JP5422207B2 - 周辺視像のポジションをコントロールして近視の進行を抑制するための方法および装置 - Google Patents

周辺視像のポジションをコントロールして近視の進行を抑制するための方法および装置 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本願は、同時係属中の同一出願人による2006年1月12日に出願された米国仮特許出願第60/758,316号および2006年3月15日に出願された米国仮特許出願第60/782,658号に基づく優先権を主張するものである。
[発明の分野]
本願は、屈折異常の進行を治療するための方法およびシステムに関する。本願は、同一出願人による米国特許第7,025,460号からの新規かつ非自明な進展を提示するものである。
特に、本発明は、軸外収差(off-axis aberrations)をコントロールして、それにより視像の相対像面湾曲をコントロールし、それと実質的に同時に、視力の非中心セレクト方向およびポイントに鮮明なイメージングを実現することによって、近視の進行を遅らせるかまたは止めるための方法、システムまたは装置に関する。
近眼とも呼ばれる近視(myopia)は、眼の一種の屈折異常(refractive error)である。屈折異常とは、眼の焦点が正しくなく、近視、遠視(老眼とも呼ばれる)および乱視(refractive astigmatism)などのぼけ視(blurred vision)を引き起こす、眼の光学的状態である。近視において、視覚焦点異常とは遠くの物体(眼によって見られている景色の中のアイテム)がそれらの像が網膜(retina)上の代わりに網膜の前方に焦点を結ぶためにぼやけて見えるといった症状である。近視は米国では成人人口のほぼ1/4が患っている一般的な視力障害であり、その患者数はいまも増大している。一部の国において、アジア地域で最も顕著なことに、近視の有病率は学齢期の子供に関して国によってはいまや80%を超えている。従って、世界人口のかなりのパーセンテージが、鮮明に見るために何らかの形の光学的矯正を必要とするレベルの近視にかかっている。近視は発症年齢に関係なく進行する傾向があることも知られており、近視が進むにつれ、より強い矯正が必要になる。強度の近視は何らかの形の網膜疾患をもたらす可能性があり、例えば網膜剥離、後極白内障および緑内障のリスクが高まる。加えて、この視覚障害には、個人と地域社会にへの、個人的、社会的、および財政的な負担が伴う。これらは視力の矯正と管理の直接的なコスト(年間数十億ドルにのぼる)のほかに、生活の生産性や質といった間接的なコストを含む。近視の視力上の潜在的な病理学的影響とその結果的な不便さと個人およびコミュニティに対するコストを鑑みれば、(発症前は)近視の発症を防止したりもしくは遅らせたり、(発症後は)進行を止めたりもしくは遅らせたり、あるいは子供および若年成人(十代後半)の双方に発生する近視の程度を制限するための効果的な戦略を持つことが望ましい。
現在のところ、近視の人を含む屈折異常を持つ人のぼけ視(blurred vision)は一般的に光学的矯正を処方することによって改善される。これらの光学的矯正は、メガネ、コンタクトレンズおよび屈折矯正手術を含む広範囲の視力矯正装置を使用して遂行される。これらの矯正は視像(visual image)の焦点の位置をそれが網膜上にくるように光学的に変え、それによりクリアな視力を回復するものである。しかしながら、これらは近視の進行を遅らせたりまたは止めたりするのにほとんど役立たず、少なくとも一部の調査から得られた所見によれば、実際には近視の進行を逆に加速する可能性がある。
アトロピン(atropine)やピレンゼピン(pirezepine)といった薬理学的介入を含む近視を防止または遅らせるための戦略が提案されている。しかしながら、斯かる薬物の長期服用に伴う潜在的な不都合は斯かる物理療法(modalities)をないがしろにする可能性があることである。他の戦略としては視覚トレーニングの利用がある。斯かる物理療法は、実際には散発的にしか施されず、かつ患者側で厳密な注意を払う必要があり、患者による間違った用法または不十分なコンプライアンスからその効果には疑問がある。
屈折異常のある人は一般的に既に視力矯正装置を一般的に長期間装着していると思われることから、近視の進行を遅らせたり進行を止めるための光学ベースの方法であって視力矯正装置に取り入れることができる方法は人によるコンプライアンスの確保のほかに遂行可能な長時間治療という点から極めて魅力的であると思われる。
近視の進行を遅らせたりまたは進行を止めるために、長年にわたって数多くの光学的な方法が開発されてきた。これらの方法は、それらの関連する視力矯正装置の視力(屈折異常)治療装置への拡張を試みるものである。本願明細書では、屈折異常の進行を遅らせたりまたは進行を止めるための光学的な方法を用いた“視力矯正装置(vision correction devices)”のことを“視力治療装置(vision treatment devices)”と呼ぶことにする。
1つの大いに試みられた方法は、屈折異常を完全に矯正するのに必要な屈折力(optical power)よりも低い屈折力が装着者に処方される“過小矯正(under correction)”である。視像のポジションは網膜に移転されないため、コンスタントなぼけ視という過小矯正法のインプリシットな望ましくない結果がもたらされる。コンスタントなぼけ視のせいで、装着者がこの治療方法を維持するためのコンプライアンスはお粗末になりやすい。
他の光学的方法は、近視の進行を遅らせるための可能性のある戦略として二重焦点もしくはプログレッシブ非球面レンズメガネまたは二重焦点コンタクトレンズを用いる。例えば、Krisに帰属する米国特許第6,343,861号は、若年性近視の進行速度を減速するように設計されたプログレッシブ眼科用レンズの利用を開示している。Alterに帰属する米国特許第6,752,499号は、二重焦点コンタクトレンズを選択的に処方することによって近点内斜位(near point esophoria)も示す患者における近視の進行を治療するための方法を開示している。Phillipsに帰属する国際出願公開番号第2006/004440号は、近視の進行を打ち消すための視力矯正エリアと近視デフォーカス(焦点ぼけ)エリアの様々な配置を持つ二重焦点コンタクトレンズの利用を開示している。Toに帰属する米国特許第2006/0082729号は、近視の進行を治療するために2つの屈折力(二重焦点効果)を生み出すフレネル型レンズの利用を開示している。
しかしながら、二重焦点装置を用いる方法の効き目についての研究が一般に示すところによれば効き目は限定的でしかない。二重焦点メガネまたはプログレッシブメガネの場合、装着者が精密作業の際に常にメガネの近用付加部分を通して見るコンプライアンスは保証できない。そしてこのことは特に子供相手の場合に言えることである。これまでに使用されてきた二重焦点コンタクトレンズは遠近両用である。つまり、遠くのイメージと近くのイメージが同時に眼の中に形成される。斯かる二重焦点レンズは網膜上の像の全体の質を劣化させ、光輪(haloes)、グレア(glare)およびゴースト(ghosting)といった望ましくない視覚上の問題を生み出すことが知られている。
更に他の方法は、眼に入った視像における収差を操作することによって近視の進行を遅らせることを狙っている。“収差”とは視像が光学レンズまたは光学系によってどれだけまずく作り出されるかに関係する光学レンズまたは光学系に特徴的な光学性能を指す。視像が(どれだけシャープに焦点が形成できるかについての究極の物理的限界である回折限界に関して)完全にくっきりまたははっきりと空間内の要求された場所に形成される場合、その視像は収差フリー(収差がない)と言われる。完全な状態から逸脱すると、視像は収差に冒されていると言われる。特定の収差は近視の進行に影響を及ぼす可能性があると考えられている。
視力装置の軸上光学性能またはその軸上収差の操作に関係する2、3の光学的方法が、近視の進行を治療するために開発されてきた。“軸上(on-axis or axial)”とは、視覚の方向(direction of vision)に関する光の方向を表す言葉である。網膜上の視覚的に最も敏感なポイント(眼の光感知層)は中心窩(fovea)である。これは網膜上の小さなエリアで、感光性の光受容体が最も高密度に集まるエリアである。人は視対象(visual object)をじっくり見る必要がある場合には、視像内の関心のあるポイントが眼の中心窩上にくるように(頭を回転させたあり、眼球を上下左右に回したりして)注視方向を変えてその視対象を見る。眼の光に対して最も感度の高いポイントを関心のある視対象に位置合わせするこのプロセスは“凝視(fixation)”と呼ばれる。“軸上(on-axis or axial)”とは、眼に到達する光が、網膜の中心窩に結像する視対象内のポイント(凝視ポイント)から発せられる場合、またはまっすぐ方向(straight-ahead direction)を指す。この状況において、眼に到達する光線は眼の軸(axis of the eye)にほぼ平行である。
例えば、Collinsに帰属する米国特許第6,045,578号は、近視眼にポジティブな球面収差(軸上収差)を引き起こすことによって近視の治療と防止の方法を開示している。Thornに帰属する米国特許出願公開第2003/0058404号は、近視の進行を止めるまたは遅らせるために眼に入射する平行光線の波面収差を測定し補正する方法を記述している。Radhakrishnanに帰属する米国特許出願公開第2004/0237971号は、近視の進行を止めるまたは遅らせるために変調伝達関数ピークの相対位置をコントロールして収差を操作する方法を記述している。
軸上光学的方法の操作の一般的な効き目はまだ明確に証明できているわけではない。上記の軸上光学的方法の少なくとも一部(例えば、ポジティブな球面収差の誘導)において、斯かる方法は視力を必然的にインプリシットに劣化させ、患者側のまずいコンプライアンスをもたらしかねず、従って過小矯正法と同じ不都合に悩まされる。
まっすぐな軸上方向における光学焦点および光学収差の操作およびコントロールを扱うこれらの光学的方法とは対照的に、米国特許第7,025,460号の開示内容が示すところによれば、近視の進行は軸外(off-axis)光学特性によってコントロールされる。軸上(on-axis)とは逆に、“軸外(off-axis)”は光がまっすぐ方向以外の方向から眼に到達している場合を指す。つまり、軸外の視対象ポイントに対応する像点は中心窩(fovea)から外れる。軸外視方向は“周辺視力(peripheral vision)”とも呼ばれ、軸外方向に属する視対象ポイント(景色内のポイント)は“周辺視野(peripheral visual field)”と呼ばれる。光が軸外方向から到達する場合、その光は眼の視野のまっすぐ方向と或る角度を成す。この角度は“画角(field angle)”と呼ぶこともある。
米国特許第7,025,460号は、近視の進行をもたらす眼の成長を遅らせたりあるいは止めることは周辺視像をコントロールすることによって最善の効果が得られるこを実証する実験と観察について述べている。それらの観察から、米国特許第7,025,460号は周辺(つまり軸外(off-axis))視像点のポジションまたは視像の相対像面湾曲を操作することによって近視の進行を治療するための光学的な方法を教示している。
像面湾曲は好ましい受像面(眼球内にある網膜)に対する(視像の)周辺像点の前後ポジション(前方にあるのか、後方にあるのか)に関係する一種の軸外光学収差である、ということに言及したい。像面湾曲は基本的に球面収差とは異なる(例えば米国特許第6,045,578号および米国特許出願公開第2003/0058404号を参照)。球面収差とは、全てが(視軸に沿った)同じまっすぐ方向からの光線であるが瞳孔の異なるポイントを通過する光線が同じ像点に焦点を結ぶかどうかを記述する光学収差である。従って球面収差は、対象点(object point)からのまっすぐ方向からの対応する像点がどれだけ(鮮鋭に)集束するかに関係している。それに対して像面湾曲は、空間内の(前方後方または前後ポジション的に)どこに視界内の多くの異なる方向から(異なる画角から)来る像点が、どれほど鮮鋭にそれらが集中しているかに関係なく、配置されるかに関係している。全てのこのような像点の集合は、像面あるいは像表面(image surface)として記述することができる。だから像面湾曲は像面の形状と位置に関係している。
比較として、二重焦点(bifocal)の光学的方法(例えば米国特許第6,752,499号参照)は、各視対象ポイントごとに2つの像点(これは同時に二重焦点を結ぶコンタクトレンズの特徴の1つである)を生成しようとするものである。従って、“二重像(double image)”がインプリシットに生成される。1つの像は近用フォーカスゾーンからのもので、もう1つの像は遠用フォーカスゾーンからのものである。比較において、前記の像面湾曲コントロールは各視対象ポイントごとに単一の像点のみを生成し、しかし受像面に対する像点(image point)の前後ポジションを支配する。
米国特許第7,025,460号の一つの特徴は、装着者によって装着される視力治療装置(例えば、コンタクトレンズ、メガネレンズ、角膜内レンズ(corneal inlay)、角膜上レンズ(corneal onlay)など)の設計方法である。この方法は、装着者の近視の進行を遅らせるまたは進行を止めるための刺激を作り出すように周辺像点のポジションを操作(すなわち相対像面湾曲を操作)し、それと同時に装着者の良好な視力(visual acuity)を維持するために軸上視像点のポジションを網膜/中心窩上に維持する。
米国特許第7,025,460号の教示に基づく視力治療装置の設計は、眼に提示される像面の正確な形状(相対像面湾曲)に依存し、相対像面湾曲の操作と結果として生じる他の光学収差の量との間のトレードオフを必要とすることがある。最も一般的な光学的視力矯正装置は、一般的には2枚の光学面(1つは前方、もう1つは後方)のみを持つので、レンズが相対像面湾曲を操作するように設計される場合には、限られた数の設計パラメータ(例えば、レンズ面形状、レンズ材料の屈折率、レンズの厚み、瞳孔からの距離など)が光学設計の自由度を制限するせいで、何か他の光学収差が付随して持ち込まれたり、あるいは変更されることがある。斯かる他の光学収差(つまり像面湾曲以外の収差)は、光学系およびレンズ設計の分野の当業者には周知のように収差のvon Seidel分類に従って記述することができる。これらは(既に述べた)球面収差のほかにコマ収差(coma)、傾斜非点収差(oblique astigmatism)、歪曲収差(distortion)も含む。本願明細書全体を通して、これらを“他の光学収差”と呼ぶ。
収差の1つの他のカテゴリは色収差(chromatic aberration)である。色収差は、色(波長)の異なる光が異なる焦点ポジションをどのように生成するかに関係しているが、本発明のコンセプトと適用性には影響を及ぼさない。
他の光学収差に関して、視力光学装置はそれらが眼の異なる注視方向で実質的にほぼ視方向(direction of view)と揃ったままの状態かどうかに基づいておおまかに2つのグループに分けられる。
第1のグループの視力矯正装置は、“共軸型(centered)”視力矯正装置と呼ぶことができ、コンタクトレンズ、眼内レンズ(intra-ocular lenses)、オンレー(on-lays)、インレー(in-lays)および前眼房レンズ(anterior chamber lenses)などが挙げられる。これらの視力矯正装置の光軸は、注視方向に関係なく実質的にほぼ視方向(direction of view)と揃ったままの状態にある。共軸型視力矯正装置に関しては、軸上(on-axis)視対象からの光は、瞳孔を通過した後の中心窩への途上で常に装置のほぼ中心領域を通り抜ける。
第2のグループの視力矯正装置は、“非共軸型(decenterable)”視力矯正装置と呼ぶことができ、メガネ、交代型(translating-type)(例えば交代二重焦点型(translating bifocal))コンタクトレンズを含む。このグループに属する装置は、眼の注視方向に依存して視方向(direction of view)と揃ったままの状態にはない。
共軸型視力矯正装置に関しては、軸外方向または周辺視野に対応する光学装置の部分を通じて既に述べたような仕方で望ましくない他の光学収差が起こることがある。眼がまっすぐな注視ポジションにあって、視方向(direction of vision)が装置の光学中心を通り抜けるかまたはその近くを通る場合に、これは非共軸型視力矯正装置にも当てはまる。
非共軸型視力矯正装置に関しては、光学装置の周縁部(periphery)によって生み出されるその他の光学収差も中心窩視力に影響を与える可能性がある。これは眼がまっすぐな注視(straight-ahead gaze)にないときに起こる。眼がまっすぐな注視にあるときは、眼の視線は“遠用ビジュアルポイント(distance visual point)”と呼ばれるところで視力矯正装置を通り抜ける。一般的に、特定の特別な用途を除けば、最良の視力を得るため、遠用ビジュアルポイントは視力矯正装置の光学中心の近くあるいは光学中心に位置付けられる。眼がまっすぐな注視から回転して外れたとき、その眼はもはや視力矯正装置の中心を通して見ていないことになる。斯かる注視の“偏心(eccentric)”方向(まっすぐ方向にない注視方向)において、中心窩領域に作り出される像(image)は視力矯正装置の周縁部を通過する光線から構築される。このような像は、視力矯正装置の周縁部によって生み出されたその他の光学収差を被りそれに悩まされる。
視力矯正装置の周縁部によって生み出される望ましくない他の光学収差に加えて、米国特許第7,025,460号が教示する近視治療方法を用いる非共軸型視力矯正装置は偏心注視の際のデフォーカス(defocus)に起因するぼけ視にも悩まされる可能性がある。米国特許第7,025,460号が教示する近視の進行を遅らせるための周辺焦点の再位置合わせは、インプリシットに周辺像にデフォーカスをもたらす。これは眼がまっすぐな注視にあるときに近視の進行を遅らせるという点で望ましい特性ではあるが、眼が偏心注視にあるときには、中心窩領域に作り出される像は視力矯正装置の周縁部を通過する光線によって作り出され、それ故にある程度の争点ぼけを被る。従って、眼が非共軸型視力矯正装置を通して周辺視対象を注視する向きにある場合、像はデフォーカスと他の光学収差のせいでぼけた状態になる。
斯かる他の光学収差(および非共軸型視力矯正装置の場合には偏心注視の際にデフォーカスも)は、相対的に十分小さい場合があり、結局のところ視力は(近視の進行を遅らせるかまたは止めるための刺激を作り出す利益を享受しており、従って選択により視機能の或る特定の側面に関して妥協する用意ができている)装着者にとって受入可能な状態のままである。しかしながら、他の装着者は単一または複数のゾーンであってそれに対する視力が非常に重要であり、それ故に優先される特定のセレクトゾーン(単一または複数)を要求する場合がある。斯かるゾーンは、本明細書において“視力優先ゾーン(vision priority zones)”と呼ぶが、装着者が良い視力を必要とする特定の視方向(visual direction)(視野方向または視野角)に対応するレンズ上のゾーンを表す。
装着者はどういったときに視力矯正装置上に視覚優先ゾーンを使うことを選択することができるのか、そしてこれらの付随する視力優先ゾーンが装置上のどこに配置できるかを示すために2、3の例を紹介する。
一例として、装着者が自動車の運転手である場合には、まっすぐ(軸上)方向に良い視力(米国特許第7,025,460号の方法で実現される)だけでなく、(道路上または道路の両脇に存在する(多くの注視方向にある)多くの視対象の視覚的な“掃引(sweep)”を表す水平ラインに沿って有用な視力も要求する。運転作業は(例えばジャンクションにある交差道路にトラフィックをチェックするために)装着者に対して水平ラインに沿って主に視覚的に知ることを要求するため、有用な視力が要求されるセレクト視力優先ゾーンは水平ラインに沿って存在するバンドによって表される。周辺視力のコンテクストにおける有用な視力とは相対語に過ぎないことに留意すべきである。というのも、網膜上にある光受容体の密度は、中心窩から離れるに従って減少し、このため中心窩から離れるに従って低下する周辺網膜における視力(visual acuity)に生理学的な限界が存在するからである。
別の例として、装着者は拡がった中心視野(まっすぐ方向を直接取り囲む領域)内の微細な視対象を鋭く認識し、識別することが要求される看視作業(visual task)に従事している場合がある。斯かるタスクの例として、オペレータがレーダスクリーンまたはコンピュータモニタを見て迅速に小さな点を検出して識別することが要求されるレーダ観測が挙げられる。斯かる装着者にとって、米国特許第7,025,460号に基づく方法によって与えられる良い軸上および“ほぼ(nearly)”軸上(中心ポイント周辺だが近くの領域で、“傍中心(para-central)”領域とも言う)の視力の拡がり(expanse)は不十分である場合があり、良い視力のより広い傍中心ゾーンを与える視力優先ゾーンが有利な場合がある。この例に対するセレクトゾーンは看視作業のサイズにほぼ等しい視野の範囲を定める視軸にほぼ中心を置く領域(例えば、コンピュータモニタ、レーダーディスプレイ装置、音楽家のスコア、画家の画架、建築家の製図板など)である場合がある。
更に別の例として、非共軸型視力矯正装置(例えばメガネなど)の装着者が読書をしているとき、両方の眼は下の方を向いて注視する(つまり視線をやや鼻の近くの方向に向ける)。この注視方向において、各眼は装置の遠用ビジュアルポイントより相対的に下の方のより“nasally”(これは眼科医によって使用されている言葉で、鼻の方向、すなわち右目に対しては左向きで左目に対しては右向きを指す)に配置されたポイントを通して見ている。このポイントは、“近用ビジュアルポイント(near visual point)”と呼ばれる。従って非共軸型視力矯正装置の場合、長期間読字作業に従事する装着者は、装置の中心を通した良い軸上視力に加え、良い視力(visual acuity)を提供する近用ビジュアルポイントにおけるセレクト視力優先ゾーンを要求する場合がある。近用ビジュアルポイントにおける視力優先ゾーンの通常の大きさは、精密作業マテリアル(例えば本のページ、手工芸品など)の大きさに依存する。以上の説明から、近視の進行を遅らせたりあるいは止めるための視力治療方法および装置の更なる改良が望まれている。
本発明は、屈折異常の進行を遅らせるかまたは止めるための方法および装置に関する。包括的なアプローチは、1)近視または遠視の進行を遅らせるかまたは止めるための刺激を与えるために周辺視像を位置付けし直し、2)中心窩/網膜上またはその近くに中心視像を位置付けることによって良好な中心視力を維持し、それと実質的に同時に3)セレクト視方向に対して、1つ以上の視力優先ゾーンを提供し、これによりデフォーカスおよび/または他の光学収差をコントロールまたは低減して斯かるセレクト方向において良好で有用な視力を与えるようにする、ことから成る。本方法を実行するための装置としては、限定はされないが、メガネレンズ、コンタクトレンズ(角膜矯正治療に使用されるもの、角膜インレーまたはオンレー(corneal in-lay or on-lay)、前房レンズ(anterior chamber lenses)、眼内レンズ(intra-ocular lenses)を含む)などが挙げられる。好ましい方法は、限定はされないが、角膜屈折矯正手術(corneal refractive surgery)(例えばレーザー屈折矯正角膜切除術(photorefractive keratectomy)、LASIK、LASEK)、角膜矯正治療などを含む技術が挙げられる。
本発明は、上記課題を解決するため、近視の進行を遅らせるかまたは止めるための刺激を眼に与えることによって、近視の進行を抑制するための方法を提供する。この目的を果たすため、本方法は、非点収差に関連する2つの像面の少なくとも前側のものが網膜上または網膜の前方に位置付けられるように(眼がまっすぐ方向に注視しているときの軸外視対象ポイントからの)周辺視像を位置付けし直し、それと実質的に同時に、視像が眼の中心窩上またはその近くに存在するように(眼がまっすぐ方向に注視しているときの軸上視対象ポイントからの)中心視像を位置付けることによって眼に良好な中心視力を与え、同じくそれと実質的に同時に、眼の凝視のセレクト方向に対応する1つ以上の視力優先ゾーン(これにより凝視のこれらのセレクト方向に沿って眼に良好で有用な視力を与えることができるように他の光学収差および/またはデフォーカスがコントロールまたは低減される)を提供する。
上記方法を実行するために使用することができる視力治療装置(例えばメガネレンズ、コンタクトレンズ(contact lenses)、角膜インレーまたはオンレー(corneal in-lay or on-lay)、前房レンズ(anterior chamber lenses)など)の1つの好ましい構成は、視力治療装置の大きな領域上にある視力治療ゾーンを含む。視力治療ゾーン内の光学デザインは視力治療装置によって眼の光学系との組み合わせで形成される周辺視像が、非点収差に関連する2つの像面のうち少なくとも前の方の像面が網膜上または網膜より前方に形成されるように位置づけし直されるとともに、視力治療装置によって眼の光学系との組み合わせで形成される中心視像がまっすぐな注視のときに眼の中心窩上または中心窩近くに位置付けられる。光学的視力治療装置の視力治療ゾーンに伴って少なくとも1つの視力優先ゾーンが追加される。視力優先ゾーン内の光学デザインは眼の光学系と組み合わさって、視力優先ゾーンに関連する注視方向に属する視像がコントロールまたは低減された量の他の光学収差および/またはデフォーカス(defocus)で形成されるように操作される。
本発明の別の態様では、視力治療装置の少なくとも1つの視力優先ゾーンが良好で有用な傍中心(para-central)視力を提供することを目的としている。その視力優先ゾーンは少なくとも実質的に、眼の瞳孔が視力治療装置上に投影されたもののサイズにほぼ等しい広がりを持つが、好ましくは、装着者の視対象のサイズと一致するように選ばれる。斯かる視対象としては、限定はされないが、コンピュータモニタ、テレビ受像機、本のページ、レターサイズの紙、楽譜などが挙げられる。
本発明の更に別の態様では、視力治療装置の少なくとも1つの視力優先ゾーンはライン/バンド(注視方向のある範囲の“掃引(sweep)”を表す)に沿って良好で有用な視力を提供することを目的としている。その視力優先ゾーンは装置の一部または全体を(ライン/バンドに沿って)横切って伸びるバンド(帯状領域)を記述する。視力優先ゾーンバンドの高さは少なくとも実質的に、眼の瞳孔が視力治療装置上に投影されたもののサイズにほぼ等しい。視力優先ゾーン内の光学デザインは、眼の光学系と組み合わさって、ライン(線)/バンド(帯)に沿った注視方向に属する視像がコントロールまたは低減された量の他の光学収差および/またはデフォーカス(defocus)で形成されるように操作される。
本発明のなお更に別の態様では、視力治療装置の少なくとも1つの視力優先ゾーンは、近用ビジュアルポイントに良好で有用な視力を与えることを目的とする。視力治療装置上の視力優先ゾーンの少なくとも1つのゾーンのポジションは視力治療装置の近用ビジュアルポイントと一致するように選ばれ、眼を近用ビジュアルポイントと結ぶライン上にある。視力治療ゾーンは眼の瞳孔が視力治療装置上に投影されたもののサイズにほぼ等しい広がりを持つが、しかし好ましくは装着者の近見視対象のサイズに実質的に一致するように選ぶことができる。斯かる近見視対象としては、限定はされないが、腕時計、PDA(personal digital assistants)、携帯電話機、本のページ、レターサイズの紙、楽譜などが挙げられる。視力優先ゾーン内の光学デザインは、眼の光学系との組み合わせで、視力優先ゾーンを通した視像がコントロールまたは低減された量の他の光学収差および/またはデフォーカス(defocus)で形成されるように操作される。
本発明のなお更に別の態様では、視力治療装置の少なくとも1つの視力優先ゾーンは、まっすぐな視方向から、中間の視距離を経て、近見ポイントまで良好で有用な視力を提供することを目的とする。視力治療装置上のその視力優先ゾーンは装置の遠用ビジュアルポイントから装置の近用ビジュアルポイントまで伸びるバンドを記述する。視力優先ゾーンは少なくとも実質的に、眼の瞳孔が視力治療装置上に投影されたもののサイズにほぼ等しいが、しかし好ましくは装着者の中間視対象または近視対象のサイズに実質的に一致するように選ぶことができる。斯かる中間視対象および近視対象は、限定はされないが、腕時計、PDA(personal digital assistants)、携帯電話機、本のページ、レターサイズの紙、コンピュータモニタ、ディスプレイ装置、楽譜などが挙げられる。
上記の説明を考慮すれば、屈折異常の進行を抑制または止めるために、下地の視力治療ゾーンに加えて1つの視力治療装置に組み込まれた異なる形状の視力優先ゾーンの組み合わせを含む多機能装置が、良好な中心視力を与えるとともに、セレクト視力優先ゾーンを通して良好で有用な視力を与えることは明らかであろう。
これまでの説明から、本発明の方法は、非点収差に関連する2つの像面の後ろ側のものが網膜上または網膜の後方に位置付けられるように(眼がまっすぐ方向に注視しているときの軸外視対象ポイントからの)周辺視像を位置付けし直すと同時に、像(イメージ)が眼の中心窩上またはその近くに存在するように(眼がまっすぐ方向に注視しているときの軸上視対象ポイントからの)中心視像を位置づけすることによって眼に良好な中心視力を与え、同じくそれと同時に眼の凝視のセレクト方向(凝視のこれらのセレクト方向に沿って眼に良好または有用な視力を実現することができるように他の光学収差および/またはデフォーカスがコントロールまたは低減される)に対応する1つ以上の視力優先ゾーンを提供することによって遠視の進行を遅らせるかまたは止めるための刺激を眼に与えることによって遠視の進行を遅らせることに適用することができることも明らかであろう。
本発明のこれらの目的と他の目的並びに利点は本発明の好ましい実施形態についての詳細な説明と添付図面において、そして本発明の範囲を画定する特許の請求の範囲の請求項を考慮することで更に明らかとなる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の最良の形態を詳細に説明する。これらの図面は以下の説明と併せて本発明の目的、利点および原理を説明する。
良好な中心視力のほかに注視の特定の他のセレクト方向も要求する、前節で述べたような装着者にとって、米国特許第7,025,460号が教示するように周辺像点のポジションを適切に操作して屈折異常を減らす刺激を授けることができるが、他の光学収差は注視のそれらのセレクト方向(つまり視力優先ゾーン)に対しては低減されるような、視力治療装置を提供することは有益で有利であろう。加えて、視力治療装置が非共軸型タイプであれば、注視のセレクト方向を通じて他の光学収差をコントロールしたりあるいは低減したりするだけでなくデフォーカス(defocus)もコントロールまたは低減することができることは有益かつ有利と考えられる。
図1を参照して、本発明の背後にある他の光学収差のコントロールに関係する論理的根拠について説明する。図1において、眼10は、近視の傾向があり(近視かまたは近視が進行しつつある)、この眼の近視の進行を遅らせるかまたは止めるために、米国特許第7,025,460号が教示する方法を使用して、レンズ20で治療(処置)される。この特定の例では、レンズ20は眼10の中心窩25の領域の直ぐ外側または周囲から実効的な(米国特許第7,025,460号を通じて)負の像面湾曲を実現するように設計されている(“中心窩”は網膜50の最も視力の高い領域であり、限界視力に利用される)。これは像面(image surface)30を結果的にもたらす。この像面30に関して、中心の軸上像点40は中心窩25に焦点を結び、良好なデフォーカスのない中心視力が可能になると同時に周辺像点60、70、80を周辺網膜50の前方に配置することで眼の成長を促す刺激を低減または無くして実効的に近視の進展または進行を遅らせたりあるいは止めることが可能である。
図1の例に対する相対像面湾曲のグラフを図2に示す。相対像面湾曲のグラフにおいて、解剖学的に湾曲した網膜表面は縦の直線200として“リマップ(remap)”されている。リマッピング(remapping)は網膜からの像面の軸方向の距離(眼の中で光線方向にほぼ平行に前後方向に測られた距離)に関係する。従って、負の像面湾曲はその長さで平均された左側にほぼ“凹面(concave)”のラインとして見られる。図2の例におけるデザインに関して、全ての周辺像点210、220、230-中心窩の直ぐ周りにあるもの(傍中心点)を含む-は網膜200の左側(つまり実際には前方)に位置し、従って負の像面湾曲を与えている。
レンズ設計者にとっては、視力矯正レンズ(一般的には2枚しか屈折面を持たず、1つは表面で、もう1つは裏面である)の光学設計における小数の自由を前提として、レンズが像面湾曲をコントロールするように設計される場合には、同時に他の光学収差(コマ収差、歪曲収差および非点収差)をコントロールし、または特に最適化することができないことは周知である。例えば、傾斜非点収差(“放射状非点収差(radial astigmatism)”とも呼ばれる一種の軸外収差)の影響により、単一のシャープなポイントフォーカスの代わりに2つの別個のシャープなラインフォーカスが形成される。(傾斜非点収差は屈折性非点収差とは異なることに注意する。前者は、光学系を軸外方向に進む光によって引き起こされる2本のラインフォーカスを生成する収差に関係する。後者は、眼の視力に影響を及ぼす中心窩屈折における2本のラインフォーカスの生成を指す。本願明細書全体を通して、特に断りがなければ、“非点収差”は“傾斜非点収差”を指すものとする。)像面湾曲をコントロールした結果の非点収差の存在は米国特許第7,025,460号(該米国特許はこの開示により本願明細書の一部として含まれる)に開示された相対像面湾曲のグラフに見られる。米国特許第7,025,460号の相対像面湾曲のグラフには、2本のラインフォーカスが示されている。“S”でラベルされたものはサジタルラインフォーカス(sagittal line focus)、もう一方の“T”でラベルされたものはタンジェンシャルラインフォーカス(tangential line focus)である。これら2本のラインフォーカスが離れるほど、非点収差の量は大きくなる。非点収差およびその他の光学収差の結果、周辺視方向の視力はより弱くなる。従って像面湾曲を操作することで、インプリシットに周辺における視像を劣化させる可能性があり、傍中心から遠周辺領域にかけて像面湾曲の大きさは次第に増大する。
他の光学収差の影響は眼の瞳孔サイズに関連している。再び図1を参照すると、眼の瞳孔100(および眼の投影入射瞳90)は有限サイズを有しているので、レンズ20上の各場所は2つ以上の像点に対する光の屈折(すなわちフォーカシング)に含まれることがあることが見て取れる。(視覚光学の言葉では、非専門家が一般に“瞳孔”と呼ぶ眼の“ダークサークル”は、実際は眼の“入射瞳(entrance pupil)”のことである。というのも、それは虹彩(iris)の開口によって生成された物理的な瞳孔の像であって、眼の最前部(つまり角膜)と虹彩および観測者の間にある任意の他の光学装置とによって拡大された、観察者によって見られる像である。)例えば、中心視野の像点40まで進む光線は、眼の投影入射瞳90に対応するレンズ20上の中心視野の光学領域を通り抜ける(“投影入射瞳(projected entrance pupil)”とはレンズに前方投影された瞳孔のサイズおよび輪郭である)。従って、この領域90内におけるレンズの光学的デザインの任意の変更は中心窩領域への光のフォーカスのされ方に影響を及ぼすと考えられる。
しかしながら、周辺像点60に進む光線は、レンズ20上にあるが中心視野の光学領域90の幾分縁側にあり、光学領域90とオーバラップしている、光学領域110を通過することが見て取れる。これら2つの光学領域90および110の重なり(オーバラッピング)は、周辺像点60が網膜50よりもより前方に配置されるように相対像面湾曲の変化に影響を及ぼすようにレンズ20の光学デザインを修正する任意の試みが何らかの形の他の光学収差を中心像点40にもたらす可能性があることを意味している。同じように、周辺光学領域110および120の重なりは、周辺像点70が網膜50よりもより前方に配置されるように相対像面湾曲をコントロールする任意の試みは周辺像点60にある程度の他の光学収差をもたらす可能性があることを意味している。
周辺像点と中心像点40との間のレンズ20上における光学領域の重なり量は、周辺像点の画角が(周縁像点60、70、80に対して次第に)増大するにつれ減少する。周辺像点70−これに対する画角はレンズ20上のその関連する周辺視野光学領域120の中心視野光学領域90との実効的な光学的重なりが存在しないほど十分に大きい−が存在する。これは(中心視野と周辺視野の)2つの画角における投影入射瞳が大きく重ならない場合に起こる。
画質がセレクト視方向においてレンズの傍中心から遠周辺領域まで劣化しないように、それらのセレクト視方向に対する像面湾曲のコントロールは抑えるまたは取り除くようにする必要がある。これは視力治療装置のセレクト光学領域において実行することができる。このアプローチが本発明の基礎を形成する。
それ故、本発明の実施の一形態は、投影入射瞳の中心(軸上)視野との大きな重なりが存在しないような最低周辺画角において、近視の進行を遅らせるかまたは止めるのに適した、適切な相対像面湾曲または周辺フォーカシングを実現するための光学デザイン(視力治療ゾーン)の導入を始めるための方法に関する。この最低周辺画角を“開始デザイン画角(starting design field-angle)”と呼ぶ。相対像面湾曲に対する結果的な効果を図3に示す。図3の相対像面湾曲のグラフにおいて、傍中心視野(例えば近周辺像点310は網膜300上に存在する)において、相対像面湾曲をコントロールする試みが一切存在しないことが見て取れる。(従って相対像面湾曲は“従来の”状態のままであり、レンズに対する他の設計要件に応じて負、正またはニュートラルになる場合がある。図3において、一例としてそれはニュートラルとしてのみ示されている。つまり、この領域内の像面は網膜近くまたは網膜上に存在する。)相対像面湾曲のコントロール(視力治療ゾーンによって提供される)は、開始デザイン画角の方向に沿った投影入射瞳のサイズが中心視野光学領域ともはや大きく重ならないような開始デザイン画角に対応する“開始デザイン周辺像点(starting design peripheral image point)”320において導入される。開始デザイン周辺像点320のより周縁にある全ての像点は網膜の斯かる周辺視野領域に対して眼の成長(eye-growth)の刺激を取り除くために網膜300上またはその前方に十分焦点を結ぶ。
図4に示されたレンズ400に関するデザインについて言えば、適切な相対像面湾曲が中心視野光学領域420のちょうど外側の距離410(投影入射瞳のサイズに少なくともほぼ等しい)で始まるデザインに導入される。中心視野光学領域420内において、相対像面湾曲または周辺フォーカシングデザインは実質的に適用されず、その結果、他の光学収差の導入が避けられる。この中心視野光学領域420は従って装着者にとって有用な改善された視機能のゾーン(装着者はこのゾーン内において良好な視力を要求する)を表す。この中心視野光学領域420は、1つの形の視力優先ゾーンを表している。それに対し、この中心光学領域420の外側に、開始デザイン周縁ポイント410を超えて、相対像面湾曲または周辺フォーカシングのコントロールが(装置400の視力治療ゾーン430によって)組み込まれる。そうする際、我々は、臨界距離を見るために最も頻繁に使用される中心視野光学領域に追加的な他の光学収差を持ち込まずに、眼の成長のための刺激を低減または消去する。
この中心視野光学領域の正確なサイズと位置は、眼の屈折状態、レンズの屈折力、頂点距離(レンズから眼までの距離)および眼の入射瞳のサイズおよび輪郭などの複数のパラメータによって決定される。従って、最適なデザインを得るには、上記のパラメータが個別の装着者に対して設定されるべきである。しかしながら、レンズの大量生産のための設計を行う場合、それらのパラメータが実現可能な“一般的な”距離の中心視野光学領域サイズに到達するために、受入可能な“集団”平均が使用されることがある。
中心視野光学領域と開始デザイン画角における投影入射瞳がオーバラップしない(つまりオーバラップ量がゼロである)ことが要求されないことに留意すべきである。そこでは、大きな重なりが存在しないことが必要なだけである。視覚光学系の専門家には周知のStiles-Crawford効果が存在するせいで、瞳孔の周縁のより近くを通過する光線は瞳孔中心のより近くを通過する光線よりも視像に効果的にあまり大きく寄与しない。生理学的には、瞳孔をその周縁近くで通り抜ける光線は瞳孔をその中心近くで通り抜ける光線よりも視覚野(visual cortex)へのより弱い視覚信号を引き起こす。従って、瞳孔をその周縁近くで通り抜ける光線によって引き起こされる不鮮明状態(blur)は、瞳孔をその中心近くで通り抜ける光線によって引き起こされる不鮮明状態(blur)よりも眼にはかなり気がつきにくい。それ故、中心における中心視野光学領域と開始デザイン画角における投影入射瞳との小さな量のオーバラップ−瞳孔の周縁近くの光線のみが通り抜けることが可能で、視像にあまり大きく寄与しない−は視覚的に装着者に受入可能であり、周辺フォーカシングのコントロールがよりレンズ中心近くで始まることを可能にし、その結果、近視の進行を遅らせるための刺激に寄与する視力治療ゾーンのより大きな面積が与えられる。
場合によっては、既に述べた眼の投影入射瞳にほぼ相当する量よりも大きな中心視野光学領域を提供することが望ましい場合がある。装着者は、その上で他の光学収差の存在が視像を受入不可能なほど劣化させないより大きな視野−視力優先ゾーン−に対して良好な視力を要求する場合がある。より大きな視力優先ゾーンが要求されると考えられる例としては、装着者がモニタ(例えばコンピュータスクリーン、レーダーディスプレイ装置)で作業する場合、音楽家がスコアを読む場合、芸術家が画架で絵を描く場合、建築家が製図板で設計する場合などが挙げられる。これらの用途の各用途ごとに、(レンズ上の所望の傍中心視野光学領域に対応する)視力優先ゾーンの必要とされるサイズは、当業者には理解されるように、光学装置の頂点距離、入射瞳サイズ、作業距離および作業面のサイズ(例えばUSレターページサイズ、コンピュータスクリーンサイズ、キャンバスサイズなど)の三角法を用いて計算することができる。
従って、傍中心視力優先ゾーンを画定し、それを超えて像面湾曲のコントロールが始まる、開始デザイン(starting design)光学領域は、装着者の視覚ニーズに基づいて眼の投影入射瞳にほぼ等しいかまたはそれよりも大きい場合がある。
図1乃至図4に示された例において与えられたレンズはメガネレンズと同じような形のものであるが、斯かるレンズは、限定はされないが例えばコンタクトレンズ(contact lenses)、角膜インレーおよびオンレー(corneal in-lays and on-lays)、前房レンズ(anterior chamber lenses)、および眼内レンズ(intra-ocular lenses)などを含む他の光学装置にも同じように適用可能であることは当業者には直ぐに明らかなはずである。それはPRK(photorefractive keratectomy)、LASIK(laser in-situ keratomileusis)、その他の屈折矯正手術といった治療における角膜表面のデザインおよびプロファイリングにも適用可能である。
本発明の上記説明から、当業者であれば、中心光学領域は“放置(left alone)”(つまり未修正または相対像面湾曲のコントロールなし)される場合があること、または、例えば中心のまっすぐな視方向における眼の収差補正の機能を取り入れるなど追加の光学デザイン機能がこの領域に組み込まれる場合があることは直ぐに明らかであろう。中心光学領域に関係する他の追加機能が可能であり、本開示を受けた光学デザイナーには明らかとなるであろう。
上記の設計方法を前提とすれば、当業者には周知のレンズ設計技術を用いてどのように仕様設計が実現できるかについてはいまやレンズ設計者には明らかなはずである。しかしながら、例として、図5に-3.00D myopeを治療するように設計されたコンタクトレンズの相対像面湾曲のプロットを示す。このコンタクトレンズ設計において、非点収差は視力優先ゾーン510内において大きく低減されている。このことは、このゾーン内の非点収差に関連する2本のラインフォーカス520と530の近傍から分かる。視力優先ゾーン510を超えると、視力治療ゾーン540が始まり、近視の進行を遅らせるために像面湾曲のコントロールを利用する。このことは非点収差のラインフォーカス520および530のうちより前方の520が網膜よりもっと前方に来るように位置付けられていることから分かる。像面湾曲のこのコントロールは、視力治療ゾーン540における2本のラインフォーカス520と530の分離に見られるように、非点収差の二次効果をもたらす。球面収差は、中心視野光学領域内(視力優先ゾーン510内)において現実に消滅したことも見て取れる。それに対し、中心視野光学領域を超えると、相対像面湾曲(周辺焦点のフォーカス)は近視の進行を遅らせるための刺激を作り出すように操作されていることが分かる。
図6に100ナノメータよりずっと小さな瞳孔領域内におけるこのコンタクトレンズの縦方向の球面収差を示す。すなわち、球面収差はこのレンズからは事実上消されている。従って、このコンタクトレンズは眼に大きな追加的な球面収差をもたらすことはなく、近視の進行を遅らせるための治療効果を与えつつ眼の優れた中心の軸上視力を実現する。
この例のコンタクトレンズの1つの可能な仕様設計を図7に示す。これはc=8.2×10−4、c=−1.8×10−3、c=1.4×10−3、c=04.0×10−4、c=3.9×10−5の係数を用いた8次多項式を使って記述することができる。加えて、前面(front surface)には中心半径(r)が8.782mmで円錐定数が−0.774の基本円錐曲線を用い、背面(back surface)には中心半径(r)が8.28mmで円錐定数が−0.16の円錐曲線を用いる。前面と背面の間の中心の厚みは0.12mmである。しかしながら、レンズ設計の当業者であれば、上記と等価な結果は、他のレンズ設計の定義およびパラメータ(限定はされないが例えば球面、円錐曲線、スプライン、Beziers、フーリエ合成(Fourier synthesis)、Zernike多項式、矢状高記述子(sagittal height descriptors)、アングル(R-theta)記述子による半径および表面ポイント(surface points)の直接参照テーブルなどを個別にまたは様々な組み合わせで)を用いて実現できることは理解されるであろう。
近視の進行を抑制するための視力治療装置の設計のための上記の方法によって定義される原理は、しかし傍中心視力優先ゾーンも組み込むものであるが、この設計方法が近視の進行を遅らせるかまたは止めるために像面湾曲のコントロールを採用する視力治療装置上の様々な設定(コンフィギュレーション)の視力優先ゾーンを提供するためにどのようにこの設計方法が利用できるかを実証するために、以下のセクションにおいて展開される。後のセクションにおいて、視力治療装置の設計に対するより洗練されたアプローチは、装置の一部の領域において像面湾曲のコントロールの広がり(つまり視力治療ゾーン)を若干減らしつつ、近視を引き起こす刺激を削減するのに適した大部分の像面湾曲コントロールを実行し続け(米国特許第7,025,460号を通じて)、しかし加えて、特に傍中心から遠周辺まで、像面湾曲コントロールに伴う視機能不良を減らし、それにより、装着者に対して特定の望ましい視力優先ゾーンにおいて良好な視力を提供する。特に、本発明の方法および装置は、他の光学収差の視覚的な影響を低減または消滅させることにおいて有効であるだけでなく、像面湾曲をコントロールした結果として非共軸型装置に存在する周辺のデフォーカスの視覚的な影響を低減または消滅させることにおいても有効である。
次に、周辺のデフォーカスの影響について説明する。既に述べたように、近視を治療するために像面湾曲をコントロールするまたは周辺像点のポジションを操作することによって、視力治療装置は軸外視方向において視力に悪影響を及ぼす可能性のある望ましくない他の光学収差を斯かる軸外視方向に招く可能性がある。この効果は、中心視力矯正/治療装置および方法の両方(使用中、眼と比較的同軸に揃っている状態にあり続けるもの、例えば従来的なコンタクトレンズ、眼内レンズ(intra-ocular lenses)、角膜インレーおよびオンレー(corneal in-lays and on-lays)、前眼房レンズ(anterior chamber lenses)、屈折矯正手術など)に影響を及ぼすほかに非共軸型視力矯正/治療装置および方法(そのポジションと向きが眼の注視方向に応じて変わるもの、例えば交代型(translating)コンタクトレンズおよびメガネレンズ)の両方にも影響を及ぼす。
加えて、像面湾曲または周辺の焦点ポジションをコントロールすることがそれにより軸外の視方向における視力に悪影響を及ぼす可能性がある別の効果は周辺のデフォーカスの効果である。この効果は主に非共軸型の視力矯正/治療装置および方法に影響を与える。この効果は一種の非共軸型視力矯正装置であるメガネレンズの例について次のように説明される。
メガネレンズは、眼の瞳孔からある距離だけ離れているので、像面湾曲のコントロールに適している。この距離のおかげで、メガネレンズの像面湾曲の設計とコントロールは、よりシンプルかつより効果的になる。しかしながら、メガネレンズの1つの特性(全ての非共軸型視力矯正装置に本来備わっている特性)は、使用中、眼の視線と揃っている(つまり同軸である)状態のままにないという点である。装着者の注視の方向が(視界の異なる部分を注視するために眼を回転させることによって)変わると、各眼はメガネレンズ上の(中心の軸上ポイント以外の)異なるポイントを通して見る。言い換えると、眼は注視方向に応じてメガネレンズ上の異なる光学ポイントを通して見る。
メガネ装着者がまっすぐに遠方(最も頻繁に使用される視方向)を見ているときは、各眼は“遠用ビジュアルポイント(distance visual point)”と呼ばれることがあるものを通して見ている。一般的に、遠用ビジュアルポイントはメガネレンズの光学中心(中心の軸上ポイント)に配置されている。しかしながら、装着者が読書をしているときは、両方の眼は下向きに集中する(自分の鼻の方向に若干近づけて見る)傾向がある。この視方向において、各眼は遠用ビジュアルポイントよりも相対的に低くより鼻側に(つまり鼻の方に)位置付けられたポイントを通して見ている。このポイントは、“近用ビジュアルポイント(near visual point)”とも呼ばれる。近用ビジュアルポイントが遠用ビジュアルポイントよりもどれだけ低くより鼻側に配置されるかを示す量は装着者の解剖学的な特徴(例えば瞳間の距離、すなわち両眼の瞳孔の中心の間の距離)、読字距離(すなわち印字面から眼までの距離)および頂点距離(すなわちメガネレンズから眼までの距離)およびメガネレンズの設計(design)および施術(dispensing)の当業者には周知の複数の他のパラメータに依存する。
他の時、例えば運転している時など、装着者は(例えばジャンクションにおける交差道路のトラフィックをチェックするために)水平ラインに沿って走査する必要がある場合がある。この場合、各眼は、遠用ビジュアルポイントを通ることがある水平ラインに存在する複数のポイントのいずれかのポイントを見ることができる。
上記のシナリオの共通点は、装着者にとって関心のある視対象がまっすぐ以外の方向にある場合、装着者の眼はメガネレンズの中心軸上ポイントではないそのメガネレンズのポイントまたは領域を通して見るような方向に向けられる。装着者によって頻繁に特定の注視方向が要求され、その注視方向における視力が良くなる必要がある場合(例えば近用ビジュアルポイントの場合、装着者は頻繁に読む必要のある事務員かもしれない)、注視の重要な方向に関連するレンズ上の領域は装着者の視力優先ゾーンと見なすことができる。
レンズが近視の進行を遅らせるために像面湾曲をコントロールする(つまり周辺像点のポジションをコントロールする)ように設計されている場合、そのレンズはその光学中心から離れたポイント(注視の異なる視方向に対応する)において屈折力において相対的によりポジティブである。この効果は3次元的に起こる(つまり光学中心からレンズ上の任意の選ばれた経線を進む)ものであるが、そのコンセプトは図8A乃至図8Cに示すように2次元の議論によって十分に説明できる。
図8Aにおいて、まっすぐに注視している眼805はメガネレンズ810とフィットしている。この注視方向において、眼805は、メガネレンズ810の遠用ビジュアルポイントでもある光学中心815とそれを取り囲む領域816を通して見ている。図8Bでは、同じメガネレンズ810にフィットした同じ眼805は今度は(読書のため)下方に注視している。この注視方向において、眼805は今度はメガネレンズ810上のより周縁側にある光学ポイント820とそれを取り囲む領域821を通して見ている。
この場合、メガネレンズ810は像面湾曲のコントロールを組み入れるように設計されているので、まっすぐ方向(光学中心815を通る)におけるそのパワーは焦点850を眼805の網膜826上の中心窩825に配置するよう操作され、それにより良好な中心の軸上視力を実現し、それと同時に、周辺部(例えば周辺光学ポイント820を通る)におけるそのパワーは、光学中心815から遠ざかるにつれ次第に、光学中心におけるパワーと比べてますますポジティブになる。これは図8Cの像面湾曲プロットとして示されている。図8Cには、メガネレンズ810の相対像面湾曲を表す曲線が示されている。図8Cは、眼805がまっすぐの注視から下向きの注視まで回転する際の、眼805の中心窩825の“中心窩球面(foveal sphere)”835も示している。この球面は眼805が下向きに回転する際の中心窩が採り得る全ての所在地の位置(図8A乃至図8Cにおいて、まっすぐの注視では825、周辺/下向きの注視では827)を記述するものである。この中心窩球面835は、眼の回転中心840の辺りに中心を置いている。それは生理学的に固定されたポイントではなく、眼によって変わるが、通常はほぼ視軸の辺りにあると考えられ、眼の角膜828から約16mm後ろにある、メガネレンズ810は近視の進行を遅らせるために像面湾曲をコントロールするように設計されているので、そのパワーは図8Cの像面湾曲プロット830が示すように軸上位置から離れるにつれよりポジティブになる。焦点850はまっすぐの注視においては中心窩上にあり、鮮明な中心視力が実現されるようになっている。しかしながら、周辺注視の際には、周辺焦点855はよりポジティブな屈折力のせいで中心窩827の比較的前方(網膜から角膜に近づく方向)に位置付けられる。周辺注視の際の中心窩827のポジションとその対応する焦点ポジション855の違いは周辺注視の際にピンぼけした中心窩視力を与えるデフォーカス860をもたらす。
眼に対するメガネレンズの正確なデザインとポジション、近視の進行を遅らせるために用いられる像面湾曲コントロール(量)のほかに、眼の解剖学的サイズ(それらの一部は既に述べた)に応じて、周辺のデフォーカスは(本例におけるように)中心窩の前方または後方のいずれかで起こる可能性がある。
実際、非共軸型視力装置に関しては、周辺のデフォーカスと他の光学収差(上のセクションで既に述べた)は周辺方向の注視に対して実質的に同時に存在する。これら2つの効果は組み合わさり足し合わさって周辺方向の注視に対する視像のクオリティを劣化させる。これらの効果は両方とも中心の光学中心から傍中心領域、そして遠い周縁部にかけて増大する。
非共軸型視力装置の一般的な使用において、装着者の最も頻繁な注視方向が一般的にまっすぐ(中心)かまたはほぼまっすぐ(傍中心)な場合にはデフォーカスは無視できるほど小さいので、他の光学収差と組み合わさった周辺のデフォーカスは関心事にはならない。しかしながら、周辺光学ポイント、特に視力優先領域と見なすことができるポイント、を通して長い期間、看視をする必要がある看視作業に従事している特定の装着者にとっては、このデフォーカスは望ましいものではない。
場合によっては、傍中心領域を(周縁方向に)超えて比較的良い視力を提供することが必要なことがある。例えば、装着者が水平ラインに沿って比較的良い有用な周辺視力を必要とする場合(例えば運転中、周辺視力を利用してトラフィックジャンクションにおける交差道路に入ってくる自動車を検出する場合)がある。斯かる状況において、装着者が要求する視力優先ゾーンは水平ラインの沿って横たわるバンド(帯状領域)によって記述される光学領域である場合がある。
光センサの密度は、中心(中心窩)領域でベストな視力が実現されるようにそこで最も高く、網膜の周縁に向かって減少することが知られているので、周辺視力に関係している良い視力は相対的な尺度であることに言及すべきである。従って、周辺視力は中心窩視力ほど良くない。しかしながら、他の光学収差とデフォーカスの大きさが非常に大きい場合、視力と、特にコントラスト感度(視覚サイエンスの専門家には周知のように眼が黒からグレイを経て白に至るまでどれだけ良く眼が識別するかの尺度)は悪くなる可能性がある。だから、周辺視力の改善は存在する他の光学収差の重症度を低減することによって実現することができる。
既に言及した別の例では、装着者は長時間にわたる読書に、しかも固定された距離で従事する必要がある。この間、両方の眼は下向きに注視する場合がある。斯かる状況のもと、装着者が要求する視力優先ゾーンは視力治療装置の、その装置の近用ビジュアルポイントを包含する光学領域によって記述することができる。
更に別の例では、装着者(例えば組み立てラインの検査係)は遠い視対象から近い視対象まで頻繁に目線を走らせる必要がある場合がある。斯かる状況において、装着者が要求する視力優先ゾーンは遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを繋げて包含するベルト(帯状領域)で記述される領域である場合がある。
次に一例として、近視の進行を抑えるために像面湾曲をコントロールするために使用される視力治療ゾーンを採用する視力治療装置に適切な視力優先ゾーンを組み込むことによって上述したような装着者のニーズに対処する視力治療装置のデザインに対するより洗練されたアプローチについて説明する。共通のテーマは、視力優先ゾーンを通した視力が改善されるとともに装着者にとって有用になるよう、視力優先ゾーン内における他の光学収差および/または周辺デフォーカスのコントロール、低減、または最小化である。他の光学収差および/または周辺デフォーカスの削減(reduction or elimination)はセレクト視力優先ゾーンにおける像面湾曲コントロールの局部的な緩和または除去によって遂行される。
以下の例において説明されるように、特定の視力優先ゾーンにおける他の光学収差および/またはデフォーカスをコントロールまたは低減した結果として、像面湾曲コントロールの広がりのわずかな減少だけを被る。従って、全体的な総像面湾曲のコントロールは若干抑えられることがあり、このため全体的な近視を抑制する刺激は若干減少することはあるが(しかし消滅はしない)、所望のビジュアルポイント(例えば読書のための)におけるクリアな視力の利益は(近視の抑制と視力の有用性と鮮明さの点で)比較上ベターなより有利な結果を装着者にもたらす可能性がある。
注視方向の水平ラインに沿って(運転中)相対的に良い有用な周辺視力を有する必要がある装着者に対して、本発明の設計方法を図9A乃至図9Cに示す。図9Aは本方法の視力治療装置の光学的配置(optical configuration)の正面図である。図9Bおよび図9Cは相対像面湾曲である。米国特許第7,025,460号が教示するように、近視の進行を遅らせるかまたは止める目的のための適切な相対像面湾曲を提供する主として視力治療ゾーン910から成る視力治療装置905上に、本発明の方法は視力優先ゾーンのバンド915を導入し、組み込んでいる。この設計方法の視力優先ゾーン915は装置の光学中心920を含み視力治療装置の光学系の境界925まで一方向/両方向に途中までもしくは完全に伸びるバンドによって記述される。この視力優先ゾーンのバンド915の幅930は前節で説明されたものと同じ論拠に従って少なくとも近似的に装置上への装着者の入射瞳の投影のサイズである。
本発明の方法によれば、視力優先ゾーン915内において、他の光学収差の影響は、像面湾曲のコントロールを緩和または除去することによって、コントロール、低減または最小化される。像面湾曲をコントロールする(または周辺像点のポジションを操作する)代わりに、視力優先ゾーン内における装置の光学的デザイン自由度がそれらの重要度と装着者の視覚ニーズに基づいて他の光学収差および/またはデフォーカスの一方または他方を最適化するために用いられる。図9Bは図9Aの視力治療装置905の視力治療ゾーン910内において経線“A”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。図9Bのプロットから、視力治療ゾーン910は米国特許第7,025,460号が教示するように近視の進行を遅らせたりあるいは止めるのに有用な像面湾曲のコントロールを提供していることは明らかである。図9Bから、視力治療ゾーン910は非点収差を含む他の光学収差に悩まされることも見て取れる。図9Bのタンジェンシャルラインフォーカス940とサジタルラインフォーカス945は分離しており、このことは相当量の非点収差が存在していることを示している。だから、視力治療ゾーン910内における周辺視力は劣っている。これとは対照的に、図9Cは図9Aの同じ視力治療装置905の視力優先ゾーンのバンド915に沿った経線“B”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。この特別な例のデザインでは、他の光学収差の1つ、すなわち非点収差、は装着者のための視力優先ゾーンに沿った改善された視力を与えるために最小化されている。このことは図9Cに明確に見ることができる。つまり、非点収差のタンジェンシャルラインフォーカス950とサジタルラインフォーカス955は互いに近接しており、このことは視力優先ゾーンに沿って非点収差が存在しないことを示している。
非点収差の両方のラインフォーカス950と955は、この経線Bに沿って網膜の背後に位置し、このことは相対的に遠視性の(相対的にネガティブパワーの)デフォーカスを示している。ネガティブなデフォーカスが小さければ装着者側での(眼の遠近の)小さな調節(near focusing)によって容易に補正することが可能である。
本設計方法は、いまや近視の進行の抑制と装着者に重要な注視方向に沿った良好で有用な視力の二重利益を提供する視力治療装置を実現する。視力優先ゾーン915のエリアは、広大なエリアである視力治療ゾーン910と比較して小さいので、本発明の設計アプローチでは近視の進行を抑制するための刺激の送達(delivery)はほんのわずかに減るだけである。
前述した本発明の教示を踏まえて、レンズ設計の専門家であれば理解するように、視力治療ゾーン910と視力優先ゾーン915との間の境目部分となる光学的“接合”ゾーン960は、像面湾曲がコントロールされた視力治療ゾーン910から視力優先ゾーン915への光学的遷移をスムーズにする(視力が不連続にならない)ために像面湾曲をわずかに修正する必要がある。
視力優先ゾーン915の長さ935は、装着者の視覚ニーズに基づいて選ぶことができる。例えば、視力治療装置の光学系を境界から境界まで伸ばすバンドを提供する長さは、主たる視覚ニーズが運転にある装着者にとって有益である場合がある。斯かるバンドは、鏡面対称(左右相称)を示すので製造者にとってよりシンプルであるという追加の利益を有する。近視の進行を抑えるための刺激を最大化するために視力治療ゾーンの広がりを最大化することを好む装着者にとっては、より短い視力優先ゾーンバンド長(重要な注視方向のみを提供する)が選ばれることがある。バンドの一端が他端よりも光学中心920から遠いといったように、バンドは非対称に配置される場合がある。これは例えば読み物が眼の高さにあるような場合(例えば本棚が据え付けられた研究室/医療用モニタリング機器)にその人の最も頻度の高い看視作業が両眼の一点集中(各眼が鼻の方に内側に向くこと)を必要をする装着者にとって有用かもしれない。
前記の説明を考えれば、図9Aの例の視力優先ゾーンのバンドは水平方向に配置される必要がないことも直ぐに明らかであろう。図10は、視力優先ゾーン1015のバンドが視力治療装置1005の斜めの経線の上にある場合の例を示している。この例では、視力優先ゾーン1015のバンドは、光学中心1020(視力治療装置1005の遠用ビジュアルポイントでもある)のほかに近用ビジュアルポイント1025を含んでいる。斯かる設計は、遠い視対象から近い視対象まで頻繁に視覚的に調べる必要があるかもしれない装着者(例えば組み立てラインの検査係)にとって有益であろう。注視方向が視力優先ゾーン1015内において、遠くから近くまで中間の視距離を経て動く際に(一点集中と下向きの注視方向を含む)、このデザインは眼の視点を維持する。この例の装着者にとって、この視力治療装置の視力優先ゾーンのレイアウトは左右の眼でほぼ鏡面対称であることが理解されるであろう。図10は、装着者の右目用の視力治療装置の(装着者の顔の方に向いたときに見える)正面図である。
眼科用視力矯正装置の設計(design)および施術(dispensing)に携わる専門家であれば、斯かる装置は、本発明が意図しているところとして、眼の正しいポジショニングと向き付けを必要とすることは理解されよう。メガネレンズの形の視力治療装置に関しては、正しい取り付けはレンズ装置を正しい向きにセットするメガネフレームによって行われる。コンタクトレンズと他の類似の装置に関しては、装置の正しい向き付けに適した設計機構は眼科用視力矯正装置の施術者には周知であり、プリズム安定化動的薄ゾーン(prism ballasting, dynamic thin zones)、および“スラブオフ(slab-off)”設計などが挙げられる。斯かる非対称デザインの装置の製造は当業者には周知であり、コンピュータ制御の多軸旋盤(multi-axis lathes)および研磨機(mills)の利用を含む。例えば角膜インレーおよびオンレー(corneal in-lays and on-lays)、前房レンズ(anterior chamber lenses)、および眼内レンズ(intra-ocular lenses)などのインプラント可能装置および屈折矯正手術の場合、インプラント中、それらの位置付けをアシストするためのアラインメント装置(例えば、可視性アラインメントマスク、特殊な態様のアラインメントを容易にするための穿孔など)または手術(例えばレーザアシストの視線追跡装置)と装置の方向性を維持するためのデザイン固定具(例えば眼内レンズにおけるスプリング装荷ハプティックス(spring-loaded haptics))は設計者と斯かる装置を利用する施術者には全て周知である。
この設計例における視力治療ゾーン1010内の経線“A”に沿った相対像面湾曲と視力優先ゾーン1015内の経線“B”に沿った相対像面湾曲はそれぞれ図9Aと図9Bに示されたものと同じようなものである場合がある。上述した先の設計例のように、視力優先ゾーン1015の幅は視力治療装置の光学面上への装着者の眼の入射瞳の投影のサイズにほぼ等しいと考えられるが、装着者の視覚ニーズに応じてより大きく選択される場合がある。
視力優先ゾーンが視力治療装置の光学面を横切るバンドとして構成される上記の例の潜在的な欠点は、視力治療ゾーンの全面積を必要な面積よりも大きく減らしてしまう可能性があることである。加えて、レンズ設計の専門家なら理解するように、バンドの光学設計は光学的接合ゾーンに望ましくない光学収差をもたらす可能性がある。まっすぐな注視方向に加えて基本的に単一の注視方向に対する視力優先ゾーンを必要とする装着者にとって、この潜在的な欠点は視力優先ゾーンを注視のそのセレクト方向のみに提供するようにそのゾーンを最小化することによって制限することができる。例えば、主な視覚ニーズが注視方向が近用ビジュアルポイントを通るような読書にある装着者に対しては、本発明の方法は視力優先ゾーンが近用ビジュアルポイントとその周辺にのみ配置されるように構成するものである。この場合、全体の像面湾曲コントロールの量は(レンズ設計への関与と製造の複雑度は大きくなるが)視力優先ゾーンにバンド形状を利用する先述の設計例よりも大きくなる。
図11A乃至図11Cに本例に適用可能な視力治療装置1105を示す。図11Aには、装着者の右目を対象とする視力治療装置1105の光学面の正面図が示されている。視力治療装置1105は主に、米国特許第7,025,460号が教示するように近視の進行を抑制するかまたは止める目的のために適切な相対像面湾曲を与える視力治療ゾーン1110から成る。本発明の方法は近用ビジュアルポイント1125を含む視力優先ゾーン1115の領域を導入し組み込む。視力優先ゾーン1115領域は任意の形状(例えば、円、楕円、長方形など)でよく、この視力優先ゾーン1115の最小寸法1130は前節で説明した論拠に従って少なくとも近似的に装置上への装着者の入射瞳の投影のサイズである。
本発明の方法によれば、視力優先ゾーン1115内において、他の光学収差の影響は像面湾曲のコントロールを緩和または除去することによってコントロールされ、低減され、または最小化される。相対像面湾曲をコントロールする(または周辺像点のポジションを操作する)代わりに、視力優先ゾーン内における装置の光学設計自由度が周辺デフォーカスまたは他の光学収差の一方もしくは他方に関してそれらの重度と装着者の視覚ニーズに応じて最適化するために利用される。図11Bは図11Aの視力治療装置1105の視力治療ゾーン1110内において経線“A”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。図11Bのプロットから、視力治療ゾーン1110は米国特許第7,025,460号が教示するように近視の進行を遅らせるかまたは止めるために有用な像面湾曲コントロールを提供することは明らかである。図11Bから視力治療ゾーン1110は非点収差を含む他の光学収差だけでなく周辺デフォーカスにも悩まされることが分かる。図11Bのタンジェンシャルラインフォーカス1140とサジタルラインフォーカス1145は分離しており、このことは相当量の非点収差が存在することを示している。しかし加えて、タンジェンシャルラインフォーカス1140とサジタルラインフォーカス1145は両方とも網膜1147より前方に配置しており、このことはある程度のデフォーカスが存在することを示している。ネガティブ(遠視)フォーカスとは異なり、ポジティブ(近視)フォーカスは(眼の水晶体の)調節(accommodation)によって補正することはできない。このため、視力治療ゾーン1110内における周辺視力は劣ることになる。これとは対照的に、図11Cは図11Aの同じ視力治療装置1105の視力優先ゾーン1115内において経線“B”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。この特定例の設計において、近用ビジュアルポイント1125を通した周辺デフォーカスは装着者に視力優先ゾーン内において改善された視力を提供するために最小化されている。このことは図11Cにおいて、近用ビジュアルポイント1125においてタンジェンシャルラインフォーカス1150とサジタルラインフォーカス1155との間に若干距離が存在したまま(このことはわずかな非点収差が存在することを示している)であるが、両方のラインフォーカスは網膜1147の周りにほぼ等しく(一方は網膜の前方に、他方は網膜の後方に)配置されており、このことは近用ビジュアルポイント1125における周辺デフォーカスが大きく減少し、効果的に中和されていることを示していることが見て取れる。
図11Cから、近用ビジュアルポイント1125の一方の側において非点収差の両方のラインフォーカス1150および1155が再び網膜1147より前方に存在するように位置付けられており、近視の進行を抑制するための刺激が生み出されていることにも注意する。
本設計方法は、いまや近視の進行を抑制するほかに装着者に重要な注視方法に沿って有用な(つまり目的の作業をこなすのに支障のない)視力の二重の利益を提供する視力治療装置を実現する。さらに、本設計例は視力治療ゾーン1110への妥協と侵入がより少なくて済み、その結果、近視の進行を抑制するための刺激の送達が最大化される。
上記の例では、視力優先ゾーンのデザインは他の光学収集差の1つ(例えば非点収差)または周辺デフォーカスを最小化するように最適化されている。また本発明の方法内において、他の光学設計パラメータを操作するために、面湾曲のコントロールを局所的に緩和または除去することで利用可能になった設計自由度を利用することも可能である。例えば、周辺デフォーカスを最小化または除去する代わりに、視力優先ゾーンを通したデフォーカスは特定の値になるように設計またはコントロールされることが可能である。
科学出版物の中で、近視の進行は過小矯正法(under-correction method)を採用することによって抑制される可能性があることは既に指摘されている。科学出版物には、近視の進行は近くを見る際の調節(accommodation)と関連があるかもしれないことも述べられている。調節(accommodation)とは、読書中に近視対象に対してクリアな焦点を結ぶために眼がその屈折力(optical power)を変化させる(増大させる)プロセスである。過小矯正に伴う不利な点は既に先の節で議論されているが、それは近視の進行を抑制する追加の刺激として精密作業の際に調節の負担を減らすのに役立つ場合がある。それ故、それは視力優先ゾーンにある量のポジティブパワーを取り入れるために視力優先ゾーンが近用ビジュアルポイントを含む用途では有利な場合がある。このようにして、近視の進行に対する刺激を削減する利益は近くを見る際の調節要求の減少によって更に高まる可能性がある。
斯かる用途の例を図12A乃至図12Cに示す。この例において、(近視のデフォーカスをもたらす)追加的なポジティブパワーが近用ビジュアルポイントを含む視力優先ゾーンに導入される。
図12Aには、装着者の左目を対象とする視力治療装置1205の光学面の正面図が示されている。視力治療装置1205は主に、米国特許第7,025,460号が教示するように近視の進行を抑制するかまたは止める目的のために適切な相対像面湾曲を与える視力治療ゾーン1210から成る。本発明の方法は近用ビジュアルポイント1225を含む視力優先ゾーン1215の領域を導入し組み込む。視力優先ゾーン1215領域は任意の形状でよく、この視力優先ゾーン1215の最小寸法1230は少なくとも近似的に装置上への装着者の入射瞳の投影のサイズである。
本発明の方法によれば、視力優先ゾーン1215内において、周辺デフォーカスは最大約+4.50Dまで相対的にポジティブなパワー(デフォーカス)を与えるようにコントロールされる。図12Bは、図12Aの視力治療装置1205の視力治療ゾーン1210内において経線“A”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。図12Bのプロットから、視力治療ゾーン1210は米国特許第7,025,460号が教示するように近視の進行を遅らせるかまたは止めるために有用な像面湾曲コントロールを提供していることは明らかである。図12Cは、図12Aの同じ視力治療装置1205の視力優先ゾーン1215内において経線“B”に沿って測られた相対像面湾曲を示している。この特定例の設計において、近用ビジュアルポイント1225を通した周辺デフォーカスは最大+4.50Dまでの相対的にポジティブなパワーになるようにコントロールされている。このことは図12Cにおいて、視力優先ゾーン1215内の近用ビジュアルポイント1225の領域において、等価な“ベストフォーカス”1253(“最小錯乱円(circle of least confusion)”とも呼ばれ、非点収差のタンジェンシャルラインフォーカス1250とサジタルラインフォーカス1255との間の屈折平均(dioptric average)によって定義される)が網膜1247より前方に存在し、近くでより大きなポジティブパワーが与えられる。この追加的な近見パワー(near power)は精密作業中における装着者の側での調節(accommodation)の負担を減らす。
本設計方法は、いまや近視の進行を抑制するほかに装着者に重要な注視方法に沿って有用な(つまり目的の作業をこなすのに支障のない)視力の二重の利益を提供する視力治療装置を実現する。さらに、この設計例は近視の進行に対する刺激を減らすことがある精密作業中における調節の負担を減らす追加の利益を与える。
上記の例において、本発明の設計方法がどのように実現できるかを実証するために特定の表面定義技術(例えば円錐曲線および多項式)が利用されてきた。しかしながら、レンズ設計の当業者であれば、等価な光学的な結果は他のレンズ設計の定義およびパラメータ、限定はされないが例えば球面、円錐曲線、スプライン、Beziers、フーリエ合成(Fourier synthesis)、Zernike多項式、矢状高記述子(sagittal height descriptors)、アングル(R-theta)記述子による半径および表面ポイント(surface points)の直接参照テーブルなどを個別にまたは様々な組み合わせで用いて実現できることは理解されるであろう。
屈折異常と眼球の収差をリアルタイムに補正する能力のある能動光学装置(例えば波面補正システムと“補償光学”システム)の導入に際し、本発明の設計アプローチは斯かる装置にも取り入れることができることが意図されている。加えて、或る特定の他の光学収差のコントロールと周辺デフォーカスのコントロールが使用されてきた。
当業者であれば、上記説明の中で示された教示の恩恵を得て、本発明の上記実施形態の多くの変更、変形、および他の実施形態を思いつくことができよう。よって本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、それらの変更された実施形態および他の実施形態は特許請求の範囲の請求項によって画定される本発明の範囲内に含まれることが意図されている。上記説明において特定の用語が採用されているが、それらは総称的かつ記述的な意味において使用されており、限定目的では使用されてはいない。
像面湾曲のコントロールによって近視の進行を抑制するように設計された先行技術による視力治療装置と治療対象である眼の内部構造を示す図である。他の光学収差の視像画質への影響に対して有限サイズの瞳が果たす役割を示している。 図1に示した視力治療装置と眼の従来の組み合わせの像面の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 本発明の実施の一形態による視力治療装置と眼の組み合わせの像面の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 本発明の実施の一形態による光学的視力治療装置のプロファイルを示す図である。視力優先ゾーンを与える中心光学領域の位置と近視の進行を抑制するための像面湾曲コントロールが始まる位置が示されている。 周辺焦点のポジションをコントロールすることによって近視の進行を抑制するための、球面収差が実効的に存在しない傍中心視力優先ゾーンを組み込んだ例示的なコンタクトレンズの相対像面湾曲のプロットを示す図である。 図5の例のコンタクトレンズの縦方向の球面収差のプロットを示す図である。 図5の例のコンタクトレンズの設計図である。コンタクトレンズの厚みの分布と表面形状のほかに一般的な角膜の表面形状と涙液層厚が示されている。 非共軸型視力矯正装置の周辺デフォーカスの起源を説明するための図である。 まっすぐな注視方向を向いた眼の前に置かれた視力矯正装置を示す図である。 下向きの注視方向を向いた同じ眼の前に置かれた図8Aの視力矯正装置を示す図である。 図8Aと図8Bの視力矯正装置と眼の像面を示す像面湾曲プロットを中心窩球面と対比できるように組み合わせて示した図である。 本発明の実施の一形態による視力治療装置の設計例を示す図である。 視力治療装置の光学中心を含む視力優先ゾーンバンドの配置を示す視力治療装置の正面デザインレイアウトを示す図である。 視力治療ゾーンを含む経線に沿った図9Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 視力優先ゾーンを含む経線に沿った図9Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 本発明の実施の一形態による視力治療装置の別の設計例を示す図である。視力治療装置の遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを含む視力優先ゾーンバンドを有する視力治療装置の正面デザインレイアウトが示されている。 本発明の実施の一形態による視力治療装置の更に別の設計例を示す図である。 視力治療装置の近用ビジュアルポイントを含む視力優先ゾーン領域の配置を示した視力治療装置の正面デザインレイアウトを示す図である。 視力治療ゾーンを含む経線に沿った図11Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 視力優先ゾーンを含む経線に沿った図11Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 本発明の実施の一形態による視力治療装置の更に別の設計例を示す図である。 視力治療装置の近用ビジュアルポイントにおいて相対的にポジティブなパワーを有する視力優先ゾーン領域の配置を示した視力治療装置の正面デザインレイアウトを示す図である。 視力治療ゾーンを含む経線に沿った図12Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。 視力優先ゾーンを含む経線に沿った図12Aの例の視力治療装置の相対像面湾曲のプロットを示す図である。

Claims (22)

  1. 大量生産用のレンズを設計する方法であって、
    視力治療ゾーンと、1つ以上の視力優先ゾーンとを含むレンズを設計することを含み、
    前記視力治療ゾーンは所定の第1の光学デザインで構成されており、
    前記第1の光学デザインは、前記レンズの中心軸上焦点の前後ポジションを、網膜表面を表す湾曲を有する表面付近にコントロールするとともに、それと実質的に同時に、屈折異常の進行を抑制するために周辺軸外焦点の前後ポジションを前記表面の前にコントロールするように選ばれ、
    前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは前記レンズの傍中心領域と前記レンズの遠周辺領域の間の少なくとも1つの視方向を含むように構成されており、
    前記視力優先ゾーンは所定の第2の光学デザインで構成されており、前記第2の光学デザインは、少なくとも1つの注視方向に対して、周辺デフォーカスと他の光学収差だけから成るグループから選ばれた状態を低減するように選ばれている、
    ことを特徴とする方法。
  2. 眼と組み合わさって非点収差を示すレンズに対して、前記周辺軸外焦点の前後ポジションをコントロールすることは、
    非点収差によって生じる周辺ラインフォーカスの前後ポジションを、前記網膜表面を表す湾曲を有する表面に対してコントロールすることを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記周辺ラインフォーカスの前後ポジションをコントロールすることは、
    第2の周辺ラインフォーカスよりも前方にある第1の周辺ラインフォーカスを、前記網膜表面を表す湾曲を有する表面の前方の位置に位置合わせすることを更に含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、前記レンズの光学中心、遠用ビジュアルポイント、近用ビジュアルポイント、およびそれらの組み合わせだけから成るグループから選ばれる前記レンズの領域を含むように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは前記レンズ上の遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを含むように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記周辺ラインフォーカスの前後ポジションをコントロールすることは、
    第2の周辺ラインフォーカスよりも前方にある第1の周辺ラインフォーカスを、前記網膜表面を表す湾曲を有する表面よりも前方の位置に位置合わせすることを更に含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、前記レンズの光学中心、遠用ビジュアルポイント、近用ビジュアルポイント、およびそれらの組み合わせだけから成るグループから選ばれる前記レンズの領域を含むように構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは前記レンズ上の遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを含むように構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 前記視力優先ゾーンの最小幅は眼の入射瞳のサイズにほぼ等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  10. 前記視力優先ゾーンの最小幅は眼の入射瞳のサイズにほぼ等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 視力治療ゾーンと、1つ以上の視力優先ゾーンと、を含むレンズであって、
    前記視力治療ゾーンは所定の第1の光学デザインで構成されており、
    前記第1の光学デザインは、前記レンズの軸上焦点の前後ポジションを、網膜表面を表す湾曲を有する表面付近にコントロールするとともに、それと実質的に同時に、屈折異常の進行を抑制するために周辺軸外焦点の前後ポジションを前記表面の前にコントロールするように選ばれ、
    前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは前記レンズの傍中心領域と前記レンズの遠周辺領域領域の間の少なくとも1つの視方向を含むように構成されており、
    前記視力優先ゾーンは所定の第2の光学デザインで構成されており、前記第2の光学デザインは、周辺デフォーカスと他の光学収差だけから成るグループから選ばれた状態を低減するように選ばれている、
    ことを特徴とするレンズ。
  12. 前記視力治療ゾーンによる周辺軸外焦点の前後ポジションの前記コントロールは、眼と組み合わさって非点収差を示すレンズに対して、非点収差によって生じる周辺ラインフォーカスの前後ポジションを、網膜表面を表す湾曲を有する表面に対してコントロールすることを更に含む、ことを特徴とする請求項11に記載のレンズ。
  13. 前記視力治療ゾーンによる周辺ラインフォーカスの前後ポジションの前記コントロールは、第2の周辺ラインフォーカスよりも前方にある第1の周辺ラインフォーカスを、前記網膜表面を表す湾曲を有する表面の前方の位置に位置合わせすることを更に含む、ことを特徴とする請求項12に記載のレンズ。
  14. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、当該レンズの領域を含むように構成され、前記領域は、光学中心、遠用ビジュアルポイント、近用ビジュアルポイント、およびそれらの組み合わせだけから成るグループから選ばれる ことを特徴とする請求項13に記載のレンズ。
  15. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは当該レンズ上の遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを含むように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のレンズ。
  16. 前記視力治療ゾーンによる周辺ラインフォーカスの前後ポジションの前記コントロールは、第2の周辺ラインフォーカスよりも後方にある第1の周辺ラインフォーカスを、前記網膜表面を表す湾曲を有する表面よりも前の位置に位置合わせすることを更に含む、ことを特徴とする請求項12に記載のレンズ。
  17. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、当該レンズの領域を含むように構成され、前記領域は、光学中心、遠用ビジュアルポイント、近用ビジュアルポイント、およびそれらの組み合わせだけから成るグループから選ばれる ことを特徴とする請求項16に記載のレンズ。
  18. 前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、当該レンズ上の遠用ビジュアルポイントと近用ビジュアルポイントを含むように構成されていることを特徴とする請求項16に記載のレンズ。
  19. 前記視力優先ゾーンの最小幅は、眼の入射瞳のサイズにほぼ等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする請求項14に記載のレンズ。
  20. 前記視力優先ゾーンの最小幅は眼の入射瞳のサイズにほぼ等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする請求項17に記載のレンズ。
  21. 当該レンズの光学中心を含む前記視力優先ゾーンの前記光学デザインは、球面収差のコントロールのための光学デザインを含むことを特徴とする請求項17に記載のレンズ。
  22. 視力治療ゾーンと1つ以上の視力優先ゾーンとを含む光学レンズ系であって、
    前記視力治療ゾーンは所定の第1の光学デザインで構成されており、前記第1の光学デザインは、当該レンズ系の軸上焦点ポジションを、網膜表面を表す湾曲を有する表面上または付近にコントロールし、それと実質的に同時に、軸外焦点の周辺ラインフォーカスの前後ポジションをコントロールし、それによって第2の周辺ラインフォーカスよりも前方にある第1の周辺ラインフォーカスが、網膜表面を表す湾曲を有する前記表面の前方に位置合わせされるように選ばれ、
    前記視力優先ゾーンのうちの少なくとも1つは、当該レンズ系の光学中心と前記レンズ系の傍中心領域と前記レンズ系の遠周辺領域領域の間の少なくとも1つの視方向とを含むように位置付けられるとともに、所定の第2の光学デザインで構成され、前記第2の光学デザインは、デフォーカス、球面収差、非点収差およびコマ収差だけから成るグループから選ばれた少なくとも1つの状態を低減するように選ばれている、
    ことを特徴とする光学レンズ系。
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