JP5414915B2 - 光通信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、伝送路の分散量を調整して、対向装置のエラーレートの最小化を図る光通信装置に関するものである。
近年、ネットワーク通信速度の高速化に伴って、光ファイバ通信システムが急速に普及してきている。
一般的な光ファイバの特性として、光の波長によって伝搬速度が異なり、短波長の方が、伝搬速度が速い傾向にある。
このため、長波長になるほど、伝搬速度が遅くなり、波長の僅かな差によって、受信装置での受信時間が変化する。
この光の波長による遅延差(波長分散)によって波形劣化が発生し、ビットエラー特性が劣化する。
通信速度が比較的低速な光伝送システムにおいては、波長分散における波形劣化の影響が小さいが、ビットレートが高くなるほど、分散耐力が低下するため、近年の高速光伝送システムでは、波長分散における波形劣化の影響が増大している。
特に40Gb/s以上の通信速度では、分散耐力が低く、温度変化などによる僅かな分散量の変化によっても、伝送性能の劣化が発生してしまうため、高精度な分散補償技術が必要になってきている。
分散補償方法として、伝送路の分散量を打ち消すように、逆符号の同一分散量を有する分散補償ファイバを使用する方法や、伝送路の分散量を調整することができる可変分散補償器を使用する方法などがある。
40Gb/s以上の高速通信では、高精度な分散補償が必要であることから、可変分散補償器を使用することが一般的である。
また、分散補償器を使用する箇所としては、受信装置側と送信側装置の双方が考えられる。
受信装置側で分散補償器を使用する場合、劣化している受信波形に逆符号の分散量を与えることで、受信信号を復号するようにする。
一方、送信装置側で分散補償器を使用する場合、伝送路の残留分散量を打ち消すように、逆符号の分散量を事前に付加することで、受信装置側が劣化してない信号を受信することができるようにする(以下、この方式を「分散予等化方式」と称する)。
分散予等化方式を使用する光伝送システムでは、図6に示すように、送信側の光通信装置Aに搭載されている分散補償器が伝送路の分散量を調整することになるが、その分散量を最適な値に設定するには、受信側の光通信装置Bに搭載されている自装置エラーレート監視部がエラーレート(信号誤り率)を監視し、その監視結果を送信側の光通信装置Aが収集する必要がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010−34830号公報(例えば、段落番号[0009]、図1)
従来の光通信装置は以上のように構成されているので、送信側の光通信装置Aが、受信側の光通信装置Bにおけるエラーレートを収集することができれば、分散補償器が伝送路の分散量を適正に調整することができる。しかし、光通信装置A及び光通信装置Bにおけるデータ送受信用のインタフェースα間に伝送路が接続されていても、その伝送路の分散量が最適に設定されていない状況下では、主信号導通が確立されず、送信側の光通信装置Aが、受信側の光通信装置Bにおけるエラーレートを収集することができない。このため、データ送受信用のインタフェースαの他に別のインタフェースβを搭載し、別のインタフェースβを用いて、エラーレートを収集する必要があり、装置構成が複雑なる課題があった。
また、別のインタフェースβに故障等が発生すると、伝送路の分散量を調整することができなくなる課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、データ送受信用のインタフェースの他に別のインタフェースを搭載することなく、伝送路の分散量を調整して、エラーレートの最小化を図ることができる光通信装置を得ることを目的とする。
この発明に係る光通信装置は、対向装置から送信される光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段により受信された光信号が示すデータフレームのフレームロスを検出するフレームロス検出手段と、フレームロス検出手段によりフレームロスが検出された場合、そのフレームロスが未検出の状態になるまでの間、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量の調整要求する分散量調整要求光信号を対向装置に送信する分散量調整要求送信手段と、対向装置から送信された分散量調整要求光信号を受信する分散量調整要求受信手段とを設け、分散量調整要求受信手段により分散量調整要求光信号が受信された場合、分散量調整手段が、対向装置との間の伝送路の分散量を対向装置からの受信情報を用いずに粗調整するようにしたものである。
この発明によれば、対向装置から送信される光信号を受信する光信号受信手段と、光信号受信手段により受信される光信号の入力断を検出する光入力断検出手段と、光信号受信手段により受信された光信号が示すデータフレームのフレームロスを検出するフレームロス検出手段と、光入力断検出手段による光信号の入力断が未検出の状態で、フレームロス検出手段によりフレームロスが検出された場合、そのフレームロスが未検出の状態になるまでの間、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量の調整要求を示す特定パターンの光信号を対向装置に送信する分散量調整要求送信手段と、対向装置から送信された分散量の調整要求を示す特定パターンの光信号を受信する分散量調整要求受信手段とを設け、分散量調整要求受信手段により特定パターンの光信号が受信された場合、分散量調整手段が、対向装置との間の伝送路の分散量を調整するように構成したので、データ送受信用のインタフェースの他に別のインタフェースを搭載することなく、伝送路の分散量を調整して、エラーレートの最小化を図ることができる効果がある。
この発明の実施の形態1による光通信装置を示す構成図である。 分散量調整要求パターンの一例などを示す説明図である。 この発明の実施の形態2による光通信装置を示す構成図である。 分散量調整要求パターンの一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による光通信装置を示す構成図である。 特許文献1に開示されている光通信装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による光通信装置を示す構成図である。
図1の例では、同一構成の光通信装置Aと光通信装置Bが伝送路(光ファイバ)1,2を介して接続されている。
また、光通信装置Aと光通信装置Bは、データ送受信用のインタフェースを搭載しているが、伝送路の分散量を調整するための専用のインタフェースは搭載していない。
図1において、O/E変換部11は対向装置から送信される光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する処理を実施する。なお、O/E変換部11は光信号受信手段を構成している。
フレーム終端部12はO/E変換部11から出力された電気信号からデータフレーム(対向装置のフレーム生成部19により生成されたデータフレーム)を終端する。
光入力断検出部13はO/E変換部11から出力される電気信号を監視して、O/E変換部11により受信される光信号の入力断を検出する処理を実施する。
また、光入力断検出部13はO/E変換部11から出力される電気信号を監視して、対向装置から送信される分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器21に出力する処理を実施する。
なお、O/E変換部11及び光入力断検出部13から光入力断検出手段と分散量調整要求受信手段が構成されている。
フレームロス検出部14はフレーム終端部12により終端されたデータフレームを監視して、データフレームのフレームロスを検出する処理を実施する。
なお、フレーム終端部12及びフレームロス検出部14からフレームロス検出手段が構成されている。
パターン生成部15は光入力断検出部13による光信号の入力断が未検出の状態で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターンを生成し、そのフレームロスが未検出の状態になるまでの間、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に繰り返し出力する処理を実施する。
ただし、パターン生成部15はデータフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を送信(例えば、データフレームの伝送速度の1/4以下の伝送速度で送信)するため、数十〜数百Mb/s程度の周波数でE/O変換部16が光のON/OFFを行う分散量調整要求パターンを生成する。
E/O変換部16はフレーム生成部19により生成されたデータフレームを示す電気信号を受けると、その電気信号を光信号に変換して、その光信号を伝送路1(または、伝送路2)に送信し、パターン生成部15から分散量調整要求パターンを受けると、その分散量調整要求パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整要求パターンに対応する光信号を伝送路1(または、伝送路2)に送信する処理を実施している。
なお、パターン生成部15及びE/O変換部16から分散量調整要求送信手段が構成されている。
自装置エラーレート監視部17はフレーム終端部12により終端されたデータフレームを監視して、自装置のエラーレートを検出する処理を実施する。
エラーレート挿入制御部18は自装置エラーレート監視部17により検出された自装置のエラーレートをデータフレーム内のオーバーヘッド領域(ユーザに開放されている領域)に挿入する指示をフレームレート生成部19に出力する処理を実施する。
フレームレート生成部19は対向装置側に送信するデータを含むデータフレームを生成するとともに、エラーレート挿入制御部18の指示の下、自装置のエラーレートをデータフレーム内のオーバーヘッド領域に挿入する処理を実施する。
対向装置エラーレート監視部20はフレーム終端部12により終端されたデータフレーム内のオーバーヘッド領域から対向装置のエラーレートを取得する処理を実施する。
分散補償器21は光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、伝送路1(または、伝送路2)に与える分散値を変更する(例えば、分散可能範囲内で、その最小値から最大値に至るまで、分散値を徐々に大きくしていく変更を行う)ことで、伝送路1(または、伝送路2)の分散量を調整する処理を実施する。
即ち、分散補償器21は光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号が出力されると、伝送路1(または、伝送路2)における分散量の粗調整を開始し、光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号が出力されなくなると、対向装置エラーレート監視部20により取得された対向装置のエラーレートが最小になるように、伝送路1(または、伝送路2)における分散量の微調整を行う。
なお、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器21から分散量調整手段が構成されている。
図1の例では、光通信装置の構成要素であるO/E変換部11、フレーム終端部12、 光入力断検出部13、フレームロス検出部14、パターン生成部15、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器21のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、光通信装置がコンピュータなどで構成される場合には、O/E変換部11、フレーム終端部12、 光入力断検出部13、フレームロス検出部14、パターン生成部15、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器21の処理内容を記述しているプログラムの全部又は一部をコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
主信号のビットレートが高速になるほど、波長分散の影響を大きく受けて、伝送性能の劣化が大きくなり、主信号の導通が困難になる。
一方、ビットレートが低速である場合には、波長分散の影響が小さくなるため、伝送性能の劣化が小さくなり、ビットレートが高速である場合と比べて、主信号の導通が容易になる。
そこで、この実施の形態1の光通信装置A,Bでは、波長分散の影響をほとんど受けないようにするために、数十〜数百Mb/s程度の周波数でE/O変換部16が光のON/OFFを行う分散量調整要求パターンを生成して、その分散量調整要求パターンを低速なビットレートで対向装置である光通信装置B,Aに送信するようにする。
以下、光通信装置A,Bの処理内容を具体的に説明する。
光通信装置Aと光通信装置Bの間は、伝送路1,2で接続されており、伝送路1の分散量は、光通信装置Aの分散補償器21が調整し、伝送路2の分散量は、光通信装置Bの分散補償器21が調整する。
光通信装置Aと光通信装置Bの間の伝送路1,2が接続されていない状態では、光通信装置A,BのO/E変換部11が対向装置である光通信装置B,Aから送信される光信号を受信することができないため、光通信装置A,Bの光入力断検出部13が、O/E変換部11により受信される光信号の入力断を検出する。
その後、光通信装置Aと光通信装置Bの間に伝送路1,2が接続されると、光通信装置A,Bの光入力断検出部13による光信号の入力断が未検出の状態になる。
光通信装置Aの分散補償器21による伝送路1の分散量の調整方法と、光通信装置Bの分散補償器21による伝送路2の分散量の調整方法は同様であるため、以下、伝送路1の分散量の調整方法を説明する。
光通信装置Aのフレームレート生成部19は、光通信装置B側に送信するデータを含むデータフレームを生成し、そのデータフレームを分散補償器21に出力する。
光通信装置Aの分散補償器21は、フレームレート生成部19からデータフレームを受けると、そのデータフレームに対して所定の分散値を付加する。
光通信装置AのE/O変換部16は、分散補償器21から所定の分散値が付加されているデータフレームを受けると、そのデータフレームを電気信号から光信号に変換し、その光信号を伝送路1に出力する。
これにより、光通信装置Aから出力された光信号は、伝送路1を伝搬して、光通信装置Bに到達する。
光通信装置BのO/E変換部11は、光通信装置Aから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Bのフレーム終端部12は、O/E変換部11が光信号を電気信号に変換すると、その電気信号からデータフレーム(光通信装置Aのフレーム生成部19により生成されたデータフレーム)を終端する。
光通信装置Bのフレームロス検出部14は、フレーム終端部12により終端されたデータフレームを監視して、データフレームのフレームロスの検出処理を実施するが、光通信装置Aの分散補償器21が付加する分散値が適正な値ではなく、光通信装置Aと光通信装置Bの間で、導通が確立していない状態では、そのデータフレームのフレームロスを検出する。
この実施の形態1では、説明の便宜上、導通が確立しておらず、フレームロス検出部14がデータフレームのフレームロスを検出するものとして、以下の説明を行う。
なお、フレームロスを検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明を省略する。
光通信装置Bのパターン生成部15は、光入力断検出部13による光信号の入力断が未検出の状態(光通信装置Aと光通信装置Bの間に伝送路2が接続されている状態)で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターンを生成し、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に出力する。
ただし、パターン生成部15は、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を送信(例えば、データフレームの伝送速度の1/4以下の伝送速度で送信)するため、数十〜数百Mb/s程度の周波数でE/O変換部16が光のON/OFFを行う分散量調整要求パターンを生成する。図2(a)は分散量調整要求パターンの一例を示している。
なお、パターン生成部15は、フレームロス検出部14がフレームロスを検出しなくなるまで、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に繰り返し出力する。
光通信装置BのE/O変換部16は、パターン生成部15から分散量調整要求パターンを受けると、その分散量調整要求パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整要求パターンに対応する光信号を伝送路2に出力する。
即ち、E/O変換部16は、パターン生成部15から出力された分散量調整要求パターンにしたがって、図2(a)に示すような強制光出力停止制御(SHUTDOWN制御)を実施することで、光のON/OFFを実行する。
これにより、E/O変換部16から伝送路2に出力される光信号の信号レベルは、図2(b)のようになる。
E/O変換部16から伝送路2に出力される光信号は、低速な周波数で光のON/OFFが行われているので、波長分散の影響をほとんど受けることなく、対向装置である光通信装置Aに伝送される。
光通信装置AのO/E変換部11は、光通信装置Bから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Aの光入力断検出部13は、O/E変換部11から出力される電気信号を監視して、光通信装置Bから送信される分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断(図2(c)を参照)を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器21に出力する。
光通信装置Aの分散補償器21は、光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、伝送路1における分散量の粗調整を開始して、伝送路1に与える分散値を変更する。
例えば、分散可能範囲(例えば、200〜300ps/nm)内で、その最小値から最大値に至るまで、伝送路1に与える分散値を徐々に大きくしていく変更を行うことで、伝送路1の分散量を調整する。
ここでは、分散補償器21が、光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号を1回受けると、分散量の粗調整を開始する例を示しているが、光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号を複数回受けることで、分散量の粗調整を開始するようにしてもよい。
光通信装置Bのフレームロス検出部14は、データフレームのフレームロスの検出処理を継続しており、光通信装置Aの分散補償器21が分散量の粗調整を開始して、その分散量が概ね適正な値になることで、光通信装置Aと光通信装置B間の導通が確立すると、フレームロスの検出状況が“未検出”に変化する。
光通信装置Bのパターン生成部15は、上述したように、分散量調整要求パターンをE/O変換部16に繰り返し出力しているが、フレームロス検出部14によるフレームロスの検出状況が“未検出”に変化すると、E/O変換部16に対する分散量調整要求パターンの出力を停止する。
光通信装置BのE/O変換部16は、パターン生成部15から分散量調整要求パターンが出力されなくなると、出力レベルが発光状態に変化する。
光通信装置Aの光入力断検出部13は、O/E変換部11から出力される電気信号の監視を継続しており、光通信装置BのE/O変換部16の出力レベルが発光状態に変化すると、分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断の検出状況が“未検出”に変化する。
光通信装置Aの分散補償器21は、光入力断検出部13における検出状況が“未検出”に変化することで、光入力断検出部13から分散量調整要求パターンの検出信号を受けなくなると、分散量の粗調整を終了する。
ただし、分散量の粗調整を終了しても、伝送路1の分散量が最適に調整されたわけではないので、分散量の微調整を開始する。
以下、伝送路1における分散量の微調整に関する処理内容を具体的に説明する。
光通信装置Aと光通信装置Bの間で導通が確立すると、光通信装置Aのフレーム生成部19により生成されたデータフレームが光通信装置Bに伝送されて、光通信装置Bのフレーム終端部12で当該データフレームが終端される。
一方、光通信装置Bのフレーム生成部19により生成されたデータフレームが光通信装置Aに伝送されて、光通信装置Aのフレーム終端部12で当該データフレームが終端される。
光通信装置Bの自装置エラーレート監視部17は、フレームロス検出部14によるフレームロスの検出状況が“未検出”に変化すると、フレーム終端部12により終端されたデータフレームを監視して、自装置のエラーレートを検出する。
光通信装置Bのエラーレート挿入制御部18は、自装置エラーレート監視部17が自装置のエラーレートを検出すると、そのエラーレートをデータフレーム内のオーバーヘッド領域(ユーザに開放されている領域)に挿入する指示をフレームレート生成部19に出力する。
光通信装置Bのフレームレート生成部19は、エラーレート挿入制御部18の指示の下、自装置のエラーレートをデータフレーム内のオーバーヘッド領域に挿入し、エラーレート挿入後のデータフレームを分散補償器21に出力する。
光通信装置Bの分散補償器21は、フレームレート生成部19からデータフレームを受けると、そのデータフレームに対して所定の分散値(例えば、粗調整が終了した時点であれば、粗調整された分散値、微調整中であれば、現時点の分散値)を付加する。
光通信装置BのE/O変換部16は、分散補償器21から分散値が付加されているデータフレームを受けると、そのデータフレームを電気信号から光信号に変換し、その光信号を伝送路2に出力する。
これにより、光通信装置Bから出力された光信号は、伝送路2を伝搬して、光通信装置Aに到達する。
光通信装置AのO/E変換部11は、光通信装置Bから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Aのフレーム終端部12は、O/E変換部11が光信号を電気信号に変換すると、その電気信号からデータフレーム(光通信装置Bのフレーム生成部19により生成されたデータフレーム)を終端する。
光通信装置Aの対向装置エラーレート監視部20は、フレーム終端部12がデータフレームを終端すると、そのデータフレーム内のオーバーヘッド領域から光通信装置Bのエラーレートを取得する。
光通信装置Aの分散補償器21は、対向装置エラーレート監視部20が光通信装置Bのエラーレートを取得すると、そのエラーレートが最小になるように、フレームレート生成部19から出力されたデータフレームに付加する分散値を微調整することで、伝送路1における分散量の最適化を図る。
この実施の形態1では、光通信装置Aが伝送路1の分散量を調整するものを示したが、伝送路2の分散量を調整する場合、光通信装置Aと光通信装置Bの処理内容が逆になるだけで同じである。
光通信装置A,Bが伝送路1,2の分散量を調整することで、エラーレートの最小化を図ることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、対向装置から送信される光信号を受信するO/E変換部11と、O/E変換部11により受信される光信号の入力断を検出する光入力断検出部13と、O/E変換部11により受信された光信号が示すデータフレームのフレームロスを検出するフレームロス検出部14と、光入力断検出部13による光信号の入力断が未検出の状態で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、そのフレームロスが未検出の状態になるまでの間、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を対向装置に送信する分散量調整要求送信手段と、対向装置から送信された分散量調整要求パターンの光信号を受信する分散量調整要求受信手段とを設け、分散量調整要求受信手段により特定パターンの光信号が受信された場合、分散補償器21が、対向装置との間の伝送路の分散量を調整するように構成したので、データ送受信用のインタフェースの他に別のインタフェースを搭載することなく、伝送路の分散量を調整して、エラーレートの最小化を図ることができる効果を奏する。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、E/O変換部16が、パターン生成部15から出力された分散量調整要求パターンにしたがって、強制光出力停止制御(SHUTDOWN制御)を実施することで、光のON/OFFを実行するものを示したが、分散量調整要求パターンにしたがって、送信する光信号の信号レベルを調整するようにしてもよい。
図3はこの発明の実施の形態2による光通信装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
パターン生成部31はレベルモニタ33による光信号の入力断が未検出の状態で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターンを生成し、そのフレームロスが未検出の状態になるまでの間、その分散量調整要求パターンにしたがって、光減衰器32から出力される光信号の減衰量を調整する処理を実施する。
ただし、パターン生成部31はデータフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を送信(例えば、データフレームの伝送速度の1/4以下の伝送速度で送信)するため、数十〜数百Mb/s程度の周波数で信号レベルが変化する分散量調整要求パターンを生成する。
光減衰器32はE/O変換部16から出力された光信号については減衰せずに、そのまま伝送路1(または、伝送路2)に出力する一方、パターン生成部31の指示の下で、伝送路1(または、伝送路2)に出力する光信号の減衰量を調整する処理を実施する。
なお、パターン生成部31及び光減衰器32から分散量調整要求送信手段が構成されている。
レベルモニタ33は伝送路1(または、伝送路2)の信号レベルを監視して、光信号の入力断を検出する処理を実施する。
また、レベルモニタ33は伝送路1(または、伝送路2)の信号レベルを監視して、対向装置から送信される分散量調整要求パターンに対応する信号レベルの変化を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器21に出力する処理を実施する。
なお、レベルモニタ33は光入力断検出手段及び分散量調整要求受信手段を構成している。
図3の例では、光通信装置の構成要素であるO/E変換部11、フレーム終端部12、 レベルモニタ33、フレームロス検出部14、パターン生成部31、光減衰器32、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器21のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、光通信装置がコンピュータなどで構成される場合には、O/E変換部11、フレーム終端部12、 レベルモニタ33、フレームロス検出部14、パターン生成部31、光減衰器32、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器21の処理内容を記述しているプログラムの全部又は一部をコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
ただし、パターン生成部31、光減衰器32及びレベルモニタ33以外は、上記実施の形態1と同様であるため、主に、パターン生成部31、光減衰器32及びレベルモニタ33の処理内容を説明する。
光通信装置Aと光通信装置Bの間の伝送路1,2が接続されていない状態では、光通信装置A,Bのレベルモニタ33が、光信号の入力断を検出する。
その後、光通信装置Aと光通信装置Bの間に伝送路1,2が接続されると、光通信装置A,Bのレベルモニタ33による光信号の入力断が未検出の状態になる。
この実施の形態2でも、伝送路1の分散量を調整する際の処理内容を説明する。
光通信装置Bのパターン生成部31は、レベルモニタ33による光信号の入力断が未検出の状態(光通信装置Aと光通信装置Bの間に伝送路2が接続されている状態)で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターンを生成する。
ただし、パターン生成部31は、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を送信(例えば、データフレームの伝送速度の1/4以下の伝送速度で送信)するため、数十〜数百Mb/s程度の周波数で信号レベルが変化する分散量調整要求パターンを生成する。図4は分散量調整要求パターンの一例を示す説明図である。
即ち、パターン生成部31は、数十〜数百Mb/s程度の周波数で信号レベルが変化する光信号が伝送路2に出力されるようにするため、生成した分散量調整要求パターンにしたがって、光減衰器32から出力される光信号の減衰量を調整する。
図4の例では、信号レベルが3段階に変化する光信号(信号レベルが0[dB]、B[dB]、A+B[dB]の光信号)が伝送路2に出力される。
なお、パターン生成部31は、図1のパターン生成部15と同様に、フレームロス検出部14がフレームロスを検出しなくなるまで、分散量調整要求パターンに対応する光信号が伝送路2に繰り返し出力されるように、光減衰器32に対する減衰量の制御を継続する。
光通信装置Aのレベルモニタ33は、伝送路2の信号レベルを監視して、光通信装置Bから送信される分散量調整要求パターンに対応する信号レベルの変化を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器21に出力する。
光通信装置Aの分散補償器21は、レベルモニタ33から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、伝送路1における分散量の粗調整を開始して、伝送路1に与える分散値を変更する。
例えば、分散可能範囲(例えば、200〜300ps/nm)内で、その最小値から最大値に至るまで、伝送路1に与える分散値を徐々に大きくしていく変更を行うことで、伝送路1の分散量を調整する。
以下の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明は省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、分散量調整要求パターンにしたがって、送信する光信号の信号レベルを調整するように構成したので、分散量調整要求パターンにしたがって、光のON/OFFを実行する場合よりも、短い信号系列でユニークな分散量調整要求パターンを構築することができる効果を奏する。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による光通信装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
パターン生成部41は光入力断検出部43による光信号の入力断が未検出の状態で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターンを生成し、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に出力する処理を実施する。
ただし、パターン生成部41はデータフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量調整要求パターンの光信号を送信(例えば、データフレームの伝送速度の1/4以下の伝送速度で送信)するため、数十〜数百Mb/s程度の周波数でE/O変換部16が光のON/OFFを行う分散量調整要求パターンを生成する。
また、パターン生成部41は光入力断検出部43により分散量の調整完了を示す特定パターン(以下、「分散量調整完了パターン」と称する)が検出された段階で、フレームロスの検出が継続している場合、再度、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に出力する処理を実施する。分散量調整完了パターンは、分散量調整要求パターンと異なるユニークな特定パターンである。
また、パターン生成部41は分散補償器42が伝送路1(または、伝送路2)における分散量の粗調整を1回行うと、分散量調整完了パターンをE/O変換部16に出力する処理を実施する。
なお、E/O変換部16及びパターン生成部41から分散量調整要求送信手段と調整完了通知手段が構成されている。
分散補償器42は光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、伝送路1(または、伝送路2)に与える分散値を1回だけ変更することで、伝送路1(または、伝送路2)の分散量を調整する処理を実施する。
即ち、分散補償器21は光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号が出力されると、伝送路1(または、伝送路2)における分散量の粗調整を1回だけ実施し、光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号が出力されなくなると、対向装置エラーレート監視部20により取得された対向装置のエラーレートが最小になるように、伝送路1(または、伝送路2)における分散量の微調整を行う。
なお、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器42から分散量調整手段が構成されている。
光入力断検出部43はO/E変換部11から出力される電気信号を監視して、O/E変換部11により受信される光信号の入力断を検出する処理を実施する。
また、光入力断検出部43はO/E変換部11から出力される電気信号を監視して、対向装置から送信される分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器21に出力し、対向装置から送信される分散量調整完了パターンに対応する光信号の入力断を検出すると、分散量調整完了パターンの検出信号をパターン生成部41に出力する処理を実施する。
なお、O/E変換部11及び光入力断検出部43から光入力断検出手段と分散量調整要求受信手段が構成されている。
図5の例では、光通信装置の構成要素であるO/E変換部11、フレーム終端部12、 光入力断検出部43、フレームロス検出部14、パターン生成部41、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器42のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、光通信装置がコンピュータなどで構成される場合には、O/E変換部11、フレーム終端部12、 光入力断検出部43、フレームロス検出部14、パターン生成部41、E/O変換部16、自装置エラーレート監視部17、エラーレート挿入制御部18、フレームレート生成部19、対向装置エラーレート監視部20及び分散補償器42の処理内容を記述しているプログラムの全部又は一部をコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図5の光通信装置A,Bでは、図1の光通信装置A,Bにおける光入力断検出部13、パターン生成部15及び分散補償器21の代わりに、光入力断検出部43、パターン生成部41及び分散補償器42が搭載されている例を示しているが、図3の光通信装置A,Bにおける光入力断検出部13、パターン生成部15及び分散補償器21の代わりに、光入力断検出部43、パターン生成部41及び分散補償器42が搭載されていてもよい。
次に動作について説明する。
光通信装置Aの分散補償器42による伝送路1の分散量の調整方法と、光通信装置Bの分散補償器42による伝送路2の分散量の調整方法は同様であるため、以下、伝送路1の分散量の調整方法を説明する。
光通信装置BのO/E変換部11は、上記実施の形態1と同様に、光通信装置Aから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Bのフレーム終端部12は、O/E変換部11が光信号を電気信号に変換すると、その電気信号からデータフレーム(光通信装置Aのフレーム生成部19により生成されたデータフレーム)を終端する。
光通信装置Bのフレームロス検出部14は、上記実施の形態1と同様に、フレーム終端部12により終端されたデータフレームを監視して、データフレームのフレームロスの検出処理を実施するが、光通信装置Aの分散補償器42が付加する分散値が適正な値ではなく、光通信装置Aと光通信装置Bの間で、導通が確立していない状態では、そのデータフレームのフレームロスを検出する。
この実施の形態3では、説明の便宜上、導通が確立しておらず、フレームロス検出部14がデータフレームのフレームロスを検出するものとして、以下の説明を行う。
光通信装置Bのパターン生成部41は、図1のパターン生成部15と同様に、光入力断検出部43による光信号の入力断が未検出の状態(光通信装置Aと光通信装置Bの間に伝送路2が接続されている状態)で、フレームロス検出部14によりフレームロスが検出された場合、分散量調整要求パターン(図2(a)を参照)を生成し、その分散量調整要求パターンをE/O変換部16に出力する。
ただし、パターン生成部41は、図1のパターン生成部15と異なり、その分散量調整要求パターンを1回だけE/O変換部16に出力する。
光通信装置BのE/O変換部16は、パターン生成部41から分散量調整要求パターンを受けると、上記実施の形態1と同様に、その分散量調整要求パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整要求パターンに対応する光信号を伝送路2に出力する。
即ち、E/O変換部16は、パターン生成部41から出力された分散量調整要求パターンにしたがって、図2(a)に示すような強制光出力停止制御(SHUTDOWN制御)を実施することで、光のON/OFFを実行する。
光通信装置AのO/E変換部11は、光通信装置Bから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Aの光入力断検出部43は、図1の光入力断検出部13と同様に、O/E変換部11から出力される電気信号を監視して、光通信装置Bから送信される分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断(図2(c)を参照)を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器42に出力する。
光通信装置Aの分散補償器42は、光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、伝送路1における分散量の粗調整を開始して、伝送路1に与える分散値を1回だけ変更する。
例えば、分散可能範囲(例えば、200〜300ps/nm)内で、伝送路1に与える分散値を1回だけ変更することで、伝送路1における分散量の粗調整を行う。
光通信装置Aのパターン生成部41は、分散補償器42が伝送路1における分散量の粗調整を1回行うと、分散量調整完了パターンをE/O変換部16に出力する。
光通信装置AのE/O変換部16は、パターン生成部41から分散量調整完了パターンを受けると、その分散量調整完了パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整完了パターンに対応する光信号を伝送路1に出力する。
光通信装置BのO/E変換部11は、光通信装置Aから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Bの光入力断検出部43は、O/E変換部11から出力される電気信号を監視して、光通信装置Aから送信される分散量調整完了パターンに対応する光信号の入力断を検出すると、分散量調整完了パターンの検出信号をパターン生成部41に出力する。
光通信装置Bのフレームロス検出部14は、データフレームのフレームロスの検出処理を継続しており、光通信装置Aの分散補償器42が分散量の粗調整を行って、その分散量が概ね適正な値になることで、光通信装置Aと光通信装置B間の導通が確立すると、フレームロスの検出状況が“未検出”に変化する。
ただし、この段階では、説明の便宜上、フレームロスの検出が継続しているものとして、以下の説明を行う。
光通信装置Bのパターン生成部41は、光入力断検出部43から分散量調整完了パターンの検出信号を受けると、その時点でフレームロスの検出が継続していれば、再度、分散量調整要求パターン(図2(a)を参照)をE/O変換部16に出力する。
光通信装置BのE/O変換部16は、パターン生成部41から分散量調整要求パターンを受けると、その分散量調整要求パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整要求パターンに対応する光信号を伝送路2に出力する。
光通信装置AのO/E変換部11は、光通信装置Bから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Aの光入力断検出部43は、O/E変換部11から出力される電気信号の監視を継続しており、光通信装置Bから送信される分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断(図2(c)を参照)を検出すると、分散量調整要求パターンの検出信号を分散補償器42に出力する。
光通信装置Aの分散補償器42は、光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号を受けると、再度、伝送路1に与える分散値を1回だけ変更する。
光通信装置Aのパターン生成部41は、分散補償器42が伝送路1における分散量の粗調整を1回行うと、分散量調整完了パターンをE/O変換部16に出力する。
光通信装置AのE/O変換部16は、パターン生成部41から分散量調整完了パターンを受けると、その分散量調整完了パターンにしたがって光のON/OFFを行うことで、その分散量調整完了パターンに対応する光信号を伝送路1に出力する。
光通信装置BのO/E変換部11は、光通信装置Aから送信された光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。
光通信装置Bの光入力断検出部43は、O/E変換部11から出力される電気信号の監視を継続しており、光通信装置Aから送信される分散量調整完了パターンに対応する光信号の入力断を検出すると、分散量調整完了パターンの検出信号をパターン生成部41に出力する。
光通信装置Bのフレームロス検出部14は、データフレームのフレームロスの検出処理を継続しており、光通信装置Aの分散補償器42が分散量の粗調整を行って、その分散量が概ね適正な値になることで、光通信装置Aと光通信装置B間の導通が確立すると、フレームロスの検出状況が“未検出”に変化する。
この段階では、説明の便宜上、フレームロスの検出状況が“未検出”に変化しているものとする。
光通信装置Bのパターン生成部41は、光入力断検出部43から分散量調整完了パターンの検出信号を受けた時点で、既に、フレームロス検出部14によるフレームロスの検出状況が“未検出”に変化していれば、E/O変換部16に対する分散量調整要求パターンの出力を行わない。
光通信装置BのE/O変換部16は、パターン生成部41から分散量調整要求パターンが出力されない場合、出力レベルが発光状態になる。
光通信装置Aの光入力断検出部43は、O/E変換部11から出力される電気信号の監視を継続しており、光通信装置BのE/O変換部16の出力レベルが発光状態である場合、分散量調整要求パターンに対応する光信号の入力断の検出状況が“未検出”に変化する。
光通信装置Aの分散補償器42は、光入力断検出部13における検出状況が“未検出”に変化することで、光入力断検出部43から分散量調整要求パターンの検出信号を受けなくなると、分散量の粗調整を終了する。
ただし、分散量の粗調整を終了しても、伝送路1の分散量が最適に調整されたわけではないので、分散量の微調整を開始する。
伝送路1における分散量の微調整に関する処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
この実施の形態3では、光通信装置Aが伝送路1の分散量を調整するものを示したが、伝送路2の分散量を調整する場合、光通信装置Aと光通信装置Bの処理内容が逆になるだけで同じである。
光通信装置A,Bが伝送路1,2の分散量を調整することで、エラーレートの最小化を図ることができる。
上記実施の形態1,2では、フレームロスが未検出の状態になるまでの間、分散量調整要求パターンの光信号を繰り返し送信しているため、分散補償器21が伝送路の分散量を最適な値に調整しても、フレームロスが未検出の状態を検知する前に、分散量調整要求パターンの光信号を既に送信してしまっている場合があり、この場合には、伝送路の分散量が最適な値からずれてしまう可能性がある。
これに対して、この実施の形態3では、分散量調整要求パターンの光信号を繰り返し送信しないで、分散補償器21が伝送路の分散量を1回だけ調整したのち、フレームロスの検出が継続している場合に限り、再度、分散量調整要求パターンの光信号を送信するようにしているので、伝送路の分散量が最適な値からずれてしまう状況の発生を回避することができる効果を奏する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る光通信装置は、例えば、ネットワークの通信速度が高速化されている光ファイバ通信システムに適用することが可能である。
A,B 光通信装置、1,2 伝送路、11 O/E変換部(光信号受信手段、光入力断検出手段、分散量調整要求受信手段)、12 フレーム終端部(フレームロス検出手段)、13 光入力断検出部(光入力断検出手段、分散量調整要求受信手段)、14 フレームロス検出部(フレームロス検出手段)、15 パターン生成部(分散量調整要求送信手段)、16 E/O変換部(分散量調整要求送信手段、調整完了通知手段)、17 自装置エラーレート監視部、18 エラーレート挿入制御部、19 フレームレート生成部、20 対向装置エラーレート監視部(分散量調整手段)、21 分散補償器(分散量調整手段)、31 パターン生成部(分散量調整要求送信手段)、32 光減衰器(分散量調整要求送信手段)、33 レベルモニタ(光入力断検出手段、分散量調整要求受信手段)、41 パターン生成部(分散量調整要求送信手段、調整完了通知手段)、42 分散補償器(分散量調整手段)、43 光入力断検出部(光入力断検出手段、分散量調整要求受信手段)。

Claims (6)

  1. 対向装置から送信される光信号を受信する光信号受信手段と、上記光信号受信手段により受信された光信号が示すデータフレームのフレームロスを検出するフレームロス検出手段と、上記フレームロス検出手段によりフレームロスが検出された場合、上記フレームロスが未検出の状態になるまでの間、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量の調整要求する分散量調整要求光信号を上記対向装置に送信する分散量調整要求送信手段と、上記対向装置から送信された前記分散量調整要求光信号を受信する分散量調整要求受信手段と、上記分散量調整要求受信手段により前記分散量調整要求光信号が受信された場合、上記対向装置との間の伝送路の分散量を当該対向装置からの受信情報を用いずに粗調整する分散量調整手段とを備えた光通信装置。
  2. 分散量調整手段は、分散量調整要求受信手段により前記分散量調整要求光信号が受信されると、伝送路における分散量の前記粗調整を開始し、上記分散量調整要求光信号が受信されなくなると、上記伝送路における分散量の微調整を行って、上記対向装置のエラーレートの最小化を図ることを特徴とする請求項1記載の光通信装置。
  3. 分散量調整要求送信手段は、データフレームの光信号を送信する際のビットレートの4分の1以下のビットレートで、前記分散量調整要求光信号を送信することを特徴とする請求項1記載の光通信装置。
  4. 分散量調整要求送信手段は、分散量の調整要求を示す特定パターンにしたがって、送信する光信号の信号レベルを調整することにより、前記分散量調整要求光信号を送信することを特徴とする請求項1記載の光通信装置。
  5. 対向装置から送信される光信号を受信する光信号受信手段と、上記光信号受信手段により受信された光信号が示すデータフレームのフレームロスを検出するフレームロス検出手段と、上記フレームロス検出手段によりフレームロスが検出された場合、データフレームの光信号を送信する際のビットレートより低速なビットレートで、分散量の調整要求する分散量調整要求光信号を上記対向装置に送信する分散量調整要求送信手段と、上記対向装置から送信された前記分散量調整要求光信号を受信する分散量調整要求受信手段と、上記分散量調整要求受信手段により前記分散量調整要求光信号が受信された場合、上記対向装置との間の伝送路の分散量を当該対向装置からの受信情報を用いずに粗調整する分散量調整手段と、上記分散量調整手段により伝送路の分散量が前記粗調整された後、分散量の調整完了を示す光信号を上記対向装置に送信する調整完了通知手段とを備え、
    上記分散量調整要求送信手段は、上記対向装置から送信された分散量の調整完了を示す光信号を受信した段階で、上記フレームロスの検出が継続している場合、再度、前記分散量調整要求光信号を上記対向装置に送信することを特徴とする光通信装置。
  6. 分散量調整要求送信手段は、分散量の調整要求を示す特定パターンにしたがって、送信する光信号のON/OFFを実行することにより、前記分散量調整要求光信号を送信することを特徴とする請求項1または請求項5記載の光通信装置。
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