JP5407077B2 - トルクセンサ及びトルク検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は回転軸の回転角の検出分解能よりも高分解能に軸トルクを検出するためのトルクセンサ及びトルク検出方法に関する。
電動パワーステアリング装置(EPS)は、ステアリングホイールの操作によりステアリングシャフトに加わる操舵トルク及びステアリング操作時の車速に基づいて電動モータを駆動し、ウォーム歯車減速機構等を介してステアリングシャフトに操舵補助力を付与する制御装置である。車両挙動安定制御の高機能化に伴い、ステアリングホイールの操舵角及び操舵方向を検出し、これらの検出情報を横滑り防止装置(ECS)の制御信号として利用する車両も開発されている。従来は、ステアリングシャフトの操舵トルクを検出するためのトルクセンサと、ステアリングホイールの操舵角及び操舵方向を検出するための操舵角センサは、同一シャフト上に近接配置されているにも関わらず、用途が異なるために別々に搭載されている。近年の車両のインテリジェンス化に伴い、複数のセンサの一体化による省スペース化及び高機能化の実現が要求されており、トルクセンサと操舵角センサとを一体化することが検討されている。トルクセンサと操舵角センサとを一体化する方法として、例えば、トーションバーの入力側の回転角を検出するセンサと、トーションバーの出力側の回転角を検出するセンサとを設け、トーションバーの入力側の回転角を基に操舵角を算出し、トーションバーの入力側の回転角と出力側の回転角との位相差に基づいて操舵トルクを算出する方法が考えられる。
しかし、上述の方法では、操舵トルクの検出分解能と、操舵角の検出分解能とが同じになる。一般的に、操舵トルクの検出に要求される分解能は、操舵角の検出に要求される分解能よりも高いため、上述の方法で操舵角の検出分解能を基準にセンサを設計すると、操舵トルクの検出分解能が不足してしまい、操舵トルクの検出分解能を基準にセンサを設計すると、操舵角の検出分解能がオーバースペックとなってしまう。
そこで、本発明は、回転軸の回転角の検出分解能よりも高分解能に軸トルクを検出できるトルクセンサ及びトルク検出方法を提案することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わるトルクセンサは、弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有する回転軸の軸トルクを検出するためのトルクセンサであって、入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、入力軸の回転角の情報を含む第一の検出信号を出力する第一の検出手段と、出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、出力軸の回転角の情報を含む第二の検出信号を出力する第二の検出手段と、第一の検出信号と第二の検出信号とを第一の増幅率で差動増幅して得られる第一の差動出力信号を出力する第一の差動増幅器と、第一の差動出力信号を第一のデジタルデータに変換する第一のA/D変換器と、第一のデジタルデータを第一の増幅率で除算して得られる第一及び第二の検出信号の差分に基づいて軸トルクを算出する信号処理回路と、を備える。
通常、センサの分解能はA/D変換器の分解能により決定されることが多い。第一及び第二の検出信号を第一の増幅率で差動増幅して得られた第一の差動出力信号を第一のA/D変換器に入力して軸トルクを算出すると、第一及び第二の検出信号のそれぞれをA/D変換する場合と較べて、A/D変換時の量子化雑音が低減するため、回転軸の回転角の検出分解能よりも高分解能に軸トルクを検出することができる。
本発明の好適な実施形態において、信号処理回路は、第一のデジタルデータを第一の増幅率で除算して得られる第一及び第二の検出信号の差分に第一の検出信号を加算することで第二の検出信号を算出し、算出された第二の検出信号から出力軸の回転角を算出し、第一の検出信号から入力軸の回転角を算出し、入力軸の回転角及び出力軸の回転角から軸トルクを算出する。このような信号処理で求めた軸トルクの分解能は、入力軸の回転角及び出力軸の回転角を差動増幅しないでA/D変換器に直接入力して求めた軸トルクの分解能よりも高くなっており、そのため、入力軸及び出力軸の回転角の検出分解能はそのままで、軸トルクの検出分解能を向上できる。
本発明に係わるトルクセンサは、入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、入力軸の回転角の情報を含む第三の検出信号を出力する第三の検出手段と、出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、出力軸の回転角の情報を含む第四の検出信号を出力する第四の検出手段と、第三の検出信号と第四の検出信号とを第二の増幅率で差動増幅して得られる第二の差動出力信号を出力する第二の差動増幅器と、第二の差動出力信号を第二のデジタルデータに変換する第二のA/D変換器とを更に備えてもよい。ここで、信号処理回路は、第三の検出信号の変化率よりも第一の検出信号の変化率の方が大きく且つ第四の検出信号の変化率よりも第二の検出信号の変化率の方が大きい場合には、第一のデジタルデータを第一の増幅率で除算して得られる第一及び第二の検出信号の差分に基づいて軸トルクを算出、第一の検出信号の変化率よりも第三の検出信号の変化率の方が大きく且つ第二の検出信号の変化率よりも第四の検出信号の変化率の方が大きい場合には、第二のデジタルデータを第二の増幅率で除算して得られる第三及び第四の検出信号の差分に基づいて軸トルクを算出する。
信号変化率が大きい検出信号に基づいて軸トルク及び回転角を算出することにより、検出精度が向上し、更に、入力軸の検出角度に誤差が発生したときの入力軸の回転角と出力軸の回転角との位相差に生じる誤差も低減できる。
本発明に係わるトルクセンサは、入力軸に噛合する第一の歯車と、出力軸に噛合する第二の歯車とを更に備えてもよい。ここで、第一の検出手段は、第一の歯車の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出して第一の検出信号を出力する第一の磁気センサを備える。第二の検出手段は、第二の歯車の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出して第二の検出信号を出力する第二の磁気センサを備える。
第一及び第二の歯車は、それぞれ、入力軸及び出力軸の回転に連動する磁界変化を生じさせるので、この磁界変化を検出することにより、入力軸及び出力軸の回転角を検出することができる。
本発明に係わるトルクセンサは、入力軸に固定される第一の非円形回転体と、出力軸に固定される第二の非円形回転体とを更に備えてもよい。ここで、第一の非円形回転体の回転中心を通る直線が第一の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定であり、第二の非円形回転体の回転中心を通る直線が第二の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定である。また、第一の検出手段は、第一の非円形回転体の外周付近に配置される第一の磁気センサであって、第一の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する第一の非円形回転体の外周と第一の磁気センサとの間の第一の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第五の検出信号を出力する第一の磁気センサと、第一の磁気センサと第一の非円形回転体の回転中心とを結ぶ直線上において、第一の非円形回転体の回転中心と第一の磁気センサとの距離に等しい距離だけ第一の非円形回転体の回転中心から離れた位置に配置される第二の磁気センサであって、第一の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する第一の非円形回転体の外周と第二の磁気センサとの間の第二の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第六の検出信号を出力する第二の磁気センサと、第五の検出信号と第六の検出信号とを差動増幅して第一の検出信号を出力する第三の差動増幅器とを備える。第二の検出手段は、第二の非円形回転体の外周付近に配置される第三の磁気センサであって、第二の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する第二の非円形回転体の外周と第三の磁気センサとの間の第三の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第七の検出信号を出力する第三の磁気センサと、第三の磁気センサと第二の非円形回転体の回転中心とを結ぶ直線上において、第二の非円形回転体の回転中心と第三の磁気センサとの距離に等しい距離だけ第二の非円形回転体の回転中心から離れた位置に配置される第四の磁気センサであって、第二の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する第二の非円形回転体の外周と第四の磁気センサとの間の第四の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第八の検出信号を出力する第四の磁気センサと、第七の検出信号と第八の検出信号とを差動増幅して第二の検出信号を出力する第四の差増増幅器とを備える。
第一の非円形回転体は、第一の非円形回転体の回転中心を通る直線が第一の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定であるので、第一の非円形回転体の外周付近に対角配置された第一及び第二の磁気センサからの検出信号を差動増幅することにより得られる信号は、第一の非円形回転体の回転角度情報を含む略正弦波信号となり、入力軸の一回転以内の回転角を0deg〜360degの範囲にわたって高精度に検出できる。同様に、第二の非円形回転体は、第二の非円形回転体の回転中心を通る直線が第二の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定であるので、第二の非円形回転体の外周付近に対角配置された第三及び第四の磁気センサからの検出信号を差動増幅することにより得られる信号は、第二の非円形回転体の回転角度情報を含む略正弦波信号となり、出力軸の一回転以内の回転角を0deg〜360degの範囲にわたって高精度に検出できる。
本発明に係わるトルク検出方法は、弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有する回転軸の軸トルクを検出するためのトルク検出方法であって、入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出することにより、入力軸の回転角の情報を含む第一の検出信号を出力するステップと、出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出することにより、出力軸の回転角の情報を含む第二の検出信号を出力するステップと、第一の検出信号と第二の検出信号とを所定の増幅率で差動増幅して得られる差動出力信号を出力するステップと、差動出力信号をA/D変換器に入力してデジタルデータに変換するステップと、デジタルデータを所定の増幅率で除算して得られる第一及び第二の検出信号の差分に基づいて軸トルクを算出するステップと、を備える。
通常、センサの分解能は、A/D変換器の分解能により決定されることが多い。ここで、第一及び第二の検出信号を所定の増幅率で差動増幅して得られた差動出力信号をA/D変換器に入力して軸トルクを算出すると、第一及び第二の検出信号のそれぞれをA/D変換する場合と較べて、A/D変換時の量子化雑音が低減するため、回転軸の回転角の検出分解能よりも高分解能に軸トルクを検出することができる。
本発明によれば、回転軸の回転角の検出分解能よりも高分解能に軸トルクを検出できる。
実施例1に係わる電動パワーステアリング装置の概略構成を示す説明図である。 実施例1に係わるトルクセンサの回路構成を示す説明図である。 入力軸と歯車との配置関係を示す説明図である。 検出信号f(θ)及びg(θ)を示すグラフである。 操舵トルク及び操舵角を算出する手順を示す流れ図である。 f(θ)及びf(θ−π/2)の信号波形を示すグラフである。 検出信号f(θ)及びg(θ)を示すグラフである。 実施例2に係わるトルクセンサの断面図である。 図8の9−9線矢視断面図である。 図8の10−10線矢視断面図である。 図8の11−11線矢視断面図である。 磁気抵抗効果素子を通過する磁束密度と磁気抵抗効果素子の出力電圧との関係を示すグラフである。 実施例2に係わるトルクセンサの回路構成を示す説明図である。 磁気センサを通過する磁界の磁束密度変化を示すグラフである。 対角配置された一対の磁気センサから出力される二つの検出信号を示すグラフである。 対角配置された一対の磁気センサから出力される二つの検出信号を差動増幅して得られる検出信号のグラフである。 ステアリングシャフトの回転数を計測する磁気センサの出力信号波形を示すグラフである。 非円形回転体の平面形状の算出方法を示す説明図である。 a=0.9のときの楕円関数H(X,Y)のグラフである。 a=1.5のときの楕円関数H(X,Y)のグラフである。 a=0.5のときの楕円関数H(X,Y)のグラフである。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施例について説明する。同一の部材又は素子については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
図1は、実施例1に係わる電動パワーステアリング装置200の概略構成を示す説明図である。電動パワーステアリング装置200は、ステアリングシャフト60に加えられる操舵トルク及びステアリング操作時の車速に基づいて操舵補助力を電気的に制御するための制御機構である。ステアリングシャフト60は、所定の捩れ−トルク特性を有する弾性部材から成るトーションバー63と、トーションバー63の入力側に接続された入力軸61と、トーションバー63の出力側に接続された出力軸62とを備える回転軸である。入力軸61と出力軸62は互いに同軸配置されているが、直接連結されておらず、トーションバー63を介在させて接続されている。入力軸61は、ステアリングホイール270に接続されており、ステアリングホイール270の回転に同期して回転する。一方、出力軸62は、ステアリングギア機構240に接続されており、トーションバー63を介して入力軸61から出力軸62に伝達された回転運動は、ステアリングギア機構240によってロッド250の直線運動に変換され、これにより車輪261,262の転舵方向が制御される。
ここで、入力軸61の回転運動は、トーションバー63を介して出力軸62に伝達されるが、車輪261,262と路面との間の摩擦の影響により、出力軸62は入力軸61の回転に遅れて回転し始めるので、トーションバー63に捩れが発生する。トルクセンサ10は、入力軸61の回転角に基づいて操舵角及び操舵方向を検出し、入力軸61の回転角と出力軸62の回転角との位相差に基づいてステアリングシャフト60に加えられた操舵トルクを算出する。トルクセンサ10は、操舵トルクの検出情報をコントローラ(ECU)210に出力し、操舵角及び操舵方向の検出情報を横滑り防止装置(ECS)280に出力する。コントローラ210は、操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助力の指令値を演算し、これをモータ220に出力する。モータ220の出力トルクは減速機構230を介して出力軸62に伝達される。
なお、本明細書では、車輪261,262の転舵方向が舵角中心にある時のステアリングホイール270の位置を中立位置と称する。また、その中立位置に対してステアリングホイール270が時計回りに操舵される場合を正方向の操舵と称し、ステアリングホイール270が反時計回りに操舵される場合を負方向の操舵と称する。
図2は実施例1に係わるトルクセンサ10の回路構成を示す説明図である。トルクセンサ10は、入力軸61の回転角の情報を含む検出信号f(θ1)を出力する磁気センサ300Aと、入力軸61の回転角の情報を含む検出信号f(θ1−π/2)を出力する磁気センサ300Bと、出力軸62の回転角の情報を含む検出信号g(θ2)を出力する磁気センサ300Cと、出力軸62の回転角の情報を含む検出信号g(θ2−π/2)を出力する磁気センサ300Dと、f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅する差動増幅器601と、f(θ1−π/2)及びg(θ2−π/2)を増幅率Gで差動増幅する差動増幅器602と、差動増幅器601から出力される差動出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器610と、差動増幅器602から出力される差動出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器620と、f(θ1)をデジタルデータに変換するA/D変換器630と、f(θ1−π/2)をデジタルデータに変換するA/D変換器640と、A/D変換器610,620,630,640から出力されるデジタルデータに基づいてステアリングシャフト60の操舵角及び操舵トルクを算出する信号処理回路650を備える。
磁気センサ300Aは、入力軸61に噛合する歯車310に固定される磁界発生手段としての磁石302Aと、磁石302Aから一定距離離れた位置に配置される磁気抵抗効果素子301Aとを備える。ステアリングシャフト60の軸芯方向をZ軸方向とすると、歯車310の回転軸芯方向は、Z軸方向に平行である。入力軸61が回転すると、その回転運動は、歯車310に伝達され、磁石302AはXY平面内で回転する。すると、磁石302Aから出て磁気抵抗効果素子301Aに入る磁界は周期的に変化し、入力軸61の一回転につき一周期分の磁界変化が生じる。磁気抵抗効果素子301Aは、周期的に変化する磁界変化を検出すると、その磁気抵抗は、周期的に変化する。磁気抵抗効果素子301Aには、センス電流が供給されており、磁気抵抗の変化は電圧変化として現れる。磁気抵抗効果素子301Aの出力電圧は、入力軸61の回転角度の情報を含む検出信号f(θ1)として信号処理される。ここで、f(θ)は、正弦波関数などの周期関数であり、θ1は中立位置からの入力軸61の回転角を示す。
磁気センサ300Bは、入力軸61に噛合する歯車320に固定される磁石302Bと、磁石302Bから一定距離離れた位置に配置される磁気抵抗効果素子301Bとを備える。磁気抵抗効果素子301Bは、入力軸61の回転角度の情報を含む検出信号f(θ1−π/2)を出力するように、磁石302Bの取り付け位置などが調整される。より詳細には、図3に示すように、二つの磁石302A,302Bは、入力軸61の回転中心から等距離の位置に対角配置されている。磁石302Aの中心は、歯車310の回転中心に一致し、磁石302Bの中心は、歯車320の回転中心に一致する。また、それぞれの磁石302A,302Bが発生する磁界の位相がπ/2ずれるように、磁石302A,302BのN極及びS極の位置が調整されている。ここで、入力軸61の回転角の検出精度を高めるには、二つの歯車310,320の歯数は等しいことが望ましい。二つの歯車310,320の歯数が等しくない場合には、入力軸61の回転角の検出精度は劣化するが、二つの歯車310,320の回転角の差分を基に入力軸61の多回転絶対角を算出できる。なお、二つの歯車310,320の歯数を等しくする場合には、入力軸61に噛合する第三の歯車(図示せず)を多回転絶対角の検出用に別途設けてもよい。
磁気センサ300Cは、出力軸62に噛合する歯車330に固定される磁石302Cと、磁石302Cから一定距離離れた位置に配置される磁気抵抗効果素子301Cとを備える。磁気抵抗効果素子301Cの出力電圧は、出力軸62の回転角度の情報を含む検出信号g(θ2)として信号処理される。ここで、g(θ)は、正弦波関数などの周期関数であり、θ2は中立位置からの出力軸62の回転角を示す。磁気センサ300Dは、出力軸62に噛合する歯車340に固定される磁石302Dと、磁石302Dから一定距離離れた位置に配置される磁気抵抗効果素子301Dとを備える。磁気抵抗効果素子301Dは、出力軸62の回転角度の情報を含む検出信号g(θ2−π/2)を出力するように、磁石302Dの取り付け位置などが調整される。二つの磁石302C,302Dと出力軸62との配置関係は、図3に示す二つの磁石302A,302Bと入力軸61との配置関係と同様である。ここで、出力軸62の回転角の検出精度を高めるには、二つの歯車330,340の歯数は等しいことが望ましい。
次に、図4及び図5を参照しながら操舵トルク及び操舵角を算出する手順について説明する。図4は、検出信号f(θ)及びg(θ)のグラフを示し、図5は操舵トルク及び操舵角を算出する手順を示す流れ図である。磁気センサ300Aは、入力軸61の回転角がθ1であるときの検出信号f(θ1)=V1を出力する(ステップS1)。V1はA/D変換器630に入力され、デジタルデータに変換される(ステップS2)。信号処理回路650は、θ1=f-1(V1)からθ1を求める(ステップS3)。一方、磁気センサ300Cは、出力軸62の回転角がθ2であるときの磁気センサ30Cの検出信号g(θ2)=V2を出力する(ステップS4)。差動増幅器601は、f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅し、差動出力信号G(V2−V1)を出力する(ステップS5)。差動出力信号G(V2−V1)は、A/D変換器610に入力され、デジタルデータに変換される(ステップS6)。信号処理回路650は、A/D変換器610から出力されるデジタルデータを増幅率Gで除算することにより、ΔV=V2−V1を算出する(ステップS7)。ここで、V1の値は、ステップS2において得られているので、信号処理回路650は、ΔVにV1を加算することによりV2を得る(ステップS8)。そして、信号処理回路650は、θ2=g-1(V2)からθ2を求め(ステップS9)、トーションバー63の捩れ角Δθ=θ2−θ1を算出する(ステップS10)。操舵トルクは、トーションバー63のばね定数に捩れ角Δθを乗じることで算出される。操舵角はθ1から求めることができる。なお、上述のステップS1〜ステップS10において、f(θ)とg(θ)を入れ替えても、操舵トルクを算出できる点に留意されたい。
トルクセンサ10の分解能は、A/D変換器610,620の分解能により決定される。仮に、f(θ1)及びg(θ2)をA/D変換してから、両者の差分を求める場合を想定すると、f(θ)及びg(θ)の最小値から最大値までをA/D変換器610,620の分解能で分割する必要がある。これに対して、本実施例のように、f(θ1)及びg(θ2)の差分を増幅してから、A/D変換すると、この差分の最小値から最大値までをA/D変換器610,620の分解能で分割すればよく、分解能が向上する。さて、上述のように、f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅して得られた差動出力信号G(V2−V1)をA/D変換器610に入力してΔVを算出すると、f(θ1)及びg(θ2)のそれぞれをA/D変換する場合と較べてA/D変換時の量子化雑音が著しく低減するため、本実施例の信号処理方法で求めたΔVの分解能は、f(θ1)及びg(θ2)を差動増幅しないでA/D変換器610に直接入力して求めたΔVよりも分解能が高くなっている。本実施例の信号処理方法によれば、操舵角θ1の分解能はそのままで、操舵トルクKΔθ=K(θ2−θ1)の分解能を向上させることができる(但し、Kはトーションバー63のばね定数とする。)。
なお、上述の説明では、f(θ)及びg(θ)を用いて、操舵トルク及び操舵角を算出する手順について説明したが、f(θ−π/2)及びg(θ−π/2)を用いて、同様の手順により操舵トルク及び操舵角を算出することも可能である。
図6は、f(θ)=cosθの信号波形と、f(θ−π/2)=sinθの信号波形を示す(但し、0deg≦θ≦360degとする。)。同図に示すように、0deg≦θ≦45deg、135deg≦θ≦225deg、及び315deg≦θ≦360degの角度範囲では、f(θ−π/2)の方がf(θ)よりも信号変化率が大きいので、信号検出誤差を低減できる。従って、この角度範囲では、f(θ−π/2)及びg(θ−π/2)を用いて、操舵トルク及び操舵角を算出するのが好ましい(但し、g(θ)=cosθ、g(θ−π/2)=sinθとする。)。一方、45deg≦θ≦135deg、及び225deg≦θ≦315degの角度範囲では、f(θ)の方がf(θ−π/2)よりも信号変化率が大きいので、信号検出誤差を低減できる。従って、この角度範囲では、f(θ)及びg(θ)を用いて、操舵トルク及び操舵角を算出するのが好ましい。
なお、本実施例は、二つの検出信号f(θ)及びf(θ−π/2)のうち信号変化率の大きい方をその都度選択して操舵トルク及び操舵角を算出する方法に限定されるものではなく、例えば、オペアンプなどを使用して、f(θ)及びf(θ−π/2)を加減算処理及び振幅調整することにより、二つの検出信号f(θ−π/4)及びf(θ−3π/4)を生成し、四つの検出信号f(θ),f(θ−π/4),及びf(θ−π/2),及びf(θ−3π/4)のうち信号変化率の大きい方をその都度選択して操舵トルク及び操舵角を算出してもよい。また、f(θ)及びf(θ−π/2)から4つ以上の検出信号を生成し、信号変化率の大きい検出信号をその都度選択して操舵トルク及び操舵角を算出してもよい。
ところで、f(θ)及びg(θ)は、数式として与えられてもよく、或いは、磁気抵抗効果素子301A、301B,301C,301Dの出力電圧と、入力軸61及び出力軸62のそれぞれの回転角とを対応させたデータテーブル(マップデータ)として与えられてもよい。このようなデータテーブルは、例えば、キャリブレーション実施時に作成されるのが望ましい。信号処理回路650は、ROMなどの不揮発性メモリ(図示せず)を有しており、f(θ)及びg(θ)の数式を予め不揮発性メモリに記憶し、磁気抵抗効果素子301A、301B,301C,301Dの出力電圧と、不揮発性メモリに記憶されている数式とを使用して、上述のステップS1〜S10に基づいて操舵トルク及び操舵角を算出してもよい。或いは、信号処理回路650は、上述のデータテーブルを予め不揮発性メモリに記憶し、磁気抵抗効果素子301A、301B,301C,301Dの出力電圧と、データテーブルとを使用して、上述のステップS1〜S10に基づいて操舵トルク及び操舵角を算出してもよい。
f(θ)及びg(θ)は、操舵トルク及び操舵角の精度に係わるため、磁気センサ300A,300B,300C,300Dの取り付け時のキャリブレーションにおいて、ステアリングシャフト60の回転角に対して十分な数のサンプル数を用意し、モータ220(図1参照)を一定速度で回転させながら、A/D変換器の分解能以上の精度で求めることができるオーバーサンプリングを実施してf(θ)及びg(θ)を求めるのが好ましい。量子化誤差がランダムに発生し、僅かな角度範囲で真値が直線であるとの仮定を行えば、前後の取り込み値を単純平均することにより、キャリブレーションをより正確に行うことができるので、f(θ)及びg(θ)を高精度に求めることができる。
次に、θ1に誤差Δθ1が発生した場合における、Δθの誤差Δ(Δθ)について考察する。Δθ1=0のときは、(1)式が成立する。
Figure 0005407077
図7に示すように誤差Δθ1が発生したとすると、f(θ1)の読み取り値にはf'(θ1)×Δθ1の誤差が発生していたことになる。θ2の検出誤差をΔθ2とすると、(2)式が得られる。
Figure 0005407077
(2)式の左辺を1次近似して(1)式を用いると、(3)式が得られる。
Figure 0005407077
(2)式、(3)式を整理すると、(4)式が得られる。
Figure 0005407077
Δ(Δθ)は、Δθ1とΔθ2との差分であるから、(5)式が得られる。
Figure 0005407077
Figure 0005407077
δを(6)式のようにおくと、|δ|<1であればΔθ1に誤差が発生してもΔ(Δθ)に与える影響は小さくなるといえる。そこで、δの最大値を検討する。f(θ)とg(θ)は、正弦波関数などの周期関数であるから、f(θ)=g(θ)=cosθとして、45deg≦θ≦135degの範囲のみを考慮すれば十分である。f'(θ)=g'(θ)=−sinθ、θ2=θ1+Δθとすると、(7)式及び(8)式が得られる。
Figure 0005407077
Figure 0005407077
(8)式の分母は常に正となる。このため、δ'の符号は、Δθの符号と一致し、δはθ1に対して単調増加又は単調減少する。従って、45deg≦θ1≦135degの角度範囲では、|δ|の最大値は、θ1=45deg又は135degに存在し、|δ|の最小値は、θ1=90deg付近に存在する。これは、θ1に誤差Δθ1が発生したときの誤差Δ(Δθ)が小さくなる角度は、θ1=90+180×n[deg]付近に周期的に出現することを意味している。但し、nは0以上の整数とする。f(θ)=g(θ)=cosθのとき、f(θ−π/2)=g(θ−π/2)=sinθであるから、f(θ−π/2)及びg(θ−π/2)については、θ1に誤差Δθ1が発生したときの誤差Δ(Δθ)が小さくなる角度は、θ1=180×n[deg]付近に周期的に出現する。
なお、θ1に誤差Δθ1が発生したときの誤差Δ(Δθ)が小さくなる角度は、図6から理解できるように、f(θ1)及びf(θ1−π/2)のそれぞれの信号変化率が大きくなる角度範囲にある。従って、誤差Δ(Δθ)を低減する観点から見ても、f(θ1)及びf(θ1−π/2)のうち信号変化率が大きい検出信号を使用して操舵トルク及び操舵角を算出するのが望ましい。従って、例えば、図1に示すステアリングホイール270が中立位置付近にあるとき(言い換えれば、車両がほぼ直進しているとき)の操舵トルクを検出するときに、誤差Δ(Δθ)が最少となるようにトルクセンサ10の初期設定を行うと、ステアリングホイール270の中立位置近傍のトルク検出誤差を低減することが可能になるという利点に加えて、図6に示すようにf(θ)の検出誤差が最小になる(言い換えれば、f(θ)の信号変化率が最大になる)という利点をも有する。
本実施例によれば、以下の利点を有する。
(1)f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅して得られたG(V2−V1)をA/D変換器610に入力してΔVを求めているので、操舵角θ1の分解能はそのままで、操舵トルクKΔθ=K(θ2−θ1)の分解能が向上する。
(2)f(θ1)及びf(θ1−π/2)のうち信号変化率が大きい方の検出信号を使用して操舵トルク及び操舵角を算出することにより、検出精度が向上し、更に、θ1に誤差Δθ1が発生したときの誤差Δ(Δθ)が小さくなる。
実施例2に係わるトルクセンサ11は、非円形回転体71,72を使用してステアリングシャフト60の操舵トルク及び操舵角を算出する点において、実施例1に係わるトルクセンサ10と相違し、操舵トルク及び操舵角を算出するための信号処理方法において、実施例1と共通する。以下、実施例1,2の相違点について中心に説明する。
図8はトルクセンサ11の断面図、図9は図8の9−9線矢視断面図、図10は図8の10−10線矢視断面図、図11は図8の11−11線矢視断面図である。入力軸61には非円形回転体71が固定されている。非円形回転体71は、強磁性材質(例えば、鉄、コバルト、ニッケル等)から成るロータである。入力軸61の軸芯方向をZ軸方向とすると、非円形回転体71は、Z軸に垂直なXY平面内で回転する。図9に示すように、非円形回転体71をその回転平面(XY平面)に投影した形状(以下、「平面形状」と称する。)は、回転中心Pを通過する如何なる直線に関しても、「非円形回転体71の回転中心Pを通る直線が非円形回転体71の外周と交差する二点間の距離が一定である」という条件を満たす形状(但し、円を除く)を成している。このような形状として、本実施例では、二つの異なる半楕円を結合して成る形状を例示するが、この例示に限定されるものではない。非円形回転体71の外周付近には、非円形回転体71の回転中心Pを通る直線401上に対角配置された一対の磁気センサ21A,21Bと、直線401に直交するとともに回転中心Pを通る直線402上に対角配置された一対の磁気センサ21C,21Dが配置されている。それぞれの磁気センサ21A,21B,21C,21Dは、回転中心Pに対して、90deg間隔で固定されており、非円形回転体71が回転したとしても、回転中心Pとそれぞれの磁気センサ21A,21B,21C,21Dとの間の距離は常に一定である。
図8に示すように、磁気センサ21Aは、外部磁界を発生させるための磁界発生手段として機能する磁石101と、非円形回転体71の回転に連動して変化する外部磁界の変化を電圧変化として検出する磁気抵抗効果素子91とを主要構成として備える。磁気センサ21Aの実装形態として、磁石101の中心点を通るZ方向の直線上に磁気抵抗効果素子91が位置するように一枚のプリント配線基板111の表面に磁気抵抗効果素子91を配置し、プリント配線基板111の裏面に磁石101を配置するのが好ましい。図9に示す例では、プリント配線基板111は、中空環状に形成されている。一枚のプリント配線基板111を使用することで、トルクセンサ10の組み立てが容易になり、取り付け精度の向上が期待できる。また、磁石101から発生する外部磁界を効率よく集磁するために、磁石101の両極にヨーク(図示せず)を配置するのが好ましい。なお、磁気センサ21B,21C,21Dの構成は、磁気センサ21Aの構成と同じである。
磁気抵抗効果素子91は、磁化方向が特定の方向に設定されていて、外部磁界の変位に対して磁化状態(例えば、磁化方向や磁化の強さ)が影響を受けないように構成されたピン磁性層(図示せず)と、外部磁界の変化によって磁化状態が変位するフリー磁性層(図示せず)とを備えている。図8に示すように、入力軸61の回転に同期して、非円形回転体71が回転すると、非円形回転体71の外周と磁気抵抗効果素子91との間のギャップGの間隔は、周期的に変化する。ギャップGの間隔が変化すると、磁気抵抗効果素子91の裏面に配置された磁石101から磁気抵抗効果素子91を通過して非円形回転体71に引かれる磁束密度が変化する。すると、磁気抵抗効果素子91内のフリー磁性層の磁化状態が変動するので、磁化状態が変動しないピン磁性層の磁化状態と、磁化状態が変動するフリー磁性層との間に磁化状態の変位差が発生する。この磁化状態の変位差は、非円形回転体71の回転角度を反映する物理量であり、具体的には、磁気抵抗効果素子91の抵抗値の変化として現れる。磁気抵抗効果素子91には、プリント配線基板111からバイアス電流が供給されており、磁気抵抗効果素子91の抵抗値の変化は出力電圧の変化として検出される。磁気抵抗効果素子91の出力電圧は、非円形回転体71の回転角度を示す検出信号として信号処理される。
なお、磁気抵抗効果素子91として、巨大磁気抵抗(GMR)型、トンネル磁気抵抗(TMR)型、弾道磁気抵抗(BMR)型、異方性磁気抵抗(AMR)型などの各種の磁気抵抗効果素子を用いることができる。また、磁気抵抗効果素子91に替えてホール素子を用いてもよい。
磁気抵抗効果素子91の動作領域は、図12に示すように、磁気抵抗効果素子91を通過する磁束密度と、磁気抵抗効果素子91の出力電圧との関係が線形になる領域A又は領域Bになるように、外部磁界の強さやギャップGの平均間隔等を設計するのが好ましい。この場合、ギャップGの距離に応じて、磁気センサ21Aの出力は線形性を有することとなる。また、非円形回転体71と磁気センサ21Aとのスラスト方向の位置関係は、非円形回転体71の回転による芯ぶれ等によるズレを含めて非円形回転体71が磁気抵抗効果素子91から外れない位置関係とするのが望ましい。例えば、取り付け誤差±0.5mm、芯ぶれ±0.5mm、磁気抵抗効果素子91の厚みが0.5mmとすると、非円形回転体71の厚みは、3.0mm以上が望ましい。
さて、非円形回転体71が一回転すると、図14に示すように、磁気センサ21Aを通過する外部磁界の磁束密度の変化を示す波形には、一周期分の変化が現れる。非円形回転体71は、異なる二つの半楕円を結合した形状に加工されているので、図14に示す磁束密度波形は厳密な意味での正弦波形ではないものの、正弦波形に類似した波形である。上述の如く磁気抵抗効果素子91を通過する磁束密度と、磁気抵抗効果素子91の出力電圧との関係は、線形であるので(図12参照)、磁気抵抗効果素子91から出力される検出信号は、正弦波に類似した波形を有する。非円形回転体71は、回転中心Pを通過する如何なる直線に関しても、非円形回転体71の回転中心Pを通る直線が非円形回転体71の外周と交差する二点間の距離が一定であるような形状を成しているので、対角配置された一対の磁気センサ21A,21Bのうち一方の磁気センサ21Aと非円形回転体71の外周との間の第一の距離が変化すると、他方の磁気センサ21Bと非円形回転体71の外周との間の第二の距離は第一の距離の変化に追従するように相補的に変化する。つまり、第一の距離が短くなると、その短くなった距離の分だけ第二の距離が長くなる。これは一対の磁気センサ21A,21Bが180度対角配置されているためである。従って、磁気センサ21A,21Bの検出信号は、図15に示すように、180degの位相差を有している。図15において、符号501は、磁気センサ21Aの検出信号を示し、符号502は、磁気センサ21Bの検出信号を示している。なお、対角配置された他の一対の磁気センサ21C,21Dの検出信号についても、180degの位相差を有している。
ここで、図8の説明に戻る。出力軸62には、非円形回転体72が固定されている。非円形回転体72の材質及び平面形状は、非円形回転体71の材質及び平面形状と同様である。図11に示すように、非円形回転体72の外周付近には、非円形回転体72の回転中心Qを通る直線403上に対角配置された一対の磁気センサ41A,41Bと、直線403に直交するとともに非円形回転体72の回転中心Qを通る直線404上に対角配置された一対の磁気センサ41C,41Dが配置されている。それぞれの磁気センサ41A,41B,41C,41Dは、非円形回転体72の回転中心Qに対して、90deg間隔で固定されており、非円形回転体72が回転したとしても、その回転中心Qとそれぞれの磁気センサ41A,41B,41C,41Dとの間の距離は常に一定である。図8に示すように、磁気センサ41Aは、磁気抵抗効果素子92及び磁石102を備えており、磁石102の中心点を通るZ方向の直線上に磁気抵抗効果素子92が位置するように一枚のプリント配線基板112の裏面に磁気抵抗効果素子92を配置し、プリント配線基板112の表面に磁石102を配置するのが好ましい。
図8及び図10に示すように、ハウジング120の内部に回転自在に軸止されたウォームホイール82に噛合するウォーム81が入力軸61に連結されている。ウォームホイール82には、外部磁界を発生させるための磁界発生手段として機能する磁石103が取り付けられている。入力軸61が回転すると、それに同期してウォーム81が回転する。ウォーム81の回転は、ウォームホイール82に伝達され、磁石103をXZ平面内で回転させる。例えば、ウォーム81が一回転すると、ウォームホイール82は一歯分回転する。磁石103からY方向に所定のギャップ間隔で離れた位置には、磁石103の回転に連動して変化する外部磁界の変化を電圧変化として検出する磁気抵抗効果素子93がプリント配線基板113に実装されている。磁気抵抗効果素子93及び磁石103は、ステアリングシャフト60の回転に連動して変化する磁気信号を出力する磁気センサ31として機能する。なお、ウォーム81及びウォームホイール82は、ポリアセタール等の樹脂により形成される。
図13は、トルクセンサ11の回路構成を示す説明図である。トルクセンサ11は、一対の磁気センサ21A,21Bから出力される二つの検出信号を差動増幅することにより、入力軸61の回転角の情報を含む検出信号f(θ1)を出力する差動増幅器22Aと、一対の磁気センサ21C,21Dから出力される二つの検出信号を差動増幅することにより、入力軸61の回転角の情報を含む検出信号f(θ1−π/2)を出力する差動増幅器22Bと、一対の磁気センサ41A,41Bから出力される二つの検出信号を差動増幅することにより、出力軸62の回転角の情報を含む検出信号g(θ2)を出力する差動増幅器42Aと、一対の磁気センサ41C,41Dから出力される二つの検出信号を差動増幅することにより、出力軸62の回転角の情報を含む検出信号g(θ2−π/2)を出力する差動増幅器42Bと、f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅する差動増幅器601と、f(θ1−π/2)及びg(θ2−π/2)を増幅率Gで差動増幅する差動増幅器602と、差動増幅器601から出力される差動出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器610と、差動増幅器602から出力される差動出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器620と、f(θ1)をデジタルデータに変換するA/D変換器630と、f(θ1−π/2)をデジタルデータに変換するA/D変換器640と、磁気センサ31から出力される検出信号を増幅する増幅器32と、増幅器32の出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器33と、A/D変換器610,620,630,640,33から出力されるデジタルデータに基づいて、ステアリングシャフト60の操舵角及び操舵トルクを算出する信号処理回路650を備える。
ここで、図16の符号503は、図15に示す二つの検出信号501,502を差動増幅器22Aによって差動増幅することにより得られる検出信号f(θ1)を示している。f(θ1)は、理想的な正弦波形に酷似した波形形状を有する略正弦波信号である。差動増幅器22Bから出力されるf(θ1−π/2)についても同様に、理想的な正弦波形に酷似した波形形状を有する略正弦波信号であり、f(θ1)に対して相対的に90degの位相差を有している。g(θ2)及びg(θ2−π/2)についても同様に理想的な正弦波形に酷似した波形形状を有する略正弦波信号である。信号処理回路650は、実施例1の信号処理方法と同様の方法で操舵トルクを算出する。例えば、信号処理回路650は、f(θ1)及びg(θ2)を増幅率Gで差動増幅して得られたG(V2−V1)をA/D変換器610に入力してΔVを求め、Δθを算出する。また、信号処理回路650は、f(θ1)及びf(θ1−π/2)のうち信号変化率が大きい方の検出信号を使用して操舵トルクを算出する。
図17は、磁気センサ31の出力信号波形を示す。本実施例では、ステアリングシャフト60の回転数は、正方向及び負方向のそれぞれに最大2.5回転に制限されているので、ウォームホイール82は、最大2.5歯分しか回転しない。同図に示す出力信号波形は、ウォームホイール82が一回転する場合を想定した理論上の信号波形を示しており、一周期分の略正弦波信号が得られる。同図に示す例では、ステアリングホイール270が中立位置にあるときに磁気センサ31から出力される信号の位相が180degを示すように調整してある。ステアリングシャフト60が中立位置から回転し始めると、磁気センサ31の出力信号波形の位相は、180degを基準にして一回転あたりΔφ(=22.5deg)の範囲で変化し、その信号レベル(電圧値)も位相変化に応じて単調増加又は単調減少する。従って、磁気センサ31の信号レベルは、ステアリングシャフト60の回転数を判定する指標になる。例えば、図17に示すように、磁気センサ31の信号レベルが2.47V〜2.52Vの範囲であれば、信号処理回路650は、ステアリングシャフト60が負方向に一回転したものと判定し、磁気センサ31の信号レベルが2.42V〜2.47Vの範囲であれば、ステアリングシャフト60が正方向に一回転したものと判定する。
なお、f(θ1)又はf(θ1−π/2)に基づいて算出される入力軸61の回転角は中立位置からの一回転以内の角度であるため、多回転絶対角としての操舵角を算出するには、ステアリングシャフト60の回転数を加味する必要がある点に留意されたい。例えば、f(θ1)又はf(θ1−π/2)に基づいて算出した入力軸61の中立位置からの一回転以内の角度が60degであり、磁気センサ31の信号レベルが「二回転目」を示している場合、ステアリングシャフト60の操舵角は、360deg+60deg=420degとして算出される。このようにして算出された操舵角の情報は、図8及び図10に示すコネクタ130を介してコントローラ210に出力される。
なお、一対の磁気センサ21C,21Dは、入力軸61の角度検出を行う上で必須ではなく、一対の磁気センサ21A,21Bのみで角度検出を行うことが可能であり、また、一対の磁気センサ41C,41Dは、出力軸62の角度検出を行う上で必須ではなく、一対の磁気センサ41A,41Bのみで角度検出を行うことが可能である点に留意されたい。
また、磁気抵抗効果素子91は、細長い形状を成しており、そのフリー磁性層の長手方向が非円形回転体71の回転中心Pに向かう方向(回転中心方向)に磁化されているときに、高精度な角度検出が得られる。フリー磁性層の長手方向が、例えば、回転中心Pに向かう方向に直交する向きに設定されていると、フリー磁性層の長手方向全体に渡って、回転角に依存する平均的な磁界を磁気抵抗効果素子91が検出することになり、フリー磁性層の長手方向が回転中心Pに向かう場合と比較して相対的に検出誤差が大きくなると考えられる。
次に、図18を参照しながら非円形回転体71の平面形状の算出方法について説明する。ここでは、非円形回転体71の平面形状は、XY座標系において、半楕円F(Y≧0)と半楕円関数H(Y≦0)とを結合した形状から成るものとし、一方の楕円Fが既知である場合に、他方の楕円関数Hを算出する場合を考察する。
楕円F(x、y)を以下のように定義する。
(x、y)=(Lcosθ,Lsinθ) …(1)
2+y2/a2=r2 …(2)
y≧0 …(3)
ここで、XY座標系の原点は、回転中心Pに一致するものとし、回転中心Pと楕円F上の点との間の距離は、以下の式で示される。
(r2/(cos2θ+sin2θ/a2))1/2=L …(4)
従って、(4)式を(1)式に代入することにより、楕円Fの座標をθで表記できる。
さて、楕円関数H(X,Y)は、「回転中心Pを通過する如何なる直線に関しても、回転中心Pを通る直線が非円形回転体71の外周と交差する二点間の距離が一定である」という条件を満たさなければならないので、下式が成立する。
H(X)=X=2r・cosθ−F(x) …(5)
H(Y)=Y=2r・sinθ−F(y) …(6)
ここで、F(x),F(y)は、回転中心Pを通る直線が楕円Fに交差する点のX座標、Y座標を示す。つまり、(5)式、(6)式を満たすH、Fは回転中心を起点としてX軸とのなす角度が同一の角度となる。また、(5)式、(6)式より、関数F(楕円に限られない)が定義されれば、対応する関数H(楕円関数に限られない)の座標を求めることが可能となる。
ここで、(5)式、(6)式をXY座標上で表記すると、a=0.9の場合、図19のような波形となる(r=1)。但し、aの値によっては(例えば、a=1.5の場合)、図20のようにX=0で谷と有する波形となり、a=0.5の場合は、図21のようにY>0でX=rをとることになり、局率の符号を変える変局点を有することになる。ここで、図20及び図21のような場合は、谷部、変局点では磁界の乱れが生じると考えられ、検出出力が安定しない可能性がある。従って、図19のような谷部、局率の符号を変える変局点を有さない非円形回転体であることが好ましい。よって、好ましい非円形回転体は、楕円(x2+y2/a2=r2)と0<a<2(座標原点が閉曲線面内に存在する条件)の範囲(但し、a=1は除く)で谷部、局率の符号を変える変局点を有さない楕円関数の結合体である。これにより、楕円F、Hが一回転で最大、最小を一個有する正弦波を得ることが可能となる。無論、谷部、局率の符号を変える変局点を有さない形状を有する非円形回転体は楕円と楕円関数に限られず、様々な形状が可能である。非円形回転体72の平面形状についても同様の手順により算出することができる。
尚、二つの異なる半楕円を結合して成る非円形回転体71の外周付近に一対の磁気センサ21A,21Bを対角配置(180度対向配置)し、一対の磁気センサ21A,21Bの差動出力から非円形回転体71の回転角度を算出する場合には、ステアリングホイール270が中立位置にあるときに、一対の磁気センサ21A,21Bを結ぶ直線と二つの異なる半楕円の結合線とが一致するようにステアリングホイール270の位置を調整すると、ステアリングホイール270の中立位置付近の検出感度を最も向上させることができる。二つの異なる半楕円を結合して成る非円形回転体72の外周付近に一対の磁気センサ41A,41Bを対角配置する場合も同様である。
実施例2では、非円形回転体71、72として、異なる二つの半楕円を結合した形状に加工されているものを使用したが、非円形回転体の外周付近に第一及び第二の磁気抵抗効果素子を対角配置した場合に、第一の磁気抵抗効果素子と非円形回転体との間の第一の距離と、第二の磁気抵抗効果素子と非円形回転体との間の第二の距離との和が一定でなくても、非円形回転体と磁気抵抗効果素子との間の距離が回転角に応じて変化するような平面形状を有する非円形回転体を適宜、適用することが可能である。例えば、このような非円形回転体は、楕円体でもよい。楕円の外周付近に配置される磁気抵抗効果素子と楕円の中心との間の距離の回転角に対する変化率が最も大きくなる点、即ち、楕円の長径及び短径のそれぞれから45度の角度位置をステアリングホイール270の中立位置に設定することで、ステアリング中立位置付近のトルク検出誤差を低減することが可能である。なお、非円形回転体の平面形状として、楕円を用いる場合には、一対の磁気抵抗効果素子は、楕円の中心に関して90度の位相差で配置され(例えば、一方の磁気抵抗効果素子は、長軸の延長線上の位置に配置され、他方の磁気抵抗効果素子は、短軸の延長線上の位置に配置される)、一対の磁気抵抗素子の出力信号の位相差は180度である。一対の磁気抵抗効果素子の出力信号を差動演算することにより、非円形回転体の回転角の情報を含む差動出力信号を得ることができる。ここで、楕円の長軸と短軸との比を大きくすると、一対の磁気抵抗効果素子の差動出力信号の変動が急激に大きくなる回転角が存在するので、測定誤差が大きくなる可能性がある。長軸と短軸の比(長軸/短軸)が1より大きく2.0以下程度であれば、長軸及び短軸のそれぞれから45度の角度位置を中心として広い回転角で変動の少ない出力信号が検出できる点で好ましい。長軸と短軸の比(長軸/短軸)が3.0を超えると、長軸及び短軸のそれぞれから45度の角度位置から離れるにつれて、検出感度が一旦、上昇し、それ以降は、短軸及び長軸近傍で検出感度が低下する特性を示すので好ましいとは言えない。
本実施例によれば、以下の利点を有する。
(1)非円形回転体71の回転中心Pを通る直線が非円形回転体71の外周と交差する二点間の距離が一定である非円形回転体71を使用しているので、対角配置された一対の磁気センサ21A,21B(又は21C,21D)の検出信号を差動増幅することにより得られる信号は、回転体71の回転角度情報を含む略正弦波信号となり、入力軸61の一回転以内の回転角を0deg〜360degの範囲にわたって高精度に検出できる。
(2)非円形回転体71をその回転平面に投影した形状は、二つの異なる半楕円が結合した形状を有しているので、対角配置された一対の磁気センサ21A,21B(又は21C,21D)の検出信号を差動増幅することにより得られる信号は、非円形回転体71の回転角度情報を含む略正弦波信号となるので、検出誤差の少ない角度検出を行うことができる。
(3)非円形回転体72を用いて出力軸62の一回転以内の絶対角を0deg〜360degの範囲にわたって検出する場合にも、上述の(1)、(2)の利点を有する。
(4)磁気センサ31から出力される検出信号のレベルに基づいてステアリングシャフト60の回転数を判定できるため、ステアリングシャフト60の回転数情報を電源OFF時不揮発性メモリに保持しなくても、ステアリングシャフト60の多回転絶対角を検出できる。
本発明は、回転軸の軸トルク及び回転角を検出する用途に利用できる。
10,11…トルクセンサ
21A,21B,21C,21D…磁気センサ
41A,41B,41C,41D…磁気センサ
60…ステアリングシャフト
61…入力軸
62…出力軸
63…トーションバー
300A,300B,300C,300D…磁気センサ
301A,301B,301C,301D…磁気抵抗効果素子
302A,302B,302C,302D…磁石
310,320,330,340…歯車
601,602…差動増幅器
610,620,630,640…A/D変換器
650…信号処理回路

Claims (10)

  1. 弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有する回転軸の軸トルクを検出するためのトルクセンサであって、
    前記入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、前記入力軸の回転角の情報を含む第一の検出信号を出力する第一の検出手段と、
    前記出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、前記出力軸の回転角の情報を含む第二の検出信号を出力する第二の検出手段と、
    前記第一の検出信号と前記第二の検出信号とを第一の増幅率で差動増幅して得られる第一の差動出力信号を出力する第一の差動増幅器と
    前記第一の差動出力信号を第一のデジタルデータに変換する第一のA/D変換器と、
    前記第一のデジタルデータを前記第一の増幅率で除算して得られる前記第一及び第二の検出信号の差分に基づいて前記軸トルクを算出する信号処理回路と、
    を備えるトルクセンサ。
  2. 請求項1に記載のトルクセンサであって、
    前記信号処理回路は、前記第一の検出信号に基づいて、前記入力軸の回転角を算出する、トルクセンサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のトルクセンサであって、
    前記信号処理回路は、前記第一のデジタルデータを前記第一の増幅率で除算して得られる前記第一及び第二の検出信号の差分に前記第一の検出信号を加算することで前記第二の検出信号を算出し、前記算出された第二の検出信号から前記出力軸の回転角を算出し、前記第一の検出信号から前記入力軸の回転角を算出し、前記入力軸の回転角及び前記出力軸の回転角から前記軸トルクを算出する、トルクセンサ。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のトルクセンサであって、
    前記入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、前記入力軸の回転角の情報を含む第三の検出信号を出力する第三の検出手段と、
    前記出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出し、前記出力軸の回転角の情報を含む第四の検出信号を出力する第四の検出手段と、
    前記第三の検出信号と前記第四の検出信号とを第二の増幅率で差動増幅して得られる第二の差動出力信号を出力する第二の差動増幅器と、
    前記第二の差動出力信号を第二のデジタルデータに変換する第二のA/D変換器と、を更に備え、
    前記信号処理回路は、
    前記第三の検出信号の変化率よりも前記第一の検出信号の変化率の方が大きく且つ前記第四の検出信号の変化率よりも前記第二の検出信号の変化率の方が大きい場合には、前記第一のデジタルデータを前記第一の増幅率で除算して得られる前記第一及び第二の検出信号の差分に基づいて前記軸トルクを算出し、
    前記第一の検出信号の変化率よりも前記第三の検出信号の変化率の方が大きく且つ前記第二の検出信号の変化率よりも前記第四の検出信号の変化率の方が大きい場合には、前記第二のデジタルデータを前記第二の増幅率で除算して得られる前記第三及び第四の検出信号の差分に基づいて前記軸トルクを算出する、トルクセンサ。
  5. 請求項4に記載のトルクセンサであって、
    前記信号処理回路は、
    前記第三の検出信号の変化率よりも前記第一の検出信号の変化率の方が大きく且つ前記第四の検出信号の変化率よりも前記第二の検出信号の変化率の方が大きい場合には、前記第一の検出信号に基づいて前記入力軸の回転角を算出し、
    前記第一の検出信号の変化率よりも前記第三の検出信号の変化率の方が大きく且つ前記第二の検出信号の変化率よりも前記第四の検出信号の変化率の方が大きい場合には、前記第三の検出信号に基づいて前記入力軸の回転角を算出する、トルクセンサ
  6. 請求項1乃至請求項5のうち何れか1項に記載のトルクセンサであって、
    前記入力軸に噛合する第一の歯車と、
    前記出力軸に噛合する第二の歯車と、を更に備え、
    前記第一の検出手段は、前記第一の歯車の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出して前記第一の検出信号を出力する第一の磁気センサを備え、
    前記第二の検出手段は、前記第二の歯車の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出して前記第二の検出信号を出力する第二の磁気センサを備える、トルクセンサ。
  7. 請求項1乃至請求項5のうち何れか1項に記載のトルクセンサであって、
    前記入力軸に固定される第一の非円形回転体と、
    前記出力軸に固定される第二の非円形回転体と、を更に備え、
    前記第一の非円形回転体の回転中心を通る直線が前記第一の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定であり、
    前記第二の非円形回転体の回転中心を通る直線が前記第二の非円形回転体の外周と交差する二点間の距離が一定であり、
    前記第一の検出手段は、
    前記第一の非円形回転体の外周付近に配置される第一の磁気センサであって、前記第一の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する前記第一の非円形回転体の外周と前記第一の磁気センサとの間の第一の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第五の検出信号を出力する第一の磁気センサと、
    前記第一の磁気センサと前記第一の非円形回転体の回転中心とを結ぶ直線上において、前記第一の非円形回転体の前記回転中心と前記第一の磁気センサとの距離に等しい距離だけ前記第一の非円形回転体の前記回転中心から離れた位置に配置される第二の磁気センサであって、前記第一の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する前記第一の非円形回転体の外周と前記第二の磁気センサとの間の第二の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第六の検出信号を出力する第二の磁気センサと、
    前記第五の検出信号と前記第六の検出信号とを差動増幅して前記第一の検出信号を出力する第三の差動増幅器とを備え、
    前記第二の検出手段は、
    前記第二の非円形回転体の外周付近に配置される第三の磁気センサであって、前記第二の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する前記第二の非円形回転体の外周と前記第三の磁気センサとの間の第三の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第七の検出信号を出力する第三の磁気センサと、
    前記第三の磁気センサと前記第二の非円形回転体の回転中心とを結ぶ直線上において、前記第二の非円形回転体の前記回転中心と前記第三の磁気センサとの距離に等しい距離だけ前記第二の非円形回転体の前記回転中心から離れた位置に配置される第四の磁気センサであって、前記第二の非円形回転体の回転に伴い周期的に変化する前記第二の回転体の外周と前記第四の磁気センサとの間の第四の距離の変化に対応する磁界変化を検出して第八の検出信号を出力する第四の磁気センサと、
    前記第七の検出信号と前記第八の検出信号とを差動増幅して前記第二の検出信号を出力する第四の差増増幅器とを備える、トルクセンサ。
  8. 弾性部材を介して相互に接続される入力軸及び出力軸を有する回転軸の軸トルクを検出するためのトルク検出方法であって、
    前記入力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出することにより、前記入力軸の回転角の情報を含む第一の検出信号を出力するステップと、
    前記出力軸の回転に伴い周期的に変化する磁界を検出することにより、前記出力軸の回転角の情報を含む第二の検出信号を出力するステップと、
    前記第一の検出信号と前記第二の検出信号とを所定の増幅率で差動増幅して得られる差動出力信号を出力するステップと、
    前記差動出力信号をA/D変換器に入力してデジタルデータに変換するステップと、
    前記デジタルデータを前記所定の増幅率で除算して得られる前記第一及び第二の検出信号の差分に基づいて前記軸トルクを算出するステップと、
    を備えるトルク検出方法。
  9. 請求項8に記載のトルク検出方法であって、
    前記第一の検出信号に基づいて前記入力軸の回転角を算出するステップと、を更に備える、トルク検出方法。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のトルク検出方法であって、
    前記デジタルデータを前記所定の増幅率で除算して得られる前記第一及び第二の検出信号の差分に前記第一の検出信号を加算することで前記第二の検出信号を算出するステップと、
    前記算出された第二の検出信号から前記出力軸の回転角を算出するステップと、
    前記第一の検出信号から前記入力軸の回転角を算出するステップと、
    前記入力軸の回転角及び前記出力軸の回転角から前記軸トルクを算出するステップと、を更に備える、トルク検出方法。
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