JP5425121B2 - 無線通信方法、及び無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナを具備するアクセスポイント(AP)と、1本もしくは複数本のアンテナを具備する複数の端末局(MT)から構成されるマルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムの下り回線において、置かれている位置が移動する端末(移動端末)が存在する場合、移動端末の受信特性の劣化を抑制する無線通信方法、及び無線通信システムに関する。
マルチユーザMIMOシステム下り回線伝送においては、同じ周波数・同じ時間で、複数の端末に情報伝送を行う。端末側では、互いに協調して復号できないため、アクセスポイント側(送信側)で予め端末毎に別々のビームで、個々の端末に対する情報を伝送する必要がある。ある端末に対するビームは、基本的に他の端末に漏洩しないように制御される。
本ビーム形成操作は、プリコーディングと呼ばれるが、良く知られたプリコーディング法として、ZF規範に基づくCI法(Channel Inversion)・BD法(Block Diagonalization)、MMSE規範に基づくRCI法(Regularized Channel Inversion)法や、SMMSE法などが挙げられる(例えば非特許文献1、2参照)。CI法やRCI法は、端末の受信アンテナ数が1の時であり、BD法やSMMSE法は、端末の受信アンテナ数が複数の時である。なお、SMMSE法は、MMSE規範に基づく方法の一例であり、他に多数の方法が存在する。
これらの従来のプリコーディング法で決まるアクセスポイントの送信アンテナに乗算される送信ウエイトは、端末の伝搬環境が一定の時は特性劣化を招かないが、時変動などで変化すると、当該端末の受信特性が著しく劣化する。時変動で伝搬環境が変化すると、プリコーディングは有効に働かず、送信ウエイトで分離された他の端末からの信号が漏洩してくるからである。
図6は、上述した他の端末からの信号漏洩を説明するための概念図である。なお、図6には、時変動端末と非時変動端末とが混在している場合を示している。非時変動端末の伝搬環境は変わらないため、当該非時変動端末以外の送信ビームが、当該非時変動端末に漏れ込んでくることはない。しかしながら、時変動端末の伝搬環境は変わるので、当該時変動端末以外の送信ビームが、当該時変動端末に漏れ込んでくる。なお、端末が移動している場合には、周囲の伝搬状態が安定しているときにも、当該端末の伝搬環境が変化し、時変動端末となる。移動端末は移動により他の端末のビームのヌルの位置がずれるので、他の端末の信号が干渉信号として漏洩してくる。
上述したように、非時変動端末には、干渉信号が存在しないが、時変動端末には、非時変動端末の信号が漏洩して干渉となる。移動端末と非移動端末が存在する場合の従来技術として、移動端末を除外して、別のタイムスロット、別の周波数を用いて送信する方法がある。移動端末以外の端末とは別の時間スロット・周波数を用いるため、移動端末の伝搬環境が変化しても、当該時間スロット・周波数では、当該移動端末以外の信号は存在せず、非移動端末への信号が時変動端末に漏洩することがない。
図7(a)、(b)は、移動端末を別のタイムスロットで送信する時分割多重アクセス(TDMA)方式を説明するための概念図である。図7(a)では、4つの端末MT1〜MT4が存在し、端末MT1、MT2、MT3は、非移動端末であるとし、端末MT4は移動端末とした。なお、図では、“移動”を“時変動”という用語にしているが、それは、移動端末は、時変動端末であるからである。逆に伝搬環境が時変動しているときは、一般に、全ての端末の伝搬環境が変化するため、全ての端末が時変動端末となる。時変動端末と非時変動端末とが混在する状況は、移動端末と非移動端末とが混在する場合が多い。
時変動端末と非時変動端末とが混在している図7(a)に示す状態では、非時変動端末MT1〜MT3は、図7(b)に示すように、同一タイムスロットTS#1で空間的に多重化(SDMA)されるが、時変動端末MT4は、非時変動端末MT1〜MT3とは別のタイムスロットTS#2で単独に送信される。
ここで、全ての端末が非時変動端末である状態から、1つの端末が時変動端末となった場合には、単位時間当たりの伝送速度が低下することとなる。すなわち、全ての端末が非時変動端末である場合には、全ての端末が全てのタイムスロットを使用できるところ、一部の端末が時変動端末となった場合には、非時変動端末と時変動端末がそれぞれ異なるタイムスロットを使用することになるため、一方の端末から見ると使用できるタイムスロットがそれまでの半分になる。従来技術では、一般に、変調多値度を上げることにより、単位時間当たりの伝送速度を一定に保つ。例えば、全ての端末MT1〜MT4が非時変動端末である場合にMQAM変調で伝送しているとすると、1つの端末MT4が移動を始め、占有時間が2倍となる図8(a)の場合には、同図(b)に示すように、MQAM変調で伝送するのである。多値度は、MからMになる。
上述した従来技術は、アクセスポイントの総送信電力を一定値以下にする必要性から生じる課題を有する。当該アクセスポイントから他のアクセスポイントにより構成されるセルへの与干渉回避のため、アクセスポイントの総送信電力は、一定値以下でなければならない。一方、各ユーザの受信電力を同一にする場合、各ユーザに対する送信電力は、一般に異なる。非時変動ユーザと時変動ユーザとは、異なるタイムスロットで送信されるので、各タイムスロットで総送信電力を一定値以下にしなければならない必要条件から、例えば、一方のグループのユーザの数が少なく、アクセスポイントに許容された最大の総送信電力を使用する必要がなく、他方のグループのユーザ数が多く、アクセスポイントに許容された最大の総送信電力でも不足する場合に、後者の受信電力が小さくなり、通信品質が低下する。すなわち、両者で送信電力を分配して、各ユーザの受信電力を同一にすることはできない。つまり、非時変動ユーザと時変動ユーザとで受信電力は、異なり、受信電力の小さいユーザの誤り率特性は劣化する。従来技術の課題は、非時変動ユーザと時変動ユーザの受信電力の差を小さくし、受信電力の小さいユーザの誤り率特性の劣化を小さくすることである。
以下に、上述した従来技術の課題を、数式を用いて詳細に説明する。まず、2ユーザに限定して説明する。非時変動ユーザをユーザ1、時変動ユーザをユーザ2とする。その時、ユーザ1、2の受信信号は次式(1)、(2)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
ここで、Δhは時変動成分を表している。送信ウエイトW、Wは、以下の数式(3)、(4)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
各ユーザの送信ウエイトは、最大比合成のウエイトであり、送信電力を一定とするために、正規化されている。送信ウエイトの式を受信信号の式に代入すると、受信信号は、以下の式であらわされる。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
以上の数式から分かるように、時変動があっても、各ユーザの受信信号には、各ユーザの情報データしか含まれておらず、時変動が存在しても他のユーザの情報データが含まれることはなく、時変動にロバストであるといえる。一般に時変動成分であるΔhのフロベニウスノルムは、チャネルhのフロベニウスチャネルより小さいので、ユーザ1(非時変動ユーザ)とユーザ2(時変動ユーザ)とでは、受信電力が各チャネルのフロベニウスノルムに(ほぼ)比例することが分かる。各チャネルのフロベニウスノルムは、一般に異なるので、各ユーザの受信電力は一般に異なる。
次に3ユーザ以上の場合の従来方式を説明する。非時変動ユーザを表す添字としてNV、時変動ユーザを表す添字としてVを用いる。その時、非時変動ユーザと時変動ユーザの受信信号は以下の式であらわされる。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
ここで、Δhは時変動成分を表している。送信ウエイトWNV、Wは、次式(9)、(10)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
非時変動ユーザはSDMAを行い、逆行列が送信ウエイトとした。MMSE基準の送信ウエイトも適用できるが、ここでは、ZF基準の送信ウエイトを用いている。送信ウエイトの式を受信信号の式に代入すると、受信信号は、以下の数式(11)、(12)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
以上の数式から分かるように、時変動があっても、各ユーザの受信信号には、各ユーザの情報データしか含まれておらず、時変動が存在しても他のユーザの情報データが含まれることはなく、時変動にロバストであると言える。しかしながら、各ユーザの受信電力は、非時変動ユーザと時変動ユーザとのチャネルに依存するので、各ユーザの受信電力は一般に異なる。
図9は、上述した従来方式による送受信方法を説明するための概念図である。図9では、3ユーザの場合を表しており、ユーザ1・2が非時変動ユーザ、ユーザ3が時変動ユーザである。なお、図9において、タイムスロットTS#1では、ユーザ3にユーザ1・2の信号が漏れ込んでいることが示されているが、タイムスロットTS#1では、ユーザ3にヌルを向けるような送信ウエイトではないことによる漏れ込みに、時変動による漏れ込みが加わるためである。
また、タイムスロットTS#2において、ユーザ1・2にユーザ3の信号が漏れ込んでいるが、タイムスロットTS#2における送信ウエイトは、ユーザ3に最大比合成するような送信ウエイトであるためである。タイムスロットTS#1においては、ユーザ3の受信信号は何ら復号に関係しないし、タイムスロットTS#2においては、ユーザ1・2の受信信号は何ら復号に関係しないから、ユーザの復号に対して何ら影響を与えることはない。
従来技術によるマルチユーザMIMOでは、移動する端末(時変動端末)がいる場合に、当該時変動端末がアンテナの指向性におけるヌル方向から外れる場合に、干渉が生じる。これを解決するために、時変動端末と非時変動端末とをそれぞれグループ化して、異なるタイムスロットで通信する時分割多重方式を採用する技術が提案されていた。
しかしながら、かかる従来技術では、各グループで多重化する端末数が異なることから、送信局の総送信電力を一定としたときに、受信電力が小さくなる端末が生じる。このため、時変動ユーザと非時変動ユーザの受信電力の差が大きくなり、その結果、誤り率特性の差が大きくなり、受信電力の小さいユーザの誤り率特性が劣化するというという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、非時変動ユーザと時変動ユーザとの受信電力の差を小さくし、誤り率特性の差を小さくすることができる無線通信方法、及び無線通信システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、送信局と複数の受信局の間で指向性を有するアンテナを用いて時分割で無線通信を行う無線通信システムであって、前記送信局は、前記複数の受信局を第1のグループと第2のグループとに分割し、同一のグループに属する各受信局に対しては、各受信局を宛先とする信号が他の受信局が受信しないように送信信号の指向性を形成する指向性形成手段と、前記指向性形成手段によって形成された指向性を有する送信信号を、前記第1のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を同相(または逆相)で送信し、前記第2のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を逆相(または同相)で送信する送信手段を備え、前記第1(または第2)のグループに属する受信局は、前記2つの時間スロットで受信した信号を同相で合成して復号する同相復号手段を備え、前記第2(または第1)のグループに属する受信局は、前記2つの時間スロットで受信した信号を逆相で合成して復号する逆相復号手段を備えることを特徴とする無線通信システムである。
本発明は、上記の発明において、前記指向性形成手段は、前記各受信局に対する信号を送信する際に用いる送信ウエイトに所定の係数を乗算することにより、前記各受信局の受信信号電力を調整することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記指向性形成手段は、前記第1のグループに属する受信局として、時変動が生じない受信局を選択し、前記第2のグループに属する受信局として、時変動が生じる受信局を選択することを特徴とする
また、上述した課題を解決するために、本発明は、送信局と複数の受信局の間で指向性を有するアンテナを用いて時分割で無線通信を行うための無線通信方法であって、前記送信局が、前記複数の受信局を第1のグループと第2のグループとに分割し、同一のグループに属する各受信局に対しては、各受信局を宛先とする信号が他の受信局に受信しないように送信信号の指向性を形成する指向性形成過程と、前記送信局が、前記指向性を有する送信信号を、前記第1のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を同相(または逆相)で送信し、前記第2のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を逆相(または同相)で送信する送信過程と、前記第1(または第2)のグループに属する受信局が、前記2つの時間スロットで受信した信号を同相で合成して復号する同相復号過程と、前記第2(または第1)のグループに属する受信局が、前記2つの時間スロットで受信した信号を逆相で合成して復号する逆相復号過程とを含むことを特徴とする無線通信方法である。
本発明は、上記の発明において、前記指向性形成過程は、前記各受信局に対する信号を送信する際に用いる送信ウエイトに所定の係数を乗算することにより、前記各受信局の受信信号電力を調整することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記指向性形成過程は、前記第1のグループに属する受信局として、時変動が生じない受信局を選択し、前記第2のグループに属する受信局として、時変動が生じる受信局を選択することを特徴とする。
この発明によれば、非時変動ユーザと時変動ユーザとの受信電力の差を小さくし、誤り率特性の差を小さくすることができる。
本実施形態による無線通信方法を2ユーザに適用した場合のMU−MIMO下り回線における時変動にロバストな送受信方法を説明するための概念図である。 図1に示す場合の各ユーザの空間・時間軸への割り当てを説明するための概念図である。 本実施形態による無線通信方法を3ユーザに適用した場合の送受信方法を説明するための概念図である。 時変動がないときの従来方式と、TDMAを用いた場合の従来方式と、本発明による無線通信方法を用いた場合のビット誤り率特性(BER)を示す図である。 時変動があるときの従来方式と、TDMAを用いた場合の従来方式と、本発明による無線通信方法を用いた場合のビット誤り率特性(BER)を示す図である。 他の端末からの信号漏洩を説明するための概念図である。 移動端末を別のタイムスロットで送信する時分割多重アクセス(TDMA)方式を説明するための概念図である。 1つの端末が時変動ユーザで、他の全ての端末が非時変動端末である場合にMQAM変調で伝送する場合を説明するための概念図である。 従来方式による送受信方法を説明するための概念図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明は、無線通信、特に、マルチユーザMIMOを使った無線通信において、移動する端末が存在する場合の送信電力制御を最適化するための技術である。本発明では、時変動端末と非時変動端末とが混在する場合に、それぞれをグループ化し、かつ、タイムスロット2つをセットにして使用する。すなわち、例えば、両グループに対して第1のタイムスロットでは、通常通りに送信を行い、第2のスロットでは、時変動端末グループには第1のスロットで送信した信号と同じ信号(または逆相の信号)を送信し、非時変動端末グループには第1のスロットで送信した信号と逆相の信号(または同じ信号)を送信する。
一方、受信局においては、時変動端末は、第1のスロットで受信した信号と第2のスロットで受信した信号とを同相(又は逆相)で合成する。すなわち、時変動端末グループへの信号は、強められる一方で、非時変動端末グループへの信号は打ち消しあい、結果として、干渉を除去することができる。また、非時変動端末では、第1のスロットで受信した信号と第2のスロットで受信した信号とを逆相(又は同相)で合成することによって、非時変動端末グループの信号を強めるとともに、時変動端末グループの信号をキャンセルする。
なお、それぞれのグループにおける端末間の干渉は、マルチユーザMIMOの特徴である送信ビームフォーミングによって、キャンセルされることが前提である。このような構成にすることで、時変動端末および非時変動端末がタイムスロットですみ分けることがないため、タイムスロットごとの端末数の偏りが生じることなく、従来技術の問題であった受信電力が小さくなる端末が発生するという問題が解消される。また、受信した信号を同相又は逆相で合成し、干渉となる信号が打ち消し合うことによって、時変動端末と非時変動端末間の干渉も生じない。
本発明の目的は、時変動ユーザが存在するときに、時変動ユーザと非時変動ユーザの誤り率特性の不均衡が生じないようにすることである。従来技術には、時変動ユーザと非時変動ユーザとの受信電力の差が大きくなり、その結果、誤り率特性の差が大きくなり、受信電力の小さいユーザの誤り率特性が劣化するという課題があった。そこで、本発明は、非時変動ユーザと時変動ユーザとの受信電力の差を小さくし、誤り率特性の差を小さくする技術を提案する。以下、本発明について具体的に説明する。
最初に、本発明では、送信ウエイトを乗算して、ビーム形成を行う。そのビームは、非時変動ユーザに対しては、時変動ユーザにヌルを向けることなく、他の非時変動ユーザに対しては、ヌルを向けるビームである。また、時変動ユーザに対しては、最大比合成ビームである。
本発明の特徴は、同一情報のシンボルを複数の時間スロットにわたり、2回送信することである。そのとき、非時変動ユーザは、同位相(逆位相)で送信し、時変動ユーザは、逆位相(同位相)で送信する。受信動作は、2つの時間スロットで送信された2つのシンボルを合成することにより、実行される。そのとき、非時変動ユーザは、同位相(逆位相)で合成し、時変動ユーザは、逆位相(同位相)で合成する。
以上の動作により、非時変動ユーザ、時変動ユーザ共に、自分宛の信号を正しく受信することができる一方、時変動ユーザ/非時変動ユーザに漏洩してくる非時変動ユーザ/時変動ユーザの信号は、複数シンボルにわたって、同位相(逆位相)/逆位相(同位相)で受信されるので、時変動ユーザ/非時変動ユーザの受信動作である同位相(逆位相)/逆位相(同位相)合成時にキャンセルされる。この効果により、時変動ユーザは、伝搬環境が変わっても、非時変動ユーザからの干渉を回避することができる。
図1は、本実施形態による無線通信方法を2ユーザに適用した場合のMU−MIMO下り回線における時変動にロバストな送受信方法を説明するための概念図である。また、図2(a)、(b)は、図1に示す場合の各ユーザの空間・時間軸への割り当てを説明するための概念図である。図1、図2(a)、(b)には、全ユーザ数が2つであり、1つの時変動ユーザが存在するときの例を示している。MT1は非変動ユーザ(端末)であり、MT2が時変動ユーザ(端末)である。
タイムスロットTS#1とタイムスロットTS#2では、同一の情報が伝送されるため、伝送速度を一定に保つために、変調多値度をMからMにしなければならない。図1に示すように、非時変動ユーザMT1は、タイムスロットTS#1とタイムスロットTS#2で、同位相で送信する。また、時変動ユーザMT2は、タイムスロットTS#1とタイムスロットTS#2で、逆位相で送信する。
以上の動作を、数式を用いて説明する。まず、ユーザ数を2に限定して説明する。また、以下の説明において、非時変動ユーザを同相送信・合成復号し、時変動ユーザを逆相送信・合成復号する場合を例示する。非時変動ユーザをユーザ1、時変動ユーザをユーザ2とする。そのとき、ユーザ1、2の受信信号を要素とする受信ベクトルrは、次式(13)で表される。
Figure 0005425121
ここで、チャネルHは、次式(14)で表される。
Figure 0005425121
また、送信ウエイトは、次式(15)で表される。
Figure 0005425121
ここで、送信ウエイトがチャネル行列の複素共役転置に電力配分行列D(対角行列)を乗算した形となっているのは、2ユーザの場合には、非時変動ユーザ数も1なので、非時変動ユーザに対する送信ウエイトが最大比合成送信ウエイトとなるからである。
タイムスロットTS#1、TS#2では、次式(16)、(17)で表される信号が送信される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
、Sは、ユーザ1、2の情報シンボルである。タイムスロットTS#1、TS#2の受信信号ベクトルは、次式(18)、(19)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
但し、次式(20)が成立するとした。
Figure 0005425121
ユーザ1、2の受信信号は、タイムスロットTS#1、TS#2において、次式(21)〜(24)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
Figure 0005425121
Figure 0005425121
ユーザ1、2の復号信号は、タイムスロットTS#1、TS#2において同相/逆相合成で復号される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
以上の数式から分かるように、時変動があっても、各ユーザの受信信号には、各ユーザの情報データしか含まれておらず、時変動が存在しても他のユーザの情報データが含まれることはなく、時変動にロバストであると言える。
また、電力配分行列Dを、以下の式が満たされるように設定することにより、Δhは、一般に小さな値なので、ユーザ1、2の復号信号の電力の差を小さくできる。なお、Δhが0であるときには、完全に電力の差は0になる。さらに、以下の数式(27)では、送信ウエイトのフロベニウスノルムが1になる。
Figure 0005425121
次に、3ユーザ以上の場合について説明する。
図3は、本実施形態による無線通信方法を3ユーザに適用した場合の送受信方法を説明するための概念図である。非時変動ユーザを表す添字としてNV、時変動ユーザを表す添字としてVを用いる。そのとき、非時変動ユーザと時変動ユーザとの受信信号を構成要素とする受信ベクトルは、次式(28)で表される。
Figure 0005425121
ここで、チャネル行列Hは、次式(29)で表される。
Figure 0005425121
また、送信ウエイトは、次式(3)で表される。
Figure 0005425121
ここで、送信ウエイトは、非時変動ユーザに対しては、非時変動ユーザのチャネル行列の逆行列となっており、時変動ユーザに対しては、最大比合成送信ベクトルとなっている。
タイムスロットTS#1、TS#2では、次式(31)、(32)で表される信号が送信される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
NV、sは、非時変動ユーザ、時変動ユーザの情報シンボルベクトル、スカラーである。タイムスロットTS#1、TS#2の受信信号ベクトルは、次式(33)、(34)で表される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
但し、次式(35)が成立するとした。
Figure 0005425121
非時変動ユーザ、時変動ユーザの復号信号は、タイムスロットTS#1、TS#2において同相/逆相合成で復号される。
Figure 0005425121
Figure 0005425121
以上の数式から分かるように、時変動があっても、各ユーザの受信信号には、各ユーザの情報データしか含まれておらず、時変動が存在しても他のユーザの情報データが含まれることはなく、時変動にロバストであると言える。
また、電力配分行列Dを、次式(38)にすることにより、Δhは、一般に小さな値なので、非時変動ユーザ、及び時変動ユーザの復号信号の電力の差を小さくできる。なお、Δhが0であるときには、完全に電力の差は0になる。
Figure 0005425121
上述した本実施形態によれば、単なるSDMAのビーム形成で送信した場合と異なり、時変動にロバストであるが、送信電力を非時変動ユーザ、及び時変動ユーザの中で配分できるので、非時変動ユーザ、及び時変動ユーザの受信電力の差を小さくできる。従来技術による移動端末を別のタイムスロットで送信する時分割多重アクセス(TDMA)方式を用いた場合でも、小さな受信電力のユーザの受信電力を増大させることができる。
本実施形態の効果を計算機シミュレーションにより検証した。変調方式は、1タイムスロットでビームフォーミングで送信する従来法ではQPSKを用い、本実施形態、またはTDMAの場合には16QAMを用いた。
図4は、時変動がないときの従来方式と、TDMAを用いた場合の従来方式と、本発明による無線通信方法を用いた場合のビット誤り率特性(BER)を示す図である。図4には、送信アンテナ数=6:非時変動ユーザ数=3:時変動ユーザ数=1のときの時変動がない場合のZF基準のチャネルインバージョン送信ウエイトを用いた場合の従来方式と、時変動ユーザに別のタイムスロットを用いるTDMAを用いた場合の従来方式と、本発明を用いた場合のビット誤り率特性(BER)が示されている。
図5は、時変動があるときの従来方式と、TDMAを用いた場合の従来方式と、本発明による無線通信方法を用いた場合のビット誤り率特性(BER)を示す図である。ここでは、時変動を(H+ΔH)/|H+ΔH|で与えている。H・ΔHともにi.i.d.チャネルで、|ΔH|/|H|=0.1としている。図9から、チャネルインバージョン送信ウエイトを用いた場合の従来方式のBERでは、時変動によりBER特性が著しく劣化していることが分かる。
一方、時変動ユーザに別のタイムスロットを用いるTDMAを用いた場合の従来方式のBERでは、時変動によりBER特性が(ほとんど)劣化していないが、非時変動ユーザと時変動ユーザとでBER特性に大きな差異があることが分かる。本発明によるBERは、時変動によりBER特性が(ほとんど)劣化しておらず、非時変動ユーザと時変動ユーザとでBER特性に大きな差異がないことが分かる。
これに対して、本発明による非時変動ユーザのBER特性は、TDMAの非時変動ユーザのBER特性より改善している。つまり、本発明では、非時変動・時変動ユーザのBER特性の差を小さくでき、従来法では悪かった、ユーザのBER特性を改善させることができる。
このように、発明のポイントは、1つの時変動ユーザが存在した場合、2つのタイムスロットで、同一情報を非時変動ユーザ/時変動ユーザは同相/逆相で送信し、復号は、逆相/同相合成することにより、互いに漏れ込んでくる干渉成分を完全にキャンセルすることである。この効果により、時変動による干渉成分を完全にキャンセルすることができ、時変動にロバストな伝送が実現できる。さらに、非時変動・時変動ユーザの中での電力配分が可能であり、非時変動・時変動ユーザの受信電力の差を小さくすることができることもポイントである。
MT1〜MT3 端末
AP アクセスポイント

Claims (6)

  1. 送信局と複数の受信局の間で指向性を有するアンテナを用いて時分割で無線通信を行う無線通信システムであって、
    前記送信局は、
    前記複数の受信局を第1のグループと第2のグループとに分割し、同一のグループに属する各受信局に対しては、各受信局を宛先とする信号が他の受信局が受信しないように送信信号の指向性を形成する指向性形成手段と、
    前記指向性形成手段によって形成された指向性を有する送信信号を、前記第1のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を同相(又は逆相)で送信し、前記第2のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を逆相(又は同相)で送信する送信手段を備え、
    前記第1(又は第2)のグループに属する受信局は、
    前記2つの時間スロットで受信した信号を同相で合成して復号する同相復号手段を備え、
    前記第2(又は第1)のグループに属する受信局は、
    前記2つの時間スロットで受信した信号を逆相で合成して復号する逆相復号手段を備える
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記指向性形成手段は、
    前記各受信局に対する信号を送信する際に用いる送信ウエイトに所定の係数を乗算することにより、前記各受信局の受信信号電力を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記指向性形成手段は、
    前記第1のグループに属する受信局として、時変動が生じない受信局を選択し、前記第2のグループに属する受信局として、時変動が生じる受信局を選択する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
  4. 送信局と複数の受信局の間で指向性を有するアンテナを用いて時分割で無線通信を行うための無線通信方法であって、
    前記送信局が、前記複数の受信局を第1のグループと第2のグループとに分割し、同一のグループに属する各受信局に対しては、各受信局を宛先とする信号が他の受信局に受信しないように送信信号の指向性を形成する指向性形成過程と、
    前記送信局が、前記指向性を有する送信信号を、前記第1のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を同相(又は逆相)で送信し、前記第2のグループに属する受信局に対しては、2つの時間スロットで同じ情報を逆相(又は同相)で送信する送信過程と、
    前記第1(又は第2)のグループに属する受信局が、前記2つの時間スロットで受信した信号を同相で合成して復号する同相復号過程と、
    前記第2(又は第1)のグループに属する受信局が、前記2つの時間スロットで受信した信号を逆相で合成して復号する逆相復号過程と
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  5. 前記指向性形成過程は、
    前記各受信局に対する信号を送信する際に用いる送信ウエイトに所定の係数を乗算することにより、前記各受信局の受信信号電力を調整することを特徴とする請求項4に記載の無線通信方法。
  6. 前記指向性形成過程は、
    前記第1のグループに属する受信局として、時変動が生じない受信局を選択し、前記第2のグループに属する受信局として、時変動が生じる受信局を選択することを特徴とする請求項4または5に記載の無線通信方法。
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