JP5403236B2 - 発電装置 - Google Patents

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Description

この発明は、静電誘導を利用した発電装置に関する。
従来、静電誘導を利用した発電装置として、特許文献1に記載されているような発電装置が知られている。この発電装置は、電荷を保持する電荷保持部材であるエレクトレット電極が複数配列された固定基板と、複数の可動電極が設けられた可動基板とを、互いに対向させて配置し、この状態で外部振動を受けると、可動基板がその平面方向における任意の方向に移動し、エレクトレット電極と可動電極とが相対運動して、エレクトレット電極と可動電極との間の誘導電荷量を変化させることにより、発電するように構成されている。
特開2008−86190号公報
しかしながら、このような従来の発電装置では、固定基板と可動基板との相対的な機械運動エネルギを電気エネルギに変換する構造であるから、外部振動を受けた際に、固定基板に対して可動基板をその平面方向における任意の方向に移動させるために、可動基板の4辺をそれぞればね部材などで保持する必要があるほか、固定基板に対して可動基板を一定間隔に保った状態で面方向に平行移動させるために、可動基板をガイドするためのガイド部材が必要となり、このため構造が複雑になると共に、装置全体の小型化を図ることができないという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる発電装置を提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、平板状の基板と、この基板の平面上を回転する回転部材と、この回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、この第1電極の放射部と対向するように前記平板状の基板上に形成された放射部を備えた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体と、前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電部と、を備え、前記回転部材は、導電性を有する金属からなり、その回転中心部が前記基板から突出した導電性の軸部材に導電性の軸受部材によって回転自在に取り付けられており、前記蓄電部は回路基板に設けられており、前記第1電極と前記蓄電部とは、前記回路基板、前記軸部材、および、前記軸受部材をそれぞれ介して電気的に接続されており、且つ前記第2電極と前記蓄電部とは、前記回路基板、および、この回路基板と前記第2電極とを接続する接続部材をそれぞれ介して電気的に接続されていることを特徴とする発電装置である。
請求項2に記載の発明は、前記回転部材が、小径の円形部と、この小径の円形部の外周部に当該円形部よりも大径でほぼ半円弧状に形成された半円弧部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1電極の前記放射部が、前記回転部材の前記半円弧部にほぼ半円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1電極の前記放射部が、前記回転部材の前記小径の円形部に円形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置である。
この発明によれば、外部振動によって回転部材が平板状の基板の平面上を回転する構成であるから、ガイド部材を用いずに、基板に対して回転部材を一定間隔に保って回転させることができると共に、回転部材に設けられた第1電極と基板に設けられた第2電極との一方に設けられた電荷保持体がその他方の電極に対して相対的に回転移動するので、回転部材の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、構造が簡単で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
この発明を適用した電子腕時計の実施形態1を示した拡大断面図である。 図1の電子腕時計を下面側から見た拡大底面図である。 図2の電子腕時計において裏蓋を取り外した状態を示した拡大底面図である。 図3の時計モジュールを示した拡大底面図である。 図4の時計モジュールを示した拡大斜視図である。 図3の時計モジュールにおいて回転板を取り外した状態を示した拡大底面図である。 図1のA部を示した拡大断面図である。 図5の回転板を表裏反転させて示した拡大斜視図である。 図8の回転板を上方から見た拡大平面図である。 図1の電子腕時計に組み込まれた発電装置の回路構成を示した図である。 この発明を適用した電子腕時計の実施形態2において発電装置の要部を示した拡大断面図である。 図11の発電装置における回転板を示した拡大平面図である。 図11の発電装置における時計モジュールの地板側を示した拡大底面図である。 この発明を適用した電子腕時計の実施形態3において発電装置の要部を示した拡大断面図である。 図14の発電装置における回転板を示した拡大平面図である。 図14の発電装置における時計モジュールの地板側を示した拡大底面図である。 この発明を適用した電子腕時計の実施形態4において発電装置の要部を示した拡大断面図である。 図17の発電装置における回転板を示した拡大平面図である。 図17の発電装置における時計モジュールの地板側を示した拡大底面図である。 この発明を適用した電子腕時計の実施形態5を示した拡大断面図である。 図20の時計モジュールを下面側から見た状態を示した拡大斜視図である。 図20のB部を示した拡大断面図である。 図21の回転板を示した拡大底面図である。 図20の裏蓋を上方から見た状態を示した拡大平面図である。 実施形態5の裏蓋に設けられた第2電極の変形例を示した拡大平面図である。 実施形態1〜5における回転板の変形例を示した拡大平面図である。
(実施形態1)
以下、図1〜図10を参照して、この発明を電子腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この電子腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2と、このケース本体2の上部外周に設けられたリング状のべゼル3とを備えている。
この腕時計ケース1の上部開口部つまりべゼル3の上部開口部には、時計ガラス4がパッキン4aを介して取り付けられており、腕時計ケース1の下部つまりケース本体2の下部には、図1および図2に示すように、裏蓋5が防水リング5aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1内には、時計モジュール6が設けられている。この時計モジュール6は、図1に示すように、上部ハウジング7と下部ハウジング8とを備え、これらの間に回路基板9が設けられた構成になっている。
この場合、上部ハウジング7の上面には、文字板10が設けられている。この上部ハウジング7内には、時計ムーブメント(図示せず)が設けられている。この時計ムーブメントは、その指針軸11aが文字板10の上方に突出し、この突出した上端部に秒針、分針、時針などの指針11bが取り付けられ、この指針11bが文字板10の上方を運針することにより、時刻を指示するように構成されている。
また、下部ハウジング8内には、図3〜図6に示すように、電池12を収納する電池収納部13が設けられていると共に、アンテナ14が設けられている。この下部ハウジング8の下面(図6では表面)には、図6に示すように、金属製の地板15が電池収納部13およびアンテナ14に対応する箇所を除いて設けられている。この地板15は、その周縁部に複数のフック部15aが設けられ、この複数のフック部15aが上部ハウジング7の側面に係止されることにより、上部ハウジング7を下部ハウジング8に対して固定するように構成されている。
この下部ハウジング8の下面側(図6では表面側)には、図1および図7に示すように、発電装置16が設けられている。この発電装置16は、平板状の基板である地板15と、この地板15の平面に対面して回転する回転板17とを備えている。この回転板17は、導電性を有する金属からなり、図1に示すように、その中心部が下部ハウジング8に取り付けられて地板15の下側に突出した固定軸18に、ベアリング19を介して取り付けられている。
すなわち、固定軸18は、図1に示すように、回転板17の中心部に設けられた軸孔17aを通して、下部ハウジング8に埋め込まれたナット部8aに螺着することにより、下部ハウジング8に取り付けられている。回転板17は、その中心部の軸孔17aに対応してベアリング19が設けられ、このベアリング19が固定軸18に回転自在に取り付けられることにより、地板15の下面に対して常に一定間隔を保った状態で、固定軸18を中心に回転するように構成されている。
この場合、固定軸18とナット部8aとは、導電性を有する金属からなり、このナット部8aが上部ハウジング7と下部ハウジング8との間に配置された回路基板9と電気的に接続されている。これにより、回転板17は、固定軸18およびナット部8aを介して回路基板9と電気的に接続されている。なお、固定軸18は、時計ムーブメントの指針軸11aと同一軸上に配置されているが、必ずしも指針軸11aと同一軸上に配置される必要はない。
また、この回転板17は、図5、図8および図9に示すように、小径の円形部20と、この小径の円形部20よりも大径でほぼ半円弧状に形成された半円弧部21とを備えている。小径の円形部20は、その中心部に固定軸18が挿入する軸孔17aが設けられている。半円弧部21は、その外周部に錘部21aが設けられた状態で、小径の円形部20の外周部に一体に形成されている。これにより、回転板17は、外部振動を受けると、半円弧部21の錘部21aによる慣性によって固定軸18を中心に回転するように構成されている。
また、この回転板17の上面には、図1、図7〜図9に示すように、第1電極22が絶縁膜23を介して設けられている。この場合、絶縁膜23は、図8および図9に示すように、回転板17の半円弧部21における上面のほぼ全域に設けられている。この絶縁膜23上に設けられた第1電極22は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部24を備えている。
この放射状部24は、図7、図8および図9に示すように、回転板17の半円弧部21に設けられた絶縁膜23上に多数の電極片24aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部24は、多数の電極片24aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片24aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
また、この放射状部24は、多数の電極片24aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜23の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。これにより、第1電極22は、回転板17および固定軸18を介して回路基板9と電気的に接続されている。また、この各電極片24a上には、図7に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成されている。このエレクトレット膜25は、半永久的な電荷をもつ絶縁体であり、フロロカーボン樹脂やアモルファスフッ素樹脂などの電荷保持材料からなっている。
このエレクトレット膜として使用可能な電荷保持材料は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニルデンジフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、およびポリビニルフルオライド(PVF)のような高分子電荷保持材料、またはシリコン酸化物(SiO)およびシリコン窒化物(SiN)のような無機電荷保持材料である。
一方、回転板17に対向する基板である地板15の下面には、図6および図7に示すように、第2電極26が絶縁膜27を介して設けられている。この場合、絶縁膜27は、図6に示すように、回転板17の第1電極22が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、第1電極22の半円弧に対して更に半分程度(約90°の角度範囲)の大きさで設けられており、この絶縁膜27の下面(図6では表面)には、第2電極26が設けられている。この第2電極26は、導電性を有する金属からなり、回転板17の回転中心部である固定軸18から放射状に形成された放射状部28を備えている。
この放射状部28は、図6に示すように、地板15に設けられた絶縁膜27上に多数の電極片28aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部28は、第1電極22の放射状部24と同様、多数の電極片28aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片28aが一部を除いて一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部28は、多数の電極片28aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜27の上面に露出し、図7に示すように、露出した部分がコイルばねなどの接続部材29によって回路基板9と電気的に接続されている。
これにより、この発電装置16は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極22が地板15に設けられた第2電極26に対して相対的に回転移動すると、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが相対的に移動して、第1電極22のエレクトレット膜25と第2電極26との間の誘導電荷量が変化することにより、発電するように構成されている。
すなわち、第1電極22のエレクトレット膜25と第2電極26とが相対的に移動すると、静電誘導によりエレクトレット膜25側の電荷が対向する第2電極26側に流れることにより、発電が行なわれる。
次に、この発電装置16の回路構成について、図10に示された原理的な図を参照して説明する。
この発電装置16においては、第1電極22が第1、第2の各整流器30、31に接続され、第2電極26が第3、第4の各整流器32、33に接続されている。第1整流器30は蓄電池34の正極(+)に接続され、第2整流器31は蓄電池34の負極(−)に接続され、第3整流器32は蓄電池34の正極(+)に接続され、第4整流器33は蓄電池34の負極(−)に接続された構成になっている。
この場合、第1整流器30と第4整流器33とは、第1電極22が第2電極26に対して一方向(例えば、時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池34に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。また、第2整流器31と第3整流器32とは、第1電極22が第2電極26に対して逆方向(例えば、反時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池34に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。
次に、この電子腕時計を腕に取り付けて使用する場合について説明する。
まず、腕を振って歩きながら電子腕時計を軽く振った場合には、回転板17が小径の円形部20の外周部に設けられた半円弧部21の錘部21aによる慣性によって回転する。このときには、半円弧部21の外周部に錘部21aが設けられているので、腕の振りに応じて回転板17に慣性力が発生し、この慣性力によって回転板17が地板15に対して一定間隔を保って回転する。
このとき、回転板17は、必ずしも1回転(360°の角度回転)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度範囲で揺動する。このため、回転板17は例えば時計周りに所定の角度回転した後、反時計回りに所定の角度回転し、この動作を繰り返すことにより、発電を繰り返して蓄電池34に蓄電する。このとき、回転板17が180°の角度範囲で回転する場合には、常に第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとが互いに対向した状態で相対的に移動するので、連続して発電する。
すなわち、回転板17が時計周りに180°の角度範囲内における角度で回転するときに、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
また、回転板17が反時計周りに180°の角度範囲内における角度で回転するときにも、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
一方、電子腕時計が取り付けられた腕を曲げて上下方向に速く動かした場合には、当該電子腕時計内の回転板17が小径の円形部20の外周部に設けられた半円弧部21の錘部21aによる慣性によって同じ方向(時計方向または反時計方向)に連続して回転する。このときには、多数のエレクトレット膜25を備えた第1電極22が半円弧部21に設けられているので、回転板17が半回転(180°回転)するときに、第2電極26が第1電極22の一部に必ず対向するが、次の半回転(180°〜360°の角度回転)のときには、第2電極26が第1電極22に対向する範囲が狭くなり、第1、第2の各電極22、26の両者が対向しない範囲がある。
このため、第2電極26が第1電極22の一部に対向した状態で、回転板17が半回転するときに、第1電極22の多数の電極片24aに形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
また、次の半回転(180°〜360°の角度回転)のときには、第2電極26が第1電極22に対向する範囲が狭くなるため、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片2aとの間の誘導電荷量が変化する範囲が狭くなり、発電量が少なくなり、第1、第2の各電極22、26の両者が対向しない範囲のときには発電しない。これにより、回転板17が連続して一方向に回転するときには、回転板17のほぼ半回転ごとに発電を行うため、ほぼ半回転ごとに間欠的に電荷を蓄電池34に蓄電する。
このように、この電子腕時計の発電装置16によれば、時計モジュール6に設けられた平板状の基板である地板15と、この地板15の平面上を回転する回転板17と、この回転板17にその回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部24を備えた第1電極22と、この第1電極22の放射状部24と対向するように地板15上に形成された放射状部27を備えた第2電極26と、第1電極22と第2電極26との一方に設けられた電荷保持体であるエレクトレット膜25とを備えているので、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
すなわち、この発電装置16によれば、外部振動によって回転板17が平板状の地板15の平面上を回転する構成であるから、ガイド部材を用いずに、地板15に対して回転板17を固定軸18によって一定間隔に保って回転させることができると共に、回転板17に設けられた第1電極22上に電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成され、この第1電極22のエレクトレット膜25と地板15に設けられた第2電極26とが相対的に回転移動するので、回転板17の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、構造が簡単で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
この場合、回転板17は、小径の円形部20と、この小径の円形部20の外周部にその円形部20よりも大径でほぼ半円弧状に形成された半円弧部21とを備えているので、固定軸18によって回転板17を地板15に対して一定の間隔で回転自在に取り付けることにより、外部振動を受けると、回転板17の半円弧部21に慣性が生じ、この慣性によって回転板17を地板15に対して一定間隔で回転させることができるので、外部振動に応じて回転板17を良好に回転させることができる。
例えば、電子腕時計を腕に取り付けて歩きながら腕を振ると、回転板17が、必ずしも1回転(360°の角度)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度範囲で揺動するので、回転板17が例えば時計周りに所定角度で回転した後、反時計回りに所定角度で回転し、この動作を繰り返すことにより、発電することができる。また、電子腕時計が取り付けられた腕を曲げて上下方向に速く動かすと、回転板17がその慣性力によって同じ方向(時計方向または反時計方向)に回転するので、回転板17を連続させて回転させて発電することができる。
また、第1電極22の放射状部24は、その多数の電極片24aが回転板17の半円弧部21にほぼ半円弧状に配列されていることにより、回転板17が、必ずしも1回転(360°の角度回転)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度(例えば180°の角度)範囲で揺動する際に、第2電極26の多数の電極片28aを常に第1電極22の多数の電極片24aに形成されたエレクトレット膜25に対向させた状態で相対的に移動させることができるので、連続して発電することができる。
また、回転板17が腕の振りによる慣性力に応じて連続して回転する際には、第1電極22の放射状部24が回転板17の半円弧部21にほぼ半円弧状に形成されていることにより、回転板17が半回転(180°回転)するときに、第2電極26が第1電極22の一部に対向して発電することができ、次の半回転(180°〜360°の角度回転)のときに、第2電極26が第1電極22に対向する範囲が狭くなり、発電量が減少し、第1、第2の各電極22、26の両者が対向しない範囲のときには発電しないため、回転板17が連続して回転するときには、回転板17のほぼ半回転ごとに間欠的に発電を行うことができる。
また、この発電装置16によれば、第1電極22と第2電極26との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電池34を備えていることにより、回転板17の回転動作に応じて第1電極22のエレクトレット膜25と地板15に設けられた第2電極26との間に発生した電荷を良好に且つ確実に蓄電池34に蓄えることができる。
さらに、この発電装置16によれば、回転板17が導電性を有する金属からなり、その回転中心部が導電性の固定軸18に導電性のベアリング19によって回転自在に取り付けられており、蓄電部である蓄電池34は回路基板9に設けられており、第1電極22と蓄電34とは、回路基板9、固定軸18、およびベアリング19をそれぞれ介して電気的に接続されており、且つ第2電極26と蓄電34とは、回路基板9、およびこの回路基板9と第2電極26とを接続する接続部材29をそれぞれ介して電気的に接続されているので、簡単な構成で、回転板17が導電性の固定軸18の軸回りを360°の角度以上回転する構成であっても、第1電極22と蓄電34とを確実に且つ良好に接続することができる。
(実施形態2)
次に、図11〜図13を参照して、この発明を適用した電子腕時計の実施形態2について説明する。なお、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子腕時計は、発電装置40の第1電極41と第2電極42とが実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、この発電装置40は、実施形態1と同様、平板状の基板である地板15と、この地板15の平面に対面して回転する回転板17とを備えている。この場合、地板15は、図13に示すように、全体がほぼ円形状に形成され、下部ハウジング8の下面全体をほぼ覆うように構成されている。回転板17は、実施形態1と同様、導電性を有する金属からなり、その中心部が下部ハウジング8に取り付けられて地板15の下側に突出した固定軸18に、ベアリング19によって回転自在に取り付けられ、地板15の下面に対して常に一定間隔を保った状態で、回転するように構成されている。
また、この回転板17は、図12に示すように、小径の円形部20と、この小径の円形部20よりも大径でほぼ半円弧に形成された半円弧部21とを備えている。小径の円形部20は、その中心部に固定軸18が挿入する軸孔17aが設けられている。半円弧部21は、その外周部に錘部21aが設けられ、この状態で小径の円形部20の外周部に設けられている。これにより、回転板17は、外部振動を受けると、半円弧部21の錘部21aによる慣性によって固定軸18を中心に回転するように構成されている。
また、この回転板17の上面には、図11および図12に示すように、第1電極41が絶縁膜43を介して設けられている。この場合、絶縁膜43は、回転板17の円形部20における上面のほぼ全域に円形状に設けられている。この絶縁膜43上に設けられた第1電極41は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部44を備えている。この放射状部44は、図12に示すように、回転板17の円形部20に設けられた絶縁膜43上に多数の電極片44aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。
すなわち、この放射状部44は、多数の電極片24aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片24aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部44は、多数の電極片44aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜43の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。これにより、第1電極41は、回転板17および固定軸18を介して回路基板9と電気的に接続されている。この場合にも、各電極片44a上には、実施形態1と同様、電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成されている。
一方、回転板17に対向する基板である地板15の下面には、図11および図13に示すように、第2電極42が絶縁膜45を介して設けられている。この絶縁膜45は、回転板17の第1電極41に対応する箇所に、第1電極41と同じ大きさの円形状に形成されており、この絶縁膜45の下面(図13では表面)には、第2電極42が設けられている。この第2電極42も、実施形態1と同様、導電性を有する金属からなり、回転板17の回転中心部である固定軸18から放射状に形成された放射状部46を備えている。
この放射状部46は、図13に示すように、地板15に設けられた絶縁膜45に多数の電極片46aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状46は、第1電極41の放射状部44と同様、多数の電極片46aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片46aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部46は、多数の電極片46aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜45の上面側に露出し、図11に示すように、露出した部分がコイルばねなどの接続部材29によって回路基板9と電気的に接続されている。
これにより、この発電装置40は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極41が地板15に設けられた第2電極42に対して相対的に回転移動すると、第1電極41の多数の電極片44aに形成されたエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとが相対的に移動して、第1電極41の多数のエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電するように構成されている。
次に、この電子腕時計を腕に取り付けて使用する場合について説明する。
まず、腕を振って歩きながら電子腕時計を軽く振った場合には、実施形態1と同様、腕の振りに応じて回転板17が地板15に対して一定間隔を保って回転する。このとき、回転板17は、必ずしも1回転(360°の角度回転)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度範囲で揺動する。このため、回転板17は例えば時計周りに所定の角度回転した後、反時計回りに所定の角度回転し、この動作を繰り返すことにより、発電を繰り返して蓄電池34に蓄電する。
すなわち、回転板17が時計周りに所定角度回転するときには、第1電極41の多数の電極片44a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとが相対的に移動して、第1電極41の多数のエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電を行ない、蓄電池34に蓄電する。
また、回転板17が反時計周りに所定の角度回転するときにも、第1電極41の多数の電極片44a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとが相対的に移動して、第1電極41の多数のエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電を行ない、蓄電池34に蓄電する。
一方、電子腕時計が取り付けられた腕を曲げて上下方向に速く動かした場合には、回転板17が小径の円形部20の外周部に設けられた半円弧部21の錘部21aによる慣性によって同じ方向(時計方向または反時計方向)に連続して回転する。このときには、多数のエレクトレット膜25を備えた第1電極22が円形部20に設けられているので、第1電極41の多数のエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとが常に対向して相対的に回転移動して、第1電極41の多数のエレクトレット膜25と第2電極42の多数の電極片46aとの間の誘導電荷量を変化させるので、連続して発電を行ない、蓄電池34に蓄電する。
このように、この電子腕時計の発電装置40によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、第1電極41の放射状部44が回転板17の円形部20に円形状に形成されていることにより、第1電極41の多数の電極片44aに形成されたエレクトレット膜25を第2電極42の多数の電極片46aに常に対向させた状態で相対的に移動させることができ、これにより腕の振りによる回転板17の回転に応じて連続して発電を行うことができるので、実施形態1よりも、更に効率良く発電することができる。
(実施形態3)
次に、図14〜図16を参照して、この発明を適用した電子腕時計の実施形態3について説明する。この場合には、図11〜図13に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電子腕時計は、発電装置50の第1電極51と第2電極52とが実施形態2と異なる構成であり、これ以外は実施形態2と同じ構成になっている。
すなわち、回転板17の上面には、図14および図15に示すように、第1電極51が絶縁膜53を介して設けられている。この絶縁膜53は、回転板17の円形部20および半円弧部21における上面のほぼ全域に設けられている。この絶縁膜53上に設けられた第1電極51は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部54を備えている。
この放射状部54は、図15に示すように、回転板17の円形部20と半円弧部21とに亘って設けられた絶縁膜53上に多数の電極片54aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部54は、回転板17の円形部20に位置する部分の電極片54aが円形状に形成され、回転板17の半円弧部21に位置する部分の電極片54aが半円弧状に形成されている。
この場合にも、放射状部54は、多数の電極片54aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片54aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部54は、多数の電極片54aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜53の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。この各電極片54a上には、実施形態2と同様、電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成されている。
一方、回転板17に対向する基板である地板15の下面(図16では表面)には、図14および図16に示すように、第2電極52が絶縁膜55を介して設けられている。この絶縁膜55は、回転板17の第1電極51が回転移動する回転移動軌跡上に対応する箇所、つまり回転板17の小径の円形部20に対応する箇所、および回転板17の半円弧部21の回転移動軌跡上に対応する箇所の両者に亘って、第1電極51とほぼ同じ形状で形成されている。
この絶縁膜55の下面に設けられた第2電極52は、実施形態2と同様、回転板17の回転中心部である固定軸18から放射状に形成された放射状部56を備えている。この放射状部56は、図16に示すように、地板15に設けられた絶縁膜55に多数の電極片56aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部56は、回転板17の小径の円形部20に対応する部分の電極片56aと、回転板17の半円弧部21に対応する部分の電極片56aとを備えている。
この場合、放射状部56は、図16に示すように、回転板17の半円弧部21に対応する部分の電極片56aが、第1電極51のほぼ半分程度(約90°の角度範囲)の大きさに形成された構成になっている。また、この放射状部56も、多数の電極片56aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜55の上面に露出し、図14に示すように、露出した部分がコイルばねなどの接続部材29によって回路基板9と電気的に接続されている。
これにより、この発電装置50は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極51が地板15に設けられた第2電極42に対して相対的に回転移動すると、第1電極51の多数の電極片54aに形成されたエレクトレット膜25と第2電極52の多数の電極片56aとが相対的に移動して、第1電極51の多数のエレクトレット膜25と第2電極52の多数の電極片56aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電するように構成されている。
このように、この電子腕時計の発電装置50においても、第1電極51の放射状部54が回転板17の円形部20および半円弧部21に亘って形成されていることにより、実施形態1、2と同様、第1電極51の多数の電極片54aに形成されたエレクトレット膜25を第2電極52の多数の電極片56aに常に対向させた状態で相対的に移動させることができ、これにより腕の振りによる回転板17の回転に応じて連続して発電を行うことができる。
すなわち、第1電極51は、その放射状部54の一部が回転板17の小径の円形部20に設けられており、第2電極52は、その放射状部56の一部が回転板17の小径の円形部20に対応して設けられているので、実施形態2と同様に発電することができ、また第1電極51は、その放射状部54における他の一部が回転板17の半円弧部21に設けられており、第2電極52は、その放射状部56における他の一部が回転板17の半円弧部21に設けられた第1電極51の回転移動軌跡上に対応する箇所に設けられているので、実施形態1と同様に発電することができ、これにより実施形態1、2の両者を合わせた分に相当する発電を行うことができる。
(実施形態4)
次に、図17〜図19を参照して、この発明を適用した電子腕時計の実施形態4について説明する。この場合には、図14〜図16に示された実施形態3と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電子腕時計は、発電装置60の第1電極61と第2電極62とが実施形態3と少し異なる構成であり、これ以外は実施形態3と同じ構成になっている。
すなわち、回転板17の上面には、実施形態3と同様、第1電極61が絶縁膜53を介して設けられている。この絶縁膜53も、回転板17の円形部20および半円弧部21における上面のほぼ全域に設けられている。この絶縁膜53上に設けられた第1電極61は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された第1、第2の各放射状部63、64を備えている。第1放射状部63は、図18に示すように、回転板17の円形部20に位置する絶縁膜53上に多数の電極片63aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。
また、第2放射状部64は、図18に示すように、回転板17の半円弧部21に位置する絶縁膜53上に多数の電極片64aが第1放射状部63の電極片63aと異なる間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この第2放射状部64は、多数の電極片64aが第1放射状部63の電極片63aの間隔よりも広い間隔で形成されている。
そして、これら第1、第2の各放射状部63、64は、各電極片63a、64aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜53の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。この場合にも、第1、第2の各放射状部63、64の各電極片63a、64a上には、実施形態3と同様、電荷保持体であるエレクトレット膜25がそれぞれ形成されている。
一方、回転板17に対向する基板である地板15の下面(図19では表面)には、図17および図19に示すように、第2電極62が絶縁膜55を介して設けられている。この絶縁膜55も、実施形態3と同様、回転板17の第1電極51が回転移動する回転移動軌跡上に対応する箇所、つまり回転板17の小径の円形部20に対応する箇所、および回転板17の半円弧部21の回転移動軌跡上に対応する箇所の両者に亘って、第1電極61とほぼ同じ形状で形成されている。
この絶縁膜55の下面に設けられた第2電極52は、実施形態3と同様、回転板17の回転中心部である固定軸18から放射状に形成された第3、第4の各放射状部65、66を備えている。すなわち、第3放射状部65は、第1電極61の第1放射状部63に対応して円形状に設けられており、第4放射状部66は、第1電極61の第2放射状部64の回転移動軌跡上に対応する箇所に約90°の角度範囲の半円弧状に設けられている。
この場合、第3放射状部65は、図19に示すように、地板15に設けられた絶縁膜55に多数の電極片65aが第1電極61の第1放射状部63の各電極片63aと同じ間隔で放射状に配列された構成になっている。また、第4放射状部66は、図19に示すように、地板15に設けられた絶縁膜55に多数の電極片66aが第1電極61の第2放射状部64の各電極64aと同じ間隔で放射状に配列された構成になっている。
すなわち、この第4放射状部66は、多数の電極片66aが第3放射状部65の電極片65aの間隔よりも広い間隔で形成されている。そして、これら多数の電極片65a、66aは、その内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜55の上面側に露出し、図17に示すように、露出した部分がコイルばねなどの接続部材29によって回路基板9と電気的に接続されている。
これにより、この発電装置60は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極61が地板15に設けられた第2電極62に対して相対的に回転移動すると、第1電極61における第1、第2の各放射状部63、64の各多数の電極片63a、64aに形成されたエレクトレット膜25が第2電極62における第3、第4の各放射状部65、66の各多数の電極片65a、66aに対して相対的に移動して、第1電極61における第1、第2の各放射状部63、64の各多数のエレクトレット膜25と第2電極62における第3、第4の各放射状部65、66の各多数の電極片65a、66aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電するように構成されている。
このように、この電子腕時計の発電装置60においても、実施形態3と同様、第1電極61の第1、第2の各放射状部63、64が回転板17の円形部20および半円弧部21に亘って形成されていることにより、第1電極51における第1、第2の各放射状部63、64の多数の電極片63a、64aに形成されたエレクトレット膜25と、第2電極62における第3、第4の各放射状部65、66の多数の電極片65a、66aとを、相対的に移動させることができ、これにより実施形態3と同様、腕の振りによる回転板17の回転に応じて連続して発電を行うことができる。
すなわち、第1電極61は、その第1放射状部63が回転板17の小径の円形部20に設けられており、第2電極62は、その第3放射状部65が回転板17の小径の円形部20に対応して設けられているので、実施形態2と同様に発電することができ、また第1電極61は、その第2放射状部64が回転板17の半円弧部21に設けられており、第2電極62は、その第4放射状部66が回転板17の半円弧部21に設けられた第1電極61の第2放射状部64の回転移動軌跡上に対応する箇所に設けられているので、実施形態1と同様に発電することができ、これにより実施形態1、2の両者を合わせた分に相当する発電を行うことができる。
この場合には、第1電極61の第1放射状部63における多数の電極片63aの間隔と、第2電極62の第3放射状部65における多数の電極片65aの間隔とが同じ間隔で対応しているので、所定の周波数で発電することができると共に、第1電極61の第2放射状部64における多数の電極片64aの間隔と、第2電極62の第4放射状部66における多数の電極片66aの間隔とが同じ間隔で、且つ第1、第3の各放射状部63、65の各電極片63a、65aの間隔と異なる間隔であるから、第1、第3の各放射状部63、65で発電した周波数と異なる周波数で発電することができる。
(実施形態5)
次に、図20〜図24を参照して、この発明を適用した電子腕時計の実施形態5について説明する。この場合には、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電子腕時計は、発電装置70が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
すなわち、この発電装置70は、図20および図22に示すように、回転板17の下面に第1電極71を設け、これに対向する裏蓋5の上面に第2電極72を設けた構成になっている。この場合、回転板17の下面には、図22および図23に示すように、第1電極71が絶縁膜23を介して設けられている。この絶縁膜23は、実施形態1と同様、回転板17の半円弧部21における下面のほぼ全域に半円弧状に設けられている。
この絶縁膜23上に設けられた第1電極71は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部73を備えている。この放射状部73は、図23に示すように、回転板17の半円弧部21に設けられた絶縁膜23上に多数の電極片73aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部73は、多数の電極片73aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片73aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
また、この放射状部73は、実施形態1と同様、多数の電極片73aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜23の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。これにより、第1電極73は、回転板17および固定軸18を介して回路基板9と電気的に接続されている。この場合にも、各電極片73a上には、図23に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成されている。このエレクトレット膜25は、実施形態1と同じ材料で形成されている。
一方、回転板17に対向する基板である裏蓋5の上面には、図20、図22および図24に示すように、第2電極72が絶縁膜27を介して設けられている。この絶縁膜27は、図24に示すように、回転板17の第1電極71が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、第1電極71とほぼ同じ大きさの半円弧状に設けられている。この絶縁膜27の上面に設けられた第2電極72は、実施形態1と同様、導電性を有する金属からなり、回転板17の回転中心部である固定軸18に対応する中心部から放射状に形成された放射状部74を備えている。
この放射状部74は、図24に示すように、裏蓋5に設けられた絶縁膜27に多数の電極片74aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部74は、第1電極71の放射状部73と同様、多数の電極片74aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片74aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部74は、多数の電極片74aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜27の側方に導かれて裏蓋5と電気的に接続されている。この場合、裏蓋5は、リード線などの接続部材(図示せず)によって回路基板9と電気的に接続されている。
これにより、この発電装置70は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極71が裏蓋5に設けられた第2電極72に対して相対的に回転移動すると、第1電極71の多数の電極片73a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極72の多数の電極片74aとが相対的に移動して、第1電極71の多数のエレクトレット膜25と第2電極72の多数の電極片74aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して蓄電池34に蓄電するように構成されている。
このような電子腕時計の発電装置70によれば、腕時計ケース1の下面に設けられた平板状の基板である裏蓋5と、この裏蓋5の平面上を回転する回転板17と、この回転板17にその回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部73を備えた第1電極71と、この第1電極71の放射状部73と対向するように裏蓋5上に形成された放射状部74を備えた第2電極72と、第1電極71に形成された電荷保持体であるエレクトレット膜25とを備えているので、実施形態1と同様、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
すなわち、この発電装置70によれば、外部振動によって回転板17が平板状の裏蓋5の平面上を回転する構成であるから、裏蓋5に対して回転板17を固定軸18によって一定間隔に保って回転させることができると共に、回転板17に設けられた第1電極71上に電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成され、この第1電極71のエレクトレット膜25と裏蓋5に設けられた第2電極72とが相対的に回転移動するので、回転板17の回転運動を効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、構造が簡単で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
この場合、第1電極71の放射状部73は、回転板17の半円弧部21にほぼ半円弧状に形成されており、第2電極72の放射状部74は、裏蓋5に第1電極71の放射状部73と同じ形状で同じ大きさの半円弧状に形成されていることにより、回転板17が、必ずしも1回転(360°の角度回転)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度(例えば180°の角度)範囲で揺動する際に、第1電極71の多数の電極片73aに形成されたエレクトレット膜25を第2電極72における多数の電極片74aの一部に常に対向させた状態で相対的に移動させることができるので、連続して発電することができる。
また、回転板17が腕の振りによる慣性力に応じて連続して回転する際には、第1電極71の放射状部73が回転板17の半円弧部21にほぼ半円弧状に形成されていると共に、第2電極72の放射状部74が裏蓋5に第1電極71の放射状部73と同じ形状で同じ大きさの半円弧状に形成されていることにより、回転板17が回転するときに、第1電極71が第2電極72の反対側に位置して第2電極72に全く対面しない瞬間のときだけ、発電が途切れるが、これ以外のときは第1電極71が第2電極72の一部に対向するので、ほぼ連続して発電を行うことができる。
なお、上述した実施形態5では、裏蓋5の上面に設けられた第2電極72の放射状部74を、第1電極71の放射状部73と同じ形状で同じ大きさの半円弧状に形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図25に示す変形例のように、裏蓋5の上面に設けられる第2電極76の放射状部77を、第1電極71の放射状部73の回転移動軌跡上に対応する円形リング状に形成した構成にしても良い。このように構成すれば、回転板17の第1電極71が常に第2電極76に対応して回転移動するので、回転板17がどのように回転しても、連続して発電することできると共に、回転速度に応じて発電を安定させることができる。
また、上述した実施形態1〜5およびその変形例では、回転板17が小径の円形部20と大径の半円弧部21とを備えた構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば図26に示す変形例のように、回転板80を円形の円板状に形成すると共に、その外周縁に錘部81を半円弧状に設けた構成にしても良い。このように構成すれば、回転板80に第1電極82を円形のリング状に連続させて形成することできるので、上述した変形例と同様、回転板80の第1電極82を常に第2電極26、42、52、62、76に対応させて回転移動させることができ、これにより回転板80がどのように回転しても、連続して発電することできると共に、回転速度に応じて発電を安定させることができる。
また、上述した実施形態1〜5およびその各変形例では、第1電極22、41、51、61、71、82にエレクトレット膜25を設けた場合について述べたが、必ずしも第1電極22、41、51、61、71、82にエレクトレット膜25を設ける必要はなく、第1電極22、41、51、61、71、82に代えて第2電極26、42、52、62、76にエレクトレット膜25を設けた構成でも良い。このように構成しても、実施形態1〜5およびその各変形例と同様の作用効果がある。
なおまた、上述した実施形態1〜5およびその各変形例では、電子腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも電子腕時計などの時計である必要はなく、例えば携帯電話機や歩数計などの携帯型の電子機器にも適用することができるほか、自動車や電車などの走行車両の車軸に取り付けて使用することもできる。
1 腕時計ケース
5 裏蓋
6 時計モジュール
7 上部ハウジング
8 下部ハウジング
9 回路基板
15 地板
16、40、50、60、70 発電装置
17、80 回転板
18 固定軸
20 小径の円形部
21 大径の半円弧部
21a、81 錘部
22、41、51、61、71、82 第1電極
23、27、43、45、53、55 絶縁膜
24、44、54、73 第1電極の放射状部
24a、44a、54a、73a 電極片
25 エレクトレット膜
26、42、52、62、72 第2電極
28、46、56、74 第2電極の放射状部
28a、46a、56a、74a 電極片
34 蓄電池
63、64 第1電極の第1、第2の各放射状部
63a、64a 電極片
65、66 第2電極の第3、第4の各放射状部
65a、66a 電極片

Claims (4)

  1. 平板状の基板と、
    この基板の平面上を回転する回転部材と、
    この回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、
    この第1電極の放射部と対向するように前記平板状の基板上に形成された放射部を備えた第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体と
    前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電部と、
    を備え
    前記回転部材は、導電性を有する金属からなり、その回転中心部が前記基板から突出した導電性の軸部材に導電性の軸受部材によって回転自在に取り付けられており、
    前記蓄電部は回路基板に設けられており、
    前記第1電極と前記蓄電部とは、前記回路基板、前記軸部材、および、前記軸受部材をそれぞれ介して電気的に接続されており、且つ前記第2電極と前記蓄電部とは、前記回路基板、および、この回路基板と前記第2電極とを接続する接続部材をそれぞれ介して電気的に接続されていることを特徴とする発電装置。
  2. 前記回転部材は、小径の円形部と、この小径の円形部の外周部に当該円形部よりも大径でほぼ半円弧状に形成された半円弧部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記第1電極の前記放射部は、前記回転部材の前記半円弧部にほぼ半円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置。
  4. 前記第1電極の前記放射部は、前記回転部材の前記小径の円形部に円形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置。
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