JP5411810B2 - ツールパラメータ導出装置,ロボット - Google Patents

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本発明は,工業用ロボットの多関節マニピュレータのアーム先端のフランジ面の回転中心に取り付けられたツールのツールパラメータを導出するための技術に関し,特に,ツールの並進成分の寸法を自動的に導出することのできるツールパラメータ導出装置及びロボットに関するものである。
工業用ロボットは,多関節マニピュレータのアーム先端のフランジ面の回転中心に取り付けられたツール(加工具)の先端を所望の位置に移動させることにより加工作業を実現する。なお,前記ツールは,例えばアーク溶接に用いられる溶接トーチ,塗布に用いられる塗装ガン,ハンドリングに用いられるグリッパやハンド,バリ取りに用いられるグラインダなどである。また,多関節マニピュレータは,少なくとも3以上の関節を有しており,その先端の関節のフランジ面に取り付けられたツールを並進動作,回転動作させる。
このような工業用ロボットにおいて,マニピュレータのアーム先端を所望の位置姿勢に移動させる際には,その所望の位置姿勢を示す並進成分及び回転成分の座標(x,y,z,α,β,γ)から逆運動学問題により各関節の角度を算出すればよい。なお,マニピュレータの各関節の角度から順運動学問題により現在のアーム先端の位置姿勢を算出することも可能である。
さらに,工業用ロボットにおいて,ツールの形状を示すツールパラメータが既知であれば,そのツールの先端を所望の位置姿勢に決めすることができる。なお,ツールパラメータには並進成分(Xt,Yt,Zt)及び回転成分(αt,βt,γt)が含まれる。
但し,予め設定されたツールパラメータに誤差が生じていると,ツールの先端の位置姿勢の制御精度が悪くなり,加工対象物の加工品質が劣化することとなる。ツールパラメータは,例えばツールを交換した場合やツールが加工対象物などに衝突した場合などに変化する。そのため,ツールパラメータの誤差を所定範囲内(例えば,アーク溶接であれば0.6mm以下)に維持するように,ツールパラメータを適時補正することが重要である。
そこで,従来から,ツールパラメータを導出する手法が提案されている(例えば,特許文献1,2参照)。特許文献1では,ツールをカメラで撮影することによりツールの形状を取得することが提案されている。また,特許文献2では,ユーザ操作によってツールの先端が任意の平面上の6つの異なる点に位置決めされたときに取得される位置座標に基づいてツールパラメータを導出することが提案されている。
特開平9−70780号公報 特開平8−71968号公報
しかしながら,前記特許文献1に係る構成では,カメラが必要となるためコスト面に問題があり,そのカメラとロボットとの位置決めも精度良く行うことが必要であるという問題点がある。
また,前記特許文献2に係る構成では,ユーザがツールの先端を任意の平面上に所定の位置姿勢で位置決めする操作を行う必要があるため,その操作がユーザにとって手間であるばかりでなく,そのユーザの位置決め操作時に生じる人為的誤差がツールパラメータの誤差に直結し,加工品質が劣化するおそれがある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ロボットの多関節マニピュレータのアーム先端のフランジ面の回転中心に取り付けられたツールの並進成分の寸法を高精度で自動的に導出することのできるツールパラメータ導出装置及びこれを備えたロボットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,アーム先端のフランジ面の回転中心にツールが取り付けられた多関節マニピュレータを予め設定されたベース座標系で動作させるロボットにおいて前記ツールの並進成分の寸法を導出するツールパラメータ導出装置に適用されるものであって,以下の(1)〜(4)を備えていることを特徴として構成される。
(1)前記ツールの可動範囲内に平面を有する平板治具と前記ツールの先端との接触を検出するツール接触検出手段。
(2)前記ツールの先端が前記平板治具から前記ベース座標系のZ軸方向に離間した第1の測定点,前記ベース座標系のX軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第1の測定点と異なる第2の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はX軸方向の位置のみが前記第2の測定点と異なる第3の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記平板治具に向けて前記ベース座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のZ軸方向の移動量を取得する移動量取得手段。
(3)前記移動量取得手段により取得された前記移動量に基づいて前記平板治具の前記ベース座標系に対する傾きを算出し,該傾きに基づいて前記平板治具と平行及び垂直な作業座標系を設定する作業座標系設定手段。
(4)前記作業座標系において前記フランジ面の回転中心を複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分の寸法を導出する並進成分導出手段。
このように構成された前記ツールパラメータ導出装置によれば,前記作業座標系が自動的に設定された上で,該作業座標系に従って前記ツールの並進成分の寸法が自動的に導出されるため,従来のようなユーザの位置決め操作時に生じる人為的誤差を排除して高い精度でツールパラメータを導出することができ,ユーザによる位置決め操作の手間も省略される。
ここで,前記フランジ面の回転中心を原点,前記フランジ面において直交する軸をX軸及びY軸,前記フランジ面と垂直な軸をZ軸とする座標空間をフランジ座標系としたとき,前記並進成分導出手段は,以下の(11)〜(13)を含むものであることが考えられる。
(11)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるZ軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第1の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する第1の並進成分導出手段。
(12)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸を回転中心に第2の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する第2の並進成分導出手段。
(13)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第3の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量と前記第1の並進成分導出手段で導出された前記ツールのX軸方向の寸法とに基づいて前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する第3の並進成分導出手段。
また,本発明は,アーム先端のフランジ面の回転中心にツールが取り付けられた多関節マニピュレータを予め設定されたベース座標系で動作させるロボットにおいて前記ツールの並進成分の寸法を導出するツールパラメータ導出装置に適用されるものであって,以下の(21)〜(25)を備えていることを特徴として構成される。
(21)前記ツールの可動範囲内に直交する二つの第1平面及び第2平面を有するL型治具と前記ツールの先端との接触を検出するツール接触検出手段。
(22)前記ツールの先端が前記L型治具の第1平面から前記ベース座標系のZ軸方向に離間した第1の測定点,前記ベース座標系のX軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第1の測定点と異なる第2の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はX軸方向の位置のみが前記第2の測定点と異なる第3の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記ベース座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のZ軸方向の移動量を取得する第1の移動量取得手段。
(23)前記ツールの先端が前記L型治具の第2平面から前記ベース座標系のX軸方向に離間した第4の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はZ軸方向の位置のみが前記第4の測定点と異なる第5の測定点,前記ベース座標系のZ軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第5の測定点と異なる第6の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第2平面に向けて前記ベース座標系のX軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のX軸方向の移動量を取得する第2の移動量取得手段。
(24)前記第1及び前記第2の移動量取得手段により取得された前記移動量に基づいて前記L型治具の前記ベース座標系に対する傾きを算出し,該傾きに基づいて前記L型治具と平行及び垂直な作業座標系を設定する作業座標系設定手段。
(25)前記作業座標系において前記フランジ面の回転中心を複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第1平面及び/又は第2平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向及び/又はX軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向及び/又はX軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分の寸法を導出する並進成分導出手段。
前記ツールパラメータ導出装置のように前記L型治具を用いれば,ユーザによる位置決め操作の手間を省略して高い精度でツールパラメータを導出することができると共に,前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する際に,前記ツールの先端よりも先に他の部位が治具に接触するおそれを回避することができる。
ここで,前記フランジ面の回転中心を原点,前記フランジ面において直交する軸をX軸及びY軸,前記フランジ面と垂直な軸をZ軸とする座標空間をフランジ座標系としたとき,前記並進成分導出手段は,以下の(31)〜(33)を含むことが考えられる。
(31)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるZ軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第1の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する第1の並進成分導出手段。
(32)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸を回転中心に第2の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する第2の並進成分導出手段。
(33)前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,該動作後の位置姿勢と前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第4の所定角度だけ回転させたときの位置姿勢とのそれぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面及び第2平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向及びX軸方向各々に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向及びX軸方向各々の移動量を取得し,該移動量と前記第1の並進成分導出手段で導出された前記ツールのX軸方向の寸法とに基づいて前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する第4の並進成分導出手段。
さらに,前記ツールパラメータ導出装置は,前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第5の所定角度だけ回転させたときの位置姿勢において,前記ツールの先端の長さが異なる二つの状態それぞれで前記ツールを前記平板治具又は前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系におけるZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの移動量を取得し,該移動量と前記第5の所定角度とに基づいて前記ツールの前記フランジ座標系におけるY軸周りの回転成分を導出する回転成分導出手段を更に備えてなることが望ましい。これにより,前記ツールの並進成分の寸法のみならず,前記ツールの前記フランジ座標系におけるY軸周りの回転成分についても自動的且つ高い精度で導出することが可能となる。
もちろん,本願発明は,前記ツールパラメータ導出装置及び前記多関節マニピュレータを備えるロボットの発明として捉えることも可能である。
本発明によれば,前記作業座標系が自動的に設定された上で,該作業座標系に従って前記ツールの並進成分の寸法が自動的に導出されるため,従来のようなユーザの位置決め操作時に生じる人為的誤差を排除して高い精度でツールパラメータを導出することができ,ユーザによる位置決め操作の手間も省略される。また,前記L型治具を用いれば,前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する際に,前記ツールの先端よりも先に他の部位が治具に接触するおそれを回避することも可能である。
本発明の実施の形態に係るロボットの概略構成を示す模式図。 本発明の実施の形態に係るロボットにおいて実行されるツールパラメータ導出処理の手順の一例を示すフロー図。 ツールパラメータ導出処理における平板治具の傾き検出時の動作を説明するための図。 平板治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 平板治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 平板治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 平板治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理の問題を説明するための図。 L型治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理を説明するための図。 ツールパラメータ導出処理におけるL型治具の傾き検出時の動作を説明するための図。 L型治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 L型治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 L型治具を用いた場合のツールパラメータ導出処理におけるツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する際の動作を説明するための図。 ツールパラメータ導出処理においてツールの回転成分を導出する際の動作を説明するための図。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず,図1を参照しつつ,本発明の実施の形態に係るロボット10の概略構成について説明する。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係るロボット10は,多関節マニピュレータ20,コントローラ30,ツール接触検出部40(ツール接触検出手段の一例),平板治具50などを備えて構成された工業用ロボットである。
前記多関節マニピュレータ20は,回動可能な6つの関節21〜26によって構成されたアームを有しており,そのアーム先端の関節26のフランジ面12の回転中心Pにはツール11が取り付けられる。ここで,前記ツール11は,アーク溶接に用いられる溶接トーチである。その他,前記ツール11は,塗布に用いられる塗装ガン,ハンドリングに用いられるグリッパやハンド,バリ取りに用いられるグラインダ等であってもよい。
前記多関節マニピュレータ20は,前記コントローラ30からの制御指令に従って前記関節21〜26各々を回転させることにより,前記ツール11を並進動作させ,或いは回転動作させる。なお,前記関節21〜26各々はステッピングモータ等の駆動源によって駆動される。
ここでは,図1に示すように,前記フランジ面12の回転中心Pを原点とし,前記フランジ面12において直交する軸Xf,YfをX軸,Y軸,前記フランジ面12に垂直な軸ZfをZ軸とする座標空間をフランジ座標系Fとする。
前記コントローラ30は,例えばパーソナルコンピュータ等であって,CPU,RAM,ROMなどの制御機器を有しており,前記ROMに予め格納されている所定の制御プログラムに従った各種の処理が前記CPUによって実行されることにより当該ロボット10の動作を制御する。
具体的に,前記コントローラ30は,ユーザによる操作入力に従って,或いは予め設定された作業プログラムに従って,前記多関節マニピュレータ20の関節21〜26各々の角度を制御することにより,加工対象物の加工処理を実行する。ここで,前記多関節マニピュレータ20のアームのパラメータは既知であり,前記コントローラ30は,図1に示すように,予め設定されたベース座標系B(Xb,Yb,Zb)において前記フランジ面12の回転中心Pの位置姿勢を制御し得るものとする。前記ベース座標系は,前記ロボット10において基準となる座標系として予め定められた固定の座標系である。
ところで,前記ツール11のツールパラメータについても既知であれば,前記コントローラ30は,前記ツール11の先端11aを前記ベース座標系Bで並進動作或いは回転動作させて,任意の位置姿勢に制御することが可能である。しかしながら,前記ツール11のツールパラメータは,加工作業中に加工対象物に衝突した場合や,前記ツール11が交換された場合などに変化する。そのため,前記ロボット10において,前記ツール11の先端11aの位置姿勢を正確に制御して高い加工品質を維持するためには,該ツール11のツールパラメータを高い精度で導出して適時補正するキャリブレーションを実行する必要がある。
なお,前記ツール11のツールパラメータは,前記フランジ座標系Fにおける前記ツール11の先端11aの座標である並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt)と回転成分(αt,βt,γt)とにより表される。本発明の実施の形態に係る前記ロボット10は,後述するように,前記ツール11の並進成分の寸法を自動的に導出し得ることに特徴を有している。
前記平板治具50は,前記コントローラ30によって後述のツールパラメータ導出処理が実行されるに際して,ユーザによって予めその平面が前記ツール11の可動範囲内に位置するように固定される鋼材などの導電性部材である。なお,前記ロボット10の通常動作(加工動作)時に加工対象物が載置される載置台が前記平板治具50であることも考えられる。
前記ツール接触検出部40は,前記ツール11に対して所定の電圧を印加しており,該ツール11の先端11aが前記平板治具50に接触した際の短絡電流などによって,前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触を検出する。なお,前記ツール接触検出部40は,前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触を検出することができればその手法はこれに限らない。
そして,前記ツール接触検出部40による検出結果は前記コントローラ30に入力される。このとき,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40によって前記ツール11の先端11aと前記平板治具50と接触が検出されたことを条件に,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させる。なお,前記ツール接触検出部40は,通常,前記ツール11の先端11aと加工対象物との接触を検出するために従来から利用されているものである。
以下,図2のフローチャートに従って,前記コントローラ30によって実行されるツールパラメータ導出処理の手順の一例について説明する。なお,前記ツールパラメータ導出処理における前記ロボット10の動作例について図3〜図6を適宜参照する。ここに,図2中のS1,S2,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
前記コントローラ30は,例えばユーザによる前記コントローラ30に対する所定の操作入力に応じて,或いは前記ツール11の交換後や所定期間経過ごと等に自動的に,当該ツールパラメータ導出処理を実行することにより,前記ツール接触検出部40を利用して前記ツール11の並進成分の寸法を導出する。ここに,当該ツールパラメータ導出処理を実行するときの前記コントローラ30及び前記ツール接触検出部40がツールパラメータ導出装置の一例である。
<ステップS1〜S2>
まず,ステップS1では,前記コントローラ30は,該コントローラ30内部にツールパラメータとして予め記憶されている前記ツール11の並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt;図1参照)を0にリセット(初期化)する。これにより,前記コントローラ30は,前記フランジ面12の回転中心P(フランジ座標系Fの原点)を,前記ベース座標系Bにおける前記ツール11の先端11aの位置座標として認識することになる。
次に,ステップS2では,前記コントローラ30は,前記平板治具50の前記基準座標系Bに対する傾きを検出し,該検出された傾きに基づいて前記平板治具50に平行及び垂直な座標空間である作業座標系Wを設定する。以下,図3を参照しつつ前記作業座標系Wの具体的な設定手法について説明する。
前記コントローラ30は,図3(a)に示すように,前記多関節マニピュレータ20を動作させることにより,前記フランジ面12の回転中心Pを第1の測定点P1〜第3の測定点P3の少なくとも3箇所に移動させると共に,その少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記ベース座標系BのZb軸方向に移動させたときに,該ツール11の先端11aと前記平板治具50とが接触する接触点Ps1〜Ps3までの移動量Z1〜Z3を測定する。
ここで,前記第1の測定点P1は,前記ツール11の先端11aが前記平板治具50から前記ベース座標系BのZb軸方向に離間した位置である。ここに,前記ベース座標系Bにおける前記第1の測定点P1の座標を(x,y,z)とする。また,前記第2の測定点P2は,前記ベース座標系BのXb軸方向の位置が前記第1の測定点P1とΔxだけ異なる位置(x+Δx,y,z)であり,前記第3の測定点P3は,前記ベース座標系BのYb軸方向の位置が前記第2の測定点P2とΔyだけ異なる位置(x+Δx,y+Δy,z)である。なお,ここでは計算を簡単にするために,前記第1の測定点P1と前記第2の測定点P2とは前記ベース座標系BのXb軸方向の位置のみが異なり,前記第2の測定点P2と前記第3の測定点P3とは前記ベース座標系BのYb軸方向の位置のみが異なる場合を例に挙げて説明するが,前記第1の測定点P1,前記第2の測定点P2,前記第3の測定点P3は,該測定点P1〜P3により三角形が形成されるようにXb軸方向及び/又はYb軸方向の位置が異なり,Zb軸方向の位置が同一である点であればよい。
このとき,実際の前記ツール11の先端11aの位置座標は不明であるが,図3(b)に示すように,前記フランジ面12の回転中心Pを,前記ベース座標系BのZb軸の位置P0から前記平板治具50よりも下方の位置Peを目標に移動させた場合,該ツール11の先端11aと前記平板治具50とが接触する位置Ps0までの前記回転中心Pの移動距離は,前記ツール11の先端11aの移動距離と同じΔZである。
そのため,前記コントローラ30は,前記測定点P1〜P3それぞれにおいて,前記ツール11の先端11aと前記平板治具50とが接触する毎に前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps1〜Ps3における前記フランジ面12の回転中心Pの前記ベース座標系Bにおける位置座標を取得する。そして,前記コントローラ30は,前記測定点P1〜P3それぞれと前記接触点Ps1〜Ps3それぞれとの位置座標の差分を算出することにより,前記移動量Z1〜Z3を算出する。即ち,前記接触点Ps1〜Ps3の位置座標は,前記移動量Z1〜Z3を用いると,Ps1(x,y,z−Z1),Ps2(x+Δx,y,z−Z2),Ps3(x+Δx,y+Δy,z−Z3)で表される。
ここに,前記移動量Z1〜Z3を取得するときの前記コントローラ30が移動量取得手段に相当する。なお,前記第1の測定点P1は,前記先端11aが前記平板治具50から離間していればその都度異なる任意の位置であってもよい。
そして,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により接触が検出された接触点Ps1〜Ps3の位置座標に基づいて,前記第1の測定点P1から前記第2の測定点P2のベクトルΔPs12,前記第2の測定点P2から前記第3の測定点P3のベクトルΔPs23を以下の式(1),(2)により算出する。
ΔPs12=Ps2−Ps1=(Δx,0,Z1−Z2) …(1)
ΔPs23=Ps3−Ps2=(0,Δy,Z2−Z3) …(2)
また,前記コントローラ30は,前記ベクトルΔPs12,ΔPs23の単位ベクトルL,mを以下の式(3),(4)により算出する。
L=ΔPs12/|ΔPs12| …(3)
m=ΔPs23/|ΔPs23| …(4)
さらに,前記コントローラ30は,前記単位ベクトルL,mの外積を算出することにより,前記平板治具50に垂直な単位ベクトルNを算出する(N=L×m)。また,前記コントローラ30は,前記単位ベクトルL×Nにより単位ベクトルMを算出する。これにより,前記コントローラ30は,前記平板治具50の前記ベース座標系Bに対する傾きを算出することとなる。
続いて,前記コントローラ30は,前記単位ベクトルNの方向をZ軸,前記単位ベクトルLの方向を前記X軸,前記単位ベクトルMの方向をY軸とする座標空間を作業座標系W(Xw,Yw,Zw)として設定する。このとき,前記作業座標系Wは,前記平板治具50に平行及び垂直な座標空間であり,前記ベース座標系Bから見た前記作業座標系WのXw,Yw,Zw軸の方向は,L(Lx,Ly,Lz),M(Mx,My,Mz),N(Nx,Ny,Nz)となる。そして,前記コントローラ30は,前記ベース座標系B上のベクトルを前記作業座標系W上のベクトルに変換するための回転行列Rを算出する。ここに,前記回転行列Rは以下の(5)式で表される。
Figure 0005411810
これにより,前記コントローラ30は,以後の処理において,前記回転行列Rに基づいて前記平板治具50と平行及び垂直な作業座標系W(Xw,Yw,Zw)で前記多関節マニピュレータ20を制御して前記ツール11を直線動作させることができる。このように,前記作業座標系Wを設定するときの前記コントローラ30が作業座標系設定手段に相当する。
<ステップS3〜S5>
そして,ステップS3〜S5において,前記コントローラ30は,前記作業座標系Wにおいて前記フランジ面12の回転中心Pを複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記作業座標系WのZw軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツール11の並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt)を導出する。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が並進成分導出手段に相当する。以下,前記コントローラ30が前記ツール11の並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt)を導出する具体的手法について説明する。
<ステップS3>
まず,ステップS3において,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分のうち前記フランジ座標系FにおけるXf軸方向の寸法Xtを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,図4(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのZw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。このとき,前記コントローラ30は,前記回転行列Rに基づいて前記多関節マニピュレータ20を制御することにより,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのZw軸とが平行となるように前記フランジ面12の位置姿勢を制御することが可能である。この点は,以下の動作についても同様である。
その後,前記コントローラ30は,図4(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節25により,前記ツール11を,前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第1の所定角度θ1だけ正回転(+θ1)させて測定点P11の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P11(x11,y11,z11)とする。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P11において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps11の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps11(x11’,y11’,z11’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P11と前記接触点Ps11との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z11(z11−z11’)を算出する。
次に,前記コントローラ30は,再度,図4(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのZw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。
その後,前記コントローラ30は,図4(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節25により,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第1の所定角度θ1だけ逆回転(−θ1)させて測定点P12の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P12(x12,y12,z12)とする。もちろん,前記測定点P11から2×θ1の角度だけ逆回転させてもよい。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P12において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps12の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps12(x12’,y12’,z12’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P12と前記接触点Ps12との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z12(z12−z12’)を算出する。
このように,前記測定点P11,P12において,前記移動量Z11,Z12が取得されると,前記コントローラ30は,該移動量Z11,Z12に基づいて前記ツール11の並進成分のX軸方向の寸法を導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分の寸法Xtを以下の式(6)により算出する。
Xt=(|Z12−Z11|)/(2sinΔθ1) …(6)
以上より,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるZw軸とが平行になるように前記ツール11を位置決めした後,前記測定点P11,P12の2箇所それぞれにおいて取得される移動量Z11,Z12に基づいて前記ツール11の並進成分のX軸方向の寸法Xtを導出することができる。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第1の並進成分導出手段に相当する。
<ステップS4>
続いて,ステップS4において,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分のうち前記フランジ座標系FにおけるYf軸方向の寸法Ytを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,図5(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。
その後,前記コントローラ30は,図5(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節26により,前記ツール11を,前記フランジ座標系FのZf軸を回転中心に第2の所定角度θ2だけ正回転(+θ2)させて測定点P21の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P21(x21,y21,z21)とする。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P21において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps21の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps21(x21’,y21’,z21’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P21と前記接触点Ps21との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z21(z21−z21’)を算出する。
次に,前記コントローラ30は,再度,図5(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。
その後,前記コントローラ30は,図5(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節26により,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸を回転中心に第2の所定角度θ2だけ逆回転(−θ2)させて測定点P22の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P22(x22,y22,z22)とする。もちろん,前記測定点P21から2×θ1の角度だけ逆回転させてもよい。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P22において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps22の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps22(x22’,y22’,z22’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P22と前記接触点Ps22との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z22(z22−z22’)を算出する。
このように,前記測定点P21,P22において,前記移動量Z21,Z22が取得されると,前記コントローラ30は,該移動量Z21,Z22に基づいて前記ツール11の並進成分のY軸方向の寸法を導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分の寸法Ytを以下の式(7)により算出する。
Yt=(|Z22−Z21|)/(2sinΔθ2) …(7)
以上より,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるXw軸とが平行になるように前記ツール11を位置決めした後,前記測定点P21,P22の2箇所それぞれにおいて取得される移動量Z21,Z22に基づいて前記ツール11の並進成分のY軸方向の寸法Ytを導出することができる。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第2の並進成分導出手段に相当する。
<ステップS5>
さらに,ステップS5において,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分のうち前記フランジ座標系FにおけるZf軸方向の寸法Ztを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,図6(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。なお,このとき,前記多関節マニピュレータ20と前記平板治具50とは,該多関節マニピュレータ20のアームが下降しても前記ツール11よりも先に前記平板治具50に接触しない位置関係にある。
その後,前記コントローラ30は,図6(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節25により,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第3の所定角度θ3だけ正回転(+θ3)させて測定点P31の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P31(x31,y31,z31)とする。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P31において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps31の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps31(x31’,y31’,z31’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P31と前記接触点Ps31との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z31(z31−z31’)を算出する。
次に,前記コントローラ30は,再度,図6(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。
その後,前記コントローラ30は,図6(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節25により,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第3の所定角度θ3だけ逆回転(−θ3)させて測定点P32の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P32(x32,y32,z32)とする。もちろん,前記測定点P31から2×θ1の角度だけ逆回転させてもよい。
また,前記コントローラ30は,前記測定点P32において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps32の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps32(x32’,y32’,z32’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P32と前記接触点Ps32との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z32(z32−z32’)を算出する。
このように,前記測定点P31,P32において,前記移動量Z31,Z32が取得されると,前記コントローラ30は,該移動量Z31,Z32と前記ステップS3で導出された前記ツール11のX軸方向の寸法Xtとに基づいて前記ツール11の並進成分のZ軸方向の寸法Ztを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分の寸法Ztを以下の式(8)〜(10)により算出する。
Figure 0005411810
図6(b)に示すように,D1は,前記関節25の回転中心から前記関節26のフランジ面12までの距離である。また,D2は,前記測定点P31における前記ツール11の先端11aの前記平板治具50に対する垂線と前記測定点P31,P32各々における前記フランジ座標系FのZf軸との二つの交点の間の距離である。さらに,D3は,前記関節25の回転中心から,前記測定点P31における前記ツール11の先端11aの前記平板治具50に対する垂線と前記フランジ座標系FのZf軸との交点までの距離である。
以上より,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるXw軸とが平行になるように前記ツール11を位置決めした後,前記測定点P31,P32の2箇所それぞれにおいて取得される移動量Z31,Z32と前記ツール11の寸法Xtとに基づいて前記ツール11の並進成分のX軸方向の寸法Ztを導出することができる。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第3の並進成分導出手段に相当する。
<ステップS6>
そして,前記コントローラ30は,前記ステップS3〜S5で導出された前記ツール11の並進成分である前記フランジ座標系FのXf,Yf,Zf軸方向の寸法Xt,Yt,Ztをツールパラメータとして設定(或いは補正)し,当該ツールパラメータ導出処理を終了させ,処理を通常の加工動作処理に移行させる。なお,前記ツールパラメータは,前記コントローラ30の内部メモリなどに記憶される。
このように,前記ロボット10では,前記コントローラ30によって前記ツールパラメータ導出処理が実行されることにより,自動的に前記ツール11の並進成分の寸法Xt,Yt,Ztを導出することができる。従って,従来のようなユーザの位置決め操作時に生じる人為的誤差を排除して高い精度でツールパラメータを導出することができ,高い加工精度を得ることができる。また,ユーザによる位置決め操作の手間を省略することができる。
ところで,前記実施の形態では,1つの平面を有する前記平板治具50を用いて前記ツール11の並進成分の寸法を導出する場合を例に挙げて説明した。
但し,図7に示すように,前記実施の形態に係る構成では,前記ツール11の並進成分のZ軸方向の寸法Ztを導出する際,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行な状態で,前記第3の所定角度θ3だけ正回転(+θ3)させることにより前記ツール11が上方に回転移動した測定点P31の位置姿勢に位置決めした後,前記ツール11が前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動する。そのため,前記多関節マニピュレータ20と前記平板治具50との位置関係如何によっては,図7(a)に示すように,前記ツール11の先端11aよりも先に前記多関節マニピュレータ20のアームなどの構成要素が前記平板治具50に接触するおそれがある。また,図7(b)に示すように,前記ツール11の先端11aではなく該先端11aを指示するソケット11bなどが先に前記平板治具50に接触するおそれもある。
そこで,本実施例1では,図8に示すように,前記平板治具50に代えて,直交する二つの下板61(第1平面)及び立板62(第2平面)を有するL型治具60を用いて,前記ツール11の並進成分の寸法を導出する場合の前記ツールパラメータ導出処理について説明する。これにより,前記ツール11を,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行な状態からさらに上方に回転移動させる必要がなくなり,該マニピュレータ20のアームや前記ソケット11bなどと前記L型治具60との接触を回避しつつ,前記ツール11の並進成分の寸法Xt,Yt,Ztを算出することができる。
以下,前記L型治具60を用いて実行されるパラメータ導出処理について説明する。なお,前記パラメータ導出処理の基本的な処理の流れは前記実施の形態(図2参照)と同様である。特に,前記ステップS1及び前記ステップS6の処理については特に変わりがないため,ここでは説明を省略し,前記実施の形態と異なるステップS2〜S5についてのみ説明する。なお,この場合,前記ツール接触検出部40は,前記L型治具60の下板61又は立板62と前記ツール11の先端11aとの接触を検出することとなる。
<ステップS2>
前記ステップS2では,前記コントローラ30は,前記L型治具60の前記基準座標系Bに対する傾きを検出し,該検出された傾きに基づいて前記L型治具60に平行及び垂直な座標空間である作業座標系Wを設定する。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が,移動量取得手段及び作業座標系設定手段に相当する。以下,図9,図10を参照しつつ前記作業座標系Wの具体的な設定手法について説明する。
図9,図10に示すように,前記コントローラ30は,前記実施の形態におけるステップS2と同様の処理を前記下板61及び前記立板62について実行する。
具体的には,前記コントローラ30は,前記ツール11の先端11aが前記L型治具60の下板61から前記ベース座標系BのZb軸方向に離間した第1の測定点,前記ベース座標系BのXb軸方向の位置のみが前記第1の測定点と異なる第2の測定点,前記ベース座標系BのYb軸方向の位置のみが前記第2の測定点と異なる第3の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面12の回転中心Pを移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツール11を前記L型治具60の下板61に向けて前記ベース座標系BのZb軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記ベース座標系BのZb軸方向の移動量Z1〜Z3を取得する。ここに,前記移動量Z1〜Z3を取得するときの前記コントローラ30が第1の移動量取得手段に相当する。なお,ここでは計算を簡単にするために,前記第1の測定点と前記第2の測定点とは前記ベース座標系BのXb軸方向の位置のみが異なり,前記第2の測定点と前記第3の測定点とは前記ベース座標系BのYb軸方向の位置のみが異なる場合を例に挙げて説明するが,前記第1の測定点,前記第2の測定点,前記第3の測定点は,該測定点各々により三角形が形成されるようにXb軸方向及び/又はYb軸方向の位置が異なり,Zb軸方向の位置が同一である点であればよい。
また,前記コントローラ30は,前記ツール11の先端11aが前記L型治具60の立板62から前記ベース座標系BのXb軸方向に離間した第4の測定点,前記ベース座標系BのYb軸方向の位置のみが前記第4の測定点と異なる第5の測定点,前記ベース座標系BのZb軸方向の位置のみが前記第5の測定点と異なる第6の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面12の回転中心Pを移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツール11を前記L型治具60の立板62に向けて前記ベース座標系BのXb軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記ベース座標系BのXb軸方向の移動量X1〜X3を取得する。ここに,前記移動量X1〜X3を取得するときの前記コントローラ30が第2の移動量取得手段に相当する。なお,ここでは計算を簡単にするために,前記第4の測定点と前記第5の測定点とは前記ベース座標系BのYb軸方向の位置のみが異なり,前記第5の測定点と前記第6の測定点とは前記ベース座標系BのZb軸方向の位置のみが異なる場合を例に挙げて説明するが,前記第4の測定点,前記第5の測定点,前記第6の測定点は,該測定点各々により三角形が形成されるようにYb軸方向及び/又はZb軸方向の位置が異なり,Xb軸方向の位置が同一である点であればよい。
続いて,前記コントローラ30は,前記移動量Z1〜Z3及び前記移動量X1〜X3に基づいて前記下板61に垂直な単位ベクトルNpと前記立板62に垂直な単位ベクトルNvとを取得する。なお,係る手順は,前記実施の形態で説明した前記単位ベクトルNを算出するときと略同様の処理であるため,ここでは説明を省略する。これにより,前記コントローラ30は,前記L型治具60の前記ベース座標系Bに対する傾きを算出することとなる。
そして,前記コントローラ30は,前記単位ベクトルNpをZ軸,Np×Nvで算出されるベクトルMをY軸,M×Npで算出されるベクトルLをX軸とする座標空間を作業座標系W(Xw,Yw,Zw)として設定する。このとき,前記作業座標系Wは,前記L型治具60の下板61及び立板62に平行及び垂直な座標空間であり,前記ベース座標系Bから見た前記作業座標系WのXw,Yw,Zw軸の方向は,L(Lx,Ly,Lz),M(Mx,My,Mz),N(Nx,Ny,Nz)となる。そして,前記コントローラ30は,前記ベース座標系B上のベクトルを前記作業座標系W上のベクトルに変換するための回転行列Rを算出する。ここに,前記回転行列Rは前記式(5)式で表される。
これにより,前記コントローラ30は,以後の処理において,前記回転行列Rとに基づいて,前記L型治具60の下板61及び立板62に平行及び垂直な作業座標系W(Xw,Yw,Zw)で前記多関節マニピュレータ20により前記ツール11を直線動作させることができる。
例えば,前記ツール11を前記下板61と平行且つ前記立板62と垂直に移動させたい場合,即ち前記作業座標系WにおけるXw方向に移動させたい場合,以下の式(11)で前記ベース座標系Bにおける方向ベクトルV(Vx,Vy,Vz)を算出し,該方向ベクトルVに従って前記多関節マニピュレータ20を制御する。
Figure 0005411810
<ステップS3〜S5>
そして,ステップS3〜S5において,前記コントローラ30は,前記作業座標系Wにおいて前記フランジ面12の回転中心Pを複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツール11を前記L型治具60の下板61や立板62に向けて前記作業座標系WのZw軸方向やXw軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記作業座標系WのZw軸方向やXw軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツール11の並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt)を導出する。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が並進成分導出手段に相当する。
<ステップS3〜S4>
次に,前記コントローラ30は,前記実施の形態で説明した前記ステップS3,S4と同様の処理(図4,図5参照)を,前記平板治具50に代えて前記下板61を対象に実行する。
即ち,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるZw軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータ20を動作させた後,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第1の所定角度θ1だけ正回転(+θ1)及び逆回転(−θ1)させたときの二つの位置姿勢である測定点P11,P12それぞれにおいて,該ツール11を前記L型治具60の下板61に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記作業座標系WのZw軸方向の移動量Z11を取得し,該移動量Z11に基づいて前記ツール11の並進成分のX軸方向の寸法Xtを導出する。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第1の並進成分導出手段に相当する。
また,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるXw軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータ20を動作させた後,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸を回転中心に第2の所定角度θ2だけ正回転(+θ2)及び逆回転(−θ2)させたときの二つの位置姿勢である測定点P21,P22それぞれにおいて,該ツール11を前記L型治具60の下板61に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出部40により接触が検出されるまでの前記作業座標系WのZw軸方向の移動量Z21を取得し,該移動量Z21に基づいて前記ツール11の並進成分のY軸方向の寸法Ytを導出する。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第2の並進成分導出手段に相当する。
<ステップS5>
一方,ステップS5において,前記コントローラ30は,前記実施の形態で説明したステップS5とは異なる処理を実行する。
具体的に,前記コントローラ30は,図11(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となるように前記多関節マニピュレータ20を動作させる。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P41(x41,y41,z41)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P41において,前記ツール11を前記L型治具60の下板61に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記L型治具60の下板61との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps41の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps41(x41’,y41’,z41’)とする。
その後,前記コントローラ30は,前記測定点P41と前記接触点Ps41との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z41(z41−z41’)を算出する。
さらに,前記コントローラ30は,前記測定点P41において,前記ツール11を前記L型治具60の立板62に向けて前記作業座標系WのXw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記L型治具60の立板62との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps51の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps51(x51’,y51’,z51’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P41と前記接触点Ps51との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるXw軸方向の移動量X41(x41−x51’)を算出する。
次に,前記コントローラ30は,再度,図11(a)に示すように,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行となる前記測定点P41の位置姿勢に前記多関節マニピュレータ20を動作させる。
さらに,前記コントローラ30は,図11(b)に示すように,前記多関節マニピュレータ20の関節25により,前記ツール11を前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第4の所定角度θ4だけ逆回転(−θ4)させて測定点P42の位置姿勢に位置決めする。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P42(x42,y42,z42)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P42において,前記ツール11を前記L型治具60の下板61に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記L型治具60の下板61との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps42の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps421(x42’,y42’,z42’)とする。
その後,前記コントローラ30は,前記測定点P32と前記接触点Ps32との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z42(z42−z42’)を算出する。
さらに,前記コントローラ30は,前記測定点P42において,前記ツール11を前記L型治具60の立板62に向けて前記作業座標系WのXw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記L型治具60の立板62との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps52の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps52(x52’,y52’,z52’)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P42と前記接触点Ps52との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるXw軸方向の移動量X42(x42−x52’)を算出する。
このように,前記測定点P41,P42において,前記移動量Z41,X41及び前記移動量Z42,X42が取得されると,前記コントローラ30は,前記移動量Z41,X41及び前記移動量Z42,X42と前記ステップS3で導出された前記ツール11のX軸方向の寸法Xtとに基づいて前記ツール11の並進成分のZ軸方向の寸法Ztを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,前記ツール11の並進成分の寸法Ztを以下の式(12)〜(14)により算出する。
Figure 0005411810
図11(b)に示すように,D4は,前記関節25の回転中心から前記関節26のフランジ面12までの距離である。また,D5は,前記測定点P41及び前記測定点P42各々における前記ツール11の先端11aを結ぶ直線距離である。さらに,D6は,前記関節25の回転中心及び前記ツール11の先端11aを結ぶ直線距離である。
以上より,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるXw軸とが平行になるように前記ツール11を位置決めした後,前記測定点P41,P42の2箇所それぞれにおいて取得される移動量Z41,X41及び移動量Z42,X42と前記ツール11の寸法Xtとに基づいて前記ツール11の並進成分のX軸方向の寸法Ztを導出することができる。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が第4の並進成分導出手段に相当する。
したがって,本実施例1に係る構成によれば,前記ツール11を,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行な状態からさらに上方に回転移動させる必要がなくなり,該マニピュレータ20のアームや前記ソケット11bなどと前記L型治具60との接触を回避しつつ,前記ツール11の並進成分の寸法Xt,Yt,Ztを算出することができる。
また,前記実施の形態及び前記実施例1では,前記ツール11のツールパラメータのうち並進成分の寸法(Xt,Yt,Zt)を自動的に導出する手法について説明した。
さらに,前記ロボット10では,以下の手法により,前記ツール11のツールパラメータのうち,図12に示すように前記フランジ座標系FにおけるYf軸周りの回転角の成分である回転角成分βtについても自動的に導出することが可能である。なお,ここでは前記平板治具50を用いる場合を例に挙げて説明するが,前記L型治具60を用いる場合についても,前記平板治具50を前記L型治具60の下板61に置き換えて同様の処理を実行すればよい。
ここで,前記マニピュレータ20の関節26のフランジ面12に取り付けられた前記ツール11は,そのソケット11bから先端11aの長さが伸縮可能なものであるとする。
ここに,図13は,図6の測定点P32又は図11(b)の測定点P42の位置姿勢と同様に,前記ツール11を,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WのXw軸とが平行な状態から,前記フランジ座標系FのZf軸と直交し,該フランジ座標系FのYf軸に平行な軸まわりに第5の所定角度θ5だけ逆回転(−θ5)させた測定点P61の位置姿勢に位置決めした状態である。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を測定点P61(x61,y61,z61)とする。
そして,前記コントローラ30は,前記測定点P61において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps61の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps61(x61’,y61’,z61’)とする。そして,前記コントローラ30は,前記測定点P61と前記接触点Ps61との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z61(z61−z61’)を算出する。
次に,前記コントローラ30は,前記測定点P61において,前記ツール11の先端11aを現状の長さExから所定量ΔTだけ延長された状態で,再度,前記測定点P61において,前記ツール11を前記平板治具50に向けて前記作業座標系WのZw軸方向に直線移動させる。
このとき前記ツール11の先端11aを延長する手法の一例を挙げると,前記ツール11として前記フランジ面12からの突き出し長さが変更可能な溶接ワイヤを用いる場合は,ユーザによるワイヤインチングでその溶接ワイヤを手動送給し,該ツール11の先端11aの突き出し長さを変更することが考えられる。もちろん,前記溶接ワイヤが自動送給可能な場合には,前記コントローラ30が自動送給により該溶接ワイヤの長さを変更すればよい。また,前記ツール11の先端11aに針状プローブを用いる場合には,ユーザによって前記針状プローブが長さの異なるものに交換されることにより,該ツール11の先端11aの突き出し長さが変更される。
その後,前記コントローラ30は,前記ツール接触検出部40により前記ツール11の先端11aと前記平板治具50との接触が検出されると,前記多関節マニピュレータ20の動作を停止させ,その接触点Ps62の前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を取得する。このときの前記作業座標系Wにおける前記フランジ面12の回転中心Pの位置座標を接触点Ps62(x62’,y62’,z62’)とする。そして,前記コントローラ30は,前記測定点P61と前記接触点Ps62との差分を算出することにより,前記ツール11の前記作業座標系WにおけるZw軸方向の移動量Z62(z62−z62’)を算出する。
このように,前記測定点P61において前記移動量Z61,Z62が取得されると,前記コントローラ30は,該移動量Z61,Z62に基づいて前記ツール11の回転成分βtを導出する。
具体的に,前記コントローラ30は,前記ツール11の回転成分βtを以下の式(15)により算出する。
βt=Sin-1(Z61−Z62)/ΔT)−θ5 …(15)
以上より,前記コントローラ30は,前記フランジ座標系FのZf軸と前記作業座標系WにおけるZw軸とが平行になるように前記ツール11を位置決めした後,前記測定点P61において前記ツール11の先端11aの長さを変更した状態それぞれで取得される移動量Z61,Z62に基づいて前記ツール11の回転成分βtを導出することができる。ここに,係る処理を実行するときの前記コントローラ30が回転成分導出手段に相当する。
10:ロボット
11:ツール
11a:ツールの先端
12:フランジ面
20:多関節マニピュレータ
21〜26:関節
30:コントローラ
40:ツール接触検出部
50:平板治具
60:L型治具
61:下板(第1平面)
62:立板(第2平面)
S1,S2,…:処理手順(ステップ)番号
Xt,Yt,Zt:ツールの並進成分
Xb,Yb,Zb:ベース座標系BのX,Y,Z軸
Xf,Yf,Zf:フランジ座標系FのX,Y,Z軸
Xw,Yw,Zw:作業座標系WのX,Y,Z軸

Claims (6)

  1. アーム先端のフランジ面の回転中心にツールが取り付けられた多関節マニピュレータを予め設定されたベース座標系で動作させるロボットにおいて前記ツールの並進成分の寸法を導出するツールパラメータ導出装置であって,
    前記ツールの可動範囲内に平面を有する平板治具と前記ツールの先端との接触を検出するツール接触検出手段と,
    前記ツールの先端が前記平板治具から前記ベース座標系のZ軸方向に離間した第1の測定点,前記ベース座標系のX軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第1の測定点と異なる第2の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はX軸方向の位置のみが前記第2の測定点と異なる第3の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記平板治具に向けて前記ベース座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のZ軸方向の移動量を取得する移動量取得手段と,
    前記移動量取得手段により取得された前記移動量に基づいて前記平板治具の前記ベース座標系に対する傾きを算出し,該傾きに基づいて前記平板治具と平行及び垂直な作業座標系を設定する作業座標系設定手段と,
    前記作業座標系において前記フランジ面の回転中心を複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分の寸法を導出する並進成分導出手段と,
    を備えてなることを特徴とするツールパラメータ導出装置。
  2. 前記フランジ面の回転中心を原点,前記フランジ面において直交する軸をX軸及びY軸,前記フランジ面と垂直な軸をZ軸とする座標空間をフランジ座標系としたとき,
    前記並進成分導出手段が,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるZ軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第1の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する第1の並進成分導出手段と,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸を回転中心に第2の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する第2の並進成分導出手段と,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第3の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記平板治具に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量と前記第1の並進成分導出手段で導出された前記ツールのX軸方向の寸法とに基づいて前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する第3の並進成分導出手段と,
    を含んでなる請求項1に記載のツールパラメータ導出装置。
  3. アーム先端のフランジ面の回転中心にツールが取り付けられた多関節マニピュレータを予め設定されたベース座標系で動作させるロボットにおいて前記ツールの並進成分の寸法を導出するツールパラメータ導出装置であって,
    前記ツールの可動範囲内に直交する二つの第1平面及び第2平面を有するL型治具と前記ツールの先端との接触を検出するツール接触検出手段と,
    前記ツールの先端が前記L型治具の第1平面から前記ベース座標系のZ軸方向に離間した第1の測定点,前記ベース座標系のX軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第1の測定点と異なる第2の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はX軸方向の位置のみが前記第2の測定点と異なる第3の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記ベース座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のZ軸方向の移動量を取得する第1の移動量取得手段と,
    前記ツールの先端が前記L型治具の第2平面から前記ベース座標系のX軸方向に離間した第4の測定点,前記ベース座標系のY軸方向及び/又はZ軸方向の位置のみが前記第4の測定点と異なる第5の測定点,前記ベース座標系のZ軸方向及び/又はY軸方向の位置のみが前記第5の測定点と異なる第6の測定点の少なくとも3箇所に前記フランジ面の回転中心を移動させると共に,該少なくとも3箇所の位置それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第2平面に向けて前記ベース座標系のX軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記ベース座標系のX軸方向の移動量を取得する第2の移動量取得手段と,
    前記第1及び前記第2の移動量取得手段により取得された前記移動量に基づいて前記L型治具の前記ベース座標系に対する傾きを算出し,該傾きに基づいて前記L型治具と平行及び垂直な作業座標系を設定する作業座標系設定手段と,
    前記作業座標系において前記フランジ面の回転中心を複数の位置姿勢に位置決めすると共に,該位置姿勢それぞれにおいて前記ツールを前記L型治具の第1平面及び/又は第2平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向及び/又はX軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向及び/又はX軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分の寸法を導出する並進成分導出手段と,
    を備えてなることを特徴とするツールパラメータ導出装置。
  4. 前記フランジ面の回転中心を原点,前記フランジ面において直交する軸をX軸及びY軸,前記フランジ面と垂直な軸をZ軸とする座標空間をフランジ座標系としたとき,
    前記並進成分導出手段が,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるZ軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第1の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のX軸方向の寸法を導出する第1の並進成分導出手段と,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸を回転中心に第2の所定角度だけ正回転及び逆回転させたときの二つの位置姿勢それぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向の移動量を取得し,該移動量に基づいて前記ツールの並進成分のY軸方向の寸法を導出する第2の並進成分導出手段と,
    前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,該動作後の位置姿勢と前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第4の所定角度だけ回転させたときの位置姿勢とのそれぞれにおいて,該ツールを前記L型治具の第1平面及び第2平面に向けて前記作業座標系のZ軸方向及びX軸方向各々に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの前記作業座標系のZ軸方向及びX軸方向各々の移動量を取得し,該移動量と前記第1の並進成分導出手段で導出された前記ツールのX軸方向の寸法とに基づいて前記ツールの並進成分のZ軸方向の寸法を導出する第4の並進成分導出手段と,
    を含んでなる請求項3に記載のツールパラメータ導出装置。
  5. 前記フランジ座標系のZ軸と前記作業座標系におけるX軸とが平行になるように前記多関節マニピュレータを動作させた後,前記ツールを前記フランジ座標系のZ軸と直交し前記フランジ座標系のY軸と平行な軸まわりに第5の所定角度だけ回転させたときの位置姿勢において,前記ツールの長さを変化させた異なる二つの状態それぞれで前記ツールを前記平板治具又は前記L型治具の第1平面に向けて前記作業座標系におけるZ軸方向に移動させたときに前記ツール接触検出手段により接触が検出されるまでの移動量を取得し,該移動量と前記第5の所定角度とに基づいて前記ツールの前記フランジ座標系におけるY軸周りの回転成分を導出する回転成分導出手段を更に備えてなる請求項2又は4のいずれかに記載のツールパラメータ導出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の前記ツールパラメータ導出装置及び前記多関節マニピュレータを備えてなることを特徴とするロボット。
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