技が通信不能状態の復旧後に再開される場合を対象にして、得点の表示を補正することができる。
(16−5) 上記(16−3)または(16−4)の遊技用システムであって、
前記更新情報送信手段は、前記更新情報を送信したときに当該送信時の得点とともに当該更新情報を前記送信済更新情報記憶手段へ記憶させ(図8の加算玉数と減算玉数とを送信する毎に前回遊技台情報を加算玉数と減算玉数とに書換え、送信時の遊技玉数を遊技玉数カウンタが記憶する。図151の加算数と減算数とを送信する毎に前回遊技台情報を加算数と減算数とに書換え、送信時の遊技点数を遊技点数カウンタが記憶する。)、
前記補正情報送信手段は、前記送信済更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報および得点と、前記更新情報記憶手段に記憶されている前記更新情報と、前記得点記憶手段に記憶されている得点とを送信し(図51:前回遊技台情報と最新遊技台情報と遊技玉数とを含むリカバリ応答を送信する)、
前記得点補正手段は、前記遊技用装置側到達確認情報記憶手段に前記遊技機との非通信を示す情報(図51のCU通番=0)が記憶されているときには、前記補正情報送信手段から送信されてきた前記得点記憶手段に記憶されている得点に補正する(図51の遊技玉数=450に補正する)。
上記の構成によれば、遊技機との非通信を示す情報が記憶されている場合には遊技用装置が交換されていると考えられるが、このような場合には、遊技機から受信した得点がそのまま表示されるため、遊技用装置を交換した場合でもそれまでの遊技機での遊技状況に応じた正確な得点を表示手段に表示できる。
(16−6) 上記(16−1)(16−3)(16−4)(16−5)のいずれかの遊技用システムであって、
前記得点補正手段は、前記補正情報受信手段が受信した前記到達確認情報が前記遊技用装置との非通信を示すもの(図54、図56の最終送信通番通番=0)である場合には、得点の補正を行なわない(図54、図56のリカバリしない)。
上記の構成によれば、遊技用装置との非通信を示す場合には遊技機が交換されていると考えられるが、このような場合には、遊技用装置側で得点の補正が行なわれないため、新しく交換した遊技機からの情報によって得点が本来のものとは異なる値に補正されることを防止できる。
(17−1) 本発明は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で暗号通信を行なう第1暗号通信処理手段(SE1モードによる暗号通信)と、
前記第1暗号通信処理手段による暗号通信の後に、該第1暗号通信処理手段による暗号通信よりもセキュリティレベルの高い暗号通信を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で行なう第2暗号通信処理手段(SE2モードによる暗号通信)とを備え、
前記第2暗号通信処理手段は、
前記第1制御手段から前記第2制御手段へ送信する暗号文の生成に用いる第1鍵(図135(a)の下り用カウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する第1鍵更新処理を行なう第1鍵更新手段(図135(c)〜図141の下り用カウンタの更新処理)と、
該第1鍵更新手段により更新された第1鍵を用いて暗号文を生成する第1暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105、下り用カウンタを用いた暗号化)と、
該第1暗号手段により生成された暗号文を前記第2制御手段が受信して前記第1鍵更新手段により更新された第1鍵を用いて復号する第1復号手段(図136、図142(b)のS133、下り用カウンタを用いた複合)と、
前記第2制御手段から前記第1制御手段へ送信する暗号文の生成に用いる第2鍵を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する第2鍵更新処理を行なう第2鍵更新手段(図135(c)〜図141の上がり用カウンタの更新処理)と、
該第2鍵更新手段により更新された第2鍵を用いて暗号文を生成する第2暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105、上がり用カウンタを用いた暗号化)と、
該第2暗号手段により生成された暗号文を前記第1制御手段が受信して前記第2鍵更新手段により更新された第2鍵を用いて復号する第2復号手段(図136、図142(b)のS133、上がり用カウンタを用いた複合)とを含み、
前記第1鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記第1鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141:下り用カウンタを加算更新)、
前記第2鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記第2鍵更新処理を行なう(図135(c)〜図141:上り用カウンタを加算更新)。
上記構成によれば、第1暗号通信処理手段による暗号通信が行なわれるとともに、その暗号通信の後に、該第1暗号通信処理手段による暗号通信よりもセキュリティレベルの高い暗号通信を行なう第2暗号通信処理手段による暗号通信が行なわれるため、たとえ第1暗号通信処理手段による暗号通信のセキュリティが破られたとしても、その後に行なわれるセキュリティレベルの高い暗号通信である第2暗号通信処理手段による暗号通信が可能であり、その第2暗号通信処理手段による高セキュリティレベルの暗号通信によりセキュリティを保つことが可能となる。しかも、第2暗号通信処理手段による暗号通信は、暗号文の生成に用いる鍵が、第1制御手段と第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新されるために、変化しない固定の鍵による暗号通信に比べてセキュリティが向上する。
(17−2) 上記(17−1)の遊技用システムにおいて、前記第1鍵更新手段による更新される前の初期の第1鍵を前記第1暗号通信処理手段により暗号化して前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方から他方に配信して第1鍵を共有する第1鍵共有手段(図130:下り用初期ベクタ部の値を生成してSCからCU制御部へ送信、S101〜S103)と、
前記第2鍵更新手段による更新される前の初期の第2鍵を前記第1暗号通信処理手段により暗号化して前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方から他方に配信して第2鍵を共有する第2鍵共有手段(図130:上り用初期ベクタ部の値を生成してSCからCU制御部へ送信、S101〜S103)とを備える。
上記構成によれば、初期の第1鍵と初期の第2鍵とを第1制御手段および第2制御手段において共有する必要があるが、それら初期の第1鍵および初期の第2鍵が第1暗号通信処理手段により暗号化されて第1制御手段および第2制御手段の一方から他方に配信されて共有されるために、鍵共有時におけるセキュリティを保つことができる。
(17−3) 上記(17−2)の遊技用システムにおいて、前記第1鍵は、前記初期の第1鍵のデータを更新することなく引継ぐ第1初期ベクタ部(図135(a):下り用初期ベクタ部R1)と、更新される第1更新部(図135(a):電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部I)とを含み、
前記第2鍵は、前記初期の第2鍵のデータを更新することなく引継ぐ第2初期ベクタ部(図135(b):上り用初期ベクタ部R2)と、更新される第2更新部(図135(b):電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部I)とを含み、
前記第1鍵更新手段は、前記第1初期ベクタ部は更新せず前記第1更新部を更新し(S105〜S110)、
前記第2鍵更新手段は、前記第2初期ベクタ部は更新せず前記第2更新部を更新し(S105〜S110)、
前記第1初期ベクタ部と前記第2初期ベクタ部とは異なる値であり(R1とR2とは値が異なる)、
前記第1鍵共有手段は、前記第1初期ベクタ部を前記初期の第1鍵として配信して共有し(図130)、
前記第2鍵共有手段は、前記第1初期ベクタ部を前記初期の第2鍵として配信して共有する(図130)。
上記構成によれば、更新されることのない第1初期ベクタ部と第2初期ベクタ部とが初期の鍵として配信されて共有されるために、復号手段による復号ができなくなったときの原因として、鍵更新手段により更新される更新部が食い違ったのか、あるいは初期ベクタ部が何らかの原因で食い違ったのかという原因を突き止めることが可能となる。
(17−4) 上記(17−2)または(17−3)の遊技用システムにおいて、前記第1鍵共有手段は、暗号通信を新たに開始する毎に新たな第1初期ベクタ部を前記初期の第1鍵として配信して共有し(電源投入される毎に暗号通信が新たに開始されて通信鍵交換シーケンスが実行され(図123)下り用初期ベクタ部の値が配信される(図130)、
前記第2鍵共有手段は、暗号通信を新たに開始する毎に新たな前記第1初期ベクタ部を前記初期の第2鍵として配信して共有する(電源投入される毎に暗号通信が新たに開始されて通信鍵交換シーケンスが実行され(図123)下り用初期ベクタ部の値が配信される(図130)。
上記構成によれば、暗号通信を新たに開始する毎に新たな第1初期ベクタ部と第2初期ベクタ部とが配信されて共有されるために、暗号通信を新たに開始する毎に新たな初期ベクタ部を用いた新たな暗号通信が行なわれることとなり、鍵の継続使用によるセキュリティの低下を防止することができる。
(17−5) 本発明の他の態様は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた制御装置であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で暗号通信を行なう第1暗号通信処理手段(SE1モードによる暗号通信)と、
前記第1暗号通信処理手段による暗号通信の後に、該第1暗号通信処理手段による暗号通信よりもセキュリティレベルの高い暗号通信を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で行なう第2暗号通信処理手段(SE2モードによる暗号通信)とを備え、
前記第2暗号通信処理手段は、
前記第1制御手段から前記第2制御手段へ送信する暗号文の生成に用いる第1鍵(図135(a)の下り用カウンタ)を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する第1鍵更新処理を行なう第1鍵更新手段(図135(c)〜図141の下り用カウンタの更新処理)と、
該第1鍵更新手段により更新された第1鍵を用いて暗号文を生成する第1暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105、下り用カウンタを用いた暗号化)と、
該第1暗号手段により生成された暗号文を前記第2制御手段が受信して前記第1鍵更新手段により更新された第1鍵を用いて復号する第1復号手段(図136、図142(b)のS133、下り用カウンタを用いた複合)と、
前記第2制御手段から前記第1制御手段へ送信する暗号文の生成に用いる第2鍵を、前記第1制御手段と前記第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新する第2鍵更新処理を行なう第2鍵更新手段(図135(c)〜図141の上がり用カウンタの更新処理)と、
該第2鍵更新手段により更新された第2鍵を用いて暗号文を生成する第2暗号手段(図135(c)、図142(a)のS105、上がり用カウンタを用いた暗号化)と、
該第2暗号手段により生成された暗号文を前記第1制御手段が受信して前記第2鍵更新手段により更新された第2鍵を用いて復号する第2復号手段(図136、図142(b)のS133、上がり用カウンタを用いた複合)とを含み、
前記第1鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記第1鍵更新処理を行ない(図135(c)〜図141:下り用カウンタを加算更新)、
前記第2鍵更新手段は暗号文の送受信に応じて前記第2鍵更新処理を行なう(図135(c)〜図141:上り用カウンタを加算更新)。
上記構成によれば、第1暗号通信処理手段による暗号通信が行なわれるとともに、その暗号通信の後に、該第1暗号通信処理手段による暗号通信よりもセキュリティレベルの高い暗号通信を行なう第2暗号通信処理手段による暗号通信が行なわれるため、たとえ第1暗号通信処理手段による暗号通信のセキュリティが破られたとしても、その後に行なわれるセキュリティレベルの高い暗号通信である第2暗号通信処理手段による暗号通信が可能であり、その第2暗号通信処理手段による高セキュリティレベルの暗号通信によりセキュリティを保つことが可能となる。しかも、第2暗号通信処理手段による暗号通信は、暗号文の生成に用いる鍵が、第1制御手段と第2制御手段とで同じ更新方法により独自に更新されるために、変化しない固定の鍵による暗号通信に比べてセキュリティが向上する。
(17−6) 上記(17−5)の制御装置において、前記第1鍵更新手段による更新される前の初期の第1鍵を前記第1暗号通信処理手段により暗号化して前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方から他方に配信して第1鍵を共有する第1鍵共有手段(図130:下り用初期ベクタ部の値を生成してSCからCU制御部へ送信、S101〜S103)と、
前記第2鍵更新手段による更新される前の初期の第2鍵を前記第1暗号通信処理手段により暗号化して前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方から他方に配信して第2鍵を共有する第2鍵共有手段(図130:上り用初期ベクタ部の値を生成してSCからCU制御部へ送信、S101〜S103)とを備える。
上記構成によれば、初期の第1鍵と初期の第2鍵とを第1制御手段および第2制御手段において共有する必要があるが、それら初期の第1鍵および初期の第2鍵が第1暗号通信処理手段により暗号化されて第1制御手段および第2制御手段の一方から他方に配信されて共有されるために、鍵共有時におけるセキュリティを保つことができる。
(17−7) 上記(17−6)の制御装置において、前記第1鍵は、前記初期の第1鍵のデータを更新することなく引継ぐ第1初期ベクタ部(図135(a):下り用初期ベクタ部R1)と、更新される第1更新部(図135(a):電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部I)とを含み、
前記第2鍵は、前記初期の第2鍵のデータを更新することなく引継ぐ第2初期ベクタ部(図135(b):上り用初期ベクタ部R2)と、更新される第2更新部(図135(b):電文カウンタ部Nと暗号ブロックカウンタ部I)とを含み、
前記第1鍵更新手段は、前記第1初期ベクタ部は更新せず前記第1更新部を更新し(S105〜S110)、
前記第2鍵更新手段は、前記第2初期ベクタ部は更新せず前記第2更新部を更新し(S105〜S110)、
前記第1初期ベクタ部と前記第2初期ベクタ部とは異なる値であり(R1とR2とは値が異なる)、
前記第1鍵共有手段は、前記第1初期ベクタ部を前記初期の第1鍵として配信して共有し(図130)、
前記第2鍵共有手段は、前記第1初期ベクタ部を前記初期の第2鍵として配信して共有する(図130)。
上記構成によれば、更新されることのない第1初期ベクタ部と第2初期ベクタ部とが初期の鍵として配信されて共有されるために、復号手段による復号ができなくなったときの原因として、鍵更新手段により更新される更新部が食い違ったのか、あるいは初期ベクタ部が何らかの原因で食い違ったのかという原因を突き止めることが可能となる。
(17−8) 上記(17−6)または(17−7)の制御装置において、前記第1鍵共有手段は、暗号通信を新たに開始する毎に新たな第1初期ベクタ部を前記初期の第1鍵として配信して共有し(電源投入される毎に暗号通信が新たに開始されて通信鍵交換シーケンスが実行され(図123)下り用初期ベクタ部の値が配信される(図130)、
前記第2鍵共有手段は、暗号通信を新たに開始する毎に新たな前記第1初期ベクタ部を前記初期の第2鍵として配信して共有する(電源投入される毎に暗号通信が新たに開始されて通信鍵交換シーケンスが実行され(図123)下り用初期ベクタ部の値が配信される(図130)。
上記構成によれば、暗号通信を新たに開始する毎に新たな第1初期ベクタ部と第2初期ベクタ部とが配信されて共有されるために、暗号通信を新たに開始する毎に新たな初期ベクタ部を用いた新たな暗号通信が行なわれることとなり、鍵の継続使用によるセキュリティの低下を防止することができる。
(18−1) 本発明は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段に通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第2制御手段に通信可能に接続された第3制御手段(通信制御IC325a、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを含む遊技用システムであって、
前記第1制御手段は、認証相手である前記第2制御手段を識別するための第2制御手段識別情報を記憶しており(基板シリアルIDを記憶しており)、
前記第3制御手段は、当該第3制御手段を識別するための第3制御手段識別情報と、前記第2制御手段識別情報とを記憶しており(ID情報等を記憶しており)、
前記第2制御手段は、前記第2制御手段識別情報(基板シリアルID)と、前記第3制御手段識別情報(ID情報等)とを記憶しており、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記第1制御手段に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該第1制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成して前記第2制御手段へ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理を行ない(図131のレスポンスコードチェック)、
前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で、
前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第3制御手段に送信し、該第3制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第3制御手段において記憶している前記第3制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第3制御手段へ返信し、前記第3制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間および第2制御手段と第3制御手段との間において、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、制御手段間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−2) 上記(18−1)の遊技用システムにおいて、前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、互いの認証に用いるペアの認証用情報を記憶し(共通鍵からなる認証鍵等を記憶し)、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、さらに、
前記第1制御手段が前記認証用情報を用いて演算処理を実行して該演算処理の結果データを前記第2制御手段へ送信し(図132の機器認証要求2)、該第2制御手段が前記結果データに対し前記認証用情報を用いて演算処理を施して該結果データとの整合性をチェックする第1の認証処理(乱数Bの複合とMACチェックによる認証鍵等の検証)と、
前記第2制御手段が前記認証用情報を用いて演算処理を実行して該演算処理の結果データを前記第1制御手段へ送信し(図132の機器認証要求1)、該第1制御手段が前記結果データに対し前記認証用情報を用いて演算処理を施して該結果データとの整合性をチェックする第2の認証処理とを行なう(乱数Aの複合とMACチェックによる認証鍵等の検証)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段とに記憶されている互いの認証に用いるペアの認証用情報を用いた認証処理も実行されるために、より一層確かな相互認証が可能となり、セキュリティが向上する。しかも、この認証処理も、記憶している認証用情報を用いて演算処理を実行したその結果データを送受信しているために、送受信される結果データがたとえ漏洩したとしても、そこから認証用情報を特定することが困難であり、情報漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−3) 上記(18−1)または(18−2)の遊技用システムにおいて、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、前記第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理(図124の機器認証シーケンス)を行ない、
前記第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく前記相互認証処理を実行し、全ての認証結果の総括として不適正通知を行なう(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間で、第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理も行なわれるために、一方の認証処理のセキュリティがたとえ破られたとしても、他方の認証処理によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、第1チャレンジレスポンス認証処理とそれ以外の相互認証処理とを行なったときに第1チャレンジレスポンス認証処理単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を通知した場合には、不適正と判断された認証処理が第1チャレンジレスポンス認証処理であることがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく相互認証処理を実行し、すべての認証結果の総括をして不適正通知を行なうために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
(18−4) 本発明の他の態様は、遊技者により遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信可能に接続するための接続部を備え、前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
第1制御手段(CU制御部323)と、
該第1制御手段に通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b)と、
該第2制御手段に通信可能に接続された第3制御手段(通信制御IC325a)とを含み、
前記第1制御手段は、認証相手である前記第2制御手段を識別するための第2制御手段識別情報を記憶しており(基板シリアルIDを記憶しており)、
前記第3制御手段は、当該第3制御手段を識別するための第3制御手段識別情報と、前記第2制御手段識別情報とを記憶しており(ID情報等を記憶しており)、
前記第2制御手段は、前記第2制御手段識別情報(基板シリアルID)と、前記第3制御手段識別情報(ID情報等)とを記憶しており、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記第1制御手段に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該第1制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成して前記第2制御手段へ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理を行ない(図131のレスポンスコードチェック)、
前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で、
前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第3制御手段に送信し、該第3制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第3制御手段において記憶している前記第3制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第3制御手段へ返信し、前記第3制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間および第2制御手段と第3制御手段との間において、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、制御手段間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−5) 上記(18−4)の遊技用装置において、前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、互いの認証に用いるペアの認証用情報を記憶し(共通鍵からなる認証鍵等を記憶し)、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、さらに、
前記第1制御手段が前記認証用情報を用いて演算処理を実行して該演算処理の結果データを前記第2制御手段へ送信し(図132の機器認証要求2)、該第2制御手段が前記結果データに対し前記認証用情報を用いて演算処理を施して該結果データとの整合性をチェックする第1の認証処理(乱数Bの複合とMACチェックによる認証鍵等の検証)と、
前記第2制御手段が前記認証用情報を用いて演算処理を実行して該演算処理の結果データを前記第1制御手段へ送信し(図132の機器認証要求1)、該第1制御手段が前記結果データに対し前記認証用情報を用いて演算処理を施して該結果データとの整合性をチェックする第2の認証処理とを行なう(乱数Aの複合とMACチェックによる認証鍵等の検証)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段とに記憶されている互いの認証に用いるペアの認証用情報を用いた認証処理も実行されるために、より一層確かな相互認証が可能となり、セキュリティが向上する。しかも、この認証処理も、記憶している認証用情報を用いて演算処理を実行したその結果データを送受信しているために、送受信される結果データがたとえ漏洩したとしても、そこから認証用情報を特定することが困難であり、情報漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−6) 上記(18−4)または(18−5)の遊技用装置において、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で、前記第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理(図124の機器認証シーケンス)を行ない、
前記第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく前記相互認証処理を実行し、全ての認証結果の総括として不適正通知を行なう(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間で、第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理も行なわれるために、一方の認証処理のセキュリティがたとえ破られたとしても、他方の認証処理によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、第1チャレンジレスポンス認証処理とそれ以外の相互認証処理とを行なったときに第1チャレンジレスポンス認証処理単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を通知した場合には、不適正と判断された認証処理が第1チャレンジレスポンス認証処理であることがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく相互認証処理を実行し、すべての認証結果の総括をして不適正通知を行なうために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
(18−7) 本発明のさらなる他の態様は、第1制御手段(CU制御部323)に通信可能に接続される接続部を有する第2制御手段(セキュリティチップ325b)と、該第2制御手段に通信可能に接続された第3制御手段(通信制御IC325a)とを含む制御装置(セキュリティ基板325)であって、
前記第3制御手段は、当該第3制御手段を識別するための第3制御手段識別情報と、前記第2制御手段を識別するための第2制御手段識別情報とを記憶しており(基板シリアルIDとID情報等を記憶しており)、
前記第2制御手段は、前記第2制御手段識別情報(基板シリアルID)と、前記第3制御手段識別情報(ID情報等)とを記憶しており、
前記第2制御手段は、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記接続部から出力し(図131の基板シリアルID認証応答1)、前記第1制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)が生成されて該レスポンスコードが前記接続部から入力されたときに(図131の基板シリアルID認証要求2が入力されたときに)、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理を行ない(図131のレスポンスコードチェック)、
前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で、
前記第2制御手段において記憶している前記第2制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第3制御手段に送信し、該第3制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している前記第2制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第3制御手段において記憶している前記第3制御手段識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第3制御手段へ返信し、前記第3制御手段において、記憶している前記第3制御手段識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理とを行なう(図146の第2認証シーケンス)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間および第2制御手段と第3制御手段との間において、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、制御手段間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−8) 上記(18−7)の制御装置において、前記第2制御手段は、
前記第1制御手段が記憶している認証用情報とペアの認証用情報を記憶し(共通鍵からなる認証鍵等を記憶し)、さらに、
前記第1制御手段が前記認証用情報を用いて演算処理を実行して該演算処理の結果データが前記接続部から入力されたときに(図132の機器認証要求2が入力されたときに)、該結果データに対し前記認証用情報を用いて演算処理を施して該結果データとの整合性をチェックする認証処理を行なう(乱数Bの複合とMACチェックによる認証鍵等の検証)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段とに記憶されている互いの認証に用いるペアの認証用情報を用いた認証処理も実行されるために、より一層確かな相互認証が可能となり、セキュリティが向上する。しかも、この認証処理も、記憶している認証用情報を用いて演算処理を実行したその結果データを送受信しているために、送受信される結果データがたとえ漏洩したとしても、そこから認証用情報を特定することが困難であり、情報漏洩に起因した制御手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(18−9) 上記(18−7)または(18−8)の制御装置において、前記第2制御手段は、前記第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理(図124の機器認証シーケンス)を行ない、
前記第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく前記相互認証処理を実行し、全ての認証結果の総括として不適正通知を行なう(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する)。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との間で、第1チャレンジレスポンス認証処理以外の相互認証処理も行なわれるために、一方の認証処理のセキュリティがたとえ破られたとしても、他方の認証処理によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、第1チャレンジレスポンス認証処理とそれ以外の相互認証処理とを行なったときに第1チャレンジレスポンス認証処理単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を通知した場合には、不適正と判断された認証処理が第1チャレンジレスポンス認証処理であることがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、第1チャレンジレスポンス認証処理の結果適正な認証が行なわれなかったときに当該認証段階での不適正通知を行なうことなく相互認証処理を実行し、すべての認証結果の総括をして不適正通知を行なうために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
(19−1) 本発明は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とが互いの認証用情報(基板初期鍵)を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123、図125の機器認証シーケンス)を備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との少なくとも一方は、製造段階で前記認証用情報を記憶しておらず(CU制御部が基板初期鍵を記憶しておらず)、遊技場に搬入された後サーバと通信可能になった段階で該サーバから前記認証用情報を取得して記憶し(図123:CU制御部が上位装置よりダウンロードした基板初期鍵を記憶する)、
前記相互認証処理手段は、前記第1制御手段と前記第2制御手段との少なくとも一方が前記認証用情報を記憶していないときには不適正な認証結果を導出し(図125:基板初期鍵の取得なしの状態で機器認証をすれば認証結果がNGとなる)、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、
前記認証用情報が記憶された後において、前記相互認証処理および該相互認証処理後の各種処理を実行し(図123の機器認証シーケンスおよびその後の通信鍵交換シーケンス等を実行)、
前記認証用情報が記憶される前においても前記相互認証処理を実行し(図125の機器認証シーケンスを実行し)、該相互認証処理により不適正な認証結果(NG)が導出されることにより、前記認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理(図125:基板出荷鍵による通信テスト電文の通信)を実行する。
上記構成によれば、遊技場に搬入された後、サーバと通信可能になった段階でサーバから認証用情報を取得してその認証用情報を用いて第1制御手段と第2制御手段とが相互認証処理を行ない、セキュリティが担保される。一方、前記認証用情報が未だ記憶されていない段階でも相互認証処理が実行され、その結果不適正な認証結果が導出され、これにより認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するように制御される。つまり、認証用情報を取得した後にセキュリティの担保のために実行される相互認証処理を、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するか否かの判別にも有効利用し、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するか否かの判別を行なう特別の判別ステップを設けることによる制御の複雑化を防止することができる。
(19−2) 上記(19−1)の遊技用システムにおいて、前記認証用情報の記憶は、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に実行される(図123)。
上記構成によれば、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に認証用情報の記憶がなされるために、それ以降遊技場での実稼動時には第1制御手段と第2制御手段との間でのセキュリティを担保するための相互認証処理が実行されることとなり、実稼動時におけるセキュリティが担保できる。
(19−3) 上記(19−1)または(19−2)の遊技用システムにおいて、前記認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理は、遊技場に出荷する前に実行するテスト処理である(図125の通信テスト電文の通信)。
上記構成によれば、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理は、遊技場に出荷する前に実行するテスト処理であり、その結果、遊技場に搬入される前の段階ではこのテスト処理が実行されることとなり、テスト処理を実行したテスト済のものを遊技場に搬入することができる。
(19−4) 上記(19−3)の遊技用システムにおいて、前記テスト処理は、予め記憶されているテスト用鍵を用いてテスト電文の暗号通信を実行する処理である(図125:基板出荷鍵を用いた通信テスト電文の通信)。
上記構成によれば、予め記憶されているテスト用鍵を用いてテスト電文の暗号通信を実行してテスト処理が行なわれるために、テスト電文のセキュリティ自体も担保することができる。
(19−5) 本発明の他の態様は、第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを備えた遊技機器(CU3、P台2、S第2S、ジェットカウンタ、POS等)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とが互いの認証用情報を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123、図125の機器認証シーケンス)を備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との少なくとも一方は、製造段階で前記認証用情報を記憶しておらず(CU制御部が基板初期鍵を記憶しておらず)、遊技場に搬入された後サーバと通信可能になった段階で該サーバから前記認証用情報を取得して記憶し(図123:CU制御部が上位装置よりダウンロードした基板初期鍵を記憶する)、
前記相互認証処理手段は、前記第1制御手段と前記第2制御手段との少なくとも一方が前記認証用情報を記憶していないときには不適正な認証結果を導出し(図125:基板初期鍵の取得なしの状態で機器認証をすれば認証結果がNGとなる)、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、
前記認証用情報が記憶された後において、前記相互認証処理および該相互認証処理後の各種処理を実行し(図123の機器認証シーケンスおよびその後の通信鍵交換シーケンス等を実行)、
前記認証用情報が記憶される前においても前記相互認証処理を実行し(図125の機器認証シーケンスを実行し)、該相互認証処理により不適正な認証結果(NG)が導出されることにより、前記認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理(図125:基板出荷鍵による通信テスト電文の通信)を実行する。
上記構成によれば、遊技場に搬入された後、サーバと通信可能になった段階でサーバから認証用情報を取得してその認証用情報を用いて第1制御手段と第2制御手段とが相互認証処理を行ない、セキュリティが担保される。一方、前記認証用情報が未だ記憶されていない段階でも相互認証処理が実行され、その結果不適正な認証結果が導出され、これにより認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するように制御される。つまり、認証用情報を取得した後にセキュリティの担保のために実行される相互認証処理を、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するか否かの判別にも有効利用し、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理を実行するか否かの判別を行なう特別の判別ステップを設けることによる制御の複雑化を防止することができる。
(19−6) 上記(19−5)の遊技機器において、前記認証用情報の記憶は、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に実行される(図123)。
上記構成によれば、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に認証用情報の記憶がなされるために、それ以降遊技場での実稼動時には第1制御手段と第2制御手段との間でのセキュリティを担保するための相互認証処理が実行されることとなり、実稼動時におけるセキュリティが担保できる。
(19−7) 上記(19−5)または(19−6)の遊技機器において、前記認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理は、遊技場に出荷する前に実行するテスト処理である(図125の通信テスト電文の通信)。
上記構成によれば、認証用情報が記憶される前の段階で実行するために用意されている処理は、遊技場に出荷する前に実行するテスト処理であり、その結果、遊技場に搬入される前の段階ではこのテスト処理が実行されることとなり、テスト処理を実行したテスト済のものを遊技場に搬入することができる。
(19−8) 上記(19−7)の遊技機器において、前記テスト処理は、予め記憶されているテスト用鍵を用いてテスト電文の暗号通信を実行する処理である(図125:基板出荷鍵を用いた通信テスト電文の通信)。
上記構成によれば、予め記憶されているテスト用鍵を用いてテスト電文の暗号通信を実行してテスト処理が行なわれるために、テスト電文のセキュリティ自体も担保することができる。
(20−1) 本発明は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で仮運用鍵(基板初期鍵)を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段による認証結果が適正であることを条件として本認証鍵(基板認証鍵)を取得する処理を行なう本認証鍵取得手段(図123と図127の基板情報取得シーケンス)と、
該本認証鍵取得手段により取得した本認証鍵を利用しての運用処理を実行する本運用処理手段(図124の遊技機との業務電文通信)と、
前記本認証鍵取得手段による処理の結果前記本認証鍵を取得できなかったときに、前記仮認証鍵を利用しての仮の運用処理を実行する仮運用処理手段(図123:基板シリアルID認証シーケンスおよび機器認証シーケンスを実行することなく基板初期鍵を用いて通信鍵交換シーケンス(図130)を実行する)とを備えた。
上記構成によれば、仮認証鍵を用いて相互認証処理を行なってその認証結果が適正であることを条件として本認証鍵を取得する処理が実行されるために、高いセキュリティを担保することが可能となる。しかも、その本認証鍵の取得処理の結果本認証鍵を取得できなかったときには、前記仮認証鍵を利用して仮の運用処理が実行されるために、本認証鍵の取得不能時における運用処理が全くできなくなる不都合をも防止することができる。
(20−2) 上記(20−1)の遊技用システムにおいて、前記仮運用処理手段は、予め定められた期間内でのみ前記仮の運用処理を実行する(たとえば2日間に限定して運用を許容する)。
上記構成によれば、予め定められた期間内にのみ仮の運用処理が実行されるために、本認証鍵の取得不能時というセキュリティ上不安定な状態での仮の運用処理を無期限に許容することによるセキュリティ上の問題を軽減することができる。
(20−3) 上記(20−1)または(20−2)の遊技用システムにおいて、前記本認証鍵取得手段は、識別番号に対応付けて本認証鍵を記憶しているサーバ(鍵管理サーバ800)に対し、識別番号(基板シリアル番号)を送信して該識別番号に対応する前記本認証鍵を取得する処理を行なう(図127)。
上記構成によれば、識別番号に対応付けて本認証鍵がサーバに記憶されており、そのサーバに対して識別番号を送信してその識別番号に対応する本認証鍵が取得されるために、サーバに識別番号に対応付けて正規に本認証鍵が記憶されている場合に限りその本認証鍵が取得可能となり、本認証鍵が登録された正規の識別番号を送信した場合に限り本認証鍵を取得することができるようにし、セキュリティが担保される。
(20−4) 上記(20−3)の遊技用システムにおいて、前記識別番号に対応付けて本認証鍵を記憶しているサーバ(鍵管理サーバ800)をさらに備え、
該サーバは、前記本認証鍵を取得して記憶する装置を製造したメーカが出荷する該装置に用いられる識別番号(基板シリアルID)と前記本認証鍵とを含む情報を受信し、該情報に含まれる識別番号に対応付けて該本認証鍵を記憶する(基板シリアルIDに対応付けて基板認証鍵を記憶)。
上記構成によれば、本認証鍵を取得して記憶する装置を製造したメーカが出荷する該装置に用いられる識別番号と前記本認証鍵とを含む情報をサーバが受信し、その情報に含まれる識別番号に対応付けて本認証鍵をサーバが記憶するために、メーカが出荷した正規の装置に限り本認証鍵をサーバから取得でき、メーカが出荷する正規の装置以外の装置が本認証鍵を取得できてしまう不都合を極力防止することによりセキュリティを担保できる。
(20−5) 本発明の他の態様は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で仮運用鍵(基板初期鍵)を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段による認証結果が適正であることを条件として本認証鍵(基板認証鍵)を取得する処理を行なう本認証鍵取得手段(図123と図127の基板情報取得シーケンス)と、
該本認証鍵取得手段により取得した本認証鍵を利用しての運用処理を実行する本運用処理手段(図124の遊技機との業務電文通信)と、
前記本認証鍵取得手段による処理の結果前記本認証鍵を取得できなかったときに、前記仮認証鍵を利用しての仮の運用処理を実行する仮運用処理手段(図123:基板シリアルID認証シーケンスおよび機器認証シーケンスを実行することなく基板初期鍵を用いて通信鍵交換シーケンス(図130)を実行する)とを備えた。
上記構成によれば、仮認証鍵を用いて相互認証処理を行なってその認証結果が適正であることを条件として本認証鍵を取得する処理が実行されるために、高いセキュリティを担保することが可能となる。しかも、その本認証鍵の取得処理の結果本認証鍵を取得できなかったときには、前記仮認証鍵を利用して仮の運用処理が実行されるために、本認証鍵の取得不能時における運用処理が全くできなくなる不都合をも防止することができる。
(20−6) 上記(20−5)の遊技機器において、前記仮運用処理手段は、予め定められた期間内でのみ前記仮の運用処理を実行する(たとえば2日間に限定して運用を許容する)。
上記構成によれば、予め定められた期間内にのみ仮の運用処理が実行されるために、本認証鍵の取得不能時というセキュリティ上不安定な状態での仮の運用処理を無期限に許容することによるセキュリティ上の問題を軽減することができる。
(20−7) 上記(20−5)または(20−6)の遊技機器において、前記本認証鍵取得手段は、識別番号に対応付けて本認証鍵を記憶しているサーバ(鍵管理サーバ800)に対し、識別番号(基板シリアル番号)を送信して該識別番号に対応する前記本認証鍵を取得する処理を行なう(図127)。
上記構成によれば、識別番号に対応付けて本認証鍵がサーバに記憶されており、そのサーバに対して識別番号を送信してその識別番号に対応する本認証鍵が取得されるために、サーバに識別番号に対応付けて正規に本認証鍵が記憶されている場合に限りその本認証鍵が取得可能となり、本認証鍵が登録された正規の識別番号を送信した場合に限り本認証鍵を取得することができるようにし、セキュリティが担保される。
(21−1) 本発明は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
遊技場への出荷前の段階で、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間でテスト用鍵を利用して出荷前処理を行なう出荷前処理手段(図125:基板出荷鍵による通信テスト電文の通信)と、
遊技場に納入された後に、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で認証鍵(基板認証鍵)を利用して遊技場での実稼働時の処理を行なう実稼働処理手段(図124の遊技機との業務電文通信)とを備える。
上記構成によれば、出荷前処理はテスト用鍵を利用して行なわれる一方、実稼動時の処理は認証鍵を利用して行なわれるために、たとえテスト用鍵が漏洩したとしても、実稼動時における認証鍵が漏洩しない限り実稼動時のセキュリティを保つことが可能となる。
(21−2) 上記(21−1)の遊技用システムにおいて、遊技場に納入され最初の電源投入時に初期鍵(基板初期鍵)をサーバ(上位サーバ801)から取得して該初期鍵を利用した処理を実行する初期鍵利用処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板情報取得シーケンス)をさらに備える。
上記構成によれば、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に初期鍵を取得して該初期鍵を利用した処理が実行されるため、以降初期鍵を利用してのセキュリティを担保した処理が可能となる。
(21−3) 上記(21−2)の遊技用システムにおいて、前記初期鍵利用処理手段は、前記認証鍵をサーバから取得するための処理を実行する(図123と図127の基板情報取得シーケンス)。
上記構成によれば、実稼動時の処理に利用される認証鍵をサーバから取得するにおいては、それに先立って初期鍵をサーバから取得しその初期鍵を利用した処理を実行することにより認証鍵をサーバから取得するための処理が行なわれることとなり、認証鍵をサーバから取得するための処理自体が初期鍵を利用したセキュリティを担保した処理にすることができ、より一層セキュリティを向上させることができる。
(21−4) 本発明の他の態様は、第1制御手段(CU制御部323、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)であって、
遊技場への出荷前の段階で、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間でテスト用鍵を利用して出荷前処理を行なう出荷前処理手段(図125:基板出荷鍵による通信テスト電文の通信)と、
遊技場に納入された後に、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で認証鍵(基板認証鍵)を利用して遊技場での実稼働時の処理を行なう実稼働処理手段(図124の遊技機との業務電文通信)とを備える。
上記構成によれば、出荷前処理はテスト用鍵を利用して行なわれる一方、実稼動時の処理は認証鍵を利用して行なわれるために、たとえテスト用鍵が漏洩したとしても、実稼動時における認証鍵が漏洩しない限り実稼動時のセキュリティを保つことが可能となる。
(21−5) 上記(21−4)の遊技機器において、遊技場に納入され最初の電源投入時に初期鍵(基板初期鍵)をサーバ(上位サーバ801)から取得して該初期鍵を利用した処理を実行する初期鍵利用処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板情報取得シーケンス)をさらに備える。
上記構成によれば、遊技場に搬入されて最初の電源投入時に初期鍵を取得して該初期鍵を利用した処理が実行されるため、以降初期鍵を利用してのセキュリティを担保した処理が可能となる。
(21−6) 上記(21−5)の遊技機器において、前記初期鍵利用処理手段は、前記認証鍵をサーバから取得するための処理を実行する(図123と図127の基板情報取得シーケンス)。
上記構成によれば、実稼動時の処理に利用される認証鍵をサーバから取得するにおいては、それに先立って初期鍵をサーバから取得しその初期鍵を利用した処理を実行することにより認証鍵をサーバから取得するための処理が行なわれることとなり、認証鍵をサーバから取得するための処理自体が初期鍵を利用したセキュリティを担保した処理にすることができ、より一層セキュリティを向上させることができる。
(22−1) 本発明は、第1制御手段(セキュリティチップ325b、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(通信制御IC325a、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で認証鍵を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図146の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
前記認証鍵の更新を行なう認証鍵更新手段(図147:SCからの認証鍵更新要求にしたがって通信制御ICが認証鍵の更新を行なう)とを備え、
前記相互認証処理手段は、前記認証鍵更新手段により前記認証鍵の更新が行なわれたときに、該更新された認証鍵を用いて再度相互認証処理を行なう(図147:再度第1認証シーケンスから認証を実施する)。
上記構成によれば、認証鍵更新手段により認証鍵の更新を行なうことができ、認証鍵が漏洩した可能性が生じた場合に、その認証鍵を新たなものに更新して、漏洩した認証鍵による不正行為を防止することができる。また、認証鍵の更新が行なわれたときに、該更新された認証鍵を用いて再度相互認証処理が行なわれるため、信頼できる新たな認証鍵を用いた相互認証処理の結果を得ることができる。
(22−2) 上記(22−1)の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段は、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で前記認証鍵を用いた暗号通信を行なうことにより、前記第1制御手段が記憶している識別情報と前記第2制御手段が記憶している識別情報とが整合しているか否かを相互認証する(認証鍵を用いた暗号通信により互いのID情報等の整合性をチェックする)。
上記構成によれば、両制御手段の識別情報の整合性チェックによる相互認証が可能である。
(22−3) 上記(22−1)または(22−2)の遊技用システムにおいて、前記認証鍵更新手段は、サーバ(鍵管理サーバ800)からの認証鍵の更新情報を受信したときに、該更新情報に従った認証鍵の更新処理を実行する(図147:上位装置からの更新情報がある場合のみ実行する)。
上記構成によれば、認証鍵の更新の必要性が生じたときに、サーバから認証鍵を配信して更新することができる。
(22−4) 本発明の他の態様は、第1制御手段(セキュリティチップ325b)と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段(通信制御IC325a)とを備えた遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で認証鍵を用いて相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図146の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
前記認証鍵の更新を行なう認証鍵更新手段(図147:SCからの認証鍵更新要求にしたがって通信制御ICが認証鍵の更新を行なう)とを備え、
前記相互認証処理手段は、前記認証鍵更新手段により前記認証鍵の更新が行なわれたときに、該更新された認証鍵を用いて再度相互認証処理を行なう(図147:再度第1認証シーケンスから認証を実施する)。
上記構成によれば、認証鍵更新手段により認証鍵の更新を行なうことができ、認証鍵が漏洩した可能性が生じた場合に、その認証鍵を新たなものに更新して、漏洩した認証鍵による不正行為を防止することができる。また、認証鍵の更新が行なわれたときに、該更新された認証鍵を用いて再度相互認証処理が行なわれるため、信頼できる新たな認証鍵を用いた相互認証処理の結果を得ることができる。
(22−5) 上記(22−4)の遊技機器において、前記相互認証処理手段は、前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で前記認証鍵を用いた暗号通信を行なうことにより、前記第1制御手段が記憶している識別情報と前記第2制御手段が記憶している識別情報とが整合しているか否かを相互認証する(認証鍵を用いた暗号通信により互いのID情報等の整合性をチェックする)。
上記構成によれば、両制御手段の識別情報の整合性チェックによる相互認証が可能である。
(22−6) 上記(22−4)または(22−5)の遊技機器において、前記認証鍵更新手段は、サーバ(鍵管理サーバ800)からの認証鍵の更新情報を受信したときに、該更新情報に従った認証鍵の更新処理を実行する(図147:上位装置からの更新情報がある場合のみ実行する)。
上記構成によれば、認証鍵の更新の必要性が生じたときに、サーバから認証鍵を配信して更新することができる。
(23−1) 本発明は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段と第2制御手段(CU制御部323とセキュリティチップ325b、セキュリティチップ325bと通信制御IC325a、またはCU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末のうちのいずれか2つの組合わせ)とを備えた遊技用システムであって、
認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板シリアルID認証シーケンス、図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段による各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、前記複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含み、
前記相互認証処理手段は、前記総括通知手段により異常を総括して通知した後、前記複数種類の相互認証処理を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で再度行なう再認証処理を実行する(図133:応答がNGの場合最大2回リトライする。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
上記構成によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、複数種類の相互認証処理を第1制御手段と第2制御手段との間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
(23−2) 上記(23−1)の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、前記第1制御手段と前記第2制御手段とによる以降の処理を停止する停止手段(図133:以降の通信を行なわない。図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、第1制御手段と第2制御手段とによる以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
(23−3) 上記(23−1)または(23−2)の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
(23−4) 上記(23−1)〜(23−3)のいずれかの遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段は、
前記第2制御手段においてチャレンジコードを生成して前記第1制御手段に送信し、該第1制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している識別情報を用いて前記受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第1制御手段においてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第1制御手段へ返信し、前記第1制御手段において、記憶している識別情報を用いて前記受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
上記構成によれば、第1の制御手段と第2の制御手段とにおいて、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両遊技手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(23−5) 本発明の他の態様は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段と第2制御手段(CU制御部323とセキュリティチップ325b、セキュリティチップ325bと通信制御IC325a)とを備えた遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)であって、
認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板シリアルID認証シーケンス、図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段による各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、前記複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含み、
前記相互認証処理手段は、前記総括通知手段により異常を総括して通知した後、前記複数種類の相互認証処理を前記第1制御手段と前記第2制御手段との間で再度行なう再認証処理を実行する(図133:応答がNGの場合最大2回リトライする。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
上記構成によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、複数種類の相互認証処理を第1制御手段と第2制御手段との間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
(23−6) 上記(23−5)の遊技機器において、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、前記第1制御手段と前記第2制御手段とによる以降の処理を停止する停止手段(図133:以降の通信を行なわない。図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、第1制御手段と第2制御手段とによる以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
(23−7) 上記(23−5)または(23−6)の遊技機器において、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
(23−8) 上記(23−5)〜(23−7)のいずれかの遊技機器において、前記相互認証処理手段は、
前記第2制御手段においてチャレンジコードを生成して前記第1制御手段に送信し、該第1制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している識別情報を用いて前記受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第1制御手段においてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第1制御手段へ返信し、前記第1制御手段において、記憶している識別情報を用いて前記受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを行なう。
上記構成によれば、第1の制御手段と第2の制御手段とにおいて、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両遊技手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(24−1) 本発明は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323)および第2制御手段(CU制御部323)と、該第2制御手段と互いに暗号通信を行なう第3制御手段(通信制御IC325a)とを備えた遊技用システムであって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間および前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板シリアルID認証シーケンス、図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段により行なわれる前記複数種類の相互認証処理における各相互認証単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、前記複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含み、
前記相互認証処理手段は、前記総括通知手段により異常を総括して通知した後、該異常のあった制御手段間で前記複数種類の相互認証処理を再度行なう再認証処理を実行する(図133:応答がNGの場合最大2回リトライする。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
上記構成によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間および前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、異常のあった制御手段間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
(24−2) 上記(24−1)の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、不適正な制御手段間で以降の処理を停止する停止手段(図133:以降の通信を行なわない。図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、不適正な制御手段間で以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
(24−3) 上記(24−1)または(24−2)の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
上記構成によれば、前記第2制御手段と前記第3制御手段との間での再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
(24−4) 上記(24−1)〜(24−3)のいずれかに記載の遊技用システムにおいて、前記相互認証処理手段により行なわれる前記第1制御手段と前記第2制御手段との間の相互認証処理は、
前記第2制御手段において記憶している第2の識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記第1制御手段に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該第1制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成して前記第2制御手段へ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、前記第2制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図131のレスポンスコードチェック)を含み、
前記相互認証処理手段により行なわれる前記第2制御手段と前記第3制御手段との間の相互認証処理は、
前記第3制御手段において記憶している第3の識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第3の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第3制御手段へ返信し、前記第3制御手段において、記憶している前記第3の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第2制御手段において記憶している前記第2の識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第3制御手段に送信し、該第3制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを含む。
上記構成によれば、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両制御手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(24−5) 本発明の他の態様は、互いに暗号通信を行なう第1制御手段(CU制御部323)および第2制御手段(CU制御部323)と、該第2制御手段と互いに暗号通信を行なう第3制御手段(通信制御IC325a)とを備えた遊技機器(CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等)であって、
前記第1制御手段と前記第2制御手段との間および前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理を行なう相互認証処理手段(図123の機器認証シーケンスと基板シリアルID認証シーケンス、図148の第1認証シーケンス〜第3認証シーケンス)と、
該相互認証処理手段により行なわれる前記複数種類の相互認証処理における各相互認証単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知せず、前記複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知する総括通知手段(図132:機器認証シーケンス後の基板認証結果通知で基板シリアルID認証と機器認証の認証結果を通知する。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを総括して通知する)とを含み、
前記相互認証処理手段は、前記総括通知手段により異常を総括して通知した後、該異常のあった制御手段間で前記複数種類の相互認証処理を再度行なう再認証処理を実行する(図133:応答がNGの場合最大2回リトライする。図148:第1認証シーケンス〜第3認証シーケンスまでの認証シーケンスを最大2回リトライする)。
上記構成によれば、認証方式の異なる複数種類の相互認証処理が第1の制御手段と第2の制御手段との間および前記第2制御手段と前記第3制御手段との間で行なわれるために、或る1つの認証方式による相互認証のセキュリティがたとえ破られたとしても、他の異なる認証方式による相互認証によって相互認証のセキュリティを保つことができる。
また、たとえば、複数種類の相互認証処理の各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の制御手段に通知した場合には、どの種類の相互認証で不適正だったのかがわかってしまいセキュリティ上好ましくないが、総括通知手段の働きにより、各相互認証の単独での認証結果が不適正な場合に該単独での認証結果を認証相手の遊技者に通知せず、複数種類の相互認証すべてを実行した結果の異常を総括して、認証相手の制御手段に通知するために、どの種類の相互認証で異常が発生したかを見破れないようにして、セキュリティを向上させることができる。
さらに、異常を総括通知した後に、異常のあった制御手段間で再度行なう再認証処理が実行されるために、相互認証が本当に異常となるかを再度確認することができ、相互認証の信頼性を向上させることができる。
(24−6) 上記(24−5)の遊技機器において、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、不適正な制御手段間で以降の処理を停止する停止手段(図133:以降の通信を行なわない。図148:リセット待ちとする)をさらに含む。
上記構成によれば、再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、不適正な制御手段間で以降の処理が停止するために、不適正でないにも拘らず以降の処理を停止する不都合を極力減少させることができる。
(24−7) 上記(24−5)または(24−6)の遊技機器において、前記相互認証処理手段による前記再認証処理の結果が不適正であることを条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知を行なうための処理を実行する異常通知処理手段(図148:「通信制御IC認証異常」を上位装置に通知)をさらに含む。
上記構成によれば、前記第2制御手段と前記第3制御手段との間での再認証処理の結果が不適正という信頼性の高い不適正認証の結果を条件として、管理用のサーバへ異常発生の通知が行なわれるために、不適正でないにも拘らず管理用のサーバへ異常発生の通知を行なう不都合を極力減少することができる。
(24−8) 上記(24−5)〜(24−7)のいずれかの遊技機器において、前記相互認証処理手段により行なわれる前記第1制御手段と前記第2制御手段との間の相互認証処理は、
前記第2制御手段において記憶している第2の識別情報を用いてチャレンジコード(図131のチャレンジコード)を生成して前記第1制御手段に送信し(図131の基板シリアルID認証応答1)、該第1制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコード(図131のレスポンスコード)を生成して前記第2制御手段へ返信し(図131の基板シリアルID認証要求2)、前記第2制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第1チャレンジレスポンス認証処理(図131のレスポンスコードチェック)を含み、
前記相互認証処理手段により行なわれる前記第2制御手段と前記第3制御手段との間の相互認証処理は、
前記第3制御手段において記憶している第3の識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第2制御手段に送信し、該第2制御手段において、記憶している前記第3の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第3制御手段へ返信し、前記第3制御手段において、記憶している前記第3の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第2チャレンジレスポンス認証処理(図146の第1認証シーケンス)と、
前記第2制御手段において記憶している前記第2の識別情報を用いてチャレンジコードを生成して前記第3制御手段に送信し、該第3制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて、受信した前記チャレンジコードからレスポンスコードを生成して前記第2制御手段へ返信し、前記第2制御手段において、記憶している前記第2の識別情報を用いて受信したレスポンスコードの適否を判定する第3チャレンジレスポンス認証処理(図146の第2認証シーケンス)とを含む。
上記構成によれば、一方の制御手段からチャレンジコードを他方の制御手段へ送信し他方の制御手段において記憶している識別情報を用いて受信したチャレンジコードからレスポンスコードを生成して一方の制御手段へ返信するという、チャレンジレスポンス方式の認証を行なっているために、両制御手段の間を送受信されるチャレンジコードやレスポンスコードが漏洩されたとしても、記憶している識別情報を特定することが困難であり、識別情報の漏洩に起因した遊技手段に対する不正行為を極力防止することができる。
(25−1) 本発明は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記得点を記憶する得点記憶手段(遊技玉数カウンタ、遊技点数カウンタ)と、
該得点記憶手段に記憶されている得点を、遊技への使用および入賞の発生に応じて更新する得点更新手段(図45:加算玉数と減算玉数との基づいて遊技玉数を算出する払出制御部171、図38、図39:CUからの加算玉数に基づいて遊技玉数を加算する払出制御部171)と、
当該遊技機で遊技を行なっている遊技者を特定可能な遊技者特定情報(カードID等)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(図36、図37:カードIDを記憶する払出制御部171)とを含み、さらに、
前記遊技用装置との通信の開始の際に、前記遊技者特定情報記憶手段に記憶されている遊技者特定情報と所定の数値情報(カード挿入時刻等)と前記得点記憶手段に記憶されている得点とを前記遊技用装置へ送信し(図42:カードIDとカード挿入時刻とを含むカード返却応答をCUへ送信)、
前記遊技用装置は、
遊技者が前記遊技機により遊技を行なっているときの現時点の得点を特定して記憶する得点特定記憶手段(図8の遊技玉数、図151の遊技点数)と、
前記遊技機以外の外部記憶手段(上位サーバ801やカード)に記憶されている前記遊技者特定情報と前記所定の数値情報との入力を受付ける受付手段(図53、図55、図57:交換されたCUが上位サーバ801からカード挿入時刻を受信し再挿入されたカードからそのカードIDを読取る)と、
前記遊技機と接続されて通信が開始された際に、前記受付手段により受付けられた前記遊技者特定情報および前記所定の数値情報と前記遊技機から送信されてきた前記遊技者特定情報および前記所定の数値情報とに基づいて同一の遊技者が特定されるか否かを判定する処理を行なう同一判定処理手段(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致するか判定する払出制御部171)とを含み、
前記得点特定記憶手段は、前記同一判定処理手段により同一であるとの判定結果が得られたときに、前記遊技機から送信された得点を現時点での得点として記憶する(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致するときに遊技玉数=175を記憶する)。
上記構成によれば、遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始された際に遊技機から送信されてきた遊技者特定情報および所定の数値情報と受付手段により受付けられた遊技者特定情報および所定の数値情報とに基づいて同一の遊技者が特定されるか否かを判定する処理が行なわれ、同一であるとの判定結果が得られたときに、通信開始前の段階で遊技を行なった当該遊技者の得点が通信開始後の遊技用装置側の得点として記憶されて引継がれ、遊技者が不利益を被ることなく遊技を続行することが可能となる。また、遊技者の同一性の判定において、遊技者特定情報ばかりでなく所定の数値情報をも判定材料として用いているために、より信頼性の高い同一性の判定が可能となる。
(25−2) 上記(25−1)の遊技用システムにおいて、前記遊技用装置は、遊技者所有の遊技用価値を特定可能な情報を記録している記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(カードリーダライタ)をさらに含み、該記録媒体受付手段が前記記録媒体を受付けた時刻を前記遊技機へ送信し(図36:挿入時刻を含むカード挿入通知をP台へ送信)、
前記遊技機は、送信されてきた前記時刻を、前記遊技用装置との通信の開始の際に前記所定の数値情報として前記遊技用装置へ送信する(図53、図55、図57:カード挿入時刻を含むリカバリ応答を送信)。
上記構成によれば、遊技者の同一性の判定材料である所定の情報として、遊技者が遊技を開始するときに記録媒体が記録媒体受付手段に受付けられたその時刻を用いているために、その遊技を開始した遊技者すなわち遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始される前の遊技者と、遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始された後の遊技者との同一性の判断に適した情報に基づいて判断することが可能となる。
(25−3) 上記(25−1)または(25−2)の遊技用システムにおいて、前記得点特定記憶手段は、前記遊技機と前記遊技用装置との通信が途絶えてから所定時間が経過するまでに通信が開始されたことを条件に(たとえば20分経過する前に復旧したことを条件に)、前記遊技機から送信された得点を現時点での得点として記憶する。
上記構成によれば、遊技機と遊技用装置との通信が途絶えてから所定時間が経過した後においては、送信されてきた得点を現時点での得点として遊技用装置側が記憶しないために、たとえば新たな遊技用装置と取替える取替作業時間を遥かに超えた時間が経過した場合においても得点の記憶制御を行なうという無駄を防止することができる。
(25−4) 本発明の他の態様は、所定の得点(遊技玉、遊技点)を用いて遊技が行なわれる遊技機(パチンコ機2、スロットマシン2S)と通信する通信部(通信制御IC325a)を備え、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を用いて前記遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(カードユニット3)であって、
遊技者が前記遊技機により遊技を行なっているときの現時点の得点を特定して記憶する得点特定記憶手段(図8の遊技玉数、図151の遊技点数)と、
前記遊技機以外の外部記憶手段であって前記遊技機で遊技を行なっている遊技者を特定可能な遊技者特定情報(カードID等)と所定の数値情報(カード挿入時刻等)とを記憶している外部記憶手段(上位サーバ801やカード)から、前記遊技者特定情報と前記所定の数値情報との入力を受付ける受付手段(図53、図55、図57:交換されたCUが上位サーバ801からカード挿入時刻を受信し再挿入されたカードからそのカードIDを読取る)と、
前記遊技機と接続されて通信が開始された際に、前記受付手段により受付けられた前記遊技者特定情報および前記所定の数値情報と前記遊技機から送信されてきた前記遊技者特定情報および前記所定の数値情報とに基づいて同一の遊技者が特定されるか否かを判定する処理を行なう同一判定処理手段(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致するか判定する払出制御部171)とを含み、
前記得点特定記憶手段は、前記同一判定処理手段により同一であるとの判定結果が得られたときに、前記遊技機から送信された得点を現時点での得点として記憶する(図51、図52:カードIDおよび挿入時刻が一致するときに遊技玉数=175を記憶する)。
上記構成によれば、遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始された際に遊技機から送信されてきた遊技者特定情報および所定の数値情報と受付手段により受付けられた遊技者特定情報および所定の数値情報とに基づいて同一の遊技者が特定されるか否かを判定する処理が行なわれ、同一であるとの判定結果が得られたときに、通信開始前の段階で遊技を行なった当該遊技者の得点が通信開始後の遊技用装置側の得点として記憶されて引継がれ、遊技者が不利益を被ることなく遊技を続行することが可能となる。また、遊技者の同一性の判定において、遊技者特定情報ばかりでなく所定の数値情報をも判定材料として用いているために、より信頼性の高い同一性の判定が可能となる。
(25−5) 上記(25−4)の遊技用装置において、前記遊技用装置は、遊技者所有の遊技用価値を特定可能な情報を記録している記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(カードリーダライタ)をさらに含み、該記録媒体受付手段が前記記録媒体を受付けた時刻を前記遊技機へ送信し(図36:挿入時刻を含むカード挿入通知をP台へ送信)、
前記遊技機は、送信されてきた前記時刻を、前記遊技用装置との通信の開始の際に前記所定の数値情報として前記遊技用装置へ送信する(図53、図55、図57:カード挿入時刻を含むリカバリ応答を送信)。
上記構成によれば、遊技者の同一性の判定材料である所定の情報として、遊技者が遊技を開始するときに記録媒体が記録媒体受付手段に受付けられたその時刻を用いているために、その遊技を開始した遊技者すなわち遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始される前の遊技者と、遊技用装置が遊技機と接続されて通信が開始された後の遊技者との同一性の判断に適した情報に基づいて判断することが可能となる。
(25−6) 上記(25−4)または(25−5)の遊技用装置において、前記得点特定記憶手段は、前記遊技機と前記遊技用装置との通信が途絶えてから所定時間が経過するまでに通信が開始されたことを条件に(たとえば20分経過する前に復旧したことを条件に)、前記遊技機から送信された得点を現時点での得点として記憶する。
上記構成によれば、遊技機と遊技用装置との通信が途絶えてから所定時間が経過した後においては、送信されてきた得点を現時点での得点として遊技用装置側が記憶しないために、たとえば新たな遊技用装置と取替える取替作業時間を遥かに超えた時間が経過した場合においても得点の記憶制御を行なうという無駄を防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。