JP5408609B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
外部から導入される水を気化させるとともに、外部から導入される原燃料を昇温して、水蒸気を含む原燃料ガスを生成する気化部と、前記気化部から供給された前記原燃料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部とを備える改質器と、前記燃料ガスを上方へ誘導するガス流路が設けられた複数の燃料電池セルを配列してなる複数個のセルスタックと、前記改質器と前記複数個のセルスタックとを収納する筐体とを備え、前記複数個のセルスタックは、前記燃料電池セルの配列方向に沿う側部が互いに向かい合うように並列に配置され、前記複数個のセルスタックのそれぞれの上端部には、前記燃料電池セルの電気化学反応で消費されなかった前記燃料ガスを燃焼させる燃焼部が設けられており、前記気化部は、前記燃焼部の上方に配置されるとともに、前記改質部は隣り合う前記セルスタックの間に配置されている、燃料電池。
この原燃料を水蒸気改質して用いる構成の燃料電池によれば、その運転中において、気化部及び改質部を備える改質器が、燃焼部やセルスタックからの熱を改質反応に利用する。また、改質反応の一種である水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、外部から導入される水を気化させる気化部及び水蒸気改質を行う改質部は、燃料電池内部において冷却部としても機能する。従って、改質器とセルスタックとが一体的に筐体内に配置され、小型化された燃料電池において、運転中におけるセルスタックの温度分布を改善することができる。
適用例1に記載の燃料電池であって、前記気化部は、前記複数個のセルスタックの上方に、当該複数個のセルスタックのそれぞれに対応して配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、複数個のセルスタックのそれぞれに対して気化部が設けられるため、気化部における水の気化に伴う吸熱により、セルスタックの上端部における温度が著しく高温になることを抑制することができる。また、各セルスタック間において運転温度の不均一さが生じることを抑制できる。従って、改質器とセルスタックとが一体的に筐体内に配置され、小型化された燃料電池において、運転中におけるセルスタックの上下方向における温度分布を改善することができる。
適用例1または適用例2に記載の燃料電池であって、前記改質部は、隣り合う前記セルスタック間で、かつ前記燃料電池セルの配列方向におけるほぼ中央において、前記セルスタックの上方側から垂下して配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、一般に運転中の温度が比較的高くなるセルスタックにおいて、燃料電池セルの配列方向におけるほぼ中央の領域を、吸熱反応である水蒸気改質を行う改質部によって冷却することができる。また、燃焼部の熱により比較的高温となるセルスタックの上端部側の領域を改質部によって冷却できる。従って、改質器とセルスタックとが一体的に筐体内に配置され、小型化された燃料電池において、運転中におけるセルスタックの燃料電池セルの配列方向における温度分布を改善することができる。
適用例3に記載の燃料電池であって、前記筐体内に、隣り合う前記セルスタックと、2つの該セルスタックの上方に、当該2つのセルスタックのそれぞれに対応して配置される前記気化部と、隣り合う2つの前記セルスタックの間に配置される前記改質部とを1組として、複数組が配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、隣り合う2つのセルスタックと、隣り合う2つのセルスタックの上方に、当該2つのセルスタックのそれぞれに対応して配置される気化部と、隣り合う2つのセルスタックの間に配置される改質部とを1組とする。即ち、この燃料電池では、各組のセルスタックに対して1つの改質部が配置される。従って、各組のセルスタックを均等に冷却することができ、気化部と改質部とセルスタックとが一体的に筐体内に配置され、小型化された燃料電池において、運転中におけるセルスタックの温度分布を改善することができる。
適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の燃料電池であって、前記筐体内に、前記複数個のセルスタックの下方に配置され、前記燃料電池セルの前記ガス流路に、前記燃料ガスを供給するための燃料ガスマニホールド部と、前記燃料ガスマニホールド部と前記改質部とを接続する燃料ガス配管とを備え、前記燃料ガス配管は、隣り合う前記セルスタックの間のほぼ中央を通っている、燃料電池。
この燃料電池によれば、燃料ガス配管に流入した燃料ガスが、隣り合うセルスタックのそれぞれの熱を受けるため、燃料ガスマニホールド部に到達するまでに温度が低下してしまうことを抑制できる。従って、高温の燃料ガスを燃料ガスマニホールド部に供給することができることから、セルスタックを構成する燃料電池セルの下端部側の温度を上昇させることができ、運転中におけるセルスタックの上下方向における温度分布を改善することができる。
適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の燃料電池であって、前記燃焼部からの排ガスを排出するための排ガス流路を備え、前記気化部の少なくとも一部は、前記排ガス流路内に配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、気化部が、燃焼部やセルスタックの熱に加えて、排ガスの熱を利用することができる。また、気化部が排ガス流路内に配置された領域だけ、気化部の熱交換面積が増加し、その冷却効果が向上する。そのため、運転中のセルスタックの上端部側の領域を冷却でき、運転中のセルスタックにおける上下方向の温度分布を改善することができる。
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の燃料電池であって、前記気化部と前記改質部との間に接続された第2の改質部を備えるとともに、前記第2の改質部は、前記燃焼部の上方で、かつ前記気化部の上方の部位に配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、第2の改質部が追加された分だけ、改質効率が向上する。また、第2の改質部の冷却機能によって、セルスタックの上端部側の領域における運転温度が著しく高くなることを抑制できる。従って、運転中のセルスタックにおける上下方向の温度分布を改善することができる。
適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の燃料電池であって、隣り合う前記セルスタックのそれぞれに前記酸化ガスを供給するための酸化ガス配管を複数備え、前記酸化ガス配管は、前記改質部に対して前記燃料電池セルの配列方向の両側に、それぞれ前記筐体の上方より垂下して配置されるとともに、前記セルスタックのそれぞれの下方から前記酸化ガスを供給する、燃料電池。
この燃料電池によれば、複数の酸化ガス配管は、酸化ガスを、熱交換させながら上方から下方へと誘導することができる。従って、運転温度が比較的高いセルスタックの上端部側から、比較的運転温度が低い下端部側へと、酸化ガスを熱媒体として、熱を伝達させることができる。また、複数の酸化ガス配管はそれぞれ、改質部に対して燃料電池セルの配列方向の両側に設けられている。従って、比較的運転温度が低くなる当該領域において、上記熱伝達を行うことができ、運転中におけるセルスタックの温度分布をより改善することができる。
図1及び図2,図3は、本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。図1〜図3はそれぞれ、異なる方向から燃料電池1000を見たときの図であり、各図が対応するように三次元方向を示す矢印x,y,zが示されている。図1は、燃料電池1000の正面図である。図1では、矢印yの示す方向は、紙面奥行き方向と一致しており、矢印xは、紙面に対して右方向を示し、矢印zは、紙面に対して上方向を示している。なお、矢印zの示す方向は、重力方向とは反対の方向である。図2は、図1の紙面に対して右側の側面から燃料電池1000を見た右側面図である。図3は、図1及び図2の紙面に対して上方から燃料電池1000を見たときの上面図である。
図10及び図11,図12は、本発明の第2実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。図10〜図12はそれぞれ、酸化ガスダクト640A及び改質器200Aの構成が異なる点と、酸化ガスダクト640Aが実線及びハッチングにより図示されている点と、図12において、改質部250が破線で図示されている点以外は、図1〜図3とほぼ同じである。
図14及び図15,図16は、本発明の第3実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。図14〜図16は、改質器200Bの構成が異なる点と、改質器200Bの構成の変更に伴い、排ガス流路710のサイズが変更されている点と、酸化ガスダクト640Aが破線で図示されている点以外は、図10〜図12とほぼ同じである。第3実施例の改質器200Bは、2つの気化部212B,214Bのそれぞれの端部216が、重力方向に延び、排ガス流路710の内部まで延長されている。この端部216を、以後、「延長気化部216」と呼ぶ。
図18は、本発明の第4実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。図18は、第3と第4のセルスタック130,140が追加されるとともに、改質器200A及び酸化ガスダクト640Aが、1つずつ追加されている点と、筐体500及びガス流路の図示が省略されている点以外は、図10とほぼ同じである。
図19及び図20,図21は、本発明の第5実施例としての燃料電池1000Dの構成を示す概略図である。図19〜図21は、改質器200Aに換えて、改質器200Dが設けられている点と、酸化ガスダクト640Aの第2の配管部642のサイズが変更されている点以外は、図10〜図12とほぼ同じである。なお、図21では、改質器200Dの気化部として機能する部位と各配管には斜線ハッチングを付し、水蒸気改質が行われる改質部として機能する部位にはクロスハッチングを付してある。また、図21には、原燃料、原燃料ガス及び燃料ガスの流れを示す矢印が図示されている。
図22は、本発明の第6実施例としての燃料電池1000Eの構成を示す概略図である。図22は、改質器200Eの第1ないし第3の本体部212D,214D,218においてハッチングが付された領域が異なる点以外は、ほぼ図21と同じである。即ち、この燃料電池1000Eの改質器200Eでは、第1ないし第3の本体部212D,214D,218が気化部として機能し、垂直本体部250が改質部として機能する。なお、この燃料電池1000Eの他の構成は、第5実施例の燃料電池1000Dと同じである(図19,図20)。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例において、燃料電池1000〜1000Eはそれぞれ、固体電解質形燃料電池であった。しかし、燃料電池としては、固体電解質形燃料電池に限らず、種々のタイプの燃料電池に本発明を適用することが可能である。なお、気化部や改質部より平均運転温度が高くなるタイプの燃料電池ほど、本発明の効果を得ること可能である。
上記実施例において、2つの気化部212,214には、原料として、原燃料と改質用水とが供給されるが、原料としては、液体の炭化水素が供給されるものとしてもよい。なお、この場合、外部から供給される原燃料に水が含まれるため、外部から水もあわせて供給されていることとなる。即ち、気化部212,214は、水を含む原燃料と酸化ガスとの供給を受けて、原燃料中の水を気化させるとともに、原燃料を昇温して、水蒸気を含む原燃料ガスを生成する機能を有する。
上記実施例において2つの気化部212,214はそれぞれ、2つのセルスタック100,110の上面を覆うように配置されていた(図3)。しかし、2つの気化部212,214はそれぞれ、2つのセルスタック100,110の上面の一部のみを覆うように設けられるものとしても良い。例えば、2つのセルスタック100,110の燃料電池セル120の配列方向における中央近傍のみを覆うように配置されるものとしても良い。
上記実施例において、改質部250は、2つのセルスタック100,110の間のほぼ中央において、上方から垂下されていた。しかし、改質部250は、2つのセルスタック100,110の間において垂下されていなくとも良く、2つのセルスタック100,110の間における他の位置に配置されるものとしても良い。改質部250は、例えば、2つのセルスタック100,110における上端部側の間に、略水平方向に延びる略四角柱形状として配置され、セルスタック100,110の上方を冷却するものとしても良い。
上記第4実施例以外の実施例では、2個のセルスタック100,110に対して、1個の改質部250が設けられていた。また、上記第4実施例では、4個のセルスタック100,110,130,140に対して2個の改質部250が設けられていた。燃料電池には、さらに複数のセルスタックと、改質部との組が設けられるものとしても良い。即ち、燃料電池には、上述したように、隣り合う2つのセルスタックと、隣り合う2つのセルスタックの上方に、当該2つのセルスタックのそれぞれに対応して配置される気化部と、隣り合う2つのセルスタックの間に配置される改質部250とを1組として、3組以上を配置しても良い。なお、燃料電池には、セルスタックが奇数個設けられるものとしても良く、改質部も、セルスタックの個数にかかわらず追加されるものとしても良い。また、隣り合う2個のセルスタック100,110の間に2個の改質部250が配置されるものとしても良い。
上記実施例では、酸化ガスダクト640,640Aによって、各セルスタック100,110に酸化ガスが供給されていたが、酸化ガスダクト640,640Aは他の構成を有するものとしても良い。例えば、酸化ガスダクト640の第1と第2の配管部641,642は第3の配管部643によって連結されていたが、第3の配管部643は省略され、第1と第2の配管部641,642はそれぞれ分離しているものとしても良い。あるいは、第1と第2の配管部641,642のいずれかが省略されても良く、さらに複数の酸化ガスのための配管部が垂下されても良い。また、酸化ガスダクト640は、他の位置に配置されるものとしても良い。例えば、改質部250とセルスタック100との間に配置されるものとしても良い。
上記実施例において、第1と第2の気化部212,214は、それぞれ二層構造であったが、単層構造であっても良い。
21…アノード
22…カソード
30…支持基材
31…第1の面
32…第2の面
33…側面
36…ガス流路孔
40…インターコネクタ
42…集電部材
43…中空部
100,110,130,140…セルスタック
120…燃料電池セル
200,200A,200B,200D,200E…改質器
212,214,212A,214A,212B,214B,212D,214D…水平本体部
216…延長気化部
216a,216b…内部空間
218…第3の水平本体部
221…下層室
223…隔壁
223B…断熱板
225…上層室
226…隔壁
231,231D…連結配管
233,233A…原料導入配管
233a…外側配管
233b…内側配管
250…垂直本体部(改質部)
260,260A…燃料ガス配管
270…ペレット触媒
272…触媒領域
300…燃料ガスマニホールド部
310…ガス室
400…床断熱材
500…筐体
510…上面部
520…側面部
530…底面部
511,521,531…外壁
512,522,524,532,534…隔壁
550…内部空間
600…酸化ガス供給配管
610…底面部酸化ガス室
620…側面部酸化ガス流路
630…上面部酸化ガス室
640,640A…酸化ガスダクト
641,642,643…配管部
645…開口部
646…貫通孔
710…排ガス流路
720…排ガス流路室
730…排ガス配管
1000,1000A〜1000E…燃料電池
Claims (8)
- 外部から導入される水を気化させるとともに、外部から導入される原燃料を昇温して、水蒸気を含む原燃料ガスを生成する気化部と、前記気化部から供給された前記原燃料ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部とを備える改質器と、
前記燃料ガスを上方へ誘導するガス流路が設けられた複数の燃料電池セルを配列してなる複数個のセルスタックと、
前記改質器と前記複数個のセルスタックとを収納する筐体と、
を備え、
前記複数個のセルスタックは、前記燃料電池セルの配列方向に沿う側部が互いに向かい合うように並列に配置され、
前記複数個のセルスタックのそれぞれの上端部には、前記燃料電池セルの電気化学反応で消費されなかった前記燃料ガスを燃焼させる燃焼部が設けられており、
前記気化部は、前記燃焼部の上方に配置されるとともに、前記改質部は隣り合う前記セルスタックの間に配置されている、燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池であって、
前記気化部は、前記複数個のセルスタックの上方に、当該複数個のセルスタックのそれぞれに対応して配置されている、燃料電池。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料電池であって、
前記改質部は、隣り合う前記セルスタック間で、かつ前記燃料電池セルの配列方向におけるほぼ中央において、前記セルスタックの上方側から垂下して配置されている、燃料電池。 - 請求項3に記載の燃料電池であって、
前記筐体内に、隣り合う前記セルスタックと、2つの該セルスタックの上方に、当該2つのセルスタックのそれぞれに対応して配置される前記気化部と、隣り合う2つの前記セルスタックの間に配置される前記改質部とを1組として、複数組が配置されている、燃料電池。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池であって、
前記筐体内に、
前記複数個のセルスタックの下方に配置され、前記燃料電池セルの前記ガス流路に、前記燃料ガスを供給するための燃料ガスマニホールド部と、
前記燃料ガスマニホールド部と前記改質部とを接続する燃料ガス配管と、
を備え、
前記燃料ガス配管は、隣り合う前記セルスタックの間のほぼ中央を通っている、燃料電池。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池であって、
前記燃焼部からの排ガスを排出するための排ガス流路を備え、
前記気化部の少なくとも一部は、前記排ガス流路内に配置されている、燃料電池。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料電池であって、
前記気化部と前記改質部との間に接続された第2の改質部を備えるとともに、
前記第2の改質部は、前記燃焼部の上方で、かつ前記気化部の上方の部位に配置されている、燃料電池。 - 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の燃料電池であって、
隣り合う前記セルスタックのそれぞれに前記酸化ガスを供給するための酸化ガス配管を複数備え、
前記酸化ガス配管は、前記改質部に対して前記燃料電池セルの配列方向の両側に、それぞれ前記筐体の上方より垂下して配置されるとともに、前記セルスタックのそれぞれの下方から前記酸化ガスを供給する、燃料電池。
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