JP5391592B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種であるスロットマシンとして、電源投入中にスロットマシン自身の動作について制御装置によって所定の事象が発生しているか否かの監視を行い、所定の監視結果となった場合にはその旨の報知などを実行するものが知られている。かかる監視として、例えば特許文献1には、遊技の開始に際して投入されたメダルを検知する機能を有するセレクタに対して不正行為が行われているか否かを、遊技を統括管理するメインの制御装置において監視するとともに、不正行為が行われていることを認識した場合には異常報知を実行する構成が開示されている。このように異常報知が実行されることで、遊技ホールの管理者等は上記不正行為に対処することが可能となる。
特開2007−195938号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機自身への電力供給が遮断されている状況における監視を良好に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
なお、上記問題は、スロットマシンに限って発生するものではなく、他の遊技機にも同様に発生するものである。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機自身への電力供給が遮断されている状況における監視を良好に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技機自身に動作電力が供給されている場合に動作可能であり、所定の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第1監視制御手段と、
当該第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、予め定められた第1の報知が実行されるように第1報知手段を制御する報知制御手段と、
前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは別に設けられ、監視対象の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第2監視制御手段と、
少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記第2監視制御手段に動作電力を供給する電断中用電源手段と、
前記第1報知手段とは別に設けられた第2報知手段と、
を備え、
前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段は第1基板に設けられており、
前記第2監視制御手段を有する第2制御手段は第2基板に設けられており、
内部空間の開放に際して痕跡が残るように形成された又は当該内部空間の開放に際して痕跡を残す痕跡手段が設けられたボックスの前記内部空間に、前記第1基板及び前記第2基板が収容されており、
前記第1制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続される第1接続部と、前記第2制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続される第2接続部とが、前記第1基板に集約させて設けられており、これら第1接続部及び第2接続部は前記ボックスに形成された開口部を通じて当該ボックス外部に露出しており、
前記第2監視制御手段は、
遊技機自身に動作電力が供給されている場合及び遊技機自身に動作電力が供給されていない場合の両方の状況において、監視対象の事象が発生しているか否かを監視する監視実行手段と、
当該監視実行手段において監視を行うことが可能な期間のうち、所定の監視期間の情報を記憶する監視期間情報記憶手段と、
前記所定の監視期間において前記監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、要報知情報記憶手段に要報知情報を記憶させる要報知情報記憶実行手段と、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、第2の報知を実行するように前記第2報知手段を制御する報知実行手段と、
を備え、
前記監視実行手段により監視される監視対象の事象は複数種類設定されており、
前記要報知情報記憶実行手段は、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち一部の事象については前記所定の監視期間に発生した場合に当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させ、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち他の事象については前記所定の監視期間に発生した場合及び前記所定の監視期間外に発生した場合のいずれにおいても当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする。
本発明によれば、遊技機自身への電力供給が遮断されている状況における監視を良好に行うことが可能となる。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の斜視図、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図3は前面扉12の背面図、図4は筐体11の正面図である。
図1等に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、左右の一方の側部において上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開口部側を開放又は閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ14が設けられている。キーシリンダ14は施錠装置13と一体化されており、キーシリンダ14に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
ここで、本スロットマシン10は、前面扉12が開放状態又は閉鎖状態のいずれであるかを検出するための扉監視スイッチ15,16を備えている。
扉監視スイッチ15,16は、筐体11の前面開口部の周縁に設けられており、電入中用扉監視スイッチ15と電断中用扉監視スイッチ16とからなる。電入中用扉監視スイッチ15は、スロットマシン10自身に動作電力が供給されている状況において前面扉12の開放を監視する機能を有しており、後述する主制御装置71と電気的に接続されている。一方、電断中用扉監視スイッチ16は、前面扉12の開放を24時間常に監視する機能を有しており、後述する副制御装置81と電気的に接続されている。
これら扉監視スイッチ15,16における検出の構成について詳細には、筐体11の前面開口部から出没可能なピンを有しており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した状態ではピンが押し込まれて前面扉12の閉鎖が検出され、筐体11に対して前面扉12を開放した状態ではピンが突出位置に戻って前面扉12の開放が検出されるようになっている。そして、前面扉12が開放状態の場合には接続対象の制御装置71,81との間の信号経路が遮断状態となることで当該制御装置71,81において扉閉鎖信号を受け取ることが不可となり、前面扉12が閉鎖状態の場合には接続対象の制御装置71,81との間の信号経路が導通状態となることで当該制御装置71,81において扉閉鎖信号を受け取ることが可能となる。
なお、扉監視用検出手段は、上記扉監視スイッチ15,16に限定されることはなく、周知のセンサを用いてもよく、また前面扉12が開放状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、閉鎖状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21a,21b,21cが横並びとなるように形成されている。表示窓部21a,21b,21cは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21a,21b,21cを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓部21a,21b,21cを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図2に示すように、筐体11は仕切り板22によりその内部が上下2分割されており、仕切り板22の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット23が取り付けられている。リールユニット23は、周回体としてのリールを複数備えている。具体的には、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール23a,中リール23b,右リール23cを備えている。なお、各リール23a,23b,23cは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。
各リール23a,23b,23cは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール23a,23b,23cの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール23a,23b,23cが各表示窓部21a,21b,21cと1対1で対応している。また、各リール23a,23b,23cの表面には、その周回方向に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。各リール23a,23b,23cの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21a,21b,21cを通じて視認可能な状態となっている。
ちなみに、これら各リール23a,23b,23cは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール23a,23b,23cが個別に回転駆動し得る構成となっている。この場合、各リール23a,23b,23cに対してはそれぞれリールインデックスセンサが設けられており、当該センサとステッピングモータへの駆動信号の出力数によって各リール23a,23b,23cの回転位置が把握される構成となっている。
各リール23a,23b,23cに付されている図柄として、再遊技図柄、「ベル」図柄や「スイカ」図柄といった小役図柄、「7」図柄といった当たり図柄がある。各表示窓部21a,21b,21cを介してスロットマシン10前方から視認可能な領域には、複数の有効ラインが設定されており、これらのうちのいずれかの有効ライン上に再遊技図柄の組み合わせが停止することにより、再遊技入賞としてベット操作を要することなく次回の遊技を開始することができ、所定の小役図柄又は所定の小役図柄の組み合わせが停止することにより、小役入賞として所定数のメダルの払出が発生し、当たり図柄の組み合わせが停止することにより、移行入賞として遊技者にとって有利な当たり状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。
なお、リールユニット23の各リール23a,23b,23cは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、機械的なリール構成に代えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよい。
遊技パネル20の下方左側には、図1に示すように、各リール23a,23b,23cを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー24が設けられている。スタートレバー24は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー24が操作されると、各リール23a,23b,23cが一斉に回転を始め、一の遊技回が開始される。
スタートレバー24の右側には、回転している各リール23a,23b,23cを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ25a,25b,25cが設けられている。各ストップスイッチ25a,25b,25cは停止対象となるリール23a,23b,23cに対応する表示窓部21a,21b,21cの直下にそれぞれ配置されている。
表示窓部21a,21b,21cの下方右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するための媒体投入部としてのメダル投入口26が設けられている。メダル投入口26から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切換手段としてのセレクタ31によって貯留用通路32又は排出用通路33のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ31にはメダル通路切換ソレノイド34が設けられ、そのメダル通路切換ソレノイド34の非励磁時には排出用通路33側とされ、励磁時には貯留用通路32側に切り換えられるようになっている。貯留用通路32に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置41へと導かれる。この貯留用通路32に導かれるメダルは、セレクタ31に設けられた投入メダル検出センサにより検出される。一方、排出用通路33に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口35からメダル受け皿36へと導かれ、遊技者に返還される。
ここで、セレクタ31は、図3に示すように、ネジ37を用いて着脱自在な状態で設けられている。当該構成において、セレクタ31が予め定められた設置箇所に配置されているか否かを検出するためのセレクタ監視スイッチ38が設けられている。
セレクタ監視スイッチ38は、前面扉12の裏面部12aとセレクタ31との間に設けられている。セレクタ監視スイッチ38は、設置箇所からのセレクタ31の取り外し方向への移動を24時間常に監視する機能を有しており、副制御装置81と電気的に接続されている。
セレクタ監視スイッチ38における検出の構成について詳細には、セレクタ31の設置箇所に対して出没可能なピンを有しており、設置箇所にセレクタ31が配置されている状態ではピンが押し込まれてセレクタ31の存在が検出され、設置箇所からセレクタ31が取り外し方向に移動した場合にはピンが突出位置に戻ってセレクタ31の移動が検出されるようになっている。そして、セレクタ31が取り外し状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が遮断状態となることで当該副制御装置81においてセレクタ検出信号を受け取ることが不可となり、セレクタ31が設置状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が導通状態となることで当該副制御装置81においてセレクタ検出信号を受け取ることが可能となる。
なお、セレクタ監視用検出手段は、上記セレクタ監視スイッチ38に限定されることはなく、周知のセンサを用いてもよく、またセレクタ31が取り外された状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、設置状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。また、前面扉12の裏面部12aにセレクタ取付用ベース部材を設け、セレクタ31は当該ベース部材にワンタッチで着脱自在とする構成としてもよい。この場合、セレクタ監視スイッチ38は、セレクタ31とセレクタ取付用ベース部材との間に設置される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置41は、図4に示すように、メダルを貯留する貯留タンク42と、メダルを遊技者に払い出す払出装置43とより構成されている。払出装置43は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路33の中央右部に設けられた開口44へメダルを排出し(図3参照)、排出用通路33を介してメダル受け皿36へメダルを払い出すようになっている。
ここで、ホッパ装置41は、筐体11の底板11b上において設置箇所からスロットマシン10の前方に向けてスライド移動させることにより取り外し可能であるとともに、設置に際しては上記取り外しのときとは逆方向にスライド移動させることで設置箇所に保持される構成となっている。当該構成において、ホッパ装置41が予め定められた設置箇所に配置されているか否かを検出するためのホッパ監視スイッチ45が設けられている。
ホッパ監視スイッチ45は、筐体11の背板11cとホッパ装置41との間に設けられている。ホッパ監視スイッチ45は、設置箇所からのホッパ装置41の取り外し方向への移動を24時間常に監視する機能を有しており、副制御装置81と電気的に接続されている。
ホッパ監視スイッチ45における検出の構成について詳細には、ホッパ装置41の設置箇所に対して出没可能なピンを有しており、設置箇所にホッパ装置41が配置されている状態ではピンが押し込まれてホッパ装置41の存在が検出され、設置箇所からホッパ装置41が取り外し方向に移動した場合にはピンが突出位置に戻ってホッパ装置41の移動が検出されるようになっている。そして、ホッパ装置41が取り外し状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が遮断状態となることで当該副制御装置81においてホッパ検出信号を受け取ることが不可となり、ホッパ装置41が設置状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が導通状態となることで当該副制御装置81においてホッパ検出信号を受け取ることが可能となる。
なお、ホッパ監視用検出手段は、上記ホッパ監視スイッチ45に限定されることはなく、周知のセンサを用いてもよく、またホッパ装置41が取り外された状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、設置状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
スタートレバー24の左側には、図1に示すように、ボタン状の精算スイッチ51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダル(仮想遊技媒体)として貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ51が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ51は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
表示窓部21a,21b,21cの下方左側には、貯留記憶されている仮想遊技媒体としての仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ52が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ52の左方には、第2クレジット投入スイッチ53及び第3クレジット投入スイッチ54が設けられている。第2クレジット投入スイッチ53はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ54は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
遊技パネル20の表示窓部21a,21b,21cの下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部55と、BBゲームが終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部56と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部57とがそれぞれ設けられている。これら表示部55〜57は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口26からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口26に投入されるとベット数が「1」となり、2枚目のメダルがメダル投入口26に投入されるとベット数が「2」となり、3枚目のメダルがメダル投入口26に投入されると、ベット数が「3」となる。また、4枚以上のメダルがメダル投入口26に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン10内部に貯留されると共にクレジット表示部55の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ31により貯留用通路32から排出用通路33への切換がなされ、メダル排出口35からメダル受け皿36へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部55に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ52〜54のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。第3クレジット投入スイッチ54が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部55に表示されている数値が1減算されるとともにベット数が「1」となり、第2クレジット投入スイッチ53が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部55に表示されている数値が2減算されるとともにベット数が「2」となり、第1クレジット投入スイッチ52が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部55に表示されている数値が3減算されるとともにベット数が「3」となる。
なお、本スロットマシン10では、当否抽選における所定の当選役(例えば、当たり当選役)の当選確率がベット数が多くなるほど高くなるよう構成されているとともに、有効ラインの数や入賞時の払出数はベット数に依存しないよう構成されているが、これに限定されることはなく、当選確率が依存しない構成としてもよく、有効ラインの数又は払出数の少なくとも一方がベット数に依存して変動する構成としてもよい。
前面扉12の上部には、図1に示すように、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする発光部61と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ部62と、表示画面における画像の表示により、遊技者に各種情報を与えるとともに遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する演出用表示装置63とが設けられている。演出用表示装置63は、表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置41の左方には、図2に示すように、電源ボックス64が設けられている。電源ボックス64は、電源スイッチ65やリセットスイッチ66などを備えている。電源スイッチ65は、主制御装置71を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ66は、スロットマシン10の所定の異常状態をリセットするためのスイッチである。
リールユニット23の上方には、図4に示すように、主制御装置71が設けられている。主制御装置71は、台座72を介して筐体11の背板11cに固定されているが、固定箇所はここに限定されない。主制御装置71は、主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス73に収容されて構成されている。基板ボックス73は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
主制御装置71の基板ボックス73には、当該基板ボックス73外部からの設定キーの挿入を可能とした状態で設定キー挿入部74が設けられている。本スロットマシン10では当否抽選における所定の役の当選確率が予め複数段階設定されており、遊技ホールの管理者等が設定キーを設定キー挿入部74へ挿入して当該設定キーをON側に向けて回動操作することにより、当該当選確率を上記複数段階のうち所定の段階に設定することが可能な状態となる。
ここで、主制御装置71は、台座72に対して係合部材75を介して固定されており、当該係合部材75の係合状態を解除することで当該台座72から取り外し可能であるとともに、再度係合させることにより台座72に固定させることができる構成となっている。換言すれば、主制御装置71は、台座72に対して着脱自在な状態で設けられている。当該構成において、主制御装置71が予め定められた設置箇所に配置されているか否かを検出するための主制御装置監視スイッチ76を備えている。
主制御装置監視スイッチ76は、台座72と主制御装置71との間に設けられている。主制御装置監視スイッチ76は、台座72からの主制御装置71の取り外し方向への移動を24時間常に監視する機能を有しており、副制御装置81と電気的に接続されている。
主制御装置監視スイッチ76における検出の構成について詳細には、台座72の表面から出没可能なピンを有しており、台座72に主制御装置71が配置されている状態ではピンが押し込まれて主制御装置71の存在が検出され、台座72から主制御装置71が取り外し方向に移動した場合にはピンが突出位置に戻って主制御装置71の移動が検出されるようになっている。そして、主制御装置71が取り外し状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が遮断状態となることで当該副制御装置81において主制御装置検出信号を受け取ることが不可となり、主制御装置71が設置状態の場合には副制御装置81との間の信号経路が導通状態となることで当該副制御装置81において主制御装置検出信号を受け取ることが可能となる。
なお、主制御装置監視用検出手段は、上記主制御装置監視スイッチ76に限定されることはなく、周知のセンサを用いてもよく、また主制御装置71が取り外された状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、設置状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
<副制御装置81の構成>
主制御装置71及びリールユニット23の横方には、副制御装置81が設けられている。副制御装置81の構成について図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5は副制御装置81の構成を示す斜視図、図6は副制御装置81の構成を示す分解斜視図である。
図6に示すように、副制御装置81は、副制御基板82と、監視制御基板83と、基板ボックス84と、を備えており、当該基板ボックス84内に副制御基板82及び監視制御基板83が収容されている。
副制御基板82には、発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63において所定の報知や遊技状況に応じた演出を実行するための素子としてMPU85が搭載されている。また、副制御基板82には、MPU85以外にも、入出力ドライバ用ICチップ86が搭載されているとともに、コンデンサからなる電断中用電源部87が搭載されており、さらには複数のコネクタ88が搭載されている。なお、副制御基板82には、上記各部材の他にも、抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、配線パターンが形成されている。
副制御基板82においてMPU85等の各種素子及びコネクタは全て同一の板面上に搭載されており、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、副制御基板82は、一方の板面が素子搭載面82aとなっており、他方の板面が半田面となっている。
監視制御基板83にはMPU91が搭載されている。MPU91は、当該MPU91自身に動作電力が供給されている状況において、所定の異常が発生しているか否かを監視するための素子である。かかる監視に際しては、電断中用扉監視スイッチ16、セレクタ監視スイッチ38、ホッパ監視スイッチ45及び主制御装置監視スイッチ76などにおける検出結果が用いられる。監視の内容の詳細については後に説明する。また、監視制御基板83には、MPU91以外にも、入出力ドライバ用ICチップ92が搭載されているとともに、Li2次電池からなる電断中用電源部93が搭載されており、さらには単一の監視側コネクタ94が搭載されている。なお、監視制御基板83には、上記各部材の他にも、抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、配線パターンが形成されている。
監視制御基板83においてMPU91の各種素子及びコネクタは、副制御基板82と同様に、全て同一の板面上に搭載されており、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、監視制御基板83は、一方の板面が素子搭載面83aとなっており、他方の板面が半田面となっている。
なお、副制御基板82及び監視制御基板83において半田面とは、素子搭載面82a,83aに搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。また、副制御基板82及び監視制御基板83は上記のように片面基板に限定されることはなく、両板面が素子搭載面となった両面基板としてもよい。
副制御基板82と監視制御基板83とは電気的に接続されている。但し、当該電気的な接続は、信号線を介するのではなく、副制御基板82に設けられた副側基板用接続部としての副側コネクタ88aと監視制御基板83に設けられた監視側基板用接続部としての監視側コネクタ94とが直接結合されていることにより行われている。
詳細には、副側コネクタ88aは副制御基板82の一辺に設けられているとともに、監視側コネクタ94は監視制御基板83の一辺に設けられている。そして、副側コネクタ88aにおいて上記一辺よりも外側に突出させて形成された突条端子部が、監視側コネクタ94において基板面と平行となる方向であって外側に向けて開放させて形成された溝部に差し込まれることで、両制御基板82,83の電気的な接続が行われている。
副側コネクタ88a及び監視側コネクタ94はそれぞれ設置対象の制御基板82,83における素子搭載面82a,83aに配置されており、両コネクタ88a,94が接続されている状態において、両制御基板82,83の一辺同士が相互に外側から接触しているとともに、各素子搭載面82a,83aが面一となっている。つまり、副制御基板82及び監視制御基板83は、両者が電気的に接続されている状態において、少なくともMPU85,91が搭載されている素子搭載面82a,83aの向きが同一方向となっている。
ここで、副制御基板82には上記副側コネクタ88a以外にも信号線を接続するための信号線用接続部としての信号線用コネクタ88bが複数設けられているが、監視制御基板83には上記監視側コネクタ94以外に外部機器との電気的な接続を行うためのコネクタは設けられていない。但し、上記のとおり監視制御基板83に搭載されたMPU91は、各種監視スイッチ16,38,45,76を含め副制御基板82以外の外部機器と電気的に接続されている必要がある。かかる外部機器は、副制御基板82に設けられた信号線用コネクタ88bに対して信号線を用いて接続されているとともに、当該副制御基板82に形成された回路パターン、上記副側コネクタ88a及び上記監視側コネクタ94を介して監視制御基板83と電気的に接続されている。
上記両制御基板82,83を収容する基板ボックス84は、複数のボックス構成体として、裏側構成体(ボックスベース)101と、表側構成体(ボックスカバー)102と、を備えている。これら裏側構成体101及び表側構成体102は、基板ボックス84内に収容された副制御基板82及び監視制御基板83を基板ボックス84外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
表側構成体102は、一方に開放された略直方体状をなしており、膨出側の表面部には膨出部103を有しているとともに当該膨出部103よりも開放側となった低位部104を有している。低位部104には、副制御基板82に設けられた複数の信号線用コネクタ88bに1対1で対応させて開口部105が複数形成されている。これら複数の開口部105から各信号線用コネクタ88bが表側構成体102の表面側に露出するようにして表側構成体102の裏面側にユニット化された副制御基板82及び監視制御基板83が配置され、その状態で表側構成体102に対して副制御基板82及び監視制御基板83がこれらの半田面側からネジ固定されている。当該ネジ固定は、固定及び固定解除を繰り返し行えるようになされているが、ワンウェイネジなどを用いることで固定解除に際して表側構成体102などの破壊を要する構成としてもよい。
ユニット化された副制御基板82及び監視制御基板83が固定された表側構成体102に対して裏側構成体101が組み合わされている。裏側構成体101は、正面視で方形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部106と、当該平面部106の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部107とが一体形成されてなる。裏側周縁部107には表側構成体102に向けて突出するように係止部108が一体形成されており、表側構成体102に裏側構成体101が組み合わされた状態では係止部108が表側構成体102に係止されて両構成体101,102の分離が規制されている。
両構成体101,102に対しては、上記係止部108以外にも固定手段が付与されており、当該固定手段によって両構成体101,102の分離に際していずれかの構成体に破壊が生じるように構成されている。具体的には、両構成体101,102が組み合わされた状態において表側構成体102の開放側の周縁部と裏側周縁部107との間に、基板ボックス84の全側面に亘って一連の重なり部が生じるように構成されているとともに、当該重なり部には周知の接着剤が塗布されている。
また、図5に示すように、基板ボックス84の四隅には、表側構成体102及び裏側構成体101を結合するようにして表側構成体102側から破断ネジ109が螺着されている。ここで、破断ネジ109とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ109は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において表側構成体102及び裏側構成体101の結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、破断ネジに代えて周知のワンウェイネジを用いてもよい。
ちなみに、両構成体101,102を固定する上での構成は上記のものに限定されることはなく、例えば周知のカシメ構造を用いてもよい。この場合、カシメ構造を実現する結合部を複数設け、一部の結合部を結合状態とすることで両構成体101,102の固定を行い、当該結合部又はその周辺の破壊を行うことで両構成体101,102の固定を解除した後は、他の結合部を結合状態とすることで両構成体101,102を再度固定することができる構成としてもよい。また、接着剤による固定、破壊を要さない状態での取り外しが不可となる固定具を用いた固定及びカシメ構造を用いた固定のいずれか1つ又は任意の組み合わせを適用してもよい。
また、上記固定の構成に代えて又は加えて、両構成体101,102の境界部分を跨ぐようにして分離痕跡用部材(又は分離痕跡用シール)としての封印シールを貼り付ける構成としてもよい。当該封印シールは、貼付後において基板ボックス84から剥がす際に粘着剤層が基板ボックス84に残り、当該粘着剤層に付与された模様などによって基板ボックス84に痕跡を残すものである。また、両構成体101,102を締結するようにしてインシュロックなどの合成樹脂製の締結バンドを設ける構成としてもよい。これら封印シールや締結バンドを採用するという点に着目すれば、基板ボックス84に対しては少なくとも両構成体101,102の分離開放に際してその痕跡を残す手段が設けられていればよい。なお、封印シールとして、所定のスキャナからの呼出波に応答して、固有のID情報を含む応答波を発信するICタグを有するものを用いてもよい。
裏側構成体101及び表側構成体102が上記のように組み合わされた状態において相互に固定されていることにより、図5に示すように、所定の内部空間を有する略直方体形状の基板ボックス84が形成されており、当該基板ボックス84の内部空間内にユニット化された副制御基板82及び監視制御基板83が収容されている。この場合、副制御基板82及び監視制御基板83の素子搭載面82a,83aはその全体が表側構成体102と対向しており、副制御基板82及び監視制御基板83の半田面はその全体が裏側構成体101と対向している。
上記構成の副制御装置81は、図2に示すように、表側構成体102の表面が筐体11の内部側を向き、裏側構成体101の表面が筐体11の左側板11dを向くようにして搭載されている。この場合、前面扉12を開放することにより、スロットマシン10の前方から表側構成体102が視認可能となり、さらに当該表側構成体102が上記のとおり無色透明に形成されていることにより、この状態で副制御基板82におけるMPU85を含めた素子搭載面82a及び監視制御基板83におけるMPU91を含めた素子搭載面83aが視認可能となる。
副制御装置81は、前面扉12に設けられた発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63と電気的に接続されている。これらの機器は、副制御基板82によって駆動制御される。また、副制御装置81は、上記機器以外にも報知用装置111と電気的に接続されている。
<報知用装置111の構成>
ここで、報知用装置111について説明する。報知用装置111は、図2及び図3に示すように、前面扉12の裏面に固定された扉側中継基板112に搭載されている。
報知用装置111は、図3に示すように、表示画面113を有する表示装置を備えており、当該表示画面113は、所定数(例えば、16個)の文字を横並びで表示可能な領域が上下2段となるように形成されているが、かかる表示画面113の構成は任意である。ちなみに、表示装置は液晶表示装置からなるが、これに限定されることはなく、セグメント表示装置など他の表示装置を用いることができる。
また、報知用装置111には、遊技ホールの管理者などが手動操作することが可能な操作部としてボタン状の決定操作部114と選択操作部115とが設けられている。報知用装置111は、副制御装置81における監視制御基板83と電気的に接続されており、当該監視制御基板83のMPU91における表示制御に基づいて、報知用装置111の表示画面113では決定操作部114や選択操作部115の操作に応じた画像などが表示される。かかる表示内容については、後に説明する。
報知用装置111は、表示画面113、決定操作部114及び選択操作部115が設けられた表面が筐体11側を向くようにして扉側中継基板112に搭載されている。したがって、前面扉12が閉鎖状態においては前面扉12及び筐体11により形成されるスロットマシン10の内部空間内に報知用装置111が配置されることで表示画面113の視認が不可となるとともに各操作部114,115の操作が不可となるものの、前面扉12を開放状態とすることで表示画面113の視認が可能となるとともに各操作部114,115の操作が可能となる。
<スロットマシン10の基本的な電気的構成>
次に、本スロットマシン10の基本的な電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置71に設けられた主制御基板121には、スロットマシン10における主たる制御を実行するMPU122が搭載されている。MPU122には、当該MPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM123と、そのROM123内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM124と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、MPU122のうち、論理演算を行うための機能と、ROM123の機能と、RAM124の機能とがそれぞれ別の素子として設けられた構成としてもよい。これは後述する他のMPUについても同様である。
MPU122には、電源ボックス64の内部に設けられた電源装置125が接続されている。電源装置125には、主制御装置71を始めとしてスロットマシン10の各機器に駆動電源を供給する電源部や、電源の遮断状態を監視する停電監視回路などが搭載されている。電源部からは直流5Vの電源(動作電力)が供給される。また、停電監視回路からの停電信号はMPU122のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に入力されるように構成されており、NMI端子に停電信号が入力されることにより、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。なお、当該停電信号は電源ボックス64の電源スイッチ65がOFF操作された際も生成される。
かかる停電用の構成は主制御基板121に対しても設けられている。つまり、主制御基板121にはバックアップコンデンサなどからなる電断中用電源部126が搭載されている。電源装置125から主制御基板121に動作電力が供給されている間は当該電断中用電源部126が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部126から放電された動作電力がRAM124に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部126からRAM124に動作電力が供給されている間は、当該RAM124においてデータが記憶保持される。なお、電断中用電源部126を電源装置125に搭載するようにしてもよい。
MPU122には、入出力ポートが設けられている。MPU122の入力側には、スタートレバー24の操作を検出するスタート検出センサ131、各ストップスイッチ25a,25b,25cの操作を個別に検出するストップ検出センサ132a,132b,132c、メダル投入口26から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ133、各クレジット投入スイッチ52,53,54の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ134a,134b,134c、精算スイッチ51の操作を検出する精算検出センサ135、ホッパ装置41から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ136、リセットスイッチ66の操作を検出するリセット検出センサ137、設定キー挿入部74に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ138等の各種センサが接続されているとともに、スロットマシン10自身に動作電力が供給されている状況において前面扉12の開放を監視する電入中用扉監視スイッチ15が接続されている。これらセンサやスイッチからの信号は、入出力ポートを通じてMPU122にて受け取られる。
MPU122の出力側には、前面扉12に設けられた各種表示部55〜57、各リール23a,23b,23cを回転させるための各ステッピングモータ139a,139b,139c、セレクタ31のメダル通路切換ソレノイド34、ホッパ装置41のホッパ駆動部140、副制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板141等が接続されている。入出力ポートを通じてMPU122から出力された信号は、信号の出力対象の機器にて受け取られる。
<主制御基板121のMPU122にて実行される処理>
次に、主制御基板121のMPU122により実行される各制御処理を図8〜図10のフローチャートを参照しながら説明する。かかるMPU122の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本スロットマシン10では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後メイン処理を説明する。
図8はタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS101にて、RAM124に停電フラグが格納されているか否かを判定する。当該停電フラグは、MPU122のNMI端子に電源装置125からの停電信号が入力されてNMI割込み処理が起動されることにより格納される。停電フラグが格納されている場合には、ステップS102にて停電時処理を実行する。停電時処理では、復電後において停電発生前の状態に復帰するための処理を実行する。
停電フラグが格納されていない場合には、ステップS103以降の各種処理を実行する。すなわち、ステップS103では、各リール23a,23b,23cを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ139a,139b,139cを駆動させるステッピングモータ制御処理を実行する。
ステップS104では、入出力ポートに接続された各種センサ等の状態を読み込むセンサ監視処理を実行する。当該センサ監視処理の一の処理として、投入メダル検出センサ133の検出結果に基づいてメダル投入口26からメダルが投入されたか否かが判定され、メダルが投入されている場合にはベット数を1加算する処理又はクレジット数を1加算する処理のいずれかを実行する。また、当該センサ監視処理の一の処理として、払出検出センサ136の検出結果に基づいてホッパ装置41からメダルが払い出されたか否かが判定され、メダルが払い出されている場合にはそれに対応した処理を実行する。
ステップS105では、所定の異常が発生しているか否かを監視する異常監視処理を実行する。当該異常監視処理では、ホッパ装置41における払出装置43の駆動状態及び払出検出センサ136の検出結果に基づいて、ホッパ装置41の貯留タンク42にメダルが不足しているか否かを判定する。その結果、メダルが不足している場合には、RAM124にメダル不足フラグを格納する。当該メダル不足フラグは貯留タンク42にメダルが補充されて正常なメダルの払出動作が実行できる状態となるまで保持される。当該メダル不足フラグが格納されている状態では払出装置43における払出動作が禁止されるようにホッパ駆動部140への駆動信号の出力を停止する。
また、メダルが不足している場合にはその旨の情報を含む主側報知開始コマンドをセットし、当該主側報知開始コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御装置81における副制御基板82のMPU85では当該主側報知開始コマンドを受信することにより、スピーカ部62や演出用表示装置63を介してメダルが不足している旨の報知を実行する。また、メダル不足が解消された場合にはその旨の情報を含む主側報知解除コマンドをセットし、当該主側報知解除コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御基板82のMPU85では当該主側報知解除コマンドを受信することにより、メダル不足について行われている報知を終了させる。
また、異常監視処理では、上記メダル不足の監視以外にも、投入メダル検出センサ133の検出結果に基づいて、当該投入メダル検出センサ133に対する不正の有無も監視しており、当該センサ133に対する不正を特定した場合には、その旨の情報を含む主側報知開始コマンドをセットする。当該主側報知開始コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御装置81における副制御基板82のMPU85では当該主側報知開始コマンドを受信することにより、スピーカ部62や演出用表示装置63を介して投入メダル検出センサ133に対して不正が行われた旨の報知を実行する。また、投入メダル検出センサ133の異常に対する報知解除操作、例えば、リセットスイッチ66の操作などを検出した場合には、その旨の情報を含む主側報知解除コマンドをセットし、当該主側報知解除コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御基板82のMPU85では当該主側報知解除コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ133の異常について行われている報知を終了させる。
ステップS106では、扉開放監視処理を実行する。扉開放監視処理では、電入中用扉監視スイッチ15の検出結果に基づいて前面扉12が開放状態であるか否かを判定する。その結果、前面扉12が開放状態である場合には、RAM124に扉開放フラグを格納する。当該扉開放フラグは前面扉12が閉鎖状態となるまで保持される。当該扉開放フラグが格納されている状態では、メダル投入口26から投入されたメダルがメダル受け皿36に排出されるようにセレクタ31のメダル通路切換ソレノイド34を駆動するとともに、払出装置43における払出動作が禁止されるようにホッパ駆動部140への駆動信号の出力を停止する。また、前面扉12が開放状態である場合には扉開放コマンドをセットし、当該扉開放コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御装置81における副制御基板82のMPU85では当該扉開放コマンドを受信することにより、スピーカ部62や演出用表示装置63を介して前面扉12が開放状態である旨の報知を実行する。
また、扉開放監視処理では、扉開放フラグが格納されている場合には前面扉12が閉鎖状態であるか否かを監視し、閉鎖状態である場合には扉開放フラグを消去するとともに、扉閉鎖コマンドをセットする。当該扉閉鎖コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置81に送信される。副制御装置81における副制御基板82のMPU85では当該扉閉鎖コマンドを受信することにより、上記前面扉12が開放状態である旨の報知を終了する。
続くステップS107では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板141へ出力するカウンタ処理を行う。また、ステップS108では、それまでにセットされているコマンドを出力するためのコマンド出力処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。なお、図示による説明は省略するが、タイマ割込み処理では上記各種処理以外にも、前面扉12に設けられた各種表示部55〜57の表示内容の設定処理などを実行する。
図9は電源投入後に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ65のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS201では、各種の初期化を実行するための初期化処理を実行する。続くステップS202では、設定キーが設定キー挿入部74に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ138からON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS203に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM124に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS204では当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理は、スロットマシン10において予め設定されている複数段階(例えば、6段階)の当選確率の中から一の当選確率を設定するための処理である。具体的には、リセットスイッチ66が操作される度に複数段階の設定値をMPU122のレジスタ内において順次更新していくとともに、その更新結果をクレジット表示部55に表示し、スタートレバー24が操作されるとともに設定キーがOFF操作された場合に、その際にレジスタに記憶されている設定値をRAM124に保存する処理を実行する。ステップS204にて当選確率設定処理を実行した後には、ステップS205にて遊技に関する主要な制御を行うための通常処理を実行する。
一方、ステップS202にて設定キーが挿入されていないと判定した場合には、ステップS206に進む。ステップS206では設定値が正常か否かを判定する。設定値が正常である場合には、ステップS207にて停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されている場合には、さらにステップS208にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。ステップS208においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS209において復電用処理を実行する。復電用処理では、停電発生前の状態に復帰するための処理を実行する。その後、電源遮断前の番地に戻る。
一方、ステップS206〜ステップS208のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM124のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS210〜ステップS212に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS210にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS211では入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS212にてエラー報知処理を実行する。当該エラー報知処理では、RAM異常コマンドを副制御装置81に送信し、副制御装置81では当該RAM異常コマンドを受信することにより、スピーカ部62や演出用表示装置63を介してRAM異常が発生している旨の報知を実行する。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行うための通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301ではメダルがベットされているか否かを判定するとともに、ステップS302ではスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。メダルがベットされている状況でスタートレバー24が操作されている場合には、ステップS303以降の1遊技回分の処理を実行する。
すなわち、ステップS303では抽選処理を実行する。抽選処理では、スタートレバー24が操作されたタイミングで乱数カウンタよりラッチした乱数値と主制御基板121のROM123に予め記憶されている抽選テーブルの情報とを照合することにより、所定の役に当選しているか否かを判定するとともに、所定の役に当選している場合にはその旨の情報をRAM124に記憶する。
続くステップS304ではリール制御処理を実行する。リール制御処理では、各リール23a,23b,23cの回転を開始させるための回転開始処理を実行するとともに、ストップスイッチ25a,25b,25cのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、その停止指令に対応したリールの停止処理を実行する。この停止に際しては、ステップS303の抽選処理において所定の役に当選している場合にはその当選している役に対応した図柄が有効ライン上に極力停止するようにリールの回転停止位置が設定されるとともに、当選していない役の入賞が成立しないようにリールの回転停止位置が設定される。
続くステップS305ではメダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、当選している払出対象役に対応した入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、入賞が成立している場合にはその入賞に対応した数のメダルが払い出されるようにホッパ駆動部140を駆動させる処理を実行する。また、当該メダル払出処理では、再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、再遊技入賞が成立している場合には今回の遊技回におけるベット数が次回の遊技回に継続されるようにするための処理を実行する。
続くステップS306ではボーナスゲーム処理を実行する。ボーナスゲーム処理では、当選している当たり役に対応した入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、入賞が成立している場合には遊技状態を通常遊技状態から当たり状態(特別遊技状態)に移行させるための処理を実行する。ちなみに、当たり状態とは、通常遊技状態よりも単位時間当たりのメダルの払出期待度が高くなる遊技状態のことである。また、ボーナスゲーム処理では、当たり状態の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立している場合には、遊技状態を通常遊技状態に復帰させる。本スロットマシン10では、上記終了条件は予め定められた終了基準数のメダルが払い出されることであるが、かかる終了条件は任意である。
以上のステップS303〜ステップS306の各処理を実行した後に、ステップS301に戻る。
<異常の監視及び監視結果の報知に関する電気的構成>
次に、本スロットマシン10における異常の監視及び監視結果の報知に関する電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
副制御装置81に設けられた副制御基板82には、発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63の制御を実行するMPU85が搭載されている。MPU85には、当該MPU85により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM151と、そのROM151内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM152と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU85には、電源装置125が接続されており、電源装置125の電源部から直流5Vの電源(動作電力)が供給される。当該動作電力は副制御基板82に形成された配線パターンにおいて少なくとも2経路に分流されており、一方の経路はMPU85のVCC端子に接続され、他方の経路はMPU85のVBB端子に接続されている。MPU85では、VCC端子を介して供給される動作電力により各種の制御プログラムを実行し、VBB端子を介して供給される動作電力によりRAM152におけるデータの記憶保持を行う。
この場合に、副制御基板82にはバックアップコンデンサなどからなる電断中用電源部87が搭載されており、当該電断中用電源部87はVBB端子に接続される経路に対して接続されている。電源装置125から副制御基板82に動作電力が供給されている間は電断中用電源部87が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部87から放電された動作電力がRAM152に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部87からRAM152に動作電力が供給されている間は、当該RAM152においてデータが記憶保持される。
MPU85には、入出力ポートが設けられている。MPU85の出力側には、既に説明したように、発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63が接続されている。MPU85の入力側には、主制御装置71が接続されている。主制御装置71からは演出用コマンドや報知用コマンドを受信し、その受信したコマンドの内容に応じて発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63を駆動制御する。また、MPU85の出力側及び入力側には、監視制御基板83が接続されている。
監視制御基板83には、自身に動作電力が供給されている範囲内において所定の監視を24時間常に実行するMPU91が搭載されている。MPU91には、当該MPU91により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM161と、そのROM161内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM162と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
また、MPU91には、日時計測手段としてのRTC(リアルタイムクロック)163が内蔵されている。RTC163は日付及び時刻を計測可能に構成されており、MPU91は当該RTC163から情報を取得することで、その時点での日付及び時刻を把握することができる。
MPU91には、電源装置125の電源部にて生成された直流5Vの電源(動作電力)が供給される。この場合に、監視制御基板83と電源装置125の電源部との電気的な接続は直接的に行われておらず、副制御基板82に供給された動作電力であって当該副制御基板82において分流された動作電力が監視制御基板83に供給され、この動作電力がMPU91のVCC端子及びVBB端子に供給される。このように副制御基板82を介して監視制御基板83に動作電力を供給することで、監視制御基板83において電源装置125と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。
監視制御基板83にはLi2次電池からなる電断中用電源部93が搭載されており、当該電断中用電源部93はMPU91のVCC端子及びVBB端子に接続される経路に対して接続されている。副制御基板82を介して電源装置125から動作電力が供給されている間は電断中用電源部93が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部93から放電された動作電力がMPU91に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部93からMPU91に動作電力が供給されている間は、当該MPU91において各種処理が実行される。なお、監視制御基板83の電断中用電源部93は、Li2次電池に限定されることはなくコンデンサなどを用いてもよい。
ここで、MPU91は直流5Vの電源(動作電力)だけでなく直流3Vの電源(動作電力)によっても動作可能な構成であるとともに、電断中用電源部93は直流3Vの電源をMPU91に供給するものである。このように、スロットマシン10の電源投入中よりも低い電圧の電源によってMPU91が動作可能な構成とすることで、スロットマシン10の電源遮断中にMPU91が動作する上で必要な電力の低電力化が図られる。
また、監視制御基板83には電源監視部164が搭載されている。電源監視部164は、電源装置125において生成された直流5Vの電源(動作電力)がMPU91に供給されている場合に、当該MPU91にその旨の信号を出力するための回路である。具体的には、電源監視部164は、MPU19のVCC端子及びVBB端子に接続される経路から分岐させて形成された配線パターン164aに対して抵抗164bが接続されてなり、電源装置125にて生成された動作電力がMPU91に供給されている状況においては電入中信号として、低電流の電気信号がMPU91に入力されることとなる。MPU91では、かかる電気信号を受け取ることで、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていることを把握することができるとともに、当該電気信号の非入力状態から入力状態への立ち上がりを確認することでスロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたことを把握することができる。
MPU91には、入出力ポートが設けられている。MPU91の入力側には、上記電源監視部164が接続されている。また、MPU91の入力側には、これ以外にも、電断中用扉監視スイッチ16、セレクタ監視スイッチ38、ホッパ監視スイッチ45、主制御装置監視スイッチ76及び副制御基板82のMPU85が接続されている。MPU91の出力側には、副制御基板82のMPU85が接続されているとともに報知用装置111の表示駆動部165、決定操作部114及び選択操作部115が接続されている。表示駆動部165には、液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスと、バックライトを点灯させるための駆動回路とが設けられており、MPU91から出力された駆動信号によって報知用装置111の表示画面113における消灯及び点灯の切り換えがなされるとともに、表示画面113にて表示される画像の内容が設定される。また、決定操作部114及び選択操作部115によって、MPU91の処理により表示される表示画面113上のメニュー中の項目の選択及び決定が行われる。なお、MPU85とMPU91との通信は、双方向通信ライン200を介して、例えば双方向シリアル通信等で行うことが好ましい。
ちなみに、各種監視スイッチ16,38,45,76とMPU91との間には、各種監視スイッチ16,38,45,76がON状態となった場合に閉回路となる信号経路が形成されているが、当該信号経路に対してはMPU91自身に動作電力が供給されている場合には常に監視結果確認用の信号が供給されている。よって、MPU91自身に動作電力が供給されている場合には、各種監視スイッチ16,38,45,76を用いた各種監視を常に行うことができる。一方、報知用装置111の動作電力はMPU91を含めた監視制御基板83から供給されているのではなく、電源装置125の電源部から供給されている。したがって、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない状況では、報知用装置111に動作電力が供給されることはなく、報知用装置111の表示画面113にて画像の表示が行われないとともに決定操作部114や選択操作部115が操作されたとしても当該操作は無効なものとなる。
MPU91では、電源監視部164及び各種監視スイッチ16,38,45,76における検出結果に基づいて、自身に動作電力が供給されている状況において各種異常の発生の監視を常に行い、所定の期間において異常の発生を特定した場合には副制御基板82及び報知用装置111を通じて異常報知を行う。この場合、副制御基板82のMPU85では発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63を通じて報知を行う。また、監視制御基板83のMPU91は、副制御基板82及び報知用装置111などを通じて報知を行っている状況において、決定操作部114及び選択操作部115が操作されたことに基づいて当該報知を行っている状況を解除する。かかる監視及び報知の具体的な内容については、後に説明する。
<電気的な接続に関する特徴的な構成>
ここで、監視制御基板83のMPU91と各種監視スイッチ16,38,45,76及び報知用装置111との電気的な接続に関する特徴的な構成について、以下に説明する。
監視制御基板83と各種監視スイッチ16,38,45,76との電気的な接続及び監視制御基板83と報知用装置111との電気的な接続は直接的に行われておらず、当該電気的な接続は少なくとも副制御基板82が中継するようにして行われている。詳細には、MPU91と各種監視スイッチ16,38,45,76との間で信号の伝送を行うための信号線であって副制御装置81に接続される信号線及びMPU91と報知用装置111の表示駆動部165、決定操作部114及び選択操作部115との間で信号の伝送を行うための信号線であって副制御装置81に接続される信号線は、副制御基板82に設けられた信号線用コネクタ88bに接続されている。また、副制御基板82には、信号線用コネクタ88bと副側コネクタ88aとを電気的に接続する配線パターンが、各種監視スイッチ16,38,45,76、表示駆動部165、決定操作部114及び選択操作部115のそれぞれに対応させて形成されている。また、監視制御基板83には、副側コネクタ88aに接続される監視側コネクタ94とMPU91とを電気的に接続する配線パターンが、各種監視スイッチ16,38,45,76、表示駆動部165、決定操作部114及び選択操作部115のそれぞれに対応させて形成されている。
上記のように信号経路を形成することで、監視制御基板83において各種監視スイッチ16,38,45,76、表示駆動部165、決定操作部114及び選択操作部115と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。また、既に説明したように、監視制御基板83において電源装置125と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。つまり、本スロットマシン10では、副制御装置81において外部機器との間で信号を伝送するための信号線が接続される信号線用コネクタは監視制御基板83に設けられておらず、副制御基板82に集約されている。これにより、副制御装置81の信号線用コネクタ88bを見ただけでは、信号線が副制御基板82のMPU85又は監視制御基板83のMPU91のいずれに通じているかを判断できないようにすることができる。
また、基板ボックス84には信号線用コネクタ88bを外部に露出させるための開口部105が形成されるが、当該開口部105を通じて基板ボックス84内にリード線などを挿入して監視制御基板83や当該監視制御基板83のMPU91に対して不正を施そうとする行為が想定される。これに対して、信号線用コネクタ88bが副制御基板82に集約させて設けられているため、基板ボックス84内にリード線などが挿入されたとしても、当該リード線が監視制御基板83や当該監視制御基板83のMPU91に到達しづらくなる。
なお、上記のように信号線用コネクタ88bが副制御基板82に集約されることは必須の構成ではなく、監視制御基板83に集約されていてもよい。この場合、上記リード線に対する不正対策の効果は低減されるが、信号線が副制御基板82のMPU85又は監視制御基板83のMPU91のいずれに通じているかを判断できないようにすることはできる。また、上記リード線に対する不正対策の効果及び信号線の識別困難性の効果は生じ得ないが、信号線用コネクタが副制御基板82及び監視制御基板83のそれぞれに設けられた構成としてもよい。
次に、副制御装置81と所定の監視スイッチ及び報知用装置111とを電気的に接続する信号線に関する特徴的な構成について、以下に説明する。
各種監視スイッチ16,38,45,76のうちホッパ監視スイッチ45及び電断中用扉監視スイッチ16は、副制御装置81と直接的に接続されているのではなく、両者の信号経路は筐体側中継基板171により中継されている。なお、当該筐体側中継基板171は、図2に示すように、筐体11の左側板11dに固定されている。また、各種監視スイッチ16,38,45,76のうちセレクタ監視スイッチ38は、副制御装置81と直接的に接続されているのではなく、両者の信号経路は前面扉12に設けられた扉側中継基板112に中継されているとともに筐体側中継基板171に中継されている。また、報知用装置111は既に説明したように扉側中継基板112に搭載されており、当該報知用装置111と副制御装置81との信号経路は扉側中継基板112に中継されているとともに筐体側中継基板171に中継されている。また、信号経路が扉側中継基板112及び筐体側中継基板171に中継される機器は各種監視スイッチ16,38,45,76及び報知用装置111だけではなく、発光部61及びスピーカ部62と副制御装置81との間の信号経路も扉側中継基板112及び筐体側中継基板171に中継されている。さらにまた、電源装置125から報知用装置111への動作電力供給経路も扉側中継基板112及び筐体側中継基板171に中継されている。
図2及び図11に示すように、扉側中継基板112と筐体側中継基板171とは少なくとも第1接続ユニット172を介して電気的に接続されているとともに、筐体側中継基板171と副制御装置81とは少なくとも第2接続ユニット173を介して電気的に接続されている。第1接続ユニット172及び第2接続ユニット173は、図12(a)に示すように、信号線又は電源線である配線174が一対の信号線コネクタ175,176間に亘って集約されるように複数設けられたハーネスとして構成されている。
第1接続ユニット172の配線には、セレクタ監視スイッチ38における監視結果の信号を伝送するための信号線と、表示駆動部165を制御する信号を伝送するための信号線と、決定操作部114が操作されたか否かの信号を伝送するための信号線と、選択操作部115が操作されたか否かの信号を伝送するための信号線と、発光部61及びスピーカ部62を駆動させる信号を伝送するための信号線と、電源装置125の電源部からの動作電力を報知用装置111に供給するための電源線とが含まれている。
一方、第2接続ユニット173の配線には、セレクタ監視スイッチ38における監視結果の信号を伝送するための信号線と、表示駆動部165を制御する信号を伝送するための信号線と、決定操作部114が操作されたか否かの信号を伝送するための信号線と、選択操作部115が操作されたか否かの信号を伝送するための信号線と、発光部61及びスピーカ部62を駆動させる信号を伝送するための信号線と、ホッパ監視スイッチ45における監視結果の信号を伝送するための信号線と、電断中用扉監視スイッチ16における監視結果の信号を伝送するための信号線とが含まれている。
上記のように第1接続ユニット172及び第2接続ユニット173が設けられていることにより、第1接続ユニット172及び第2接続ユニット173の各配線の中から所定の監視スイッチに係る信号線のみを特定しようとしても、それが行いづらくなる。これにより、所定の監視スイッチに係る信号線のみを切断する又は所定の監視スイッチに係る信号線のみに不正信号を出力するための基板を接続することで当該所定の監視スイッチにおいて監視を正常に行えないようにしようとしても、それが行いづらくなる。
また、第1接続ユニット172及び第2接続ユニット173の各配線の中から報知用装置111の表示駆動部165に係る信号線のみを特定しようとしても、それが行いづらくなる。これにより、表示駆動部165に係る信号線のみを切断する又は表示駆動部165に係る信号線のみに不正信号を出力するための基板を接続することで報知用装置111の表示画面113において異常報知を正常に行えないようにしようとしても、それが行いづらくなる。
特に、上記のとおり監視制御基板83のMPU91にて異常の報知を行っている状況を解除するためには決定操作部114及び選択操作部115を操作する必要がある構成において、第1接続ユニット172及び第2接続ユニット173には表示駆動部165に係る信号線とともに決定操作部114に係る信号線及び選択操作部115に係る信号線が含まれている。したがって、上記異常報知を正常に行えないようにしようとして、不正行為者が第1接続ユニット172又は第2接続ユニット173の全配線を切断した場合には、当該不正行為者が異常報知の状況を不正に解除しようとしてもそれが困難となる。そして、異常の報知は報知用装置111の表示画面113だけでなく演出用表示装置63においても実行されるため、当該不正行為者が演出用表示装置63における異常の報知を解除しようとしてもそれが困難なものとなる。なお、不正行為者が演出用表示装置63と副制御装置81とを電気的に接続する信号線を切断した場合には、当該演出用表示装置63において遊技状況に応じた表示が行われなくなることから、遊技ホールの管理者などにとっては上記不正行為を容易に判断することができる。
また、第1接続ユニット172並びに第2接続ユニット173には、発光部61及びスピーカ部62に係る信号線も含まれている。したがって、所定の監視スイッチに係る信号線を切断するために又は表示駆動部165に係る信号線を切断するために不正行為者が第1接続ユニット172又は第2接続ユニット173の全配線を切断した場合には、発光部61における光の演出やスピーカ部62からの音の出力が行われなくなることから、遊技ホールの管理者などにとっては上記不正行為を容易に判断することができる。
ちなみに、第1接続ユニット172又は第2接続ユニット173は、図12(a)に示すようなハーネスである必要はなく、例えば、両端にコネクタが設けられた配線177を図12(b)に示すように集約させることで接続ユニットとしてもよく(例えば、より線)、図12(c)に示すように、線心に被覆を施した配線178を集約させるとともに、それら集約させた配線178をまとめて被覆させたケーブルを接続ユニットとしてもよい。図12(b)や図12(c)の構成においても図12(a)のものを用いる場合と同様の効果が期待できる。なお、上記例示した各接続ユニットにおいて、配線の集約とは、隣接する複数の配線が相互に接触している構成であってもよく、相互に離間された構成としてもよい。
<副制御基板82のRAM152及び監視制御基板83のRAM162の構成>
次に、異常の監視及び監視結果の報知に関する副制御基板82のRAM152及び監視制御基板83のRAM162の構成について説明する。図13(a)は副制御基板82のRAM152(以下、副側RAM152ともいう)の構成を説明するための説明図、図13(b)は監視制御基板83のRAM162(以下、監視側RAM162ともいう)の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために、主制御基板121のMPU122を主側MPU122といい、副制御基板82のMPU85を副側MPU85といい、監視制御基板83のMPU91を監視側MPU91という。
副側RAM152は、主側MPU122にて所定の異常の発生が特定された場合にその異常の発生に対する報知を行う上で参照される情報を記憶するための主側報知情報記憶エリア181と、監視側MPU91にて所定の異常の発生が特定された場合にその異常の発生に対する報知を行う上で参照される情報を記憶するための監視側報知情報記憶エリア182と、を備えている。また、副側RAM152は、副側MPU85において所定の処理を実行する上でのタイミングを計るために用いられる計測用カウンタエリア183と、副側MPU85において所定の状態であることを特定するために用いられる各種フラグ格納エリア184と、を備えている。
監視側RAM162は、常時用監視履歴記憶エリア191と、報知用監視履歴記憶エリア192と、を備えている。監視側MPU91では、既に説明したとおり、電源監視部164及び各種監視スイッチ16,38,45,76の検出結果に基づいて各種異常の発生の監視を行う。この場合、監視対象の事象として、
(1)スロットマシン10自身の電源ON操作
(2)前面扉12の開放
(3)設置箇所からのセレクタ31の移動
(4)設置箇所からのホッパ装置41の移動
(5)設置箇所からの主制御装置71の移動
の5種類が設定されている。
また、監視結果の記憶の仕方は2種類設定されており、一方は監視側MPU91自身に動作電力が供給されている状況において上記(1)〜(5)の全事象の監視結果を記憶する常時用監視である。この監視結果の情報は、遊技ホールの管理者等が報知用装置111を操作することにより確認可能である。
他方は、遊技ホールの管理者などによって設定された報知用監視期間において、上記(1)〜(4)の事象の監視結果を記憶するとともに監視側MPU91自身に動作電力が供給されている状況において上記(5)の事象の監視結果を記憶する報知用監視である。この場合、報知用監視期間は、24時間における任意の期間を指定可能であり、基本的にはスロットマシン10自身に動作電力が供給されていない期間、具体的にはスロットマシン10のメーカなどから遊技ホールへの搬送中の期間や、遊技ホールの閉店中であってスロットマシン10への動作電力の供給が停止される期間が指定される。報知用監視期間中に監視結果の情報が取得された場合には、スロットマシン10の電源が投入された場合に所定の報知が実行される。
ここで、上記(1)〜(5)の監視対象の事象のうち、スロットマシン10の電源遮断中に上記(1)電源ON操作の事象を監視することで、当選確率の設定変更が不正に行われたか否かを監視することができる。当該当選確率の設定変更を行うためには、既に説明したように、スロットマシン10が電源ON操作された場合に設定キーがON操作されている必要があるからである。また、電源遮断中に上記(2)前面扉12の開放の事象を監視することで、スロットマシン10の内部に何らかの不正が行われたか否かを監視することができる。また、電源遮断中に上記(3)〜(5)の事象を監視することで、それら監視対象となっている機器に対して不正が行われたか否かを監視することができる。
常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192のうち、常時用監視履歴記憶エリア191は常時用監視を行う上で用いられ、報知用監視履歴記憶エリア192は報知用監視を行う上で用いられる。常時用監視履歴記憶エリア191は、リングバッファとして構成されており、上記(1)〜(5)の事象のうち発生した事象の種類を記憶するための事象データ用エリアと、その事象が発生した日時を記憶するための日時データ用エリアと、を一組の単位エリアとして、当該単位エリアが複数組(具体的には、15組)設けられている。
また、報知用監視履歴記憶エリア192は、リングバッファとして構成されており、事象データ用エリアと、日時データ用エリアと、その事象について報知解除条件が満たされているか否かの情報を記憶するための報知判定データ用エリアと、を一組の単位エリアとして、当該単位エリアが複数組(具体的には、15組)設けられている。
常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192において上記単位エリアの数は、同一となっており、監視対象の事象の数よりも多く設定されている。そして、上記(1)〜(5)の事象が発生した日時順に(時系列で)記憶されていくとともに、単位エリアの数分を超える場合には最も古い事象が消去されていく。この場合、常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192は上記のとおりリングバッファとして構成されており、次回のデータの書込み対象となる単位エリアを特定するための書込みポインタの位置によって最も新しいデータが記憶された単位エリア及び最も古いデータが記憶された単位エリアがいずれの単位エリアであるかが特定される。なお、上記単位エリアの数は、常時用監視履歴記憶エリア191と報知用監視履歴記憶エリア192とで同一である必要はなく、異なっていてもよい。
監視側RAM162は、常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192の他に、監視側MPU91において所定の処理を実行する上でのタイミングを計るために用いられる計測用カウンタエリア193と、報知用装置111の表示画面113に表示される画像の表示データが設定される表示データ設定用エリア194と、上記報知用監視を行う上での報知用監視期間の情報を記憶するための報知用監視期間記憶エリア195と、監視側MPU91において所定の状態であることを特定するために用いられる各種フラグ格納エリア196と、を備えている。
<監視側MPU91に実行される処理>
次に、異常の監視及び監視結果の報知を行う上で副側MPU85及び監視側MPU91にて実行される処理について説明する。以下の説明では、説明の便宜上、先ず図14〜図19のフローチャートを参照して監視側MPU91にて実行される処理について説明し、その後に、図20〜図23のフローチャートを参照して副側MPU85にて実行される処理について説明する。
図14は、監視側MPU91にて実行される通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は、定期的(具体的には、4msec)に起動される。通常処理では、ステップS401にて監視処理を実行し、ステップS402にて時間等設定用処理を実行し、ステップS403にて異常報知設定用処理を実行し、ステップS404にて表示制御処理を実行し、ステップS405にて異常報知解除用処理を実行し、その後、本通常処理を終了する。
以下、上記ステップS401〜ステップS405の各処理について具体的に説明する。
<監視側MPU91の監視処理>
先ず、監視処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。ここで、監視処理とは、電源監視部164及び各種監視スイッチ16,38,45,76の検出結果に基づいて、上記(1)〜(5)の事象が発生しているか否かを特定し、いずれかの事象が発生している場合にはその情報を常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192に記憶させるための処理である。
監視処理では、先ずステップS501にて入出力ポートの入力側を監視するタイミングとなっているか否かを判定する。このタイミングは、監視時間の経過毎に1回、すなわち監視周期毎に定期的に実行されるように設定されている。具体的には、0.5secに1回実行される構成となっており、当該タイミングは監視側RAM162の計測用カウンタエリア193における監視用カウンタエリアを用いて前回監視を行ったタイミングからの経過時間、詳細にはステップS501にて肯定判定をした回数を計測することにより行われる。本スロットマシン10では、通常処理は4msec周期で起動されるため、ステップS501では監視用カウンタエリアの値が「125」であるか否かを判定する。
なお、監視を行う周期は上記のものに限定されることはなく任意である。但し、異常の発生を漏れなく監視するという観点からは、N(0<N<1)secに1回監視を行う構成とすることが好ましい。また、かかる監視を行う周期を不規則に変更可能な不規則更新機能(不規則更新手段)を備えた構成としてもよい。この場合、監視を行う周期に合わせて不正行為を行おうとしてもそれが困難となる。また、不規則に設定され得る周期の一部として比較的長い周期が設定されていることにより、単位時間当たりの監視の実行回数を抑えることができ、それに伴って電断中用電源部93の消費電力が抑えられる。
監視タイミングでない場合にはステップS501にて否定判定をし、ステップS503にて監視用カウンタエリアを更新した後に、具体的には監視用カウンタエリアを1インクリメントした後に、本監視処理を終了する。一方、監視タイミングである場合にはステップS501にて肯定判定をし、ステップS502にて監視用カウンタエリアを初期化した後に、具体的には監視用カウンタエリアを「0」クリアした後に、ステップS504に進む。
ステップS504では、入出力ポートの入力側の情報を読み込むことで、電源監視部164及び各種監視スイッチ16,38,45,76の検出結果を特定する。具体的には、上記(1)の事象であるスロットマシン10自身の電源ON操作を監視するための電源監視部164の検出結果が入力されるポートにおける情報が、電源OFF情報である「0」の情報から電源ON情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(2)の事象である前面扉12の開放を監視するための電断中用扉監視スイッチ16の検出結果が入力されるポートにおける情報が、閉鎖状態情報である「0」の情報から開放状態情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(3)の事象である設置箇所からのセレクタ31の移動を監視するためのセレクタ監視スイッチ38の検出結果が入力されるポートにおける情報が、セレクタ設置情報である「0」の情報からセレクタ取り外し情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(4)の事象である設置箇所からのホッパ装置41の移動を監視するためのホッパ監視スイッチ45の検出結果が入力されるポートにおける情報が、ホッパ設置情報である「0」の情報からホッパ取り外し情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(5)の事象である設置箇所からの主制御装置71の移動を監視するための主制御装置監視スイッチ76の検出結果が入力されるポートにおける情報が、主制御装置設置情報である「0」の情報から主制御装置取り外し情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。
なお、ノイズの発生によりポートに「1」が格納された場合に異常の発生と特定しづらくするために、ステップS504では、「0」が格納されている状況から「1」が格納されている状況が複数回連続して確認された場合に、その事象の異常が発生していると特定するようにしてもよい。また、上記「0」及び「1」の関係が逆の関係に設定されていてもよい。
上記(1)〜(5)の事象がいずれも発生していない場合には、ステップS504にて否定判定をし、そのまま本監視処理を終了する。上記(1)〜(5)のいずれかの事象が発生している場合には、ステップS504にて肯定判定をし、ステップS505に進む。ステップS505では、今回発生していると特定した事象の内容を特定するための内容の特定処理を実行し、その特定した内容を監視側MPU91のレジスタに記憶する。
続くステップS506では、常時用監視履歴記憶エリア191に、ステップS505にて特定した事象と同一の事象が記憶されているか否かを判定する。同一の事象が記憶されていない場合にはステップS508に進む。同一の事象が記憶されている場合には、ステップS507にて、書込み禁止期間中(記憶防止期間)か否かを判定する。具体的には、常時用監視履歴記憶エリア191に既に記憶されている同一の事象の発生日時を把握するとともに、現状の日時をRTC163から把握する。そして、前者に対する後者の経過期間が、監視制御基板83のROM161に予め記憶されている書込み禁止期間中に該当するか否かを判定する。なお、書込み禁止期間は1分として設定されているが、具体的な期間は任意である。
書込み禁止期間中である場合には、今回特定した事象を常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192のいずれにも書き込むことなく、そのまま本監視処理を終了する。異常の監視を行う上では、上記(1)〜(5)の事象のうちいずれの事象が発生したかを遊技ホールの管理者等が特定できるようにすることが重要であり、それに比べて同一の事象について短期間に複数回行われたか否かは重要でない。この場合に、常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192の記憶容量が制限されている状況において、上記のように書込み禁止期間を設定することで、前者の特定を後者の特定よりも優先することができ、監視を良好に行うことができる。
なお、書込み禁止期間を設ける代わりに、監視対象の事象が特定された監視スイッチについては、所定の無監視期間(記憶防止期間)が経過するまで監視側MPU91において入出力ポートの監視処理を実行しない構成としてもよい。つまり、記憶防止期間内に同一の監視対象の事象が複数回連続した場合には、それらを全て常時用監視履歴記憶エリア191や報知用監視履歴記憶エリア192に記憶するのではなく、複数回分を1回として集約して記憶する構成であれば、具体的な制御内容は任意である。また、上記のような重複書込みを許容するのであれば、書込み禁止期間や無監視期間といった記憶防止期間を設定しない構成としてもよい。
書込み禁止期間中でない場合には、ステップS507にて否定判定をし、ステップS508に進む。ステップS508では、常時用監視履歴の更新処理を実行する。具体的には、先ず書込みポインタの更新処理を実行する。これにより、常時用監視履歴記憶エリア191における複数の単位エリアのうち、最も古い監視結果の情報が記憶されている単位エリアが情報の書込み対象となる。そして、その書込みポインタに対応した単位エリアにおける事象データ用エリアに対して今回特定した事象の情報を記憶するとともに、日時データ用エリアに対してRTC163から読み込んだ現状の日時の情報を記憶する。
ちなみに、同時に複数種類の事象が発生することが想定されるが、常時用監視履歴の更新処理では、それら複数種類の事象を順次記憶していく。かかる更新に際しては、上記(1)〜(5)のうち予め定められた優先順位に従って更新を実行していく。この場合、上記(5)の設置箇所からの主制御装置71の移動を最優先として、当該事象と他の事象とが同時に発生している場合には主制御装置71の移動が最も新しい事象として記憶される構成としてもよい。
続くステップS509では、現状の時点が報知用監視期間中か否かを判定する。具体的には、RTC163から現状の時刻を読み出し、この読み出した時刻が監視側RAM162の報知用監視期間記憶エリア195に記憶されている報知用監視期間に含まれているか否かを判定する。報知用監視期間に含まれている場合には、ステップS510にて監視側RAM162の各種フラグ格納エリア196に設けられた報知条件成立フラグ格納エリア(報知条件成立情報記憶手段)に報知条件成立フラグ(報知条件成立情報)を格納する。
ここで、本スロットマシン10では、報知用監視期間に上記(1)〜(5)のいずれかの事象が発生した場合には、既に説明したとおりスロットマシン10の電源が投入された場合に所定の報知が実行されることとなるが、当該所定の報知は報知条件成立フラグが格納(記憶)されている場合に実行される。換言すれば、報知条件成立フラグは監視側MPU91において所定の報知を実行すべき状態であることを特定するためのフラグである。
続くステップS511では、報知用監視履歴の更新処理を実行する。具体的には、先ず書込みポインタの更新処理を実行する。これにより、報知用監視履歴記憶エリア192における複数のエリアのうち、最も古い監視結果の情報が記憶されているエリアが情報の書込み対象となる。そして、その書込みポインタに対応したエリアにおける事象データ用エリアに今回特定した事象の情報を記憶させるとともに、日時データ用エリアに対してRTC163から読み込んだ現状の日時の情報を記憶させる。また、報知判定データ用エリアに未解除情報としての「1」を記憶させる。その後、本監視処理を終了する。
一方、現状の時点が報知用監視期間に含まれていない場合には、ステップS512に進み、今回特定した事象が上記(5)の設置箇所からの主制御装置71の移動の事象であるか否かを判定する。当該事象でない場合には、そのまま本監視処理を終了する。当該事象である場合には、ステップS510にて報知条件成立フラグを格納するとともに、ステップS511にて報知用監視履歴の更新処理を実行した後に、本監視処理を終了する。
つまり、本スロットマシン10では、書込み禁止期間でない状況において主制御装置71の設置箇所からの移動を特定した場合には、報知用監視期間中であるか否かに関係なく、その情報が報知用監視履歴記憶エリア192に記憶される。主制御装置71は抽選処理機能やメダルの払出処理機能といった遊技の主たる制御を司る機能を有しており、不正が行われた場合には遊技ホールに多大な不利益を与えるおそれがあるとともに、不正の対象ともなり易い。この場合に、主制御装置71の設置箇所からの移動については報知用監視期間であるか否かに関係なく報知用監視履歴記憶エリア192に記憶して報知対象とすることで、主制御装置71に対する不正行為を重点的に監視することができる。また、全ての事象について報知用監視期間であるか否かに関係なく報知対象とするのではなく、主制御装置71に係る事象についてのみ上記のような報知対象とすることで、報知用監視履歴記憶エリア192の限られた記憶容量において主制御装置71に係る事象が記憶されたものの、前面扉12の開放などが繰り返し行われることで、主制御装置71に係る事象について報知される前に当該事象が消去されてしまわないようにすることができる。
<監視側MPU91の時間等設定用処理>
次に、時間等設定用処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。ここで、時間等設定用処理とは、RTC163の日時設定を行う必要がある状況においてその旨の報知を行うための処理、RTC163にて計測している日時を設定するための処理、報知用監視期間を設定するための処理を実行する処理である。
時間等設定用処理では、先ずステップS601にて、入出力ポートの入力側における電源監視部164から入力している情報に基づいて、スロットマシン10自身に動作電力が供給されているか否かを判定する。スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合には、RTC163の日時の設定や報知用監視期間の設定を行うことができないため、そのまま本設定用処理を終了する。
スロットマシン10自身に動作電力が供給されている場合には、ステップS602にて、監視側RAM162のデータ消去が発生しているか否かを判定する。具体的には、監視側RAM162の各種フラグ格納エリア196におけるデータ消去監視フラグ格納エリア(データ消去監視情報記憶手段)にデータ消去監視フラグ(データ消去監視情報)が格納されているか否かを判定する。
データ消去監視フラグは、スロットマシン10の出荷直後においては格納されていない。この場合、RTC163の日時が正確でない可能性が高い。また、データ消去監視フラグは、一旦格納されたとしても、スロットマシン10自身への動作電力の供給が停止された状態が長期に亘って継続し、監視制御基板83の電断中用電源部93における蓄電量が減ることで、監視側RAM162においてデータの記憶保持を行う上で必要な動作電力が電断中用電源部93から放電されなくなることに伴って消去される。そして、RTC163において日時の更新を行う上で必要な動作電力が電断中用電源部93から放電されなくなる状況では、監視側RAM162においてデータの記憶保持を行う上で必要な動作電力が供給されない状況となるように構成されている。したがって、データ消去フラグが消去された場合には、RTC163の日時が正確でない可能性が高い。一方、データ消去監視フラグは、RTC163の日時の設定が完了することにより、格納される。つまり、データ消去監視フラグは、RTC163の日時が正確でない可能性が高い状況であることを監視側MPU91において特定するためのフラグである。
データ消去監視フラグが格納されていない場合には、ステップS602にて肯定判定をし、ステップS603にて、RTC163の日時の設定を促す報知を開始させるための消去報知開始用コマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。これにより、RTC163の日時の設定を促す報知が演出用表示装置63にて実行されるように副側MPU85にて所定の処理が実行される。また、後述する表示制御処理が実行されることにより上記報知は報知用装置111の表示画面113においても実行される。ステップS603の処理を実行した後、又はデータ消去監視フラグが格納されておりステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS604に進む。
ステップS604では、RTC163の日時の設定中であるか否かを判定する。RTC163の日時の設定中である場合には、後述するステップS608の日時の設定用処理を実行し、RTC163の日時の設定中でない場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、報知用監視期間の設定中であるか否かを判定する。報知用監視期間の設定中である場合には、後述するステップS614の報知用監視期間の設定用処理を実行し、報知用監視期間の設定中でない場合には、ステップS606に進む。
ステップS606では、設定キー挿入部74に設定キーが挿入されて当該設定キーがON操作されているか否かを判定する。この場合、当該ON操作がされているか否かの情報は、主側MPU122から送信されており、副側MPU85にて経由されることで監視側MPU91にて受信しているが、これに限定されることはなく、主側MPU122から直接受信する構成としてもよく、また設定キー検出センサ138の検出結果が監視側MPU91に直接入力される構成としてもよい。
設定キー挿入部74に対して設定キーのON操作がなされていない場合には、RTC163の日時を設定するための処理や、報知用監視期間を設定するための処理を実行することなく、そのまま本設定用処理を終了する。つまり、本スロットマシン10では、RTC163の日時の設定や、報知用監視期間の設定に際しては、遊技ホールの管理者が有する所定のキーを用いてキー操作を行う必要がある構成となっている。これにより、許可なき者によってRTC163の日時の設定や報知用監視期間の設定が行われることが抑制されている。
設定キー挿入部74に対して設定キーのON操作がなされている場合には、ステップS607にて、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、RTC163の日時の設定操作がなされているか否かを判定する。RTC163の日時の設定操作がなされている場合には、ステップS608にて日時の設定用処理を実行する。
日時の設定用処理では、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、決定操作部114及び選択操作部115の操作による日時の変更操作に対応した日時となるように、RTC163にて計測されている情報を更新する。なお、日時の設定を開始する旨の操作や、日時の変更操作に際しては、後述する表示制御処理にて、それぞれに対応した画像が報知用装置111の表示画面113にて表示されるように表示駆動部165が駆動制御される。
日時の設定用処理を実行した後は、ステップS609にて、日時の設定が完了したか否かを判定する。具体的には、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、予め定められている設定完了操作がなされたか否かを判定する。日時の設定が完了していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。
日時の設定が完了している場合には、ステップS610にて、監視側RAM162にデータ消去監視フラグが格納されているか否かを判定する。データ消去監視フラグが格納されている場合には、そのまま本設定用処理を終了する。データ消去監視フラグが格納されていない場合には、ステップS611にて、データ消去監視フラグを格納するとともに、ステップS612にて、RTC163の日時の設定を促す報知を終了させるための消去報知終了用コマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。その後、本時間等設定用処理を終了する。
ここで、データ消去監視フラグが格納されていない状況においては、日時の設定が完了するまでデータ消去監視フラグが格納されないようにしたことにより、RTCの日時の設定操作が遊技ホールの管理者によってなされるまでは、基本的に当該操作を促す報知が行われるようにすることができる。
一方、設定キー挿入部74に対して設定キーのON操作がなされている場合であって日時の設定操作がなされていない場合には、ステップS613にて、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、報知用監視期間の設定操作がなされているか否かを判定する。報知用監視期間の設定操作がなされていない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。報知用監視期間の設定操作がなされている場合には、ステップS614にて報知用監視期間の設定用処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。
報知用監視期間の設定用処理では、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、報知用監視期間が決定操作部114及び選択操作部115の操作に対応した期間となるように、監視側RAM162の報知用監視期間記憶エリア195の情報を更新する。
<監視側MPU91の異常報知設定用処理>
次に、異常報知設定用処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。ここで、異常報知設定用処理とは、異常報知の開始タイミングにおいて異常報知の実行条件が成立している場合に、異常報知を開始するための設定を行う処理である。
異常報知設定用処理では、先ずステップS701にて、副側MPU85から要求コマンドを受信しているか否かを判定する。要求コマンドは、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されて副側MPU85の動作が開始されたことに基づいて、当該副側MPU85から送信されるコマンドである。なお、当該要求コマンドが送信されるための詳細な条件については後に説明する。要求コマンドを受信していない場合には、ステップS701にて否定判定をし、そのまま本設定用処理を終了する。要求コマンドを受信している場合には、ステップS701にて肯定判定をし、ステップS702に進む。
ステップS702では、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。報知条件成立フラグは、既に説明したとおり、報知用監視期間中に上記(1)〜(4)のいずれかの事象が発生した場合又は報知用監視期間中であるか否かに関係なく上記(5)の事象が発生した場合に格納されるフラグである。つまり、ステップS702では、報知対象となる事象が発生しているか否かを判定している。
報知条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS703〜ステップS705の報知開始用処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。具体的には、ステップS703にて、監視側RAM162の各種フラグ格納エリア196における報知実行フラグ格納エリア(報知実行中情報記憶手段)に報知実行フラグ(報知実行情報)を格納する。当該報知実行フラグが格納されることにより、報知実行中であること又は報知を実行すべき状況であることを監視側MPU91において特定することが可能となる。
続くステップS704では、報知内容の特定処理を実行する。具体的には、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアにおいて報知解除条件が満たされていないエリア、具体的には報知判定データとして未解除情報としての「1」が格納されているエリアを特定し、その特定したエリアの事象データから今回の監視対象の事象が上記(1)〜(5)の事象のいずれであるかを特定する。この場合、複数種の事象が報知対象となっている場合には、それらを個別に特定する。但し、ステップS704では、同一種の事象が報知用監視履歴記憶エリア192に複数記憶されている場合には、それらを個別に特定することはなく、発生回数を考慮することなく当該事象が発生していることのみを特定する。
続くステップS705では、ステップS704にて特定した事象の情報を含む報知有りコマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。かかる報知有りコマンドは、監視制御基板83のROM161に予め記憶されており、当該報知有りコマンドは、報知対象として特定されるパターンの全てに1対1で対応させて設定されている。副側MPU85では報知有りコマンドを受信することにより、その報知有りコマンドから、監視対象の事象が発生していること及びその事象の種類を特定する。なお、監視対象の事象が発生している状況において要求コマンドの受信に対して報知有りコマンドが送信されることに着目すると、報知有りコマンドは、監視対象の事象が発生している状況における応答コマンドであると言える。
一方、報知条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS702にて否定判定をし、ステップS706に進む。ステップS706では、監視対象の事象が発生していないことを副側MPU85に把握させるための報知無しコマンドを送信する処理を実行する。その後、本設定用処理を終了する。副側MPU85では報知無しコマンドを受信することにより、その報知無しコマンドから、監視対象の事象が発生していないことを特定する。なお、監視対象の事象が発生していない状況において要求コマンドの受信に対して報知無しコマンドが送信されることに着目すると、報知無しコマンドは、監視対象の事象が発生していない状況における応答コマンドである。
<監視側MPU91の表示制御処理>
次に、表示制御処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。ここで、表示制御処理とは、監視側MPU91において報知用装置111の表示駆動部165を制御し、表示画面113における表示内容を設定するための処理である。
表示制御処理では、先ずステップS801にて表示画面113が点灯中であるか否か、具体的には表示画面113のバックライトが点灯中であるか否かを判定する。点灯中でない場合には、ステップS802にて、スロットマシン10自身に動作電力が供給されているか否かを判定し、ステップS803にて、入出力ポートの入力側における電断中用扉監視スイッチ16から入力している情報に基づいて、前面扉12が開放中であるか否かを判定し、ステップS804にて、前面扉12が開放中である場合にそれが開放直後であるか否かを判定し、ステップS805にて、決定操作部114又は選択操作部115の操作がなされているか否かを判定する。
その結果、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合又は前面扉12が閉鎖中である場合には、ステップS802又はステップS803にて否定判定をすることでそのまま本表示制御処理を終了する。また、前面扉12の開放後に所定期間を経過しているとともに決定操作部114及び選択操作部115の両方が操作されていない場合には、ステップS804及びステップS805の両方で否定判定をすることで、そのまま本表示制御処理を終了する。
スロットマシン10自身に動作電力が供給されているとともに、前面扉12の開放後に所定期間が経過していない状況であれば、ステップS802、ステップS803及びステップS804の全てにおいて肯定判定をし、ステップS806以降の点灯開始用処理を実行する。また、前面扉12の開放後に所定期間が経過している状況であっても、決定操作部114又は選択操作部115のいずれかが操作されている場合には、ステップS805において肯定判定をし、ステップS806以降の点灯開始用処理を実行する。
ステップS806では、表示画面113の点灯処理を実行する。具体的には、報知用装置111の表示駆動部165に対してバックライトを点灯させるための駆動信号の出力を開始する。続くステップS807では、監視側RAM162に報知実行フラグが格納されているか否かを判定する。
報知実行フラグが格納されていない場合には、ステップS807にて否定判定をし、ステップS808にて通常データの設定処理を実行した後に、本表示制御処理を終了する。通常データの設定処理では、報知用装置111の表示画面113にて通常画像が表示されるように、監視側RAM162の表示データ設定用エリア194に通常データを格納する(記憶させる又は更新する)。かかる通常データは、そのタイミングにおいてRTC163から取得した日時データと報知用監視期間記憶エリア195に記憶されている報知用監視期間のデータからなり、通常データが設定されることにより表示画面113では現在の日時の情報と現在設定されている報知用監視期間の情報とが画像として表示される。
報知実行フラグが格納されている場合には、ステップS807にて肯定判定をし、ステップS809にて異常報知データの設定処理を実行した後に、本表示制御処理を終了する。異常報知データの設定処理では、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアにおいて、報知判定データエリアに未解除情報としての「1」が格納されているエリアを特定するとともに、その特定したエリアの事象データがいずれの監視対象の事象であるかを特定する。そして、特定した監視対象の事象の種類を示すデータと、監視履歴の報知中(警報中)であることを示すデータとを、監視側RAM162の表示データ設定用エリア194に格納する(記憶させる又は更新する)。これにより、表示画面113では、監視履歴の報知中であることを示す情報と、特定した監視対象の事象の種類を示す情報とが画像として表示される。例えば、監視対象の事象として、スロットマシン10自身の電源ON操作、前面扉12の開放、主制御装置71の移動が特定された場合には、表示画面113には、「ケイホウ:デンゲン、ドア、キバン」という文字の画像が表示される。
なお、監視履歴の報知の内容は、上記のものに限定されることはなく、事象が発生したことを示す画像とともに、その事象の発生日時を示す画像が表示される構成としてもよい。また、報知解除条件が満たされていないエリアが複数ある場合には、各エリアに記憶されている監視対象の事象を示す画像と、その事象の発生日時を示す画像との組み合わせを、エリア毎に順次切り換え表示する構成としてもよい。
一方、表示画面113が点灯中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS810以降の処理を実行する。すなわち、ステップS810にて、スロットマシン10自身に動作電力が供給されているか否かを判定し、ステップS811にて、前面扉12が開放中であるか否かを判定し、ステップS812にて、表示画面113の消灯タイミングとなっているか否かを判定する。
なお、監視側RAM162の計測用カウンタエリア193における消灯用カウンタエリアを用いて、表示画面113の点灯処理を行ったタイミングからの経過時間又は点灯処理後に報知用装置111の各種操作部114,115が操作されている場合には直近の操作タイミングからの経過時間がカウント値として計測され、消灯タイミングとなっているか否かの判定は、消灯用カウンタエリアにて計測された経過時間が所定時間(例えば、10sec)となっているか否かを判定することにより行われる。
スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合、前面扉12が閉鎖されている場合、又は消灯タイミングとなっている場合には、ステップS810〜ステップS812のいずれかにて否定判定をし、ステップS813に進む。ステップS813では消灯用処理を実行する。消灯用処理では、報知用装置111の表示駆動部165へのバックライトを点灯させるための駆動信号の出力を停止するとともに、監視側RAM162の表示データ設定用エリア194を初期化することで当該エリア194に記憶されている表示データの情報を消去する。
スロットマシン10自身に動作電力が供給されているとともに前面扉12が開放中であり、さらに消灯タイミングとなっていない場合には、ステップS810〜ステップS812の全てにおいて肯定判定をし、ステップS814に進む。
ステップS814では、監視側RAM162に報知実行フラグが格納されているか否かを判定する。報知実行フラグが格納されている場合には、報知用装置111の表示画面113において既に異常報知を行っているか否かを判定する。既に異常報知を行っている場合には、そのまま本表示制御処理を終了する。異常報知を行っていない場合には、ステップS809にて異常報知データの設定処理を実行した後に、本表示制御処理を終了する。異常報知データの設定処理は既に説明したとおりである。
ステップS814にて、報知実行フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS816にて、履歴表示に係る操作がなされているか否かを判定する。ここで、本スロットマシン10では、当該スロットマシン10自身に動作電力が供給されている状況においては、決定操作部114又は選択操作部115への操作に基づいて、監視側RAM162の常時用監視履歴記憶エリア191の各単位エリアに記憶されている情報、及び報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアに記憶されている情報が表示画面113に表示される構成となっている。そして、かかる表示に際しては、常時用監視履歴記憶エリア191又は報知用監視履歴記憶エリア192のうちいずれかが履歴表示対象のエリアとして選択されるとともに、その選択されたエリアの各単位エリアに記憶されている監視対象の事象の情報とその事象の発生した日時を示す情報とが一組の情報として、それら一組の情報が選択操作部115の操作に基づいて切り換え表示される構成となっている。
ステップS816では、入出力ポートの入力側における決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、常時用監視履歴記憶エリア191又は報知用監視履歴記憶エリア192のうちいずれかについて履歴表示の決定操作がなされたか否かを判定するとともに、既に履歴表示の決定操作がなされている場合には表示画面113への表示対象とする上記一組の情報の切り換え操作がなされたか否かを判定する。履歴表示に係る操作がなされている場合には、ステップS817にて履歴データの設定処理を実行する。履歴データの設定処理では、ステップS816にて特定した操作内容に応じた表示用のデータを、常時用監視履歴記憶エリア191の単位エリア又は報知用監視履歴記憶エリア192の単位エリアから特定し、その表示用のデータを監視側RAM162の表示データ設定用エリア194に格納する(記憶させる又は更新する)。これにより、その格納された表示用のデータに対応した履歴表示の画像が表示画面113にて表示される。その後、ステップS818に進む。なお、履歴データが存在していない場合には、履歴データが存在しない旨の表示用のデータが格納されて、履歴データが存在しない旨の画像が表示される。一方、履歴表示に係る操作がなされていない場合には、ステップS817の処理を実行することなくステップS818に進む。
ステップS818では、表示画面113の切換タイミングであるか否かを判定する。本スロットマシン10では、表示画面113に通常画像が表示されている状況が所定時間(例えば、2sec)継続することにより、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアに記憶されている監視対象の事象のうち、スロットマシン10自身の電源ON操作の事象及び前面扉12の開放の事象以外の事象であって最新の監視対象の事象の情報が表示されるとともに、その事象が発生した日時を示す情報が表示されることとなる最新異常用画像に表示内容が切り換えられる構成となっている。当該最新異常用画像が表示されている状況が所定時間(例えば、2sec)継続することにより、上記通常画像に表示内容が復帰する構成となっている。ステップS818では、監視側RAM162の計測用カウンタエリア193における切換用カウンタエリアのカウンタ値を用いて、上記切換タイミングとなっているか否かを判定する。
切換タイミングとなっている場合には、ステップS819にて通常画像の表示中であるか否かを判定する。通常画像の表示中でない場合、すなわち最新異常用画像の表示中である場合には、ステップS820にて通常データの設定処理を実行した後に、ステップS823に進む。通常データの設定処理の内容は、上記ステップS808と同様である。
通常画像の表示中である場合には、ステップS821にて、切換対象履歴が有るか否か、具体的には、報知用監視履歴記憶エリア192のいずれかの単位エリアに、スロットマシン10自身の電源ON操作の事象及び前面扉12の開放の事象以外の事象の情報が記憶されているか否かを判定する。切換対象履歴が無い場合には、そのままステップS823に進む。切換対象履歴が有る場合には、ステップS822にて、最新履歴データの設定処理を実行する。最新履歴データの設定処理では、上記最新異常用画像が表示画面113にて表示されるように、監視側RAM162の表示データ設定用エリア194に対して表示用のデータを格納する(記憶させる又は更新する)。その後、ステップS823に進む。
ステップS823では、その他データの設定処理を実行する。その他データの設定処理では、例えば、決定操作部114又は選択操作部115への操作に基づいて表示画面113にメニュー画像を表示させるための処理などを実行する。また、その他データの設定処理では、監視側RAM162にデータ消去監視フラグが格納されているか否かを判定し、データ消去監視フラグが格納されていない場合にはRTC163の日時の設定を促す報知が報知用装置111にて実行されるように、当該報知用のデータを表示データ設定用エリア194に格納する。これにより、報知用装置111の表示画面113にて、「セッテイシテクダサイ」といった画像が表示される。また、その他データの設定処理では、RTC163の日時の設定が行われる場合に、その設定用の画像を表示画面113に表示させるための処理を実行するとともに、報知用監視期間の設定が行われる場合に、その設定用の画像を表示画面113に表示させるための処理を実行する。その後、本表示制御処理を終了する。
<監視側MPU91の異常報知解除用処理>
次に、異常報知解除用処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。ここで、異常報知解除用処理とは、異常報知が実行されている状況において異常報知の解除条件が成立している場合に、異常報知を解除する設定を行うための処理である。
異常報知解除用処理では、先ずステップS901にて報知制限中であるか否かを判定する。ここで、本スロットマシン10では、副側MPU85における処理に基づいて実行される報知の種類として、主側MPU122にて特定された異常に対する報知と、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知と、監視側MPU91の通信異常に対する報知と、監視側MPU91のRTC163の日時の設定を促す報知と、スロットマシン10自身に動作電力が供給されている状況において主側MPU122にて前面扉12の開放が検出されたことに対する報知と、が設定されている。
この場合に、これら各種報知のうち、何について報知がなされているかを遊技ホールの管理者等が把握できないといった不都合が発生しないようにするために、上記複数種の報知には予め優先順位が設定されており、報知タイミングが重複した場合には段階的に実行される。当該優先順位について詳細には、主側MPU122にて特定された異常に対する報知が最も優先順位が高く、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知が次に優先順位が高く、監視側MPU91の通信異常に対する報知が次に優先順位が高く、監視側MPU91のRTC163の日時の設定を促す報知が次に優先順位が高く、主側MPU122にて前面扉12の開放が検出されたことに対する報知が最も優先順位が低くなるように設定されている。
上記のように優先順位が設定されている構成において、報知制限中とは、優先順位が最も高く設定されている主側MPU122にて特定された異常に対する報知が実行されている状況であることを意味する。かかる報知制限中か否かの判定は、監視側RAM162の各種フラグ格納エリア196における報知制限フラグ格納エリア(報知制限情報記憶手段)に報知制限フラグ(報知制限情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行われる。
報知制限中でない場合には、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進む。ステップS902では、副側MPU85から報知制限開始コマンドを受信しているか否かを判定する。報知制限開始コマンドは、副側MPU85にて上記優先順位が最も高い報知が開始される場合に当該副側MPU85から送信されるコマンドである。報知制限開始コマンドを受信している場合には、ステップS903にて報知制限フラグを格納した後に、本解除用処理を終了する。報知制限開始コマンドを受信していない場合には、ステップS906に進む。
一方、報知制限中である場合には、ステップS901に肯定判定をし、ステップS904に進む。ステップS904では、副側MPU85から報知制限終了コマンドを受信しているか否かを判定する。報知制限終了コマンドは、副側MPU85にて上記優先順位が最も高い報知が終了される場合に当該副側MPU85から送信されるコマンドである。報知制限終了コマンドを受信していない場合には、そのまま本解除用処理を終了する。報知制限終了コマンドを受信している場合には、ステップS905にて報知制限フラグを消去した後に、ステップS906に進む。
ステップS906では、監視側RAM162に報知実行フラグが格納されているか否かを判定する。報知実行フラグが格納されていない場合には、異常報知が実行されていない状況であるため、そのまま本解除用処理を終了する。報知実行フラグが格納されている場合には、ステップS907に進む。
ステップS907では、操作系信号の読み込み処理を実行する。具体的には、監視側MPU91の入出力ポートにおける入力側を監視し、報知用装置111の決定操作部114と選択操作部115との操作の有無の特定をする。続くステップS908では、ステップS907にて特定した結果が、解除操作に対応した結果であるか否かを判定する。具体的には、決定操作部114及び選択操作部115の両方が同時に操作されているか否かを判定する。決定操作部114及び選択操作部115の両方が同時に操作されていない場合には、ステップS908にて否定判定をし、そのまま本解除用処理を終了する。
決定操作部114及び選択操作部115の両方が同時に操作されている場合には、ステップS909にて監視側RAM162から報知実行フラグを消去する。これにより、表示画面113では、解除操作がなされたことを示す情報が画像として表示される。例えば、表示画面113には、「カイジョサレマシタ」という文字の画像が表示される。
続くステップS910では、監視側報知解除コマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。副側MPU85では、当該監視側報知解除コマンドを受信することにより、報知用監視期間に監視側MPU91にて特定された異常に対する報知に対して解除操作が有効になされたことを把握し、当該報知を終了する。
続くステップS911では、解除許容状況であるか否かを判定する。具体的には、書込みポインタの情報を参照することで、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアのうち、最新の監視対象の事象が記憶されている単位エリアを特定し、当該単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている情報を最新の発生日時の情報として読み出す。また、この読み出した最新の発生日時の情報に対して、監視制御基板83のROM161に予め記憶されている再報知期間(例えば、3時間)の情報を加算するための加算処理を実行する。そして、RTC163から現状の日時の情報を読み出し、上記加算処理の結果の日時が現状の日時以前となっているか否かを判定する。その結果、上記加算処理の結果の日時が、現状の日時以前となっている場合(最新事象から3時間経過)には解除許容状況であると判定し、現状の日時以前となっていない場合には解除許容状況でないと判定する。
なお、解除許容状況であるか否かを判定するための具体的な処理内容は、上記のものに限定されることはなく、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている日時から再報知期間が経過した後の日時が、上記把握したRTC163の現状の日時以前となっているかを、換言すれば、RTC163の現状の日時が、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている日時から再報知期間が経過した後の日時となっているかを、判定することができるのであれば任意である。例えば、上記把握したRTC163の現状の日時の情報に対して、ROM161に記憶されている再報知期間の情報を減算するための減算処理を実行する。そして、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている情報の日時が、上記減算処理の結果の日時以前となっているか否かを判定する比較処理を実行する構成としてもよい。
また、RTC163を用いるのではなく、監視側RAM162に時間計測用カウンタエリアを設け、当該時間計測用カウンタエリアにてカウントした値を用いて上記再報知期間を計測する構成としてもよい。また、このように時間計測用カウンタエリアを設ける場合、かかるカウンタエリアを報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアに1対1で対応させて設け、それら単位エリアに監視対象の事象の情報を記憶させる場合に対応するカウンタエリアに再報知期間に対応した値を記憶させるようにする。そして、各カウンタエリアは一定周期で減算されるようにし、カウンタエリアの値が「0」になった単位エリアについては解除許容状況となっていると判定する構成としてもよい。
ステップS911において解除許容状況となっていないと判定した場合には、そのまま本解除用処理を終了する。この場合、監視側RAM162から報知実行フラグが消去されるものの、報知条件成立フラグが消去されないため、スロットマシン10自身への動作電力の供給が次回開始された場合には、今回解除された異常報知に係る監視対象の事象に基づいて、再度、異常報知が開始される。
ステップS911において解除許容状況となっていると判定した場合には、ステップS912にて監視側RAM162の報知条件成立フラグを消去する。また、ステップS913にて報知判定データの更新処理を実行する。当該更新処理では、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアにおいて報知解除条件が満たされていない単位エリア、具体的には報知判定データとして未解除情報としての「1」が格納されている単位エリアを特定する。そして、それら特定した単位エリアについて、上記未解除情報が消去されるように報知判定データ用エリアを「0」クリアする。その後、本解除用処理を終了する。これにより、今回の異常報知に係る監視対象の事象に基づいて報知条件が成立したものとされた状態が解除され、新たに監視対象の事象が発生しない限り、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたとしても、監視側MPU91の監視処理に基づく報知は開始されない。
つまり、本スロットマシン10では、既に説明したように、報知用監視期間中において監視側MPU91にて監視対象の事象が発生したことが特定された場合には、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたことを契機として異常報知が開始されることとなる(図17を参照し前述)。この場合に、当該異常報知は最新の監視対象の事象が発生した日時から再報知期間(例えば、3時間)が経過する前に異常報知の解除操作がなされたとしても、その時点で実行されている報知は一旦終了されることとなるが、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始された場合には再度、同一の事象を報知発生の要因として異常報知が開始される。すなわち、異常報知の実行条件が成立した場合には、最新の監視対象の事象が発生した日時から再報知期間が経過した後に解除操作が行われない限り、異常報知の実行条件が成立した状態が保持され、当該状態が保持されている状況においては異常報知の開始タイミングとなる度に異常報知が開始される。
ちなみに、上記のように報知制限中である場合にステップS906以降の処理を実行しないようにしたことにより、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件及び開始条件が成立しているものの上記主側MPU122にて特定された異常に対する報知が優先されている状況において、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の解除操作が実行されたとしても、それが無効化される。これにより、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件及び開始条件の成立を解除するためには、当該報知が実行されている状況において解除操作をする必要が生じ、報知用監視期間において監視側MPU91にて監視対象の事象が発生した場合には、その旨の報知を確実に実行することができる。
<副側MPU85にて実行される通常処理>
次に、図20〜図23のフローチャートを参照して副側MPU85にて実行される処理について説明する。
図20は、副側MPU85にて実行される通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は、定期的(具体的には、4msec)に起動される。通常処理では、ステップS1001にて、演出用設定処理を実行する。演出用設定処理では、主側MPU122から演出用コマンドを受信している場合に、その演出用コマンドに対応した演出を、発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて行うための処理を実行する。例えば、演出用コマンドに、発光部61における発光、スピーカ部62からの音の出力及び演出用表示装置63における所定の画像の表示を、所定のタイミングで開始する旨の情報が含まれている場合には、その所定のタイミングで、発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63のそれぞれに対して所定の駆動信号の出力を開始する。なお、後述する異常報知を実行する場合には、それら異常報知が優先される。続くステップS1002では、通常時の異常報知設定用処理を実行する。
<副側MPU85の通常時の異常報知設定用処理>
ここで、通常時の異常報知設定用処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
通常時の異常報知設定用処理では、先ずステップS1101にて、入出力ポートの入力側における主側MPU122から入力している情報に基づいて、主側報知開始コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。
当該コマンドを受信している場合には、ステップS1102にて異常内容の特定処理を実行する。異常内容の特定処理では、主側報知開始コマンドに含まれる異常内容の情報から、何についての報知を今回開始するかを特定する。かかる異常内容としては、例えば、ホッパ装置41のメダル不足や、投入メダル検出センサ133における検出異常が設定されている。ここで特定された情報は、副側RAM152の主側報知情報記憶エリア181に格納される(記憶される又は更新される)。
続くステップS1103では、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における監視側異常報知フラグ格納エリア(監視側異常報知情報記憶手段)に監視側異常報知フラグ(監視側異常報知情報)が格納されているか否かを判定する。監視側異常報知フラグは、監視側MPU91から受信するコマンドに基づいて、報知用監視期間中に監視対象の事象が発生したことが副側MPU85において特定された場合に格納され、当該異常報知に対して有効な解除操作がなされた場合に消去されるフラグである。
監視側異常報知フラグが格納されている場合には、ステップS1104にて、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における報知待機フラグ格納エリア(報知待機情報記憶手段)に報知待機フラグ(報知待機情報)を格納する。ここで、既に説明したとおり、副側MPU85における処理に基づいて実行される各種報知には予め優先順位が設定されており、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知に比べ、主側MPU122にて特定された異常に対する報知は優先順位が高く設定されている。したがって、監視側異常報知フラグが格納されていて監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件が成立している場合であっても、主側MPU122にて特定された異常に対する報知の実行条件が成立している場合には、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知が実行前であるか実行中であるかに関係なく、主側MPU122にて特定された異常に対する報知が実行され、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行は待機される。この待機が行われている状況では報知待機フラグが格納され、当該待機が解除されることで報知待機フラグが消去される。
ステップS1104にて報知待機フラグを格納した後、又はステップS1103にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて、主側異常報知を開始する。この開始に際しては、副側RAM152の主側報知情報記憶エリア181に記憶されている情報に基づいて報知内容を特定し、その特定した内容の報知が発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に他の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、主側異常報知を開始する。
続くステップS1106では、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における主側異常報知フラグ格納エリア(主側異常報知情報記憶手段)に主側異常報知フラグ(主側異常報知情報)を格納する。当該主側異常報知フラグによって副側MPU85において主側異常報知中であるか否かを特定することができる。続くステップS1107では、主側異常報知中であることを監視側MPU91に認識させるための情報である報知制限開始コマンドを当該監視側MPU91に送信する。報知制限開始コマンドを受信することで監視側MPU91にて実行される処理内容は既に説明したとおりである(ステップS902参照)。その後、本設定用処理を終了する。
通常処理(図20)の説明に戻り、ステップS1002にて通常時の異常報知設定用処理を実行した後は、ステップS1003にて、応答待機中又は報知待機中であるか否かを判定する。報知待機中であるか否かの判定は、副側RAM152に上記報知待機フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。一方、応答待機中であるか否かの判定は、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における応答待機フラグ格納エリア(応答待機中情報記憶手段)に応答待機フラグ(応答待機中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。応答待機フラグは、副側MPU85から監視側MPU91に要求コマンドを送信したのに対して、監視側MPU91からの応答のコマンドを待っている状況である場合に格納され、当該待っている状況が解除された場合に消去されるフラグである。
応答待機中又は報知待機中のいずれかである場合には、ステップS1005に進む。一方、応答待機中及び報知待機中のいずれでもない場合には、ステップS1004にて電源立ち上げ直後であるか否かを判定する。具体的には、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における立ち上げフラグ格納エリア(立ち上げ情報記憶手段)に立ち上げフラグ(立ち上げ情報)が格納されているか否かを判定する。立ち上げフラグは、副側MPU85への動作電力の供給が開始された場合に格納され、副側MPU85から監視側MPU91に要求コマンドを送信した場合に消去されるフラグである。電源立ち上げ直後である場合にはステップS1005に進み、電源立ち上げ直後でない場合にはステップS1005を実行することなくステップS1006に進む。ステップS1005では、立ち上げ時の異常報知設定用処理を実行する。
<副側MPU85の立ち上げ時の異常報知設定用処理>
ここで、立ち上げ時の異常報知設定用処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
立ち上げ時の異常報知設定用処理では、先ずステップS1201にて、副側RAM152に報知待機フラグが格納されているか否かを判定することで、報知待機中であるか否かを判定する。報知待機中でない場合には、ステップS1202にて、副側RAM152に応答待機フラグが格納されているか否かを判定することで、応答待機中であるか否かを判定する。応答待機中でない場合には、ステップS1203にて要求コマンドを監視側MPU91に送信するとともに、ステップS1204にて副側RAM152から立ち上げフラグを消去する。
ステップS1204の処理を実行した後、又は応答待機中でありステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、上記要求コマンドの送信に対する監視側MPU91からの応答があったか否かを判定する。具体的には、入出力ポートの入力側における監視側MPU91から入力している情報に基づいて、報知有りコマンド又は報知無しコマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。
監視側MPU91からの応答がない場合には、ステップS1206にて、副側RAM152に応答待機フラグを格納し、ステップS1207にて、上記ステップS1203において要求コマンドを送信したタイミングから応答限度時間(具体的には、1sec)を経過したか否かを判定する。なお、応答限度時間が経過した否かの判定は、副側RAM152の計測用カウンタエリア183を用いて行われ、当該計測用カウンタエリア183は、応答待機フラグが格納されている状況において通常処理が新たに起動される度に1更新される。
応答限度時間を経過していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。応答限度時間を経過している場合には、ステップS1208にて、副側RAM152から応答待機フラグを消去するとともに、ステップS1209にて、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における通信異常報知フラグ格納エリア(通信異常報知情報記憶手段)に通信異常報知フラグ(通信異常報知情報)を格納する。当該通信異常報知フラグによって、副側MPU85において監視側MPU91との間での通信が正常に行えない状況であるか否かが特定される。
監視側MPU91からの応答があった場合には、ステップS1210にて副側RAM152から応答待機フラグを消去する。続くステップS1211では、監視側MPU91から受信した応答のコマンドが報知有りコマンドであるか否かを判定する。報知有りコマンドではなく、報知無しコマンドである場合には、報知用監視期間中に監視側MPU91にて異常が特定されなかったことを意味するため、そのまま本設定用処理を終了する。
報知有りコマンドである場合には、ステップS1212にて、異常内容の特定処理を実行する。異常内容の特定処理では、報知有りコマンドに含まれる異常内容の情報から、何についての報知を今回開始するかを特定する。かかる異常内容は、既に説明した監視対象の事象のいずれかであり、ここで特定された情報は、副側RAM152の監視側報知情報記憶エリア182に格納される(記憶される又は更新される)。また、ステップS1212では、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における監視側異常報知フラグ格納エリア(監視側異常報知情報記憶手段)に監視側異常報知フラグ(監視側異常報知情報)を格納する。当該監視側異常報知フラグによって、副側MPU85において監視側異常報知を実行すべきであるか否かが特定される。
続くステップS1213では、副側RAM152に主側異常報知フラグが格納されているか否かを判定することで、主側異常報知中であるか否かを判定する。主側異常報知中でない場合には、ステップS1214に進み、副側RAM152に報知待機フラグが格納されている場合には、それを消去する。続くステップS1215では、監視側異常報知を開始するための処理を実行する。この開始に際しては、副側RAM152の監視側報知情報記憶エリア182に記憶されている情報に基づいて報知内容を特定し、その特定した内容の報知が発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、主側異常報知以外の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、監視側異常報知を開始する。
主側異常報知中である場合には、監視側異常報知を開始することなく、ステップS1216に進む。ステップS1216では、副側RAM152に報知待機フラグが格納されていない場合には、当該報知待機フラグを格納する。その後、本設定用処理を終了する。
一方、ステップS1201にて、報知待機フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1213に進む。そして、上述したステップS1213〜ステップS1216の処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。
通常処理(図20)の説明に戻り、ステップS1005にて立ち上げ時の異常報知設定用処理を実行した後、又はステップS1003及びステップS1004の両方にて否定判定をした場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006では、主側異常報知中又は監視側異常報知中のいずれかであるか否かを判定する。主側異常報知中又は監視側異常報知中である場合には、ステップS1007〜ステップS1011の処理を実行することなくステップS1012に進む。
主側異常報知中及び監視側異常報知中のいずれでもない場合には、ステップS1007にて、通信異常報知設定用処理を実行する。通信異常報知設定用処理では、副側RAM152に通信異常報知フラグが格納されているか否かを判定し、通信異常報知フラグが格納されている場合には通信異常報知を開始するための処理を実行する。この場合、通信異常に対応した内容の報知が発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、主側異常報知及び監視側異常報知以外の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、通信異常報知を開始する。
ステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008にて、主側異常報知中、監視側異常報知中又は通信異常報知中のいずれかであるか否かを判定する。主側異常報知中、監視側異常報知中又は通信異常報知中である場合には、ステップS1009〜ステップS1011の処理を実行することなく、ステップS1012に進む。
主側異常報知中、監視側異常報知中及び通信異常報知中のいずれでもない場合には、ステップS1009にて、消去報知設定用処理を実行する。消去報知設定用処理では、監視側MPU91から消去報知開始用コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における消去報知フラグ格納エリア(消去報知情報記憶手段)に消去報知フラグ(消去報知情報)を格納するとともに、当該消去報知フラグが格納されている場合には、RTC163の日時の設定を促す消去報知を開始するための処理を実行する。この場合、RTC163の日時の設定を促す内容の報知が発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、扉開放報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、消去報知を開始する。
ステップS1009の処理を実行した後は、ステップS1010にて、上記のいずれかの報知中であるか否かを判定する。いずれかの報知中である場合には、ステップS1011の処理を実行することなく、ステップS1012に進む。いずれの報知中でもない場合には、ステップS1011にて、扉開放報知設定用処理を実行する。扉開放報知設定用処理では、主側MPU122から扉開放コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM152の各種フラグ格納エリア184における扉開放フラグ格納エリア(扉開放情報記憶手段)に扉開放フラグ(扉開放情報)を格納するとともに、当該扉開放フラグが格納されている場合には、前面扉12が開放中であることを知らせる扉開放報知を開始するための処理を実行する。この場合、前面扉12が開放中であることを示す内容の報知が発光部61、スピーカ部62及び演出用表示装置63にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、演出が実行されている場合であっても、それを中断し、扉開放報知を開始する。
ステップS1011の処理を実行した後は、ステップS1012にて報知解除用処理を実行した後に、本通常処理を終了する。
<副側MPU85の報知解除用処理>
ここで、報知解除用処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
報知解除用処理では、先ずステップS1301にて、主側MPU122から主側報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1302にて、主側異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM152に格納されている主側異常報知フラグを消去するとともに、実行されている主側異常報知を終了させる。続くステップS1303では、監視側MPU91に向けて、主側異常報知が解除されたことを示す報知制限終了コマンドを送信する。その後、本解除用処理を終了する。
主側報知解除コマンドを受信しておらずステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1304にて、監視側MPU91から監視側報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1305にて、監視側異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM152に格納されている監視側異常報知フラグを消去するとともに、実行されている監視側異常報知を終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
監視側報知解除コマンドを受信しておらずステップS1304にて否定判定をした場合には、ステップS1306にて、主側MPU122から通信異常解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該通信異常解除コマンドは、通信異常の解除操作、具体的には、リセットスイッチ66の手動操作が行われたことに基づいて、主側MPU122から副側MPU85に向けて送信される。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1307にて、通信異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM152に格納されている通信異常報知フラグを消去するとともに、通信異常報知が実行されている場合にはそれを終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
通信異常解除コマンドを受信しておらずステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308にて、その他解除用処理を実行する。その他解除用処理では、監視側MPU91から消去報知終了用コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM152に格納されている消去報知フラグを消去するとともに、消去報知が実行されている場合にはそれを終了させる。また、その他解除用処理では、主側MPU122から扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM152に格納されている扉開放フラグを消去するとともに、扉開放報知が実行されている場合にはそれを終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
<監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の様子>
次に、報知用監視期間において監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の様子について、その例を図24のタイムチャートを参照しながら説明する。
先ず、主側MPU122にて異常が特定されずに、さらに再報知期間(例えば、3時間)が経過後に監視側異常報知の解除操作が行われる図24(a)の期間について説明する。
報知用監視期間(例えば、スロットマシン10の電源OFF中の夜間)において、t1のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納される。その後、t2のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t3のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t4のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているため、まず、副側MPU85による監視側異常報知が開始される。さらに、前面扉12が開放されていることを条件として、監視側MPU91による異常報知として報知用装置111の表示画面113にて異常報知が開始される。
その後、t5のタイミングで、監視側異常報知の解除操作として、報知用装置111の決定操作部114及び選択操作部115の両方が手動操作されることにより、監視側MPU91による異常報知及び副側MPU85による監視側異常報知が終了されるとともに、既に再報知期間が経過しているため、監視側RAM162から報知条件成立フラグが消去される。
次に、主側MPU122にて異常が特定されるとともに、再報知期間が経過後に監視側異常報知の解除操作が行われる図24(b)の期間について説明する。
報知用監視期間において、t6のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納され、その後、t7のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t8のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t9のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。上記図24(a)の場合と異なり、今回は電源が立ち上げられた直後に主側MPU122にて異常の発生が特定されている。この場合、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されている。前面扉12が開放されていることを条件として、監視側MPU91による異常報知として報知用装置111の表示画面113にて異常報知が開始されるが、副側MPU85では主側異常報知が優先され、監視側異常報知の実行が待機される(保留される)。
その後、主側異常報知が実行されている状況であるt10のタイミングで、監視側異常報知の解除操作として、報知用装置111の決定操作部114及び選択操作部115の両方が手動操作されたとする。既に説明したとおり、主側異常報知が実行されていて監視側異常報知が待機されている状況では監視側異常報知の解除操作が行われても、それは無効化される。したがって、t10のタイミングでは、報知条件成立フラグが消去されることはなく、さらに監視側MPU91による異常報知は継続される。
その後、t11のタイミングで、主側異常報知が終了されることで、副側MPU85では監視側異常報知を開始する。さらに、前面扉12が開放されていることを条件として、監視側MPU91における異常報知として報知用装置111の表示画面113にて異常報知が開始される。その後、t12のタイミングで、監視側異常報知の解除操作が行われることにより、監視側MPU91による異常報知及び副側MPU85による監視側異常報知が終了されるとともに、既に再報知期間が経過しているため、監視側RAM162から報知条件成立フラグが消去される。
次に、主側MPU122にて異常が特定されずれに、さらに再報知期間が経過する前に監視側異常報知の解除操作が行われる図24(c)の期間について説明する。
報知用監視期間において、t13のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納される。その後、t14のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているため、まず、副側MPU85による監視側異常報知が開始される。さらに、前面扉12が開放されていることを条件として、監視側MPU91による異常報知が開始される。
ちなみに、当該タイミングは報知用監視期間であり、さらに電源がON操作されることは監視対象の事象として設定されているため、当該事象の履歴は監視側RAM162の報知用監視履歴記憶エリア192に格納される。そして、報知用監視期間にて発生した事象について、再報知が行われないようにするためには、最新事象(上記電源ON)から再報知期間が経過した後に解除操作を行う必要がある。
その後、t15のタイミングで、監視側異常報知の解除操作がされることにより、監視側MPU91による異常報知及び副側MPU85による監視側異常報知が終了される。但し、当該タイミングにおいては未だ再報知期間が経過していないため、監視側RAM162から報知条件成立フラグは消去されない。このように、再報知期間が経過していない状況で解除操作がされる場合としては、上記監視対象の事象を発生させた不正行為者が、当該事象に対する異常報知を遊技ホールの管理者に確認させないようにするために、予め解除操作を行おうとする場合が考えられる。
その後、t16のタイミングで、不正行為者によってスロットマシン10の電源が立ち下げられたとする。また、t17のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t18のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t19のタイミングで、遊技ホールの管理者によって正規に電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているため、先ず、副側MPU85による監視側異常報知が開始される。さらに、前面扉12が開放されていることを条件として、監視側MPU91による異常報知が開始される。かかる異常報知は、少なくとも上記t13のタイミングで発生した監視対象の事象についてなされるものであるため、上記t13のタイミングで発生した監視対象の事象について今回の報知は再報知に該当する。
その後、t20のタイミングで、監視側異常報知の解除操作がなされることにより、監視側MPU91による異常報知及び副側MPU85による監視側異常報知が終了されるとともに、監視側RAM162から報知条件成立フラグが消去される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
監視側MPU91が設けられていることにより、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない状況において所定の事象の監視(以下、電源遮断中の監視などともいう)を行うことができる。また、監視側MPU91は、主側MPU122や副側MPU85とは物理的に独立して設けられており、当該監視側MPU91では電源遮断中における監視及びその監視結果の報知に係る処理のみが実行される構成であるため、主側MPU122や副側MPU85にて電源遮断中における監視を行う構成に比べ、電源遮断中の監視を行う上で必要な動作電力の低電力化が図られる。
また、監視側MPU91では、電断中用電源部93から供給される動作電力によって動作可能であるため、スロットマシン10の電源投入中において仮に電源装置125からの動作電力の供給経路が遮断状態となっていたとしても、報知用監視期間に監視対象の事象の発生を特定した場合にはそれに対する報知を実行することができる。
また、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合における不正行為では遊技機自身に動作電力が供給されている場合(以下、電源投入中ともいう)における不正行為よりも手の込んだ行為が行われる可能性がある。これに対して、監視側MPU91の電源遮断中における監視結果の報知は、演出用や電源投入中の異常に対する報知に用いられる装置とは別に設けられた報知用装置111において実行される。したがって、電源遮断中における監視結果の報知が演出用や電源投入中の報知に用いられる装置のみにて実行される構成に比べ、電源遮断中における監視結果の報知を明確に行うことができる。
また、上記のように監視側MPU91にて電源遮断中の監視が行われ、報知用装置111にてその監視結果の報知が行われる構成であるため、機種交換に際して、主側MPU122、副側MPU85又は演出用表示装置63などを交換する必要が生じたとしても、電源遮断中の監視システムをそのまま流用することが可能となる。よって、電源遮断中の監視システムの流用性及び汎用性が高まる。
副側MPU85と監視側MPU91とが、内部空間の開放に際して痕跡が残ることとなる同一の基板ボックス84内に収容されていることにより、副側MPU85と監視側MPU91との信号経路に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。特に、副側MPU85では監視側MPU91が正常に動作しているか否かの監視が行われ、正常に動作していない場合にはその旨の報知が実行される構成であるため、監視側MPU91に対して不正を施して当該監視側MPU91が正常に動作しないようにしつつ、副側MPU85と監視側MPU91との信号経路に対して不正を施して監視側MPU91が正常に動作していないことを副側MPU85にて特定できないようにする行為が想定される。これに対して、上記のように副側MPU85と監視側MPU91とが同一の基板ボックス84内に収容されていることにより、上記不正が行われてしまうことを阻止することが可能となる。ちなみに、監視側MPU91専用に基板ボックスを設ける構成に比べ、基板ボックスの数を抑えることができるとともに、筐体11内という限られたスペースにおいて基板ボックスを設けるためのスペースの縮小化も図られる。
副側MPU85が副制御基板82に搭載されているとともに監視側MPU91が監視制御基板83に搭載されていることにより、副側MPU85又は監視側MPU91の一方に異常等が生じた場合には、その対応する基板のみを交換するだけで済む。この場合に、副制御基板82と監視制御基板83とはハーネス等の信号線を介することなくコネクタ84aとコネクタ94とによって接続されているため(ボードtoボード接続)、両基板82,83間の信号経路に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。
監視側MPU91において電源遮断中に監視対象の事象の発生が特定されて監視側RAM162の報知用監視履歴記憶エリア192にその旨の情報が格納された場合には、再報知期間が経過した後に上記監視対象の事象の発生に対する報知が行われている状況において当該報知の終了操作が行われない限り、スロットマシン10への動作電力の供給が開始される度に当該報知が実行される。これにより、電源遮断中に所定の装置などに不正を施した者が、遊技ホールの管理者に対して報知が行われないようにするために、不正を施すのに合わせて上記報知を終了させたとしても、その際に再報知期間が経過していないのであれば、上記報知が再度実行される。したがって、遊技ホールの管理者にとっては上記不正行為を発見し易くなる。
特に、本スロットマシン10では、上記報知を終了させる場合における遊技ホールの管理者の作業性に鑑みて、報知用装置111の決定操作部114及び選択操作部115を同時に手動操作するという比較的簡易な操作によって上記報知を終了させることができるようにしている。そうすると、上記作業性が向上するものの、不正行為者にとっても上記報知を終了させ易くなる。これに対して、上記のように再報知が実行され得る構成であるため、仮に不正行為者によって上記報知が終了させられたとしても上記報知が再度開始されることで、遊技ホールの管理者にとって上記報知を確認する機会が生じる。
また、再報知が行われないようにするためには、再報知期間が経過した後に上記監視対象の事象の発生に対する報知が行われている状況において当該報知の終了操作が行われることを要する構成であるため、不正行為者にとって遊技ホールの管理者に報知の実行が認識されないようにするためには、スロットマシン10に対して不正を施した後に再報知期間が経過するまで遊技ホールに居続ける必要が生じる。これに対して、不正行為者がスロットマシン10に対して不正を施した後に遊技ホールに居続けることは起こり難いと考えられるため、再報知の解除を不正行為者が行うことは困難なものとなる。
また、上記のように再報知期間が経過した後に上記監視対象の事象の発生に対する報知が行われている状況において当該報知の終了操作が行われない限り、スロットマシン10への動作電力の供給が開始される度に当該報知が実行されるため、電源遮断中に監視対象の事象の発生が特定されて報知用監視履歴記憶エリア192にその旨の情報が格納された場合には、少なくとも1回はそれについての報知が実行されるとともに、再報知期間が経過していない状況で上記報知が開始されて当該報知が終了されたとしても、その後に少なくとも1回は上記報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者にとって上記報知を確認する機会が高まり、電源遮断中に不正行為が行われたとしてもそれを発見し易くなる。
不正行為者が主制御装置71の交換といった重度の不正をスロットマシン10に施した後に、スロットマシン10の電源ON操作や前面扉12の開放といった他の監視対象の事象を発生させることが想定される。この場合、後の行為に際して、先の行為について再報知の条件が解除されてしまうと、遊技ホールの管理者が不正の本質(先に行われた重度の不正等)を見誤ることが懸念される。これに対して、報知用監視履歴記憶エリア192に報知対象の情報が記憶されている状況において、報知用監視期間中に新たに監視対象の事象の発生が特定された場合には、当該新たな監視対象の事象発生から再報知期間が経過し当該新たな監視対象の事象について報知対象とならないように設定(即ち、異常報知解除操作)されるまでは、既に記憶されていた報知対象の情報は報知対象として維持される。これにより、上記後の行為について報知が実行される場合には、それに合わせて上記先の行為についても報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者が不正の本質を見誤る可能性が低減される。
監視側MPU91では、スロットマシン10の電源投入中及び電源遮断中のいずれにおいても所定の事象の監視を行えるようにした構成において、一部の事象を除いて、設定された報知用監視期間中に発生した事象について報知用監視履歴記憶エリア192に記憶させ、当該報知用監視履歴記憶エリア192に記憶されている事象について報知を行うようにした。これにより、監視側MPU91における監視結果の報知が必要以上に実行されることを抑えることが可能となる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、報知用監視期間において監視側MPU91にて監視対象の事象の発生が特定された場合のそれに対する異常報知の開始契機を、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されることとしたが、本実施の形態では、当該異常報知の開始契機が異なっている。そして、当該開始契機の相違は、監視側MPU91における異常報知設定用処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっていることにより生じている。そこで、以下に、本実施の形態における異常報知設定用処理について説明する。図25は、異常報知設定用処理を示すフローチャートである。
異常報知設定用処理では、先ずステップS1401にて、主側MPU122にて所定の異常の発生が特定されたことを示す主側異常コマンドを受信しているか否かを判定する。本実施の形態では、当該主側異常コマンドは、主側MPU122から送信され副側MPU85にて中継されて監視側MPU91において受信されるが、主側MPU122から送信された主側異常コマンドが監視側MPU91にて直接受信される構成としてもよい。また、主側MPU122から主側異常コマンドが送信される場合とは、主側MPU122にてホッパ装置41のメダル不足が特定された場合である。
主側異常コマンドを受信していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。主側異常コマンドを受信している場合には、ステップS1402にて、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。報知条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1403にて監視側RAM162に報知実行フラグを格納し、続くステップS1404にて報知内容の特定処理を実行し、続くステップS1405にて報知有りコマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。その後、本設定用処理を終了する。上記第1の実施の形態と同様に、副側MPU85では、上記報知有りコマンドを受信することに基づいて、監視側異常報知を行うための処理を実行する。
一方、報知条件成立フラグが格納されていない場合には、報知無しコマンドを副側MPU85に送信する処理を実行する。その後、本設定用処理を終了する。上記第1の実施の形態と同様に、副側MPU85では、上記報知無しコマンドを受信した場合には、監視側異常報知を行うための処理を実行しない。
以上詳述した本実施の形態によれば、報知用監視期間において監視側MPU91にて監視対象の事象の発生が特定された場合には、主側MPU122にて異常が特定されたことを開始契機として異常報知が開始されるようにしたことにより、不正が施された場合に発生し易い事象が発生した場合に異常報知を行うことができる。
特に、不正行為者は、多量のメダルを不正に取得することを目的としてスロットマシン10に対して不正行為を行うものと考えられ、多量のメダルが短時間で払い出されるとホッパ装置41のメダル不足が発生するものと考えられる。このような事情において、主側MPU122にてホッパ装置41のメダル不足が特定されたことを開始契機として上記異常報知を開始することにより、遊技ホールの管理者にとっては不自然なメダルの払出に対して適切に対処することができる。
なお、異常報知の開始契機は、ホッパ装置41のメダル不足に限定されることはなく、例えば、予め定められた規定遊技回数内(又は予め定められた規定経過期間内)におけるメダルの払出枚数又はメダルの投入と払出の差枚数が契機基準枚数となった場合としてもよい。また、予め定められた規定遊技回数内(又は予め定められた規定経過期間内)における遊技者にとって有利な状態の付与回数が契機基準回数となった場合としてもよい。また、予め定められた規定遊技回数内(又は予め定められた規定経過期間内)における精算スイッチ51の操作回数が契機基準回数となった場合としてもよい。また、上記のように所定の異常の発生を開始契機とするのではなく、所定時刻となったことを開始契機としてもよい。この場合、当該所定時刻を遊技ホールの管理者によって設定可能な構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、報知用監視期間において監視側MPU91にて監視対象の事象の発生が特定された場合、一定の期間として設定された再報知期間(例えば、3時間)が経過した後に解除操作がなされることで、その後に再報知が実行されなくなる構成としたが、本実施の形態では、上記再報知期間を変更可能となっている。そして、当該構成の相違は、監視側RAM162に終了基準情報記憶エリア(不図示)が設定されているとともに、当該エリアに格納される情報を変更可能とする終了基準変更処理が監視側MPU91にて実行されることにより生じている。そこで、以下に、終了基準変更処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。なお、当該終了基準変更処理は、通常処理(図14)の複数種の処理における一部の処理として設定されている。
終了基準変更処理では、先ずステップS1501にて、監視側RAM162に報知条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。報知条件成立フラグが格納されている場合には、そのまま本変更処理を終了する。
報知条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS1502にて、終了基準変更操作がされているか否かを判定する。具体的には、入出力ポートの入力側における報知用装置111の決定操作部114及び選択操作部115から入力している情報に基づいて、これら決定操作部114及び選択操作部115に対して所定の終了基準変更操作がされているか否かを判定する。
終了基準変更操作がされていない場合には、そのまま本変更処理を終了する。終了基準変更操作がされている場合には、ステップS1503にて、終了基準情報の更新用処理を実行する。具体的には、監視側RAM162の終了基準情報記憶エリアにおける情報を、ステップS1502にて特定した終了基準変更操作に対応した再報知期間(例えば、3時間以外)の情報に更新する。これにより、再報知発生の終了基準、具体的には再報知期間が変更される。その後、本変更処理を終了する。
なお、ステップS1503の処理を実行した場合は、上記ステップS911ではROM161の再報知期間を使用せず、RAM162の終了基準情報記憶エリアの情報を使用する。
以上詳述した本実施の形態によれば、再報知発生の終了基準を変更することができるため、不正行為者にとっては当該終了基準に不規則性が生じ、当該終了基準の特定が行いづらくなる。
また、報知用監視履歴記憶エリア192に報知対象の情報が記憶されている場合にはステップS510で上述したように報知条件成立フラグが格納されているため、上記ステップS1501に示すように終了基準を変更することが不可となるようにしたため、不正行為者がスロットマシン10に搭載された装置に対して不正を施した後に、上記終了基準を変更して異常再報知が実行されないようにすることが不可となる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。なお、以下の各構成を、上記各実施の形態に対して個別に適用してもよく、任意の組合せで適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、監視側MPU91では、スロットマシン10自身に動作電力が供給されている場合及びスロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合の両方において所定の事象の監視を実行する構成としたが、これに代えて、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合にのみ所定の事象の監視を実行する構成としてもよい。この場合であっても、上記各実施の形態における報知用装置111を通じた報知の構成、再報知に関する構成、主側異常報知と監視側異常報知との相関の構成、監視側MPU91と副側MPU85とが同一の基板ボックス84に収容された構成、信号経路に関する構成を適用することが好ましい。
(2)監視対象の事象の種類は、上記各実施の形態における事象に限定されることはなく、上記各実施の形態における事象の一部であってもよく、他の事象を監視対象の事象として設定してもよい。
例えば、上記各実施の形態と同様に、監視側MPU91にて報知用監視期間中に監視対象の事象が発生したことが特定された場合にはスロットマシン10自身への動作電力の供給が行われている状況において報知が行われ、さらに当該報知を終了させるためには電源投入中に終了操作を行う必要がある構成において、電源OFF操作を監視対象の事象として設定してもよい。この場合、不正行為者が、スロットマシン10に対して不正を施した後に、スロットマシン10に電源を投入して上記不正についての報知を終了させたとしても、スロットマシン10の電源OFF操作をした際に当該事象が報知対象となる。そして、この状態は報知用監視期間中においてはいつまでも継続される。本構成によれば、上記各実施の形態のように再報知期間を設定しなくても、不正行為者によって報知の終了操作が行われることに対処することが可能となる。
また、例えば、上記各実施の形態と同様に、監視側MPU91にて異常が特定されたことに対する報知を終了させるために前面扉12を開放させる必要がある構成においては、前面扉12が開放状態から閉鎖されたことを監視対象の事象としてもよい。この場合も、上記のように電源OFF操作を監視対象の事象とした場合と同様の作用効果を奏する。
また、例えば、設定キー挿入部74がON操作されたか否かを監視対象の事象としてもよく、この場合、電源ON操作を監視対象としなくても、当選確率の設定操作が不正に行われたか否かを監視することが可能となる。また、スタート検出センサ131が設置箇所から移動したか否かを監視対象の事象としてもよい。
また、扉監視スイッチ15,16が2個設けられていることは必須ではなく、扉監視スイッチを1個のみ設けるようにしてもよい。この場合、例えば電断中用扉監視スイッチ16のみとし、電源ON中に前面扉12の開放を検知した場合には監視側MPU91から副側MPU85へその旨の信号を送信し、その信号を受信した副側MPU85が演出用表示装置63、発光部61及びスピーカ部62等を通じて電源ON中の開放報知を行う構成としてもよい。
(3)扉側中継基板112及び筐体側中継基板171の少なくとも一方に中継される対象の機器は、上記各実施の形態におけるものに限定されることはなく、例えば、主制御装置監視スイッチ76の信号経路が中継される構成としてもよい。また、報知用装置111が扉側中継基板112に搭載されていない状態で、報知用装置111の信号経路が扉側中継基板112に中継されている構成としてもよい。また、発光部61及びスピーカ部62の信号経路が扉側中継基板112に中継されない構成としてもよく、代わりに演出用表示装置63の信号経路が中継される構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアに記憶された監視対象の事象の情報は、再報知期間が経過した後に異常報知が行われている状況において当該報知の終了操作が行われた場合に未解除情報が消去され、これにより報知対象から外される構成としたが、これに代えて、報知対象から外される状況となった場合には、単位エリアから監視対象の事象の情報そのものが消去される構成としてもよい。この場合、報知用監視履歴記憶エリア192には報知判定データ用エリアを設ける必要はない。本構成においては、報知用監視履歴記憶エリア192の単位エリアに記憶されている監視対象の事象の情報は、全て報知対象の情報となる。上記構成によれば、報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアに記憶されている情報を用いて、決定操作部114や選択操作部115の積極操作に基づく履歴の情報の確認を行うことができなくなるが、報知用監視履歴記憶エリア192において必要な記憶容量の削減が図られる。
(5)上記各実施の形態では、報知用監視履歴記憶エリア192に報知対象の情報が複数記憶されている場合には、最新の報知対象の情報が発生した時刻から再報知期間が経過した後に、それら報知対象の情報について異常報知が実行されている状況において報知終了操作が行われた場合に、報知用監視履歴記憶エリア192に記憶されている複数の報知対象の情報はまとめて報知対象ではなくなるように設定される構成としたが、これに限定されない。例えば、報知用監視履歴記憶エリア192に報知対象の情報が複数記憶されている場合には、それら各報知対象の情報について個別に解除条件が成立しているか否かが判定され、解除条件が成立した報知対象の情報から報知対象ではなくなるように設定される構成としてもよい。
(6)副側MPU85における処理に基づいて実行される複数種類の報知の優先順位は、上記各実施の形態におけるものに限定されることはなく、例えば、主側MPU122にて特定された異常に対する報知よりも、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の方が優先される構成としてもよい。また、監視側MPU91の通信異常に対する報知が最も優先される構成としてもよい。また、例えば、少なくとも主側MPU122にて特定された異常に対する報知と監視側MPU91にて特定された異常に対する報知とが、同時に行われる構成としてもよく、上記優先順位が設定されておらず、報知の開始タイミングが重複した場合には、各報知が同時に行われる構成としてもよい。このように複数種の報知が同時に行われる構成においては、同時に行っている報知対象の種類の情報を明示する構成とすることが好ましい。
また、上記各実施の形態では、主側MPU122にて異常の発生が特定されているとともに監視側MPU91にて異常の発生が特定されている場合には、副側MPU85では主側異常報知が優先され、監視側異常報知の実行が待機されるのに対して、監視側MPU91による報知用装置111を通じた異常報知は待機することなく実行される構成としたが、これに限定されることはなく、副側MPU85において主側異常報知が優先されている状況では、監視側MPU91による報知用装置111を通じた異常報知も待機される構成としてもよい。
(7)監視側MPU91により報知制御される報知手段は、報知用装置111に限定されることはなく、専用のスピーカ部や専用の発光部であってもよい。また、報知用装置111に表示画面113、決定操作部114及び選択操作部115が搭載されていることは必須ではなく、報知用装置111には表示画面113のみが搭載され、決定操作部114及び選択操作部115は他の位置に搭載された構成としてもよい。また、決定操作部114や選択操作部115を不具備として、それらの機能がスタートレバー24やストップスイッチ25a〜25cといった既存の操作部にて兼用される構成としてもよい。
(8)監視側MPU91にて報知用監視期間に監視対象の事象が発生していると特定されて実行されている異常報知を終了させる条件は、決定操作部114及び選択操作部115が同時に操作されることではなく任意であり、例えば、いずれか一方の操作部が操作されたこととしてもよく、スタートレバー24などの既存の操作部が操作されたこととしてもよく、操作部としてテンキー等の識別情報入力部を有する構成においては当該識別情報入力部に対して暗証番号の入力操作が行われたこととしてもよく、設定キー挿入部74に対する設定キーのON操作や他のキー挿入部に対する所定のキーのON操作としてもよい。また、操作部に代えて受信部を設け、遊技ホールの管理者が有する端末装置から発信された終了用電波を上記受信部にて受信することにより、異常報知を終了させる構成としてもよい。さらにまた、積極操作を要することなく、予め定められた報知継続期間(例えば、1min)が経過した場合に異常報知が終了される構成としてもよい。
なお、上記のような暗証番号の入力を条件とするものを、RTC163の日時の設定や報知用監視期間の設定に対して適用してもよい。また、上記のように暗証番号の入力に関する構成を適用する場合、周知の暗証番号忘れ防止手段や周知の暗証番号変更手段の構成を適用してもよい。
(9)上記各実施の形態では、スロットマシン10に動作電力が供給されている状況における監視が主側MPU122にて実行される構成としたが、これに代えて、専用の制御装置にて実行される構成としてもよく、また副側MPU85にて実行される構成としてもよい。
(10)監視側MPU91にRTC163が搭載されていることは必須ではなく、RTC163を不具備としてもよい。この場合、再報知期間の計測は、監視側RAM162に設けたカウンタや、監視制御基板83に設けたカウンタ回路などにて行う構成としてもよい。また、報知用装置111における監視結果の履歴の表示などに際して発生日時を表示しない構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、監視側MPU91にて監視対象の事象が発生していることが特定されたことに基づいて異常報知が実行された場合の解除条件が、再報知期間が経過した後に異常報知が行われている状況において当該異常報知の終了操作が行われることとしたが、これを変更してもよい。例えば、テンキー等の識別情報入力部を有する構成においては、当該識別情報入力部に対して暗証番号の入力操作が行われた後に、異常報知が実行されている状況において当該異常報知の終了操作が行われることとしてもよい。また、設定キー挿入部74に対する設定キーのON操作や他のキー挿入部に対する所定のキーのON操作が行われた後に、異常報知が実行されている状況において当該異常報知の終了操作が行われることとしてもよい。また、受信部を設け、遊技ホールの管理者が有する端末装置から発信された終了用電波を上記受信部にて受信した後に、異常報知が実行されている状況において当該異常報知の終了操作が行われることとしてもよい。
(12)上記各実施の形態では、監視側MPU91における監視結果の報知がスロットマシン10の電源投入中においてのみ実行される構成としたが、スロットマシン10の電源遮断中においてのみ又は電源遮断中においても実行される構成としてもよい。
また、報知用監視期間を変更可能な構成としたが、かかる報知用監視期間が固定式であってもよい。また、主制御装置71の設置箇所からの移動の事象についても報知用監視期間外に発生した場合には報知対象外とする構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態では、監視側MPU91において監視対象の事象の発生タイミングのみが監視される構成としたが、終了タイミングも監視するとともに、終了日時の情報を常時用監視履歴記憶エリア191及び報知用監視履歴記憶エリア192に記憶させる構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理者は、監視対象の事象が発生したことが報知された場合には、その事象の発生時刻と終了時刻とを比較することで、不正の程度を予測することが可能となる。なお、当該予測を監視側MPU91において行い、その予測結果を報知する構成としてもよい。
(14)上記各実施の形態において、報知用装置111が副制御装置81の基板ボックス84内に収容されている又は基板ボックス84の表面に搭載されている構成としてもよい。この場合、監視側MPU91と報知用装置111との間の信号経路が基板ボックス84の外部に露出することが抑えられるため、当該信号経路を切断する又は当該信号経路に対して不正基板を接続させるといった不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
また、報知用装置111が前面扉12の表面において露出している構成としてもよく、報知用装置111の表示画面113が前面扉12の遊技パネル20や下部パネルを介してスロットマシン10前方から視認可能となっている構成としてもよい。
(15)報知用装置111の動作電力が電源装置125から供給されるのではなく、監視制御基板83の電断中用電源部93から供給される構成としてもよい。この場合、スロットマシン10自身への動作電力の供給が行われていない状況において報知用装置111にて異常報知を実行することが可能となる。また、監視制御基板83の電断中用電源部93から副側RAM152に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
(16)監視側MPU91において報知用監視期間に監視対象の事象の発生が特定された場合には、スロットマシン10への動作電力の供給が開始されたタイミングなどにおいて外部集中端子板141を通じて遊技ホールの管理装置に異常信号を送信する構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理装置においても上記監視対象の事象の発生を特定又は記憶することが可能となる。
(17)上記各実施の形態では、常時用監視履歴記憶エリア191の各単位エリア及び報知用監視履歴記憶エリア192の各単位エリアには、複数種類の監視対象の事象が発生した順序に従って記憶される構成としたが、これに代えて、各事象に対応したエリアを有し、それらエリアに対して個別に複数の単位エリアが設定された構成としてもよい。
また、予め設定される複数種類の事象のうち、監視対象とする事象を遊技ホールの管理者が選択可能な構成としてもよい。この場合、1種類のみを選択可能な構成としてもよく、任意の組み合わせで複数選択可能な構成としてもよい。
(18)監視側MPU91に独自の識別情報(例えば、製造番号の情報)が予め記憶されている構成においては、監視側MPU91から副側MPU85に当該識別情報が送信されるとともに、演出用表示装置63にて当該識別情報が表示される構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理者は当該表示された識別情報を確認することで、監視側MPU91が正規のものであるか否かを確認することができる。
(19)上記各実施の形態では、主側MPU122における監視対象の事象と監視側MPU91における監視対象の事象とが一部重複している構成としたが、これに代えて、全部が重複している構成としてもよく、一切重複していない構成としてもよい。
(20)上記各実施の形態では、副側MPU85と監視側MPU91とが同一の基板ボックス84に収容された構成としたが、これに限定されることはなく、主側MPU122と監視側MPU91とが同一の基板ボックスに収容された構成としてもよい。この場合、主側MPU122において、監視側MPU91が正常に動作しているか否かの監視を行う構成としてもよい。また、主側MPU122の機能と副側MPU85の機能とが同一のMPUとして集約された構成においては、当該MPUと監視側MPU91とが同一の基板ボックスに収容された構成としてもよい。
(21)監視側MPU91にて特定された異常に対する報知が実行されないまま又は当該報知が遊技ホールの管理者に明確に認識されないまま上記報知の実行条件が解除されてしまうことが抑制されるという顕著な効果に着目すれば、副側MPU85にて、少なくとも主側MPU122にて特定された異常に対する報知を実行するための処理と、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知を実行するための処理とが行われる構成において、主側MPU122にて特定された異常に対する報知が実行されている状況で、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件が成立している場合であって当該報知が実行されていない場合には、当該監視側MPU91に係る異常報知について終了条件が成立したとしても当該報知の実行条件が解除されない構成を、報知用装置111といったように監視側MPU91において表示制御される報知手段が独自に設けられた構成を具備しない遊技機や、監視側MPU91が副側MPU85と同一の基板ボックス84に収容された構成を具備しない遊技機に対して適用することも可能である。
(22)監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件と主側MPU122にて特定された異常に対する報知の実行条件とが共に成立したとしても、各報知を明確に実行することが可能となるという顕著な効果に着目すれば、副側MPU85にて、少なくとも主側MPU122にて特定された異常に対する報知を実行するための処理と、監視側MPU91にて特定された異常に対する報知を実行するための処理とが行われる構成において、主側MPU122にて特定された異常に対する報知の実行条件と監視側MPU91にて特定された異常に対する報知の実行条件とが共に成立している場合には、それらの報知が所定の優先順位に従って段階的に実行される構成を、報知用装置111といったように監視側MPU91において表示制御される報知手段が独自に設けられた構成を具備しない遊技機や、監視側MPU91が副側MPU85と同一の基板ボックス84に収容された構成を具備しない遊技機に対して適用することも可能である。
(23)スロットマシン10自身に動作電力が供給されている場合に所定の事象の監視を実行する主側MPU122と、その監視結果を報知する副側MPU85及び演出用表示装置63と、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合に所定の事象又はそれとは異なる事象の監視を実行する監視側MPU91と、その監視結果を報知する報知用装置111とを備えることで、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合の監視結果の報知を明確に行えるとともにスロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合の監視及び報知を行うための構成の流用性及び汎用性が高まるという顕著な効果に着目すれば、かかる構成を、副側MPU85と監視側MPU91とが同一の基板ボックスに収容されていない構成の遊技機や、再報知が実行されない構成の遊技機に対して適用してもよい。
(24)副側MPU85と監視側MPU91とを同一の基板ボックス84内に収容することで、両者の信号経路に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなるという顕著な効果に着目すれば、かかる構成を、監視側MPU91により表示制御される報知用装置111が不具備であり電源遮断中の監視結果の報知及び電源投入中の監視結果の報知が共通の報知手段にて実行される構成の遊技機や、再報知が実行されない構成の遊技機に対して適用してもよい。
(25)監視側MPU91において報知用監視期間に監視対象の事象の発生が特定された場合には、再報知期間の経過といった所定の解除条件が成立するまでは、スロットマシン10への動作電力の供給の開始といった所定の報知開始条件が成立する度に異常報知を実行することで、不正行為者によって異常報知の終了操作が行われたとしても、当該異常報知が再度開始されることで、遊技ホールの管理者にとって不正行為を発見し易くなるという顕著な効果に着目すれば、かかる再報知の構成を、監視側MPU91により表示制御される報知用装置111が不具備であり電源遮断中の監視結果の報知及び電源投入中の監視結果の報知が共通の報知手段に実行される構成の遊技機や、副側MPU85と監視側MPU91とが同一の基板ボックスに収容されていない構成の遊技機に対して適用してもよい。
また、かかる再報知の構成を、電源遮断中の監視を行わない遊技機に対して適用してもよい。この場合、上記再報知の構成は、電源投入中に所定の事象の監視が行われ、所定の事象が発生していると特定された場合に所定の報知が実行される構成において、当該報知に対して適用される。なお、当該構成にける監視対象の事象の種類は任意である。
(26)ステップS106の扉開放監視処理では、前面扉12が開放状態であることを特定した場合、遊技ができなくなるように規制するとともに、開放状態である旨の報知を行うようにしたが、これに限定されることはなく、遊技可能としつつ、開放状態である旨の報知のみを行うようにしてもよい。
(27)上記各実施の形態では、再報知期間が計測したか否かを判定する場合における開始基準の時間が監視対象の事象が発生した時間である構成としたが、監視対象の事象が発生したと判定されたタイミングから報知用監視履歴の更新処理が実行されるタイミングまでに上記各実施の形態よりも長い時間を要する場合には、上記開始基準の時間を報知用監視履歴の更新処理が実行された時間とする構成としてもよい。
(28)上記第1の実施の形態では、再報知期間が経過するまでは、監視側MPU91における監視結果に基づく異常報知に対する解除操作が一旦なされたとしても、電源ON操作が行われる度に異常報知が再度実行される構成としたが、これに限定されることはなく、解除操作が一旦なされた後において、少なくとも1回の電源ON操作に対して異常報知が再度実行される構成としてもよい。
(29)上記各実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(30)上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲームやCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、RT当選、CT当選などが挙げられる。
(31)各リール23a〜23cの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(32)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技機自身に動作電力が供給されている場合に動作可能であり、所定の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第1監視制御手段(主側MPU122)と、
所定の報知を実行可能な第1報知手段(演出用表示装置63等)と、
前記第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、予め定められた第1の報知を実行するように前記第1報知手段を制御する報知制御手段(副側MPU85)と、
前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは物理的に独立して設けられているとともに、少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に動作可能であり、さらに前記所定の事象又は前記所定の事象とは異なる事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第2監視制御手段(監視側MPU91)と、
前記第1報知手段とは別に設けられ、前記第2監視制御手段により監視対象の事象が発生していることが特定されたことに基づいて、予め定められた第2の報知を実行するように前記第2監視制御手段により制御される第2報知手段(報知用装置111)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されている場合において所定の監視を行うことができるとともに、第2監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況であっても所定の監視を行うことができる。また、第1監視制御手段及び報知制御手段と第2監視制御手段とが物理的に独立して設けられているため、これら手段が同一の素子などとして設けられている構成に比べ、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況で必要な動作電力の低電力化を図ることができる。
また、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における不正行為では遊技機自身に動作電力が供給されている場合における不正行為よりも手の込んだ行為が行われる可能性があるが、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視結果の報知は、第1報知手段とは別に設けられた第2報知手段にて実行される。したがって、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視結果の報知を明確に行うことができる。
また、遊技機自身に動作電力が供給されている場合における監視結果の報知は第1報知手段にて実行され、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視結果の報知は第2報知手段にて実行される。これにより、遊技機自身に動作電力が供給されている場合における監視及び報知に係る構成と、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視及び報知に係る構成とをそれぞれ個別に交換することが可能となる。例えば、報知制御手段が遊技状況に応じた演出などを行う機能を有する構成においては、機種毎に当該報知制御手段を交換する必要が生じるが、この場合に遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視及び報知に係る構成を機種に依存せず流用することが可能となる。
なお、少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記第2監視制御手段に動作電力を供給する電断中用電源手段を備えた構成において、前記第2監視制御手段は、前記第2の報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する場合、当該制御を遊技機自身に動作電力が供給されている場合に行う構成としてもよい。これにより、報知を行う上で第2報知手段にて必要な動作電力を電断中用電源手段から供給する必要がないため、当該電断中用電源手段において必要な容量を小さく抑えることが可能となる。
また、「前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは物理的に独立して設けられているとともに」という記載を、「前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは別に設けられているとともに」という記載に変更してもよく、「前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは異なる単位として設けられているとともに」という記載に変更してもよい。後者の構成について更に説明すると、第2監視制御手段が第1監視制御手段及び報知制御手段とは異なる単位として設けられている場合、それらが空間的に離れていても隣接していてもよく、さらには少なくとも一方の単位が複数の素子(又は部材)の集まりとして構成されていてもよい。
また、「所定の事象が発生しているか否かの監視制御」について具体的には、所定の事象の発生を検出する検出手段を備えた構成においては、当該検出手段における検出結果が変化したか否かを監視する構成としてもよく、より具体的には当該検出手段から出力されている検出信号に変化が生じたか否かを監視する構成としてもよい。これは以下も同様である。
特徴A2.少なくとも前記第2の報知を終了させる場合に手動操作される又は少なくとも前記第2の報知を終了させる場合に所定の終了情報が入力される終了受付部(決定操作部114及び選択操作部115)と、
前記第2監視制御手段から出力された信号を前記第2報知手段に伝送する報知用信号経路と、
前記終了受付部から出力された信号を前記第2監視制御手段に伝送する終了用信号経路と、
を備えており、
前記報知用信号経路を構成する少なくとも一の信号線と前記終了用信号経路を構成する少なくとも一の信号線とは、それら信号線がいずれの経路の信号線であるかが外観上識別困難となるように接続ユニット(第1接続ユニット172、第2接続ユニット173)として集約させて設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2報知手段における報知を行わせないようにするために報知用信号経路を構成する信号線に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、第2報知手段により報知を行わせないようにするために接続ユニットの信号線がまとめて切断された場合には、終了用信号経路を構成する信号線も切断されることとなり、第2報知を不正行為者が終了させようとしてもそれが不可となる。
なお、前記終了受付部は、前記第2報知手段が搭載されている基板と同一の基板に搭載されていることが好ましい。
特徴A3.前記報知制御手段は、前記第2監視制御手段により監視対象の事象が発生していることが特定されたことに基づいて、予め定められた第3の報知を実行するように前記第1報知手段を制御するものであるとともに、前記終了受付部が手動操作されたこと又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたことが前記第2監視制御手段により特定されたことに基づいて、前記第3の報知の実行を解除するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視結果の報知が、第2報知手段だけでなく第1報知手段にて実行されるため、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に監視対象の事象が発生した場合にはその報知をより明確に行うことができる。また、第2報知手段により報知を行わせないようにするために接続ユニットの信号線がまとめて切断された場合には、終了用信号経路を構成する信号線も切断されることとなり、第1報知手段における第3の報知を不正行為者が終了させようとしてもそれが不可となる。
特徴A4.前記報知制御手段は、遊技状況に応じた所定の報知を実行するように前記第1報知手段を制御するものであり、
前記第2監視制御手段から出力された信号を前記第2報知手段に伝送する信号経路を構成する少なくとも一の信号線と、前記報知制御手段から出力された信号を前記第1報知手段に伝送する信号経路を構成する少なくとも一の信号線とは、それら信号線がいずれの経路の信号線であるかが外観上識別困難となるように接続ユニット(第1接続ユニット172、第2接続ユニット173)として集約させて設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第2報知手段における報知を行わせないようにするために、第2監視制御手段から出力された信号を第2報知手段に伝送する信号経路を構成する信号線に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、第2報知手段により報知を行わせないようにするために接続ユニットの信号線がまとめて切断された場合には、第1報知手段にて遊技状況に応じた所定の報知が実行されなくなるため、それを確認することで遊技ホールの管理者は上記不正行為が行われたことを把握することが可能となる。
特徴A5.内部空間の開放に際して痕跡が残るように形成された又は当該内部空間の開放に際して痕跡を残す痕跡手段を有するボックス(基板ボックス84)の前記内部空間に、前記第1監視制御手段又は前記報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段と前記第2監視制御手段を有する第2制御手段とが収容されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1監視制御手段又は報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段と第2監視制御手段を有する第2制御手段とが同一のボックスの内部空間に収容されているため、第1制御手段と第2制御手段との間に信号経路が存在する場合に、当該信号経路に不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、第2制御手段専用にボックスを設ける構成に比べ、ボックスの数を抑えることができるとともに、遊技機において制御用のボックスを設けるためのスペースの縮小化も図られる。特に、第1制御手段において第2制御手段が正常に動作しているか否かの監視が行われる構成や、第2制御手段における監視結果が第1制御手段を通じて第1報知手段にて実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の信号経路に不正が行われる可能性があるが、本特徴A5の構成によれば、かかる不正行為を好適に抑制することが可能となる。
特徴A6.前記第1制御手段は第1基板(副制御基板82)に設けられているとともに、前記第2制御手段は第2基板(監視制御基板83)に設けられていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1制御手段と第2制御手段とがそれぞれ別の基板に設けられていることにより、第1制御手段又は第2制御手段の一方に異常等が生じた場合には、その対応する基板のみを交換するだけで済む。
特徴A7.前記第1基板に設けられた第1接続部と前記第2基板に設けられた第2接続部とが信号線を介することなく接続されていることにより、前記第1基板と前記第2基板とが電気的に接続されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1基板と第2基板とが信号線を介することなく電気的に接続されているため、両基板間の信号経路に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。
特徴A8.前記第1制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続されている第1接続部(信号線用コネクタ88bに設けられた端子)と、前記第2制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続されている第2接続部(信号線用コネクタ88bに設けられた端子)とが、前記第1基板又は前記第2基板の一方に集約させて設けられていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1接続部と第2接続部とが、第1基板又は第2基板の一方に集約させて設けられているため、第2制御手段から送信される信号を伝送するための信号線に対して不正を行うべくそれを特定しようとしても、当該特定を行いづらくなる。
特徴A9.前記第1接続部及び前記第2接続部は前記ボックスに形成された開口部(開口部105)を通じて当該ボックス外部に露出しており、
前記第1接続部及び前記第2接続部は前記第1基板に集約させて設けられていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、ボックスに第1接続部及び第2接続部をボックス外部に露出させるための開口部が形成された構成においては、当該開口部を通じてボックス内にリード線などを挿入して第2制御手段や第2基板に対して不正を施そうとする行為が想定される。これに対して、第1接続部及び第2接続部が第1基板に集約させて設けられているため、ボックス内にリード線などが挿入されたとしても、当該リード線が第2制御手段や第2基板に到達しづらくなる。
特徴A10.前記第2監視制御手段は、所定の出力条件が成立した場合に自身が正常に動作していることを示す正常動作信号(報知有りコマンド又は報知無しコマンド)を出力するものであり、
前記正常動作信号が出力されているか否かを監視し、前記所定の出力条件が成立したにも関わらず前記正常動作信号が出力されない状況が発生した場合には所定の報知を行うための処理を実行する正常動作監視手段(副側MPU85におけるステップS1007、ステップS1207〜ステップS1209の各処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第2監視制御手段が正常に動作しているか否かが、正常動作監視手段にて監視されるため、第2監視制御手段が正常に動作しないように不正が施されたとしても、それに対処することが可能となる。
なお、上記特徴A5を備えた構成においては、前記第1制御手段が、前記正常動作監視手段を有する構成とすることが好ましい。また、上記特徴A6を備えた構成においては、前記第1制御手段が前記正常動作監視手段を有する又は前記第1基板に前記正常動作監視手段が設けられた構成とすることが好ましい。
特徴A11.前記報知制御手段は、
前記第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されて第1報知実行条件が成立していることに基づいて、前記第1の報知を実行するように前記第1報知手段を制御する第1監視用報知制御手段(副側MPU85における通常時の異常報知設定用処理を実行する機能)と、
前記第2監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されて第2報知実行条件が成立していることに基づいて、予め定められた第3の報知を実行するように前記第1報知手段を制御する第2監視用報知制御手段(副側MPU85における立ち上げ時の異常報知設定用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合における監視結果の報知が、第2報知手段だけでなく第1報知手段にて実行されるため、遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に監視対象の事象が発生した場合にはその報知をより明確に行うことができる。
特徴A12.終了受付部が手動操作されたこと又は終了受付部に対して所定の終了情報が入力されたことに基づいて、前記第2報知実行条件が成立している状態を解除させる報知解除制御手段(副側MPU85における報知解除用処理を実行する機能、監視側MPU91における異常報知解除用処理を実行する機能)を備え、
当該報知解除制御手段は、前記第1の報知が実行されている状況で前記第2報知実行条件が成立している場合には、前記終了受付部が手動操作されたとしても又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたとしても、前記第2報知実行条件が成立している状態を解除しないものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
第1報知手段にて第1の報知が実行されている状況では、第3の報知が実行されない又は第3の報知が実行されたとしてもそれが明確ではないおそれがある。これに対して、特徴A12によれば、第1の報知が実行されている状況で第2報知実行条件が成立している場合には、終了受付部を通じて第2報知実行条件が成立している状態を解除しようとしてもそれができなくなるため、第3の報知が実行されないまま又は第3の報知が遊技ホールの管理者に明確に認識されないまま第2報知実行条件が解除されてしまうことが抑制される。
特徴A13.前記報知制御手段は、前記第2監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、前記第2報知実行条件の成立として、報知実行用情報を記憶する報知制御側記憶手段(副側RAM152)を備え、
前記第2監視用報知制御手段は、前記報知制御側記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されていることに基づいて前記第3の報知を実行し、
前記報知解除制御手段は、前記終了受付部が手動操作されたこと又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたことに基づいて、前記報知制御側記憶手段から前記報知実行用情報を消去するとともに、前記第1の報知が実行されている状況で前記報知制御側記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されている場合には、前記終了受付部が手動操作されたとしても又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたとしても前記報知制御側記憶手段から前記報知実行用情報を消去しないものであることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1の報知が実行されている状況で第2報知実行条件が成立している場合には、終了受付部を通じて第2報知実行条件が成立している状態を解除しようとしてもそれができなくなるため、第3の報知が実行されないまま又は第3の報知が遊技ホールの管理者に明確に認識されないまま第2報知実行条件が解除されてしまうことが抑制される。
特徴A14.前記第2監視制御手段は、監視対象の事象が発生していると特定したことに基づいて、前記第2報知実行条件の成立として、報知実行用情報を記憶する第2監視側記憶手段(監視側RAM162)を備えるとともに、当該第2監視側記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されていることに基づいて、前記第2の報知を実行し、
前記第2監視用報知制御手段は、前記第2監視側記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されている場合に前記第2監視制御手段から報知実行信号が出力されたことに基づいて、前記第3の報知を実行し、
前記報知解除制御手段は、前記終了受付部が手動操作されたこと又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたことに基づいて、前記第2監視側記憶手段から前記報知実行用情報を消去するとともに、前記第1の報知が実行されている状況で前記第2監視側記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されている場合には、前記終了受付部が手動操作されたとしても又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力されたとしても前記第2監視側記憶手段から前記報知実行用情報を消去しないものであることを特徴とする特徴A12又はA13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1の報知が実行されている状況で第2報知実行条件が成立している場合には、終了受付部を通じて第2報知実行条件が成立している状態を解除しようとしてもそれができなくなるため、第2の報知及び第3の報知が実行されないまま又は第2の報知及び第3の報知が遊技ホールの管理者に明確に認識されないまま第2報知実行条件が解除されてしまうことが抑制される。
特徴A15.前記報知制御手段は、前記第1報知実行条件及び前記第2報知実行条件の両方が成立している場合に、前記第1監視用報知制御手段による前記第1の報知の実行制御と、前記第2監視用報知制御手段による前記第3の報知の実行制御とが段階的に行われるようにする段階設定手段(副側MPU85における通常処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第1の報知と第3の報知との両方の実行条件が成立したとしても、第1報知手段ではそれらの報知が段階的に行われる。したがって、第3の報知の実行条件が成立した場合には、かかる実行条件の成立が第1の報知に係る実行条件の成立と重複しているか否かに関係なく、第3の報知を明確に実行することが可能となる。
特徴A16.前記段階設定手段は、前記第1監視用報知制御手段による前記第1の報知の実行制御と、前記第2監視用報知制御手段による前記第3の報知の実行制御とが、予め定められた優先順位に従って段階的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1の報知と第3の報知との両方の実行条件が成立した場合には、それらの報知が予め定められた優先順位に従って段階的に行われるため、第1の報知と第3の報知との相対的な実行タイミングが明確となり、遊技ホールの管理者にとって両報知を明確に認識し易くなる。
特徴A17.前記第2監視制御手段は、
少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されている状況において、監視対象の事象が発生しているか否かを監視する監視実行手段(監視側MPU91における監視処理を実行する機能)と、
当該監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、前記第2の報知を実行する必要があることを示す要報知情報を記憶する要報知情報記憶手段(監視側RAM162の報知用監視履歴記憶エリア192)と、
当該要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、前記第2の報知を実行するように前記第2報知手段を制御する報知実行手段(監視側MPU91における異常報知設定用処理、表示制御処理及び異常報知解除用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況において監視対象の事象が発生した場合には、例えば遊技機自身に動作電力が供給されている状況において第2の報知を実行することが可能となるため、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況において監視対象の事象が発生した場合にはそれを遊技ホールの管理者に認識させ易くすることができる。
なお、前記監視対象の事象が複数種類設定された構成においては、「前記要報知情報」は、前記監視実行手段により特定された監視対象の事象の種類についての情報を含む情報であってもよく、「前記要報知情報」は、前記監視対象の事象の種類についての情報を含まずに、当該情報は別に記憶される構成としてもよい。
特徴A18.前記報知実行手段は、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、前記第2の報知を開始させる報知開始手段(監視側MPU91におけるステップS703の処理及びステップS809の処理を実行する機能)と、
予め定められた報知終了条件が成立したことに基づいて、前記第2の報知を終了させる報知終了手段(監視側MPU91におけるステップS909の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶された場合、当該要報知情報が記憶されていることに対する前記第2の報知は、前記報知終了手段による終了対象に一旦なったとしても、予め定められた解除条件が成立するまでは予め定められた報知開始条件が成立する度に再度開始されるよう構成されていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、予め定められた解除条件が成立するまでは、予め定められた報知開始条件が成立する度に、同一の要報知情報を要因として第2の報知が繰り返し実行される。これにより、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況において所定の装置などに不正を施した者が、遊技ホールの管理者に対して報知が行われないようにするために、不正を施すのに合わせて第2の報知を終了させたとしても、その際に解除条件が成立していないのであれば、第2の報知が再度実行される。したがって、遊技ホールの管理者にとっては上記不正行為を発見し易くなる。
なお、前記第2監視制御手段は、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されている状況において前記報知開始条件が成立した場合に、報知実行用情報を記憶する報知実行用情報記憶手段を備え、前記報知開始手段は、前記報知実行用情報記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されている状況において前記第2の報知が実行されていない場合に当該第2の報知を開始させるものであり、前記報知終了手段は、前記報知終了条件が成立したことに基づいて、前記報知実行用情報記憶手段から前記報知実行用情報を消去するとともに、前記第2の報知を終了させるものであり、さらに、前記第2監視制御手段は、前記解除条件が成立したことに基づいて、それまで報知対象となっていた前記要報知情報をその後に前記報知開始条件が成立したとしても報知対象とならないようにする報知対象解除手段を備えている構成としてもよい。
特徴A19.少なくとも前記第2の報知を終了させる場合に手動操作される又は少なくとも前記第2の報知を終了させる場合に所定の終了情報が入力される終了受付部(決定操作部114及び選択操作部115)を備え、
前記報知終了手段は、前記終了受付部が手動操作された場合又は前記終了受付部に対して前記終了情報が入力された場合に前記報知終了条件が成立しているとして前記第2の報知を終了させるものであることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、遊技ホールの管理者にとっては、終了受付部を手動操作する又は終了受付部に対して所定の終了情報を入力することで第2の報知を終了させることができるため、かかる報知を終了させる場合の作業性が向上する。但し、このように第2の報知を終了させる場合の作業性を向上させると、不正行為者にとっても第2の報知を終了させ易くなる。これに対して、上記特徴A18の構成を備え、解除条件が成立するまでは、同一の要報知情報を要因として第2の報知が開始されるため、仮に不正行為者によって第2の報知が終了させられたとしても第2の報知が再度開始されることで、遊技ホールの管理者にとって第2の報知を確認する機会が生じる。
特徴A20.前記報知実行手段は、
予め定められた解除許容状況において前記第2の報知が実行されている場合に前記報知終了条件が成立することで、前記解除条件が成立していると判定する解除条件成立判定手段(監視側MPU91におけるステップS911の処理を実行する機能)と、
当該解除条件成立判定手段により前記解除条件が成立していると判定されたことに基づいて、それまで報知対象となっていた前記要報知情報をその後に前記報知開始条件が成立したとしても報知対象とならないようにする報知対象解除手段(監視側MPU91におけるステップS913の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A18又はA19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、監視対象の事象が発生して要報知情報が記憶された場合には、解除許容状況となるだけでは当該要報知情報は依然として報知対象に維持され、解除許容状況において第2の報知が実行されるとともに当該第2の報知について報知終了条件が成立することで当該要報知情報は報知対象ではなくなる。つまり、要報知情報が記憶された場合には少なくとも1回は第2の報知が実行されるとともに、解除許容状況ではない状況で第2の報知が開始されて当該第2の報知が終了されたとしても、その後に少なくとも1回は第2の報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者にとって第2の報知を確認する機会が高まり、不正行為が行われたとしてもそれを発見し易くなる。
「解除許容状況」には、所定期間が含まれるとともに、キー操作や暗証番号入力がなされている状況も含まれる。
特徴A21.前記解除許容状況は、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されてから所定期間が経過している状況又は当該要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過している状況のことであることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、監視対象の事象が発生して要報知情報が記憶された場合、当該要報知情報が報知対象とならないようにするためには、当該要報知情報が記憶されてから所定期間が経過した後に又は当該要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した後に、第2の報知の報知終了条件を成立させる必要が生じる。不正行為者が遊技機に対して不正を施した後に遊技ホールに居続けることは起こり難いと考えられるため、再報知の解除を不正行為者が行うことは困難なものとなる。
なお、「所定期間が経過している状況」を特定する構成として具体的には、RTCやカウンタエリアといった計測手段を用いて所定期間の計測を行い、解除許容状況か否かの判定はかかる計測手段にて計測されている情報に基づいて行う構成としてもよい。
特徴A22.前記監視実行手段における監視対象の事象は複数種類設定されており、
前記要報知情報記憶手段は複数の記憶領域を備えており、それら複数の記憶領域のそれぞれには、前記要報知情報として、所定の監視期間において前記監視実行手段により発生が特定された事象の種類の情報を含む情報が順次記憶される構成であり、
前記報知開始手段は、前記要報知情報記憶手段に複数種類の事象に関して報知対象の要報知情報が記憶されている場合には、前記報知開始条件が成立する度に、それら要報知情報に対応した全ての種類の事象についてそれら事象の種類の内容が分かる態様で前記第2の報知を開始させるものであり、
前記報知対象解除手段は、前記要報知情報記憶手段に報知対象の要報知情報が記憶されている状況において前記監視実行手段により前記監視対象の事象の発生が新たに特定されて前記要報知情報記憶手段に新たな要報知情報が記憶された場合、当該新たな要報知情報が前記要報知情報記憶手段に記憶されてから所定期間が経過した状態で又は当該新たな要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した状態で当該新たな要報知情報が報知対象とならないように設定するまでは、既に記憶されていた報知対象の前記要報知情報を報知対象として維持するものであることを特徴とする特徴A20又はA21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、遊技機に対して複数種の不正が施されたとしても、遊技ホールの管理者にとっては第2の報知を確認することでそれらの不正の種類を個別に把握することができる。
また、不正行為者が重度の不正を施した後に、他の監視対象の事象を発生させることが想定される。この場合、先に施した不正については第2の報知が実行されないが、後に施した不正については第2の報知が実行される構成を想定すると、遊技ホールの管理者が不正の本質を見誤ることが懸念される。これに対して、本特徴A22によれば、既に要報知情報が記憶されている状況において新たに要報知情報が記憶された場合には、当該新たな要報知情報が記憶されてから所定期間が経過した状態で又は当該新たな要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した状態で当該新たな要報知情報が報知対象とならないように設定されるまでは既に記憶されていた報知対象の要報知情報は報知対象として維持されるため、上記後に施した不正について第2の報知が実行される場合には上記先に施した不正について第2の報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者が不正の本質を見誤る可能性が低減される。
特徴A23.前記第2監視制御手段は、前記解除条件を変更可能な解除条件変更手段(監視側MPU91における終了基準変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A18乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、解除条件を変更することができるため、不正行為者にとっては解除条件に不規則性が生じ、解除条件の特定が行いづらくなる。
特徴A24.前記解除条件変更手段は、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されている状況においては前記解除条件の変更を不可とするものであることを特徴とする特徴A23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、不正行為者が遊技機に搭載された装置などに不正を施した後に解除条件を変更して第2の報知が実行されないようにしようとする行為を阻止することが可能となる。
特徴A25.少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記第2監視制御手段に動作電力を供給する電断中用電源手段(電断中用電源部93)を備え、
前記監視実行手段は、遊技機自身に動作電力が供給されている場合及び遊技機自身に動作電力が供給されていない場合の両方の状況において、監視対象の事象が発生しているか否かを監視するものであり、
前記第2監視制御手段は、
当該監視実行手段において監視を行うことが可能な期間のうち、所定の監視期間の情報を記憶する監視期間情報記憶手段(監視側RAM162の報知用監視期間記憶エリア195)と、
前記所定の監視期間において前記監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報を記憶させる要報知情報記憶実行手段(監視側MPU91におけるステップS511の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A17乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A25によれば、第2監視制御手段において、遊技機自身に動作電力が供給されている場合及び遊技機自身に動作電力が供給されていない場合のいずれにおいても監視を行えるようにしつつ、第2の報知が必要以上に実行されることを抑えることが可能となる。
なお、前記第2監視制御手段は、前記所定の監視期間を変更可能な監視期間変更手段を備えた構成としてもよい。また、このように監視期間変更手段を備えた構成においては、前記第2監視制御手段は、所定のキー操作又は所定の暗証情報登録操作がなされた場合に前記監視期間変更手段による前記所定の監視期間の変更を許可する変更許可手段を備えた構成としてもよい。
特徴A26.前記監視実行手段により監視される監視対象の事象は複数種類設定されており、
前記要報知情報記憶実行手段は、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち一部の事象については前記所定の監視期間に発生した場合に当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させ、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち他の事象については前記所定の監視期間に発生した場合及び前記所定の監視期間外に発生した場合のいずれにおいても当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
特徴A26によれば、複数種類設定された監視対象の事象のうち報知が優先されるべき事象についてはその発生したタイミングが所定の監視期間中であるか否かに関係なく第2の報知を実行するようにしつつ、報知が優先されるべき事象以外の事象についてはその発生したタイミングが所定の監視期間中である場合にのみ要報知情報を記憶する構成としたことにより要報知情報記憶手段に必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A27.支持対象(筐体11)に対して開閉可能に支持された開閉体(前面扉12)を備え、当該開閉体を開放状態とすることで遊技機内部又は遊技機の背面側が開放される構成であり、
前記監視実行手段により監視される複数種類の監視対象の事象として前記開閉体が開放されたか否かの事象が含まれているとともに、当該事象が前記一部の事象に含まれていることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
開閉体の開放は、遊技機に搭載された装置のメンテナンスなどに際して遊技ホールの営業中に比較的高い頻度で行われる。そして、かかる開閉体の開放は、当然のことながら不正行為に該当しない。その一方、不正行為者は、開閉体を開放させた状態で不正を施すものと考えられる。このような事情において、特徴A27によれば、所定の監視期間に開閉体の開放が行われた場合にはそれに対して要報知情報を記憶して第2の報知を実行するようにし、所定の監視期間外に開閉体の開放が行われた場合には要報知情報を記憶しないようにしたことにより、上記不正行為を好適に監視しつつ、不正行為に該当しない開閉体の開放に対して要報知情報が記憶されること及び第2の報知が実行されてしまうことが抑えられる。
特徴A28.前記第2監視制御手段は、前記第2の報知を実行する場合、遊技機自身への動作電力の供給が開始されたことに基づいて、前記第2の報知を開始するものであることを特徴とする特徴A1乃至A27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A28によれば、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況において監視対象の事象が発生した場合に、遊技機自身に動作電力が供給されている状況において第2の報知を実行する構成において、遊技ホールの管理者にとって第2の報知の開始タイミングが明確となるとともに、当該第2の報知を比較的早いタイミングで開始することができる。
特徴A29.前記第2監視制御手段は、前記第2の報知を実行する場合、遊技機自身に動作電力が供給されている状況において遊技媒体の払出に係る異常が発生したことに基づいて、前記第2の報知を開始するものであることを特徴とする特徴A1乃至A28のいずれか1に記載の遊技機。
遊技機に対する不正は、遊技媒体の払出を不正に受けることを目的として行われるものと考えられる。この場合に、特徴A29によれば、遊技媒体の払出に係る異常が発生したことに基づいて第2の報知が開始されるため、遊技ホールの管理者にとっては不正行為に対して適切に対処することが可能となる。
特徴A30.少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記第2監視制御手段に動作電力を供給する電断中用電源手段(電断中用電源部93)を備え、
前記第2監視制御手段は、当該第2監視制御手段に動作電力が供給されている状況において少なくとも時刻情報を計測するための計測手段(RTC163)を備え、当該計測手段の計測結果に基づいて前記第2の報知を実行する場合には監視対象の事象が発生した時刻の情報が少なくとも報知される構成であり、
さらに、前記第2監視制御手段は、
前記計測手段にて計測されている情報を修正可能な修正手段(監視側MPU91におけるステップS608の処理を実行する機能)と、
前記第2監視制御手段自身に動作電力が供給されていない状況が発生したか否かを判定する電力遮断判定手段(監視側MPU91におけるステップS602の処理を実行する機能)と、
当該電力遮断判定手段により第2監視制御手段自身に動作電力が供給されていない状況が発生したと判定されたことに基づいて、予め定められた特別報知が実行されるように前記第2報知手段又は当該第2報知手段とは異なる報知手段を制御する特別報知実行手段(監視側MPU91におけるステップS603及びステップS823の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A29のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A30によれば、第2の報知が実行される場合、少なくとも監視対象の事象が発生した時刻の情報が報知されるため、例えば、遊技ホールに監視カメラなどが設置されている場合には、遊技ホールの管理者は第2の報知によって特定した時刻の監視カメラの映像を確認することで、不正行為者の特定などを行うことが可能となる。この場合に、電断中電源手段からの動作電力の供給が停止されることが想定され、そうすると計測手段において計測されている時刻の情報が正確ではなくなる可能性が生じる。これに対して、特徴A30によれば、第2監視制御手段自身に動作電力が供給されていない状況が発生した場合には、特別報知が実行されるため、遊技ホールの管理者に計測手段において計測されている時刻の情報の修正を促すことが可能となる。
特徴B1.予め定められた監視対象の事象が発生しているか否かを監視する監視実行手段(監視側MPU91における監視処理を実行する機能)と、
当該監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に要報知情報を記憶する要報知情報記憶手段(監視側RAM162の報知用監視履歴記憶エリア192)と、
当該要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、報知手段において予め定められた特別報知が実行されるようにする報知実行手段(監視側MPU91における異常報知設定用処理、表示制御処理及び異常報知解除用処理を実行する機能)と、
を備え、
当該報知実行手段は、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、前記特別報知を開始させる報知開始手段(監視側MPU91におけるステップS703の処理及びステップS809の処理を実行する機能)と、
予め定められた報知終了条件が成立したことに基づいて、前記特別報知を終了させる報知終了手段(監視側MPU91におけるステップS909の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶された場合、当該要報知情報が記憶されていることに対する前記特別報知は、前記報知終了手段による終了対象に一旦なったとしても、予め定められた報知開始条件が成立した場合に再度開始されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、予め定められた報知開始条件が成立した場合には、同一の要報知情報を要因として第2の報知が再度実行される。これにより、所定の装置などに不正を施した者が、遊技ホールの管理者に対して報知が行われないようにするために、不正を施すのに合わせて特別報知を終了させたとしても、その際に解除条件が成立していないのであれば、特別報知が再度実行される。したがって、遊技ホールの管理者にとっては上記不正行為を発見し易くなる。
特徴B2.予め定められた監視対象の事象が発生しているか否かを監視する監視実行手段(監視側MPU91における監視処理を実行する機能)と、
当該監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に要報知情報を記憶する要報知情報記憶手段(監視側RAM162の報知用監視履歴記憶エリア192)と、
当該要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、報知手段において予め定められた特別報知が実行されるようにする報知実行手段(監視側MPU91における異常報知設定用処理、表示制御処理及び異常報知解除用処理を実行する機能)と、
を備え、
当該報知実行手段は、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、前記特別報知を開始させる報知開始手段(監視側MPU91におけるステップS703の処理及びステップS809の処理を実行する機能)と、
予め定められた報知終了条件が成立したことに基づいて、前記特別報知を終了させる報知終了手段(監視側MPU91におけるステップS909の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶された場合、当該要報知情報が記憶されていることに対する前記特別報知は、前記報知終了手段による終了対象に一旦なったとしても、予め定められた解除条件が成立するまでは予め定められた報知開始条件が成立する度に再度開始されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、予め定められた解除条件が成立するまでは、予め定められた報知開始条件が成立する度に、同一の要報知情報を要因として第2の報知が繰り返し実行される。これにより、所定の装置などに不正を施した者が、遊技ホールの管理者に対して報知が行われないようにするために、不正を施すのに合わせて特別報知を終了させたとしても、その際に解除条件が成立していないのであれば、特別報知が再度実行される。したがって、遊技ホールの管理者にとっては上記不正行為を発見し易くなる。
なお、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されている状況において前記報知開始条件が成立した場合に、報知実行用情報を記憶する報知実行用情報記憶手段を備え、前記報知開始手段は、前記報知実行用情報記憶手段に前記報知実行用情報が記憶されている状況において前記特別報知が実行されていない場合に当該特別報知を開始させるものであり、前記報知終了手段は、前記報知終了条件が成立したことに基づいて、前記報知実行用情報記憶手段から前記報知実行用情報を消去するとともに、前記特別報知を終了させるものであり、さらに、前記解除条件が成立したことに基づいて、それまで報知対象となっていた前記要報知情報をその後に前記報知開始条件が成立したとしても報知対象とならないようにする報知対象解除手段を備えている構成としてもよい。
特徴B3.前記特別報知を終了させる場合に終了情報を受け付ける終了受付手段を備え、
前記報知終了手段は、前記終了受付手段にて前記終了情報を受け付けた場合に前記報知終了条件が成立しているとして前記特別報知を終了させるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遊技ホールの管理者にとっては、終了受付手段に終了情報を受け付けさせることで特別報知を終了させることができるため、かかる報知を終了させる場合の作業性が向上する。但し、このように特別報知を終了させる場合の作業性を向上させると、不正行為者にとっても特別報知を終了させ易くなる。これに対して、上記特徴B2の構成を備え、解除条件が成立するまでは、同一の要報知情報を要因として特別報知が開始されるため、仮に不正行為者によって特別報知が終了させられたとしても特別報知が再度開始されることで、遊技ホールの管理者にとって特別報知を確認する機会が生じる。
特徴B4.前記報知実行手段は、
予め定められた解除許容状況において前記特別報知が実行されている場合に前記報知終了条件が成立することで、前記解除条件が成立していると判定する解除条件成立判定手段(監視側MPU91におけるステップS911の処理を実行する機能)と、
当該解除条件成立判定手段により前記解除条件が成立していると判定されたことに基づいて、それまで報知対象となっていた前記要報知情報をその後に前記報知開始条件が成立したとしても報知対象とならないようにする報知対象解除手段(監視側MPU91におけるステップS913の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、監視対象の事象が発生して要報知情報が記憶された場合には、解除許容状況となるだけでは当該要報知情報は依然として報知対象に維持され、解除許容状況において特別報知が実行されるとともに当該特別報知について報知終了条件が成立することで当該要報知情報は報知対象ではなくなる。つまり、要報知情報が記憶された場合には少なくとも1回は特別報知が実行されるとともに、解除許容状況ではない状況で特別報知が開始されて当該特別報知が終了されたとしても、その後に少なくとも1回は特別報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者にとって特別報知を確認する機会が高まり、不正行為が行われたとしてもそれを発見し易くなる。
「解除許容状況」には、所定期間が含まれるとともに、キー操作や暗証番号入力がなされている状況も含まれる。
特徴B5.前記解除許容状況は、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されてから所定期間が経過している状況又は当該要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過している状況のことであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、監視対象の事象が発生して要報知情報が記憶された場合、当該要報知情報が報知対象とならないようにするためには、当該要報知情報が記憶されてから所定期間が経過した後に又は当該要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した後に、特別報知の報知終了条件を成立させる必要が生じる。不正行為者が遊技機に対して不正を施した後に遊技ホールに居続けることは起こり難いと考えられるため、再報知の解除を不正行為者が行うことは困難なものとなる。
なお、「所定期間が経過している状況」を特定する構成として具体的には、RTCやカウンタエリアといった計測手段を用いて所定期間の計測を行い、解除許容状況か否かの判定はかかる計測手段にて計測されている情報に基づいて行う構成としてもよい。
特徴B6.前記監視実行手段における監視対象の事象は複数種類設定されており、
前記要報知情報記憶手段は複数の記憶領域を備えており、それら複数の記憶領域のそれぞれには、前記要報知情報として、所定の監視期間において前記監視実行手段により発生が特定された事象の種類の情報を含む情報が順次記憶される構成であり、
前記報知開始手段は、前記要報知情報記憶手段に複数種類の事象に関して報知対象の要報知情報が記憶されている場合には、前記報知開始条件が成立する度に、それら要報知情報に対応した全ての種類の事象についてそれら事象の種類の内容が分かる態様で前記特別報知を開始させるものであり、
前記報知対象解除手段は、前記要報知情報記憶手段に報知対象の要報知情報が記憶されている状況において前記監視実行手段により前記監視対象の事象の発生が新たに特定されて前記要報知情報記憶手段に新たな要報知情報が記憶された場合、当該新たな要報知情報が前記要報知情報記憶手段に記憶されてから所定期間が経過した状態で又は当該新たな要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した状態で当該新たな要報知情報が報知対象とならないように設定するまでは、既に記憶されていた報知対象の前記要報知情報を報知対象として維持するものであることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技機に対して複数種の不正が施されたとしても、遊技ホールの管理者にとっては特別報知を確認することでそれらの不正の種類を個別に把握することができる。
また、不正行為者が重度の不正を施した後に、他の監視対象の事象を発生させることが想定される。この場合、先に施した不正については特別報知が実行されないが、後に施した不正については特別報知が実行される構成を想定すると、遊技ホールの管理者が不正の本質を見誤ることが懸念される。これに対して、本特徴B6によれば、既に要報知情報が記憶されている状況において新たに要報知情報が記憶された場合には、当該新たな要報知情報が記憶されてから所定期間が経過した状態で又は当該新たな要報知情報に係る事象が発生してから所定期間が経過した状態で当該新たな要報知情報が報知対象とならないように設定されるまでは既に記憶されていた報知対象の要報知情報は報知対象として維持されるため、上記後に施した不正について特別報知が実行される場合には上記先に施した不正について特別報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者が不正の本質を見誤る可能性が低減される。
特徴B7.前記解除条件を変更可能な解除条件変更手段(監視側MPU91における終了基準変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、解除条件を変更することができるため、不正行為者にとっては解除条件に不規則性が生じ、解除条件の特定が行いづらくなる。
特徴B8.前記解除条件変更手段は、前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されている状況においては前記解除条件の変更を不可とするものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、不正行為者が遊技機に搭載された装置などに不正を施した後に解除条件を変更して特別報知が実行されないようにしようとする行為を阻止することが可能となる。
特徴B9.遊技機自身に動作電力が供給されている場合に動作可能であり、所定の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第1監視制御手段(主側MPU122)と、
当該第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、予め定められた報知が実行されるようにする制御する報知制御手段と、
前記監視実行手段、前記要報知情報記憶手段及び前記報知実行手段を有し、前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは物理的に独立して設けられた第2監視制御手段と、
を備え、
前記監視実行手段は、少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記監視対象の事象が発生しているか否かを監視するものであることを特徴とする特徴B2乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されている場合において所定の監視を行うことができるとともに、第2監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況であっても所定の監視を行うことができる。また、第1監視制御手段と第2監視制御手段とが物理的に独立して設けられているため、これら両監視制御手段が同一の素子などとして設けられている構成に比べ、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況で必要な動作電力の低電力化を図ることができる。
なお、本特徴B9に対して、上記特徴A5乃至A16、A25乃至A30のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。この場合、「特別報知」は「第2の報知」に相当する。また、「第1報知手段」と「第2報知手段」とが別の「報知手段」であることは必須ではなく、「第1報知手段」と「第2報知手段」とが共通の「報知手段」であるものとして適用してもよい。
特徴C1.遊技機自身に動作電力が供給されている場合に動作可能であり、所定の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第1監視制御手段(主側MPU122)と、
前記第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、予め定められた第1の報知が実行されるようにする報知制御手段(副側MPU85)と、
少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に動作可能であり、さらに前記所定の事象又は前記所定の事象とは異なる事象が発生しているか否かの監視制御を実行するとともに、監視対象の事象が発生していると特定したことに基づいて、予め定められた第2の報知が実行されるようにする第2監視制御手段(監視側MPU91)と、
を備え、
内部空間の開放に際して痕跡が残るように形成された又は当該内部空間の開放に際して痕跡を残す痕跡手段が設けられたボックス(基板ボックス84)の前記内部空間に、前記第1監視制御手段又は前記報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段と前記第2監視制御手段を有する第2制御手段とが収容されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されている場合において所定の監視を行うことができるとともに、第2監視制御手段が設けられていることにより、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況であっても所定の監視を行うことができる。また、第1監視制御手段及び報知制御手段と第2監視制御手段とが物理的に独立して設けられているため、これら手段が同一の素子などとして設けられている構成に比べ、遊技機自身に動作電力が供給されていない状況で必要な動作電力の低電力化を図ることができる。
この場合に、前記第1監視制御手段又は報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段と第2監視制御手段を有する第2制御手段とが同一のボックスの内部空間に収容されているため、第1制御手段と第2制御手段との間に信号経路が存在する場合に、当該信号経路に不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、第2制御手段専用にボックスを設ける構成に比べ、ボックスの数を抑えることができるとともに、遊技機において制御用のボックスを設けるためのスペースの縮小化も図られる。特に、第1制御手段において第2制御手段が正常に動作しているか否かの監視が行われる構成や、第2制御手段における監視結果が第1制御手段を通じて第1報知手段にて実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の信号経路に不正が行われる可能性があるが、本特徴C1の構成によれば、かかる不正行為を好適に抑制することが可能となる。
特徴C2.前記第1制御手段は第1基板(副制御基板82)に設けられているとともに、前記第2制御手段は第2基板(監視制御基板83)に設けられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1制御手段と第2制御手段とがそれぞれ別の基板に設けられていることにより、第1制御手段又は第2制御手段の一方に異常等が生じた場合には、その対応する基板のみを交換するだけで済む。
特徴C3.前記第1基板に設けられた第1接続部と前記第2基板に設けられた第2接続部とが信号線を介することなく接続されていることにより、前記第1基板と前記第2基板とが電気的に接続されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1基板と第2基板とが信号線を介することなく電気的に接続されているため、両基板間の信号経路に対して不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。
特徴C4.前記第1制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続されている第1接続部(信号線用コネクタ88bに設けられた端子)と、前記第2制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続されている第2接続部(信号線用コネクタ88bに設けられた端子)とが、前記第1基板又は前記第2基板の一方に集約させて設けられていることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1接続部と第2接続部とが、第1基板又は第2基板の一方に集約させて設けられているため、第2制御手段から送信される信号を伝送するための信号線に対して不正を行うべくそれを特定しようとしても、当該特定を行いづらくなる。
特徴C5.前記第1接続部及び前記第2接続部は前記ボックスに形成された開口部(開口部105)を通じて当該ボックス外部に露出しており、
前記第1接続部及び前記第2接続部は前記第1基板に集約させて設けられていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、ボックスに第1接続部及び第2接続部をボックス外部に露出させるための開口部が形成された構成においては、当該開口部を通じてボックス内にリード線などを挿入して第2制御手段や第2基板に対して不正を施そうとする行為が想定される。これに対して、第1接続部及び第2接続部が第1基板に集約させて設けられているため、ボックス内にリード線などが挿入されたとしても、当該リード線が第2制御手段や第2基板に到達しづらくなる。
特徴C6.前記第2監視制御手段は、所定の出力条件が成立した場合に自身が正常に動作していることを示す正常動作信号(報知有りコマンド又は報知無しコマンド)を出力するものであり、
前記第1制御手段は、前記正常動作信号が出力されているか否かを監視し、前記所定の出力条件が成立したにも関わらず前記正常動作信号が出力されない状況が発生した場合には所定の報知を行うための処理を実行する正常動作監視手段(副側MPU85におけるステップS1007、ステップS1207〜ステップS1209の各処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第2監視制御手段が正常に動作しているか否かが、正常動作監視手段にて監視されるため、第2監視制御手段が正常に動作しないように不正が施されたとしても、それに対処することが可能となる。
なお、上記特徴C1乃至C6のいずれか1に対して、上記特徴A2乃至A4、A11乃至A30のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。この場合、「第1報知手段」と「第2報知手段」とが別の「報知手段」であることは必須ではなく、「第1報知手段」と「第2報知手段」とが共通の「報知手段」であるものとして適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
第1の実施の形態におけるスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 副制御装置の斜視図である。 副制御装置の分解斜視図である。 スロットマシンのブロック図である。 主側MPUにより実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 異常の監視及び監視結果の報知に関する電気的構成を示すブロック図である。 (a)接続ユニットの構成を示す正面図であり、(b),(c)別の接続ユニットの構成を示す断面図である。 (a)副側RAMの構成を示す説明図であり、(b)監視側RAMの構成を示す説明図である。 監視側MPUにより実行される通常処理を示すフローチャートである。 監視処理を示すフローチャートである。 時間等設定用処理を示すフローチャートである。 異常報知設定用処理を示すフローチャートである。 表示制御処理を示すフローチャートである。 異常報知解除用処理を示すフローチャートである。 副側MPUにより実行される通常処理を示すフローチャートである。 通常時の異常報知設定用処理を示すフローチャートである。 立ち上げ時の異常報知設定用処理を示すフローチャートである。 報知解除用処理を示すフローチャートである。 監視側MPUにて特定された異常に対する報知の様子を示すタイムチャートである。 第2の実施の形態における異常報知設定用処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における終了基準変更処理を示すフローチャートである。
10…スロットマシン、11…筐体、12…前面扉、63…演出用表示装置、82…副制御基板、83…監視制御基板、84…基板ボックス、85…副側MPU、88b…信号線用コネクタ、91…監視側MPU、93…電断中用電源部、105…開口部、111…報知用装置、114…決定操作部、115…選択操作部、122…主側MPU、152…副側RAM、162…監視側RAM、163…RTC、172…第1接続ユニット、173…第2接続ユニット、192…報知用監視履歴記憶エリア。

Claims (1)

  1. 遊技機自身に動作電力が供給されている場合に動作可能であり、所定の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第1監視制御手段と、
    当該第1監視制御手段において監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、予め定められた第1の報知が実行されるように第1報知手段を制御する報知制御手段と、
    前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段とは別に設けられ、監視対象の事象が発生しているか否かの監視制御を実行する第2監視制御手段と、
    少なくとも遊技機自身に動作電力が供給されていない場合に前記第2監視制御手段に動作電力を供給する電断中用電源手段と、
    前記第1報知手段とは別に設けられた第2報知手段と、
    を備え、
    前記第1監視制御手段及び前記報知制御手段の少なくとも一方を有する第1制御手段は第1基板に設けられており、
    前記第2監視制御手段を有する第2制御手段は第2基板に設けられており、
    内部空間の開放に際して痕跡が残るように形成された又は当該内部空間の開放に際して痕跡を残す痕跡手段が設けられたボックスの前記内部空間に、前記第1基板及び前記第2基板が収容されており、
    前記第1制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続される第1接続部と、前記第2制御手段が前記ボックスの外部に設けられたものとの間で信号の伝送を行うための信号線が接続される第2接続部とが、前記第1基板に集約させて設けられており、これら第1接続部及び第2接続部は前記ボックスに形成された開口部を通じて当該ボックス外部に露出しており、
    前記第2監視制御手段は、
    遊技機自身に動作電力が供給されている場合及び遊技機自身に動作電力が供給されていない場合の両方の状況において、監視対象の事象が発生しているか否かを監視する監視実行手段と、
    当該監視実行手段において監視を行うことが可能な期間のうち、所定の監視期間の情報を記憶する監視期間情報記憶手段と、
    前記所定の監視期間において前記監視実行手段により前記監視対象の事象が発生していると特定されたことに基づいて、要報知情報記憶手段に要報知情報を記憶させる要報知情報記憶実行手段と、
    前記要報知情報記憶手段に前記要報知情報が記憶されていることに基づいて、第2の報知を実行するように前記第2報知手段を制御する報知実行手段と、
    を備え、
    前記監視実行手段により監視される監視対象の事象は複数種類設定されており、
    前記要報知情報記憶実行手段は、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち一部の事象については前記所定の監視期間に発生した場合に当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させ、前記複数種類設定された監視対象の事象のうち他の事象については前記所定の監視期間に発生した場合及び前記所定の監視期間外に発生した場合のいずれにおいても当該事象に対応した情報を前記要報知情報として前記要報知情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機。
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