JP5429992B2 - 三次元形状モデル生成装置、三次元形状モデル生成方法、三次元形状モデル生成プログラム、及び三次元形状モデル生成システム - Google Patents

三次元形状モデル生成装置、三次元形状モデル生成方法、三次元形状モデル生成プログラム、及び三次元形状モデル生成システム Download PDF

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Description

本発明は、三次元形状の見本である三次元形状モデルを生成する三次元形状モデル生成装置、特に統計処理を利用して三次元形状モデルを生成する三次元形状モデル生成装置、それを使用する三次元形状モデルの生成方法、生成プログラム、及び生成システムに関する。
従来から、例えば特許文献1に記載のように、測定可能な身体の物理量の値に基づいて身体の形状である体形をモデル化する技術が知られている。特許文献1に記載の技術においては、多数の異なる体形のポリゴンモデルに対する(a)相同化処理、(b)統計処理、(c)体形モデル生成処理によって体形がモデル化されている。
(a)相同化処理ではまず、体重や周囲長等の物理量の値と、体形を点群で表現した三次元スキャンデータとが多数の異なる身体について計測される。次いで点群に対する規格化処理が各三次元スキャンデータに施されて、データ点数とトポロジーとが規格化されたポリゴンモデルである複数の相同モデルが生成される。そして物理量の値に対応付けられた相同モデルが統計処理上の標本として身体ごとに生成される。
(b)統計処理では、例えば人種、出身地、年齢、性別等、体形に影響を与える人体の属性ごとに相同モデルが分類されて、複数の相同モデルからなる母集団が人体の属性ごとに生成される。次いで統計処理に必要とされる分布軸、つまり相同モデル間に強い相関を与える成分が母集団ごとに抽出される。例えば多変量解析の一つである主成分分析が母集団ごとに施されて、母集団の有する体形の意味合いのうちから特徴的な意味合いが分布軸、すなわち主成分軸として抽出される。そして相同モデルを構成するポリゴン頂点の頂点座標と、複数の主成分軸で規定された多次元空間上のポリゴン頂点の座標、すなわち主成分値との相関が、第一固有ベクトル行列として演算される。このような統計処理によれば、下記式(1)に示されるように、相同モデルを構成する各頂点座標C(iは2以上の整数)が主成分値P(jは2以上の整数)と第一固有ベクトル行列Dijとから演算可能になる。
[C]=[Dij]×[P] … 式(1)
また統計処理では、多変量解析が上記物理量の値に対しても実施される。つまり物理量の値の間に強い相関を示す成分が母集団ごとに抽出される。そして相同モデルに対応付けられた物理量の値と、複数の主成分軸で構成された多次元空間上の物理量の値、すなわち主成分値との相関が第二固有ベクトル行列として演算される。このような統計処理によれば、下記式(2)に示されるように、相同モデルに対応付けられた物理量の値x(iは2以上の整数)が主成分値S(jは2以上の整数)と第二固有ベクトル行列Hijとから演算可能になる。
[xi]=[Hij]×[S] … 式(2)
(c)体形モデル生成処理では、式(3)に示されるように、三次元体形モデルを生成するための物理量の目標値Bpiと、上記第二固有ベクトル行列Hijの逆行列とが用いられて、目標値Bpiに応じた主成分値Sが演算される。次いで、式(4)に示されるように、相同モデルの主成分値Pと物理量の主成分値Sとを関連付けた関数Tmと、上記物理量の目標値Bpiに応じた主成分値Sとが用いられて、目標値Bpiに応じた相同モデルの主成分値Pが演算される。そして、式(5)に示されるように、上記相同
モデル統計処理の結果として得られた第一固有ベクトル行列Dijの逆行列と、上記目標値Bpiに応じた相同モデルHMDの主成分値Pとが用いられて、目標値Bpiに応じたポリゴンの頂点座標Cが演算される、つまり目標値Bpiに応じた相同モデルが生成される。
[S]=[Hij−1×[Bpi] … 式(3)
[P]=Tm(S) … 式(4)
[C]=[Dij−1×[P] … 式(5)
上述した一連の処理によれば、相同モデルを生成するために必要となる主成分値Pが物理量の目標値Bpiに基づいて推定可能になるため、母集団の中に含まれていない相同モデルであっても、物理量の目標値Bpiから生成可能となる。すなわち物理量の目標値Bpiに応じた三次元体形モデルが生成可能となる。
特開2008‐171074号公報
ところで、上述した体形のモデル化技術は、個人間の体形差に基づく統計処理の結果と、物理量の目標値Bpiとから三次元体形モデルそのものを生成し、個人の体形を再現させている。そのため、統計処理に用いられる母集団や物理量の目標値Bpiが変われば、特定個人の体形上の特徴がどのようなものであっても、結局、その体形上の特徴は概ね失われてしまう。つまり上述したモデル化技術にあっては、個人の体形が統計処理上の母集団を構成する単なる一標本に過ぎないために、特定個人内の体形上の特徴が演算の結果に反映され難いものとなっている。
一方、上述した体形のモデル化技術に対する要請は、単に物理量の値に応じた三次元体形モデルを生成することに留まらず、利用者の将来の体形をシミュレーションすることにまで拡張されつつある。例えば利用者の将来の体形を生活習慣に応じてモデル化して健康の管理やファッションの提供を三次元体形モデルに基づいて行う等、それを具現化する技術として上記体形のモデル化技術が期待されている。ここで、利用者の将来の体形とは、いわば特定個人内の体形の変化を示すものであって、肉付きや皺の形状等という利用者の最新の体形によって大きく異なることが一般的である。そのため、利用者個人の将来の体形を精度よく再現させるとなれば、利用者の最新の体形がシミュレーションの結果に大きく反映されること、すなわち特定個人内の体形上の特徴が精度良く再現されること、それが必要不可欠となる。
しかしながら、個人の体形が一標本に過ぎない上記モデル化技術では、特定個人内の体形上の特徴がシミュレーションに殆ど反映されていないため、利用者の将来の体形を表現するには不十分なものとなってしまう。そしてシミュレーションの結果に含まれる誤差の中には、利用者の体形に対して、人体構造学上、生じ難い誤差が介入することもある。図26は上述したような誤差の一例を示す図である。図26(a)は利用者の最新の三次元体形モデルの出力結果を示し、図26(b)は物理量の一つである身長が最新の値と同じであって且つ、物理量の一つである体重の目標値が最新の値よりも軽い場合に得られた将来の三次元体形モデルの出力結果を示す。
例えば物理量の一つである体重が減少すると、体形そのものが細身になることは当然であって、特に細くなる部位が胸の部位か腹の部位かということが現在の体形で大きく異なることも少なくない。また細くなる部位の周囲長が互いに関係を持って減少すること、例
えば、へそ周りの長さの減少量が胸囲長の減少量よりも少なくなる傾向を持ってこれらが減少することも少なくない。さらに、たとえ体重が減少するとしても、シミュレーションの対象が成人男性であるならば、人体構造学上、腕の長さLh、脚の長さLc、肩幅Bsというサイズが大幅に変動しないことも一般的である。しかしながら、統計処理の結果のみから三次元体形モデルそのものが生成される上記モデル化技術では、図26に示されるように、体重の減少によって本来ならば腹の部位が優先的に細くなる場合であっても、体形の全体が均一に細くなったり、さらには腕の長さLh、脚の長さLc、肩幅Bsまでもが伸縮したりする場合がある。
なお、目標値Bpiに応じた三次元体形モデルを生成することがそもそも上記モデル化技術の目的であるということを鑑みれば、特定個人内の体形上の特徴がシミュレーションの結果に反映され難いことは至極当然である。言い換えれば、特定個人内の体形上の特徴がシミュレーションの結果に反映され難いという問題は、利用者の将来の体形をモデル化するという上記の新たな要請から初めて生じる問題であって、個人間の体形差に基づいて特定個人の体形を再現する技術では到底解決し得ない問題である。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、統計処理を利用して生成する新たな三次元体形モデルの精度を向上させる三次元形状モデル生成装置、三次元形状モデル生成方法、三次元形状モデル生成プログラム、及び三次元形状モデル生成システムを提供することである。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部と、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部と、前記相対関係演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部とを備える三次元形状モデル生成装置であって、前記モデル生成部は、前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記記憶部が、前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、前記相関演算部が、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、前記モデル生成部が、前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、前記記憶部が、関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、前記相関演算部が、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、前記モデル生成部が、前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理
量の目標値から前記目標三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、三次元形状モデル生成装置が、複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出し、前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶し、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算し、前記演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成する三次元形状モデル生成方法であって、前記三次元形状モデル生成装置が、前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記三次元形状モデル生成装置が、前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、前記三次元形状モデル生成装置が、関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、コンピュータを、複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部、前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部、前記相対関係演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部として機能させる三次元形状モデル生成プログラムであって、前記モデル生成部を、前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成する生成部として機能させることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、前記記憶部を、前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶する記憶部として機能させて、前記相関演算部を、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算する演算部として機能させて、前記モデル生成部を、前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成する生成部として機能させることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、前記記憶部を、関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶する記憶部として機能させて、前記相関演算部を、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算する演算部として機能させて、前記モデル生成部を、前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成する生成部として機能させることを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、ネットワークを介して接続された三次元形状モデル生成装置と端末装置とを備える三次元形状モデル生成システムであって、前記三次元形状モデル生成装置は、複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部と、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部と、前記相対関係演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部とを備え、前記モデル生成部が、前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成し、前記端末装置は、前記物理量の入力値と、該入力値に対応する三次元形状データとを前記三次元形状モデル生成装置に送信する送信部と、前記モデル生成部で生成された三次元モデルを前記三次元形状モデル生成装置から受信する受信部と、前記受信部で受信した三次元モデルを出力する出力部とを備えることを要旨とする。
請求項11に記載の発明は、前記記憶部が、前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、前記相関演算部が、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、前記モデル生成部が、前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、前記記憶部が、関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、前記相関演算部が、前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、前記モデル生成部が、前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成することを要旨とする。
請求項1、請求項4、請求項7、請求項10に記載の発明によれば、統計処理の結果に基づいて物理量の初期値から初期三次元モデルが生成されて、同じく統計処理の結果に基づいて物理量の目標値から目標三次元モデルが生成される。そして、これら初期三次元モデルと目標三次元モデルとの差分が初期値に対応する基準三次元モデルに加えられることによって、新たな三次元モデルが生成される。
ここで、統計処理から得られる新たな三次元モデル、すなわち初期三次元モデルや目標
三次元モデルでは、一標本固有の特徴的な部分が取り除かれて母集団全体に関わる特徴的な部分が抽出される。そのため、これら初期三次元モデルと目標三次元モデルとの差分には、一標本固有の特徴的な部分がより一層に反映され難くなる。つまり、基準三次元モデルの特徴的な部位を打ち消すような形状が、初期三次元モデルと目標三次元モデルとの差分では現われ難くなる。その結果、物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに初期三次元モデルと目標三次元モデルとの差分が加えられるとしても、初期値に対応する基準三次元モデルの特徴的な部分が、新たな三次元モデルに直接的に反映されることになる。それゆえに、物理量の初期値に対応する基準三次元モデルが統計処理上の単なる一標本である場合と比較して、該基準三次元モデルの特徴的な部分が新たな三次元モデルに、より反映されることになる。ひいては統計処理を利用して生成する新たな三次元モデルの精度を向上させることが可能となって、例えば物理量の初期値に対応する三次元モデルに対し、人体構造学上、逸脱した誤差が含まれ難くもなる。
請求項2、請求項5、請求項8、請求項11に記載の発明によれば、複数の物理量の値から新たな三次元モデルが生成されるため、一つの物理量の値から新たな三次元モデルを生成する場合と比較して、より高い精度で新たな三次元モデルが生成可能になる。そして初期三次元モデルと目標三次元モデルとの差分もより高い精度のものとなる。それゆえに、基準三次元モデルに加えられる差分までもがより高い精度のものになる結果、統計処理を利用して生成する新たな三次元モデルの精度をより向上させることが可能となる。
さらに、複数の物理量の相関に基づいて、物理量の入力値から他の物理量の値が演算される。そのため、複数のモデル化対象物の形状が有する特徴に即した多数の物理量の値が少数の物理量の値から得られることになる。それゆえに、複数の物理量の入力値そのものに高い精度を与えることできるため、統計処理を利用して生成する新たな三次元モデルの精度をさらに向上させることが可能となる。
請求項3、請求項6、請求項9、請求項12に記載の発明によれば、基準三次元モデルの有する関節間の長さが固定される態様で、新たな三次元モデルが生成される。ここで、モデル化対象物が例えば人間やペットであるものとする。これらのモデル化対象物では、骨格の成長が止まると、関節間の長さが必然的に固定されるようになる。この点、上述したように関節間の長さが固定される態様で新たな三次元モデルが生成されるとなれば、上記モデル化対象物の形状変化の特性により適した三次元モデルを、新たな三次元モデルとして得ることが可能となる。
三次元形状モデル生成システムの構成を示す構成図。 利用者端末の構成を示す機能ブロック図。 初期モデル設定データのデータ構成を示す構成図。 体形ランドマークの一例を三次元体形モデルと共に示す図。 第一の実施形態における目標体形モデルデータの構成を示す構成図。 第一の実施形態における体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図。 相同モデルのデータ構成を示す構成図。 相同モデルにおいて統計処理に利用される部分を示す図。 (a)(b)多変量解析の一例である主成分分析の過程を示す分布図。 (a)(b)シミュレーションモデルの生成過程を示す図。 体形モデルのシミュレーションの処理内容を示すフローチャート。 相同モデル生成処理の流れを示すフローチャート。 統計処理の流れを示すフローチャート。 第一の実施形態におけるシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャート。 第一の実施形態における体形シミュレーションの出力結果を三次元画像として示す図。 第二の実施形態における目標体形モデルデータの構成を示す構成図。 第二の実施形態における体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図。 第二の実施形態におけるシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャート。 (a)(b)第二の実施形態における体形シミュレーションの出力結果を三次元画像として示す図。 第三の実施形態における目標体形モデルデータの構成を示す構成図。 関節位置とモデル骨格とを相同モデルと共に示す図。 第三の実施形態における体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図。 関節位置データのデータ構成を示す構成図。 第三の実施形態における相同モデル生成処理の流れを示すフローチャート。 第三の実施形態におけるシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャート。 (a)(b)従来の体形モデルのシミュレーションにより生成される体形モデルの出力画像を示す図。
(第一の実施形態)
以下、本発明を具体化した第一の実施形態を図1〜図15に従って説明する。まず本実施形態に係る三次元形状モデル生成システムの構成について図1〜図5を参照して説明する。図1は三次元形状モデル生成システムの構成を示す構成図であり、図2は三次元形状モデル生成システムを構成する利用者端末の構成を示す機能ブロック図である。
[三次元形状モデル生成システム]
図1に示されるように、三次元形状モデル生成装置の一例である体形モデル生成サーバ1Aは、利用者の使用する端末装置である利用者端末1Bに、インターネット、LAN、WAN等の通信ネットワークNTを介して接続されている。モデル化対象物である人体の将来の形状、すなわち将来の体形を三次元体形モデルとしてシミュレーションするための各種のデータは、これら体形モデル生成サーバ1Aと利用者端末1Bとの通信を介して利用者端末1Bから体形モデル生成サーバ1Aへ送信される。また体形モデル生成サーバ1Aで生成された各種のデータは、体形モデル生成サーバ1Aから利用者端末1Bへ送信される。なお利用者端末1Bは、フィットネスクラブ、健康機器メーカ、住宅メーカ、衣服メーカ、食品メーカに設置された端末装置等、三次元体形モデルの用途に応じた場所に設置されるものであって、通常、体形モデル生成サーバ1Aに複数接続されている。
図2に示されるように、利用者端末1Bには、CPUやDMAコントローラ等の各種プロセッサから構成されるデータ処理部11が備えられている。データ処理部11は、三次元体形モデルのシミュレーションに利用される各種のデータ等の送信及び受信を実行するためのプログラムをデータとして読出し、それを命令として解釈して実行する。そしてデータ処理部11は、例えば三次元体形モデルのシミュレーションに利用される各種のデータの記憶処理、送信処理、受信処理、及び出力処理等を上記プログラムに従って統括する。
また利用者端末1Bには、体形モデル生成サーバ1Aと通信するための送信部及び受信
部としての送受信処理部12が備えられている。また利用者端末1Bには、三次元スキャナー13aや該三次元スキャナー13aとコンピュータとのインターフェース等から構成された入力処理部13が備えられている。入力処理部13は、三次元体形モデルのシミュレーションを実行するための各種のデータをデータ処理部11に入力する。さらに利用者端末1Bには、ハードディスクドライブや各種のメモリ等から構成された記憶部14が備えられている。記憶部14は、三次元体形モデルのシミュレーションを実行するためのプログラムの一例である利用者プログラム14dと、入力処理部13から入力された各種のデータとを記憶する。さらにまた利用者端末1Bには、GPU等の画像処理プロセッサと各種ディスプレイとから構成される出力部としての体形モデル出力処理部15が備えられている。体形モデル出力処理部15は、送受信処理部12が受信した三次元体形モデルを用いてシミュレーションの結果を三次元画像として出力表示する。
そして、三次元体形モデルのシミュレーションに先立ち、まずシミュレーションの前提となる初期モデル設定データ14a、ランドマークデータ14b、目標体形モデルデータ14cが記憶部14の記憶領域に一旦記憶される。次いで、シミュレーションを開始させるリクエストが、利用者を識別する識別子IDと共に、送受信処理部12から体形モデル生成サーバ1Aに送信される。また記憶部14の記憶領域に一旦記憶された上記各種のデータが送受信処理部12から体形モデル生成サーバ1Aに順に送信される。そして、上記各種のデータ等に基づくシミュレーションが体形モデル生成サーバ1Aで実行される。体形モデル生成サーバ1Aで生成されたシミュレーションの結果は、体形モデル生成サーバ1Aから送受信処理部12に送信された後に、体形モデル出力処理部15により三次元画像として出力される。
図3〜図5はそれぞれ利用者端末1Bから体形モデル生成サーバ1Aに送信される各種のデータのデータ構成を示す図である。図3は初期モデル設定データのデータ構成を示す構成図であり、図4はランドマークデータを構成する体形ランドマークの一例を三次元体形モデルと共に示す図であり、図5は目標体形モデルデータ14cのデータ構成を示す構成図である。
図3に示されるように、初期モデル設定データ14aは、初期モデル設定データ14aそのものに関するデータであるヘッダ141aと、三次元形状データである三次元スキャンデータ142aと、付帯データ143aとから構成されている。
三次元スキャンデータ142aは、三次元体形モデルのシミュレーションを利用者の最新の体形に基づいて実行するためのデータである。この三次元スキャンデータ142aは、利用者の最新の体表面を三次元スキャナー13aで測定した測定結果、つまり利用者の最新の体形を点群として表現した三次元形状データである。
そして、この三次元スキャンデータ142aに点群の座標データが含まれている場合には、三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の最新の体形に基づいて実行される。これに対して、三次元スキャンデータ142aの点群の座標データが空欄からなる場合には、三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の最新の体形とは異なる体形に基づいて実行される。
付帯データ143aは、体形に影響を与える人体の属性と、体形の指標となる体形パラメータの値とから構成されている。上記体形に影響を与える人体の属性とは、例えば人種、年齢、性別という生物学的なデータ、さらには職業、運動歴、病歴等の生活環境に関するデータである。上記体形の指標となる体形パラメータとは、身長、体重、体格指数(=「体重」/「身長」2:BMI)、周囲長(首周り、胸囲、胴囲、へそ周り、二の腕周り、脹脛周り、太股周り等)である。つまり、この体形パラメータとはモデル化対象である
人体で測定可能な物理量である。また、この体形パラメータの値は、例えば三次元スキャンデータ142aを取得する際に、あるいは三次元スキャンデータ142aを取得する以前に計測された最新の実測値である。つまり付帯データ143aを構成する体形パラメータの値は、利用者の最新の体形の指標となる値であって、三次元体形モデルのシミュレーションの入力値の一つである初期値Bi1〜初期値Bihとして取り扱われる。
ランドマークデータ14bは、解剖学的な特徴点であるランドマークの三次元座標を示すデータである。ランドマークデータ14bは、三次元スキャンデータ142aを構成する点群から該ランドマークに相当する頂点を抽出するために利用される。例えば図4に示されるように、ランドマークデータ14bは、頸側点Pr1、肩峰点Pr2、乳頭点Pr3、転子点Pr4、脛骨点Pr5、外果下点Pr6の三次元座標を示すデータである。そして三次元スキャンデータ142aを構成する点群から上記頸側点Pr1、肩峰点Pr2、乳頭点Pr3、転子点Pr4、脛骨点Pr5、外果下点Pr6に相当する各頂点を抽出するためにランドマークデータ14bが利用される。
目標体形モデルデータ14cは、図5に示されるように、目標体形モデルデータ14cそのものに関するデータであるヘッダ141cと、三次元体形モデルのシミュレーションに利用される目標体形パラメータデータ142cとから構成されている。目標体形パラメータデータ142cは、シミュレーションの目的に応じて設定される体形パラメータの値である。つまり目標体形モデルデータ14cを構成する体形パラメータの値は、利用者の将来の体形の指標となる値であって、三次元体形モデルのシミュレーションの入力値の一つである目標値Bp1〜目標値Bphとして取り扱われる。
[体形モデル生成サーバ1A]
次に、上記体形モデル生成サーバ1Aの構成について図6〜図10を参照して説明する。図6は体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図であり、図7は相同モデルのデータ構成を示す構成図である。また図8は統計処理に利用される相同モデルの抽出部分を例示する図であり、図9(a)(b)は統計処理における処理の内容を例示する分布図である。図10(a)(b)は三次元体形モデルのシミュレーションの処理内容を各相同モデルの一部を用いて説明する図である。
図6に示されるように、体形モデル生成サーバ1Aには、CPUや各種のメモリで構成されたモデル生成処理制御部21が備えられている。モデル生成処理制御部21は、三次元体形モデルのシミュレーションを実行するためのシュミレーションプログラムをデータとして読み出し、それを命令として解釈して実行する。また体形モデル生成サーバ1Aには、通信ネットワークNTを介して利用者端末1Bと通信するための送受信処理部22が備えられている。また体形モデル生成サーバ1Aには、上記CPUの一部や各種のメモリから構成されたデータ処理部23が備えられている。データ処理部23は、モデル生成処理制御部21からの指令に応答して各種のデータを用いた処理を実行する。さらに体形モデル生成サーバ1Aには、ハードディスクドライブや各種のメモリから構成された記憶部24が備えられている。記憶部24は、三次元体形モデルのシミュレーションプログラムを記憶し、またデータ処理部23により処理された結果等を記憶する。
そして、モデル生成処理制御部21は、シミュレーションプログラムに従って送受信処理部22、データ処理部23、及び記憶部24における各種の処理を統括する。なお、体形モデル生成サーバ1Aは、モデル生成処理制御部21、送受信処理部22、データ処理部23がアプリケーションサーバとして構成されて、記憶部24が別途データベースサーバとして構成されてもよい。
データ処理部23は、スキャンデータ処理部23aと、特徴量抽出部を構成する相同モ
デル生成部23bと、特徴量抽出部及び相関演算部を構成する統計処理部23cと、モデル生成部23dとから構成されている。記憶部24の記憶領域には、シミュレーションプログラム24pと、前処理モデルデータベース24aと、標準モデルデータベース24bと、相同モデルデータベース24cと、統計処理結果データベース24dと、体形モデルデータベース24eとが構築されている。これらのデータベースは、各データベースが格納するデータを出力する上記データ処理部23の各々により管理される。
スキャンデータ処理部23aは、初期モデル設定データ14aに含まれる三次元スキャンデータ142aを用い、三次元体形モデルのシミュレーションを実行するための各種の前処理を該三次元スキャンデータ142aに対して実行する。詳述すると、スキャンデータ処理部23aは、三次元スキャンデータ142aとランドマークデータ14bとを用い、三次元スキャンデータ142aを構成する点群に対して、回転、移動、抽出、さらにはランドマークの対応付け、それらを実行して前処理モデルを生成する。そしてスキャンデータ処理部23aは、この前処理モデルと付帯データ143aとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で前処理モデルデータベース24aを更新する。
相同モデル生成部23bは、利用者の識別子IDに紐付けられた前処理モデルを前処理モデルデータベース24aから読み出し、点数、トポロジー、データフォーマット等が規格化されたポリゴンモデル、つまり基準三次元モデルとしての相同モデルHMDを該前処理モデルから生成する。すなわち相同モデル生成部23bは、前処理モデルの相同化処理を実行する。
相同モデルHMDとは、図7に示されるように、相同モデルHMDそのものに関するデータであるヘッダ241cと、体形座標データ242cとから構成されている。体形座標データ242cは、ポリゴン頂点K〜ポリゴン頂点K(nは2以上の整数)とそれらの座標値である頂点座標C〜頂点座標C(nは2以上の整数)、さらにポリゴン面F〜ポリゴン面F(mは2以上の整数)とそれらを構成するポリゴン頂点の配列である頂点配列E〜頂点配列E(mは2以上の整数)とにより構成されている。
そして相同モデル生成部23bは、この相同モデルHMDと付帯データ143aとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。つまり相同モデル生成部23bは、利用者に関する人体の属性、該利用者の最新の体形パラメータの値、及び該利用者の最新の体形を示す相同モデルHMD、それらが該利用者の識別子IDに紐付けられる態様で、相同モデルデータベース24cを更新する。このような処理によって、多数の相同モデルHMDからなる母集団が人体の属性ごとに構成される。
相同モデル生成部23bは、送受信処理部22が受信した標準モデルを用い、標準モデルと該標準モデルに関わる人体の属性とが紐付けられる態様で標準モデルデータベース24bを更新する。標準モデルとは、人体の体表面を示すポリゴンモデルであって、上記相同モデルHMDと同じく、点数、トポロジー、データフォーマットが予め規格化されたモデルである。この標準モデルは人体の属性ごとに準備されている。
また相同モデル生成部23bは、図8に示されるように、人体の頭部に相当する部分のポリゴンモデルを第1合成対象Ex1として相同モデルHMDから抽出し、また人体の両手に相当する部分のポリゴンモデルを第2合成対象Ex2として相同モデルHMDから抽出する。さらに相同モデル生成部23bは、人体の両足に相当する部分のポリゴンモデルを第3合成対象Ex3として相同モデルHMDから抽出し、これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を相同モデルHMDから抽出した残りの部分をシミュレーション対象HMpとして相同モデルHMDから抽出する。これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3は、上記シミュレーション対象HMpを用いて生成されたシミュレーションモデル
HMsに、利用者の人体の頭部、人体の両手、人体の両足に相当する部分が合成される際に利用される。
そして相同モデル生成部23bは、これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。このような処理により、多数のシミュレーション対象HMpからなる母集団が、相同モデルHMDの母集団と同じく、人体の属性ごとに構成される。
また相同モデル生成部23bは、標準モデルから人体の頭部に相当する部分のポリゴンモデルを第1合成対象Ex1として抽出し、また人体の両手に相当するポリゴンモデルを第2合成対象Ex2として標準モデルから抽出する。さらに相同モデル生成部23bは、人体の両足に相当するポリゴンモデルを第3合成対象Ex3として抽出し、これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を標準モデルから抽出した残りの部分をシミュレーション対象HMpとして抽出する。これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3は、上記シミュレーション対象HMpを用いて生成されたシミュレーションモデルHMsに、標準的な人体の頭部、人体の両手、人体の両足に相当する部分が合成される際に利用される。そして相同モデル生成部23bは、これら第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で標準モデルデータベース24bを更新する。
そして三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の相同モデルHMDに基づいて実行される際、すなわち利用者の最新の体形に基づいてシミュレーションが実行される際、相同モデルデータベース24cのシミュレーション対象HMpは、三次元体形モデルの初期値である基準相同モデルHMiとして利用される。これに対して、三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の相同モデルHMDと異なる三次元体形モデルに基づいて実行される際、標準モデルデータベース24bのシミュレーション対象HMpは、三次元体形モデルの初期値である基準相同モデルHMiとして利用される。
統計処理部23cは、各シミュレーション対象HMpを標本とする多変量解析を母集団ごと、すなわち人体の属性ごとに実行する。詳述すると、統計処理部23cは、一つの母集団を構成する各シミュレーション対象HMpを相同モデルデータベース24cから読み出す。そして、各シミュレーション対象HMp間において相関の強い成分を特徴量として抽出する。
例えば、図9(a)に示されるように、座標軸A、座標軸B及び座標軸Cからなる実空間では、座標軸A及び座標軸Bに対し相関の弱い状態で各シミュレーション対象HMpを構成するポリゴン頂点が分布している。統計処理部23cは、このような母集団を構成する各シミュレーション対象HMpを読み出し、多変量解析の一つである主成分分析を実行する。そして、図9(b)に示されるように、シミュレーション対象HMpの間において相関の強い主成分を抽出する。言い換えれば、多変量解析の一つである主成分分析を実行して、母集団の全体が有する意味合いの中から大柄や細身等といった特徴的となる意味合いを主成分軸S、主成分軸T及び主成分軸Uとして抽出する。なお、主成分分析により抽出される主成分の数は、図9に例示するような3つに限らず、2つ、あるいは4つ以上であっても良い。
そして統計処理部23cは、抽出した主成分軸における中心点を演算して主成分軸ごとに値を変化させることにより母集団に関する周辺形態を演算する。演算された周辺形態は、複数の主成分軸から構成される座標空間上の座標値、つまり中心点からの変位量(主成分値)として特定可能になる。そして統計処理部23cは、シミュレーション対象HMp
を構成する各ポリゴン頂点の頂点値X〜頂点値X(kは2以上の整数)と主成分値P〜主成分値P(jは2以上の整数)との対応関係を、式(6)に示されるような関係、すなわち固有ベクトル行列Aとして演算する。また統計処理部23cは、各シミュレーション対象HMpと該シミュレーション対象HMpの主成分値P〜主成分値Pとが紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。また統計処理部23cは、統計処理に用いられた各シミュレーション対象HMpの属する人体の属性と固有ベクトル行列Aとが紐付けられる態様で統計処理結果データベース24dを更新する。
また統計処理部23cは、上記主成分値と体形パラメータとを標本とする重回帰処理を母集団ごと、すなわち人体の属性ごとに実行する。詳述すると、統計処理部23cは、一つの母集団を構成する全てのシミュレーション対象HMpについて、該シミュレーション対象HMpに関わる各体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと、該シミュレーション対象HMpに応じた主成分値P〜主成分値Pとを、相同モデルデータベース24cから読み出す。そして各体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihが目的変数(被説明変数)、主成分値P〜主成分値Pが説明変数となる態様で、統計処理部23cは人体の属性ごとに重回帰処理を実行する。この重回帰処理において、統計処理部23cは、各体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと主成分値P〜主成分値Pとの相関を、式(7)に示されるような関係、すなわち相関行列Aとして演算する。そして統計処理部23cは、統計処理の対象となった人体の属性とこの相関行列Aとが紐付けられる態様で統計処理結果データベース24dを更新する。
モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出す。またモデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aから体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihを抽出する。そしてモデル生成部23dは、抽出した体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと上記相関行列A2(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該初期値Bi1〜初期値Bihに応じた各主成分値を逆演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である該主成分値を初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijとして利用する。
またモデル生成部23dは、目標体形モデルデータ14cから体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphを抽出する。またモデル生成部23dは、抽出した体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphと上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該目標値Bp1〜目標値Bphに応じた各主成分値を演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である該主成分値を目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjとして利用する。
またモデル生成部23dは、上記初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijと上記固有ベクトル行列A(式(6)参照)の逆行列とを用い、当該初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijに応じたポリゴンモデルを演算する。そしてモデル生成部23dは、当該ポリゴンモデルを初期三次元モデル(初期相同モデルHMa)として利用する。
またモデル生成部23dは、上記目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjと上記固有ベクトル行列A(式(6)参照)の逆行列とを用い、当該目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjに応じたポリゴンモデルを演算する。そしてモデル生成部23dは、当該ポリゴンモデルを目標三次元モデル(目標相同モデルHMb)として利用する。
またモデル生成部23dは、上記初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとを用い、初期相同モデルHMaを構成する各ポリゴン座標から目標相同モデルHMbを構成する各ポリゴン座標への変位量をこれらの差分として演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である変位量Tと、三次元体形モデルの初期値である基準相同モデルHMiとを用い、基準相同モデルHMiに該変位量Tを加えたポリゴンモデルをシミュレーションモデルHMsとして演算する。そしてモデル生成部23dは、このシミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとが紐付けられる態様で体形モデルデータベース24eを更新する。
例えば図10(a)に示されるように、モデル生成部23dは、初期相同モデルHMaを構成するポリゴン座標Ka〜ポリゴン座標Kaから目標相同モデルHMbを構成するポリゴン座標Kb〜ポリゴン座標Kbへの変位量T〜変位量Tを演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である変位量T〜変位量Tと基準相同モデルHMiとを用い、基準相同モデルHMiを構成するポリゴン座標Ki〜ポリゴン座標Kiを変位量T〜変位量Tだけ変位させたポリゴン座標Ks〜ポリゴン座標KsをシミュレーションモデルHMsとして演算する。さらにモデル生成部23dは、シミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとが紐付けられる態様で体形モデルデータベース24eを更新する。
またモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を相同モデルデータベース24cあるいは標準モデルデータベース24bから読み出す。またモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーションモデルHMsを体形モデルデータベース24eから読み出す。さらにモデル生成部23dは、読み出した第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3と読み出したシミュレーションモデルHMsとを合成し、人体の頭部に相当する部分、人体の両手に相当する部分、及び人体の両足に相当する部分、及びシミュレーションモデルHMsからなる相同モデルHMDを生成する。そしてモデル生成部23dは、合成後のシミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとが紐付けられる態様で体形モデルデータベース24eを更新する。
次に、上記三次元形状モデル生成システムを利用した三次元体形モデルのシミュレーションの流れについて図11〜図15を参照して説明する。図11は体形モデルシミュレー
ションの処理内容を示すフローチャートであり、図12は相同モデル生成処理の流れを示すフローチャートである。また図13は統計処理の流れを示すフローチャートであり、図14はシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャートである。図15は利用者端末の入出力画面に表示された基準相同モデルHMiとシミュレーションモデルHMsとの出力結果を示す図である。
なお、シミュレーションが実行されることに先立ち、上記相同モデルデータベース24cには、予め多数の個人の相同モデルHMDからなる母集団が人体の属性ごとに構成され、また多数の異なるシミュレーション対象HMpからなる母集団が人体の属性ごとに構成されている。
まず、体形モデルシミュレーションを実行する旨のリクエストが、利用者端末1Bから体形モデル生成サーバ1Aへ送信される。また初期モデル設定データ14a、ランドマークデータ14b、目標体形モデルデータ14c、及び標準モデルが、同じく利用者端末1Bから体形モデル生成サーバ1Aへ送信される。体形モデルシミュレーションを実行する旨のリクエストと上記各種のデータとを体形モデル生成サーバ1Aが受信すると、上記各処理部23a,23b,23c,23dの処理を統括するモデル生成処理制御部21がシミュレーションプログラムに従って以下のようにシミュレーションを実行する。
すなわち、図11に示されるように、当該リクエストに合わせて利用者の三次元スキャンデータ142aが取得可能か否か、詳述すると、三次元スキャンデータ142aに点群の座標データが含まれているか否かの判定がモデル生成処理制御部21で実行される(ステップS11)。そして三次元スキャンデータ142aが取得可能か否かの判定に応じて、スキャンデータ処理(ステップS12)、相同モデル生成処理(ステップS20)、統計処理(ステップS30)、シミュレーションモデル生成処理(ステップS40)、シミュレーションモデル合成処理(ステップS50)、シミュレーションモデル出力処理(ステップS60)がそれぞれ異なる内容で順に実行される。
[スキャンデータ処理]
三次元スキャンデータ142aが取得可能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると(ステップS11:YES)、スキャンデータ処理部23aは、三次元スキャンデータ142aに対する各種の前処理を実行して前処理モデルを生成する。またスキャンデータ処理部23aは、該前処理モデルと付帯データ143aとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で前処理モデルデータベース24aを更新し、当該シミュレーションにおけるスキャンデータ処理を終了する(ステップS12)。
[相同モデル生成処理]
前処理モデルが前処理モデルデータベース24aに格納されると、相同モデル生成部23bは、利用者端末1Bから受信した標準モデルと該標準モデルに関する人体の属性とが紐付けられる態様で標準モデルデータベース24bを更新する。
標準モデルデータベース24bが更新されると、相同モデル生成部23bは、図12に示されるように、利用者の識別子IDに紐付けられた前処理モデルと付帯データ143aとを前処理モデルデータベース24aから読み出す。また相同モデル生成部23bは、読み出した付帯データ143aから人体の属性と体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihとを抽出する。さらに相同モデル生成部23bは、抽出した人体の属性を用い、該人体の属性に紐付けられた標準モデルを標準モデルデータベース24bから読み出す。
そして相同モデル生成部23bは、読み出した前処理モデルが示す体表面と標準モデルが示す体表面とが整合するように標準モデルのポリゴン座標を変位させて、当該ポリゴン
座標からなる相同モデルHMDを生成する、つまり前処理モデルの相同化処理を実行する。利用者の相同モデルHMDが生成されると、相同モデル生成部23bは、該相同モデルHMD、該相同モデルHMDに関わる体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bih、さらには該相同モデルHMDに関する人体の属性、それらが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で、相同モデルデータベース24cを更新する(ステップS21)。
相同モデルHMDが相同モデルデータベース24cに格納されると、相同モデル生成部23bは、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDを相同モデルデータベース24cから読み出し、該相同モデルHMDから、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を抽出する(ステップS22)。また相同モデル生成部23bは、該相同モデルHMDから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を除いた残りの部分であるシミュレーション対象HMpを、該相同モデルHMDから抽出する(ステップS23)。そして相同モデル生成部23bは、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新し、当該シミュレーションの相同モデル生成処理を終了する(ステップS24)。
なお、三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると(ステップS11:NO)、相同モデル生成部23bは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aに含まれる人体の属性を前処理モデルデータベース24aから読み出す。そして相同モデル生成部23bは、当該人体の属性に紐付けられた標準モデルを標準モデルデータベース24bから読み出す。次いで相同モデル生成部23bは、読み出した標準モデルから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を抽出する(ステップS25)。また相同モデル生成部23bは、読み出した標準モデルから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を除いた残りの部分であるシミュレーション対象HMpを、該標準モデルから抽出する(ステップS26)。そして相同モデル生成部23bは、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で標準モデルデータベース24bを更新し、当該シミュレーションの相同モデル生成処理を終了する(ステップS27)。
[統計処理]
相同モデル生成処理が終了すると、統計処理部23cは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出し、当該付帯データ143aに含まれる人体の属性を抽出する。次いで統計処理部23cは、抽出した人体の属性と同じ属性に対応付けられた複数のシミュレーション対象HMpを相同モデルデータベース24cから読み出す。すなわち統計処理部23cは、利用者の最新の体形を示すシミュレーション対象HMpが含まれる態様で複数のシミュレーション対象HMpを読み出す。
そして統計処理部23cは、読み出した複数のシミュレーション対象HMpに対して主成分分析を実行し、分析結果である主成分と、各シミュレーション対象HMpの主成分値P〜主成分値Pと、上記固有ベクトル行列Aとを演算する(ステップS31)。さらに統計処理部23cは、抽出した人体の属性と同じ属性に対応付けられた複数の体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihを相同モデルデータベース24cから読み出す。そして統計処理部23cは、読み出した体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihが目的変数、上記主成分値が説明変数として取り扱われる重回帰処理を実行して相関行列A2を演算する(ステップ32)。
統計処理部23cは、各シミュレーション対象HMpと該シミュレーション対象HMpの主成分値P〜主成分値Pとが紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。また統計処理部23cは、統計処理の処理対象となった人体の属性に、上記固
有ベクトル行列A及び上記相関行列Aが紐付けられる態様で統計処理結果データベース24dを更新し、利用者に対する統計処理を終了する(ステップS33)。
[シミュレーションモデル生成処理]
統計処理が終了すると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを相同モデルデータベース24cから読み出して当該シミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する。なお三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを標準モデルデータベース24bから読み出して当該シミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する(ステップS41)。
次いでモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出し、当該付帯データ143aに含まれる体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihを抽出する。またモデル生成部23dは、利用者端末1Bから受信した目標体形モデルデータ14cから体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphを抽出する(ステップS42)。
体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphとを抽出すると、モデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aに含まれる人体の属性を抽出し、当該人体の属性に紐付けられた相関行列A2を統計処理結果データベース24dから読み出す。
そしてモデル生成部23dは、体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと、読み出した相関行列Aの逆行列とを用い、上記式(7)の逆演算を実行することによって初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijを演算する(ステップS43)。さらにモデル生成部23dは、体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphと、読み出した相関行列Aの逆行列とを用い、上記式(7)の逆演算を実行することによって目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjを演算する(ステップS44)。
初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pij及び目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjを演算すると、モデル生成部23dは、当該人体の属性に紐付けられた固有ベクトル行列Aを統計処理結果データベース24dから読み出す。
そしてモデル生成部23dは、初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijと、読み出した固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。こうした処理によって、体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihに応じた相同モデルHMD、すなわち初期相同モデルHMaを生成する(ステップS45)。さらにモデル生成部23dは、目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjと、読み出した固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。こうした処理によって、体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphに応じた相同モデルHMD、すなわち目標相同モデルHMbを生成する(ステップS46)。
初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとを生成すると、モデル生成部23dは、上記初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとを用い、初期相同モデルHMaを構成する各ポリゴン座標から目標相同モデルHMbを構成する各ポリゴン座標への変位量T(nは2以上の整数)を演算する。次いでモデル生成部23dは、演算結果である変位量Tと、三次元体形モデルの初期値である上記基準相同モデルHMiとを用い、基準相同モデルHMiに該変位量Tを加えたポリゴンモデルをシミュレーションモデルHM
sとして演算する。そしてモデル生成部23dは、シミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとを紐付ける態様で体形モデルデータベース24eを更新し、利用者に対するシミュレーションモデル生成処理を終了する。
ここで、上述したような統計処理から得られる相同モデルHMD、すなわち初期相同モデルHMaや目標相同モデルHMbでは、利用者固有の肉付きや皺等という体形の特徴的な部分が取り除かれて母集団全体に関わる特徴的な部分が抽出されることになる。そのため、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分には、利用者固有の特徴的な部分が反映され難くなる。つまり、基準相同モデルHMiの特徴的な部位を打ち消すような形状が、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分では現われ難くなる。そのため、これら初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分が基準相同モデルHMiに加えられるとしても、基準相同モデルHMiにおける肉付きや皺等という利用者固有の特徴的な部分がシミュレーションモデルHMsに概ね残ることになる。
それゆえに、基準相同モデルHMiが統計処理上の単なる一標本である場合と比較して、基準相同モデルHMiの特徴的な部分がシミュレーションモデルHMsに直接的に反映されることになる。言い換えれば、利用者固有の体形の形状がシミュレーションの結果に直接的に反映されることになる。その結果、統計処理を利用して生成するシミュレーションモデルHMsの精度を向上させることが可能となって、例えば体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphに応じた三次元モデルに対し、人体構造学上、逸脱した誤差が含まれ難くもなる。
[シミュレーションモデル合成処理]
シミュレーションモデル生成処理が終了すると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を相同モデルデータベース24cから読み出す。そしてモデル生成部23dは、読み出した第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3と上記シミュレーションモデルHMsとを合成する(ステップS50)。このような処理によって、人体の頭部に相当する部分、人体の両手に相当する部分、及び人体の両足に相当する部分、及びシミュレーションモデルHMsからなる相同モデルHMDが生成される。
ここで、人体の頭部に相当する部分、人体の両手に相当する部分、人体の両足に相当する部分とは、身長、体重、体格指数、周囲長等の体形パラメータに対し、人体の胴部や腹部等と比較して一般に変動し難い。そのため、上述したような第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3が標本に含まれない統計処理の態様であっても、胴部や腹部等を含むシミュレーション対象HMpで統計処理が実施されれば、その処理の結果の精度が十分に担保されることになる。それゆえに、上述したような統計処理やシミュレーションモデル合成処理によれば、統計処理の結果の精度が失われることを抑えつつ、統計処理に用いられる標本のデータ量を縮小することが可能にもなる。
なお、三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると(ステップS11:NO)、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を標準モデルデータベース24bから読み出す。そしてモデル生成部23dは、読み出した第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3と上記シミュレーションモデルHMsとを合成する(ステップS50)。これにより、人体の頭部に相当する部分、人体の両手に相当する部分、人体の両足に相当する部分、及び上記シミュレーションモデルHMsからなる相同モデルHMDが生成される。
[シミュレーションモデル出力処理]
シミュレーションモデル合成処理が終了すると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDを相同モデルデータベース24cから読み出す。そしてモデル生成部23dは、読み出した相同モデルHMDと、上記シミュレーションモデル合成処理から得られた相同モデルHMDとを利用者端末1Bに出力する。つまりモデル生成部23dは、基準相同モデルHMiを含む相同モデルHMDと、シミュレーションモデルHMsを含む相同モデルHMDとを利用者端末1Bに出力する。これにより、利用者端末1Bの体形モデル出力処理部15では、図15に示されるように、基準相同モデルHMiを含む三次元体形画像と、シミュレーションモデルHMsを含む三次元体形画像とが入出力画面VWに表示される。すなわち、利用者の最新の体形を示す三次元体形画像と、当該最新の体形と体形パラメータの目標値とを反映させた三次元体形画像とが入出力画面VWに表示される。
このような処理によれば、最新の体形を示す三次元体形画像と、最新の体形に基づく将来の三次元体形画像とが利用者に提供されることになる。そして、これらの三次元体形画像が共通する基準相同モデルHMiに基づいたものであるため、腕の長さLh、脚の長さLc、肩幅Bsというサイズが、人体構造学上、逸脱したものとなり難くなる。
以上説明したように、第一の実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)統計処理の結果に基づいて体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihから初期相同モデルHMaが生成されて、同じく統計処理の結果に基づいて体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphから目標相同モデルHMbが生成される。そして、これら初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分が基準相同モデルHMiに加えられることによって、更に新たな三次元モデルであるシミュレーションモデルHMsが生成される。そのため、基準相同モデルHMiが統計処理上の単なる一標本である場合と比較して、基準相同モデルHMiの特徴的な部分がシミュレーションモデルHMsに残ることになる。その結果、利用者固有の体形の形状がシミュレーションの結果に直接的に反映されるため、統計処理を利用して生成するシミュレーションモデルHMsの精度を向上させることが可能となる。
(2)基準相同モデルHMiが母集団に含まれる態様で主成分分析が実行される。そのため、該主成分分析から得られる初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijや目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjには、基準相同モデルHMiの体形が少なからず反映されることになる。それゆえに、基準相同モデルHMiが含まれない態様で統計処理が実行される場合と比較して、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分にも基準相同モデルHMiの体形の特徴的な部分が反映されることとなる。
(3)複数の体形パラメータの値からシミュレーションモデルHMsが生成されるため、一つの体形パラメータの値からシミュレーションモデルHMsを生成する場合と比較して、より高い精度でシミュレーションモデルHMsが生成可能になる。つまり初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの差分である変位量Tもより高い精度のものとなる。それゆえに、基準相同モデルHMiが変更の対象として取り扱われることに加え、該基準相同モデルHMiに加えられる差分までもが、より高い精度のものになる。その結果、統計処理を利用して生成する体形モデルの精度をより向上させることが可能となる。
(4)相同モデルHMDから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3が除かれた残りの部分であるシミュレーション対象HMpが生成され、該シミュレーション対象HMpを用いた統計処理とシミュレーションモデル生成処理とが実行される。そしてシミュレーションモデルHMsが生成された後に、該シミュレーションモデルHMsと第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とが合成される。そのため、統計処理やシミュレーションモデ
ル生成処理に用いられる標本のデータ量を縮小することが可能にもなる。
(第二の実施形態)
以下、本発明を具体化した第二の実施形態を図16〜図19に従って説明する。図16は目標体形モデルデータのデータ構成を示す構成図であり、図17は第二の実施形態の体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図である。図18はシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャートであり、図19(a)(b)は利用者端末の入出力画面に表示された初期相同モデルとシュミレーションモデルとの出力結果を示す図である。
なお第二の実施形態は、第一の実施形態の体形モデル生成サーバ1Aのデータ処理部23に相関付け判定部23eが付加された構成である。そして、体形パラメータ間に相関を付与するか否かの判定が相関付け判定部23eで実施されて、該判定に応じて体形パラメータの目標値が変更される形態である。つまり体形パラメータ間に相関を付与する判定が相関付け判定部23eでなされたときに、目標相同モデルHMbを生成するための目標値に体形パラメータ間の相関が付与される形態である。そのため以下では、第一の実施形態からの変更点について詳細に説明する。
図16に示されるように、目標体形モデルデータ14cは、目標体形モデルデータ14cそのものに関するデータであるヘッダ141cと、三次元体形モデルのシミュレーションに利用される目標体形パラメータデータ142cと、シミュレーションの条件の一つとなる相関選択データ143cとから構成されている。
目標体形パラメータデータ142cは、体形シミュレーションの目的に応じて設定される体形パラメータの値である。この目標体形モデルデータ14cを構成する体形パラメータの値は、利用者の将来の体形の指標となる値であって、三次元体形モデルのシミュレーションの入力値の一つである目標値Bp1として取り扱われる。
相関選択データ143cは、各体形パラメータの値に体形パラメータ間の相関が付与されるか否かの判定に利用される。詳述すると、相関選択データ143cは、非相関体形パラメータPC1を示す識別子と、基準相関体形パラメータPC2を示す識別子と、偏相関体形パラメータPC3を示す識別子とから構成されて、これら非相関体形パラメータPC1、基準相関体形パラメータPC2、偏相関体形パラメータPC3を複数の体形パラメータから選択するためのデータである。
非相関体形パラメータPC1とは、複数の体形パラメータのうちから選択された一つの体形パラメータであって、三次元体形モデルのシミュレーションにおいて体形パラメータ間の相関が付与されない体形パラメータである。この非相関体形パラメータPC1は、他の体形パラメータとの相関の弱い体形パラメータであって、同体形パラメータの初期値が目標値に設定される体形パラメータである。
基準相関体形パラメータPC2とは、非相関体形パラメータPC1を除く複数の体形パラメータのうちから選択された一つの体形パラメータであって、目標体形パラメータデータ142cで目標値Bp1が設定された体形パラメータである。この基準相関体形パラメータPC2は、三次元体形モデルのシミュレーションにおいて体形パラメータ間の相関の基準として利用される。
偏相関体形パラメータPC3とは、複数の体形パラメータのうちから上記非相関体形パラメータPC1及び上記基準相関体形パラメータPC2を除いた体形パラメータである。この偏相関体形パラメータPC3は、三次元体形モデルのシミュレーションにおいて基準相関体形パラメータPC2との相関が付与される相関対象である。そして三次元体形モデ
ルのシミュレーションにおいては、基準相関体形パラメータPC2と偏相関体形パラメータPC3との相関が各偏相関体形パラメータPC3に付与される。
例えば他の体形パラメータとの相関が弱い身長が非相関体形パラメータPC1として選択されると、身長以外の体形パラメータが相関体形パラメータとして設定される。そして相関体形パラメータのうちから体重が基準相関体形パラメータPC2として選択されると、体重と体重以外の体形パラメータとの相関が体重以外の各体形パラメータ、すなわち各偏相関体形パラメータPC3に付与される。なお相関選択データ143cが空欄からなる場合には、体形パラメータの値間に相関が付与されない態様で三次元体形モデルのシミュレーションが実行される。
[体形モデル生成サーバ1A]
図17に示されるように、体形モデル生成サーバ1Aのデータ処理部23は、スキャンデータ処理部23aと、相同モデル生成部23bと、統計処理部23cと、モデル生成部23dと、相関付け判定部23eとから構成されている。モデル生成処理制御部21は、シミュレーションプログラムに従って、これらスキャンデータ処理部23a、相同モデル生成部23b、統計処理部23c、モデル生成部23d、及び相関付け判定部23eにおける各種の処理を統括する。
相関付け判定部23eは、送受信処理部22が受信した相関選択データ143cに基づいて体形パラメータ間に相関を付与するか否かを判定する。つまり相関付け判定部23eは、非相関体形パラメータPC1、基準相関体形パラメータPC2、及び偏相関体形パラメータPC3を複数の体形パラメータから選択するか否かを判定する。例えば相関選択データ143cにおいて、非相関体形パラメータPC1が身長であって、基準相関体形パラメータPC2が体重であるとする。すると相関付け判定部23eは、身長が非相関体形パラメータPC1であって、体重が基準相関体形パラメータPC2であって、身長及び体重以外の体形パラメータが偏相関体形パラメータPC3であることを決定する。これに対して、相関選択データ143cが空欄からなる場合には、相関付け判定部23eは、体形パラメータ間に相関を付与しないことを決定する。
統計処理部23cは、複数の体形パラメータの値から一つの体形パラメータの値を推定するための重回帰処理を母集団ごとに実行する。詳述すると、相関付け判定部23eが決定した非相関体形パラメータPC1が目的変数として取り扱われ且つ、該非相関体形パラメータPC1以外の体形パラメータである相関体形パラメータが説明変数として取り扱われる重回帰処理を母集団ごとに実行する。そして統計処理部23cは、基準相関体形パラメータPC2と各偏相関体形パラメータPC3との相関を、式(8)に示されるような関係として演算する。すなわち基準相関体形パラメータPC2の値Bp1で偏相関体形パラメータPC3の値Bp2〜値Bpjを表現した統計関数として演算する。また統計処理部23cは、各相関体形パラメータと該相関体形パラメータに適用される統計関数とが母集団ごとに対応付けられる態様で、統計処理結果データベース24dを更新する。
例えば統計処理部23cは、非相関体形パラメータPC1である身長が目的変数として扱われ且つ、基準相関体形パラメータ及び偏相関体形パラメータとから構成される相関体形パラメータが説明変数として取り扱われる重回帰式を母集団ごとに作成する。そして統計処理部23cは、各相関体形パラメータにかかる係数である偏回帰係数a〜偏回帰係数a(hは2以上の整数)を抽出し、基準相関体形パラメータPC2である体重にかかる偏回帰係数aで偏相関体形パラメータPC3にかかる偏回帰係数a2〜偏回帰係数aを除算する。このような処理によって、基準相関体形パラメータPC2と各偏相関体形パラメータPC3との相関が、各相関係数(a/a,a/a,…,a/a)を用いた統計関数として演算される。
モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出す。またモデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aから体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihを抽出する。そしてモデル生成部23dは、抽出した体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該初期値Bi1〜初期値Bihに応じた各主成分値を逆演算する。そしてモデル生成部23dは、当該各主成分値を初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijとして利用する。
またモデル生成部23dは、目標体形モデルデータ14cから体形パラメータの目標値、すなわち基準相関体形パラメータの目標値Bp1を抽出する。さらにまたモデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aから人体の属性を抽出し、該人体の属性に紐付けられた各相関係数(a/a,a/a,…,a/a)を統計処理結果データベース24dから読み出す。そしてモデル生成部23dは基準相関体形パラメータの目標値Bp1と各相関係数とを用いて各偏相関体形パラメータの目標値Bp2〜目標値Bph、すなわち相関補正値を演算する。
次に、上記三次元形状モデル生成システムを利用した三次元体形モデルのシミュレーションの流れについて図18、図19(a)(b)を参照して説明する。なお第二の実施形態は、第一の実施形態のシミュレーションモデル生成処理とシミュレーションモデル出力処理とを主に変更した構成である。そのため以下では、変更点であるシミュレーションモデル生成処理とシミュレーションモデル出力処理とについて主に説明する。
まず、スキャンデータ処理が実行されることに先立ち、相関選択データ143cを含む目標体形モデルデータ14cが利用者端末1Bから体形モデル生成サーバ1Aへ送信される。この際、図19(a)に示されるように、入出力画面VWに設けられた体形パラメータの選択テーブルVWsには、基準相関体形パラメータPC2として選択された体形パラメータの欄に該体形パラメータの目標値Bp1が表示される。また偏相関体形パラメータPC3として選択された体形パラメータの欄に該体形パラメータの値として「0」が表示される。また非相関体形パラメータとして選択された体形パラメータは、それ自体が選択テーブルVWsに表示されなくなる。
なお、図19(a)では、基準相関体形パラメータPC2として体重が選択されて、体重の欄に目標値Bp1である「60.5」が表示されている。そして第一の実施形態と同じく、三次元スキャンデータ142aが取得可能か否かの判定に応じて、スキャンデータ処理(ステップS12)、相同モデル生成処理(ステップS20)、統計処理(ステップS30)、シミュレーションモデル生成処理(ステップS40)、シミュレーションモデル合成処理(ステップS50)、シミュレーションモデル出力処理(ステップS60)がそれぞれ異なる内容で順に実行される。
[シミュレーションモデル生成処理]
統計処理が終了すると、モデル生成部23dは、図18に示されるように、利用者の識
別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを相同モデルデータベース24cから読み出し、該シミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する。なお三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを標準モデルデータベース24bから読み出して当該シミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する(ステップS41)。
次いでモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出し、当該付帯データ143aに含まれる体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihを抽出する。またモデル生成部23dは、利用者端末1Bから受信した目標体形モデルデータ14cから基準相関体形パラメータPC2の目標値Bp1を抽出する(ステップS42)。
モデル生成部23dが体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと目標値Bp1とを抽出すると、相関付け判定部23eは、送受信処理部22が受信した相関選択データ143cに基づいて体形パラメータの値に相関を付与するか否かを判定する。つまり相関付け判定部23eは、非相関体形パラメータPC1、基準相関体形パラメータPC2、及び偏相関体形パラメータPC3を複数の体形パラメータから選択するか否かを判定する(ステップS421)。
相関付け判定部23eで相関を付与する旨の判定がなされると(ステップS421:YES)、統計処理部23cは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出し、当該付帯データ143aに含まれる人体の属性を抽出する。次いで統計処理部23cは、抽出した人体の属性と同じ属性に対応付けられた複数の体形パラメータの値を相同モデルデータベース24cから読み出す。
そして統計処理部23cは、相関付け判定部23eが決定した非相関体形パラメータPC1が目的変数として取り扱われ且つ、該非相関体形パラメータPC1以外の体形パラメータである相関体形パラメータが説明変数として取り扱われる重回帰処理を、読み出した複数の体形パラメータの値について実行する。また統計処理部23cは、基準相関体形パラメータPC2と偏相関体形パラメータPC3との相関を示す相関係数(式(8)参照)を演算する(ステップS422)。そして統計処理部23cは、重回帰処理に用いた相関体形パラメータと、該相関体形パラメータに適用される相関係数とが母集団ごとに対応付けられる態様で、統計処理結果データベース24dを更新する。
統計処理部23cが相関係数を演算すると、モデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aから人体の属性を抽出し、該人体の属性に紐付けられた相関係数(a/a,a/a,…,a/a)を統計処理結果データベース24dから読み出す。そしてモデル生成部23dは、基準相関体形パラメータの目標値Bp1と各相関係数とを用いて各偏相関体形パラメータの目標値Bp2〜目標値Bph、すなわち相関補正値を演算する(ステップS423)。
各偏相関体形パラメータPC3に対して相関補正値が演算されると、モデル生成部23dは、各体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihと上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該初期値Bi1〜初期値Bihに応じた初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijを逆演算する(ステップS43)。
次いでモデル生成部23dは、非相関体形パラメータの初期値を目標値として取り扱い、全ての体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphと上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該目標値Bp1〜目標値Bphに応じた目標主成分値Pp1
目標主成分値Ppjを逆演算する(ステップS44)。
なお、相関付け判定部23eで相関を付与しない旨の判定がなされると(ステップS421:NO)、モデル生成部23dは、非相関体形パラメータPC1の初期値が目標値として取り扱われ且つ、偏相関体形パラメータPC3の初期値が目標値として取り扱われる(ステップS424)。そしてモデル生成部23dは、全ての体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphと上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該目標値Bp1〜目標値Bphに応じた目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjを逆演算する。
初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pij及び目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjが演算されると、モデル生成部23dは、第一の実施形態と同じく、初期主成分値Pi1〜初期主成分値Pijと固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。すなわち、体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Bihに応じた初期相同モデルHMaを生成する(ステップS45)。さらにモデル生成部23dは、目標主成分値Pp1〜目標主成分値Ppjと固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。すなわち、体形パラメータの目標値Bp1〜目標値Bphに応じた目標相同モデルHMbを生成する(ステップS46)。
初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとが生成されると、モデル生成部23dは、第一の実施形態と同じく、初期相同モデルHMaを構成する各ポリゴン座標から目標相同モデルHMbを構成する各ポリゴン座標への変位量Tを演算する。次いでモデル生成部23dは、演算結果である変位量Tと、三次元体形モデルの初期値である上記基準相同モデルHMiとを用い、基準相同モデルHMiに該変位量Tを加えたポリゴンモデルをシミュレーションモデルHMsとして演算する。そしてモデル生成部23dは、シミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとを紐付ける態様で体形モデルデータベース24eを更新し、利用者に対するシミュレーションモデル生成処理を終了する。
ここで、例えば体形パラメータの一つである体重が減少すると、体形そのものが細身になることは当然であって、特に細くなる部位が胸の部位か腹の部位かということが現在の体形で大きく異なることも少なくない。また細くなる部位の周囲長が互いに関係を持って減少すること、例えば、へそ周りの長さの減少量が胸囲長の減少量よりも少なくなるように、これらが減少することも少なくない。
この点、上述したような構成によれば、シミュレーションモデルHMsの生成に用いられる目標値Bp1〜目標値Bphの間に予め相関が付与されている。そのため、基準相関体形パラメータPC2の目標値さえ入力されれば、基準相関体形パラメータPC2以外の他の体形パラメータに対し、母集団の形状的な特徴に即した目標値が設定されることになる。例えば体重の値のみに基づいてシミュレーションモデルHMsを生成する要請であっても、体重以外の体形パラメータに対し、利用者が属する人体の属性に即した目標値が設定されることになる。その結果、シミュレーションモデルHMsを生成する際の目標値が体重のみの場合、あるいは利用者が属する人体の属性に即していない目標値が用いられる場合と比較して、シミュレーションモデルHMsの精度を向上させることが可能となる。
[シミュレーションモデル出力処理]
シミュレーションモデル合成処理が第一の実施形態と同様にして終了すると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDを相同モデルデータベース24cから読み出す。そしてモデル生成部23dは、読み出した相同モデルHMDと、シミュレーションモデル合成処理から得られた相同モデルHMDとを利用者端末1Bに出力する。またモデル生成部23dは、シミュレーション生成処理に用いられた偏相関
体形パラメータPC3の目標値を利用者端末1Bに出力する。これにより、利用者端末1Bの体形モデル出力処理部15では、図19(a)に示されるように、基準相同モデルHMiを含む三次元体形画像が選択テーブルVWsと共に入出力画面VWに表示される。次いで、利用者端末1Bの体形モデル出力処理部15では、図19(b)に示されるように、シミュレーションモデルHMsを含む三次元体形画像と、シミュレーション生成処理に用いられた偏相関体形パラメータPC3の目標値を含む選択テーブルVWsとが入出力画面VWに表示される。
このような処理によれば、第一の実施形態と同じく、最新の体形を示す三次元体形画像と、最新の体形に基づく将来の三次元体形画像とが利用者に提供されることになる。そして、基準相関体形パラメータPC2の値のみの入力によって生成された三次元体形画像とはいえ、該基準相関体形パラメータPC2との相関がその他の体形パラメータに付与されているため、腕の長さLh、脚の長さLc、肩幅Bsというサイズが、人体構造学上、逸脱したものとなり難くなる。そのうえ、最新の体形に基づく将来の三次元体形画像と共に、相関の付与された体形パラメータの値が利用者に提供されることにもなる。それゆえに、三次元体形画像からは確認し難い周囲長等の具体的な値を利用者に提供することも可能となる。
以上説明したように、第二の実施形態によれば、上記(1)〜(4)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(5)基準相関体形パラメータPC2との相関に基づいて、全ての偏相関体形パラメータPC3の目標値が演算される。そのため、利用者の体形が属する母集団の形状的な特徴に即した体形パラメータの値が基準相関体形パラメータPC2の目標値Bp1のみから得られることになる。それゆえに、複数の体形パラメータの目標値そのものに高い精度を与えることができるため、目標相同モデルHMb、ひいては統計処理を利用して生成するシミュレーションモデルHMsの精度をさらに向上させることが可能となる。
(第三の実施形態)
以下、本発明を具体化した第三の実施形態を図20〜図25に従って説明する。図20は第三の実施形態の目標体形モデルデータのデータ構成を示す構成図であり、図21は関節位置と骨格とを相同モデルと共に示す図である。また図22は体形モデル生成サーバの構成を示す機能ブロック図であり、図23は骨格パラメータデータのデータ構成を示す構成図である。また図24は相同モデル生成処理の流れを示すフローチャートであり、図25はシミュレーションモデル生成処理の流れを示すフローチャートである。
なお第三の実施形態は、第二の実施形態の体形モデル生成サーバ1Aのデータ処理部23に骨格固定判定部23fが付加された構成である。そして、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの骨格を同一にするか否かの判定、すなわち骨格を固定するか否かの判定が骨格固定判定部23fで実施されて、該判定に応じて目標相同モデルHMbの生成条件が変更される形態である。そのため以下では、第二の実施形態からの変更点について詳細に説明する。
図20に示されるように、目標体形モデルデータ14cは、第二の実施形態と同じく、ヘッダ141c、目標体形パラメータデータ142c、及び相関選択データ143cを備え、シミュレーションの条件の一つとなる骨格パラメータデータ144cを更に備えている。
骨格パラメータデータ144cは、人体の形状を全体的に支配する骨格に関するデータであって、骨格パラメータの値から構成されている。骨格パラメータとは、図21に示されるように、肩関節J1と肘関節J2との間の長さ、肘関節J2と仙腸関節J3との間の長さ、仙腸関節J3と股関節J4との間の長さ、股関節J4と膝関節J5との間の長さ等
、人体の物理量の一つである関節間の長さである。この骨格パラメータデータ144cは、シミュレーションの目的に応じて設定される体形パラメータの値である。つまり目標体形モデルデータ14cを構成する骨格パラメータの値は、利用者の将来の体形の指標となる値であって、三次元体形モデルのシミュレーションの入力値の一つである目標値として取り扱われる。
そして骨格パラメータデータ144cに関節間の長さが含まれている場合には、三次元体形モデルのシミュレーションが骨格パラメータデータ144cの目標値に基づいて実行される。これに対して、骨格パラメータデータ144cが空欄からなる場合には、三次元体形モデルのシミュレーションが骨格を固定する態様で実行される。
[体形モデル生成サーバ1A]
図22に示されるように、体形モデル生成サーバ1Aのデータ処理部23は、第二の実施形態と同じく、スキャンデータ処理部23aと、相同モデル生成部23bと、統計処理部23cと、モデル生成部23dと、相関付け判定部23eとを備え、骨格パラメータデータ144cに基づいて骨格を固定するか否かを判定する骨格固定判定部23fを更に備えている。モデル生成処理制御部21は、シミュレーションプログラムに従って、これらスキャンデータ処理部23a、相同モデル生成部23b、統計処理部23c、モデル生成部23d、相関付け判定部23e、及び骨格固定判定部23fにおける各種の処理を統括する。
骨格固定判定部23fは、送受信処理部22が受信した骨格パラメータデータ144cに基づいて骨格を固定するか否かを判定する。つまり骨格固定判定部23fは、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの骨格を同一にするか否か、すなわち三次元形状モデルのシミュレーションにおいて骨格を固定するか否かを判定する。
相同モデル生成部23bは、該相同モデル生成部23bが生成した相同モデルHMDあるいは標準モデルを用い、関節位置データBDを生成する。関節位置データBDとは、図23に示されるように、関節位置データBDそのものに関するデータであるヘッダ243cと、関節座標244cとから構成されている。関節座標244cは、上記肩関節J1、肘関節J2、仙腸関節J3、股関節J4、膝関節J5等の関節位置J1〜関節位置Jn(nは2以上の整数)とそれらの座標値である関節座標Cj1〜関節座標Cjn(nは2以上の整数)とにより構成されている。相同モデル生成部23bは、関節位置J1〜関節位置Jnの各々の周辺に位置する複数のポリゴン頂点の座標値と、関節位置を求めるために予め設定された演算式とを用い、これら関節座標Cj1〜関節座標Cjnを演算する。そして相同モデル生成部23bは、この関節位置データBDが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。つまり相同モデル生成部23bは、利用者の現在の骨格に関するデータが該利用者の識別子IDに紐付けられる態様で、相同モデルデータベース24cを更新する。
そして三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の相同モデルHMDに基づいて実行される際、相同モデル生成部23bは、該相同モデル生成部23bが生成した相同モデルHMDのポリゴン頂点を用い、上記関節位置データBDを生成する。また相同モデル生成部23bは、この関節位置データBDに含まれる関節座標244cから関節間の長さを演算する。そして相同モデル生成部23bによって演算された関節間の長さは、利用者の現在の体形における骨格パラメータの値、つまり該シミュレーションにおける骨格パラメータの初期値として取り扱われる。
これに対して、三次元体形モデルのシミュレーションが利用者の相同モデルHMDと異なる三次元体形モデルに基づいて実行される際、相同モデル生成部23bは、標準モデル
データベース24bから標準モデルを読み出し、読み出した標準モデルのポリゴン頂点を用い、上記関節位置データBDを生成する。また相同モデル生成部23bは、この関節位置データBDに含まれる関節座標244cから関節間の長さを演算する。そして相同モデル生成部23bによって演算された関節間の長さは、標準的な体形における骨格パラメータの値、つまり該シミュレーションにおける骨格パラメータの初期値として取り扱われる。
統計処理部23cは、シミュレーションモデルHMsの主成分値と、体形パラメータと、骨格パラメータとを標本とする重回帰処理を母集団ごと、すなわち人体の属性ごとに実行する。詳述すると、統計処理部23cは、一つの母集団を構成する全てのシミュレーション対象HMpについて、各体形パラメータの初期値、骨格パラメータの初期値、主成分値、それらを相同モデルデータベース24cから読み出す。そして体形パラメータの初期値と骨格パラメータの初期値とが目的変数(被説明変数)、主成分値が説明変数となる態様で、統計処理部23cは人体の属性ごとに重回帰処理を実行する。この重回帰処理によって、統計処理部23cは、体形パラメータの初期値及び骨格パラメータの初期値と、主成分値との相関を、上記式(7)に対応する関係、すなわち相関行列A2として演算する。また統計処理部23cは、統計処理の対象となった人体の属性とこの相関行列A2とが紐付けられる態様で統計処理結果データベース24dを更新する。
モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aを相同モデルデータベース24cから読み出す。またモデル生成部23dは、読み出した付帯データ143aから体形パラメータの初期値を抽出する。またモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた骨格パラメータの初期値を相同モデルデータベース24cから読み出す。そしてモデル生成部23dは、体形パラメータの初期値、骨格パラメータの初期値、及び相関行列A(式(7)参照)の逆行列を用い、当該初期値に応じた各主成分値を逆演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である該主成分値を初期主成分値として利用する。
モデル生成部23dは、目標体形モデルデータ14cの目標体形パラメータデータ142cから体形パラメータの目標値を抽出し、該目標体形モデルデータ14cの骨格パラメータデータ144cから骨格パラメータの目標値を抽出する。
そして骨格を固定しないシミュレーションが実行される際、モデル生成部23dは、抽出した体形パラメータの目標値と、抽出した骨格パラメータの目標値と、上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該目標値に応じた各主成分値を演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である該主成分値を目標主成分値として利用する。
これに対して、骨格を固定するシミュレーションが実行される際、モデル生成部23dは、読み出した骨格パラメータの初期値を骨格パラメータの目標値として取り扱う。そして体形パラメータの目標値と、骨格パラメータの目標値(初期値)と、上記相関行列A2(式(7)参照)の逆行列とを用い、当該目標値に応じた各主成分値を演算する。そしてモデル生成部23dは、演算結果である該主成分値を目標主成分値として利用する。
そしてモデル生成部23dは、第二実施形態と同じく、上記初期主成分値と上記固有ベクトル行列A(式(6)参照)の逆行列とを用い、当該初期主成分値に応じたポリゴンモデルを演算する。そしてモデル生成部23dは、当該ポリゴンモデルを初期相同モデルHMaとして利用する。またモデル生成部23dは、上記目標主成分値と上記固有ベクトル行列A(式(6)参照)の逆行列とを用い、当該目標主成分値に応じたポリゴンモデルを演算する。そしてモデル生成部23dは、当該ポリゴンモデルを目標相同モデルHMbとして利用する。
次に、上記三次元形状モデル生成システムを利用した三次元体形モデルのシミュレーションの流れについて図24、図25を参照して説明する。なお第三の実施形態は、第二の実施形態の相同モデル生成処理、統計処理、及びシミュレーションモデル生成処理を主に変更した構成である。そのため以下では、変更点である相同モデル生成処理、統計処理、及びシミュレーションモデル生成処理について主に説明する。
[相同モデル生成処理]
図24に示されるように、利用者の識別子IDに紐付けられた前処理モデルと付帯データ143aとを前処理モデルデータベース24aから読み出す。また相同モデル生成部23bは、読み出した付帯データ143aから人体の属性と体形パラメータの初期値Bi1〜初期値Biとを抽出する。さらに相同モデル生成部23bは、抽出した人体の属性を用い、該人体の属性に紐付けられた標準モデルを標準モデルデータベース24bから読み出す。
そして相同モデル生成部23bは、読み出した前処理モデルが示す体表面と標準モデルが示す体表面とが整合するように標準モデルのポリゴン座標を変位させて、当該ポリゴン座標からなる相同モデルHMDを生成する。また相同モデル生成部23bは、生成した相同モデルHMDに基づいて、該相同モデルHMDのポリゴン頂点に応じた関節位置データBDを生成する。そして相同モデルHMD及び関節位置データBDが生成されると、相同モデル生成部23bは、これら相同モデルHMD、関節位置データBDと、さらには該相同モデルHMDに関わる体形パラメータの初期値及び人体の属性、それらが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で、相同モデルデータベース24cを更新する(ステップS21)。
相同モデルHMD及び関節位置データBDが相同モデルデータベース24cに格納されると、相同モデル生成部23bは、第二の実施形態と同じく、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDから、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を抽出する(ステップS22)。また相同モデル生成部23bは、該相同モデルHMDから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を除いた残りの部分であるシミュレーション対象HMpを、該相同モデルHMDから抽出する(ステップS23)。そして相同モデル生成部23bは、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新し、当該シミュレーションの相同モデル生成処理を終了する(ステップS24)。
なお、三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると、相同モデル生成部23bは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aから人体の属性を抽出する。そして相同モデル生成部23bは、当該人体の属性に紐付けられた標準モデルを標準モデルデータベース24bから読み出す。
そして相同モデル生成部23bは、読み出した標準モデルに基づいて、該標準モデルのポリゴン頂点に応じた関節位置データBDを生成する。そして標準モデル及び関節位置データBDが生成されると、相同モデル生成部23bは、これら標準モデル、関節位置データBDと、さらには該標準モデルに関わる体形パラメータの初期値及び人体の属性、それらが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で、相同モデルデータベース24cを更新する(ステップS211)。
次いで、相同モデル生成部23bは、第二の実施形態と同じく、標準モデルから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を抽出する(ステップS221)。また相同モデル生成部23bは、該標準モデルから第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3を除いた残り
の部分であるシミュレーション対象HMpを、該標準モデルから抽出する(ステップS231)。そして相同モデル生成部23bは、第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3とシミュレーション対象HMpとが利用者の識別子IDに紐付けられる態様で標準モデルデータベース24bを更新し、当該シミュレーションの相同モデル生成処理を終了する(ステップS27)。
[統計処理]
相同モデル生成処理が終了すると、統計処理部23cは、第二の実施形態と同じく、複数のシミュレーション対象HMpに対して主成分分析を実行し、分析結果である主成分と、各シミュレーション対象HMpの主成分値と、上記固有ベクトル行列Aとを演算するさらに統計処理部23cは、抽出した人体の属性と同じ属性に対応付けられた複数の体形パラメータの初期値及び骨格パラメータの初期値を相同モデルデータベース24cから読み出す。そして統計処理部23cは、読み出した体形パラメータの初期値及び骨格パラメータの初期値が目的変数、上記主成分値が説明変数として取り扱われる重回帰処理を実行して相関行列Aを演算する。
統計処理部23cは、各シミュレーション対象HMpと該シミュレーション対象HMpの主成分値とが紐付けられる態様で相同モデルデータベース24cを更新する。また統計処理部23cは、統計処理の処理対象となった人体の属性に、上記固有ベクトル行列A及び上記相関行列Aが紐付けられる態様で統計処理結果データベース24dを更新し、利用者に対する統計処理を終了する。
[シミュレーションモデル生成処理]
統計処理が終了すると、モデル生成部23dは、第二の実施形態と同じく、図25に示されるように、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する。なお三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると、モデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられたシミュレーション対象HMpを基準相同モデルHMiとして設定する(ステップS41)。
次いでモデル生成部23dは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aから体形パラメータの初期値を抽出する。またモデル生成部23dは、利用者端末1Bから受信した目標体形モデルデータ14cから基準相関体形パラメータPC2の目標値を抽出する(ステップS42)。モデル生成部23dが体形パラメータの初期値と目標値とを抽出すると、相関付け判定部23eは、相関選択データ143cに基づいて体形パラメータの値に相関を付与するか否かを判定する。(ステップS421)。
相関付け判定部23eで相関を付与する旨の判定がなされると(ステップS421:YES)、統計処理部23cは、利用者の識別子IDに紐付けられた付帯データ143aから人体の属性を抽出する。また統計処理部23cは、抽出した人体の属性と同じ属性に対応付けられた複数の体形パラメータの値を相同モデルデータベース24cから読み出す。そして統計処理部23cは、相関付け判定部23eが決定した非相関体形パラメータPC1が目的変数として取り扱われ且つ、該非相関体形パラメータPC1以外の体形パラメータである相関体形パラメータが説明変数として取り扱われる重回帰処理を実行して相関係数を算出する(ステップS422)。
統計処理部23cが相関係数を演算すると、モデル生成部23dは、基準相関体形パラメータの目標値と各相関係数とを用いて各偏相関体形パラメータの目標値、すなわち相関補正値を演算する(ステップS423)。なお、相関付け判定部23eで相関を付与しない旨の判定がなされると(ステップS421:NO)、モデル生成部23dは、非相関体
形パラメータPC1の初期値を目標値として取り扱い且つ、偏相関体形パラメータPC3の初期値を目標値として取り扱う(ステップS424)。
各偏相関体形パラメータPC3に対して相関補正値が演算されると、相同モデル生成部23bは、利用者の識別子IDに紐付けられた基準相同モデルHMiのポリゴン頂点を用い、上記関節位置データBDを生成する。また相同モデル生成部23bは、該関節位置データBDに含まれる関節座標244cから関節間の長さ、つまり骨格パラメータの初期値を演算する。なお、三次元スキャンデータ142aが取得不能である旨の判定がモデル生成処理制御部21でなされると、相同モデル生成部23bは、標準モデルデータベース24bから標準モデルを読み出し、読み出した標準モデルのポリゴン頂点を用い、上記関節位置データBDを生成する。また相同モデル生成部23bは、該関節位置データBDに含まれる関節座標244cから関節間の長さ、つまり骨格パラメータの初期値を演算する(ステップS431)。
相同モデル生成部23bが骨格パラメータの初期値を演算すると、骨格固定判定部23fは、送受信処理部22が受信した骨格パラメータデータ144cに基づいて骨格を固定するか否かを判定する(ステップS432)。
そして、骨格を固定する旨が骨格固定判定部23fで判定されると(ステップS432:YES)、モデル生成部23dは、体形パラメータの初期値、骨格パラメータの初期値、上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列を用い、該各初期値に応じた初期主成分値を逆演算する(ステップS433)。次いでモデル生成部23dは、非相関体形パラメータの初期値を目標値とした各体形パラメータの目標値、骨格パラメータの初期値、上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、これらの値に応じた目標主成分値を逆演算する(ステップS441)。
なお、骨格を固定しない旨が骨格固定判定部23fで判定されると(ステップS432:NO)、モデル生成部23dは、体形パラメータの初期値、骨格パラメータの初期値、上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列を用い、該各初期値に応じた初期主成分値を逆演算する(ステップS434)。次いでモデル生成部23dは、非相関体形パラメータの初期値を目標値とした各体形パラメータの目標値、骨格パラメータの目標値、上記相関行列A(式(7)参照)の逆行列とを用い、これらの値に応じた目標主成分値を逆演算する(ステップS442)。
初期主成分値及び目標主成分値が演算されると、モデル生成部23dは、第二の実施形態と同じく、初期主成分値と固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。すなわち、体形パラメータの初期値、骨格パラメータの初期値、それらに応じた初期相同モデルHMaを生成する(ステップS45)。さらにモデル生成部23dは、目標主成分値と固有ベクトル行列Aの逆行列とを用い、上記式(6)の逆演算を実行することによってポリゴン頂点の座標値を演算する。すなわち、体形パラメータの目標値、骨格パラメータの初期値あるいは目標値、それらに応じた目標相同モデルHMbを生成する(ステップS46)。
初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとが生成されると、モデル生成部23dは、第二の実施形態と同じく、初期相同モデルHMaを構成する各ポリゴン座標から目標相同モデルHMbを構成する各ポリゴン座標への変位量Tを演算する。次いでモデル生成部23dは、演算結果である変位量Tと、三次元体形モデルの初期値である上記基準相同モデルHMiとを用い、基準相同モデルHMiに該変位量Tを加えたポリゴンモデルをシミュレーションモデルHMsとして演算する。そしてモデル生成部23dは、シミュレーションモデルHMsと利用者の識別子IDとを紐付ける態様で体形モデルデータベ
ース24eを更新し、利用者に対するシミュレーションモデル生成処理を終了する。
ここで、例えば三次元体形モデルの対象が成人である場合には、関節間の長さが必然的に固定されるようになる。上述したように骨格が固定される態様で新たなシミュレーションモデルHMsが生成されるとなれば、成人の体形変化の特性に適した三次元体形モデルを、新たな三次元モデルとして得ることが可能となる。
以上説明したように、第三の実施形態によれば、上記(1)〜(5)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(6)基準相同モデルHMiのポリゴン頂点に基づいて関節間の長さ、つまり骨格パラメータの初期値が演算される。そして骨格を固定する旨が骨格固定判定部23fで判定されると、モデル生成部23dは、体形パラメータの初期値と骨格パラメータの初期値とを用い、これらに応じたシミュレーションモデルHMsが生成される。そのため、骨格が固定されるべきモデル化対象に対して、該モデル化対象の体形の特性に適した三次元体形モデルが新たな三次元モデルとして得られることとなる。
なお、上述した実施形態は以下のように変更して実施することができる。
・上記第三の実施形態では、各偏相関体形パラメータC3に相関を付与するか否かの判定が行われた後に、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの骨格を同一にするか否かの判定が行われる。これが変更されて、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの骨格を同一にするか否かの判定が行われた後に、各偏相関体形パラメータC3に相関を付与するか否かの判定が行われる構成であってもよい。また各偏相関体形パラメータC3に相関を付与するか否かの判定が行われることなく、初期相同モデルHMaと目標相同モデルHMbとの骨格を同一にするか否かの判定のみが行われる構成であってもよい。これらの構成であっても、上記(6)と同様の効果が得られる。
・上記第二の実施形態では、相関選択データ143cに基づいて非相関体形パラメータPC1が設定される。これが変更されて、非相関体形パラメータPC1を示す識別子が相関選択データ143cから割愛されて、非相関体形パラメータPC1が予め統計処理部23cで定められている構成であってもよい。例えば、身長が目的変数として取り扱われ且つ、他の体形パラメータを説明変数として取り扱われる重回帰処理を母集団ごと実行するように、予め統計処理部23cが設定されている構成であってもよい。このような構成であっても、上記(5)に準じた効果が得られる。
・上記第二の実施形態では、非相関体形パラメータPC1が目的変数として取り扱われ且つ、該非相関体形パラメータPC1以外の体形パラメータである相関体形パラメータが説明変数として取り扱われる重回帰処理に基づいて各体形パラメータに相関が付与される。これを変更して、基準相関体形パラメータPC2の目標値を偏相関体形パラメータPC3の変換する変換テーブル等によって各体形パラメータに相関が付与される構成であってもよい。
・上記第二の実施形態における偏相関体形パラメータC2に第三の実施形態における骨格パラメータが含まれる構成であってもよい。つまり体形パラメータの一つとして関節間の長さが含まれる構成であってもよい。
・上記実施形態では、スキャンデータ処理、相同モデル生成処理、統計処理、シミュレーションモデル生成処理、シミュレーションモデル合成処理、及びシミュレーションモデル出力処理からなる一連の処理が、利用者端末1Bからの1度のリクエストにより順に実行されることを前提とした。これを変更して、例えばスキャンデータ処理のリクエストと、相同モデル生成処理、統計処理、シミュレーションモデル生成処理、シミュレーション
モデル合成処理、及びシミュレーションモデル出力処理のリクエストとが異なる構成であってもよい。さらにはスキャンデータ処理、相同モデル生成処理、統計処理、シミュレーションモデル生成処理、シミュレーションモデル合成処理、及びシミュレーションモデル出力処理の各々が、該処理に対応した利用者端末1Bからのリクエストによりその都度開始される構成であってもよい。このような構成においても上記(1)〜(6)に準じた効果が得られるようになる。また、体形パラメータや骨格パラメータの異なる複数のシミュレーションが、各処理の1つの結果、例えば1つの前処理モデルや1つの相同モデルHMDに対して、より容易に実現可能になる。
・上記実施形態では、三次元スキャンデータ142aに点群の座標データが含まれているか否かによって、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDに基づくシミュレーションと、標準モデルに基づくシミュレーションとが切り替えられる。これが変更されて、例えば利用者端末1Bからのリクエストによって、利用者の識別子IDに紐付けられた相同モデルHMDに基づくシミュレーションと、標準モデルに基づくシミュレーションとが切り替えられる構成であってもよい。
・多変量解析に利用される標本は、人体の属性が共通する複数のシミュレーション対象HMpに限られず、例えば人体の属性が共通する相同モデルHMDであってもよい。つまり第1合成対象Ex1〜第3合成対象Ex3の少なくとも一つとシミュレーション対象HMpとが標本となる態様で多変量解析が行われる構成であってもよい。このような構成であれば、上記(1)〜(3)、(5)、(6)に準じた効果に加えて、シミュレーションモデル合成処理を割愛することができる。
・上記実施形態では、利用者端末1Bから送信される標準モデルと該標準モデルに関する人体の属性とに基づいて、標準モデルデータベース24bが構築される。これを変更して、シミュレーションの開始に先立って、標準モデルと該標準モデルに関する人体の属性とが紐付けられる態様で、予め標準モデルデータベース24bが構築されている構成であってもよい。
・上記実施形態では、基準相同モデルHMiが母集団に含まれるかたちで多変量解析が実行される。これを変更して、基準相同モデルHMiが母集団に含まれないかたちで多変量解析が実行されてもよい。つまり多変量解析の対象となる標本とは、人体の属性が利用者と共通する複数の相同モデルHMDであればよい。また、主成分値と体形パラメータとを標本とする重回帰処理も同じく、重回帰処理の対象となる標本とは、人体の属性が利用者と共通する複数の相同モデルHMDの主成分値、及び該相同モデルHMDに関する体形パラメータであればよい。
・上記実施形態では、多変量解析の一例として主成分分析が用いられる構成であるが、これに限らず、例えば多変量解析の一例として因子分析やクラスター分析が用いられる構成であってもよい。
・上記実施形態では、モデル化対象物が人体であることを前提としたが、これに限らずモデル化対象物とは、ペット等の飼育動物であってもよい。つまり三次元形状データが取得可能であって、該三次元形状データから基準三次元モデルが生成可能な対象物であればよい。
A,B,C…座標軸、S,T,U…主成分軸、A…固有ベクトル行列、A…相関行列、BD…関節位置データ、C,C,C…頂点座標、F,F…ポリゴン面、K,K…ポリゴン頂点、NT…通信ネットワーク、Pi,P…主成分値、T,T
,T…変位量、Bi1,Bih…初期値、Bp1,Bph…目標値、Ex1…第1合成対象、Ex2…第2合成対象、Ex3…第3合成対象、HMp…シミュレーション対象、HMs…シミュレーションモデル、Ka,Ka,Kb,Kb,Ki,Ki,Ks,Ks…ポリゴン座標、PC1…非相関体形パラメータ、PC2…基準相関体形パラメータ、PC3…偏相関体形パラメータ、Pi1,Pij…初期主成分値、Pp1,Ppj…目標主成分値、1A…体形モデル生成サーバ、1B…利用者端末、11…データ処理部、12…送受信処理部、13…入力処理部、13a…三次元スキャナー、14…記憶部、14a…初期モデル設定データ、14b…ランドマークデータ、14c…目標体形モデルデータ、14d…利用者プログラム、15…体形モデル出力処理部、21…モデル生成処理制御部、22…送受信処理部、23…データ処理部、23a…スキャンデータ処理部、23b…相同モデル生成部、23c…統計処理部、23d…モデル生成部、23e…相関付け判定部、23f…骨格固定判定部、24a…前処理モデルデータベース、24b…標準モデルデータベース、24c…相同モデルデータベース、24d…統計処理結果データベース、24e…体形モデルデータベース、24p…シミュレーションプログラム、142a…三次元スキャンデータ、142c…目標体形パラメータデータ、143a…付帯データ、143c…相関選択データ、144c…骨格パラメータデータ、242c…体形座標データ。

Claims (12)

  1. 複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部と、
    前記相関演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部と
    を備える三次元形状モデル生成装置であって、
    前記モデル生成部は、
    前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする三次元形状モデル生成装置。
  2. 前記記憶部が、
    前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、
    前記相関演算部が、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、
    前記モデル生成部が、
    前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の三次元形状モデル生成装置。
  3. 前記記憶部が、
    関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、
    前記相関演算部が、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、
    前記モデル生成部が、
    前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元形状モデル生成装置。
  4. 三次元形状モデル生成装置が、
    複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出し、
    前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶し、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算し、
    前記演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成する三次元形状モデル生成方法であって、
    前記三次元形状モデル生成装置が、
    前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする三次元形状モデル生成方法。
  5. 前記三次元形状モデル生成装置が、
    前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、
    前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物
    理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の三次元形状モデル生成方法。
  6. 前記三次元形状モデル生成装置が、
    関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、
    前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の三次元形状モデル生成方法。
  7. コンピュータを、
    複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部、
    前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部、
    前記相関演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部
    として機能させる三次元形状モデル生成プログラムであって、
    前記モデル生成部を、
    前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成する生成部として機能させる
    ことを特徴とする三次元形状モデル生成プログラム。
  8. 前記記憶部を、
    前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶する記憶部として機能させて、
    前記相関演算部を、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算する演算部として機能させて、
    前記モデル生成部を、
    前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成する生成部として機能させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の三次元形状モデル生成プログラム。
  9. 前記記憶部を、
    関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶する記憶部として機能させて、
    前記相関演算部を、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算する演算部として機能させて、
    前記モデル生成部を、
    前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成する生成部として機能させる
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の三次元形状モデル生成プログラム。
  10. ネットワークを介して接続された三次元形状モデル生成装置と端末装置とを備える三次元形状モデル生成システムであって、
    前記三次元形状モデル生成装置は、
    複数のモデル化対象物の三次元形状データから基準三次元モデルを生成して複数の前記基準三次元モデルの多変量解析によって複数の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記モデル化対象物で測定可能な物理量の値と、該モデル化対象物の前記基準三次元モデルが有する前記複数の特徴量の値とを、該基準三次元モデルに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記物理量の値との相関を演算する相関演算部と、
    前記相関演算部が演算した相対関係に基づいて前記物理量の入力値から前記複数の特徴量の値を演算して、前記記憶部が記憶したデータに基づいて該演算した前記複数の特徴量の値から新たな三次元モデルを生成するモデル生成部とを備え、
    前記モデル生成部が、
    前記入力値に初期値を用いて生成した初期三次元モデルと、前記入力値に目標値を用いて生成した目標三次元モデルとの差分を、前記物理量の初期値に対応する基準三次元モデルに加えることによって更に新たな三次元モデルを生成し、
    前記端末装置は、
    前記物理量の入力値と、該入力値に対応する三次元形状データとを前記三次元形状モデル生成装置に送信する送信部と、
    前記モデル生成部で生成された三次元モデルを前記三次元形状モデル生成装置から受信する受信部と、
    前記受信部で受信した三次元モデルを出力する出力部とを備える
    ことを特徴とする三次元形状モデル生成システム。
  11. 前記記憶部が、
    前記モデル化対象物ごとに複数の物理量の値を記憶し、
    前記相関演算部が、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、更に前記複数の物理量の値の相関を演算し、
    前記モデル生成部が、
    前記複数の物理量の相関に基づいて前記物理量の入力値から該物理量とは異なる他の物理量の値を演算し、該演算の結果である前記他の物理量の値と前記物理量の入力値とを用いて新たな三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項10に記載の三次元形状モデル生成システム。
  12. 前記記憶部が、
    関節間の長さを含む複数の物理量の値を前記モデル化対象物ごとに記憶し、
    前記相関演算部が、
    前記基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の特徴量の値と、該基準三次元モデルに対応付けられた前記複数の物理量の値との相関を演算し、
    前記モデル生成部が、
    前記複数の物理量の初期値から前記初期三次元モデルを生成すると共に、前記関節間の長さを前記初期値と同じ値にした前記複数の物理量の目標値から前記目標三次元モデルを生成する
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の三次元形状モデル生成システム。
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