JP5411621B2 - 熱応動式スチームトラップ - Google Patents

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Description

本発明は、加熱されて膨脹し冷却されて収縮する膨脹収縮媒体を含む温度制御機素を用いて、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出する熱応動式スチームトラップに関する。
従来の熱応動式スチームトラップは、例えば特許文献1に開示されている。これは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に形成し、膨脹収縮媒体により弁部材を駆動して弁孔を開閉する温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、一対の上弁座及び下弁座により弁座部材を形成し、上弁座及び下弁座を同時に開閉する上弁体及び下弁体により弁部材を形成し、弁部材に作用する流体圧力を対称に作用させて互いに相殺して大きな弁孔を開閉できるようにしたものである。
特開平5−263991号公報
上記従来の熱応動式スチームトラップにおいては、上弁体及び下弁体が上弁座及び下弁座に同時に着座できるように製作することが困難で、上記を漏出し易いという問題点があった。
したがって本発明が解決しようとする課題は、蒸気を漏出することなく弁部材に作用する流体圧力を相殺して大きな弁口を開閉できる熱応動式スチームトラップを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の熱応動式スチームトラップは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に形成し、膨脹収縮媒体により弁部材を駆動して弁孔を開閉する温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、弁座部材は円筒形状で両端を弁室に開口すると共に周囲を排出孔により出口に連通するものとし、弁部材は円筒形状で一端を開口すると共に他端を壁部材により塞いで一端開口側の環状弁面が弁座部材の一端開口側の弁孔を開閉すると共に他端壁部材側の外周が弁座部材の他端開口側の内周を気密的に摺動するものとし、膨脹収縮媒体の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも低温時に温度制御機素を変位せしめて弁孔を開口する温度応動部材を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、弁座部材は円筒形状で両端を弁室に開口すると共に周囲を排出孔により出口に連通するものとし、弁部材は円筒形状で一端を開口すると共に他端を壁部材により塞いで一端開口側の環状弁面が弁座部材の一端開口側の弁孔を開閉すると共に他端壁部材側の外周が弁座部材の他端開口側の内周を気密的に摺動するものとしたことにより、弁部材の一端乃至壁部材の一面と壁部材の他面に作用する流体圧力を対称に作用させて互いに相殺して弁部材の環状弁面で弁座部材の大きな弁孔を蒸気を漏出することなく開閉することができるという効果を奏する。また、膨脹収縮媒体の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも低温時に温度制御機素を変位せしめて弁孔を開口する温度応動部材を設けたことにより、膨脹収縮媒体が変質して温度制御機素が弁孔を開口できなくなり弁室の温度が膨脹収縮媒体の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも低温になると、温度応動部材が温度制御機素を変位せしめて弁孔を開口することにより、復水を排出することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係わる熱応動式スチームトラップの断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。入口1と出口2を有する本体3に蓋体4を締結して内部に弁室6を有するケーシングを構成する。弁室6の本体3に弁座部材7を図示しないねじにより取り付ける。弁座部材7は円筒形状で両端を弁室6に開口すると共に周囲を排出孔8により出口2に連通する。弁座部材7の一端開口側により弁室6と出口2を連通する弁孔9を形成し、他端開口側の内周により摺動部10を形成する。摺動部10には気密用のOリング11を配置する。
弁室5内に温度制御機素12を配置する。温度制御機素12は上壁部材13と、上壁部材13との間に膨脹収縮媒体14を密封したダイヤフラム部材15と、ダイヤフラム部材15に固着した弁部材16と、ダイヤフラム部材15の外周縁を上壁部材13との間に挟んで固着した下壁部材17と、から形成される。膨脹収縮媒体14は、水、水より沸点の低い液体、あるいはそれらの混合物で形成される。弁部材16は円筒形状で一端を開口すると共に他端を壁部材18により塞いで形成する。弁部材16は一端開口側の環状弁面19が弁座部材7の一端開口側の弁孔9を開閉すると共に、他端の壁部材13側の外周が弁座部材7の他端開口側の内周の摺動部10を気密的に摺動する。形状記憶合金でコイル状に形成した温度応動部材20の一端を蓋体4に固定し他端を温度制御機素12の上壁部材13に固定する。温度応動部材20は膨脹収縮媒体14の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも高温時に伸張して温度制御機素12の下壁部材17を収容筒21の段部22に当接させ、所定低温よりも低温時に収縮して温度制御機素12を上方に変位せしめて弁孔9を開口する。
上記の熱応動式スチームトラップの動作は次の通りである。始動時、温度応動部材20は収縮し、温度制御機素12を上方に変位せしめて弁孔9を開口している。これにより、入口1から弁室6に流入する低温の復水や空気を弁孔9から排出孔8を通して出口2へ排出する。このとき、膨脹収縮媒体14は収縮し、ダイヤフラム部材15が上方に変位して弁部材16を上方に変位させている。低温流体の排出によって入口1から流入する流体温度が上昇し、弁室6内が所定低温よりも高温になると、温度応動部材20は伸張して温度制御機素12の下壁部材17を収容筒21の段部22に当接させる。このとき、膨脹収縮媒体14は収縮し、ダイヤフラム部材15が上方に変位して弁部材16を上方に変位させ、弁孔9を開口している。これにより、入口1から弁室6に流入する高温の復水や空気を弁孔9から排出孔8を通して出口2へ排出する。高温流体の排出によって入口1から流入する流体温度が更に上昇し、弁室6内が膨脹収縮媒体14の膨張収縮温度よりも高温になると、膨脹収縮媒体14は膨脹し、ダイヤフラム部材15が下方に変位し、弁部材16が弁孔9を閉口する。これにより蒸気の漏出を防止する。放熱によって弁室6内が膨脹収縮媒体14の膨張収縮温度よりも低温になると、膨脹収縮媒体14は収縮し、ダイヤフラム部材15が上方に変位し、弁部材16が弁孔9を開口する。膨脹収縮媒体14が変質して温度制御機素12が弁孔9を開口できなくなり弁室6内が膨脹収縮媒体14の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも低温になると、温度応動部材20が収縮し、温度制御機素12を上方に変位せしめて弁孔9を開口する。これにより、入口1から弁室6に流入する低温の復水や空気を弁孔9から排出孔8を通して出口2へ排出する。弁部材16の下方と上方から作用する流体圧力を対称に作用させて互いに相殺することにより、蒸気を漏出することなく弁部材16で大きな弁孔9を開閉することができる。
本発明は、温度制御機素を用いて弁孔を開閉するあらゆる種類の熱応動式スチームトラップに利用することができる。
1 入口
2 出口
3 本体
4 蓋体
6 弁室
7 弁座部材
8 排出孔
9 弁孔
10 摺動部
12 温度制御機素
14 膨脹収縮媒体
15 ダイヤフラム部材
16 弁部材
18 壁部材
20 温度応動部材

Claims (1)

  1. ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する弁孔を有する弁座部材を弁室と出口との間に形成し、膨脹収縮媒体により弁部材を駆動して弁孔を開閉する温度制御機素を弁室内に配置したものにおいて、弁座部材は円筒形状で両端を弁室に開口すると共に周囲を排出孔により出口に連通するものとし、弁部材は円筒形状で一端を開口すると共に他端を壁部材により塞いで一端開口側の環状弁面が弁座部材の一端開口側の弁孔を開閉すると共に他端壁部材側の外周が弁座部材の他端開口側の内周を気密的に摺動するものとし、膨脹収縮媒体の膨張収縮温度よりも低温の所定低温よりも低温時に温度制御機素を変位せしめて弁孔を開口する温度応動部材を設けたことを特徴とする熱応動式スチームトラップ。
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