JP5424746B2 - 自動車用ボード - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用ボードに関する。
近年、地球温暖化防止、特には二酸化炭素の削減の理由から、植物由来材料を用いた製品が注目されている。このような製品は、廃棄、焼却等により、通常二酸化炭素を発生させるが、植物由来材料は、その生育過程において二酸化炭素を吸収し固定化するため、植物由来材料の焼却等により二酸化炭素が発生しても、地球全体に存在する二酸化炭素の総量は変化しないと考えられる(このような現象を、「カーボンニュートラル」と言う。)。そして、家電、自動車、包装材料等の各分野で活発な植物由来材料を用いた製品の開発が盛んに試みられている。
これらの中でも、自動車用の製品として自動車用内装基材は、地球環境の保全、特には廃棄処理に十分対処でき、また、製造が容易であることが重要である。また、乗員が接触した時に違和感を受けることがなく、さらには、例えば天井基材であれば垂れ下がりを防止することが重要である。そこで、自動車用内装基材としては、例えば下記<1>〜<5>の各繊維複合樹脂品を利用することができる。
<1>:フェノール樹脂を、例えば麻、綿等の植物繊維中にバインダーとして分散させて成形型により、加熱及び加圧して所望の凹凸形状に成形した後、これを例えば不織布、ファブリック等の表皮材とともに接着型にセットし、接着剤を用いて該表皮材を接着させたもの。
<2>:ガラスファイバー充填発泡PP(ポリプロピレン)樹脂を、例えば不織布、ファブリック等の表皮材とともに型内発泡成形することにより、一体成形したもの。
<3>:例えばスチレン等の発泡板状材の両面に接着剤を用いてフィルム層を設けてなる発泡体サンドイッチ構造としたもの。
<4>:スラブウレタンをコアとし、その両面にガラスマットを接着剤で接着し、その外側に例えば不織布、ファブリック等の表皮材を接着剤で接着したもの。
<5>:例えば変性PPO(ポリフェニレンオキシド;登録商標)樹脂、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂等の剛性の高い所謂エンジニアリングプラスチック発泡体をコアとし、その外側に例えば不織布、ファブリック等の表皮材を接着剤で接着したもの。
また、例えば、特許文献1には、繊維にて強化したエポキシ樹脂複合材料が記載されており、具体的には、リグノセルロース物質とフェノール類との反応により合成したエポキシ樹脂を、繊維にて強化する技術が開示されている。
さらに、例えば特許文献2には、非石油由来の原料にポリフェノールを有する樹脂を添加すると共に、イミダゾール類を添加して混練して得た混合物を熱処理により三次元架橋してなる絶縁性高分子材料組成物が開示されている。
特開2006−63271号公報 特開2007−31498号公報
しかしながら、上記の従来の繊維複合樹脂品を例えば自動車用内装基材として利用する場合、次のような課題が生じることがある。
例えば、上記<1>のフェノール樹脂をバインダーとして用いた繊維複合樹脂品の製造方法では、通常、ホルマリンとフェノール類とを酸触媒下で反応させて得られたフェノール樹脂に対し、ヘキサメチレンテトラミン(硬化剤;加熱するとアンモニア及びホルムアルデヒドを発生)を用いて硬化させる。そのため、得られる内装基材がフェノール樹脂由来及び硬化剤由来のホルムアルデヒドを含有することがあり、このようなホルムアルデヒドが揮発し、自動車室内環境を悪化させる可能性がある。しかも、生産性を上げるためアンダーキュア気味(硬化不十分)な状態で内装基材の成形を完了させるため、さらに未反応のホルムアルデヒドが大量に存在することがある。そして、このような自動車用内装基材は、VOC(揮発性有機物)発生量が自動車業界自主規制を満たさないので、使用ができなくなっている。
また、上記<2>による内装基材の場合、所望の剛性を得るために厚くて重いものになることがあったり、熱成形後の寸法収縮が大きくなったりする等の課題がある。さらに、ガラスファイバーを含むので、廃棄の際に燃焼すると焼却炉の壁に付着し、焼却炉に損傷を与える可能性があり、また、粉砕溶融してリサイクルを試みてもガラスファイバーが切断してしまい、リサイクルが難しいという課題もある。
そして、上記<3>による内装基材の場合、得られるシートが通常熱可塑性樹脂発泡体であるために中心部までの均一な加熱が困難である可能性がある。また、加熱等の昇温によりシートがドローダウンする等の加熱条件が特に厳しいことがある。そこで、例えばインフラスタインヒーター等の高精度な温度制御装置のような高価な加熱設備を必要とすることがあるので、イニシャルコストが高く、また製品の熱成形後の寸法収縮が大きくなったりする等の課題もある。さらに、発泡剤として有機溶剤を通常は含んでおり、成形後も有機溶剤が微量残存するため、自動車室内における有機溶剤等のVOCが増加することがある。
さらに、上記<4>による内装基材では、通常は熱硬化性樹脂であるウレタンを用い、しかも、ガラスマットも使用しているため、リサイクルが難しいことが多い。さらに、廃棄等の際に燃焼すると、焼却炉の壁にガラスマットが付着し、焼却炉に損傷を与える可能性がある。また、触媒である有機アミン等のVOCが発生する可能性もある。
また、上記<5>による内装基材では、通常、高価なエンジニアリングプラスチック発泡体を使用するため、内装基材の製造コストが高価となる傾向がある。
また、上記<1>〜<5>による内装基材では、いずれも石油由来材料を用いており、廃棄埋め立てしても分解せず、焼却しても地球上の二酸化炭素を増加させる環境問題を招くことがある。また、<2>〜<4>による内装基材では、熱変形温度が低く、例えばサンルーフ等の直射日光の照射される部位では使用できない傾向がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、自動車用ボードとして、地球温暖化防止、特に燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素の削減に十分対処でき、剛性の高く、更には、耐熱変形性の高く、VOC発生量が少ない自動車用ボードを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、自動車用ボードに用いられるフェノール樹脂及びエポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方をバイオマス由来樹脂とすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合して同一系内に存在させた後、硬化成形してなるとともに、該フェノール樹脂及び該エポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方がバイオマス由来樹脂であることを特徴とする、自動車用ボードに存する(請求項1)。
この時、該フェノール樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂であることが好ましい(請求項2)。
さらに、該エポキシ樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂と、エピクロロヒドリンと、を反応させて得られたバイオマス由来エポキシ樹脂であることが好ましい(請求項3)。
また、該でんぷんが、青酸成分を含むキャッサバいも由来であることが好ましい(請求項4)。
さらに、該でんぷん1質量部に対し、フェノール類が2質量部以上20質量部以下であることが好ましい(請求項5)。
また、JIS K 5902及びJIS K 2207に記載の方法に従って測定した、該バイオマス由来フェノール樹脂の軟化点が100℃以上130℃以下であることが好ましい(請求項6)。
さらに、該植物繊維が、竹繊維、綿繊維、麻繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維であることが好ましい(請求項7)。
そして、該植物繊維が50質量%以上95質量%以下の割合で含まれていることが好ましい(請求項8)。
本発明によれば、自動車用ボードとして、地球温暖化防止、特に燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素の削減に十分対処でき、剛性の高く、更には、耐熱変形性の高く、VOC発生量が少ない自動車用ボードを提供することができる。
本発明の一実施形態として、本発明の自動車用ボードを用いた天井基材1を車両に装着した状態の切欠斜視図である。 図1の天井基材1の拡大切欠断面図であって、(a)はその要部切欠拡大断面図、(b)は変形例の要部切欠拡大断面図である。 図1の天井基材1の第1の成形工程説明図である。 図1の天井基材1の成形工程中で乾式の繊維積層法を行うために用いるカード装置の概略斜視図である。 図1の天井基材1の第2の成形工程説明図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々に変更して実施することができる。
[1.自動車用ボードの製造]
本発明の自動車用ボードは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合して硬化成形してなるとともに、該フェノール樹脂及び該エポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方がバイオマス由来樹脂であるものである。本発明の自動車用ボードにおいては、その製造の際にエポキシ樹脂硬化反応を利用するため、フェノール樹脂硬化反応に通常用いられるヘキサメチレンテトラミンを使用しない。従って、本発明の自動車用ボードはヘキサメチレンテトラミンを含むことがないため、本発明の自動車用ボードを高温に晒してもヘキサメチレンテトラミンが熱分解して生じる例えばアンモニア、ホルムアルデヒド等が生じず、本発明の自動車用ボードは環境への負荷が非常に少ないという利点を有する。
[1−1.フェノール樹脂]
本発明に係るフェノール樹脂としては、任意のフェノール樹脂を用いることができるが、本発明の自動車用ボードに用いられるフェノール樹脂及び後述するエポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方はバイオマス由来樹脂である。中でも、本発明に係るフェノール樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂であることが好ましい。バイオマス由来フェノール樹脂は、その製造の際にホルムアルデヒドを用いる必要がないため、バイオマス由来フェノール樹脂を用いて得られた自動車用ボードは、例えばホルムアルデヒド等のVOCの発生量が極めて少なく、またカーボンニュートラルに寄与できるという利点を有する。
<バイオマス由来フェノール樹脂>
本発明に係るバイオマス由来フェノール樹脂の製造方法及びその物性は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本発明に係るバイオマス由来フェノール樹脂は、以下に記載する製造方法により得られることが望ましく、また、以下に記載する物性を有することが望ましい。
(製造方法)
バイオマス由来フェノール樹脂は任意の方法により得られるが、中でもでんぷん及びフェノール類を反応させて得られることが好ましい。バイオマス由来フェノール樹脂を得る際にでんぷんを用いることにより、地球温暖化防止、特に燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素の削減に十分に対処することができる(即ち、カーボンニュートラル)。
(でんぷん)
でんぷんは、例えば穀物に由来するものが挙げられ、具体的には、米、とうもろこし、さつまいも、じゃがいも、キャッサバいも等に由来するものが挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。これらの中でも、キャッサバいも由来のでんぷんが好ましく、青酸成分を含むキャッサバいも由来のでんぷんが特に好ましい。その理由は、キャッサバいもは、通常、例えば化学肥料、農耕機等を必要とせず、やせた土地でも生産可能であるため生産性が高く、さらに、青酸成分を含んでいるキャッサバいもは食用に適さず安価に入手でき、また、例えば発展途上国の食料不足問題、二酸化炭素削減等に対して特に効果的であるからである。また、でんぷんを用いることにより、例えば木材、竹、草本類等に含まれるセルロースに比較して、得られるバイオマス由来フェノール樹脂の構造、分子量等を厳密に制御できる。従って、バイオマス由来フェノール樹脂製造時の残渣(非可溶成分)が少なく、しかも所望の材料物性及び反応速度を得ることができるという利点が得られる。
(フェノール類)
本発明に係るバイオマス由来フェノール樹脂を製造する際に用いるフェノール類は、ベンゼン環に直接水酸基が結合した構造を有する限り任意であるが、フェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノール、クミルフェノール、メトキシフェノール、ブロモフェノール等が挙げられる。なお、これらの化合物は、例えばオルト、メタ、パラ、n−、2−、iso−、tert−等のいずれの異性体であってもよい。
これらの中でも、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノール、クミルフェノール、メトキシフェノール、ブロモフェノールが好ましく、中でも、フェノール及びクレゾールが好ましい。フェノール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(反応)
バイオマス由来フェノール樹脂は、通常、でんぷんとフェノール類とを反応させて得られる。反応条件としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
(反応量)
でんぷんとフェノール類との反応量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、でんぷん1質量部に対し、フェノール類が通常2.0質量部以上、好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、また、その上限は、通常20質量部以下、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下であることが望ましい。フェノール類の量が上記範囲内にある場合、反応率を高くすることができ、また、分子量を高くすることができる。さらに、得られるフェノール樹脂の植物由来度(後述する)を十分なものにすることもできる。
(反応温度)
でんぷんとフェノール類とを反応させる際の温度としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、また、その上限は、通常220℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下であることが望ましい。温度が低すぎる場合、フェノール樹脂の樹脂化が不十分で硬化特性を十分に発現できない可能性があり、高すぎる場合、得られるフェノール樹脂が過分解し、やはり十分な硬化特性が発現できない可能性がある。
(触媒)
反応時の触媒としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。触媒の具体例としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等が挙げられ、中でも硫酸、パラトルエンスルホン酸が好ましく、パラトルエンスルホン酸が特に好ましい。なお、触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(物性)
本発明に係るバイオマス由来フェノール樹脂は、例えば上記の製造方法により、得ることができる。本発明に係るバイオマス由来フェノール樹脂の植物由来度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であることが望ましい。植物由来度が低すぎる場合、燃焼時の二酸化炭素削減効果が小さくなる可能性がある。なお、植物由来度は、以下の式(A)に基づいて算出することが出来る。
Figure 0005424746
バイオマス由来フェノール樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常800以上、好ましくは1000以上、より好ましくは1200以上、また、その上限は、通常3000以下、好ましくは2500以下、より好ましくは2000以下である。粘度平均分子量が小さすぎる場合、自動車用ボードに要求される機械特性が十分に得られない可能性があり、大きすぎる場合、成形性が悪くなりやはり機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
また、バイオマス由来フェノール樹脂の数平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常300以上、好ましくは400以上、より好ましくは500以上、また、その上限は、通常1000以下、好ましくは900以下、より好ましくは800以下である。数平均分子量が小さすぎる場合、自動車用ボードに要求される機械特性が十分に得られない可能性があり、大きすぎる場合、成形性が悪くなりやはり機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、数平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
バイオマス由来フェノール樹脂の軟化点は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100℃以上、好ましくは105℃以上、より好ましくは110℃以上、また、その上限は、通常130℃以下、好ましくは125℃以下、より好ましくは120℃以下である。軟化点が低すぎる場合、設備(ホッパー)内でブロッキングする(即ち、バイオマス由来フェノール樹脂同士が接着し、塊状になる)可能性があり、高すぎる場合、融着しない(即ち、バイオマス由来フェノール樹脂が熱溶融せず、植物繊維同士を接着させることができない)可能性がある。なお、軟化点は、例えばJIS K 5902及びJIS K 2207の方法に従って測定することができる。
さらに、バイオマス由来フェノール樹脂のゲル化時間も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常80秒以上、好ましくは100秒以上、より好ましくは120秒以上、また、その上限は、通常200秒以下、好ましくは180秒以下、より好ましくは160秒以下である。ゲル化時間が短すぎる場合、植物繊維間にバイオマス由来フェノール樹脂が十分浸透せず、自動車用ボードとしての機械特性が十分に得られない可能性があり、長すぎる場合、製造時間が長くなるため生産性が悪くなる可能性がある。なお、ゲル化時間の測定は、例えばJIS K 6910−1995の方法に基づいて行うことができる。
また、バイオマス由来フェノール樹脂の流動性も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、バイオマス由来フェノール樹脂のフローとして、通常5mm以上、好ましくは15mm以上、より好ましくは25mm以上、また、その上限は、通常50mm以下、好ましくは40mm以下、より好ましくは35mm以下である。フローが短すぎる場合、植物繊維間にバイオマス由来フェノール樹脂が十分浸透せず、自動車用ボードとしての機械特性が十分に得られない可能性があり、長すぎる場合、自動車用ボード中にバイオマス由来フェノール樹脂が均等に分散せずムラが発生し、機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、フローは、例えばJIS K 6910−1995の方法に基づいて行うことができる。
<石油由来フェノール樹脂>
なお、本発明に係るフェノール樹脂は、通常、フェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドとを反応させることにより得られる「石油由来フェノール樹脂」を用いてもよい。また、本発明に係るフェノール樹脂として、上記のバイオマス由来フェノール樹脂及び石油由来フェノール樹脂を、任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
石油由来フェノール樹脂の物性は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、中でも、上記のバイオマス由来フェノール樹脂の物性と同様の物性であることが望ましい。また、石油由来フェノール樹脂の製造方法も任意であり、例えば「フェノール樹脂」(Andre Knop/Louis Pilato著)に記載の方法に従って得ることができる。
[1−2.エポキシ樹脂]
本発明に係るエポキシ樹脂としては、任意のエポキシ樹脂を用いることができるが、上記のように、本発明の自動車用ボードに用いられるフェノール樹脂及びエポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方はバイオマス由来樹脂である。従って、本発明に係るエポキシ樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂と、エピクロロヒドリンと、を反応させて得られたバイオマス由来エポキシ樹脂であることが好ましい。
<バイオマス由来エポキシ樹脂>
本発明に係るバイオマス由来エポキシ樹脂の物性及びその製造方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本発明に係るバイオマス由来エポキシ樹脂は、以下に記載する製造方法により得られることが望ましく、また、以下に記載する物性を有することが望ましい。
(製造方法)
バイオマス由来エポキシ樹脂は任意の方法で得られるが、上記のように、バイオマス由来エポキシ樹脂は、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂と、エピクロロヒドリンと、を反応させて得られるものであることが好ましい。バイオマス由来エポキシ樹脂を得る際にでんぷんを用いることにより、地球温暖化防止、特に燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素の削減に十分に対処することができる(即ち、カーボンニュートラル)。
バイオマス由来エポキシ樹脂を得る際に用いられるバイオマス由来フェノール樹脂の製造方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば[1−1.フェノール樹脂]に記載のバイオマス由来フェノール樹脂の製造方法に従って製造することができる。
また、バイオマス由来フェノール樹脂の物性も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、中でも、[1−1.フェノール樹脂]に記載のバイオマス由来フェノール樹脂の物性を満たすことが好ましい。
上記のように、バイオマス由来フェノール樹脂とエピクロロヒドリンとを反応させることによりバイオマス由来フェノール樹脂を得ることが好ましい。この際、バイオマス由来フェノール樹脂とエピクロロヒドリンとの反応割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、エピクロロヒドリンの量は、バイオマス由来フェノール樹脂の1質量部に対して、通常3質量部以上、好ましくは3.5質量部以上、より好ましくは4質量部以上、また、その上限は、通常6質量部以下、好ましくは5.5質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。エピクロロヒドリンの量が少なすぎる場合、硬化が不十分となり自動車用ボードとしての機械特性を損なう可能性があり、多すぎる場合、コスト高となり実用性を損なう可能性がある。
また、バイオマス由来フェノール樹脂とエピクロロヒドリンとを反応させる際の温度も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常90℃以上、好ましくは95℃以上、より好ましくは100℃以上、また、その上限は、通常115℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは105℃以下である。反応温度が低すぎる場合、エポキシ化反応が十分に進行せず、自動車用ボード成形時に十分な機械特性が得られない可能性があり、高すぎる場合、エポキシ基が開環してその機能を失い、成形した際に十分な機械特性が得られない可能性がある。
(触媒)
反応時の触媒としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。なお、触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(物性)
本発明に係るバイオマス由来エポキシ樹脂は、例えば上記の製造方法により、得ることができる。本発明に係るバイオマス由来エポキシ樹脂の植物由来度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10%以上、好ましくは12.5%以上、より好ましくは15%以上であることが望ましい。植物由来度が低すぎる場合、二酸化炭素削減効果が小さくなる可能性がある。なお、植物由来度は、以下の式(B)に基づいて算出することが出来る。
Figure 0005424746
バイオマス由来エポキシ樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常800以上、好ましくは1000以上、より好ましくは1200以上、また、その上限は、通常3000以下、好ましくは2500以下、より好ましくは2000以下である。粘度平均分子量が小さすぎる場合、自動車用ボードに要求される機械特性が十分に得られない可能性があり、大きすぎる場合、成形性が悪くなりやはり機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
また、バイオマス由来エポキシ樹脂の数平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常300以上、好ましくは400以上、より好ましくは500以上、また、その上限は、通常1000以下、好ましくは900以下、より好ましくは800以下である。数平均分子量が小さすぎる場合、自動車用ボードに要求される機械特性が十分に得られない可能性があり、大きすぎる場合、成形性が悪くなりやはり機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、数平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
バイオマス由来エポキシ樹脂の軟化点は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常95℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上、また、その上限は、通常125℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは115℃以下である。軟化点が低すぎる場合、設備(ホッパー)内でブロッキングする可能性があり、高すぎる場合、融着しない可能性がある。なお、軟化点は、例えばJIS K 5902及びJIS K 2207の方法に従って測定することができる。
さらに、バイオマス由来エポキシ樹脂のゲル化時間も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常90秒以上、好ましくは110秒以上、より好ましくは120秒以上、また、その上限は、通常200秒以下、好ましくは180秒以下、より好ましくは160秒以下である。ゲル化時間が短すぎる場合、植物繊維間にバイオマス由来エポキシ樹脂が十分浸透せず、自動車用ボードとしての機械特性が十分に得られない可能性があり、長すぎる場合、製造時間が長くなるため生産性が悪くなる可能性がある。なお、ゲル化時間の測定は、例えばJIS K 6910−1995の方法に基づいて行うことができる。
また、バイオマス由来エポキシ樹脂の流動性も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、バイオマス由来エポキシ樹脂のフローとして、通常10mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上、また、その上限は、通常60mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下である。フローが短すぎる場合、植物繊維間にバイオマス由来エポキシ樹脂が十分浸透せず、自動車用ボードとしての機械特性が十分に得られない可能性があり、長すぎる場合、自動車用ボード中にバイオマス由来エポキシ樹脂が均等に分散せずムラが発生し機械特性が十分に得られない可能性がある。なお、フローは、例えばJIS K 6910−1995の方法に基づいて行うことができる。
<石油由来エポキシ樹脂>
なお、本発明に係るエポキシ樹脂は、通常、上記の石油由来フェノール樹脂とエピクロロヒドリンとを反応させて得られる「石油由来エポキシ樹脂」を用いてもよい。また、本発明に係るエポキシ樹脂として、上記のバイオマス由来エポキシ樹脂及び石油由来エポキシ樹脂を、任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
石油由来エポキシ樹脂の物性は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、中でも、上記のバイオマス由来エポキシ樹脂の物性と同様の物性であることが望ましい。また、石油由来エポキシ樹脂の製造方法も任意であり、例えば「総説エポキシ樹脂」(エポキシ樹脂技術協会)に記載の方法に従って得ることができる。
[1−3.植物繊維]
本発明の自動車用ボードに用いられる植物繊維としては、植物に由来する繊維であれば任意のものを用いることができる。
植物繊維は、任意の方法で得ることができる。例えば、木材、竹、綿、麻等の植物から直接植物繊維を得てもよいし、植物繊維を含む古着等を切断することによって、植物繊維を得てもよい。
植物繊維の具体例としては、竹繊維;綿繊維;ケナフ、ヘンプ(大麻)、フラックス(亜麻)、ジュート(黄麻)、サイザル麻、ラミー(苧麻)等の麻繊維;バナナ由来繊維、ココナッツ由来繊維、パイナップル由来繊維等が挙げられる。これらの中でも、本発明に係る植物繊維としては、竹繊維、綿繊維、麻繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維であることが好ましい。竹繊維、綿繊維及び麻繊維は絡みやすく、また、繊維が細いため、植物繊維同士の隙間を小さくできる。従って、植物繊維とフェノール樹脂及び/又はエポキシ樹脂とを容易に均一に混合でき、自動車用ボードを嵩高のフェルト形状にできるという利点が得られる。
また、植物繊維として竹繊維、綿繊維、麻繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維を用いた自動車用ボードは、嵩高フェルトF1(図3(a)参照。後述する。)の成形時のハンドリング性を確保することができる。即ち、他の植物繊維を用いた場合、嵩高フェルトF1のハンドリング性が低下する可能性があり、手で持とうとしてもばらばらになるため、作業性の低下を招く可能性がある。さらに、植物繊維としてこれらの繊維を用いた場合、加熱プレス(図3(c)参照。後述する。)時の深絞り成形性を確保することができる。
ただし、竹繊維は、その繊維径が通常50μm以上500μm以下であって、綿繊維、麻繊維等よりも繊維の太さが通常は太い。従って、竹繊維を含む自動車用ボードを例えば加熱等して深絞り成形した場合、表面に竹繊維が突き出して、微細な凹凸を形成し、天井表面に触れた乗員が違和感(いわゆる、ざらつき)を覚えることがある。しかしながら、このような場合であっても、自動車用ボードに、竹繊維の他に、綿繊維及び/又は麻繊維を混合することにより、乗員が接触した時に感じるざらつきを抑制することが出来る。従って、本発明の自動車用ボードに用いる植物繊維として竹繊維を用いる場合には、綿繊維及び/又は麻繊維を併用することがより好ましく、中でも、本発明の自動車用ボードに用いる植物繊維としては、綿繊維及び/又は麻繊維を用いることが好ましい。
なお、植物繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
植物繊維を所望の繊維長とするためには、任意の方法、装置等を用いることができる。例えば、人手によって植物繊維を所望の繊維長を有するように切断してもよく、また、解繊機等の装置を用いて切断してもよい。
[1−4.混合及び硬化成形]
(混合)
本発明の自動車用ボードは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合して硬化成形してなる。混合の順番は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、例えば、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を混合して得られたバイオマス由来エポキシ樹脂組成物に対し、植物繊維を混合してもよい。また、例えば、フェノール樹脂及び植物繊維を混合した組成物を予め調製し、当該組成物にエポキシ樹脂を混合してもよい。即ち、硬化成形の際に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維が同一系内に存在していればよい。なお、上記のように、本発明においては、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方がバイオマス由来樹脂である。従って、例えばバイオマス由来エポキシ樹脂組成物を調製する場合、当該バイオマス由来エポキシ樹脂組成物の植物由来度は、通常10%以上、好ましくは12.5%以上、より好ましくは15%以上であることが望ましい。植物由来度が低すぎる場合、二酸化炭素削減効果が小さくなる可能性がある。植物由来度は、上記式(B)に基づいて算出することが出来る。
植物繊維の含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、自動車用ボードに対し、通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、また、その上限は、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
植物繊維の混合量がこの範囲にあることにより、本発明の自動車用ボードを例えば天井基材として成形して用いた場合に垂れ下がりにくく、かつ、通常600MPa以上の弾性率を確保することができるという、高い剛性及び衝撃強度を両立することができる。また、植物繊維同士を互いに接着させ、しかも、自動車用ボードの表面をより滑らかにすることもできる。さらに、自動車用ボードのハンドリング性に優れ、作業性が向上するという利点も得られる。更に、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂と植物繊維とが強固に接着するため、保形性を十分に保持し、深絞りの三次元形状の自動車用ボードを容易に得ることができる。
一方で、植物繊維の混合量が少なすぎる場合、自動車用ボードは脆くなり、衝撃強度を確保できない可能性がある。また、植物繊維の混合量が多すぎる場合、植物繊維同士を結着させることができず、自動車用ボードが脆弱となる可能性がある。
混合するフェノール樹脂及びエポキシ樹脂の割合も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、エポキシ樹脂の量が、フェノール樹脂とエポキシ樹脂との合計100質量部に対して、通常20質量部以上、好ましくは23質量部以上、より好ましくは26質量部以上、また、その上限は、通常85質量部以下、好ましくは80質量部以下、より好ましくは75質量部以下である。エポキシ樹脂の量が少なすぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、多すぎる場合、原料コストが高くなる可能性がある。
フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合(以下、これらの混合物を適宜「自動車用ボード組成物」と言う。)して硬化成形する際、自動車用ボード組成物には必要に応じて硬化促進剤が含まれていてもよい。なお、硬化促進剤は1種を単独で含んでもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで含んでもよい。
硬化促進剤の含有量は、自動車用ボードの成形条件によって異なるため一概には言えないが、自動車用ボード組成物に対して、通常0.010質量%以上、好ましくは0.015質量%以上、より好ましくは0.020質量%以上、また、その上限は、通常0.055質量%以下、好ましくは0.050質量%以下、より好ましくは0.045質量%以下である。硬化促進剤の量が少なすぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、多すぎる場合、原料コストとなる可能性がある。
硬化促進剤の具体例としては、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化促進剤;トリフェニルホスフィン等のリン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの中でも、2−フェニルイミダゾールが好ましい。
また、必要に応じて、自動車用ボード組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、上記の植物繊維以外の繊維が含まれていてもよい。
(硬化成形)
上記の自動車用ボード組成物を硬化成形することにより、本発明の自動車用ボードを得ることができる。硬化成形の方法としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば加熱プレスを用いて、加圧しながら加熱する方法等が挙げられる。また、硬化及び成形を必ずしも同時に行う必要はなく、先に例えば加熱等の方法により硬化させ、その後、改めて、例えば加熱及び加圧等の方法により成形してもよい。
例えば加熱及び加圧して硬化成形する際、成形温度としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常180℃以上、好ましくは190℃以上、より好ましくは200℃以上、また、その上限は、通常230℃以下、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。成形温度が低すぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、高すぎる場合、エポキシ樹脂の熱分解が起こり、自動車用ボードが脆弱となる可能性がある。
さらに、加圧時の圧力も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.8N/mm以上、好ましくは0.9N/mm以上、より好ましくは1N/mm以上、また、その上限は、通常1.3N/mm以下、好ましくは1.2N/mm以下、より好ましくは1.1N/mm以下である。圧力が低すぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、高すぎる場合、自動車用ボードの密度調整が困難となる可能性がある。
また、成形時間も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常30秒以上、好ましくは35秒以上、より好ましくは40秒以上、また、その上限は、通常70秒以下、好ましくは65秒以下、より好ましくは60秒以下である。成形時間が短すぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、長すぎる場合、生産性が悪くコスト高となる可能性がある。
[2.自動車用ボードの物性]
本発明の自動車用ボードの物性は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、中でも、以下に記載する物性を有することが望ましい。
(厚み)
本発明の自動車用ボードの厚みは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常2.0mm以上、好ましくは2.25mm以上、より好ましくは2.5mm以上、また、その上限は、通常3.5mm以下、好ましくは3.25mm以下、より好ましくは3.0mm以下である。厚みが薄すぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、厚すぎる場合、成形後の加工が困難となる可能性がある。
(密度)
本発明の自動車用ボードの密度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常350kg/m以上、好ましくは375kg/m以上、より好ましくは400kg/m以上、また、その上限は、通常700kg/m以下、好ましくは675kg/m以下、より好ましくは650kg/m以下である。密度が小さすぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、大きすぎる場合、重量増となり、自動車の走行時の燃費が悪くなる可能性がある。
(荷重たわみ温度)
本発明の自動車用ボードの荷重たわみ温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、1.80MPaの荷重をかけた際に、通常65℃以上、好ましくは67.5℃以上、より好ましくは70℃以上、また、その上限は、通常90℃以下、好ましくは87.5℃以下、より好ましくは85℃以下である。荷重たわみ温度が低すぎる場合、垂れ下がりがおこり自動車用ボードとしては不適合となる可能性があり、高すぎる場合、成形加工性が困難となる可能性がある。なお、荷重たわみ温度は、例えばJIS 7191の方法に従って測定することができる。
(曲げ強度)
本発明の自動車用ボードは、剛性が高いという利点を有する。具体的には、本発明の自動車用ボードの曲げ強度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常800N/cm以上、好ましくは900N/cm以上、より好ましくは1000N/cm以上、また、その上限は、通常2000N/cm以下、好ましくは1900N/cm以下、より好ましくは1800N/cm以下である。曲げ強度が小さすぎる場合、自動車用ボードが脆弱となる可能性があり、大きすぎる場合、成形加工性が困難となる可能性がある。なお、曲げ強度は、JIS K 6911従って測定することができる。
(VOC発生量)
本発明の自動車用ボードは、VOC発生量が少ないという利点を有する。具体的には、本発明の自動車用ボードを自動車の内装基材として用いた場合に、アンモニア、ホルムアルデヒド及びフェノールが、自動車室内において検出限界以下であることが好ましい。なお、検出装置としては、例えば北川式ガス検知管を用いることができる。
また、本発明の自動車用ボードを用いたテドラバック試験においても、TVOC発生量が少ないことが好ましい。ここで、テドラバック試験とは、自動車用ボード1枚をテドラバック(20L)に入れ、純空気15Lを導入し、65℃×2時間放置した後のTVOCの発生量を測定する方法である。この方法により測定した、100mm×100mmの本発明の自動車用ボードから発生する総揮発性有機化合物(TVOC)の量は、通常30μg以下であるが、できるだけ少ないことが好ましい。なお、TVOCは、厚生労働省が定義する総揮発性有機化合物を表す。
また、上記テドラバック試験において、ホルムアルデヒドの発生量は、通常6μg以下であるが、できるだけ少ないことが好ましい。
さらに、上記テドラバック試験において、アセトアルデヒドの発生量は、通常6μg以下であるが、できるだけ少ないことが好ましい。
[3.自動車用ボードの用途]
本発明の自動車用ボードは、自動車用部材として任意の用途に用いることができる。例えば、天井基材、自動車用トランクリッド、ドアトリム等として用いることができる。中でも、本発明の自動車用ボードは、垂れ下がれにくいという利点を有することから、自動車の天井基材として用いることが好ましい。
本発明の自動車用ボードを例えば天井基材として用いる場合には、接着剤等を用いて、本発明の自動車用ボード表面と織布及び/又は不織布とを接着して用いることが好ましい。織布及び/又は不織布の種類としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、竹レーヨン、羊毛、絹等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率および組み合わせで用いてもよい。特に、PET繊維として、例えばPETボトル等をリサイクルすることにより得られた繊維を用いることにより、自動車用ボードを得る際に新たに用いる石油由来材料を最低限度の量とすることができ、地球温暖化防止、特に燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素削減に十分対処できる等、環境への負荷が非常に少ない。
さらに、本発明の自動車用ボードは、耐熱変形性にも優れているため、直射日光の影響を受けやすいサンルーフ周辺の天井基材としても、好適に使用できる。
以下、本発明の自動車用ボードの用途の一例を、図1〜5を参照しながら、より詳細に説明する。
図1は、本発明の自動車用ボードを用いた天井基材1を車両に装着した状態の切欠斜視図である。また、図2(a)は、この天井基材1の要部切欠拡大断面図である。
図1に示すように、天井基材1は、車室上方を覆う天井基材1の内壁面に上面が重合され、接着され、周縁部が前後左右の各ルーフレールL1とルーフLの内壁面とによって挟持されている。この天井基材1は、図2(a)に示すように、ルーフLの内壁面に上面が接着される基体層2と、基体層2の片面である下面に表面層3とが積層され、ボード状に一体化されている。なお、必要に応じて、図2(b)に示すように、基体層2の両面に表面層3が配設されても良い。
天井基材1は、例えば図3に記載の方法により形成することができる。
はじめに、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を、カード装置(図4参照)を用い、乾式の繊維積層法によりブレンド成形し、一定厚さの嵩高フェルトF1を得る(図3(a)参照)。なお、カード装置ではなく、例えばエアレイ、フリース、ブレンダー、レイヤー等を用いてもよい。そして、得られた嵩高フェルトF1の下部に織布及び/又は不織布F2を例えば接着剤等を用いて積層し、加熱プレス型に嵌め込む(図3(b)参照)。そして、嵩高フェルトF1並びに織布及び/又は不織布F2を加熱及び加熱し圧縮する(図3(c)参照)。冷却し、圧縮された嵩高フェルトF1並びに織布及び/又は不織布F2を加熱プレス型より取り出すことにより、基体層2と表面層3とが積層された天井基材1を得ることができる(図3(d)参照)。
また、天井基材1は、例えば図5に記載の方法により形成してもよい。
はじめに、図3(a)の場合と同様にして、一定厚さの嵩高フェルトF1を得る(図5(a)参照)。得られた嵩高フェルトF1を加熱プレス型に嵌め込み、圧縮する(図5(b)参照)。この工程により、嵩高フェルトF1がボード状(基体層ボードF1’)に成形される。そして、型開きをし、加熱温度を低温側に変更し、基体層ボードF1’上に例えば接着剤等を塗布し、織布及び/又は不織布F2を積層する(図5(c)参照)。最後に、再び加熱及び加圧し圧縮した後、冷却し、圧縮された嵩高フェルトF1並びに織布及び/又は不織布F2を加熱プレス型より取り出すことにより、基体層2と表面層3とが積層された天井基材1を得ることができる(図5(d)参照)。この方法に依れば、特に、表面層3に含まれる織布及び/又は不織布のつぶれを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明の要旨を逸脱しない限り、本発明の実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の方法により自動車用ボードを製造し、得られた自動車用ボードの機械的特性を評価した。
〔自動車用ボードの製造〕
(バイオマス由来フェノール樹脂の製造)
温度計、攪拌装置及び冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール:900g、キャッサバいも由来でんぷん:300g、硫酸:3gを仕込み、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱した。150℃で1時間攪拌した後、少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム2.5gを添加し中和した。その後、減圧下で未反応のフェノールを除去し、バイオマス由来フェノール樹脂:620gを得た。得られたバイオマス由来フェノール樹脂の植物由来度は22%であった。なお、バイオマス由来フェノール樹脂の植物由来度は、[1−1.フェノール樹脂]に記載の式に従って算出した。また、[1−1.フェノール樹脂]に記載の方法に従って算出した、バイオマス由来フェノール樹脂の軟化点は119℃、ゲル化時間は154秒、フローは31mmであった。
(バイオマス由来エポキシ樹脂の製造)
温度計、攪拌装置及び冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、上記バイオマス由来フェノール樹脂:200g、エピクロロヒドリン:800gを仕込み、加熱して完全に溶解させた。100℃以上の温度を保ちながら、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液:180gを3時間かけて滴下した。その後、還流を行いながら30分間反応させた。反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを除去し、粗製バイオマス由来エポキシ樹脂を得た。当該粗製バイオマス由来エポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン:600gに溶解させ、水洗して副生塩を除去した。最後に、加熱しながら減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去して、精製したバイオマス由来エポキシ樹脂:320gを得た。得られたバイオマス由来エポキシ樹脂の植物度は15%であった。なお、バイオマス由来エポキシ樹脂の植物由来度は、[1−2.エポキシ樹脂]に記載の式に従って算出した。
〔機械的特性の評価〕
(荷重たわみ温度)
自動車用ボードの荷重たわみ温度は、[2.自動車用ボードの物性]に記載の方法に従って測定した。
(曲げ強度)
自動車用ボードの曲げ強度は、[2.自動車用ボードの物性]に記載の方法に従って測定した。
〔VOC発生量の評価〕
VOC発生量の評価として、[2.自動車用ボードの物性]に記載の方法に従って、得られた自動車用ボードを用いてテドラバック試験を行った。
また、自動車用ボードの臭気は、所定の試験片を3枚取り、これを容積3Lのふた付き密閉容器(ふた付き広口ホラスビン等)に入れて密閉した後、80℃で乾燥器に3時間入れ、乾燥器から取り出して直ちに臭気の有無を判定した。臭気における「3級」は少しにおうが十分容認できるレベルを表し、「4級」はかすかににおうが気にならないレベルを表す。
〔実施例1〕
フェノール樹脂として上記バイオマス由来フェノール樹脂を、エポキシ樹脂として上記バイオマス由来エポキシ樹脂を、植物繊維として綿繊維及び麻繊維(綿繊維及び麻繊維を含む古着を解繊機で繊維化して得られたもの)を用いた。また、硬化促進剤として、2−フェニルイミダゾールを用いた。フェノール樹脂の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、263質量部とした。また、硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.5質量部とした。また、植物繊維は、得られる自動車用ボードに対して、含有量が70質量%となるように使用した。
そして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、植物繊維及び硬化促進剤を用いて、ブレンダー、カード及びレイヤーを使用し、図3(a)〜(d)に記載の工程により、自動車用ボードを得た。この際の圧縮(プレス)条件は、210℃で40秒間とし、圧力1MPaとした。
〔実施例2〕
植物繊維の含有量が自動車用ボードに対して82質量%となるように植物繊維を使用し、また、圧縮条件を、200℃で60秒間とし、圧力1MPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして自動車用ボードを得た。
〔実施例3〕
フェノール樹脂として石油由来フェノール樹脂(群栄化学工業社製 PSM−4326;水酸基当量106)を用い、フェノール樹脂の使用量を、エポキシ樹脂100質量部に対し、63質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして自動車用ボードを得た。
〔実施例4〕
エポキシ樹脂として石油由来エポキシ樹脂(DIC社製 EPICLON N−690;エポキシ当量215)を用い、フェノール樹脂の使用量を、エポキシ樹脂100質量部に対し、205質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして自動車用ボードを得た。
〔比較例1〕
フェノール樹脂として石油由来フェノール樹脂(群栄化学工業社製 ノボラック型フェノール樹脂)を用い、フェノール樹脂の硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いて、[1−4.混合及び硬化成形]に記載の方法に従って自動車ボードを得た。この際、ヘキサメチレンテトラミンの使用量は、フェノール樹脂100質量部に対し、10質量部とした。また、植物繊維の原料及び使用量並びに圧縮条件は、実施例1と同様のものとした。
〔比較例2〕
植物繊維の使用量及び圧縮条件を実施例2と同様にし、それ以外は比較例1と同様にして自動車用ボードを得た。
実施例1〜4並びに比較例1及び2で得られた自動車用ボードについて、上記の方法に従って機械的特性の評価を行った。
Figure 0005424746
フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合して硬化成形して得た自動車用ボードを用いた実施例1〜4において、ホルムアルデヒド等のVOC発生量を大幅に削減できた。
また、曲げ強度、荷重たわみ温度等の機械的特性にも優れていることから、得られた自動車用ボードは垂れ下がりにくく、天井基材として十分の物性を有していた。特に、実施例1〜4の自動車用ボードは荷重たわみ温度に優れており(即ち耐熱変形性が高く)、直射日光を受けうるサンルーフ周辺の天井基材としても好適に用いることができることがわかった。さらに、得られた自動車用ボードは、臭気も少なかった。
更に、自動車用ボードの外観にも優れており、自動車用ボードに触れた場合に乗員が受ける違和感もなかった。そして、得られた自動車用ボードを用いて天井基材を得る際の深絞り成形性にも優れていた。特に、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂のうち、少なくとも一方がバイオマス由来樹脂であるため、地球温暖化防止、特に自動車用ボードを燃焼した場合に発生しうる二酸化炭素の削減に十分対処できる。
また、フェノール樹脂及び植物繊維を混合して硬化成形して得た自動車用ボードを用いた比較例1及び2において、アンモニアが発生しており、TVOC発生量も多く、中でも、ホルムアルデヒドの発生量が多かった。本発明者らの検討によると、発生したアンモニア並びに大部分のホルムアルデヒドは、ヘキサメチレンテトラミンの分解により発生したものと推察される。また、臭気も3級であった。
本発明の自動車用ボードは、自動車用部材として任意の用途に用いることができるが、中でも天井基材、自動車用トランクリッド、ドアトリム等に特に好適に用いることができる。
1 天井基材
2 基体層
3 表面層
F1 嵩高フェルト
F1’ 基体層ボード
F2 織布及び/又は不織布
L ルーフ
L1 ルーフレール

Claims (8)

  1. フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び植物繊維を混合して同一系内に存在させた後、硬化成形してなるとともに、
    該フェノール樹脂及び該エポキシ樹脂のうち、少なくとも何れか一方がバイオマス由来樹脂である
    ことを特徴とする、自動車用ボード。
  2. 該フェノール樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ボード。
  3. 該エポキシ樹脂が、でんぷん及びフェノール類を反応させて得られたバイオマス由来フェノール樹脂と、エピクロロヒドリンと、を反応させて得られたバイオマス由来エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車用ボード。
  4. 該でんぷんが、青酸成分を含むキャッサバいも由来である
    ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の自動車用ボード。
  5. 該でんぷん1質量部に対し、フェノール類が2質量部以上20質量部以下である
    ことを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の自動車用ボード。
  6. JIS K 5902及びJIS K 2207に記載の方法に従って測定した、該バイオマス由来フェノール樹脂の軟化点が100℃以上130℃以下である
    ことを特徴とする、請求項2〜5の何れか1項に記載の自動車用ボード。
  7. 該植物繊維が、竹繊維、綿繊維、麻繊維からなる群より選ばれる1種以上の繊維である
    ことを特徴とする、請求項1〜6に記載の自動車用ボード。
  8. 該植物繊維が50質量%以上95質量%以下の割合で含まれている
    ことを特徴とする、請求項1〜7に記載の自動車用ボード。
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