JP5430285B2 - 呼吸代謝測定解析装置 - Google Patents
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- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Description
呼吸気の流量とガス分析をおこなうことで、酸素摂取量や炭酸ガス排泄量などの呼吸代謝データを得ることができる。
このような、呼吸を測定して呼吸代謝データを求める呼吸代謝測定解析装置は、呼吸器疾患の診断に広く用いられている(例えば特許文献1参照)
これらの分野では、前述の呼吸代謝データをもとに、更にデータ処理を行い、必要なパラメータを求めて使用する。
1.Rの運動強度に対する上昇点
R:ガス交換比。単位時間当たりの炭酸ガス排泄量と酸素摂取量の比。
2.VCO2のVO2に対する上昇点
VCO2:炭酸ガス排泄量
VO2:酸素摂取量
3.VE/VCO2が増加せずにVE/VO2が増加する点
VE:分時呼気換気量
4.PETCO2が変化せずにPETO2が増加する点
PETCO2:呼気終末炭酸ガス分圧
PETO2:呼気終末酸素ガス分圧
5.VEのVO2に対する上昇点
このため、各種呼吸データとともに、これらのデータを画面に表示し、ATポイントを決定している。
本発明は、代謝測定全般に応用できるが、ここでは、より手順が複雑な、ATポイント決定法を例に説明する。
図6は前記段落番号0007の2に記載したVCO2とVO2のグラフ(V−Slope曲線という)である。VCO2のVO2に対する上昇点、つまり、VO2の増加に対して
VCO2の増加が急激に増加する点(図6の点C)がATポイントとなる。これを求める具体的な方法として、C点の左右で解析区間を設定し、回帰直線を求め、その交点がATポイントとする方法が用いられている。このようなATポイント決定法をV−Slope法と呼ぶ。
図7の画面3には、図6で説明したV−Slopeの図を示している。
図7の画面4は、RCポイントを求めるためのグラフで、VE/VCO2スロープ法と呼ばれるものである。
ここではこれについては省略するが、解析手法・手順はAT解析法と同様である。本発明はRCポイント解析にも使用できる。
ATポイントだけを得たい場合は、画面1と3のみを表示しても良いし、画面1,2,3を表示して、画面2にATポイント決定に関係するデータを表示しても良い。
なお、画面1及び2に表示するデータは任意に選択できるようにしているのが一般的である。
この決定法は、ATポイントを例にとると、図7の画面3を見て、ATポイントらしい点に注目し、この前後に適切な解析範囲を指定し、そこに回帰直線をひき、得られた2本の回帰直線の交点をATポイントと決定する。このATポイントに対応して、画面1にも解析範囲とATポイントを表示する。
病的な場合はATポイントが明確にできない場合がある。このような場合、専門家が図7の解析画面を見て、他の代謝パラメータを参照して、ATポイントを補正する。
ATポイントは、前記段落番号0007で述べたような条件を満たす点を見出して決定する。
しかし、図5のように、複数のパラメータを限られた画面に表示し、各パラメータの曲線は接近したり交差したりして、画面は見にくく、ATポイントの決定に迷うことが多い。
また、人によっては、前記条件を満たすような明確な変化を示さず、ATポイントを明確に決定できないこともある。
さらに判断を補助するために、実際には図7のように、AT決定に関係する、他の呼吸代謝データも参照したいことが多く、さらに多くのデータを表示する必要があり、このため、さらに画面が見にくくなり、判断が難しくなる。
このATポイントと解析範囲は画面1にも表示され、これを専門家が見て、データの妥当性を判断する。
しかし、このように、V−Slope曲線からATポイントを求め、これを多数のデータをトレンドグラフで見ながらATポイントの妥当性を判断して決定する方法は、慣れていないと手間取り、解析に時間がかかる。
また、1つの画面に表示されるパラメータが多く、グラフが接近したり重なったり交差したりして見難い。さらに、ATポイントの候補点を見出しその前後の解析範囲を決定し、解析された結果の妥当性を判断し、検査結果のレポートを作成する等、検査手順は複雑である。特に熟練していない人が解析をおこなう場合、どのような手順で、どの領域を抽出して解析をし、どのデータを用いてレポートを作成するか、非常に複雑で分りにくく、間違いを起こしやすいという問題があった。
呼吸気流量を測定する呼吸流量計と、
呼吸気のガス濃度を測定するガス濃度計と、
前記呼吸気流量計及び前記ガス濃度計で得たデータから呼吸代謝データを求めるデータ処理部と、
前記データ処理部の出力を表示する表示部と
を有する呼吸代謝測定解析装置において、
前記表示部に解析ガイド部を設け、
前記解析ガイド部には、多種の前記呼吸代謝データを用いて解析し導き出されるATポイントを含む呼吸代謝指標を得るのに必要な操作を適切な順番で表示した解析手順部を設け、表示した操作に対応させてその意味や具体的な操作方法などを記載した操作説明部を設け、操作を順番に指定し、これと対応する操作説明を表示して、必要な操作とその具体的な内容を確認しながら操作を行い、
解析を画面の指定どおりに解析を行うと、熟練者若しくは専門家と同じ手順、又は施設特有の手順で解析することができ、且つ、毎回同じ解析手順で前記呼吸代謝データの解析結果(呼吸代謝指標)を得ることができるようにした。
つまり、呼吸代謝測定解析装置の表示器に、ガイド部5を設けて、ガイドに従って解析を進めると、慣れない人でも、スムースに、間違いなく、結果を得ることができる。
ガイド部5には、解析手順7を設けている。これは、解析に必要な項目を、例えば図2(A)のように、V−slopeの区間を設定する、V−slopeの自動回帰などの項目を、順番に列記している。
解析手順7に表示した項目を順番に選択し、必要な処理を実行することで、スムースに解析を進めることができる。
また、解析手順7に表示した各項目を選択すると、その操作説明内容やコメントなどが操作説明8に表示され、どのような処理をすればよいかということが表示される。
また、ガイド9には、解析手順の異なる解析手順7を有する。
ガイド9の1つを選択すると、その解析手順7が表示され、その解析手順7の項目を選択すると、その操作説明内容やコメントなどが操作説明8に表示される。
目的に応じて、ガイド9の1つを選択し、その解析手順7の項目を順番に選択し、選択した項目に対する操作説明8の内容にしたがって、解析を進めればよい。
このため、解析手順を間違えて誤った解析結果を得るという問題を解決することができる。
前記操作の順番を変更、記録できる手段を設けた。つまり、解析手順7の表示項目の順番を変更したり、新規に追加、削除することができるようにした。
これにより、使用する施設固有の特性や、必要とする解析結果に応じた手順で、慣れた人はある項目を飛ばすなどして、正しく解析を進めることができる。
前記解析ガイド部に前記操作の内容を表示する操作説明部を設け、
前記操作とこれに対応する操作説明を追加、編集、削除し、それらを記録することができる手段を設けた。
これにより、判断が難しい患者においても、適切な操作を追加することで、より正確にATポイントを決定できる。
また、不要な操作を削除することで、より効率的な検査をおこなうことができる。
また、選択した前期ウインドウのみを表示し、このウインドウのサイズ(グラフのレンジ)を切り替えることができる。
さらに、多数の時系列データの中から、前記操作を実行するのに必要なデータのみを強調又は抽出して表示して、前記測定又は前記解析を行うようにした。
このため、図6のように、最も注目したいパラメータだけを見ることができ、画面が見やすく、他のパラメータに邪魔されずにみることができ、正しい判断ができるようになる。
呼吸気流量を測定する呼吸流量計と、
呼吸気のガス濃度を測定するガス濃度計と、
前記呼吸気流量計及び前記ガス濃度計で得たデータから呼吸代謝データを求めるデータ処理部と、
前記データ処理部の出力を表示する表示部と
を有する呼吸代謝測定解析装置において、
前記表示部に解析ガイド部を設け、
前記解析ガイド部には、多種の前記呼吸代謝データを用いて解析し導き出されるATポイントを含む呼吸代謝指標を得るのに必要な操作を適切な順番で表示した解析手順部を設け、表示した操作に対応させてその意味や具体的な操作方法などを記載した操作説明部を設け、
操作を順番に指定し、これと対応する操作説明を表示して、必要な操作とその具体的な内容を確認しながら操作を行うことができる。
このため、たとえ初心者であっても、操作を画面の指定どおりに進めることで、最終的に所望の呼吸代謝データの解析結果を得ることができる。
前記操作の順番を変更、保存できる。
このため、使用する施設固有の特性や、必要とする解析結果に応じた手順で検査を進めることができる。
前記操作とこれに対応する操作説明を追加、編集、削除し、それらを記録することができる。
このため、検査する人の習熟度に応じて、操作を追加、編集、削除することができるので、どのような人でも、必要な操作を的確に実行し正しい結果を得ることができる。
このため、画面が見易くなり、注目したいデータだけを見て判断でき、ミスの少ない、より妥当な判断をおこなうことができる。
呼吸気流量を測定する呼吸流量計と、
呼吸気のガス濃度を測定するガス濃度計と、
前記呼吸気流量計及び前記ガス濃度計で得たデータから呼吸代謝データを求めるデータ処理部と、
前記データ処理部の出力を表示する表示部と
を有する呼吸代謝測定解析装置において、
前記表示部に解析ガイド部を設け、
前記解析ガイド部には、多種の前記呼吸代謝データを用いて解析し導き出されるATポイントを含む呼吸代謝指標を得るのに必要な操作を適切な順番で表示した解析手順部を設け、表示した操作に対応させてその意味や具体的な操作方法などを記載した操作説明部を設け、操作を順番に指定し、これと対応する操作説明を表示して、必要な操作とその具体的な内容を確認しながら操作を行うことができるようにし、
解析をガイド部の指定どおりに解析を行うと、熟練者若しくは専門家と同じ手順、又は施設特有の手順で解析することができ、且つ、毎回同じ解析手順で前記呼吸代謝データの解析結果(呼吸代謝指標)、例えばATポイントを得ることができるようにするものである。
前記操作の順番を変更、記録できる手段を設けたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の呼吸代謝測定解析装置において、
前記解析ガイド部に前記操作の内容を表示する操作説明部を設け、
前記操作とこれに対応する操作説明を追加、編集、削除し、それらを記録することができる手段を設けたものである。
呼吸代謝の前記測定、前記解析において、前記解析に係る操作を実行するにあたり、前記表示部に表示した複数のウインドウ及び多数の時系列データの中から、前記操作を実行するのに必要なウィンドウ及びデータのみを強調又は抽出して表示して、前記測定又は前記解析を行うようにするものである。
図1の例では、画面を5つに分割している。
画面1から4までは、従来の解析画面(図7)と同じである。
画面1はATポイント解析のための呼吸代謝データを6個、トレンドグラフで表示している。
画面3には、ATポイント解析のためのVCO2とVO2の関係(V−Slope曲線)を表示している。
画面2には、AT解析に関係する画面1以外の呼吸代謝データ、又は、RC決定に関するデータなどの、関係するデータを表示している。
画面4には、VEとVCO2の関係(VE/VCO2スロープ法)を表示している。これはRC値を得るために用いる。
従来は、これ以降のデータ解析は、解析を行う人の記憶によって、順番に必要な処理を行っていた。
しかし、なれない人は、どこから手を付け、どのような順番で処理を進めてよいかわからなかった。また、解析の途中で行う操作、処理内容も分らなかった。このため、初心者は解析できず、少しなれた人も、テキストを見ながら、何を行えばよいかを確認しながら解析を行っていたため、多大な時間を要していた。
このように、煩雑な専門化がおこなう解析を、ガイドに従って行えば、だれでも実行できるようにするのが本発明である。
解析ガイド部5は、ガイド選択部9と、解析手順7と、操作説明部8で構成する。
ガイド選択部9は登録しているガイドの中のどのガイドを使用するかを選択するもので、所望のガイド番号を選択する。
解析手順7は操作の手順を示す。操作説明部8は、解析手順7の各操作の意味や操作内容を説明するものである。
ガイド1には、解析手順7に記載しているように、V−Slope区間の設定、V−Slope自動回帰、注意書き01、ATポイント設定、レポート通常、注意書き02、解析結果を保存、データを閉じて開く、解析終了、注意書き03という10ステップの解析手順を用意している。
このガイドはV−Slope法を用いたAT解析をおこなうためのものである。AT解析とは、ATポイントを求めるための解析である。
また、操作説明部8は、各ステップの操作の意味と操作内容の説明が表示される。
まず、解析ガイド部5のガイド選択部9に登録された3種類のガイドの中から、解析目的に適したガイドを選択する。図1の例では、ガイド1を選択している。ここではガイド選択部9には3つのプログラム(3種類のガイド)を設けた例を示しているが、何個用意するかは問わない。
このとき、解析手順7には最初の操作をカーソルが示す。この例では、「V−Slope区間の設定」である。
このとき、操作説明部8には「V−Slope区間の設定」の意味と操作内容を表示している。
操作説明部8を読むと、どのような処理をおこなえばよいかを知ることができる。
検者は、実行ボタン6を押し、ATポイントと思われる点を画面3で判断し、その前後のV−Slope曲線を見て、解析区間を設定する。図1のB点とD点である。この解析区間は、画面1、2、4にも表示される。
画面1で判断して解析区間を設定しても良い。この場合も、解析区間は画面2、3、4にも表示される。
このとき、操作説明部8には「V−Slope自動回帰」の意味と操作内容を表示している。
ここでV−Slope曲線と2本の回帰直線をみて、検者は2本の回帰直線の交点近傍で、妥当と判断する点をATポイントと判断し、そこにカーソルを合わせてATポイント設定する。
このようにして決定したATポイントは、図1の画面1にも表示される。
画面を確認して実行ボタン6を押すと、解析結果が所定のメモリ領域に記憶され、解析手順7のカーソルが次のステップ「データを閉じて開く」に移動する。これは一人の被験者の解析が終わり、次の被験者の解析をおこなうかどうかを聞くステップである。
これを可能にするのが、請求項2記載の発明である。
逆に、処理ステップを増やしたい場合もある。例えば、被験者の取り違えという過誤を防止するために、「レポート通常」の前に、被検者の確認のステップを入れたいということもある。
これを可能にするのが、請求項3記載の発明である。
この実施例を図3に示す。
しかし、各ウインドウには複数のデータが表示され、しかも同じようなトレンドを示したり、曲線同士が接近したり、交差したりして、画面が見にくく、トレンドグラフから目的の傾向を見出すということは非常に困難な場合がある。これを解決するために、各データは色分けして表示されることが多いが、それでも見にくい。画面が小さいこともある。
さらに、本請求項記載の発明では、1つの画面を拡大した画面に、画面操作部12を設け、表示データを選択し、その色及びグラフのレンジを指定することができる。このため、
1つのデータだけを表示してその変化を見ることもできるし、所定の複数のデータを表示して相対的な変化を見ることもできるし、従来どおり、全データのトレンドを見ることもできる。
画面も大きくなっているため、非常に見易く、データのトレンドもよく観察することができる。
なお、本発明は、呼吸代謝測定解析装置で得た呼吸気流量、呼気ガスデータ、呼吸代謝データを外部コンピュータにとり込み、つまり、本発明のデータ処理部と表示部を外部コンピュータで代用し、外部コンピュータに解析ガイドを設けてもよい。つまり、外部のデータベースに、応用してもよい。
2:AT解析画面の関係するデータのトレンドグラフ画面
3:AT解析画面のV−Slope曲線の画面
4:RC解析画面のVEとVCO2の関係(VE/VCO2スロープ法)画面
5:ガイド部
6:実行キー
7:解析手順部
8:操作説明部
9:ガイド選択部
12:画面操作部
21:呼吸流量計
22:ガス濃度計
23:データ処理部
24:表示器
26:マスク
27:サンプリングチューブ
28:呼吸代謝測定解析装置
Claims (4)
- 呼吸気流量を測定する呼吸流量計と、
呼吸気のガス濃度を測定するガス濃度計と、
前記呼吸気流量計及び前記ガス濃度計で得たデータから呼吸代謝データを求めるデータ処理部と、
前記データ処理部の出力を表示する表示部と
を有する呼吸代謝測定解析装置において、
前記表示部に解析ガイド部を設け、
前記解析ガイド部には、多種の前記呼吸代謝データを用いて解析し導き出されるATポイントを含む呼吸代謝指標を得るのに必要な操作を適切な順番で表示した解析手順部を設けた、呼吸代謝測定解析装置。 - 前記操作の順番を変更、記録できる手段を設けた、請求項1記載の呼吸代謝測定解析装置。
- 前記解析ガイド部に前記操作の内容を表示する操作説明部を設け、
前記操作とこれに対応する操作説明を追加、編集、削除し、それらを記録することができる手段を設けた、請求項1又は2記載の呼吸代謝測定解析装置。 - 前記操作を実行するにあたり、前記表示部に表示した複数のグラフ及び多数の時系列データの中から、前記操作を実行するのに必要な前記グラフ若しくは前記時系列データ又はその両方を、強調又は抽出して表示して、前記測定又は前記解析を行うようにした、請求項1乃至3記載の呼吸代謝測定解析装置。
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