本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による無線通信システム10は、無線装置1と、受信機2〜4と、被制御部5〜7とを備える。
無線装置1は、通常動作においてインフラストラクチャモードでアクセスポイント(図1では、図示せず)に帰属して無線通信を行う。そして、無線装置1は、アクセスポイントまたはアクセスポイント以外の他の無線装置との間で無線リンクを確立していないときに被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)の制御を開始するとき、無線フレームを自律的に送信可能な自律送信モードへ移行し、被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを後述する方法によって被制御部5〜7にそれぞれ対応する受信機2〜4へブロードキャストする。
制御識別子CIDは、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を特定し、かつ、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を制御するための情報であり、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を特定する特定情報と、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御内容を示す制御情報とを含む。
制御情報は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)をオンする制御内容、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)をオフする制御内容、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)が照明からなるとき、照明の光の強度を調整する制御内容、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)がスピーカからなるとき、スピーカの音量を調整する制御内容、および被制御部(被制御部5〜7のいずれか)がモータからなるとき、モータの回転数を調整する制御内容等を含む。従って、受信機2〜4の各々は、制御識別子CIDに基づいて、この制御内容を含む制御信号を生成し、その生成した制御信号を対応する被制御部5〜7へ出力する。制御識別子CIDに含まれる特定情報および制御情報は、所望のビット数で表わされる。
受信機2〜4の各々は、例えば、100μWの電力を電源(図示せず)から受け、その受けた電力によって駆動される。受信機2〜4は、無線装置1から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信電波を包絡線検波して無線フレームのフレーム長を検出し、その検出したフレーム長をビット列に変換し、その変換したビット列が被制御部5〜7の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて、制御内容を含む制御信号を生成し、その生成した制御信号を対応する被制御部5〜7へ出力する。
この場合、受信機2〜4の各々は、制御情報を構成するビット値と、制御内容との対応関係を保持しており、その保持している対応関係を参照して、制御識別子CIDの制御情報を構成するビット値に対応する制御内容を検出し、その検出した制御内容を含む制御信号を生成する。
被制御部5〜7は、それぞれ、受信機2〜4に対応して設けられる。また、被制御部5〜7は、例えば、無線装置のホストシステム、照明、スピーカ、モニター、カメラおよびモータ等からなる。そして、被制御部5〜7は、それぞれ、対応する受信機2〜4から制御信号を受けると、その受けた制御信号に基づいて制御される。
なお、被制御部5〜7は、「制御対象機器」を構成する。
図2は、図1に示す無線装置1の構成を示す概略図である。図2を参照して、無線装置1は、アンテナ11と、フレーム長変調信号生成部12と、ホストシステム13とを含む。
フレーム長変調信号生成部12は、インフラストラクチャモードへ移行するための指示信号Comd1をホストシステム13から受けると、自律送信モードからインフラストラクチャモードへ移行する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、インフラストラクチャモードにおいて、アンテナ11を介して、アクセスポイントとの間で無線リンクを確立し、アクセスポイントと無線通信を行う。
また、フレーム長変調信号生成部12は、インフラストラクチャモードにおいて、アクセスポイントとの間で無線リンクを確立していないときに、自律送信モードへ移行するための指示信号Comd2(「モード移行信号」を構成する)をホストシステム13から受けると、インフラストラクチャモードから自律送信モードへ移行する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、自律送信モードにおいて、被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)を制御するための制御識別子CIDを表わすフレーム長と、そのフレーム長を有する無線フレームを送信するための通信方式とをホストシステム13から受け、その受けたフレーム長を有する無線フレームをホストシステム13から受けた通信方式によって受信機2〜4へブロードキャストする。
ホストシステム13は、被制御部5〜7の制御識別子CID_A〜CID_Cを予め保持している。制御識別子CID_A〜CID_Cは、それぞれ、被制御部5〜7を特定し、かつ、被制御部5〜7を制御するための識別子である。
また、ホストシステム13は、通常動作において、指示信号Comd1を生成し、その生成した指示信号Comd1をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
更に、ホストシステム13は、フレーム長変調信号生成部12がインフラストラクチャモードで動作しているとき、無線装置1がアクセスポイントに帰属しているか否か、または無線装置1がアクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立しているか否かを判定する。この場合、ホストシステム13は、アクセスポイントとアソシエーション処理を完了すると、無線装置1がアクセスポイントに帰属していると判定し、その後、一定期間、アクセスポイントからビーコンフレームを受信しなければ、無線装置1がアクセスポイントに帰属していないと判定する。また、ホストシステム13は、アクセスポイント以外の無線装置とアソシエーション処理を完了すると、無線装置1がアクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立していると判定し、その後、一定期間、アクセスポイント以外の無線装置からビーコンフレームを受信しなければ、無線装置1がアクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立していないと判定する。
そして、ホストシステム13は、フレーム長変調信号生成部12がインフラストラクチャモードで動作しているとき、無線装置1がアクセスポイントに帰属しておらず、かつ、無線装置1がアクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立していないと判定したとき、即ち、無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立していないと判定したとき、指示信号Comd2を生成し、その生成した指示信号Comd2をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
更に、ホストシステム13は、指示信号Comd1をフレーム長変調信号生成部12へ出力した後、フレーム長変調信号生成部12がアクセスポイントとの間で無線リンクを確立すると、データを生成してフレーム長変調信号生成部12へ出力するとともに、フレーム長変調信号生成部12からデータを受ける。
更に、ホストシステム13は、指示信号Comd2をフレーム長変調信号生成部12へ送信した後、制御識別子CID_A〜CID_Cを表わすフレーム長と、そのフレーム長を有する無線フレームを送信するための通信方式とをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
図3は、図1に示す受信機2の構成を示す概略図である。図3を参照して、受信機2は、アンテナ21と、不要波除去回路22と、包絡線検波回路23と、ビット判定器24と、フレーム長検出回路25と、フレーム長判定回路26とを含む。
不要波除去回路22は、アンテナ21を介して電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。そして、不要波除去回路22は、その抽出した信号を包絡線検波回路23へ出力する。
包絡線検波回路23は、不要波除去回路22から受けた信号を包絡線検波し、その検波した検波信号をビット判定器24へ出力する。
ビット判定器24は、包絡線検波回路23から受けた検波信号を一定周期(例えば、8μs)ごとに“0”または“1”のビット値に変換し、その変換後のビット列をフレーム長検出回路25へ出力する。
フレーム長検出回路25は、ビット判定器24から受けたビット列に基づいて無線フレームのフレーム長を検出する。より具体的には、フレーム長検出回路25は、“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“0”のビット値が入力されたときの累計値をフレーム長判定回路26へ出力する。その後、フレーム長検出回路25は、累計値をリセットする。
フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から受けた累計値を後述する方法によってビット列に変換する。そして、フレーム長判定回路26は、その変換したビット列を保持する。
そうすると、フレーム長判定回路26は、保持したビット列が被制御部5の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて制御信号を生成して被制御部5へ出力する。
なお、フレーム長判定回路26は、保持したビット列のビット長が制御識別子CIDの長さを超える場合、ビット列のうち、最も古いビット値から順に破棄する。
また、図1に示す受信機3,4の各々も、図3に示す受信機2と同じ構成からなる。
図4は、図3に示す不要波除去回路22の構成を示す概略図である。図4の(a)を参照して、不要波除去回路22は、BPF(Band Pass Filter)221からなる。BPF221は、アンテナ21を介して無線フレームの電波を受信し、その受信した受信電波から無線フレームの周波数を有する信号を包絡線検波回路23へ通過させる。
図4の(b)を参照して、不要波除去回路22は、周波数変換回路222と、BPF223とを含む。周波数変換回路222は、アンテナ21を介して無線フレームの電波を受信し、その受信した電波の周波数をBPF223の通過帯域の周波数に変換する。そして、周波数変換回路222は、その変換した周波数を有する電波をBPF223へ出力する。
BPF223は、周波数変換回路222から電波を受け、その受けた電波のうち、自己の通過帯域の周波数を有する電波を包絡線検波回路23へ出力する。
図4の(c)を参照して、不要波除去回路22は、周波数変換回路224と、LPF(Low Pass Filter)225とを含む。周波数変換回路224は、アンテナ21を介して無線フレームの電波を受信し、その受信した電波の周波数をLPF225の通過帯域の周波数に変換する。そして、周波数変換回路224は、その変換した周波数を有する電波をLPF225へ出力する。
LPF225は、周波数変換回路224から電波を受け、その受けた電波のうち、一定の周波数以下の周波数を有する電波を包絡線検波回路23へ出力する。
不要波除去回路22は、図4の(a)〜(c)のいずれかに示す構成からなる。
図5は、ビット列と無線フレームの時間長であるフレーム長Lとの変換表を示す図である。図5を参照して、変換表TBL1は、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
896μsのフレーム長Lは、“000000”のビット列に対応付けられる。928(μs)のフレーム長Lは、“000001”のビット列に対応付けられる。960(μs)のフレーム長Lは、“000010”のビット列に対応付けられる。以下、同様にして、2912(μs)のフレーム長Lは、“111110”のビット列に対応付けられ、2944(μs)のフレーム長Lは、“111111”のビット列に対応付けられる。そして、“000000”等のビット列は、制御識別子CIDである。即ち、“000000”等のビット列は、制御したい被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)の制御識別子である。そして、“000000”等のビット列のうち、先頭からの3ビット“000”は、被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)を特定する特定情報であり、後半の3ビット“000”は、被制御部(被制御部5〜7の少なくとも1つ)の制御内容を示す制御情報である。
ホストシステム13は、変換表TBL1を保持している。そして、ホストシステム13は、“000000”からなる制御識別子CIDに対して、変換表TBL1を参照して896(μs)のフレーム長Lを割り当てる。
そうすると、ホストシステム13は、L=896(μs)のフレーム長と、L=896(μs)のフレーム長を有する無線フレームの通信方式とをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、L=896(μs)のフレーム長と、L=896(μs)のフレーム長を有する無線フレームの通信方式とをホストシステム13から受け、その受けたフレーム長(=896(μs))を有する無線フレームをホストシステム13から受けた通信方式によって受信機2〜4へブロードキャストする。
ホストシステム13は、“000001”等からなる制御識別子CIDに対しても、同様にしてフレーム長および通信方式をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
上述したように、無線装置1は、制御識別子CIDをフレーム長によって表した無線フレームを受信機2〜4へブロードキャストする。
この場合、無線フレームは、Probe Request等の管理フレーム、またはブロードキャストのデータフレーム、または受信機2〜4以外の無線装置へ送信すべきデータフレームからなる。
図6は、包絡線検波およびビット判定の概念図である。図6を参照して、受信機2〜4の包絡線検波回路23は、無線フレームFRを不要波除去回路22から受ける。無線フレームFRは、例えば、896(μs)のフレーム長Lを有する((a)参照)。
包絡線検波回路23は、無線フレームFRの包絡線EVLを検出し、その検出した包絡線EVLを8(μs)毎に検波し、検波値I1〜I113を検出する((b)参照)。
そして、包絡線検波回路23は、検波値I1〜I113をビット判定器24へ出力する。ビット判定器24は、検波値I1〜I113をビット判定し、“111・・・1110”のビット列を得る。そして、ビット判定器24は、“111・・・1110”のビット列をフレーム長検出回路25へ出力する。
フレーム長検出回路25は、“111・・・1110”のビット列の先頭から“1”のビット値の個数を累積し、“112”の累積値を検出する。そして、フレーム長検出回路25は、113個目のビット値が“0”であるので、“112”の累積値をフレーム長判定回路26へ出力し、その後、累積値をリセットする。
図7は、累積値とビット列との変換表を示す図である。図7を参照して、変換表TBL2は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“000000”のビット列は、111≦c≦113の累積値cに対応付けられる。“000001”のビット列は、115≦c≦117の累積値cに対応付けられる。“000010”のビット列は、119≦c≦121の累積値cに対応付けられる。以下、同様にして、“111110”のビット列は、363≦c≦365の累積値cに対応付けられ、“111111”のビット列は、367≦c≦369の累積値に対応付けられる。
フレーム長判定回路26は、変換表TBL2を保持している。そして、フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から“112”の累積値cを受けると、変換表TBL2を参照して“000000”のビット列を検出する。
そして、フレーム長判定回路26は、その検出した“000000”のビット列が被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御識別子CIDに一致する場合、制御識別子CIDに基づいて制御信号を生成して被制御部(被制御部5〜7のいずれか)へ出力する。
図8は、制御識別子CIDが複数の無線フレームからなる場合における図3に示すフレーム長判定回路26の状態遷移図である。
無線装置1は、制御識別子CIDを複数の無線フレームを用いて受信機2〜4へ送信する場合もある。その場合、受信機2〜4は、受信機2〜4以外の無線装置から送信された無線フレームが無線装置1から送信された無線フレームに割り込むと、制御識別子CIDを正しく復号できない。
そこで、このような場合、フレーム長判定回路26は、図8に示す構成からなる。即ち、フレーム長判定回路26は、c1待ち状態261、c2待ち状態262、・・・、cn待ち状態26n(nは2以上の整数)を有する。
c1待ち状態261〜cn待ち状態26nは、それぞれ、累積値c1、c2、・・・、cnを待つ状態である。
フレーム長判定回路26は、最初、c1待ち状態261にあり、累積値c1またはc1に近い累積値、例えば、c1−1およびc1+1が入力されれば、c2待ち状態262へ移行する。そして、フレーム長判定回路26は、累積値c2またはc2に近い累積値が入力されれば、c3待ち状態263へ移行する。以下、同様にして、フレーム長判定回路26は、累積値cn−1またはcn−1に近い累積値が入力されれば、cn待ち状態26nへ移行し、累積値cnまたはcnに近い累積値が入力されれば、制御識別子CIDに一致したと判定し、制御識別子CIDに基づいて制御信号を生成して被制御部(被制御部5〜7のいずれか)へ出力する。その結果、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)は、制御信号によって制御される。
このように、フレーム長判定回路26は、制御識別子CIDが複数の無線フレームを用いて送信された場合、n個の累積値c1、c2、・・・、cnを検出することによって制御識別子CIDを検出する。
一方、フレーム長判定回路26は、例えば、c2待ち状態262において、累積値c2またはc2に近い累積値が、一定期間、入力されなければ、または累積値c2またはc2に近い累積値と異なる累積値がm(mは2以上の整数)回以上入力されれば、初期状態であるc1待ち状態261に戻る。つまり、フレーム長判定回路26は、制御識別子CIDでない無線フレームがたまたま待ち受けている累積値に一致したとしても、n個の累積値c1、c2、・・・、cnが連続して入力されなければ、初期状態であるc1待ち状態261に戻る。
無線装置1が制御識別子CIDを送信中に、他の無線装置の無線フレームが割り込んだ場合、フレーム長判定回路26は、例えば、c2待ち状態262において、累積値c2またはc2に近い累積値と異なる累積値が入力されても、一定期間内、またはm回以上の異なる累積値が入力される前にc2の累積値が入力されれば、状態を次の累積値c3を待つ状態へ遷移する。
従って、フレーム長判定回路26が図8に示す状態を遷移することによって制御識別子CIDが複数の無線フレームを用いて送信された場合も制御識別子CIDを正しく受信でき、被制御部5〜7を制御できる。
図9は、図3に示すビット判定器24の具体例な構成図である。図9を参照して、ビット判定器24は、閾値判定器241と、レジスタ242と、演算器243とを含む。
閾値判定器241は、例えば、−90dBmからなる閾値RSSI_th1を予め保持している。そして、閾値判定器241は、包絡線検波回路23から受けた検波値I1〜I113を閾値RSSI_th1と比較して検波値I1〜I113をビット判定する。即ち、閾値判定器241は、検波値I1〜I113が閾値RSSI_th1以上であれば、検波値I1〜I113を“1”に変換し、検波値I1〜I113が閾値RSSI_th1よりも低ければ、検波値I1〜I113を“0”に変換する。
そして、閾値判定器241は、その変換したビット値からなるビット列をレジスタ242および演算器243へ出力する。
レジスタ242は、閾値判定器241から受けたビット列を一周期毎に1ビットづつシフトしながら保持し、その保持したビット列を演算器243へ順次出力する。
演算器243は、閾値判定器241からビット列の各ビット値を順次受け、レジスタ242から一周期遅れの各ビット値を順次受ける。そして、演算器243は、その受けた2つのビット値の論理和(OR)を演算し、その演算結果をフレーム長検出回路25へ出力する。
IEEE802.11bにおける無線フレーム同士のフレーム間のスペースは、30μs以上である。そして、包絡線検波回路23は、8μs毎に包絡線検波を行い、ビット判定器24は、8μs毎にビット判定を行う。従って、無線フレームと無線フレームとの間には、必ず、2個以上の“0”が存在する。このため、ビット判定の結果が“101”であれば、“0”は、誤りである確率が高い。
しかし、ビット判定器24は、図9に示す構成からなるので、“101”のビット列は、“111”に訂正される。従って、ビット判定器24は、図9に示す構成を採用することによってビット誤りを低減してビット判定を行うことができる。
このビット誤りは、フェージング環境下で生じるので、ビット判定器24が図9に示す構成を採用することによって、フェージングによって生じるビット誤りを低減してビット判定を行うことができる。
無線フレームのフレーム長は、変調方式(伝送速度)、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプからなる通信パラメータによって変化する。
そこで、この発明の実施の形態1においては、制御識別子CIDをフレーム長によって送信する場合、フレーム長が変化しない仕組み、またはフレーム長が変化しても受信機2〜4が制御識別子CIDを正確に復号できる仕組みを採用する。
フレーム長をy(μs)とし、物理ヘッダの長さ(=PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)プリアンブル+PLCPヘッダ長)をβ(μs)とし、PSDU(Physical Layer Service Data Unit)サイズをx(Byte)とし、伝送速度をα(Mbps)とすると、αがα=1,2,5.5,11Mbpsである場合、フレーム長yは、次式によって表される。
y=8x/α+β・・・(1)
また、αがα=6,9,12,18,24,36,48,54Mbpsである場合、フレーム長yは、次式によって表される。
y=ceiling((22+8x)/4α)×4+β・・・(2)
なお、式(2)において、ceiling(X)は、X以上の最小の整数を意味する。
図10は、PSDUの構成を示す概略図である。図10を参照して、PSDUは、MAC(Media Access Control)ヘッダと、Frame Bodyと、FCS(Frame Check Sum)とからなる。
Frame Bodyは、LLCヘッダと、IPヘッダと、UDPヘッダと、UDPペイロードとを含む。そして、LLCヘッダは、8Byteの長さを有し、IPヘッダは、20Byteの長さを有し、UDPヘッダは、8Byteの長さを有し、UDPペイロードは、任意の長さを有する。
Frame Bodyは、LLCヘッダのみからなる場合、最小の長さを有し、LLCヘッダと、IPヘッダと、UDPヘッダと、UDPペイロードとを含む場合、最大の長さを有する。
MACヘッダは、24Byteの長さを有し、FCSは、4Byteの長さを有する。
従って、PSDUは、Frame BodyがLLCヘッダのみからなる場合に最小長さを有し、最小長さは、36Byteである。
そして、PSDUサイズxは、Frame Bodyの長さを変えることによって変えられる。
無線フレームのフレーム長を決定する通信パラメータのうち、変調方式は、伝送速度αに影響を与え、フレームフォーマットは、物理ヘッダの長さβに影響を与え、暗号化方式およびフレームタイプは、PSDUサイズxに影響を与える。
図11は、フレームタイプを説明するための図である。図11を参照して、アクセスポイントおよび無線装置は、WMM(WiFi Multimedia)に対応しているものと、WMMに対応していないものとがある。
WMMは、無線通信時のデータに、特定の通信にのみ、優先順位を付ける機能である。例えば、VoIPのデータと、通常のデータとがある場合、WMMは、リアルタイム性が要求されるVoIPのデータに優先順位を付ける機能である。
アクセスポイントがWMMに対応している場合、無線装置は、QoS(Quality of Service)データフレームをアクセスポイントへ送信する。そして、WMMに対応しているアクセスポイントは、データフレームを無線装置へ送信する(図11の(a)参照)。
また、アクセスポイントがWMMに非対応である場合、無線装置およびアクセスポイントは、相互に、データフレームを相手へ送信する(図11の(b)参照)。
更に、アクセスポイントは、自己に無線装置が帰属していない場合、データフレームを送信する(図11の(c)参照)。
このように、フレームタイプは、QoSデータフレームおよびデータフレームのいずれかからなる。従って、この発明の実施の形態1においては、フレームタイプとしてQoSデータフレームおよびデータフレームのいずれかを用いて通信方式を決定する。
図12は、この発明の実施の形態1における通信方式を示す概念図である。図12を参照して、項目A1,B1,C1,D1,A2,B2,C2,D2は、送信側の対処事項であり、具体的には、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12で実現される。この場合、フレーム長変調信号生成部12は、項目A1,B1,C1,D1を同時に用いて無線フレームを送信し、項目A2,B2,C2,D2を同時に用いて無線フレームを送信し、項目A1,B1,C1,D1と項目A2,B2,C2,D2との任意の組合せ(例えば、A1,B2,C2,D1)を用いて無線フレームを送信する。
また、項目a,b,c,d,e,fは、受信側の対処事項であり、具体的には、受信機2〜4のフレーム長判定回路26で実現される。この場合、フレーム長判定回路26は、項目a,b,c,dを同時に用いてフレーム長を判定し、項目a,eを同時に用いてフレーム長を判定し、項目fを単独で用いてフレーム長を判定する。そして、項目eは、β,xによるフレーム長yの変動を吸収可能な対処事項であり、項目fは、α,β,xによるフレーム長yの変動を吸収可能な対処事項である。
(1)送信側における通信方式
A1:変調方式固定
自律送信モードにおいて、伝送速度αを1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54Mbpsのいずれかに固定して無線フレームをMAC層またはIP(Internet Protocol)層でブロードキャストする。
B1:フレームフォーマット固定
自律送信モードにおいて、フレームフォーマットをロングフレームフォーマット、ショートフレームフォーマットおよびウルトラショートフレームフォーマットのいずれかに固定して無線フレームをMAC層またはIP層でブロードキャストする。
C1:暗号化方式固定
自律送信モードにおいて、暗号化方式を暗号化無し,WEP,WPA/WPA2−AES,WPA/WPA2−TKIPのいずれかに固定して無線フレームをMAC層またはIP層でブロードキャストする。
D1:フレームタイプ固定
自律送信モードにおいて、フレームタイプをデータフレームおよびQoSデータフレームのいずれかに固定して無線フレームをMAC層またはIP層でブロードキャストする。
A2:変調方式総当り
自律送信モードにおいて、伝送速度αとして1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54Mbpsの全てを想定して無線フレームを作成し、MAC層またはIP層でブロードキャストする。
B2:フレームフォーマット総当り
自律送信モードにおいて、フレームフォーマットをロングフレームフォーマット、ショートフレームフォーマットおよびウルトラショートフレームフォーマットの全てを想定して無線フレームを作成し、MAC層またはIP層でブロードキャストする。
C2:暗号化方式総当り
自律送信モードにおいて、暗号化方式として暗号化無し,WEP,WPA/WPA2−AES,WPA/WPA2−TKIPの全てを想定して無線フレームを作成し、MAC層またはIP層でブロードキャストする。
D2:フレームタイプ総当り
自律送信モードにおいて、フレームタイプとしてデータフレームおよびQoSデータフレームの全てを想定して無線フレームを作成し、MAC層またはIP層でブロードキャストする。
(2)受信側における判定方式
無線装置1が項目A1,B1,C1,D1を同時に用いて無線フレームを送信した場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、上記の項目A1,B1,C1,D1で説明した1つの伝送速度、1つのフレームフォーマット、1つの暗号化方式および1つのフレームタイプを用いて送信されたフレーム長に相当する累積値を計算し、その計算した累積値に一致する累積値を受信したか否かを判定する。
また、無線装置1が項目A2,B2,C2,D2を同時に用いて無線フレームを送信した場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、上記の項目A2,B2,C2,D2で説明した全ての伝送速度、全てのフレームフォーマット、全ての暗号化方式および全てのフレームタイプを用いて送信された複数のフレーム長に相当する複数の累積値を計算し、その計算した複数の累積値のいずれかに一致する累積値を受信したか否かを判定する。
更に、無線装置1が伝送速度、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプの全てを制御せずに無線フレームを送信した場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、項目a,b,c,dを同時に用いて、予め決定されたバイト数(=PSDUサイズx)に対応する送信パラメータによって決定されるフレーム長に相当する累積値を待ち受け、その待ち受けた累積値に一致する累積値を受信したか否かを判定する。
この場合、送信される無線フレームのバイト数は、無線装置1と受信機2〜4との間で予め決定されている。そして、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、全ての伝送速度、全てのフレームフォーマット、全ての暗号化方式および全てのフレームタイプの組合せを用いて、予め決定されたバイト数を有する無線フレームの複数のフレーム長を演算し、その演算した複数のフレーム長が得られるときの複数の累積値を演算する。そうすると、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、その演算した複数の累積値を、待ち受けている累積値として保持しており、無線装置1から送信された無線フレームの受信電波に基づいて求めた累積値が、待ち受けている複数の累積値のいずれかに一致すれば、待ち受けている累積値を受信したと判定する。
更に、無線装置1が全ての伝送速度を用い、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプを制御しないで複数の無線フレームを送信した場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、項目a(=全ての伝送速度)および項目eを用いて複数のフレーム長を計算し、その計算した複数のフレーム長に基づいて1つまたは複数の差分フレーム長を計算し、その計算した1つまたは複数の差分フレーム長に一致する1つまたは複数の差分フレーム長を受信したか否かを判定する。
更に、無線装置1が伝送速度、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプの全てを制御しないで無線フレームを送信した場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、項目fを用いて、1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を計算し、その計算した1つまたは複数の差分フレーム長/基準値に一致する1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を受信したか否かを判定する。
(I)項目A1,B1,C1,D1を用いる場合
図13は、固定された通信方式の具体例を示す概略図である。図13を参照して、変調方式(伝送速度)αは、1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,48,54Mbpsのいずれかに設定される。
変調方式(伝送速度)αが1Mbpsである場合、フレームフォーマットは、ロングフレームフォーマットに設定され、βは、192μsである。
また、変調方式(伝送速度)αが2,5.5,11Mbpsのいずれかである場合、フレームフォーマットは、ロングフレームフォーマットおよびショートフレームフォーマットのいずれかに設定される。そして、フレームフォーマットがロングフレームフォーマットに設定された場合、βは、192μsであり、フレームフォーマットがショートフレームフォーマットに設定された場合、βは、96μsである。つまり、βは、96μs,192μsの2者択一である。そして、無線装置1のホストシステム13は、無線装置1に適用されたシステムに応じて、ロングフレームフォーマットおよびショートフレームフォーマットのいずれかを選択する。つまり、ロングフレームフォーマットおよびショートフレームフォーマットのいずれを選択するかは、無線装置1に適用されたシステムによって決定される。
更に、変調方式(伝送速度)αが6,9,12,18,24,48,54Mbpsのいずれかである場合、フレームフォーマットは、ロングフレームフォーマット、ショートフレームフォーマットおよびウルトラショートフレームフォーマットのいずれかに設定される。そして、フレームフォーマットがロングフレームフォーマットに設定された場合、βは、204μsであり、フレームフォーマットがショートフレームフォーマットに設定された場合、βは、108μsであり、フレームフォーマットがウルトラショートフレームフォーマットに設定された場合、βは、20μsである。つまり、βは、20μs,108μs,204μsの3者択一である。そして、無線装置1のホストシステム13は、無線装置1に適用されるシステムに応じて、ロングフレームフォーマット、ショートフレームフォーマットおよびウルトラショートフレームフォーマットのいずれかを選択する。つまり、ロングフレームフォーマット、ショートフレームフォーマットおよびウルトラショートフレームフォーマットのいずれを選択するかは、無線装置1に適用されるシステムによって決定される。
暗号化方式が暗号化無しである場合、Frame Bodyの変動が±0Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、ゼロである。また、暗号化方式がWEPである場合、Frame Bodyの変動が+8Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、+8Byteである。更に、暗号化方式がWPA/WPA2−AESである場合、Frame Bodyの変動が+16Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、+16Byteである。更に、暗号化方式がWPA/WPA2−TKIPである場合、Frame Bodyの変動が+20Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、+20Byteである。従って、PSDUサイズxの変動は、暗号化方式に関しては、±0,+8,+16,+20Byteの4者択一である。
フレームタイプがデータフレームである場合、Frame Bodyの変動が±0Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、ゼロである。また、フレームタイプがQoSデータフレームである場合、Frame Bodyの変動が+2Byteに設定され、PSDUサイズxの変動は、+2Byteである。従って、PSDUサイズxの変動は、フレームタイプに関しては、±0,+2Byteの2者択一である。
その結果、暗号化方式として暗号化無しを選択し、フレームタイプとしてデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、ゼロになり、暗号化方式として暗号化無しを選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、0+2=+2Byteになる。また、暗号化方式としてWEPを選択し、フレームタイプとしてデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+8+0=+8Byteになり、暗号化方式としてWEPを選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+8+2=+10Byteになる。更に、暗号化方式としてWPA/WPA2−AESを選択し、フレームタイプとしてデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+16+0=+16Byteになり、暗号化方式としてWPA/WPA2−AESを選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+16+2=+18Byteになる。更に、暗号化方式としてWPA/WPA2−TKIPを選択し、フレームタイプとしてデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+20+0=+20Byteになり、暗号化方式としてWPA/WPA2−TKIPを選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合、PSDUサイズxの変動は、+20+2=+22Byteになる。
制御識別子CIDが“000000”である場合、フレーム長Lは、896μsになる(図5のテーブルTBL1参照)。そこで、896μsの無線フレームをUDPパケットで送信する場合を想定する。
伝送速度αが1Mbpsである場合、β=192μsであるので、896=8x/1+192より、x=88Byteになる。そして、暗号化方式をWEPとし、フレームタイプをQoSデータフレームとすると、x=MACヘッダ+(フレームタイプによる変動)+((LLCヘッダ+IPヘッダ+UDPヘッダ+UDPペイロード)+(暗号化方式による変動)+FCSであるので、88=24+2+((8+20+8+u)+8)+4より、u=14Byteとなる。
従って、14Byteのペイロードサイズを有するUDPパケットを送信すれば、896μsの無線フレームを送信できる。
無線装置1のホストシステム13は、896μsのフレーム長を有する無線フレームを送信する場合、14Byteのペイロードサイズを有するUDPパケットを生成し、その生成したUDPパケットと、伝送速度α=1Mbps、βが192μsであるロングフレームフォーマット、WEPの暗号化方式およびQoSデータフレームのフレームタイプからなる通信方式とをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
そうすると、フレーム長変調信号生成部12は、24+((8+20+8+14))+4=78ByteのPSDUを生成し、その生成したPSDUをWEPの暗号化方式によって暗号化する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、β=192μsであるロングフレームフォーマットの物理ヘッダを1Mbpsの伝送速度で送信するとともに、その暗号化したPSDUをQoSデータフレームを用いて1Mbpsの伝送速度で送信する。
その結果、896μsのフレーム長を有する無線フレームが送信される。
そして、受信機2〜4の各々は、無線フレームの受信電波に基づいて、上述した方法によって“112”の累積値を演算し、変換表TBL2を参照して、“112”の累積値を“000000”のビット列に変換する。
なお、暗号化方式としてWPA/WPA2−TKIPを選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合、暗号化方式によるPSDUサイズxの変動は、+20Byteになり、フレームタイプによるPSDUサイズxの変動は、+2Byteになるが、PSDUサイズxは、上述したように、88Byteであるので、88=24+2+((8+20+20+u)+8)+4=86+uとなり、暗号化方式によるPSDUサイズxの変動およびフレームタイプによるPSDUサイズxの変動が最大になっても、UDPパケットのペイロードサイズuは、u>0になる。
変調方式(伝送速度)αとして、1Mbps以外の値を選択し、フレームフォーマットとしてβが192μsであるロングフレームフォーマット以外のフレームフォーマットを選択し、暗号化方式としてWEP以外の暗号化方式を選択し、フレームタイプとしてQoSデータフレームを選択した場合も、同様にして、896μsのフレーム長を有する無線フレームが送信される。
また、896μs以外のフレーム長を有する無線フレームも、同様にして、各種の通信方式を用いて送信される。
図14は、通信方式を固定した場合のペイロードサイズの計算例を示す図である。図14においては、フレーム長yが式(1)によって表される例として伝送速度αが1Mbpsおよび2Mbpsである場合が示されており、暗号化方式としてWPA/WPA2−TKIPが示されており、フレームタイプとしてQoSデータフレームが示されている。また、フレーム長yが式(2)によって表される例として伝送速度αが6Mbpsである場合が示されており、暗号化方式としてWPA/WPA2−TKIPが示されており、フレームタイプとしてQoSデータフレームが示されている。更に、フレーム長yの例として896μsおよび928μsが示されている。
更に、伝送速度αが2Mbpsである場合、βは、192μs,96μsのいずれかからなるので、βとして192μs,96μsの両方を用いた場合のペイロードサイズを示す。
更に、伝送速度αが6Mbpsである場合、βは、204μs,108μs,20μsのいずれかからなるので、βとして204μs,108μs,20μsの全てを用いた場合のペイロードサイズを示す。
フレーム長yが式(1)によって示され、伝送速度αが1Mbpsである場合、式(1)にy=896μsまたは928μs、β=192μs、およびα=1Mbpsを代入してPSDUサイズxを計算する。そして、その計算したPSDUサイズxをx=24+2+((8+20+20+u)+8)+4=86+uに代入して、UDPペイロードサイズuを計算する。
また、フレーム長yが式(1)によって示され、伝送速度αが2Mbpsである場合、式(1)にy=896μsまたは928μs、β=192μsまたは96μs、およびα=2Mbpsを代入してPSDUサイズxを計算する。そして、その計算したPSDUサイズxをx=24+2+((8+20+20+u)+8)+4=86+uに代入して、UDPペイロードサイズuを計算する。
更に、フレーム長yが式(2)によって示され、伝送速度αが6Mbpsである場合、式(2)にy=896μsまたは928μs、β=204μs,108μs,20μsのいずれか、およびα=6Mbpsを代入してPSDUサイズxを計算する。そして、その計算したPSDUサイズxをx=24+2+((8+20+20+u)+8)+4=86+uに代入して、UDPペイロードサイズuを計算する。
従って、無線装置1のホストシステム13は、上述した方法によってUDPペイロードサイズuを計算し、その計算したUDPペイロードサイズuを有するUDPパケットと、UDPペイロードサイズuの計算に用いた通信方式とをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
なお、フレーム長、伝送速度α、暗号化方式およびフレームタイプが図14に示すフレーム長、伝送速度α、暗号化方式およびフレームタイプ以外である場合も、同様にして、UDPペイロードサイズuが計算される。
(II)項目A2,B2,C2,D2を用いる場合
図15は、変調方式、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプの全ての組合せを用いた通信方式の具体例を示す概略図である。図15を参照して、変調方式(伝送速度)αおよびβ(フレームフォーマット)の組合せは、1+3×2+7×3=28通りであり、その28通りの各々に対して、暗号化方式が4通りであり、フレームタイプが2通りであるので、全ての組合せは、28×4×2=224通りである。
無線装置1のホストシステム13は、所望のUDPペイロードサイズuを有するUDPパケットを生成し、その生成したUDPパケットをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
フレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13から受けたUDPパケットを含む無線フレームを、上述した224通りの通信方式でブロードキャストする。
無線装置1が通信方式を固定して無線フレームを送信した場合(項目A1,B1,C1,D1を用いて無線フレームを送信した場合)、無線フレームのフレーム長は、固定されるので、受信機2〜4の各々において、フレーム長判定回路26は、その固定された通信方式を用いてフレーム長に相当する累積値を計算し、その計算した累積値に一致する累積値を受信したか否かを判定する。なお、無線装置1が通信方式を固定して無線フレームを送信する場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、無線装置1が採用する通信方式を予め保持している。
また、総当りの通信方式を用いて無線フレームを送信した場合(項目A2,B2,C2,D2を用いて無線フレームを送信した場合)、受信機2〜4の各々において、フレーム長判定回路26は、待ち受けている累積値に一致する累積値を受信したか否かを判定する。
(III)項目a,eを用いる場合
図16は、図12に示す項目a,eを用いる場合の概念図である。図16を参照して、無線装置1は、複数の無線フレームFR1〜FR4を受信機2〜4へ、順次、ブロードキャストする。この場合、無線フレームFR1〜FR4は、それぞれ、フレーム長L1〜L4を有する。
そして、無線装置1は、フレーム長ではなく、2つの無線フレームのフレーム長の差分である差分フレーム長によって制御識別子CIDを表して無線フレームFR1〜FR4を受信機2へ、順次、ブロードキャストする。この場合、無線装置1は、無線フレームFR1〜FR4のうちの任意の1つの無線フレームのフレーム長を基準フレーム長とし、その基準フレーム長と各フレーム長との差分によって制御識別子CIDを表す。
例えば、各無線フレームFR1〜FR4の1つ前の無線フレームのフレーム長を基準フレーム長とすると、制御識別子CIDは、L2−L1,L3−L2,L4−L3によって表される。
フレーム長yは、式(1)または式(2)によって表されるため、2つのフレーム長の差分を演算することによって、βによるフレーム長yの変動は、完全に除去される。また、2つの無線フレームは、同じ無線通信環境で送信されると考えられるため、2つの無線フレームにおけるPSDUサイズxによるフレーム長yの変動は、同じである。従って、2つのフレーム長の差分を演算することによって、PSDUサイズxによるフレーム長yの変動も除去される。
このように、差分フレーム長によって制御識別子CIDを表すことによって、xおよびβによるフレーム長yの変動を吸収できる。
図17は、伝送ビットと差分フレーム長との関係を示す図である。図17を参照して、対応表TBL3は、伝送ビットと差分フレーム長とを含む。伝送ビットおよび差分フレーム長は、相互に対応付けられる。
“00”の伝送ビットは、±0μsの差分フレーム長に対応付けられ、“01”の伝送ビットは、±40μsの差分フレーム長に対応付けられ、“10”の伝送ビットは、±80μsの差分フレーム長に対応付けられ、“11”の伝送ビットは、±120μsの差分フレーム長に対応付けられる。
その結果、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1Mbpsの伝送速度αで、w,w,w+10,w+5,w−10ByteのPSDUサイズxを有する5個の無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが1Mbpsである場合、フレーム長yは、式(1)によって表わされるため、隣接する2つの無線フレームのフレーム長をy1,y2とすると、y1=8x1+β、y2=8x2+βとなる。その結果、y1−y2=8(x1−x2)となる。
“00”の伝送ビットは、±0μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“00”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±0μsである。その結果、差分x1−x2は、0Byteになる。従って、“00”の伝送ビットを送信するとき、w(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームと、w(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームとが連続して送信される。
また、“10”の伝送ビットは、±80μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±80μsである。その結果、差分x1−x2は、±80/8=±10Byteになる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、w+10(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
更に、“01”の伝送ビットは、±40μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±40μsである。その結果、差分x1−x2は、±40/8=±5Byteになる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、w+5(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+10(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±120μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“11”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±120μsである。その結果、差分x1−x2は、±120/8=±15Byteになる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、w−10(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+5(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
2Mbpsの伝送速度αで“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、2Mbpsの伝送速度αで、w,w,w+20,w+10,w−20ByteのPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが2Mbpsである場合、フレーム長y1,y2は、y1=8x1/2+β=4x1+β、y2=8x2/2+β=4x2+βとなる。その結果、y1−y2=4(x1−x2)となる。
“00”の伝送ビットを2Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明は、“00”の伝送ビットを1Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明と同じである。
“10”の伝送ビットは、±80μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±80μsである。その結果、差分x1−x2は、±80/4=±20Byteになる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、w+20(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
また、“01”の伝送ビットは、±40μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±40μsである。その結果、差分x1−x2は、±40/4=±10Byteになる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、w+10(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+20(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±120μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“11”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±120μsである。その結果、差分x1−x2は、±120/4=±30Byteになる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、w−20(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームがw+10(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームに続いて送信される。
伝送速度αが1,2,5.5,11Mbpsである場合、フレーム長yは、式(1)によって表されるため、x1−x2=(y1−y2)×α/8となる。
従って、1,2,5.5,11Mbpsのいずれかの伝送速度αで“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、w,w,w+10α,w+5α,w−10α(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信する。
6Mbpsの伝送速度αで“00”,“10”,“01”,“11”を順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、6Mbpsの伝送速度αで、w,w,w+60,w+30,w−60(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが6Mbpsである場合、フレーム長yは、式(2)によって表わされるため、隣接する2つの無線フレームのフレーム長をy1,y2とすると、y1=ceiling((22+8x1)/4×6)×4+β、y2=ceiling((22+8x2)/4×6)×4+βとなる。その結果、y1−y2=ceiling[((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)]×4となる。
“00”の伝送ビットを6Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明は、“00”の伝送ビットを1Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明と同じである。
“10”の伝送ビットは、±80μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±80μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)は、±80/4=±20Byteになる。x1=36Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/24)=ceiling((22+8×36)/24)=13である。また、x2=96Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/24)=ceiling((22+8×96)/24)=33である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)の絶対値は、|13−33|=20Byteとなる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=96−36=60Byteであるので、w+60(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
また、“01”の伝送ビットは、±40μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±40μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)は、±40/4=±10Byteになる。x1=36Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/24)=ceiling((22+8×36)/24)=13である。また、x2=66Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/24)=ceiling((22+8×66)/24)=23である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)の絶対値は、|13−23|=10Byteとなる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=66−36=30Byteであるので、w+30(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+60(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±120μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“11”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±120μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)は、±120/4=±30Byteになる。x1=36Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/24)=ceiling((22+8×36)/24)=13である。また、x2=126Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/24)=ceiling((22+8×126)/24)=43である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/24)−ceiling((22+8x2)/24)の絶対値は、|13−43|=30Byteとなる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=126−36=90Byteであるので、w−60(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+30(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
9Mbpsの伝送速度αで“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、9Mbpsの伝送速度αで、w,w,w+90,w+45,w−90(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが9Mbpsである場合、フレーム長y1,y2は、y1=ceiling((22+8x1)/4×9)×4+β=ceiling((22+8x1)/36)×4+β、y2=ceiling((22+8x2)/4×9)×4+β=ceiling((22+8x2)/4×9)×4+βとなる。その結果、y1−y2=ceiling[((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)]×4となる。
“00”の伝送ビットを9Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明は、“00”の伝送ビットを6Mbpsの伝送速度αで送信するときの説明と同じである。
“10”の伝送ビットは、±80μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±80μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)は、±80/4=±20Byteになる。x1=36Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/36)=ceiling((22+8×36)/36)=9である。また、x2=126Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/36)=ceiling((22+8×126)/36)=29である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)の絶対値は、|9−29|=20Byteとなる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=126−36=90Byteであるので、w+90(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームに続いて送信される。
また、“01”の伝送ビットは、±40μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±40μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)は、±40/4=±10Byteになる。x1=126Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/36)=ceiling((22+8×126)/36)=29である。また、x2=171Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/36)=ceiling((22+8×171)/36)=39である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)の絶対値は、|29−39|=10Byteとなる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=171−126=45Byteであるので、w+45(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+90(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームに続いて送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±120μsの差分フレーム長に対応付けられるため、“11”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長y1−y2は、±120μsである。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)は、±120/4=±30Byteになる。x1=171Byteであるとき、ceiling((22+8x1)/36)=ceiling((22+8×171)/36)=39である。また、x2=306Byteであるとき、ceiling((22+8x2)/36)=ceiling((22+8×306)/36)=69である。その結果、差分ceiling((22+8x1)/36)−ceiling((22+8x2)/36)の絶対値は、|39−69|=30Byteとなる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、x2−x1=306−171=135Byteであるので、w−90(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームがw+45(Byte)のPSDUサイズXを有する無線フレームに続いて送信される。
従って、6,9,12,18,24,36,48,54Mbpsのいずれかの伝送速度αで“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、w,w,w+10α,w+5α,w−10αのPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信する。
そうすると、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、伝送速度αが1,2,5.5,11Mbpsのいずれかである場合も、伝送速度αが6,9,12,18,24,36,48,54Mbpsのいずれかである場合も、w,w,w+10α,w+5α,w−10α(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信することによって、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信できる。
このように、1つ前の無線フレームのフレーム長を基準フレーム長とした場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54Mbpsのいずれかの伝送速度αでw,w,w+10α,w+5α,w−10α(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信することによって、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信できる。
また、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、“00”,“11”,“01”,“10”の順序で伝送ビット“00”,“01”,“10”,“11”を送信する場合、w,w,w+15α,w+10α,w(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームを順次送信する。図17に示すように、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、それぞれ、±0,±40,±80,±120μsの差分フレーム長に対応付けられるため、1つ前の無線フレームのフレーム長(=基準フレーム長)との差分フレーム長が“00”,“01”,“10”,“11”にそれぞれ対応する差分フレーム長になるように、隣接する2つのフレーム長を決定するPSDUサイズxを決定すればよいからである。
このような方法に従えば、隣接する2つの無線フレームの差分フレーム長を用いて“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットを任意の順序で送信できる。
なお、上記においては、1つ前の無線フレームのフレーム長を基準フレーム長としたが、この発明の実施の形態1においては、これに限らず、基準フレーム長は、各無線フレームの1つ後の無線フレームのフレーム長であってもよく、各無線フレームの2つ前の無線フレームのフレーム長であってもよく、各無線フレームの2つ後の無線フレームのフレーム長であってもよく、一般的には、制御識別子CIDを構成するビット値を2ビットづつ送信するときに用いられる複数の無線フレームの任意の1つの無線フレームのフレーム長を基準フレーム長にすればよい。
また、上記においては、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、それぞれ、±0,±40,±80,±120μsの差分フレーム長に対応付けられると説明したが(図17参照)、この発明の実施の形態1においては、これに限らず、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、±0,±80,±160,±240μsの差分フレーム長に対応付けられてもよく、±0,±160,±320,±480μsの差分フレーム長に対応付けられてもよく、一般的には、±0,±8×p,±(8×p)×2,±(8×p)×3μs(p=5,10,15,・・・)の差分フレーム長に対応付けられていればよい。
更に、4個の無線フレームFR1〜FR4を送信した場合、3個の差分フレーム長によって制御識別子CIDが表わされ、1個の差分フレーム長は、2ビットに対応付けられる。また、制御識別子CIDのビット数は、2ビット以上である。従って、制御識別子CIDのビット数をK(Kは2以上の偶数)とした場合、無線装置1は、(K/2)+1個の無線フレームを受信機2へ、順次、ブロードキャストする。ここで、i=(K/2)+1とすると、iは、2以上の整数である。
制御識別子CIDのビット数が2ビットである場合、2ビットのビット値のうち、先頭のビット値は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を特定する特定情報であり、2ビットのビット値のうち、最後尾のビット値は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御内容を示す制御情報である。この場合、被制御部は、2個であり、制御内容も2個である。制御内容が2個であれば、被制御部のオン/オフを制御できる。従って、制御識別子CIDのビット数は、2ビット以上であればよい。そして、無線装置1は、2個以上の無線フレームをブロードキャストすればよい。
制御識別子CIDのビット数が2ビットである場合、制御識別子CIDは、1個の差分フレーム長によって表わされる。そして、制御識別子CIDのビット数は、2ビット以上である。従って、制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わした場合、制御識別子CIDは、1つまたは複数の差分フレーム長によって表わされる。
図18は、累積値とフレーム長との関係を示す図である。図18を参照して、対応表TBL4は、累積値とフレーム長とを含む。累積値およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
111≦c≦113の累積値cは、896μsのフレーム長に対応付けられる。115≦c≦117の累積値cは、928μsのフレーム長に対応付けられる。119≦c≦121の累積値cは、960μsのフレーム長に対応付けられる。以下、同様にして、363≦c≦365の累積値cは、2912μsのフレーム長に対応付けられ、367≦c≦369の累積値は、2944μsのフレーム長に対応付けられる。
項目a,eが用いられる場合、受信機2〜4のフレーム長検出回路25は、図18に示す対応表TBL4を予め保持しており、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、図17に示す対応表TBL3を予め保持している。
受信機2〜4のフレーム長検出回路25は、上述した方法によって、複数の無線フレームに対応する複数の累積値を検出し、対応表TBL4を参照して、その検出した複数の累積値を複数のフレーム長に変換し、その変換した複数のフレーム長をフレーム長判定回路26へ出力する。
そして、フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から受けた複数のフレーム長の各々と基準フレーム長との1つまたは複数の差分フレーム長を検出し、対応表TBL3を参照して、その検出した1つまたは複数の差分フレーム長の各々を伝送ビットに変換してビット列を取得する。そして、フレーム長判定回路26は、その取得したビット列が被制御部5〜7の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて制御信号を生成し、その生成した制御信号を被制御部5〜7へ送信する。
これによって、制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わした場合も、被制御部5〜7を制御できる。
(IV)項目fを用いる場合
図12に示す項目fが用いられる場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、図12に示す項目a,eが用いられる場合と同じ方法によって複数の無線フレームFR1〜FR4を受信機2〜4へ送信する。
そして、無線装置1は、フレーム長ではなく、基準フレーム長との差分フレーム長を基準値で除算した差分フレーム長/基準値によって制御識別子CIDを表わして無線フレームFR1〜FR4を受信機2〜4へ、順次、ブロードキャストする。
この場合、無線装置1は、無線フレームFR1〜FR4のうちの任意の1つの無線フレームのフレーム長を基準フレーム長とし、その基準フレーム長と各フレーム長との差分フレーム長を基準値によって除算した差分フレーム長/基準値によって制御識別子CIDを表す。
例えば、1つ前の無線フレームのフレーム長を基準フレーム長とし、1つ前の差分フレーム長を基準値とした場合、制御識別子CIDは、(L3−L2)/(L2−L1),(L4−L3)/(L3−L2)によって表される。
差分フレーム長を用いることによって、上述したように、β,xによるフレーム長yの変動を吸収できる。そして、差分フレーム長を基準値(=差分フレーム長)によって除算することによって、式(1)の8x/αの項の比、または式(2)の((22+8x)/4α)の項の比が演算されることになるので、伝送速度αによるフレーム長yの変動を吸収できる。
このように、差分フレーム長/基準値によって制御識別子CIDを表わすことによって、α,β,xによるフレーム長yの変動を吸収できる。
図19は、伝送ビットと差分フレーム長/基準値との関係を示す図である。図19を参照して、対応表TBL5は、伝送ビットと差分フレーム長/基準値とを含む。伝送ビットおよび差分フレーム長/基準値は、相互に対応付けられる。
“00”の伝送ビットは、±1の差分フレーム長/基準値に対応付けられ、“01”の伝送ビットは、±2の差分フレーム長/基準値に対応付けられ、“10”の伝送ビットは、±3の差分フレーム長/基準値に対応付けられ、“11”の伝送ビットは、±4の差分フレーム長/基準値に対応付けられる。
その結果、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1Mbpsの伝送速度αで、w,w+16,w+16×2,w+16×5,w−16×1,w−16×25(Byte)のPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが1Mbpsである場合、連続する3つのフレーム長y1,y2,y3は、それぞれ、y1=8x1+β、y2=8x2+β、およびy3=8x3+βとなる。その結果、(y3−y2)/(y2−y1)=(x3−x2)/(x2−x1)となる。
“00”の伝送ビットは、±1の差分フレーム長/基準値に対応付けられるため、“00”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長/基準値は、±1である。その結果、(x3−x2)/(x2−x1)は、±1になる。従って、“00”の伝送ビットを送信するとき、w(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームと、w+16(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームと、w+16×2(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームとが連続して送信される。
また、“10”の伝送ビットは、±3の差分フレーム長/基準値に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長/基準値は、±3である。その結果、(x3−x2)/(x2−x1)は、±3になる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、w+16(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×2(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
更に、“01”の伝送ビットは、±2の差分フレーム長/基準値に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長/基準値は、±2である。その結果、(x3−x2)/(x2−x1)は、±2になる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、w+16×2(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×1(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±4の差分フレーム長/基準値に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長/基準値は、±4である。その結果、(x3−x2)/(x2−x1)は、±4になる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×1(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×25(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
また、“00”,“11”,“10”,“01”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1Mbpsの伝送速度αで、w,w−16,w−16×2,w+16×2,w−16×10,w+16×14ByteのPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
6Mbpsの伝送速度αで、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、6Mbpsの伝送速度αで、w,w−16,w,w+46,w+136,w+496ByteのPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
図20は、伝送ビットと差分フレーム長との関係を示す図である。図20を参照して、対応表TBL6は、伝送ビットと差分フレーム長とを含む。伝送ビットおよび差分フレーム長は、相互に対応付けられる。
“00”の伝送ビットは、±1×(基準値)に対応付けられ、“01”の伝送ビットは、±2×(基準値)に対応付けられ、“10”の伝送ビットは、±3×(基準値)に対応付けられ、“11”の伝送ビットは、±4×(基準値)に対応付けられる。
その結果、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1Mbpsの伝送速度αで、w,w+16,w+16×2,w+16×5,w−16×1,w−16×25(Byte)のPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
伝送速度αが1Mbpsである場合、連続する3つのフレーム長y1,y2,y3は、それぞれ、y1=8x1+β、y2=8x2+β、およびy3=8x3+βとなる。その結果、(y3−y2)=(x3−x2)、(y2−y1)=(x2−x1)となる。
“00”の伝送ビットは、±1×(基準値)に対応付けられるため、“00”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長は、±1×(基準値)である。その結果、(x3−x2)は、±1×(x2−x1)になる。従って、“00”の伝送ビットを送信するとき、w(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームと、w+16(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームと、w+16×2(Byte)のPSDUサイズxを有する無線フレームとが連続して送信される。
また、“10”の伝送ビットは、±3×(基準値)に対応付けられるため、“10”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長は、±3×(基準値)である。その結果、(x3−x2)は、±3(x2−x1)になる。従って、“10”の伝送ビットを送信するとき、w+16(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×2(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
更に、“01”の伝送ビットは、±2×(基準値)に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長は、±2×(基準値)である。その結果、(x3−x2)は、±2×(x2−x1)になる。従って、“01”の伝送ビットを送信するとき、w+16×2(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×1(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
更に、“11”の伝送ビットは、±4×(基準値)に対応付けられるため、“01”の伝送ビットを送信するときの差分フレーム長は、±4×(基準値)である。その結果、(x3−x2)は、±4×(x2−x1)になる。従って、“11”の伝送ビットを送信するとき、w+16×5(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×1(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームと、w−16×25(Byte)のPSDUサイズを有する無線フレームとが連続して送信される。
また、“00”,“11”,“10”,“01”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、1Mbpsの伝送速度αで、w,w−16,w−16×2,w+16×2,w−16×10,w+16×14ByteのPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
6Mbpsの伝送速度αで、“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを順次送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、6Mbpsの伝送速度αで、w,w−16,w,w+46,w+136,w+496ByteのPSDUサイズxを有する複数の無線フレームを順次送信する。
図21は、差分フレーム長/基準値によって伝送ビットを送信するときの複数の無線フレームのPSDUサイズxを示す図である。なお、図21に示すX1〜X6は、伝送速度αが6Mbpsであるときのceiling((22+8x)/4α)の値である。
“00”,“10”,“01”,“11”の伝送ビットを差分フレーム長/基準値によって表わして送信する場合、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、6個の無線フレームを順次送信する。
6個の無線フレームのフレーム長をy1,y2,y3,y4,y5,y6とすると、伝送速度αが6Mbpsである場合、フレーム長yは、式(2)によって表わされるため、フレーム長y1,y2,y3,y4,y5,y6は、それぞれ、y1=ceiling((22+8x1)/24)×4+β、y2=ceiling((22+8x2)/24)×4+β、y3=ceiling((22+8x3)/24)×4+β、y4=ceiling((22+8x4)/24)×4+β、y5=ceiling((22+8x5)/24)×4+βおよびy6=ceiling((22+8x6)/24)×4+βとなる。
伝送ビットを差分フレーム長/基準値によって表わす場合、隣接する2つの無線フレームの差分フレーム長が計算されるため、βは、消去される。また、差分フレーム長を基準値によって除算した場合、基準値も差分フレーム長によって表わされるため、ceiling((22+8x)/24)×4の“4”も消去される。
そこで、X1=ceiling((22+8x1)/24)、X2=ceiling((22+8x2)/24)、X3=ceiling((22+8x3)/24)、X4=ceiling((22+8x4)/24)、X5=ceiling((22+8x5)/24)およびX6=ceiling((22+8x6)/24)とする。
例えば、x1=w=32Byteとすると、x2=w−16=32−16=16、x3=w=32、x4=w+46=32+46=78、x5=w+136=32+136=168、およびx6=w+496=32+496=528Byteとなる。
x1=32、x2=16、x3=32、x4=78、x5=168、およびx6=528Byteを用いてX1〜X6を計算すると、X1=12、X2=7、X3=12、X4=27、X5=57およびX6=177となる(図21参照)。
最初に送信される伝送ビット“00”は、(y3−y2)/(y2−y1)=(X3−X2)/(X2−X1)によって表わされるため、X1,X2,X3の各値を用いて、(X3−X2)/(X2−X1)を計算すると、(X3−X2)/(X2−X1)=(12−7)/(7−12)=5/−5=−1となる。
一方、“00”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±1に対応付けられるため、x1=32、x2=16およびx3=32ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“00”の伝送ビットを送信できる。
また、2番目に送信される伝送ビット“10”は、(y4−y3)/(y3−y2)=(X4−X3)/(X3−X2)によって表わされるため、X2,X3,X4の各値を用いて、(X4−X3)/(X3−X2)を計算すると、(X4−X3)/(X3−X2)=(27−12)/(12−7)=15/5=3となる。
一方、“10”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±3に対応付けられるため、x2=16、x3=32およびx4=78ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“10”の伝送ビットを送信できる。
更に、3番目に送信される伝送ビット“01”は、(y5−y4)/(y4−y3)=(X5−X4)/(X4−X3)によって表わされるため、X3,X4,X5の各値を用いて、(X5−X4)/(X4−X3)を計算すると、(X5−X4)/(X4−X3)=(57−27)/(27−12)=30/15=2となる。
一方、“01”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±2に対応付けられるため、x3=32、x4=78およびx5=168ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“01”の伝送ビットを送信できる。
更に、最後に送信される伝送ビット“11”は、(y6−y5)/(y5−y4)=(X6−X5)/(X5−X4)によって表わされるため、X4,X5,X6の各値を用いて、(X6−X5)/(X5−X4)を計算すると、(X6−X5)/(X5−X4)=(177−57)/(57−27)=120/30=4となる。
一方、“11”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±4に対応付けられるため、x4=78、x5=168およびx6=528ByteのPSDUサイズを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“11”の伝送ビットを送信できる。
図22は、差分フレーム長/基準値によって伝送ビットを送信するときの複数の無線フレームの別のPSDUサイズを示す図である。なお、図22に示すX1〜X6は、伝送速度αが9Mbpsであるときのceiling((22+8x)/4α)の値である。
伝送速度αが9Mbpsである場合、フレーム長y1,y2,y3,y4,y5,y6は、それぞれ、y1=ceiling((22+8x1)/36)×4+β、y2=ceiling((22+8x2)/36)×4+β、y3=ceiling((22+8x3)/36)×4+β、y4=ceiling((22+8x4)/36)×4+β、y5=ceiling((22+8x5)/36)×4+βおよびy6=ceiling((22+8x6)/36)×4+βとなる。
伝送ビットを差分フレーム長/基準値によって表わす場合、上述したように、ceiling((22+8x)/24)×4+βの“4”およびβは、消去されるので、X1=ceiling((22+8x1)/36)、X2=ceiling((22+8x2)/36)、X3=ceiling((22+8x3)/36)、X4=ceiling((22+8x4)/36)、X5=ceiling((22+8x5)/36)およびX6=ceiling((22+8x6)/36)とする。
そして、x1=32、x2=16、x3=32、x4=73、x5=154、およびx6=478Byteを用いてX1〜X6を計算すると、X1=8、X2=5、X3=8、X4=17、X5=35およびX6=107となる(図22参照)。
最初に送信される伝送ビット“00”は、(y3−y2)/(y2−y1)=(X3−X2)/(X2−X1)によって表わされるため、X1,X2,X3の各値を用いて、(X3−X2)/(X2−X1)を計算すると、(X3−X2)/(X2−X1)=(8−5)/(5−8)=3/−3=−1となる。
一方、“00”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±1に対応付けられるため、9Mbpsの伝送速度αを用いる場合も、x1=32、x2=16およびx3=32ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“00”の伝送ビットを送信できる。
また、2番目に送信される伝送ビット“10”は、(y4−y3)/(y3−y2)=(X4−X3)/(X3−X2)によって表わされるため、X2,X3,X4の各値を用いて、(X4−X3)/(X3−X2)を計算すると、(X4−X3)/(X3−X2)=(17−8)/(8−5)=9/3=3となる。
一方、“10”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±3に対応付けられるため、9Mbpsの伝送速度αを用いる場合も、x2=16、x3=32およびx4=73ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“10”の伝送ビットを送信できる。
更に、3番目に送信される伝送ビット“01”は、(y5−y4)/(y4−y3)=(X5−X4)/(X4−X3)によって表わされるため、X3,X4,X5の各値を用いて、(X5−X4)/(X4−X3)を計算すると、(X5−X4)/(X4−X3)=(35−17)/(17−8)=18/9=2となる。
一方、“01”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±2に対応付けられるため、9Mbpsの伝送速度αを用いる場合も、x3=32、x4=73およびx5=154ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“01”の伝送ビットを送信できる。
更に、最後に送信される伝送ビット“11”は、(y6−y5)/(y5−y4)=(X6−X5)/(X5−X4)によって表わされるため、X4,X5,X6の各値を用いて、(X6−X5)/(X5−X4)を計算すると、(X6−X5)/(X5−X4)=(107−35)/(35−17)=72/18=4となる。
一方、“11”の伝送ビットは、図19に示すように差分フレーム長/基準値=±4に対応付けられるため、9Mbpsの伝送速度αを用いる場合も、x4=73、x5=154およびx6=478ByteのPSDUサイズxを有する3個の無線フレームの差分フレーム長/基準値によって“11”の伝送ビットを送信できる。
伝送速度αが12,18,24,48,54Mbpsのいずれかである場合も、同様にして、6個のPSDUサイズxを有する6個の無線フレームを順次送信することによって、差分フレーム長/基準値を用いて“00”,“11”,“10”,“01”の伝送ビットを送信できる。
このように、上述したように計算した6個のPSDUサイズを有する6個の無線フレームを順次送信することによって、差分フレーム長/基準値を用いて“00”,“11”,“10”,“01”の伝送ビットを順次送信できる。
また、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットを差分フレーム長/基準値によって表わして“00”,“11”,“10”,“01”の順序で送信する場合、連続する3個の無線フレームのフレーム長を用いて差分フレーム長/基準値を計算したときの値が“00”,“11”,“10”,“01”にそれぞれ対応する±0,±4,±3,±2になるように(図19参照)、6個のPSDUサイズを計算し、その計算した6個のPSDUサイズを有する6個の無線フレームを順次送信すればよい。
このような方法に従えば、隣接する3つの無線フレームの差分フレーム長/基準値を用いて“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットを任意の順序で送信できる。
また、4個の無線フレームFR1〜FR4を送信した場合、2個の差分フレーム長/基準値によって制御識別子CIDが表わされ、1個の差分フレーム長/基準値は、2ビットに対応付けられる。また、制御識別子CIDのビット数は、2ビット以上である。従って、無線装置1は、項目fが用いられる場合、(K/2)+2個の無線フレームを受信機2へ、順次、ブロードキャストする。ここで、j=(K/2)+2とすると、jは、3以上の整数である。
上述したように、制御識別子CIDのビット数は、2ビット以上であればよいので、無線装置1は、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わす場合、3個以上の無線フレームをブロードキャストすればよい。この場合、制御識別子CIDは、1つまたは複数の差分フレーム長/基準値によって表わされる。
項目fが用いられる場合、受信機2〜4のフレーム長検出回路25は、図18に示す対応表TBL4を予め保持しており、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、図19に示す対応表TBL5または対応表TBL6を予め保持している。
受信機2〜4のフレーム長検出回路25は、上述した方法によって複数の無線フレームに対応する複数の累積値を検出し、対応表TBL4を参照して、その検出した複数の累積値を複数のフレーム長に変換し、その変換した複数のフレーム長をフレーム長判定回路26へ出力する。
そして、フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から受けた複数のフレーム長に基づいて、1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を演算し、対応表TBL5を参照して、その演算した1つまたは複数の差分フレーム長/基準値の各々を伝送ビットに変換してビット列を取得する。そして、フレーム長判定回路26は、その取得したビット列が被制御部5〜7の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて制御信号を生成し、その生成した制御信号を被制御部5〜7へ送信する。
これによって、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わした場合も、被制御部5〜7を制御できる。
このように、対応表TBL5が用いられる場合、フレーム長判定回路26は、各差分フレーム長を基準値で除算して各差分フレーム長を2ビットの伝送ビットに変換する。
なお、上記においては、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、それぞれ、±1,±2,±3,±4の差分フレーム長/基準値に対応付けられると説明したが(図19参照)、この発明の実施の形態1においては、これに限らず、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、±2,±4,±6,±8の差分フレーム長/基準値に対応付けられてもよく、±1,±3,±5,±7の差分フレーム長/基準値に対応付けられてもよく、一般的には、±1,±(1+q),±(1+2q),±(1+3q)または±2,±(2+q),±(2+2q),±(2+3q)(q=奇数または偶数)の差分フレーム長/基準値に対応付けられていればよい。
また、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わした場合、フレーム長判定回路26は、対応表TBL6を用いて、複数のフレーム長に基づいてビット列を取得してもよい。より詳細に説明する。2ビットの伝送ビットを差分フレーム長/基準値によって表わして送信する場合、3個の無線フレームFR1〜FR3が順次送信される。無線フレームFR1〜FR3は、それぞれ、フレーム長L1〜L3を有する。
フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から受けた複数のフレーム長L1〜L3に基づいて複数の差分フレーム長(L2−L1),(L3−L2)を演算し、差分フレーム長(L2−L1)を基準値とする。そして、フレーム長判定回路26は、±1×基準値(=(L2−L1))、±2×基準値(=(L2−L1))、±3×基準値(=(L2−L1))および±4×基準値(=(L2−L1))を演算する。
そうすると、フレーム長判定回路26は、差分フレーム長(L3−L2)を±1×基準値(=(L2−L1))、±2×基準値(=(L2−L1))、±3×基準値(=(L2−L1))および±4×基準値(=(L2−L1))と比較する。そして、フレーム長判定回路26は、差分フレーム長(L3−L2)が±1×基準値(=(L2−L1))に一致すれば、差分フレーム長(L3−L2)を“00”の伝送ビットに変換し、差分フレーム長(L3−L2)が±2×基準値(=(L2−L1))に一致すれば、差分フレーム長(L3−L2)を“01”の伝送ビットに変換し、差分フレーム長(L3−L2)が±3×基準値(=(L2−L1))に一致すれば、差分フレーム長(L3−L2)を“10”の伝送ビットに変換し、差分フレーム長(L3−L2)が±4×基準値(=(L2−L1))に一致すれば、差分フレーム長(L3−L2)を“11”の伝送ビットに変換する。
このように、対応表TBL6が用いられる場合、フレーム長判定回路26は、±1,±2,±3,±4と基準値との乗算を演算して各差分フレーム長を2ビットの伝送ビットに変換する。
なお、上記においては、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、それぞれ、±1×(基準値),±2×(基準値),±3×(基準値),±4×(基準値)の差分フレーム長に対応付けられると説明したが(図20参照)、実施の形態1においては、これに限らず、“00”,“01”,“10”,“11”の伝送ビットは、±2×(基準値),±4×(基準値),±6×(基準値),±8×(基準値)の差分フレーム長に対応付けられてもよく、±1×(基準値),±3×(基準値),±5×(基準値),±7×(基準値)の差分フレーム長に対応付けられてもよく、一般的には、±1×(基準値),±(1+q)×(基準値),±(1+2q)×(基準値),±(1+3q)×(基準値)または±2×(基準値),±(2+q)×(基準値),±(2+2q)×(基準値),±(2+3q)×(基準値)(q=奇数または偶数)の差分フレーム長×(基準値)に対応付けられていればよい。
上述したように、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わした場合、フレーム長判定回路26は、差分フレーム長を基準値で除算する演算、または±1,±(1+q),±(1+2q),±(1+3q)と基準値との乗算、または±2,±(2+q),±(2+2q),±(2+3q)と基準値との乗算を用いて各差分フレーム長を2ビットの伝送ビットに変換する。
図23は、図3に示す受信機2の他の構成を示す概略図である。実施の形態1による無線通信システム10は、受信機2に代えて図23に示す受信機2Aを備えていてもよい。
図23を参照して、受信機2Aは、図3に示す受信機2の包絡線検波回路23を同期検波回路27に代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
同期検波回路27は、不要波除去回路22から無線信号の受信信号を受け、その受けた受信信号を同期検波する。そして、同期検波回路27は、その同期検波の結果をビット判定器24へ出力する。
図24は、図23に示す同期検波回路27の構成を示す概略図である。図24を参照して、同期検波回路27は、乗算器271と、搬送波再生回路272と、LPF273とを含む。
乗算器271は、無線信号の受信信号を不要波除去回路22から受け、搬送波再生回路272から搬送波を受ける。そして、乗算器271は、無線信号の受信信号に搬送波を乗算し、その乗算結果をLPF273へ出力する。
搬送波再生回路272は、無線信号の受信信号を不要波除去回路22から受け、その受けた無線信号の受信信号に基づいて、搬送波を再生する。この搬送波は、無線信号が送信されたときの搬送波と同じ周波数および位相を有する。そして、搬送波再生回路272は、その再生した搬送波を乗算器271へ出力する。
LPF273は、乗算器271から乗算結果を受け、その受けた乗算結果の高域成分を除去して乗算結果の低域成分を検波結果としてビット判定器24へ出力する。
受信機2Aにおいては、ビット判定器24は、同期検波回路27からの検波信号をサンプリング周期でサンプリングしてディジタル信号列に変換する。
このように、受信機2Aは、無線信号の受信信号を同期検波して受信信号をディジタル信号列に変換する。
また、実施の形態1による無線通信システム10は、図3に示す受信機2の包絡線検波回路23を再生検波回路に代えた受信機を備えていてもよい。
再生検波回路は、無線信号の受信信号を不要波除去回路22から受け、その受けた無線信号の受信信号を再生検波(非特許文献3)によって検波する。そして、再生検波回路は、その検波結果をビット判定器24へ出力する。
このように、実施の形態1による無線通信システム10は、包絡線検波、同期検波および再生検波等によって無線信号の受信信号を検波する受信機を備えていてもよく、一般的には、任意の方法によって無線信号の受信信号を検波する受信機を備えていてもよい。
図25は、図3に示す受信機2の更に他の構成を示す概略図である。実施の形態1による無線通信システム10は、受信機2に代えて図25に示す受信機2Bを備えていてもよい。
図25を参照して、受信機2Bは、図3に示す受信機2のフレーム長検出回路25をフレーム長検出回路25Aに代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
フレーム長検出回路25Aは、ビット判定器24からビット列を受ける。そして、フレーム長検出回路25Aは、その受けたビット列の立ち上がりから立ち下がりまでの時間長をフレーム長として検出する。即ち、フレーム長検出回路25Aは、ビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出する。そして、フレーム長検出回路25Aは、その検出したフレーム長をフレーム長判定回路26へ出力する。
また、実施の形態1による無線通信システム10は、図25に示す受信機2Bの包絡線検波回路23を同期検波回路27または再生検波回路に代えた受信機を備えていてもよい。
受信機2は、ビット列における“1”の個数の累積値をカウントし、そのカウントした累積値にビット判定の周期を乗算してフレーム長を検出する。また、受信機2Bは、ビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出する。
従って、この発明の実施の形態による受信機は、ビット列に基づいてフレーム長を検出するものであればよい。
図26は、図1に示す無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図26においては、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、図26は、図12に示す項目A1,B1,C1,D1を同時に用いる場合における無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。更に、図26においては、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあることを前提として無線通信システム10の動作を説明する。
図26を参照して、一連の動作が開始されると、無線装置1のホストシステム13は、制御対象機器の制御を開始するか否かを判定する(ステップS1)。そして、ホストシステム13は、制御対象機器の制御を開始すると判定すると、モードが自律送信モードであるか否かを更に判定する(ステップS2)。
ステップS2において、モードが自律送信モードでないと判定されたとき、無線装置1のホストシステム13は、上述した方法によって、無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであるか否かを更に判定する(ステップS3)。
ステップS3では、ホストシステム13は、アクセスポイントに帰属していれば、他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定し、アクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立していれば、他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定する。また、ステップS3では、ホストシステム13は、アクセスポイントに帰属していなければ、無線装置と無線リンクを確立済みでないと判定し、アクセスポイント以外の無線装置と無線リンクを確立していなければ、他の無線装置と無線リンクを確立済みでないと判定する。
ステップS3において、無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、一連の動作は、ステップS5へ移行する。
一方、ステップS3において、無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みでないと判定されたとき、ホストシステム13は、指示信号Comd2を生成してフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
フレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13からの指示信号Comd2に応じて、インフラストラクチャモードから自律送信モードへ移行する(ステップS4)。
そして、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、またはステップS3において無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、またはステップS4の後、ホストシステム13は、制御したい被制御部5の制御識別子CIDを表すフレーム長と、所望の通信方式とをフレーム長変調信号生成部12へ出力し、フレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13から受けたフレーム長を有する無線フレームをホストシステム13から受けた所望の通信方式によって受信機Rへ送信する(ステップS5)。つまり、フレーム長変調信号生成部12は、変調方式、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプを固定した通信方式によって無線フレームを受信機Rへ送信する。
なお、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、一連の動作がステップS5へ移行するのは、自律送信モードは、無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立していないときに、無線装置1が無線フレームを自律的に送信するモードであるからである。
受信機2において、不要波除去回路22は、アンテナ21を介して電波を受信し、その受信した受信電波から不要波を除去して無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。これによって、受信機2は、無線フレームを受信する(ステップS6)。そして、不要波除去回路22は、その抽出した信号を包絡線検波回路23へ出力する。
包絡線検波回路23は、不要波除去回路22から受けた信号を一定周期ごとに包絡線検波し(ステップS7)、その検波した検波信号をビット判定器24へ出力する。
ビット判定器24は、包絡線検波回路23から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換して包絡線をビット判定する(ステップS8)。そして、ビット判定器24は、その変換後のビット列をフレーム長検出回路25へ出力する。
フレーム長検出回路25は、ビット判定器24から受けたビット列における“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“1”の累積を停止し、そのときの累積値を“1”の累積値として演算する(ステップS9)。そして、フレーム長検出回路25は、累積値をフレーム長判定回路26へ出力する。フレーム長判定回路26は、変換表TBL2を参照して、フレーム長検出回路25から受けた累積値をビット列に変換する(ステップS10)。
フレーム長判定回路26は、累計値をビット列に変換すると、ビット列が被制御部5の制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致すると判定されたとき、フレーム長判定回路26は、制御信号を生成して被制御部5へ出力する。即ち、フレーム長判定回路26は、制御識別子Dに基づいて被制御部5を制御する(ステップS12)。
ステップS12においては、受信機2のフレーム長判定回路26は、被制御部5をオンする制御内容、被制御部5をオフする制御内容、被制御部5(照明)の光の強度を調整する制御内容、および被制御部5(スピーカ)の音量を調整する制御内容等のいずれかを含む制御信号を生成し、その生成した制御信号を被制御部5へ出力する。これによって、被制御部5は、オンされたり、オフされたり、光の強度が調整されたり、音量が調整される。
そして、ステップS11において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、またはステップS12の後、一連の動作は終了する。
このように、図26に示すフローチャートに従えば、無線装置1は、インフラストラクチャモードにおいて他の無線装置と無線リンクを確立していないとき、自律送信モードへ移行して、被制御部5の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを受信機2へ送信する(ステップS1〜ステップS5参照)。
従って、無線装置1は、無線フレームを送信できないときでも、制御したい被制御部5の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを送信できる。
また、無線装置1は、固定した通信方式を用いて制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを送信するので(ステップS5参照)、無線フレームのフレーム長は、変動しない。その結果、受信機2は、待ち受けているフレーム長の無線フレームを受信でき、被制御部5を正確に制御できる。
図27は、図1に示す無線通信システム10の動作を説明するための別のフローチャートである。なお、図27においても、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、図27に示すフローチャートは、図12に示す項目A2,B2,C2,D2を同時に用いる場合における無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。更に、図27においても、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあることを前提として無線通信システム10の動作を説明する。
図27に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートのステップS5〜ステップS11をそれぞれステップS5A〜ステップS11Aに代えたものであり、その他は、図26に示すフローチャートと同じである。
図27を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。
そして、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、またはステップS3において無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、またはステップS4の後、無線装置1は、被制御部5の制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを通信パラメータ(変調方式、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプ)の総当り方式によって受信機2へ送信する(ステップS5A)。即ち、無線装置1は、全ての変調方式、全てのフレームフォーマット、全ての暗号化方式および全てのフレームタイプを用いた224通りの通信方式で制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを受信機2へ送信する。
受信機2において、不要波除去回路22は、アンテナ21を介して電波を受信し、その受信した受信電波から不要波を除去して複数の無線フレームの周波数を有する信号を抽出する。これによって、受信機2は、複数の無線フレームを順次受信する(ステップS6A)。そして、不要波除去回路22は、その抽出した信号を包絡線検波回路23へ出力する。
包絡線検波回路23は、不要波除去回路22から受けた複数の信号を一定周期ごとに、順次、包絡線検波し(ステップS7A)、その検波した複数の検波信号をビット判定器24へ出力する。
ビット判定器24は、包絡線検波回路23から受けた複数の検波信号の各々を“0”または“1”のビット値に変換して複数の包絡線を、順次、ビット判定する(ステップS8A)。そして、ビット判定器24は、その変換後の複数のビット列をフレーム長検出回路25へ出力する。
フレーム長検出回路25は、ビット判定器24から受けた複数のビット列の各々における“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“1”の累積を停止し、そのときの累積値を“1”の累積値として演算し、複数の累積値を検出する(ステップS9A)。そして、フレーム長検出回路25は、複数の累積値をフレーム長判定回路26へ出力する。フレーム長判定回路26は、変換表TBL2を参照して、フレーム長検出回路25から受けた複数の累積値を複数のビット列に変換する(ステップS10A)。
フレーム長判定回路26は、複数の累計値を複数のビット列に変換すると、複数のビット列のいずれかが被制御部5の制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS11A)。
ステップS11Aにおいて、複数のビット列のいずれかが制御識別子CIDに一致すると判定されたとき、フレーム長判定回路26は、制御識別子Dに基づいて制御信号を生成して被制御部5へ出力する。即ち、フレーム長判定回路26は、制御識別子Dに基づいて被制御部5を制御する(ステップS12)。
そして、ステップS11Aにおいて、複数のビット列のいずれも、制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、またはステップS12の後、一連の動作は終了する。
このように、図27に示すフローチャートに従えば、無線装置1は、インフラストラクチャモードにおいて他の無線装置と無線リンクを確立していないとき、自律送信モードへ移行して、被制御部5の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを受信機2へ送信する(ステップS1〜ステップS4,S5A参照)。
従って、無線装置1は、無線フレームを送信できないときでも、制御したい被制御部5の制御識別子CIDを表すフレーム長を有する無線フレームを送信できる。
また、無線装置1は、全ての変調方式、全てのフレームフォーマット、全ての暗号化方式および全てのフレームタイプを用いた224通りの通信方式で制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを受信機2へ送信するので(ステップS5A参照)、フレーム長が通信方式によって変動しても、複数のビット列のいずれかは、被制御部5の制御識別子CIDに一致する。従って、フレーム長が通信方式によって変動しても、被制御部5を正確に制御できる。
図28は、図1に示す無線通信システム10の動作を説明するための更に別のフローチャートである。なお、図28においても、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、図28に示すフローチャートは、図12に示す項目a,eを同時に用いる場合における無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。更に、図28においても、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあることを前提として無線通信システム10の動作を説明する。
図28に示すフローチャートは、図27に示すフローチャートのステップS5A,S9A,S10AをそれぞれステップS5B,S9B,S10Bに代え、ステップS11AをステップS11に代えたものであり、その他は、図27に示すフローチャートと同じである。
図28を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。
そして、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、またはステップS3において無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、またはステップS4の後、無線装置1は、被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数の無線フレームを送信する(ステップS5B)。
その後、上述したステップS6A〜ステップS8Aが順次実行される。
ステップS8Aの後、受信機2のフレーム長検出回路25は、ビット判定器24から受けた複数のビット列の各々における“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されると、“1”の累積を停止し、そのときの累積値を“1”の累積値として演算し、複数の累積値を検出する。そして、フレーム長検出回路25は、対応表TBL4を参照して、その検出した複数の累積値を複数のフレーム長に変換し、その変換した複数のフレーム長をフレーム長判定回路26へ出力する(ステップS9B)。
その後、フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25からの複数のフレーム長に基づいて、1つまたは複数の差分フレーム長を演算し、対応表TBL3を参照して、1つまたは複数の差分フレーム長をビット列に変換する(ステップS10B)。
そして、上述したステップS11,S12が順次実行され、一連の動作が終了する。
このように、図28に示すフローチャートに従えば、無線装置1は、インフラストラクチャモードにおいて他の無線装置と無線リンクを確立していないとき、自律送信モードへ移行して、被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数の無線フレームを受信機2へ送信する(ステップS1〜ステップS4,S5B参照)。
従って、無線装置1は、無線フレームを送信できないときでも、制御したい被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数の無線フレームを送信できる。
また、無線装置1は、制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わして送信するので、受信機2は、物理ヘッダの長さβおよびPSDUサイズxによるフレーム長yの変動を吸収して1つまたは複数の差分フレーム長を受信する。従って、無線装置1がフレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプを制御しないで無線フレームを送信しても、受信機2は、制御識別子CIDを正確に受信できる。その結果、被制御部5を正確に制御できる。
図29は、図1に示す無線通信システム10の動作を説明するための更に別のフローチャートである。なお、図29においても、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、図29に示すフローチャートは、図12に示す項目fを用いる場合における無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。更に、図29においても、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあることを前提として無線通信システム10の動作を説明する。
図29に示すフローチャートは、図28に示すフローチャートのステップS5B,S10BをそれぞれステップS5C,S10Cに代えたものであり、その他は、図28に示すフローチャートと同じである。
図29を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。
そして、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、またはステップS3において無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、またはステップS4の後、無線装置1は、被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信する(ステップS5C)。
その後、上述したステップS6A〜ステップS8A,S9Bが順次実行される。
ステップS9Bの後、フレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25からの複数のフレーム長に基づいて、1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を演算し、対応表TBL5を参照して、1つまたは複数の差分フレーム長/基準値をビット列に変換する(ステップS10C)。
そして、上述したステップS11,S12が順次実行され、一連の動作が終了する。
このように、図29に示すフローチャートに従えば、無線装置1は、インフラストラクチャモードにおいて他の無線装置と無線リンクを確立していないとき、自律送信モードへ移行して、被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを受信機2へ送信する(ステップS1〜ステップS4,S5C参照)。
従って、無線装置1は、無線フレームを送信できないときでも、制御したい被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信できる。
また、無線装置1は、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わして送信するので、受信機2は、変調方式(伝送速度)α、物理ヘッダの長さβおよびPSDUサイズxによるフレーム長yの変動を吸収して1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を受信する。従って、無線装置1が変調方式、フレームフォーマット、暗号化方式およびフレームタイプを制御しないで無線フレームを送信しても、受信機2は、制御識別子CIDを正確に受信できる。その結果、被制御部5を正確に制御できる。
図30は、図1に示す無線通信システム10の動作を説明するための更に別のフローチャートである。なお、図30においても、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、図30に示すフローチャートは、図12に示す項目a,b,c,dを同時に用いる場合における無線通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。更に、図30においても、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあることを前提として無線通信システム10の動作を説明する。
図30に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートのステップS5をステップS5Dに代え、ステップS9とステップS10との間にステップS20,S21を追加したものであり、その他は、図26に示すフローチャートと同じである。
図30を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS4が順次実行される。
そして、ステップS2において、モードが自律送信モードであると判定されたとき、またはステップS3において無線装置1が他の無線装置と無線リンクを確立済みであると判定されたとき、またはステップS4の後、無線装置1は、被制御部5の制御識別子CIDを表わすフレーム長を有する無線フレームを通信パラメータを制御せずに送信する(ステップS5D)。
その後、上述したステップS6〜ステップS9が順次実行される。そして、ステップS9の後、受信機2のフレーム長判定回路26は、フレーム長検出回路25から累積値を受け、その受けた累積値が、待ち受けている累積値に一致するか否かを判定する(ステップS20)。この場合、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、上述したように、所定のバイト数を有する無線フレームが全ての通信方式を用いて送信されたときに得られる複数の累積値を、待ち受けている累積値として保持しているので、演算した累積値が複数の累積値のいずれかに一致するか否かを判定する。そして、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、演算した累積値が複数の累積値のいずれかに一致すれば、演算した累積値が、待ち受けている累積値に一致すると判定し、演算した累積値が複数の累積値のいずれにも一致しない場合、演算した累積値が、待ち受けている累積値に一致しないと判定する。
ステップS20において、累積値が、待ち受けている累積値に一致しないと判定されたとき、一連の動作は、終了する。
一方、ステップS20において、累積値が、待ち受けている累積値に一致すると判定されたとき、受信機2〜4のフレーム長判定回路26は、待ち受けている累積値を受信した判定する(ステップS21)。その後、上述したステップS10〜ステップS12が順次実行され、一連の動作が終了する。
なお、図26から図30に示すフローチャートにおいては、被制御部5を制御する場合の無線通信システム10の動作について説明したが、この発明の実施の形態1においては、これに限らず、被制御部6,7を制御する場合も、無線通信システム10の動作は、図26から図30に示すフローチャートに従って実行される。
また、図26に示すステップS1〜ステップS5、図27に示すステップS1〜ステップS4,S5A、図28に示すステップS1〜ステップS4,S5B、図29に示すステップS1〜ステップS4,S5C、および図30に示すステップS1〜ステップS4,S5Dの各々は、この発明の実施の形態1による無線装置において無線フレームの送信をコンピュータに実行させるプログラムを構成する。
更に、図26に示すステップS6〜ステップS12、図27に示すステップS6A〜S11A,S12、図28に示すステップS6A,7A,S8A,S9B,S10B,S11,S12、図29に示すステップS6A,S7A,S8A,S9B,S10C,S11,S12および図30に示すステップS6〜S9,S20,S21,S10〜S12の各々は、この発明の実施の形態1による無線装置によって送信された無線フレームの受信をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成する。
この場合、無線装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備え、図26に示すステップS1〜ステップS5からなるプログラムA、図27に示すステップS1〜ステップS4,S5AからなるプログラムB、図28に示すステップS1〜ステップS4,S5BからなるプログラムC、図29に示すステップS1〜ステップS4,S5CからなるプログラムD、および図30に示すステップS1〜ステップS4,S5DからなるプログラムEのいずれかは、ROMに格納される。
そして、無線装置1のCPUは、被制御部5〜7を制御する場合、プログラムA〜プログラムEのいずれかをROMから読み出して実行し、上述した方法によって、被制御部5〜7の制御識別子CIDを受信機2〜4へブロードキャストする。
この場合、変換表TBL1および対応表TBL3,TBL5,TBL6は、ROMに格納されており、無線装置1のCPUは、ROMから変換表TBL1を読み出し、その読み出した変換表TBL1を参照して被制御部5〜7の制御識別子CIDをフレーム長に変換する。また、無線装置1のCPUは、ROMから対応表TBL3を読み出し、その読み出した対応表TBL3を参照して、制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを受信機2〜4へ送信する。更に、無線装置1のCPUは、ROMから対応表TBL5または対応表TBL6を読み出し、その読み出した対応表TBL5または対応表TBL6を参照して、制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わすように複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを受信機2〜4へ送信する。そして、無線装置1のCPUは、RAMを用いて、決定したフレーム長になるように、式(1)または式(2)によってペイロードサイズ(即ち、PSDUサイズx)を計算する。
無線装置1のCPUがプログラムAを実行する場合、ステップS1〜ステップS4を実行するCPUは、「制御手段」を構成し、ステップS5を実行するCPUは、「送信手段」を構成する。
また、無線装置1のCPUがプログラムBを実行する場合、ステップS1〜ステップS4を実行するCPUは、「制御手段」を構成し、ステップS5Aを実行するCPUは、「送信手段」を構成する。
更に、無線装置1のCPUがプログラムCを実行する場合、ステップS1〜ステップS4を実行するCPUは、「制御手段」を構成し、ステップS5Bを実行するCPUは、「送信手段」を構成する。
更に、無線装置1のCPUがプログラムDを実行する場合、ステップS1〜ステップS4を実行するCPUは、「制御手段」を構成し、ステップS5Cを実行するCPUは、「送信手段」を構成する。
また、受信機2〜4の各々は、CPU、ROMおよびRAMを備え、図26に示すステップS6〜ステップS12からなるプログラムF、図27に示すステップS6A〜S11A,S12からなるプログラムG、図28に示すステップS6A,7A,S8A,S9B,S10B,S11,S12からなるプログラムH、図29に示すステップS6A,S7A,S8A,S9B,S10C,S11,S12からなるプログラムIおよび図30に示すステップS6〜S9,S20,S21,S10〜S12からなるプログラムJのいずれかは、ROMに格納される。
そして、受信機2〜4のCPUは、無線装置1から送信された無線フレームの受信を行う場合、プログラムF〜プログラムJのいずれかをROMから読み出して実行し、上述した方法によって、無線装置1から送信された無線フレームを受信し、その受信した無線フレームのフレーム長が被制御部5〜7の制御識別子CIDを表わすとき、制御識別子CIDに基づいてそれぞれ被制御部5〜7を制御する。
この場合、変換表TBL2および対応表TBL3〜TBL6は、ROMに格納されており、受信機2〜4のCPUは、変換表TBL2をROMから読み出し、その読み出した変換表TBL2を参照して、演算した累積値をビット列に変換する。
また、受信機2〜4のCPUは、対応表TBL4をROMから読み出し、その読み出した対応表TBL4を参照して、演算した累積値をフレーム長に変換し、その変換したフレーム長に基づいて、RAMを用いて差分フレーム長または差分フレーム長/基準値を演算する。そして、受信機2〜4のCPUは、対応表TBL3をROMから読み出し、その読み出した対応表TBL3を参照して、演算した差分フレーム長をビット列に変換する。また、受信機2〜4のCPUは、対応表TBL5または対応表TBL6をROMから読み出し、その読み出した対応表TBL5または対応表TBL6を参照して、演算した差分フレーム長/基準値をビット列に変換する。
受信機2〜4のCPUがプログラムJを実行する場合、ステップS6を実行するCPUは、「受信手段」を構成し、ステップS7を実行するCPUは、「検出手段」を構成し、ステップS8を実行するCPUは、「変換手段」を構成し、ステップS9を実行するCPUは、「演算手段」を構成し、ステップS20,S21を実行するCPUは、「判定手段」を構成する。
図26から図30においては、受信機2における処理動作を用いて無線通信システム10の動作を説明したが、図26から図30において受信機2に代えて受信機2Aが用いられる場合、図26および図30のステップS7、および図27から図29のステップS7Aにおいて、受信機2Aは、無線フレームの受信信号を同期検波または再生検波し、図26および図30のステップS8、および図27から図29のステップS8Aにおいて、受信機2Aは、検波信号をビット判定する。
図26から図29において、受信機2に代えて受信機2Bが用いられる場合、図26のステップS9,S10において、受信機2Bは、ビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出し、その検出したフレーム長をビット列に変換する。また、図27のステップS9A,S10Aにおいて、受信機2Bは、ビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出し、その検出したフレーム長をビット列に変換する処理を複数のビット列について実行し、複数のビット列を得る。更に、図28および図29のステップS9Bにおいて、受信機2Bは、ビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出する。
従って、実施の形態1による受信機は、無線フレームを受信する第1の処理と、無線フレームの受信信号を検波する第2の処理と、検波結果である検波信号をビット判定する第3の処理と、ビット判定によって得られたビット列に基づいてフレーム長を検出する第4の処理と、フレーム長をビット列に変換する第5の処理と、その変換されたビット列が被制御部5〜7の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部5〜7を制御する第6の処理とを実行するものであればよい。そして、実施の形態1においては、第1から第6の処理からなるプログラムをROMに格納しておき、CPUは、このプログラムをROMから読み出して実行し、第1から第6の処理を行うようにしてもよい。
図31は、実施の形態1による無線通信システム10の具体例を示す概略図である。図31を参照して、無線通信システム10Aは、スマートホーン30と、受信機40と、プリンタ50とを備える。
スマートホーン30は、上述した無線装置1の構成を備える。そして、スマートホーン30は、無線装置1と同じ方法によって、プリンタ50の制御識別子CIDをフレーム長を用いて受信機40へ送信する。
受信機40は、上述した受信機2,2A,2Bのいずれかからなる。そして、受信機40は、スマートホーン30から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信信号に基づいて復号したビット列がプリンタ50の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいてプリンタ50をオンまたはオフする。
このように、無線通信システム10Aにおいては、スマートホーン30は、インフラストラクチャモードにおいて、他の無線装置との間で無線リンクを確立していないとき、プリンタ50のオン/オフを制御する。
従って、スマートホーン30の利用者は、スマートホーン30をリモコン(リモートコントローラ)としてプリンタ50を制御できる。
なお、無線通信システム10Aは、プリンタ50以外の電気機器を備えていてもよく、一般的には、スマートホーン30の利用者の職場または家庭内において、スマートホーン30の利用者の周辺に存在する電気機器であれば、どのような電気機器を備えていてもよい。
上述したように、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、図26から図30に示すフローチャートのステップS5,S5A,S5B,S5C,5Dに従って無線フレームを受信機2〜4へ送信するので、実施の形態1によれば、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、インフラストラクチャモードにおいて、他の無線装置と無線リンクを確立していないとき、自律送信モードへ移行して被制御部5〜7の制御識別子CIDを無線フレームのフレーム長を用いて表わすように無線フレームを送信すればよい。
そして、この自律送信モードとして、アクセスポイントモードまたはアドホックモードが用いられてもよい。アクセスポイントモードは、無線装置1が無線LANのアクセスポイントとして機能するモードであり、アドホックモードは、アクセスポイント以外の無線装置同士が直接通信を行うモードである。
アクセスポイントモードは、本来、無線LANのアクセスポイントが、自己に帰属する無線装置とネットワークとの間の通信を制御するモードである。従って、本来のアクセスポイントモードは、アクセスポイントに帰属する無線装置と無線リンクを確立したアクセスポイントが採用するモードである。
しかし、実施の形態1においては、インフラストラクチャモードにあり、かつ、他の無線装置と無線リンクを確立していない(アクセスポイントに帰属していない)無線装置1にアクセスポイントモードを適用する。その結果、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあり、かつ、他の無線装置と無線リンクを確立していないときに、アクセスポイントモードへ移行することによって、制御識別子CIDを表わす無線フレームを送信できる。従って、この発明の実施の形態1において採用するアクセスポイントモードは、本来のアクセスポイントモードと異なるものである。
また、アドホックモードは、本来、複数の無線装置がアクセスポイントを介さずに相互に無線通信を行うモードである。従って、本来のアドホックモードは、各無線装置が他の無線装置と無線リンクを確立しているときに採用されるモードである。
しかし、実施の形態1においては、インフラストラクチャモードにあり、かつ、他の無線装置と無線リンクを確立していない無線装置1にアドホックモードを適用する。その結果、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあり、かつ、他の無線装置と無線リンクを確立していないときに、アドホックモードへ移行することによって、制御識別子CIDを表わす無線フレームを送信できる。従って、実施の形態1において採用するアドホックモードは、本来のアドホックモードと異なるものである。
自律送信モードとして、上述したアクセスポイントモードまたはアドホックモードが使用される場合、図26から図30に示すステップS4において、無線装置1は、上述したアクセスポイントモードまたはアドホックモードへ移行する。
また、図1においては、受信機2〜4および被制御部5〜7は、独立して存在するように図示されているが、実施の形態1においては、受信機2および被制御部5は、同じ機器に搭載されていてもよい。
更に、無線装置1においては、ホストシステム13は、指示信号Comd2をフレーム長変調信号生成部12へ出力し、制御識別子CIDをフレーム長を用いて送信した後、指示信号Comd1をフレーム長変調信号生成部12へ出力してもよい。即ち、無線装置1は、インフラストラクチャモードから自律送信モードへ移行し、制御識別子CIDをフレーム長を用いて送信した後、再度、インフラストラクチャモードへ戻るようにしてもよい。
更に、実施の形態1においては、無線装置1は、インフラストラクチャモードにあるとき、上述した自律送信モードへ移行しないで、図26に示すステップS5、図27に示すステップS5A、図28に示すステップS5B、図29に示すステップS5C、および図30に示すステップS5Dのいずれかを実行して無線フレームを送信してもよい。つまり、無線装置1は、インフラストラクチャモードにおいて他の無線装置と無線リンクを確立しているとき、図26に示すステップS5、図27に示すステップS5A、図28に示すステップS5B、図29に示すステップS5C、および図30に示すステップS5Dのいずれかを実行して無線フレームを送信してもよい。
更に、実施の形態1においては、無線装置1は、自己の識別情報(ID)または上述した制御識別子CIDをフレーム長を用いて送信してもよく、一般的には、送信したい送信情報をフレーム長を用いて送信してもよい。
更に、実施の形態1においては、無線装置1は、複数の変調方式、複数のフレームフォーマット、複数の暗号化方式および複数のフレームタイプの所望の組合せを用いて組合せの個数に等しい回数だけ無線フレームを繰り返して送信してもよい。
実施の形態1においては、無線装置1のフレーム長変調信号生成部12は、「送信手段」を構成し、無線装置1のホストシステム13は、「制御手段」を構成する。
[実施の形態2]
図32は、実施の形態2による無線通信システムの概略図である。図32を参照して、実施の形態2による無線通信システム100は、無線装置101と、アクセスポイント102と、受信機103〜105と、被制御部106〜108とを備える。
無線装置101は、無線装置1の機能のうち、モードを自律送信モードへ切り換える機能以外の機能を備える。そして、無線装置101は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント102に帰属しているとき、上述した無線装置1と同じ方法によって、被制御部(被制御部106〜108のいずれか)の制御識別子CIDを表わす無線フレームをブロードキャストする。
アクセスポイント102は、無線装置101から無線フレームを受信するだけであり、その受信した無線フレームの受信信号を処理することはない。
受信機103〜105は、無線装置101の通信範囲内に存在する。受信機103〜105の各々は、上述した受信機2,2A,2Bのいずれかと同じ構成からなる。受信機103〜105の各々は、無線装置101が送信した無線フレームを傍受し、その傍受した無線フレームの受信信号を上述した方法によって復号する。そして、受信機103〜105は、その復号したビット列がそれぞれ被制御部106〜108の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて、それぞれ被制御部106〜108を制御する。
被制御部106〜108は、実施の形態1における被制御部5〜7と同じである。
このように、無線通信システム100においては、アクセスポイント102に帰属している無線装置101が制御識別子CIDを表わす無線フレームをブロードキャストし、受信機103〜105は、無線装置101から送信された無線フレームを傍受して被制御部106〜108を制御する。
従って、インフラストラクチャモードにおいて無線装置101から送信された無線フレームを利用して被制御部106〜108を制御できる。
図33は、図32に示す無線通信システム100の具体例を示す概略図である。図33を参照して、無線通信システム100Aは、スマートホーン110と、アクセスポイント102と、受信機120と、プリンタ130とを備える。
スマートホーン110は、無線装置101の構成を備える。そして、スマートホーン110は、インフラストラクチャモードにおいて、アクセスポイント102に帰属しているとき、無線装置1と同じ方法によって、プリンタ150の制御識別子CIDを表わす無線フレームをブロードキャストする。
受信機120は、受信機2,2A,2Bのいずれかと同じ構成からなる。そして、受信機120は、スマートホーン110から送信された無線フレームを傍受し、上述した方法によって、その傍受した無線フレームの受信信号に基づいてビット列を復号する。その後、受信機120は、その復号したビット列がプリンタ130の制御識別子CIDに一致するとき、プリンタ130をオンまたはオフする。
なお、無線通信システム100Aにおいては、受信機120は、プリンタ130に内蔵されていてもよい。また、無線通信システム100Aは、プリンタ130以外の照明等の電気機器を備えていてもよい。
図34は、図32に示す無線通信システム100の動作を示すフローチャートである。なお、図34においては、被制御部106を制御する場合を例にして無線通信システム100の動作を説明する。
図34を参照して、無線通信システム100における動作が開始されると、無線装置101は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント102に帰属しているとき、図26のステップS5、図27のステップS5A、図28のステップS5B、図29のステップS5C、および図30のステップS5Dのいずれかを実行して無線フレームを送信する(ステップS31)。
アクセスポイント102は、無線フレームを受信する(ステップS32)。また、受信機103は、無線フレームを傍受する(ステップS33)。そして、受信機103は、図26から図30のいずれかに示す動作を実行し、被制御部106を制御する(ステップS34)。これによって、無線通信システム100の動作が終了する。
なお、ステップS31において、図26のステップS5が実行された場合、受信機103は、図26に示す動作を実行し、ステップS31において、図27のステップS5Aが実行された場合、受信機103は、図27に示す動作を実行し、ステップS31において、図28のステップS5Bが実行された場合、受信機103は、図28に示す動作を実行し、ステップS31において、図29のステップS5Cが実行された場合、受信機103は、図29に示す動作を実行し、図30のステップS5Dが実行された場合、受信機103は、図30に示す動作を実行する。
また、被制御部107,108を制御する場合も、無線通信システム100における動作は、図34に示すフローチャートに従って実行される。
このように、無線通信システム100においては、受信機103〜105は、無線装置101がインフラストラクチャモードにおいて送信する無線フレームを傍受して被制御部106〜108を制御する。
上記においては、無線装置101は、アクセスポイント102に帰属すると説明したが、実施の形態2においては、これに限らず、無線装置101は、モバイルルータに帰属しているとき、上述した方法によって無線フレームを送信するようにしてもよい。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
[実施の形態3]
図35は、実施の形態3による無線通信システムの概略図である。図35を参照して、実施の形態3による無線通信システム200は、図32に示す無線通信システム100の無線装置101およびアクセスポイント102をそれぞれ無線装置201およびアクセスポイント202に代えたものであり、その他は、無線通信システム100と同じである。
無線装置201は、上述した無線装置1の機能のうち、モードを自律送信モードへ切り換える機能以外の機能を備える。無線装置201は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202に帰属する。そして、無線装置201は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202に帰属しているとき、無線装置1と同じ方法によって無線フレームをブロードキャストする。
アクセスポイント202は、インフラストラクチャモードにおいて、無線装置201から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームを転送する。
実施の形態3においては、受信機103〜105および被制御部106〜108は、無線装置201の通信範囲外に存在し、アクセスポイント202の通信範囲内に存在する。このように、無線通信システム200においては、受信機103〜105および被制御部106〜108は、無線装置201にとって隠れ端末になる。
受信機103〜105は、アクセスポイント202から送信された無線フレームを傍受し、その傍受した無線フレームの受信信号を上述した方法によってビット列に復号し、その復号したビット列が被制御部106〜108の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部106〜108を制御する。
従って、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202から送信された無線フレームを利用して、無線装置201からの電波が直接届かない被制御部106〜108を制御できる。
図36は、図35に示す無線通信システム200の具体例を示す概略図である。図36を参照して、無線通信システム200Aは、スマートホーン210と、アクセスポイント202と、受信機220と、プリンタ230とを備える。
スマートホーン210は、通信範囲REG1内に存在する。スマートホーン210は、上述した無線装置1の機能のうち、モードを自律送信モードへ切り換える機能以外の機能を備える。スマートホーン210は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202に帰属する。そして、スマートホーン210は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202に帰属しているとき、無線装置1と同じ方法によって無線フレームをブロードキャストする。
アクセスポイント202は、通信範囲REG1および通信範囲REG2内に存在する。
受信機220は、通信範囲REG1外に存在し、通信範囲REG2内に存在する。受信機220は、受信機2,2A,2Bのいずれかと同じ構成からなる。受信機220は、アクセスポイント202から送信された無線フレームを傍受し、その傍受した無線フレームの受信信号を上述した方法によってビット列に復号し、その復号したビット列が被制御部106〜108の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部106〜108を制御する。
プリンタ230は、通信範囲REG1外に存在し、通信範囲REG2内に存在する。
このように、無線通信システム200Aにおいては、受信機220およびプリンタ230は、スマートホーン210にとって隠れ端末になる。
スマートホーン210は、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202に帰属しているとき、無線装置1と同じ方法によって無線フレームをブロードキャストする。
そして、アクセスポイント202は、スマートホーン210から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームを転送する。
受信機220は、アクセスポイント202から送信された無線フレームを傍受し、その傍受した無線フレームの受信信号を上述した方法によってビット列に復号し、その復号したビット列がプリンタ230の制御識別子CIDに一致するとき、プリンタ230をオンまたはオフする。
従って、インフラストラクチャモードにおいてアクセスポイント202から送信された無線フレームを利用して、スマートホーン210に対して隠れ端末になるプリンタ230を制御できる。
なお、無線通信システム200Aにおいては、受信機220は、プリンタ230に内蔵されていてもよい。
また、無線通信システム200Aは、プリンタ230以外の電気機器を備えていてもよい。
図37は、図35に示す無線通信システム200の別の具体例を示す概略図である。図37を参照して、無線通信システム200Bは、図36に示す無線通信システム200Aのスマートホーン210をパーソナルコンピュータ240に代えたものであり、その他は、無線通信システム200Aと同じである。
パーソナルコンピュータ240は、有線ケーブル250によってアクセスポイント202に接続される。そして、パーソナルコンピュータ240は、プリンタ230の制御識別子CIDを有線ケーブル250を介してアクセスポイント202へ送信する。
無線通信システム200Bにおいては、アクセスポイント202は、上述した無線装置1の機能のうち、モードを自律送信モードへ切り換える機能以外の機能を備える。アクセスポイント202は、パーソナルコンピュータ240から有線ケーブル250を介してプリンタ230の制御識別子CIDを受信し、その受信した制御識別子CIDを表わす無線フレームを無線装置1と同じ方向によって送信する。
受信機220は、アクセスポイント202から送信された無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの受信信号を上述した方法によってビット列に復号し、その復号したビット列がプリンタ230の制御識別子CIDに一致するとき、プリンタ230をオンまたはオフする。
このように、無線通信システム200Bにおいては、アクセスポイント202は、パーソナルコンピュータ240から受信した制御識別子CIDを表わす無線フレームを送信する。
従って、アクセスポイント202が送信する無線フレームを用いて、パーソナルコンピュータ240が直接通信できないプリンタ230を制御できる。
図38は、図35に示す無線通信システム200の動作を示すフローチャートである。なお、図38においては、被制御部106を制御する場合を例にして無線通信システム200の動作を説明する。
図38に示すフローチャートは、図34に示すフローチャートにステップS35を追加したものであり、その他は、図34に示すフローチャートと同じである。
図38を参照して、無線通信システム200の動作が開始されると、無線装置201は、上述したステップS301を実行する。
アクセスポイント202は、上述したステップS32を実行し、その後、無線フレームを転送する(ステップS35)。
ステップS35の後、受信機103は、上述したステップS33,S34を順次実行する。これによって、無線通信システム200の動作が終了する。
被制御部107,108を制御する場合も、無線通信システム200の動作は、図38に示すフローチャートに従って実行される。
なお、上記においては、無線装置201は、アクセスポイント202に帰属すると説明したが、実施の形態3においては、これに限らず、無線装置201は、モバイルルータに帰属しているとき、上述した方法によって無線フレームを送信するようにしてもよい。
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
[実施の形態4]
図39は、実施の形態4による無線通信システムの概略図である。図39を参照して、実施の形態4による無線通信システム300は、図1に示す無線通信システム10の無線装置1を無線装置301に代え、受信機2〜4を受信機302〜304に代えたものであり、その他は、無線通信システム10と同じである。
無線装置301は、自己のモードがインフラストラクチャモードおよび上述した自律送信モードであるか否かに拘わらず、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御識別子CIDを差分フレーム長または差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信する。
受信機302〜304の各々は、無線装置301から複数の無線フレームを受信し、その受信した複数の無線フレームの複数のフレーム長を検出する。そして、受信機302〜304の各々は、複数のフレーム長に基づいて、上述した方法によって差分フレーム長または差分フレーム長/基準値を演算し、その演算した差分フレーム長または差分フレーム長/基準値を上述した方法によってビット列に変換する。その後、受信機302〜304の各々は、ビット列が被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御識別子CIDに一致するとき、制御識別子CIDに基づいて被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を制御する。
図40は、図39に示す無線装置301の構成を示す概略図である。図40を参照して、無線装置301は、図2に示す無線装置1のフレーム長変調信号生成部12をフレーム長変調信号生成部3011に代え、ホストシステム13をホストシステム3012に代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
フレーム長変調信号生成部3011は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を制御するための制御識別子CIDを表わす複数のフレーム長と、その複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信するための通信方式とをホストシステム3012から受け、その受けた複数のフレーム長を有する複数の無線フレームをホストシステム3012から受けた通信方式によって受信機302〜304へブロードキャストする。
ホストシステム3012は、被制御部5〜7の制御識別子CID_A〜CID_Cを予め保持している。
また、ホストシステム3012は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)を制御するとき、実施の形態1における方法によって、差分フレーム長または差分フレーム長/基準値が制御識別子CID(制御識別子CID_A〜CID_Cのいずれか)を表わすように複数のフレーム長を決定する。そして、ホストシステム3012は、その決定した複数のフレーム長と、複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信するための通信方式とをフレーム長変調信号生成部3011へ出力する。
図41は、図39に示す受信機302の構成を示す概略図である。図41を参照して、受信機302は、図3に示す受信機2の包絡線検波回路23を検波回路3021に代え、フレーム長検出回路25をフレーム長検出回路3022に代え、フレーム長判定回路26をフレーム長判定回路3023に代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
検波回路3021は、不要波除去回路22から受けた複数の無線フレームの複数の受信信号を包絡線検波、同期検波および再生検波のいずれかによって検波し、その検波した複数の検波信号をビット判定器24へ出力する。
フレーム長検出回路3022は、ビット判定器24から複数のビット列を受け、その受けた複数のビット列に基づいて複数のフレーム長を検出する。より具体的には、フレーム長検出回路3022は、1つのビット列における“1”の個数の累積値をカウントし、そのカウントした累積値にビット判定の周期を乗算してフレーム長を検出する処理を複数のビット列について実行し、複数のフレーム長を検出する。また、フレーム長検出回路3022は、1つのビット列において、ビット値が“0”から“1”に変化したタイミングからビット値が“1”から“0”に変化するタイミングまでの時間長をフレーム長として検出する処理を複数のビット列について実行し、複数のフレーム長を検出する。
そして、フレーム長検出回路3022は、その検出した複数のフレーム長をフレーム長判定回路3023へ出力する。
フレーム長判定回路3023は、フレーム長検出回路3022から複数のフレーム長を受け、その受けた複数のフレーム長に基づいて、上述した方法によって差分フレーム長または差分フレーム長/基準値を演算し、その演算した差分フレーム長または差分フレーム長/基準値を上述した方法によってビット列に変換する。そして、フレーム長判定回路3023は、ビット列が被制御部5の制御識別子CIDに一致するとき、制御信号を生成し、その生成した制御信号を被制御部5へ出力する。
一方、ビット列が被制御部5の制御識別子CIDに一致しないとき、フレーム長判定回路3023は、ビット列を破棄する。
なお、図39に示す受信機303,304の各々も、図41に示す受信機302と同じ構成からなる。
図42は、図39に示す無線通信システム300の動作を示すフローチャートである。なお、図42においては、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム300の動作を説明する。
図42を参照して、無線通信システム300の動作が開始されると、無線装置301のホストシステム3012は、制御対象機器の制御を開始するか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、制御対象機器の制御を開始すると判定されると、無線装置301のホストシステム3012は、実施の形態1において説明した方法によって、制御対象機器の制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数のフレーム長を決定する(ステップS42)。この場合、ホストシステム3012は、複数のフレーム長から選択された1つのフレーム長からなる基準フレーム長と、複数のフレーム長のうちの基準フレーム長以外の残りのフレーム長との差分である1つまたは複数の差分フレーム長によって制御識別子CIDを表わすように複数のフレーム長を決定する。
そして、無線装置301のホストシステム3012は、その決定した複数のフレーム長と、複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信するための通信方式とをフレーム長変調信号生成部3011へ出力する。
無線装置301のフレーム長変調信号生成部3011は、複数のフレーム長と通信方式とをホストシステム3012から受け、その受けた通信方式によって複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信する(ステップS43)。
受信機302において、不要波除去回路22は、アンテナ21を介して複数の電波を受信し、その受信した複数の受信電波から不要波を除去して無線フレームの周波数を有する複数の受信信号を抽出する。これによって、受信機302は、複数の無線フレームを受信する(ステップS44)。そして、不要波除去回路22は、その抽出した複数の受信信号を検波回路3021へ出力する。
検波回路3021は、不要波除去回路22から受けた複数の受信信号を一定周期ごとに検波し(ステップS45)、その検波した複数の検波信号をビット判定器24へ出力する。この場合、検波回路3021は、包絡線検波、同期検波および再生検波のいずれかを用いて複数の受信信号を一定周期ごとに検波する。
ビット判定器24は、検波回路3021から受けた複数の検波信号の各々を“0”または“1”のビット値に変換して複数の検波信号をビット判定し(ステップS46)、複数の検波信号を複数のビット列に変換する。そして、ビット判定器24は、その変換後の複数のビット列をフレーム長検出回路3022へ出力する。
フレーム長検出回路3022は、ビット判定器24から受けた複数のビット列に基づいて、上述した方法によって複数のフレーム長を検出する(ステップS47)。そして、フレーム長検出回路3022は、その検出した複数のフレーム長をフレーム長判定回路3023へ出力する。
フレーム長判定回路3023は、複数のフレーム長に基づいて、上述した方法によって1つまたは複数の差分フレーム長を演算し、その演算した1つまたは複数の差分フレーム長をビット列に変換する(ステップS48)。
フレーム長判定回路3023は、1つまたは複数の差分フレーム長をビット列に変換すると、ビット列が被制御部5の制御識別子CIDに一致するか否かを判定する(ステップS49)。
ステップS49において、ビット列が制御識別子CIDに一致すると判定されたとき、フレーム長判定回路3023は、制御信号を生成して被制御部5へ出力する。即ち、フレーム長判定回路3023は、制御識別子CIDに基づいて被制御部5を制御する(ステップS50)。
ステップS50においては、受信機302のフレーム長判定回路3023は、被制御部5をオンする制御内容、被制御部5をオフする制御内容、被制御部5(照明)の光の強度を調整する制御内容、および被制御部5(スピーカ)の音量を調整する制御内容等のいずれかを含む制御信号を生成し、その生成した制御信号を被制御部5へ出力する。これによって、被制御部5は、オンされたり、オフされたり、光の強度が調整されたり、音量が調整される。
そして、ステップS49において、ビット列が制御識別子CIDに一致しないと判定されたとき、またはステップS50の後、一連の動作は終了する。
なお、被制御部6,7を制御する場合も、無線通信システム300の動作は、図42に示すフローチャートに従って実行される。
このように、無線装置301は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御識別子CIDを差分フレーム長によって表わすように複数の無線フレームを送信する(ステップS42,S43参照)。
その結果、複数の無線フレームの各フレーム長が無線通信によって変化しても、複数のフレーム長は、同じように変化するので、差分フレーム長を演算することによってフレーム長の変化分が除去される。従って、受信機302〜304は、制御識別子CIDを正確に受信できる。
図43は、図39に示す無線通信システム300の動作を示す別のフローチャートである。なお、図43においても、被制御部5を制御する場合を例にして無線通信システム300の動作を説明する。
図43に示すフローチャートは、図42に示すフローチャートのステップS42,S48をそれぞれステップS42A,S48Aに代えたものであり、その他は、図42に示すフローチャートと同じである。
図43を参照して、無線通信システム300の動作が開始されると、無線装置301は、上述したステップS41を実行し、制御対象機器の制御を開始すると判定されると、被制御部5の制御識別子CIDを差分フレーム長/基準値によって表わすように複数のフレーム長を決定する(ステップS42A)。この場合、無線装置301は、複数のフレーム長から選択された1つのフレーム長からなる基準フレーム長と、複数のフレーム長のうちの基準フレーム長以外の残りのフレーム長との差分である複数の差分フレーム長を、複数の差分フレーム長から選択された1つの差分フレーム長からなる基準値で除算した1つまたは複数の差分フレーム長/基準値によって制御識別子CIDを表わすように複数のフレーム長を決定する。
そして、無線装置301は、上述したステップS43を実行する。
その後、受信機302は、上述したステップS44〜ステップS47を順次実行する。ステップS47の後、フレーム長判定回路3023は、上述した方法によって、複数のフレーム長に基づいて1つまたは複数の差分フレーム長/基準値を演算し、その演算した1つまたは複数の差分フレーム長/基準値をビット列に変換する(ステップS48A)。
そして、上述したステップS49,S50が順次実行され、無線通信システム300の動作が終了する。
なお、被制御部6,7を制御する場合も、無線通信システム300の動作は、図43に示すフローチャートに従って実行される。
このように、無線装置301は、被制御部(被制御部5〜7のいずれか)の制御識別子CIDを1つまたは複数の差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信する(ステップS42A,S43参照)。
その結果、複数の無線フレームの各フレーム長が無線通信によって変化しても、複数のフレーム長は、同じように変化するので、差分フレーム長/基準値を演算することによってフレーム長の変化分が除去される。従って、受信機302〜304は、制御識別子CIDを正確に受信できる。
上述したように、実施の形態4においては、無線装置301は、被制御部5〜7の制御識別子CIDを差分フレーム長または差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信する。
ここで、差分フレーム長を演算することは、フレーム長を減算することに相当し、差分フレーム長/基準値を演算することは、フレーム長を減算し、その減算結果(=差分フレーム長)を基準値(=差分フレーム長)で除算することに相当する。
そして、実施の形態4においては、無線装置301は、フレーム長の減算、およびフレーム長の減算および除算に限らず、フレーム長に対して四則演算から任意に選択された1以上の演算を適用し、その演算結果によって被制御部5〜7の制御識別子CIDを表わすように複数の無線フレームを送信してもよい。
また、実施の形態4においては、無線装置301は、被制御部5〜7の制御識別子CIDを差分フレーム長または差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信すると説明したが、実施の形態4においては、これに限らず、無線装置301は、送信先へ送信したい送信情報を差分フレーム長または差分フレーム長/基準値によって表わすように複数の無線フレームを送信してもよい。
従って、実施の形態4による無線装置は、複数の無線フレームの複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用して演算した演算結果によって送信先へ送信したい送信情報を表わすように複数のフレーム長を決定する決定手段と、決定手段によって決定された複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信する送信手段とを備えていればよい。
複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用すれば、複数の無線フレームの複数のフレーム長が無線通信によって変化しても、複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用した演算結果においては、フレーム長の変化分が除去され、受信機は、送信情報を正確に受信できるからである。
また、実施の形態4による受信機は、実施の形態4による無線装置から複数の無線フレームを受信する受信手段と、複数の無線フレームの複数のフレーム長を検出する検出手段と、検出手段によって検出された複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用して演算する演算手段と、演算手段によって演算された演算結果に基づいて送信情報を復号する復号手段とを備えていればよい。
複数の無線フレームを送信する無線装置と同じ演算方法を複数のフレーム長に対して適用した演算結果に基づいて送信情報を復号すれば、複数のフレーム長が無線通信によって変化しても、複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用した演算結果においては、フレーム長の変化分が除去され、受信機は、送信情報を正確に受信できるからである。
更に、実施の形態4においては、無線装置301は、複数の無線フレームの送信をプログラムによって実行してもよい。この場合、無線装置301は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、送信情報の送信をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムは、決定手段が、複数の無線フレームの複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用して演算した演算結果によって送信情報を表わすように複数のフレーム長を決定する第1のステップと、送信手段が、第1のステップにおいて決定された複数のフレーム長を有する複数の無線フレームを送信する第2のステップとを備えていればよい。
そして、このプログラムは、ROMに記憶されており、CPUは、ROMに格納されたプログラムを読み出して実行し、複数の無線フレームを送信する。この場合、CPUは、複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用した演算をRAMを用いて行い、複数のフレーム長を決定する。
更に、実施の形態4においては、受信機302〜304は、複数の無線フレームの受信をコンピュータに実行させてもよい。この場合、受信機302〜304の各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、送信情報の受信をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムは、受信手段が、複数の無線フレームを受信する第1のステップと、検出手段が、複数の無線フレームの複数のフレーム長を検出する第2のステップと、演算手段が、検出手段によって検出された複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用して演算する第3のステップと、復号手段が、演算手段によって演算された演算結果に基づいて送信情報を復号する第4のステップとを備えていればよい。そして、このプログラムは、ROMに記憶されており、CPUは、ROMに格納されたプログラムを読み出して実行し、複数の無線フレームを受信し、その受信した複数の無線フレームの復号処理を行う。この場合、CPUは、複数のフレーム長に対して所望の演算方法を適用した演算をRAMを用いて行う。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。