JP5391872B2 - 複数電源制御システムおよび電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、複数電源制御システム、に関する。
世界経済の発展、特に、アジア地域の経済成長にともない、今後もエネルギー需要の増加は続くと考えられる。たとえば、国際エネルギー機関は、2030年における世界の一次エネルギー需要を2000年比66%増と予測している。こういった社会状況において、太陽、風力、バイオマス、地熱、潮汐力といった再生可能エネルギー(Renewable Energy)に対する期待が高まっている。
再生可能エネルギーは、クリーンで永続利用可能という優れた特性を有するが、出力が安定しないという課題を指摘されている。たとえば、風力発電機は、風力という自然現象によって出力が変化するため、安定的な電力供給源となりにくい。このような課題に対処するため、風力発電や太陽光発電、太陽熱発電といった複数の再生可能エネルギー源を組み合わせることにより電力供給を安定させることを目的とした電源分散型の発電システムが提案されている(たとえば、特許文献1、2、3、4参照)。
特開2003−399118号公報 特開2005−224009号公報 特開平04−372528号公報 特開2003−343416号公報 特開2003−79057号公報 特開2004−088900号公報 特開平05−122855号公報 特開2006−333563号公報 特開2001−177992号公報
実際に、電源分散型の発電システムを運用する場合、出力自体の安定性だけではなく、「制御の容易さ」も重要な評価項目である。たとえば、一般家庭を対象とした比較的小型な電源分散型発電システムの場合、居住者が家電製品を操作するごとに需要電力がこまめに変化する。需要電力が低下するときには、供給電力を速やかに目標値まで絞り、かつ、目標値近辺で安定させる必要がある。
特許文献8が開示するシステムでは、エンジン発電機や電力貯蔵装置などの異種電源により負荷変動に対応する。しかし、負荷変動が発生した場合のみに備えてエンジン発電機や電力貯蔵装置等の多種類の電源を準備しておく必要があるため、システムは大がかりなものとならざるを得ない。
本発明は、本発明者による上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、コンパクトで制御しやすい電源分散型の電源システム、を提供することにある。
本発明に係る複数電源制御システムは、外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である複数の不規則電源に接続される。このシステムは、複数の不規則電源それぞれの出力を制御する出力制御部と、複数の不規則電源全体から単位時間中に出力される総電力量を取得する計測部と、総電力量が所定の出力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定部と、出力抑制条件が充足されたとき、制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を参照し、複数の不規則電源のうち安定性が高い不規則電源から優先的に選択する電源選択部を備える。出力制御部は、選択された不規則電源の出力が極大値近傍となるように制御パラメータが設定された状態で運用されているときには、制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、選択された不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により電力を抑制する。
ここでいう「不規則電源」とは、再生可能エネルギーに由来する電源であってもよいし、燃料電池のように外気温によって出力が影響される電源であってもよい。「複数の不規則電源」は、太陽光発電と風力発電のような異種の電源であってもよいし、太陽光発電と太陽光発電のように同種の電源であってもよい。計測部は電力量を自ら計測してもよいし、外部センサから計測値を取得してもよい。「優先的に選択する」とは、安定性が高い不規則電源ほど選択されやすいように制御することを意味する。たとえば、安定性だけでなくそれ以外のパラメータに基づく総合判断であってもよい。複数の電源のうち安定性の高い電源から優先的に電力抑制し、更に、複数の電力抑制方法のうちより制御しやすい電力抑制方法を採用するため、システム全体としての出力を制御しやすくなる。
出力制御部は、選択された不規則電源が太陽電池である場合において、太陽電池から出力される電力を出力電圧に基づいて制御するときには、太陽電池の出力電圧を減少させることにより太陽電池から出力される電力を抑制してもよい。同じく、選択された不規則電源が太陽電池である場合において、太陽電池から出力される電力を出力電流に基づいて制御するときには、太陽電池の出力電流を減少させることにより太陽電池から出力される電力を抑制してもよい。このような制御方法によれば、出力電流や出力電圧などの制御パラメータにより、太陽電池の出力をより精確に制御しやすくなる。
出力制御部は、選択された不規則電源が風力発電機であるとき、風力発電機の出力電圧を増加させて風力発電機における風車の回転速度を増加させることにより、風力発電機から出力される電力を抑制してもよい。風車の回転速度が高い方が、風力発電機の電力を制御しやすくなるため、このような制御方法によれば太陽電池の出力をより精確に制御しやすくなる。
このシステムは、複数の不規則電源の運用状態を監視する監視部と、各不規則電源の運用状態に応じて、制御度情報を更新する制御度更新部を更に備えてもよい。このような制御方法によれば、各電源の運用状態に応じて制御度を動的に更新できるため、各電源の制御のしやすさをより正確に把握しやすくなる。
本発明に係る別の複数電源制御システムは、外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である複数の不規則電源のうちの一以上と接続され、不規則電源から出力される電力のうち共通電力線に供給すべき電力の大きさを制御する複数の電力変換装置と、複数の電力変換装置を制御する統合制御装置を備える。統合制御装置は、複数の不規則電源から共通電力線に供給される単位時間あたりの総電力量を取得する計測部と、総電力量が所定の出力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定部と、出力抑制条件が充足されたとき、制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を参照し、複数の不規則電源のうち安定性が高い不規則電源から優先的に選択する電源選択部と、選択された不規則電源の制御を担当とする電力変換装置に出力の抑制指示を送信する抑制指示部と、を含む。電力変換装置は、接続先の不規則電源の出力を制御する出力制御部と、統合制御装置から抑制指示を受信する抑制指示受信部を含み、出力制御部は、選択された不規則電源の出力が極大値近傍となるように制御パラメータが設定された状態で運用されているときに抑制指示を受信したときには、制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、選択された不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により選択された不規則電源の出力を抑制する。
本発明に係るある電力変換装置は、外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である不規則電源と接続される装置である。この装置は、不規則電源から出力される電力のうち共通電力線に提供すべき電力を制御する出力制御部と、制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を保持する制御度情報保持部と、別の不規則電源と接続されている他の電力変換装置と制御度情報を送受信する通信部と、を備える。不規則電源は、出力が極大値近傍となるように制御パラメータが設定された状態で運用される電源である。出力制御部は、所定の出力抑制条件が充足されたとき、他の電力変換装置から受信した制御度情報を参照し、他の電力変換装置が担当している不規則電源の安定性よりも自装置が担当している不規則電源の安定性が高いときには、制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、担当している不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により、担当している不規則電源の出力を抑制する。
この装置は、接続先の不規則電源の運用状態を監視する監視部と、接続先の不規則電源の運用状態に応じて、制御度情報を更新する制御度更新部と、を更に備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、コンパクトで制御しやすい電源分散型の発電システムを提供できる。
第1の実施形態における複数電源制御システムの構成を示す図である。 総電力を調整するための計測過程と計算過程を示すタイムチャートである。 第1の実施形態における統合制御装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態における電力変換装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態における出力制御回路の回路図である。 太陽電池の電流電圧特性を示すグラフである。 太陽電池の電力電圧特性を示すグラフである。 太陽電池の電力電流特性を示すグラフである。 風力発電の電流電圧特性を示すグラフである。 第1の実施形態において総電力を抑制する過程のフローチャートである。 第2の実施形態における複数電源制御システムのハードウェア構成図である。 第2の実施形態における電力変換装置の機能ブロック図である。 第2の実施形態において総電力を抑制する過程のフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。まず、第1の実施形態として、統合制御装置が複数の電源を統括的に制御するタイプの電源制御システムについて説明する。次に、第2の実施形態として、複数の電力変換装置が複数の電源を自律的に制御するタイプの電源制御システムについて説明する。以下、第1の実施形態および第2の実施形態を特に区別しないときには、単に「本実施形態」とよぶ。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における複数電源統合システム200の構成を示すブロック図である。複数電源統合システム200は、複数の電源を制御することにより、システム全体からの安定的な電力供給を実現するシステムである。同図の場合、「複数の電源」には、太陽電池302、風力発電304、バイオマス306、燃料電池308(以下、特に区別しないときには単に「電源300」とよぶ)が該当する。複数の電源300という意味では、電源群310ともよぶ。本実施形態における複数電源制御システム200は、家庭やマンションなどの集合住宅、小規模村落への電力供給を目的として設計された電源分散型の電源システムである。
各電源300は、互いに干渉せず、独自に発電する。太陽電池302、風力発電304、バイオマス306、燃料電池308は、それぞれ電力変換装置312a〜d(以下、単に「電力変換装置312」とよぶ)を介して、共通電力線400と接続される。電力変換装置312は、後述の方法にて、各電源300から共通電力線400への電力供給量を制御する。本実施の形態においては、電力変換装置312と電源300は1対1で接続されるが、1対多であってもよい。共通電力線400は、直流電力を送電する電力線である。各電源300から共通電力線400に供給された電力の合計(以下、「総電力」とよぶ)は、共通電力線400からインバータ402を介して、電気機器等の各種負荷に供給される。総電力の全部または一部は、売電されてもよい。
統合制御装置100は、複数の電力変換装置312、共通電力線400およびバッテリー404と接続される。統合制御装置100は、総電力を計測し、計測結果に基づいて各電力変換装置312に出力制御を指示する。総電力が需要を上回るときには余剰分はバッテリー404を充電する。総電力が需要を下回るときにはバッテリー404が不足分を補う。総電力が需要を上回り、かつ、バッテリー404の充電率も高いときには、統合制御装置100は1以上の電力変換装置312に電力の供給を抑制させる。
本実施形態における統合制御装置100は、1分間隔で総電力を計測する。「総電力」は、この1分間の計測時間中に発電された1秒当たりの電力量(Ws)である。いいかえれば、平均の電力である。統合制御装置100は、自ら計測してもよいし、外部センサから計測値を取得してもよい。計測時間の長さを1分間としたのはあくまでも例示であり、統合制御装置100や電源300の性能、動作環境等に基づいて、最適な計測時間を決定すればよい。
電源群310の中には、制御しやすい電源300もあれば、制御しにくい電源300もある。各電源300には、「制御の容易性」を示す指標値として0〜100の範囲の「制御度」が設定される。複数電源制御システム200の管理者は、制御しやすい電源300ほど高い制御度を設定しておく。制御パラメータを変化させたときに出力を目標値に誘導させやすく、かつ、出力を目標値近辺に安定させやすい電源300、いいかえれば、制御パラメータの変化に対する出力の変化が安定している電源300に高い制御度を設定すればよい。制御パラメータを変化させてから出力が目標値に到達するまで時間がかかったり、出力が目標値近辺で安定せずに脈動しやすい電源300には低い制御度が設定される。制御度は、フィードバック制御において、制御パラメータの変更を指示してから出力が変化し始めるまでの応答時間、出力が目標値に到達してから目標値に安定収束するまでの収束時間、出力が目標値を通過してから行き過ぎる量の大きさ等に基づき設定してもよい。制御度は、複数電源制御システム200の運用条件等に鑑みて実験やシミュレーションにより決定すればよい。
複数電源制御システム200が供給可能な電力や、需要電力は時々刻々と変化する。このような複数電源制御システム200を安定運用するためには、複数電源制御システム200の総電力を目標値まで速やかに導き、かつ、目標値近辺で安定させる必要がある。そこで、本実施形態においては、総電力を抑制したいときには制御度が高い電源300(以下、「高制御性電源」とよぶ)から優先的に電力抑制する。
統合制御装置100は、所定の「出力抑制条件」が成立したとき、高制御性電源を担当する電力変換装置312に電力抑制を指示する。指示を受信した電力変換装置312は、後述の方法にて該当電源300の供給電力を抑制する。出力抑制条件とは、総電力を抑制すべき状況が発生したときに成立する条件として任意に定めればよい。たとえば、総電力が閾値を超えたとき、総電力の単位時間あたりの上昇度が閾値を超えたとき、需要電力が閾値を下回ったとき、需要電力の単位時間あたりの低下度が閾値を超えたときに成立する条件として定義されてもよい。出力抑制条件は、バッテリー404の充電率が閾値を超えたときや、複数電源制御システム200の管理者から電力抑制指示を受けたときに成立するとしてもよい。以下においては、電力抑制対象として選択された電源300のことを「抑制対象電源」とよぶ。本実施の形態においては、制御度が最も高い電源300を抑制対象電源として選択する。
なお、電源300としては、このほかにも、潮汐力、地熱、雪氷熱といったさまざまな再生可能エネルギー由来の電源が考えられる。また、再生可能エネルギーに由来する電源に限らず、外部要因によって出力可能な電力が変化する電源は複数電源制御システム200の制御対象となり得る。
図2は、総電力を調整するための計測過程と計算過程を示すタイムチャートである。まず、時刻t〜tにおいて、統合制御装置100は総電力を計測する。この計測結果を「M1」とよぶ。本実施の形態においては、時刻t〜tの計測期間は1分間である。次に、時刻t〜tにおいて、統合制御装置100は、計測結果M1に基づいて総電力調整の要否を判定し、総電力を調整する。この調整処理を「A1」とよぶ。ここでいう調整とは、電力抑制やその解除、バッテリー404の充放電等の処理を含むが、詳細については図10に関連して後に詳述する。調整処理A1の完了後、時刻t〜tにおいて再び総電力を計測する。この計測結果を「M2」とよぶ。計測が完了した時刻t〜tにおいて、計測結果M2に基づく調整処理A2が実行される。このように、総電力の計測と調整が繰り返し実行される。
図3は、第1の実施形態における統合制御装置100の機能ブロック図である。統合制御装置100は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子デバイスで実現でき、ソフトウェア的にはデータ送受信機能のあるプログラム等によって実現されるが、以下に説明する図3等ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できる。ここでは、各機能ブロックの構成を中心として説明する。具体的な処理内容については、構成の説明後に詳述する。
統合制御装置100は、計測部110、データ処理部120および制御度情報保持部140を含む。計測部110は総電力を計測する。データ処理部120は、計測部110や制御度情報保持部140から取得されたデータを元にして各種のデータ処理を実行する。データ処理部120は、計測部110と制御度情報保持部140の間のインタフェースの役割も果たす。制御度情報保持部140は、各電源300の制御度が登録された制御度情報を保持するための記憶領域である。
データ処理部120は、条件判定部122、電源選択部124、制御度更新部126、電源制御部130および充放電制御部136を含む。条件判定部122は、出力抑制条件の成否を判定する。電源選択部124は、出力抑制条件が成立したとき、制御度情報を参照して抑制対象電源を選択する。第1の実施形態においては、制御度が最も高い電源300を抑制対象電源として選択する。
電源制御部130は、電力変換装置312を介して電源300からの電力供給量を制御する。電源制御部130は、指示部132と監視部134を含む。指示部132は、出力抑制条件が成立したとき、抑制対象電源を担当する電力変換装置312に対して、電力抑制を指示する。この電力抑制指示には、抑制すべき電力の大きさを示す情報が含まれてもよい。なお、出力抑制条件が成立状態から不成立状態に戻ったときには、抑制対象電源の電力抑制を解除させる。このときには、増加させるべき電力の大きさを示す情報を通知してもよい。
監視部134は、電力変換装置312から、各電源300の運用情報を受信する。制御度は、電源300の運用状態によって変化する。たとえば、長期間使用されている電源300の場合には、経年劣化により、導入当初よりも制御しにくくなっている可能性がある。また、風力発電304は、風速が過度に弱いときには制御しにくくなるという特性がある。たとえば、運用情報には、電源300が供給した電力の積算値や出力電流の積算値、総稼働時間、のように電源300の累積負荷を定量的に示す数値情報が含まれてもよい。風力発電304であれば風車の総回転数を運用情報に含めてもよい。また、運用情報には、単位時間あたりの日照量や風速、湿度のように電源300の使用条件を定量的に示す数値情報が含まれてもよい。いずれにしても、運用情報は、電源300の制御性に対する影響を示す数値情報であればよい。
運用情報を受信することにより、監視部134は各電源300の運用状態を監視する。制御度更新部126は、運用情報に基づいて制御度情報を更新する。たとえば、ある電源300が10万(kWh)分の電力量を供給するごとに制御度を1ずつ低下させてもよい。また、風速が0.1(m/s)低下するごとに制御度を5ずつ低下させてもよい。制御度更新部126が制御度を更新するアルゴリズムは、電源300の性能、使用環境等に基づいて実験やシミュレーション等により決定されればよい。
なお、統合制御装置100と電力変換装置312は、制御度情報や運用情報等の各種データを専用通信線や無線システムにより送受してもよいし、共通電力線400等の電力系統に交流信号として重畳することにより送受してもよい。
充放電制御部136は、バッテリー404の充放電を制御する。本実施形態におけるバッテリー404はリチウムイオン電池である。総電力が需要を上回るときには余剰電力によりバッテリー404が充電される。一方、総電力が需要を下回るときにはバッテリー404から共通電力線400に不足分を放電させる。リチウムイオン電池は、一般的には、50%〜80%の充電率で利用するのが好ましいとされる。リチウムイオン電池を充電率100%にすると、負極側に金属リチウムが析出する可能性があるため好ましくない。そこで、条件判定部122は、バッテリー404の充電率が所定の閾値、たとえば、75%を超えたときにも出力抑制条件が成立したと判定し、総電力を抑制させる。このとき、充放電制御部136は、抑制分をバッテリー404からの放電により補填する。このような処理方法により、バッテリー404の長寿命化を図ることができる。
図4は、第1の実施形態における電力変換装置312の機能ブロック図である。電力変換装置312も、ハードウェア的には、各種電子回路素子で実現でき、ソフトウェア的にはデータ送受信機能のあるプログラム等によって実現されるが、図4もそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックもハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できる。
電力変換装置312は、出力制御部320、指示受信部322および運用情報送信部324を含む。出力制御部320は、図5に関連して後述する昇圧チョッパ回路を含み、その入力インピーダンスを制御することにより供給電力を増減させる。指示受信部322は、統合制御装置100の指示部132から、抑制指示等の各種指示を受信する。抑制指示を受信したとき、出力制御部320は電源300から共通電力線400に供給する電力を抑制する。運用情報送信部324は、運用情報を取得し、統合制御装置100に送信する。
図5は、第1の実施形態における出力制御回路330の回路図である。出力制御回路330は、2つの入力端子P、Pと2つの出力端子P、Pの4端子を備える典型的な昇圧チョッパ回路である。入力端子P、Pには電源300が接続され、出力端子P、Pには共通電力線400が接続される。入力端子Pから出力端子Pへの経路にはインダクタLとダイオードDが直列に挿入される。インダクタLとダイオードDの中間点Pと、入力端子Pと出力端子Pの中間点Pとの間にはトランジスタTrが接続される。トランジスタTrは、オン・オフが周期的に繰り返されるため、中間点Pから中間点Pまでの経路は周期的に導通・非導通となる。ダイオードDと出力端子Pの中間点Pと、中間点Pと出力端子Pの中間点Pとの間にはコンデンサCが接続される。
入力端子P、P間の電圧を入力電圧Vin、入力端子Pに流入する電流を入力電流Iinとすると、電源300からみた入力インピーダンスZinは、Zin=Vin/Iinとして定義される。出力端子P、P間の電圧を出力電圧Vout、出力端子Pから流出する電流を出力電流Ioutとする。トランジスタTrのオン・オフのタイミングを制御することにより、入力インピーダンスZinが変化する。このため、トランジスタTrのオン・オフのデューティー比によって、出力電圧Voutや出力電流Ioutも変化する。
トランジスタTrのオン時間の割合が大きくなるときには、入力インピーダンスZinが小さくなり、出力電圧Voutは小さくなり、出力電流Ioutは大きくなる。トランジスタTrのオン時間の割合が小さくなるときには、入力インピーダンスZinが大きくなり、出力電圧Voutは大きくなり、出力電流Ioutは小さくなる。出力制御回路330の入力インピーダンスZinをトランジスタTrのデューティー比によって制御することにより、電源300の動作状態を制御できる。
次に、太陽電池302と風力発電304のそれぞれについて、電力抑制方法を説明する。
(1)太陽電池
図6は、太陽電池の電流電圧特性を示すグラフである。同図において横軸は出力電圧Vout、縦軸は出力電流Ioutを示す。太陽電池は、出力電圧Voutが最小となるときに出力電流Ioutが最大となる。入力インピーダンスを調整して出力電圧Voutを上昇させると、出力電流Ioutは徐々に低下する。電源300が供給する電力は出力電圧Voutと出力電流Ioutの積で表されるため、出力電流Ioutや出力電圧Voutを制御パラメータとして調整することにより、電力の大きさを調整できる。より具体的には、出力制御回路330におけるトランジスタTrのデューティー比を制御パラメータとして、電力を調整している。太陽電池の電流電圧特性がグラフG1により表されるときには、同図の点S(出力電流Iout=Is、出力電圧Vout=Vs)において電力最大となる。以下、点Sのことを「基準点」とよぶ。太陽光が強くなると電流電圧特性はグラフG3のようになり、出力可能な電力が大きくなる。反対に、太陽光が弱くなると、電流電圧特性はグラフG2のようになり、出力可能な電力が小さくなる。いずれにしても、太陽電池302を管轄する電力変換装置312aは、与えられた日照条件の下で、電力最大となる基準点Sに制御パラメータを設定する。
図7は、太陽電池の電力電圧特性を示すグラフである。同図において横軸は出力電圧Vout、縦軸は電力Pを示す。図7のグラフは図6のグラフG1に基づく。電力Pは、出力電圧Vout=Vsのとき極大値Pmaxとなる。したがって、出力電圧Voutを基準点Sに設定している場合(出力電圧Vout=Vs)には、出力電圧VoutをVsより増加させても減少させても、電力を抑制できる。出力電圧Vout>Vsの領域(以下、「高電圧領域」とよぶ)では、Voutを大きくすると電力Pは急激に低下する。一方、出力電圧Vout<Vsの領域(以下、「低電圧領域」とよぶ)では、出力電圧Voutを小さくするとき電力Pは比較的なだらかに低下する。出力電圧Voutが所定量ずつ変化するようにトランジスタTrのデューティー比を制御する場合、高電圧領域では出力電圧Voutをわずかに変化させただけでも電力Pは大きく低下する。一方、低電圧領域では、出力電圧Voutと電力Pの関係が比較的なだらかであるため、出力電圧Voutの変化に対する電力Pの変化量が比較的小さい。このため、高電圧領域よりも低電圧領域の方が、出力電圧Voutに基づく電力制御が容易となる。更に、高電圧領域よりも低電圧領域の方が出力電圧Voutと電力Pの関係が線形に近いという面でも、低電圧領域側における電力制御は高電圧領域側における電力制御よりも有利である。
したがって、基準点Sで運用されている太陽電池を抑制対象電源とする場合には、出力電圧VoutをVsよりも増加させて電力を抑制する方法と減少させて電力を抑制させる方法のいずれも選択可能であるが、制御性を考慮して後者を選択する。本実施形態においては、出力制御回路330の入力インピーダンスZinを減少させる、すなわち、トランジスタTrのオン時間の割合を増加させることにより、出力電圧Voutを低電圧領域側で制御して供給電力を抑制する。
太陽電池は、通常、電力Pが最大となる基準点Sにて運用される。出力電圧Voutに基づいて電力抑制するときには、出力制御部320は出力電圧VoutをVsよりも下げて、低電圧領域にて電力制御する。その後、電力を増加させる場合にも、出力電圧Voutを低電圧領域の範囲内で増加させる。このように、出力電圧Voutに基づいて太陽電池の供給電力を制御する場合には、出力制御部320は低電圧領域(0≦Vout≦Vs)にて出力電圧Voutを変化させる。
図8は、太陽電池の電力電流特性を示すグラフである。同図において横軸は出力電流Iout、縦軸は電力Pを示す。図8のグラフも図6のグラフG1に基づく。電力Pは、出力電流Iout=Isのとき極大値Pmaxとなる。したがって、出力電流Ioutを基準点Sに設定している場合(出力電流Iout=Is)には、出力電流IoutをIsより増加させても減少させても、電力を抑制できる。出力電流Iout>Isの領域(以下、「大電流領域」とよぶ)では、Ioutを大きくすると電力Pは急激に低下する。一方、出力電流Iout<Isの領域(以下、「小電流領域」とよぶ)では、出力電流Ioutを小さくすると電力Pは比較的なだらかに低下する。出力電流Ioutが所定量ずつ変化するようにトランジスタTrのデューティー比を制御する場合、大電流領域では出力電流Ioutをわずかに変化させただけでも電力Pは大きく低下する。一方、小電流領域では、出力電流Ioutと電力Pの関係が比較的なだらかであるため、出力電流Ioutの変化に対する電力Pの変化量が比較的小さい。このため、大電流領域よりも小電流領域の方が、出力電流Ioutに基づく電力制御が容易となる。更に、大電流領域よりも小電流領域の方が出力電流Ioutと電力Pの関係が線形に近いという面でも、小電流領域側での電力抑制は大電流領域での電力抑制よりも有利である。
したがって、基準点Sで運用されている太陽電池を抑制対象電源とする場合には、出力電流IoutをIsよりも増加させて電力を抑制する方法と減少させて電力を抑制させる方法のいずれも選択可能であるが、制御性を考慮して後者を選択する。本実施形態においては、出力制御回路330の入力インピーダンスZinを増加させる、すなわち、トランジスタTrのオン時間の割合を減少させることにより、出力電流Ioutを小電流領域側で制御して供給電力を抑制する。
太陽電池は、通常、電力Pが最大となる基準点Sにて運用される。出力電流Ioutに基づいて電力抑制するときには、出力制御部320は出力電流IoutをIsよりも下げて、小電流領域にて電力制御する。その後、電力を増加させる場合にも、出力電流Ioutを小電流領域の範囲内で増加させる。このように、出力電流Ioutに基づいて太陽電池の供給電力を制御する場合には、出力制御部320は小電流領域(0≦Iout≦Is)にて出力電流Ioutを変化させる。
上述のように、出力電圧Voutに基づく電力抑制の場合には、低電圧領域側にて電力を抑制し、出力電流Ioutに基づく電力抑制の場合には、小電流領域側にて電力を抑制している。低電圧領域は大電流領域に対応し、高電圧領域は小電流領域に対応する。したがって、太陽電池302を制御する場合には、出力電圧Voutと出力電流Ioutのいずれを制御パラメータとするかに応じて、制御方法が異なる。
(2)風力発電
図9は、風力発電の電流電圧特性を示すグラフである。同図において横軸は出力電圧Vout、縦軸は出力電流Ioutを示す。風力発電は、出力電圧Voutを上昇させると、出力電流Ioutは極大値まで上昇した後に徐々に減少するという電流電圧特性を示す。風力発電においても、出力電流Ioutや出力電圧Voutを制御パラメータとして調整することにより、電力の大きさを調整できる。風力発電機の電流電圧特性がグラフG1により表されるときには、同図の基準点S(出力電流=Is、出力電圧=Vs)において電力最大となる。風力が強くなると電流電圧特性はグラフG3のようになり、出力可能な電力が大きくなる。反対に、風力が弱くなると、電流電圧特性はグラフG2のようになり、出力可能な電力が小さくなる。いずれにしても、風力発電304を管轄する電力変換装置312bは、与えられた風力条件の下で、電力最大となる基準点Sに制御パラメータを設定する。
風力発電機は、定格風速から過度に逸脱しなければ、回転速度が高い方が制御しやすい。風力発電機から発生する電力は、プロペラの回転速度とトルクの積として表される。そして、回転速度と出力電圧は正比例関係にあるため、出力制御回路330の入力インピーダンスを制御することにより風量発電機の回転速度を制御できる。風力発電機の場合、出力電圧Voutや出力電流Ioutなどの電気的パラメータの値よりも、回転速度のような機械的パラメータの方が制御性へ影響しやすい。
電力Pは、出力電圧Vout=Vsのとき極大値Pmaxとなる。したがって、出力電圧を基準点Sに設定している場合(出力電圧Vout=Vs)には、出力電圧をVsより増加させても減少させても、電力を抑制できる。風力発電を抑制対象電源とする場合には、出力電圧VoutをVsよりも増加させて電力を抑制する方法と減少させて電力を抑制させる方法のいずれも選択可能であるが、制御性を考慮して前者を選択する。このような制御方法によれば、風力発電機のプロペラの回転速度が高くなるため、風力発電機を制御しやすくなる。すなわち、トランジスタTrがオン時間の割合を減少させることにより、回転速度を増加させつつ、供給電力を抑制する。
図10は、第1の実施形態において総電力を抑制する過程のフローチャートである。同図に示す処理は、一定の時間間隔で繰り返し実行される。まず、計測部110は、総電力を計測する(S10)。条件判定部122は、出力抑制条件の成否を判定する(S12)。出力抑制条件が成立するときには(S12のY)、電源選択部124は抑制対象電源を選択し(S14)、指示部132は抑制対象電源を管轄する電力変換装置312に電力抑制を指示する(S16)。出力抑制条件は、総電力やバッテリー404の充電率が閾値を超過したときに成立する。指示受信部322にて抑制指示を受信した電力変換装置312は、出力制御回路330の入力インピーダンスを変化させることにより、抑制対象電源の電力供給を抑制する(S16)。バッテリー404の充電率が所定の閾値以上となり、放電が必要であれば(S18のN)、充放電制御部136はバッテリー404を放電させる(S20)。放電不要であれば(S18のY)、S20はスキップされる。出力抑制条件が成立しないときには(S12のN)、S14からS20までの処理はスキップされる。この場合には、必要に応じて抑制対象電源の制御パラメータを基準点に戻し、電力抑制を解除してもよい。
各電力変換装置312は運用情報を送信し、統合制御装置100の監視部134はこれを受信する(S22)。制御度更新部126は、新たに受信した運用情報に基づいて制御度情報を更新する(S24)。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態における複数電源制御システムの構成を示すブロック図である。複数電源制御システム202も、複数の電源を制御することにより、システム全体からの安定的な電力供給を実現するシステムである。図1と同一の符号を付した構成は、図1で説明した構成と同一または同様の機能を有する。第2の実施形態における複数電源制御システム202は、統合制御装置100を含まない代わりに電力監視装置150を備える。電力監視装置150は、統合制御装置100の計測部110に相当し、総電力を監視する。いずれかの電力変換装置412が電力監視装置150の機能を兼備してもよい。第2の実施形態における電力変換装置412は、第1の実施形態における電力変換装置312よりも機能が拡大されているが、詳細については後述する。
第2の実施形態においても、図2と同様、総電力の計測と総電力の調整が繰り返し実行される。ただし、総電力を計測するのは電力監視装置150であり、各電力変換装置412が自律的に総電力を調整する点で異なる。
図12は、第2の実施形態における電力変換装置412の機能ブロック図である。電力変換装置412は、出力制御部420、データ処理部340、制御度情報保持部350および運用情報保持部352を含む。出力制御部420は、第1の実施形態における電力変換装置312の出力制御部320の機能に加えて、自らが担当する電源300(以下、「担当電源」とよぶ)を抑制対象電源とすべきか判定する機能も備える。データ処理部340は、出力制御部420や制御度情報保持部350、運用情報保持部352から取得されたデータを元にして各種のデータ処理を実行する。データ処理部340は、出力制御部420と制御度情報保持部350、運用情報保持部352との間のインタフェースの役割も果たす。制御度情報保持部350は、担当電源の制御度が登録された制御度情報を保持する。また、必要に応じて他の電力変換装置412が担当する電源300の制御度情報も保持する。運用情報保持部352は、担当電源の運用情報を保持する。
データ処理部340は、条件判定部342、制御度更新部344、通信部348および監視部346を含む。条件判定部342は、電力監視装置150による総電力の計測結果に基づいて、出力抑制条件の成否を判定する。なお、いずれか一つの電力変換装置412によって出力抑制条件の成否を判定し、他の電力変換装置412はその判定結果を受信するとしてもよい。あるいは、電力変換装置412以外の専用装置から出力抑制指示を受信してもよい。通信部348は、他の電力変換装置412と制御度情報を送受する。これにより、電力変換装置412は、担当電源の制御度だけでなく他の電源300の制御度も取得できる。監視部346は、担当電源を監視して運用情報を取得し運用情報保持部352に登録する。制御度更新部344は運用情報に基づいて制御度情報を更新する。
なお、電力変換装置412も、制御度情報等の各種データを専用通信線や無線システムにより送受してもよいし、共通電力線400等の電力系統に交流信号として重畳することにより送受してもよい。
出力制御部420は、出力抑制条件が成立したとき、各電源300の制御度情報を参照し、担当電源を抑制対象電源とすべきか判定する。第2の実施形態においては、担当電源300の制御度が他の電源300の制御度のいずれよりも高いとき、担当電源を抑制対象電源として選択する。
図13は、第2の実施形態において総電力を抑制する過程のフローチャートである。同図に示す処理も、一定の時間間隔で繰り返し実行される。まず、通信部348により、各電力変換装置412はお互いに制御度情報を交換する(S30)。次に、各電力変換装置412は、総電力の計測結果を電力監視装置150から取得し(S32)、条件判定部342は出力抑制条件の成否を判定する(S34)。出力抑制条件が成立するとき(S34のY)、出力制御部420は、担当電源を抑制対象電源とすべきか判定する(S36)。出力抑制条件が不成立の場合には(S34のN)、S36およびS38の処理はスキップされる。抑制対象電源として選択するときには(S36のY)、出力制御回路330の入力インピーダンスを制御することにより、供給電力を抑制する(S38)。抑制対象電源として選択しないときには(S36のN)、S38の処理はスキップされる。監視部346は、運用状態を監視し、運用情報を登録する(S40)。制御度更新部344は、運用情報に基づいて制御度情報を更新する(S42)。
第2の実施形態においても、バッテリー404としてリチウムイオン電池を利用する場合には、いずれかの電力変換装置412がバッテリー404の充放電を制御することにより、バッテリー404の長寿命化を図ってもよい。
以上、第1および第2の実施形態に基づいて複数電源制御システム200、202を説明した。複数電源制御システム200、202によれば、各電源300からの総電力を定期的に計測し、総電力を抑制したいときには、各電源300の制御の容易さを考慮して抑制対象電源を選択できる。そして、抑制対象電源の電力抑制方法が複数存在するとき、出力を制御しやすい制御領域にて電力制御するため、複数電源制御システム200、202全体としての供給電力を制御しやすくなる。また、運用状態に応じて制御度情報を更新するため、各電源300の経年変化や使用条件を考慮して、適切な電源300を適切に制御しやすくなる。
更に、リチウムイオン電池の充電率を考慮して総電力を抑制するため、リチウムイオン電池の長寿命化が図られ、複数電源制御システム200、202全体としての安定稼働性も向上する。
第2の実施形態においては、電力変換装置412が自律的に制御度情報を更新・交換する。このため、電源300や電力変換装置412の追加・削除によるメンテナンス負荷が軽減される。たとえば、新たな電源300を追加するときには、その電源300を担当電源とする電力変換装置412を追加し、制御度を初期設定してやればよい。あとは、各電力変換装置412が制御度情報の更新・交換を自動的に行う。このため、拡張性に優れた複数電源制御システム202を提供できる。統合制御装置100や電力変換装置412は、いずれかの電源300の制御度が所定の閾値よりも小さくなったとき、警告情報を送信する警告部を備えてもよい。
本実施の形態においては、太陽電池と風力発電についての電圧抑制方法について説明したが、「制御パラメータによる出力の増減制御が可能であり、かつ、出力が極大値近傍となる基準点に制御パラメータが設定された状態で運用される電源」であれば本発明における電圧抑制方法を応用可能である。各電源300に、あらかじめ、制御パラメータの値を基準点から増加させる領域と減少させる領域のいずれが制御しやすい領域であるかを設定しておいてもよい。そして、電力変換装置312、412は、この設定にしたがって、制御パラメータの変更方法を判断すればよい。
本実施の形態においては、高制御性電源を抑制対象電源として選択したが、変形例として、制御度以外の要素に基づいて抑制対象電源を選択してもよい。たとえば、耐用性の低い電源、すなわち、信頼性の低い電源を優先的に抑制対象電源として選択してもよい。耐用性を所定範囲、たとえば、0〜100の範囲で正規化した値を信頼度として定義し、制御度/信頼度の比率が最も高い電源、すなわち制御度が高く信頼度が低い電源を抑制対象電源として選択してもよい。このような制御方法によれば、制御度だけでなく耐用性も考慮して抑制対象電源を選択できる。第1の実施形態の場合であれば、統合制御装置100は、電源300ごとの信頼度が設定された信頼度情報を保持する信頼度情報保持部や、信頼度を運用状況に応じて更新する信頼度更新部を備えてもよい。そして、電源選択部124は、信頼度と制御度に基づいて、抑制対象電源を選択してもよい。第2の実施形態の場合であれば、電力変換装置412は、担当電源の信頼度を保持する信頼度情報保持部や、信頼度を運用状況に応じて更新する信頼度更新部を備えてもよい。そして、出力制御部420は、信頼度と制御度に基づいて、担当電源を抑制対象電源とするか否かを判定してもよい。
いずれかの電源300が基準点Sよりも電力抑制されているときに、複数電源制御システム200、202からの供給電力を増加させる必要が生じたときには、電力抑制中の電源300から優先的に電力増加させればよい。すべての電源300が最大出力しているとき、供給電力の増加が必要となった場合には、バッテリー404を放電させたり、商用電源を利用してもよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
100 統合制御装置
110 計測部
120 データ処理部
122 条件判定部
124 電源選択部
126 制御度更新部
130 電源制御部
132 指示部
134 監視部
136 充放電制御部
140 制御度情報保持部
150 電力監視装置
200 複数電源制御システム
202 複数電源制御システム
300 電源
302 太陽電池
304 風力発電
306 バイオマス
308 燃料電池
310 電源群
312 電力変換装置
320 出力制御部
322 指示受信部
324 運用情報送信部
330 出力制御回路
340 データ処理部
342 条件判定部
344 制御度更新部
346 監視部
348 通信部
350 制御度情報保持部
352 運用情報保持部
400 共通電力線
402 インバータ
404 バッテリー
412 電力変換装置
420 出力制御部

Claims (9)

  1. 外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である複数の不規則電源に接続されるシステムであって、
    前記複数の不規則電源それぞれの出力を制御する出力制御部と、
    前記複数の不規則電源全体から単位時間中に出力される総電力量を取得する計測部と、
    前記総電力量が所定の出力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定部と、
    前記出力抑制条件が充足されたとき、前記制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を参照し、前記複数の不規則電源のうち安定性が高い不規則電源から優先的に選択する電源選択部と、を備え、
    前記出力制御部は、前記選択された不規則電源の出力が極大値近傍となるように前記制御パラメータが設定された状態で運用されているときには、前記制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、前記選択された不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により出力を抑制することを特徴とする複数電源制御システム。
  2. 前記不規則電源は、再生可能エネルギーに由来する電源であることを特徴とする請求項1に記載の複数電源制御システム。
  3. 前記出力制御部は、前記選択された不規則電源が太陽電池である場合において、前記太陽電池から出力される電力を出力電圧に基づいて制御するときには、前記太陽電池の出力電圧を減少させることにより前記太陽電池から出力される電力を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の複数電源制御システム。
  4. 前記出力制御部は、前記選択された不規則電源が太陽電池である場合において、前記太陽電池から出力される電力を出力電流に基づいて制御するときには、前記太陽電池の出力電流を減少させることにより前記太陽電池から出力される電力を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の複数電源制御システム。
  5. 前記出力制御部は、前記選択された不規則電源が風力発電機であるとき、前記風力発電機の出力電圧を増加させて前記風力発電機における風車の回転速度を増加させることにより、前記風力発電機から出力される電力を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の複数電源制御システム。
  6. 前記複数の不規則電源の運用状態を監視する監視部と、
    各不規則電源の運用状態に応じて、前記制御度情報を更新する制御度更新部と、を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の複数電源制御システム。
  7. 外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である複数の不規則電源のうちの一以上と接続され、不規則電源から出力される電力のうち共通電力線に供給すべき電力の大きさを制御する複数の電力変換装置と、
    前記複数の電力変換装置を制御する統合制御装置と、を備え、
    前記統合制御装置は、
    前記複数の不規則電源から前記共通電力線に供給される単位時間あたりの総電力量を取得する計測部と、
    前記総電力量が所定の出力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定部と、
    前記出力抑制条件が充足されたとき、前記制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を参照し、前記複数の不規則電源のうち安定性が高い不規則電源から優先的に選択する電源選択部と、
    前記選択された不規則電源の制御を担当とする電力変換装置に出力の抑制指示を送信する抑制指示部と、を含み、
    前記電力変換装置は、
    接続先の不規則電源の出力を制御する出力制御部と、
    前記統合制御装置から前記抑制指示を受信する抑制指示受信部と、を含み、
    前記出力制御部は、前記選択された不規則電源の出力が極大値近傍となるように前記制御パラメータが設定された状態で運用されているときに前記抑制指示を受信したときには、前記制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、前記選択された不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により前記選択された不規則電源の出力を抑制することを特徴とする複数電源制御システム。
  8. 外部要因によって出力可能な電力が変化し、かつ、制御パラメータによる出力の増減制御が可能な電源である不規則電源と接続される装置であって、
    不規則電源から出力される電力のうち共通電力線に提供すべき電力を制御する出力制御部と、
    前記制御パラメータの変化に対する出力変化の安定性を示す制御度情報を保持する制御度情報保持部と、
    別の不規則電源と接続されている他の電力変換装置と前記制御度情報を送受信する通信部と、を備え、
    前記不規則電源は、出力が極大値近傍となるように前記制御パラメータが設定された状態で運用される電源であり、
    前記出力制御部は、所定の出力抑制条件が充足されたとき、前記他の電力変換装置から受信した制御度情報を参照し、前記他の電力変換装置が担当している不規則電源の安定性よりも自装置が担当している不規則電源の安定性が高いときには、前記制御パラメータの値を増加させることによる電力抑制方法と減少させることによる電力抑制方法のうち、前記担当している不規則電源の電力抑制後における出力変化の安定性が高い方の電力抑制方法により、前記担当している不規則電源の出力を抑制することを特徴とする電力変換装置。
  9. 接続先の不規則電源の運用状態を監視する監視部と、
    前記接続先の不規則電源の運用状態に応じて、前記制御度情報を更新する制御度更新部と、を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
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