JP5416561B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
このコネクタのプラグコネクタ(プラグ)は、開口した挿入用端部を一端に有し、かつ外周部に一対の被係止部を有する筒状のプラグインシュレータと、プラグインシュレータ内に固定した金属製のプラグコンタクト(端子)と、プラグコンタクトに一端が接続し他端がプラグインシュレータの他端からプラグインシュレータ外部に延びてパネルユニットに接続する電線(ケーブル)と、を具備している。一方、リセプタクルコネクタ(ソケット)は、挿入用端部が挿脱可能な開口を有する受容端部を一端に有し、かつ外周部に一対の係止部を有する筒状のリセプタクルインシュレータと、リセプタクルインシュレータ内に固定した金属製のリセプタクルコンタクト(端子)と、リセプタクルコンタクトに一端が接続し他端がリセプタクルインシュレータの他端からリセプタクルインシュレータ外部に延びてパネルユニットに接続する電線(ケーブル)と、を具備している。
プラグインシュレータの挿入用端部をリセプタクルインシュレータの受容端部(の開口)内に挿入し、かつ、一対の係止部を一対の被係止部に係合すればプラグコネクタとリセプタクルコネクタが接続し、プラグインシュレータの開口を通じてプラグコンタクトとリセプタクルコンタクトが接触するので、各パネルユニットで発生した電力を電気機器や電子機器に供給できる。
しかし、係止部と被係止部の間には微少な隙間が存在するため、プラグコネクタとリセプタクルコネクタは正規の位置(両者の軸線が完全に一致する位置)からややずれた状態で接続したり、あるいは正規の位置で接続した後に加わった外力(例えば、プラグインシュレータやリセプタクルインシュレータに対する直接的な外力や振動、ケーブルの振れやケーブルに生じる引張モーメント、屋外環境下での熱による各部材の膨張・収縮)の影響によりプラグコネクタとリセプタクルインシュレータの位置がずれてしまう。そして環状パッキンと受容端部の間には摩擦抵抗力が発生するため、この摩擦抵抗力により当該位置ずれ状態が保持されてしまうおそれがある。
このような位置ずれは、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトに不要な応力を伝達して無理な接続状況を招くため、位置ずれ状態が発生するとプラグコンタクトとリセプタクルコンタクトの間の接触圧力や接触抵抗が変動して不安定さを招いてしまい、所期の接触性能を安定して発揮できなくなる。また屋外等の劣悪な環境下で当該位置ずれ状態が長く続くと、伝達した応力や太陽光による熱の影響等によりプラグコンタクトやリセプタクルコンタクトにクリープ変形が生じるため、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトが所期の接触性能を長期に亘り発揮できなくなる。最悪の場合は、プラグコネクタとリセプタクルコネクタを正規の位置で接続し直しても、所期の性能を得ることができない虞がある。
また、プラグインシュレータの挿入用端部とリセプタクルインシュレータの受容端部の接続時に、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトは互いに傾斜接触面によって所定の相対位置関係となるように誘導されながら接触するので、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトが無理な接触状態となり難い。特に視認性等の作業性の悪い屋外環境下等においては、回転や位置ずれ嵌合する可能性が高いため、誘導されることでコンタクトの破損防止と確実な嵌合作業を実現できる。
さらに、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトが4つの傾斜接触面どうしで接触するとプラグコンタクトとリセプタクルコンタクトの接触状態は極めて安定するので、その後にプラグインシュレータやリセプタクルインシュレータに外力が掛かっても、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトは4つの傾斜接触面どうしによる接触状態を維持したまま収納孔内を移動するので、プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトの接触性能が低下することはない。
図1は太陽光発電システム100を示している。太陽光発電システム100は多数(図1では2つのみ図示)のパネルユニット101同士を電気的に接続したものであり、屋外(例えばビルの屋上など)に配置するものである。パネルユニット101は4枚の太陽光発電パネル102からなるものであり(各太陽光発電パネル102は互いに電気的に接続している)、その中の一つの太陽光発電パネル102にはジョイントボックス103が設けてある。そして、各パネルユニット101に設けたジョイントボックス103と、パネルユニット101から分離した多数のジョイントボックス104との間を、ジョイントボックス103、104から延びる2本の電線105の端部間に設けたコネクタ10(図1では図示略)を介して互いに接続したり中継することにより、各パネルユニット101で発生した電力を電気機器や電子機器(いずれも図示略)に供給している。
まずプラグコネクタ15の詳しい構造について説明する。プラグコネクタ15の構成要素はプラグインシュレータ20、ブッシュ35、締付キャップ37、プラグコンタクト40、及び、環状パッキンRである。
プラグインシュレータ20は絶縁性かつ耐候性の合成樹脂料(例えばPBT、PPS、ABS等)を射出成形した筒状部材であり、その内部にはプラグインシュレータ20を軸線方向に貫通する収納孔20aが形成してある。プラグインシュレータ20の一方の端部は円筒形状をなす挿入用端部21となっており、挿入用端部21の断面円形をなす外周面には環状溝22が凹設してある。環状溝22には弾性材料(例えばゴム)からなる環状パッキンRが自由状態より伸びた状態で嵌めてある。また、環状溝22と挿入用端部21(の端部)の間には表面が曲面である環状凸部21aが形成してある。挿入用端部21の内部には収納孔20aの一部を構成する十字孔23が形成してある。図5に示すとおり十字孔23の断面形状は十文字形であり、図5において水平をなすプラグコンタクト収納部24と、正面視においてプラグコンタクト収納部24の中央部の上下に位置する一対のリセプタクルコンタクト受容部25と、を有している。図9、図10に示すように、収納孔20aの十字孔23を除く部分(挿入用端部21と反対側の部分)は十字孔23より大径の円形孔であり、該円形孔のプラグコンタクト収納部24との接続端部は挿入規制面24aとなっている。さらに、円形孔のプラグコンタクト収容部24に対応する内壁にはプラグコンタクト40の一対の案内突起46をガイドするガイド溝24bが形成されている(図9参照)。また、一対のリセプタクルコンタクト受容部25の挿入用端部21の先端と反対側の端部には、プラグインシュレータ20の中心軸側に向かって延びる抜止爪26がそれぞれ突設してある(図10参照)。プラグインシュレータ20の中間部の外周面からは弾性変形可能な板状部材である一対の弾性変形腕27が延びている。一対の弾性変形腕27は互いに平行であり、その先端部には係合爪28が突設してある。プラグインシュレータ20の挿入用端部21と反対側の端部には、プラグインシュレータ20の軸線と平行な多数のスリットを入れることにより形成した多数のフィン30が周方向に並べて形成してある。各フィン30はその基端部(挿入用端部21側の端部)を中心にプラグインシュレータ20の径方向に弾性変形可能である。また、プラグインシュレータ20の外周面にはフィン30の挿入用端部21側に位置する雄ねじ溝32が形成してある。
プラグインシュレータ20と同心をなす筒状部材である締付キャップ37は絶縁性かつ耐候性の合成樹脂料(例えばPBT、PPS、ABS等)を射出成形したものである。締付キャップ37の内部孔の挿入用端部21側の部分には雄ねじ溝32と螺合可能な雌ねじ溝38が形成してあり、該内部孔の残りの部分は自由状態にある各フィン30の外径よりやや小径の環状押圧面39となっている。
プラグコンタクト40は電線接続部(導体接続部)41と接触部44とを具備している。
電線接続部41は、断面半円形をなしかつ互いの基端部どうしが一体化した一対の変形接続片42を具備しており、電線105に接続する前の状態においては略円筒形状をなしている(図4参照)。
一対の変形接続片42の基端部からは接触部44が延びている。接触部44は、変形接続片42の基端部に連なる第1接触片45と、第1接触片45の側方に並んだ状態で位置する第2接触片51と、第1接触片45と第2接触片51を接続する弾性接続部53と、を具備している。第1接触片45の基端部(変形接続片42側の端部)の両側縁部には一対の誘導突起46が突設してあり、かつ第1接触片45の先端面には基端側に向かって延びる嵌合溝47が形成してある。図4、図14、図15等に示すように、嵌合溝47内面の一対の対向面は互いに平行な平面であり、該平面の外側縁部は該平面及び第1接触片45の板厚方向に対して約45°の角度で傾斜する傾斜接触面48となっている。また、第1接触片45には切り起こしにより外側に向かって突出する抜止片49が形成してある。
第2接触片51は第1接触片45と略同形状かつ第1接触片45と平行であり、第1接触片45に形成したのと同一形状の嵌合溝47及び傾斜接触面48が形成してある。さらに第2接触片51にも切りおこしにより抜止片49が形成してある。
弾性接続部53は第1接触片45と第2接触片51の一方の側縁部同士を接続する部分であり、その幅が第1接触片45及び第2接触片51に比べて短いため第1接触片45及び第2接触片51に比べて弾性変形し易い。
一方、一部の電線105のジョイントボックス103、104と反対側の端部(芯線106の端部)にはプラグコンタクト40の電線接続部41を接続してある。具体的には、芯線106の端部を電線接続部41の内部に挿入した状態で工具を使って一対の変形接続片42を内周側にかしめて(塑性変形させて)、一対の変形接続片42を芯線106の端部に抜け止めした状態で圧接している。プラグコンタクト40の元となる金属板は肉厚が薄いので、一対の変形接続片42のかしめ作業は容易に行うことが可能である。なお、変形接続片42の形態として、本実施形態のクローズドバレルの他に、オープンバレルやIDC接続等も対応可能である。また、必要に応じてかしめた後にさらにはんだ付けを行ってもよい。
プラグコネクタ15を組み立てるには、まずフィン30の内部にブッシュ35を嵌合し、電線105と一体化したプラグコンタクト40を締付キャップ37の内部孔を通してブッシュ35の内部に挿入する。そして、第1接触片45、第2接触片51、及び、一対の案内突起46を十字孔23のプラグコンタクト収納部24に挿入すると、一対の案内突起46がガイド溝24bによりガイドされ、一対の抜止片49が弾性変形する抜止爪26を乗り越えて対応するリセプタクルコンタクト受容部25内に位置し、かつ、一対の案内突起46が挿入規制面24aに当接するので、ガイド溝24bと案内突起46によってプラグコンタクト40の姿勢がほぼ規制されるとともに挿入規制面24aと抜止爪26によってプラグコンタクト40の十字孔23からの意図しない脱出は規制される。ただし、挿入規制面24aから抜止爪26までのプラグインシュレータ20の軸線方向距離は案内突起46の端面(電線接続部41側の端面)から抜止片49の端面(嵌合溝47側の端面)までの軸線方向距離より長いため、プラグコンタクト40は収納孔20a内を上記軸線方向に(当該距離の差の範囲内で)相対移動可能である。さらに、プラグコンタクト40の外面と十字孔23の内面の間には(プラグインシュレータ20の径方向の)クリアランスが生じているため、プラグコンタクト40は収納孔20a内をプラグインシュレータ20の径方向に該クリアランスの範囲内で相対移動可能である。そして、この後に締付キャップ37の雌ねじ溝38を雄ねじ溝32に螺合させて締付キャップ37をプラグインシュレータ20と一体化するとプラグコネクタ15が完成する。すると締付キャップ37の環状押圧面39によって内周側に押圧された各フィン30の内周面がブッシュ35に圧接し、該圧接力がブッシュ35を介して絶縁被覆107の外周面に及ぶので、電線105のプラグインシュレータ20(ブッシュ35)に対する水密性と固定力が得られる。
リセプタクルインシュレータ55は絶縁性かつ耐候性の合成樹脂料(例えばPBT、PPS、ABS等)を射出成形した筒状部材であり、その内部にはリセプタクルインシュレータ55を軸線方向に貫通する収納孔55aが形成してある。リセプタクルインシュレータ55の一方の端部は受容端部56となっており、受容端部56の内部には収納孔55aの一部を構成する、断面円形で挿入用端部21の外径と略同径のプラグ受容孔57が形成してある。さらに収納孔55aの中央部はプラグ受容孔57と連続する十字孔58となっている。図8に示すとおり十字孔58の断面形状は十文字形であり、図8において垂直をなすリセプタクルコンタクト収納部59と、正面視においてリセプタクルコンタクト収納部59の中央部の左右に位置する一対の抜止部60と、を有している。図9、図10に示すように、収納孔55aのうちプラグ受容孔57及び十字孔58を除く部分(受容端部56と反対側の部分)は十字孔58より大径の円形孔であり、該円形孔のリセプタクルコンタクト収納部59との接続部は挿入規制面59aとなっている。さらに、円形孔のリセプタクルコンタクト収納部59に対応する内壁にはリセプタクルコネクタ54の一対の案内突起46をガイドするガイド溝55bが形成されている(図10参照)。また、一対の抜止部60のプラグ受容孔57と反対側の端部には、リセプタクルインシュレータ55の中心軸側に向かって延びる抜止爪61がそれぞれ突設してある(図9参照)。リセプタクルインシュレータ55の受容端部56側の端部の外周面には一対の係合枠63が突設してあり、係合枠63と受容端部56の間は係合孔64となっている。またリセプタクルインシュレータ55の外周面には正面視において一対の係合枠63とは90°ずつ角度がずれた一対の支持突部65が突設してある。さらにリセプタクルインシュレータ55の支持突部65と反対側の端部には多数のフィン30が形成してあり、フィン30と受容端部56の間に位置する部分には雄ねじ溝32が形成してある。
リセプタクルコンタクト70はプラグコンタクト40と同一仕様(同一形状、同一材質)であり、電線105(プラグコネクタ15とは接続していない電線105)の端部のうちジョイントボックス103、104と反対側の端部(芯線106の端部)に対して電線接続部41をプラグコンタクト40と同じ要領で接続してある。
このようにプラグコネクタ15とリセプタクルコネクタ54を組み付けてコネクタ10を構成すると、互いに接触するプラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70(接触部44)の間で太陽光発電パネル102が生み出した電流が流れ、該電流が電気機器や電子機器に供給される。さらに、プラグコンタクト40及びリセプタクルコンタクト70の接触部44は剛性が高く弾性変形量が小さいため、プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70を接続したときの傾斜接触面48同士の嵌合力は高く、意図的に弾性変形腕27(係合爪28)を係合孔64(係合枠63)から脱出させてプラグコネクタ15とリセプタクルコネクタ54を引き離さない限りプラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70の接触状態は維持される。
また、コンタクト40、70、締結キャップ37、68、ブッシュ35はプラグコネクタ15とリセプタクルコネクタ54とで同一のものを利用可能なので、部品数の低減も実現できるとともに、組立作業における部品の組み付けの間違いを防止できる。
さらに、電線105とコンタクトとの結線作業は工具を必要とするが、プラグコネクタ15及びリセプタクルコネクタ54の組立てとコネクタ10の組立までの作業は作業現場で簡単に行なうことができる。これにより、電線105の引き回しや長さの調整、電線105の一端のみのコネクタ交換やパネル交換や修理等の際にコネクタ10を新たに付け替えることが容易となるので、本実施形態のコネクタ10の構造は設備上及び作業上有益である。
即ち、プラグインシュレータ20とリセプタクルインシュレータ55は正規の位置、即ちプラグインシュレータ20とリセプタクルインシュレータ55の軸線が完全に一致し、かつ、プラグコンタクト収納部24とリセプタクルコンタクト収納部59が直交する位置で接続するのが理想的であるが、プラグインシュレータ20とリセプタクルインシュレータ55の接続途中で環状パッキンRと受容端部56の内面による摩擦抵抗力が発生し、しかも弾性変形腕27と係合孔64の間には所定のクリアランスが存在するので、必ずしも正規の位置で接続するとは限らない。また、正規の位置で接続させることができたとしても、その後にコネクタ10に対して様々な外力が生じるとプラグインシュレータ20とリセプタクルインシュレータ55の相対位置(プラグインシュレータ20、リセプタクルインシュレータ55の軸線方向位置、径方位置、あるいは軸線周りの回転方向位置)が弾性変形腕27と係合孔64のクリアランスの範囲内で変化してしまうことがある。このようにプラグインシュレータ20とリセプタクルインシュレータ55が正規の位置とは異なる位置で嵌合すると、環状パッキンRと受容端部56の内周面との間に生じる摩擦抵抗力によって当該接続状態が保持されてしまうため、プラグコンタクト40の傾斜接触面48とリセプタクルコンタクト70の傾斜接触面48の間に無理な力が一時的に生じる。すると、この力によってプラグコンタクト40又は(及び)リセプタクルコンタクト70が収納孔20aと収納孔55aの内部で僅かに移動することによりこの力を吸収するので、プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70は傾斜接触面48同士の誘導作用によって互いの傾斜接触面48同士が面接触する正規の接触状態となる。従って、環状パッキンRによってプラグコネクタ15とリセプタクルコネクタ54の水密性を高めつつ、プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70に所期の接触性能を確実に発揮させることが可能である。さらに、屋外環境下での使用によりプラグコンタクト40及びリセプタクルコンタクト70が太陽光による熱を長期間に渡って受けたとしても、プラグコンタクト40やリセプタクルコンタクト70にクリープ変形が生じることもない。つまり、嵌合作業中や嵌合後に掛かる外力によってコネクタ10が短期的に非正規状態となったり、長期間に渡って屋外などの劣悪環境下にさらされた場合のいずれも安定した接触性能を維持発揮することができるコネクタ10を提供できる。
しかも、接触部44のみ第1接触片45と第2接触片51を重ねて構成してあるので(電線接続部41は1枚板構造なので)、電線接続部41と電線105の接続作業は容易である一方で、接触部44全体の剛性は大きい。
さらに、プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70が嵌合した際は傾斜接触面48の傾斜により、第1接触片45と第2接触片51には互いに均等に密着する方向に力が働くので、プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70は電気的性能に加え力学的にも安定することとなる。
さらに、リセプタクルコンタクト70に図15(A)の場合よりさらに大きな捻り力が掛かった場合は、図15(B)に示すように、各第1接触片45、各第2接触片51に矢印で示した移動力が生じるためリセプタクルコンタクト70の第1接触片45と第2接触片51が垂直方向に相対的に平行移動する。しかし、対向する傾斜接触面48同士の面接触状態は保持されるので、接触抵抗の変動が極めて少なく接触する傾斜接触面48同士の接触信頼性は維持される。
また、第1接触片45と第2接触片51が相対移動可能であることから、接触部44に捻りが生じても、接触部44には捻れた状態から力学的に安定した正対状態(図15参照)になるようにモーメント(復帰力)が働く。そのため、接触部44は捻りから復帰し易い、柔軟性に優れた信頼性の高い接触構造である。
例えば、図16〜図18に示すようにプラグコンタクト40’、リセプタクルコンタクト70’の接触部44を一枚板構造にしてもよい。この場合は嵌合溝47が一つとなるので、図18に示すように嵌合溝47の4つの側縁部すべてに傾斜接触面48を形成する。また、抜止片49は接触部44の一方の側面のみに形成する。このように一枚板構造にした場合は接触する傾斜接触面48同士の誘導作用は2枚板構造に比べてやや低下するが、2枚板構造の場合と同種の作用効果を一定レベルで発揮可能である。
また、プラグコンタクト40、リセプタクルコンタクト70の接触部44を3枚以上の接触片により構成し、隣り合う接触片の一方の側縁部同士を弾性接続部で接続してもよい。
さらに、接触部44が複数枚構造である場合に、隣り合う接触片(例えば第1接触片45と第2接触片51)の対向面同士を最初から(プラグコンタクト40とリセプタクルコンタクト70を接続する前から)接触させてもよい。
さらに、電線接続部41を電線105の芯線106に対してはんだ付け可能な形状としてもよい。
さらに弾性変形腕27(係合爪28)と係合枠63(係合孔64)を省略してもよい。ただし、この場合は例えば挿入用端部21と受容端部56の間に嵌合後の両者の相対回転を微少範囲で規制する回転規制手段を設けるのが好ましい。
15 プラグコネクタ
20 プラグインシュレータ
20a 収納孔
21 挿入用端部
21a 環状凸部
22 環状溝
23 十字孔
24 プラグコンタクト収納部
24a 挿入規制面
24b ガイド溝
25 リセプタクルコンタクト受容部
26 抜止爪
27 弾性変形腕
28 係合爪
30 フィン
32 雄ねじ溝
35 ブッシュ
37 締付キャップ
38 雌ねじ溝
39 環状押圧面
40 40’ プラグコンタクト
41 電線接続部
42 変形接続片
44 接触部
45 第1接触片(接触片)
46 案内突起
47 嵌合溝
47a 誘い込み部
48 傾斜接触面
49 抜止片
51 第2接触片(接触片)
53 弾性接続部
54 リセプタクルコネクタ
55 リセプタクルインシュレータ
55a 収納孔
55b ガイド溝
56 受容端部
57 プラグ受容孔
58 十字孔
59 リセプタクルコンタクト収納部
59a 挿入規制面
60 抜止部
61 抜止爪
63 係合枠
64 係合孔
65 支持突部
68 締付キャップ
70 70’ リセプタクルコンタクト
100 太陽光発電システム
101 パネルユニット
102 太陽光発電パネル
103 104 ジョイントボックス
104a 貫通収納孔
105 電線
106 芯線(金属線)(導体)
107 絶縁被覆
R 環状パッキン
Claims (6)
- 開口した挿入用端部を一端に有するプラグインシュレータ、及び、該プラグインシュレータ内に収納した金属製のプラグコンタクトを、有するプラグコネクタと、
上記挿入用端部が挿脱する開口を有する受容端部を一端に有するリセプタクルインシュレータ、及び、該リセプタクルインシュレータ内に収納した、上記受容端部に挿入用端部を挿入した接続状態となったときに上記開口を通じて上記プラグコンタクトと接触する金属製のリセプタクルコンタクトを、有するリセプタクルコネクタと、を備えるコネクタにおいて、
上記プラグインシュレータとリセプタクルインシュレータに形成した、上記プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトを所定の範囲内で相対移動可能としてそれぞれ収納する収納孔と、
上記プラグコンタクト及びリセプタクルコンタクトの上記開口側の端部に形成した、互いの板厚方向が略直交する板状の接触部と、
該各接触部の先端から相手方コンタクトと反対側に向かって延びる嵌合溝と、
該嵌合溝内面の一対の対向面の側縁部に形成した、上記各接触部の板厚方向に対して傾斜し、上記接続状態において自身の上記嵌合溝が相手方コンタクトの嵌合溝と嵌合したときに互いに接触する傾斜接触面と、
上記挿入用端部の外周面に嵌めた、上記接続状態において上記受容端部の内周面に接触する弾性材料からなる環状パッキンと、
を備えることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1記載のコネクタにおいて、
上記プラグインシュレータとリセプタクルインシュレータの一方に形成した、上記開口の外周側に位置する係合孔と、
他方に形成した、上記接続状態となったときに該係合孔に係合し該接続状態を保持する、上記開口の外周側に位置する係合爪と、
を備えるコネクタ。 - 請求項1または2記載のコネクタにおいて、
上記接触部が、上記板厚方向に並んだ、隣り合うものの一方の側縁どうしを弾性変形可能な弾性接続部によって接続した一対の接触片を具備し、
上記各嵌合溝の内面の外側の側縁部に上記傾斜接触面を形成したコネクタ。 - 請求項1から3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
上記受容端部に挿入用端部を挿入するとき、上記環状パッキンが上記受容端部の内周面に接触した後に上記プラグコンタクトとリセプタクルコンタクトが接触するように、上記挿入用端部に対する上記環状パッキンの取付位置を設定したコネクタ。 - 請求項1から4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
上記挿入用端部の外周面及び上記受容端部の内周面が共に円形であるコネクタ。 - 請求項1から5のいずれか1項載のコネクタにおいて、
上記傾斜接触面が、上記板厚方向に対して約45°の角度で傾斜するコネクタ。
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