JP5419757B2 - 顔画像合成装置 - Google Patents
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Description
なお、撮像部2が有するカメラは、入力顔画像上の肌色部分を抽出することが容易となるように、可視光域に感度を有し、カラーの多階調画像を作成するものとすることが好ましい。しかし、撮像部2が有するカメラは、近赤外域に感度を有し、グレー画像を作成するカメラであってもよい。また撮像部2は、入力顔画像上に写っている顔の目、鼻、口などの顔特徴が区別できる程度の画素数を有することが好ましい。
撮像部2は、入力顔画像を作成する度に、その入力顔画像をインターフェース部3へ出力する。
記憶部4は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置及び光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして記憶部4は、顔画像合成装置1を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。また記憶部4は、3次元顔形状データ及び3次元顔形状データに対応する3D顔特徴点の3次元位置情報を記憶する。3次元顔形状データは複数存在してもよく、また一つであってもよい。3次元顔形状データは、人物の顔の3次元形状を表すフレームモデルであって、ワイヤーフレームモデルあるいはサーフェイスモデル等が用いられる。なお3次元顔形状データは、例えば、複数の人物の顔形状からそれぞれ作成されたり、多数の人物の顔形状を模した顔形状モデルを平均化して作成される。さらに、3次元顔形状データとして、他の方法によって作成された3次元顔形状データの一部を変形させたもの、例えば、顔の中心から上側部分の長さと下側部分の長さの比を変化させたものを用いてもよい。
さらに記憶部4は、入力顔画像、基準展開顔画像、補完用展開顔画像、重み参照テーブルの形で合成用重み係数などを記憶する。なお、基準展開顔画像、補完用展開顔画像、合成用重み係数の詳細については、画像処理部5の関連する構成要素とともに説明する。
なお、画像処理部5が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、画像処理部5の各部について詳細に説明する。
本実施形態において、2D顔特徴点抽出部51は、記憶部4に記憶されている各3D顔特徴点(目領域中心、鼻尖点、口角点などの15箇所)に対応する顔特徴点を抽出する。2D顔特徴点抽出部51は、入力顔画像から顔特徴点を抽出するための公知の様々な手法を用いることができる。例えば、2D顔特徴点抽出部51は、入力顔画像に対してエッジ抽出処理を行って周辺画素との画素値の差が大きいエッジ画素を抽出する。そして2D顔特徴点抽出部51は、エッジ画素の位置、パターンなどに基づいて求めた特徴量が、目、鼻、口などの部位について予め定められた条件を満たすか否かを調べて各部位の位置を特定することにより、各顔特徴点を抽出することができる。また2D顔特徴点抽出部51は、エッジ抽出処理を行ってエッジ画素を抽出する代わりに、ガボール変換処理あるいはウェーブレット変換処理を行って、異なる複数の空間周波数帯域で局所的に変化の大きい画素を抽出してもよい。さらに2D顔特徴点抽出部51は、顔の各部位に相当するテンプレートと入力顔画像とのテンプレートマッチングを行って顔の各部位の位置を特定することにより、顔特徴点を抽出してもよい。さらにまた、2D顔特徴点抽出部51は、キーボード、マウス及びディスプレイなどで構成されるユーザインターフェース(図示せず)を介してユーザに各顔特徴点の位置を指定させることにより、各顔特徴点を取得してもよい。
入力顔画像マッピング部53は、画像処理部5が登録対象者についての入力顔画像を取得する度に、その入力顔画像に対する3次元顔モデルを作成する。ただし、記憶部4に複数の3次元顔形状データが記憶されている場合は、登録対象者の複数の入力顔画像に対して最適な3次元顔形状データが選択された後、入力顔画像マッピング部53は、各入力顔画像について3次元顔モデルを作成する。そして入力顔画像マッピング部53は、作成した3次元顔モデルを登録対象者の識別コードと関連付けて記憶部4に記憶するとともに、展開顔画像生成部54へ出力する。
図2は、展開顔画像を生成するために3次元顔モデルに対して設定される座標系を示す。
図2おいて、X軸は、3次元顔モデル200に対して、右目から左目へ向かうように(3次元顔モデルの正面に向かって左から右に)、水平方向の軸として定義される。Y軸は、X軸及びZ軸と直交し、喉付近から頭頂部へ向かうように、すなわち下から上へ向かう軸として定義される。Z軸は、X軸及びY軸と直交し、鼻尖点から後頭部へ向かう方向の軸として定義される。X軸、Y軸及びZ軸の交点である原点Oは、3次元顔モデル200の重心に設定される。
展開顔画像生成部54は、Y軸を回転中心として3次元顔モデルを回転させ、それぞれの回転角度における、テクスチャスキャンライン210上の画素値を読み取って、横軸を回転角、縦軸をY座標とする2次元上にマッピングすることにより、展開顔画像を作成する。なお、入力顔画像がカラー画像である場合、画素値は、例えばRGB各色の輝度値となる。また、入力顔画像がグレー画像である場合、画素値は輝度値となる。例えば、鼻尖点がYZ平面220上に位置するときの回転角を0°とし、3次元顔モデル200を矢印230に示されるように時計回りに回転させたときの回転角の値を正、3次元顔モデル200を矢印240に示されるように反時計回りに回転させたときの回転角の値を負とする。
なお、展開顔画像生成部54は、X軸を回転軸としてもよい。この場合には、例えば、Y=0のXZ平面と、3次元顔モデルの表面との交点をテクスチャスキャンラインとする。
図3(a)に示された3次元顔モデル300は、やや右側(向かって左側)を向いている入力顔画像から作成された3次元顔モデルである。このとき、上記のように、3次元顔モデル300をY軸を回転中心として1°ずつ回転させつつ、3次元顔モデル300の表面とYZ平面との交点の画素値情報を読み取ることにより、図3(b)に示されるような展開顔画像310が作成される。展開顔画像310の輪郭315は、3次元顔モデル300にマッピングされた入力顔画像の肌部分の輪郭に対応する。
なお、輪郭315のうち、テクスチャ欠落領域330と重なる部分は、本来輪郭として写ってはいないが、ここでは、理解を容易にするために、顔の左側の輪郭を、顔の中心を通る線で左右反転した線を、欠落している部分の輪郭として図示した。またテクスチャ欠落領域内の画素の値は、例えば、テクスチャ情報が欠落していることを表す特定の値(例えば、通常取り得る画素値の範囲外の値である-1)に設定される。
このように、展開顔画像上でテクスチャ情報が欠落していると、照合時において、特にその欠落している部分の方から撮影した顔画像が照合用の画像として得られたときに、その展開顔画像に対応する3次元顔モデルを用いた照合処理の精度が低下する。そこで顔画像合成装置1は、登録対象者について作成された複数の展開顔画像を用いて、テクスチャ情報の欠落のない合成展開顔画像を作成する。
基準展開顔画像は、できるだけテクスチャ情報の欠落が少ないものであることが好ましい。この理由は、顔画像合成装置1により作成された合成展開顔画像から生成した合成3次元顔モデルを照合に利用するためには、その合成3次元顔モデルができるだけ多くの顔のテクスチャ情報を含んでいることが好ましいためである。この点に関し、図3(a)及び(b)に関して説明したように、人の顔には凹凸があるため、正面を向いていない顔画像では、オクルージョンが生じ、テクスチャ情報が欠落する部分が生じる。そして正面から傾く角度が大きいほど、欠落する部分も大きくなる。例えば、入力顔画像に写っている顔の向きが正面から傾いているほど、鼻によってその近傍の領域が隠れてしまい、その隠された領域のテクスチャ情報が欠落してしまう。
そこで本実施形態では、顔画像選定部55は、登録対象者の顔が最も正面を向いて写っている入力顔画像に対応する展開顔画像を基準展開顔画像とする。
顔画像選定部55は、基準展開顔画像であることを示す基準フラグを、基準展開顔画像として選択された展開顔画像と関連付けて記憶部4に記憶する。また顔画像選定部55は、補完用展開顔画像であることを示す補完用フラグを、補完用展開顔画像として選択された展開顔画像と関連付けて記憶部4に記憶する。
そこで、合成重み算出部56は、基準展開顔画像の各画素の値に乗じる重み係数B(dist)を次式に従って決定する。
図4(a)において、基準展開顔画像400の顔の右側部分401及び鼻の右側部分402はテクスチャ欠落領域となっている。そのため、右側部分401及び鼻の右側部分402には、補完用展開顔画像のテクスチャ情報がマッピングされる。また、基準展開顔画像400において、テクスチャ情報が欠落していない領域403についても、そのテクスチャ情報が欠落している部分と欠落していない部分の境界であるテクスチャ欠落境界410から所定距離内の画素については、合成処理において、基準展開顔画像の画素の値と補完用展開顔画像の対応する画素の値とが加重平均される。
図4(b)に示されるように、画素420がテクスチャ欠落境界上に位置するとき(すなわち、dist=0)、重み係数B(dist)は0となり、テクスチャ欠落境界から画素420までの距離が大きくなるほど、重み係数B(dist)は1に近づく。
すなわち、合成処理において、テクスチャ欠落境界の近くでは基準展開顔画像の情報は重視されず、補完用展開顔画像の情報が重視される。このように重み係数を設定する理由は、顔全体としては多くのテクスチャ情報を持つ基準展開顔画像であっても、テクスチャ欠落境界は、入力顔画像上で登録対象者の顔が写っている部分と写っていない部分の境界にあたるので、テクスチャ欠落境界近傍の基準展開顔画像のテクスチャ情報の信頼性は低いことによる。一方、補完用展開顔画像に対応する入力顔画像における登録対象者の顔の向きは、基準展開顔画像に対応する入力顔画像に写っている登録対象者の顔の向きと異なっており、テクスチャ欠落境界近傍の顔の領域は、補完用展開顔画像に対応する入力顔画像の方が、撮像部2に対して正面を向いており、信頼性が高いと考えられる。
一方、テクスチャ欠落境界から離れるにつれ、逆に基準展開顔画像に写っているテクスチャ情報の方が信頼性が高くなるので、重み係数B(dist)は、テクスチャ欠落境界からの距離が離れるほど大きな値となる。
顔画像合成部57は、作成した合成展開顔画像を展開顔画像マッピング部58へ渡す。
また、展開顔画像マッピング部58は、基準展開顔画像に関連付けて記憶されている展開情報を参照することにより、合成展開顔画像の各画素が3次元顔形状データ上で対応する位置を特定し、その特定された位置へマッピングする。
画像処理部5は、展開顔画像マッピング部58により作成された合成3次元顔モデルを登録対象者の識別コードと関連付けて記憶部4に記憶する。あるいは、画像処理部5は、その合成3次元顔モデルを登録対象者の識別コードとともに、図示しない通信ネットワークを介して、3次元顔モデルを用いて認証処理を行う顔認証装置など他の装置へ出力してもよい。
先ず、画像処理部5は、撮像部2からインターフェース部3を介して、登録対象者の顔が写っている入力顔画像を取得する(ステップS101)。そして画像処理部5は、取得した入力顔画像を登録対象者の識別コードに関連付けて記憶部4に記憶するとともに、画像処理部5の2D顔特徴点抽出部51へ渡す。
位置合わせ情報算出部52は、入力顔画像について2D顔特徴点抽出部51により抽出された各顔特徴点と、3次元顔形状データに関連する3D顔特徴点とを用いて、入力顔画像と記憶部4に記憶されている各3次元顔形状データの位置合わせを行う(ステップS103)。そして位置合わせ情報算出部52は、その位置合わせの結果として得られる、各3次元顔形状データに対する位置ずれ量の最小値及びその最小値に対応する3次元顔形状データの回転、拡大/縮小などの量を含む位置合わせ情報を算出する。
一方、取得された入力顔画像の枚数が所定枚数に達していれば、位置合わせ情報算出部52は、記憶部4に記憶されている各3次元顔形状データのうち、最適な3次元顔形状データを選択する(ステップS105)。例えば、位置合わせ情報算出部52は、取得された登録対象者の入力顔画像のそれぞれについて求められた位置ずれ量の最小値の総和が最も小さくなる3次元顔形状データを、最適な3次元顔形状データとする。
位置合わせ情報算出部52は、選択された3次元顔形状データとともに、その3次元顔形状データに対する各入力顔画像の位置合わせ情報を、画像処理部5の入力顔画像マッピング部53及び顔画像選定部55へ出力する。
入力顔画像マッピング部53は、着目顔画像と選択された3次元顔形状データとを、着目顔画像について求められた位置合わせ情報を参照して位置合わせした後、着目顔画像の各画素の値を位置合わせされた3次元顔形状データ上にマッピングすることにより、着目顔画像に対応する3次元顔モデルを作成する(ステップS107)。入力顔画像マッピング部53は、作成した3次元顔モデルを画像処理部5の展開顔画像生成部54へ渡す。
展開顔画像生成部54は、3次元顔モデルから展開顔画像を作成する(ステップS108)。そして展開顔画像生成部54は、その展開顔画像を、対応する3次元顔モデル及び入力顔画像に関連付けて記憶部4に記憶する。
画像処理部5は、全ての入力顔画像について3次元顔モデル及び展開顔画像が作成されたか否か判定する(ステップS109)。何れかの入力顔画像について3次元顔モデル及び展開顔画像が作成されていない場合、画像処理部5は、ステップS106〜S109の処理を繰り返す。
顔画像選定部55は、基準展開顔画像であることを示す基準フラグを、基準展開顔画像として選択された展開顔画像と関連付けて記憶部4に記憶する。また顔画像選定部55は、補完用展開顔画像であることを示す補完用フラグを、補完用展開顔画像として選択された展開顔画像と関連付けて記憶部4に記憶する。
一方、基準展開顔画像にテクスチャ情報の欠落部分が存在する場合、画像処理部5の合成重み算出部56は、合成に利用する重み係数を(1)式に従って算出する(ステップS112)。その後、画像処理部5の顔画像合成部57は、基準展開顔画像と合成されていない補完用展開顔画像の中から、何れか一つの補完用展開顔画像を選択する(ステップS113)。例えば、基準展開顔画像と比較して、最もテクスチャ情報の欠落を補える補完用展開顔画像を選択するのが好適である。そして顔画像合成部57は、基準展開顔画像と選択した補完用展開顔画像の対応する画素の値を、算出された重み係数を用いて(2)式に従って加重平均することにより、合成展開顔画像を作成する(ステップS114)。そして顔画像合成部57は、作成した合成展開顔画像を記憶部4に記憶する。
画像処理部5は、合成展開顔画像にテクスチャ情報の欠落部分が存在するか否か判定する(ステップS115)。合成展開顔画像にテクスチャ情報の欠落部分が存在すれば、画像処理部5は、ステップS112〜S115の処理を繰り返す。この場合、ステップS112では、重み係数は、合成展開顔画像に基づいて再算出される。
一方、ステップS115にて、合成展開顔画像にテクスチャ情報の欠落部分が存在しなければ、画像処理部5の展開顔画像マッピング部58は、合成展開顔画像を、基準展開顔画像の作成に利用された3次元顔形状データにマッピングすることにより、合成3次元顔モデルを作成する(ステップS116)。そして展開顔画像マッピング部58は、作成した合成3次元顔モデルを記憶部4に記憶し、あるいは、通信ネットワークを介して他の機器へ出力する。
その後、画像処理部5は、顔画像合成処理を終了する。
なお、記憶部4が3次元顔形状データを一つしか記憶していなければ、ステップS105の処理は省略されてもよい。
さらに、顔画像選定部は、登録対象者について作成された全ての展開顔画像のうち、対応する入力顔画像に写っているその登録対象者の表情が最も無表情に近いものを、基準展開顔画像としてもよい。入力顔画像に写っている登録対象者の表情を判定するために、顔画像選定部は、公知の様々な表情判定方法の何れかを利用することができる。例えば、顔画像選定部は、"Recognizing Action Units for Facial Expression Analysis"、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol.23、No.2、2001年、に開示されている手法を用いることができる。この場合、記憶部は、人の2D顔特徴点について、無表情の状態における標準的な特徴点配置を予め記憶しておく。そして顔画像選定部は、入力顔画像から抽出された2D顔特徴点のそれぞれと、上記の標準的な特徴点配置における各2D顔特徴点の位置ずれ量の総和を調べ、その位置ずれ量の総和が所定以下であれば、入力顔画像に写っている登録対象者の表情は無表情であると判定する。その判定の際には、その位置ずれ量の時系列的な変化も考慮されてよい。
例えば、記憶部は、人の2D顔特徴点について、正面を向いた状態における特徴点配置を予め記憶しておく。そして顔画像選定部は、各入力顔画像について、入力顔画像から抽出された2D顔特徴点のそれぞれと、上記の正面を向いた状態における特徴点配置の各2D顔特徴点の位置ずれ量の総和を求める。この位置ずれ量の総和が小さいほど、入力顔画像に写っている顔は正面を向いていると推定される。そこで顔画像選定部は、その位置ずれ量の総和が最小となる入力顔画像に対応する展開顔画像を基準展開顔画像とする。
また顔画像選定部は、顔の大きさを正規化しておいて、d1とd2の和が最大の入力顔画像が最も正面を向いていると判断してもよい。
この方法は、顔画像合成装置が撮像部を複数備え、例えば、廊下の天井付近から左右ほぼ同時に撮影する場合に有効である。
図7(a)に示すように、基準展開顔画像700には二つのテクスチャ欠落領域701、702が存在している。そして孤立領域711は、テクスチャ欠落領域701と702の間に挟まれている。
そこで、合成重み算出部は、例えば、高さ1画素×幅Wk画素を持つ窓領域を設定し、図7(b)の矢印721に示されるように、基準展開顔画像の各行について、水平方向に窓領域722を順次走査する。幅Wkを大きくするほど、基準展開顔画像の多くの部分が補完用顔展開顔画像に置き換えられる傾向にあるので、基準展開顔画像を選定する意義が低下する。一方、幅Wkを小さくするほど、孤立領域であっても基準展開顔画像の情報が優先されるようになる。そのため、あまりに幅Wkを小さくし過ぎると、孤立領域が大きいときに、合成展開顔画像から作成される合成3次元顔モデルが登録対象者の顔の情報を正確に再現しなくなる。そこで幅Wkは、例えば、顔の向きの検出に大きな影響を与える両目間の距離の1/5以下〜1/10以上に設定されることが好ましい。
この結果、補完用展開顔画像に対する重み係数が1となる領域741は、図7(d)に示されるように、テクスチャ欠落領域と孤立領域を合わせたものとなる。
このような領域741を、全て補完用展開顔画像の情報で置換することにより、より登録対象者の顔の情報を正確に再現できる合成3次元顔モデルが作成される。
このような場合、合成展開顔画像では、テクスチャ欠落境界を挟んで画素値が大きく異なってしまうおそれがある。
そこで、合成重み算出部は、テクスチャ欠落境界近傍の所定範囲での基準展開顔画像の画素の平均値と、補完用展開顔画像の画素の平均値との差の絶対値Δdelが大きいほど、補完用展開顔画像の画素値が合成展開顔画像に反映されるように、(1)式のパラメータWを調節してもよい。なお、Δdelを求める所定の範囲は、例えば、テクスチャ欠落境界に隣接する画素、あるいは、顔画像合成部の処理によって基準展開顔画像と補完用展開顔画像の両方の画素値が反映される範囲、例えば、パラメータWをWmaxに設定したときに重み係数B(dist)が0.5以下となる範囲とすることができる。
このように、テクスチャ欠落境界近傍において基準展開顔画像の明るさと補完用展開顔画像の明るさに差があるほど、テクスチャ欠落境界からの距離distにおける基準展開顔画像に対する重み係数B(dist)は小さくなる。そのため、顔画像合成装置は、合成展開顔画像上でテクスチャ欠落境界を挟んで急激に画素値が変動することを抑制できる。
なお、合成重み算出部は、Δdelが大きくなるにつれてパラメータWを漸減させてもよい。
さらに、合成重み算出部は、基準展開顔画像に対する重み係数B(dist)を、テクスチャ欠落境界からの距離distに応じて単調増加する他の関数、例えば、シグモイド関数または線形関数によって求めてもよい。
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
2 撮像部
3 インターフェース部
4 記憶部
5 画像処理部
51 2D顔特徴点抽出部
52 位置合わせ情報算出部
53 入力顔画像マッピング部
54 展開顔画像生成部
55 顔画像選定部
56 合成重み算出部
57 顔画像合成部
58 展開顔画像マッピング部
Claims (5)
- 複数の顔画像を合成して合成顔画像を生成する顔画像合成装置であって、
対象者を撮影した複数の顔画像と人物の顔の形状を表す3次元顔形状データとを記憶する記憶部と、
前記複数の顔画像のそれぞれを、前記3次元顔形状データと位置合わせして、当該3次元顔形状データにマッピングすることにより、前記複数の顔画像のそれぞれに対応する3次元顔モデルを作成するマッピング部と、
複数の前記3次元顔モデルのうちの一つに対応する前記対象者の顔を表すデータを基準顔画像として選択し、複数の前記3次元顔モデルのうちの少なくとも他の一つに対応する前記対象者の顔を表すデータを補完用顔画像として選択する顔画像選定部と、
前記基準顔画像の顔のテクスチャ情報が欠けていない第1の領域において、顔のテクスチャ情報が欠けた第2の領域との境界からの距離に応じて大きくなる第1の重み係数を算出する合成重み算出部と、
前記基準顔画像の前記第2の領域に、前記補完用顔画像の対応する領域のテクスチャ情報をマッピングし、前記基準顔画像の前記第1の領域に含まれる各画素のそれぞれについて、当該画素の値に前記第1の重み係数を乗じた値と前記補完用顔画像の対応する画素の値に前記第1の重み係数が大きくなるほど小さくなる第2の重み係数を乗じた値を加算することにより、前記合成顔画像を作成する顔画像合成部と、
を有することを特徴とする顔画像合成装置。 - 前記複数の3次元顔モデルのそれぞれを2次元に展開した展開顔画像を作成する展開顔画像生成部をさらに有し、
前記顔画像選定部は、前記対象者の顔を表すデータとして前記展開顔画像を用いる、請求項1に記載の顔画像合成装置。 - 前記顔画像合成部は、前記境界近傍における前記基準顔画像の平均画素値に対する前記補完用顔画像の平均画素値の比を前記補完用顔画像の各画素値に乗じて得られた補正補完用顔画像を前記補完用顔画像として用いることにより、前記合成顔画像を作成する、請求項1または2に記載の顔画像合成装置。
- 前記合成重み算出部は、前記境界近傍における前記基準顔画像の平均画素値と前記補完用顔画像の平均画素値との差の絶対値が大きくなるほど、前記第1の重み係数を前記距離の変化に対して緩やかに変化させる、請求項1〜3の何れか一項に記載の顔画像合成装置。
- 前記合成重み算出部は、前記基準顔画像に前記第2の領域が複数存在する場合において、前記第1の領域内で前記複数の第2の領域に挟まれた第3の領域に対する前記第1の重み係数を、前記距離に応じて設定される値よりも小さい値に設定する、請求項1〜4の何れか一項に記載の顔画像合成装置。
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