以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各手段に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ遊技機は遊技盤を備えており、当該遊技盤の前面に構成された遊技領域に対して遊技球が発射される。そして、遊技領域内に設けられた各種入賞口に遊技球が入賞するとそれに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、当該遊技機においては、図柄の可変表示や各種演出を表示する図柄表示装置が遊技盤の略中央に設置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。かかる遊技機では、所定入賞口への入賞をトリガとして図柄表示装置における図柄の可変表示が開始され、その後、所定パターンによる可変表示を経て停止される。また、この図柄の可変表示中に各種演出が表示される。この演出としては、可変表示されている図柄がリーチ表示となった場合に表示されるリーチ演出がある。そして、停止図柄に応じて特別遊技状態(大当たり状態)などに移行し多量の遊技球の払い出しなどといった特典が付与される。また、近年においては、遊技盤の略中央に図柄表示装置を設置するのではなく、図柄表示装置が奥側となるように遊技盤と図柄表示装置とを並設し、図柄表示装置の表示領域を遊技盤を介して視認可能としたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる遊技機においては図柄表示装置の表示領域を、例えば遊技領域よりも広く確保することが可能となり、従来の遊技機に比べ表示領域を飛躍的に拡張することができる。これにより、各種演出などの表示をダイナミックに行うことができる。ただし、当該遊技機において図柄の可変表示を常に表示領域全体で行う構成とすると、遊技者にとっては表示領域全体を常に視認する必要が生じ、却って視認性が悪化してしまうおそれがある。また、例えば、図柄の可変表示が通常表示の場合は表示領域の一部で表示し、図柄の可変表示がリーチ表示となった場合にリーチ演出を表示領域全体で表示する構成とすることで、リーチ演出が強調され遊技者の注目度を高めることができると考えられる。しかしながら、表示領域における図柄の可変表示領域を大小させる構成においては、縮小表示における表示領域を遊技者に対して明確に教示すべくその領域を区画する必要がある。この場合に、その区画は拡大表示においては不必要なものとなるため、区画線などを遊技盤や図柄表示装置の表示画面に付すのは好ましくない。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
手段1.遊技機前方から視認可能な位置に設けられた遊技盤(遊技盤ユニット100)と、
遊技盤の前面において遊技球を誘導するレール(内レール部材101、外レール部材102)により区画されて設けられ、レールにより誘導された遊技球の流下方向を変化させる複数の釘(釘120)が配設された遊技領域(遊技領域103)と、
前記遊技盤の奥側に設けられ、前記遊技領域と前後に並ぶ位置に表示領域(表示画面161)を有する表示装置(図柄表示装置160)と、
所定の開始条件が成立した場合に前記表示領域にて絵柄の可変表示を開始するよう前記表示装置を制御する表示制御手段(表示制御基板278)と
を備え、
前記遊技盤を介して前記表示領域が視認可能となるよう構成した遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示領域における表示態様を、同表示領域の一部にて前記絵柄の可変表示を行う縮小表示から、同縮小表示よりも広い領域にて前記絵柄の可変表示を行う拡大表示に切り換える表示態様切換手段(表示制御基板278の拡大表示処理S703)を備え、
さらに前記遊技盤は、
前記遊技領域が形成され、透明性を有する遊技領域形成板(遊技領域形成板110)と、
遊技領域形成板の奥側に設けられ、透明性を有する導光板(導光板150)と、
導光板の外周の少なくとも一部に設けられ、導光板内に光を導入する発光体(導光板用LED154)と
を備え、
前記導光板は、その前面又は背面のうちの少なくとも一方に、前記表示領域における前記縮小表示がなされる領域を区画するように設けられ前記発光体から導入され内部において反射する光を透過させて又は乱反射させて放射する光放射領域(凹凸部157)を備え、
前記表示態様切換手段により表示態様が切り換えられる場合に、前記発光体をオン状態からオフ状態に切り換える発光制御手段(音声ランプ制御基板272a)を設けたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、遊技機前方から視認可能な位置に遊技盤が設けられており、遊技盤にはレールにより区画されて遊技領域が形成されている。そして、レールにより誘導された遊技球は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域を流下する。また、遊技盤の奥側には表示装置があり、当該表示装置の表示領域における表示内容が遊技盤を介して視認可能となっている。このように遊技盤と表示装置とが前後に並設される構成においては、従来よりも表示領域を拡張することができる。この拡張としては、例えば、遊技領域以上となるように表示領域を拡張することができる。これにより、表示領域における表示内容がダイナミックなものとなる。
この場合に、手段1によれば、表示領域における表示態様が縮小表示から拡大表示に切り換えられるため、例えば、通常の絵柄の可変表示においては縮小表示を行い、特定のリーチ演出などを行う場合に拡大表示を行う構成とすることで、表示領域を拡張した構成においてその表示態様を良好なものとすることができる。
また、遊技盤は遊技領域形成板の奥側に導光板を備えており、導光板には縮小表示がなされる領域を区画するように光放射領域が形成されている。そして、発光体から照射され導光板内に導入された光は、光放射領域に到達することで導光板から放射される。これにより、縮小表示されている領域を区画するように区画線が表示され、かかる領域を明確に教示することができる。特に、本構成においては表示領域において区画線を表すのではなく導光板から放射される光により区画線を表す構成であるので、上記教示する効果をより顕著なものとすることができる。表示領域に表示された模様と、導光板から放射される光とでは、遊技者の視認性が異なるからである。
また、表示領域における表示態様が縮小表示から拡大表示に切り換えられる場合には、発光体がオン状態からオフ状態に切り換えられる。これにより、拡大表示されている間は区画線が消え、上記のように縮小表示されている領域を明確に教示するようにした構成において、拡大表示が区画線によって邪魔されることはない。
また、導光板に遊技領域を形成するのではなく遊技領域形成板に遊技領域を形成する構成とすることで、上記効果を好適に奏することができる。つまり、導光板に遊技領域を形成する構成においては、釘を導光板の前面に配設する必要がある。この場合、釘が配設された位置から光が外に漏れ出し、光放射領域に到達する光の量が減少してしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり遊技領域形成板に遊技領域を形成することで、かかる不都合が生じることはない。
なお、「光放射領域」を凹凸により形成する構成とするのが好ましい。この場合、導光板内において反射する光が光放射領域に到達すると、入射角が臨界角よりも小さくなることで当該光放射領域を透過する、又は当該光放射領域で乱反射することとなる。これにより、導光板から遊技機前方に光が放射される。本構成であれば、光放射領域を比較的容易に、且つ比較的低コストで形成することができる。また、上記凹凸を機械的に形成する構成とすることにより、光放射領域の形成をより容易に行うことができる。
また、「縮小表示」においては、絵柄の可変表示が行われている領域の外側に背景用画像などを表示する構成としてもよい。また、この背景用画像においてキャラクタなどを表示する構成としてもよい。
また、「光放射領域」を、「表示領域における縮小表示がなされる領域を区画するように枠状に形成する」ことで、縮小表示がなされる領域をより明確に教示することができる。
手段2.手段1において、前記遊技盤には、遊技球を転動させるステージ(ステージ144)、及び前記遊技領域の上部を流下する遊技球を前記ステージに誘導する誘導通路(手前側球通路132、奥側球通路143)を有するセンターフレーム(センターフレーム130)を設け、
同センターフレームを、前記表示領域における前記縮小表示がなされる領域を区画するように、透明性材料により形成するとともに、
前記光放射領域を、前記センターフレームに沿うようにして形成したことを特徴とする遊技機。
手段2の遊技機では、遊技領域の上部を流下する遊技球が誘導通路に入ることにより、当該遊技球はステージへ誘導され当該ステージ上を転動した後に遊技領域に排出される。これにより、遊技領域における遊技球の挙動が多様化される。かかる構成において、センターフレームが透明性材料により形成されているため、センターフレームを設けた構成において表示領域に表示された絵柄などがセンターフレームにより視認できなくなってしまうことが抑制される。
また、センターフレームは表示領域における縮小表示がなされる領域を区画するように形成されている。これにより、縮小表示がなされている状況下においては、センターフレームにより区画された領域内にて絵柄の可変表示が行われるため、従来の遊技機における表示態様が再現される。つまり、従来の遊技機においては、遊技盤の略中央に絵柄表示装置を設置し、さらに絵柄表示装置を囲むようにセンターフレームを設置する構成が一般的である。この場合に、上記のとおりセンターフレームにより区画された領域内にて縮小表示を行うことで、従来の遊技機に慣れた遊技者にとっては縮小表示中における絵柄の可変表示を違和感なく視認することができる。一方、拡大表示においてはセンターフレームにより区画された領域を超えて絵柄が表示される。よって、拡大表示をより強調することができる。
また、光放射領域がセンターフレームに沿うようにして形成されている。これにより、センターフレームに沿うようにして区画線が表され、透明性材料によりセンターフレームを形成した構成においてセンターフレームに区画された領域内にて表示される縮小表示を明確に教示することができる。さらに、遊技領域形成板の奥側にある導光板(光放射領域)から放射される光により区画線が表されていることにより、センターフレームに対して前後方向の距離が近い位置にて区画線が表され、見る角度によってセンターフレームと区画線とがずれてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
手段3.手段1又は手段2において、前記導光板を、前記遊技領域形成板の奥側において同遊技領域形成板と重ねて又は近接させて配置したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、遊技盤の厚み寸法を極力小さくすることができ、遊技盤を設けるために要するスペースの縮小化が図られる。また、遊技領域に対して前後方向の距離が近い位置にて区画線が表される。例えば、遊技領域形成板と導光板とが大きく離間された構成においては、区画線と遊技領域とがその分離間されるからである。特に、上記手段2を備えた構成においては、センターフレームに対して前後方向の距離が近い位置にて区画線を表すことができ、見る角度によってセンターフレームと区画線とがずれてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
手段4.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記光放射領域を、前記導光板の前記遊技領域形成板との対向面に形成したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、遊技領域に対して前後方向の距離がより近い位置にて区画線が表される。例えば、光放射領域を遊技領域形成板との対向面に対して反対側の面に形成した構成においては、区画線と遊技領域とが少なくとも導光板の厚み分離間されるからである。特に、上記手段2を備えた構成においては、センターフレームに対して前後方向の距離が近い位置にて区画線を表すことができ、見る角度によってセンターフレームと区画線とがずれてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記遊技盤には前記遊技領域を流下する遊技球が入る入球部(一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115)を設けるとともに、
前記遊技領域形成板及び前記導光板には前記入球部に入った遊技球の遊技盤奥側への通過を可能とする貫通孔(貫通孔152a〜152i)を設け、
前記遊技盤と前記表示装置との間に前記貫通孔を通過した遊技球を遊技機外部へ排出する排出通路(排出通路171)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段5の遊技機では、入球部に入った遊技球は遊技領域形成板及び導光板に形成された貫通孔を通過して遊技盤奥側に到達する。そして、この遊技球は遊技盤と表示装置との間に設けられた排出通路を介して遊技機外部へ排出される。かかる構成とすることにより、表示装置の形状を複雑化させることなく、入球部に入った遊技球の排出を円滑に行うことができる。
但し、本構成においては、遊技盤と表示装置とが前後に離間される。したがって、上記手段2を備えた構成においては、表示領域にて縮小表示の区画線を表そうとすると、その区画線をセンターフレームに沿うようにして表示するのが困難となる。本遊技機にて遊技を行う遊技者は遊技領域に対する目の位置は多様であり、センターフレームと区画線とが前後に離間されていると、見る角度によっては両者が一致しないからである。これに対して、上記手段1の構成を備え、遊技領域形成板の奥側にある導光板(光放射領域)から放射される光により区画線が表されていることにより、上記のような不都合が生じることはない。
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記遊技盤には、前記遊技領域の下端寄りの位置であって前記光放射領域よりも下方の位置に、前記遊技領域を流下する遊技球が入る入球部(一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115)を複数設けるとともに、
前記遊技領域形成板及び前記導光板には前記入球部に入った遊技球の遊技機奥側への通過を可能とする貫通孔(貫通孔152a〜152i)を設け、
前記発光体を前記貫通孔よりも上方の位置から前記導光板内に光を導入するように設けたことを特徴とする遊技機。
手段6の遊技機では、複数の入球部が遊技領域の下端寄りの位置に設けられているので、遊技領域を流下した結果として入球部への入球が発生する。そして、入球部に入った遊技球は遊技領域形成板及び導光板に形成された貫通孔を通過して遊技盤奥側に到達する。そして、この遊技球は、排出通路などを介して遊技機外部に排出される。
この場合に、発光体が貫通孔よりも上方の位置から導光板内に光を導入するように設けられている。これにより、導光板内に導入された光は貫通孔などにより邪魔されることなく光放射領域に到達する。よって、上記構成において、光放射領域からの光の放射を良好なものとすることができる。
手段7.手段5又は手段6において、前記導光板に設けられた貫通孔の周壁部を覆うように光反射手段(光反射テープ158)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、貫通孔の周壁部に到達した光は光反射手段により反射され導光板内を進む。よって、導光板に貫通孔を設けた構成において、光放射領域に到達する光の量が少なくなるのを抑制することができる。
また、貫通孔の周壁部が光反射手段により覆われていない構成においては、導光板内を反射する光が貫通孔を通過する遊技球に照射され、遊技球表面での反射光が光放射領域を介して放射される光と混同して視認されることが考えられる。この場合、区画線がぼやけたり、縮小表示されている絵柄の視認性が悪化するといった不都合が生じるおそれがある。これに対して、貫通孔の周壁部が光反射手段により覆われていることにより、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記導光板の外周のうち前記発光体が設けられている部分を除いた領域を覆うように周面用光反射手段(光反射テープ159)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、導光板の外周に到達した光は周面用光反射手段により反射され導光板内を進む。よって、導光板の外周に到達した光がそこから漏れ出すことが抑制され、光放射領域に到達する光の量が少なくなるのを抑制することができる。
手段9.手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記導光板の厚み寸法を前記遊技領域形成板よりも小さくしたことを特徴とする遊技機。
遊技領域形成板には遊技領域が形成され釘が配設されるため、その釘を安定した状態で支持することができるように遊技領域形成板の厚み寸法を十分確保する必要がある。これに対して、導光板には釘が配設されない。かかる場合に、手段9によれば、導光板の厚み寸法が遊技領域形成板よりも小さくなっているので遊技盤の厚み寸法を極力小さくすることができ、遊技盤を設けるために要するスペースの縮小化が図られる。
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記遊技領域形成板と前記導光板とを固定する固定具(ビス112)を両者の外周側に設けたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、遊技領域形成板及び導光板が固定具により固定されることで、これらがユニット化され遊技盤が構成されている。この場合に、遊技領域形成板及び導光板のそれぞれの外周側に固定具を設ける構成であるので、上記ユニット化を良好に行うことができる。例えば、遊技領域形成板と導光板とのそれぞれの対向面に接着剤を塗布して固定する構成においては、内部に気泡などが発生し不良率が高くなってしまうおそれがあるからである。
手段11.手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記表示態様を前記拡大表示から前記縮小表示に復帰させる表示態様復帰手段(表示制御基板278における縮小表示処理S705)を備え、
前記発光制御手段は、前記表示態様復帰手段により表示態様が復帰される場合に、前記発光体をオフ状態からオン状態に切り換えることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、表示領域における表示態様が拡大表示から縮小表示に復帰される場合に、発光体がオン状態に切り換わり区画線が再度表れる。よって、拡大表示から縮小表示に復帰した場合には、その縮小表示が明確に教示される。
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記絵柄の可変表示後における停止絵柄に応じて遊技者に特典を付与するよう構成したことを特徴とする遊技機。
手段12の遊技機では、絵柄の可変表示後における停止絵柄に応じて遊技者に特典が付与されるため、遊技者は絵柄の可変表示に注目して遊技を行うこととなる。この場合に、上記手段1の構成を備え、表示領域における表示態様が縮小表示から拡大表示に切り換えられるため、通常の絵柄の可変表示においては縮小表示を行い、特典付与への期待が高まる特定のリーチ演出などを行う場合に拡大表示を行う構成とすることで、表示領域を拡張した構成においてその表示態様を良好なものとすることができる。また、導光板の光放射領域から放射される光により縮小表示される領域が区画されるので、縮小表示を行っている領域を明確に教示することができる。
手段13.遊技機前方から視認可能な位置に設けられた遊技盤(遊技盤ユニット100)と、
遊技盤の前面において遊技球を誘導するレール(内レール部材101、外レール部材102)により区画されて設けられ、レールにより誘導された遊技球の流下方向を変化させる複数の釘(釘120)が配設された遊技領域(遊技領域103)と、
前記遊技盤の奥側に設けられ、前記遊技領域と前後に並ぶ位置に表示領域(表示画面161)を有する表示装置(図柄表示装置160)と
を備え、
前記遊技盤を介して前記表示領域が視認可能となるよう構成した遊技機において、
前記遊技盤は、
前記遊技領域が形成され、透明性を有する遊技領域形成板(遊技領域形成板110)と、
遊技領域形成板の奥側に設けられ、透明性を有する導光板(導光板150)と、
導光板の外周の少なくとも一部に設けられ、導光板内に光を導入する発光体(導光板用LED154)と
を備え、
前記導光板の前面又は背面のうちの少なくとも一方には、前記発光体から導入され内部において反射する光を透過させて又は乱反射させて放射する光放射領域(凹凸部157)を設けたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、遊技機前方から視認可能な位置に遊技盤が設けられており、遊技盤にはレールにより区画されて遊技領域が形成されている。そして、レールにより誘導された遊技球は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域を流下する。また、遊技盤の奥側には表示装置があり、当該表示装置の表示領域における表示内容が遊技盤を介して視認可能となっている。このように遊技盤と表示装置とが前後に並設される構成においては、従来よりも表示領域を拡張することができる。この拡張としては、例えば、遊技領域以上となるように表示領域を拡張することができる。これにより、表示領域における表示内容がダイナミックなものとなる。
この場合に、手段13によれば、遊技盤は遊技領域形成板の奥側に導光板を備えており、導光板には光放射領域が形成されている。これにより、表示領域における表示内容に合わせて導光板から放射される光によって演出を行うことができ、遊技への注目度を高めることができる。
また、導光板に遊技領域を形成するのではなく遊技領域形成板に遊技領域を形成する構成とすることで、上記効果を好適に奏することができる。つまり、導光板に遊技領域を形成する構成においては、釘を導光板の前面に配設する必要がある。この場合、釘が配設された位置から光が外に漏れ出し、光放射領域に到達する光の量が減少してしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり遊技領域形成板に遊技領域を形成することで、かかる不都合が生じることはない。
なお、「光放射領域」を凹凸により形成する構成とするのが好ましい。この場合、導光板内において反射する光が光放射領域に到達すると、入射角が臨界角よりも小さくなることで当該光放射領域を透過する、又は当該光放射領域で乱反射することとなる。これにより、導光板から遊技機前方に光が放射される。本構成であれば、光放射領域を比較的容易に、且つ比較的低コストで形成することができる。また、上記凹凸を機械的に形成する構成とすることにより、光放射領域の形成をより容易に行うことができる。
また、本手段13に上記手段6乃至手段10のいずれかの構成を適用することで各手段の効果を奏することができ、本発明をより好適なものとすることができる。
手段14.遊技機前方から視認可能な位置に設けられた遊技盤(遊技盤ユニット100)と、
遊技盤の前面において遊技球を誘導するレール(内レール部材101、外レール部材102)により区画されて設けられ、レールにより誘導された遊技球の流下方向を変化させる複数の釘(釘120)が配設された遊技領域(遊技領域103)と、
前記遊技盤の奥側に設けられ、前記遊技領域と前後に並ぶ位置に表示領域(表示画面161)を有する表示装置(図柄表示装置160)と、
所定の開始条件が成立した場合に前記表示領域にて絵柄の可変表示を開始するよう前記表示装置を制御する表示制御手段(表示制御基板278)と
を備え、
前記遊技盤を介して前記表示領域が視認可能となるよう構成した遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示領域における表示態様を、同表示領域の一部にて前記絵柄の可変表示を行う縮小表示から、同縮小表示よりも広い領域にて前記絵柄の可変表示を行う拡大表示に切り換える表示態様切換手段(表示制御基板278の拡大表示処理S703)を備え、
さらに前記遊技盤は、
前記遊技領域が形成され、透明性を有する遊技領域形成板(遊技領域形成板110)と、
遊技領域形成板の奥側に設けられ、透明性を有する導光板(導光板150)と、
導光板の外周の少なくとも一部に設けられ、導光板内に光を導入する発光体(導光板用LED154)と
を備え、
前記導光板は、その前面又は背面のうちの少なくとも一方に、前記表示領域における前記縮小表示がなされる領域を区画するように設けられ前記発光体から導入され内部において反射する光を透過させて又は乱反射させて放射する光放射領域(凹凸部157)を備えたことを特徴とする遊技機。
当該遊技機では、遊技機前方から視認可能な位置に遊技盤が設けられており、遊技盤にはレールにより区画されて遊技領域が形成されている。そして、レールにより誘導された遊技球は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域を流下する。また、遊技盤の奥側には表示装置があり、当該表示装置の表示領域における表示内容が遊技盤を介して視認可能となっている。このように遊技盤と表示装置とが前後に並設される構成においては、従来よりも表示領域を拡張することができる。この拡張としては、例えば、遊技領域以上となるように表示領域を拡張することができる。これにより、表示領域における表示内容がダイナミックなものとなる。
この場合に、手段14によれば、表示領域における表示態様が縮小表示から拡大表示に切り換えられるため、例えば、通常の絵柄の可変表示においては縮小表示を行い、特定のリーチ演出などを行う場合に拡大表示を行う構成とすることで、表示領域を拡張した構成においてその表示態様を良好なものとすることができる。
また、遊技盤は遊技領域形成板の奥側に導光板を備えており、導光板には縮小表示がなされる領域を区画するように光放射領域が形成されている。そして、発光体から照射され導光板内に導入された光は、光放射領域に到達することで導光板から放射される。これにより、縮小表示されている領域を区画するように区画線が表示され、かかる領域を明確に教示することができる。特に、本構成においては表示領域において区画線を表すのではなく導光板から放射される光により区画線を表す構成であるので、上記教示する効果をより顕著なものとすることができる。表示領域に表示された模様と、導光板から放射される光とでは、遊技者の視認性が異なるからである。
また、導光板に遊技領域を形成するのではなく遊技領域形成板に遊技領域を形成する構成とすることで、上記効果を好適に奏することができる。つまり、導光板に遊技領域を形成する構成においては、釘を導光板の前面に配設する必要がある。この場合、釘が配設された位置から光が外に漏れ出し、光放射領域に到達する光の量が減少してしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり遊技領域形成板に遊技領域を形成することで、かかる不都合が生じることはない。
なお、「光放射領域」を凹凸により形成する構成とするのが好ましい。この場合、導光板内において反射する光が光放射領域に到達すると、入射角が臨界角よりも小さくなることで当該光放射領域を透過する、又は当該光放射領域で乱反射することとなる。これにより、導光板から遊技機前方に光が放射される。本構成であれば、光放射領域を比較的容易に、且つ比較的低コストで形成することができる。また、上記凹凸を機械的に形成する構成とすることにより、光放射領域の形成をより容易に行うことができる。
また、「縮小表示」においては、絵柄の可変表示が行われている領域の外側に背景用画像などを表示する構成としてもよい。また、この背景用画像においてキャラクタなどを表示する構成としてもよい。
また、「光放射領域」を、「表示領域における縮小表示がなされる領域を区画するように枠状に形成する」ことで、縮小表示がなされる領域をより明確に教示することができる。
また、本手段14に上記手段2乃至手段12のいずれかの構成を適用することで各手段の効果を奏することができ、本発明をより好適なものとすることができる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12により遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構50側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。
前扉枠13には窓部31が形成されており、窓部31には透明パネル32が取り付けられている。この透明パネル32を介して後述する遊技領域のほぼ全域が前方から視認できるようになっている。また、前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部31の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部33が左右対称に設けられ、環状電飾部33の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部34が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部34が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部35が設けられている。その他、中央電飾部34の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ36と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ37とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部31の下方位置に、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には球貸しボタン41と、返却ボタン42と、度数表示部43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたCRユニットに紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部40によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン41は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン42は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部43はカード等の残額情報を表示するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部40が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部40を設けた本パチンコ機10の構成において、CRユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を備えており、樹脂ベース25の下部には、遊技球発射機構50が取り付けられている。遊技球発射機構50は、ベース部材としての金属板51を備えており、金属板51には、電磁式のソレノイド52と、発射レール53とが取り付けられている。ソレノイド52の本体部は電気的な信号の入力に基づき通電され、ソレノイド52の出力軸が伸縮方向に移動する。この場合に、ソレノイド52は通電時に出力軸が左斜め上方へ突出するように配置されており、ソレノイド52により打ち出された遊技球は発射レール53上を移動し、後述する遊技領域に到達する。
本体枠12の前面において発射レール53の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋76(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25の中央部であって透明パネル32と前後に並ぶ位置には、略円形状の窓孔26が形成されている。窓孔26から一部が露出されるようにして、樹脂ベース25にはその後方から遊技盤ユニット100が装着されている。また、樹脂ベース25には、遊技盤ユニット100の後方に位置するようにして図柄表示装置160が装着されている。
次に、かかる遊技盤ユニット100及び図柄表示装置160について説明する。図4は遊技盤ユニット100及び図柄表示装置160の斜視図、図5は遊技盤ユニット100の正面図である。
遊技盤ユニット100の前面には、遊技球発射機構50から発射された遊技球を遊技盤ユニット100上部へ案内するための内レール部材101及び外レール部材102が取り付けられている。遊技盤ユニット100の前面は内外レール部材101,102により区画され、略円形状に区画された内側領域に遊技領域103が形成されている。そして、この遊技領域103は上述したとおり、透明パネル32を介してそのほぼ全域が前方から視認可能となっている。
図柄表示装置160は、遊技盤ユニット100の奥側であって、当該遊技盤ユニット100に対して離間させて配置されている。これにより、遊技盤ユニット100と図柄表示装置160との間に所定のスペースが確保され、当該スペースを利用して遊技盤ユニット100の背面側に後述する各種部材が配置されている(図9参照)。図柄表示装置160は、液晶表示装置からなり、図柄の可変表示や各種演出を表示する表示画面161を有する。表示画面161はその面積が遊技領域103よりも広くなっており、前方から見て遊技領域103の全体が表示画面161に含まれるように図柄表示装置160が配置されている。この表示画面161は遊技盤ユニット100を介して視認可能となっている。
ここで、遊技盤ユニット100について詳細に説明する。図6は遊技盤ユニット100を後方から見た斜視図、図7及び図8は遊技盤ユニット100の一部を分解して示す斜視図、図9は遊技盤ユニット100の縦断面図である。
遊技盤ユニット100は、図8に示すように、遊技領域形成板110と導光板150とを備えている。これら遊技領域形成板110と導光板150とは、ほぼ同一の略矩形状をしており、それぞれの対向する面が当接するようにして固定されている。詳細には、各板110,150の4隅にはそれぞれ同一軸線上に開口111,151が形成されており、連通された各開口111,151に対してビス112が挿通されて固定されている。
遊技領域形成板110は、無色透明のポリカーボネート樹脂からなり、その前面には上述した遊技領域103が形成されている。導光板150は、無色透明のアクリル樹脂からなる。これら遊技領域形成板110及び導光板150には、それぞれ対応する位置に前後方向に貫通する大小複数の貫通孔(導光板150については、符号152a〜152iに示す)が形成されており(図8参照)、各貫通孔には一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115、スルーゲート116及びセンターフレーム130がそれぞれ設けられている。
各部材の配置位置について詳細には、センターフレーム130が遊技領域103の略中央に配置され、その下方に作動口115が配置され、さらにその下方に可変入賞装置114が配置されている。また、センターフレーム130の左右両側にはスルーゲート116が配置され、遊技領域103の下部両側には一般入賞口113が配置されている(左側に3個配置され、右側に1個配置されている)。一般入賞口113、可変入賞装置114及び作動口115に遊技球が入ると検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。
その他に、遊技領域103の上部右側には第1特定ランプ部117及び第2特定ランプ部118が設けられており、遊技領域103の下端にはアウト口119が設けられている。各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口119を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域103には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘120が植設されていると共に、風車121等が配設されている。この場合に、遊技領域形成板110を形成するポリカーボネート樹脂は比較的高い弾性を有しているため、表面に打ち込まれた釘120などに遊技球が衝突した場合や釘120の角度調整などが行われた場合に、遊技領域形成板110に割れなどが発生しにくい構成となっている。また、可変入賞装置114や作動口115などを遊技領域形成板110に固定するためのねじの長さ寸法や、釘120の遊技領域形成板110内に打ち込まれている長さ寸法は遊技領域形成板110の厚み寸法よりも小さくなっており、これらねじ及び釘120は導光板150にまでは達していない(図9参照)。
第1特定ランプ部117には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口115への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口115への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部117には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には、大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生することとなる。
一方、第2特定ランプ部118には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部118は、スルーゲート116の遊技球の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート116を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部118には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口115に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
可変入賞装置114は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。より詳しくは、大当たりが発生すると、可変入賞装置114が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態となる。可変入賞装置114の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置114内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置114が繰り返し開放されるものが一般的である。
センターフレーム130は、当該センターフレーム130の上部を構成する屋根フレーム131と、センターフレーム130の下部を構成するステージフレーム140とから構成されている。これら屋根フレーム131及びステージフレーム140は、アクリル樹脂などといった透明性を有する材料により形成されている。そして、これら各フレーム131,140が連結されることで、センターフレーム130は全体として枠状をなしている。
屋根フレーム131はその全体が後方に開放された溝形状をなしており、遊技領域形成板110に固定されることで後方への開放部分が塞がれ手前側球通路132が形成されている。手前側球通路132は、屋根フレーム131の上部に形成された開口133を入口として左右に形成されている。また、屋根フレーム131の左右の下端部134は後方へ延出しており、遊技領域形成板110に形成された貫通孔を貫通している。これら下端部134はステージフレーム140に連結されており、これにより手前側球通路132がステージフレーム140に連通されている。
ステージフレーム140は前側ステージ部材141と後側ステージ部材142とから構成されており、両者が遊技領域形成板110及び導光板150に形成された貫通孔を介して組み付けられている。前側ステージ部材141は前後に開口されているのに対して、後側ステージ部材142はその全体が前方に開放された溝形状をなしている。後側ステージ部材142における左右両側部の開放部分が導光板150の背面により塞がれ奥側球通路143が形成されている。奥側球通路143は手前側球通路132に連通されている。また、前側ステージ部材141と後側ステージ部材142とにより、奥側球通路143を通過した遊技球が左右方向に転動するステージ144が形成されている。
ステージ144には、その中央に後方案内部145が形成されており、さらに後方案内部145を挟むようにして前方案内部146が形成されている。十分に減速されて後方案内部145に到達した遊技球は後側ステージ部材142に形成された誘導通路147に案内され、誘導通路147から遊技領域103内に排出される。この場合に、誘導通路147の出口は作動口115の鉛直上方に位置しており、両者の間に釘120などの障害となる部材が配設されていない。よって、誘導通路147を通過した遊技球は作動口115に入球し易くなっている。一方、十分に減速されて前方案内部146に到達した遊技球はそのまま遊技領域103内に排出される。
センターフレーム130における遊技球の動きを簡単に説明すると、屋根フレーム131の開口133に入った遊技球は左右いずれかの手前側球通路132を通過して、奥側球通路143に到達する。奥側球通路143に到達した遊技球は当該奥側球通路143を通過して、ステージ144に到達する。ステージ144に到達した遊技球は当該ステージ144上を左右に転動する。そして、転動の結果、後方案内部145に到達した遊技球は誘導通路147を通過することで作動口115に向けて誘導される。一方、前方案内部146に到達した遊技球は作動口115に向けて誘導されることなく、遊技領域103内に排出される。
以上の構成において、図6に示すように、可変入賞装置114、作動口115、及びセンターフレーム130のステージフレーム140は、導光板150の背面から後方へと突出している。この場合に、上記のとおり遊技盤ユニット100と図柄表示装置160との間に所定のスペースが確保されており、後方へ突出した可変入賞装置114等が図柄表示装置160に接触しないようになっている。また、遊技領域103に打ち出され、一般入賞口113、可変入賞装置114及び作動口115に入った遊技球は、遊技領域形成板110及び導光板150に形成された貫通孔を通って遊技盤ユニット100の奥側へと導かれる。この場合に、図9に示すように、遊技盤ユニット100と図柄表示装置160との間には排出通路ユニット170が設けられており、奥側へと導かれた遊技球はこの排出通路ユニット170に形成された排出通路171を通過して遊技機外部へ排出される。
次に、導光板150について詳細に説明する。図10は導光板150の正面図、図11は導光板150内における光の経路を説明するための説明図である。
導光板150の上縁には、下方へ凹むとともに厚み方向に貫通した複数の凹部153が、上縁全体に亘って所定間隔で形成されている。これら凹部153内に発光ダイオード154(以下、導光板用LED154とする)が位置するようにして素子基板155が配設されている。素子基板155について詳細には、素子基板155は導光板150の上縁全体に亘って位置するように長尺状をなし、その長手方向に導光板用LED154が所定間隔で複数形成されている。この所定間隔は凹部153の間隔に対応している。
導光板用LED154は有色(例えば、青色)の可視光を照射し、その照射された光は導光板150内に導入される。この場合に、導光板150の上縁には、厚み方向に貫通した凹部153を覆うように光反射テープ156が貼り付けられている。これにより、導光板用LED154の光が、確実に導光板150内に導入されるようになっている。そして、この導入された光は基本的に導光板150内で全反射を繰り返す。つまり、この導入された光は、導光板150の外面の法線に対して臨界角よりも大きな入射角度で導光板150の外面に対して入射することで全反射を繰り返して進んでゆく。
導光板150の前面には、機械的にエッチングすることで細かな線状の凹凸(凹凸部157)が形成されており、この凹凸部157により図10等で示すように枠状の模様が表されている。この模様は枠状のセンターフレーム130の内周部分に沿って形成されている。上記のように導光板用LED154から導入され導光板150内で全反射する光は、図11に示すように、凹凸部157に到達することで入射角が変化する。この入射角が変化した光は、一部が前面側から出射される。そして、この出射された光は遊技領域形成板110を透過する。これにより、凹凸部157に対応した枠状の模様が有色に光って見える。なお、図11においては、導光板150の厚み寸法に対する凹凸部157の寸法を実際よりも大きく示している。また、図8,図10においては、導光板用LED154から光が導入された状態を示す。
導光板150に形成された複数の貫通孔152a〜152iは、図10に示すように、その周壁部が光反射テープ158により覆われている。また、導光板150の周面であって、素子基板155が設けられていない下側及び左右両側の周面も光反射テープ159により覆われている。これにより、導光板150内を全反射する光が貫通孔152a〜152iの周壁部や導光板150の周面に到達したとしても、さほど外に漏れ出ることはなく光反射テープ158,159にて反射されることとなる。よって、凹凸部157に光が到達し易くなり、凹凸部157で出射される光の量が多くなる。
以上説明したパチンコ機10には、本体枠12の背面側に、遊技を統括管理する主制御装置271、スピーカ20や導光板用LED154などを制御する音声ランプ制御装置272、図柄表示装置160を制御する表示制御基板278、遊技球の払い出しを制御する払出制御装置311、動作電源の供給や遊技球の発射を制御する電源及び発射制御装置313、払出制御装置311に制御されて遊技球の払出を実行する払出機構部352、及び中継端子板276や各種接続基板314,381が設けられている。そこで、以下にこれらパチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板271aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
主制御基板271aのCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板271aの入力側には、主制御装置271に設けられた電源監視基板271b、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視基板271bには電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御基板271aには電源監視基板271bを介して電源が供給される。
一方、主制御基板271aの出力側には、電源監視基板271b、払出制御基板311aが接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。かかる場合に、当該各種コマンドは、ハーネスHLを介して一方向通信によって出力される(すなわち、コマンドを入力した旨の情報が払出制御基板311aから主制御基板271aに対して出力されない)。また、主制御基板271aの出力側には、中継端子板276が接続されている。中継端子板276を介して主制御基板271aから音声ランプ制御装置272に設けられた音声ランプ制御基板272aに対して各種コマンドなどが出力される。さらには、第1特定ランプ部117に配設されたLEDランプのスイッチや第2特定ランプ部118に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、第1特定ランプ部117及び第2特定ランプ部118は、主制御基板271aにより直接的に制御されることとなる。
電源監視基板271bは、主制御基板271aと電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのRAM513は、主制御基板271aのRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータを保持できる構成となっている。また、RAM513における各種のカウンタ等が記憶される作業エリアには、コマンド入力フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御基板271aから出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513aが設けられている。
コマンドバッファ513aは、主制御基板271aから出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御基板271a(上述したハーネスHLを介して)、電源及び発射制御基板313a、及び払出機構部接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御基板271a及び払出機構部接続基板381が接続されている。かかる場合に、払出機構部接続基板381を介して払出装置358などを含む払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部は、払出機構部接続基板381を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMのデータ記憶保持用電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びデータ記憶保持用電源を主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して供給する。なお、データ記憶保持用電源を生成するとは、データ記憶保持用コンデンサの充電を行うことをいう。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従って発射ソレノイド52の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド52は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、発射制御部には遊技球発射ハンドル18に設けられた発射スイッチ331、タッチセンサ332及び止め打ちスイッチ333が接続されており、発射スイッチ331及びタッチセンサ332がオン、止め打ちスイッチ333がオフの状態となった場合に限って発射許可信号を主制御基板271a(電源監視基板271bを介して)に出力する。主制御基板271aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板271bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイド52を駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル18にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイド52による打ち出し速度を決定する。
なお、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられており、RAM消去スイッチのスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御基板271aのRAM503に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。即ち、RAM消去スイッチが押された際、RAM消去スイッチ回路は主制御基板271aに対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチが押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御基板271aにおいてRAM503のデータがクリアされる。また、この際、主制御基板271aから払出制御基板311aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板311aにおいてもRAM513のデータがクリアされる。
音声ランプ制御基板272aは、表示制御基板278及び遊技盤ユニット100に設けられた導光板用LED154を制御するものである。音声ランプ制御基板272aは、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUにはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板272aの入力側には中継端子板276に中継されて主制御基板271aが接続されており、主制御基板271aから出力される各種コマンドに基づいて、表示制御基板278及び導光板用LED154を制御する。表示制御基板278は、音声ランプ制御基板272aから入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置160を制御する。
次に、図柄表示装置160における基本的な表示内容について、図13に基づいて説明する。
図柄表示装置160には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。なお、高確率時とは、第1図柄の組み合わせが予め定められた確率変動図柄の組み合わせによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。また、第1特定ランプ部117においては、確変状態となる大当たりのときに赤色が表示され、通常状態となる大当たりのときに緑色が表示される。
そして、図柄表示装置160には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れ、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。図柄表示装置160には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置160には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置160には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置271内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部117の発光色の設定や、図柄表示装置160の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置160が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置160の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部117に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口115への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしており、例えば、C2=0〜24が確変状態となる大当たりに該当し、C2=25〜49が通常状態となる大当たりに該当する。なお、大当たり種別カウンタC2により、図柄表示装置160の変動停止時の図柄の組合せ及び当該図柄の組合せを停止させる位置も決定される。即ち、本実施の形態では、図柄表示装置160において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個のカウンタ値によって全てのパターンが設定されていることとなる。そして、C2=0〜24のとき、即ち、確変状態となる大当たりのときには、奇数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。一方、C2=25〜49のとき、即ち、通常状態となる大当たりのときには、偶数番号の図柄の組合せと当該図柄の組合わせを停止させる位置が決定される。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、図柄表示装置160の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置160の表示態様が決定される。この場合に、スーパーリーチやプレミアムリーチの一種として後述する拡大表示リーチが含まれている。第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部117に表示される色の切り替えを行う期間としての切換表示時間が決定される。また、この切換表示時間は、図柄表示装置160の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置160においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置160に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部117に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置160による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、第2特定ランプ部118の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート116を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御基板271aのCPU501により実行される各制御処理を図15〜図17のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
NMI割込み処理では、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視基板271bからCPU501のNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、RAM503に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に詳細に説明する。
次に、主制御基板271aのCPU501により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS101では、各種入賞スイッチや払出制御基板311aなどからの信号読み込み処理を実行する。すなわち、主制御基板271aに接続されている各種スイッチの状態や払出制御基板311aなどからの信号を読み込むと共に、当該スイッチや信号の状態を判定して検出情報を保存する(但し、RAM消去スイッチの状態や停電信号を除く)。なお、検出情報の保存は、RAM503内に設定された各検出情報に対応するフラグ格納エリアにフラグをセットすることにより行われる。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて始動入賞処理を実行した後に、本処理を終了する。始動入賞処理では、遊技球が作動口115に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が作動口115に入賞したと判別されると、第1特定ランプ部117及び図柄表示装置160の作動保留球数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動口115への入賞があり、且つ作動保留球数が4未満であることを条件に、作動保留球数を1インクリメントするとともに、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
なお、遊技球が作動口115に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置160による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板311a等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS202では、RAM503のアクセスを許可する。
その後、ステップS203では、電源及び発射制御装置313に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判別し、続くステップS204ではRAM503の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS205ではRAM判定値を算出し、続くステップS206では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS209〜S211の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS209〜S211の処理に移行する。
ステップS209では、従側の制御基板となる払出制御基板311a(及び音声ランプ制御基板272a等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び表示初期化コマンド等)を出力する。続くステップS210ではRAM503の使用領域を0にクリアし、ステップS211ではRAM503の初期化処理を実行する。その後、ステップS212にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグがセットされていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS207にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS208にて従側の制御基板(払出制御基板311a及び音声ランプ制御基板272a等)を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS212にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S309の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS310,S311のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを音声ランプ制御基板272aや払出制御基板311aに対して出力する。また、図柄表示装置160による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御基板272a(表示制御基板278)に出力する。
次に、ステップS302では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS303では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判別し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したバッファ内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS304にてコマンド設定処理を実行する。このコマンド設定処理では、賞球コマンドやエラーコマンドの設定を行う。つまり、一般入賞口113、可変入賞装置114、又は作動口115のいずれかに遊技球が入賞していた場合には入賞した箇所に応じた賞球コマンドをセットし、払出機構部352に関して異常が発生することで払出制御基板311aから異常信号を入力した場合にはエラーコマンドをセットする。セットされた賞球コマンドが上述した外部出力処理にて払出制御基板311aに出力されることで、賞球の払い出しが実行される。また、セットされたエラーコマンドが上述した外部出力処理にて音声ランプ制御基板272aに出力されることで、エラー表示ランプ37が所定の態様で点滅するよう制御される。
コマンド設定処理の後は、ステップS305にて第1特定ランプ部117に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部117に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置160による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判別された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されバッファ内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部117に表示される色の切換表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部117のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS306にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置114の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後、ステップS307では、第2特定ランプ部118に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。簡単に説明すると、遊技球がスルーゲート116を通過したことを条件に、その都度の第2特定ランプ乱数カウンタC4の値が取得されると共に第2特定ランプ部118に表示される色の切り替え処理が実施される。そして、第2特定ランプ乱数カウンタC4の値により表示される色の抽選が実施され、赤色が選択されると、作動口115に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2特定ランプ乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図15に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。
ステップS307の後は、ステップS308にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板313aから発射許可信号を入力していることを条件として、電源及び発射制御基板313aに向けて0.6秒周期で発射制御信号を出力する。電源及び発射制御基板313aは発射制御信号を入力するごとに発射ソレノイド52を1回励磁する。つまり、上皿23に十分な遊技球が貯留された状況下で遊技者が遊技球発射ハンドル18を操作することにより、1分間に100個の遊技球が発射される。
遊技球発射制御処理の後はステップS309にて、RAM503内に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS310にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS311,S312)。つまり、ステップS311では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS312では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS301〜S309の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に両変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS309にて、停電フラグがセットされていると判別した場合は、停電により電源が遮断されたことになるので、ステップS313以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS313では、各割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS314にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板(払出制御基板311aや音声ランプ制御基板272aなど)に対して出力する。そして、ステップS315にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS316にてRAM503のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAMのデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM503に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板311aのCPU511により実行される各制御処理を図18〜図20のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU511の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、主制御基板271aから出力されるコマンドの入力により起動される入力時割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめに入力時割込み処理とを説明し、その後、メイン処理及びタイマ割込み処理を説明する。
入力時割込み処理では、主制御基板271aから出力されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aに記憶するとともに、RAM513に設けられたコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグをセットする。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513aに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に入力したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
次に、払出制御基板311aのメイン処理を、図18のフローチャートを用いて説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS402に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS403で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS404では、RAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグがセットされていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM513の初期化処理(ステップS411〜S413)に移行する。つまり、ステップS411ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS412ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS413ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグがセットされており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS407にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS408にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS409ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS409又はステップS413の処理の後は、ステップS410にて割込みを許可し、ステップS414にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判別し、停電フラグがセットされていなければ、停電フラグがセットされるまで待機する。
一方、停電フラグがセットされている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS415移行の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS415にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS416にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS417にてRAM513のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板313aからRAM513のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM513に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板311aのCPU511により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS501では、主制御基板271aから入力したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を実行する。このコマンド判定処理では、図20に示すように、ステップS601にて、RAM513のコマンド入力フラグ格納エリアにコマンド入力フラグがセットされているか否かを判別する。コマンド入力フラグがセットされていない場合は、新たなコマンドが主制御基板271aから出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグがセットされていた場合は、ステップS602にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM513のコマンドバッファ513aから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS603、ステップS605、ステップS610及びステップS611の各処理にて判別し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS603では、停電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、ステップS604にてRAM513の停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットして、本処理を終了する。この停電フラグがセットされていることにより、上述した停電時処理が実行される。
ステップS605では、払出初期化コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御基板271aからRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS606〜ステップS609の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS606では、RAM513に設けられた払出許可フラグ格納エリアに払出許可フラグがセットされているか否かを判別し、当該フラグがセットされていない場合は、ステップS607にてRAM513の作業領域を0にクリアし、さらにステップS608にてRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS609にて払出許可フラグをセットすることで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS606において払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS607及びステップS608の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチが押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS610では、復電コマンドであるか否かを判別し、当該コマンドである場合には、払出制御基板311aが停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS609にて払出許可フラグをセットした後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
ステップS611では、賞球コマンドである否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS612にて賞球コマンドに対応した賞球個数を総賞球個数に加算した後に、ステップS609にて払出許可フラグをセットし本処理を終了する。
なお、コマンドバッファ513aから読み出したコマンドが、停電コマンド、払出初期化コマンド、復電コマンド又は賞球コマンドのいずれでもない場合は、当該コマンドはノイズ等により生じたコマンドと認識し、コマンドバッファ513aの読出ポインタを更新するだけで他の処理を行わずに本処理を終了する。
タイマ割込み処理(図19)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS502にて払出許可フラグがセットされているか否かを判別する。払出許可フラグがセットされていない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、払出許可フラグがセットされている場合は、ステップS503にて状態復帰スイッチをチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
また、ステップS504では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。かかる場合に、タンク球無し状態の設定に際し、主制御基板271aに対して異常信号を出力する。
その後、ステップS505では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS506〜S508では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS501のコマンド判定処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS506,S507が共にNO)、ステップS508に進み、賞球制御処理を開始する。つまり、払出機構部352の払出装置を駆動制御して賞球の払い出しを行う。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS506,S507の何れかがYES)、ステップS509〜S511の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つCRユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS509がNO、S510がYES)、ステップS511に進み、貸球制御処理を開始する。つまり、払出機構部352の払出装置を駆動制御して貸球の払い出しを行う。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS509がYES又はS510がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS512では、状態復帰スイッチをチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS513では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本処理を終了する。
次に、表示制御基板278のCPUにより所定周期(例えば、2msec)で実行される表示態様切換処理について図21を用いて説明する。ここで、表示態様切換処理について簡単に説明すると、本実施の形態では、遊技領域103よりも広い面積を有する表示画面161を備えており、表示画面161においては上記のとおり図柄の可変表示や各種リーチ演出が行われる。かかる構成において図柄の可変表示が行われている場合は基本的に表示画面161の一部にて行われる(以下、縮小表示ともいう)。この場合、表示画面161における縮小表示されている領域以外の領域には、所定の背景用画像などが表示されている。一方、所定のリーチ演出を行う場合や大当たり状態における大当たり動画を表示する場合には、その表示が少なくとも遊技領域103よりも広い領域にて行われる(以下、拡大表示ともいう)。そして、これら縮小表示と拡大表示との間の表示領域の切換が表示態様切換処理にて行われる。
ステップS701では、図柄表示装置160の表示画面161にて拡大表示を行っているか否かを判別する。拡大表示を行っていない場合には、ステップS702にて拡大表示開始タイミングとなったか否かを判別する。かかる判別は、表示制御基板278に設けられたタイマの値を参照して行われる。詳細には、表示制御基板278においては音声ランプ制御基板272aから入力した表示コマンドに基づいて図柄表示装置160を制御する。この入力した表示コマンドにおいて拡大表示リーチを行う旨の情報が含まれている場合には、タイマに開始判別用の所定値をセットする。この値は、図柄の可変表示の開始から拡大表示リーチを開始するまでの時間に対応している。そして、ステップS701にて否定判別をする毎にセットした値を1減算し、その値が0となった場合にステップS702にて肯定判別をする。なお、タイマの値が0の場合には、かかる減算は行わない。
ステップS702にて肯定判別をした場合には、ステップS703にて表示画面161における表示態様を縮小表示から拡大表示に切り換える。否定判別をした場合にはそのまま本処理を終了し、表示画面161における表示態様は縮小表示が継続される。
一方、ステップS701にて拡大表示を行っていると判別した場合には、ステップS704にて拡大表示終了タイミングとなったか否かを判別する。かかる判別は、上記タイマの値を参照して行われる。詳細には、上記のように拡大表示を開始したタイミングで、上記タイマに終了判別用の所定値をセットする。この値は、拡大表示リーチを開始してから終了するまでの時間に対応している。また、遊技状態が大当たり状態に移行する場合には、その大当たり状態が終了するまでの時間に対応している。そして、ステップS701にて肯定判別をする毎にセットした値を1減算し、その値が0となった場合にステップS704にて肯定判別をする。
ステップS704にて肯定判別をした場合には、ステップS705にて表示画面161における表示態様を拡大表示から縮小表示に切り換える。否定判別をした場合には、そのまま本処理を終了し、表示画面161における表示態様は拡大表示が継続される。
次に、音声ランプ制御基板272aのCPUにより所定周期(例えば、2msec)で実行される導光板用LED制御処理について図22を用いて説明する。ここで、導光板用LED制御処理について簡単に説明すると、本実施の形態では、上記のとおり図柄表示装置160の表示画面161において縮小表示と拡大表示とが行われる。この場合に、遊技盤ユニット100の導光板150から前方へ照射される光により表示画面161における縮小表示をしている領域の区画線を表す構成となっている。これにより、縮小表示されている領域を明確に教示することができる。一方、拡大表示が行われる場合には、導光板150からの光の照射を停止し、区画線を消す必要がある。そこで、表示画面161の表示態様に合わせた導光板用LED154のオン/オフ制御が導光板用LED制御処理にて行われる。なお、当該導光板用LED制御処理は表示制御基板278における表示態様切換処理とほぼ同期して行われる。
ステップS801では、図柄表示装置160の表示画面161にて拡大表示を行っているか否かを判別する。拡大表示を行っていない場合には、ステップS802にて拡大表示開始タイミングとなったか否かを判別する。かかる判別は、音声ランプ制御基板272aに設けられたタイマの値を参照して行われる。詳細には、音声ランプ制御基板272aにおいては主制御基板271aから入力した表示コマンドに基づいて導光板用LED154を制御する。この入力した表示コマンドにおいて表示画面161にて拡大表示を行う旨の情報が含まれている場合には、タイマに所定の値をセットする。この値は、表示画面161にて図柄の可変表示が開始されてから拡大表示が開始されるまでの時間に対応している。つまり、この値は、表示制御基板278における上記タイマの開始判別用の所定値と同じ値となっている。そして、ステップS801にて否定判別をする毎にセットした値を1減算し、その値が0となった場合にステップS802にて肯定判別をする。なお、タイマの値が0の場合には、かかる減算は行わない。
ステップS802にて肯定判別をした場合には、ステップS803にて導光板用LED154の制御をオン制御からオフ制御に切り換える。これにより、導光板150への光の導入が停止され、区画線が消える。否定判別をした場合にはそのまま本処理を終了し、導光板150への光の導入が継続される。これにより、区画線が表された状態が継続される。
一方、ステップS801にて拡大表示を行っていると判別した場合には、ステップS804にて拡大表示終了タイミングとなったか否かを判別する。かかる判別は、上記タイマの値を参照して行われる。詳細には、上記のように導光板用LED154のオフ制御を開始したタイミングで、上記タイマに終了判別用の所定値をセットする。この値は、表示画面161にて拡大表示リーチが開始されてから終了されるまでの時間に対応している。また、遊技状態が大当たり状態に移行する場合には、その大当たり状態が終了するまでの時間に対応している。つまり、この値は、表示制御基板278における上記タイマの終了判別用の所定値と同じ値となっている。そして、ステップS801にて肯定判別をする毎にセットした値を1減算し、その値が0となった場合にステップS804にて肯定判別をする。
ステップS804にて肯定判別をした場合には、ステップS805にて導光板用LED154の制御をオフ制御からオン制御に切り換える。これにより、導光板150への光の導入が再開され、区画線が表れる。否定判別をした場合にはそのまま本処理を終了し、導光板150への光の導入が停止された状態が継続される。これにより、区画線が消えた状態が継続される。
次に、遊技領域103を介して視認される表示態様について図23を用いて説明する。図23(a)は縮小表示されている状態を示し、図23(b)は拡大表示されている状態を示す。
図23(a)では、図柄表示装置160における表示画面161において図柄の可変表示が縮小表示にて行われている。かかる縮小表示は枠状のセンターフレーム130の内側にて行われている。この場合に、遊技盤ユニット100の導光板150に対して導光板用LED154から光が導入されていることにより、縮小表示の外縁に有色の光により区画線DLが表されている。なお、表示画面161における縮小表示されている領域の外側には、均一色の背景用画像が表示されている。
図23(b)では、表示画面161においてリーチ演出が拡大表示にて行われている。かかる拡大表示は区画線DLが表示されていた領域よりも広い領域であって遊技領域103におけるほとんどの領域に表されるように行われている。この場合に、遊技盤ユニット100の導光板150に対する導光板用LED154からの光の導入が停止され、上記区画線DLが消えている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技盤ユニット100の奥側に図柄表示装置160を設け、図柄表示装置160の表示画面161における表示内容が遊技盤ユニット100を介して視認可能となるように当該ユニット100を構成する遊技領域形成板110及び導光板150を透明性材料により形成した。これにより、従来のパチンコ機10に比べ表示画面161の拡張を図ることができ、表示画面161においてダイナミックなリーチ演出などを行うことができる。
この場合に、図柄の可変表示における特定タイミングで表示画面161における表示態様を縮小表示から拡大表示に切り換えるようにした。つまり、通常の図柄の可変表示においては縮小表示を行い、特定のリーチ演出などを行う場合に拡大表示を行う構成とした。これにより、表示画面161を拡張した構成においてその表示態様を良好なものとすることができる。例えば、常に拡大表示を行う構成とすると、遊技者にとっては遊技領域103全体を常に視認する必要が生じ、却って視認性が悪化してしまうおそれがある。また、特定のリーチ演出などを行う場合に拡大表示を行う構成とすることで、特定のリーチ演出などが強調され遊技者の注目度を高めることができる。
また、遊技盤ユニット100として遊技領域形成板110の奥側に導光板150を設け、当該導光板150には縮小表示がなされる領域を区画するように枠状をなす光放射領域としての凹凸部157を形成した。これにより、導光板用LED154から照射され導光板150内に導入された光は、凹凸部157に到達することで一部が導光板150を透過し遊技領域形成板110側に向けて放射される。これにより、縮小表示されている領域を区画するように区画線DLが表示され、かかる領域を明確に教示することができる。特に、本構成においては表示画面161において区画線DLを表すのではなく導光板150から放射される光により区画線DLを表す構成であるので、上記教示する効果をより顕著なものとすることができる。表示画面161に表示された模様と、導光板150から放射される光とでは、遊技者の視認性が異なるからである。
また、表示画面161における表示態様が縮小表示から拡大表示に切り換えられる場合には、導光板用LED154がオン状態からオフ状態に切り換えられる。これにより、拡大表示されている間は区画線DLが消え、上記のように縮小表示されている領域を明確に教示するようにした構成において、拡大表示が区画線DLによって邪魔されることはない。
また、導光板150に遊技領域103を形成するのではなく遊技領域形成板110に遊技領域103を形成したことで、上記効果を好適に奏することができる。つまり、導光板150に遊技領域103を形成する構成においては、釘120を導光板150の前面に配設する必要がある。この場合、釘120が配設された位置から光が外に漏れ出し、凹凸部157に到達する光の量が減少してしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり遊技領域形成板110に遊技領域103を形成することで、かかる不都合が生じることはない。
なお、光放射領域を凹凸部157により形成する構成とした。これにより、光放射領域を比較的容易に、且つ比較的低コストで形成することができる。また、上記凹凸部157を機械的に形成する構成とした。これにより、光放射領域の形成をより容易に行うことができる。
センターフレーム130を表示画面161における縮小表示がなされる領域を区画するように枠状に形成した。これにより、縮小表示がなされている状況下においては、センターフレームにより区画された領域内にて図柄の可変表示が行われるため、従来のパチンコ機における表示態様が再現される。つまり、従来のパチンコ機においては、遊技盤の略中央に図柄表示装置を設置し、さらに図柄表示装置を囲むようにしてセンターフレームを設置する構成が一般的である。この場合に、上記のとおりセンターフレーム130により区画された領域内にて縮小表示を行うことで、従来のパチンコ機に慣れた遊技者にとっては縮小表示を違和感なく視認することができる。一方、拡大表示においてはセンターフレーム130により区画された領域を超えて図柄などが表示される。よって、拡大表示をより強調することができる。
また、凹凸部157をセンターフレーム130に沿うようにして形成した。これにより、センターフレーム130に沿うようにして区画線DLが表され、透明性材料によりセンターフレーム130を形成した構成においてセンターフレーム130に区画された領域内にて表示される縮小表示を明確に教示することができる。
さらに、遊技領域形成板110の奥側にある導光板150(凹凸部157)から放射される光により区画線DLが表されていることにより、センターフレーム130に対して前後方向の距離が近い位置にて区画線DLが表される。よって、区画線DLをセンターフレーム130に沿うようにして表すことができる。特に、本構成においては、遊技盤ユニット100と図柄表示装置160とが前後に離間されており、この離間されたスペースを利用して排出通路ユニット170が配設されている。また、この離間されたスペースを利用して、センターフレーム130のステージフレーム140や可変入賞装置114などが遊技盤ユニット100の奥側に突出させて配置されている。この場合に、表示画面161にて区画線DLを表そうとすると、その区画線DLをセンターフレーム130に沿うようにして表示するのが困難となる。本パチンコ機10にて遊技を行う遊技者は遊技領域103に対する目の位置は多様であり、センターフレーム130と区画線DLとが前後に離間されていると、見る角度によっては両者が一致しないからである。これに対して、上記のとおり遊技領域形成板110の奥側にある導光板150から放射される光により区画線DLが表されていることにより、上記のような不都合が生じることはない。
凹凸部157を、導光板150における遊技領域形成板110との対向面に形成した。これにより、センターフレーム130に対して前後方向の距離が近い位置にて区画線DLを表すことができる。例えば、凹凸部157を遊技領域形成板110との対向面に対して反対側の面に形成した構成においては、区画線DLとセンターフレーム130とが少なくとも導光板150の厚み分離間されるからである。
また、導光板150を、遊技領域形成板110の奥側において同遊技領域形成板110と重ねて配置した。これにより、センターフレーム130に対して前後方向の距離が近い位置にて区画線DLを表すことができる。例えば、遊技領域形成板110と導光板150とが大きく離間された構成においては、区画線DLとセンターフレーム130とがその分離間されるからである。また、本構成によれば、遊技盤ユニット100の厚み寸法を極力小さくすることができ、遊技盤ユニット100を設けるために要するスペースの縮小化が図られる。
発光体としての導光板用LED154が配設された素子基板155を導光板150の上側周面に設けた。これにより、遊技領域103の下端寄りの位置に一般入賞口113や可変入賞装置114などを設けた構成において、導光板150内に導入された光は貫通孔152a〜152iなどにより邪魔されることなく凹凸部157に到達し、凹凸部157からの光の放射を良好なものとすることができる。
貫通孔152a〜152iの周壁部を覆うように光反射テープ158を設けた。これにより、貫通孔152a〜152iの周壁部に到達した光は光反射テープ158により反射され導光板150内を進む。よって、導光板150に貫通孔152a〜152iを設けた構成において、凹凸部157に到達する光の量が少なくなるのを抑制することができる。また、貫通孔152a〜152iの周壁部が光反射テープ158により覆われていない構成においては、導光板150内を全反射する光が貫通孔152a〜152iを通過する遊技球に照射され、遊技球表面での反射光が凹凸部157を介して放射される光と混同して視認されることが考えられる。この場合、区画線DLがぼやけたり、縮小表示されている図柄の視認性が悪化するといった不都合が生じるおそれがある。これに対して、貫通孔152a〜152iの周壁部が光反射テープ158により覆われていることにより、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
導光板150の周面のうち素子基板155が設けられている部分を除いた領域を覆うように光反射テープ159を設けた。これにより、導光板150の周面に到達した光は光反射テープ159により反射され導光板150内を進む。よって、導光板150の周面に到達した光がそこから漏れ出すことが抑制され、凹凸部157に到達する光の量が少なくなるのを抑制することができる。
釘が配設される遊技領域形成板110に対して導光板150の厚み寸法を小さくした。これにより、遊技盤ユニット100の厚み寸法を極力小さくすることができ、遊技盤ユニット100を設けるために要するスペースの縮小化が図られる。
遊技領域形成板110と導光板150とをその外周側にて固定するようにした。これにより、遊技盤ユニット100を好適に設けることができる。例えば、遊技領域形成板110と導光板150とのそれぞれの対向面に接着剤を塗布して固定する構成においては、内部に気泡などが発生し不良率が高くなってしまうおそれがあるからである。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)遊技盤ユニット100における区画線DLの表示態様を上記実施の形態とは異なるものとしてもよい。その変更例を図24及び図25を用いて説明する。なお、以下の説明においては、上記実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図24においては、上記実施の形態のようにセンターフレーム130の内周縁に沿うようにして区画線DLが表されているのではなく、センターフレーム130の全体を含むようにして区画線DLが表されている。本構成においてもセンターフレーム130により区画される領域を、区画線DLにより明確に教示することができる。また、本構成においては、センターフレーム130の球通路132,143やステージ144を転動する遊技球が導光板150からの光により照らされ、その視認性を向上させることができる。さらには、装飾的効果を高めることができる。
図25においては、複数(ここでは、4つ)の区画線DL1〜DL4が表されている。これにより、縮小表示の態様を多様化することができる。かかる態様としては、各区画線DL1〜DL4にて区画される領域にて縮小表示を同時に行う態様が考えられる。この場合、すべての領域にて同一の図柄が揃った場合に大当たり状態に移行する構成としてもよい。また、各区画線DL1〜DL4にて区画される領域にて縮小表示が順次行われる構成としてもよい。この場合、DL1→DL2→DL3→DL4の順で縮小表示が行われる構成とし、縮小表示が後の順番へと発展していくほど大当たり状態発生への期待度が高まる構成としてもよい。但し、このように縮小表示を順次行う構成とするには、各区画線DL1〜DL4に対応させて導光板と発光体との組合せを設ける必要がある。
(2)導光板150の形状及び大きさが遊技領域形成板110と同一でない構成としてもよい。例えば、遊技領域形成板110より小さい導光板を設ける構成としてもよい。但し、縮小表示される領域を含むことができる大きさとする。かかる構成であっても、導光板に光放射領域を形成することで、縮小表示される領域を明確に教示することができる。
(3)センターフレーム130を設けない構成としてもよい。かかる構成であっても、縮小表示される領域を区画線DLにより区画することで、その領域を明確に教示することができる。
(4)上記実施の形態では、図柄表示装置160を樹脂ベース25に取り付けたが、かかる取り付けの構成はこれに限定されることはない。例えば、本体枠12の背面側に主制御装置271などが取り付けられる後方カバー部材が設けられる構成においては、当該後方カバー部材に図柄表示装置160を取り付ける構成としてもよい。また、遊技盤ユニット100の奥側に図柄表示装置160を取り付けるための取付枠を設ける構成としてもよい。
(5)上記実施の形態では、遊技領域形成板110と導光板150とを重ねて設けたが、これらを離間させて設けてもよい。但し、センターフレーム130と区画線DLとを大きく離間させるのは好ましくないため、遊技領域形成板110と導光板150とを近接させて設けるのが好ましい。
(6)遊技領域形成板110を形成する材料はポリカーボネート樹脂に限定されることはなく、透明性を有する材料であれば任意である。例えば、ポリカーボネート樹脂よりも光透過性が良いアクリル樹脂により遊技領域形成板110を形成してもよい。但し、アクリル樹脂は一般的にポリカーボネート樹脂よりも弾性が低いため、配設された釘120などに繰り返し遊技球が衝突するとその衝撃で遊技領域形成板110が破損するおそれがある。また、釘120の角度調整が繰り返し行われることによってもその際に発生する歪により遊技領域形成板110が破損するおそれがある。したがって、アクリル樹脂により形成する構成においてはアクリル樹脂に所定量のブタジエンなどといった合成ゴムを添加するのが好ましい。また、当該合成ゴムの添加量を20〜30%とするのがより好ましい。この場合、光の透過性が極端に低下するのを抑えつつ、弾性を高めることができる。
(7)導光板150を形成する材料はアクリル樹脂に限定されることはなく、透明性を有する材料であれば任意である。したがって、ポリカーボネート樹脂によって導光板150を形成する構成としてもよい。ただし、光の透過性を良好なものとすべくアクリル樹脂によって導光板150を形成する構成とするのが好ましい。
(8)上記実施の形態では、光放射領域としての凹凸部157を導光板150の前面に形成したが、これに代えて、導光板150の背面に凹凸部157を形成する構成としてもよい。この場合、区画線DLのエッジを上記実施の形態よりもシャープにすることができる。また、導光板150の前面及び背面に凹凸部157を形成する構成としてもよい。
(9)発光体としてLED以外を設ける構成としてもよい。例えば、蛍光管を設ける構成としてもよい。この場合、蛍光管の長さを導光板150の上側周面の長さと同程度とすることにより、導光板150への光の導入を1周面の全体から行うことができる。
(10)上記実施の形態では、導光板150の上側周面にのみ発光体を設けたが、これを変更してもよい。例えば、左右いずれかの端面に発光体を設ける構成としてもよい。また、全方向の周面に発光体を設ける構成としてもよい。
(11)導光板用LED154として多色発光タイプのLEDを用いてもよい。この場合、区画線DLの色彩を変化させることができ、区画線DLにおいて光の色による演出を行うことができる。
(12)上記実施の形態では、遊技領域形成板110及び導光板150の4隅にそれぞれ開口111,151が形成されており、連通された各開口111,151にビス112を挿通固定する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、遊技領域形成板110と導光板150とを前後に挟持するように固定具を設けて固定する構成としてもよい。
(13)上記実施の形態では、導光板150に形成された貫通孔152a〜152iの周壁部、及び導光板150の周面には、光反射手段として光反射テープ158,159を設けたが、これを変更してもよい。例えば、光反射テープ158,159の代わりに銀ペーストなどといった金属添加ペーストを塗布する構成としてもよい。
(14)上記実施の形態では、導光板150の厚み寸法を遊技領域形成板110よりも小さくしたが、これに限定されることはなく、導光板150の厚み寸法を遊技領域形成板110と同一としてもよく、遊技領域形成板110よりも大きくしてもよい。
(15)凹凸部157の形成方法は、機械的にエッチングする方法に限られるものではなく、例えば、薬液などを用いて凹凸部157を化学的にパターニングする構成としてもよい。
また、透明性を有し導光板150と異なる屈折率の反射用部材を導光板150に埋め込む構成としてもよい。この場合、反射用部材と導光板150との境界面にて光が乱反射することで、パチンコ機10前方に向けて光を放射することが可能となる。なお、反射用部材として比較的小径のビーズを多数埋め込む構成とすれば、反射用部材と導光板150との間の境界面を極力大きく確保することができ、反射用部材を介してパチンコ機10前方に向けて放射される光の量を増やすことができる。
(16)上記実施の形態では、音声ランプ制御基板272aが導光板用LED154を制御する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、主制御基板271aや表示制御基板278が導光板用LED154を制御する構成としてもよい。
(17)上記実施の形態では、導光板150から放射される光により区画線DLを表示する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、導光板150から放射される光により、光の演出を行う構成としてもよい。これにより、表示画面161における表示内容に合わせて導光板150から放射される光によって演出を行うことができ、遊技への注目度を高めることができる。
(18)上記実施の形態では、一連の凹凸部157を形成することで連続して環状をなす光放射領域を設けたが、これを変更してもよい。例えば、断続的に凹凸部157を形成することで不連続な光放射領域を設ける構成としてもよい。
(19)上記実施の形態では、遊技領域103よりも広い面積の表示画面161を有する図柄表示装置160を設けたが、これを変更してもよい。例えば、遊技領域103よりも若干狭い面積の表示画面161を有する図柄表示装置160を設けてもよく、また遊技領域103と略同一の面積の表示画面161を有する図柄表示装置160を設けてもよい。また、遊技領域103と略同一、又は遊技領域103よりも広い面積の表示画面161を有する図柄表示装置160を設けた構成において、表示画面161の前方領域に遊技領域103の外周側の一部が入らないように図柄表示装置160を配置してもよい。
(20)上記実施の形態では、表示画面161においてリーチ演出が拡大表示にて行われる場合には、かかる拡大表示を遊技領域103におけるほとんどの領域に表されるように行う構成としたが、縮小表示にて区画線DLが表示されていた領域よりも広い領域であれば拡大表示を上記実施の形態よりも狭い領域で行う構成としてもよい。すなわち、拡大表示と縮小表示とで図柄の可変表示領域が大小される構成であれば、各表示における領域の大きさは任意である。
(21)上記実施の形態では、表示画面161において縮小表示を行う場合には、縮小表示が行われている領域の外側に均一色の背景画像を表示する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、縮小表示が行われている領域の外側にパチンコ機10の機種に関係したキャラクタを表示する構成としてもよく、風景などを表示する構成としてもよい。また、表示される内容は静止画に限られず、キャラクタなどによる動画を表示する構成としてもよい。
(22)上記実施の形態では、主制御基板271aにおいて、図柄表示装置160における停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、音声ランプ制御基板272aや表示制御基板278が、停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出などを決定する構成としてもよい。この場合、主制御基板271aは、確変状態となる大当たり、通常状態となる大当たり又は大当たり発生無しのうちのいずれが発生するかの情報と、第1特定ランプ部117に表示される色の切換表示時間の情報とを含めた表示コマンドを音声ランプ制御基板272a又は表示制御基板278に対して出力する。そして、表示コマンドを受け取った基板272a又は制御装置278は、その表示コマンドに基づいて、停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定し、切換表示時間の範囲内で図柄の変動表示を制御する。本構成であれば、主制御基板271aの処理負荷の軽減を図ることができる。
(23)上記実施の形態では、第1,第2特定ランプ部117,118を設ける構成としたが、これらを設けずともよい。また、第1,第2特定ランプ部117,118を設ける構成においては、その配置位置は上記実施の形態における位置に限定されることはなく任意である。
(24)上記実施の形態では、主制御基板271aからのコマンドに基づいて音声ランプ制御基板272aが表示制御基板278を制御する構成としたが、これに代えて、主制御基板271aからのコマンドに基づいて表示制御基板278が音声ランプ制御基板272aを制御する構成としてもよい。また、表示制御基板278と音声ランプ制御基板272aとを別々に設けるのではなく、これら両基板の機能を一の基板に設けてもよい。この場合、かかる基板が主制御基板271aからのコマンドに基づいて、図柄表示装置160や導光板用LED154を制御することとなる。
(25)役物などを備えた上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機において、本発明を適用してもよい。