JP5401917B2 - 排出量按分装置および排出量按分プログラム - Google Patents

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Description

本件は、荷物の輸送を担う車両について排出される所定の排出物(例えば二酸化炭素)の排出量を、その車両で輸送される各荷物に按分するための排出量按分装置および排出量按分プログラムに関する。
近年、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスによる地球温暖化が重大な問題となってきており、世界各国で温室効果ガスの排出量を規制する動きが強まっている。二酸化炭素は、ガソリンや軽油などといった石油由来の燃料を燃焼する際に多量に発生することが知られており、特に、トラックなどの車両を用いた荷物の輸送サービスは、二酸化炭素の排出量の多い業種である。最近の輸送サービスの業界では、車両の動力源として電力を使用する電気自動車やハイブリッド車が注目を集めており、このように電力を使用するために走行時における二酸化炭素の排出量(正確には、走行時における消費電力量に、発電の際に発電所で排出される単位電力量あたりの二酸化炭素の排出量を乗じることで換算された二酸化炭素の排出量)が、従来のガソリン自動車やディーゼル自動車と比べて少ない車両を導入していくことで、二酸化炭素の排出量の削減が進むことが期待されている。
ところで、温室効果ガスの排出量を削減するための方策としては、温室効果ガスの排出源である企業や団体ごとにそれぞれの排出量に応じた負担を要求することでこれらの企業や団体に対して排出量の削減努力を促す方策が効果的であると考えられる。ここで、排出量に応じた負担としては、具体的には、例えば、二酸化炭素の排出削減に伴う費用を賄うための、排出量に応じた額の金銭の支払いや、排出量に応じた削減目標の達成義務が挙げられる。この削減策の実行に際しては、温室効果ガスの排出源と、その排出源における温室効果ガスの排出量とを正確に把握することが必要となる。
ここで、荷物の輸送サービスの場合には、平等の観点から、荷物の輸送の際の二酸化炭素の排出量の削減努力や義務、さらには排出量に応じた負担を、輸送サービスの提供者側だけでなく輸送サービスの提供を求める依頼者(例えば、荷物の荷主)側にも求めるのが妥当であるといえる。一般に、荷物の輸送サービスでは、荷主の異なる複数の荷物が混載されて輸送されることが多く、このため荷物の輸送サービスに対して上記の削減策が適用されるに当たっては、輸送で運搬される荷物についての排出責任の度合いを定量的に明確なものにするために、輸送に伴う二酸化炭素の排出量をその輸送で運搬される荷物ごとに振り分けることが必要となる。ここで、特許文献1では、輸送に伴う燃料の消費量に応じて二酸化炭素の排出量を荷物ごとに振り分けるための排出量の按分方法が提案されている。この按分方法では、電気自動車やハイブリッド車のように、車両の使用時における二酸化炭素の排出量が少ない車両ほど、その車両で輸送される各荷物に振り分けられる排出量は少なくなり、荷主の負担が低減する。
特開2007−4331号公報
ところで、荷物の輸送サービスに用いられるトラックなどの車両の、製造から廃棄までのライフサイクルの中では、車両について二酸化炭素の排出が行われるのは、車両の走行のための動力源の消費時に限られない。例えば、車両の製造やメンテナンスや廃棄の際にも、多量の電力等のエネルギー消費により、かなりの量の二酸化炭素の排出(消費エネルギーから換算される二酸化炭素の排出)が行われる。このため、二酸化炭素の排出に伴う負担を荷物ごとに振り分ける際には、動力源の消費時における二酸化炭素の排出量に加えて、動力源の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量を加味することが適切であるといえる。
また、電気自動車やハイブリッド車のように車両の使用時における二酸化炭素の排出量が少ない車両は、ガソリンや軽油を燃料とする従来の車両と比べて車両の部品や製造のコスト、またメンテナンスや廃棄の際のコストなどがより多くかかるため、車輌価格や維持費用が高額になる。電気自動車やハイブリッド車を導入する輸送業者側の負担が増加するのに対し、特許文献1記載の方法では、上述したように荷主の排出量にかかる負担は低減することとなるので、輸送業者と荷主との間の公平さに欠けている。このため、特許文献1記載の方法が適用された場合には、輸送業者側に対して、電気自動車やハイブリッド車のように二酸化炭素の排出量が少ない車両の導入意欲をそぐ結果をもたらしかねず、導入に際してコスト高となる分の一部は、排出量削減の価値として荷主側に負担させることが、公平さの観点からも適切であるといえる。
上記事情に鑑み、本件開示の排出量按分装置、および排出量按分プログラムの課題は、車両における排出物の排出量を荷物ごとに適切に按分することにある。
上記目的を達成する第1の排出量按分装置の基本形態は、
車両の製造から該車両の廃棄までの該車両のライフサイクル中に排出される所定の排出物の予測排出量を取得する取得部と、
上記取得部により取得された予測排出量から、按分により、該車両の単位あたりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を求めるプロセス排出量按分部と、
上記プロセス排出量按分部で求められた当該輸送プロセスの排出量を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを備えている。
この第1の排出量按分装置によれば、車両のライフサイクル中に排出される予測排出量が、車両で輸送される各荷物に按分されるため、車両の動力源の消費に起因する排出量以外に起因する排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分されることとなる。この結果、この第1の排出量按分装置の基本形態では、車両に関する排出物の排出責任が適切に振り分けられる。
また、上記目的を達成する第2の排出量按分装置の基本形態は、
車両の製造から該車両の廃棄までの該車両のライフサイクル中に排出される所定の排出物の予測排出量のうち、上記車両が輸送の際に消費する動力源に起因して排出される排出量を除いた残りの排出量についての予測排出量を取得する取得部と、
上記取得部により取得された予測排出量から、按分により、該車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を求めるプロセス排出量按分部と、
上記プロセス排出量按分部で排出量が求められた輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される、上記排出物の排出量を取得し、その取得した排出量と、上記プロセス排出量按分部で求められた排出量との和を求める算出部と、
上記算出部により求められた、当該輸送プロセスにおける排出量の和を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを備えている。
この第2の排出量按分装置の基本形態によれば、車両の動力源の消費に起因する排出量以外に起因する予測排出量が、輸送プロセスへの按分を経て、輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される排出量とともに各荷物に按分されるため、車両の動力源の消費に起因する排出量以外に起因する排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分されることとなる。この結果、この第2の排出量按分装置の基本形態でも、車両に関する排出物の排出責任が適切に振り分けられることとなる。
上記目的を達成する第1の排出量按分プログラムの基本形態は、
コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
車両の製造から該車両の廃棄までの該車両のライフサイクル中に排出される所定の排出物の予測排出量を取得する取得部と、
上記取得部により取得された予測排出量から、按分により、該車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を求めるプロセス排出量按分部と、
上記プロセス排出量按分部で求められた当該輸送プロセスの排出量を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを構築するものである。
この基本形態の排出量按分プログラムをコンピュータシステム内で実行することによって、上述した第1の排出量按分装置を容易に実現することができる。
また、上記目的を達成する第2の排出量按分プログラムの基本形態は、
コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
車両の製造から該車両の廃棄までの該車両のライフサイクル中に排出される所定の排出物の予測排出量のうち、上記車両が輸送の際に消費する動力源に起因して排出される排出量を除いた残りの排出量についての予測排出量を取得する取得部と、
上記取得部により取得された予測排出量から、按分により、該車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を求めるプロセス排出量按分部と、
上記プロセス排出量按分部で排出量が求められた輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される、上記排出物の排出量を取得し、その取得した排出量と、上記プロセス排出量按分部で求められた排出量との和を求める算出部と、
上記算出部により求められた、当該輸送プロセスにおける排出量の和を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを構築するものである。
この基本形態の排出量按分プログラムをコンピュータシステム内で実行することによって、上述した第2の排出量按分装置を容易に実現することができる。
なお、第1の排出量按分プログラムの基本形態や第2の排出量按分プログラムの基本形態でコンピュータシステム上に構築される取得部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、1つの要素が複数のプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されていてもよく、あるいは、コンピュータシステムに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されていてもよい。
以上説明したように、排出量按分装置、および排出量按分プログラムの上記基本形態によれば、車両における排出物の排出量が荷物ごとに適切に按分される。
基本形態について上述した、排出量按分装置、および排出量按分プログラムに対する具体的な実施形態として、以下、第1実施形態〜第4実施形態について説明する。
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、車両を用いて荷物の輸送を担う輸送システムの構成を表した図である。
図1に示す輸送システムは、複数の顧客それぞれから荷物を預かって、その荷物を、それぞれの顧客に指定された運搬先まで輸送車両2000により輸送するシステムであり、輸送車両2000による輸送を管理する輸送管理支援装置1000を備えている。なお、この図では1台の輸送車両だけが記載されているが、図1に示す輸送システムでは、複数の輸送車両2000を備えており、これらの輸送車両2000による輸送が、輸送管理支援装置1000によって管理される。この輸送管理支援装置1000は、各輸送車両2000に、各輸送車両2000の1日あるいは所定期間の輸送計画を伝え、各輸送車両2000は、この輸送計画に従って荷物の輸送を実行する。
輸送車両2000には、輸送車両2000の走行を管理する走行管理装置2000aが搭載されており、この走行管理装置2000aは、走行中の輸送車両2000の、地理上の位置を把握するGPS2001aや、走行中の輸送車両2000の速度を検出する車速センサ2003aを備えている。また、この走行管理装置2000aには、走行記録装置2002aが備えられており、GPS2001aによって把握された輸送車両2000の位置や、車速センサ2003aで検出された輸送車両2000の速度は、走行記録装置2002aに記録される。走行記録装置2002aに記録された、輸送車両2000の位置や速度のデータ(走行データ)は、輸送管理支援装置1000に送られる。
さらに、図1に示す輸送システムでは、輸送車両2000に起因して排出される二酸化炭素の排出量を、輸送車両2000によって輸送される荷物ごとに按分するための排出量按分装置100が備えられている。この排出量按分装置100は、輸送管理支援装置1000に接続されており、各輸送車両2000についての情報を輸送管理支援装置1000から取得してこの情報に基づいて二酸化炭素の排出量の按分を行い、その按分結果を輸送管理支援装置1000に送る。この排出量按分装置100が、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作する。
なお、以下では、排出量按分装置100は、輸送管理支援装置1000に接続されている装置、すなわち、輸送管理支援装置1000とは別個の装置であるとして説明するが、上述した基本形態の排出量按分装置は、以下に説明する排出量按分装置100の機能を有する輸送管理支援装置であってもよい。
図2は、排出量按分装置100の外観斜視図、図3は、そのハードウェア構成図である。
この排出量按分装置100は、ハードウェアとしてはパーソナルコンピュータであり、後述するCPU、メモリ、ハードディスク装置等を内蔵した本体部110、本体部110からの指示により表示画面121に画面表示を行なう画像表示装置120、この排出量按分装置100内にユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード130、表示画面121上の任意の位置を指定することによりその位置に応じた指示を入力するマウス140を備えている。
本体部110は、さらにフレキシブルディスク(以下FDと略す)が装填されるFD装填口111、CD−ROMが装填されるCD−ROM装填口112を有しており、その内部には、装填されたFDやCD−ROMをドライブする、後述するFDドライブ、CD−ROMドライブも内蔵されている。
本体部110の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU211、情報を一時的に蓄えるメモリ212、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置213、FD2140が装填され、その装填されたFD2140にアクセスするFDドライブ214、CD−ROM2150が装填され、その装填されたCD−ROM2150にアクセスするCD−ROMドライブ215が内蔵されている。これらの各種要素と、さらに、図2にも示す画像表示装置120、キーボード130、マウス140は、バス1200を介して相互に接続されている。また、排出量按分装置100には、排出量按分装置100が外部機器と間でデータのやりとりを行うための入出力インタフェース216が内蔵されており、排出量按分装置100は、この入出力インタフェース216を介して上述の輸送管理支援装置1000と接続されている。この入出力インタフェース216も、排出量按分装置100内部のハードウェアを構成する上述の各種要素と、バス1200を介して相互に接続されている。
次に、排出量按分プログラムの一実施形態について説明する。
この排出量按分プログラムの一実施形態が、例えば、CD−ROM2150に記憶されている場合には、このCD−ROM2150が、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータのCD−ROM装填口112から本体110内に装填されると、そのCD−ROM2150に記憶された排出量按分プログラムがCD−ROMドライブ215によりハードディスク装置213内にインストールされる。そして、このハードディスク装置213内にインストールされた排出量按分プログラムが起動されると、このパーソナルコンピュータは、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作する排出量按分装置100となる。
図4は、基本形態について上述した第1の排出量按分プログラムの一実施形態を示す図である。
ここでは、この排出量按分プログラム900は、CD−ROM2150に記憶されている。なお、排出量按分プログラム900が記憶される記憶媒体としては、図4に示すCD−ROM2150のみならず、図3に示すFD2140、図2および図3には不図示のDVDやMO等といった種々の記憶媒体が採用されうる。
この排出量按分プログラム900は、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータ内で実行されるプログラムである。この排出量按分プログラム900は、上述したようにこのパーソナルコンピュータを、上述した第1の排出量按分装置の一実施形態である第1実施形態の排出量按分装置100として動作させるものであって、総排出量算出部21、輸送情報取得部22、プロセス割合算出部23、プロセス排出量算出部24、および荷物排出量按分部25を有している。
この排出量按分プログラム900の各要素の詳細な内容については、後で、排出量按分装置100内の各部の作用と一緒に説明する。
排出量按分装置100では、図3に示すハードディスク装置213に、二酸化炭素の排出量の按分に必要な排出量按分用情報を有する排出量按分データベース(DB)を備えている。この排出量按分用情報は、図1の輸送管理支援装置1000から送られてくる情報であり、この排出量按分情報は、CPU212によって一時的にメモリ212内に読み込まれる。ここで、排出量按分用情報は、排出量情報、能力情報、および輸送プロセス情報の3種類の情報を含んでおり、CPU212は、これら3種類の情報に基づき、二酸化炭素の排出量の按分を実行する。
排出量情報は、輸送車両2000に関して、輸送車両2000の製造、メンテナンス、および廃棄の各段階で排出される二酸化炭素の排出量の予測量の情報であり、能力情報は、製造から廃棄までのライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値や、輸送車両2000の平均的な燃費の情報である。なお、ここでいう「燃費」は、動力源の単位量あたりの走行距離を指す。
また、輸送プロセス情報は、輸送車両2000が実行する輸送プロセスにおける、輸送される荷物とその重量、荷物が積まれる場所、荷物が卸される場所、輸送車両2000の走行距離、および、輸送車両2000が走行の際に消費する動力源の量(燃料や電力量の量)、の情報であり、図1の走行記録装置2002aから輸送管理支援装置1000に送られてきた走行データに基づく実測の情報である。
図5は、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータを、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図、図6は、図5の各要素による動作の流れを表したフローチャートである。
図4に示す排出量按分プログラム900が、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータにインストールされて実行されると、図5に示す、総排出量算出部11、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、プロセス排出量算出部14、および荷物排出量按分部15の各要素がこのパーソナルコンピュータ上に構築され、このパーソナルコンピュータが、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態である排出量按分装置100として動作する。具体的には、排出量按分装置100内のCPU211が上記の各要素として機能することで、上述した第1の排出量按分装置の一実施形態としての動作が実現される。総排出量算出部11、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、プロセス排出量算出部14、および荷物排出量按分部15は、図4に示す排出量按分プログラム900における、総排出量算出部21、輸送情報取得部22、プロセス割合算出部23、プロセス排出量算出部24、および荷物排出量按分部25それぞれによって、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータ上に構築されるものである。従って図4の各要素は図5の各要素に対応するが、この図5の各要素は、第1実施形態の排出量按分装置100のハードウェアとその排出量按分装置100で実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図4に示す排出量按分プログラム900の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
以下では、図5に示す各要素と、各要素による作用の概略について図6のフローチャートも参照しながら説明する。
図5の総排出量算出部11は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する排出量情報を読み出して、輸送車両2000の製造、メンテナンス、および廃棄の各段階で排出される二酸化炭素の排出量の予測量を取得する。また、図5の総排出量算出部11は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する能力情報を読み出して、ライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値や、輸送車両2000の平均的な燃費を取得する。なお、この能力情報は、図5の輸送情報取得部12にも取得される。
また、図5の総排出量算出部11は、総走行距離の予測値をその平均的な燃費で割ることで、ライフサイクル中で輸送車両2000が消費する、燃料や電気といった動力源の予測量を求め、この予測量の動力源が消費されたときの二酸化炭素の予測排出量を算出する。そして、図5の総排出量算出部11は、算出したこの予測排出量と、上述した、輸送車両2000の製造、メンテナンス、および廃棄の各段階で排出される二酸化炭素の排出量の予測量との総和を求めることで、輸送車両2000のライフサイクル中に輸送車両2000に関して排出される二酸化炭素の総排出量の予測量を算出する(図6のステップS11)。
図5の輸送情報取得部12は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する輸送プロセス情報を読み出して、輸送車両2000が実行する輸送プロセスの情報を取得する(図6のステップS12)。
図5のプロセス割合算出部13は、輸送情報取得部12が取得した能力情報や輸送プロセス情報に基づき、ライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値に対する、輸送プロセス中の走行距離の比率(割合)を算出する(図6のステップS13)。
図5のプロセス排出量算出部14は、総排出量算出部11が算出した二酸化炭素の総排出量の予測量に、プロセス割合算出部13が算出した比率(割合)を乗じることで、総排出量の予測量のうち、この輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出する(図6のステップS14)。
図5の荷物排出量按分部15は、プロセス排出量算出部14で算出された排出量を、この輸送プロセスで輸送される荷物ごとに按分する(図6のステップS15)。具体的には、まず、荷物排出量按分部15は、輸送情報取得部12で取得された輸送プロセス情報に基づき、この輸送プロセスで輸送される個々の荷物について、その荷物の重量とその荷物の輸送距離との積を求め、輸送プロセスで輸送される全荷物それぞれについての重量と輸送距離との積の総和に対する、算出対象の荷物についての重量と輸送距離の積が占める割合を算出する。次に、荷物排出量按分部15は、この割合を、プロセス排出量算出部14で算出された排出量に乗じることで、上記の按分を実行する。この按分方法は、いわゆるトンキロ法と呼ばれるもので、荷物の重量と輸送距離との両方を加味して輸送プロセスにおける二酸化炭素の排出量を荷物ごとに按分する方法である。荷物排出量按分部15は、排出量按分結果を一時的にメモリ212に蓄えさせた後、図3のハードディスク装置213にその排出量按分結果を記憶させる。このハードディスク装置213に記憶された排出量按分結果は、図1の輸送管理支援装置1000に送られて記録される。
次に、輸送情報取得部12は、この輸送車両2000について他の輸送プロセスがあるか否かを判定する(図6のステップS16)。他の輸送プロセスがあれば(ステップS16;Yes)、その輸送プロセスについて、上述したステップS12〜ステップS15の過程が繰り返される。他の輸送プロセスがなければ(ステップS16;No)、この輸送車両2000に関する二酸化炭素の排出量の按分は終了する。
第1実施形態では、このようにして各輸送プロセスでの荷物ごとの排出量が求められる。なお、輸送の依頼主が同一の荷物について排出量の和を求めることで、依頼主ごとの排出量の算出は簡単に実行できる。
ここで、図5の総排出量算出部11が、上述した第1の排出量按分装置の基本形態における取得部の一例に相当する。また、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、およびプロセス排出量算出部14を合わせたものが、上述した第1の排出量按分装置の基本形態におけるプロセス排出量按分部の一例に相当する。また、図5の荷物排出量按分部15が、上述した第1の排出量按分装置の基本形態における荷物排出量按分部の一例に相当する。
次に、以上説明してきた、排出量の荷物ごとの按分について、輸送車両2000が実行する具体的な輸送プロセスを例にとって説明する。
図7は、輸送プロセスの一例を表した図である。
図7の輸送プロセスでは、輸送車両2000は、事業所Oを出発して、荷主A、荷主B、および荷主Cのそれぞれの居所を、この順番で廻って荷物の積み卸しを行い、再び事業所Oに戻ってくる。具体的には、荷主Aの居所で荷物a1,a2の荷積みが行われ、荷主Bの居所で荷物a1の荷卸しと、荷物b1の荷積みとが行われる。また、荷主Cの居所で荷物a2,b1の荷卸しが行われる。
ここで、この輸送プロセスでは、事業所Oから荷主Aの居所までの輸送車両2000の走行区間が、距離がD1の走行区間1であり、荷主Aの居所から荷主Bの居所までの輸送車両2000の走行区間が、距離がD2の走行区間2である。また、荷主Bの居所から荷主Cの居所までの輸送車両2000の走行区間が、距離がD3の走行区間3であり、荷主Cの居所から事業所Oまでの輸送車両2000の走行区間が、距離がD4の走行区間4である。
この輸送プロセスでは、荷物a1については、走行区間2で輸送されることとなるので、荷物a1の輸送距離はD2である。また、荷物a2については、走行区間2および走行区間3で輸送されることとなるので、荷物a1の輸送距離はD2+D3である。また、荷物b1については、走行区間3で輸送されることとなるので、荷物b1の輸送距離はD3である。
以下では、図7の輸送プロセスの荷物a1、a2、b1それぞれに対する二酸化炭素の排出量の按分について説明する。
まず、図5の総排出量算出部11が、輸送車両2000についての排出量情報に基づき、輸送車両2000の製造段階で排出される二酸化炭素の排出量Si、輸送車両2000のメンテナンス段階で排出される二酸化炭素の排出量(正確には排出量の予測量)Sm、および、輸送車両2000の廃棄段階で排出される二酸化炭素の排出量(正確には排出量の予測量)Srを取得する。なお、これらの排出量については、それぞれの段階での処理の際に消費される電力量等のエネルギー消費量に対して、発電の際に発電所で排出される単位電力量あたりの二酸化炭素の排出量等のエネルギー原単位を乗じることで、それぞれの段階で消費されるエネルギー量から換算された排出量が含まれている。また、ここでは、これら各段階の排出量の単位として「kg」を採用する。
また、総排出量算出部11は、輸送車両2000についての能力情報に基づき、ライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]や、輸送車両2000の平均的な燃費を取得し、総走行距離の予測値Ds[km]を平均的な燃費で割ることで、ライフサイクル中で輸送車両2000が消費する動力源の予測量を求める。そして、総排出量算出部11は、この動力源の予測量に、動力源の種類に応じた所定の定数を乗じることで、ライフサイクル中で消費する動力源に起因して排出される二酸化炭素の予測排出量Su(単位はkg)を算出する。
例えば、輸送車両2000が、平均的な燃費がfg[km/l]のガソリン自動車であれば、ライフサイクル中で輸送車両2000が消費するガソリンの予測量は、Ds/fg[l]となる。ガソリン1lが燃焼したときの二酸化炭素の排出量(原単位)を約2.3[kg/l]とした場合であり、輸送車両2000がライフサイクル中で消費するガソリンにより排出される二酸化炭素の予測排出量Suは、2.3×Ds/fg[kg]となる。
また、例えば輸送車両2000が、平均的な燃費がfe[km/kWh]の電気自動車であれば、ライフサイクル中で輸送車両2000が消費する電力量の予測量は、Ds/fe[kWh]となる。1kWhの電力が発電所で生成される際に排出される平均的な二酸化炭素の排出量(原単位)を約0.41[kg/kWh]とした場合、輸送車両2000がライフサイクル中で消費する電力量により排出される二酸化炭素の予測排出量Suは、0.41×Ds/fe[kg]となる。
総排出量算出部11は、動力源の消費に起因する(予測)排出量Su、輸送車両2000の製造段階での排出量Si、メンテナンス段階での(予測)排出量Sm、および、廃棄段階での(予測)排出量Srの和からなる(予測)総排出量Sを求める。すなわち、総排出量算出部11は、下記の式で表される総排出量Sの算出を行う。
S=Su+Si+Sm+Sr ・・・・・・(1)
次に、図5の輸送情報取得部12が、輸送プロセス情報に基づき、図7の輸送プロセスの情報を取得する。具体的には、図7の輸送プロセスにおける、輸送される荷物a1,a2,b1とそれぞれの重量、それぞれの荷物が積まれる荷主の居所、それぞれの荷物が卸される荷主の居所、および、走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4、の情報を取得する。また、輸送情報取得部12は、輸送車両2000についての能力情報に基づき、上述した、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]も取得する。
次に、図5のプロセス割合算出部13が、輸送情報取得部12が取得した走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4から、これらの距離の総和であってこの輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」を求める。そして、図5のプロセス割合算出部13は、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]に対する、この輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」の比率Rpを算出する。すなわち、総排出量算出部11は、下記の式で表される比率Rpの算出を行う。
Rp=(D1+D2+D3+D4)/Ds ・・・・・・(2)
次に、図5のプロセス排出量算出部14が、式(1)により算出された総排出量Sに、
式(2)で算出された比率Rpを乗じることで、図7の輸送プロセスに割り当てられる二酸化炭素の排出量Spを算出する。すなわち、プロセス排出量算出部14は、下記の式で表される排出量Spの算出を行う。
Sp=S×Rp ・・・・・・(3)
次に、図5の荷物排出量按分部15が、輸送情報取得部12が取得した輸送プロセス情報に基づき、図7の輸送プロセスにおける、輸送される荷物a1,a2,b1それぞれについて、荷物の重量と荷物の輸送距離との積を求める。
例えば、荷物a1については、荷物a1の重量をMとすると、荷物a1は走行区間2で輸送されるので荷物a1の重量と輸送距離との積は、M×D2となる。同様に、荷物a2については、荷物a2の重量をMとすると、荷物a2は走行区間2および走行区間3で輸送されるので荷物a1の重量と輸送距離との積は、M×(D2+D3)となる。また、荷物a3については、荷物a3の重量をMとすると、荷物a3は走行区間3で輸送されるので荷物a3の重量と輸送距離との積は、M×D3となる。
荷物排出量按分部15は、これら3つの荷物a1,a2,b1それぞれについて、これら3つの荷物a1,a2,b1についての重量と輸送距離との積の総和に対する、各荷物の重量と輸送距離との積が占める割合を算出する。そして、荷物排出量按分部15は、算出した、3つの荷物a1,a2,b1それぞれについての割合を、式(3)で算出された図7の輸送プロセスに割り当てられる排出量Spに乗じることで、この排出量Spを、3つの荷物a1,a2,b1それぞれに按分する。
具体的には、例えば、荷物a1については、下記の式(4)により、荷物a1に割り当てられる排出量S1が求められる。
S1=M×D2/{M×D2+M×(D2+D3)+M×D3}×Sp…(4)
同様に、荷物a2については、下記の式(5)により、荷物a2に割り当てられる排出量S2が求められる。
S2=M×(D2+D3)/{M×D2+M×(D2+D3)+M×D3}×Sp ・・・・・・(5)
同様に、荷物b1については、下記の式(6)により、荷物b1に割り当てられる排出量S3が求められる。
S3=M×D3/{M×D2+M×(D2+D3)+M×D3}×Sp…(6)
以上が、第1実施形態の説明である。
以上説明してきた第1実施形態では、輸送車両2000のライフサイクル中に排出される二酸化炭素の総排出量の予測量が、輸送車両2000で輸送される各荷物に按分されるため、輸送車両2000の使用時の動力源の消費に起因する排出量以外に、輸送車両2000の製造やメンテナンスや廃棄における排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分されることとなる。この結果、この第1実施形態の排出量按分装置100では、輸送車両2000に関する排出物の排出責任を、荷物ごとに適切に振り分けることが可能となる。
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の排出量按分装置も、図1に示す輸送システムの輸送管理支援装置1000に接続されて、この輸送システムが有する輸送車両2000に起因して排出されるに二酸化炭素の排出量を、輸送車両2000によって輸送される荷物ごとに按分するパーソナルコンピュータである。第2実施形態の排出量按分装置の外観斜視図やハードウェア構成図は、図2の外観斜視図や図3のハードウェア構成図と同じであり、第2実施形態の排出量按分装置の外観斜視図やハードウェア構成図についてはこれらの図を参照することとして、ここでは、その説明は省略する。
また、第2実施形態の排出量按分プログラムについては、例えば、この排出量按分プログラムが、図3のCD−ROM2150に記憶されている場合には、このCD−ROM2150が、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータのCD−ROM装填口112から本体110内に装填されると、そのCD−ROM2150に記憶された排出量按分プログラムがCD−ROMドライブ215によりハードディスク装置213内にインストールされる。そして、このハードディスク装置213内にインストールされた排出量按分プログラムが起動されることによって、このパーソナルコンピュータが、基本形態について上述した第2の排出量按分装置の一実施形態として動作する。
図8は、基本形態について上述した第2の排出量按分プログラムの一実施形態を示す図である。
ここでは、この排出量按分プログラム900’は、CD−ROM2150に記憶されている。なお、排出量按分プログラム900’が記憶される記憶媒体としては、図4に示すCD−ROM2150のみならず、図3に示すFD2140、図2および図3には不図示のDVDやMO等といった種々の記憶媒体が採用されうる。
この排出量按分プログラム900’は、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータ内で実行されるプログラムである。この排出量按分プログラム900は、上述したようにこのパーソナルコンピュータを、上述した第2の排出量按分装置の一実施形態である第2実施形態の排出量按分装置として動作させるものであって、非動力源総排出量算出部21’、輸送情報取得部22、プロセス割合算出部23、第1プロセス排出量算出部241、第2プロセス排出量算出部242、第3プロセス排出量算出部243、および荷物排出量按分部25を有している。
この排出量按分プログラム900’の各要素の詳細な内容については、後で、第2実施形態の排出量按分装置内の各部の作用と一緒に説明する。
第2実施形態の排出量按分装置でも、第1実施形態の排出量按分装置100と同様に図3に示すハードディスク装置213に、二酸化炭素の排出量の按分に必要な排出量按分用情報を有する排出量按分データベース(DB)を備えている。この排出量按分用情報は、図1の輸送管理支援装置1000から送られてくる情報であり、この排出量按分情報は、CPU212によって一時的にメモリ212内に読み込まれる。ここで、排出量按分用情報は、排出量情報、能力情報、および輸送プロセス情報の3種類の情報を含んでいる。これらの情報の内容については第1実施形態で説明した通りであり、第2実施形態でも、CPU212は、これら3種類の情報に基づき、二酸化炭素の排出量の按分を実行する。なお、輸送プロセス情報は、第1実施形態と同様に、図1の走行記録装置2002aから輸送管理支援装置1000に送られてきた走行データに基づく実測の情報である。
図9は、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータを、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図、図10は、図9の各要素による動作の流れを表したフローチャートである。
図8に示す排出量按分プログラム900’が、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータにインストールされて実行されると、図9に示す、非動力源総排出量算出部11’、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、第1プロセス排出量算出部141、第2プロセス排出量算出部142、第3プロセス排出量算出部143、および荷物排出量按分部15の各要素がこのパーソナルコンピュータ上に構築され、このパーソナルコンピュータが、基本形態について上述した第2の排出量按分装置の一実施形態として動作する。具体的には、このパーソナルコンピュータ内のCPU211が上記の各要素として機能することで、上述した第2の排出量按分装置の一実施形態としての動作が実現される。非動力源総排出量算出部11’、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、第1プロセス排出量算出部141、第2プロセス排出量算出部142、第3プロセス排出量算出部143、および荷物排出量按分部15は、図8に示す排出量按分プログラム900’における、非動力源総排出量算出部21’、輸送情報取得部22、プロセス割合算出部23、第1プロセス排出量算出部241、第2プロセス排出量算出部242、第3プロセス排出量算出部243、および荷物排出量按分部25それぞれによって、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータ上に構築されるものである。従って図8の各要素は図9の各要素に対応するが、この図9の各要素は、第2実施形態の排出量按分装置のハードウェアとその排出量按分装置100で実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図8に示す排出量按分プログラム900’の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
以下では、図9に示す各要素と、各要素による作用の概略について図6のフローチャートも参照しながら説明する。なお、この図9では、図5の構成要素と同じ構成については同じ符号が付されている。
図9の非動力源総排出量算出部11’は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する排出量情報を読み出して、輸送車両2000の製造、メンテナンス、および廃棄の各段階で排出される二酸化炭素の排出量の予測量を取得してそれらの予測量の和を算出する。すなわち、非動力源総排出量算出部11’は、輸送車両2000の使用時における燃料の消費以外に起因する二酸化炭素について、予測される総排出量(予測される非燃料消費総排出量)を算出する。また、図9の輸送情報取得部12は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する能力情報を読み出して、ライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値や、輸送車両2000の平均的な燃費を取得する(図6のステップS21)。
さらに、図9の輸送情報取得部12は、メモリ212内の排出量按分用情報が有する輸送プロセス情報を読み出して、輸送車両2000が実行する輸送プロセスの情報を取得する(図6のステップS22)。
図9のプロセス割合算出部13は、輸送情報取得部12が取得した能力情報や輸送プロセス情報に基づき、ライフサイクル中で輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値に対する、輸送プロセス中の走行距離の比率(割合)を算出する(図6のステップS23)。
図9の第1プロセス排出量算出部141は、非動力源総排出量算出部11’が算出した非燃料消費総排出量の予測量に、プロセス割合算出部13が算出した比率(割合)を乗じることで、非燃料消費総排出量の予測量のうち、この輸送プロセスにおける割り当てられる排出量を算出する(図6のステップS24)。
図9の第2プロセス排出量算出部142は、輸送情報取得部12が取得した輸送プロセス情報に基づき、この輸送プロセスにおける動力源の消費に起因する二酸化炭素の排出量を算出する(図6のステップS25)。具体的には、第2プロセス排出量算出部142は、輸送車両2000がこの輸送プロセスで消費する動力源の量(燃料や電力量の量)に、動力源単位量あたりに発生する二酸化炭素の量を表す所定の定数を乗じることで、この輸送プロセスにおける動力源の消費に起因する二酸化炭素の排出量を算出する。
図9の第3プロセス排出量算出部143は、第1プロセス排出量算出部141で算出された、非燃料消費総排出量の予測量のうちこの輸送プロセスにおける割り当てられる排出量と、第2プロセス排出量算出部142で算出された、この輸送プロセスにおける動力源の消費に起因する排出量との和を求めることで、この輸送プロセスにおける排出量を算出する(図6のステップS26)。
図9の荷物排出量按分部15は、第3プロセス排出量算出部143で算出された排出量を、この輸送プロセスで輸送される荷物ごとに按分する(図6のステップS27)。このときの按分方法としては、第1実施形態で上述したトンキロ法が用いられる。荷物排出量按分部15は、排出量按分結果を一時的にメモリ212に蓄えさせた後、図3のハードディスク装置213にその排出量按分結果を記憶させる。このハードディスク装置213に記憶された排出量按分結果は、図1の輸送管理支援装置1000に送られて記録される。
次に、輸送情報取得部12は、この輸送車両2000について他の輸送プロセスがあるか否かを判定する(図6のステップS28)。他の輸送プロセスがあれば(ステップS28;Yes)、その輸送プロセスについて、上述したステップS22〜ステップS27の過程が繰り返される。他の輸送プロセスがなければ(ステップS28;No)、この輸送車両2000に関する二酸化炭素の排出量の按分は終了する。
第2実施形態では、このようにして各輸送プロセスでの荷物ごとの排出量が求められる。なお、輸送の依頼主が同一の荷物について排出量の和を求めることで、依頼主ごとの排出量の算出は簡単に実行できる。
ここで、図9の非動力源総排出量算出部11’が、上述した第2の排出量按分装置の基本形態における取得部の一例に相当する。また、輸送情報取得部12、プロセス割合算出部13、および第1プロセス排出量算出部141、を合わせたものが、上述した第2の排出量按分装置の基本形態におけるプロセス排出量按分部の一例に相当する。また、第2プロセス排出量算出部142、および第3プロセス排出量算出部143、を合わせたものが、上述した第2の排出量按分装置の基本形態における算出部の一例に相当する。また、図9の荷物排出量按分部15が、上述した第2の排出量按分装置の基本形態における荷物排出量按分部の一例に相当する。
次に、第2実施形態における、排出量の荷物ごとの按分について、輸送車両2000が実行する具体的な輸送プロセスを例にとって説明する。
図11は、輸送プロセスの一例を表した図である。
図11の輸送プロセス自体は、上述した図7の輸送プロセスと同じものであるが、図11には、走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4とともに、各走行区間で消費される動力源の消費量F1〜F4が記載されている。以下では、第2実施形態の排出量按分装置による、図11の輸送プロセスの荷物a1、a2、b1それぞれに対する二酸化炭素の排出量の按分について説明する。
まず、図9の非動力源総排出量算出部11が、輸送車両2000についての排出量情報に基づき、輸送車両2000の製造段階で排出される二酸化炭素の排出量Si、輸送車両2000のメンテナンス段階で排出される二酸化炭素の排出量(正確には排出量の予測量)Sm、および、輸送車両2000の廃棄段階で排出される二酸化炭素の排出量(正確には排出量の予測量)Srを取得し、これらの排出量の和からなる、動力源の消費以外に起因する非動力源総排出量S’を求める。すなわち、非動力源総排出量算出部11は、下記の式で表される非動力源総排出量S’の算出を行う。
S’=Si+Sm+Sr ・・・・・・(7)
なお、以上の各段階における排出量については、それぞれの段階での処理の際に消費される電力量等のエネルギー消費量に対して、発電の際に発電所で排出される単位電力量あたりの二酸化炭素の排出量等のエネルギー原単位を乗じることで、それぞれの段階で消費されるエネルギー量から換算された排出量が含まれている。また、ここでは、これら各段階の排出量の単位として「kg」を採用する。
次に、図9の輸送情報取得部12が、輸送プロセス情報に基づき、図11の輸送プロセスの情報を取得する。具体的には、図11の輸送プロセスにおける、輸送される荷物a1,a2,b1とそれぞれの重量、それぞれの荷物が積まれる荷主の居所、それぞれの荷物が卸される荷主の居所、走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4、および、走行区間1〜走行区間4で消費された動力源の量F1〜F4の情報を取得する。また、輸送情報取得部12は、輸送車両2000についての能力情報に基づき、上述した、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]も取得する。
次に、図9のプロセス割合算出部13が、輸送情報取得部12が取得した走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4から、これらの距離の総和であってこの輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」を求める。そして、図9のプロセス割合算出部13は、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]に対する、この輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」の比率Rpを算出する。すなわち、非動力源総排出量算出部11は、下記の式で表される比率Rpの算出を行う。
Rp=(D1+D2+D3+D4)/Ds ・・・・・・(8)
次に、図9の第1プロセス排出量算出部141が、式(7)により算出された非動力源総排出量S’に、式(2)で算出された比率Rpを乗じることで、図11の輸送プロセスに割り当てられる、動力源の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’を算出する。すなわち、第1プロセス排出量算出部141は、下記の式で表される排出量Sp’の算出を行う。
Sp’=S’×Rp ・・・・・・(9)
次に、図9の第2プロセス排出量算出部142が、輸送情報取得部12が取得した走行区間1〜走行区間4での動力源消費量F1〜F4から、これらの動力源消費量の総和であってこの輸送プロセスの全動力源消費量である「F1+F2+F3+F4」を求める。そして、第2プロセス排出量算出部142は、この全動力源消費量に、動力源の種類に応じた所定の定数を乗じることで、この輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される二酸化炭素の排出量Spf(単位はkg)を算出する。この所定の定数とは、上述したように、動力源単位量あたりに発生する二酸化炭素の量を表す数値であって、動力源の種類に応じて決まるものである。例えば動力源がガソリンであれば、ガソリン1lが燃焼したときの二酸化炭素の排出量(原単位例:約2.3[kg/l])であり、動力源が電気であれば、1kWhの電力が発電所で生成される際に排出される平均的な二酸化炭素の排出量(原単位例:約0.41[kg/kWh])である。
次に、図9の第3プロセス排出量算出部143が、第1プロセス排出量算出部141で算出された、図11の輸送プロセスに割り当てられる、動力源の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’と、第2プロセス排出量算出部142で算出された、この輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される二酸化炭素の排出量Spfとの和からなる、この輸送プロセスにおける総排出量Spを求める。すなわち、第3プロセス排出量算出部143は、下記の式で表される、この輸送プロセスにおける総排出量Spの算出を行う。
Sp=Sp’+Spf ・・・・・・(10)
次に、図9の荷物排出量按分部15が、輸送情報取得部12が取得した輸送プロセス情報に基づき、上記の式(10)で表される輸送プロセスにおける総排出量Spを、図7の説明で上述したトンキロ法を用いて3つの荷物a1,a2,b1それぞれに按分する。このときの按分方法は、図7の説明で上述したものと全く同じであるので、ここではその説明は省略する。
ここで、以上の具体的な輸送プロセスの例について具体的な数値を用いて計算を行う。以下では、輸送車両2000がガソリン自動車の場合と電気自動車の場合とで、場合を分けて計算を行う。
まず、輸送車両2000がガソリン自動車であるとして計算を行う。
この輸送車両2000では、この輸送車両2000のライフサイクル中で走行可能な総走行距離Ds(正確には、総走行距離の予測値)が10万[km]であって、平均的な燃費fgが13[km/l]であるとする。また、この輸送車両2000では、製造の際に排出される二酸化炭素の排出量Siが5120[kg]であって、メンテナンスの際に排出される二酸化炭素の(予測)排出量Smが230[kg]であって、廃棄の際に排出される二酸化炭素の(予測)排出量Srが230[kg]であるとする。ここで、これらの数値は、排出量情報および能力情報に含まれる情報である。
また、図7の輸送プロセスについては、走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4が、それぞれ、20[km],150[km],100[km],180[km]であるとし、それぞれの距離を上述の平均的な燃費fgである13[km/l]で割った値が、走行区間1〜走行区間4のそれぞれで消費されるガソリンの量F1〜F4であるとする。また、荷物a1の重量Mは50[kg]であって、荷物a2の重量Mは100[kg]であり、荷物b1の重量Mは100[kg]であるとする。これらの数値は、輸送プロセス情報に含まれる情報である。
この輸送車両2000がライフサイクル中で排出する、動力源の消費以外に起因する非動力源総排出量S’は、式(7)より、S’=5120+230+230=5580[kg]となる。
また、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]に対する、この輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」の比率Rpは、式(8)より、Rp=(20+150+100+180)/100000=0.0045となる。
そこで、図11の輸送プロセスに割り当てられる、ガソリンの消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’は、式(9)により、Sp’=5580×0.0045=25.11[kg]となる。
また、図11の輸送プロセスにおける、ガソリンの消費に起因する二酸化炭素の排出量Spfは、走行区間1〜走行区間4での動力源消費量F1〜F4の総和に、ガソリン1lが燃焼したときの二酸化炭素の排出量である2.3[kg/l]を乗じることによって得られるので、Spf=2.3×(20+150+100+180)/13=79.62[kg]となる。
そこで、図11の輸送プロセスにおける総排出量Spは、式(10)より、Sp=25.11+79.62=104.73[kg]と求められる。
さらに、式(4)〜式(6)に、上記の総排出量Spの数値や、各荷物の重量の数値や、距離D2およびD3の数値を代入することで、荷物a1,a2,b1に割り当てられる排出量S1,S2,S3が求められる。
例えば、荷物a1に割り当てられる排出量S1は、式(4)より、S1=50×150/{50×150+100×(150+100)+100×100}×104.73=18.48[kg]となる。
同様に、荷物a2に割り当てられる排出量S1は、式(5)より、S2=100×(150+100)/{50×150+100×(150+100)+100×100}×104.73=61.61[kg]となる。
同様に、荷物b1に割り当てられる排出量S1は、式(6)より、S3=100×100/{50×150+100×(150+100)+100×100}×104.73=24.64[kg]となる。
次に、輸送車両2000が電気自動車であるとして計算を行う。
この輸送車両2000のライフサイクル中で走行可能な総走行距離Ds(正確には、総走行距離の予測値)が10万[km]であって、平均的な燃費feが10[km/kWh]であるとし、この輸送車両2000では、製造の際に排出される二酸化炭素の排出量Siが6360[kg]であって、メンテナンスの際に排出される二酸化炭素の(予測)排出量Smが3530[kg]であって、廃棄の際に排出される二酸化炭素の(予測)排出量Srが140[kg]であるものとする。以上の輸送車両2000の排出量や輸送車両2000の能力に関する各数値は、排出量情報および能力情報に含まれる情報である。
また、図7の輸送プロセスについては、上述の輸送車両2000がガソリン自動車である場合と同様に、走行区間1〜走行区間4の距離D1〜D4が、それぞれ、20[km],150[km],100[km],180[km]であって、荷物a1の重量Mは50[kg]であって、荷物a2の重量Mは100[kg]であり、荷物b1の重量Mは100[kg]であるとする。さらに、電気自動車である輸送車両2000について、走行区間1〜走行区間4のそれぞれの距離を、上述した、この電気自動車の平均的な燃費feである10[km/kWh]で割った値が、走行区間1〜走行区間4のそれぞれで消費される電気エネルギーの量F1〜F4であるとする。以上の輸送プロセスに関する各数値は、輸送プロセス情報に含まれる情報である。
この輸送車両2000がライフサイクル中で排出する、動力源の消費以外に起因する非動力源総排出量S’は、式(7)より、S’=6360+3530+140=10030[kg]となる。
また、輸送車両2000が走行可能な総走行距離の予測値Ds[km]に対する、この輸送プロセスの全走行距離である「D1+D2+D3+D4」の比率Rpは、式(8)より、Rp=(20+150+100+180)/100000=0.0045となる。
そこで、図11の輸送プロセスに割り当てられる、電力量の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’は、式(9)により、Sp’=10030×0.0045=45.14[kg]となる。
また、図11の輸送プロセスにおける、電力量の消費に起因する二酸化炭素の排出量Spfは、走行区間1〜走行区間4での動力源消費量F1〜F4の総和に、1kWhの電力が発電所で生成される際に排出される平均的な二酸化炭素の排出量である0.41[kg/kWh]を乗じることによって得られるので、Spf=0.41×(20+150+100+180)/10=18.45[kg]となる。
そこで、図11の輸送プロセスにおける総排出量Spは、式(10)より、Sp=45.14+18.45=63.59[kg]と求められる。
さらに、式(4)〜式(6)に、上記の総排出量Spの数値や、各荷物の重量の数値や、距離D2およびD3の数値を代入することで、荷物a1,a2,b1に割り当てられる排出量S1,S2,S3が求められる。
例えば、荷物a1に割り当てられる排出量S1は、式(4)より、S1=50×150/{50×150+100×(150+100)+100×100}×63.59=11.22[kg]となる。
同様に、荷物a2に割り当てられる排出量S1は、式(5)より、S2=100×(150+100)/{50×150+100×(150+100)+100×100}×63.59=37.41[kg]となる。
同様に、荷物b1に割り当てられる排出量S1は、式(6)より、S3=100×100/{50×150+100×(150+100)+100×100}×63.59=14.96[kg]となる。
以上が、輸送車両2000がガソリン自動車の場合と電気自動車の場合とにおける、図7の輸送プロセスについての、具体的な数値を用いた排出量の按分の計算結果である。
以上の計算から明らかなように、輸送車両2000が電気自動車の場合は、輸送車両2000がガソリン自動車の場合よりも、輸送プロセスにおける、動力源(ガソリンや電気エネルギー)の消費に起因する二酸化炭素の排出量Spf(ガソリン自動車の場合は79.62[kg]、電気自動車の場合は18.45[kg])が、かなり小さくなっている。しかし、輸送プロセスに割り当てられる、動力源の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’(ガソリン自動車の場合は25.11[kg]、電気自動車の場合は45.14[kg])は、輸送車両2000が電気自動車の場合の方が、輸送車両2000がガソリン自動車の場合よりも、かなり大きくなっている。これは、電気自動車では、製造やメンテナンスの際の消費エネルギーなどに起因する二酸化炭素の排出量が、ガソリン自動車に比べてかなり大きいことによるものである。そこで、輸送プロセスにおける排出量の按分の際には、上記の輸送プロセスにおける総排出量Spの計算のように、動力源(ガソリンや電気エネルギー)の消費に起因する二酸化炭素の排出量Spfだけでなく動力源の消費以外に起因する二酸化炭素の排出量Sp’も加味することで、より適切な排出量の按分が実行されることとなる。
以上が、第2実施形態の説明である。
以上説明してきた第2実施形態の排出量按分装置では、輸送車両2000の動力源の消費に起因する排出量以外に起因する排出量が、輸送プロセスへの按分を経て、輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される排出量とともに各荷物に按分される。このため、車両の動力源の消費に起因する排出量以外に起因する排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分されることとなる。この結果、この第2実施形態の排出量按分装置でも、輸送車両2000に関する排出物の排出責任を、荷物ごとに適切に振り分けることが可能となる。
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の排出量按分装置も、図1に示す輸送システムの輸送管理支援装置1000に接続されて、この輸送システムが有する輸送車両2000に起因して排出されるに二酸化炭素の排出量を、輸送車両2000によって輸送される荷物ごとに按分するパーソナルコンピュータであり、このパーソナルコンピュータが、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の、第1実施形態とは別の一実施形態として動作する。ここで、第3実施形態の排出量按分装置の外観斜視図やハードウェア構成図は、図2の外観斜視図や図3のハードウェア構成図と同じである。
第3実施形態の排出量按分装置が第1実施形態の排出量按分装置100と異なる点は、総排出量の予測量の輸送プロセスへの割り当てや、輸送プロセスに割り当てられた排出量についての荷物ごとの按分が、第1実施形態の排出量按分装置100のように距離に基づいて行われる代わりに、時間に基づいて行われる点である。この点を除き、第3実施形態の排出量按分装置は、第1実施形態の排出量按分装置100における、図5の構成要素と同じ構成要素を備えており、図6の説明で上述したのと同じようにして荷物ごとに二酸化炭素の排出量の按分を実行する。
ここで、第3実施形態における輸送車両2000の能力情報には、輸送車両2000の単位時間あたりの平均的な動力源の消費量(例えば、1年間での平均的な動力源の消費量)や、輸送車両2000の寿命(例えば、輸送車両として使用可能な耐久年数)の情報が含まれている。また、第3実施形態における輸送プロセス情報には、輸送プロセスの実行のための輸送車両2000の占有時間や、その輸送プロセスで輸送される各荷物それぞれについて輸送に関連して費やされる時間が含まれている。ここで、上記の「輸送車両2000の占有時間」には、輸送プロセスにおける輸送車両2000の走行時間に加え、輸送プロセスにおける、輸送車両2000の運転手の休憩時間や、荷物の積卸の時間や、荷物の依頼主との対応時間やその際の待ち時間などの、輸送車両2000の走行以外に輸送プロセスの実行にかかる時間も含まれている。同様に、「各荷物それぞれについて輸送に関連して費やされる時間」は、各荷物が積まれてから輸送後に卸されるまでの、運転手の休憩時間や待ち時間といった、走行時間以外に費やされる時間も含めた全時間を指している。ここで、、第3実施形態における輸送プロセス情報は、第1実施形態と同様に、図1の走行記録装置2002aから輸送管理支援装置1000に送られてきた走行データに基づく実測の情報である。
以下、第3実施形態の排出量按分装置の各構成要素の働きについて簡単に説明する。
第3実施形態の排出量按分装置における総排出量算出部は、上記の能力情報を取得し、輸送車両2000の寿命を、輸送車両2000の動力源の単位量の消費に要する平均的な時間で割ることで、ライフサイクル中での輸送車両2000の動力源の消費予測量を求める。そして、この総排出量算出部は、この消費予測量に、動力源の種類に応じた所定の定数を乗じることで、この消費予測量が消費されたときの二酸化炭素の予測排出量を算出する。そして、この総排出量算出部は、この予測排出量と、排出量情報から得られた、輸送車両2000の製造、メンテナンス、および廃棄の各段階で排出される二酸化炭素の排出量の予測量との総和を求めることで、輸送車両2000のライフサイクル中に輸送車両2000に関して排出される二酸化炭素の総排出量の予測量を算出する。
また、第3実施形態における輸送情報取得部は、能力情報や輸送プロセス情報を取得し、第3実施形態におけるプロセス割合算出部は、その能力情報や輸送プロセス情報に基づき、輸送車両2000の寿命に対する、輸送プロセスにおける輸送車両2000の占有時間の比率(割合)を算出する。第3実施形態におけるプロセス排出量算出部は、この比率(割合)に、第3実施形態における総排出量算出部が算出した二酸化炭素の総排出量の予測量を乗じることでこの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出する。
第3実施形態における荷物排出量按分部は、輸送プロセス情報に基づき、この輸送プロセスで輸送される個々の荷物について、その荷物の重量と、その荷物の輸送に関連して費やされる時間との積を求め、輸送プロセスで輸送される全荷物についての積の総和に対する、算出対象の荷物についての積が占める割合を算出する。そして、第3実施形態における荷物排出量按分部は、この割合を、プロセス排出量算出部で算出された排出量に乗じることで荷物ごとの按分を実行する。
このように、第3実施形態では、能力情報と輸送プロセス情報において、走行距離を基準とする代わりに、輸送に関連して費やされる時間を基準として輸送車両の能力や輸送プロセスの内容が表されており、これに対応して、総排出量算出部によって行われる、ライフサイクル中での輸送車両2000の動力源消費に起因する排出量の算出や、プロセス割合算出部によって行われる、ライフサイクル中で輸送プロセスが占める比率(割合)の算出や、荷物排出量按分部によって行われる荷物ごとの按分が、時間を基準として行われる。上述したように、この点を除き、第3実施形態の排出量按分装置では、第1実施形態の排出量按分装置と同じことが実行される。
ここで、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータにおける、第3実施形態の排出量按分装置としての動作は、排出量按分プログラムが、このパーソナルコンピュータ内で実行されることで実現する。このときの排出量按分プログラムが第3実施形態の排出量按分プログラムであり、この第3実施形態の排出量按分プログラムは、基本形態について上述した第1の排出量按分プログラムの一実施形態に相当するものである。この第3実施形態の排出量按分プログラムは、上述した、第3実施形態における総排出量算出部などの各部をこのパーソナルコンピュータ上に構築することで、このパーソナルコンピュータを第3実施形態の排出量按分装置として動作させる。パーソナルコンピュータ上に構築される、総排出量算出部、プロセス割合算出部、および、荷物排出量按分部の演算の仕方が上述した点で異なることを除けば、第3実施形態の排出量按分プログラムは、第1実施形態の排出量按分プログラム900(図4参照)と同じであり、その詳しい説明は省略する。
第3実施形態の排出量按分装置より行われる排出量按分方法が、図7の具体的な輸送プロセスに適用された場合、ライフサイクル中で消費する動力源に起因して排出される二酸化炭素の予測排出量Suの算出の仕方と、式(2)の比率Rpの算出の仕方と、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分の仕方とが異なる点を除き、第1実施形態の排出量按分装置100で行われた方式と同じ方式で、排出量の按分が実行される。以下、これらの相違点について具体的に説明する。
ライフサイクル中で消費する動力源に起因して排出される二酸化炭素の予測排出量Suの算出については、第3実施形態の排出量按分装置では、輸送車両2000の動力源の単位量の消費に要する平均的な時間をf’とし、輸送車両2000の寿命をTsとすると、ライフサイクル中で消費する動力源に起因して排出される二酸化炭素の予測排出量Suは、Ts/f’に、上述した、動力源の種類に応じた所定の定数(例えば、動力源がガソリンであれば2.3[kg/l]、動力源が電気エネルギーであれば0.41[kg/kWh])を乗じたものとなる。
また、比率Rpの算出については、第3実施形態の排出量按分装置では、主に走行区間1で費やされる時間をT1、主に走行区間2で費やされる時間をT2、主に走行区間3で費やされる時間をT3、主に走行区間4で費やされる時間をT4、とすると、第3実施形態の排出量按分装置では、比率Rpは下記の式によって算出される。
Rp=(T1+T2+T3+T4)/Ts ・・・・・・(11)
ここで、上記の式(11)の「T1+T2+T3+T4」が、この輸送プロセスにおける輸送車両2000の、上述した占有時間に相当するものである。また、これらT1〜T4には、輸送車両2000の運転手の休憩時間も含まれており、特に、T2およびT3には、荷物の積卸の時間や、輸送の依頼主との対応時間やその際の待ち時間も含まれている。
また、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分については、第3実施形態の排出量按分装置では、式(4)〜式(6)のD2およびD3を、それぞれ、T2およびT3に替えた式によって、プロセスに割り当てられる排出量Spの按分が、荷物a1,a2,b1それぞれへ按分される。例えば、荷物a1については、下記の式(12)により、荷物a1に割り当てられる排出量S1が求められる。
S1=M×T2/{M×T2+M×(T2+T3)+M×T3}×Sp…(12)
同様に、荷物a2については、下記の式(13)により、荷物a2に割り当てられる排出量S2が求められる。
S2=M×(T2+T3)/{M×T2+M×(T2+T3)+M×T3}×Sp ・・・・・(13)
同様に、荷物b1については、下記の式(14)により、荷物b1に割り当てられる排出量S3が求められる。
S3=M×T3/{M×T2+M×(T2+T3)+M×T3}×Sp…(14)
このように第3実施形態の排出量按分装置では、ライフサイクル中で消費する動力源に起因して排出される二酸化炭素の予測排出量Suの算出の仕方と、式(2)の比率Rpの算出の仕方と、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分の仕方とが、以上説明したように異なるが、上述したように、これらの点を除き、図7の具体的な輸送プロセスの説明で上述した方式で排出量の按分が実行される。
以上が、第3実施形態の説明である。
以上説明してきた第3実施形態でも、輸送車両2000の使用時の動力源の消費に起因する排出量以外に、輸送車両2000の製造やメンテナンスや廃棄における排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分され、輸送車両2000に関する排出物の排出責任を、荷物ごとに適切に振り分けることが可能となる。
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の排出量按分装置も、図1に示す輸送システムの輸送管理支援装置1000に接続されて、この輸送システムが有する輸送車両2000に起因して排出される二酸化炭素の排出量を、輸送車両2000によって輸送される荷物ごとに按分するパーソナルコンピュータであり、このパーソナルコンピュータが、基本形態について上述した第2の排出量按分装置の、第2実施形態とは別の一実施形態として動作する。ここで、第4実施形態の排出量按分装置の外観斜視図やハードウェア構成図は、図2の外観斜視図や図3のハードウェア構成図と同じである。
第4実施形態の排出量按分装置が第2実施形態の排出量按分装置と異なる点は、総排出量の予測量の輸送プロセスへの割り当てや、輸送プロセスに割り当てられた排出量についての荷物ごとの按分が、第2実施形態の排出量按分装置のように距離に基づいて行われる代わりに、時間に基づいて行われる点である。この点を除き、第4実施形態の排出量按分装置は、第2実施形態の排出量按分装置における、図9の構成要素と同じ構成要素を備えており、図6の説明で上述したのと同じようにして荷物ごとに二酸化炭素の排出量の按分を実行する。
ここで、第4実施形態における輸送車両2000の能力情報には、輸送車両2000の動力源の単位量消費に要する平均的な時間(例えば、ガソリン1lを消費するのに必要な平均的な時間)や、輸送車両2000の寿命(例えば、輸送車両として使用可能な耐久年数)の情報が含まれている。また、第4実施形態における輸送プロセス情報には、輸送プロセスの実行のための輸送車両2000の占有時間や、その輸送プロセスで輸送される各荷物それぞれについて輸送に関連して費やされる時間が含まれている。ここで、上記の「輸送車両2000の占有時間」や「各荷物それぞれについて輸送に関連して費やされる時間」は、第3実施形態で説明したのと同じ内容のものである。ここで、第4実施形態における輸送プロセス情報は、第2実施形態と同様に、図1の走行記録装置2002aから輸送管理支援装置1000に送られてきた走行データに基づく実測の情報である。
以下、第4実施形態の排出量按分装置の各構成要素の働きについて簡単に説明する。
第4実施形態における総排出量算出部は、図9に示す、第2実施形態における非動力源総排出量算出部11と同様にして、輸送車両2000の使用時における燃料の消費以外に起因する二酸化炭素について、予測される総排出量(予測される非燃料消費総排出量)を算出する。
また、第4実施形態における輸送情報取得部は、上記の能力情報や輸送プロセス情報を取得し、第4実施形態におけるプロセス割合算出部は、この輸送情報取得部が取得した能力情報や輸送プロセス情報に基づき、輸送車両2000の寿命に対する、輸送プロセスにおける輸送車両2000の占有時間の比率(割合)を算出する。第4実施形態における第1プロセス排出量算出部は、この比率(割合)に、第4実施形態における総排出量算出部が算出した二酸化炭素の総排出量の予測量を乗じることでこの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出する。
第4実施形態における第2プロセス排出量算出部は、図9の第2プロセス排出量算出部142と同様にして輸送プロセスにおける動力源の消費に起因する二酸化炭素の排出量を算出し、第4実施形態における第3プロセス排出量算出部は、第4実施形態における第1プロセス排出量算出部で算出された排出量と、第4実施形態における第2プロセス排出量算出部で算出された排出量との和を求めることで、この輸送プロセスにおける排出量を算出する。
第4実施形態における荷物排出量按分部は、輸送プロセス情報に基づき、この輸送プロセスで輸送される個々の荷物について、その荷物の重量と、その荷物の輸送に関連して費やされる時間との積を求め、輸送プロセスで輸送される全荷物についての積の総和に対する、算出対象の荷物についての積が占める割合を算出する。そして、第4実施形態における荷物排出量按分部は、この割合を、プロセス排出量算出部で算出された排出量に乗じることで荷物ごとの按分を実行する。
このように、第4実施形態では、能力情報と輸送プロセス情報において、走行距離を基準とする代わりに、輸送に関連して費やされる時間を基準として輸送車両の能力や輸送プロセスの内容が表されており、これに対応して、プロセス割合算出部によって行われる、ライフサイクル中で輸送プロセスが占める比率(割合)の算出や、荷物排出量按分部によって行われる荷物ごとの按分が、時間を基準として行われる。上述したように、この点を除き、第4実施形態の排出量按分装置では、第2実施形態の排出量按分装置と同じことが実行される。
ここで、図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータにおける、第4実施形態の排出量按分装置としての動作は、排出量按分プログラムが、このパーソナルコンピュータ内で実行されることで実現する。このときの排出量按分プログラムが第4実施形態の排出量按分プログラムであり、この第4実施形態の排出量按分プログラムは、基本形態について上述した第2の排出量按分プログラムの一実施形態に相当するものである。この第4実施形態の排出量按分プログラムは、上述した、第4実施形態における総排出量算出部などの各部をこのパーソナルコンピュータ上に構築することで、このパーソナルコンピュータを第4実施形態の排出量按分装置として動作させる。パーソナルコンピュータ上に構築される、プロセス割合算出部、および、荷物排出量按分部の演算の仕方が上述した点で異なることを除けば、第4実施形態の排出量按分プログラムは、図8に示す、第2実施形態の排出量按分プログラム900’と同じであり、その詳しい説明は省略する。
第4実施形態の排出量按分装置より行われる排出量按分方法が、図11の具体的な輸送プロセスに適用された場合、式(2)の比率Rpの算出の仕方と、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分の仕方とが異なる点を除き、第2実施形態の排出量按分装置で行われた方式と同じ方式で、排出量の按分が実行される。以下、比率Rpの算出の仕方と、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分の仕方の具体的な内容は、第3実施形態で説明した、比率Rpの算出の仕方と、式(4)〜式(6)の荷物a1,a2,b1それぞれへの排出量の按分の仕方と同じであり、ここではその詳しい説明は省略する。
以上が、第4実施形態の説明である。
以上説明してきた第4実施形態でも、輸送車両2000の使用時の動力源の消費に起因する排出量以外に、輸送車両2000の製造やメンテナンスや廃棄における排出量も加味された上で排出量が各荷物に按分されており、輸送車両2000に関する排出物の排出責任を、荷物ごとに適切に振り分けることが可能となる。
なお、第2実施例および第4実施例において、走行記録装置2002aから、輸送プロセス情報として、その輸送プロセスの実測による動力源消費量(図11のF1+F2+F3+F4)の実績データを直接取得した場合、この消費量に動力源の原単位を乗じることで、動力源の消費に起因する排出量を算出できる。したがって、走行距離を単位駆動源消費量あたりの平均距離(燃費で、単位例:km/l)で除する(第2実施例の場合)、あるいは走行時間を単位駆動源消費量あたりの平均時間(燃費で、単位例:時間/l)で除する(第4実施例の場合)ことで、輸送プロセスの動力源消費量を求める必要はなくなるので、輸送車両2000の燃費情報が不要となり、より簡単に駆動源の消費に起因する排出量を算出できる。
以上説明してきた第1実施形態〜第4実施形態では、輸送プロセス情報は、図1の走行記録装置2002aから輸送管理支援装置1000に送られてきた走行データに基づく実測の情報であったが、基本形態で上述した第1の排出量按分装置、第2の排出量按分装置、第1の排出量按分プログラム、および、第2の排出量按分プログラムでは、輸送プロセス情報は、輸送管理支援装置1000が各輸送車両2000に送る輸送計画での実行予定の輸送プロセスの情報であってもよい。この場合は、輸送プロセス情報に含まれる、輸送される荷物とその重量、荷物が積まれる場所、荷物が卸される場所、輸送車両2000が走行の際に消費する動力源の量、といった情報は、実際に輸送が実行されたときの実測の情報ではなく計画上の情報であるため、正確さの点では実測の情報に基づく輸送プロセス情報に劣るが、計画段階で排出量の按分が実行できるので処理が早いという利点がある。
このように輸送計画での実行予定の輸送プロセスの情報を用いた排出量按分装置や排出量按分プログラムの実施形態は、第1実施形態〜第4実施形態の排出量按分装置や排出量按分プログラムで用いられる実測の輸送プロセス情報を、輸送計画の輸送プロセス情報に置き換えたものであり、この点を除き、第1実施形態〜第4実施形態と同じである。そこで、このような輸送計画の輸送プロセス情報を用いた実施形態についての詳しい説明は省略する。
また、第1実施形態および第3実施形態では、輸送車両2000の総走行距離の予測値に対する、この輸送プロセスの全走行距離の比率に基づき、輸送プロセスへの排出量の割り当てが行われ、第2実施形態および第4実施形態では、輸送車両2000の寿命(時間)に対する、この輸送プロセスにおける輸送車両2000の占有時間の比率に基づき、輸送プロセスへの排出量の割り当てが行われているが、基本形態で上述した第1の排出量按分装置、第2の排出量按分装置、第1の排出量按分プログラム、および、第2の排出量按分プログラムでは、これらの方式以外で求められる比率に基づき、輸送プロセスへの排出量の割り当てが行われてもよい。
例えば、輸送車両2000の積載重量と輸送車両2000の総走行距離の予測値との積に対する、この輸送プロセスで輸送される荷物の重量とその荷物の輸送距離(例えば、第1実施形態および弟2実施形態のD1〜D4)との積の総和の比率に基づき、輸送プロセスへの排出量の割り当てが行われていてもよい。また、輸送車両2000の積載重量と輸送車両2000の寿命との積に対する、この輸送プロセスで輸送される荷物の重量とその荷物の輸送に関連して費やされる時間(例えば、第3実施形態および弟4実施形態のT1〜T4)との積の総和の比率に基づき、輸送プロセスへの排出量の割り当てが行われていてもよい。また、これらの例において、車両2000の積載重量や荷物の重量の代わりに、車両2000の積載容量や荷物の容量が用いられていてもよい。なお、積載重量や積載容量の予測値は、たとえば、輸送車両2000の最大積載重量や最大積載容量に、従来の実績データや事業計画などの予測データに基づき算出する平均積載率(1.0以下の値)を乗じることで求める。
このような排出量按分装置や排出量按分プログラムの実施形態は、第1実施形態〜第4実施形態の排出量按分装置や排出量按分プログラムで用いられる、輸送プロセス割合算出部13,23による輸送プロセスの比率の計算方式が、上述したように重量と距離との積などに基づいて計算される点を除けば、第1実施形態〜第4実施形態と同じである。そこで、このような輸送プロセスの比率の計算方式が異なる実施形態についての詳しい説明は省略する。
以上が実施形態の説明である。
以上の各実施形態では、排出量按分装置は、図1の輸送管理支援装置1000に接続されて、一般には複数の輸送車両について排出量の按分を行う1台の装置であったが、基本形態で上述した第1の排出量按分装置および第2の排出量按分装置は、複数の輸送車両2000それぞれに備えられた複数の排出量按分装置であって、備えられている輸送車両2000について排出量の按分を行うものであってもよい。この場合、排出量情報、能力情報、および輸送プロセス情報は、輸送管理支援装置1000から取得されてもよいし、直接に輸送車両2000からこれらの情報が取得されてもよい。
また、以上の各実施形態では、排出量按分装置や排出量按分プログラムは、二酸化炭素を按分するためのものであったが、基本形態で上述した第1の排出量按分装置、第2の排出量按分装置、第1の排出量按分プログラム、および第2の排出量按分プログラムは、メタンガスなどの二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出量を按分するためのものであってもよい。
車両を用いて荷物の輸送を担う輸送システムの構成を表した図である。 排出量按分装置の外観斜視図である。 図2の排出量按分装置のハードウェア構成図である。 基本形態について上述した第1の排出量按分プログラムの一実施形態を示す図である。 図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータを、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図である。 図5の各要素による動作の流れを表したフローチャートである。 輸送プロセスの一例を表した図である。 基本形態について上述した第2の排出量按分プログラムの一実施形態を示す図である。 図3にハードウェア構成図を示すパーソナルコンピュータを、基本形態について上述した第1の排出量按分装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図である。 図9の各要素による動作の流れを表したフローチャートである。 輸送プロセスの一例を表した図である。
符号の説明
11,21 総排出量算出部
11’,21’ 非動力源総排出量算出部
12,22 輸送情報取得部
13,23 プロセス割合算出部
14,24 プロセス排出量算出部
141,241 第1プロセス排出量算出部
142,242 第2プロセス排出量算出部
143,243 第3プロセス排出量算出部
15,25 荷物排出量按分部
100 排出量按分装置
110 本体部
111 FD装填口
112 CD−ROM装填口
120 画像表示装置
121 表示画面
130 キーボード
140 マウス
1200 バス
211 CPU
212 メモリ
213 ハードディスク装置
214 FDドライブ
2140 FD
215 CD−ROMドライブ
2150 CD−ROM
216 入出力インタフェース
900,900’ 排出量按分プログラム
1000 輸送管理支援装置
2000 輸送車両
2000a 走行管理装置
2001a GPS
2002a 走行記録装置
2003a 車速センサ

Claims (4)

  1. 所定の記憶装置から、車両の製造段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両のメンテナンス段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両の廃棄段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両がライフサイクル中で消費するエネルギーにより排出される排出物の予測排出量とを読み出し、予測総排出量を算出する総排出量算出部と、
    前記所定の記憶装置から、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測走行時間を読み出し、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測総走行時間と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間と、前記総排量算出部により算出された予測総排出量とから、前記車両の単位あたりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出するプロセス排出量按分部と、
    前記プロセス排出量按分部で算出された前記輸送プロセスに割り当てられる排出量を、前記輸送プロセスで輸送される各荷物に対し、前記所定の記憶装置から取得した前記各荷物の重量及び前記各荷物が輸送される距離、又は前記各荷物の重量及び前記各荷物が輸送される時間に基づいて按分する荷物排出量按分部とを備えたことを特徴とする排出量按分装置。
  2. 所定の記憶装置から、車両の製造段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両のメンテナンス段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両の廃棄段階で排出される排出物の予測排出量とを読み出し、非動力源予測総排出量を算出する非動力源総排出量算出部と、
    前記所定の記憶装置から、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間とを読み出し、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間との比率を、前記非動力源総排出量算出部により算出された予測総排出量に乗じることで、前記車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出するプロセス排出量算出部と、
    前記プロセス排出量算出部で排出量が求められた輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される、前記排出物の排出量を前記所定の記憶装置から取得し、該取得した排出量と、前記プロセス排出量算出部で求められた前記車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量との和を求める算出部と、
    前記算出部により算出された、前記車両の単位当たりの輸送プロセスにおける排出量の和を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを備えたことを特徴とする排出量按分装置。
  3. コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
    所定の記憶装置から、車両の製造段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両のメンテナンス段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両の廃棄段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両がライフサイクル中で消費するエネルギーにより排出される排出物の予測排出量とを読み出し、予測総排出量を算出する総排出量算出部と、
    前記所定の記憶装置から、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測走行時間を読み出し、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測総走行時間と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間と、前記総排量算出部により算出された予測総排出量とから、前記車両の単位あたりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出するプロセス排出量按分部と、
    前記プロセス排出量按分部で算出された前記輸送プロセスに割り当てられる排出量を、前記輸送プロセスで輸送される各荷物に対し、前記所定の記憶装置から取得した前記各荷物の重量及び前記各荷物が輸送される距離、又は前記各荷物の重量及び前記各荷物が輸送される時間に基づいて按分する荷物排出量按分部とを構築することを特徴とする排出量按分プログラム。
  4. コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
    所定の記憶装置から、車両の製造段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両のメンテナンス段階で排出される排出物の予測排出量と、前記車両の廃棄段階で排出される排出物の予測排出量とを読み出し、非動力源予測総排出量を算出する非動力源総排出量算出部と、
    前記所定の記憶装置から、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間とを読み出し、ライフサイクル中で前記車両が走行可能な予測総走行距離又は予測車両寿命と、前記車両の単位あたりの輸送プロセスにおける予測走行距離又は予測占有時間との比率を、前記非動力源総排出量算出部により算出された予測総排出量に乗じることで、前記車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量を算出するプロセス排出量算出部と、
    前記プロセス排出量算出部で排出量が求められた輸送プロセスで消費される動力源に起因して排出される、前記排出物の排出量を前記所定の記憶装置から取得し、該取得した排出量と、前記プロセス排出量算出部で求められた前記車両の単位当たりの輸送プロセスに割り当てられる排出量との和を求める算出部と、
    前記算出部により算出された、前記車両の単位当たりの輸送プロセスにおける排出量の和を、該輸送プロセスで輸送される各荷物に按分する荷物排出量按分部とを構築することを特徴とする排出量按分プログラム。
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