JP5405608B2 - 呼切断制御装置 - Google Patents
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Description
この図22に示すような常時接続のサービスを提供するネットワーク300のコアネットワーク311側において、例えば、下記に説明するような障害が発生することがある。
通信ネットワーク300を構成する装置の一つに、ルーティング機能を持つルータ装置であるRT(Router)323がある。このRT323が故障すると、RT323と接続されているP−GW(PDN SAE Gateway)322とRT323との間のルートであるルータルートに障害が発生することがある。なお、P−GW322とは別のルータルート障害が発生していないP−GWがあれば、そのP−GWに迂回して接続することができる場合があるが、必ずしも別のP−GWに迂回して接続することができるとは限らない。
上記で説明したルータルート障害は、RT323自体の装置故障によるものであったが、この他にも、ルータルート間の断線によるものや、これに相当するような事象に起因するもの等がある。さらには、ルートルータ障害に限らず、通信ネットワーク300を構成するS−GW321やP−GW322等の装置故障により常時接続のサービスを提供することができなくなるような障害もある。
このプリザベーション状態とは、MT312−1〜312−nとMME320との無線接続間のセッションが確立されている。ところが、プリザベーション状態では、MT312−1〜312−nとMME320との無線接続間の無線リソースが解放されているにも関わらず、その無線接続間のセッション情報を維持し続けられる。つまり、プリザベーション状態である接続呼は、何も通信していない。
これらのことは、常時接続のサービスを提供する通信ネットワークにおいて、障害が発生した時に大きな輻輳を発生してしまう原因の一つになっていた。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、常時接続のサービスを提供する通信ネットワークにおいて、常時接続ルートに障害が発生した際に、接続されている全ての接続呼を切断せずに、その一部の接続呼のみを切断することのできる呼切断制御装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様による呼切断制御装置は、通信ネットワークと常時接続されている他のネットワークとの間の常時接続ルートにおける、常時接続のサービスを提供することができなくなる障害の発生状態を検知する障害検知部と、前記常時接続ルートにより接続されている常時接続呼の通信状態を判定する呼通信状態判定部と、前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信中状態であると判定された接続呼のみを切断する呼切断処理部と、ユーザーが利用しているサービスを管理する局データ保持部と、を備え、前記呼切断処理部は、前記常時接続呼のうちの、前記局データ保持部によりルータルート障害が発生していることにより提供することができない状態のサービスに供する接続呼の中から、切断対象の接続呼を決定することを特徴とする。
また、上記の呼切断制御装置によれば、局データ保持部が、ユーザーが利用しているサービスを管理する。そして、呼切断処理部が、切断対象の接続呼であっても、その局データ保持部を参照することにより、障害が発生していることによって提供することができなくなっているサービスの接続呼のみを切断することが可能となる。
本発明のある態様による呼切断制御装置は、通信ネットワークと常時接続されている他のネットワークとの間の常時接続ルートにおける、常時接続のサービスを提供することができなくなる障害の発生状態を検知する障害検知部と、前記常時接続ルートにより接続されている常時接続呼の通信状態を判定する呼通信状態判定部と、前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信中状態であると判定された接続呼のみを切断する呼切断処理部と、を備え、前記呼通信状態判定部は、前記常時接続呼の通信状態がプリザベーション状態であるか否かを判定し、前記呼切断処理部は、前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部によりプリザベーション状態でないと判定された接続呼のみを切断することを特徴とする。
本発明のある態様による呼切断制御装置は、前記呼通信状態判定部によりプリザベーション状態であると判定された接続呼を切断待機状態にする呼切断待機処理部をさらに備え、前記呼通信状態判定部が、前記呼通信状態判定部により切断待機状態にされた接続呼の通信状態がプリザベーション状態から復帰したことを判定し、前記呼切断処理部は、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信状態がプリザベーション状態から復帰したと判定された接続呼のみを切断することを特徴とする。
本発明のある態様による呼切断制御装置は、ユーザーが利用しているサービスを管理する局データ保持部をさらに備え、前記呼切断処理部は、前記常時接続呼のうちの、前記局データ保持部によりルータルータ障害が発生していることにより提供することができない状態のサービスに供する接続呼の中から、切断対象の接続呼を決定することを特徴とする。
本発明のある態様による呼切断制御装置は、前記障害検知部により検知された前記常時接続ルートにおける前記障害の発生状態を送信する障害検知通知送信部と、前記障害検知通知送信部により送信された前記常時接続ルートにおける前記障害の発生状態を受信する障害検知通知受信部と、をさらに備え、前記障害検知通知送信部と前記障害検知通知受信部とは、互いに、前記コアネットワークを構成する異なる装置に設けられることを特徴とする。
上記の呼切断制御装置によれば、例えば、実際に常時接続ルートに障害が発生していなくても、保守信号受信部が保守信号を受信した際に、呼切断処理部が、常時接続呼のうちの、通信中状態であると判定された接続呼のみを切断することが可能となる。
上記の呼切断制御装置によれば、障害検知部が、例えば、ルーティング機能を持つルータ装置が故障して、例えば、P−GWとそのルータ装置を介して接続されている他のネットワークとの間のルートであるルータルートに障害が発生したことを検知することが可能となる。
このため、障害が発生していた常時接続ルートが復旧したときに、コアネットワークに輻輳が発生することを抑えることができる。同時に、輻輳に伴って、コアネットワークを構成する各装置等で処理負荷が一時的に増えることを抑えることもできる。
(第1実施形態)
最初に、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第1実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク10について説明する。
(通信ネットワーク10の装置構成)
最初に、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る通信ネットワーク10の装置構成を説明する。
図1は、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第1実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク10の装置構成を示すブロック図である。この図1に示す通信ネットワーク10は、ユーザー側の移動機であるMT12−1〜12−nと、事業者側のコアネットワーク11との区間が、無線ネットワーク(電波)によって接続されている。また、事業者側のコアネットワーク11から、各種のユーザーサービスを提供するものの一つとして、ISP13に接続されており、MT12−1〜12−nを所持するユーザーは、ISP13を通じてインターネットへの接続サービスを利用することができる。
SGSN21は、モビリティ管理機能や、固定アドレスや動的アドレスをサポートするルーティング機能を持つ装置である。
また、通信ネットワーク10には、図示するSGSN21やGGSN22の装置以外にも、各種の中継装置等が設けられている。例えば、街中に設置された基地局も、その一つである。他にも、複数の基地局を統括する役割を持ち、MT12−1〜12−nとの間で発着信を行うための制御を行う無線ネットワーク制御局(RNC;Radio Network Controller)等がある。
続いて、図2を参照して、GGSN22の機能構成を説明する。
図2は、GGSN22の機能構成を示すブロック図である。この図2に示すGGSN22は、制御部31と、呼制御信号送受信部32と、ルール適用部33と、パケット送受信部34と、接続呼切断制御部24とを備えて構成される。
制御部31は、GGSN22の内部の各機能部と制御信号を送受信し、各機能部を統括して制御するものである。
ルール適用部33は、パケットを送受信する際に、NAT(Network Address Translation)やIP(Internet Protocol)のフィルタリング等の処理を行う。
パケット送受信部34は、ユーザーデータや制御データをやり取りするためのパケットを他の装置と送受信する。
障害検知部41は、常時接続のサービスを提供する通信ネットワークにおいて、コアネットワーク11を構成するRT23に故障等によるルータルート障害が発生しているか、否かを一定の時間間隔で検知している。そして、障害検知部41は、コアネットワーク11側にルータルート障害が発生していることが検知された場合には、これをパケット受信判定部42に対して通知する。
パケット受信判定部42は、MT12−1〜12−nから、SGSN21を経由してユーザーデータを扱う伝送路であるユーザープレーン(U−Plane;User−Plane)のパケットを受信したか、否かを判定する。
なお、呼切断処理部43等に、図示しない保守装置等から送信された保守信号を受信する保守信号受信部44を設けておくこともできる。この保守信号とは、通信ネットワーク10を構成する各装置に対して保守用の操作を行う保守コマンド等である。これにより、例えば、実際に常時接続ルートに障害が発生していなくても、呼切断処理部43は、保守信号受信部44が保守信号を受信した際に、常時接続呼のうちの、パケット受信判定部42によりU−Planeのパケットを受信した接続呼を切断することができる。また、ルート障害が発生した後で、さらに、保守信号受信部44が保守信号を受信してから、呼切断処理部43は、常時接続呼のうちの、パケット受信判定部42によりU−Planeのパケットを受信した接続呼を切断することもできる。
続いて、図3を参照して、通信ネットワーク10の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク10の各装置の接続呼の切断処理の流れを説明する。
図3は、第1実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク10において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク10の各装置の処理の流れを示すシーケンス図である。図3に示すように、GGSN22は、RT23に対して、一定時間間隔でEcho信号を送出し続けている(ステップS101)。
この後の接続呼を切断するための具体的な処理ステップを、シーケンス図内の破線の内側に示している。
まず、GGSN22は、SGSN21に対して、セッションを切断するためのDelete PDP Context Requestを送信する(ステップS106)。続いて、SGSN21は、MT12−1に対して、Deactivate PDP Context Requestを送信する(ステップ107)。
以上のようにして、第1実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク10においては、障害検知部41が、ルータルート障害が発生していると判断した場合であっても、GGSN22の接続呼切断制御部24は、接続中である全ての接続呼を切断せずに、U−Planeのパケットを受信した時にその接続呼のみを切断することができる。
また、障害が発生していたコアネットワークが比較的短時間で復旧した場合には、切断されなかった接続呼で、例えば復旧までの間にパケットが送受信される可能性が少ない。このため、その接続呼をそのまま切断しないでおくことができる。
次に、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第2実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク50について説明する。
(通信ネットワーク50の装置構成)
まず、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る通信ネットワーク50の装置構成を説明する。
図4は、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第2実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク50の装置構成を示すブロック図である。この図4に示す通信ネットワーク50は、図1に示す通信ネットワーク10を構成する装置と同じ装置を用いて構成されている。しかしながら、通信ネットワーク50においては、ルータルート障害が発生している時に、U−Planeのパケットの受信状態に応じて、その接続呼を切断しない。その代わりに、通信ネットワーク50においては、ルータルート障害が発生すると、まず、プリザベーション状態でない通信状態の接続のみを切断する。そして、プリザベーション状態である接続呼をすぐに切断せずに切断待機状態にしておき、プリザベーション制御手順に基づいてプリザベーション状態から復帰した時に、その呼を切断する。
次に、図5を参照して、GGSN71の具体的な機能構成を説明する。
図5は、GGSN71の機能構成を示すブロック図である。この図5に示すGGSN71は、GGSN22と同じ制御部31と、呼制御信号送受信部32と、ルール適用部33と、パケット送受信部34とを備える。この他に、GGSN71は、GGSN22が有する接続呼切断制御部24とは構成が異なる接続呼切断制御部74を備えて構成される。
接続呼管理部81は、現在接続状態である全ての接続呼の通信状態や、接続制御に関する情報を管理する。
呼種判定部82は、障害検知部41からの通知によりルータルート障害が発生したと判断した場合に、接続呼管理部81により管理されている各接続呼が、プリザベーション状態であるか、否かを判定する。
呼切断待機有無判定部84は、障害検知部41からの指示により、障害が発生していたコアネットワーク61が復旧したと判断することができる場合に、接続呼管理部81により管理されている接続呼が、呼切断待機状態である接続呼であるか、否かを判定する。
呼切断処理部86は、接続呼管理部81により管理されている接続呼のうち、呼種判定部82によりプリザベーション状態でないと判定された接続呼を切断するための処理を行う。また、呼切断処理部86は、呼切断待機有無判定部84により呼切断待機状態であると判定された接続呼を、プリザベーション状態から復帰した時に切断するための処理を行う。
続いて、図6を参照して、通信ネットワーク50の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク50の各装置の接続呼の切断処理の流れを説明する。
図6は、第2実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク50において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク50の各装置の処理の流れを示すシーケンス図である。図6に示すように、上述したステップS101〜S103と同様に、ルータルート障害が発生している状態であるか否かを監視する処理を行う(ステップS201〜S203)。
なお、呼種判定部82は、障害検知部41から、ルータルート障害が発生している状態であることが通知されていないと判断した場合には(ステップS204のNO)、プリザベーション状態でない(通信中である)接続呼があっても、呼切断処理部86に対して、その接続呼を切断するように指示しない。
一方で、呼切断待機有無判定部84は、呼切断待機状態である接続呼があると判断すると(ステップS304のYES)、呼切断処理部86に対して、その接続呼を切断するように指示する。これにより、ルータルート障害が発生していた時に呼切断待機状態になった接続呼が、プリザベーション制御手順に基づいてプリザベーション状態から復帰してから、その接続呼を切断した上で、再び接続することができる。
以上のようにして、第2実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク50においては、障害検知部41が、ルータルート障害が発生していると判断した場合であっても、GGSN71の接続呼切断制御部74は、接続中である全ての接続呼を切断せずに、プリザベーション状態でない接続呼のみを切断することができる。また、呼種判定部82は、プリザベーション状態である接続呼を切断待機状態として管理するように、接続呼管理部81に対して指示する。このため、接続呼切断制御部74は、プリザベーション状態である接続呼がプリザベーション状態から復帰してから、その接続呼を切断することができる。
次に、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第3実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150について説明する。
(通信ネットワーク150の装置構成)
最初に、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る通信ネットワーク150の装置構成を説明する。
図8は、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第3実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150の装置構成を示すブロック図である。この図8に示す通信ネットワーク150は、図4に示す通信ネットワーク100を構成する装置と同じ装置を用いて構成されている。ところが、通信ネットワーク150は、通信ネットワーク100で説明した接続呼切断制御部74が有する各機能部が、SGSN171の接続呼切断制御部173と、GGSN172の接続呼切断制御部174とに分かれている点が、通信ネットワーク100と異なる。
通信ネットワーク150がこのように構成される理由は、GGSN172側でルータルート障害が発生たしたことを検知し、その後の接続呼の切断処理をSGSN171側で行うようになっているためである。
次に、図9を参照して、GGSN172側の機能構成を説明する。
図9は、GGSN172側の機能構成を示すブロック図である。この図9に示すGGSN172は、まず、GGSN71と同じ制御部31と、呼制御信号送受信部32と、ルール適用部33と、パケット送受信部34とを備える。この他に、GGSN172は、接続呼切断制御部74を構成する機能部の一つを有する接続呼切断制御部174を備えて構成される。
障害検知通知送信部181は、障害検知部41がルータルート障害が発生していることを検知すると、実際に接続呼の切断処理を行うSGSN171側に対して、ルータルート障害が発生したことを通知する。また、障害検知部41が、障害が発生していたルータルートが復旧したことを検知すると、障害検知通知送信部181は、実際に接続呼の切断処理を行うSGSN171側に対して、障害が発生していたルータルートが復旧したことを通知する。
次に、図10を参照して、SGSN171側の機能構成を説明する。
図10は、SGSN171の機能構成を示すブロック図である。この図10に示すSGSN171は、GGSN172と同様に、制御部191と、呼制御信号送受信部192と、ルール適用部194と、パケット送受信部195とを備える。この他に、SGSN171は、接続呼切断制御部74を構成する機能部の一部を有する接続呼切断制御部173を備えて構成される。
続いて、図11及び図12を参照して、第3実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク150の各装置の処理の流れを説明する。
図11及び図12は、第3実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク150の各装置の処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、図11に示すように、GGSN172において、ルータルート障害が発生している状態であるか、否かを検知する処理を行う(ステップS401〜S403)。
一方で、呼切断待機有無判定部84は、呼切断待機状態である接続呼があると判断すると(ステップS502のYES)、呼切断処理部86に対して、その接続呼を切断するように指示する。これにより、ルータルート障害が発生していた時に呼切断待機状態にしておいた接続呼を、障害が発生していたルータルートが復旧してから切断し、再び接続することができる。
第3実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150においても、第2実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク100と同様に、障害検知部41が、ルータルート障害が発生していると判断した場合であっても、GGSN71は、RT23によるルータルートに存在する全ての接続呼を切断せずに、プリザベーション状態でない接続呼のみを切断することができる。さらに、プリザベーション状態である接続呼については、切断待機状態にして管理しておく。このことにより、接続呼がプリザベーション状態から復帰してから、その接続呼を切断し、再び接続することができる。
上記で説明した各実施形態に係る通信ネットワークにおいては、U−Planeのパケットを受信した時にその接続呼のみを切断したり、プリザベーション状態である接続呼のみをプリザベーション状態から復帰する時に切断したりするものであった。つまり、上記の通信ネットワークにおいては、そのような通信状態に基づいて切断対象となる全てのユーザーの接続呼を切断するものであった。しかしながら、一例として、ルータルート障害が発生していることによりサービスを提供することができなくなっているAPN(Access Point Name)を把握しておくことによって、切断対象となる接続呼のうちの、そのサービスを利用しているユーザーの接続呼のみを切断することもできる。
まず、図13〜図16を参照して、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される各実施形態に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワークの第1変形例について説明する。切断対象となる接続呼のうちの、APNを参照して、特定のAPNの接続呼のみを切断するようにすることは、上記の説明した全ての実施形態に適用することができる。そこで、一例として、第3実施形態の通信ネットワーク150の構成を元にして説明する。
図13に示す通信ネットワーク150´は、まず、GGSN172の代わりにGGSN172´を有している。このGGSN172´は、接続呼切断制御部174とは構成が異なる接続呼切断制御部174´を有している。
さらに、通信ネットワーク150´は、SGSN171の代わりにSGSN171´を有している。このSGSN171´は、接続呼切断制御部173とは構成が異なる接続呼切断制御部173´を有している。
まず、図14は、GGSN172´側の機能構成を示すブロック図である。この図14に示すGGSN172´は、通信ネットワーク150のコアネットワーク161を構成していたGGSN172と実質同じ機能部を備えて構成されている。しかしながら、GGSN172´がGGSN172と異なる点は、GGSN172´に設けられている接続呼切断制御部174´の障害検知部41´の機能である。
障害検知部41´は、障害検知部41と同様に、常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク150´のコアネットワーク161´において、ルータルート障害が発生しているか否かを一定の時間間隔で検知する。さらに、障害検知部41´は、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービスのAPNを特定することができるようになっている。
また、図15は、SGSN171´側の機能構成を示すブロック図である。この図15に示すSGSN171´は、SGSN171の機能部に加えて、局データ保持部202を備えている。
局データ保持部202は、GGSN172´側の局データ保持部202と同様に、ユーザーが利用しているサービスのAPN等を管理する。また、局データ保持部202は、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービスのAPNも管理する。
続いて、図16及び図17を参照して、通信ネットワーク150´の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク150´の各装置の接続呼の切断処理の流れを説明する。
図16及び図17は、通信ネットワーク150の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク150の各装置の接続呼の切断処理の流れを示すシーケンス図である。
図16に示すように、図11に示したステップS401〜S403と同様に、ルータルート障害が発生している状態であるか否かを監視する処理を行う(ステップS601〜S603)。
そして、そのようなAPNの接続呼がない場合には(ステップS605のNO)、接続呼を切断しない。
そして、呼切断待機有無判定部84は、呼切断待機状態である接続呼であっても、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービス(APN)の接続呼でないと判断した場合には(ステップS703のNO)、呼切断処理部86に対して、その接続呼を切断するように指示しない。
以上のようにして、通信ネットワーク150´においては、切断対象となった接続呼のうちの、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービス(APN)の接続呼のみを切断することができる。
呼種判定部82が、切断対象として決定した全ての接続呼を切断してしまうと、ルータルート障害の影響を受けていないサービスの接続呼も切断されてしまうことになる。それよりも、呼切断処理部86が、プリザベーション状態である接続呼のうちの、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービスの接続呼のみを切断すれば、コアネットワーク161´を構成する各装置間で送受信される制御信号の数も少なくて良い。また、コアネットワーク161´に輻輳が発生することをより抑えることができる。
上記の説明した通り、ルータルート障害によって提供することができなくなっているサービス(APN)も切断条件として切断処理を行うことは、上記で説明した全ての実施形態に適用することができる。実際の通信ネットワークでは、多数のサービスが提供されている。このため、実運用上では、APNを切断条件に加えて切断処理を行うことが好ましい。
さて、上記で説明した各実施形態の説明においては、コアネットワークを構成するSGSNやGGSN等の各装置が接続呼切断制御部を有するものであったが、接続呼切断制御部を有しているのはそれらの装置に限定されない。例えば、通信ネットワークの種類が3G網ではなくLTE網である場合には、LTE網のコアネットワークを構成するMMEやS−GW、P−GWの装置となる。これらの各装置に接続呼切断制御部を設けても、ルータルート障害の故障判定処理や接続呼の切断処理を行うことができる。このような装置構成が変わる場合であっても、基本的な処理シーケンスは、上記で説明した処理のシーケンスと実質的に同じである。
そこで、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第2変形例に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク200について説明する。
最初に、図18を参照して、第2変形例に係る通信ネットワーク200の装置構成を説明する。
図18は、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第2変形例に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク200の装置構成を示すブロック図である。この図18に示す通信ネットワーク200は、既存の3GPPで規定されている2G網や3G網と、LTE網との両方が混在しているLTE向けのEPC(Evolved Packet Core)のS5−GTPのネッワークである。
P−GW222は、RT23を介してISP24や、図示しないがPDN(Packet Data Network)等と接続され、外部ネットワークへ接続するためにIPアドレスの割当等を実施する。また、P−GW222は、PCRF224から通知されたポリシー制御情報に基づき、パケットを伝送するための制御を行う。
PCRF224は、P−GW222やS−GW221、WLAN(Wireless Local Area Network)等の非3GPP無線アクセス(Trusted Non−3GPP IP Access)における通信品質制御を行うための、QoS(Quality of Service)や課金方法等のポリシー制御を行う。
図19は、通信ネットワーク200の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク200の各装置の接続呼の切断処理の流れを説明する。
図19は、通信ネットワーク200の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク200の各装置の接続呼の切断処理の流れを示すシーケンス図である。通信ネットワーク200は、LTE向けのネットワークであるが、上記で説明した各実施形態に係る通信ネットワークの構成する装置に対応する装置を含んでいるものである。このため、基本的な処理の流れは同じである。例えば、図19に示したステップS801,S802,S805〜S809の部分の処理の流れは、図19に示したステップS601,S602,S605〜S608の処理の流れと実質的に同じである。
以上のように、通信ネットワークの種類が異なるため、コアネットワークを構成する装置は変わったとしても、上記の各実施形態で説明してきた接続呼の切断処理のシーケンスを用いることができる。これにより、ルータルート障害が発生した場合に、常時接続されている全ての接続呼を切断せずに、その一部の接続呼のみを切断し、再び接続することができる。
また、通信ネットワーク200とは異なる別の通信ネットワークの一例として、第3変形例に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク200´について説明する。
(通信ネットワーク200´の装置構成)
最初に、図20を参照して、第3変形例に係る通信ネットワーク200´の装置構成を説明する。
図20は、本発明の呼切断制御装置を用いて構成される第3変形例に係る常時接続のサービスを提供する通信ネットワーク200´の装置構成を示すブロック図である。この図20に示す通信ネットワーク200´も、通信ネットワーク200と同じようなEPCのネットワークである。従って、この通信ネットワーク200´も、図20に示した通信ネットワーク200と同じ装置を用いて構成されている。しかしながら、通信ネットワーク200´は、EPCのPMIPのネッワークであるため、接続形態が若干異なっている。具体的に説明すると、PCRF224とS−GW221とが接続されており、これらの装置間で制御信号等を送受信することができるようになっている。このため、通信ネットワーク200´においては、呼の接続を行う時、最初にPCRF224が、P−GW222に対して、イベントトリガーを登録することができる。このため、ルータルート障害が発生した時に、P−GW222は、PCRF224対して、PCRFイベントを通知することができる。
図21は、通信ネットワーク200´の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク200´の各装置の接続呼の切断処理の流れを説明する。
図21は、通信ネットワーク200´の装置構成において、ルータルート障害が発生した際の通信ネットワーク200´の各装置の接続呼の切断処理の流れを示すシーケンス図である。
図21に示すように、コアネットワーク201´を構成する各装置間において、呼の接続時に、ベアラ設定処理を行うが(ステップS901,904)、その流れで、PCRF224は、P−GW222に対して、Diameter CCR信号を送信する(ステップS902)。これに対して、P−GW222は、PCRF224に対して、Diameter CCA信号を送信する(ステップS903)。この通信ネットワーク200´においては、呼の接続を行う時、最初にPCRF224が、P−GW222に対して、イベントトリガーを登録しておく。また、EPCのPMIPの通信ネッワーク200´においては、S−GW221とP−GW222との間の信号を、PMIP Heart Beat Request信号に付加しても良い。
以上のようにして、コアネットワークを構成する装置間の接続形態や信号形態が変わっても、上記の各実施形態で説明してきた基本的な処理の流れを用いることができる。これにより、例えば、LTEのサービスを提供する通信るっトワークにおいても、ルータルート障害が発生した場合に、常時接続されている全ての接続呼を切断せずに、その一部の接続呼のみを切断し、再び接続することができる。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
上記の変形例で説明したように、パケットの受信状態やプリザベーション状態等の通信状態の他、APN等を参照して、切断対象とする接続呼を決定することができる。
11,61,161……コアネットワーク
12−1〜12−n……MT
13……ISP
21,171……SGSN
22,71,172……GGSN
23……RT
24,72,173,174……接続呼切断制御部
31,191……制御部
32,192……呼制御信号送受信部
33,193……ルール適用部
34,194……パケット送受信部
81……接続呼管理部
82……呼種判定部
83……呼切断処理部
84……切断待機有無判定部
85……プリザベーション状態復帰処理部
86……呼切断処理部
181……障害検知通知送信部
201……障害検知通知受信部
Claims (8)
- 通信ネットワークと常時接続されている他のネットワークとの間の常時接続ルートにおける、常時接続のサービスを提供することができなくなる障害の発生状態を検知する障害検知部と、
前記常時接続ルートにより接続されている常時接続呼の通信状態を判定する呼通信状態判定部と、
前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信中状態であると判定された接続呼のみを切断する呼切断処理部と、
ユーザーが利用しているサービスを管理する局データ保持部と、
を備え、
前記呼切断処理部は、
前記常時接続呼のうちの、前記局データ保持部によりルータルート障害が発生していることにより提供することができない状態のサービスに供する接続呼の中から、切断対象の接続呼を決定すること
を特徴とする呼切断制御装置。 - 前記常時接続呼のパケットを送受信するパケット送受信部をさらに備え、
前記呼通信状態判定部は、
前記パケット送受信部によりパケットが受信されたことを判定し、
前記呼切断処理部は、
前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部によりパケットが受信されたことが判定された接続呼のみを切断することを特徴とする請求項1に記載の呼切断制御装置。 - 通信ネットワークと常時接続されている他のネットワークとの間の常時接続ルートにおける、常時接続のサービスを提供することができなくなる障害の発生状態を検知する障害検知部と、
前記常時接続ルートにより接続されている常時接続呼の通信状態を判定する呼通信状態判定部と、
前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信中状態であると判定された接続呼のみを切断する呼切断処理部と、
を備え、
前記呼通信状態判定部は、
前記常時接続呼の通信状態がプリザベーション状態であるか否かを判定し、
前記呼切断処理部は、
前記障害検知部により前記常時接続ルートに前記障害が発生したことが検知されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部によりプリザベーション状態でないと判定された接続呼のみを切断すること
を特徴とする呼切断制御装置。 - 前記呼通信状態判定部によりプリザベーション状態であると判定された接続呼を切断待機状態にする呼切断待機処理部をさらに備え、
前記呼通信状態判定部が、
前記呼通信状態判定部により切断待機状態にされた接続呼の通信状態がプリザベーション状態から復帰したことを判定し、
前記呼切断処理部は、
前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信状態がプリザベーション状態から復帰したと判定された接続呼のみを切断することを特徴とする請求項3に記載の呼切断制御装置。 - ユーザーが利用しているサービスを管理する局データ保持部をさらに備え、
前記呼切断処理部は、
前記常時接続呼のうちの、前記局データ保持部によりルータルート障害が発生していることにより提供することができない状態のサービスに供する接続呼の中から、切断対象の接続呼を決定することを特徴とする請求項3又は4に記載の呼切断制御装置。 - 前記障害検知部により検知された前記常時接続ルートにおける前記障害の発生状態を送信する障害検知通知送信部と、
前記障害検知通知送信部により送信された前記常時接続ルートにおける前記障害の発生状態を受信する障害検知通知受信部と、
をさらに備え、
前記障害検知通知送信部と前記障害検知通知受信部とは、互いに、前記通信ネットワークを構成する異なる装置に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の呼切断制御装置。 - 保守信号を受信する保守信号受信部をさらに備え、
前記呼切断処理部は、
前記保守信号受信部により前記保守信号が受信されると、前記常時接続呼のうちの、前記呼通信状態判定部により通信中状態であると判定された接続呼のみを切断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の呼切断制御装置。 - 前記障害検知部は、
前記常時接続ルートのうち、前記通信ネットワークとルータ装置を介して常時接続されている前記他のネットワークとの間のルータルートにおける、前記障害の発生状態を検知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の呼切断制御装置。
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