JP5422644B2 - 飲料製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、供給される飲料原料から飲料を調製するための飲料製造装置に関する。より詳細には、本発明は、特に事前に分割された形で閉じられたカプセル中に収容されている前記飲料原料と液体を相互作用させる飲料製造チャンバを備えるような装置に関する。
特に、茶、コーヒー、またはコーヒー・タイプの飲料を製造する分野では、たとえば加圧された流体をカプセルに注入することによって飲料を調製するための装置がよく知られている。さらに、チョコレートまたは乳製品など、他の物質を抽出または溶解させて飲料を形成することもできる。こうしたシステムの利点は、具体的には、原料の保存および鮮度、ならびに飲料を調製するときの操作を容易にできることである。
当然のことながら、たとえばカプセル内での液体と原料の間の相互作用は、カプセル内に供給される原料によって飲料を調製するための、たとえば、溶解、抽出、浸出、または他の任意の相互作用とすることができる。このようなカプセルは、国際公開WO2007/042414A1および国際公開WO2008/025730A1からさらに知られており、主としてハウジングすなわちシェル、およびフィルタリング手段で画定された筐体を備える。
たとえば、このような装置で茶を調製するとき、カプセルに供給される液体(たとえば水)の中に空気が存在することによって問題が発生する。この空気は、主として水を加熱することから生じ、この加熱は、装置の飲料製造チャンバに液体を供給するための供給手段内に設けられたヒータによって実行される。液体(水)の温度が約70℃に達するとすぐに、空気すなわち気泡が現れる。空気は、このように液体とともにカプセル内に導かれるが、前述の通りカプセル内部に配置されたフィルタ手段(一般には紙フィルタ)を通過しない傾向にある。たとえば茶を調製するときに存在する低圧水流の場合と同様に、水および浸出される製品(粉のような飲料原料)を攪拌することは重要ではなく、気泡は、液体から分離し、たとえば、カプセルのような飲料製造チャンバの上部にまで緩やかに上昇し、カプセル内部のフィルタの背後に留まることができる。気泡の量は、カプセル内部に水を注入する限り大きくなる。しかし、この量が非常に重要になることがあり、たとえば、茶葉が液体(水)内部で適切に浸されなくなり、したがって茶を十分に抽出することができなくなる。
本発明は、前述の欠点に鑑みて達成されたが、その目的は、飲料原料の抽出に使用される液体中の空気の量が低減している飲料製造装置を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、液体をカプセル内に収容された飲料原料と相互作用させるように設計された飲料製造チャンバ、前記飲料製造チャンバに液体を供給するための液体供給手段、液体供給手段内に設けられた、液体を加熱するための加熱手段、および、液体内に含まれるなんらかの空気または他のガスを分離するための、加熱手段の後の液体供給手段内に設けられた空気分離区画室を備える飲料製造装置を提供する。空気分離区画室は、この空気分離区画室に液体を導くための入口、この入口を通して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段、運動エネルギーを遮断するための手段によって入口から分離された、空気分離区画室から液体を排出するための液体出口、および、やはり運動エネルギーを遮断するための手段によって入口から分離された、空気分離区画室から空気を排出するための空気出口を備える。
前述の特徴により、空気分離区画室に液体が入るときに、液体の流速が効果的に減少する。したがって、液体内部を液体の速度で空気またはガスが運ばれないように、液体の流速を低減させることが可能であり、したがって、空気は、上昇して空気出口から排出することができ、加熱された液体からの空気の分離が実現する。
本発明の第1の実施形態によれば、入口を通して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段は多孔質壁である。多孔質壁は、空気分離区画室の内部に多孔質チャンバを形成することができる。好ましい方式では、多孔質チャンバは円筒の形状を示す。この多孔質壁は、ふるいまたはフィルタとすることができる。空気は、多孔質壁のメッシュ内に取り込まれ、したがって、空気分離区画室の上部に容易に上昇することができ、この上部において空気出口を通して空気を排出することができ、液体出口を通して空気のない液体を排出することができるので、前述の特徴により、加熱された液体中の空気の量を容易に低減させることが可能である。
前記ふるいまたはフィルタ要素のメッシュ内にガスが取り込まれるので、一般的な材料を有する簡略な要素を使用して、加熱された液体から空気または他のガスを分離することができる。多孔質壁は、空気分離区画室の内部に多孔質チャンバを形成することが好ましい。多孔質壁により液体出口および空気出口を入口から分離するために、この多孔質壁は、空気分離区画室の内部に配置され、その結果、空気分離区画室内部で多孔質壁が液体入口を取り囲み、したがって多孔質チャンバを形成することが好ましい。多孔質チャンバは、どんな形状を示すこともできる。多孔質チャンバは円筒であることが好ましく、その基部は、液体入口を囲む空気分離区画室の側壁の一部分である。空気分離区画室の縦軸および多孔質チャンバの縦軸は、実質的に位置合せされていることが好ましい。液体入口は、空気分離区画室および多孔質チャンバの縦軸と一致する、空気分離区画室の側壁の実質的に中心の位置に設けることができる。前述の特徴により、空気分離区画室への液体の均一な流入、および空気分離区画室内部での液体の均等な分配を実現することができる。
多孔質チャンバは、水平軸、および流れの方向に従って上昇するその縦軸に対して傾斜していてもよい。前記特徴により、空気および液体の分離を容易に実現することができるというのも、空気は、空気分離区画室の最も高い部分まで容易に上昇することができ、液体は、単に空気分離区画室の低い部分から排出することができるからである。
空気分離区画室は、その中に入る液体の流れを抑制するのに十分な容積を示すことが好ましい。こうした理由で、入口の断面積と空気分離区画室の断面積の比が少なくとも1:10、好ましくは少なくとも1:100であることが好ましい。前記断面は、入口または空気分離区画室のいずれかの中の、液体の流れの方向に本質的に垂直である。
第2の好ましい実施形態によれば、入口を通して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段は、液体の方向を変更するための手段とすることができる。入口を通して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段は、液体の流路の方向を液体の方向の逆向きに少なくとも2回変更することが好ましい。このように液体の流路の方向を逆向きに変更することは、液体の流れの方向が、本質的に約180°の角度で変更されることを意味する。液体の運動エネルギーを遮断するための手段の具体的な設計により、液体の流路の逆向きに少なくとも2回変更を加えることがより好ましい。したがって、流体の速度を効果的に減少させることができる。このような手段を、バッフルまたはラビリンス形状の流路の間で選択できることが好ましい。液体の運動エネルギーを遮断するための手段を介する流体の断面は、前記手段を介して流体の流路の方向を変更するたびに、増大することが好ましい。
好ましい実施形態によれば、液体の運動エネルギーを遮断するための手段は、少なくとも3つの同心状に配置された円筒部材によって形成されたラビリンスであり、これらの部材は、入口から供給される液体を、ラビリンスの中心部分からその縁部に向けて蛇行させるように設計される。円筒部材は、少なくとも2つの隙間空間を、この円筒部材間に形成するように配置することができる。各円筒部材間の隙間空間は、ラビリンスの中心から縁部に向けて徐々に増大することが好ましい。より大きい円筒部材の上部に配置された開口部により、より大きいこの円筒部材をラビリンスの縁部に接続することが好ましい。ラビリンス縁部の上部は、空気出口に接続されることが好ましく、ラビリンス縁部の底部は、液体出口に接続される。
本発明の好ましい態様によれば、液体出口には第1のバルブが設けられる。前記バルブにより、バルブが開く圧力値は、飲料製造チャンバに液体を供給するのに必要な、また飲料製造に必要な液体の圧力に設定することができる。したがって、飲料製造チャンバの前にある、液体供給手段内の追加の背圧バルブを省略することができる。
本発明の別の好ましい態様によれば、空気出口には第2のバルブが設けられる。前記バルブにより、どんな液体も前記バルブを介して漏れることなく、十分な脱気を実現することができる。
第1のバルブを開くための圧力値は、第2のバルブを開くための圧力値よりも大きいことが好ましい。次いで、空気分離区画室から液体を排出する前に、すでに脱気を遂行することができる。したがって、分離された空気が、空気のない液体と再び混合される可能性が減少し、したがって、飲料製造チャンバに供給される液体は、最低限の空気または他のガスを含むに過ぎない。第1のバルブを開くための圧力値は、少なくとも0.2バール、好ましくは少なくとも0.4バールとすることができる。したがって、飲料製造に適切な圧力で、飲料製造チャンバに液体が供給される。
空気出口は、通常、水平方向について液体出口よりも高い位置に配置される。したがって、空気は、一旦分離されると、空気のない液体と再び混合することが防止される。空気は液体(たとえば水)よりも軽く、したがって空気分離区画室の上部に上昇し、この上部において空気分離区画室から空気を容易に排出することができ、より低い位置に配置された液体出口を介して液体を排出することができるので、空気出口を液体出口よりも高く配置することによって、これが実現する。空気出口は、飲料製造装置に対して、空気分離区画室の最も高い垂直位置に配置されることが好ましい。前記特徴により、空気は、空気分離区画室の最も高い部分に上昇するので、空気分離区画室から空気を十分に排出することが実現できる。液体出口は、空気分離区画室の入口側壁に配置することができる。この特徴により、特に空気分離区画室が傾斜しているときには、液体は、空気出口側から離して距離を置かれる。
通常、入口は加熱手段に接続され、液体出口は、飲料製造チャンバに接続され、空気出口は、廃棄区画室または通気手段に接続される。そして、空気分離区画室は、たとえば茶を製造するための一般的な飲料製造装置内で容易に使用することができる。
別の好ましい一実施形態では、空気分離区画室はさらに、既定温度を下回る液体を排出するように設計されたバルブを備えた追加の液体出口を備えることができる。追加の液体出口は、空気分離区画室の最も低い部分に配置されることが好ましい。空気分離区画室は、2つの水出口を備えることが好ましく、そのうちの一方には、既定圧力での水の排出を可能にする、すでに述べた第1のバルブを設ける。第2の水出口は、第1の水出口の近傍に配置されることが好ましい。それにより、飲料を調製するための所望の温度よりも温度が低い場合、前記第2の水出口は、水の再循環を可能にすることが好ましい。第2の水出口には、この第2の水出口を介して水の排出を制御するためにバルブを装えることが好ましい。飲料を調製するための所望の温度よりも水温が低い限り、開いた状態に保持される第2の水出口に、双方向電気バルブを設けることが好ましい。空気分離区画室内部の水温を測定するために、専用の温度センサを設けてもよく、このセンサは、双方向の電気バルブ、または前記電気バルブに接続された制御ユニットに接続されることが好ましい。温度センサは、空気分離区画室に設けられた、区画室内に存在する液体の温度を測定するのに適した任意の内部手段または外部手段でもよい。前記第2の水出口から排出される水は、空気分離区画室の上流にある水供給装置に戻される。前記第2の水出口から排出される水は、空気分離区画室に至る水供給装置に戻されることが好ましい。それによれば、水の温度が飲料を調整するのに十分高くない場合に、第2の水出口により、排出された水が空気分離区画室の上流側に戻ることが可能になる。水が既定の温度に達すると、第2の水出口のバルブが閉まる。したがって、空気分離区画室の出口において水圧が増大し、その開放圧力に達すると第1の水出口の水バルブが開く。
第1の実施形態では、液体出口は、空気分離区画室の縦軸に対して、入口から放射状にオフセットしていることが好ましい。こうした理由で、液体出口は、空気分離区画室内に容易に配置することができ、たとえば入口とは干渉しない。さらに、第1の実施形態では、液体出口は、飲料製造装置に対して、多孔質チャンバのより低い多孔質面の下に配置されることが好ましい。したがって、重力があるので、空気のない液体を空気分離区画室から容易に排出して飲料製造チャンバに供給することができる。なぜなら、水のような液体は、空気よりも軽く、したがって空気分離区画室の底に蓄積するが、空気は、飲料製造装置に対して垂直方向に、空気分離区画室の上部に蓄積するからである。
第2の実施形態では、液体出口は、ラビリンスまたはバッフルに対して本質的に空気出口の下に配置された、ラビリンスまたはバッフルの一部分に配置されることが好ましい。したがって、ラビリンスまたはバッフルにより運動エネルギーを遮断した後、ラビリンスまたはバッフルのより高い部分に蓄積する空気は、空気出口によって排出することができる。さらに、ラビリンスまたはバッフルの底部に蓄積する空気のない液体は、液体出口によって排出することができる。
空気出口は一般に、液体入口および空気分離区画室の出口側の反対側に配置されることが好ましい。前記特徴により、空気出口および液体出口は互いに最も離して配置され、したがって、一旦分離された後に、空気のない液体と空気が混合される可能性はかなり低くなる。
本発明はまた、前述の空気分離装置により、加熱された液体から空気を分離するための方法に関する。
本発明のさらなる特徴、利点、および目的は、添付図面の各図とともに、本発明の各実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになろう。
本発明による飲料製造装置の概略図である。 本発明の第1の実施形態による、飲料製造装置の空気分離手段を上面透視図で示す図である。 本発明による空気分離手段の第2の好ましい実施形態を側断面図で示す図である。 図3による空気分離手段を備える飲料調製装置の概略図である。
図1は、本発明による飲料製造装置1の好ましい一実施形態を示す。前記好ましい一実施形態では、飲料を調製するための飲料原料Tは、飲料製造チャンバとも呼ばれるカプセル20または同様のものに密閉され、このチャンバは、取扱い部材3、4を備える取扱い手段2内に保持される。カプセルは、主として、茶葉などの飲料原料Tを収容する筐体21を備える。筐体21は、カップ形状のハウジング22およびフィルタリング壁23によって境界を定めることが好ましい。カプセルは、筐体21を密閉するシーリング壁24によって閉じることが好ましい。カプセル20はさらに、やはりハウジング22に取り付けられ、シーリング壁24と重なるカバー25を備えることができる。カバー25は、出口27によりその側端部で終わる内部チャネル26を形成する。カバー25には、既定の孔または弱められたもしくは壊れやすい区域の形で、穿孔指示手段が設けられることが好ましい。
飲料製造装置1はさらに、筐体21のオーバーフロー位置でシーリング壁24を穿孔するための手段Pを備えてもよい。図1に示すように、カプセル20の周りの取扱い部材3、4を閉じた後で、穿孔手段Pを作動させることができる。穿孔手段Pは、カバー25を通り、穿孔機Pよりも直径がわずかに大きい孔などの穿孔指示手段を介して、押し込まれ、または導かれる。穿孔機Pは、シーリング壁24に孔を開けてオーバーフロー開口を作製し、次いでこの開口から退避して開口を完全に開いた状態にしておくことができる。穿孔機Pは、ソレノイドもしくは他の任意の同等な駆動手段で駆動することもでき、または手動でも駆動することができる。
上記説明にもかかわらず、カプセル20は、いかなるサイズまたはデザインにも限定されず、加熱された液体、好ましくは加熱された低圧の液体を用いて飲料原料を抽出することによって飲料を調製するためのフィルタ要素をやはり備える、他の任意の既知の飲料原料収容手段または飲料製造チャンバを使用することもできる。以下では、液体とは、たとえば水のように、飲料製造装置で使用されているあらゆる種類の液体を指す。
前記実施形態の飲料製造装置1はさらに、水タンクなどの液体貯蔵器5、液体ポンプ6、ヒータなどの加熱手段7、および、液体供給手段とも呼ばれる液体供給ライン8を備える。飲料製造装置1はまた、当技術分野で知られている飲料調製サイクルを管理するための、制御装置およびユーザ・インターフェース板(図示せず)を備えてもよい。さらに、飲料製造チャンバ20内の入口側または注入部材10における圧力を下げるために、背圧バルブ9を設けることができる。注入部材10は、好ましくは、針(単数または複数)または刃(単数または複数)、および液体入口とすることができる。背圧バルブ9の代わりに、流体を低圧で送る低圧ポンプを使用することができる。
液体供給手段8は、数ある中でも、飲料調整/抽出のために飲料製造チャンバ20に高温の液体を供給するための、加熱手段7と飲料製造チャンバ20との間に配置された高温液体供給ライン11を備えることが好ましい。
高温液体供給ライン11には、空気分離区画室とも呼ばれる空気分離手段30が設けられており、これが、高温液体供給ライン11を、空気を含む高温の液体を空気分離区画室30に送る第1のライン12と、空気のない高温の液体を飲料製造チャンバ20に供給するための第2のライン13とに分割することが好ましい。空気分離区画室30およびその機能を後ほど説明する。
第2のライン13は、空気分離区画室30に連結されることが好ましく、第1のバルブ31を介して空気分離区画室30に連結されることがより好ましい。第1のバルブ31は、たとえば逆止バルブのような、こうした飲料製造装置で使用される任意の既知のバルブのタイプとすることができる。前記バルブは、所定の圧力閾値で開くように設計されることが好ましい。第1のバルブ31を開くための前記圧力閾値は、たとえば、少なくとも0.2バール、より好ましくは少なくとも0.4バールとすることができる。したがって、液体は、飲料製造に適切な圧力で飲料製造チャンバ20に供給され、背圧バルブ9を省くことができる。
飲料製造装置1はまた、空気分離区画室30から廃棄区画室15および/または通気手段16に空気を送るための空気出口ライン14を備えることが好ましい。用語「空気」は、任意の種類のガスに対して代替的に使用されるものであって、空気に限定されるものではないことに留意しなければならない。空気出口ライン14は、空気分離区画室30に連結されることが好ましく、第2のバルブ32を介して空気分離区画室30に連結されることがより好ましい。第2のバルブ32は、このバルブの前に空気が存在するときには、バルブ32は開いたままであるが、液体が現れると、バルブ32は直ちに閉じるように設計される。このようなバルブのタイプは、最新技術(国際公開WO02/088580A1参照)において一般に知られており、前記バルブを介していかなる液体も排出されることなく、十分な脱気を実現する。本発明の好ましい一実施形態では、第1のバルブ31を開くための圧力値は、第2のバルブ32を開くためのバルブ圧力よりも高く、その結果、空気分離区画室30から液体を排出する前に、すでに脱気を遂行することができる。したがって、分離された空気が、空気のない液体と再び混合される可能性が減少し、したがって、飲料製造チャンバ41に供給される液体は、最低限の空気を含む。
以下で、図2に関して、空気分離区画室30を説明する。
図2に示した第1の好ましい実施形態によれば、空気分離区画室30は、円筒形であるハウジング33を備えることが好ましいが、それには限定されない。空気分離区画室30は、第1のライン12に連結され、したがって加熱手段7に接続された入口35と接続された入口開口34と、第2のライン13に連結され、したがって飲料製造チャンバ20に接続された液体出口37と接続された液体出口開口36と、空気出口ライン14に連結され、したがって廃棄区画室15または通気手段16に接続された空気出口39と接続された空気出口開口38とをさらに提示することが好ましい。第1のバルブ31は、空気分離区画室30と液体出口37の中間に配置されることが好ましいが、第2のライン13内の下流に配置することもできる。第2のバルブ32は、空気分離区画室30の空気出口開口38と空気出口39との中間で、空気分離区画室30に取り付けることが好ましい。したがって、液体が空気出口39に入ることは全くなく、空気が液体出口37に入ることはないので、適切な脱気を実現することができる。
空気分離区画室30内部に、入口35を介して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段が設けられる。図2に示した前記好ましい実施形態では、入口35を介して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための前記手段は、以下で多孔質壁とも呼ばれる、壁40である。代替的にまたは追加的に、入口35を介して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための前記手段は、図3に示すように、たとえばバッフルまたはラビリンスなど、液体の方向を変更するための手段でもよい。
しかし、壁40は、空気分離区画室30の側壁SWから、その内部に延在することが好ましい。側壁SWは、好ましくは円筒形の空気分離区画室30の上部壁または底部壁のうちの一方であることが好ましい。液体出口37および空気出口39は、前記多孔質壁40により入口35から分離されている。したがって、多孔質壁40は、入口開口34を囲むように、空気分離区画室30の内部に配置されることが好ましい。したがって、空気分離区画室30は、入口35が接続される第1の空間41、ならびに液体出口37および空気出口39が接続される第2の空間42である、少なくとも2つの部分に分割されることが好ましい。壁40の内部にある第1の空間41は、空気分離区画室30の壁40および側壁SWにより、このように境界を定めることが好ましい。第2の空間42は、壁40の外部と空気分離区画室30すなわちハウジング33との間に設けられる。
壁40は多孔質材料から作製されることが好ましく、多孔質材料は、たとえばプラスチック・ホイル、不織ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、紙材料、焼結材料、およびそれらの組合せなどだがそれらに限定されない、食物の配送に適合した様々な材料の任意のものでよい。したがって、多孔質壁40は、ふるい要素またはフィルタ要素の役割を果たし、その結果、壁40の多孔質材料/メッシュ内に取り込むことにより、加熱された液体に含まれる空気または他のガスを前記液体から簡単にフィルタリングすることができる。
壁40の多孔質材料は、第1の空間41内での圧力の均質化および壁40の表面全体への流れの等しい再分割を可能にするわずかな抵抗を生成するように、さらに設計できることが好ましい。
壁40は、好ましくは、空気分離区画室30内部に多孔質チャンバ41を形成し、このチャンバは、図2の点線で画定される第1の空間41を囲む。用語「多孔質チャンバ」は、多孔質壁を備えるチャンバ41に限定される。多孔質チャンバ41は、いかなる形状を示すこともできる。この多孔質チャンバ41は、円筒形、または、実質的に円筒形の本体部分40aおよび側壁SWの反対端にある半球形の端部40bを有するベル形であることが好ましい。その基部は、入口35を囲む空気分離区画室の側壁SWの一部分である。したがって、多孔質壁40のメッシュ内に取り込まれたガスを液体から簡単に分離することができ、壁40のベルのような形状により、次いで空気は容易に寄り集まって、壁40のメッシュではもはや持ちこたえることのできない大きい泡を形成し、したがって、空気分離区画室30の最も高い垂直位置まで容易に上昇することができるので、加熱された液体からの空気または他のガスの分離を促進することができる。
好ましい一実施形態では、空気分離区画室30の縦軸LC、および好ましくはベル形もしくは円筒形の壁40または多孔質チャンバ41の縦軸LWは、実質的に位置合せされている。したがって、空気分離区画室30への液体の均一な流入、および空気分離区画室30内部での液体の均等な分配を実現することができる。
すでに前述したように、第1の空間41は、加熱手段7によって加熱される高温の液体を壁40内に導くために、好ましくは空気分離区画室30の側壁SWに設けられる入口開口34を介して入口35に接続されることが好ましい。したがって、入口開口34は、第1の空間41への液体の均一な流入を促進するために、空気分離区画室30および多孔質チャンバ41の縦軸LC、LWに一致する、空気分離区画室30の側壁SWの実質的に中心の位置に配置されることが好ましく、この均一な流入は、空気分離区画室30および壁40または多孔質チャンバ41を位置合せすることによってさらに促進される。液体入口は、空気分離区画室および多孔質チャンバの縦軸と一致する、空気分離区画室の側壁の実質的に中心の位置に設けることができる。
第2の空間42は、空気分離区画室30から液体を排出するための液体出口開口36を介して液体出口37に接続され、かつ、空気分離区画室30から空気を排出するための空気出口開口38を介して空気出口39に接続されることが好ましい。好ましい一実施形態では、液体出口37は、空気分離区画室30の側壁SWにある入口側に配置される。さらに、空気出口39は、空気分離区画室の液体出口側とは反対の側に配置されることが好ましい。したがって、空気と液体の分離が促進され、空気は、一旦液体から分離され、第2の空間42に入ると、再び液体中に混合されることはない。というのも、側壁SW内の液体出口37に対して空気分離区画室30の遠位端において空気が排出されるからである。
空気出口39または空気出口開口38は、水平位置に対して液体出口37または液体出口開口36よりも高い位置に配置されることが好ましい。液体出口37は、水平位置に対して壁40の下面よりも下に配置され、空気出口39は、水平位置に対して壁40の上面よりも上に配置されることが好ましい。本発明の最も好ましい実施形態では、液体出口37は、飲料製造区画室1に対して空気分離区画室30の最も低い部分、すなわち最も低い垂直位置に配置され、空気出口39は、飲料製造区画室1に対して空気分離区画室30の最も高い部分、すなわち最も高い垂直位置に配置される。したがって、空気は、使用される液体(たとえば水)よりも軽いので、第2の空間42における、このように第2のバルブ32を介して空気を容易に排出できる空気出口開口38に隣接している、空気分離区画室30の最も高い部分に蓄積するが、空気のない液体は、空気と液体が再び混合できないように、空気出口開口38に対して空気分離区画室30の遠位端において第1のバルブ31を介して排出することができ、したがって、液体は最小限の空気しか含まない。
代替的にまたは追加的に、空気分離区画室30内部の少なくとも多孔質チャンバ41(むしろ、その縦軸LW)、または多孔質チャンバ41とともに空気分離区画室30は、水平位置に対して角度αだけ傾斜できることが好ましく(図1参照)、その結果、入口35は、傾斜した多孔質チャンバ41の下方側に、したがって多孔質チャンバ41の半球端部40bおよび空気出口39に対して、より低い位置に配置される。具体的な実施形態では、壁40または多孔質チャンバ41は、飲料製造装置1に対して垂直な位置にあり、すなわち角度αは90°に等しく、入口35は、空気分離区画室30の底部に配置され、その結果、側壁SWは空気分離区画室30の底部を形成し、空気出口39は前記空気分離区画室30の上部に配置される。したがって、空気は、空気分離区画室30の最も高い部分にまで容易に上昇することができるので、空気またはガスと液体の分離は容易に実現することができ、液体は、空気分離区画室30の底部(側壁SW)から容易に排出することができ、空気は、このように第2の空間42内の液体出口37とは最も離れている。さらに、壁40のメッシュに取り込まれると、空気またはガスの合体が促進されて、気泡は壁40の上部に容易に移動し、そこで大きい気泡を容易に形成し、多孔質チャンバ41の上端部40bの好ましい半球形状により、この大きい気泡が壁40から容易に離れ、したがって、空気分離区画室30の最も高い垂直位置まで上昇することができる。
入口35の断面積と多孔質壁40もしくは多孔質チャンバ41または空気分離区画室30の断面積との比は、好ましくは少なくとも1:10、より好ましくは少なくとも1:100であり、その結果、第1の空間41に液体が入るときに液体の流速が効果的に減少する。前記断面は、入口35または空気分離区画室30のいずれかにおける、液体の流れの方向に本質的に垂直である。好ましい一実施形態では、入口のパイプの直径は2mm(面積は3.15mm)であり、多孔質壁40の断面積は少なくとも500mmである。しかし、本発明は、それに限定されるものではない。したがって、空気分離区画室30は、その中に入る液体の流れを抑制するのに十分な容積を示すことが好ましい。前記特徴により、したがって、液体の速度のために液体によって空気が運ばれないように、液体の流速を低減させることが可能であり、したがって、空気(気泡)は上昇して、次いで多孔質面上に気泡が滞留できる壁40のメッシュ内に取り込まれることができる。一旦取り込まれると、空気は寄り集まって大きい泡になり、次いでこの大きい泡が、空気出口39に隣接するハウジングの最も高い部分にまで上昇し、次いでそこから排出することができる。したがって、液体の流速が減少するので、加熱された液体からの空気の分離がさらに促進される。前述の比は、単に、前述の通り多孔質壁40を使用することにより、液体からガスを分離するのに十分な液体流速の減少が得られるほど大きくなければならないことに留意しなければならない。
次に、図2の第1の実施形態について、本発明による、飲料製造装置1内で液体から空気を分離するための方法を説明するが、本方法は、図3の第2の実施形態についても適用可能である。
液体貯蔵器5内に含まれる液体は、液体供給手段8を介し、液体ポンプ6によってくみ上げられ加熱手段7を通るが、加熱手段において液体が好ましい温度にまで加熱される。次いで、加熱された液体は、液体供給手段8の高温液体供給ライン11の第1のライン12を介して、空気分離区画室30の入口35へと、さらに供給される。次いで、液体は、前記空気分離区画室30内に形成された入口開口34を介して、空気分離区画室30の内部に多孔質チャンバ41を形成する多孔質壁40および側壁SWによって境界を定められた第1の空間41に入る。前記第1の空間41すなわち多孔質チャンバ41に入るとき、空気を含む液体の速度は、前記入口35を介して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段によって減少することが好ましい。入口35の断面積と多孔質チャンバ41または空気分離区画室30の断面積との比が、少なくとも1:10、好ましくは少なくとも1:100であることによって、これが実現できることが好ましい。しかし、入口を介して導かれる液体の運動エネルギーを遮断するための手段が、たとえば、図3で説明するようにバッフルまたはラビリンス形状の流路など、液体の方向を変更するための手段であることも可能である。液体の流速が減少することにより、気泡は、壁40または多孔質チャンバ41の上面まで上昇することができ、壁40の材料内に取り込まれることによって液体から分離することができる。
多孔質チャンバ41または壁40によって形成される第1の空間41と第2の空間42の間の境界または界面において、フィルタのような多孔質壁40のメッシュ内で泡がこのように取り込まれる。時間とともに、空気またはガスの泡が寄り集まって、壁40のメッシュではもはや持ちこたえることのできない大きい泡を形成する。したがって、空気またはガスは、壁40上を、その先細になった上端部分40bまで容易に移動することができ、そこで、すでに述べたように、壁40から容易に離れる大きい泡を容易に形成することができるので、ベル形状の多孔質チャンバ41が好ましい。次いで、この泡は、第2の空間42内部の、空気分離区画室30の最も高い垂直位置まで上昇し、そこには、好ましい一実施形態では、空気出口バルブ32が空気出口開口34に配置される。
一方で、第1の空間41から、多孔質壁40を介して、壁40と空気分離区画室30すなわちハウジング33との間の第2の空間42へと液体が流出し、かつ、空気またはガスが壁40のメッシュ内に完全に取り込まれ、次いで空気分離区画室30の最も高い位置まで上昇するので、第2の空間42内の液体は、いかなる気泡も含まない。したがって、第2の空間42、すなわち空気分離区画室30と壁40との間の空間は、空気出口39の近傍(バルブ32)を除けば、気泡を含まない液体で満たされる。
好ましい一実施形態では、空気分離区画室30の内部の圧力が、第1のバルブ31を開くための圧力値よりも小さい所定の圧力値を超えると、第2のバルブ32が開き、気泡(単数または複数)が空気分離区画室30から排出される。この間、液体が失われることなく常に十分な脱気が実現できるように、空気出口39に液体が現れるたびに、第2のバルブ32が閉じる。第2のバルブ32を介して第2の空間42から排出される空気は、次いで、飲料製造装置1の環境中に供給されることが好ましい。
空気分離区画室30内部の圧力が、第1のバルブ31を開くための所定の圧力値を超えるとき、空気分離区画室30の第2の空間42内に含まれる(空気のない)液体が、液体出口37を介して排出される。空気出口開口38は、液体出口開口36よりも高い位置に配置されることが好ましいので、液体から空気を十分に分離することができ、したがって、飲料製造チャンバ20内で飲料を調製するために使用する、空気分離区画室30から液体出口37を介して排出される液体は、内部に空気または他のガスを含まない、または含まないことが重要である。
第1のバルブ31を開くための圧力閾値を下回って圧力が降下する場合には、圧力閾値を再び超えるまで、前記第1のバルブ31は再び閉じる。
次いで、空気のない液体が、第2のライン13を介して飲料製造装置1の飲料製造チャンバ20に供給され、注入部材10を介して飲料製造チャンバ20に注入される。飲料製造チャンバ20では、飲料製造チャンバ20内の空気のない液体を用いて飲料原料Tを抽出することにより、飲料が製造される。液体(たとえば水)の中には、空気が全くまたはほんの最小限の量だけしか含まれないので、飲料製造チャンバ20内部のフィルタ壁23の背後に留まる空気またはガスは、全くまたは目立つ量は存在せず、その結果、飲料原料Tは常に液体内部に良好に浸され、茶葉のような飲料原料から、茶のような飲料を十分に抽出することができる。
図3および図4を参照して、本発明による空気分離区画室30の第2の好ましい実施形態を以下に説明する。図3において、空気分離区画室30は、加熱された水からのガス気泡の排出を改善するために水平位置に対して傾斜している飲料調製マシンの内部に、向きを揃えて配置されているものとして表されている。
図3を見て分かるように、空気分離区画室30は、本質的に円筒形であり、区画室の内部はラビリンス55として形成されている。それにより、水入口35によって、ラビリンス55の中心部分54に加熱された水が供給される。空気分離区画室30の各平面50、51から延在する少なくとも3つの係合円筒部材46、47、48によって、ラビリンスが形成される。各平面50、51は、空気分離区画室30および特にラビリンス55の縦方向の中心軸に本質的に垂直に配置されることが好ましい。3つの係合円筒部材46、47、48は、平面50と平面51との間の距離よりも長さが短く、たとえば円筒46の端部に達する水が、それに続くより大きいたとえば円筒47に入り、前記より大きい円筒を通って循環できるように、交互の向きに配置される。より大きい円筒48は、ガスと水の分離を強化するために、その上部に配置された開口部481を介して、ラビリンスの縁部と流体接続されることが好ましい。
液体入口35は、内径がtの内部円筒部材46に接続されることが好ましい。ラビリンス55の中心部分は、内部円筒部材46と第2の円筒部材47との間に配置されたバッフル54を備えることができる。バッフルは、入口35によって供給される液体を、内部円筒部材46と第2の円筒部材47との間の隙間空間tにそらすように設計されることが好ましい。前記隙間空間tは、第2の円筒部材47と第3の円筒部材48との間に設けられた隙間空間tと流体接続する。それにより、空気分離区画室30の平面51により、隙間空間tおよびtは境界を定められ、この平面は、ラビリンス55の内部隙間空間tから第2の隙間空間tに液体が流れるようにするための偏向部材の役割を果たすように設計される。円筒部材46、47、48は、互いに同心状に配置されるので、それらの間の隙間空間t、t、tは、ラビリンス55内部で少なくとも2回、液体流路Wの方向を逆向きに変更できるようにする。隙間空間tは、より大きい円筒部材48の上部に配置された開口部481を介して、より大きい円筒部材48の外側部分と流体接続している。ラビリンス55は、その上部に出口49を示し、その結果、ラビリンスから、空気出口39がラビリンスに接続されているその上部へと、液体よりも軽い空気を排出することが可能になる。空気分離区画室30内部での空気の上昇が、図3の点線Aで示してある。図3では、空気分離区画室30に導かれる水と空気の混合物の流路Wが、破線で示してあり、空気が排除された水の流路が、実線で示してある。したがって、水は、ラビリンスの中心部分に供給され、次いで、円筒部材46、47、48の間の蛇行流路に送り込まれる。それにより、各円筒部材が同心状に配置されているので、水の流路Wの方向は、少なくとも2回、逆向きに変更される。したがって、空気分離区画室に供給される液体の運動エネルギーを効果的に低減させることができる。さらに、ラビリンスを介する液体断面は、液体の速度を低減させるために、方向を変更するたびに増大することが好ましい。したがって、円筒部材46、47、48の内部にあり、それらの間に存在する隙間空間t、t、tは、ラビリンスの中心54から縁部53に向けて、徐々に増大することが好ましい。したがって、最後の隙間空間tは、ラビリンス55の第3の円筒部材48と縁部53との間に配置されることが好ましい。前記隙間空間tは、隙間空間tよりも大きいことが好ましく、隙間空間tは、隙間空間tよりも大きいことが好ましく、隙間空間tは、内径tよりも大きいことが好ましい。ラビリンス55の流体断面t、t、t、tのサイズは、それぞれ約5パーセントから50パーセント異なっていることが好ましい。外側の円筒48は、上部出口481を介して隙間空間tに開口しているだけなので、水の流路は、隙間空間t内を下流に向けて流れて、液体出口37が隙間空間tに流体接続して配置されている空気分離区画室30の底部に到達する。それにより、液体出口37にはバルブ31が備えられており、第1の好ましい実施形態に関してすでに概略を説明したように、空気分離区画室30内で既定の圧力に達すると、このバルブが開く。さらに、第2の液体出口43は、空気分離区画室30の底部または最も低い部分に配置され、前記第2の液体出口43はまた、隙間空間tに流体接続している。前記第2の出口43には、双方向の電気バルブが備えられており、このバルブは、空気分離区画室30内部の水の温度を測定する温度センサ(図示せず)に接続されることが好ましい。双方向電気バルブは、区画室30内部の水の既定温度に達した場合にのみ、バルブを閉じるよう設計されることが好ましい。したがって、水が、飲料を調製するための所望温度にまだ達していない場合、第2の水出口43はその開放状態にある。第2の出口バルブ43から排出される水は、飲料調製装置のポンプ6の上流側に供給されることが好ましい(図4参照)。したがって、所望の温度にまだ達していない水の再循環が可能になる。飲料調製に好ましい温度は、70℃から95℃の間である。図3および図4に示すように、第1の水出口37および第2の水出口43が、ラビリンスの最も低い部分に配置され、空気出口39が、ラビリンスの最も高い部分に接続されることが好ましい。したがって、重力による水と空気の分離が可能になる。さらに、空気出口39が、空気分離区画室30の水平位置に対して液体出口37、43よりも高い位置に配置されるので、空気は、一旦分離されると、空気のない水と再度混合することが防止される。これらのバルブの実装はまた、多孔質チャンバを備える空気分離区画室の第1の実施形態を用いて行うことができる。
図4には、図3による飲料調製装置の好ましい一実施形態における水の流路が示してある。しかし、多孔質チャンバを備える空気分離区画室の第1の実施形態を用いた実装も可能である。したがって、水は、たとえば水タンクなど、外部または内部の水供給手段5によって、加熱手段7に供給される。それにより、ポンプ6および任意選択の流量計44が、水フィルタ44と加熱手段7の間に設けられる。次いで、加熱された水は、空気分離区画室30に供給される。水が所望の温度にまだ達していない場合、第2の水出口43の双方向電気バルブ52が開き、その結果、水はポンプ6の入口側に再循環する。水出口43から排出される水は、図4に示すように、流量計の上流側に供給されることが好ましい。したがって、飲料調製プロセスにとって冷た過ぎる水を、受け皿または同様のものに排出する必要はない。
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明してきたが、添付特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を逸脱することなく、多くの修正形態および代替実施形態を、当業者によって実施することができる。たとえば、空気分離装置は、抽出すべき飲料原料を使用する飲料調整用の加熱された液体を使用する、最新技術において知られているいかなる種類の飲料製造装置で使用してもよい。
1 飲料製造装置
2 取扱い手段
3 取扱い部材
4 取扱い部材
5 貯蔵器
6 ポンプ
7 加熱手段(ヒータ)
8 供給手段
9 背圧バルブ
10 注入部材
11 高温液体供給手段
12 第1のライン
13 第2のライン
14 空気出口ライン
15 廃棄区画室
16 通気手段
20 飲料製造チャンバ(カプセル)
21 筐体
22 (カプセルの)ハウジング
23 フィルタリング壁
24 シーリング壁
25 カバー
26 内部チャネル
27 出口
30 空気分離区画室
31 第1のバルブ
32 第2のバルブ
33 (空気分離手段の)ハウジング
34 入口開口
35 入口
36 液体出口開口
37 液体出口
38 空気出口開口
39 空気出口
40 (多孔質)壁
40a (多孔質チャンバの)本体部分
40b (多孔質チャンバの)端部
41 第1の空間(壁の内部)、多孔質チャンバ
42 第2の空間(壁の外側とハウジングとの間の空間)
43 第2の水出口
44 流量計
45 水フィルタ
46 第1の円筒部材
47 第2の円筒部材
48 第3の円筒部材
481 第3の円筒部材上部開口部
49 出口
50 (円筒区画室30に垂直な)平面
51 (円筒区画室30に垂直な)平面
52 双方向電気バルブ
53 ラビリンス55の縁部
54 ラビリンス55の中心
55 ラビリンス
A 空気流路
LC 空気分離区画室の中心軸
LW 壁の中心軸
P 穿孔手段
SW (空気分離区画室の)側壁
T 飲料原料
W 水の流路

Claims (13)

  1. 液体を飲料原料(T)と相互作用させるように設計された飲料製造チャンバ(20)と、
    前記飲料製造チャンバ(20)に前記液体を供給するための液体供給手段(8)と、
    前記液体供給手段(8)内に設けられた、前記液体を加熱するための加熱手段(7)と、
    前記液体内に含まれる空気または他のガスを分離するための、前記加熱手段(7)の後の前記液体供給手段(8)内に設けられた空気分離区画室(30)と
    を備える飲料製造装置(1)であって、
    前記空気分離区画室(30)が、
    前記空気分離区画室(30)に前記液体を導くための入口(35)と、
    前記液体の方向を変更することにより、前記入口(35)を通して導かれる前記液体の運動エネルギーを遮断するための手段(55)と、
    前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離された、前記空気分離区画室(30)から前記液体を排出するための液体出口(37)と、
    前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離された、前記空気分離区画室(30)から前記空気を排出するための空気出口(39)と
    を備え、
    前記入口(35)を通して導かれる前記液体の前記運動エネルギーを遮断するための前記手段(55)が、前記液体の流路(W)の方向を前記液体の逆向きへと少なくとも2回変更し、
    前記入口(35)を通して導かれる前記液体の前記運動エネルギーを遮断するための前記手段がラビリンス(55)であり、前記ラビリンスが前記装置の内側の水平位置に対して傾斜されている、飲料製造装置。
  2. 前記ラビリンス(55)が、少なくとも3つの同心状に配置された円筒部材(46、47、48)によって形成され、前記円筒部材が、前記入口(35)から供給される前記液体を、前記ラビリンスの中心部分(54)から前記ラビリンスの縁部(53)に向けて蛇行させるように設計されている、請求項に記載の飲料製造装置。
  3. 前記円筒部材(46、47、48)が、少なくとも2つの隙間空間(t、t)を、前記円筒部材(46、47、48)の間に形成するように配置される、請求項に記載の飲料製造装置。
  4. 前記円筒部材(46、47、48)の間の前記隙間空間(t2、t3)が、前記ラビリンスの前記中心(54)から前記縁部(53)に向けて徐々に増大する、請求項に記載の飲料製造装置。
  5. 前記3つの同心状に配置された円筒部材(46、47、48)のうち、より大きい円筒部材(48)の上部に配置された開口部(481)により、前記より大きい円筒部材(48)が前記ラビリンスの前記縁部(53)に接続される、請求項のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
  6. 前記ラビリンス縁部の上部が前記空気出口(39)に接続され、前記ラビリンス縁部の底部が前記液体出口(37)に接続される、請求項のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
  7. 前記液体出口(37)には第1のバルブ(31)が設けられ、前記空気出口(39)には第2のバルブ(32)が設けられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
  8. 前記第1のバルブ(31)を開くための圧力値が、前記第2のバルブ(32)を開くための圧力値よりも高い、請求項に記載の飲料製造装置。
  9. 前記空気出口(39)が、水平方向について前記液体出口(37)よりも高い位置に配置される、請求項1〜のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
  10. 前記空気分離区画室(30)が、既定温度を下回る液体を排出するように設計されたバルブ(52)を備えた追加の液体出口(43)をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
  11. 前記追加の液体出口(43)が、前記空気分離区画室(30)の最も低い部分に配置される、請求項10に記載の飲料製造装置。
  12. 液体内に含まれる空気または他のガスを分離するための空気分離区画室(30)であって、
    前記空気分離区画室(30)に前記液体を導くための入口(35)と、
    前記液体の方向を変更することにより、前記入口(35)を通して導かれる前記液体の運動エネルギーを遮断するための手段と、
    前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離された、前記空気分離区画室(30)から前記液体を排出するための液体出口(37)と、
    前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離された、前記空気分離区画室(30)から前記空気を排出するための空気出口(39)と
    を備え、
    前記入口(35)を通して導かれる前記液体の前記運動エネルギーを遮断するための前記手段(55)が、前記液体の流路(W)の方向を前記液体の逆向きへと少なくとも2回変更し、
    前記入口(35)を通して導かれる前記液体の前記運動エネルギーを遮断するための前記手段がラビリンス(55)であり、前記ラビリンスが水平位置に対して傾斜されている空気分離区画室。
  13. 飲料製造装置(1)内の加熱された液体から空気を分離するための方法であって、
    入口(35)を通して、前記加熱された液体を空気分離区画室(30)に供給するステップと、
    前記液体の方向を逆向きに少なくとも2回変更することにより前記入口(35)を通して導かれる前記液体の運動エネルギーを遮断するための手段によって、前記加熱された液体の流速を低減させるステップと、
    前記空気分離区画室(30)の液体出口(37)を通して、前記空気分離区画室(30)から前記液体を排出するステップであり、前記液体出口(37)が、前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離されている、ステップと、
    空気出口(39)を通して、前記空気分離区画室(30)から空気を排出するステップであり、前記空気出口(39)が、前記運動エネルギーを遮断するための前記手段によって前記入口から分離されている、ステップと
    を含み、
    前記入口(35)を通して導かれる前記液体の前記運動エネルギーを遮断するための前記手段がラビリンス(55)であり、前記ラビリンスが前記装置の内側の水平位置に対して傾斜されてい方法。
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