JP5413226B2 - 光源設定値調整方法、検査方法および検査装置 - Google Patents

光源設定値調整方法、検査方法および検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、検査対象に対して検査光を照射する光源装置の光源設定値を調整する光源設定値調整方法、この光源設定値調整方法により調整された光源設定値により検査対象を検査する検査方法および検査装置に関する。
従来、ウェハー等の検査対象を撮像手段により撮像し、撮像画像に基づいて検査対象を検査する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、ワークの表面に対して照明光を照射し、このワークを撮像して画像データを取得する。そして、取得した画像データの実際の照度と予め設定されている基準照度とを比較し、この照度差に応じて照明の照度を補正している。
特開2001−66120号公報
ところで、ウェハー等の検査対象に異物(欠陥等も含む)が生じている場合、その欠陥部分にあたった照明光は乱反射するため、撮像された画像データの輝度が変動することがある。上記特許文献1に記載の装置では、照明の光源素子の劣化や温度等の使用環境の影響による照明の照度の変動には対応できるものの、検査対象に異物(欠陥等も含む)が生じている場合は照明の照度と画像データから得られる輝度との関係が一定とはならず、画像データにおける最適な輝度を得るための検査光の光度を設定することができないという問題がある。
本発明の目的は、検査対象に異物がある場合でも光源装置の光源設定値を適切に調整可能な光源設定値調整方法、検査方法および検査装置を提供することである。
本発明の光源設定値調整方法は、複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射する光源装置の光源設定値を調整する光源設定値調整方法であって、前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射工程と、前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像工程と、前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定工程と、前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算工程と、前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明は、検査対象の検査領域に対して検査光を照射する光源装置の光源設定値の調整を行うものである。検査は検査領域毎に行われるため、この検査領域毎に光源設定値が設定される。
検査領域内には複数の輝度検出領域が予め設定されている。検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射し、当該検査領域の1つの輝度検出領域を撮像して画像データを得る。そして、この画像データに基づいて異物の有無の判定を行う。異物がないと判定された場合は、撮像した画像データに基づいて、照射された光の光源設定値に対する輝度を測定する。一方、異物があると判定された場合は、異物がないと判定されるまで、当該検査領域に予め設定されている他の輝度検出領域に対して上述と同様に異物の判定を行う。このようにして、当該検査領域における各光源設定値と各光源設定値に対する輝度が得られるため、これらの関係式を算出し、この関係式に基づいて画像データにおける最適な輝度を得るための光源設定値を設定する。以上の処理を、全ての検査領域に対して実施し、検査領域毎に最適な光源設定値を設定する。
このように、実際に検査を行う検査対象の異物(欠陥)の有無に応じて輝度を測定し、照射した光の光源設定値と、この光源設定値に対する輝度との関係に基づいて、検査に最適な光源設定値を設定するため、検査対象に異物(欠陥)が生じている場合、すなわち検査対象の輝度にばらつきがある場合でも、最適な光度を得られる光源設定値を調整することができる。
また、検査を行う際には、毎回上述した光源設定値の調整を行うので、光源素子の劣化や使用環境等に応じた最適な光度を得られる光源設定値を調整することができる。
さらに、最適な光度を得られる光源設定値で検査を行うことで、異物が生じている検査対象の検査を一定の輝度条件で安定して実施することができる。
本発明の光源設定値調整方法において、前記輝度測定工程において、前記検査領域に予め設定された全ての輝度検出領域に異物があると判定された場合は、予め設定された基準光源設定値を当該検査領域の光源設定値として設定することが好ましい。
検査領域には複数の輝度検出領域が予め設定されている。輝度測定工程において、処理対象となる輝度検出領域に異物がある場合は、当該検査領域の他の輝度検出領域を処理対象とし、異物の有無の判定を行う。このような処理を繰り返し、当該検査領域の全ての輝度検出領域に異物があると判定された場合は、当該検査領域の光源設定値には、予め設定された基準光源設定値を設定する。
ここで、基準光源設定値とは、検査対象に対して予め設定された光源設定値であり、種々の検査で基準となる光源設定値である。
これによれば、検査領域に異物が多数存在している場合でも基準光源設定値を設定することができるので、検査処理を停止せずに続行することができ、製造工程において有用性が高い。なお、基準光源設定値は、当該検査対象に対して予め設定された基準値であるので、ある程度の精度を保った検査を行うことができる。
本発明の光源設定値調整方法において、前記基準光源設定値は、前記検査対象の被検査面に予め設定された基準領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する基準光照射工程と、前記基準領域を撮像する基準撮像工程と、前記基準撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する基準異物判定工程と、前記基準異物判定工程で異物がないと判定された場合は前記基準領域の画像データにおける輝度を測定し、前記基準異物判定工程で異物があると判定された場合は他の基準領域に対して前記基準光照射工程、前記基準撮像工程、および前記基準異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する基準輝度測定工程と、前記各光源設定値とこの各光源設定値における輝度との関係式を演算する基準関係式演算工程と、前記関係式に基づいて基準光源設定値を設定する基準光源設定値設定工程と、により設定されることが好ましい。
この発明では、基準光照射工程、基準撮像工程、基準異物判定工程、基準輝度測定工程、基準光源設定値設定工程により、検査対象の基準光源設定値を設定している。これらの工程は、上述した光照射工程、撮像工程、異物判定工程、輝度測定工程、光源設定値設定工程と同じ処理を、検査対象に設定された基準領域に対して行うものである。
検査対象には複数の基準領域が予め設定されており、この基準領域に対して光源設定値の異なる光を順次照射し、基準領域を撮像して画像データを得る。そして、この画像データに基づいて異物の有無の判定を行う。異物がないと判定された場合は、撮像した画像データに基づいて、照射された光の光源設定値に対する輝度を測定する。一方、異物があると判定された場合は、異物がないと判定されるまで、当該検査領域に予め設定されている他の基準領域に対して上述と同様に異物の判定を行う。
このようにして、基準領域における各光源設定値と各光源設定値に対する輝度が得られるため、これらの関係式を算出し、この関係式に基づいて画像データにおける最適な輝度を得るための基準光源設定値を設定する。
このように、異物のない基準領域の輝度を測定し、照射した光の光源設定値と、この高原設定値に対する輝度との関係に基づいて、検査に最適な基準光源設定値を設定するため、検査対象に異物(欠陥)が生じている場合でも、検査に最適な光度を得ることができ、安定した検査処理を実施することができる。
本発明の光源設定値調整方法において、前記基準光源設定値は、他の検査領域に設定された光源設定値であることが好ましい。
検査対象には複数の検査領域が設けられているため、いずれかの検査領域には上述の処理により光源設定値が設定されている可能性が高い。したがって、全ての輝度検出領域に異物ありと判定されて光源設定値が設定不能となった検査領域に対しては、他の検査領域に設定された光源設定値を、当該検査領域の光源設定値として設定する。
これによれば、検査領域に異物が多数存在している場合でも光源設定値を設定することができるので、検査処理を停止せずに続行することができ、製造工程において有用性が高い。なお、同一の検査対象の他の検査領域に設定された光源設定値であれば、ある程度の精度を保った検査を行うことができる。
本発明の光源設定値調整方法において、前記異物判定工程は、前記画像データにおける前記輝度検出領域の各画素に対して所定距離だけ離れた左右および上下の4箇所に配置された画素を周辺画素として設定し、前記4つの周辺画素の対向する2つの周辺画素の輝度差をそれぞれ算出し、これらの輝度差の絶対値のうち少なくともいずれか一方が所定の閾値以上の場合は異物ありと判定し、これらの輝度差の絶対値のいずれも所定の閾値未満である場合は異物なしと判定することが好ましい。
この発明では、撮像画像データの輝度検出領域に対していわゆるフィルター処理を行う。フィルター処理は、処理対象として選択された画素(選択画素)から所定距離だけ離れた左右および上下の4箇所に配置された周辺画素の輝度に基づいてフィルター値を算出し、このフィルター値に基づいて異物の有無を判定する。ここで、選択画素と周辺画素との距離は、異物を検出しやすいように適宜調整することができる。このようなフィルター処理により、異物の判定を精度高く行うことができる。
本発明の光源設定値調整方法において、前記異物判定工程は、前記画像データにおける前記輝度検出領域の全画素の輝度を測定し、これらの輝度に対して二値化処理を行うことにより異物の有無を判定することが好ましい。
この発明では、画像データにおける輝度検出領域に対して二値化処理を行う。すなわち、輝度検出領域の全画素の輝度を測定し、所定の閾値に基づいてこれらの輝度を二値化する。例えば、所定の閾値以下の輝度である画素があれば異物ありと判定する。
これによれば、測定した輝度と閾値との比較を行うだけでよいので、処理の高速化を図ることができる。
本発明の検査方法は、複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて所定の検査処理を実施する検査装置における、前記検査対象の検査方法であって、前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射工程と、前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像工程と、前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定工程と、前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算工程と、前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定工程と、前記光源設定値設定工程で設定された光源設定値による検査光を前記検査対象に照射し、前記検査対象の前記検査領域を撮像し、前記撮像された画像データに基づいて所定の検査処理を実施する検査工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上述のような光源設定値調整方法により、検査対象の検査領域毎に適切に設定された光源設定値による光を照射し、撮像された画像データに基づいて検査領域毎に検査処理を実施する。これにより、異物の有無にも対応した最適な輝度を得ることができる。すなわち一定の輝度条件の下で安定した検査処理を実施することができる。
本発明の検査装置は、複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて所定の検査処理を実施する検査装置であって、前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射手段と、前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像手段と、前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定手段と、前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定手段と、前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算手段と、前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定手段と、前記光源設定値設定工程で設定された光源設定値による検査光を前記検査対象に照射し、前記検査対象の前記検査領域を撮像し、前記撮像された画像データに基づいて所定の検査処理を実施する検査手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、光照射手段により光照射工程、撮像手段により撮像工程、異物判定手段により異物判定工程、輝度測定手段により輝度測定工程、関係式演算手段により関係式演算工程、および光源設定値設定手段により光源設定値設定工程を実施できる。したがって、上述の発明と同様に、検査対象に異物(欠陥)が生じている場合でも、検査に最適な光源設定値を調整することができる。
また、光源設定値設定手段により設定された光源設定値による光を光照射手段から照射し、その反射光を撮像手段により撮像し、検査手段により撮像された画像データに基づいて検査対象の検査を実施することで、異物の有無に対応した最適な輝度を得ることができる。すなわち一定の輝度条件の下で安定した検査処理を実施することができる。
本発明の実施形態にかかる検査装置の概略構成を示す側面図。 前記実施形態において異物の有無の判定に適用するフィルター処理を説明する図。 前記実施形態における検査装置による検査方法を示すフローチャート。 前記実施形態における検査装置による基準光源電圧値調整工程を示すフローチャート。 前記実施形態において光源電圧値と輝度との関係を示すグラフ。 前記実施形態における検査装置によるチップ光源電圧値調整工程を示すフローチャート。 他の実施形態において異物の有無の判定方法を説明する図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.検査装置の構成]
図1において、検査装置1は、載置部2に載置された検査対象10を撮像し、撮像された画像に基づいて各種検査を実施する装置である。検査装置1としては、例えば、液晶パネルなどの表示体の検査装置、半導体ウェハーなどの構造物の構造形状や付着物の有無を検査する検査装置などの撮像画像に基づいて精密に欠陥などを検査する検査装置や、検査対象の詳細形状を検査する顕微鏡などにも適用できる。また、本実施形態では、検査対象10として、例えば半導体ウェハーに形成されたインクジェットプリンターヘッドを対象とする。
この検査装置1は、検査対象10を載置する載置部2と、光検出手段としての撮像部3と、撮像部3を保持するZステージ4と、検査対象10に検査光を照射する光照射手段である光源装置5と、制御装置6とを備えている。
検査対象10である半導体ウェハーの被検査面には、図示しないがチップが多数配列された矩形状の領域が形成され、1つ1つのチップはインクジェットプリンターヘッドを構成する複数の微細なパターンを有している。なお、半導体ウェハーは、検査終了後にはダイシング、スライシングなどによって多数のチップに個片化される。
ここで、半導体ウェハーを検査する際は、チップ毎に撮像範囲を分割して行うため、光源装置5の光源電圧値はチップ毎に設定される。
また、各チップには複数の輝度検出領域が予め設定されており、異物のない輝度検出領域の輝度に基づいて最適な光源電圧値を設定する。
載置部2は、図1に示すように、台座部21と、台座部21に配置されたXYステージ22とを備え、例えばXYステージ22上に検査対象10が載置される。また、載置部2のXYステージ22は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される駆動制御信号により、X軸方向、Y軸方向に移動可能に構成されている。
撮像部3は、載置部2に対向して設けられるとともに、載置部2に載置される検査対象10を撮像する。この撮像部3は、CCDカメラ31と、載置部2の検査対象10で反射した反射光をCCDカメラ31に導く入射光学系32と、を備えている。そして、この撮像部3は、Zステージ4によりZ軸方向に沿って移動可能、すなわち載置部2に対して接離移動可能に保持されている。
CCDカメラ31は、図示は省略するが複数の撮像素子をマトリクス状に配列した撮像面を備えている。これらの撮像素子は、入射光を受光すると、光電変換処理により受光量に応じた電気信号を生成する。そして、CCDカメラ31は、入射する光に応じて各撮像素子から出力される電気信号を撮像画像データとして、制御装置6に出力する。
入射光学系32は、載置部2に対向して設けられ、CCDカメラ31の各撮像素子に、検査対象10で反射される反射光を導く。この入射光学系32は、複数のレンズなどの光学部品を備え、これらの光学部品は、光軸がCCDカメラ31の撮像面に対して直交するように配置されている。なお、入射光学系32は、各光学部品を光軸方向に沿って移動させてピント合わせを実施するピント調整機構を備える構成としてもよい。
Zステージ4は、上述したように、撮像部3をZ方向に沿って進退移動可能に保持している。具体的には、Zステージ4は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される駆動制御信号に応じて、例えばモーター駆動などにより撮像部3をZ軸方向に沿って移動させる。
光源装置5は、任意の光度の光を射出する装置である。この光源装置5は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される光源制御信号により光源電圧値が設定され、光源電圧値に基づく所定波長の光を検査対象10に向かって射出する。
具体的には、光源装置5は、図示は省略するが、例えば、白色光源と、波長可変フィルターと、を備えている。そして、このような光源装置5は、光源制御信号に基づいて、波長可変フィルターに印加する電圧(光源電圧値)を変化させることで、波長可変フィルターを透過する波長域を変化させ、所定波長の光を射出する。本実施形態では、所定の光源電圧値を設定することでそれに対応する所定波長の光を射出させる。
制御装置6は、検査装置1の全体の動作を制御する。具体的には、制御装置6は、検査対象10の撮像制御、検査対象10の検査処理、検査対象10に照射する検査光の設定処理などを実施する。なお、この制御装置6としては、例えば汎用パーソナルコンピューターなどを用いてもよい。
そして、この制御装置6は、入出力部61と、入力操作部62と、記憶部63と、演算処理部64と、を備えている。
入出力部61は、撮像部3、光源装置5、Zステージ4、および載置部2のXYステージ22に接続され、これらの撮像部3、光源装置5、Zステージ4、およびXYステージ22に対して、演算処理部64から出力される制御信号を出力する。また、入出力部61は、撮像部3から撮像画像データが入力されると、この撮像画像データを演算処理部64に出力する。また、入出力部61は、ディスプレイやプリンターなどの出力装置7を接続可能な端子を備えており、後述する演算処理部64の制御により各種処理結果を出力する。なお、制御装置6に出力装置7が一体的に設けられる構成などとしてもよい。
入力操作部62は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を備え、利用者によりこれらの入力手段が操作されることで、操作内容に応じた操作信号を演算処理部64に出力する。
記憶部63は、各種データやプログラムなどを記憶する。この記憶部63としては、例えばHDDやメモリ、CDやDVDなどの記録媒体を駆動するドライブなどが挙げられる。そして、この記憶部63には、演算処理部64により演算処理される各種プログラムや、各種データが記憶される。
演算処理部64は、CPUなどの集積回路により構成され、記憶部63に記憶されるプログラムにより所定の演算処理を実施する。演算処理部64により実施されるプログラムとしては、図1に示すように、XYZ駆動制御手段641と、撮像制御手段642と、異物判定手段643と、輝度測定手段644と、関係式演算手段645と、光源電圧値設定手段646と、終了判定手段647と、検査手段648と、などが含まれている。
XYZ駆動制御手段641は、入力操作部62、輝度測定手段644、および終了判定手段647から入力される入力信号を認識し、XYステージ22やZステージ4を所定方向に所定量移動させる旨の駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号を、入出力部61からXYステージ22やZステージ4に出力する。なお、XYZ駆動制御手段641は、入力操作部62の入力に基づいてXYステージ22やZステージ4を駆動させる構成に限らず、例えば検査手段648などにより設定される検査走査方向に沿って、XYステージ22やZステージ4を移動させる構成などとしてもよい。
撮像制御手段642は、撮像部3を制御して、検査対象10内の所定の輝度検出領域(または基準領域)を撮像する撮像動作を実施させる。また、撮像部3から撮像画像データが入力されると、この撮像画像データを記憶部63に適宜読み出し可能に記憶する。
異物判定手段643は、撮像画像データの各画素における輝度に基づいて異物(欠陥)の有無を判定する。異物判定の具体的な方法は、いわゆるフィルター処理を行う。
フィルター処理は、図2に示すフィルター12を用いて行う。異物判定手段643は、撮像画像データの画素の中から処理対象となる画素を順次選択し、フィルター12を適用する。フィルター12は、縦および横の画素数が設定されており、本実施形態では11×11ピクセルが設定されている。フィルター12は、選択画素を合わせる画素Aと、画素Aの左右に所定距離(フィルター12では2画素分)だけ離れた周辺画素X1,X2と、画素Aの上下に所定距離(フィルタ−12では2画素分)だけ離れた周辺画素Y1,Y2とを備えている。異物判定手段643は、周辺画素X1,X2,Y1,Y2に対応する撮像画像データの画素の輝度を測定し、フィルター値を算出する。具体的には、以下の式(1)に示すように、周辺画素X1とX2との輝度差の絶対値を第1のフィルター値とし、以下の式(2)に示すように、周辺画素Y1とY2との輝度差の絶対値を第2のフィルター値とする。
第1のフィルター値=|X1−X2| …(1)
第2のフィルター値=|Y1−Y2| …(2)
第1のフィルター値および第2のフィルター値のうちいずれかが所定の閾値以上であれば異物ありと判定する。
ここで、具体的な数値を用いて説明する。周辺画素X1の輝度が180、周辺画素X2の輝度が175、周辺画素Y1の輝度が170、周辺画素Y2の輝度が145、閾値が20であるとする。第1のフィルター値=|180−175|=5、第2のフィルター値=|170−145|=25となり、第2のフィルター値>閾値(20)であるため、異物ありと判定する。
輝度測定手段644は、異物の有無に応じた処理を行う。
処理対象の画素に異物ありと判定された場合は、輝度測定手段644は、撮像対象となっているチップに予め設定された他の輝度検出領域が記憶部63に登録されているか否かを検出し、登録されている場合は、XYZ駆動制御手段641に当該他の輝度検出領域の位置データを出力する。一方、他の輝度検出領域が記憶部63に登録されていない場合は、基準光源電圧値調整工程においては検査装置1を停止して処理を終了し、チップ光源電圧値調整工程においては基準光源電圧値調整工程で設定された基準光源電圧値を当該チップの光源電圧値として設定する。
また、異物なしと判定された場合は、輝度測定手段644は、撮像画像データを画像解析することで、撮像画像データの各画素におけるRGB階調値を計測し、RGB階調値から各画素における輝度を算出する。そして、各画素の輝度から、撮像画像データにおける輝度検出領域の平均輝度(以降、単に輝度と称す)を算出する。そして、光源装置5に次の光源制御信号(光源電圧値)を出力し、光源装置5に設定する光源電圧値を変更させ、別の光源電圧値で同様の処理を行わせる。これにより、各光源電圧値に対する輝度をそれぞれ算出する。
光源装置5に出力する光源電圧値としては、予め設定されている光源電圧値を出力すればよい。例えば本実施形態では1≦n≧10であり、設定光nとして、設定光1(50Vの光源電圧値)、設定光2(70Vの光源電圧値)、設定光3(90Vの光源電圧値)、設定光4(110Vの光源電圧値)、設定光5(130Vの光源電圧値)、設定光6(150Vの光源電圧値)、設定光7(170Vの光源電圧値)、設定光8(190Vの光源電圧値)、設定光9(210Vの光源電圧値)、設定光10(230Vの光源電圧値)を順次設定する。なお、光源装置5に設定する光源電圧値、および数については、これに限定されない。
関係式演算手段645は、上記の各光源電圧値とそれに対する輝度との関係式を算出する。
光源電圧値設定手段646は、関係式演算手段645により算出された光源電圧値と輝度との関係式に基づいて、検査光として最適となる光源電圧値を設定する。具体的には、光源電圧値設定手段646は、記憶部63に予め記憶されている最適輝度を上述の関係式に当てはめ、得られる光源電圧値を設定する。
終了判定手段647は、チップ光源電圧値調整工程においてのみ機能し、全てのチップに光源電圧値が設定されたか否かを判定する。全てのチップに光源電圧値が設定されている場合は、チップ光源電圧値調整工程を終了させる。未設定のチップがある場合は、未設定のチップの測定位置を記憶部63から取得してXYZ駆動制御手段に出力する。これにより、未設定のチップに対して上述の処理を行う。
検査手段648は、光源電圧値設定手段646によりチップ毎に設定された最適光源電圧値の検査光を光源装置5から射出させ、撮像部3により得られる撮像画像データに基づいて、載置部2に載置された検査対象の検査をチップ毎に実施する。
[2.検査装置の動作]
次に、検査装置1の動作を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、図3に示すように、検査装置1は基準となる光源電圧値を設定する基準光源電圧値調整工程(ステップS1)を実行した後、チップ毎の光源電圧値を設定するチップ光源電圧値調整工程(ステップS2)を実行し、チップ毎に設定された光源電圧値を光源装置5に設定して各チップの検査を行う検査工程(ステップS3)を実行する。
以下に各工程を詳述する。
[2−1.基準光源電圧値調整工程]
基準光源電圧値調整工程を図4に基づいて説明する。この工程では、次工程であるチップ光源電圧値調整工程で用いられる基準光源電圧値の設定を行う。すなわち、検査対象10である半導体ウェハーの被検査面の任意の基準領域に対する光源電圧値を設定する工程である。
図4に示すように、まず、制御装置6は、XYZ駆動制御手段641により、載置部2のXYステージ22、およびZステージ4に所定の駆動制御信号を出力し、検査対象10の任意の基準領域が撮像部3により撮像される状態に、検査対象10および撮像部3を移動させる(ステップS11)。
また、制御装置6は、測定変数nを初期化し、n=1を設定する。測定変数nには、上述の設定光1〜10に示す光源電圧値がそれぞれ設定されている。
次に、制御装置6の輝度測定手段644は、光源装置5に光源制御信号を出力し、光源装置5から設定光nを順次射出させる(ステップS12)。
これにより、検査対象10に設定光nが照射され、反射光が撮像部3に入射する。撮像部3は、反射光が受光すると、受光量に応じた撮像画像データを生成し、生成した撮像画像データを制御装置6に出力する(ステップS13)。
次に、制御装置6の異物判定手段643は、撮像画像データにおける基準領域内の全画素に対して上述のフィルター処理を行い、異物の判定を行う(ステップS14)。
基準領域内に異物ありと判定された場合は、輝度測定手段644は、撮像対象となっている半導体ウェハー内の他の基準領域が記憶部63に登録されているか否かを判定する(ステップS15)。
他の基準領域が記憶部63に記憶されている場合は、輝度測定手段644はXYZ駆動制御手段641に当該他の基準領域の位置データを出力し、ステップS11へ戻る。
一方、他の基準領域が記憶部63に登録されていない場合は、輝度測定手段644は検査装置1の動作を停止して処理を終了する(ステップS16)。
また、ステップS14において撮像画像データにおける基準領域に異物なしと判定された場合は、輝度測定手段644は、撮像画像データにおける基準領域内の全画素の輝度を計測し、設定光nに対する輝度として取得する(ステップS17)。
そして、制御装置6の輝度測定手段644は、測定変数nに1を加算し(n=n+1)、nが最大値m(本実施形態では、10種の設定光(光源電圧値)で光を照射するため、m=10)を超えたか否か、すなわち全ての設定光nに対して測定が終了したか否かを判断する(ステップS18)。ここで、測定が終了していない(n≦m)場合は、ステップS12に戻り、S12〜S18の処理を繰り返し続行する。
一方、ステップS18において、n>mとなった場合、制御装置6は、輝度測定工程を終了させ、関係式演算手段645により、光源電圧値nと測定した輝度との関係式を算出する(ステップS19)。具体的には、図5に示すように、光源電圧値と輝度との関係を示すグラフを得ることができる。
次に、制御装置6は、光源電圧値設定手段646により、記憶部63から検査のための最適輝度を読み込み、ステップS19にて算出された関係式(または図5に示すグラフ)から最適輝度に対する最適光源電圧値を基準光源電圧値として設定する(ステップS20)。
このようにして、検査対象10を検査する際の基準光源電圧値が求められる。
[2−2.チップ光源電圧値調整工程]
次に、チップ光源電圧値調整工程を図6に基づいて説明する。基準光源電圧値調整工程では検査対象10に対して1つの光源電圧値が設定されるのに対し、チップ光源電圧値調整工程では検査対象10の被検査面に配列されたチップ毎に光源電圧値が設定される。
図6に示すように、まず、制御装置6は、XYZ駆動制御手段641により、載置部2のXYステージ22、およびZステージ4に所定の駆動制御信号を出力し、検査対象10の1つのチップ内の輝度検出領域が撮像部3により撮像される状態に、検査対象10および撮像部3を移動させる(ステップS21)。
また、制御装置6は、測定変数nを初期化し、n=1を設定する。測定変数nには、光源電圧値がそれぞれ予め設定されている。
次に、制御装置6の輝度測定手段644は、光源装置5に光源制御信号を出力し、光源装置5から設定光nを照射させる(ステップS22)。
これにより、検査対象10に設定光nが照射され、反射光が撮像部3に入射する。撮像部3は、反射光が受光すると、受光量に応じた撮像画像データを生成し、生成した撮像画像データを制御装置6に出力する(ステップS23)。
次に、制御装置6の異物判定手段643は、撮像画像データにおける輝度検出領域内の全画素に対して上述のフィルター処理を行い、異物の判定を行う(ステップS24)。
撮像画像データに異物ありと判定された場合は、輝度測定手段644は、撮像対象となっているチップ内の他の輝度検出領域が記憶部63に登録されているか否かを判定する(ステップS25)。
他の輝度検出領域が記憶部63に記憶されている場合は、輝度測定手段644はXYZ駆動制御手段641に当該他の輝度検出領域の位置データを出力し、ステップS21へ戻る。
一方、他の輝度検出領域が記憶部63に登録されていない場合は、輝度測定手段644は基準光源電圧値調整工程で設定された基準光源電圧値を当該チップの光源電圧値として設定する。(ステップS26)。
また、ステップS24において撮像画像データにおける輝度検出領域内に異物なしと判定された場合は、制御装置6の輝度測定手段644は、撮像部3から入力された撮像画像データの各画素の輝度を測定し、撮像画像データにおける設定光nに対する輝度として取得する(ステップS27)。
そして、制御装置6の輝度測定手段644は、測定変数nに1を加算し(n=n+1)、nが最大値m(本実施形態では、10種の設定光を照射するため、m=10)を超えたか否か、すなわち全ての設定光nに対して測定が終了したか否かを判断する(ステップS28)。ここで、測定が終了していない(n≦m)場合は、ステップS22に戻り、S22〜S28の処理を繰り返し続行する。
一方、ステップS28において、n>mとなった場合、制御装置6は、輝度測定工程を終了させ、関係式演算手段645により、設定光nに設定された光源電圧値と測定した輝度との関係式を算出する(ステップS29)。具体的には、図5に示すように、光源電圧値と輝度との関係を示すグラフを得ることができる。
次に、制御装置6は、光源電圧値設定手段646により、記憶部63から検査のための最適輝度を読み込み、ステップS29にて算出された関係式から最適輝度に対する最適光源電圧値を当該チップを検査するための検査光の光源電圧値として設定する(ステップS30)。
具体的には、図5に示すグラフにおいて、最適輝度が200である場合、検査光の最適光源電圧値は190となる。
そして、制御装置6の終了判定手段647は、検査対象10である半導体ウェハーの被検査面に配列された全てのチップに対して光源電圧値の設定を終了したかを判定する(ステップS31)。
全てのチップの光源電圧値の設定を終了していない場合、終了判定手段647は、未設定の他のチップの測定位置を記憶部63から抽出してXYZ駆動制御手段641に出力し、ステップS21へ戻る。制御装置6は、XYZ駆動制御手段641により、入力された新しいチップの測定位置に基づいて載置部2のXYステージ22、およびZステージ4に所定の駆動制御信号を出力し、検査対象10の他のチップ内の輝度検出領域が撮像部3により撮像される状態に、検査対象10および撮像部3を移動させ、ステップS22〜S31の処理を繰り返し実行する。このとき、制御装置6は、チップ毎に測定変数nを初期化(n=1)する。
[2−3.検査工程]
全てのチップの光源電圧値の設定を終了すると、検査手段648は、ステップS3にてチップ毎に設定された光源電圧値を光源装置5に設定し、この光源電圧値による検査光を検査対象10に照射し、撮像部3から入力される各チップの撮像画像データに基づいて、所定の検査処理を実施する。この検査処理としては、例えば、撮像画像データの輝度分布により輝度ムラを検査する輝度ムラ検査処理、各画素のRGB階調値の分布により色ムラを検査する色ムラ検査処理、構造物の外形欠陥を輝度により検査する形状欠陥検査処理、検査対象10上の明欠陥や暗欠陥を検出する検査処理などが挙げられる。
[3.本実施形態の作用効果]
以上の実施形態にかかる検査装置1によれば、以下の作用効果を奏することができる。
上述のチップ光源電圧値調整工程における輝度測定工程では、輝度測定手段644により設定光(光源電圧値)を変更して各光源電圧値に対する輝度をチップ毎に測定する。このとき、異物判定手段643によりチップ毎に設定された輝度検出領域の撮像画像データに基づいて異物(欠陥)の有無の判定を行い、異物なしと判定された輝度検出領域における輝度を測定する。すなわち、異物(欠陥)のない領域で輝度を検出している。この後、関係式演算手段645により、各光源電圧値と測定した輝度との関係式を算出(グラフ化)し、光源電圧値設定手段646は各チップの検査に最適な(検査に必要な輝度が得られる)光源電圧値をチップ毎に設定する。
このため、検査装置1は、検査対象10の被検査面に異物(欠陥)があることにより輝度が変動する場合でも、各チップの検査に最適な輝度を得られる光源電圧値を設定することができる。したがって、検査対象の異物の有無によって撮像画像データの輝度が変化するなどの不都合が生じないので、検査手段648による検査処理において誤検出を防止することができ、安定した検査処理を実施することができる。
また、チップ毎に検査に最適な光源電圧値が設定されるので誤検出を防止することができ、安定した検査処理を実施することができる。
また、異物判定手段643によりチップ内の輝度検出領域に異物ありと判定される場合は、他の輝度検出領域に対して異物の有無の判定を行い、異物なしと判定されるまで他の輝度検出領域に対して同じ処理を行う。したがって、輝度測定手段644は、異物のない領域でのみ輝度を測定する。
このため、関係式演算手段645では、チップ毎に検査に最適な検査光を照射可能な関係式を算出することができる。したがって、この関係式に検査に最適な輝度を当てはめることで得られる光源電圧値を用いれば、検査対象10の被検査面に異物があったとしても常に検査に最適な輝度を得ることができ、安定した検査処理を実施することができる。
さらに、異物判定手段643によりチップ内に設定された全ての輝度検出領域に異物ありと判定された場合は、輝度測定手段644により基準光源電圧値が設定される。基準光源電圧値は、チップ毎ではなく検査対象10に対して1つの値が設定されるもので、チップ光源電圧値調整工程を実行する前に基準光源電圧値調整工程において設定される。基準光源電圧値調整工程においては、検査対象10の任意の基準領域に対してチップ光源電圧値調整工程と同様の処理が行われる。
このため、検査対象10の被検査面に異物があることにより輝度が変動する場合でも、検査対象10の検査に最適な基準光源電圧値を設定することができる。このような最適な基準光源電圧値を、チップ光源電圧値調整工程において各チップの全ての輝度検出領域に異物がある場合に設定するので、異物がある場合でも検査装置1を停止させることなく検査処理を続行することができる。すなわち、スムーズな検査処理を行うことができ、製造現場において有用性が高い。
また、上述のチップ光源電圧値調整工程は、実際に検査される検査対象10の各チップに対して行われ、さらに実際に使用される検査装置1を用いて行われるため、精度の高い光源電圧値を設定することができる。すなわち、光源装置5の光源素子の劣化や温度等の使用環境、さらに異物の影響を受けない精度の高い光源設定値を設定することができる。したがって、精度の高い光源設定値で検査処理を行うことで誤検出を防止することができ、安定した検査処理を実施することができる。
[4.他の実施形態]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等が可能である
上述の実施形態では、異物判定手段643によるフィルター処理を画素Aから所定距離離れた4点の周辺画素を用いて行ったが、異物の判定を行える方法であればこれに限られない。例えば、撮像画像データの輝度検出領域における全画素の輝度を測定し、これらの輝度に対して二値化処理を行ってもよい。すなわち、図7に示すように、輝度検出領域(基準領域)13における画素Aについて輝度を測定し、この輝度が閾値以下であれば異物ありと判定する。具体的に、画素Aの輝度を180、閾値を35とすると、180>35であるため、画素Aは異物なしと判定される。この判定を輝度検出領域(基準領域)13の全画素に対して行う。
これによれば、輝度と閾値との比較という簡単な処理を行うだけでよいので、処理の高速化を図ることができる。また、回路構成が簡単になり、装置の小型化を図ることができる。
また、上述の実施形態では、基準光源電圧値調整工程により基準光源電圧値を設定することとしたが、基準光源電圧値を設定できればこの方法に限られない。検査対象は複数の検査領域を有し、各検査領域に対して光源電圧値を順次設定する。したがって、1つの検査領域に対して異物のために設定不能となった場合は、当該検査領域とは異なる他の検査領域に対してすでに設定された光源電圧値を、当該検査領域の光源電圧値として設定してもよい。これによれば、1つの検査領域に異物が多数存在している場合でも光源設定値を設定することができるので、検査処理を停止せずに続行することができ、製造工程において有用性が高い。なお、同一の検査対象の他の検査領域に設定された光源設定値であれば、ある程度の精度を保った検査を行うことができる。
また、上述の実施形態では、光源電圧値の設定光1〜10に対する輝度を測定することでこれらの関係式を算出しているが、設定光の数はこれに限られない。より多くの数の設定光を設定することにより、より精度の高い光源電圧値を算出することができ、より精度の高い検査処理を実施することができる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
1…検査装置、2…載置部、21…台座部、22…XYステージ、3…撮像部、31…CCDカメラ、32…入射光学系、4…Zステージ、5…光源装置、6…制御装置、10…検査対象。

Claims (8)

  1. 複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射する光源装置の光源設定値を調整する光源設定値調整方法であって、
    前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、
    前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射工程と、
    前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、
    前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定工程と、
    前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算工程と、
    前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定工程と、を備えた
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  2. 請求項1に記載の光源設定値調整方法において、
    前記輝度測定工程において、前記検査領域に予め設定された全ての輝度検出領域に異物があると判定された場合は、予め設定された基準光源設定値を当該検査領域の光源設定値として設定する
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  3. 請求項2に記載の光源設定値調整方法において、
    前記基準光源設定値は、
    前記検査対象の被検査面に予め設定された基準領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する基準光照射工程と、
    前記基準領域を撮像する基準撮像工程と、
    前記基準撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する基準異物判定工程と、
    前記基準異物判定工程で異物がないと判定された場合は前記基準領域の画像データにおける輝度を測定し、前記基準異物判定工程で異物があると判定された場合は他の基準領域に対して前記基準光照射工程、前記基準撮像工程、および前記基準異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する基準輝度測定工程と、
    前記各光源設定値とこの各光源設定値における輝度との関係式を演算する基準関係式演算工程と、
    前記関係式に基づいて基準光源設定値を設定する基準光源設定値設定工程と、により設定される
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  4. 請求項2に記載の光源設定値調整方法において、
    前記基準光源設定値は、他の検査領域に設定された光源設定値である
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源設定値調整方法において、
    前記異物判定工程は、
    前記画像データにおける前記輝度検出領域の各画素に対して所定距離だけ離れた左右および上下の4箇所に配置された画素を周辺画素として設定し、前記4つの周辺画素の対向する2つの周辺画素の輝度差をそれぞれ算出し、これらの輝度差の絶対値のうち少なくともいずれか一方が所定の閾値以上の場合は異物ありと判定し、これらの輝度差の絶対値のいずれも所定の閾値未満である場合は異物なしと判定する
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源設定値調整方法において、
    前記異物判定工程は、
    前記画像データにおける前記輝度検出領域の全画素の輝度を測定し、これらの輝度に対して二値化処理を行うことにより異物の有無を判定する
    ことを特徴とする光源設定値調整方法。
  7. 複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて所定の検査処理を実施する検査装置における、前記検査対象の検査方法であって、
    前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、
    前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射工程と、
    前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、
    前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定工程と、
    前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算工程と、
    前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定工程と、
    前記光源設定値設定工程で設定された光源設定値による検査光を前記検査対象に照射し、前記検査対象の前記検査領域を撮像し、前記撮像された画像データに基づいて所定の検査処理を実施する検査工程と、を備えた
    ことを特徴とする検査方法。
  8. 複数の検査領域を有する検査対象に対して前記検査領域毎に検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて所定の検査処理を実施する検査装置であって、
    前記検査領域は、予め設定された複数の輝度検出領域を有し、
    前記検査領域に対して光源設定値の異なる複数の光を順次照射する光照射手段と、
    前記光照射工程で光を照射された検査領域が有する複数の輝度検出領域のうち1つの輝度検出領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像工程で撮像された画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定手段と、
    前記異物判定工程で異物がないと判定された場合は当該輝度検出領域の画像データにおける輝度を測定し、前記異物判定工程で異物があると判定された場合は他の輝度検出領域に対して前記光照射工程、前記撮像工程、および前記異物判定工程を、異物がないと判定されるまで繰り返し実施する輝度測定手段と、
    前記各光源設定値と各光源設定値における輝度との関係式を演算する関係式演算手段と、
    前記関係式に基づいて前記検査領域毎に光源設定値を設定する光源設定値設定手段と、
    前記光源設定値設定工程で設定された光源設定値による検査光を前記検査対象に照射し、前記検査対象の前記検査領域を撮像し、前記撮像された画像データに基づいて所定の検査処理を実施する検査手段と、を備えた
    ことを特徴とする検査装置。
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