JP5415310B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
図10は一般的な3セクタ構成を示す図であり、(a)は基地局構成の一例を示す図、(b)はセクタセルを示す図である。
図10の(a)に示すように、局舎121に基地局装置(BS)122が設けられている。基地局装置122は、ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置(BB)と無線周波数に関わる処理を行うRF装置(RF)を備えている。一般的な3セクタ構成では、図10の(a)及び(b)に示すように、指向性アンテナを有する3個のRF装置124,125,126と3セクタ共通のベースバンド装置123が正六角形セル127の中心部に配置されている。
このような構成において、3セクタで協調してスケジューリング(ユーザ割当処理)を行うことで特にセクタ端におけるスループットの改善を図ることが可能である。図10(b)中の128は協調スケジューリングの範囲を示している。
前述のように、複数セクタで協調して信号を送信するセクタ間協調送信を行う場合、それぞれのセル127の中の閉じた範囲(図中破線の円128で示す範囲)ではセクタ間協調送信による効果が期待できる。しかしながら、基地局装置(BS)122から遠いセル端領域(図中太線131で示す範囲)では、S/Nが低く干渉が課題となるが、セクタ間協調送信だけではこれに対処することができない。
図12は光張り出し局配置について説明するための図であり、(a)は一般的な基地局配置を示す図、(b)は光張り出し局配置を示す図である。
図12(a)の一般的な基地局配置では、局舎121の上に基地局装置(BS)122を構成するベースバンド装置(BB)123とRF装置124が一体化して設けられる。これに対し、図12(b)の光張り出し局配置では、ベースバンド装置123とRF装置124が別々の装置として分離して構成され、光ファイバIP網等のネットワークを通して接続されている。すなわち、局舎121の上にはRF装置124のみが設けられており、ベースバンド装置123が設けられた基地局装置122は遠隔地に配置され、光ファイバ125及びIP網126を介して前記RF装置124に接続されている。
このような光張り出し局配置構成とすることにより、基地局装置の集約管理が可能となり、屋上設置スペースの節約を図ることができる。また、ベースバンド装置とRF装置の配置が柔軟にできるようになる。
光張り出し装置に関する先行技術文献として例えば特許文献1がある。
そこで、本発明は、光張り出し局配置を利用して、セル端領域におけるユーザをセクタ間協調送信により救済することが可能なセクタ構成を有する無線通信システムを提供することを目的としている。
また、本発明の他の無線通信システムは、3セクタセル構成を採用した無線通信システムであって、同一基地局に所属する3個のアンテナ設置サイトを正三角形の各頂点に配置し、各アンテナ設置サイトに1個ずつのセクタアンテナを設置し、前記セクタアンテナの指向方向の中心を循環的に、同一基地局に所属する他のアンテナ設置サイトの方向に設定することにより、セル繰り返し可能で面的展開可能なセルを形成したものである。
さらに、本発明のさらに他の無線通信システムは、3セクタセル構成を採用した無線通信システムであって、同一基地局に所属する第1及び第2のアンテナ設置サイトを離間して配置し、前記第1のアンテナ設置サイトに1個のセクタアンテナを設置して、該セクタアンテナの指向方向の中心を前記第2のアンテナ設置サイトの方向に設定し、前記第2のアンテナ設置サイトに2個のセクタアンテナを設置して、該2個のセクタアンテナの指向方向の中心を前記第1のアンテナ設置サイトの方向からそれぞれ左右60度方向に設定することにより、セル繰り返し可能で面的展開可能なセルを形成したものである。
さらにまた、ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、前記RF装置は前記セクタアンテナとともに前記アンテナ設置サイトに設置され、前記ベースバンド装置は前記アンテナ設置サイトとは異なる場所に集中的に設置されているものである。
さらにまた、ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、前記RF装置は前記セクタアンテナとともに前記アンテナ設置サイトに設置され、前記ベースバンド装置は前記アンテナ設置サイトのうちの一部のアンテナ設置サイトに設置されているものである。
さらにまた、ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、前記アンテナ設置サイトに、前記ベースバンド装置、前記RF装置及び前記セクタアンテナを設置したものである。
この図に示す例は、3セクタ・正六角形のセル構成とされており、セル1は図示するように正六角形の形状となっている。11は基地局装置(BS)であり、その中に3セクタ共通のベースバンド装置(BB)12が設けられている。正六角形のセル1の120°ごとの頂点(一つおきの頂点)にアンテナ設置サイト(アンテナを設置する建物)13,14及び15が配置されており、各アンテナ設置サイトにはセクタアンテナ(指向性アンテナ)を有するRF装置(RF)が設けられている。前記基地局装置11内のベースバンド装置12と、アンテナ設置サイト13内のRF装置(RF#1)、アンテナ設置サイト14内のRF装置(RF#2)及びアンテナ設置サイト15内のRF装置(RF#3)とは光ファイバ16で接続されており、前述した光張り出し局配置が採用されている。
図中の矢印は、アンテナ設置サイト13,14及び15に設けられているセクタアンテナの指向方向を示すものであり、この図に示すように、セル1の周辺部に配置された3個のセクタアンテナの指向方向の中心は、セル1の中心部に向けられている。これにより、図中、2、3及び4で示すセクタが形成されている。
送信電力協調制御の方法としては、スケジューリングの他に、複数のセクタから同一のユーザに対して送信を行う方法がある。複数のセクタにおいてセル端領域にユーザが存在しているときには、一方のユーザのみを選択することで、そのユーザに対する干渉を少なくすることができる。また、セル端領域に存在するユーザに対して、複数のセクタから同時に送信を行うことにより、そのユーザの信号受信電力を増加させることができる。
このようなセクタ構成を有するセルは、前述した従来のセクタ構成を有するセルと同様に、セル繰り返し可能で面的展開可能である。
この図において、21、22、23及び24はベースバンド装置を備えた基地局装置(BS)、31、32、33及び34は前記基地局装置21、22、23及び24内にそれぞれ設けられたベースバンド装置(BB)、41、42、43及び44は基地局装置21〜24によりカバーされる正六角形形状のセル、51、52、53、54、55、56、57及び58は、前記セル41〜44の正六角形の120度ごとの頂点に配置されたアンテナ設置サイトである。
この例においては、各アンテナ設置サイト51〜58にはそれぞれ3個のRF装置(RF)が設けられており、該3個のRF装置は、それぞれ、異なる基地局装置21〜24に設けられたベースバンド装置31〜34に接続されている。
前記図11に示した従来のセクタ構成の場合は、セルの中心部に基地局装置が配置され、セクタアンテナの指向性はセルの中心から外側に向かうように設定されていた。このため、図11におけるセル端領域131に位置するユーザを救済するためには、セル間で協調送信を行う必要があったが、図2に示すセクタセル構成の場合には、同一の基地局の配下にあるベースバンド装置により管理されるRF装置を用いるセクタ間協調により救済することができる。
同一セル内で協調を行う場合は、セル間で協調を行う場合と比較して、1個のベースバンド装置に閉じて協調を行うことができるため、ネットワークを通じてのベースバンド装置間での信号のやり取り等が不要となるという利点がある。
図3の(a)は従来の6セクタ・正六角形のセル構成のセクタ構成を示す図である。この図において、前記図11と同一の構成要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
図3の(a)に示す従来のセクタセル構成の場合には、正六角形のセル127の中心部に基地局装置(BS)122が配置され、同じ場所に設置された6個のセクタアンテナの指向性はセルの外周部に向かうように設定されていた。この場合は、太線132で囲まれたセル端領域のユーザをセクタ間送信協調により救済することができなかった。
前記図2の3セクタの場合との相違は、正六角形のセル41〜44の120°ごとの頂点に設けられているアンテナ設置サイト61〜68が、それぞれ6個のRF装置を備えており、各RF装置に接続されたセクタアンテナの指向方向の中心は、そのRF装置が所属する基地局装置21〜24によりカバーされるセル41〜44の中心部の方向とされている。
具体的には、基地局装置24のベースバンド装置34はアンテナ設置サイト81の1個のRF装置、アンテナ設置サイト82の1個のRF装置及びアンテナ設置サイト83の1個のRF装置に接続されている。そして、アンテナ設置サイト81のRF装置に接続されたセクタアンテナの指向方向の中心はアンテナ設置サイト82の方向とされており、アンテナ設置サイト82のRF装置に接続されたセクタアンテナの指向方向の中心はアンテナ設置サイト83の方向とされており、アンテナ設置サイト83のRF装置に接続されたセクタアンテナの指向方向の中心はアンテナ設置サイト81の方向とされている。
この形状のセルにおいても、アンテナから遠いセル端領域がセクタ間協調送信の範囲内となっており、セクタ間協調送信だけでセル端領域のユーザを救済することができる。また、図から明らかなように、この形状は、セル繰り返し可能で面的展開可能な形状である。
この図に示す実施の形態においては、一つのアンテナ設置サイトに3個のRF装置が設けられており、基地局装置に設けられたベースバンド装置は、第1のアンテナ設置サイトに設けられた3個のRF装置のうちの2個のRF装置と、該第1のアンテナ設置サイトに隣接する(第1のアンテナ設置サイトの2個のRF装置側の)第2のアンテナ設置サイトに設けられた1個のRF装置に接続される。そして、第2のアンテナ設置サイトのRF装置に接続されたセクタアンテナの指向方向の中心は、前記第1のアンテナ設置サイトの方向に設定されており、前記第1のアンテナ設置サイトに含まれる2個のRF装置に接続された2個のセクタアンテナの指向方向の中心は、前記第2のアンテナ設置サイトの方向から左右60度の方向(第2のアンテナ設置サイトの方向プラス60度の方向とマイナス60度の方向)に設定されている。
この形状のセルにおいても、アンテナから遠いセル端領域がセクタ間協調送信の範囲内となっており、前述の実施の形態の場合と同様に、セクタ間協調送信だけでセル端領域のユーザを救済することができる。また、図から明らかなように、この形状は、セル繰り返し可能で面的展開可能な形状である。
ベースバンド装置とRF装置の各種の設置形態について図5を参照して説明する。なお、図5の(a)〜(c)において、前述した図2と同一の構成要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
この図において、90は、例えばデータセンターなどの局舎であり、局舎90内に前述したベースバンド装置31〜34が集中配置されている。そして、各ベースバンド装置31〜34は、それぞれ、対応するアンテナ設置サイト51〜58内に設けられているRF装置に接続されている。
この図に示す例では、アンテナ設置サイト54にRF装置とともにベースバンド装置31及び32が設置されており、アンテナ設置サイト58にRF装置とともにベースバンド装置33及び34が設置されている。そして、各ベースバンド装置31〜34はそれぞれ対応するアンテナ設置サイト51〜58に設けられているRF装置に接続される。
なお、ここでは、アンテナ設置サイト54と58に2個のベースバンド装置が設置されている例を示したが、設置されるベースバンド装置の数は任意に決定することができる。また、ベースバンド装置が集中配置されるアンテナ設置サイトも任意に決定することができる。
この図に示す例では、各アンテナ設置サイト51〜58にRF装置とともにベースバンド装置を1個併設し、各ベースバンド装置31〜34がそれぞれ対応するアンテナ設置サイト51〜58にあるRF装置と接続するようにしている。なお、各アンテナ設置サイトに複数のベースバンド装置を配置するようにしてもよい。
また、今まで説明した各実施の形態のいずれの場合も、パターン的に繰り返し可能な構成となっているので、面的展開も可能である。
図6は、セクタ間協調送信の形態について説明するための図である。ここでは、3セクタ・正六角形のセル構成の場合について説明する。この場合、セクタ間協調送信の形態としては、(a)セクタ間協調送信を行わない場合、(b)2セクタがセクタ間協調送信を行う場合、及び(c)3セクタがセクタ間協調送信を行う場合の3通りある。
そして、(a)のセクタ間協調送信を行わない場合は、各セクタが自セクタセル内に位置するユーザに対して送信をする場合であり、その組合せは1通り(セクタ組合せが1通り、ユーザ選択が1通り)となる。(b)の2セクタが協調送信を行う場合は、協調送信を行うセクタの組合せが3通り(3セクタ中の2セクタの選択)、ユーザの選択が2通り(協調送信を行う2個のセクタ内に位置するユーザのどちらを選択するか)あることから6通りの組合せがある。また、(c)の3セクタがセクタ間協調送信を行う場合は、協調送信を行うセクタの組合せは1通り(3セクタ)、ユーザの選択が3通り(3セクタのうちのどのセクタ内に位置するユーザを選択するか)あることから3通りの組合せがある。
以上のことから、この場合には、セクタ間協調送信の形態が10通りあり、その全10通りの組合せの中からセル全体のスループットを最大とする組合せを選択する。
図7の(a)はセクタ間で位相制御を行わない場合であり、RF装置111から送信された信号とRF装置112から送信された信号がユーザの受信機で電力合成される。
RF装置111及び112からの送信信号をs、RF装置111から受信機までの伝搬路応答をh1、RF装置112から受信機までの伝搬路応答をh2とすると、受信電力rPは、次式で表される。
この場合、RF装置112は次式で示される信号を送信する。
図9は、セル全体のスループットのCDF特性を示す図である。セクタ間協調制御によりセル全体のスループットは大きく改善し、特に同相合成時には、従来配置で14%、本発明のセクタ構成で10%セル全体の平均スループットをそれぞれ改善できる。本発明のセクタ構成では、従来のセクタ構成と比較して、ほぼ同等のセル全体のスループットの改善効果を得る一方で、セル端特性を大幅に改善することができる。
Claims (7)
- 6セクタ・正六角形のセル構成を採用した無線通信システムであって、
同一基地局に所属する3個のアンテナ設置サイトを前記正六角形の120°ごとの頂点に配置し、各アンテナ設置サイトに2個のセクタアンテナを設置し、該2個のセクタアンテナの指向方向の中心を同一基地局に所属する他のアンテナ設置サイトの方向にそれぞれ設定することにより、セル繰り返し可能で面的展開可能なセルを形成したことを特徴とする無線通信システム。 - 3セクタセル構成を採用した無線通信システムであって、
同一基地局に所属する3個のアンテナ設置サイトを正三角形の各頂点に配置し、各アンテナ設置サイトに1個ずつのセクタアンテナを設置し、前記セクタアンテナの指向方向の中心を循環的に、同一基地局に所属する他のアンテナ設置サイトの方向に設定することにより、セル繰り返し可能で面的展開可能なセルを形成したことを特徴とする無線通信システム。 - 3セクタセル構成を採用した無線通信システムであって、
同一基地局に所属する第1及び第2のアンテナ設置サイトを離間して配置し、前記第1のアンテナ設置サイトに1個のセクタアンテナを設置して、該セクタアンテナの指向方向の中心を前記第2のアンテナ設置サイトの方向に設定し、前記第2のアンテナ設置サイトに2個のセクタアンテナを設置して、該2個のセクタアンテナの指向方向の中心を前記第1のアンテナ設置サイトの方向からそれぞれ左右60度方向に設定することにより、セル繰り返し可能で面的展開可能なセルを形成したことを特徴とする無線通信システム。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、
前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、
前記RF装置は前記セクタアンテナとともに前記アンテナ設置サイトに設置され、前記ベースバンド装置は前記アンテナ設置サイトとは異なる場所に設置されていることを特徴とする無線通信システム。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、
前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、
前記RF装置は前記セクタアンテナとともに前記アンテナ設置サイトに設置され、前記ベースバンド装置は前記アンテナ設置サイトとは異なる場所に集中的に設置されていることを特徴とする無線通信システム。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、
前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、
前記RF装置は前記セクタアンテナとともに前記アンテナ設置サイトに設置され、前記ベースバンド装置は前記アンテナ設置サイトのうちの一部のアンテナ設置サイトに設置されていることを特徴とする無線通信システム。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
ベースバンド信号処理を行うベースバンド装置と、
前記ベースバンド装置と前記セクタアンテナに接続され、無線周波数に関わる処理を行うRF装置を備え、
前記アンテナ設置サイトに、前記ベースバンド装置、前記RF装置及び前記セクタアンテナを設置したことを特徴とする無線通信システム。
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