JP5408219B2 - 通信装置およびレーダ装置 - Google Patents
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受信用光伝送路に各々接続される複数の光伝送路を介して受信用光伝送路に入力させる複数の光基準信号を出力する信号出力部と、複数の光伝送路と複数の受信用光伝送路との間に各々設けられ、複数の光伝送路を介して信号出力部から送信された光基準信号を受信用光伝送路に各々入力する複数の入力部と、受信用光伝送路と受信部との間に設けられ、受信用光伝送路を介して送信された光基準信号を電気信号に変換した信号に基づいて受信部に伝送する受信信号の位相を補正する位相補正手段と、複数の光参照信号を生成する参照信号生成部と、信号出力部と複数の光伝送路との間に各々設けられ、光伝送路に入力された光参照信号が、光伝送路と入力部の間に設けられた信号反射部で反射して戻ってきた反射信号を各々出力する複数の参照信号出力部と、複数の参照信号出力部から出力される各反射信号を各々電気信号に変換する複数の光電変換手段と、複数の光電変換手段で変換された電気信号に基づいて、光電変換手段で変換された電気信号間の位相差を求める位相比較手段と、位相比較手段で求められた位相差により光伝送路を介して伝送される前記光基準信号の遅延を制御する遅延制御手段とを備えている。
図1は、本発明を実施するための実施の形態1におけるレーダ装置の構成を示すものである。図1においてアンテナ設備1はそれぞれ分散した位置に配置され、たとえば、同一の目標を探知する場合など、各アンテナ設備1間の送信信号の位相差を制御することでビーム合成を行い、実質的に、各アンテナ設備1を設置した範囲と同等の大きさを持ったアンテナを使用すると同様の効果を得ることができる。また、地上設備2は、上記機能を実現するため、分散した位置に配置されたアンテナ設備1に伝送路3を使用して、位相を制御した送信信号を供給するが、アンテナ設備1の分散する範囲が広く、長距離の伝送を低損失で行う必要があるため、地上設備2からアンテナ設備1への通信伝送は、送信信号を光信号に変換して行っている。伝送路3については、図に示すように、それぞれのアンテナ設備1と地上設備2間は異なる場所どうしを接続するものであるため、日なた、日陰の違いなど、温度等の環境も異なるものとなり、地上設備2では、前記機能のほか、送信信号の、伝送路3間の透過位相やその透過位相の変化による信号位相のずれを補正する機能も必要である。
図2において、レーダ送信を行う信号を発生する信号出力部4は、送信信号を電気信号として発生する信号発生手段5、電気信号を光信号に変換する電光変換手段6を信号生成部として備え、光信号に変換された送信信号を送信する光ファイバ7、光ファイバ7から出力される光信号を複数の送信信号に分配する分配手段としての光分配手段8で構成される。
信号出力部4から出力される複数の送信信号は、各々光伝送路9a、9bに入力される。送信信号を伝送する光伝送路9aは、光信号を伝送する光ファイバ10aと、光信号の遅延を調整する光遅延手段11aで構成され、同様に光伝送路9bは、光信号を伝送する光ファイバ10bと、光信号の遅延を調整する光遅延手段11bで構成される。光伝送路9aに参照信号出力部12a経由で入力し、信号反射部13a経由で出力される送信信号は、光電変換手段14aにより電気信号に変換されてアレイアンテナ15aに伝送され、アレイアンテナ15aにより空間に送信される。同様に、光伝送路9bに参照信号出力部12b経由で入力し、信号反射部13b経由で出力される送信信号は、光電変換手段14bにより電気信号に変換されてアレイアンテナ15bに伝送され、アレイアンテナ15bにより空間に送信される。
複数の参照信号出力部12a、12bの光サーキュレータ20a、20bより出力された各反射信号は、光電変換手段24a、24bにより各々電気信号となり、位相比較手段25で電気信号の位相を比較し、その位相差を基に遅延制御手段26で光遅延手段11a、11bの遅延量を算出し、光伝送路に入力する光信号である送信信号の遅延を制御する。
また、全体制御手段27は、レーダ送信と位相補正を含む全体の制御を行う。
図2において、信号発生手段5で発生された送信信号は、電光変換手段6で電気信号から光信号に変換され、光ファイバ7を経由後、光分配手段8で複数系統に分配され、光合波手段21a、21bに入力される。その後、送信信号は、光遅延手段11a、11b、光ファイバ10a、10bを経由後、光分波手段22a、22bを経由し、光電変換手段14a、14bで光信号から電気信号に変換後、アレイアンテナ15a、15bから空間に送信される。
光サーキュレータ20a、20bから出力した反射信号はそれぞれ、光電変換手段24a、24bで光信号から電気信号に変換後、位相比較手段25にて位相比較される。
遅延制御手段26では、位相比較手段25の出力した位相差を基に、光伝送路9a、9bについて補正する光路長を算出し、光遅延手段11a、11bの遅延量を制御する。
図2に示すとおり、反射信号は、光サーキュレータ20a、20bから光反射手段23a、23bまでの経路を往復するものであるため、位相比較手段25で比較する位相φ25aとφ25bはそれぞれ次のような位相の合計である。
なお、送信信号の経路について、光分配手段8から光合波手段21a、21bおよび、光分波手段22a、22bから光電変換手段14a、14bを経てアレイアンテナ15a、15bまでの経路については、予め位相を揃えておくことで位相ずれの影響の無視できる部分であり、式(3)、(4)からは除外している。
式(1)、(2)、(3)および(4)により、2つの光伝送路の位相ずれφ(=φTb−φTa)は、次のとおり。
また、参照波で位相量を測定する際に、既に光遅延手段11a、11bでは位相量φa、φbが設定されていること、それに対して、更に光遅延手段11a、11b合計でφに相当する位相量を制御すればよいため、新たな補正量φa’、φb’は、次のとおり。
位相差が大きい場合、光遅延手段11a、11bを制御することにより位相差を補正する必要がある。このため、式(6)、(7)で位相量を算出し(S404)、式(8)、(9)で位相量を遅延量に変換し(S405)、その値を光遅延手段11a、11bに設定する(S406)。光遅延手段11a,11bを制御した後、その設定に対して再度S401から位相ずれを確認し、収束するまで繰り返す。
S403で、位相差が収束している場合は、全体制御手段27に補正が完了したことを通知し、遅延補正処理を終了する。
なおS403で位相差が収束しているか判断するための判断基準は、アレイアンテナ15a、15bに要求されている位相の精度を基に決定するかまたは、S401からS406までの処理を繰り返した回数によって判断するなど、システム全体の要求を鑑みて設定すればよい。
また、系全体での位相測定誤差と光伝送路上の遅延量の制御の刻み幅が共に十分小さく、更に光伝送路上の遅延量の変化量に制限が無い場合、図4にてS403の判断を無くし、S402の後にS404を実施し、S405、S406を実施した後にS407に処理を移行するようにしても良い。
全体制御手段27は、参照信号を発生する信号発生手段17に参照信号の発生を指示し(S501)、遅延制御手段26に補正を行うことを指示する(S502)。
遅延制御手段26では、予め、電気信号のケーブル、光ファイバおよび各デバイスの透過位相を常温で測定しておき準備しておいた透過位相を補正する位相量(φa=φa0、φb=φb0)を取得し(S511)、その値を基に式(5)〜式(9)を計算して、光遅延手段11a、11bに補正値を設定する(S512)。その状態で全体制御手段27より補正の指示を受けると、図4の処理を行い(S513)、補正が終了すると、全体制御手段27に補正の完了を通知する。このとき、処理終了時の補正の位相量(φa=φa1、φb=φb1)は記憶しておき(S514)、次に遅延補正処理が起動されたときに使用する。また、最終的な位相量(φa=φa1、φb=φb1)に従い、遅延制御手段26が出力した補正値は、次に遅延制御手段26が新たな値を出力するまで、光遅延手段11a、11bで保持される。
なお、同じ光伝送路9a、9bを伝送される送信信号と光参照信号はそれぞれ異なる波長の光で変調されているため、全体制御手段27は、遅延制御手段26を起動する際に、2回目からは、レーダ送信のタイミングとは無関係に、補正を実施することができる。
また、全体制御手段27による制御は、光ファイバ10a、10bの温度差や温度変化等に起因する透過位相変化時に位相補正を可能にする効果があるが、手動等により代替できる場合等、全体制御手段27を使用するか使用しないかは、運用の形態や条件により、選択することも可能である。全体制御手段27を使用しない場合、遅延制御手段26は、図4の遅延補正処理において、S407の処理を実施せずに処理を終了する。
さらに、参照信号として、高周波で光信号を変調した信号を使用し、光信号を高周波の電気信号に変換された信号の位相差により光伝送路の透過位相の比較を行うため、光の波長(数μm)以上の光路差も検出し補正することができる。
実施の形態1では、アレイアンテナ15aおよび15bで送信する送信信号は、信号出力部4で送信信号を発生する際に、信号発生手段5の発生する1信号を電光変換手段6で光信号に変換し、光分配手段8で分配することで、同じ信号を光伝送路9a、9bを通じてアレイアンテナ15a、15bに送っていた。複数のアンテナを分散配置したレーダでは、従来のフェーズドアレイレーダのように、送信アンテナの各アレイアンテナについて同じ位相、振幅で送信を行う方式の他、MIMO(Multi Input Multi Output)技術を応用し、各アレイアンテナ毎に位相、振幅を調整した異なる信号を送信、受信する方式もある(たとえば、特開2010−243237および、特開2011−158430参照)が、その場合も、光伝送路どうしの位相変動を補正する必要がある。図7および、図8は、MIMO技術を応用し、信号出力部から各光伝送路に異なる信号を送る構成である。
図7において、信号発生手段5aで発生された送信信号aは、電光変換手段6aで電気信号から光信号に変換され、光ファイバ7aを経由後、光合波手段21aに入力される。同様に、信号発生手段5bで発生された送信信号bは、電光変換手段6bで電気信号から光信号に変換され、光ファイバ7bを経由後、光合波手段21bに入力される。電光変換手段6aで使用する光も、電光変換手段6bで使用する光も、参照信号を変換する電光変換手段19a、19bとは異なる波長の光である。その後、送信信号a、bは、光遅延手段11a、11b、光ファイバ10a、10bを経由後、光分波手段22a、22bを経由し、光電変換手段14a、14bで光信号から電気信号に変換後、アレイアンテナ15a、15bから空間に送信される。
図8において、信号発生手段5aで発生された送信信号は、電光変換手段6aで電気信号から光信号に変換され、信号発生手段5bで発生された送信信号は、電光変換手段6bで電光変換手段6aとは異なる波長の光で電気信号から光信号に変換される。電光変換手段6aで光信号に変換された送信信号と電光変換手段6bで光信号に変換された送信信号は、光合波手段30で合波され、光ケーブル7cを経由後、光分波手段8aで波長の違いにより分波され、光合波手段21aと光合波手段21bにそれぞれ入力される。その後、送信信号は、光遅延手段11a、11b、光ファイバ10a、10bを経由後、光分波手段22a、22bを経由し、光電変換手段14a、14bで光信号から電気信号に変換後、アレイアンテナ15a、15bから空間に送信される。
遅延制御手段26では、位相比較手段25の測定した位相差を基に、光伝送路9a、9bについて補正する遅延量を算出し、光遅延手段11a、11bの遅延量を制御する。
図7、図8いずれについても遅延制御手段26の動作については、図2で示される第1の実施形態と構成、動作とも同じであるので、その説明は省略する。
また、図7、図8では、アレイアンテナ15a、15b、光伝送路9a、9bが2系統の場合について説明したが、3系統以上の場合であっても、同様に位相を比較し補正を行うことが可能である。
実施の形態1および実施の形態2は、いずれもアレイアンテナ15a、15bより送信信号を送信する構成だったが、図9に示すように、アレイアンテナを受信用に使用する構成でも同様に光伝送路の透過位相の補正を行うことができる。
図9では、レーダ信号の受信を行うが、実施の形態1の送信信号と受信信号では、信号の流れが逆となるため、信号出力部4の替わりに信号入力部32を備え、光電変換手段14a、14bの代わりに電光変換手段31a、31bを備え、送信用のアレイアンテナ15a、15bの代わりに受信用のアレイアンテナ15c、15dを備える他は、図2と同様である。
実施の形態1および実施の形態2は、いずれもアレイアンテナ15a、15bより送信信号を送信する構成であり、実施の形態3は、アレイアンテナ15c、15dを受信用に使用する構成だったが、送受信を1つのアレイアンテナで実現し、送受信用のアレイアンテナ15e、15fで送信および受信を行う構成であっても同様に光伝送路9a、9bの透過位相の変動の補正を行うことができる。
図10において、送受信部35は、図2の信号発生手段5と図9の受信手段34の機能を併せ持つ送受信手段36、図2の電光変換手段6と図9の光電変換手段33の機能を併せ持つ光送受信手段37、光ファイバ7、光分配手段8cから構成される。また、アレイアンテナ側にある光送受信手段38a、38bは光送受信手段37と同様に、図2の光電変換手段14a、14bと、図9の電光変換手段31a、31bの機能を併せ持つ。アレイアンテナ15e、15fは、図2の送信用アレイアンテナ15a、15bの機能と、図9の受信用アレイアンテナ15c、15dの機能を併せ持つ。
送受信手段36では、レーダ信号の送受信を行い、光送受信手段37は受信、送信の双方向についてレーダの高周波の電気信号と光信号の変換を行う。図10では、送受信部35は、実施の形態1の送信信号と受信信号を処理するため、信号出力部4の代わりに送受信部35を備え、光電変換手段14a、14bの代わりに光送受信手段38a、38bを備え、送信用のアレイアンテナ15a、15bの代わりに送受信用のアレイアンテナ15e、15fを備える他は、図2と同様である。
また、アレイアンテナ15e、15fで受信した電波は、光送受信手段38a、38bにより光信号に変換され、信号反射部13a、13bから光伝送路9a、9bに入力し、参照信号出力部12a、12b経由で送受信部35に送られる。送受信部35は、光信号で送られてきた受信信号を光分配手段8cで重畳してビーム合成し、光ファイバ7を経由し光送受信手段37で電気信号に変換した後、送受信手段36で受信処理を行う。
遅延制御手段26では、位相比較手段25の出力した位相差を基に、光伝送路9a、9bについて補正する光路長を算出し、光遅延手段11a、11bの遅延量を制御する。
遅延制御手段26による補正方法の詳細は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、図10では、アレイアンテナ15e、15f、光伝送路9a、9bが2系統の場合について説明したが、3系統以上の場合であっても、同様に透過位相の変動の補正を行うことが可能である。
図11は、実施の形態6の構成の一例を表す図であり、アレイアンテナ15c、15dで受信した電波を受信用光伝送路39a、39bにより受信部40に送り、受信部40中のビーム合成手段41では、受信信号を数値化したデータにDBF(Digital Beam Forming)と呼ばれる処理などを行うことで、計算によりビーム合成を行う。信号出力部42は、ビーム合成手段41で扱う受信信号について、受信用光伝送路39a、39bの温度変化を補正するために基準となる信号を生成するものであり、信号発生手段43、電光変換手段6、光ファイバ7、光分配手段8により構成する。信号出力部42で生成した光基準信号は、たとえば図2の送信信号と同様に、光伝送路9a、9bを経由し、入力部44a、44bから受信用光伝送路39a、39bに供給される。入力部44a、44bはそれぞれ電力結合手段45a、45bで構成される。受信用光伝送路39a,39bはそれぞれ、光ファイバ46a、46bにより構成される。また、参照信号出力部12a、12b、信号反射部13a、13b、参照信号生成部16については、図2のものと同じであり、説明において詳細は省略する。また、光伝送路9a、9b、光電変換手段14a、14b、24a、24b、位相比較手段25、遅延制御手段26は、図2の同じ符号のものと同じである。
図11において、信号出力部42中の信号発生手段43で生成された基準信号は、電光変換手段6で電気信号から光信号に変換され、光ファイバ7を経由後、光分配手段8で複数系統に分配され、参照信号出力部12a、12bに入力される。その後、光基準信号は、光遅延手段11a、11b、光ファイバ10a、10bを経由後、信号反射部13a、13bを経由し、光電変換手段14a、14bで光信号から電気信号に変換後、入力部44a、44bに送られる。このとき、それぞれの入力部44a、44bに位相のそろった基準信号を提供するためには、それぞれの光伝送路9a、9bの透過位相をそろえる必要がある。光伝送路9a、9bの透過位相を補正するために、参照信号生成部16で生成した光参照信号を参照信号出力部12a、12b経由で光伝送路9a、9bに入力し、信号反射部13a、13bで反射して戻ってきた反射信号を光電変換手段24a、24bで電気信号に変換し、位相比較手段25で位相を比較し、遅延制御手段26で光遅延手段11a、11bを制御する。遅延制御手段26による補正方法の詳細は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
アレイアンテナ15c、15dから出力された受信信号は、光電変換手段14a、14bから出力された基準信号と、電力結合手段45a、45bで結合され、電光変換手段47a、47bで電気信号から光信号に変換される。光信号に変換された信号は、受信用光伝送路39a、39bを構成する光ファイバ46a、46bを経由し、光電変換手段48a、48bで光信号から電気信号に変換後、A/D変換手段49a、49bでアナログ信号からデジタル信号に変換され、位相補正手段50a、50bで電力結合手段45a、45bからA/D変換手段49a、49bまでの位相および減衰量の差の補正を行い、ビーム合成手段41でビーム合成計算を行う。このため、A/D変換手段49a、49bは、受信信号および、基準信号を振幅と位相の情報を含んだ、同相成分(In−phase(以下Iチャネルと呼ぶ))と直交成分(Quadrature−phase(以下Qチャネルと呼ぶ))で数値化し、このIチャネルとQチャネルの値を複素数として出力する。ところで、電力結合手段45a、45bからA/D変換手段49a、49bまでの2つの系は、受信信号と基準信号が共に伝達するため、系に起因する振幅差や位相差は受信信号と基準信号の両方で同様に発生する。このことから、位相補正手段50a、50bでは、A/D変換手段49a、49bが出力する複素数で表現された受信信号を、A/D変換手段49a、49bが出力する複素数で表現された基準信号で除算するなどの計算により系に起因する振幅差や位相差を除去できる。
このようにして供給する、同一の位相の基準信号を、アレイアンテナ15c、15dからの受信信号と同じ伝送路を経由させ、その透過位相により受信信号の補正を行うことで、受信信号をデジタル処理を行う場合にも、位相の補正を行うことができ、同時刻の受信についてマルチビームを構成することができるなどの効果もある。
実施の形態1ないし実施の形態5はそれぞれ、送信信号、受信信号、基準信号を2本の光伝送路で伝送する光伝送路の補正について示したが、光伝送路が3本以上でも同様に光伝送路の補正は可能であり、光伝送路が3本である一例を図13に示す。図13では、光伝送路が3本になり、補正を行う参照信号も3本必要となるため、信号出力部4cでは、3分配である光分配手段8dを使用して3つの送信信号を発生し、参照信号生成部16aでは、信号発生手段17により発生した参照信号を3分配である電力分配手段18aにより3分配し、それぞれ電光変換手段19a、19b、19cで光参照信号に変換する。新たな追加された3本目の送信信号は、参照信号出力部12c、光伝送路9c、信号反射部13cを介してアレイアンテナ15gより放射される。
遅延制御手段26a、26bで位相差から遅延補正量を求める計算については、式(1)から式(9)を同様に適用するが、基準とする光伝送路は補正量を0とするため、式(6)、式(7)については、次の式(10)、式(11)にようにすること以外は同じである。
以上のように、光伝送路およびアレイアンテナが3系統以上の場合であっても、光伝送路が2系統の場合と同様に、同じ高周波で変調された光参照信号を参照信号出力部12a,12b,12cから光伝送路に入力しその反射信号を再度参照信号出力部12a,12b,12cから取り出して検出した位相差に従い光遅延手段11a,11b,11cで遅延を補正することで、アレイアンテナ15a、15b、15gから送信する送信信号相互の位相を制御することができる。
図14は、図13の構成を一部変更した例である。図13では、光電変換手段24a、24b、24cで反射信号を電気信号に変換した出力のうち、光電変換手段24bの出力を2分配し、残りの各反射信号と位相比較手段25aでφ25aとφ25bを、位相比較手段25bでφ25cとφ25bを比較したが、図14では、光電変換手段24a、24cの出力を電力切替手段53で1つずつ選択し、位相比較手段25cでは、電力切替手段53の選択に従い、順番にφ25aとφ25bの位相差とφ25cとφ25bの位相差を出力する。遅延制御手段26cは、それぞれの位相差を基に順に光遅延手段11a、11cの制御を行う。
図14において、図13と同一の構成部品に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。また、信号出力部4a、参照信号出力部12a、12b、12c、信号反射部13a、13b、13cについては、内部の構成も含めて図13と同じであるため、図において内部の記述を省略する。
実施の形態6では、光電変換手段24a、24cで反射信号を電気信号に変換した出力をそれぞれ光電変換手段24bで反射信号を電気信号に変換した出力と比較したが、実施の形態7では、光電変換手段24a、24cの出力を電力切替手段53で1つずつ切替ながら光電変換手段24bの出力との比較を位相比較手段25cで行い、位相差を基に遅延制御手段26cで、光遅延手段11a、11b、11cの遅延量を制御する。また、図14は、光伝送路が3系統の例を示したが、光伝送路が4系統以上の場合も同様に反射信号の位相を比較し、遅延量を制御することが可能である。
図15は、光伝送路が3系統以上でも同様に光伝送路の補正を行う更に別の一例を示す。
参照信号生成部16bでは、各々の伝送路に対して光参照信号を供給するとともに、光参照信号の反射信号の位相差を比較する際に、共通の基準として、参照信号を提供する。このため、図14のように光伝送路が3系統の場合、信号発生手段17により発生した参照信号を電力分配手段18bで6分配し、そのうちの3信号をそれぞれ電光変換手段19a、19b、19cで光参照信号に変換し、各アレイアンテナ15a、15b,15gに至る光伝送路9a,9b,9cの透過位相を比較するために使用する。
光参照信号は、図13と同様に参照信号出力部12a、12b、12cから光伝送路9a、9b,9cに入力し、反射信号が参照信号出力部12a、12b、12cを経由して出力され、それぞれ光電変換手段24a,24b、24cで電気信号に変換される。電気信号に変換された反射信号はそれぞれ位相比較手段25d、25e、25fで参照信号との位相を比較し、位相差を基に遅延制御手段26d、26e、26fで光遅延手段11a、11b、11cの遅延量を制御する。また、図15は、光伝送路が3系統の例を示したが、光伝送路が4系統以上の場合も同様に反射信号と参照信号の位相差を算出し、遅延量を制御することが可能である。
図16は、図15の構成を一部変更した例である。参照信号生成部16cでは、信号発生手段17により発生した参照信号を電力分配手段18cで4分配し、そのうちの3信号をそれぞれ電光変換手段19a、19b、19cで光参照信号に変換し、各アレイアンテナ15a、15b、15gに至る伝送路の透過位相を測定するために使用する。図16において、図15と同一の構成部品に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
図15では、光電変換手段24a、24b、24cで反射信号を電気信号に変換した出力をそれぞれ参照信号と比較したが、図16では、光電変換手段24a、24b、24cの出力を電力切替手段53aで1つずつ切替ながら参照信号との位相の比較を位相比較手段25gで行い、位相差を基に遅延制御手段26gで、光遅延手段11a、11b、11cの遅延量を制御する。また、図16は、光伝送路が3系統の例を示したが、光伝送路が4系統以上の場合も同様に反射信号と参照信号の位相を比較し、遅延量を制御することが可能である。
なお、上記各実施の形態においては、合波、分波を行う手段として、光合波手段、光分波手段を用いるようにしているが、これらは、合波、分波の一部の機能だけでなく、合波機能と分波機能の両方の機能を具備するものである。
また、上記実施の形態2ないし実施の形態9においても、実施の形態1と同様に、全体制御手段27を追加することで、光伝送路の温度差や温度変化等に起因する透過位相変化時に位相補正を可能にすることができる。
2 地上設備
3 伝送路
4、4a、4b、4c 信号出力部
5、5a、5b 信号発生手段
8、8b、8c、8d 光分配手段
8a 光分波手段
9a、9b、9c 光伝送路
11a、11b、11c 光遅延手段
12a、12b、12c 参照信号出力部
13a、13b、13c 信号反射部
15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g アレイアンテナ
16、16a、16b、16c 参照信号生成部
20a、20b、20c 光サーキュレータ
21a、21b、21c 光合波手段
24a、24b、24c 光電変換手段
25、25a、25b、25c、25d、25e、25f、25g 位相比較手段
26、26a、26b、26c、26d、26e、26f、26g 遅延制御手段
27 全体制御手段
32 信号入力部
35 送受信部
39a、39b 受信用光伝送路
40 受信部
42 信号出力部
43 信号発生手段
44a、44b、44c、44d 入力部
50a、50b 位相補正手段
53、53a 電力切替手段
Claims (16)
- 信号出力部から出力される複数の送信信号を複数の光伝送路に各々入力し、前記複数の光伝送路を介して複数のアンテナに前記送信信号を伝送する通信装置であって、
複数の光参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記信号出力部と前記複数の光伝送路との間に各々設けられ、前記光伝送路に入力された光参照信号が、前記光伝送路と前記アンテナの間に設けられた信号反射部で反射して戻ってきた反射信号を各々出力する複数の参照信号出力部と、
前記複数の参照信号出力部から出力される各反射信号を各々電気信号に変換する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段で変換された電気信号に基づいて、電気信号間の位相差を求める位相比較手段と、
前記位相比較手段で求められた位相差により前記光伝送路に入力される前記送信信号の遅延を制御する遅延制御手段と
を備えた通信装置。 - 複数のアンテナからの受信信号を、前記複数のアンテナに各々接続された複数の受信用光伝送路を介して受信部に伝送する通信装置であって、
前記受信用光伝送路に各々接続される複数の光伝送路を介して前記受信用光伝送路に入力させる複数の光基準信号を出力する信号出力部と、
前記複数の光伝送路と前記複数の受信用光伝送路との間に各々設けられ、前記複数の光伝送路を介して前記信号出力部から送信された前記光基準信号を前記受信用光伝送路に各々入力する複数の入力部と、
前記受信用光伝送路と前記受信部との間に設けられ、前記受信用光伝送路を介して送信された光基準信号を電気信号に変換した信号に基づいて前記受信部に伝送する受信信号の位相を補正する位相補正手段と、
複数の光参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記信号出力部と前記複数の光伝送路との間に各々設けられ、前記光伝送路に入力された光参照信号が、前記光伝送路と前記入力部の間に設けられた信号反射部で反射して戻ってきた反射信号を各々出力する複数の参照信号出力部と、
前記複数の参照信号出力部から出力される各反射信号を各々電気信号に変換する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段で変換された電気信号に基づいて、前記光電変換手段で変換された電気信号間の位相差を求める位相比較手段と、
前記位相比較手段で求められた位相差により前記光伝送路を介して伝送される前記光基準信号の遅延を制御する遅延制御手段と
を備えた通信装置。 - 複数のアンテナに各々接続された複数の光伝送路を介して前記複数のアンテナから伝送される複数の受信信号が信号入力部に入力される通信装置であって、
複数の光参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記信号入力部と前記複数の光伝送路との間に各々設けられ、前記光伝送路に入力された光参照信号が、前記光伝送路と前記アンテナの間に設けられた信号反射部で反射して戻ってきた反射信号を各々出力する複数の参照信号出力部と、
前記複数の参照信号出力部から出力される各反射信号を各々電気信号に変換する複数の光電変換手段と、
前記複数の光電変換手段で変換された電気信号に基づいて、電気信号間の位相差を求める位相比較手段と、
前記位相比較手段で求められた位相差により前記光伝送路に入力される前記受信信号の遅延を制御する遅延制御手段と
を備えた通信装置。 - 前記信号出力部は分配手段を有し、前記分配手段で分配された複数の信号を出力する請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
- 前記信号出力部は複数の信号発生手段を有し、前記複数の信号発生手段で生成された各信号を出力する請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
- 前記位相比較手段は、前記複数の光電変換手段で変換された反射信号を各々比較して、位相差を求める請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の通信装置。
- 前記参照信号生成部は、電気信号である参照信号を生成し、前記参照信号は分配され、分配された一部が前記複数の光参照信号に変換され、
前記位相比較手段は、前記参照信号と前記光電変換手段で変換された信号とを比較して、前記光電変換手段で変換された電気信号間の位相差を求める請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の通信装置。 - 前記位相比較手段は複数であり、前記複数の参照信号出力部の各々に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
- 前記複数の参照信号出力部と前記位相比較手段の間に設けられ、各参照信号出力部から出力される反射信号を選択して前記位相比較手段に出力する電力切替手段を備えた請求項7に記載の通信装置。
- 前記光参照信号は、前記信号出力部から出力される信号とは異なる波長の光信号である請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
- 前記光参照信号は、前記光伝送路を介して伝送される受信信号とは異なる波長の光信号である請求項3に記載の通信装置。
- 前記参照信号出力部は、前記光伝送路に入力された前記光参照信号が前記信号反射部で反射して戻ってきた反射信号を分波する光分波手段と、
前記反射信号を前記位相比較手段に出力する光サーキュレータと
を有する請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の通信装置。 - 前記参照信号生成部と前記遅延制御手段とに接続され、前記参照信号生成部と前記遅延制御手段とを制御する全体制御手段とを備えた請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の通信装置。
- 前記信号入力部は、前記複数の光伝送路を介して前記複数のアンテナから伝送される複数の受信信号を合成する手段を有する請求項3に記載の通信装置。
- 前記信号入力部は、前記複数の光伝送路を介して前記複数のアンテナから伝送される複数の受信信号の各々が入力される複数の受信手段を有する請求項3に記載の通信装置。
- 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の通信装置と、前記通信装置と接続される複数のアンテナを備えたレーダ装置。
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