JP5419905B2 - 炭素を基体とする電極材料の製造方法、炭素を基体とする電極材料並びにこれを使用した燃料電池及び二次電池 - Google Patents

炭素を基体とする電極材料の製造方法、炭素を基体とする電極材料並びにこれを使用した燃料電池及び二次電池 Download PDF

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本発明は、炭素を基体とする電極材料の製造方法、炭素を基体とする電極材料並びにこれを使用した燃料電池及び二次電池に関する。
従来より、導電性炭素材料は、電池用電極、電気化学センサ用電極等として広く用いられている。しかし、その触媒活性能は必ずしも満足できるものではなく(非特許文献1参照)、水素の酸化還元を促進するために触媒担持等の技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1には、白金等の金属微粒子が多孔質炭素膜の細孔表面壁に分散担持された燃料電池用電極が開示されている。
特開2004−335459号公報
「燃料電池の電極触媒」 荒又明子 p.114 北海道大学図書刊行会(2005)
しかし、上記従来の技術においては、高価な白金を触媒として使用するので、コストが高くなるという問題があった。そこで、白金等の高価な触媒金属を使用しなくても電極の酸化還元特性を維持、向上できれば上記問題は解決する。
本発明の目的は、白金等の触媒金属を使用せずに水素の酸化還元及び酸素の貴電位における還元を行うことができる炭素を基体とする電極材料の製造方法、炭素を基体とする電極材料並びにこれを使用した燃料電池及び二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、炭素を基体とする電極材料の製造方法であって、炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させ、前記表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することを特徴とする。
また、上記炭素を基体とする電極材料の製造方法において、前記強酸は、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硝酸水溶液であることを特徴とする。
また、上記炭素を基体とする電極材料の製造方法において、カルバミン酸を含む水溶液を前記炭素材料を電極として使用して電解酸化することにより、前記炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させることを特徴とする。
また、上記炭素を基体とする電極材料の製造方法において、前記炭素材料は、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンフェルト、プラスチック成型カーボンまたはダイヤモンド電極のいずれかにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態は、炭素を基体とする電極材料であって、炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させ、前記表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することにより製造したことを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態は、燃料電池であって、上記電極材料を水素極と酸素極との少なくとも一方に使用したことを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態は、二次電池であって、上記電極材料を正・負極に使用したことを特徴とする。
本発明によれば、白金等の触媒金属を使用せずに水素の酸化還元及び酸素の貴電位における還元を行うことができる炭素を基体とする電極材料、並びにこれを使用した燃料電池及び二次電池を得ることができる。
カルバミン酸アンモニウム水溶液の電解酸化装置の構成例を示す図である。 アミノ基が結合した炭素を基体とする電極材料を強酸水溶液中で電解改質する装置の構成例を示す図である。 定電位電解還元時間を種々変化させた電極材料で測定した1M硫酸水溶液のサイクリックボルタモグラムを示す図である。 定電位電解還元時間を20時間とした電極材料と、白金電極とを電極に使用した場合の1M硫酸水溶液のサイクリックボルタモグラムを示す図である。 定電位電解還元時間を6時間とした電極材料を使用した場合のリン酸緩衝液中の溶存酸素と水素イオンのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 本発明の炭素を基体とする電極材料を電極に使用した燃料電池の構成例を示す図である。 図6に示された燃料電池の充放電の観察結果を示す図である。 1Mリン酸緩衝液を電解液として使用した場合の、本発明の実施例にかかる燃料電池の発電試験結果を示す図である。 1Mリン酸緩衝液を電解液として使用した場合の、本発明の実施例にかかる燃料電池の出力と放電電流との関係図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本発明は、炭素材料の表面の炭素原子に含窒素官能基を共有結合させ、表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することにより、白金等の触媒金属を使用せずに水素の酸化還元及び酸素の貴電位における還元を行うことができる炭素を基体とする電極材料を製造することを特徴としている。また、この電極材料は、燃料電池、二次電池等に使用することができる。
上記本発明にかかる電極材料の実施形態としては、含窒素官能基をアミノ基とすることが好適である。また、このアミノ基を酸化してニトロ基またはニトロソ基を形成してもよい。また、本実施形態の炭素材料は、電極材料として必要な導電性を有するものであり、黒鉛等が好ましい。例えば、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンフェルト、プラスチック成型カーボンまたはダイヤモンド電極等を使用することができる。
アミノ基を炭素材料の表面の炭素原子に共有結合させるには、炭素材料を電極として例えばカルバミン酸を含む水溶液を電解酸化することによりカルバミン酸を炭素材料の表面の炭素原子に直接共有結合させ、その後脱炭酸してアミノ基を炭素材料の表面の炭素原子に共有結合で直接導入する方法が好適である。上記カルバミン酸を含む水溶液としては、カルバミン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムを好適に使用することができる。
以上のようにしてアミノ基を炭素材料の表面の炭素原子に直接共有結合させた例が以下に示される。
Figure 0005419905
上記構造式に示されるように、炭素材料の表面にはアミノ基のほかに水酸基やカルボン酸などの含酸素官能基も結合している。
次に、上記表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することにより、本実施形態にかかる炭素を基体とする電極材料を製造することができる。この場合の強酸としては、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硝酸水溶液等を使用することができる。
以上の様にして製造した本実施形態にかかる炭素を基体とする電極材料は、酸化還元特性等の電極特性が向上されているので、電気化学センサ、燃料電池用電極、酸素還元触媒電極、バイオセンサ等に使用するのが好適である。なお、上記バイオセンサにおいては、電極材料の表面に共有結合したアミノ基等の含窒素官能基に、酵素、生体触媒、抗原または抗体等の分子認識剤を化学的に固定することにより構成する。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)以下の手順により、炭素材料の表面の炭素原子に含窒素官能基を共有結合させた。
炭素材料としてカーボンフェルトを選択し、これを作用電極として用いて、0.1M(モル/リットル)のカルバミン酸アンモニウム水溶液を電解酸化した。
図1には、上記カルバミン酸アンモニウム水溶液の電解酸化装置の構成例が示される。図1において、直径2.5cm深さ5cmのプラスチック容器10に電解液として0.1Mカルバミン酸アンモニウム水溶液を入れ、作用電極12としてカーボンフェルト(日本カーボン株式会社製 高純度カーボンフェルト GF−20−3FH)を略球状として白金線14の先端に取り付けたもの、対極16として0.5mmの白金線、基準電極18として銀―塩化銀電極(Ag/AgCl)を用いた3電極法で定電位電解酸化を行った。カルバミン酸アンモニウムはメルク社製特級を用い、純水に溶解して0.1Mとした。なお、上記カーボンフェルトとしては、日本カーボン株式会社製 工業用カーボンフェルトGF−20−5Fを使用してもよい。
上記定電位電解酸化は、ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工製HA−151)をポテンショスタット20として用い、作用電極12に、基準電極18に対して一定電位(1.1V)を印加して1時間行った。なお、定電位電解中はスターラー22によりカルバミン酸アンモニウム水溶液を攪拌した。電解酸化処理後、作用電極12としてのカーボンフェルトを蒸留水で洗浄し、含窒素官能基であるアミノ基が結合した炭素を基体とする電極材料を作製した。
(2)上記手順(1)で得たアミノ基が結合した炭素を基体とする電極材料(カーボンフェルト)を、以下の手順により強酸水溶液中で電解改質した。
図2には、アミノ基が結合した炭素を基体とする電極材料を強酸水溶液中で電解改質する装置の構成例が示され、図1と同一要素には同一符号を付している。図2において、プラスチック容器10に電解液として1M硫酸水溶液を入れ、上記手順(1)で得たアミノ基が結合したカーボンフェルトをカーボンロッド24の先端に取り付けた作用電極12、上記手順(1)で使用した対極16としての白金線及び基準電極18としての銀―塩化銀電極を用いた3電極法で定電位電解還元を行った。なお、上記カーボンロッド24としては、筆記具(シャープペンシル)の芯を使用した。また、硫酸水溶液は、和光純薬工業株式会社製の1M硫酸(容量分析用)を使用した。
上記定電位電解還元は、ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工製HAB−151)をポテンショスタット20として用い、作用電極12に、基準電極18に対して一定電位(−1.0V)を印加して一定時間行った。なお、定電位電解中はスターラー22により硫酸水溶液を攪拌した。電界還元処理を続けると、作用電極12と対極16との間に流れる電解還元電流が増加して行き、作用電極12の周囲から水素ガスが、対極16の周囲から酸素ガスが激しく発生した。
上記電解還元処理後、作用電極12としてのカーボンフェルトを蒸留水で洗浄し、含窒素官能基であるアミノ基が結合し、かつ強酸中で電解改質した、炭素を基体とする電極材料を作製した。
実施例2
実施例1の手順(2)における定電位電解還元時間を種々変化させた電極材料を作製し、それぞれを電極に使用して1M硫酸水溶液のサイクリックボルタンメトリーを実施し、サイクリックボルタモグラムを測定した。サイクリックボルタンメトリーは、北斗電工株式会社製 Electrochemical Polarization System HZ−3000を使用し、以下の条件で行った。
<サイクリックボルタンメトリーの実施条件>
1M硫酸水溶液中に、上記カーボンロッド24を連結した作用電極12、白金線の対極16及び銀ー塩化銀の基準電極18を入れ、+1.0Vから−1.0Vの電位範囲で実施した。電位の掃引速度は40mV/秒で行い、測定は常温で行った。なお、電位範囲は実験目的によりその都度定めた。
図3には、定電位電解還元時間を種々変化させた電極材料で測定した1M硫酸水溶液のサイクリックボルタモグラムが示される。図3では、縦軸が応答電流値であり、横軸が電極材料の電位である。
図3において、Aは未処理(手順(1)、(2)未実施)の電極材料(カーボンフェルト)、Bは定電位電解還元時間が0(手順(1)のみ実施)の電極材料、Cは定電位電解還元時間が40分の電極材料、Dは定電位電解還元時間が2時間の電極材料、Eは定電位電解還元時間が24時間の電極材料で測定した1M硫酸水溶液のサイクリックボルタモグラムである。
図3からわかるように、定電位電解還元を行った(C,D,E)方が行わない方(A,B)に較べて、水素発生電位が貴側にシフトするとともに、同電位における応答電流値が大きくなっている。また、定電位電解還元を行う場合には、定電位電解還元時間が長いほど水素発生電位の貴側へのシフトと応答電流値とが大きくなっている。また、定電位電解還元時間が2時間のD及び24時間のEの場合には、水素の酸化波が現れている。これにより、本発明の実施例にかかる炭素を基体とする電極材料は、水素分子を水素イオンにする電気化学反応に使用でき、例えば燃料電池の水素極材料に適用できることがわかる。
実施例3
実施例1の手順(2)における定電位電解還元時間を20時間とした電極材料と、白金電極とを使用し、実施例2と同条件でサイクリックボルタンメトリーを実施して、サイクリックボルタモグラムを測定した。
図4には、定電位電解還元時間を20時間とした電極材料と、白金電極とを電極に使用した場合の1M硫酸水溶液のサイクリックボルタモグラムが示される。図4では、縦軸が応答電流値であり、横軸が電極材料の電位である。
図4に示されるように、含窒素官能基であるアミノ基が結合し、かつ強酸中で電解改質した本実施例にかかる電極材料(カーボンフェルト電極)と白金(Pt)電極の水素発生電位(水素ガス発生波と表示)がほぼ同じであった。このことから、本実施例にかかる電極材料は、例えば水の電気分解に使用できることがわかる。また、本実施例にかかる電極材料では、−0.1V付近と−0.05V付近に二つのピークI、IIが観察された。これらのピークは、水素の酸化波である。このピークは、実施例2の図3に示される結果と総合して、定電位電解還元時間が2時間以上の場合に現れることがわかった。これにより、実施例2でも述べたように、本発明の実施例にかかる電極材料は、燃料電池用電極(水素極)として使用できることがわかる。
実施例4
実施例1の手順(2)における定電位電解還元時間を6時間とした電極材料(ただし、電解還元電位は基準電極18に対して−1.5Vとした)を使用し、1M硫酸水溶液の代わりに1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)を使用して、リン酸緩衝液中の溶存酸素と水素イオンのサイクリックボルタンメトリーを実施し、サイクリックボルタモグラムを測定した。
図5には、定電位電解還元時間を6時間とした電極材料を使用した場合のリン酸緩衝液中の溶存酸素と水素イオンのサイクリックボルタモグラムが示される。図5では、縦軸が応答電流値であり、横軸が電極材料の電位である。また、図中の数字は、電位掃引の順序である。
図5において、サイクリックボルタモグラムには、水素の酸化波と酸素の還元波とが現れており、水素の酸化波が現れる電位(水素の酸化電位)が酸素の還元波が現れる電位(酸素の還元電位)より大きく卑側(低電位側)の電位領域に位置している。図5の例では、水素の酸化が始まる電位(銀―塩化銀電極に対して−0.6V)と酸素の還元が始まる電位(銀―塩化銀電極に対して0.2V)との差が0.8Vとなっている。これは、水素の酸化と酸素の還元とが電池を構成する関係にあることを意味している。実施例2、3でも述べたように、本発明の実施例にかかる炭素を基体とする電極材料は、燃料電池の水素極として使用できるが、本実施例4の結果から、酸素極としても使用できることがわかる。すなわち、本発明の実施例にかかる炭素を基体とする電極材料を、水素極と酸素極とに使用して、燃料電池を構成することができる。この結果、燃料電池の電極材料として、高価な白金等の触媒を使用する必要がなくなり、燃料電池の製造コストを低減することができる。
実施例5
本発明の実施例にかかる炭素を基体とする電極材料を電極(水素極及び酸素極)に使用して燃料電池を作製し、充放電動作を行わせた。
図6には、本実施例にかかる炭素を基体とする電極材料を電極に使用した燃料電池の構成例が示される。図6において、燃料電池は、実施例1の手順(1)、(2)の処理により作製した炭素を基体とする電極材料に1M硫酸水溶液を含浸させてそれぞれ水素極26及び酸素極28とした。水素極26及び酸素極28には、それぞれ白金製のリード線30、32を接続した。ここで、上記電極材料には、2cm×2cm、厚さ3mmの高純度カーボンフェルト(日本カーボン株式会社製 GF−20−3FH)を3枚重ねたものを使用し、手順(2)における定電位電解還元は20時間行った。なお、上記電極材料として、2cm×2cm、厚さ5mmの工業用カーボンフェルト(日本カーボン株式会社製 GF−20−5F)を2枚重ねたものを使用してもよい。また、上記水素極26及び酸素極28の間は、陽イオン交換膜34により分離した。また、上記水素極26及び酸素極28は、アクリル板36により挟み込んで保持し、ガス供給管38、40を介して水素ガス及び酸素ガスをそれぞれ水素極26及び酸素極28に供給する構成とした。なお、酸素ガスの代わりに空気を使用してもよい。
以上の構成の燃料電池を使用し、以下の手順により充放電動作を繰り返した。まず、ガス供給管38、40からは水素ガス及び酸素ガスを供給しない状態で、リード線30、32に定電流を流した。これにより、水素極26では、含浸された1M硫酸水溶液から水素ガスが発生し、酸素極28では、含浸された1M硫酸水溶液から酸素ガスが発生し、それぞれの電極表面に発生したガスが付着する。次に、上記リード線30、32に流した定電流値と同じ電流値で、リード線30、32から定電流放電を行った。このときには、上記水素極26の表面に付着している水素ガスが酸化されて水素イオンとなり、酸素極28の表面に付着している酸素ガスが還元されて水となることにより放電が起こる。放電の場合、水素極26が負極となり、酸素極28が正極となっている。なお、定電流充放電は、ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工製HAB−151)をガルバノスタットとして用いて実施した。
図7には、上記充放電の観察結果を示す図である。図7において、まず20mAで30秒間定電流充電を行い、次いで20mAで定電流放電を行った。放電の初期電位は1.3V以上を示し、約30秒間1.0V以上の放電電位を維持した。このときの充電時間と放電電位1.0V以上の放電時間とはほぼ等しくなっており、充電時にそれぞれの電極表面に付着したガスが、放電時にほぼ全量消費されていることがわかる。
次に、無放電(放電電流が0A)の状態でリード線30、32間の起電力を測定したところ、約1.3Vであった。
さらに、50mAで30秒間定電流充電を行い、次いで50mAで定電流放電を行った。この場合にも初期電位は1.3V以上を示し、約30秒間1.0V以上の放電電位を維持した。
以上より、本実施例にかかる炭素を基体とする電極材料を正・負極に使用することにより、二次電池を構成できることがわかる。
実施例6
図6に示される燃料電池において、電極材料に1M硫酸水溶液の代わりに1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)を含浸させ、ガス供給管38から水素ガスを30ml/分、ガス供給管40から酸素ガスを20ml/分で供給した。この状態でリード線30、32から放電を行ったときのリード線30、32間の起電力を測定し、発電試験を行った。
図8には、1Mリン酸緩衝液を電解液として使用した場合の、本実施例にかかる燃料電池の発電試験結果が示される。図8では、縦軸が燃料電池の起電力であり、横軸が放電時間である。図8において、0.5mAの放電を行ったときのリード線30、32間の起電力を測定したところ、初期起電力が0.731Vであり、その後低下したが、20時間経過するまで0.5V近い(20時間経過時点で0.472V)の起電力が維持された。さらに、放電電流を1.0mAまで上昇させると、30時間(試験開始から50時間)経過するまで0.3V前後の起電力が維持された。従って、本実施例にかかる炭素を基体とする電極材料を水素極及び酸素極に使用することにより、長時間燃料電池として機能させることができることがわかる。
実施例7
電極材料として、2cm×2cm、厚さ5mmの工業用カーボンフェルト(日本カーボン株式会社製 GF−20−5F)を4枚準備し、それぞれについて実施例1の手順(1)、(2)の処理を行った。なお、手順(2)における定電位電解還元は20時間行った。このようにして作製した電極材料を、酸素極に2枚、水素極に2枚使用して、図6に示される燃料電池を構成した。この場合、電極材料には、1M硫酸水溶液の代わりに1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)を含浸させた。この燃料電池に、ガス供給管38から水素ガスを30ml/分、ガス供給管40から酸素ガスを20ml/分で供給し、起電力が0.801V を示した後、放電電流を流し、出力(放電電流×起電力)を測定した。
図9には、本実施例にかかる燃料電池の出力と放電電流との関係図が示される。図9では、縦軸が燃料電池の出力(mW)であり、横軸が放電電流(mA)である。図9に示されるように、7mAの放電時に最大出力1.34mWが得られた。
10 プラスチック容器、12 作用電極、14 白金線、16 対極、18 基準電極、20 ポテンショスタット、22 スターラー、24 カーボンロッド、26 水素極、28 酸素極、30、32 リード線、34 陽イオン交換膜、36 アクリル板、38、40 ガス供給管。

Claims (7)

  1. 炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させ、
    前記表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することを特徴とする炭素を基体とする電極材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の炭素を基体とする電極材料の製造方法において、前記強酸は、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硝酸水溶液であることを特徴とする炭素を基体とする電極材料の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の炭素を基体とする電極材料の製造方法において、カルバミン酸を含む水溶液を前記炭素材料を電極として使用して電解酸化することにより、前記炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させることを特徴とする炭素を基体とする電極材料の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の炭素を基体とする電極材料の製造方法において、前記炭素材料は、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンフェルト、プラスチック成型カーボンまたはダイヤモンド電極のいずれかにより構成されていることを特徴とする炭素を基体とする電極材料の製造方法。
  5. 炭素材料の表面に含窒素官能基を共有結合させ、
    前記表面に含窒素官能基を共有結合させた炭素材料を強酸中で電解還元処理することにより製造したことを特徴とする炭素を基体とする電極材料。
  6. 請求項5に記載の電極材料を水素極と酸素極との少なくとも一方に使用したことを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項5に記載の電極材料を正・負極に使用したことを特徴とする二次電池。
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