JP5394668B2 - 換気量推定装置及び換気量推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室内汚染質濃度を用いた換気量推定装置等に関し、特に、安価にかつ精度良く換気量の推定ができ、さらに推定した換気量により高精度の室内人数の推定を可能にする換気量推定装置等に関する。
従来、省エネや室内環境の改善等の観点から室内の空調制御に関する様々な提案がなされている。かかる空調制御において、制御対象の部屋の在室人数を把握することは一つの重要な要素であり、この在室人数の把握についても、従来、様々な手法が提案されている。
その従来技術としては、部屋の入口を通過する人数を計測する方法やカメラによって撮影した画像を解析する手法などがある。また、下記特許文献1及び2には、二酸化炭素濃度を用いて在室人数を把握することに関して記載されている。
下記特許文献1では、対象とする部屋の給気側における空気量及び二酸化炭素濃度、排気側における空気量及び二酸化炭素濃度等から在室人数を計算することが示されている。また、下記特許文献2では、室内環境の急変に対応して空調機を最適に制御するための技術が示され、その中で、COセンサにより室内の人員数を検出することが開示されている。
特開2004−278868号公報 特開平6−26687号公報
しかしながら、上述した部屋の入口における計測やカメラを用いる方法では、そのためのシステム導入にコストと手間を要するという課題がある。
また、上記特許文献1に記載の方法では、部屋の給気用及び排気用ダクトに装置を設置する必要があり、既に出来上がっている設備に対して適用するのは容易ではなく、コストもかかるという課題があった。さらに、当該方法では、対象とする部屋の換気を上記給気用及び排気用ダクトだけによるものとしているため、実際には、部屋の窓やドアなどからの換気も起こることを鑑みれば、当該方法における部屋の換気量の把握は不正確であり、従って在室人数の把握についても精度的に課題があると言える。また、上記特許文献2には、COセンサによりどのように室内の人員数を検出するかについて具体的に示されていない。
上述した換気量の把握は、在室人数の推定だけでなく、最適な空調制御や室内環境の把握においても重要な要素であり、これまでは、この換気量の把握を正確かつ容易に行える適切な手法が提案されていなかった。
そこで、本発明の目的は、二酸化炭素濃度などの室内汚染質濃度を用いた換気量推定装置であって、安価にかつ精度良く換気量の推定ができ、さらに推定した換気量により高精度の室内人数の推定を可能にする換気量推定装置等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、所定の閉空間における換気量を推定する換気量推定装置が、前記所定の閉空間内に設置され、所定の汚染質の濃度を測定する汚染質濃度測定手段と、第一時刻の閉空間における汚染質の濃度を、当該閉空間における換気量を考慮した、前記第一時刻よりも前の第二時刻における前記汚染質の濃度からの影響と前記閉空間における前記汚染質の発生からの影響、に基づいて表す関係式に、前記所定の汚染質の発生量が既知の時間帯において前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記換気量を求める演算手段とを有する、ことである。
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記演算手段は、前記換気量を複数の異なる期間について求め、求めた複数の前記換気量の平均値を前記所定の閉空間における換気量とする、ことを特徴とする。
更にまた、上記の発明において、その好ましい態様は、前記演算手段は、前記汚染質の発生量が既知の時間帯を、前記汚染質濃度測定手段によって測定される前記所定の汚染質の濃度の変化に基づいて決定する、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、一つの態様は、前記所定の汚染質は、二酸化炭素であり、前記所定の汚染質の発生源は、前記所定の閉空間に存在する人である、ことを特徴とする。
また、上記の発明において、一つの態様は、前記演算手段は、更に、前記関係式に、前記求めた換気量を適用すると共に、前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記所定の閉空間に存在する人の数を求める、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、所定の閉空間における換気量を推定する換気量推定方法が、前記所定の閉空間内に設置される汚染質濃度測定手段により、所定の汚染質の濃度を測定するステップと、第一時刻の閉空間における汚染質の濃度を、当該閉空間における換気量を考慮した、前記第一時刻よりも前の第二時刻における前記汚染質の濃度からの影響と前記閉空間における前記汚染質の発生からの影響、に基づいて表す関係式に、前記所定の汚染質の発生量が既知の時間帯において前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記換気量を求めるステップとを有する、ことである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した換気量推定装置を使用した環境情報取得システムの本実施の形態例に係る構成図である。図1に示す換気量推定装置1が本発明を適用した装置であり、所定時刻の二酸化炭素濃度を、前時刻における二酸化炭素濃度からの影響と在室人員による二酸化炭素の増分の影響に基づいて表す関係式に、在室人数が既知の時間帯における二酸化炭素濃度の測定値を適用して、対象とする部屋の換気量を推定し、さらに、推定した換気量を上記関係式に適用して任意の時刻における在室人数を推定するものである。
図1に示すように、本換気量推定装置1は換気量を推定する部屋2(閉空間)の内部に設置される。本実施の形態例では、当該換気量推定装置1を使用する場合の一例としての、環境情報取得システム100を示し、当該システムでは、複数の部屋2のそれぞれに当該換気量推定装置1が設置され、図1に示すように、それらが、環境情報サーバ3とネットワーク4で接続される。
換気量推定装置1の詳細については後述するが、当該装置で取得された各部屋2の換気量、在室人数、二酸化炭素濃度等の情報が、適宜、ネットワーク4を介して環境情報サーバ3に送信され、これらの情報が環境情報サーバ3に使用可能な状態で保持される。そして、保持されたこれらの情報は、例えば、換気量推定装置1が設置される各部屋2の空調制御や環境把握に用いることができる。なお、部屋2には、図示していないが、空調設備、人の出入りのためのドア、窓などがある。また、環境情報サーバ3は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムで構成することができ、ネットワーク4は、LAN、WAN、インターネット等で構成することができる。
図2は、換気量推定装置1の本実施の形態例に係る構成図である。図2に示すように、換気量推定装置1は、濃度測定部11、演算部12、操作部13、及びI/F部14を備える。濃度測定部11は、部屋2の汚染質の濃度を測定するセンサであり、ここでは、二酸化炭素の濃度センサ(COセンサ)である。当該COセンサは、市販されている従来装置であり、二酸化炭素が吸収しやすい波長の光を測定対象に当て、吸収されなかった光の量から二酸化炭素濃度を検出するものである。かかる濃度測定部11は、所定の時間間隔(例えば、15秒間隔)で二酸化炭素の濃度測定を行い、測定結果を、随時、演算部12に通知する。
演算部12は、一般的なマイクロコンピュータ等で構成することができ、図2に示すように、CPU121、ROM122、RAM123等を備える。本演算部12は、上記濃度測定部11での測定結果を用いて、上述した本換気量推定装置1が推定する換気量及び在室人数を算出する部分である。当該演算部12で行われる換気量及び在室人数の推定処理、また、そのための準備(キャリブレーション)の詳細については後述する。ROM122には、上記処理の手順を示すプログラムやデータが格納され、CPU121は、当該ROM122に格納されるプログラムに従って上記各処理を実行する。RAM123は、上記処理の過程で必要なデータ等を一時的に保持する。
次に、操作部13は、本換気量推定装置1のユーザとのインターフェースであり、ユーザが上記演算部12での処理に必要な各パラメータ値を入力する際や、演算部12での処理結果を、すなわち、推定された換気量及び在室人数等をユーザに表示する際に用いられる。図2に示すように、操作部13には、表示パネル131及び操作ボタン132が備えられ、それぞれ、上記ユーザへの表示及びユーザによる入力に用いられる。
I/F部14は、本換気量推定装置1と外部とのインターフェースを司る部分であり、ここでは、前述した環境情報サーバ3との通信が当該I/F部14を介して行われる。具体的には、本換気量推定装置1での換気量及び在室人数の推定結果、二酸化炭素濃度の測定結果が環境情報サーバ3に送信され、また、必要であれば、環境情報サーバ3から上記推定処理に必要なパラメータ値が換気量推定装置1に送信されてRAM123等に設定される。
以上のような構成を有する本実施の形態例における環境情報取得システム100では、換気量推定装置1で行われる換気量及び在室人数の推定処理に特徴があり、以下、その具体的な内容について説明する。
まず、換気量及び在室人数の推定に用いる計算式について説明する。図3は、部屋の汚染質濃度と換気量の関係を説明するための図である。図3に示す図において、矩形の閉じられた空間が推定対象の部屋2であり、当該部屋の換気量がQ(m/h)であり、室内の汚染質濃度(本実施の形態例ではCO濃度)がC(ppm)である。また、部屋2の外部の汚染質濃度(CO濃度)がC(ppm)であり、室内の汚染質(CO)発生量がM(m/h)である。また、部屋の容量はV(m)で表す。
図3に示す状態が、換気が行われる部屋2における一般的な状態を示しており、所定時間(dt)内において、部屋2に流入される(追加される)汚染質量から、部屋2から流出される汚染質量を差し引いたものが、部屋2に蓄積される汚染質量であることから、下記(1)式が成り立つ。
(CQdt+Mdt)−CQdt=VdC (1)
上記(1)を順次変形していくと下記(2)式を得ることができる。
C=C+(C−C)e−Qt/V+(1−e−Qt/V)M/Q (2)
ここで、Cは室内の汚染質初期濃度(ppm)であり、tは汚染質初期濃度Cを測定した時刻から汚染質濃度Cを測定した時刻までの経過時間(h)である。
そして、本実施の形態例では、部屋2に在室している人員が汚染質、すなわち、COの発生源であるので、在室人数をn(人)、一人当たりのCO発生量をk(m/(h・人))とすると、M=knであり、上記(2)式は下記(3)式となる。
C=C+(C−C)e−Qt/V+(1−e−Qt/V)kn/Q (3)
本換気量推定装置1では、当該(3)式を用いて、換気量及び在室人数の推定を行う。
図4は、換気量推定装置1による推定処理の手順を例示したフローチャートである。本換気量推定装置1は比較的小型であり、人手によって対象の部屋2に持ち込まれて設置される。その後、上述した(3)式による推定計算を行うために、既知のパラメータの値が設定される(ステップS1)。具体的には、部屋の容量V、一人当たりのCO発生量k、及び外部のCO濃度Cの各値が換気量推定装置1のRAM123等の所定箇所に設置される。
これらの各パラメータ値については、ユーザが前記操作部13から値を入力する、又は、環境情報サーバ3からネットワークを介して設定することができるが、一人当たりのCO発生量k及び外部のCO濃度Cについては、ほぼ一定の値として予め換気量推定装置1に設定しておいてもよい。また、外部のCO濃度Cは、在室人数が0の定常時のCO濃度であり、本換気量推定装置1の前述した濃度測定部11の測定結果から設定するようにしてもよい。
図5は、濃度測定部11の測定結果の一例を示した図である。図5に示すグラフにおいて、横軸が時間tであり、縦軸が測定されたCO濃度である。グラフ中央の山になっている部分は、在室者がおり、従って、COが発生されている時間帯である。一方、その両側の部分(図中のa及びb)は、在室者がいない夜間や早朝の時間帯である。従って、このa又はbの時間帯で測定された濃度をCにすることができ、演算部12が、このa又はbの時間帯の濃度測定部11から通知される測定結果によりCを設定するようにしてもよい。なお、a又はbのように在室者がいない時間帯であるとの判断は、前記設置後、濃度測定部11から所定時間(例えば、15秒)間隔で測定値が通知されるので、それらの値が、所定の低い値以下で推移している場合に当該時間帯であると判断することができる。また、在室者がいない時間帯が絶対時刻として、例えば、午後11時から午前5時までのように、予め設定されていてもよい。
また、部屋2の外部に取り付けられたCOセンサの測定値を受信してCの値を設定するようにしてもよい。
次に、換気量推定装置1の演算部12は、在室人数nが既知となる時間帯(期間)の決定を行う(ステップS2)。上記(3)式において、時間tの開始時刻における室内CO濃度C及び終了時刻の室内CO濃度Cは、上述の通り、濃度測定部11からの定期的な測定値の通知により値を知ることができ、また、上述の通り、部屋の容量V、一人当たりのCO発生量k、及び外部のCO濃度Cの各値は設定されているので、この時点で、値が未知なパラメータは在室人数nと換気量Qである。
そこで、部屋2の在室人数nがわかる時間帯においては、上記(3)式において換気量Qのみが未知となり、すなわち、かかる時間帯の測定されたCO濃度を(3)式に適用することにより換気量Qを算出することができる。
当該時間帯の決定は、様々な方法で行うことができるが、まず、ユーザがその時間帯を入力する方法がある。この場合、ユーザは部屋2の在室人数を把握して、その人数であった時間帯とその人数の情報を操作部13又は環境情報サーバ3から入力し、演算部12は入力されたこれらの情報により上記決定を行う。
また、部屋2の最終退出者が退出した後は在室人数が0になり、また、最初の入室者が入室した後は在室人数が1となるので、そのような時間帯をとらえて上記時間帯の決定を行ってもよい。前述した図5に示すようなCO濃度の変化であった場合、上記最終退出者が退出した後在室者が0になる時間帯は、図5のT2に示す時間帯に相当し、また、上記最初の入室者が入室した後在室人数が1となる時間帯は、図5のT1に示す時間帯に相当する。従って、随時通知される前記濃度測定部11からの測定値に基づいて、演算部12が、このような変化を示す部分を抽出し上記時間帯を決定することもできる。すなわち、通知されるCO濃度測定値が、設定されているCの値近辺から上昇する時間帯、または、Cの値近辺へ下降する時間帯を抽出して上記決定を行うことができる。
また、最終退出者が退出したことは、当該部屋2の電燈が消されるなど他の行為によっても把握可能であるので、当該行為がなされたことを、例えば、電燈が消されたことを、信号として受信可能であれば、演算部12が当該信号を受信した時刻を在室者が0になった時刻と判断して上記時間帯の決定を行うこともできる。また、最初の入室者が入室したことを把握して行う場合にも、同様に行うことができる。
次に、演算部12は、上記決定した時間帯において換気量Qを算出し、当該部屋2の換気量Qを推定する(ステップS3)。上述の通り、在室人数が分かっている時間帯においては上記(3)式で換気量Qのみが未知数になるので、演算部12は、濃度測定部11が測定したCO濃度値を通知してくるタイミングで(例えば、15秒毎に)、上記(3)式を用いて換気量Qを算出する。具体的には、濃度測定部11からの通知間隔(例えば、15秒)を時間tとして、その時間tの終了時点で通知されたCO濃度値をCの値とし、その一つ前に通知された、すなわち、その時間tの開始時点で通知されたCO濃度値をCの値としてその時間tにおけるQを求める。
演算部12は、この各時間tにおけるQの算出を、前記決定した時間帯について繰り返し実行し、それら算出されたQの平均値を求め、その求められた平均値を当該部屋2の換気量とする。なお、前記在室人数nが既知の時間帯は、一つにする必要はなく、また、nが異なる時間帯を用いてもよい。例えば、ユーザが、一定期間、部屋2を監視し、在室人数が変わる度に在室人数nを換気量推定装置1に入力しておき、当該一定期間を上記決定した時間帯として、この一定期間から換気量Qを求めるようにすることができる。
次に、換気量推定装置1は、前記推定された換気量Qを用いて在室人数nの推定を開始する。具体的には、演算部12は、まず、前記平均値として求めた換気量Qを前記(3)式におけるQの値に設定する。これにより、前記ステップS1で設定されたパラメータ値とあわせ、前記(3)式において、未知数はC、C、t、及びと在室人数nとなる。ここで、tを前述した濃度測定部11からの測定結果の通知間隔(例えば、15秒)とし、従って、その間隔の前後で通知されるCO濃度値がC及びCとなる。よって、前記(3)式において未知数は在室人数nだけとなり、演算部12は、上記通知間隔毎に前記(3)式に通知されるCO濃度値を適用して在室人数nを算出する(ステップS4)。
当該処理により、上記通知間隔毎に在室人数nが求められ、この処理が順次継続されて行われるが、上記通知間隔が例えば15秒と短い場合には、複数の上記通知間隔における在室人数nを、個々の通知間隔で求めたnの平均値として求め、その値を在室人数nとする。
このようにして部屋2の在室人数nが推定されると、換気量推定装置1は、前記推定した換気量Qと在室人数nの出力を行う(ステップS5)。具体的には、前述したように、ネットワーク4を介して環境情報サーバ3へ、換気量Q、在室人数n及びCO濃度の測定値を送信する。また、必要に応じて操作部13の表示パネル131にこれらの値を表示する。なお、これらの各値の出力タイミングは、任意に設定することができ、例えば、換気量Qは前記推定が完了した時点で出力するようにすることができる。
以上のようにして、本換気量推定装置1における換気量及び在室人数の推定処理が行われるが、換気量Qの推定処理は、上記在室人数の推定処理が開始された後も、適宜、値の見直しのために実行されてよい。部屋の換気量は、空調設備や部屋内の構成が同じであっても温度や湿度などによって多少変化するものであり、より正確な在室人数の推定を行うためには、季節毎など適宜換気量Qの見直しを行うことが望ましい。
このようにして、各部屋2の換気量推定装置1における推定結果等が環境情報サーバ3へ送信されると、これらの情報が利用可能に保持され、各部屋2の空調制御などに利用される。例えば、各部屋2の在室人数が把握されるので、複数の部屋全体として最適な空調制御を行う場合などに有効に利用される。
次に、本換気量推定装置1を用いた推定の検証結果について説明する。図6は、検証実験で用いた部屋のCO濃度の測定値と本換気量推定装置1で用いた推定式によるCO濃度値を時系列に示したグラフである。図6において幅のある線で示されるCO計測濃度はCO濃度の測定値であり、値に幅があるのはCOセンサの測定誤差を含めて表現しているからである。
一方、図6においてCO推定濃度の線は、上記(3)式により、所定の時間間隔tでCO濃度Cを求めてプロットしたものである。ここで、図6の人数は、上記部屋の実際の在室人数nである。上記CO推定濃度は、上記(3)式に、Cを求める期間のnと、既知数である外部のCO濃度C、部屋の容量はV、及び一人当たりのCO発生量kと、前期間のCO濃度Cと、予め想定した換気量Qを適用して求めたものである。ここで、換気量Qは、CO計測濃度とCO推定濃度の値の水準が概ね合うように設定されたものであり、当該実験の時間帯において一定の値を用いた。
図6から分かるように、CO推定濃度は、実験した時間帯のどの時間においてもほぼCO計測濃度と一致しており、具体的には、CO推定濃度の83.3%が、誤差範囲を考慮したCO計測濃度の線内に収まった。この結果は、在室人数nが異なる各時間帯において換気量Qの設定が正しいことを示しており、当該実験から、在室人数nに関わらず換気量Qの値を概ね一定として扱える、ということが言える。従って、上記図4のステップS3による換気量Qの推定、すなわち、所定のn値におけるQをその部屋2の換気量とすることは、妥当であるといえる。言い換えれば、上記換気量Qの推定方法は精度が良いと言える。
なお、図6において、CO計測濃度は2000ppm以上の値を取っておらず、18時前後において平らなグラフ形状になっているが、これは当該実験で用いたセンサの測定限界が2000ppmであることによるものであり、測定限界の高い他のセンサを用いることにより、より正確な計測を行うことができる。そして、その場合には、CO推定濃度は、CO計測濃度とより一致する可能性が高いと考えられる。
次に、図7は、検証実験で用いた部屋の実際の在室人数と本換気量推定装置1による在室人数の推定結果とをプロットしたグラフである。図7の(A)及び(B)の両グラフにおいて、太線で示される計測値は実際の在室人数であり、細線で示される推定値は推定結果である。(A)及び(B)の両グラフは、前述した平均値として求めるnの、平均を取る期間を変えたものである。
両グラフから明らかなように、推定結果は実際の値と良く一致しており、本換気量推定装置1による推定の精度が高いことが分かる。
なお、上述の本実施の形態例では、環境情報取得システム100として複数の換気量推定装置1が設置されて環境情報サーバ3とネットワーク4で接続される構成としたが、換気量推定装置1を単独で用いるようにしても良い。この場合には、上述した推定結果及び測定結果は表示パネル131に出力するようにすることができる。
また、上述の本実施の形態例では、換気量及び在室人数の推定処理を各換気量推定装置1で行う構成としたが、当該推定処理を環境情報サーバ3で一括して行うようにしてもよい。この場合、各換気量推定装置1は、測定したCO濃度値を環境情報サーバ3へ適宜送信するようにする。
また、本実施の形態例では、室内の汚染質をCOとしたが、他の物質の濃度を用いて同様の換気量推定を行うことができる。この場合には、上記(2)が利用される。例えば、室内に発生する化学物質の発生量が概ね一定であれば、その化学物質の濃度センサによる測定値を用いて換気量を算出することが可能である。また、COの代わりにOを用いて、同様の換気量及び在室人数の推定を行うことも可能である。この場合には、濃度測定部11としてO濃度センサを用い、上記(3)式における一人当たりのCO発生量kを、一人当たりのO吸収量(消費量)として、このパラメータに負の値を与えるようにする。
また、本実施の形態例による換気量推定装置1が推定した換気量を、在室人数の推定だけでなく他の目的に利用することもできる。例えば、室内の有害ガス濃度が高くなった場合に、その有害ガスの発生源を遮断後、許容される濃度になるまでの時間は、上記(2)式において、換気量Qを推定された値とし、発生量Mを0とし、その時点のガス濃度をCとし、さらに、許容される濃度値をCとして、時間tを求めることで推定することが可能である。同様に、粉塵の濃度が測定可能であれば、粉塵についても濃度が所定値以下になるまでの時間を推定することができる。
以上説明したように、本実施の形態例による換気量推定装置1では、室内の汚染質濃度の変化から上述した推定式を用いて精度の高い換気量の推定を行うことが可能である。また、そのために、濃度計とマイクロコンピュータを備えた小型の装置を対象とする室内に設置すればよく、容易かつ安価に換気量の推定を行うことができる。さらに、当該推定を行うために必要なパラメータ(C、n)値が自らが備えた濃度計の測定結果に基づいて自動的に設定され得るので、この点においても容易に推定処理を行うことができる。
更に、本換気量推定装置1では、上記推定した換気量を用いて上記推定式により精度の高い在室人数の推定を行うことができる。この場合にも、濃度計による測定値があればよく、容易に在室人数の推定が可能である。また、季節毎などに換気量の推定をし直すことにより、より精度の高い在室人数の推定を行うことができる。
また、本実施の形態例による環境情報取得システム100のようにして、本換気量推定装置1により複数の部屋において取得された換気量、在室人数等の情報を、サーバに収集して保持することにより、推定した換気量等の情報を複数の部屋全体を最適に制御するための空調制御装置等において有効に活用することができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
本発明を適用した換気量推定装置を使用した環境情報取得システムの本実施の形態例に係る構成図である。 換気量推定装置1の本実施の形態例に係る構成図である。 部屋の汚染質濃度と換気量の関係を説明するための図である。 換気量推定装置1による推定処理の手順を例示したフローチャートである。 濃度測定部11の測定結果の一例を示した図である。 検証実験で用いた部屋のCO濃度の測定値と本換気量推定装置1で用いた推定式によるCO濃度値を時系列に示したグラフである。 検証実験で用いた部屋の実際の在室人数と本換気量推定装置1による在室人数の推定結果とをプロットしたグラフである。
符号の説明
1 換気量推定装置、 2 部屋、 3 環境情報サーバ、 4 ネットワーク、 11 濃度測定部(汚染質濃度測定手段)、 12 演算部(演算手段)、 13 操作部、 14 I/F部、 100 環境情報取得システム、 121 CPU、 122 ROM、 123 RAM、 131 表示パネル、 132 操作ボタン

Claims (5)

  1. 所定の閉空間における換気量を推定する換気量推定装置であって、
    前記所定の閉空間内に設置され、所定の汚染質の濃度を測定する汚染質濃度測定手段と、
    第一時刻の閉空間における汚染質の濃度を、当該閉空間における換気量を考慮した、前記第一時刻よりも前の第二時刻における前記汚染質の濃度からの影響と前記閉空間における前記汚染質の発生からの影響、に基づいて表す関係式に、前記所定の汚染質の発生量が既知の時間帯において前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記換気量を求める演算手段とを有し、
    前記演算手段は、前記汚染質の発生量が既知の時間帯を、前記汚染質濃度測定手段によって測定される前記所定の汚染質の濃度の変化に基づいて決定する
    ことを特徴とする換気量推定装置。
  2. 請求項1において、
    前記演算手段は、前記換気量を複数の異なる期間について求め、求めた複数の前記換気量の平均値を前記所定の閉空間における換気量とする
    ことを特徴とする換気量推定装置。
  3. 請求項1あるいは2において、
    前記所定の汚染質は、二酸化炭素であり、
    前記所定の汚染質の発生源は、前記所定の閉空間に存在する人である
    ことを特徴とする換気量推定装置。
  4. 請求項において、
    前記演算手段は、更に、前記関係式に、前記求めた換気量を適用すると共に、前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記所定の閉空間に存在する人の数を求める
    ことを特徴とする換気量推定装置。
  5. 所定の閉空間における換気量を推定する換気量推定方法であって、
    前記所定の閉空間内に設置される汚染質濃度測定手段により、所定の汚染質の濃度を測定するステップと、
    第一時刻の閉空間における汚染質の濃度を、当該閉空間における換気量を考慮した、前記第一時刻よりも前の第二時刻における前記汚染質の濃度からの影響と前記閉空間における前記汚染質の発生からの影響、に基づいて表す関係式に、前記所定の汚染質の発生量が既知の時間帯において前記汚染質濃度測定手段によって測定された異なる2時刻における前記所定の汚染質の濃度を、前記第一時刻と前記第二時刻の濃度として代入して、前記換気量を求めるステップと
    前記汚染質の発生量が既知の時間帯を、前記汚染質濃度測定手段によって測定される前記所定の汚染質の濃度の変化に基づいて決定するステップとを有する
    ことを特徴とする換気量推定方法。
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