以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて特別識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する特別表示手段と、遊技者にとって有利な状態に変化する可変入賞球装置とを備える遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技機用枠(台枠)2と、遊技機用枠2により支持固定されて遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)6とから、構成されている。遊技盤6には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域7には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技機用枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3が設けられ、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射するために遊技者が操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。遊技盤6は、遊技機用枠2の背面において着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の下部左側)には、第1特別図柄表示器8aが設けられ、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の下部右側)には、第2特別図柄表示器8bが設けられている。第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(変動表示)する。たとえば、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bで表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、たとえば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器8aにより変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器8bにより変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはともに、たとえば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(たとえば、ともに「0」〜「9」を示す数字、および、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、たとえば「00」〜「99」を示す数字(あるいは、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特図または第2特図の変動表示に同期した飾り図柄の変動表示を行なう飾り図柄表示領域がある。すなわち、演出表示装置9は、飾り図柄の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報となる飾り図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアのうちには「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがある。各図柄表示エリア9L,9C,9Rの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよい。また、各図柄表示エリア9L,9C,9Rとなる表示領域として、3つ領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着および分離が可能に、設けられてもよい。演出表示装置9における表示動作は、図7等に示す演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄表示器8aで第1特図の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特図の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。なお、飾り図柄を変動表示する図柄表示エリアの個数は、3つに限定されるものではなく、たとえば2つ、あるいは、4つ、あるいは、9つといった、演出表示装置9の表示画面上に複数配置されたものであればよい。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、たとえば再変動演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む)において関連する表示演出が実行されるような演出)といった所定の演出動作が実行されるときに点滅する。また、左側には、可動部材78が設けられている。可動部材78は、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動するものであり、たとえば再変動演出等が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ(図示せず)が設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの点灯動作や、可動部材78の移動動作は、特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる可能性があることや、飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」となる可能性があることを予告する予告演出等が実行されるときに動作してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口(第1始動口)13を形成する普通入賞球装置が設けられている。普通入賞球装置は、たとえば所定の玉受部材から構成され、第1始動入賞口13を常に一定の開放状態に保っている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
普通入賞球装置の下方には、第2始動入賞口(第2始動口)14を形成する普通可変入賞球装置15が設けられている。普通可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備えている。一例として、普通可変入賞球装置15では、ソレノイド16がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口14に進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置15では、ソレノイド16がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置15は、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口14には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置15は、通常開放状態において、たとえば第2始動入賞口14を閉鎖すること等により、第2始動入賞口14には遊技球が進入しないように構成してもよい。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出される。また、このとき第1始動入賞口13に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)未満であれば、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件(「第1実行条件」ともいう)が成立する。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出される。なお、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。また、このとき第2始動入賞口14に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)未満であれば、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件(「第2実行条件」ともいう)が成立する。
ここで、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、変動表示の保留が発生する。たとえば、第1始動条件が成立したときに、その第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、その第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値を、合計保留記憶数という。
普通可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、ソレノイド21によって開閉駆動される開閉板を備え、その開閉板によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置20では、ソレノイド21がオフ状態であるときに開閉板が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置20では、ソレノイド21がオン状態であるときに開閉板が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置20に形成された大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払出される。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、飾り図柄とは異なる装飾用(演出用)の識別情報となる第1付属図柄の変動表示を行なう第1付属図柄表示器9aが設けられている。第2特別図柄表示器8bの近傍には、飾り図柄とは異なる装飾用(演出用)の識別情報となる第2付属図柄の変動表示を行なう第2付属図柄表示器9bが設けられている。たとえば、第1付属図柄表示器9aと第2付属図柄表示器9bはそれぞれ、2つのLEDで構成されていればよい。第1付属図柄表示器9aでは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の変動表示中に、第1付属図柄の変動表示が行なわれる。第2付属図柄表示器9bでは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の変動表示中に、第2付属図柄の変動表示が行なわれる。第1付属図柄表示器9aと第2付属図柄表示器9bにおける表示動作は、図7等に示す演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の右側方)には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。たとえば、普通図柄表示器10は、「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることにより、普通図柄の変動表示を行なうものであればよい。あるいは、普通図柄表示器10は、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を変動表示してもよい。あるいは、普通図柄表示器10は、「左」,「中」,「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を変動表示してもよい。
第1付属図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したこと等に基づいて更新される第1保留記憶数を特定可能に表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第2付属図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したこと等に基づいて更新される第2保留記憶数を特定可能に表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。たとえば、第1特別図柄保留記憶表示器18aと第2特別図柄保留記憶表示器18bはそれぞれ、4つの装飾ランプ(またはLED)から構成される表示器であればよい。第1特別図柄保留記憶表示器18aでは、第1始動入賞口13に遊技球が入賞して第1始動条件が成立するごとに、点灯するランプ(またはLED)の数を1増加させる一方で、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の変動表示が開始されるごとに、点灯するランプ(またはLED)の数を1減少させる。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bでは、第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動条件が成立するごとに、点灯するランプ(またはLED)の数を1増加させる一方で、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の変動表示が開始されるごとに、点灯するランプ(またはLED)の数を1減少させる。
演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値である合計保留記憶数を特定可能に表示する合計保留記憶表示部18cが設けられている。この合計保留記憶表示部18cにより合計保留記憶数が特定可能に表示されることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数(合計数)を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられていれば、合計保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
普通図柄表示器10の上部には、普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。たとえば、普通図柄保留記憶表示器41は、4つの装飾ランプ(またはLED)から構成される表示器であり、ゲート32を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。ここで、ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたときには、普図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)未満であれば、普通図柄表示器10による普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。そして、普図始動条件が成立したものの、先に開始された普図ゲームが実行中であること等により、普図ゲームを開始するための普図開始条件が成立しないときには、普図ゲームの保留が発生する。このときには、普図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、普通図柄保留記憶表示器41により点灯するランプ(またはLED)の数を1増加させる。その一方で、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示が開始されるごとに、普図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、普通図柄保留記憶表示器41により点灯するランプ(またはLED)の数を1減少させる。
遊技盤6における遊技領域7内の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技盤6における遊技領域7内の所定位置には、一般入賞口となる入賞口29、30、33、39が設けられている。たとえば、各入賞口29、30、33、39は、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれるものであればよい。入賞口29、30、33、39に入賞した遊技球はそれぞれ、各入賞口に対応して設けられた入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。このときには、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払出される。
遊技盤6における遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ユニット38が設置されている。たとえば、操作ユニット38は、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、複数の操作部を含んで構成されていればよい。なお、操作ユニット38は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、たとえばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ユニット38に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ユニット38は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ユニット38に対してなされた遊技者の操作行為は、操作検出スイッチ38aによって検出される。操作検出スイッチ38aは、操作ユニット38に含まれる複数の操作部に対する遊技者の操作態様を特定可能に検出するために、複数の検出器を含んで構成されていればよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技領域7に入った遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aにより検出されると、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普図ゲームにおける変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。これに対して、普通図柄表示器10における変動表示の終了時に上側のランプが点灯すれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示結果が「普図当り」である場合には、普通可変入賞球装置15における可動翼片が所定回数、所定時間だけ傾動制御され、第2始動入賞口14が拡大開放状態になる。すなわち、普通可変入賞球装置15は、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」である場合に、第2始動入賞口14を遊技者にとって不利な通常開放状態から有利な拡大開放状態に変化させる。
遊技領域7に入った遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特図の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特図の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1付属図柄表示器9aにおいて第1付属図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特図、第1付属図柄および飾り図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に基づいて実行される。第1特図の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1加算することにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
遊技領域7に入った遊技球が第2始動入賞口14に入賞して第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特図の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特図の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2付属図柄表示器9bにおいて第2付属図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特図、第2付属図柄および飾り図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される。第2特図の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1加算することにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
演出表示装置9の合計保留記憶表示部18cには、第1始動条件や第2始動条件が先に成立した特図ゲーム等の変動表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。一例として、第1始動条件が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(たとえば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動条件が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、たとえば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(たとえば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、合計保留記憶表示部18cは、表示色の変更により合計保留記憶数を特定可能に表示するものに限定されず、所定キャラクタの表示個数や数字の表示等により、合計保留記憶数を特定可能に表示するものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄が停止表示(導出表示)される。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」,「3」,「5」,「7」を示す数字を大当り図柄とし、「2」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器8aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」,「3」,「5」,「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」,「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」,「5」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り遊技状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(たとえば29秒間)あるいは所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生するまでの期間において大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り遊技状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(たとえば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り遊技状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り遊技状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り遊技状態における第1期間よりも短い第2期間(たとえば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り遊技状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り遊技状態における第1回数よりも少ない第2回数(たとえば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り遊技状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行なわれるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り遊技状態と同様に行なわれるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り遊技状態における遊技は、特殊な制御として2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り遊技状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」,「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮される時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(たとえばシステムリセットが行なわれた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行なわれる。時短状態は、所定回数(たとえば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15R非確変大当り図柄(15R通常特図ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」,「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、たとえば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行なわれる高確率遊技状態としての第1確変状態(「高確高ベース状態」ともいう)に制御される。第1確変状態等のような高確率遊技状態では、各特図ゲームや飾り図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、このような高確率遊技状態が、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に変動表示結果が「大当り」となるまで継続する。これに対して、高確率遊技状態となった後に、所定回数(たとえば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、高確率遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり変動表示結果が「大当り」となる以前であったりするときであっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で高確率遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。あるいは、第1確変状態となった後に、変動表示結果が「大当り」となることなく所定回数(たとえば100回)の特図ゲームが実行されたときには、特別図柄や飾り図柄の変動表示時間を通常状態と同様の変動表示時間に戻す一方で、確変制御は継続して行なわれるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15R確変大当り図柄(15R確変特図ともいう)と称される。
2ラウンド大当り図柄となる「1」,「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、通常状態に制御される。こうした「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に通常状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、2R非確変大当り図柄(2R通常特図ともいう)と称される。
2ラウンド大当り図柄となる「1」,「5」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、時短状態や第1確変状態とは異なる特別遊技状態として、たとえば特別図柄や飾り図柄の変動表示時間は通常状態と同様である一方で、継続して確率変動制御(確変制御)が行なわれる高確率遊技状態としての第2確変状態(「高確低ベース状態」ともいう)に移行する制御が行なわれる。こうした「5」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、2R確変大当り図柄(2R確変特図ともいう)と称される。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り遊技状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行なわれる。すなわち、小当り遊技状態では、たとえば特別可変入賞球装置20が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り遊技状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行なわれるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行なわれず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持(継続)する制御が行なわれることになる。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り遊技状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り遊技状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り遊技状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
第1確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行なう傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行なわれる。なお、第1確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行なわれるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行なわれるようにしてもよい。このように、第1確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行なわれることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行なわれていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。
この実施の形態では、第2確変状態において、普図変動時間や傾動制御時間を、通常状態のときとは異なる決定割合で決定する制御が行なわれる。こうして、複数回の普図ゲームにおける平均的な普図変動時間や傾動制御時間等から、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。なお、第2確変状態では、普図変動時間や傾動制御時間を、通常状態のときとは別個の時間に決定する制御を行なうようにしてもよい。この場合には、決定割合のみを異ならせる場合よりも確実に、普図変動時間や傾動制御時間から、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを認識することができる。
第1付属図柄表示器9aや第2付属図柄表示器9bによる付属図柄の変動表示は、2つのLEDが所定時間(たとえば0.5秒)ごとに交互に点灯する状態を継続することによって実現されるものであればよい。ここで、第1付属図柄表示器9aによる第1付属図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の変動表示と同期している。また、第2付属図柄表示器9bによる第2付属図柄の変動表示は、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の変動表示と同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであり、変動表示の期間が同じであることをいう。第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄や小当り図柄が停止表示されるときには、第1付属図柄表示器9aにおいて変動表示結果が「大当り」または「小当り」であることを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄や小当り図柄が停止表示されるときには、第2付属図柄表示器9bにおいて変動表示結果が「大当り」または「小当り」であることを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
付属図柄において変動表示結果が「大当り」または「小当り」であることを想起させる表示結果の一例としては、上側のLEDが点灯されるものであればよい。その一方で、変動表示結果が「ハズレ」であることを想起させる付属図柄の表示結果としては、下側のLEDが点灯されるものであればよい。なお、付属図柄において、変動表示結果が「大当り」であることを想起させる表示結果と、変動表示結果が「小当り」であることを想起させる表示結果とを、互いに異ならせるようにしてもよい。一例として、上側のLEDが点灯される場合に変動表示結果が「大当り」であることを想起させる一方で、上側および下側のLEDがともに点灯される場合に変動表示結果が「小当り」であることを想起させるようにしてもよい。また、第1付属図柄表示器9aおよび第2付属図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1付属図柄および第2付属図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出表示装置9に設けられた「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて変動表示される飾り図柄は、それぞれ、左図柄,中図柄,右図柄と呼ばれる。
「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて変動表示される飾り図柄には、たとえば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等。なお、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せ等の適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(たとえば7種類や9種類等)。
飾り図柄の変動中には、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行なわれ、図柄番号が最大(たとえば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(たとえば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄表示エリア9L,9C,9Rのうち少なくともいずれか1つ(たとえば「左」の図柄表示エリア9L等)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行なって、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。なお、スクロール表示が行なわれる方向は、上方から下方へと向かうものに限定されず、たとえば右側から左側へ、あるいは、左側から右側へと向かう横方向のものや、下方から上方へと向かうものであってもよい。
飾り図柄の変動表示が開始されてから「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおける確定飾り図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示画面において停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおける一部(たとえば「左」および「右」の図柄表示エリア9L,9R等)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(たとえば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの図柄表示エリア(たとえば「中」の図柄表示エリア9C等)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置9の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置9の表示画面における表示動作のみならず、スピーカ27による音声出力動作や、枠LED28の点灯動作(点滅動作)等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)が異なる。
飾り図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の変動表示態様等により遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、主基板31の側で変動パターンが決定されること等に対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。この実施の形態における変動表示演出は、対応する演出動作が実行されるか否かに応じて特図変動時間が変化するものであればよい。たとえば、変動表示演出が実行される場合には、変動表示演出が実行されない場合に比べて、特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が長くなるものであればよい。
変動表示演出では、飾り図柄を変動させた後、所定時間が経過すると、全部の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、特別図柄の変動表示が停止するときに合わせて、全部の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄を最終停止させる制御が行なわれる。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、たとえば揺れ変動表示を行なうことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しないことを遊技者が認識できればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
飾り図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」等の変動表示演出とは異なり、たとえば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示すること等のように、飾り図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rの全部において飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15R非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、たとえば演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」,「4」,「6」,「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」,「4」,「6」,「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「15R非確変」(「15R通常」ともいう)の変動表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「15R非確変」の変動表示態様により変動表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15R確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、たとえば演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」,「3」,「5」,「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」,「3」,「5」,「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「15R確変」の変動表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15R確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合でも、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されるときは、「15R確変」の変動表示態様に含まれる。こうして「15R確変」の変動表示態様により変動表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り遊技状態が終了すると、第1確変状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」や「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合、また、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、たとえば「1,3,5」、「3,5,7」、「5,7,1」、または、「7,1,3」というような2回開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示される。特図ゲームにおける確定特別図柄が2R非確変大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「2R非確変」(「2R通常大当りまたは突然通常大当り」ともいう)の変動表示態様(大当り種別ともいう)と称される。特図ゲームにおける特別図柄が2R確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「2R確変」(「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目とは異なる所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
こうして「2R非確変」や「2R確変」の変動表示態様により変動表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り遊技状態に制御され、その2ラウンド大当り遊技状態が終了すると、「2R非確変」であれば通常状態に制御される一方、「2R確変」であれば第2確変状態に制御されることになる。変動表示結果が「小当り」となった後には、小当り遊技状態に制御されて可変入賞動作が行なわれた後、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームに対応して、特別遊技状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に通常状態へと制御される。
変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」および「2R確変」のいずれかとなる場合や、変動表示結果が「小当り」となる場合には、飾り図柄の変動表示中に2回開放前演出を実行することがある。2回開放前演出では、2ラウンド大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されることに対応して予め定められた演出動作が行なわれる。また、2回開放前演出は、特別図柄や飾り図柄の変動表示中に実行される演出動作に限定されず、2ラウンド大当り遊技状態や小当り遊技状態となる期間の一部または全部においても、変動表示中から継続して実行される演出動作を含んでいてもよい。2回開放前演出が開始されるときには、変動表示中の飾り図柄を消去して、2回開放前演出が実行された後には、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9等における演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図2は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、図2に示すように、モードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNという、6つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したとき、および、後述する潜伏モードにおいて飾り図柄の変動表示が開始されるとき等、所定の演出モード切替え条件が成立したときに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切替わることにより変更される。演出モードが一のモードから他のモードへ切替えられる(変更される)ことは、演出モードが一のモードから他のモードへ移行することと同意である。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
ここで、潜伏モードについて説明する。潜伏モードは、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなったときに、対応する当り遊技状態が終了した後、演出のモードを、確変状態と、非確変状態(通常状態)とのいずれに制御されているかが特定不能とすることにより確変状態が潜伏しているような演出状態に制御する演出制御モードである。ここで特定不能とは、演出表示装置で9の演出モードの表示態様が確変状態と非確変状態とで共通であることにより演出表示装置9の表示態様では確変状態となるか否かの特定が不可能であり、演出表示装置9以外の表示装置(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、状態表示LED等の表示装置)により確変状態となるか否かが特定可能である場合と、特定不可能である場合とを含む。つまり、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りは、前述したように、特別可変入賞球装置20の開放パターンが同じ(2回開放)であるので、当り遊技状態の制御パターンでは、どの当りであるかを認識できないからのである。なお、2R確変大当り、2R非確変大当り、および、小当りは、特別可変入賞球装置20の開放時間が極めて短く特別可変入賞球装置20へ入賞しにくい当りである。したがって、特別可変入賞球装置20の開放時間が極めて短く特別可変入賞球装置20へ入賞しにくい当りとする特殊な制御として、これらの当り遊技状態と同様の開放時間または当該開放時間よりも短い開放時間で大入賞口を15回高速開放(開閉)する高速開放制御を、これら当りの代わりに、15R高速確変大当り、15R高速非確変大当り、および、15R高速小当りを実行するようにしてもよい。その場合に、15R高速確変大当り、15R高速非確変大当り、および、15R高速小当りとなったときは、開放パターンが同じ(15回高速開放)とすることにより、当り遊技状態後に、確変状態と、非確変状態(通常状態)とのいずれに制御されているかが特定不能な潜伏モードとする。
具体的に、潜伏モードにおいては、演出モードが、モードA、モードB、モードC、モードNのうちのいずれかに制御される。潜伏モードにおいては、確変状態である期待度が、モードC>モードA,モードB>モードNの大小関係となるように演出モードが制御される。モードAおよびモードBは、後述するように、演出条件に応じて確変状態である期待度の大小関係が変化するように演出モードが制御される。このように、潜伏モードにおいては、確変状態に制御されていることに対する期待度が異なるモードA〜C,Nのような複数種類の演出モードのいずれかに制御される。ここで、確変状態に制御されていることに対する期待度の大小関係は、たとえば、潜伏モードおいて確変状態に制御されている割合(確率)により判断することができる。
この実施の形態の場合は、モードCは、確変状態であるときにのみ選択される。また、モードA、モードB、モードNのそれぞれは、確変状態であるときと、非確変状態であるときとのいずれの状態でも選択され得る。したがって、演出モードがモードCであるときには、確変状態が確定的であることを遊技者が認識することができ、確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。モードNは、潜伏モード以外の演出モード(通常の演出モード)においても選択される。したがって、潜伏モードにおいて演出モードがモードNとなったときには、確変状態に対する遊技者の期待感を動揺させることができる。
なお、モードCは、確変状態であるときと非確変状態であるときとのいずれの状態でも選択され得るようにしてもよく、確変状態である期待度が、モードC>モードA,モードBとなる演出モードであればよい。また、モードNは、潜伏モードのみで用いられるようにしてもよく、確変状態である期待度が、モードA,モードB>モードNとなる演出モードであればよい。
図2に示す例では、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」である場合には、大当り遊技状態(15ラウンド大当り遊技状態)の終了後にモードKの演出モードとなる。すなわち、モードKの演出モード中は第1確変状態である。モードKの演出モードでは、たとえば「確変中」といった高確率遊技状態であることを報知する演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させること、および/または、演出表示装置9の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすること等により、高確率遊技状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」である場合には、大当り遊技状態(15ラウンド大当り遊技状態)の終了後にモードJの演出モードとなる。そして、モードJの演出モードであるときに変動表示結果が「大当り」とならずに時短状態が終了すれば、モードNの演出モードとなる。すなわち、モードJの演出モード中は時短状態である。モードJの演出モードでは、たとえば「時短中」といった時短状態であることを報知する演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させること、および/または、演出表示装置9の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすること等により、時短状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。
変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」または「2R非確変」である場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り遊技状態)の終了後にモードAの演出モードとなる。また、変動表示結果が「小当り」である場合には、小当り遊技状態の終了後にモードAの演出モードとなる。このように、モードAの演出モード中は、「2R確変」の大当り種別に基づき第2確変状態となっていることもあれば、「2R非確変」の大当り種別に基づき通常状態となっていることもあれば、「小当り」の変動表示結果に基づき通常状態、時短状態、第1確変状態、および、第2確変状態のいずれかとなることもある。
潜伏モードにおいて、飾り図柄の変動表示が開始されるときに、モードA、モードB、モードC、モードNのいずれかであれば、演出モードを他のモードに移行して変更するモード移行を実行するか否かの判定が行なわれる。モードAの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードB、モードC、モードNのいずれかに演出モードが変更される。モードBの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードA、モードC、モードNのいずれかに演出モードが変更される。モードCの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードA、モードB、モードNのいずれかに演出モードが変更される。モードNの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードA、モードB、モードCのいずれかに演出モードが変更される。
このように、モードA、モードB、モードC、モードNの演出モードのいずれかである場合には、遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態、および、第2確変状態のいずれでもあり得る。
モードA、モードB、モードC、モードNの演出モードのいずれかである場合には、潜伏モードにおいて、第2確変状態といった確変制御が行なわれる所定の特別遊技状態に制御されているときと制御されていないときとで共通の演出モードとなることにより、特別遊技状態に制御されているか否かが特定不能となる。なお、複数の演出モードには、たとえばモードJやモードKの演出モードのように、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態に制御されていることを認識できる演出モードが含まれていてもよいし、たとえばモードA、モードB、モードC、モードNの演出モードのように、遊技状態が特別遊技状態に制御されていることを特定不能な演出モードのみが含まれていてもよい。
次に、演出表示装置9におけるモードA、モードB、モードC、および、モードNの表示例について説明する。図3は、演出表示装置9における演出モードの表示例を示す表示画面図である。図3においては、飾り図柄の表示が省略されている。
モードNにおいては、図3(A)に示すように、都市を示す背景画像Nが表示される。モードAにおいては、図3(B)に示すように、海を示す背景画像Aが表示される。モードBにおいては、図3(C)に示すように、山を示す背景画像Bが表示される。モードCにおいては、図3(D)に示すように、空を示す背景画像Cが表示される。このように演出モードごとに背景画像が異なることにより、遊技者は、潜伏モードにおいて、背景画像に基づいて、演出モードの種類を認識することができる。
モードA,B,Cについては、潜伏モードにおいてのみ選択される演出モードであるため、背景画像A,B,Cが表示されているときには、潜伏モードであることを遊技者が確実に認識できるが、モードNについては、潜伏モード以外の通常の演出モードでも選択されるので、潜伏モードであることを遊技者が認識できない場合もある。潜伏モードにおけるモードNを遊技者が認識できるようにするために、潜伏モードにおいては、背景画像A〜C,Nのそれぞれにおいて、所定のキャラクタを表示する等、潜伏モードであることを識別可能な画像を表示するようにしてもよい。
図4は、潜伏モードにおける演出モードの移行例を示す表示画面図である。図4においては、飾り図柄の表示が省略されている。たとえば、モードNであるときに、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなれば、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に、たとえば図4(A)に示すように、モードNから、モードAのような選択された演出モードに移行することが可能である。
そして、潜伏モードであるときには、変動表示が実行されるごとに演出モードの移行判定が行なわれ、たとえば、図4(B)に示すようなモードAからモードCへの演出モードの移行、および、図4(C)に示すようなモードCからモードへBへの演出モードの移行のように、変動表示の終了後において、移行判定に応じて選択された演出モードに移行することが可能である。
また、潜伏モードであるときには、たとえば図4(D)に示すモードBからモードへNへの演出モードの移行のように、変動表示の終了後において、潜伏モードのときにのみ表示されるモードA,B,Cのいずれかから、潜伏モード以外のときにも表示されるモードNに移行する場合がある。モードNは、潜伏モード以外の通常の演出モードでも選択されるモードであって、モードA,B,Cのそれぞれと比べて、潜伏モードにおいて確変状態である割合が極めて低い(確変状態である期待度の格付けが低い)演出モードであり、このようなモードA,B,CのいずれかからモードNへの移行は、転落移行と呼ばれる。このような転落移行を行なう制御は、転落制御と呼ばれる。
また、潜伏モードであるときには、たとえば図4(A)に示すモードNからモードへAへの演出モードの移行のように、変動表示の終了後において、モードNからモードA,B,Cのいずれかに移行する場合がある。モードA,B,Cのそれぞれは、潜伏モードでのみ選択されるモードであって、モードNと比べて、潜伏モードにおいて確変状態である割合が高い(確変状態である期待度の格付けが高い)演出モードであり、このようなモードNからモードA,B,Cのいずれかへの移行は、昇格移行と呼ばれる。このような昇格移行を行なう制御は、昇格制御と呼ばれる。
図5は、潜伏モードにおける演出モードの再昇格の移行例を示す表示画面図である。図5においては、飾り図柄の表示が省略されている。図5を参照して、潜伏モードにおいては、たとえば(A)から(B)のように、演出モードがモードA,B,CのいずれかからモードNに一旦転落移行した後、たとえば(B)から(C)のように、演出モードがモードNからモードA,B,Cのいずれかに昇格移行することにより、再度モードA,B,Cのいずれかに戻る場合がある。このような演出が転落移行後に昇格移行することは、再昇格移行と呼ばれる。このような再昇格移行を行なう制御は、再昇格制御と呼ばれる。再昇格移行における昇格移行先は、転落前と同じ演出モードとなってもよく、転落前の演出モードと異なる演出モードとなってもよい。
また、演出モードがモードA,B,CのいずれからモードNに移行することを転落移行と呼ぶことを説明したが、このような関係以外に、確変状態である期待度の格付けが高い演出モードから当該格付けが低い演出モードへ移行することを転落移行と呼ぶ場合がある。たとえば、モードからCモードA,Bのいずれかに移行することを転落移行と呼ぶことがある。また、モードA,Bについて、モードAの方が確変状態への期待度が高いときにモードAからモードBへ移行することを転落移行と呼ぶことがあり、モードBの方が確変状態への期待度が高いときにモードBからモードAへ移行することを転落移行と呼ぶことがある。
また、演出モードがモードNからモードA,B,Cのいずれかに移行することを昇格移行と呼ぶことを説明したが、このような関係以外に、確変状態である期待度の格付けが低い演出モードから当該格付けが高い演出モードへ移行することを昇格移行と呼ぶ場合がある。たとえば、モードA,BのいずれかからモードCに移行することを昇格移行と呼ぶことがある。また、モードA,Bについて、モードAの方が確変状態への期待度が低いときにモードAからモードBへ移行することを昇格移行と呼ぶことがあり、モードBの方が確変状態への期待度が低いときにモードBからモードAへ移行することを昇格移行と呼ぶことがある。
図6は、主基板(遊技制御基板)等の回路構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、たとえば図6に示すような主基板(遊技制御基板)31、演出制御基板80、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継する中継基板77等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤6等の背面には、たとえば電源基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されていればよい。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行なう機能、演出制御基板80等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板31は、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bを構成する各LED(たとえばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行なって第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御等を行なって普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。主基板31には、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ560や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送する入力ドライバ回路58、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのソレノイド駆動信号をソレノイド16、21に伝送する出力回路59等が搭載されている。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置9、スピーカ27および装飾LED25、枠LED28等を含んだ演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、演出表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部または一部、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声出力基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプドライバ基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データ等に基づき、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯/消灯駆動を行なうランプドライバ回路等が搭載されている。
図6に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aは、たとえばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板31には、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10等の表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線の他にも、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41等の表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線等が接続されている。その他にも、主基板31には、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)等が、搭載されていてもよい。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板77によって中継される。主基板31には、たとえば中継基板77に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ560との間には、たとえば図7に示すように、出力バッファ回路を含んだ出力ポート571が接続されている。出力ポート571に含まれる出力バッファ回路は、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板77から主基板31への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板80や中継基板77の側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。
中継基板77には、たとえば主基板31から演出制御基板80に対して制御信号を伝送するための配線ごとに、たとえば図7に示すような伝送方向規制回路74が設けられていればよい。各伝送方向規制回路74は、主基板31対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板80対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路74は、演出制御基板80から中継基板77への信号の入力を阻止して、主基板31から演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板80の側から主基板21側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板77において制御信号を伝送するための配線ごとに伝送方向規制回路74を設けるとともに、主基板31において遊技制御用マイクロコンピュータ560と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を含んだ出力ポート571を設けることで、外部から主基板31への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、たとえば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、たとえば演出表示装置9における演出画像の表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図8(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、たとえば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9の表示画面における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rで変動表示される左図柄,中図柄,右飾り図柄よりなる飾り図柄等の変動表示画像の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1および第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図および第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量等を、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、たとえば図8(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」,「大当り」,「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、変動表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の変動表示態様(大当り種別)が「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15R非確変」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を示す第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15R確変」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を示す第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「2R非確変」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を示す第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「2R確変」となる旨の事前決定結果および大当り種別決定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第6変動表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと変動表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、変動表示結果通知コマンドに示される変動表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと変動表示結果(「ハズレ」,「大当り」,「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと変動表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと変動表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと変動表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の変動表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、変動表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、変動表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量等を、削減することができる。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rで飾り図柄の変動表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、たとえば図8(C)に示すように、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、時短状態、第1および第2確変状態のいずれであるか等に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、遊技状態が通常状態であることを示す第1遊技状態指定コマンドである。コマンド9501Hは、遊技状態が時短状態であることを示す第2遊技状態指定コマンドである。コマンド9502Hは、遊技状態が第1確変状態であることを示す第3遊技状態指定コマンドである。コマンド9503Hは、遊技状態が第2確変状態であることを示す第4遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、たとえば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果および大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(たとえばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、たとえば15ラウンド大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(たとえば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り遊技状態または可変入賞動作における大入賞口の開放回数(たとえば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の変動表示開始時点から、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、たとえば変動表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果および大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。なお、2ラウンド大当り遊技状態および/または小当り遊技状態に制御されるときには、当り開始指定コマンドや大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの一部または全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンにより、2ラウンド大当り遊技状態中および/または小当り遊技状態中における演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置が形成する第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、演出表示装置9の表示画面に設けられた合計保留記憶表示部18c等において合計保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、たとえば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、たとえばに示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(たとえば「1」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの総記憶数(たとえば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1および第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件および第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、たとえば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能とする8種類の演出制御コマンドの、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量等を、削減することができる。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、たとえば図6に示すように、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)54と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)55と、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)56と、I/O(Input/Output port)57と、CPU56とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路503とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、CPU56がROM54から読出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU56がROM54から固定データを読出す固定データ読出動作、CPU56がRAM55に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU56がRAM55に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、および、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56の他にRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O57は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560ではCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板31では、たとえば図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える乱数回路503等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。
図9は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2−1、リーチ決定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、たとえば図20に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4、MR5を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路503により更新された数値データの全部または一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2−1は、変動表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の変動表示態様である大当り種別を「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ決定用の乱数値MR2−2は、変動表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「251」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行なうために用いられる乱数値であり、たとえば「1」〜「201」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける変動表示結果に基づき普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14を遊技球が進入しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が進入しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否か等の決定を行なうために用いられる。
この実施の形態における飾り図柄の変動パターンのうち、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンは、ハズレ変動パターンと呼ばれる。ハズレ変動パターンには、飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と、飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)とが含まれる。
非リーチ変動パターンとしては、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−5、変動パターンPB1−1、変動パターンPB1−2、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−2が、設けられている。また、リーチ変動パターンとしては、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−8が、設けられている。
また、変動表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−3、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−5が、設けられている。また、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」および「2R確変」のいずれかとなる場合や、変動表示結果が「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンとして、変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−6が、設けられている。
変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−4では、2回開放前演出が終了した後に確定飾り図柄が導出表示されて停止する。これに対して、変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−4の一部または全部では、2回開放チャンス目等が仮停止表示された後に2回開放前演出が行なわれるようにしてもよいし、2回開放前演出が実行されるときに飾り図柄の表示が消去され、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。
図10は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターン種別を示している。前述したハズレ変動パターンおよび当り変動パターンのすべては、図10に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、たとえば飾り図柄の変動表示中に実行される演出動作等に基づいて分類された1つまたは複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」で変動表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CB1−1,変動パターン種別CB1−2、変動パターン種別CC1−1,変動パターン種別CC1−2が、設けられている。また、変動表示結果が「ハズレ」で変動表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3が、設けられている。
変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」または「15R確変」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3が、設けられている。加えて、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」となる場合や、変動表示結果が「小当り」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3が、設けられている。さらに加えて、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA4−4〜変動パターン種別CA4−6が、設けられている。各変動パターン種別は、それぞれの内容に沿った1つまたは複数の変動パターンを含んで構成されたものであればよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図10に示すように、変動パターン種別CA1−1は、通常状態や第2確変状態において特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、通常状態や第2確変状態において合計保留記憶数が「3」または「4」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮される「保留3,4個短縮(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留3,4個短縮(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、通常状態や第2確変状態において合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮される「保留5〜8個短縮(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留5〜8個短縮(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CB1−1は、第1確変状態において特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が通常状態よりも短縮される一方で、合計保留記憶数に基づく短縮が行なわれない「短縮なし(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(第1確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CB1−2は、第1確変状態において合計保留記憶数が「2」〜「8」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留2〜8個短縮(第1確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CC1−1は、時短状態において特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が通常状態よりも短縮される一方で、合計保留記憶数に基づく短縮は行なわれない「短縮なし(時短状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(時短状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CC1−2は、時短状態において合計保留記憶数が「2」〜「8」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(時短状態)」の変動パターン種別であり、「保留2〜8個短縮(時短状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、変動表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)を実行する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、変動表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に複数種類のスーパーリーチのうちでスーパーリーチαとして予め定められたリーチ演出を実行する「スーパーリーチα(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチα(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−3は、変動表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に複数種類のスーパーリーチのうちでスーパーリーチαとは演出態様が異なるスーパーリーチβとして予め定められたリーチ演出を実行する「スーパーリーチβ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチβ(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチとなるリーチ演出は、ノーマルリーチといった通常のリーチ演出に比べて、そのリーチ演出が出現した後に変動表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)が高い。
変動パターン種別CA3−1は、変動表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、変動表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαのリーチ演出を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチα(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチα(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、変動表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチβのリーチ演出を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチβ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチβ(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA4−1は、通常状態や第2確変状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−2は、第1確変状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(第1確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−3は、時短状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(時短状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(時短状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA4−4は、通常状態や第2確変状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチα等のリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放時リーチハズレ(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放時リーチハズレ(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−5は、第1確変状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチα等のリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放時リーチハズレ(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放時リーチハズレ(第1確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−6は、時短状態において飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチα等のリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放前リーチハズレ(時短状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放前リーチハズレ(時短状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
このように、図10に示す変動パターン種別の設定例では、まず、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、当り変動パターンに分類している。その上で、非リーチ変動パターンである場合には、通常状態および第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれに対応しているかや、合計保留記憶数に対応して変動表示時間が短縮されるか否か等に応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CB1−1,変動パターン種別CB1−2、変動パターン種別CC1−1,変動パターン種別CC1−2のそれぞれを設定している。また、リーチ変動パターンである場合には、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるかや、「チャンス目停止後滑り」の変動表示演出が実行されるか否か、等に応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のそれぞれを設定している。さらに、当り変動パターンである場合には、変動表示結果が「大当り」と「小当り」のいずれに対応しているかや、大当り種別が「2R非確変」および「2R確変」に対応しているか否か、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるか、「チャンス目停止後滑り」の変動表示演出が実行されるか否か等に応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−6のそれぞれを設定している。
なお、変動パターン種別の構成は、図10に示すものに限定されず、飾り図柄の変動表示中に実行される任意の演出動作に基づき各変動パターンを分類したもの等であればよい。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。たとえば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が記憶されている。
図11は、ROM54に記憶される図柄表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、図柄表示結果決定テーブルとして、図11(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図11(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bと、図11(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cとが設けられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる特図ゲームにおいて、変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。普図表示結果決定テーブル130Cは、普通図柄表示器10による普図ゲームにおいて変動表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「普図当り」として第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御を行なうか否かを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態であるか第1確変状態または第2確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」、「小当り」および「ハズレ」の変動表示結果のいずれかに割当てられている。なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、変動表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意している。これに対して、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとで共通の決定テーブルを使用して、大当り遊技状態に制御するか否かを決定するようにしてもよい。これにより、ROM54に記憶されるデータ容量を削減することができる。また、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bとでは、「小当り」の変動表示結果に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。一例として、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて、「小当り」の変動表示結果に割当てられる決定値の個数が少なくなるようにしてもよい。このような設定により、第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特図を用いた特図ゲームに比べて、変動表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、第1確変状態や時短状態における遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。
普図表示結果決定テーブル130Cでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか第1確変状態または時短状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り#1」〜「普図当り#4」の一部や「普図ハズレ」の各普図表示結果に割当てられている。普図表示結果決定テーブル130Cは、「普図当り#1」〜「普図当り#4」および「普図ハズレ」のそれぞれに対応して、普図変動時間を複数種類のいずれかに設定するための設定用データや、乱数値MR5が「普図当り#1」〜「普図当り#4」の普図表示結果のいずれかに割当てられた決定値と合致した場合に第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御を行なう時間(開放時間)と回数(開放回数)を設定するための設定用データ等を、含んでいてもよい。
図11(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cの設定では、遊技状態が通常状態または第2確変状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「60」のいずれかであるときに「普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。その一方で、遊技状態が第1確変状態または時短状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「180」のいずれかであるときに「普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、普図ゲームにおける変動表示結果が「普図当り」となる確率が高くなり、第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御が行なわれる頻度を高めることができる。
また、遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときには、普図表示結果が「普図当り」でも「普図ハズレ」でも、普図変動時間が「1秒」となり、遊技状態が通常状態や第2確変状態のときよりも短くなる。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、普図ゲームの実行時間が短くなり、第2始動入賞口14を遊技球が入賞しやすい状態とする傾動制御が行なわれる頻度を高めることができる。さらに、遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときには、開放時間と開放回数が「1.7秒×3回」となり、遊技状態が通常状態や第2確変状態のときよりも長時間で多数回開放される。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすくなる。
また、普図表示結果決定テーブル130Cの設定では、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、「普図当り#1」〜「普図当り#3」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。図11(C)に示す設定例では、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「6」のいずれかであれば「普図当り#1」の普図表示結果に決定される一方、遊技状態が第2確変状態であるときには、乱数値MR5が「1」〜「30」のいずれかであれば「普図当り#1」の普図表示結果に決定される。これにより、第2確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率が高くなる。加えて、図11(C)に示す設定例では、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「7」〜「18」のいずれかであれば「普図当り#2」の普図表示結果に決定される一方、遊技状態が第2確変状態であるときには、乱数値MR5が「31」〜「54」のいずれかであれば「普図当り#2」の普図表示結果に決定される。これにより、第2確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率が高くなる。
そして、「普図当り#1」〜「普図当り#3」の普図表示結果のいずれかに決定された場合には、各普図表示結果に応じて、普図変動時間や開放時間および開放時間の組合せが異なっている。たとえば、「普図当り#2」の普図表示結果に決定された場合には、普図変動時間が「5秒」となり、「普図当り#1」または「普図当り#3」の普図表示結果に決定された場合の普図変動時間である「10秒」よりも短くなる。また、「普図当り#1」の普図表示結果に決定された場合には、開放時間および開放回数の組合せが「1.5秒×2回」となり、「普図当り#2」または「普図当り#3」の普図表示結果に決定された場合の開放時間および開放回数の組合せである「0.3秒×2回」よりも長時間で多数回開放される。
こうした普図表示結果決定テーブル130Cの設定により、普図表示結果が「普図当り」となる場合の普図変動時間や開放時間および開放回数の組合せから、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。図11(C)の設定例では、通常状態であるときよりも第2確変状態であるときの方が、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率が高いために開放時間および開放回数(傾動制御時間)が長時間で多数回となる可能性が高く、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率が高いために普図変動時間が短時間となる可能性が高い。なお、通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果が「普図当り」となる場合の普図変動時間や開放時間および開放回数の組合せの決定割合を異ならせる一方で、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性は、通常状態であるか第2確変状態であるかに関わりなく同程度になるように設定してもよい。たとえば、通常状態であるときよりも第2確変状態であるときの方が、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率を高くして開放時間および開放回数(傾動制御時間)が長時間で多数回となる可能性を高める一方で、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率を低くして普図変動時間が短時間となる可能性を低下させることで、通常状態であっても第2確変状態であっても、第2始動入賞口14に遊技球が進入する容易性は同程度(時短状態や第1確変状態に比べて進入しがたい)となるようにしてもよい。また、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果が「普図ハズレ」となる場合の普図変動時間の決定割合を異ならせるようにしてもよい。
図12は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、変動表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2−1に基づき、飾り図柄の変動表示態様を「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図20に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2−1と比較される数値(決定値)が、「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」の大当り種別に割当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割当てられた決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り遊技状態に制御するか2ラウンド大当り遊技状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には高確率遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。たとえば、「15R非確変」または「15R確変」の大当り種別に割当てられている決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「2R非確変」または「2R確変」の大当り種別に割当てられている決定値を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「15R非確変」または「2R非確変」の大当り種別に割当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確率遊技状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「15R確変」または「2R確変」の大当り種別に割当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確率遊技状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(たとえば「0」〜「3」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図12に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。たとえば、「15R非確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「1」〜「36」の範囲の決定値が割当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「1」〜「44」の範囲の決定値が割当てられる。「15R確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「37」〜「72」の範囲の決定値が割当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「45」〜「98」の範囲の決定値が割当てられる。「2R非確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「73」〜「80」の範囲の決定値が割当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割当てられていない。「2R確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「81」〜「100」の範囲の決定値が割当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「99」および「100」の決定値が割当てられている。
図12に示す設定例では、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「2R非確変」として2ラウンド大当り遊技状態に制御した後に遊技状態を通常状態にすると決定されることがない。また、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御すると決定したときには、第1開始条件の成立時よりも低い決定割合で、大当り種別を「2R確変」として2ラウンド大当り遊技状態に制御した後に遊技状態を第2確変状態にすると決定される。これにより、第1確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「2R非確変」となり賞球がほとんど得られずに通常状態に制御されてしまうことや、大当り種別が「2R確変」となり賞球がほとんど得られずに第2確変状態に制御されてしまうことを防止して、遊技興趣の減退を抑制することができる。
図13は、ROM54に記憶されるリーチ決定テーブルの構成例等を示している。この実施の形態では、リーチ決定テーブルとして、図13(A)〜(C)に示すリーチ決定テーブル132A〜132Cが、設けられている。
リーチ決定テーブル132A〜132Cは、変動表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR2−2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。各リーチ決定テーブル132A〜132Cは、図13(D)に示すようなテーブル選択設定にしたがって選択される。すなわち、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。各リーチ決定テーブル132A〜132Cでは、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される数値(決定値)が、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の決定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の決定結果に割当てられている。
たとえば、図13(A)に示すリーチ決定テーブル132Aの設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割当てられている。合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割当てられている。合計保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割当てられている。
合計保留記憶数が「3」または「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4に割当てられている。合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4のそれぞれに割当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「233」の範囲の判定値が、非リーチHA1−5に割当てられている。このような設定によって、特図ゲームの保留数である合計保留記憶数が所定数(たとえば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態にする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がリーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図14は、ROM54に記憶される大当り変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り変動パターン種別決定テーブルとして、図14(A)〜(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cが、設けられている。大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、変動表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態または第2確変状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Aが選択され、第1確変状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Bが選択され、時短状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Cが選択される。
各大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cでは、大当り種別の決定結果が「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−6のいずれかに割当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割当てられている。たとえば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または第2確変状態である場合に用いられる図14(A)に示す変動パターン種別決定テーブル133Aでは、大当り種別が「15R非確変」であるか「15R確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割当てられるようにしてもよい。たとえば、「15R非確変」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割当てられる一方で、「15R確変」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割当てられないようにしてもよい。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」である場合には、変動パターン種別CA4−1〜変動パターンCA4−6といった、大当り種別が「15R非確変」または「15R確変」である場合には決定値が割当てられない変動パターン種別に対して、決定値が割当てられている。こうして、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」に応じて2ラウンド大当り遊技状態に制御する場合には、15ラウンド大当り遊技状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「15R非確変」である場合に、遊技状態が通常状態または第2確変状態であるときに用いられる図14(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと、第1確変状態であるときに用いられる図14(B)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Bと、時短状態であるときに用いられる図14(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Cとでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。このように、大当り種別が「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り変動パターン種別決定テーブル133A(通常状態または第2確変状態のときに選択)、大当り変動パターン種別決定テーブル133B(第1確変状態のときに選択)、大当り変動パターン種別決定テーブル133C(時短状態のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なることがある。こうして、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割当てられるようにしてもよい。たとえば、大当り種別が「15R非確変」である場合に、通常状態または第2確変状態であれば変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割当てられる一方で、第1確変状態や時短状態であれば変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割当てられないようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。また、通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に対して決定値が割当てられることや、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なることがあるようにしてもよい。これにより、決定された変動パターン種別の違いや、変動パターン種別の決定割合等から、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。
図14(A)〜(C)では、2R確変大当り、2R非確変大当り、および、小当りのときに選択される変動パターン種別について、確変状態となるときとならないときとで次のように選択割合が異なる。変動パターン種別CA4−1,CA4−2,CA4−3は、第2確変状態となるときに選択される割合の方が、第2確変状態とならないときに選択される割合よりも小さい。変動パターン種別CA4−4,CA4−5,CA4−6は、確変状態となるときに選択される割合の方が、確変状態とならないときに選択される割合よりも大きい。
図15は、ROM54に記憶される小当り変動パターン種別決定テーブル134の構成例を示している。小当り変動パターン種別決定テーブル134は、変動表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブル134では、遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3のいずれかに割当てられている。
小当り変動パターン種別決定テーブル134において、遊技状態が通常状態または第2確変状態である場合に決定値の全部が割当てられる変動パターン種別CA4−1には、図14(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Aにおいて、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割当てられている。小当り変動パターン種別決定テーブル134において、遊技状態が第1確変状態である場合に決定値の全部が割当てられる変動パターン種別CA4−2には、図14(B)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Bにおいて、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割当てられている。小当り変動パターン種別決定テーブル134において、遊技状態が時短状態である場合に決定値の全部が割当てられる変動パターン種別CA4−3には、図14(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Cにおいて、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3は、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」となる場合と、変動表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cにおいて大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブル134を構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
図16は、ROM54に記憶されるリーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図16(A)〜(C)に示すリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cが、設けられている。リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされたときに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態または第2確変状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Aが選択され、第1確変状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Bが選択され、時短状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Cが選択される。
各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、図13(A)〜(C)に示すリーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれを用いてリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の決定がなされたかに応じて、使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。すなわち、図13(A)に示すリーチ決定テーブル132Aを用いてリーチHA2−1〜リーチHA2−3のいずれかに決定された場合にはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、図13(B)に示すリーチ決定テーブル132Bを用いてリーチHB2−1に決定された場合にはリーチ変動パターン決定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、図13(C)に示すリーチ決定テーブル132Cを用いてリーチHC2−1に決定された場合にはリーチ変動パターン決定テーブル135Cが使用テーブルとして選択されればよい。これにより、遊技状態に対応してリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択するためのテーブル選択設定を示すデータが不要となる。
各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cでは、リーチ状態とする旨の決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3の値と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3に割当てられている。
リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aでは、リーチ状態とする旨の決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割当てられている。たとえば、リーチHA2−1の決定結果に対応して、「1」〜「190」の範囲の値(決定値)が変動パターン種別CA2−1に割当てられ、その他の値が変動パターン種別CA2−2〜変動パターン種別CA2−3に割当てられている。また、リーチHA2−2の決定結果に対応して、「1」〜「195」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割当てられている。さらに、リーチHA2−3の決定結果に対応して、「1」〜「215」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割当てられている。リーチHA2−1には、図13(A)に示すリーチ決定テーブル132Aによって、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される決定値が割当てられている。リーチHA2−2には、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、決定値が割当てられている。リーチHA2−3には、合計保留記憶数が「3」または「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、決定値が割当てられている。これらの設定によって、合計保留記憶数が所定数(たとえば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)が実行される変動パターン種別CA2−1に決定される割合が高くなる。そして、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がスーパーリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図17は、ROM54に記憶される非リーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、非リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図17(A)〜(C)に示す非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cが、設けられている。非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態としない旨の決定がなされたときに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態または第2確変状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aが選択され、第1確変状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bが選択され、時短状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Cが選択される。
各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、たとえば非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の決定結果のうち、いずれの決定結果であるかに応じて、使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Cが使用テーブルとして選択されればよい。これにより、遊技状態に対応して非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択するためのテーブル選択設定を示すデータが不要となる。
各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cでは、リーチ状態としない旨の決定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3の値と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1,変動パターン種別CA1−2、変動パターン種別CB1−1,変動パターン種別CB1−2、変動パターン種別CC1−1,変動パターン種別CC1−2のいずれかに割当てられている。
図18は、ROM54に記憶される当り変動パターン決定テーブル137の構成例を示している。当り変動パターン決定テーブル137は、変動表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン決定テーブル137では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動表示結果を「大当り」とする場合に対応した複数の変動パターン(大当り変動パターン)に割当てられている。
図19は、ROM54に記憶されるハズレ変動パターン決定テーブル138の構成例を示している。ハズレ変動パターン決定テーブル138は、変動表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル138では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動表示結果を「ハズレ」とする場合に対応した1つまたは複数の変動パターン(ハズレ変動パターン)に割当てられている。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるRAM55は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、たとえば図20に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
図20は、遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。図20に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置が形成する第1始動入賞口13に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口14への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口13への入賞を示す「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口14への入賞を示す「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順にしたがった保留番号と対応付けて記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグ等が設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行等を制御するために実行される図33のS15や図34に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの進行等を制御するために図33のS16や図42に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに変動表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたこと等に対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに変動表示結果を「小当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたこと等に対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態や第2確変状態といった高確率遊技状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、高確率遊技状態が終了すること等に対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態や第1確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態や第1確変状態が終了すること等に対応してクリアされてオフ状態となる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態は、確変フラグおよび時短フラグの状態から特定することができる。すなわち、確変フラグおよび時短フラグがいずれもオフであれば、遊技状態は通常状態である。確変フラグがオフであり時短フラグがオンであれば、遊技状態は時短状態である。確変フラグおよび時短フラグがいずれもオンであれば、遊技状態は第1確変状態である。確変フラグがオンであり時短フラグがオフであれば、遊技状態は第2確変状態である。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。たとえば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマ等が設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、たとえば大当り遊技状態の進行を制御するための時間等を、主基板31の側において計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側において計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側において計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。たとえば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタ等が設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路503とは別個に、あるいは、乱数回路503から抽出された数値データを用いて、CPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。たとえば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4、MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データにスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ13aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。たとえば、第1始動口スイッチ13aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第1始動入賞口13に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたとき等に、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ14aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。たとえば、第2始動口スイッチ14aからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第2始動入賞口14に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたとき等に、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。たとえば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(たとえば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。たとえば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(たとえば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。たとえば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(たとえば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時短制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、変動表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算される等して更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすること等により、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行なわれる。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数等をカウントするためのものである。たとえば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファ等が設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板31からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。たとえば、送信コマンドバッファは、複数(たとえば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データ等が、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行なうバッファ領域は、送信コマンドポインタ等によって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口13と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動入賞口13に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動入賞口14に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したこと等に対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、変動表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図12に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「15R非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「15R確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「2R非確変」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定され、大当り種別が「2R確変」であれば大当り種別バッファ値には「3」が設定される。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるI/O57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図6に示す演出制御基板80には、たとえば図7に示すような演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、付属図柄を変動表示する第1付属図柄表示器9aおよび第2付属図柄表示器9bにおける表示制御や、飾り図柄を変動表示する演出表示装置9における表示制御等を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25の点灯制御や、遊技機用枠2に設けられている枠LED28の点灯制御等を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27における音声出力制御を行なう。
図7は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101や、演出に関する情報を記憶するRAM等を含んで構成されていればよい。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていなくてもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。なお、以下では、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けのROMを、演出制御用ROMともいう。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを一時記憶(展開)するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御基板80に搭載された入力ポート107には、操作検出スイッチ38aからの情報信号としての操作検出信号を伝送するための配線が接続されている。入力ポート107に入力された操作検出信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、操作検出スイッチ38aからの操作検出信号に基づいて、たとえば予告演出等の遊技の演出を行なうための処理を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路であればよい。入力ドライバ102に入力された演出制御コマンド等は、入力ポート103を介して演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。さらに、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ各LEDの取付部分を振動させる振動モータ87a、87b、87cを、出力ポート106を介して駆動する。ここで、振動モータ87aは上演出LED85aを振動させ、振動モータ87bは中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介しランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。加えて、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介し音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて、枠LED28等といった遊技機用枠2の側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤6の側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。なお、発光手段としては、その他に、確変状態等の特別遊技状態である否かというような遊技状態を発光状態により示す状態表示LED(ランプ)を設け、ランプドライバ基板35により駆動制御するようにしてもよい。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声データROM704には、音番号データに応じた音声データが格納されている。音番号データに応じた音声データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生させるための音声データを音声データROM704から読出して所定の音声RAM等に一時記憶(展開)した後、音声データに対応して生成した音声信号(アナログ音声信号)を増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100では、内蔵または外付けの乱数回路(図示せず)等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。
図21は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、図柄停止時間決定用の乱数値SR2、および、演出モード決定用の乱数値SR3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けの乱数回路は、これらの乱数値の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU101は、たとえば図32に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けの乱数回路により更新された数値データの全部または一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値の全部または一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板80に乱数回路が搭載されていない場合には、演出制御用CPU101がランダムカウンタを用いて、乱数値の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄として、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rに導出表示される飾り図柄(左図柄,中図柄,右図柄の最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、飾り図柄の変動表示が終了する時点で「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
図柄停止時間決定用の乱数値SR2は、飾り図柄が仮停止してから最終停止するまでの時間としての図柄停止時間を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「101」の範囲の値をとる。演出モード決定用の乱数値SR3は、演出モードを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「201」の範囲の値をとる。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。たとえば、演出制御用ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が記憶されている。
図22は、演出制御パターンテーブルの構成例等を示す図である。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、モードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNといった複数種類の演出モードに対応して、図22(A)に示すような演出制御パターンテーブル180A〜180Fを構成するテーブルデータが記憶されている。
また、演出制御用ROMには、図22(B)に示すようなモード移行演出制御パターンテーブル181や、図22(C)に示すような各種演出制御パターンテーブル182等を構成するテーブルデータが記憶されている。モード移行演出制御パターンテーブル181には、モードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNのモード相互間での移行のようなモード移行に伴って実行されるモード移行演出等における、各種の演出制御の内容を示すデータが、モード移行演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい(図示は一例)。各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間等における、各種の演出制御の内容を示すデータが、各種演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。なお、各種演出制御パターンテーブル182は、モードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNの各演出モードに対応して、演出制御パターンテーブル180A〜180Fのそれぞれに含まれるように構成してもよい。この場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間等における演出動作の内容を、パチンコ遊技機1における演出モードが複数種類のいずれであるかに応じて、異ならせることができる。
図22(A)に示す各演出制御パターンテーブル180A〜180Fには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。たとえば、演出制御パターンテーブル180A〜180Fのそれぞれには、図23に示す図柄変動制御パターンテーブル185が含まれている。
図23は、図柄変動制御パターンテーブルの構成例等を示す図である。図柄変動制御パターンテーブル185には、複数の変動パターン等に対応して、飾り図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示画面における飾り図柄の変動表示動作等の変動表示演出における飾り図柄の表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。なお、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fは、複数種類の演出制御パターンを構成するパターンデータの記憶アドレスを管理するアドレス管理テーブルとしてもよい。この場合、演出制御用ROMにおいて、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fを構成するテーブルデータが所定の記憶領域に記憶され、この記憶領域とは別の領域に、個々の演出制御パターンを構成するパターンデータが記憶されればよい。
図柄変動制御パターンテーブル185に格納される図柄変動制御パターンや、予告演出制御パターンテーブル186に格納される予告演出制御パターンには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかにかかわりなく、共通する演出動作の制御内容を示すデータが含まれていてもよい。この場合、各演出モードに共通する演出動作の制御内容を示すデータについては、各演出モードに対応した演出制御パターンテーブル180A〜180Fとは別個に設けた共通演出制御パターンテーブル等に、共通演出制御パターンとして格納されてもよい。一例として、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前の期間における飾り図柄の変動表示に伴う演出動作の制御内容は、各演出モードに対応して個別のものとして、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fに格納された図柄変動制御パターンにより指定される。その一方で、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となった以後のリーチ演出等を含む演出動作の制御内容は、各演出モードに共通するものとして、共通演出制御パターンテーブルに格納された図柄変動制御パターンにより指定されてもよい。
図24は、演出制御パターンの構成例等を示す図である。図24(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。モード移行演出制御パターンテーブル181に格納されたモード移行演出制御パターンや、各種演出制御パターンテーブル182に格納された各種演出制御パターン、図柄変動制御パターンテーブル185に格納された図柄変動制御パターン、予告演出制御パターンテーブル186に格納された予告演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、たとえば操作ユニット38に含まれるジョグボタンやジョグダイアルといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定する操作検出制御データ等が、含まれてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、図32に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、たとえば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、たとえば飾り図柄の変動表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、たとえば飾り図柄の変動表示中における飾り図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、たとえば装飾LED25や枠LED28といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データには、たとえばモータ86に連結された可動部材78といった、可動部材における動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材の駆動動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図24(B)は、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御用CPU101は演出制御パターンに含まれる各種の制御データにしたがって、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行なう。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光体を点滅させる制御を行ない、可動部材制御データにより指定される態様で可動部材78を動作させる制御を行なう。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、たとえば飾り図柄の変動表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読出してRAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行ない、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行なう。こうして、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、装飾LED25および枠LED28といった発光体、可動部材78といった可動部材等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンにしたがった指令が、演出制御用マイクロコンピュータ100からVDP109や音声出力基板70等に対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けたVDP109では、その指令に示される画像データをCGROMから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けた音声出力基板70では、たとえば音声合成用IC703がその指令に示される音声データを音声データROM704から読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図25は、特別図柄および飾り図柄の変動表示における図柄の動作を比較して示すタイミングチャートである。特別図柄と飾り図柄とは、図柄の変動開始タイミングおよび図柄の変動停止タイミングのそれぞれが同期するように、動作が制御される。
図25に示すように、特別図柄の変動開始と、飾り図柄の変動開始とが同期するように、変動表示が開始される。その後、飾り図柄については、たとえば、左図柄、右図柄、中図柄というような選択された順番で、第1図柄、第2図柄、第3図柄を仮停止させる制御が行なわれる。ここで、第1図柄は最初に仮停止する図柄、第2図柄は第1図柄の次に仮停止する図柄、第3図柄は第2図柄の次に仮停止する図柄を示すものであり、左図柄、右図柄、中図柄のどの図柄も第1〜第3図柄となり得る。したがって、第1図柄、第2図柄、および、第3図柄の組合せは、左図柄、右図柄、中図柄のいずれの組合せであってもよい。
第3図柄が仮停止したタイミングでは、特別図柄が変動開始後の変動表示をまだ継続しており、3つの飾り図柄については、仮停止状態に対応した揺れ変動表示をさせる制御が行なわれる。その後、特別図柄が停止することに同期するように、飾り図柄を最終停止させる制御が行なわれ、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示の表示結果が確定する。このように、揺れ変動表示をしている期間は、全飾り図柄の仮停止時から最終停止時までの期間であり、図柄停止時間と呼ばれる。また、このような図柄停止時間は、図柄が仮停止してから最終停止により確定する前の時間であるので、確定前時間とも呼ばれる。特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示が最終停止した後は、次回の変動表示を実行することが可能となる。また、このような図柄停止時間(確定前時間)は、特別図柄の表示結果が導出表示される前であって、飾り図柄の表示結果を導出表示するまでの時間として定義することができ、図25の飾り図柄の第3図柄停止から全図柄停止までの図柄停止時間であり、特別図柄の変動時間を基準に決定される。2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなって潜伏モードとなるときの変動表示においては、図柄停止時間が、変動パターン指定コマンドにより示される変動時間の5秒前、6秒前、または、13秒前となるように決定される。2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるとき以外の変動表示においては、図柄停止時間が、変動パターン指定コマンドのそれぞれに応じて固定的に定められた時間であって、たとえば、2秒というような、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるときの図柄停止時間と異なる時間に設定される。なお、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるとき以外の変動表示においては、図柄停止時間が、変動パターン指定コマンドの種類に関わらず、たとえば、2秒というような一律に固定的に定められた時間に設定されるようにしてもよい。
この実施の形態では、潜伏モードとなるときの変動表示について、選択される図柄停止時間が複数種類定められている。これら複数種類の図柄停止時間は、確変状態となるか否かに応じて異なる選択割合で選択され、選択された図柄停止時間が変動表示において用いられる。潜伏モードとなるときの変動パターンは、図14および図15に示すように、2R確変大当りのときと、小当りまたは2R非確変大当りのときとで同じ変動パターン種別が選択可能であり、演出態様により遊技者が識別不可能にすることで通常状態と確変状態とのいずれに制御されるかが特定不能に飾り図柄の表示結果が導出表示される。
図26は、演出制御用ROMに記憶される潜伏モードとなるときの変動表示における図柄停止時間を選択するために用いられる停止時間テーブルを示す図である。図26(A)には、2R確変大当りとなるとき、すなわち、確変状態となるときに用いられる2R確変時停止時間テーブルが示されている。図26(B)には、2R非確変大当りまたは小当りとなるとき、すなわち、確変状態とならないときに用いられる2R非確変時・小当り時停止時間テーブルが示されている。
図26(A),(B)の停止時間テーブルにおいては、2R確変大当り、2R非確変大当りまたは小当りとなるときに選択されるCA4−1〜CA4−6の変動パターン種別ごとに、13秒、6秒、5秒という複数種類の図柄停止時間と、各図柄停止時間を選択するランダムSR2の数値データとの関係が示されている。
図26(A)の2R確変時停止時間テーブルでは、CA4−1〜CA4−6の変動パターン種別のそれぞれについて、5秒>6秒>13秒という大小関係で、選択割合が設定されている。したがって、2R確変大当りとなるときには、図柄停止時間として、5秒が最も選択されやすい。これにより、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示における図柄停止時間が5秒となったときには、2R確変大当りである割合が高い。
また、変動パターン種別CA4−4〜CA4−6については、変動パターン種別CA4−1〜CA4−3と比べて、2R確変大当りとなるときに、2R確変大当りまたは小当りとなるときよりも選択割合が高く設定されている。そして、図26(A)の2R確変時停止時間テーブルでは、CA4−4〜CA4−6>CA4−1〜CA4−3という大小関係で、5秒の選択割合が設定されている。したがって、2R確変大当りとなるときに選択されやすい変動パターン種別CA4−4〜CA4−6が選択されたときは、図柄停止時間として、5秒が最も選択されやすい。これにより、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示の変動パターンがCA4−4〜CA4−6のいずれかの変動パターン種別に属するときには、当該変動パターンがCA4−1〜CA4−3のいずれかの変動パターン種別に属するときよりも、図柄停止時間が5秒となる割合が高い。
図26(B)の2R非確変時・小当り時停止時間テーブルでは、CA4−1〜CA4−6の変動パターン種別のそれぞれについて、13秒>6秒>5秒という大小関係で、選択割合が設定されている。したがって、2R非確変大当りまたは小当りとなるときには、図柄停止時間として、13秒が最も選択されやすい。これにより、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示における図柄停止時間が13秒となったときには、2R非確変大当りまたは小当りである割合が高い。
そして、図26(B)の2R非確変時・小当り時停止時間テーブルでは、CA4−1〜CA4−3>CA4−4〜CA4−6という大小関係で、13秒の選択割合が設定されている。したがって、2R非確変大当りまたは小当りとなるときに選択されやすい変動パターン種別CA4−1〜CA4−3が選択されたときは、図柄停止時間として、13秒が最も選択されやすい。これにより、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示の変動パターンがCA4−1〜CA4−3のいずれかの変動パターン種別に属するときには、当該変動パターンがCA4−4〜CA4−6のいずれかの変動パターン種別に属するときよりも、図柄停止時間が13秒となる割合が高い。
また、2R確変時停止時間テーブルとの比較に基づいて、2R非確変大当りまたは小当りとなるときには、2R確変大当りとなるときと比べて、図柄停止時間として、5秒よりも6秒が選択されやすい。逆に、2R確変大当りとなるときには、2R非確変大当りまたは小当りとなるときと比べて、図柄停止時間として、6秒よりも5秒が選択されやすい。これにより、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示における図柄停止時間が5秒となったときには、2R非確変大当りまたは小当りとなる割合よりも2R確変大当りとなる割合が高く、一方、2回開放遊技が行なわれる前の変動表示における図柄停止時間が6秒となったときには、2R確変大当りとなる割合よりも2R非確変大当りまたは小当りとなる割合が高い。
図柄停止時間としては、第1図柄停止時間(5秒)、第2図柄停止時間(6秒)、および、第3図柄停止時間(13秒)という複数の図柄停止時間から選択するようにした。第2図柄停止時間(6秒)と第3図柄停止時間(13秒)との時間差(7秒)に比べて、第1図柄停止時間(5秒)と、第2図柄停止時間(6秒)との時間差(1秒)を遊技者が区別し難いように、第1図柄停止時間(5秒)と第2図柄停止時間(6秒)との時間差は、第2図柄停止時間(6秒)と第3図柄停止時間(13秒)との時間差(7秒)よりも小さく(1秒)定められている。具体的に、1秒の時間差は7秒の時間差と比べて遊技者が認識しにくいと考えられる。これにより、遊技者が、図柄停止時間の時間差を区別しにくくなるため、このような図柄停止時間の長さに基づいて、潜伏モードにおいて確変状態に制御されているか否かを確信しにくいので、潜伏モードとなっているときに、確変状態であるか否かに対する興味をより一層抱くようにすることができる。
図27は、演出制御用ROMに記憶され、潜伏モードとなる前に演出モードの
移行に関する決定をするために用いられる潜伏前データ選択テーブル、および、潜伏モード中に演出モードの移行に関する決定をするために用いられる潜伏中データ選択テーブルを示す図である。図27(A)には、潜伏前データ選択テーブルが示されている。図27(B)には、潜伏中データ選択テーブルが示されている。
図27(A)の潜伏前データ選択テーブルにおいては、表示結果ごとに、記憶された図柄停止時間と、演出モードの移行に関する決定のために使用する選択テーブルとの関係が示されている。図27(A)において、表示結果が2R確変大当り以外(2R非確変大当り、小当り)のときには、次のように選択テーブルが決定される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が13秒であるときは、第1選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が6秒であるときは、第2選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が5秒であるときは、第3選択テーブルが選択される。
図27(A)において、表示結果が2R確変大当りのときには、次のように選択テーブルが決定される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が13秒であるときは、第4選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が6秒であるきはと、第5選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が5秒であるときは、第6選択テーブルが選択される。
図27(B)の潜伏中データ選択テーブルにおいては、表示結果ごとに、記憶された図柄停止時間と、演出モードの移行に関する決定のために使用する選択テーブルとの関係が示されている。図27(B)において、表示結果が2R確変大当り以外(2R非確変大当り、小当り)のときには、次のように選択テーブルが決定される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が13秒であるときは、第7選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が6秒であるときは、第8選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が5秒であるときは、第9選択テーブルが選択される。
図27(B)において、表示結果が2R確変大当りのときには、次のように選択テーブルが決定される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が13秒であるときは、第10選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が6秒であるときは、第11選択テーブルが選択される。変動開始時に記憶された図柄停止時間が5秒であるときは、第12選択テーブルが選択される。
次に、潜伏前データ選択テーブルおよび潜伏中データ選択テーブルにより使用することが決定される第1選択テーブル〜第12選択テーブルの内容を説明する。図28は、演出制御用ROMに記憶された前述した第1選択テーブル〜第3選択テーブルを示す図である。各選択テーブルにおいては、現在演出モードと、抽出されたランダムSR3の値と、移行先演出モードとの関係が設定されている。
図28(A)には、2R非確変大当りまたは小当りとなり、記憶された図柄停止時間が13秒であるときに選択される第1選択テーブルが示されている。現在演出モードは、潜伏モードとなる前、すなわち、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなる変動表示が実行されたときの演出モードである。ランダムSR3は、演出制御用マイクロコンピュータ100において、潜伏モードとなるとき、または、潜伏モード中における演出モードの移行先を決定するために用いられるランダムカウンタであり、「1」〜「201」の数値データの範囲内で更新される。移行先演出モードは、潜伏モードが開始されたときの演出モードの移行先、または、潜伏モード中における演出モードの移行先であり、「移行なし」は、演出モードが移行せず現状のモードで維持されることを示している。
たとえば、現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「1〜5」のいずれかであるときには、「移行なし」が決定され、演出モードがモードNを維持する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「6〜180」のいずれかであるときには、「モードA」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードAに移行する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「181〜201」のいずれかであるときには、「モードB」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードBに移行する制御が行なわれる。
第1選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードNという大小関係で設定されている。
図28(B)には、2R非確変大当りまたは小当りとなり、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに選択される第2選択テーブルが示されている。第2選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードNという大小関係で設定されている。
図28(C)には、2R非確変大当りまたは小当りとなり、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに選択される第3選択テーブルが示されている。第3選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA>モードNという大小関係で設定されている。
図29は、第4選択テーブル〜第6選択テーブルを示す図である。各選択テーブルにおいては、現在演出モードと、抽出されたランダムSR3の値と、移行先演出モードとの関係が設定されている。第4選択テーブル〜第6選択テーブルは、2R確変大当りとなるときであるので、現在演出モードおよび移行先演出モードとして、確変状態となるときにのみ移行するモードCが設定されている。
図29(A)には、2R確変大当りとなり、記憶された図柄停止時間が13秒であるときに選択される第4選択テーブルが示されている。
たとえば、現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「1〜3」のいずれかであるときには、「移行なし」が決定され、演出モードがモードNを維持する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「4〜170」のいずれかであるときには、「モードA」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードAに移行する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「171〜195」のいずれかであるときには、「モードB」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードBに移行する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「196〜201」のいずれかであるときには、「モードC」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードCに移行する制御が行なわれる。
第4選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードC>モードNという大小関係で設定されている。
図29(B)には、2R確変大当りとなり、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに選択される第5選択テーブルが示されている。第5選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA,モードC>モードNという大小関係で設定されている。
図29(C)には、2R確変大当りとなり、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに選択される第6選択テーブルが示されている。第6選択テーブルにおいては、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードC>モードB>モードNという大小関係で設定されている。
第4選択テーブル〜第6選択テーブルにおいては、移行先の演出モードとして、確変状態のときにのみ選択されるモードCが設定されているので、モードCに移行する演出が行なわれたときに、遊技者の期待感を高めることができる。
記憶された図柄停止時間が5秒であるときには、2R非確変大当りまたは小当りとなるときに使用される第3選択テーブルでは移行先演出モードとしてモードBの方がモードAよりも選択割合が高く、一方、2R確変大当りとなるときに使用される第6選択テーブルでは移行先演出モードとしてモードAの方がモードBよりも選択割合が高い。
また、記憶された図柄停止時間が6秒であるときには、2R非確変大当りまたは小当りとなるときに使用される第2選択テーブルでは移行先演出モードとしてモードAの方がモードBよりも選択割合が高く、一方、2R確変大当りとなるときに使用される第5選択テーブルでは移行先演出モードとしてモードBの方がモードAよりも選択割合が高い。
したがって、潜伏モードが開始されるときの演出モードとして、モードAまたはモードBが決定された場合には、潜伏モードとなったときの変動表示における図柄停止時間が5秒であるか6秒であるかに応じて、潜伏モードにおいて確変状態である割合が高いか否かの判断基準が異なる。たとえば、潜伏モードとなったときの変動表示における図柄停止時間が5秒であるときには、潜伏モードの開始時における演出モードがモードAであるときの方が、モードBであるときよりも、確変状態である割合が高い。一方、潜伏モードとなったときの変動表示における図柄停止時間が6秒であるときには、潜伏モードの開始時における演出モードがモードBであるときの方が、モードAであるときよりも、確変状態である割合が高い。
このように、潜伏モードの開始時における確変状態に対する期待度は、潜伏モードとなったときの変動表示における図柄停止時間と、潜伏モードの開始時における演出モードとの組合せにより異なる。これにより、当該図柄停止時間の長さにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。このような演出モードの種類と図柄停止時間との組合せにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるので、飾り図柄の停止時期にも遊技者の興味を向けさせることができる。これにより、演出モードを識別可能となる時期以外の時期に、遊技者の興味を向けさせることができる。さらに、遊技者にとっては、5秒、6秒というような図柄停止時間の長さを認識することは、たとえば確変状態となる旨の予告がなわれたことを認識する場合と比べると、認識しにくいものである。これにより、遊技者が、このような図柄停止時間の長さに基づいて特別遊技状態に制御されているか否かを確信しにくいので、このようなモードAまたはモードBの演出モードとなったときに、遊技者が常に確変状態であるか否かに対する興味を抱くようにすることができる。
図30は、演出制御用ROMに記憶された第7選択テーブル〜第9選択テーブルを示す図である。各選択テーブルにおいては、現在演出モードと、抽出されたランダムSR3の値と、移行先演出モードとの関係が設定されている。
図30(G)には、潜伏モードにおいて非確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が13秒であるときに選択される第7選択テーブルが示されている。たとえば、現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「1〜180」のいずれかであるときには、「移行なし」が決定され、演出モードがモードNを維持する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「181〜195」のいずれかであるときには、「モードA」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードAに移行する制御が行なわれる。現在演出モードがモードNのときに、抽出されたランダムSR3が「196〜201」のいずれかであるときには、「モードB」が移行先の演出モードとして決定され、演出モードがモードBに移行する制御が行なわれる。
第7選択テーブルにおいては、現在演出モードがモードNのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードN>モードA>モードBという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードAのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードNという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードBのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA>モードNという大小関係で設定されている。
図30(H)には、潜伏モードにおいて非確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに選択される第8選択テーブルが示されている。図30(I)には、潜伏モードにおいて非確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに選択される第9選択テーブルが示されている。
第8選択テーブルおよび第9選択テーブルのそれぞれにおいて、現在演出モードがモードNのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードN>モードA>モードBという大小関係で設定されている。
第8選択テーブルおよび第9選択テーブルのそれぞれにおいて、現在演出モードがモードAのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードNという大小関係で設定されている。また、現在演出モードがモードBのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA>モードNという大小関係で設定されている。
第8選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードAのときに移行先がモードBに決定される割合は、現在演出モードがモードBのときに移行先がモードAに決定される割合と比べて小さい。その理由は、現在が非確変状態時であるので、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに確変状態である割合が大きいモードBに移行する割合が大きいと、演出モードの移行状況と、現状の非確変状態との整合性が悪くなるからである。
一方、第9選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードBのときに移行先がモードAに決定される割合は、現在演出モードがモードAのときに移行先がモードBに決定される割合と比べて小さい。その理由は、現在が非確変状態時であるので、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに確変状態である割合が大きいモードAに移行する割合が大きいと、演出モードの移行状況と、現状の非確変状態との整合性が悪くなるからである。
第8選択テーブルおよび第9選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードAのときには、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。また、第8選択テーブルおよび第9選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードBのときには、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。
第8選択テーブルおよび第9選択テーブルにおいて現在演出モードがモードAのときに、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに、潜伏モードにおいてモードAとなっているときの方が、モードBとなっているときと比べて、非確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。同様に、第8選択テーブルおよび第9選択テーブルにおいて現在演出モードがモードBのときに、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに、潜伏モードにおいてモードBとなっているときの方が、モードAとなっているときと比べて、非確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。
図31は、演出制御用ROMに記憶された第10選択テーブル〜第12選択テーブルを示す図である。各選択テーブルにおいては、現在演出モードと、抽出されたランダムSR3の値と、移行先演出モードとの関係が設定されている。
図31(J)には、潜伏モードにおいて確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が13秒であるときに選択される第10選択テーブルが示されている。第10選択テーブルにおいては、現在演出モードがモードNのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードN>モードB>モードA,Cという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードAのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードN,Cという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードBのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA>モードN,Cという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードCのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードC>モードA>モードB,Cという大小関係で設定されている。
図31(K)には、潜伏モードにおいて確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに選択される第11選択テーブルが示されている。図31(L)には、潜伏モードにおいて確変状態時であり、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに選択される第12選択テーブルが示されている。
第11選択テーブルおよび第12選択テーブルのそれぞれにおいて、現在演出モードがモードNのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードN>モードB>モードA>モードCという大小関係で設定されている。
第11選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードAのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードB>モードC>モードNという大小関係で設定されている。一方、第12選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードAのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードA>モードC>モードB>モードNという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードAのときには、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードCに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。また、現在演出モードがモードAのときには、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。
第11選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードBのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードC>モードA>モードNという大小関係で設定されている。一方、第12選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードBのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードB>モードA>モードC>モードNという大小関係で設定されている。現在演出モードがモードBのときには、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードCに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。また、現在演出モードがモードBのときには、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるようにデータが設定されている。
第11選択テーブルおよび第12選択テーブルにおいて現在演出モードがモードAのときに、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードCに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに、潜伏モードにおいてモードAとなっているときの方が、モードBとなっているときと比べて、確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。同様に、第11選択テーブルおよび第12選択テーブルにおいて現在演出モードがモードBのときに、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードCに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに、潜伏モードにおいてモードBとなっているときの方が、モードAとなっているときと比べて、確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。
第11選択テーブルおよび第12選択テーブルにおいて現在演出モードがモードAのときに、記憶された図柄停止時間が6秒であるときの方が、5秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が6秒であるときに、潜伏モードにおいてモードAとなっているときの方が、モードBとなっているときと比べて、非確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。同様に、第11選択テーブルおよび第12選択テーブルにおいて現在演出モードがモードBのときに、記憶された図柄停止時間が5秒であるときの方が、6秒であるときよりも、モードNに移行する割合が大きくなるように移行先の選択割合を設定したのは、記憶された図柄停止時間が5秒であるときに、潜伏モードにおいてモードBとなっているときの方が、モードAとなっているときと比べて、非確変状態となっている確率が高いので、そのような制御状態に合わせた演出を行なうためである。
第11選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードCのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードC>モードB>モードA,Nという大小関係で設定されている。一方、第12選択テーブルにおいて、現在演出モードがモードCのときには、移行先モード(移行なしも含む)の選択割合が、モードC>モードA>モードB,Nという大小関係で設定されている。
図32は、演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図32に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図32に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、たとえばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間(たとえば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図33のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図33に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU56は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ32a、第1および第2始動口スイッチ13a,14a、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。以下において、ステップSは、単にSと呼ぶ。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行ない、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、たとえばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板31の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU56は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行なうために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU56は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器10における表示動作(たとえばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。普通図柄プロセス処理では、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときに、通常状態や第2確変状態であるときと比べて第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めるための設定や制御が行なわれる。たとえば、第1確変状態や時短状態であるときには、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動表示時間を通常状態や第2確変状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態や第2確変状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動時間を通常状態や第2確変状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態や第2確変状態のときよりも増加させる制御、あるいは、これらの制御の一部または全部を組み合わせて行なうための設定等が行なわれる。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU56は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板80等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O57に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理として、図33に示すS15において実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。図35および図36は、S101において実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図35および図36に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読出す(S201)。ここで、入力ポートレジスタは、たとえばI/O57に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値等が、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ13aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ14aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
S201において読出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が「1」であるか否かを判定する(S202)。このとき、ビット値が「1」であれば(S202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、たとえば1加算する等してカウントアップするように、更新する(S203)。これに対して、S202において「0」であると判定された場合には(S202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(S204)。
S203,S204の処理のいずれかを実行した後には、S201において読出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が「1」であるか否かを判定する(S205)。このとき、ビット値が「1」であれば(S205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、たとえば1加算する等してカウントアップするように、更新する(S206)。これに対して、S205において「0」であると判定された場合には(S205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(S207)。
S206,S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(たとえば「2」)に達したか否かを判定する(S208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(S208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(S209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(S210)。
S208において第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(S208;No)、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(S211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(S211;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(S211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(S212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(S213)。
S210,S213の処理のいずれかを実行した後、CPU56は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読出す(S214)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読出す。そして、S214における読出値が、所定の上限値(たとえば「4」)に達しているか否かを判定する(図36のS215)。このとき、S214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の変動表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。たとえば、図35に示すS208において第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、S215において読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の変動表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図35に示すS211において第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、S215において読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の変動表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、S215において読出値が上限値に達していないときには(S215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(S216)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(S217)。
S217の処理に続いて、CPU56は、始動口バッファ値に応じた始動データを、始動データ記憶部151Cにおける空き領域の先頭にセットして記憶させる(S218)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「第1」を示す始動データをセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、「第2」を示す始動データをセットする。そして、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを、抽出する(S219)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(S220)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる。
S220において乱数値を記憶した後には、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行なう(S221)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM54における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM54における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後に図33に示すS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
また、CPU56は、たとえばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行なう(S222)。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが、第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されるとともに、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが、第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されている場合には、S221,S222の処理として第1始動口入賞指定コマンドテーブルと第2始動口入賞指定コマンドテーブルのうち、始動口バッファ値に応じたコマンドテーブルの記憶アドレスだけを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すればよい。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後、図33に示すS17のコマンド制御処理が実行されること等により、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
S215において読出値が上限値に達している場合や(S215;Yes)、S222の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(S223)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S223;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S224)、図35に示すS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S223;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S225)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図35に示すS208において第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図35に示すS209,S210,S214の処理を実行してから、図36に示すS215〜S222の処理を実行した後、S223において始動口バッファ値が「1」であることに対応して、S224の処理を実行してから、図35に示すS211の処理に進む。そして、S211において第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図35に示すS212〜S214の処理を実行してから、図36に示すS215〜S222の処理を実行した後、S223において始動口バッファ値が「2」であることに対応して、S225の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図34に示すS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄、付属図柄等の変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果や、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かのリーチ決定結果等に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行なう処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。たとえば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行なわれる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行なわれる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行なう処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行なわれ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を「4」に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を「8」に更新する。さらに、大当りフラグおよび小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
S114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。このときには、たとえば大当り種別が「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「15R非確変」または「15R確変」であることに対応して15ラウンド大当り遊技状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」であることに対応して2ラウンド大当り遊技状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
S115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。
S116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行なう処理等が含まれている。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27、枠LED28および装飾LED25等といった演出用の電気部品(演出装置)により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して特別遊技状態あるいは通常状態に制御するための各種の設定を行なう処理等が含まれている。
S118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「8」のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったこと等に基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。このときには、たとえば変動表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
S119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「9」のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「10」のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27、枠LED28および装飾LED25等といった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図37は、図34のS110において実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値が「0」であるか否か、すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。このとき、合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば(S231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読出す(S232)。ここでは、始動データ記憶部151Cにおいて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読出せばよい。
S232の処理に続いて、たとえば合計保留記憶数カウント値を1減算すること等により、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにおいて保留番号「1」より下位のエントリ(たとえば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(S233)。そして、S232において読出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(S234)。
S234において始動データが「第1」であると判定された場合には(S234;第1)、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始する第1開始条件が成立したことに対応して、遊技制御バッファ設定部155に記憶される変動特図指定バッファ値を「1」に設定する(S235)。他方、S234において始動データが「第2」であると判定された場合には(S234;第2)、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始する第2開始条件が成立したことに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(S236)。
S235,S236の処理のいずれかを実行した後には、S232において読出した始動データに応じた特図保留記憶部から、保留データを読出す(S237)。たとえば、始動データが「第1」である場合には、第1特図保留記憶部151Aにおいて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読出す。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2特図保留記憶部151Bにおいて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読出す。
S237の処理に続いて、始動データに応じた保留記憶数カウント値を1減算するとともに、始動データに応じた特図保留記憶部において保留番号「1」より下位のエントリ(たとえば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(S238)。たとえば、始動データが「第1」である場合には、第1保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。
S238の処理に続いて、変動表示結果を「大当り」,「小当り」,「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、始動データに応じた特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(S239)。たとえば、始動データが「第1」であれば図11(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルとしてセットする一方で、始動データが「第2」であれば図11(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルとしてセットする。CPU56は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、所定の特定決定として、S237において読出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の変動表示結果に割当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、変動表示結果を「大当り」とするか否かを決定する(S240)。
S240において変動表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には(S240;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S241)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(S242)。そして、S237において読出した大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データに基づき、S242においてセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」という予め複数設定された大当り種別のいずれかに決定する(S243)。なお、S236の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131において「2R非確変」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2−1が割当てられていないことから、大当り種別が「2R非確変」に決定されることはない。こうして決定された大当り種別に対応して、たとえば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を更新すること等により、決定された大当り種別を記憶させる(S244)。一例として、大当り種別が「15R非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「15R確変」であれば「1」とし、「2R非確変」であれば「2」とし、「2R確変」であれば「3」とすればよい。
S240において変動表示結果を「大当り」としない旨の決定がなされた場合には(S240;No)、S237において読出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「小当り」の変動表示結果に割当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、変動表示結果を「小当り」とするか否かを決定する(S245)。そして、「小当り」とする決定がなされたときには(S245;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S246)。
S244,S246の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(S247)。一例として、S245において変動表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合には、変動表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、S245において変動表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた場合には、変動表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S240において変動表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には、S243における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」,「3」,「5」,「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「15R非確変」とする決定結果に応じて、15R非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「15R確変」とする決定結果に応じて、15R確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「2R非確変」とする決定結果に応じて、2R非確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「2R確変」とする決定結果に応じて、2R確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S247において確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である「1」に更新してから(S248)、特別図柄通常処理を終了する。また、S231において合計保留記憶数が「0」である場合には(S231;Yes)、所定のデモ表示設定を行なってから(S249)、特別図柄通常処理を終了する。S249におけるデモ表示設定では、たとえば演出表示装置9において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、たとえばROM54における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすること等により、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行なう。こうして設定された客待ちデモ指定コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後に図33に示すS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
図38は、図34のS111において実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(S261;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(S262)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態から特定すればよい。
S261において大当りフラグがオフである場合には(S261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(S263)。このとき、小当りフラグがオンであれば(S263;Yes)、小当り変動パターン種別決定テーブル134を選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(S264)。
S263において小当りフラグがオフである場合には(S263;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに基づき、図13(D)に示すテーブル選択設定にしたがい、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するための使用テーブルとして、リーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれかを選択してセットする(S265)。このときには、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読取ること等により、合計保留記憶数を特定する(S266)。続いて、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタ等から、リーチ決定用の乱数値MR2−2を抽出する(S267)。そして、S267において抽出したリーチ決定用の乱数値MR2−2に基づき、S265においてセットしたリーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を決定し(S268)、その決定結果がリーチ状態ありとするものであるか否かを判定する(S269)。
S269において変動表示状態をリーチ状態とする決定結果であると判定された場合には(S269;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(S270)。これに対して、変動表示状態をリーチ状態としない決定結果である場合には(S269;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(S271)。
S262,S264,S270,S271の処理のいずれかを実行した後には、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタ等から、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を抽出する(S272)。そして、S272において抽出した変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、S262,S264,S270,S271のいずれかにおいてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(S273)。なお、S262において大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択してセットした場合には、S273の処理を実行する際に、たとえば大当り種別バッファ値等に基づいて大当り種別が「15R非確変」,「15R確変」,「2R非確変」,「2R確変」のいずれに決定されたかを特定し、特定された大当り種別に応じて変動パターン種別の決定が行なわれるようにすればよい。また、S264において小当り変動パターン種別決定テーブル134を選択してセットした場合には、S273の処理を実行する際に、たとえば確変フラグや時短フラグの状態からパチンコ遊技機1における遊技状態を特定し、特定された遊技状態に応じて変動パターン種別の決定が行なわれるようにすればよい。S270においてリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットした場合や、S271において非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットした場合には、S268におけるリーチ状態の有無の決定結果に応じて変動パターン種別の決定が行なわれるようにすればよい。
ここで、S272,S273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタ等によって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、S272,S273の処理では、S268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、S273の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行なうようにすればよい。
こうしてS273において変動パターン種別が決定された後には、変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの決定結果(事前決定結果)、あるいは、S273において決定された変動パターン種別に応じて、図18に示す当り変動パターン決定テーブル137および図19に示すハズレ変動パターン決定テーブル138のいずれかを選択し、変動パターンを予め複数用意された変動パターンのいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(S274)。続いて、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタ等から、変動パターン決定用の乱数値MR4を抽出する(S275)。そして、S275において抽出した変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、S274においてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S276)。
ここで、S275,S276の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタ等によって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。また、S275,S276の処理では、S268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、S276の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
このようなS276における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームとのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行なう(S278)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。
S278の処理を実行した後には、特別図柄の変動表示開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行なう(S279)。たとえば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
こうしたS279での設定を行なった場合には、変動パターン設定処理が終了してから図33に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板31から演出制御基板80に対して、各種の演出制御コマンドが順次に送信されることになる。図39は、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示を開始する際に、主基板31から演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信する動作の一例を示すタイミング図である。特図ゲームを開始するための開始条件が成立したときには、図38に示すS279による送信設定に基づき、図33に示すS17のコマンド制御処理が実行されることにより、CPU56においてタイマ割込みが発生するごとに、遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、たとえば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順で送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である「2」に更新してから(S280)、変動パターン設定処理を終了する。
図40は、図34のS113において実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(S291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(S292)。たとえば、S292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
S292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行なう(S293)。たとえば、S293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(S294)。また、第1確変状態または第2確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了するための設定を行なう(S295)。たとえば、S295では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理等が実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「4」に更新してから(S296)、特別図柄停止処理を終了する。
S291において大当りフラグがオフである場合には(S291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(S297)。このとき、小当りフラグがオンであれば(S297;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(S298)。たとえば、S298の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、S293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行なう(S299)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(S300)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である「8」に更新する(ステップ301)。
S297において小当りフラグがオフである場合には(S297;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化する(S302)。S301,S302の処理のいずれかを実行した後には、第1確変状態または第2確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了させるか否かの判定を行なってから(S303)、特別図柄停止処理を終了する。たとえば、S303の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、たとえば1減算する等して更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(たとえば「0」等)と合致するか否かの判定を行なう。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすること等により、時短制御を終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、S303の処理を終了すればよい。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている第1確変状態については、次に変動表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行なわれるようにしてもよい。あるいは、第1確変状態でも時短制御を終了するか否かの判定を行ない、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了するときには、確変制御もあわせて終了することにより通常状態となるようにしてもよいし、確変制御については、次に変動表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させて第2確変状態となるようにしてもよい。
また、S303の処理では、たとえば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM54等に格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したこと等により、確変制御を終了するか否かの判定を行なうようにしてもよい。これに対して、S303の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に変動表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、たとえば図37に示すS231において合計保留記憶数カウント値が「0」以外の値であると判定した後、S240において変動表示結果を「大当り」とするか否かを決定(事前決定)するより前に、実行されるようにしてもよい。
図41(A)は、図34のS117において実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図41(A)に示す大当り終了処理において、CPU56は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S311)。一例として、図34に示すS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を「7」に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、S311の処理では、たとえば遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(たとえば「0」等)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。S311において大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(S311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、S311において大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(S311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読出す(S312)。続いて、S312において読出した大当り種別バッファ値である大当り種別バッファ読出値に応じた遊技状態の制御を開始するための設定を行なう(S313)。図41(B)は、S313での設定例を示す説明図である。図41(B)に示すように、大当り種別バッファ読出値が「0」であるときには、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行なう。このとき、たとえばCPU56は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(たとえば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。大当り種別バッファ読出値が「1」であるときには、遊技状態を第1確変状態とする制御を開始するための設定を行なう。このとき、たとえばCPU56は、確変フラグおよび時短フラグをともにオン状態にセットする。大当り種別バッファ読出値が「2」であるときには、遊技状態を通常状態とする制御を開始するための設定を行なう。このとき、たとえばCPU56は、確変フラグおよび時短フラグをともにオフ状態に維持する。大当り種別バッファ読出値が「3」であるときには、遊技状態を第2確変状態とする制御を開始するための設定を行なう。このとき、たとえばCPU56は、確変フラグをオン状態にセットする一方で、時短フラグをオフ状態に維持する。
S313における設定を行なった後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化してから(S314)、大当り終了処理を終了する。
図42は、図33のS16において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S131)。遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態となった場合には(S131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(S132)。他方、ゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態である場合には(S131;No)、S132の処理をスキップする。
S132において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。すなわち、まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、たとえばCPU56が、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタ等により更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値MR5を示す数値データを保留データとして、普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットする。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、S131においてゲートスイッチ13aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS140〜S144の各処理を実行する。
S140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データに基づき、図11(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cを参照して、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの決定等が行なわれる。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が第1確変状態または時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、乱数値MR5と比較される決定値が普図表示結果に割当てられている。これにより、第1確変状態や時短状態では、通常状態や第2確変状態に比べて普図表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が拡大開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行なわれる。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、第1確変状態または時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも普図変動時間が短くなるように設定されている。これにより、第1確変状態や時短状態では、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が拡大開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。加えて、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図変動時間の決定割合が異なるように設定されている。これにより、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、普図変動時間からある程度まで遊技者が認識できるように示唆することができる。
さらに、普通図柄判定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口14を拡大開放状態とする開放時間および開放回数からなる傾動制御時間を設定してもよい。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、第1確変状態または時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも開放時間が長時間で開放回数が多数回となるように設定されている。これにより、第1確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、第2始動入賞口14が拡大開放状態となる時間が長くなるとともに開放回数が多くなることで、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。加えて、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、開放時間および開放回数の決定割合が異なるように設定されている。これにより、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、開放時間および開放回数の組合せからある程度まで遊技者が認識できるように示唆することができる。なお、傾動制御に関する設定は、S143の普通図柄停止処理やS144の普通電動役物作動処理において行なうようにしてもよい。
S142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおいて普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、S143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の変動表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示結果を停止表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の変動表示結果を停止表示させるための設定は、S142の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に、行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、たとえば普通可変入賞球装置15が備える可動翼片に連結された普通電動役物用のソレノイド16を駆動するための普電作動パターンの設定といった、可動翼片を傾動位置とする傾動制御のための設定を行なってから、普図プロセスフラグの値が「4」に更新される。
S143の普通図柄停止処理において普電作動パターンを設定する場合には、S141の普通図柄判定処理で決定された普図表示結果に対応する普電作動パターンを選択することにより、普図表示結果に応じて異なる開放時間および開放回数が設定されるようにすればよい。あるいは、S142において普電作動パターンを設定するときに、時短フラグがオンであるか否かを判定して、判定結果に対応した普電作動パターンを設定してもよい。この場合、普通図柄の変動表示を開始するときには、たとえば大当り遊技状態であること等に対応して時短フラグがオフであったものの、普通図柄の変動表示結果が停止表示されるときには、大当り遊技状態の終了後に第1確変状態や時短状態となったことに対応して時短フラグがオンとなっている場合に、第1確変状態や時短状態において普図表示結果が「普図当り」となったことに対応した第2始動入賞口14の開放時間や開放回数を設定することができる。これにより、たとえば第1確変状態や時短状態となる以前に普通図柄の変動表示が開始されたために第1確変状態や時短状態となってから普図表示結果が「普図当り」となっても第2始動入賞口14に遊技球が進入しがたくなってしまうことを防止できる。S143の普通図柄停止処理において、普図表示結果が「普図ハズレ」であると判定された場合には、普図プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化する。
S144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置15が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口14を通常開放状態から拡大開放状態に変化させる傾動制御の設定等が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S143の普通図柄停止処理においてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用のソレノイド16を駆動するための駆動制御信号の生成が行なわれるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用のソレノイド16を駆動して第2始動入賞口14を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した傾動制御時間(開放時間)に達したか否かの判定が行なわれる。そして、経過時間が傾動制御時間に達した場合には、普通電動役物用のソレノイド16の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口14を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行なう。そして、第2始動入賞口14を拡大開放状態とする傾動回数が普電作動パターンに対応した開放回数に達したときには、普図プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化すればよい。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。図43は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が起動し、図43のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図43に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(S401)、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。
その後、演出用乱数更新処理が実行され(S402)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御カウンタ設定部193等に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S403)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、たとえば図7に示す入力ポート103のうちで、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とを順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S403においてタイマ割込みフラグがオフであれば(S403;No)、S402の処理に戻る。他方、S403においてタイマ割込みフラグがオンである場合には(S403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S404)、コマンド解析処理を実行する(S405)。S405において実行されるコマンド解析処理では、たとえば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
S405においてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S406)。この演出制御プロセス処理では、たとえば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、枠LED28および装飾LED25における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
図44は、図43に示すS405におけるコマンド解析処理内で実行される遊技状態記憶処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す遊技状態記憶処理は、主基板31から演出制御基板80へと伝送された遊技状態指定コマンドで示された遊技状態を、演出制御基板80の側で記憶して演出制御用CPU101等により特定可能とする処理である。
図44に示す遊技状態記憶処理において、演出制御用CPU101は、まず、遊技状態指定コマンドの受信があるか否かを判定する(S451)。このとき、遊技状態指定コマンドの受信がなければ(S451;No)、そのまま遊技状態記憶処理を終了する。これに対して、遊技状態指定コマンドの受信があれば(S451;Yes)、その遊技状態指定コマンドにおける2バイト目のEXTデータを抽出する(S452)。そして、S452において抽出したEXTデータを演出制御バッファ設定部194等に設けられた遊技状態バッファに記憶させてから(S453)、遊技状態記憶処理を終了する。こうして、S453の処理による遊技状態バッファの記憶内容から、演出制御基板80の側においてパチンコ遊技機1の遊技状態が複数種類のいずれであるかを特定することが可能になる。
図45は、図43のS406において実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図45に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、たとえば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS160〜S166の処理のいずれかを選択して実行する。
S160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板31から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおける飾り図柄の変動表示や、第1付属図柄表示器9aあるいは第2付属図柄表示器9bにおける付属図柄の変動表示を、開始するか否かの判定を行なう処理等が含まれている。また、飾り図柄変動開始待ち処理においては、後述するような演出モードの移行に応じて背景画像を変更する処理も行なわれる場合がある。飾り図柄変動開始待ち処理において、変動表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が「1」に更新される。
S161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄や付属図柄の変動表示を含めた各種の演出動作を行なうために、変動パターンや変動表示結果等に応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄、予告演出の有無、予告パターン等を決定し、その決定結果に応じて、予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択して設定する処理等が含まれている。こうした決定や設定等が行なわれた後には、演出プロセスフラグの値が「2」に更新される。
S162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、たとえば演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値等に対応して、使用パターンとなる演出制御パターン等から各種の制御データを読出して、飾り図柄の変動表示中における各種の演出制御を行なうための処理が含まれている。そして、たとえば演出制御プロセスタイマ値が所定の変動表示終了値(たとえば「0」)となったこと、あるいは、主基板31から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御プロセスタイマ値が変動表示終了値となったことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が「3」に更新される。
S163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板31から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される変動表示結果が「大当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が「4」に更新され、変動表示結果が「小当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が「5」に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、変動表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が「0」に更新される。
S164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、たとえば変動表示結果が「大当り」となったこと等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28および装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、たとえば主基板31から伝送される当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が「6」に更新される。
S165の小当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この小当り制御中演出処理には、たとえば変動表示結果が「小当り」となったこと等に対応した各種演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28および装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。一例として、S165の小当り制御中演出処理では、図22に示す各種演出制御パターンCST2−2、CRE1−1を順次に使用する演出制御パターンとして選択して、各種演出制御パターンテーブル182から読出し、演出制御プロセスタイマの設定を行なう。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読出した制御データにしたがい、演出動作を制御するための各種設定等を行なうようにすればよい。こうした設定によって実行される演出動作は、大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」となった場合にも実行されることがある2R大当り・小当り共通の演出動作であればよい。そして、たとえば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が「6」に更新される。
S166のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了すること等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28および装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が「0」に更新される。また、エンディング演出処理においては、後述するような演出モードの移行に応じて背景画像を変更する処理も行なわれる場合がある。このときには、たとえば図3に示す演出モードの移行例にしたがい、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了に対応した演出モードの設定が行なわれればよい。
図46は、図45のS160において実行される飾り図柄変動開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す飾り図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドといった、主基板31から伝送される変動開始コマンドの受信があるか否かを判定する(S501)。このとき、第1変動開始コマンドおよび第2変動開始コマンドをいずれも受信していなければ(S501;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(S502)。なお、デモ表示中フラグは、後述するS506の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、S512,S516の処理のいずれかが実行されたときにクリアされてオフ状態となる。
S502においてデモ表示中フラグがオフである場合には(S502;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(S503)。なお、デモ表示設定フラグは、主基板31から伝送される客待ちデモ指定コマンドを受信したときや、後述するS513の処理が実行されたときに、オン状態となる。その一方で、デモ表示設定フラグは、S505,S518の処理のいずれかが実行されたときにクリアされてオフ状態となる。S503においてデモ表示設定フラグがオフであれば(S503;No)、演出プロセスフラグの値が「0」に更新されてから客待ちデモ指定コマンドの受信がないことから、デモ画面を表示するための設定が行なわれず、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
S503においてデモ表示設定フラグがオンである場合には(S503;Yes)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(S504)。ここで、デモ表示待ち時間は、変動表示結果が「ハズレ」となる飾り図柄の変動表示が終了したことや、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したことに基づき、主基板31から伝送された客待ちデモ指定コマンドを受信したタイミングから、デモンストレーション画像によるデモ画面の表示を演出表示装置9において開始させるまでの待機時間として予め設定された時間であればよい。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(S504;No)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
S504においてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(S504;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(S505)、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(S506)。続いて、デモ画面表示を開始させるための設定を行なう(S507)。一例として、演出制御用CPU101は、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信する等して、演出表示装置9における表示を初期化させる。また、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたROMから、所定のデモ表示用演出制御パターンを読出し、デモ画面表示中における演出動作を制御するための使用パターンとしてセットする。
S502においてデモ表示中フラグがオンである場合(S502;Yes)、または、S507の処理を実行した後には、デモ画面表示指令処理を実行する(S509)。このデモ画面表示指令処理において、演出制御用CPU101は、たとえば演出制御プロセスタイマを更新し、S507においてセットしたデモ表示用演出制御パターンから、更新後の演出制御プロセスタイマ値に応じた制御データ(たとえば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ等)を読出し、その制御データに対応する各種指令を作成して、VDP109や音声出力基板70、ランプドライバ基板35等に対して伝送させればよい。
S509においてデモ画面表示指令処理を実行した後には、デモ表示期間が終了したか否かを判定する(S510)。このとき、デモ表示期間が終了していなければ(S510;No)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。これに対して、デモ表示期間が終了した場合には(S510;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行なう(S511)。一例として、演出制御用CPU101は、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信する等して、演出表示装置9における表示を初期化させる。また、演出制御用CPU101は、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットしてもよい。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(S512)、デモ表示設定フラグをオン状態にセットしてから(S513)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
S501において変動開始コマンドの受信があると判定された場合には(S501;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(S514)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(S514;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行なう(S515)。一例として、演出制御用CPU101は、S515の処理において、S511の処理と同様に、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信する等して、演出表示装置9における表示を初期化させる。その一方で、S515の処理においては、S511の処理とは異なり、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットする必要はない。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(S516)。
S514においてデモ表示中フラグがオフである場合や(S514;No)、S516の処理を実行した後には、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(S517)。このとき、デモ表示設定フラグがオンであれば(S517;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする(S518)。S517においてデモ表示設定フラグがオフである場合や(S517;No)、S518の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動設定処理に対応した値である「1」に更新してから(S519)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
図47は、図45のS161において実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば変動表示結果通知コマンドのEXTデータを読取ること等により、変動表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(S531)。このとき、変動表示結果が「ハズレ」であれば(S531;Yes)、たとえば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(S532)。
S532において非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S532;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S533)。S533の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用ROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の飾り図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。このように非リーチ組合せを構成する最終停止図柄を決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(15R確変大当り図柄の組合せ、15R非確変大当り図柄の組合せ、2R大当り図柄の組合せ(この実施形態では小当り図柄の組合せと同じ))と一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このような停止図柄の決定を行なうことにより、確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとなることを防止できる。
S532において非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S532;No)、リーチハズレ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S534)。S534の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用ROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成するたとえば左,右の飾り図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄がたとえば中飾り図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このような停止図柄の決定を行なうことにより、確定飾り図柄の組合せが大当り組合せとなることを防止できる。
S531において変動表示結果が「ハズレ」以外である場合には(S531;No)、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」または「15R確変」となる15ラウンド大当りであるか否かを判定する(S535)。このとき、15ラウンド大当りではないと判定されれば(S535;No)、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」または「2R確変」となる2ラウンド大当りである場合、または、変動表示結果が「小当り」である場合に対応して、飾り図柄の変動表示結果となる最終停止図柄の組合せを決定する(S536)。S536の処理では、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用ROMに記憶された2回開放チャンス目決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する2回開放チャンス目を、「2R非確変」、「2R確変」または「小当り」の図柄の組合せを構成する左,中,右の飾り図柄の最終停止図柄の組合せとして決定する。2回開放チャンス目決定用データテーブルでは、複数種類の2回開放チャンス目のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S535において15ラウンド大当りであると判定された場合には(S535;Yes)、大当り種別が「15R非確変」であるか否かを判定する(S537)。そして、大当り種別が「15R確変」であり、「15R非確変」ではない場合には(S537;No)、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄の組合せを決定する(S538)。S538の処理では、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用ROMに記憶された確変大当り図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左図柄,中図柄,右図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を構成する左,中,右の飾り図柄の最終停止図柄の組合せとして決定する。確変大当り図柄決定用データテーブルでは、複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。
また、大当り種別が「15R非確変」である場合には(S5437Yes)、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S539)。S539の処理では、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用ROMに記憶された確変大当り図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)(たとえば、左図柄,中図柄,右図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せ)を構成する左,中,右の飾り図柄の最終停止図柄の組合せとして決定する。非確変大当り図柄決定用データテーブルでは、複数種類の非確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S533,S534,S536,S538,S539の処理のいずれかを実行した後には、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて特定される変動パターン種別が、「2R確変」、「2R非確変」、または「小当り」に対応するものである否かを判定する(S541)。これらのうちいずれかに対応するものでないときは、後述するS546に進む。一方、これらのうちいずれかに対応するものであるときは、変動パターン種別に応じて、停止時間テーブルを選択する(S542)。S542では、変動パターン種別が「2R確変」に対応するものであるときは、図23(A)の2R確変時停止時間テーブルを選択し、変動パターン種別が「2R非確変」または「小当り」に対応するものであるときは、図23(B)の2R非確変時・小当り時停止時間テーブルを選択する。
次に、図柄停止時間決定用の乱数値SR2を抽出し(S543)、抽出したSR2の数値データに対応する図柄停止時間(飾り図柄の前述した図柄停止時間)を、S542により選択されたテーブルから選択して決定する(S544)。そして、S544により決定された図柄停止時間を特定するデータを、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けられた図柄停止時間記憶領域に記憶し(S545)、S546に進む。これにより、「2R確変」、「2R非確変」、または「小当り」になるときの変動表示の際に決定された図柄停止時間のデータが、当該変動表示後においても使用可能となる。具体的に、記憶された図柄停止時間は、後述するS626における演出モードの移行判定、および、S640における演出モードの移行判定において用いられる。
S546では、移行演出設定処理を実行する(S546)。移行演出設定処理では、演出モードの移行に関する演出を設定するための処理を行なう。
図48は、図39のS546で実行される移行演出設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、まず、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて特定される変動パターン種別が、「2R確変」、「2R非確変」、または、「小当り」に対応するものである否かを判定する(S601)。これらのうちいずれかに対応するものであるときは、第1モード移行設定処理を実行し(S602)、処理を修了する。一方、これらのうちいずれかに対応するものでないときは、第2モード移行設定処理を実行し(S603)、処理を修了する。
図49は、図48のS602において実行される第1モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す第1モード移行設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば遊技状態バッファの記憶内容等から、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態および第2確変状態のうちいずれであるかを特定する(S621)。また、たとえば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出モードバッファの記憶内容等から、現在の演出モードがモードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNのうちいずれであるかを特定する(S622)。ここで、演出モードバッファは、現在の演出モードと対応付けられた格納値が設定されること等により、現在の演出モードを特定可能に記憶できるものであればよい。また、図柄停止時間記憶領域に記憶された図柄停止時間を特定するデータに基づいて、今回の潜伏モードの開始時の図柄停止時間を特定する(S623)。
そして、図48のS601において判定した変動表示結果と、S623で特定した図柄停止時間とに基づいて、図28および図29に示す第1選択テーブル〜第6選択テーブルのうちいずれかを、モード移行先を決定するためのテーブルとして選択する(S624)。たとえば、変動表示結果が「2R確変」以外であり、図柄停止時間が13秒であるときには、第1選択テーブルを選択する。
次に、演出モード決定用の乱数値SR3を抽出し(S625)、S624で選択したテーブルを用い、抽出したSR3の数値データに基づいて、演出モードを移行するか否か、および、移行するときの移行先の演出モードについて判定をし(S626)、判定結果を特定するデータを、RAMに設けられた第1モード移行設定領域に記憶し(S627)、処理を終了する。これにより、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるときにおける当り遊技終了後の演出モードの移行先が設定される。
図50は、図48のS603において実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図50に示す第2モード移行設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば遊技状態バッファの記憶内容等から、パチンコ遊技機1における遊技状態が、通常状態、時短状態、第1確変状態および、第2確変状態のうちいずれであるかを特定する(S631)。また、たとえば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出モードバッファの記憶内容等から、現在の演出モードがモードA、モードB、モードC、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかを特定する(S632)。
次に、S632で特定された演出モードがモードJであるか否かを判定する(S633)。ここで、図2に示すように、モードJの演出モードは、「15R非確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に時短状態となったことに対応して制御される演出モードである。したがって、演出モードがモードJである場合には(S633;Yes)、S631で特定された遊技状態に基づき、時短状態が終了したか否かを判定する(S634)。このとき、時短状態が終了していれば(S634;Yes)、演出モードをモードNに移行させるモード移行を実行する旨の決定をする(S635)。一方、S624で時短状態が終了していない場合や(S624;No)、S635の処理を実行した後には、第2モード移行設定処理を終了する。
S633で演出モードがモードJではないと判定された場合には(S633;No)、演出モードがモードKであるか否かを判定する(S636)。ここで、図2に示すように、モードKの演出モードは、「15R確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に第1確変状態となったことに対応して制御される演出モードである。そして、次に可変表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に継続して制御される場合には、飾り図柄の変動表示を開始する際にモード移行を行う必要がない。したがって、演出モードがモードKである場合には(S636;Yes)、モード移行設定処理を終了する。なお、変動表示結果が「大当り」となる以前に第1確変状態が終了することもあるように設定された場合には、S631で特定された遊技状態に基づき、第1確変状態が終了したか否かの判定を行ない、終了していればモードNの演出モードに移行させるモード移行を実行すればよい。
S636でモードKの演出モードではないと判定された場合には(S636;No)、図柄停止時間記憶領域に記憶された図柄停止時間を特定するデータに基づいて、今回の潜伏モードの開始時の図柄停止時間を特定する(S637)。
そして、S631において特定した遊技状態と、S633で特定した図柄停止時間とに基づいて、図27および図28に示す第7選択テーブル〜第12選択テーブルのうちいずれかを、モード移行先を決定するためのテーブルとして選択する(S638)。たとえば、遊技状態が「非確変状態」であり、図柄停止時間が13秒であるときには、第7選択テーブルを選択する。
次に、演出モード決定用の乱数値SR3を抽出し(S639)、S638で選択したテーブルを用い、S632で特定した現在の演出モードと、抽出したSR3の数値データとに基づいて、前述のような判定方法により、演出モードを移行するか否か、および、移行するときの移行先の演出モードについて判定をする(S640)。そして、S640による判定およびS635による決定がされた後値には、S640による判定結果およびS635による決定結果を特定するデータを、RAMに設けられた第2モード移行設定領域に記憶し(S642)、処理を終了する。これにより、2R確変大当り、2R非確変大当り、および、小当り以外の変動表示結果となるときにおける変動表示終了後の演出モードの移行先が設定される。
次に、図39の説明に戻る。以上のような第1モード移行設定処理(S602)および第2モード移行設定処理(S603)を含む移行演出設定処理が実行された後は、演出制御パターンを予め複数用意された演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S547)。このとき、演出制御用CPU101は、たとえば変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に対応して、図柄変動制御パターンテーブル185に複数格納された図柄変動制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、S547において、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当り以外となる変動表示が行なわれるときには、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応する変動時間のうち、各変動パターン指定コマンドに対応して予め定められた図柄停止時間に基づいて、飾り図柄が仮停止するタイミングを設定する。たとえば、変動時間が30秒のときにおいて、図柄停止時間が2秒であれば、変動開始から28秒後に飾り図柄が仮停止状態となるように制御するための制御データを設定する。S547において、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなる変動表示が行なわれるときには、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応する変動時間のうち、S544により決定され、S545により記憶された図柄停止時間に基づいて、飾り図柄が仮停止するタイミングを設定する。
また、S547においては、たとえば第1モード移行設定処理(S602)または第2モード移行設定処理(S603)において判定されて設定された移行先の演出モードに対応して、モード移行演出制御パターンテーブル181に複数格納されたモード移行演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
このようにセットされたモード移行演出制御パターンは、たとえば、図4および図5に示すような、背景画像を、移行前のモードに対応した背景画像から移行後のモードに対応した背景画像に移行(変更、切替)する演出制御パターンである。
第1モード移行設定処理において演出モードを移行する設定がされたときは、大当り遊技状態の終了後に演出モードを移行する表示をするために、図45でのS166のエンディング演出処理において、S547でセットされていたモード移行演出制御パターンを用いて、背景画像を移行する演出制御が実行される。
また、第2モード移行設定処理において演出モードを移行する設定がされたときは、変動表示の終了後に演出モードを移行する表示をするために、図45でのS160の飾り図柄変動開始待ち処理において、S547でセットされていたモード移行演出制御パターンを用いて、背景画像を移行する演出制御が実行される。なお、第2モード移行設定処理において演出モードを移行する設定がされたときには、変動表示の終了後ではなく、変動表示中に背景画像を移行する演出制御を実行してもよい。そのようにすれば、変動表示中における遊技者の興趣を向上させることができる。
S547の処理に続いて、たとえば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S548)。そして、演出表示装置9における飾り図柄の変動を開始させるための設定を行なう(S549)。このときには、たとえばS547において使用パターンとして決定された図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること等により、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である「2」に更新してから(S550)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図51は、図45のS162において実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば演出制御プロセスタイマ値を更新(たとえば1減算)してから(S561)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにおいて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行なう(S562)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(S562;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
S562においてタイマ判定値と合致した場合には(S562;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(たとえば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データの一部または全部)または終了コードを読出す(S563)。ここで、S562の処理で演出制御パターンにおいて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、S563の処理において読出すようにすればよい。そして、S563において終了コードが読出されたか否かの判定を行なう(S564)。このとき、終了コードではないと判定されれば(S564;No)、S563において読出された演出制御実行データにしたがった演出動作の制御を実行してから(S565)、飾り図柄変動中処理を終了する。たとえば、S565の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板70に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプドライバ基板35に対して行なうこと、可動部材データが指定するモータ駆動信号をモータ86に対して伝送させることのうち、一部または全部が順次にまたは並行して(1つの動作のみであれば単独で)行なわれればよい。
S564において終了コードであると判定された場合には(S564;Yes)、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄の揺れ変動表示を行なうように左,中,右の3つの飾り図柄を仮停止表示させる(S564A)。つまり、前述したS547により、図柄停止時間に応じて設定された仮停止時間の開始タイミングに終了コードが対応付けられており、仮停止時間の開始タイミングとなったときには、左,中,右の3つの飾り図柄を仮停止表示させる。そして、たとえば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定すること等により、当り開始指定コマンド受信待ち時間(前述の図柄停止時間以上の所定の時間)の設定を行なう(S566)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である「3」に更新してから(S567)、飾り図柄変動中処理を終了する。
図52は、図45のS163において実行される飾り図柄変動終了時処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す飾り図柄変動終了時処理において、演出制御用CPU101は、まず、飾り図柄停止コマンドを受信したか否かを確認するために、飾り図柄停止コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。飾り図柄停止コマンド受信フラグがセットされているときは、飾り図柄停止コマンド受信フラグをリセットし(S852)、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて仮停止状態にある飾り図柄の全図柄を最終停止させ(S853)、処理を終了する。これにより、飾り図柄が仮停止状態となった後、飾り図柄停止コマンドを受信したときに、飾り図柄の表示結果を確定する全図柄停止の処理が行なわれる。飾り図柄停止コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で変動時間が経過したと判断したときに送信されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100において、飾り図柄停止コマンドの受信に応じて全図柄停止を行なうことにより、変動表示においては、図25に示すような図柄停止時間の経過時に飾り図柄の表示結果が確定することとなる。一方、S851で飾り図柄停止コマンド受信フラグがセットされていないとき、すなわち、飾り図柄停止コマンドの受信に応じて飾り図柄停止コマンド受信フラグがリセットされているときは、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(S854)。ここで、当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図51に示すS566の処理で設定される時間である。S854において当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(S854;No)、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定することにより、否主基板31から伝送される当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(S855)。このとき、当り開始指定コマンドの受信がなければ(S855;No)、飾り図柄変動終了時処理を終了する。
S855において当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていることにより当り開始指定コマンドの受信があったと判定された場合には(S855;Yes)、当り開始指定コマンド受信フラグをリセットし(S856)、各種演出制御パターンテーブル182に複数格納された各種演出制御パターンのうちで、大当り遊技状態の開始を報知するために用意された各種演出制御パターンCST1−1、各種演出制御パターンCST1−2、各種演出制御パターンCST2−1のうちいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする(S583)。このときには、たとえば変動表示結果通知コマンドから特定された大当り種別等に基づき、各種演出制御パターンCST1−1、各種演出制御パターンCST1−2、各種演出制御パターンCST2−1のいずれを使用パターンとするかが決定されればよい。
その後、たとえばS857において選択した各種演出制御パターン等に含まれる演出制御実行データを読出す(S858)。続いて、S858において読出された演出制御実行データにしたがった当り報知動作の制御を実行する(S859)。たとえば、S859の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板70に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプドライバ基板35に対して行なうこと、可動部材データが指定するモータ駆動信号をモータ86に対して伝送させることのうち、一部または全部が順次にまたは並行して(1つの動作のみであれば単独で)行なわれればよい。これにより、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示や、スピーカ27からの音声や効果音の出力動作、枠LED28および装飾LED25等の発光体における点灯動作、可動部材78の移動動作等により、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となって、遊技状態が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されることを報知できる。
S859の処理に続いて、演出プロセスフラグの値を大当り制御中演出処理に対応した値である「4」に更新してから(S860)、飾り図柄変動終了時処理を終了する。また、S854において当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したと判定された場合には(S854;No)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化してから(S861)、飾り図柄変動終了時処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される各種の演出動作の具体例について説明する。演出制御基板80では、第1または第2の開始条件が成立したことに基づき、主基板31から伝送された第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信する。これに対応して、変動パターン指定コマンドにおいて指定された変動パターン等に基づき、たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が図47に示すS547において所定の表示制御指令をVDP109へと伝送させる。こうしてたとえば図58(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて、飾り図柄の変動が開始される。
2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100において、飾り図柄の図柄停止時間が選択決定されてRAMに記憶される。そして、「2R確変」の大当り種に基づく2ラウンド大当り遊技状態の終了後、「小当り」の変動表示結果に基づく小当り遊技状態の終了後には、潜伏モードとなり、演出モードがモードA,モードB,モードC,モードNのうちいずれかのモードとされる。このときの演出モードは、確変状態となるか否か、および、記憶された図柄停止時間を含む情報に応じて、選択決定される。これにより、潜伏モードへの突入時における遊技者の興味をこのような図柄停止時間に引き付けることができるようになる。
その後、潜伏モードにおいては、変動表示が実行されるごとに演出モードを移行させるか否かの判定が行なわれ、演出モードがモードA,モードB,モードC,モードNの範囲内で移行し得る。このときの演出モードは、確変状態であるか否か、および、記憶された図柄停止時間を含む情報に応じて、選択決定される。これにより、潜伏モードにおける遊技者の興味をこのような図柄停止時間に引き付けることができるようになる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、図38に示すS273の処理において、たとえば図14〜図17に示す変動パターン種別決定テーブルのいずれかを用いて、変動パターン種別を予め複数用意されたいずれかに決定する。その後、変動パターン種別の決定結果に基づき、図38に示すS276の処理において、たとえば図18および図19に示す変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、変動パターンを予め複数用意されたいずれかに決定する。これにより、変動パターン種別の追加や発生率の変更を行なう場合には、変動パターン種別決定テーブルにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設定時間を短縮化することができる。また、詳細な変動パターンの追加や発生率の変更を行なう場合には、変動パターン決定テーブルにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設定時間を短縮化することができる。すなわち、変動パターン種別の決定割合と、変動パターンの決定割合とを、別個に設定することができるので、変動パターン種別や変動パターンの振分けにかかわる設計変更を容易に行なうことができる。
なお、モード移行が実行されるタイミングは、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りの当り遊技状態の終了後、および、飾り図柄の変動表示の終了後というタイミングに限定されず、飾り図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる最終停止図柄が停止表示されるまでの所定期間内において実行されてもよい。
上記実施の形態では、15ラウンド大当り遊技状態が終了した後には、時短状態または第1確変状態に制御されるものとして説明した。これに対して、15ラウンド大当り遊技状態の終了後にも、第2確変状態に制御されることがあるようにしてもよい。また、2ラウンド大当り遊技状態が終了した後に、第1確変状態に制御されることがあるようにしてもよい。第1確変状態に制御された後、所定回数(たとえば100回)の特図ゲームが実行されても変動表示結果が「大当り」とならなかった場合には、時短制御を終了して、第2確変状態へと制御されるようにしてもよい。この場合、変動表示結果が「大当り」となることなく時短状態が終了して通常状態に制御されたときと、変動表示結果が「大当り」となることなく第1確変状態が終了して第2確変状態に制御されたときに、共通の演出モード(たとえば上記実施の形態におけるモードAの演出モード)へと移行して、遊技状態が第2確変状態である可能性を示唆できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、演出表示装置9、スピーカ27、装飾LED25および枠LED28といった発光体、可動部材78といった演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられるものとして説明した。これに対して、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ、可動部材等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
図7に示す構成において、音声出力基板70に搭載されたマイクロコンピュータやランプドライバ基板35に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態において演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ27における音声出力動作の制御内容を決定するための処理、装飾LED25および枠LED28といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示器が設けられたパチンコ遊技機にも本発明を適用することができる。
図12に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、「2R非確変」の大当り種別に対して決定値が割当てられていないために、第2開始条件の成立に基づいて変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する場合には、大当り種別を「2R非確変」として2ラウンド大当り遊技状態の終了後に通常状態となることがないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2開始条件の成立に基づいて変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する場合でも、一定の決定割合で大当り種別を「2R非確変」に決定することができるようにしてもよい。この場合には、大当り種別決定テーブル131において、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、「2R非確変」の大当り種別に対して決定値を割当てればよい。また、大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値にかかわりなく、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別を決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを簡素化して、ROM54に記憶されるデータ容量を削減することができる。なお、第2開始条件の成立時には、第1開始条件の成立時に比べて低い決定割合で「2R非確変」の大当り種別とする決定がなされるようにしてもよい。これにより、第1確変状態や時短状態といった所定の特別遊技状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「2R非確変」に決定されて出玉がほとんど得られない2ラウンド大当り遊技状態となる可能性を低下させ、遊技興趣の減退を抑制することができる。
上記実施の形態では、変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行なわれない。その一方で、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となったことに基づく2ラウンド大当り遊技状態の終了後には通常状態に制御され、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」となったことに基づく2ラウンド大当り遊技状態の終了後には第2確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「2R確変」となる場合の他に、大当り種別が「2R非確変」となる場合と、変動表示結果が「小当り」となる場合のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、飾り図柄の変動表示における飾り図柄の停止パターンに応じて、潜伏モードにおける確変状態への期待度が異なる例を説明する。
図53は、第2実施形態による停止パターンテーブルを示す図である。図53においては、(A)に潜伏モードのきっかけとなった当りの種別が「2R確変」であるときに用いられる2R確変時停止パターンテーブルが示され、(B)に潜伏モードのきっかけとなった当りの種別が「2R非確変」または「小当り」となるときに用いられる2R非確変時・小当り時停止パターンテーブルが示されている。
図53(A),(B)の停止パターンテーブルにおいては、前述の図柄停止時間と、停止パターン決定用のランダムSR4の数値データと、停止パターンとの対応関係が示されている。ランダムSR4は、演出制御基板80の側において演出制御用CPU101により1〜401の範囲でカウントされる乱数値である。
図53の(A),(B)を参照して、停止パターンとしては、停止パターン1〜3という複数種類の停止パターンのうちから選択される。停止パターン1は、飾り図柄が「左」,「右」,「中」の図柄表示エリア9L,9R,9Cの順番で停止するパターンである。停止パターン1は、潜伏モード中でないときに、基本的に実行される停止パターンである。停止パターン2は、飾り図柄が「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rの順番で停止するパターンである。停止パターン3は、飾り図柄が「右」,「左」,「中」の図柄表示エリア9R,9L,9Cの順番で停止するパターンである。停止パターン2,3は、潜伏モード中でないときには実行されない停止パターンである。このように停止パターン1〜3は、飾り図柄が停止する順序が異なる停止パターンである。図45(A),(B)の停止パターンテーブルでは、13秒、6秒、5秒という図柄停止時間ごとに、異なる割合でランダムSR4の数値データが停止パターン1〜3のいずれかに割振られている。
図53(A),(B)の停止パターンテーブルにおいて、停止パターン1が選択される割合は、5秒<6秒<13秒の大小関係が設定されている。また、停止パターン2が選択される割合は、13秒<5秒<6秒の大小関係が設定されている。また、停止パターン3が選択される割合は、13秒<6秒<5秒の大小関係が設定されている。
また、図53(A)の2R確変時停止パターンテーブルでは、図53(B)の2R非確変時・小当り時停止パターンテーブルと比べて、図柄停止時間が13秒のときに、停止パターン1が選択される割合が大きく設定され、停止パターン2,3のそれぞれが選択される割合が小さく設定されている。また、図53(A)の2R確変時停止パターンテーブルでは、図53(B)の2R非確変時・小当り時停止パターンテーブルと比べて、図柄停止時間が6秒および5秒のそれぞれのときに、停止パターン1が選択される割合が小さく設定され、停止パターン2,3のそれぞれが選択される割合が大きく設定されている。
このような図53(A),(B)の停止パターンテーブルを用いた停止パターンの選択は、たとえば、第1実施形態によるS547で演出制御パターンを決定するときに行なわれる。これにより、潜伏モードが開始されるときの変動表示時、および、その後の潜伏モードにおいて変動表示が実行されるごとに、停止パターン1〜3のいずれかの停止パターンが選択されることとなる。
以上のような設定により、図柄停止時間が5秒のときは、13秒のときと比べて、前述のように確変状態となる割合が高く、さらに、停止パターン2,3が選択される割合が高いので、停止パターン2または停止パターン3で変動表示が実行されることにより、遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる。また、図柄停止時間が5秒のときは、6秒のときと比べて、前述のように確変状態となる割合が高く、さらに、停止パターン3が選択される割合が高いので、停止パターン3で変動表示が実行されることにより、遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる。また、確変状態であるときは、非確変状態であるときと比べて、停止パターン3で選択される割合が高いので、停止パターン3で変動表示が実行されることにより、遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる。
このように、潜伏モードでは、潜伏モードの演出モードに制御されるきっかけとなった変動表示における飾り図柄の停止パターンに応じて、確変状態である割合が異なるので、確変状態であるか否かを示唆する演出のバリエーションが豊富となり、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
なお、第2実施形態では、潜伏モードの演出モードに制御されるきっかけとなった変動表示における飾り図柄の停止パターンに応じて確変状態である割合が異なる例を示した。しかし、これに加えて、潜伏モード中において実行される変動表示においても、飾り図柄の停止パターンに応じて確変状態である割合が異なるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、停止パターンに応じて確変状態である割合が異なる複数種類の停止パターンとして、飾り図柄の停止順序が異なる例を示した。しかし、これに限らず、このような複数種類の停止パターンとしては、予め定められた複数種類の停止ラインのうち、飾り図柄の停止するラインが異なるものを採用してもよい。
また、停止パターンに代えて、または、停止パターンに加えて、停止する飾り図柄の種類(たとえば、奇数の図柄、偶数の図柄の種類等)により、確変状態である割合が異なるようにしてもよい。また、第2実施形態では、前述したような停止パターンについて、停止パターンに応じて演出モードが昇格しやしすくなる場合も含み、停止パターンに応じて演出モードの昇格の仕方が異なるように制御してもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、モードA,B,CのいずれかからモードNに転落移行した後、モードA,B,Cのいずれかに再昇格移行することが決定されたときに、移行先の演出モードが転落移行前の演出モードと比べて確変状態に対する期待度が低くならないように制御する例を説明する。
図54は、第3実施形態による第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す第2モード移行設定処理が図50に示す処理と異なるのは、S640において行なわれる移行先の演出モードの判定が行なわれた後、潜伏モード中における、モードA〜CのいずれかからモードNへ転落、および、モードNからモードA〜Cのいずれかへの昇格に関する設定を行なう転落昇格設定処理(S641)が実行されることである。
図55は、図54のS641において実行される転落昇格設定処理の一例を示すフローチャートである。
図55に示す転落昇格設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、S632により特定した演出モードと、S640により決定された演出モードとに基づいて、モードA,B,CのいずれかからモードNへの転落であるか否かを判定する(S652)。モードA,B,CのいずれかからモードNへの転落であるときには、S651により特定した現在の演出モード、すなわち、転落移行前の演出モードを特定するデータを演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けられた転落移行前演出モード記憶領域に記憶する(S653)。そして、演出モードをモードNへ移行することを決定し(S654)、転落フラグをセットした(S655)後、処理を終了する。ここで、転落フラグは、モードA,B,CのいずれかからモードNへ転落したことを示すフラグである。
また、S652によりモードA,B,CのいずれかからモードNへの転落ではないときには、前述した転落フラグがセットされているか否かを判定する(S656)。転落フラグがセットされていないときは、演出モードを現在の演出モードからS640での移行判定結果に応じた演出モードへ移行することを決定し(S663)、処理を終了する。一方、転落フラグがセットされているときは、S640での移行判定結果が、モードNからモードA,B,Cへの再昇格移行判定であったか否かを判定する(S657)。再昇格移行判定ではないときは、演出モードを現在の演出モードからS640での移行判定結果に応じた演出モードへ移行することを決定し(S663)、処理を終了する。一方、再昇格移行判定であるときは、当該再昇格移行判定による移行先の演出モードの確変状態への期待度が、転落移行前の演出モードの確変状態への期待度よりも小さいものであるか否かを判定する(S658)。
S658では、S637により特定した図柄停止時間に基づいて、S640の移行判定結果による演出モードと、S653により転落移行決定時に記憶される転落移行前の演出モードとを比較することにより、再昇格移行判定による移行先の演出モードの確変状態への期待度が、転落移行前の演出モードの確変状態への期待度よりも小さいものであるか否かを判定する。具体的に、S658では、図56の再昇格期待度テーブルを用いて、期待度の大小関係を判定する。
図56は、再昇格期待度テーブルを示す図である。再昇格期待度テーブルは、図柄停止時間と演出モードの確変状態に対する期待度の大小関係を示すデータテーブルであり、演出制御用ROMに記憶されている。演出モードの確変状態に対する期待度は、図柄停止時間が5秒および13秒のときは、モードB<A<Cの大小関係が設定され、図柄停止時間が6秒のときは、モードA<B<Cの大小関係が設定されている。
S658により期待度が大きいと判定されたときは、S640による再昇格移行判定結果に基づく演出モードへ移行することを決定し(S659)、処理を終了する。一方、S658により期待度が小さいと判定されたときは、演出モードを現在の演出モードから、モードNへの転落移行時にS655により演出モード記憶領域に記憶された転落移行前の演出モードへ移行することを決定する(S660)。そして、演出モード記憶領域に記憶された転落移行前の演出モードを特定するデータをリセットし(S661)、転落フラグをリセットして(S662)、処理を終了する。
このように、転落昇格設定処理においては、モードA,B,CのいずれかからモードNに転落移行するときに、転落移行前の演出モードを記憶しておき、その後、変動表示が行なわれるごとの演出モードの移行判定によりモードNからモードA,B,Cのいずれかに再昇格移行することが決定されたときに、決定された移行先の演出モードが転落移行前の演出モードと比べて確変状態に対する期待度が低い場合は、転落移行前の演出モードに再昇格することが設定される。これにより、一旦モードNに転落させられたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがなく、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、演出モードが移行するときに行なうモード移行演出として、モードA,B,CのいずれかからモードNに転落移行するモード移行のしやすさを示唆するとともに、モードNからモードA,B,Cのいずれかに昇格移行するモード移行のしやすさを示唆するモード移行演出を行なう例を説明する。
ここで、モード移行演出について説明する。図57は、モード移行演出の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図57においては、(A)〜(C)にモード移行演出として弱演出が行なわれる例が示され、(D)〜(F)にモード移行演出として強演出が行なわれる例が示されている。
モード移行演出は、潜伏モード中の煽り演出として行なわれる。なお、煽り演出とは、潜伏モード中において遊技状態が確変状態に移行されている可能性が高いかどうかを示唆する演出であって、潜伏モード中の演出モードが昇格するか転落するかを煽るための演出である。
潜伏モード中において、演出モードが移行するときには、背景画像が、(A),(D)に示すような移行元の演出モードに対応する背景画像から(C),(F)に示すような移行先の演出モードに対応する背景画像に切替えられる。モード移行演出が行なわれるときには、背景画像の切替えの際に、移行元(現状)の演出モードに対応する背景画像をフェードアウトさせていくとともに背景色を(B)のような赤色、または、(E)のような白色に変化させ、さらに(B),(E)に示すような画面の下部の表示領域に「演出モード移行?」という文字を表示させた後、(C)のような昇格移行後の背景画像、(F)のような転落移行後の背景画像、または、現状の背景画像(移行演出前の背景画像)を表示させる演出を実行する。このようなモード移行演出は、前述した実施の形態の場合と異なり、変動表示中に行なわれる。なお、このようなモード移行演出は、前述した実施の形態の場合と同様に、変動表示の終了後に行なわれるようにしてもよい。
ここで、モード移行演出には、背景画像色を赤色に変化させるパターン(演出態様)と白色に変化させるパターン(演出態様)とが設けられている。(E)のような背景画像色を白色に変化させるパターンのモード移行演出は、背景画像色を赤色に変化させるモード移行演出と比べて、演出モードがモードA,B,CのいずれかからモードNに転落する確率が高く(強い)設定されているので、モードNへの転落という観点では強演出と呼ばれる。また、(B)のような背景画像色を赤色に変化させるパターンのモード移行演出は、背景画像色を白色に変化させるモード移行演出と比べて、選択されたときに、演出モードがモードA,B,CのいずれかからモードNに転落する確率が低く(弱い)設定されているので、モードNへの転落という観点では弱演出と呼ばれる。
また、逆に、(E)のような背景画像色を赤色に変化させるパターンのモード移行演出は、背景画像色を白色に変化させるモード移行演出と比べて、演出モードがモードNからモードA,B,Cのいずれかに昇格する確率が高く(強い)設定されているので、モードNからの昇格という観点では強演出と呼ばれる。また、(B)のような背景画像色を白色に変化させるパターンのモード移行演出は、背景画像色を赤色に変化させるモード移行演出と比べて、演出モードがモードNからモードA,B,Cのいずれかに昇格する確率に昇格する確率が低く(弱い)設定されているので、モードNからの昇格という観点では弱演出と呼ばれる。
このように、潜伏モード中に、モード移行演出において背景画像色を赤色に変化させるか白色に変化させるかによって、演出モードがモードNへ転落する可能性が高いかどうかと、演出モードがモードNから昇格する可能性が高いかどうかとを遊技者に認識させることが可能となる。これにより、遊技者は、潜伏モード中にモード移行演出が実行されるかどうかと、モード移行演出において背景のフェードアウト時に背景色が何色に変化するかについて興味を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。
図58は、第4実施形態によるモード移行演出判定テーブルを示す図である。図58においては、(A)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回未満のときに用いられる第1モード移行演出判定テーブルが示され、(B)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上のときに用いられる第2モード移行演出判定テーブルが示されている。これらモード移行演出判定テーブルは、演出制御用ROMに記憶されている。
図58(A),(B)のモード移行演出判定テーブルにおいては、モード移行演出判定用のランダムSR5の数値データと、モード移行演出の実行の有無との対応関係が示されている。ランダムSR5は、演出制御基板80の演出制御用CPU101において1〜31の範囲でカウントされる乱数値である。図58(A),(B)のモード移行演出判定テーブルでは、抽出されたランダムSR5の数値データに対応して、モード移行演出有が選択されたときにモード移行演出が実行され、モード移行演出無しが選択されたときにモード移行演出が実行されない。
図58(B)の第2モード移行演出判定テーブルでは、図58(A)の第1モード移行演出判定テーブルと比べて、モード移行演出有が選択される割合が大きく設定されている。これにより、潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上となったときには、100回未満のときと比べて、モード移行演出が実行される割合が大きくなる。
ここで、潜伏モードが開始されてから実行される変動表示の回数は、たとえば、図37のS166のエンディング演出処理においてセットされる変動回数カウンタにより計数される。S166のエンディング演出処理においては、「2R確変」、「2R非確変」、または、「小当り」の遊技状態の終了時に、これらの遊技状態の終了後の潜伏モードにおける特別図柄および飾り図柄の変動表示回数を計数するための変動回数カウンタをセットする処理が行なわれる。これにより、「2R確変」、「2R非確変」、または、「小当り」となるごとに、変動回数カウンタにより潜伏モードが開始されてから実行された変動表示の回数の計数が開始される。また、S166のエンディング演出処理においては、「15R確変」または「15R非確変」の遊技状態の終了時に、変動回数カウンタによる計数状態がセットされていれば、当該計数状態をリセットする(計数値をリセットし計数を停止する)。これにより、「2R確変」、「2R非確変」、または、「小当り」となるごとに変動回数カウンタによる変動表示の回数の計数が開始され、「15R確変」または「15R非確変」となるごとに変動回数カウンタによる変動表示の回数の計数が停止される。また、「2R確変」、「2R非確変」、または、「小当り」となったときには、変動回数カウンタによる変動表示の回数の計数が開始されるので、そのときに、既に変動回数カウンタによる変動表示の回数の計数が実行中であったときには、当該計数が停止されて、新たに変動回数カウンタによる変動表示の回数の計数が開始される。変動回数カウンタによる変動表示回数の計数値の加算更新は、後述する移行演出設定処理において行なわれる。
図59は、第4実施形態によるフェードアウト背景選択テーブルを示す図である。図59においては、(A)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回未満のときに用いられる第1フェードアウト背景選択テーブルが示され、(B)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上のときに用いられる第2フェードアウト背景選択テーブルが示されている。これらフェードアウト背景選択テーブルは、演出制御用ROMに記憶されている。
図59の(A),(B)においては、(A)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回未満のときに用いられる第1フェードアウト背景選択テーブルが示され、(B)に潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上のときに用いられる第2フェードアウト背景選択テーブルが示されている。これらフェードアウト背景選択テーブルは、演出制御用ROMに記憶されている。
図59(A),(B)のフェードアウト背景選択テーブルにおいては、モード移行の決定内容(モードNへの転落移行、モードNからの昇格移行、演出モード維持)と、フェードアウト背景選択用のランダムSR6の数値データにより選択される弱演出および強演出との対応関係が示されている。ランダムSR6は、演出制御基板80の演出制御用CPU101において1〜10の範囲でカウントされる乱数値である。
図59(A),(B)のフェードアウト背景選択テーブルでは、モード移行の内容に応じ、抽出されたランダムSR6の数値データに対応して、弱演出が選択されたときにモード移行演出時のフェードアウト背景が弱演出に該当する赤い背景となり、強演出が選択されたときにモード移行演出時のフェードアウト背景が強演出に該当する白い背景となる。
図59(B)の第2フェードアウト背景選択テーブルでは、図59(A)の第1フェードアウト背景選択テーブルと比べて、強演出が選択される割合が高く設定されている。これにより、潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上となったときには、100回未満のときと比べて、モード移行演出において強演出が実行される割合が高くなる。
図59(A),(B)のフェードアウト背景選択テーブルを用いたフェードアウト背景の選択が行なわれると、潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上となったときには、変動表示が100回未満のときと比べて、モードNに転落する割合が高いことを示唆する強演出が高い割合で実行されることになるため、確変状態に制御されている可能性が低いとの遊技者の体感(認識)と、実際の制御(高確率で示唆演出が実行されること)との間の齟齬をなくすことができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図58(A),(B)のモード移行演出判定テーブルを用いたモード移行演出判定が行なわれると、潜伏モードが開始されてから実行される変動表示が100回以上となったときには、変動表示が100回未満のときと比べて、モードNに転落する割合が高いことを示唆する強演出が高い割合で実行されるモード移行演出が高い割合(高い頻度)で実行されることになるため、確変状態に制御されている可能性が低いとの遊技者の体感(認識)と、実際の制御(高確率で示唆演出が実行されること)との間の齟齬をなくすことができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述のようなモード移行演出の実行を可能とする移行演出設定処理を説明する。図60は、第4実施形態による移行演出設定処理を示すフローチャートである。
図60に示す移行演出設定処理が図48に示す処理と異なるのは、S603による第2モード移行設定処理の後に、S604〜S612により、前述のようなモード移行演出の有無の判定、および、モード移行演出における演出の種類の選択をするための処理が実行されることである。
図60を参照して、S603による第2モード移行設定処理の後に、前述の変動回数カウンタがセット(計数可能状態)されているか否かを判定する(S603A)。変動回数カウンタがセットされていないときには、処理を終了する。一方、変動回数カウンタがセットされているときには、変動回数カウンタを「1」加算更新する(S603B)。そして、モード移行演出判定用のランダムSR5の数値データを抽出する(S604)。そして、潜伏モードが開始された後に実行された変動表示回数を計数する前述の変動回数カウンタの値が、100回以上を示しているか否かを判定する(S605)。
変動回数カウンタの値が100回未満であるときは、図58(A)の第1モード移行演出判定テーブルを用い、S604により抽出されたランダムSR5の数値データに基づいて、モード移行演出の実行の有無を判定する(S606)。一方、変動回数カウンタの値が100回以上であるときは、図58(B)の第2モード移行演出判定テーブルを用い、S604により抽出されたランダムSR5の数値データに基づいて、モード移行演出の実行の有無を判定する(S607)。
S606またはS607によりモード移行演出の実行の有無が判定された後は、これら判定によりモード移行演出有りの判定がされたか否かを判定する(S608)。モード移行演出無し判定がされたときは、処理を終了する。一方、モード移行演出有りの判定がされたときは、フェードアウト背景選択用のランダムSR6の数値データを抽出する(S609)。そして、潜伏モードが開始された後に実行された変動表示回数を計数する前述の変動回数カウンタの値が、100回以上を示しているか否かを判定する(S605)。
変動回数カウンタの値が100回未満であるときは、図59(A)の第1フェードアウト背景選択テーブルを用い、S609により抽出されたランダムSR6の数値データと、第2モード移行設定処理(S603)において決定されたモード移行の決定内容(モードNへの転落、モードNからの昇格、モード維持)とに基づいて、弱演出と強演出とのどちらかを選択し(S611)、処理を終了する。一方、変動回数カウンタの値が100回以上であるときは、図58(B)の第2フェードアウト背景選択テーブルを用い、S609により抽出されたランダムSR6の数値データと、第2モード移行設定処理(S603)において決定されたモード移行の決定内容(モードNへの転落、モードNからの昇格、モード維持)とに基づいて、弱演出と強演出とのどちらかを選択し(S612)、処理を終了する。
以上のような移行演出設定処理において、弱演出または強演出のモード移行演出を実行することが決定されたときは、図47のS547において、当該モード移行演出を実行するための演出制御パターンを、モード移行演出制御パターンテーブル181に複数格納されたモード移行演出制御パターンから選択し、使用パターンとしてセットする。これにより、移行演出設定処理において決定された弱演出または強演出のモード移行演出が実行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図48のS602,S603、図49のS627、図50のS631〜S642、および、図47のS547に示すように、潜伏モードにおいては、飾り図柄の変動表示が行なわれるときの演出制御による演出のモードが、遊技状態が通常状態と確変状態とのいずれに制御されているかが特定不能であるとともに確変状態に制御されていることの期待度が異なる複数種類のモードA〜C,Nのうちいずれかに制御される。これにより、演出のモードの種類により確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、図14および図15に示すように、2R確変大当りのときと、小当りまたは2R非確変大当りのときとで同じ変動パターン種別が選択可能であり、通常状態と確変状態とのいずれに制御されるかが特定不能に飾り図柄の表示結果が導出表示される。2R確変大当りのときは図26(A)の2R確変時停止時間テーブルに基づいて図柄停止時間を決定し、小当りのときは図26(B)の2R非確変時・小当り時停止時間テーブルに基づいて図柄停止時間を決定することを示したように、2R確変大当りのときと、小当りまたは2R非確変大当りのときのどちらの制御が行なわれるかに応じて、前述したような図柄停止時間が異なる割合で決定される。そして、図49のS624〜S627に加え、潜伏モードになるときに、演出モードの移行先の選択割合が異なる図28および図29の第1選択テーブル〜第6選択テーブルは、図27(A)の潜伏前データ選択テーブルに基づいて、2R確変大当りとなるか否か、および、図柄停止時間に応じて選択決定され、決定された選択テーブルに基づいて移行先の演出モードが決定されることを示したように、2回開放制御により確変状態と、通常状態とのいずれに制御されるか、および、図柄停止時間に応じて、演出のモードが制御されるので、当該図柄停止時間の長さにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。このような演出のモードと図柄停止時間との組合せにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるので、飾り図柄の停止時期にも遊技者の興味を向けさせることができる。これにより、演出のモードを識別可能となる時期以外の時期に、遊技者の興味を向けさせることができる。さらに、遊技者にとっては、図柄停止時間の長さを認識することが、たとえば確変状態となる旨の予告が行なわれたことを認識する場合と比べて、認識しにくいものとなる。これにより、遊技者が、このような図柄停止時間の長さに基づいて確変状態に制御されているか否かを確信しにくいので、このような2回開放制御後の潜伏モードにおいて、遊技者が常に確変状態であるか否かに対する興味を抱くようにすることができる。
(2) 図50のS638〜S640、潜伏モードにおいて、演出モードの移行先の選択割合が異なる図30および図31の第7選択テーブル〜第12選択テーブルは、図27(B)の潜伏中データ選択テーブルに基づいて、確変状態であるか否か、および、図柄停止時間に応じて選択決定され、決定された選択テーブルに基づいて移行先の演出モードが決定されることを示したように、潜伏モードにおいて、複数種類の演出モードのうちいずれかに制御されているときにおいて、少なくとも通常遊技と確変状態とのいずれに制御されているか、および、図柄停止時間に応じて、確変状態に制御されていることの期待度が高いモードCに移行する判定がされる割合が異なるので、当該図柄停止時間の長さにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。このような図柄停止時間により確変状態に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるので、飾り図柄の停止時期にも遊技者の興味を向けさせることができる。これにより、演出のモードを識別可能となる時期以外の時期に、遊技者の興味を向けさせることができる。さらに、遊技者にとっては、図柄停止時間の長さを認識することが、たとえば確変状態となる旨の予告が行なわれたことを認識する場合と比べて、認識しにくいものとなる。これにより、遊技者が、このような図柄停止時間の長さに基づいて確変状態に制御されているか否かを確信しにくいので、このような潜伏モードにおける複数種類のモードのうちいずれかに制御されているときにおいて、遊技者が常に確変状態であるか否かに対する興味を抱くようにすることができる。
(3) 図50のS638〜S640、潜伏モードにおいて、演出モードの移行先の選択割合が異なる図30および図31の第7選択テーブル〜第12選択テーブルは、図27(B)の潜伏中データ選択テーブルに基づいて、確変状態であるか否か、および、図柄停止時間に応じて選択決定され、決定された選択テーブルに基づいて移行先の演出モードが決定されることを示したように、潜伏モードにおいて、複数種類の演出モードのうちいずれかに制御されているときにおいて、少なくとも通常遊技と確変状態とのいずれに制御されているか、および、図柄停止時間に応じて、確変状態に制御されていることの期待度が低いモードNに移行する判定がされる割合が異なるので、当該図柄停止時間の長さにより確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。このような図柄停止時間により確変状態に対する遊技者の期待感を動揺させることが可能となるので、飾り図柄の停止時期にも遊技者の興味を向けさせることができる。これにより、演出のモードを識別可能となる時期以外の時期に、遊技者の興味を向けさせることができる。さらに、遊技者にとっては、図柄停止時間の長さを認識することが、たとえば確変状態となる旨の予告が行なわれたことを認識する場合と比べて、認識しにくいものとなる。これにより、遊技者が、このような図柄停止時間の長さに基づいて確変状態に制御されているか否かを確信しにくいので、このような潜伏モードにおける複数種類のモードのうちいずれかに制御されているときにおいて、遊技者が常に確変状態であるか否かに対する興味を抱くようにすることができる。
(4) 潜伏モードにおけるモードAとモードBとに関し、図柄停止時間が第1図柄停止時間(たとえば、5秒)であるときと、第2図柄停止時間(たとえば、6秒)であるときとで、確変状態に制御されていることの期待度が高いモードCに移行する判定がされる割合の高低関係が逆になるので、図柄停止時間の長さと、演出のモードの種類との組合せにより、同じ種類のモードであっても、図柄停止時時間の長さにより、確変状態に制御されているときに選択される割合が高い種類のモードCに移行する判定がされる割合が異なるので、より一層、飾り図柄の図柄停止時間に遊技者の興味を向けさせることができる。また、図柄停止時間が第1図柄停止時間であるときと、第2図柄停止時間であるときとで、演出のモードが、モードAに制御された場合と、モードBに制御された場合とで、確変状態に制御される割合の高さが異なるので、より一層、図柄停止時間に遊技者の興味を向けさせることができる。また、潜伏モードにおけるモードAとモードBとに関し、図柄停止時間が第1図柄停止時間(たとえば、5秒)であるときと、第2図柄停止時間(たとえば、6秒)であるときとで、確変状態に制御されていることの期待度が低いモードNに移行する判定がされる割合の高低関係が逆になるので、図柄停止時間の長さと、演出のモードの種類との組合せにより、同じ種類のモードであっても、図柄停止時時間の長さにより、確変状態に制御されているときに選択される割合が低い種類のモードNに移行する判定がされる割合が異なるので、より一層、飾り図柄の図柄停止時間に遊技者の興味を向けさせることができる。
(5) 図26に示すように、第2図柄停止時間(6秒)と第3図柄停止時間(13秒)との時間差(7秒)に比べて第1図柄停止時間(5秒)と第2図柄停止時間(6秒)との時間差(1秒)を遊技者が区別し難いように、第1図柄停止時間と第2図柄停止時間との時間差は、第2図柄停止時間と第3図柄停止時間との時間差よりも小さく定められている。これにより、遊技者が、図柄停止時間の長さの時間差を区別しにくくなるため、潜伏モードにおいて、このような図柄停止時間の長さに基づいて確変状態に制御されているか否かを確信しにくいので、潜伏モードとなっているときに、確変状態であるか否かに対する興味をより一層抱くようにすることができる。
(6) 図53(A),(B)で確変状態となる割合が高い5秒または6秒の停止時間が選択されるときに、停止パターン2または停止パターン3が選択される割合が高いことを示したように、2回開放制御が行なわれるときの飾り図柄の変動態様に応じて、演出のモードが制御されるので、潜伏モードにおいて確変状態に制御されていることの期待度を示唆する演出のバリエーションが豊富となり、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(7) 図50のS640のモード移行判定でモードA,B,またはCからモードNへの転落移行の判定がされたときのように、転落条件が成立するとモードA,B,CのいずれかからモードNに転落するが、図50のS640のモード移行判定でモードからNモードA,B,またはCへの再昇格移行の判定がされたときのように、予め定められた昇格条件が成立すると、モードA,B,Cのいずれかに再び昇格制御されることがある。これにより、モードA,B,CのいずれかからモードNに転落した後にも、再びモードA,B,Cのいずれかに制御されることの期待感を遊技者に与えて、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、S640により再昇格移行判定された演出モードが転落移行前の演出モードよりも期待度が高いときにはS659により昇格移行判定された演出モードへ移行し、S640により再昇格移行判定された演出モードが転落移行前の演出モードよりも期待度が低いときにはS660により転落前の演出モードへ移行することを示したように、モードA,B,CモードのいずれかからモードNに一旦転落した後に、そこから再びモードA,B,Cモードのいずれかに昇格制御させられるときには、モードNに制御される前に制御されていたモードA,B,Cモードのいずれか、または、該モードよりも、確変状態に制御されていることの期待度が高いモードに制御されることとなる。これにより、モードA,B,Cモードのいずれかから一旦モードNに転落させられたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがなく、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる。
(8) 図59の(A),(B)のように、変動回数が100回以上のときは変動回数が100回未満のときと比べて強演出を選択する割合が高く設定されていることを示したように、潜伏モードにおいて、モードA,B,Cモードのいずれかに制御された後の飾り図柄の変動表示の実行回数が所定回数以上になれば、転落条件が成立することを示唆する示唆演出のうち、転落条件が成立する確率が高い強演出が、変動表示の実行回数が所定回数未満のときよりも高い割合で実行されることになるため、潜伏モードにおいて確変状態に制御されている可能性が低いとの遊技者の体感(認識)と、実際の制御(高確率で実行される示唆演出の内容)との間の齟齬をなくすことができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 変動回数が100回以上のときに図60のS607で選択される図58(B)の第2モード移行演出判定テーブルは、変動回数が100回未満のときに図60のS606で選択される図58(A)の第1モード移行演出判定テーブルと比べて、モード移行演出判定をする割合が高く設定されていることにより、強演出および弱演出を含むモード移行演出を実行する割合が高いことを示したように、潜伏モードにおいて、モードA,B,Cモードのいずれかに制御された後の特別図柄および飾り図柄の変動表示の実行回数が所定回数以上になれば、転落条件が成立することを示唆する示唆演出が、変動表示の実行回数が所定回数未満のときよりも高い割合で実行されることになるため、潜伏モードにおいて確変状態に制御されている可能性が低いとの遊技者の体感(認識)と、実際の制御(高確率で実行される示唆演出の内容)との間の齟齬をなくすことができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このように、変動回数が100回以上のときに変動回数が100回未満のときと比べて、実行する割合を高くする転落条件が成立することを示唆する示唆演出(モード移行演出)は、前述したような強演出および弱演出のような演出以外に、単に、モードA,B,CモードのいずれかからモードNに移行(転落)する背景の移行制御であってもよい。つまり、変動回数が100回以上のときに変動回数が100回未満のときと比べて、実行する割合を高くする演出は、転落条件が成立することを示唆する示唆演出であれば、どのような演出であってもよい。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(2) 前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(3) 前述した実施の形態において、ゲームの実行形態は、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(4) 前述した実施の形態で説明した潜伏モードにおける演出モードの移行判定は、変動表示が1回実行されるごとに定期的に行なってもよく、変動表示が10回等の複数回実行されるごとに定期的に行なってもよい。また、潜伏モードにおける演出モードの移行判定は、変動表示が1回実行されるごと、または、変動表示が複数回実行されるごとに、行なうか否かを判断し、当該判断に応じて行なうことにより、不定期に行なうようにしてもよい。
(5) 2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りのときとなるときの変動表示については、複数の変動パターンから選択される変動パターンのすべてが共通であってもよく、複数の変動パターンから選択される変動パターンの一部が共通であってもよい。
(6) 2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りのときとなったときの当り遊技状態後の演出モードとしては、必ず潜伏モードとなるようにしてもよく、所定の割合で潜伏モードとなるよう(たとえば、潜伏モードとするか否かをランダムに決定する)にしてもよい。その場合に潜伏モードに制御する割合は、2R確変大当り、2R非確変大当り、および、小当りについて、一律に設定されてもよく、互いに異なるように設定されてもよい。
(7) 潜伏モードとなる当りの種類としては、少なくとも2R確変大当りと小当りとの組合せであってもよく(2R非確変大当りが存在しない場合)、少なくとも2R確変大当りと2R非確変大当りとの組合せであってもよい(小当りが存在しない場合)。
(8) 特別識別情報(特別図柄)の表示結果が導出表示される前であって、演出用識別情報(飾り図柄)の表示結果を導出表示するまでの確定前時間(図25の飾り図柄の第3図柄停止から全図柄停止までの図柄停止時間であり、特別図柄の変動時間を基準に決定される)は、次のように規定される時間であってもよい。第1確定前時間(5秒)と第2確定前時間(6秒)との時間差(1秒)は、第2確定前時間(6秒)と第3確定前時間(13秒)との時間差(7秒)よりも短い時間差に設定されている(1秒の時間差は7秒の時間差と比べて短い)。このような構成によれば、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差が、第2確定前時間と第3確定前時間との時間差よりも短い時間差に設定されているので、遊技者が、確定前時間の長さの時間差を区別しにくくなるため、このような確定前時間の長さに基づいて特別遊技状態に制御されているか否かを確信しにくいので、共通演出モードとなっているときに、特別遊技状態であるか否かに対する興味をより一層抱くようにすることができる。なお、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差は、たとえば、0.1秒のように、遊技者にとって極めて識別しにくい時間差であってもよい。
(9) 特別識別情報(特別図柄)の表示結果が導出表示される前であって、演出用識別情報(飾り図柄)の表示結果を導出表示するまでの確定前時間(図25の飾り図柄の第3図柄停止から全図柄停止までの図柄停止時間であり、特別図柄の変動時間を基準に決定される)は、次のように規定される時間であってもよい。第1確定前時間(5秒)と第2確定前時間(6秒)との時間差(1秒)は、第1確定前時間(5秒)よりも短い時間差に設定されている(1秒の時間差は5秒の確定前時間比べて短い)。このような構成によれば、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差が、第1確定前時間よりも短い時間差に設定されているので、遊技者が、確定前時間の長さの時間差を区別しにくくなるため、このような確定前時間の長さに基づいて特別遊技状態に制御されているか否かを確信しにくいので、共通演出モードとなっているときに、特別遊技状態であるか否かに対する興味をより一層抱くようにすることができる。なお、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差は、たとえば、0.1秒のように、遊技者にとって極めて識別しにくい時間差であってもよい。
(10) 特別識別情報(特別図柄)の表示結果が導出表示される前であって、演出用識別情報(飾り図柄)の表示結果を導出表示するまでの確定前時間(図25の飾り図柄の第3図柄停止から全図柄停止までの図柄停止時間であり、特別図柄の変動時間を基準に決定される)は、次のように規定される時間であってもよい。第1確定前時間(5秒)と第2確定前時間(6秒)との時間差(1秒)は、予め定められた時間差(2秒)よりも短い時間差に設定されている。このような構成によれば、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差が、予め定められた時間差よりも短い時間差よりも短い時間差に設定されているので、遊技者が、確定前時間の長さの時間差を区別しにくくなるため、このような確定前時間の長さに基づいて特別遊技状態に制御されているか否かを確信しにくいので、共通演出モードとなっているときに、特別遊技状態であるか否かに対する興味をより一層抱くようにすることができる。なお、第1確定前時間と第2確定前時間との時間差は、たとえば、0.1秒のように、遊技者にとって極めて識別しにくい時間差であってもよい。
(11) 第2実施形態に示したような、飾り図柄の変動表示における飾り図柄の停止パターンに応じて、潜伏モードにおける確変状態への期待度が異なる例とてしては、飾り図柄が大当り図柄の組合せとなるか否かを示す図柄停止ラインが複数本設定されており、有効となる停止ラインを変化させることが可能な場合において、飾り図柄の変動表示において有効となる図柄停止ラインの本数(停止パターン)に応じて、潜伏モードにおける確変状態への期待度が異なるように、図柄停止ライン数を変化させる制御を行なうようにしてもよい。さらに、飾り図柄が停止したときの図柄色を変化させることが可能な場合において、飾り図柄の変動表示において停止時の図柄色(停止パターン)に応じて、潜伏モードにおける確変状態への期待度が異なるように、図柄色を変化させる制御を行なうようにしてもよい。
(12) 潜伏モードにおける複数の演出モード(モードA〜C,N)については、確変状態に対する期待度が最も大きいモード(モードC)から、確変状態に対する期待度が最も小さいモード(モードN)へ転落することを制限するモード移行制御を行なうようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、さらに次のような効果も得ることができる。潜伏モードにおける演出のモード(モードA〜C,N)と、潜伏モードに制御されるきっかけとなった変動表示における図柄停止時間(確定前時間)との組合せにより、確変状態に対する期待度の大きさを示すようにしたので、潜伏モードとなっている遊技台(遊技機)で遊技機をしている遊技者は、遊技台(遊技機)を移動してきた他の遊技者が知りえない潜伏モードでの確変状態への期待度を認識することができるので、遊技機の稼働率が低下しにくいようにすることができる。また、潜伏モードにおける確変状態に対する期待度を認識するための情報としての図柄停止時間(確定前時間)は、確定前時間の長さを認識することが、たとえば特別遊技状態となる旨の予告が行なわれたことを認識する場合と比べて、認識しにくいものとなるので、潜伏モードにおける確変状態に対する期待度を、当該遊技機で遊技をしている遊技者以外の他の遊技者に知られにくいものにすることができる。
(14) 前述した実施の形態では、特定遊技状態の一例として、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な状態に制御する大当り遊技状態を示したが、これに限らず、特定遊技状態としては、特別可変入賞球装置20とは別に設けられた可変入賞球装置(特別可変入賞球装置20と一体構成されたものでもよく、特別可変入賞球装置20と別体構成されたものでもよい)を遊技者にとって有利な状態(所定の開放状態)に制御する状態であってもよい。
(15) 特別図柄の変動表示と飾り図柄の変動表示とを同期させる制御における変動表示の停止は、飾り図柄の全図柄の表示結果を確定させる飾り図柄停止コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したときに行なうようにしてもよく、演出制御用マイクロコンピュータ100が受信した変動表示パターン(変動表示時間)を指定するコマンドに基づいて認識する変動表示時間が経過したときに行なうようにしてもよい。
(16) 潜伏モードにおける演出モードとしては、モードN以外のモードとしては、前述したような複数種類のモードを設けてもよく、1種類のモードを設けてもよい。つまり、潜伏モードにおけるモードN以外の演出モードとしては、少なくとも1種類のモードが設けられればよい。
(17) 潜伏モードにおいて、モードA〜C相互間のモード移行判定と、モードA〜CのいずれかからモードNへ移行判定(転落判定)とは、異なるタイミングで行なうようにしてもよい。たとえば、モードA〜C相互間のモード移行判定は、変動表示が1回行なわれるごとに実行し、モードA〜CのいずれかからモードNへ移行判定(転落判定)は、変動表示が10回行なわれるごとに実行すればよい(当該転落判定をするときはモードA〜C相互間のモード移行判定を実行しない)。
(18) 前述した実施の形態においては、特別遊技状態として確変状態を一例として示したが、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a第1,第2特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに普通可変入賞球装置15が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e普通可変入賞球装置15の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a〜前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確変状態および前記a〜eのうちから2つ〜5つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
(19) 前述した実施の形態においては、飾り図柄の図柄停止時間を演出制御用マイクロコンピュータ100の側で決定する例を示した。しかし、これに限らず、飾り図柄の図柄停止時間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で決定し、演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ知らせるようにしてもよい。その場合には、変動パターン指定コマンドにより飾り図柄の図柄停止時間を特定するようにしてもよく、変動パターン指定コマンド以外の専用のコマンドにより飾り図柄の図柄停止時間を特定するようにしてもよい。変動パターン指定コマンドにより飾り図柄の図柄停止時間を特定する場合には、図柄停止時間別に複数種類の変動パターンを設け、変動パターン指定コマンドを図柄停止時間別に選択決定するようにしてもよい。なお、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるとき以外の変動表示において、図柄停止時間が、変動パターン指定コマンドのそれぞれに応じて固定的に定められた時間であるときには、変動パターン指定コマンドに応じて演出制御用マイクロコンピュータ100が予め図柄停止時間を認識できるので、コマンドにより図柄停止時間を指定しないようにしてもよい。同様に、2R確変大当り、2R非確変大当り、または、小当りとなるとき以外の変動表示において、図柄停止時間が、変動パターン指定コマンドの種類に関わらず一律に固定的に定められた時間に設定されるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100が予め図柄停止時間を認識できるので、コマンドにより図柄停止時間を指定しないようにしてもよい。
(20) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。