以下に、本発明によるリハビリテーション装置の実施形態1を、図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態によるリハビリテーション装置は、図1に示されているように、人(患者A)の下肢部に装着され、患者Aの下肢部関節に関節モーメントに付与するアクチュエータを有する歩行支援装置1を用いるリハビリテーション装置である。歩行支援装置1を装着した患者Aは、歩行支援装置1による関節モーメント付与のもとに、トレッドミル290上で歩行訓練を行う。
トレッドミル290は、電動モータによって駆動される無限軌道ベルト291を有する電動式のランニングマシーンであり、無限軌道ベルト291上を人が定点歩行することができる。この場合の無限軌道ベルト291上の患者Aの走行速度は、電動モータによる無限軌道ベルト291の駆動速度により決まり、無限軌道ベルト291の駆動速度によって患者Aの走行速度を支配することができる。
歩行支援装置1は、歩行補助装置とも云われる機器であり、下肢部関節に付与する関節モーメントをアクチュエータによって発生し、歩行支援装置1を装着した患者Aの床反力を増減するものである。本実施形態のリハビリテーション装置に好適な歩行支援装置1の一例を図2を参照して説明する。
図2に示されているように、歩行支援装置1は、大きく分けて、使用者の腰部に装着される腰部装具10と、使用者の左右の大腿部に装着される左右の大腿部装着具20と、使用者の左右の下腿部に装着される左右の下腿部装着具40と、使用者の左右の膝関節の側部に対応する位置にあって大腿部装着具20に対して下腿部装着具40を前後方向に回動可能に接続する左右の膝関節部接続手段60と、使用者の左右の足部に装着される左右の足部装着具70と、使用者の左右の足関節の側部に対応する位置にあって下腿部装着具40に対して足部装着具70を前後方向に回動可能に接続する左右の足関節部接続手段80とにより構成されている。
当該歩行支援装置1は、更に、使用者の左右の股関節の側部に対応する位置に配置されて腰部装具10に取り付けられた左右の動力発生装置(アクチュエータ)100と、リンク式の左右の伝動機構90とを有する。
腰部装具10は、使用者の腰部の背部側を取り囲む平面視略C字形の金属製の腰部フレーム12と、腰部フレーム12の前側の左右両端部に取り付けられた側部サポートフレーム14と、腰部フレーム12に取り付けられた背部パッド16とを有する。背部パッド16は使用者の仙骨部分に当接する部分を含むものであり、スポンジ等を内蔵して弾力性を有する構造になっている。側部サポートフレーム14の上端には、側部サポートフレーム14を体幹に装着するための締結長さ調節可能な前後の体幹ベルト201、202が取り付けられている。腰部フレーム12の前側の左右両端部には、腰部フレーム12を腰部に装着するための締結長さ調節可能な腹部ベルト203が取り付けられている。なお、腹部ベルト203は面ファスナ等によって締結長さ調節可能になっていてよい。
大腿部装着具20は、上下バー22と、上下バー22に上下二段に取り付けられた横転コの字形のばね性を有するパッド支持金具24、26と、パッド支持金具24、26の前側端部に取り付けられて使用者の大腿部の前部に当接する大腿部前側パッド28と、パッド支持金具24、26の後側端部に取り付けられて使用者の大腿部の後部に当接する大腿部後側パッド30とを有する。
詳細には、パッド支持金具24、26は、各々水平姿勢で、コの字形中間部を上下バー22の内側面に固定されて前後に突出している。パッド支持金具24、26の前側端部に、当該パッド支持金具24、26を上下に橋渡しするように大腿部前側パッド28が取り付けられ、パッド支持金具24、26の後側端部に、当該パッド支持金具24、26を上下に橋渡しするように大腿部後側パッド30が取り付けられている。そして、この大腿部前側パッド28と大腿部後側パッド30とは、ほぼ同じ高さ位置にて前後に相対向している。
大腿部前側パッド28と大腿部後側パッド30は、各々、複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部32によって、横幅方向中間部を、上下左右に取付位置調整可能にパッド支持金具24、26に取り付けられている。
大腿部前側パッド28、大腿部後側パッド30は、金属薄板、プラスチックス成形品等により構成され、使用者の大腿部にフィットするよう弾力性を有する。
下腿部装着具40は、上下バー42と、上下バー42の上端側に取り付けられて前方に突出したL字形のばね性を有するパッド支持金具44と、上下バー42の下端側に取り付けられて後方に突出したL字形のばね性を有するパッド支持金具46と、パッド支持金具44の先端に取り付けられて使用者の下腿部の膝側前部に当接する下腿部前側パッド48と、パッド支持金具44に取り付けられた下腿部前側パッド装着用の下腿ベルト204と、パッド支持金具46の先端に取り付けられて使用者の下腿部の踝側後部に当接する下腿部後側パッド50と、パッド支持金具46に取り付けられた下腿部後側パッド装着用の下腿ベルト205とを有する。下腿部前側パッド48と下腿部後側パッド50は、高さ違いで、前後に相対向している。
詳細には、上下バー42は、上側部材42Aと下側部材42Bとを複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による連結部52によって長さ調整可能に連結したものにより構成されている。パッド支持金具44は複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部54によって前後に取付位置調整可能に上側部材42Aに取り付けられている。もう一つのパッド支持金具46は複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部56によって前後に取付位置調整可能に下側部材42Bに取り付けられている。
下腿部前側パッド48は複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部57によって上下左右に取付位置調整可能にパッド支持金具44の先端に取り付けられている。下腿部後側パッド50は複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部58によって上下左右に取付位置調整可能にパッド支持金具46の先端に取り付けられている。
これにより、使用者の体格等に応じて、下腿部前側パッド48、下腿部後側パッド50の配置位置を調節することができる。なお、下腿ベルト204、205は面ファスナ等による締め付け長さ調整可能のものであってよい。
大腿部前側パッド28、大腿部後側パッド30、下腿部前側パッド48、下腿部後側パッド50は、各々、金属薄板、プラスチックス成形品等により構成され、使用者の大腿部にフィットするよう弾力性を有する。
膝関節部接続手段60は、使用者の膝関節の側部に対応する位置に配置されて、大腿部装着具20の上下バー22の下端部に、下腿部装着具40の上下バー42の上端部を枢軸62によって前後方向に回動可能に連結している。膝関節部接続手段60はヒンジ部64を有している。これにより、膝関節部接続手段60は、枢軸62による前後方向回動に加えて、ヒンジ部64によって少なくとも使用者の開脚方向と同じ方向(左右方向)にも回動可能な多軸構造になっている。
足部装着具70は、使用者の足裏を載置されて床反力を受ける足裏載置板72と、足裏載置板72より上方に起立形成された上下バー部74とを有する。なお、上下バー部74も、 長さ調節可能の構造を採用されていてもよい。
足関節部接続手段80は、使用者の足関節の側部に対応する配置されて、下腿部装着具40の上下バー42の下端部に、足部装着具70の上下バー部74の上端部を枢軸82によって前後方向に回動可能に連結している。足関節部接続手段80はヒンジ部84を有している。これにより、足関節部接続手段80は、枢軸82による前後方向回動に加えて、ヒンジ部84によって少なくとも使用者の開脚方向と同じ方向(左右方向)にも回動可能な多軸構造になっている。
つぎに、図3、図4を参照して、動力発生装置100の詳細を説明する。動力発生装置100は、股関節用動力発生手段である股関節用電動モータ110と、膝関節用動力発生手段である膝関節用電動モータ120とを同一軸線状に有する。股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120は、ともにロータリエンコーダ付きのものであり、股関節用電動モータ110のロータリエンコーダは股関節用電動モータ110の回転角度を、膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダは膝関節用電動モータ120の回転角度を検出する。
動力発生装置100は、外部突出の取付片104を腰部装具10の腰部フレーム12の左右の端部にヒンジ手段106(図2参照)によって使用者の開脚方向と同じ方向(左右方向)に回動可能に取り付けられた円筒形状の固定ケース部材102と、固定ケース部材102の内側に回転可能に嵌合した円筒形状の中間連結筒体108とを有する。
股関節用電動モータ110は、ステータ部材112と、ステータ部材112に対して自身の中心軸線周りに回転可能に設けられたロータ部材114とを有する回転型のものであり、ステータ部材112をボルト等によって固定ケース部材102の端部102Aの外側面に固定されている。
中間連結筒体108は、端部108Aに固定ケース部材102の端部102Aに形成された中心開口部102Bに回転可能に嵌合する円環状突条部108Bを有している。股関節用電動モータ110のロータ部材114は中間連結筒体108の円環状突条部108Bにボルト等によって固定連結されている。これにより、中間連結筒体108は股関節用電動モータ110のロータ部材114と一体回転する。
中間連結筒体108には当該中間連結筒体108の開口端側のフランジ部108Cにボルトによって固定されて中間連結筒体108の蓋体をなす股関節用電動モータ110の出力部材116が取り付けられている。出力部材116は径方向外方に突出したアーム部116Aを一体に有している。アーム部116Aには、複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による取付部118によって大腿部装着具20の上下バー22の上端部が長さ調整可能に固定連結されている。
膝関節用電動モータ120は、ステータ部材122と、ステータ部材122に対して自身の中心軸線周りに回転可能に設けられたロータ部材124とを有する回転型のものであり、ステータ部材122を中間連結筒体108内に嵌め込まれている。ステータ部材122はボルト等によって股関節用電動モータ110の出力部材116に固定連結されている。これにより、股関節用電動モータ110のロータ部材114に膝関節用電動モータ120のステータ部材122が一体連結された構造になる。
膝関節用電動モータ120のロータ部材124には、ボルト等によって膝関節用電動モータ120の出力部材126が固定連結されている。出力部材126は、股関節用電動モータ110の出力部材116の中心部に開けられた中心開口116Bに相対回転可能に嵌合して中心開口116Bより外部に突出している。
出力部材126は径方向外方に突出したアーム部126Aを一体に有している。アーム部126Aには、図1に示されているように、枢軸ピン92によって伝動機構90のリンク部材94の一端が枢動可能に連結されている。
膝関節部接続手段60の枢軸62は下腿部装着具40の上下バー42の上端部に固定装着された軸体であり、当該軸体に伝動機構90の一部をなすアーム部材96の一端部が固定されている。つまり、アーム部材96は下腿部装着具40の上下バー42と一体のものである。アーム部材96の先端部には枢軸ピン98によってリンク部材94の他端が枢動可能に連結されている。
膝関節用電動モータ120のロータ部材124の回転中心から枢軸ピン92によるリンク部材94の枢支点までの長さと、枢軸62の中心から枢軸ピン98によるリンク部材94の枢支点までの長さは、互いに等しい。これにより、伝動機構90は、平行リンク機構をなし、膝関節用電動モータ120のロータ部材124の回転を下腿部装着具40の上下バー42に伝達する。
なお、リンク部材94、上側部材94Aと下側部材94Bとを複数個のボルト通し孔を有するボルト締結等による連結部99によって長さ調整可能に連結したものにより構成されている。
図3、図4に示されているように、中間連結筒体108の円環状突条部108Bには可動側ストッパ突起108Dが形成されている。固定ケース部材102の中心開口部102Bには可動側ストッパ突起108Dが当接するストッパ壁部102Cと102Dとが所定の回転角離れた位置に設けられている。可動側ストッパ突起108Dとストッパ壁部102C、102Dとで第1のストッパ機構が構成され、固定ケース部材102に対する股関節用電動モータ110のロータ部材114の最大回転角範囲が、ストッパ壁部102Cと102Dの回転角範囲をもって、機械的に設定される。
これにより、股関節の動きが、例えば、屈曲90度、伸展30度に制限され、股関節の動きが通常の歩行時になることが保証される。
また、膝関節用電動モータ120の出力部材126のアーム部126Aが第2のストッパ機構の可動側ストッパ突起を兼ねており、股関節用電動モータ110の出力部材116の中心開口116Bには、アーム部126Aが当接するストッパ壁部116Cと116Dとが所定の回転角離れた位置に設けられている。アーム部126Aとストッパ壁部116C、116Dとで第2のストッパ機構が構成され、股関節用電動モータ110のロータ部材114に対する膝関節用電動モータ120のロータ部材124の最大回転角範囲が、ストッパ壁部116Cと116Dの回転角範囲をもって機械的に設定される。
これにより、膝関節の動きが、例えば、屈曲90度、伸展0度に制限され、膝関節の動きが通常の歩行時になることが保証される。
更に固定ケース部材102に対する膝関節用電動モータ120のロータ部材124の最大回転角範囲を機械的に設定する第3のストッパ機構として、出力部材126のアーム部126Aの膝関節屈曲方向の回転を戸当たり式に規制するストッパ壁部102Eが固定ケース部材102に一体形成されている。
本実施形態では、股関節の可動域を屈曲90度〜伸展30度、膝関節の可動域を伸展0度〜屈曲90度と設定しており、そのそれぞれの関節で見れば、十分に安全な可動域設定であるが、二つの関節の動きを組み合わせた時、例えば、股関節を90度屈曲したまま、膝関節を伸ばすと(伸展0度)、人によっては腱を伸ばしてしまう虞がある。これは、腿裏のハムストリングスが骨盤と下肢とを繋ぐ2関節筋であることに起因する。
第3のストッパ機構は、ハムストリングスを痛めないようにするためのものであり、股関節が90度屈曲している状態では、膝関節を45度屈曲した状態より伸展できないようにしている。つまり、膝関節用電動モータ120の出力部材126のメカニカルストッパを股関節用電動モータ110のステータ部分に設けたことにより、膝関節の伸ばせる角度が股関節の回転角度に依存して制限されることになる。
上述の構成による歩行支援装置1の使用に際しては、足部装着具70の足裏載置板72上に使用者の足裏を載せ、腹部ベルト203の締結によって腰部装具10を使用者の腰部に装着し、大腿部前側パッド28と大腿部後側パッド30とで使用者の大腿部を前後に挟むようにして大腿部装着具20を使用者の大腿部に装着する。
腰部装具10には、図には示されていないが、電源ユニット、制御ユニットが取り付けられる。制御ユニットは、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の駆動回路や電子制御式のアクチュエータ出力制御部150(図1参照)を含む。
アクチュエータ出力制御部150は、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120が発生するトルクが、後述する発生トルク演算部350によって演算された制御目標の発生トルクになるように、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の出力を制御する。この出力トルク制御は、股関節用電動モータ110と膝関節用電動モータ120とで個別に、更には、左右の股関節用電動モータ110で個別に、左右の膝関節用電動モータ120で個別に行われる。
上述の出力トルク制御のもとに、股関節用電動モータ110が駆動され、ロータ部材114の回転が、中間連結筒体108、出力部材116を介して大腿部装着具20に伝達される。これにより、股関節用電動モータ110の出力トルク相当の関節モーメントが患者Aの股関節に付される。
また、上述の制御のもとに、膝関節用電動モータ120が駆動され、ロータ部材124の回転が、出力部材126、伝動機構90を介して下腿部装着具40に伝達される。これにより、膝関節用電動モータ120の出力トルク相当の関節モーメントが患者Aの膝関節に付与される。
本実施形態によるリハビリテーション装置は、図1に示されているように、制御コンソール300を有する。制御コンソール300は、マイクロコンピュータを含む電子制御式のものであり、歩行状態検出部310と、操作部320と、床反力パターン記憶部330、制御目標床反力設定部340と、発生トルク演算部350とを有する。
歩行状態検出部310は、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダ(図示省略)の出力信号、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の電流値を示す信号を入力する。
歩行状態検出部310は、左右の股関節用電動モータ110のロータリエンコーダが出力する信号より左右の股関節の曲げ角度(関節角度θa)を演算し、左右の膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダが出力する信号より左右の膝関節の曲げ角度(関節角度θb)を演算する。歩行状態検出部310によって演算された関節角度θa、θbを示す情報は制御目標床反力設定部340に入力される。
歩行状態検出部310は、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の電流値より、これら各モータの実出力トルクを演算し、実出力トルクを示す信号を発生トルク演算部350に出力する。
また、歩行状態検出部310は、必要に応じて、パッド支持金具24、26の上下バー22に対する連結部やパッド支持金具44、46の上下バー42に対する連結部等に設けられた6軸型力センサ(図示省略)や、足裏載置板72に設けられた床反力センサ(図示省略)等よりセンサ信号を入力し、演算により実床反力を求め、実床反力を示す信号を発生トルク演算部350に出力してもよい。
制御目標床反力設定部340は、床反力パターン記憶部330より床反力パターンを取得し、当該床反力パターンに従って関節角度θa、θbを独立変数として制御目標の床反力(従属変数)を設定し、設定した床反力制御目標値F*を発生トルク演算部350へ出力する。制御目標床反力設定部340が設定出力する床反力制御目標値F*は、左右の股関節用電動モータ110、左右の膝関節用電動モータ120毎に個別に存在する。
発生トルク演算部350は、制御目標床反力設定部340によって設定された床反力を得るための股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の発生トルクを演算するものであり、制御目標床反力設定部340が出力する床反力制御目標値F*を股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の発生トルクに変換する。
発生トルク演算部350は、歩行状態検出部310より入力した実出力トルク、実床反力と床反力制御目標値F*とから制御偏差を演算し、フィードバック補償式に発生トルクの指令値をアクチュエータ出力制御部150へ出力する。
床反力パターン記憶部330は、関節角度θa、θbを独立変数、制御目標の床反力を従属変数とした床反力パターンを記憶している。床反力パターン記憶部330が記憶している床反力パターンは、下肢部関節の関節角(関節角度θa、θb)の変化に応じて床反力が増減する床反力パターンである。
この実施形態では、床反力パターン記憶部330は、図5(a)〜(c)に示されているように、床反力の微分値dF/dtと積分値∫(t1−t0)Fdtが異なる複数種類の床反力パターンデータを格納している。なお、トレッドミル290の無限軌道ベルト291の走行速度が一義的に所定値に決められている場合には、関節角度θa、θbを時間tに置換することができる。
図5(a)〜(c)に示されている床反力パターンは、規範歩行時の床反力パターンNを規範として、関節角度θa、θb毎に決まる制御目標床反力F*を規定するものである。本実施形態では、規範歩行を健常者の正常歩行としており、これは、理学療法士の促通手技を参考して決めることもできる。
図5(a)〜(c)に示されている床反力パターンは、概ね、規範歩行時の床反力パターンNと相似形をなしている。図5(a)の床反力パターンは、床反力の微分値dF/dt、積分値∫(t1−t0)Fdtが規範歩行時の床反力パターンNのものに比してともに小さく、リハビリテーション初期に用いる床反力パターンに適している。図5(b)の床反力パターンは、床反力の微分値dF/dt、積分値∫(t1−t0)Fdtが規範歩行時の床反力パターンNのものより小さいが、図5(a)に示されているリハビリテーション初期用のものより大きく、リハビリテーション中期に用いる床反力パターンに適している。図5(c)の床反力パターンは、床反力の微分値dF/dt、積分値∫(t1−t0)Fdtが規範歩行時の床反力パターンNのものと等しく、リハビリテーション後期に用いる床反力パターンに適している。
操作部320は、キーボート等の入力手段やモニタを有するマンマシンインタフェース部であり、理学療法士等のオペレータにより操作され、床反力パターン記憶部330に格納されている床反力パターンより使用する一つの床反力パターン、つまり、制御目標床反力設定部340に渡す床反力パターンを外部操作によって選択する。
これにより、理学療法士等のオペレータにより、図5(a)〜(c)に示されている初期用、中期用、後期用の床反力パターンを患者Aのリハビリテーションの進行に応じて選択使用することができる。
図6は、規範歩行時の床反力と股関節トルク、膝関節トルクとの相関を示している。図6において、Fは床反力を、Taは股関節トルクを、Tbは膝関節トルクを各々示している。図6により、床反力Fと股関節トルクTa、膝関節トルクTbとに相関があり、床反力Fは股関節トルクTa、膝関節トルクTbの増大に応じて増加する傾向があることが分かる。したがって、発生トルク演算部350は、図6に示されている床反力−関節トルクの相関特性に従って床反力−関節トルク変換を行えばよい。
本実施形態によるリハビリテーション装置を用いたリハビリテーションに際しては、患者Aに歩行支援装置1を装着し、患者Aのリハビリテーションの進行状況等に応じて床反力パターンを選択し、患者Aをトレッドミル290の無限軌道ベルト291上に乗せて無限軌道ベルト291を定速駆動し、歩行支援装置1を始動させる。
これにより、患者Aの左右の股関節と膝関節とに、選択された床反力パターンに従った関節モーメントが関節角度に応じて付与される。この関節モーメント付与により、患者Aの左右の下肢に、健常者の正常歩行時に生じる床反力パターンと同じ床反力パターンをもって床反力が与えられる。このことにより、患者Aが健常者の正常歩行の状態に導かれ、患者Aの歩行障害の回復が図られる。
歩行時の床反力の付与と脳神経刺激とは相関し、健常者の正常歩行時の床反力が患者Aに付与されることにより、脳神経の刺激が活発になる。これにより、歩行支援装置1による効率的な歩行リハビリテーションのもとに、神経リハビリテーションの効果を得て、脳梗塞や脳卒中などにより脳組織に障害を生じた患者の脳組織の再組織化が効率よく行われることを期待できる。
歩行支援装置1による関節モーメント付与は、股関節と膝関節とに行い、特に、下肢の根元である股関節に関節モーメントを付与して股関節の動きを重点的にアシストすることにより、股関節の運動を主とした規範的な歩行パターンを他動的に効率よく教示することができる。これにより、脳の再組織化を図り、最終的には歩行支援装置なしで、低負荷で効率的な歩行を自力でできるようになることを期待できる。また、脳を再組織化し、更には、脳と筋肉の間のコミュニケーションを改善し、障害が起きた部位を避けて新たなバイパスの組織化を期待できる。
このような歩行支援装置1を用いたリハビリテーションは、歩行支援装置1による関節モーメント付与により、歩行支援装置1が理学療法士による促通手技と同等の歩行補助を行うので、理学療法士の促通手技に依存することがなく、理学療法士の経験、熟練度、技量に頼ることなく効果的な神経リハビリテーションをおこなうことができ、併せて理学療法士などリハビリテーションを支援する側の負荷を下げることができる。
歩行支援装置1は、股関節と膝関節のアシストだけで、足首をアシストしないから、足首に負担をかけず、足首で床を蹴らない規範的な歩行パターンを効率よく教示でき、併せて、重心先導の二軸歩行パターンを与え、足首で床を蹴らずに楽に推進できる規範的な歩行パターンを教示することができる。
また、歩行支援装置1による歩行アシストによって、初動負荷的なリズミカルな筋肉の『弛緩−伸張−短縮』のサイクルを繰り返すことにより、疲労物質を溜めることなく長時間の歩行リハビリテーションが可能になる。
患者の脳活動に大きい負担をかけないリハビリテーションとして、リハビリテーションの進行に応じて、床反力の大きさ、繰り返し変動量、変動速度が大きくなる他動的な歩行訓練が行われるとよい。
このようなことから、リハビリテーションの初期、中期、後期と分けると、リハビリテーション初期は、図5(a)に示されている床反力パターンによって床反力Fが与えられるよう、床反力Fの大きさ、繰り返し変動量、変動速度が小さい床反力パターンが選択され、リハビリテーション中期は、図5(b)に示されている床反力パターンによって床反力Fが与えられるよう、床反力Fの大きさ、繰り返し変動量、変動速度がリハビリテーション初期より大きい床反力パターンが選択され、リハビリテーション後期は、図5(c)に示されている床反力パターンによって床反力Fが与えられるよう、床反力Fの大きさ、繰り返し変動量、変動速度がリハビリテーション中期より更に大きい床反力パターンが選択されればよい。図5(c)に示されているリハビリテーション後期用の床反力パターンでは、床反力Fは健常者の通常歩行時の床反力と同等に与えられる。
ここで、床反力Fの総量Fiは、図5(a)〜(c)に示されている変動パターンにおいて、積分値∫(t1−t0)Fdtにより示される。床反力Fの総量Fiは、脳神経刺激総量に相当し、リハビリテーションの進行に応じて、床反力の総量Fiと、床反力Fの微分値dF/dtにより表される床反力Fの増減傾きとが調整される歩行アシスト力が制御されればよい。
床反力Fを支配する関節モーメント付与は、左脚と右脚とで個別に設定することができるから、患者Aの左右の下肢の麻痺状況に応じて、床反力パターンが、左脚と右脚とで個別に、図5(a)〜(c)に示されている床反力パターンから任意に選択設定されればよい。
これにより、歩行支援装置1による関節モーメント付与によって、脳性麻痺特有の左右非対称の歩行を左右対称に導き、適切な規範的な歩行パターンを教示することができる。
つぎに、本実施形態によるリハビリテーション装置の制御フローを、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、操作部320の操作によって床反力パターン記憶部330に格納されている床反力パターンを選択する(ステップS11)。
つぎに、歩行状態検出部310によって左右の股関節用電動モータ110のロータリエンコーダ、膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダが出力する信号より左右の股関節角度θa、膝関節関節角度θbを演算し、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の電流値より、これら各モータの実出力トルクを演算する(ステップS12)。
つぎに、制御目標床反力設定部340によって床反力パターンに従って関節角度θa、θbを独立変数として床反力制御目標値F*を設定する(ステップS13)。
つぎに、発生トルク演算部350によって床反力制御目標値F*を股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の発生トルクに変換する(ステップS14)。
つぎに、実出力トルクと床反力制御目標値F*とから制御偏差を演算し、フィードバック補償式に発生トルクの指令値をアクチュエータ出力制御部150へ出力する(ステップS15)。
つぎに、操作部320の操作による床反力パターンの変更の有無を判別する(ステップS16)。床反力パターンの変更がない場合には、操作部320の操作による終了を確認する(ステップS17)。終了である場合には、この制御フローを終了する。これに対し、終了でない場合には、ステップS12に戻り、左右の股関節角度θa、膝関節関節角度θb、実出力トルクを演算してこれらを更新し、ステップS13〜ステップS17を繰り返す。
床反力パターンの変更がある場合には、ステップS11に戻り、使用する床反力パターンを変更し、ステップS12〜ステップS17を繰り返す。
効果検証のために、トレッドミル290上で、評価対象者に歩行支援装置1を装着して歩行アシストを行った場合と、同一評価対象者に歩行支援装置1を装着しない場合の歩行運動、脳活動を、同速度糖代謝変化のPET(Positron Emission Tomography)測定と、近赤外光を使用したヘモグロビン濃度測定により評価した。
この評価は、4km/hでトレッドミル290を動作させ、運動時間を50分とし、運動開始後30分で363MBqのFDG(Fluorodexyglucose)を静注し、投与後45分でのPET画像を取得し、SUV値を求めた。
図8(A)、(B)の下段は下肢部のPET画像、図8(A)、(B)の上段はヘモグロビン濃度を測定した画像であり、図7(A)は歩行支援装置1を装着しない場合の歩行後の画を、図8(B)は歩行支援装置1を装着した場合の歩行後の画像を各々示している。図8(A)、(B)において、領域Iは糖代謝状態(脳活動)が低いことを、領域IIは糖代謝状態(脳活動)が高いことを、領域IIIは糖代謝状態(脳活動)がより高いことを示している。
図8(A)と(B)の比較により、歩行支援装置1を装着した場合のほうが、装着しない場合に比して糖代謝、脳活動が活発になり、歩行支援装置1による歩行アシストによって股関節周囲筋の筋活動賦活および脳活動賦活が確認できた。この股関節周囲筋の筋活動賦活および脳活動賦活により、活脳組織の再組織化を促進する作用を期待できる。
図9は、上述のPET画像(男性10人)に基づく、各筋のSUV(Standardized Uptake Value)増加率の平均値±2SE(Standard Error)を示している。は、画素毎の放射能量を、体重で正規化した指標であり、下式により定義される。
SUV[kg/ml]=画素毎の放射能量[Bq/ml]/(投与量[Bq]/体重[kg]
図9において、○印が全被験者の平均を示しており、非装着時と比較して何%、SUVが増減したかを示している。○印が横軸の「0」の値であれば、装着時と非装着時とで筋活動量が同じであることを意味する。
図9より、歩行支援装置1の装着により、中殿筋、小殿筋、腸骨筋、外側広筋、内側広筋、大腿直筋、後頸骨筋、前頸骨筋の活動が増えたことが分かる。
図10は、本発明によるリハビリテーション装置の実施形態2を示している。なお、図10において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
本実施形態では、スタンド500に設けられたクレーン510、クレーン510により引き上げられるワイヤ511、ワイヤ511に連結され、患者Aの腹部に巻き付けられる腹部ベルト512が設けられている。
これにより、患者Aの上肢部を吊り上げ、体重免荷によって歩行訓練の負荷を軽減でき、自立歩行が出来ない患者のリハビリテーションも行える。この吊り上げ補助は、吊り上げ荷重制御部360によってクレーン510の吊り上げ荷重を増減設定することにより、床反力を増減することにもなる。吊り上げ荷重制御部360は、クレーン510のスタンド500に対する取付部に設けられたロードセル520によって吊り上げ荷重を検出し、フィードバック補償制御のもとに、クレーン510の吊り上げ荷重を可変設定できるものであればよい。吊り上げ荷重制御部360が制御する吊り上げ荷重は、操作部320によって任意に設定することができる。
つぎに、本実施形態によるリハビリテーション装置の制御フローを、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、操作部320の操作によって床反力パターン記憶部330に格納されている床反力パターンを選択する(ステップS21)。つぎに、操作部320の操作によってクレーン510の吊り上げ荷重を設定する(ステップS22)。
つぎに、歩行状態検出部310によって左右の股関節用電動モータ110のロータリエンコーダ、膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダが出力する信号より左右の股関節角度θa、膝関節関節角度θbを演算し、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の電流値より、これら各モータの実出力トルクを演算する(ステップS23)。
つぎに、制御目標床反力設定部340によって床反力パターンに従って関節角度θa、θbを独立変数として床反力制御目標値F*を設定する(ステップS24)。
つぎに、発生トルク演算部350によって床反力制御目標値F*を股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の発生トルクに変換する(ステップS25)。
つぎに、実出力トルクと床反力制御目標値F*とから制御偏差を演算し、フィードバック補償式に発生トルクの指令値をアクチュエータ出力制御部150へ出力する(ステップS26)。
つぎに、操作部320の操作による床反力パターンの変更の有無を判別する(ステップS27)。床反力パターンの変更がない場合には、操作部320の操作による吊り上げ荷重の変更の有無を判別する(ステップS28)。吊り上げ荷重の変更がない場合には、操作部320の操作による終了を確認する(ステップS29)。終了である場合には、この制御フローを終了する。これに対し、終了でない場合には、ステップS23に戻り、左右の股関節角度θa、膝関節関節角度θb、実出力トルクを演算してこれらを更新し、ステップS24〜ステップS29を繰り返す。
床反力パターンの変更がある場合には、ステップS21に戻り、使用する床反力パターンを変更し、ステップS22〜ステップS29を繰り返す。吊り上げ荷重の変更がある場合には、ステップS22に戻り、クレーン510の吊り上げ荷重を変更し、ステップS23〜ステップS29を繰り返す。
図12は、本発明によるリハビリテーション装置の実施形態3を示している。なお、図12において、図1、図9に対応する部分は、図1、図9に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
本実施形態では、患者Aの頭部に装着され、患者Aの時間的な脳活動状態を計測する脳活動計測器370が用いられる。脳活動計測器370は、ヘッドギアタイプのものであり、脳波計、脳磁計、近赤外脳機能計測計等を含み、脳波、脳の磁場状態や酸素代謝等の脳活動状態を示す生体値の計測を行う。脳活動計測器370により計測された脳活動状態を示す生体値の信号は脳神経活動検出部380に入力される。
脳神経活動検出部380は、脳活動計測器370よりの生体値信号に基づいて患者Aの歩行時の脳神経活動状態を定量的に検出するものであり、右運動野の活動状態と左運動野の活動状態とを個別に検出することができる。
脳神経活動検出部380には脳神経活動解析部390が接続されている。脳神経活動解析部390は脳神経活動検出部380によって検出された右運動野の活動状態と左運動野の活動状態を示す情報を解析し、右運動野と左運動野の脳刺激の分布等を得る。
脳神経活動解析部390による脳神経の解析結果は、操作部320と床反力パターン選択部400に送られる。
操作部320のモニタには、脳神経活動解析部390による脳神経の解析結果が表示される。理学療法士等のオペレータは、モニタを見ながら、床反力パターン記憶部330の床反力パターンの選択を手動モードで行うことができる。
床反力パターン選択部400は、脳神経活動検出部380によって検出された脳神経の活動状態と脳神経活動解析部390による脳神経の解析結果に基づいて最適な床反力パターンの選択を床反力パターン記憶部330の床反力パターンの中から自動的に行うものである。
床反力パターン選択部400は、脳神経活動検出部380によって検出される右運動野と左運動野の活動分布を平均化し、平均結果に基づいて床反力パターンを選択する平均モードと、右運動野の活動状態と左運動野の活動状態に基づいて床反力パターンの選択を右下肢側と左下肢側とで個別に行う左右個別モードとを有しており、操作部320による床反力パターン設定指示により、その何れかのモードを変更可能に設定される。
本実施形態では、床反力パターンの選択を、リアルタイムで脳内活性をモニタリングして脳左右の運動野が活性しているかどうかや、脳の再組織化の具合を確認しながら、手動もしくは自動で行うことができる。これにより、適切で効率的なリハビリテーション計画を立て、実行することができる。
つぎに、本実施形態によるリハビリテーション装置の制御フローを、図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、操作部320の操作によってクレーン510の吊り上げ荷重を設定する(ステップS31)。
つぎに、脳神経活動検出部380によって脳活動状態を検出し、脳神経活動解析部390によって脳神経の解析を行う(ステップS32)。
つぎに、脳活動状態の検出結果、脳神経の解析結果に基づいて床反力パターン記憶部330に格納されている床反力パターンを選択する(ステップS33)。なお、始動時の床反力パターンは、ディフォルト設定された初期用の床反力パターンが選択されてもよい。
つぎに、歩行状態検出部310によって左右の股関節用電動モータ110のロータリエンコーダ、膝関節用電動モータ120のロータリエンコーダが出力する信号より左右の股関節角度θa、膝関節関節角度θbを演算し、股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の電流値より、これら各モータの実出力トルクを演算する(ステップS34)。
つぎに、制御目標床反力設定部340によって床反力パターンに従って関節角度θa、θbを独立変数として床反力制御目標値F*を設定する(ステップS35)。
つぎに、発生トルク演算部350によって床反力制御目標値F*を股関節用電動モータ110、膝関節用電動モータ120の発生トルクに変換する(ステップS36)。
つぎに、実出力トルクと床反力制御目標値F*とから制御偏差を演算し、フィードバック補償式に発生トルクの指令値をアクチュエータ出力制御部150へ出力する(ステップS37)。
つぎに、操作部320の操作による床反力パターンの変更の有無を判別する(ステップS38)。床反力パターンの変更がない場合には、操作部320の操作による吊り上げ荷重の変更の有無を判別する(ステップS39)。吊り上げ荷重の変更がない場合には、操作部320の操作による終了を確認する(ステップS40)。終了である場合には、この制御フローを終了する。これに対し、終了でない場合には、ステップS32に戻り、最新データを用いて脳活動状態の検出、脳神経の解析を行い、これらを更新し、ステップS33〜ステップS40を繰り返す。
床反力パターンの変更がある場合には、ステップS33に戻り、使用する床反力パターンを変更し、ステップS34〜ステップS40を繰り返す。吊り上げ荷重の変更がある場合には、ステップS31に戻り、クレーン510の吊り上げ荷重を変更し、ステップS32〜ステップS40を繰り返す。
本発明によるリハビリテーション装置は、脳梗塞や脳卒中などにより手足に運動障害を生じた患者のリハビリテーション以外に、高齢者の運動機能と認識機能の回復を促進するリハビリテーション等に用いることができる。